説明

情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム

【課題】複数のアプリケーションプログラムに関する表示を行う場合に、どのアプリケーションプログラムにエラーが発生したかを利用者が把握することができるようにした情報処理装置を提供する。
【解決手段】複数のアプリケーションプログラムに関する表示を行うことができる情報処理装置であって、エラー発生検知手段は、エラーの発生を検知し、アプリケーション状態検知手段は、アプリケーションプログラムの状態を検知し、アプリケーション抽出手段は、前記エラー発生検知手段によってエラーの発生を検知した場合は、前記アプリケーション状態検知手段によって検知されたアプリケーションプログラムの状態に基づいて、該エラーに対応するアプリケーションプログラムを抽出し、表示手段は、前記アプリケーション抽出手段によって抽出されたアプリケーションプログラムに関する表示を、他のアプリケーションプログラムに関する表示とは異ならせて表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のアプリケーションプログラムに関する表示を行うことができる情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話端末等の情報処理装置により情報を提供する様々なサービスがある。例えば、電子メールの送受信を行うメーラープログラム、他のサーバと通信を行って天気予報等の情報を表示するアプリケーションプログラムがある。これらのプログラムが動作するにあたって、例えば、通信における障害が発生してエラー表示をする必要が生じることがある。
【0003】
これに関連する技術として、例えば、特許文献1には、エラー発生時点において、所定のアクセス回数とエラー回数に応じて、異なるエラー通知を行うことを課題とし、端末からサーバに対するアクセス処理におけるエラーを低減するために、サーバがエラー通知方法において、端末からのアクセス処理におけるアクセス回数とエラー回数とを収集し、分類して蓄積する第1ステップと、所定測定期間と所定アクセス回数とに応じて、分類ごとにアクセス回数とエラー回数とからエラー発生頻度を算出する第2ステップと、分類ごとにエラー発生頻度に応じたエラー頻度レベルを決定する第3ステップと、端末への操作画面ごとに、分類ごとのエラー頻度レベルに応じて、エラー通知の処置プロセスを特定する第4ステップとを備えたことが開示されている。
【0004】
また、例えば、特許文献2には、WWWサーバ自体が故障したことを示すテキストデータを、不特定多数の端末装置にリアルタイムで送信することを課題とし、WWWサーバは、WWWサーバ自体に故障が発生したか否かを判定するWWWサーバ監視部と、WWWサーバ自体に異常が発生したと判定した場合に、通信ネットワークを介して閲覧要求してきた端末装置のIPアドレスを取得する送信元特定部と、WWWサーバ自体に故障が発生したことを示すテキストデータを、取得されたIPアドレスに対応する端末装置に送信する故障情報送信部とを備えて構成することが開示されている。
【0005】
また、例えば、特許文献3には、簡単な構成でデータ中継装置の状況をデータ端末装置側で迅速に把握することができる情報通知システム、該システムにおける情報通知方法、データ中継装置、データ端末装置及び記憶媒体を提供することを課題とし、携帯端末装置及びホストコンピュータ間のデータ通信はデータ中継装置の中継によりなされ、端末装置及び中継装置間の通信は光通信部を介してなされ、中継装置及びホストコンピュータ間の通信はLAN制御部を介してなされ、中継装置は、電源投入時にパワーオンセルフテストを行い自己検知した異常内容(エラー情報)を端末装置との上記データ通信経路を介して送信し、端末装置では、光通信部の受信バッファにある受信データがエラー情報である場合はそのエラー情報を表示部により表示することが開示されている。
【特許文献1】特開2004−302664号公報
【特許文献2】特開2004−133546号公報
【特許文献3】特開2001−34594号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような従来の技術では、いずれも1つのディスプレイにおける単数のアプリケーションプログラムに対するエラー表示に関するものであり、複数のアプリケーションプログラムに関するエラー表示を1つのディスプレイにおいて行う場合に、どのアプリケーションプログラムに対するエラー表示であるかを利用者は把握することが困難であるという問題点があった。さらに、悪意あるプログラムによっては、偽のエラー表示を行ってフィッシング詐欺が行われた場合に、それを見破ることが困難であるという問題点があった。
