説明

情報処理装置、電子会議システム、学習システム、情報処理方法及びサーバー

【課題】
会議や講義等の円滑な進行を妨げることなくデータへのアクセス権限を変更することができる情報処理装置を提供する。
【解決手段】
本発明の一実施例に示される情報処理装置は、各ユーザーのアクセス権限に基づいてデータへのアクセスを制御する情報処理装置であって、前記各ユーザーから特定されたユーザーが前記データへアクセスすることにより、前記データへのアクセス権限を変更する制御部101を備えているので、前記特定ユーザーからのアクセスにより前記データのアクセス権限を変更することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各ユーザーのアクセス権限に基づいてデータへのアクセスを制御する情報処理装置、電子会議システム、学習システム、情報処理方法及びサーバーに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報処理端末装置を用いたネットワークのインフラ技術が向上している。このインフラ技術の発展に伴い、同一のデータをネットワーク内の利用者全員で共有するプレゼンテーションや会議、講義等が行われている。
【0003】
例えば、ネットワークを介して接続した各端末装置へ同一の会議資料を表示して、電子会議を行う電子会議システムが提案されている。このような電子会議システムは、会議に参加しているユーザーに割り当てられた端末装置により上記会議資料にアクセスし、データを共有する。
【0004】
このようなデータを共有するシステムにおいて、サーバー内のファイルやフォルダ等のデータは、データを表示するユーザーのアクセス権限にて管理される。アクセスが禁止されているデータに対してアクセスするためには、アクセスするユーザーのアクセス権限を許可に変更するための手続きが必要となる。そこで、会議でデータを共有するためには、アクセス権限の管理者がユーザーのアクセス権限の変更を行う必要があった。
【0005】
例えば特許文献1では、アクセスが禁止されているデータへのアクセスを、会議開始前に予め行った設定に基づいて、会議中におけるアクセスを一時的に許可する情報処理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−293486号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1には会議中にアクセス権限を禁止から許可に変更する技術は開示されておらず、会議開始時にアクセスが禁止されているデータに対して、会議中終始アクセスができない状態になっていた。このため、上記アクセスが禁止されているデータへアクセスするためにはアクセス権限の管理者によりアクセス権限を会議中に変更する必要があり、会議の円滑な進行の妨げとなっていた。
【0008】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、特定ユーザーのアクセスにより、データへのアクセス権限を変更できる情報処理装置、電子会議システム、学習システム、情報処理方法及びサーバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は以下のような特徴を有する。
【0010】
本発明にかかる情報処理装置は、各ユーザーのアクセス権限に基づいてデータへのアクセスを制御する情報処理装置であって、前記各ユーザー内で特定された特定ユーザーが前記データへアクセスすることにより、前記データへのアクセス権限を変更するアクセス権限変更手段を有することを特徴としている。
【0011】
上記構成によれば、特定ユーザーがデータへアクセスすることによってデータへのアクセス権限を変更することができる。
【0012】
本発明に係る情報処理装置は、前記データに前記アクセス権限を設定するアクセス権限設定手段を備え、前記アクセス権限変更手段は、前記特定ユーザーが前記アクセス権限を禁止に設定されたデータへアクセスすることにより、前記禁止を許可に変更することが好ましい。
【0013】
上記構成によれば、データにアクセス権限を設定でき、特定ユーザーがアクセス権限を禁止に設定されたデータにアクセスすることにより該アクセス権限を許可に変更できる。
【0014】
本発明に係る情報処理装置は、前記ユーザーが使用する端末に前記アクセス権限を設定するアクセス権限設定手段を備え、前記アクセス権限変更手段は、前記特定ユーザーが前記データへアクセスすることにより、アクセス権限が禁止に設定された端末のアクセス権限を許可に変更することが好ましい。
【0015】
上記構成によれば、ユーザーが使用する端末にアクセス権限を設定でき、特定ユーザーがデータにアクセスすることにより、アクセス権限が禁止に設定された端末のアクセス権限を許可に変更することができる。
【0016】
本発明に係る情報処理装置は、前記特定ユーザーを前記データのユーザー情報に基づいて特定するユーザー情報制御手段を備えることが好ましい。
【0017】
上記構成によれば、データに付与されたユーザー情報に基づいて特定ユーザーを特定できる。
【0018】
本発明に係る情報処理装置は、前記特定ユーザーを前記ユーザーの端末情報に基づいて特定する端末情報制御手段を備えることが好ましい。
【0019】
上記構成によれば、ユーザーが使用する端末のIPアドレス、コンピューター名、接続ポート等の端末情報に基づいて特定ユーザーを特定できる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、特定ユーザーからのアクセスにより、データへのアクセス権限を変更することが可能であり、例えば会議等の円滑な進行を妨げることなくアクセス権限を変更できる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の情報処理装置を電子会議システムに実施した実施例1の概略構成図である。
【図2】図1の電子会議システムの機能構成を説明する概略ブロック図である。
【図3】本発明の実施例1に係る会議資料の一例を示す説明図説明図である。
