説明

情報処理装置および制御プログラム

【課題】画面上での操作の内容を映像信号として出力するようにする。
【解決手段】操作者によって入力部1hを用いて画面操作が行われると、CPU1aは、タイムスタンプ情報とログ情報を含む操作ログをデータベース1jに記録するとともに、バス1e、入出力インターフェイス1dおよび通信部1gを介して録画再生装置2に操作ログを出力する。またCPU1aは、バス1eおよび入出力インターフェイス1dを介してビデオカード1iの画面表示機能を制御し、操作ログに対応する映像をモニタ1kに表示させるとともに、録画再生装置2に操作ログに対応する映像信号を出力させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置および制御プログラムに関し、特に、画面上での操作の内容を映像信号として出力することができるようにした情報処理装置およびその制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
X線診断装置、CT(computed tomography:コンピュータ断層撮影)装置、超音波診断装置、磁気共鳴診断装置、ガンマカメラ、PET(positron-emission tomography:ポジトロン放出断層撮影)、及び診断用ワークステーション等の医用診断装置では、機能の向上や多機能化が進められている。
【0003】
このような装置の多機能化等の進展に伴い、医用診断装置の操作方法が複雑化しており、操作方法の修得が難しくなってきている現状がある。操作者は、操作方法のミス、誤った操作方法による装置トラブルや不具合が発生した場合、マニュアルなどを確認して対処するが、解決できない場合には、電話や電子メール等によりサービスセンタに問い合わせを行っている。
【0004】
特許文献1には、一の受講者の端末に表示された操作画面を、指導者の端末に表示させるとともに、他の受講者の端末に、指導者端末と一の受講者端末とが共有する画面を表示させることで、指導者端末の操作内容を受講者端末に反映させる技術が提案されている。この技術によって、遠隔操作を指導するシステムを提供することが可能となっている。
【特許文献1】特開2008−29658号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、遠隔操作の指導によってもサポートができない場合、直接サービスマンが医療機関に出向いて、操作者に操作方法を説明したり、あるいは、不具合等の解析を行ったりしなければならない課題があった。
【0006】
ところで、サービスマンは、不具合の解析に、操作ログを一つ一つ確認するなどの作業を行うが、操作ログの記録内容は膨大であり、その作業によって医用診断装置を使用することができない時間(ダウンタイム)は長くなる課題があった。
【0007】
また一般に、操作ログは、プログラム内部の所定の記録箇所に埋め込まれるが、詳細な操作ログを記録しようとすると、装置のパフォーマンス低下が危惧されるため、すべての操作ログを記録することは困難である課題があった。
【0008】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、画面上での操作の内容を映像信号として出力する情報処理装置および制御プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1記載の発明の特徴は、情報処理装置を操作するための入力手段と、入力手段による操作に応じた画面を表示する表示手段と、入力手段による操作の内容を操作ログとして記録する記録手段と、表示手段に表示された画面上での操作の内容を映像信号として出力する出力手段とを備える。
【0010】
請求項4記載の発明の特徴は、情報処理装置が備えるコンピュータに、情報処理装置を操作するための入力ステップと、入力ステップの処理による操作に応じた画面を表示する表示ステップと、入力ステップの処理による操作の内容を操作ログとして記録する記録ステップと、表示ステップの処理で表示された画面上での操作の内容を映像信号として出力する出力ステップとを実行させることである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、画面上での操作の内容を映像信号として出力することで、映像を見ながら不具合等の解析を容易に行うことができ、ダウンタイムを短くすることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
図1は、本発明に係る情報処理システムの構成例を示す図である。この情報処理システムにおいては、情報処理装置1、録画再生装置2、および保守サービスセンタ内に設置される保守端末3がネットワーク4を介して互いに接続されている。