本発明は、このような従来の技術が有する問題点に着目してなされたもので、複数のアプリケーションプログラムに関する表示を行う場合に、どのアプリケーションプログラムにエラーが発生したかを利用者が把握することができ、さらに、偽のエラー表示を行ってフィッシング詐欺をするような悪意あるプログラムを察知することが容易になるようにした情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
[1] 複数のアプリケーションプログラムに関する表示を行うことができる情報処理装置であって、エラーの発生を検知するエラー発生検知手段と、アプリケーションプログラムの状態を検知するアプリケーション状態検知手段と、前記エラー発生検知手段によってエラーの発生を検知した場合は、前記アプリケーション状態検知手段によって検知されたアプリケーションプログラムの状態に基づいて、該エラーに対応するアプリケーションプログラムを抽出するアプリケーション抽出手段と、前記アプリケーション抽出手段によって抽出されたアプリケーションプログラムに関する表示を、他のアプリケーションプログラムに関する表示とは異ならせて表示させる表示手段を具備することを特徴とする情報処理装置。
【0008】
[2] 前記エラー発生検知手段は、エラーの種別を検知し、前記表示手段は、前記エラー発生検知手段によって検知されたエラーの種別に応じて、前記アプリケーション抽出手段によって抽出されたアプリケーションプログラムに関する表示を、他のアプリケーションプログラムに関する表示とは異ならせて表示させることを特徴とする[1]に記載の情報処理装置。
【0009】
[3] 前記情報処理装置は、通信可能な装置であって、前記エラー発生検知手段のみが、複数のアプリケーションプログラムの通信によって発生するエラーを検知することを特徴とする[1]又は[2]に記載の情報処理装置。
【0010】
[4] 複数のアプリケーションプログラムに関する表示を行うことができる情報処理装置が行う情報処理方法であって、エラーの発生を検知するエラー発生検知ステップと、アプリケーションプログラムの状態を検知するアプリケーション状態検知ステップと、前記エラー発生検知ステップによってエラーの発生を検知した場合は、前記アプリケーション状態検知ステップによって検知されたアプリケーションプログラムの状態に基づいて、該エラーに対応するアプリケーションプログラムを抽出するアプリケーション抽出ステップと、前記アプリケーション抽出ステップによって抽出されたアプリケーションプログラムに関する表示を、他のアプリケーションプログラムに関する表示とは異ならせて表示させる表示ステップを具備することを特徴とする情報処理方法。
【0011】
[5] 複数のアプリケーションプログラムに関する表示を行うことができる情報処理装置で動作する情報処理プログラムであって、前記情報処理装置を、エラーの発生を検知するエラー発生検知手段と、アプリケーションプログラムの状態を検知するアプリケーション状態検知手段と、前記エラー発生検知手段によってエラーの発生を検知した場合は、前記アプリケーション状態検知手段によって検知されたアプリケーションプログラムの状態に基づいて、該エラーに対応するアプリケーションプログラムを抽出するアプリケーション抽出手段と、前記アプリケーション抽出手段によって抽出されたアプリケーションプログラムに関する表示を、他のアプリケーションプログラムに関する表示とは異ならせて表示させる表示手段として機能させることを特徴とする情報処理プログラム。
【0012】
前記本発明は次のように作用する。
本発明における情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムでは、エラー発生検知手段は、エラーの発生を検知し、アプリケーション状態検知手段は、アプリケーションプログラムの状態を検知し、アプリケーション抽出手段は、前記エラー発生検知手段によってエラーの発生を検知した場合は、前記アプリケーション状態検知手段によって検知されたアプリケーションプログラムの状態に基づいて、該エラーに対応するアプリケーションプログラムを抽出し、表示手段は、前記アプリケーション抽出手段によって抽出されたアプリケーションプログラムに関する表示を、他のアプリケーションプログラムに関する表示とは異ならせて表示させる。これによって、複数のアプリケーションプログラムに関する表示を行う場合に、どのアプリケーションプログラムにエラーが発生したかを利用者が把握することができる。さらに、エラー表示と対応するアプリケーションプログラムが明確になるので、偽のエラー表示を行ってフィッシング詐欺をするような悪意あるプログラムを察知することが容易になる。