【図4】本発明に係る端末の表示の一例を示す説明図である。同図(a)は、アクセスが禁止されたページを表示した場合の表示例を示す。同図(b)は、該ページを発表者端末が表示した場合の表示例を示す。同図(c)は、アクセスが禁止されたファイルを表示した場合の表示例を示す。同図(d)は、該ファイルを発表者端末が表示した場合の表示例を示す。
【図5】本発明の実施例1に係る会議情報の一例を示す説明図である。
【図6】本発明の実施例1に係る端末情報の一例を示す説明図である。
【図7】本発明の実施例1に係る、発表者端末から要求があったときの会議サーバーにおける処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】本発明の実施例1に係る、参加者端末から要求があったときの会議サーバーにおける処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】本発明の情報処理装置を学習システムに実施した実施例2の概略構成図である。
【図10】図9の学習システムの機能構成を説明する概略ブロック図である。
【図11】本発明の実施例2に係る、教師用端末から要求があったときの学習サーバーにおける処理を説明するためのフローチャートである。
【図12】本発明の実施例2に係る、生徒用端末から要求があったときの学習サーバーにおける処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0022】
以下、本発明の情報処理装置を電子会議システムに実施した場合について図1から図8に基づいて説明する。
【0023】
図1において、電子会議システム1は会議サーバー100と発表者端末200と複数の参加者端末300とが接続された構成である。
【0024】
会議サーバー100は、一般的な電子会議機能を提供する他に、会議サーバー100内に格納された会議資料等の電子データに対するアクセス管理を行うサーバー端末である。
【0025】
発表者端末200及び参加者端末300は会議サーバー100に接続された電子会議端末装置(以下、端末と記す)である。上記端末は、会議室内に備え付けられたPCや持ち込まれたPC、PDA等の携帯型情報端末などであり、ネットワークを介して遠隔で接続された情報端末でもよい。
【0026】
発表者端末200は、会議に参加するユーザーのうち各データの発表を行うユーザー(以下、発表者と記す)が使用する端末である。発表者は発表者端末200を介して会議サーバー100の電子会議機能を利用し、会議資料のデータにアクセスして発表を行う。
【0027】
参加者端末300は、会議に参加するユーザーのうち発表を行わないユーザー(以下、参加者と記す)が使用する端末である。参加者は、参加者端末300を介して会議サーバー100の電子会議機能を利用し、会議資料のデータにアクセスして発表者による発表を閲覧する。
【0028】
電子会議システム1によって会議を行うとき、発表者が使用する端末は発表者端末200としての役割が割り当てられ、参加者が使用する端末は参加者端末300としての役割が割り当てられる。会議が進行し発表者が交代した場合、端末の役割も変更する。そのため、発表者端末200は大型の表示装置を備えた端末に限らず、参加者端末300と同等の端末であってもよい。
【0029】
参加者端末300の表示モードとして、連動モードと非連動モードがある。上記連動モードは、参加者端末300に表示される内容が、発表者端末200に表示される内容と連動する。即ち、発表者端末200に資料Aを表示させたときは、参加者端末300にも資料Aが表示され、発表者端末200で表示されるデータを資料Bに切り替えたときは参加者端末300でも同様に表示されるデータが資料Bに切り替わる。
【0030】
上記非連動モードは、参加者端末300を使用する参加者が該参加者端末300に表示する内容を会議資料のデータから選択できる。即ち、発表者端末200に資料Aが表示されていても、参加者が資料Bを選択することで該参加者端末300は資料Bが表示される。参加者は上記連動モードと上記非連動モードを会議中に任意に変更できる。
【0031】
電子会議システム1は、発表者端末200と参加者端末300以外の端末が接続されていてもよい。例えば、会議の管理を行う管理者用の端末や会議の司会進行を行う司会者用の端末等が接続されていてもよい。
【0032】
ここで、上記管理者用の端末や上記司会者用の端末は、発表者端末200または参加者端末300のどちらの機能を持たせた設定にしてもよい。また、上記管理者用の端末や上記司会者用の端末、上記発表者端末は、例えば、会議の途中に参加者端末から会議資料のデータを用いた一時的な発言ができるように、特定の端末に一時的にデータを表示させるアクセス権限を与える機能をもっていてもよい。
【0033】
図2は、図1の電子会議システムの機能構成を説明する概略ブロック図である。図1の電子会議システム1の会議サーバー100、発表者端末200、参加者端末300の構成を説明する。
【0034】
会議サーバー100は制御部101、資料データ格納部102、アクセス権限格納部103、会議情報格納部104及び端末情報格納部105を備えている。
【0035】
発表者端末200は、発表者端末操作部201と発表者端末制御部202と発表者端末表示部203とを備えている。発表者端末操作部201は、例えばキーボードやポインティングデバイス、タッチパネルといった入力装置であり、発表者は発表者端末操作部201を用いてデータの選択等の操作を行う。発表者端末制御部202はCPU等から成り、各種処理のための演算、論理判断等を行う。発表者端末表示部203はLCDやCRT等の表示装置である。発表者端末制御部202は発表者端末操作部201による操作に基づいて会議サーバー100へ表示するデータの要求を行い、該会議サーバー100から受け取ったデータを発表者端末表示部203に表示する。参加者端末300の構成は発表者端末200と同様の構成をしているため説明を省略する。参加者端末操作部301は上記表示モードを任意に切り換えることができる。
【0036】
資料データ格納部102は会議資料として用いられるデータが格納されている。資料データ格納部102に格納されているデータはアクセス権限設定手段によりアクセス権限が設定され、アクセス権限格納部103に格納されている。アクセス権限は参加者によるデータへのアクセスの許可とアクセスの禁止が含まれる。
【0037】