【0014】
情報処理装置1は、医療機関に設置されるX線診断装置、超音波診断装置、および診断用ワークステーションなどで構成される。情報処理装置1は、操作者により操作が行われると、タイムスタンプ情報(日付・時間)とログ情報(時間的な順序をもった操作内容)を操作ログとして記録するとともに、その操作ログを録画再生装置2に出力する。また情報処理装置1は、操作画面上で行われるユーザ操作を映像信号として録画再生装置2に出力する。
【0015】
録画再生装置2は、HDR(Hard Disc Recorder)およびビデオレコーダなどで構成され、情報処理装置1と、例えばUSB(Universal Serial Bus)で接続される。録画再生装置2は、情報処理装置1のクロック情報と同期をとり、情報処理装置1から出力される操作ログおよび映像信号に加え、マーキング情報も記録する。マーキング情報には、チャプタ(映像の区切り)およびチャプタ位置のサムネイル画像が含まれる。
【0016】
情報処理装置1と録画再生装置2にそれぞれ記録される操作ログは、Java(登録商標)テクノロジやHtml(HyperText Markup Language)テクノロジを使用し、webを介して相互リンクされる仕組みを実現する。
【0017】
保守端末3は、ネットワーク4を介して情報処理装置1または録画再生装置2にアクセスし、そこに記録されている操作ログなどを取得してモニタに表示させる。操作ログには、タイムスタンプ情報、ログ情報、映像信号、およびマーキング情報がリンクされており、モニタには、操作ログの映像とともに、その映像の再生時刻と一致するタイムスタンプ情報やチャプタが連動して強調表示される(その詳細は後述する)。サービスマンは、モニタに映像として表示された操作ログ(ユーザ操作)を確認しながら、動作トラブルや不具合の解析を行うことができる。
【0018】
ネットワーク4は、公衆回線網、ローカルエリアネットワーク、またはインターネットなどのネットワーク、デジタル衛星放送といった、有線または無線のいずれのものでもよい。
【0019】
図2は、図1に示す情報処理装置1の構成例を示すブロック図である。この情報処理装置1は、CPU(Central Processing Unit)1a、ROM(Read Only Memory)1b、RAM(Random Access Memory)1c、および入出力インターフェイス1dが、バス1eを介して接続されている。入出力インターフェイス1dには、記憶部1f、通信部1g、入力部1h、ビデオカード1i、およびデータベース1jが接続されている。
【0020】
CPU1aは、入力部1hからの入力信号に基づいて情報処理装置1を起動するためのブートプログラムをROM1bから読み出して実行し、記憶部1fに格納されている各種オペレーティングシステムを読み出す。またCPU1aは、入力部1hからの入力信号に基づいて各種の制御を行ったり、ROM1bや記憶部1fに記憶されたプログラムおよびデータを読み出してRAM1cにロードしたり、あるいはRAM1cから読み出されたプログラムのコマンドに基づいて、データ演算または加工などの一連の処理を実行する。
【0021】
例えば、操作者によって入力部1hを用いて画面操作が行われると、CPU1aは、タイムスタンプ情報とログ情報を含む操作ログをデータベース1jに記録するとともに、バス1e、入出力インターフェイス1dおよび通信部1gを介して録画再生装置2に操作ログを出力する。またCPU1aは、バス1eおよび入出力インターフェイス1dを介してビデオカード1iの画面表示機能を制御し、操作ログに対応する映像をモニタ1kに表示させるとともに、録画再生装置2に操作ログに対応する映像信号を出力させる。
【0022】
また例えば、CPU1aは、データベース1jに記録された操作ログを読み出し、操作者が操作ログの不具合の解析などを行うためのGUI(Graphical User Interface)をモニタ1kに表示させる。
【0023】
記憶部1fは、半導体メモリや磁気ディスクなどで構成されており、CPU1aで実行されるプログラムやデータを記憶する。記憶部1fには、CPU1aが実行するプログラムとして、例えば、操作ログを記録するためのログ記録アプリケーションや、記録された操作ログを表示するための表示アプリケーションが用意される。
【0024】
通信部1gは、LAN(Local Area Network)カードやモデムなどで構成されており、情報処理装置1をローカルエリアネットワークやインターネットといった通信媒体であるネットワーク4に接続することを可能にする。すなわち通信部1gは、通信媒体から受信したデータを、入出力インターフェイス1dおよびバス1eを介してCPU1aに送信し、CPU1aからバス1eおよび入出力インターフェイス1dを介して受信したデータを、ネットワーク4に送信する。また通信部1gは、USB端子も備えており、録画再生装置2とUSB接続することを可能にする。