【発明の効果】
【0013】
本発明にかかる情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムによれば、複数のアプリケーションプログラムに関する表示を行う場合に、どのアプリケーションプログラムにエラーが発生したかを利用者が把握することができる。さらに、エラー表示と対応するアプリケーションプログラムが明確になるので、偽のエラー表示を行ってフィッシング詐欺をするような悪意あるプログラムを察知することが容易になる。利用者にとっては、エラー発生時における操作性、利便性、安全性がより一層向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面に基づき本発明を実現するにあたっての好適な一実施の形態の例を説明する。
図1は、本実施の形態の構成例についての概念的なモジュール構成図を示している。
なお、モジュールとは、一般的に論理的に分離可能なソフトウェア、ハードウェア等の部品を指す。したがって、本実施の形態におけるモジュールはプログラムにおけるモジュールのことだけでなく、ハードウェア構成におけるモジュールも指す。それゆえ、本実施の形態は、プログラム、システム及び方法の説明をも兼ねている。ただし、説明の都合上、「記憶する」、「記憶させる」、これらと同等の文言を用いるが、これらの文言は、実施の形態がプログラムの場合は、記憶装置に記憶させるように制御するの意である。また、モジュールは機能にほぼ一対一に対応しているが、実装においては、1モジュールを1プログラムで構成してもよいし、複数モジュールを1プログラムで構成してもよく、逆に1モジュールを複数プログラムで構成してもよい。また、複数モジュールは1コンピュータによって実行されてもよいし、分散又は並列環境におけるコンピュータによって1モジュールが複数コンピュータで実行されてもよい。なお、1つのモジュールに他のモジュールが含まれていてもよい。また、以下、「接続」とは物理的な接続の他、論理的な接続(データの授受、指示、データ間の参照関係等)を含む。
また、システム又は装置とは、複数のコンピュータ、ハードウェア、装置等がネットワーク等で接続されて構成されるほか、1つのコンピュータ、ハードウェア、装置等によって実現される場合も含まれる。
【0015】
以下、情報処理装置として、携帯電話を主に例示して説明する。
本実施の形態である情報処理装置は、複数のアプリケーションプログラムに関する表示を行うことができるものであって、図1に示すように、エラー発生検知モジュール110、エラー判定処理モジュール120、アプリケーション状態検知モジュール130、表示モジュール140を備えている。アプリケーションプログラムに関する表示としては、例えば、そのアプリケーションプログラムが動作していることを示すアイコン(そのアプリケーションプログラムを示すデザインであり、画面上に表示可能な小画像)、そのアプリケーションプログラムが表示している画像等がある。また、情報処理装置は、画面を備えている。複数画面を備えていてもよいが、そのうちの少なくとも1つの画面では、複数のアプリケーションプログラムに関する表示を行うことができる。
【0016】
エラー発生検知モジュール110は、エラー判定処理モジュール120と接続されており、エラーの発生を検知する。検知したエラーをエラー判定処理モジュール120に渡す。なお、エラーを渡すとは、そのエラーを特定するものであれば、その識別子、エラーメッセージ等を渡してもよい。
エラー発生検知モジュール110は、さらに、エラーの種別を検知して、検知したエラーの種別をエラー判定処理モジュール120に渡すようにしてもよい。エラーの種別としては、例えば、エラーが発生した処理を特定するもの、エラーの重要性を示す深刻度等であってもよい。エラーが発生した箇所と深刻度を対応付けたテーブルを予め用意しておき、そのテーブルを用いて深刻度を確定してもよい。
また、エラー発生検知モジュール110のみが、複数のアプリケーションプログラムの通信によって発生するエラーを検知するようにしてもよい。つまり、通信によって発生するエラーを各アプリケーションプログラムが受け取るのではなく、エラー発生検知モジュール110のみが受け取り、そのエラーを対応するアプリケーションプログラムに振り分ける。
【0017】