上記アクセス権限設定手段は、会議サーバー100、発表者端末200、参加者端末300のうち何れか一つに設けられていればよく、図示しない管理者用の端末に設けられていてもよい。または、会議システムに常時接続されていない端末に設けられ、この端末によって設定されたアクセス権限をアクセス権限格納部103に格納してもよい。
【0038】
会議情報格納部104は、特定ユーザーを特定するユーザー情報を含んだ会議情報が格納される。該ユーザー情報は、会議で用いられるデータと発表する発表者とを関連づけた情報等を含む。以下、実施例1では特定ユーザーを発表者として説明する。上記特定ユーザーを特定するユーザー情報及び会議情報の設定は会議サーバー100、発表者端末200、参加者端末300のうち何れか一つにより設定されればよく、図示しない管理者用の端末、または、会議システムに常時接続されていない端末により設定がおこなわれてもよい。制御部101はアクセス権限変更手段、ユーザー情報制御手段、端末情報制御手段が含まれる。
【0039】
制御部101の端末情報制御手段は、会議開始時に端末へユーザーがログインしたとき、該端末と該ユーザーとを関連付けた端末情報を端末情報格納部105に格納する。また、制御部101の端末情報制御手段は端末に役割を割り当て、端末情報格納部105に格納する。
【0040】
役割は発表者端末と参加者端末としての役割を含み、制御部101のユーザー情報制御手段は発表者を会議情報格納部104から参照し、該発表者が使用する端末に発表者端末200としての役割を割り当てる。また、制御部101は、端末からアクセスがあったとき、アクセス権限格納部103と端末情報格納部105を参照し、アクセス権限と該端末の役割に応じて会議資料のデータへのアクセスを許可、或いは禁止する。ここで、制御部101のユーザー情報制御手段は、端末からアクセスがあったとき、該端末を使用するユーザーが発表者かどうかを会議情報格納部104から参照することで該端末の役割を判別してもよい。
【0041】
制御部101は、発表者端末200からアクセスがあったとき、上記アクセス権限に関わらず会議資料のデータへのアクセスを許可するとともに、アクセスしたデータのアクセス権限が禁止されている場合は、制御部101のアクセス権限変更手段が該データのアクセス権限を許可に変更する。参加者端末300からアクセスがあったとき、データのアクセス権限が許可されている場合はアクセスを許可し、アクセス権限が禁止されている場合はアクセスを禁止する。
【0042】
ここで、アクセスとはデータの内容を表示するために該データの要求を送信することであり、アクセスの許可とは要求されたデータを該端末へ送信しデータの内容を表示することを許可することである。
【0043】
図2の電子会議システム1は、制御部101、資料データ格納部102、アクセス権限格納部103、会議情報格納部104、端末情報格納部105の構成部材を会議サーバー100に含めて説明しているが、各構成部材は会議サーバー100の外部に配置してもよい。
【0044】
図2の電子会議システム1は発表者端末操作部201、発表者端末制御部202、発表者端末表示部203の構成部材を発表者端末200に含めて説明しているが、各構成部材を発表者端末200の外部に配置してもよい。また、参加者端末300の構成部材に関しても発表者端末200と同様に配置してもよい。
【0045】
図3は、本発明の実施例1に係る電子会議システムにおいて、発表に用いられる会議資料の一例を示す説明図である。会議資料111は上記電子会議システムで用いられるデータである。該データは画像データ、テキストデータ等の電子データであればどんなデータを用いてもよい。
【0046】
本実施例では、会議資料は階層構造を形成しているものとする。例えば、会議資料111はfile1からfile5の複数のファイルから構成される。また、各ファイルはそれぞれ複数のページから構成され、file1はp1からp4で構成されている。なお、会議資料は単一のファイルでもよく、ファイルは1ページでもよい。
【0047】
会議資料111は資料データ格納部102に格納されている。また、アクセス権限がファイルとページ毎に設定され、アクセス権限格納部103に格納されている。例えば、file2はアクセスが許可されているが、file2のp2とp4はアクセスが禁止されており、参加者はp1とp3を表示することはできるが、発表者が表示するまでp2とp4は表示することができない。また、file4のp1はアクセスが許可されているが、file4へのアクセスが禁止されているため参加者はfile4の全てのページへのアクセスが禁止され、p1も表示できない。
【0048】
図4は、本発明の実施例1に係る会議資料111を参加者端末300で表示したときの表示の一例を示す説明図である。
【0049】
ファイル領域401は会議資料のファイルのサムネイルが表示される。ページ領域402はファイル領域401で選択されたファイルを構成するページのサムネイルが表示される。データ表示領域403はページ領域402で選択されたページの内容が表示される。ここで、ファイルのサムネイルはファイル名や該ファイルの1ページ目のサムネイル等を含み、ページのサムネイルはページの縮小画像やページ番号等を含む。
【0050】
ファイル領域401とページ領域402において、アクセスが禁止されているファイル及びページはアクセスの禁止記号が表示される。また、アクセス権限が禁止のファイル又はページを選択した場合、データ表示領域403にもアクセス禁止記号が表示される。アクセス禁止記号の例としてアクセス禁止のマークを表示しているが、アクセス禁止を示すメッセージの表示、空白ページの表示等を行ってもよい。
【0051】
図4(a)は発表者がまだ会議資料111のfile2のp2を表示していない状態で、参加者が該file2のp2を表示しようとしたときの表示例である。該file2のp2はアクセスが禁止されているため、データ表示領域403はアクセス禁止マークが表示されている。ここで、発表者が該file2のp2を表示したとき制御部101のアクセス権限変更手段は該file2のp2のアクセス権限を許可に変更する。図4(b)は該file2のp2のアクセスが許可されたときの表示例である。データ表示領域403は該file2のp2の内容が表示され、ページ領域402の該file2のp2はサムネイルが表示される。