【0025】
入力部1hは、情報処理装置1の操作者が各種操作を入力するためのキーボードやマウスなどの入力デバイスにより構成されており、操作者の操作に基づいて入力信号を生成し、入出力インターフェイス1dおよびバス1eを介してCPU1aに送信する。
【0026】
ビデオカード1iには、モニタ1kおよび録画再生装置2が接続されている。すなわち、ビデオカード1iは、モニタ1k用のビデオ出力端子および録画再生装置2用のビデオ出力端子、例えば、Dsub(D subminiature)端子、DVI(Digital Visual Interface)端子、S(Separate)端子、およびD(Detection)端子などの2系統の出力端子を備えている。
【0027】
データベース1jは、例えば、大容量のHDD(Hard Disc Drive)で構成され、タイムスタンプ情報およびログ情報を操作ログとして記録する。
【0028】
モニタ1kは、例えば液晶ディスプレイであり、CPU1aからバス1e、入出力インターフェイス1d、およびビデオカード1iを介して受信した信号に基づいて、各種操作画面などを表示する。
【0029】
図3は、図1に示す録画再生装置2の構成例を示すブロック図である。この録画再生装置2は、CPU2a、ROM2b、RAM2c、および入出力インターフェイス2dが、バス2eを介して接続されている。入出力インターフェイス2dには、記憶部2f、通信部2g、入力部2h、表示部2i、およびデータベース2jが接続されている。なお、上述した情報処理装置1と基本的構成要素はほぼ同一であり、同一の構成要素の説明は重複するので省略する。
【0030】
録画再生装置2のCPU2aは、通信部2gを介して情報処理装置1との通信を制御し、情報処理装置1のクロック情報と同期をとる。CPU2aは、情報処理装置1から通信部2gを介して入力された映像信号、タイムスタンプ情報とログ情報を含む操作ログを、マーキング情報とともにデータベース2jに記録する。
【0031】
通信部2gは、録画再生装置2をネットワーク4に接続することを可能にする。また通信部2gは、ビデオ入力端子を備えており、情報処理装置1から出力される映像信号を受信する。さらに通信部2gは、USB端子も備えており、情報処理装置1とUSB接続することを可能にする。
【0032】
入力部2hは、録画再生装置2の操作者が各種操作を入力するためのボタンやスイッチなどの入力デバイスにより構成されており、操作者の操作に基づいて入力信号を生成し、入出力インターフェイス2dおよびバス2eを介してCPU2aに送信する。また入力部2hは、図示せぬリモートコマンダから操作者の操作に基づいて送信されたコマンドを受光し、受光した信号を、入出力インターフェイス2dおよびバス2eを介してCPU2aに送信する。
【0033】
表示部2iは、例えば、表示パネルからなり、CPU2aからバス2eおよび入出力インターフェイス2dを介して受信した信号に基づいて、各種情報などを表示する。
【0034】
データベース2jは、例えば大容量のHDDで構成され、情報処理装置1から供給された映像信号、タイムスタンプ情報、ログ情報、およびマーキング情報を操作ログとして記録する。なお、映像信号は、例えば、MPEG(Moving Picture Experts Group)の圧縮技術を用いて圧縮することによって、ファイルサイズを小さくするようにしてもよい。
【0035】
次に、図4のフローチャートを参照して、ログ記録アプリケーションが実行する操作ログ記録処理について説明する。
【0036】
ステップS1において、情報処理装置1のCPU1aは、操作者により入力部1hが操作されて電源ONされると、装置電源をONにする。情報処理装置1とUSB接続される録画再生装置2のCPU2aは、ステップS11において、情報処理装置1の電源ONに連動して装置電源をONにする。
【0037】
ステップS2において、情報処理装置1のCPU1aは、操作者により入力部1hが操作されてログインされたか否かを判定し、ログインされるまで待機する。ログインとは、ユーザIDおよびパスワードを入力することによって、正規の使用者であることを証明して装置を使用する手続きのことである。従って、ログインして本人であると確認されるとデータのやりとりが行える状態になる。
【0038】
ステップS2において、操作者によりログインされたと判定された場合、ステップS3に進み、CPU1aは、バス1e、入出力インターフェイス1dおよび通信部1gを介して録画再生装置2のデータベース2jのディスク容量を確認する。