アプリケーション状態検知モジュール130は、エラー判定処理モジュール120と接続されており、情報処理装置上で動作しているアプリケーションプログラムの状態を検知する。検知したアプリケーションプログラムの状態をエラー判定処理モジュール120に渡す。なお、状態を渡すとは、その状態を特定するものであれば、その識別子等を渡してもよい。アプリケーションプログラムの状態としては、例えば、「アイドル(待機中)」、「通信中」、「起動中」等がある。状態を検知する対象としてのアプリケーションプログラムとして、情報処理装置の画面にアプリケーションプログラムに関する表示を行っているものに限定してもよい。
【0018】
エラー判定処理モジュール120は、エラー発生検知モジュール110、アプリケーション状態検知モジュール130、表示モジュール140と接続されており、エラー発生検知モジュール110によってエラーの発生を検知した場合は、アプリケーション状態検知モジュール130によって検知されたアプリケーションプログラムの状態に基づいて、そのエラーに対応するアプリケーションプログラムを抽出する。そして、その抽出したアプリケーションプログラムを表示モジュール140に渡す。なお、アプリケーションプログラムを渡すとは、そのアプリケーションプログラムを特定するものであれば、その識別子、名称等を渡してもよい。
例えば、エラー発生検知モジュール110から受け取ったエラーが通信に関するものであり、アプリケーション状態検知モジュール130によって検知されたアプリケーションプログラムの状態として「通信中」のものがあれば、そのエラーは通信中のアプリケーションプログラムに対してのものであることが判明する。そこで、「通信中」のアプリケーションプログラムを抽出する。
【0019】
表示モジュール140は、エラー判定処理モジュール120と接続されており、エラー判定処理モジュール120によって抽出されたアプリケーションプログラムに関する表示を、他のアプリケーションプログラムに関する表示とは異ならせて表示させる。例えば、アプリケーションプログラムに関する表示の輝度を高める色に変更する、色相を鮮やかなものに変更する、表示領域を拡大する、点滅させる等があり、逆に他のアプリケーションプログラムに関する表示の輝度を下げる色に変更する、色相をくすんだものに変更する、表示領域を小さく等するが、該当アプリケーションプログラムに関する表示はそのままにする等がある。
【0020】
また、表示モジュール140は、エラー発生検知モジュール110によって検知されたエラーの種別に応じて、エラー判定処理モジュール120によって抽出されたアプリケーションプログラムに関する表示を、他のアプリケーションプログラムに関する表示とは異ならせて表示させるようにしてもよい。例えば、エラーの種別としてエラーが発生した処理を特定する識別子を受け取り、その処理が所定の処理である場合(例えば、通信処理である場合)に、前述の表示を行うようにしてもよい。また、エラーの種別として、エラーの深刻度を受け取り、所定の閾値よりも大である場合(より深刻である場合)に、前述の表示を行うようにしてもよい。これによって、エラーの頻度は高いが対応不要な処理のエラー又は深刻度の低いエラーに対しては、前述の表示を行わないことになり、煩雑な表示となることを防止することができる。
【0021】
図2は、本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
ステップS202では、エラー発生検知モジュール110が、エラーの発生を検知する。例えば、通信エラーを検知する。
ステップS204では、アプリケーション状態検知モジュール130が、情報処理装置上で動作しているアプリケーションプログラムの状態を検知する。
ステップS206では、エラー判定処理モジュール120が、ステップS204で検知したアプリケーションプログラムの状態に基づいて、ステップS202で検知したエラーに対応するアプリケーションプログラムを抽出する。
【0022】
ステップS208では、エラー判定処理モジュール120が、ステップS206で抽出したアプリケーションプログラムへエラーが発生したことを通知する。
ステップS210では、表示モジュール140が、ステップS208でエラー通知されたアプリケーションプログラムの指示に従ってエラー表示を行う。なお、エラー表示の指示はエラー判定処理モジュール120が表示モジュール140に対して行うようにしてもよい。
ステップS212では、表示モジュール140が、ステップS206で抽出されたアプリケーションプログラムに関する表示を、他のアプリケーションプログラムに関する表示とは異ならせて表示させる。例えば、対応するアプリケーションプログラムにスポットライトを当てたように、対応するアプリケーションプログラム以外の領域を色相をくすんだものに変更する(フェードアウトする)。
また、ステップS210とステップS212の処理は、順序を逆にしてもよい。つまり、対応アプリケーションプログラムに関する表示を他とは異ならせた後にエラー表示を行うようにしてもよい。