【0052】
図4(c)は発表者がまだ会議資料111のfile4を表示していない状態で参加者が該file4を表示しようとしたときの表示例である。該file4へのアクセスが禁止されているため、データ表示領域403はアクセス禁止記号が表示され、ページ領域402はページのサムネイルが表示されていない。発表者が該file4を表示したとき制御部101のアクセス権限変更手段は該file4のアクセス権限を許可に変更する。図4(d)は該file4のアクセスが許可されたときの表示例である。データ表示領域403は該file4のp1の内容が表示され、ファイル領域401の該file4のサムネイルが表示され、ページ領域402に該file4のページのサムネイルが表示される。ただし、アクセスが禁止されている該file4のp2、p4は発表者がまだ表示していなければアクセス禁止記号が表示されている。
【0053】
図5は、本発明の実施例1に係る、会議情報格納部104が格納する会議情報の一例を示す説明図である。
【0054】
会議情報112は、ユーザー情報を含む会議の議事進行を示すデータである。ユーザー情報は、会議で用いられるデータと発表者とを関連づけた情報を含み、例えば図5では、資料名と氏名の情報が該当する。会議情報112は、会議において誰がどのような順序で発表するか等を示し、どのようなテーマを発表するかを示すテーマ名と、発表される資料名と、発表を行うユーザーの氏名と、発表に要する所要時間等を含み、それぞれが関連付けられている。ここで、一つのテーマに複数の資料があってもよく、複数の発表者がいてもよい。議題に用いられる会議資料のデータに設定された会議情報から、いつ、誰が、どのような資料を用いて発表を行うか等を特定できる。
【0055】
なお、会議情報112は発表者を特定するために発表者氏名を用いているが、発表者を特定できる情報であれば発表者氏名以外の情報を用いてもよい。例えば、発表者のID等によって発表者を特定してもよい。また、端末の情報から発表者を特定してもよく、会議資料のデータに発表に用いる端末を設定し、その端末を使用するユーザーを該データの発表者として特定してもよい。
【0056】
図6は、本発明の実施例1に係る、端末情報格納部105が格納する端末情報の一例を示す説明図である。
【0057】
端末情報113は、端末を特定する情報と、該端末にログインして使用しているユーザーを特定する情報と、該端末の役割とが関連付けられたデータである。該端末を特定する情報は端末に割り当てられたIPアドレス、コンピューター名、接続ポート等を含み、該端末にログインしたユーザーの氏名やID等と関連付けられている。制御部101のユーザー情報制御手段は会議情報格納部104を参照して発表者を特定し、制御部101の端末情報制御手段は該発表者が使用する端末へ発表者端末200としての役割を割り当て、端末情報格納部105に格納する。また、制御部101の端末情報制御手段は該発表者以外のユーザーが使用する端末へ参加者端末300としての役割を割り当て端末情報格納部105に格納する。
【0058】
端末情報113は、図6の端末eのような誰もログインしていない端末の情報を含んでもよい。また、該端末eのようなユーザーと関連付けられていない端末を発表者端末として固定してもよい。これにより、大型ディスプレイ等の共有表示装置を備えた特定の端末を発表者端末として固定することができる。
【0059】
端末情報113の役割の割り当ては、会議の管理を行う管理者端末、会議の司会進行や特定端末へのアクセス権限の変更を行うことが可能な司会者端末等を含んでもよい。また、参加者端末と発表者端末の両方の役割を兼ね備えた端末など、2つ以上の役割を割り当ててもよい。
【0060】
端末の役割が変わったときは、端末情報113も変更する。制御部101は、発表終了の判断をしたとき、制御部101のユーザー情報制御手段が会議情報格納部104を参照して次の発表者を特定し、該次の発表者が使用する端末へ発表者端末200としての役割を割り当てる。また、制御部101のユーザー制御手段は該次の発表者以外のユーザーが使用する端末へ参加者端末300としての役割を割り当てる。
【0061】
発表を終えたとき、発表者は発表者端末操作部201で発表終了の操作を行い、この操作により制御部101は発表終了を判断する。その後、制御部101のユーザー制御手段は会議情報格納部104に格納された会議情報を参照し、次の発表が設定されている場合は次の発表を開始する。発表終了及び発表開始の操作は発表者端末に限らず、司会者端末により操作されてもよい。例えば、司会者が発表の終了を判断し、発表終了及び発表開始の操作を行ってもよい。また、発表終了の判断を、会議情報112の発表時間に基づいて判断してもよい。
【0062】
図7と図8を用いて、端末が会議資料のデータにアクセスしたときの会議サーバー100の処理を説明する。
【0063】
発表者及び参加者は、それぞれ発表者端末操作部201、参加者端末操作部301を操作して会議資料のデータの表示を行う。発表者端末制御部202、参加者端末制御部302は該発表者端末操作部201、該参加者端末操作部301における操作に基づいて該データの要求を会議サーバー100に送信する。
【0064】
会議サーバー100は、図7のS1で制御部101が端末からのデータの要求を受信する。次に、制御部101の端末制御手段は要求の有った端末の情報を端末情報格納部105に参照し、該端末が発表者端末か参加者端末かを判定する(S2)。
【0065】
発表者端末からの要求と判定された場合(S3でYES)、制御部101は発表者端末200へ要求されたデータを送信する(S4)。該発表者端末200は、発表者端末制御部202が制御部101から送信されたデータを受信し、発表者端末表示部203に該データの内容を表示する。
【0066】
制御部101は、S4で要求されたデータを送信すると共に、S5でアクセス権限格納部103を参照し、該データのアクセス権限を判定する。アクセス権限が禁止の場合(S6で禁止)、制御部101のアクセス権限変更手段は該データのアクセス権限を禁止から許可に変更し(S7)、アクセス権限格納部103に格納する。アクセス権限が許可の場合(S6で許可)はS7の処理は行わない。S4において、発表者端末200で表示しているデータが変更されたため、制御部101の端末情報制御手段は端末情報格納部105を参照し、制御部101は参加者端末300へ発表者端末200で表示しているデータが変更されたことを通知する(S8)。ここで、S7でアクセス権限が変更されている場合はアクセス権限を変更したことも通知する。