【0039】
ステップS4において、CPU1aは、ステップS3の処理による確認の結果、録画再生装置2のデータベース2jのディスク容量が充分であるか否かを判定し、充分でないと判定した場合、ステップS5に進み、録画再生装置2に対して、データベース2jの初期化を要求する。この処理では、データベース2jの初期化を要求するようにしているが、これに限らず、例えば、データベース2jに記録されてから所定期間が経過したデータ、あるいは、操作者が選択したデータ(消去しても良いと判断したデータ)の初期化を要求するようにしてもよい。
【0040】
ステップS4において、録画再生装置2のデータベース2jのディスク容量が充分であると判定された場合には、ステップS5の処理はスキップされる。
【0041】
ステップS12において、録画再生装置2のCPU2aは、初期化要求があったか否かを判定し、ステップS5の処理により情報処理装置1からディスクの初期化要求を受けた場合には初期化要求があったと判定し、ステップS13に進む。ステップS13において、CPU2aは、バス2eおよび入出力インターフェイス2dを介してデータベース2jにアクセスし、ディスクを初期化する。ステップS12において、初期化要求がないと判定された場合には、ステップS13の処理はスキップされる。この場合には、データベース2jに記録容量が充分にあることを意味する。
【0042】
ステップS6において、情報処理装置1のCPU1aは、録画再生装置2とのクロック情報を同期させる。ステップS14において、情報処理装置1とUSB接続される録画再生装置2のCPU2aは、ステップS6の処理に連動して情報処理装置1とのクロック情報を同期させる。
【0043】
ステップS7において、情報処理装置1のCPU1aはログ記録処理を開始し、ステップS15において、録画再生装置2のCPU2aもログ記録処理を開始する。これらのログ記録処理の詳細は、図5のフローチャートを参照して後述するが、ログ記録処理によって、情報処理装置1のデータベース1jには、タイムスタンプ情報とログ情報を含む操作ログが記録され、録画再生装置2のデータベース2jには、映像信号、タイムスタンプ情報、ログ情報、およびマーキング情報を含む操作ログが記録される。
【0044】
ステップS8において、情報処理装置1のCPU1aは、操作者により入力部1hが操作されて電源OFFされると、装置電源をOFFにする。情報処理装置1とUSB接続される録画再生装置2のCPU2aは、ステップS16において、情報処理装置1の電源OFFに連動して装置電源をOFFにする。
【0045】
次に、図5のフローチャートを参照して、図4のフローチャートにおける情報処理装置1のステップS7のログ記録処理、および、録画再生装置2のステップS15のログ記録処理の詳細について説明する。
【0046】
ステップS7aにおいて、情報処理装置1のCPU1aは、操作者により入力部1hを用いて操作が行われたか否かを判定し、操作が行われるまで待機する。そして操作者により操作が行われたと判定された場合、ステップS7bに進み、CPU1aは、バス1eおよび入出力インターフェイス1dを介してデータベース1jに、操作が行われた日付および時間をタイムスタンプ情報として記録する。
【0047】
ステップS15aにおいて、情報処理装置1とクロック情報が同期する録画再生装置2のCPU2aは、バス2eおよび入出力インターフェイス2dを介してデータベース2jに、操作が行われた日付および時間をタイムスタンプ情報として記録する。
【0048】
ステップS7cにおいて、情報処理装置1のCPU1aは、操作が行われた内容をログ情報としてデータベース1jに記録する。このとき、ログ情報は、ステップS7bの処理で記録されたタイムスタンプ情報に関連付けて記録される。またCPU1aは、ログ情報を、バス1e、入出力インターフェイス1dおよび通信部1gを介して録画再生装置2に出力する。
【0049】
ステップS15bにおいて、録画再生装置2のCPU2aは、情報処理装置1から通信部1gを介して取得したログ情報を、入出力インターフェイス1dを介してデータベース2jに記録する。このとき、ログ情報は、ステップS15aの処理で記録されたタイムスタンプ情報に関連付けて記録される。
【0050】
ステップS7dにおいて、情報処理装置1のCPU1aは、操作画面上で行われるユーザ操作を映像信号として、ビデオカード1iを介して録画再生装置2に出力する。ステップS15cにおいて、録画再生装置2のCPU2aは、情報処理装置1から出力されたユーザ操作の映像信号を、通信部2gおよび入出力インターフェイス2dを介してデータベース2jに記録する。
【0051】