【0023】
図3は、アプリケーション状態テーブル300のデータ構造例を示す説明図である。アプリケーション状態テーブル300は、アプリケーション状態検知モジュール130が検知するアプリケーションプログラムの状態を記憶するものである。
アプリケーション状態テーブル300は、No.欄310、アプリケーションID欄320、アプリケーション状態欄330を有している。
No.欄310は、動作しているアプリケーションプログラムに順次符号付けしたその符号を記憶する。
アプリケーションID欄320は、動作しているアプリケーションプログラムを一意に特定する識別子を記憶する。
アプリケーション状態欄330は、動作しているアプリケーションプログラムの状態を記憶する。例えば、「アイドル」、「通信中」、「起動中」等がある。
【0024】
図4は、本実施の形態を具現化した場合のモジュール構成例を示す図である。
図4に示す例は、アプリケーションA401、アプリケーションB402、アプリケーションC403、アプリケーション実行環境モジュール410、アプリケーション管理モジュール420、通信制御モジュール430、実画面表示モジュール440を有しており、アプリケーション管理モジュール420は、エラー発生検知モジュール110、エラー判定処理モジュール120、アプリケーション状態検知モジュール130、表示モジュール140を有している。
【0025】
アプリケーションA401、アプリケーションB402、アプリケーションC403は、それぞれアプリケーション実行環境モジュール410と接続されている。
アプリケーション実行環境モジュール410は、アプリケーションA401、アプリケーションB402、アプリケーションC403、アプリケーション管理モジュール420と接続されている。
アプリケーション管理モジュール420は、アプリケーション実行環境モジュール410、通信制御モジュール430、実画面表示モジュール440と接続されている。
通信制御モジュール430は、アプリケーション管理モジュール420と接続されている。
実画面表示モジュール440は、アプリケーション管理モジュール420と接続されている。
【0026】
これは、アプリケーションプログラムとして、アプリケーションA401、アプリケーションB402、アプリケーションC403がある場合の例である。例えば、アプリケーションA401はメーラー、アプリケーションB402は外部のサーバーと通信を行って天気予報を表示するもの、アプリケーションC403は電車の経路探索を行うもの等である。
アプリケーションプログラム、アプリケーション実行環境モジュール410、アプリケーション管理モジュール420、通信制御モジュール430は階層的に構成されている。また、実画面表示モジュール440は、アプリケーション管理モジュール420によって制御される。なお、最下層として通信制御モジュール430のほかに、他のハードウェア(GPS(Global Positioning System)、カメラ等)を制御するモジュールであってもよい。
【0027】
アプリケーション実行環境モジュール410は、複数のアプリケーションプログラムを実行する上での環境を提供し、アプリケーション管理モジュール420からの指示に従ってアプリケーションA401等を制御し、アプリケーションA401等からの指示をアプリケーション管理モジュール420に伝える。例えば、アプリケーション管理モジュール420からの指示に基づいてアプリケーションA401、アプリケーションB402、アプリケーションC403を起動させる。そして、アプリケーションB402を起動させた後、アプリケーションB402からの通信要求をアプリケーション管理モジュール420に伝え、その通信の結果である失敗通知をアプリケーション管理モジュール420から受け取って、アプリケーションB402へ伝える。
【0028】
アプリケーション管理モジュール420は、複数のアプリケーションプログラムをアプリケーション実行環境モジュール410を介して管理する。例えば、アプリケーション管理モジュール420は、利用者からの指示を受けてアプリケーションA401等を起動させる。アプリケーションB402からの通信要求の指示を受け取って、通信制御モジュール430に対して通信要求を行う。このとき、アプリケーション状態検知モジュール130は、アプリケーションA401がアイドルの状態、アプリケーションB402が通信中の状態、アプリケーションC403がアイドルの状態であることを検知して、アプリケーション状態テーブル300に記憶させる。そして、エラー発生検知モジュール110は通信制御モジュール430での通信失敗を検知し(通信失敗の通知を受け取って)、エラー判定処理モジュール120は状態が通信中であるアプリケーションB402に通信失敗の旨を通知し、エラー表示を実画面表示モジュール440に対して行うとともに、表示モジュール140はその通信失敗に対応するアプリケーションB402に関する表示をアプリケーションA401、アプリケーションC403に関する表示とは異なるように変更するように実画面表示モジュール440に指示する。そして、実画面表示モジュール440は画面上のアプリケーションB402を例えばスポットライト表示する。