【0067】
参加者端末300は、参加者端末制御部302が発表者端末200で表示しているデータの変更の通知を受信し(S11)、参加者端末制御部302は表示モードの判定を行う(S12)。表示モードが非連動モードであり(S13でNO)、かつS7でアクセス権限を変更していない場合(S14でNO)、処理を終了する。表示モードが連動モードである場合(S13でYES)、又は、非連動モード(S13でNO)かつアクセス権限を変更した場合(S14でYES)、参加者端末300は発表者端末200が表示したデータを要求する(S15)。ここで、連動モードの参加者端末は発表者端末と同じデータを表示するために要求を行い、非連動モードの参加者端末はアクセス禁止記号からデータの内容に更新するために要求を行う。参加者端末制御部302は発表者端末200が表示したデータの要求を送信し(S16)、S1の処理に戻る。
【0068】
会議サーバー100が端末からデータの要求を受信して該端末の判定を行い(S2)、参加者端末からの要求であった場合(S3でNO)、図8のS21へ進む。制御部101はアクセス権限格納部103を参照し、該データのアクセス権限を判定する(S21)。
アクセス権限が許可の場合(S22で許可)、制御部101は資料データ格納部102から該データを読み出し、参加者端末300へ送信する(S23)。アクセス権限が禁止の場合(S22で禁止)、制御部101はアクセス禁止記号の画像データやテキストデータを参加者端末300へ送信する(S24)。該参加者端末300は、参加者端末制御部302が制御部101から送信されたデータを受信し、参加者端末表示部303に該データの内容を表示する。ここで、アクセス権限が禁止のデータにアクセスし、表示しようとするとS24で送信されたアクセス禁止記号の画像やメッセージが表示される。以上で処理を終了する。
【0069】
本実施例において、端末にアクセス権限を設定してもよい。この場合、会議サーバー100は参加者端末300から会議資料のデータにアクセスがあったとき、該参加者端末のアクセス権限を参照し、許可であればアクセスを許可する。発表者端末200から会議資料のデータにアクセスがあったとき、アクセス権限が禁止の参加者端末のアクセス権限を許可に変更する。
【0070】
これにより、例えば、ユーザーが端末へログインしたときにユーザー情報を取得して特定の役職以上のユーザーが使用する端末はアクセス権限を許可に設定し、該役職以下のユーザーが使用する端末は発表者がアクセスするまでアクセス権限を禁止に設定することができる。
【0071】
本実施例において、発表者が発表を終えたデータのアクセス権限を変更してもよい。
制御部101は、発表者端末200からデータの要求があったときに要求のあったデータを記憶し、次に要求があったときに記憶してあるデータのアクセス権限を変更してもよい。アクセス権限が禁止されていたデータを発表者からのアクセスによりアクセス権限を許可に変更し、発表者が次のデータにアクセスしたときに前のデータを再度アクセス禁止にすることで、発表者が表示している間のみ参加者も同データの表示が可能となり発表時以外の不要な閲覧を制限することができる。
【0072】
本実施例において、発表者が表示したデータのアクセス権限を変更しているが、アクセス権限を変更したデータを表示しなくてもよい。例えば、ファイルやページを選択したときにアクセスの許可又は禁止を設定でき、内容を表示するかどうかを選択できるようにしてもよい。ただし、現在のページの次のページを選択した際には通常通り次ページへ進むものとする。これにより、次のページに進む場合は発表の進行を妨げることなくアクセス権限の禁止を許可とすることができ、また、発表が終了したページを選択し再度アクセス禁止にすることもできる。
【0073】
なお、本実施例では、会議サーバー100と発表者端末200は1台として説明したが、複数台存在するものであってもよく、参加者端末300は複数台を備えたものとして説明したが1台であってもよい。また、会議サーバー100と発表者端末200は同一の端末であってもよい。このとき、会議資料のデータは発表者端末200に格納され、データに対するアクセス管理も発表者端末200が行う。
【0074】
以上説明したとおり、本発明の実施例1によれば、管理者による複雑なアクセス権限変更処理を行うことなく、発表者のアクセスによって資料へのアクセス権限を変更することを可能とする電子会議システムを実現することができる。
【実施例2】
【0075】
本発明の実施例2について図9から図12に基づいて説明すると以下の通りである。
【0076】
図9は、本発明の情報処理装置を学習システムに実施した実施例2の概略構成図である。
【0077】
図9において、学習システム2は学習サーバー500と教師用端末600と複数の生徒用端末700とが接続された構成である。
【0078】
学習サーバー500は、一般的な学習機能を提供する他に、学習サーバー500内に格納された教材データに対するアクセス管理を行うサーバー端末である。
【0079】
教師用端末600及び生徒用端末700は学習サーバー500に接続された学習端末である。上記学習端末は、教室内に備え付けられたPCや持ち込まれたPC、PDA等の携帯型情報端末などであり、ネットワークを介して遠隔で接続された情報端末でもよい。
【0080】
教師用端末600は、講義を行うユーザー(以下、教師と記す)が使用する端末であり、生徒用端末700は、教師による講義等を受講するユーザー(以下、生徒と記す)が使用する端末である。学習システム2によって講義を行うとき、教師が使用する端末は教師用端末600が割り当てられ、生徒が使用する端末は生徒用端末700としての役割が割り当てられる。講義が進行し、教師が交代した場合、端末の役割も変更する。
【0081】
上記学習端末は、教室内に備え付けられたPCや持ち込まれたPC等である。各端末と学習サーバー500は同一の教室内にある必要も無く、それぞれ遠隔で接続されていてもよい。教師用端末600は大型ディスプレイを備えている必要は無く、プロジェクター等に出力してもよい。