【0029】
通信制御モジュール430は、アプリケーション管理モジュール420からの指示に従って、外部のサーバ等の装置と通信を行う。また、その結果(通信失敗等のエラーを含む)をアプリケーション管理モジュール420に渡す。
実画面表示モジュール440は、アプリケーション管理モジュール420内の表示モジュール140の指示に従って、情報処理装置における画面の表示を制御する。
【0030】
図5は、情報処理装置のディスプレイ500の表示例を示す説明図である。
ディスプレイ500は、背景599にアプリケーションアイコン511、アプリケーションアイコン512、アプリケーションアイコン513、アプリケーションアイコン514、アプリケーションアイコン515等を表示している。つまり、5つの各アプリケーションプログラムが動作していることを示すアイコンとしてアプリケーションアイコン511等が表示されている。
【0031】
図6は、エラー表示例を示す説明図である。図5の例に示す状態から、例えば、1つのアプリケーションプログラムがエラー(例えば、不正処理)を起こし、「アプリケーションが不正です。」というエラー表示領域520を表示する。本実施の形態以外のものでは、図6の例に示すように、エラー表示領域520はどのアプリケーションプログラムに対応しているのかが、利用者にとっては容易に把握できないものである。
【0032】
図7は、スポットライト表示例を示す説明図である。表示モジュール140がエラーに対応するアプリケーションプログラムのアイコンをスポットライト表示したものである。
図8は、スポットライト表示とエラー表示の例を示す説明図である。図7の表示にさらにエラー表示領域520を表示したものである。なお、エラー表示領域520は透明色(例えば、アプリケーションアイコン512と論理和による表示)で表示して、エラー表示領域520と重なる領域(スポットライト表示されているアプリケーションアイコン512)を把握できるようにしてもよい。
【0033】
図9は、本実施の形態による別の処理例を示すフローチャートである。
ステップS902では、エラー発生検知モジュール110が、エラーの発生及びその種別を検知する。例えば、通信エラーの発生及びその種別としての深刻度を検知する。
ステップS904からステップS908までの処理は、図2の例に示したフローチャートのステップS204からステップS208と同等であり、説明を省略する。
ステップS910では、表示モジュール140が、エラーの種別を判定する。かかる判定において、表示不要のエラーであると判定した場合はステップS999へ進み、終了する。表示が必要なエラーであると判定した場合はステップS912へ進む。例えば、エラーの種別としての深刻度が所定の閾値以下である場合は表示不要のエラーであると判定し、その閾値より大である場合は表示が必要なエラーであると判定する。
【0034】
ステップS912では、表示モジュール140が、ステップS906で抽出されたアプリケーションプログラムに関する表示を、他のアプリケーションプログラムに関する表示とは異ならせて表示させる。例えば、対応するアプリケーションプログラムにスポットライトを当てたように、色相を鮮やかなものに変更する。
ステップS914では、表示モジュール140が、ステップS908でエラー通知されたアプリケーションプログラムの指示に従ってエラー表示を行う。なお、エラー表示の指示はエラー判定処理モジュール120が表示モジュール140に対して行うようにしてもよい。
また、ステップS912とステップS914の処理は、順序を逆にしてもよい。つまり、エラー表示を行った後に対応アプリケーションプログラムに関する表示を他とは異ならせるようにしてもよい。
【0035】
本実施の形態が実装される情報処理装置は、図10に示すような携帯電話1000であってもよい。携帯電話1000は、例えば、電話としての機能を有するように音声入力できるマイク1005と、音声出力できるスピーカー1004と、電話番号又はアプリケーションプログラム等の要求等により文字を入力するための文字入力装置であるキー1002と、電波を送受信してデータ通信を行うためのアンテナ1003と、キー1002による文字入力の結果、アプリケーションプログラムに関する表示等(アイコン、アプリケーションプログラムの処理結果等の表示)を行うディスプレイ1001(より具体的には図5から図8で示したディスプレイ500に該当する)等を有している。携帯電話1000内には、アプリケーションプログラム等を実行するCPU、メモリ、通信用回路等のハードウェア等が内蔵されており、情報処理装置を実現するためのソフトウェアであるコンピュータ・プログラムをメモリに記憶させ、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働して、情報処理装置が実現される。
【0036】
なお、本実施の形態としてのプログラムが実行されるコンピュータのハードウェア構成は、図11に示すように、一般的なコンピュータであり、具体的には携帯電話1000に内蔵されるようなコンピュータである。エラー発生検知モジュール110、エラー判定処理モジュール120、アプリケーション状態検知モジュール130、表示モジュール140等のプログラムを実行するCPU1110と、そのプログラムやデータを記憶するRAM1130と、本コンピュータを起動するためのプログラム等が格納されているROM1120と、補助記憶装置であるHD1140(例えば、フラッシュメモリ等を含む)と、キー等から操作者の操作によってデータを入力又はCRTや液晶ディスプレイ等にデータを出力して操作者とのインタフェースとなるUI/F1150と、メモリカード等のリムーバブルメディアに対して読み書きするリムーバブルメディアリーダーライター1160と、通信ネットワークと接続するための通信回線I/F1170、そして、それらをつないでデータのやりとりをするためのバス1180により構成されている。これらのコンピュータが複数台互いにネットワークによって接続されていてもよい。
【0037】
なお、説明したプログラムについては、記録媒体に格納することも可能であり、その場合は、「プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体」の発明としても把握することができる。
「プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、プログラムのインストール、実行、プログラムの流通などのために用いられる、プログラムが記録されたコンピュータで読み取り可能な記録媒体をいう。
なお、記録媒体としては、例えば、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)であって、DVDフォーラムで策定された規格である「DVD−R、DVD−RW、DVD−RAM等」、DVD+RWで策定された規格である「DVD+R、DVD+RW等」、コンパクトディスク(CD)であって、読出し専用メモリ(CD−ROM)、CDレコーダブル(CD−R)、CDリライタブル(CD−RW)等、ブルーレイ・ディスク(Blu−ray Disc(登録商標))、光磁気ディスク(MO)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ、ハードディスク、読出し専用メモリ(ROM)、電気的消去及び書換可能な読出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュ・メモリ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)等が含まれる。
そして、前記のプログラム又はその一部は、前記記録媒体に記録して保存や流通等させることが可能である。また、通信によって、例えば、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、メトロポリタン・エリア・ネットワーク(MAN)、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、インターネット、イントラネット、エクストラネット等に用いられる有線ネットワーク、あるいは無線通信ネットワーク、さらにこれらの組合せ等の伝送媒体を用いて伝送することが可能であり、また、搬送波に乗せて搬送することも可能である。
さらに、前記のプログラムは、他のプログラムの一部分であってもよく、あるいは別個のプログラムと共に記録媒体に記録されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の一実施の形態のモジュール構成例を示す図である。
【図2】本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
【図3】アプリケーション状態テーブルのデータ構造例を示す説明図である。