【0082】
生徒用端末700の表示モードとして、連動モードと非連動モードがある。上記連動モードは、生徒用端末700に表示される内容が、教師用端末600に表示される内容と連動する。即ち、教師用端末600に資料Aを表示させたときは、生徒用端末700にも資料Aが表示され、教師用端末600で表示されるデータを資料Bに切り替えたときは生徒用端末700でも同様に表示されるデータが資料Bに切り替わる。
【0083】
上記非連動モードは、生徒用端末700を使用する生徒が該生徒用端末700に表示する内容を学習データから選択できる。即ち、教師用端末600に資料Aが表示されていても、生徒が資料Bを選択することで生徒用端末700は資料Bが表示される。生徒は上記連動モードと上記非連動モードを講義中に任意に変更できる。
【0084】
学習システム2は教師用端末600と生徒用端末700以外の端末が接続されていてもよい。例えば、講義の管理を行う管理者用の端末や講義の司会進行を行う司会者用の端末等が接続されていてもよい。
【0085】
ここで、上記管理者用の端末や上記司会者用の端末は、教師用端末600または生徒用端末700のどちらの機能を持たせた設定にしてもよい。また、上記管理者用の端末や上記司会者用の端末、上記教師用端末は、例えば、講義の途中に生徒用端末によりデータを用いた一時的な質問ができるように、特定の端末に一時的にデータを表示させるアクセス権限を与える機能をもっていてもよい。
【0086】
図10は、図9の学習システムの機能構成を説明する概略ブロック図である。学習システム2の学習サーバー500、教師用端末600、生徒用端末700の構成を説明する。
【0087】
学習サーバー500は制御部501、教材データ格納部502、アクセス権限格納部503、講義情報格納部504及び端末情報格納部505を備えている。
【0088】
教師用端末600は、教師用端末操作部601と教師用端末制御部602と教師用端末表示部603とを備えている。教師用端末操作部601は、例えばキーボードやポインティングデバイス、タッチパネルといった入力装置であり、教師は教師用端末操作部601を用いてデータの選択等の操作を行う。教師用端末制御部602はCPU等から成り、各種処理のための演算、論理判断等を行う。教師用端末表示部603はLCDやCRT等の表示装置である。教師用端末制御部602は教師用端末操作部601による操作に基づいて学習サーバー500へ表示するデータの要求を行い、該学習サーバー500から受け取ったデータを教師用端末表示部603に表示する。生徒用端末700の構成は教師用端末600と同様の構成をしているため説明を省略する。生徒用端末操作部701は上記表示モードを任意に切り換えることができる。
【0089】
教材データ格納部502は学習資料等のデータが格納されている。教材データ格納部502に格納されているデータはアクセス権限が設定され、アクセス権限設定手段によりアクセス権限格納部503に格納されている。アクセス権限は生徒によるデータへのアクセスの許可とアクセスの禁止が含まれる。
【0090】
上記アクセス権限設定手段は、学習サーバー500、教師用端末600、生徒用端末700のうち何れか一つに設けられていればよく、図示しない管理者用の端末に設けられていてもよい。または、学習システムに常時接続されていない端末により設けられ、この端末によって設定されたアクセス権限をアクセス権限格納部503に格納してもよい。
【0091】
講義情報格納部504は、特定ユーザーを特定するユーザー情報を含んだ講義情報が格納される。該ユーザー情報は、講義で用いられると講義を行う教師とを関連付けた情報を含む。以下、実施例2では特定ユーザーを教師として説明する。上記特定ユーザーを特定するユーザー情報及び講義情報の設定は学習サーバー500、教師用端末600、生徒用端末700のうち何れか1つにより設定されればよく、図示しない管理者用の端末、または、学習システムに常時接続されていない端末により設定が行われてもよい。
【0092】
制御部501はアクセス権限変更手段、ユーザー情報制御手段、端末情報制御手段が含まれる。制御部501の端末情報制御手段は、講義開始時に端末へユーザーがログインしたとき、該端末に該ユーザーを関連付けて端末情報格納部505に格納する。また、制御部501の端末情報制御手段は端末に役割を割り当て、端末情報格納部505に格納する。役割は教師用端末と生徒用端末としての役割を含み、制御部501のユーザー情報制御手段は教師を講義情報格納部504から参照し、該教師が使用する端末に教師用端末600としての役割を割り当てる。
【0093】
また、制御部501は、端末からアクセスがあったとき、アクセス権限格納部503と端末情報格納部505を参照し、アクセス権限と該端末の役割に応じて学習資料のデータへのアクセスを許可、或いは禁止する。ここで、アクセスとはデータの内容を表示するために該データの要求を送信することであり、アクセスの許可とは要求されたデータを該端末へ送信しデータの内容を表示することを許可することである。
【0094】
制御部501は、教師用端末600からアクセスがあったとき、上記アクセス権限に関わらず学習資料のデータへのアクセスを許可するとともに、アクセスしたデータのアクセス権限が禁止されている場合は、制御部501のアクセス権限変更手段が該データのアクセス権限を許可に変更する。生徒用端末700からアクセスがあったとき、データのアクセス権限が許可されている場合はアクセスを許可し、アクセス権限が禁止されている場合はアクセスを禁止する。
【0095】
図10の学習システム2は、制御部501、教材データ格納部502、アクセス権限格納部503、講義情報格納部504、端末情報格納部505の構成部材を学習サーバー500に含めて説明しているが、各構成部材を学習サーバー500の外部に配置してもよい。
【0096】
図10の学習システム2は、教師用端末操作部601、教師用端末制御部602、教師用端末表示部603を教師用端末600に含めて説明しているが、各構成部材を教師用端末600の外部に配置してもよい。また、生徒用端末700の構成部材に関しても教師用端末600と同様に配置してもよい。
【0097】