【図4】本実施の形態を具現化した場合のモジュール構成例を示す図である。
【図5】ディスプレイの表示例を示す説明図である。
【図6】エラー表示例を示す説明図である。
【図7】スポットライト表示例を示す説明図である。
【図8】スポットライト表示とエラー表示の例を示す説明図である。
【図9】本実施の形態による別の処理例を示すフローチャートである。
【図10】情報処理装置の一例である携帯電話を示す説明図である。
【図11】本実施の形態を実現するコンピュータのハードウェア構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0039】
110…エラー発生検知モジュール
120…エラー判定処理モジュール
130…アプリケーション状態検知モジュール
140…表示モジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のアプリケーションプログラムに関する表示を行うことができる情報処理装置であって、
エラーの発生を検知するエラー発生検知手段と、
アプリケーションプログラムの状態を検知するアプリケーション状態検知手段と、
前記エラー発生検知手段によってエラーの発生を検知した場合は、前記アプリケーション状態検知手段によって検知されたアプリケーションプログラムの状態に基づいて、該エラーに対応するアプリケーションプログラムを抽出するアプリケーション抽出手段と、
前記アプリケーション抽出手段によって抽出されたアプリケーションプログラムに関する表示を、他のアプリケーションプログラムに関する表示とは異ならせて表示させる表示手段
を具備することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記エラー発生検知手段は、エラーの種別を検知し、
前記表示手段は、前記エラー発生検知手段によって検知されたエラーの種別に応じて、前記アプリケーション抽出手段によって抽出されたアプリケーションプログラムに関する表示を、他のアプリケーションプログラムに関する表示とは異ならせて表示させる
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記情報処理装置は、通信可能な装置であって、
前記エラー発生検知手段のみが、複数のアプリケーションプログラムの通信によって発生するエラーを検知する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
複数のアプリケーションプログラムに関する表示を行うことができる情報処理装置が行う情報処理方法であって、
エラーの発生を検知するエラー発生検知ステップと、
アプリケーションプログラムの状態を検知するアプリケーション状態検知ステップと、
前記エラー発生検知ステップによってエラーの発生を検知した場合は、前記アプリケーション状態検知ステップによって検知されたアプリケーションプログラムの状態に基づいて、該エラーに対応するアプリケーションプログラムを抽出するアプリケーション抽出ステップと、
前記アプリケーション抽出ステップによって抽出されたアプリケーションプログラムに関する表示を、他のアプリケーションプログラムに関する表示とは異ならせて表示させる表示ステップ
を具備することを特徴とする情報処理方法。
【請求項5】
複数のアプリケーションプログラムに関する表示を行うことができる情報処理装置で動作する情報処理プログラムであって、
前記情報処理装置を、
エラーの発生を検知するエラー発生検知手段と、
アプリケーションプログラムの状態を検知するアプリケーション状態検知手段と、
前記エラー発生検知手段によってエラーの発生を検知した場合は、前記アプリケーション状態検知手段によって検知されたアプリケーションプログラムの状態に基づいて、該エラーに対応するアプリケーションプログラムを抽出するアプリケーション抽出手段と、
前記アプリケーション抽出手段によって抽出されたアプリケーションプログラムに関する表示を、他のアプリケーションプログラムに関する表示とは異ならせて表示させる表示手段
として機能させることを特徴とする情報処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−128825(P2010−128825A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−303295(P2008−303295)
【出願日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.EEPROM
【出願人】(501440684)ソフトバンクモバイル株式会社 (654)
【Fターム(参考)】