教材データ格納部502に格納される学習資料は画像データ、テキストデータ等の電子データが格納される。図3と同様な階層構造を形成した電子データを格納することができ、実施例1の図3の説明において、会議資料を学習資料、資料データ格納部102を教材データ格納部502とみなすことで同様に説明することができるため、詳細な説明は省略する。
【0098】
実施例2に係る端末の表示形式は例えば図4の形式と同様にファイル領域401、ページ領域402、表示領域403を含む表示形式とすることができる。ここで、実施例1の図4の説明において、会議資料を講義資料、発表者を教師、参加者を生徒とみなすことで同様に説明することが可能なため、詳細な説明は省略する。
【0099】
また、講義情報格納部504に保存された講義情報は、例えば図5の形式と同様なデータとして記憶することができる。ユーザー情報は講義で用いられるデータと教師とを関連付けた情報を含み、例えば図4の資料名と氏名の情報が該当する。また、講義情報の順番は講義が行われる順番であり、テーマ名は講義が行われる科目等であり、資料名は講義資料の資料名であり、氏名は講義を行う教師の氏名であり、所要時間は講義に要する所要時間である。
【0100】
端末情報格納部505に保存された端末とユーザーとを関連付けた情報は、例えば図6の形式と同様なデータとして記憶させることができる。端末情報はIPアドレス、コンピューター名、接続ポート等から端末を特定する端末情報、氏名は講義に参加する人の氏名、役割は参加する人の役割を記憶させることができる。ここで図6の役割の項目に記載されている発表者端末は教師用端末のことであり、参加者端末は生徒用端末のことであり、他の表現にて記載しても構わない。また、例えば、講義の管理を行う管理者端末、講義の司会進行を行う司会者端末等のその他の役割を含めてもよく、教師用端末と生徒用端末の両方の役割を兼ね備えた端末などを設けても構わない。
【0101】
ここで、実施例2に係る講義情報格納部504及び端末情報格納部505に格納された情報は、実施例1の図5及び図6の説明において、発表を講義、発表者を教師、参加者を生徒とみなすことで同様に説明することが可能なため、詳細な説明は省略する。
【0102】
次に図11と図12を用いて、端末が講義資料のデータにアクセスしたときの学習システム2の学習サーバー500の処理を説明する。
【0103】
教師及び生徒は、それぞれ教師用端末操作部601、生徒用端末操作部701を操作して講義資料のデータの表示を行う。教師用端末制御部602、生徒用端末制御部702は該教師用端末操作部601、該生徒用端末操作部701における操作に基づいて該データの要求を学習サーバー500に送信する。
【0104】
学習サーバー500は、図11のS31で制御部501が端末からのデータの要求を受信する。次に、制御部501の端末制御手段は要求の有った端末の情報を端末情報格納部505に参照し、該端末が教師用端末か生徒用端末かを判定する(S32)。
【0105】
教師用端末600からの要求と判定された場合(S33でYES)、制御部501は教師用端末600へ要求されたデータを送信する(S34)。該教師用端末600は、教師用端末制御部602が制御部501から送信されたデータを受信し、教師用端末表示部603に該データの内容を表示する。
【0106】
制御部501は、S34で要求されたデータを送信すると共に、S35でアクセス権限格納部503を参照し、該データのアクセス権限を判定する。アクセス権限が禁止の場合(S36で禁止)、制御部501のアクセス権限変更手段は該データのアクセス権限を禁止から許可に変更し(S37)、アクセス権限格納部503に格納する。アクセス権限が許可の場合(S36で許可)はS37の処理は行わない。S34において、教師用端末600で表示しているデータが変更されたため、制御部501の端末情報制御手段は端末情報格納部505を参照し、制御部501は生徒用端末700へ教師用端末600で表示しているデータが変更されたことを通知する(S38)。ここで、S37でアクセス権限が変更されている場合はアクセス権限を変更したことも通知する。
【0107】
生徒用端末700は、生徒用端末制御部702が教師用端末600で表示しているデータの変更の通知を受信し(S41)、生徒用端末制御部702は表示モードの判定を行う(S42)。表示モードが非連動モードであり(S43でNO)、かつS37でアクセス権限を変更していない場合(S44でNO)、処理を終了する。表示モードが連動モードである場合(S43でYES)、又は、非連動モード(S43でNO)かつアクセス権限を変更した場合(S44でYES)、生徒用端末700は教師用端末600が表示したデータを要求する(S45)。ここで、連動モードの生徒用端末700は教師用端末600と同じデータを表示するために要求を行い、非連動モードの参加者端末はアクセス禁止記号からデータの内容に更新するために要求を行う。生徒用端末制御部702は教師用端末600が表示したデータの要求を送信し(S46)、S31の処理に戻る。
【0108】
学習サーバー500が端末からデータの要求を受信して該端末の判定を行い(S32)、生徒用端末700からの要求であった場合(S33でNO)、図12のS51へ進む。制御部501はアクセス権限格納部503を参照し、該データのアクセス権限を判定する(S51)。
【0109】
アクセス権限が許可の場合(S52で許可)、制御部501は教材データ格納部502から該データを読み出し、生徒用端末700へ送信する(S53)。アクセス権限が禁止の場合(S52で禁止)、制御部501はアクセス禁止記号の画像データやテキストデータを生徒用端末700へ送信する(S54)。該生徒用端末700は、生徒用端末制御部702が制御部501から送信されたデータを受信し、生徒用端末表示部703に該データの内容を表示する。ここで、アクセス権限が禁止のデータにアクセスし、表示しようとするとS54で送信されたアクセス禁止記号の画像やメッセージが表示される。以上で処理を終了する。
【0110】
本実施例において、端末にアクセス権限を設定してもよい。この場合、学習サーバー500は生徒用端末700から学習資料のデータにアクセスがあったとき、該生徒用端末のアクセス権限を参照し、許可であればアクセスを許可する。教師用端末600から学習資料のデータにアクセスがあったとき、アクセス権限が禁止の生徒用端末のアクセス権限を許可に変更する。
【0111】
本実施例において、教師が講義を終えたデータのアクセス権限を変更してもよい。
制御部501は、教師用端末600からデータの要求があったときに要求のあったデータを記憶し、次に要求があったときに記憶してあるデータのアクセス権限を変更してもよい。アクセス権限が禁止されていたデータを発表者からのアクセスによりアクセス権限を許可に変更し、教師が次のデータにアクセスしたときに前のデータを再度アクセス禁止にすることで、教師が表示している間のみ生徒も同データの表示が可能となり講義時以外の不要な閲覧を制限することができる。
【0112】
本実施例において、教師が表示したデータのアクセス権限を変更しているが、アクセス権限を変更したデータを表示しなくてもよい。例えば、ファイルやページを選択したときにアクセスの許可又は禁止を設定でき、内容を表示するかどうかを選択できるようにしてもよい。ただし、現在のページの次のページを選択した際には通常通り次ページへ進むものとする。これにより、次のページに進む場合は講義の進行を妨げることなくアクセス権限の禁止を許可とすることができ、また、講義が終了したページを選択し再度アクセス禁止にすることもできる。
【0113】
なお、本実施例では、学習サーバー500と教師用端末600は1台として説明したが、複数台存在するものであってもよく、生徒用端末700は複数台を備えたものとして説明したが1台であってもよい。また、学習サーバー500と教師用端末600は同一の端末であってもよい。このとき、学習資料のデータは教師用端末600に格納され、データに対するアクセス管理も教師用端末600が行う。
【0114】
以上説明したとおり、本発明の実施例2によれば、管理者による複雑なアクセス権限変更処理を行うことなく、教師のアクセスによって学習資料へのアクセス権限を変更することを可能とする学習システムを実現することができる。
【符号の説明】
【0115】
1 電子会議システム
2 学習システム
100 会議サーバー
101 制御部
102 資料データ格納部
103 アクセス権限格納部
104 会議情報格納部
105 端末情報格納部
111 会議資料
112 会議情報
113 端末情報
200 発表者端末
201 発表者端末操作部
202 発表者端末制御部
203 発表者端末表示部
300 参加者端末
301 参加者端末操作部
302 参加者端末制御部
303 参加者端末表示部
401 ファイル領域
402 ページ領域
403 データ表示領域
500 学習サーバー
501 制御部
502 教材データ格納部
503 アクセス権限格納部
504 講義情報格納部
505 端末情報格納部
600 教師用端末
601 教師用端末操作部
602 教師用端末制御部
603 教師用端末表示部
700 生徒用端末
701 生徒用端末操作部
702 生徒用端末制御部
703 生徒用端末表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各ユーザーのアクセス権限に基づいてデータへのアクセスを制御する情報処理装置であって、
前記各ユーザー内で特定された特定ユーザーが前記データへアクセスすることにより、前記データへのアクセス権限を変更するアクセス権限変更手段を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記データに前記アクセス権限を設定するアクセス権限設定手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記ユーザーが使用する端末に前記アクセス権限を設定するアクセス権限設定手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記アクセス権限変更手段は、前記特定ユーザーが前記アクセス権限を禁止に設定されたデータへアクセスすることにより、前記禁止を許可に変更することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記アクセス権限変更手段は、前記特定ユーザーが前記データへアクセスすることにより、アクセス権限が禁止に設定された端末のアクセス権限を許可に変更することを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記特定ユーザーを前記データのユーザー情報に基づいて特定するユーザー情報制御手段を備えることを特徴とする請求項4または5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記特定ユーザーを前記ユーザーの端末情報に基づいて特定する端末情報制御手段を備えることを特徴とする請求項4または5に記載の情報処理装置。
【請求項8】
請求項1から7の何れか一つに記載の情報処理装置を備える電子会議システム。
【請求項9】
請求項1から7の何れか一つに記載の情報処理装置を備える学習システム。
【請求項10】
各ユーザーのアクセス権限に基づいてデータへのアクセスを制御する情報処理方法であって、
前記各ユーザー内で特定された特定ユーザーが前記データへアクセスすることにより、前記データへのアクセス権限を変更することを特徴とする情報処理方法。
【請求項11】
各ユーザーのアクセス権限に基づいてデータへのアクセスを制御するサーバーであって、
前記各ユーザー内で特定された特定ユーザーから前記データへのアクセスを受信することにより、前記データへのアクセス権限を変更することを特徴とするサーバー。
【請求項12】
各ユーザーのアクセス権限に基づいてデータへのアクセスを制御する情報処理装置であって、
前記各ユーザーが使用する端末の内で特定された特定端末に前記データを表示したとき、前記データへのアクセス権限を変更することを特徴とする情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−227745(P2011−227745A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−97586(P2010−97586)
【出願日】平成22年4月21日(2010.4.21)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】