ステップS15dにおいて、CPU2aは、ステップS15aの処理で記録したタイムスタンプ情報からチャプタ位置(ログ情報が記録された開始位置)を取得するとともに、ステップS15cの処理で記録した映像信号からサムネイル画像(多数の画像を一覧表示するために縮小された、ファイルサイズの小さいチャプタ位置の画像)を生成する。CPU2aは、取得したチャプタ位置と生成したサムネイル画像をマーキング情報としてデータベース2jに記録する。このとき、マーキング情報は、ステップS15aの処理で記録されたタイムスタンプ情報およびステップS15bの処理で記録されたログ情報に関連付けて記録される。
【0052】
ステップS7eにおいて、情報処理装置1のCPU1aは、操作者により入力部1hが操作されてログアウトされたか否かを判定し、ログアウトされていないと判定した場合、ステップS7aに戻り、上述した処理を繰り返し実行する。そして、ステップS7eにおいて、操作者によりログアウトされると、ステップS7fに進み、CPU1aは、バス1e、入出力インターフェイス1dおよび通信部1gを介して録画再生装置2に対して録画終了を要求する。
【0053】
ステップS15eにおいて、録画再生装置2のCPU2aは、録画終了か否かを判定し、ステップS7fの処理により情報処理装置1から録画終了の要求を受けた場合には録画終了と判定してステップS15fに進む。一方、ステップS15eにおいて、録画終了ではない、すなわち、情報処理装置1からまだ録画終了の要求を受けていないと判定した場合にはステップS15aに戻り、上述した処理が繰り返し実行される。
【0054】
ステップS15fにおいて、録画再生装置2のCPU2aは、情報処理装置1からの録画終了の要求を受け、録画終了する。
【0055】
以上のログ記録処理によって、情報処理装置1のデータベース1jには、タイムスタンプ情報とログ情報を含む操作ログが記録され、録画再生装置2のデータベース2jには、映像信号、タイムスタンプ情報、ログ情報、およびマーキング情報を含む操作ログが記録される。従って、データベース化された操作ログからタイムスタンプやユーザ操作の映像をモニタ1kに表示することが可能となり、従来の文字や数字などの羅列によって構成されるログを確認するよりも、簡単かつ詳細にログを確認することが可能となる。また、チャプタやチャプタ位置におけるサムネイル画像もデータベース化されるため、操作ログの検索を容易に行うことも可能である。
【0056】
次に、ログ記録処理の具体例について図6乃至図8を参照して説明する。
【0057】
例えば、操作者により情報処理装置1の入力部1hが操作されてアプリケーションAの起動が要求されると、CPU1aは、ROM1bや記憶部1fからアプリケーションAに必要なプログラムやデータを読み出して実行する。このアプリケーションAの起動にともなって、図6に示すような操作画面10がモニタ1kに表示される。
【0058】
図6に示す操作画面10には、画像表示エリア10a、画像表示エリア10aに表示される画像に機能Aの適用を指示するためのボタン10b、画像表示エリア10aに表示される画像に機能Bの適用を指示するためのボタン10c、画像表示エリア10aに表示される画像に機能Cの適用を指示するためのボタン10d、およびボタン10b乃至10dへの操作を確定するためのOKボタン10eが設けられている。
【0059】
操作者は、入力部1hを用いて画像Aの表示を指示すると、CPU1aは、データベース1jから読み出した画像Aを、ビデオカード1iを介してモニタ1kに供給し、画像表示エリア10aに表示させる。そして、操作者は、入力部1hを用いてカーソルCを移動させ、ボタン10bを選択する。
【0060】
このような一連の操作が操作ログとして情報処理装置1のデータベース1jに記録された場合の例を図7に、録画再生装置2のデータベース2jに記録された場合の例を図8にそれぞれ示す。
【0061】
図7に示すように、情報処理装置1のデータベース1jの第1の格納エリアには、2008/08/25と00:30:25のタイムスタンプ情報およびログ1(アプリケーションAの起動要求)のログ情報が記録される。第2の格納エリアには、2008/08/25と00:31:00のタイムスタンプ情報およびログ2(アプリケーションAの実行と操作画面10の表示)のログ情報が記録される。第3の格納エリアには、2008/08/25と00:31:10のタイムスタンプ情報およびログ3(画像Aの表示指示)のログ情報が記録される。
【0062】
第4の格納エリアには、2008/08/25と00:33:05のタイムスタンプ情報およびログ4(画像表示エリア10aへの画像Aの表示)のログ情報が記録される。第5の格納エリアには、2008/08/25と00:33:40のタイムスタンプ情報およびログ5(ボタン10bの選択)のログ情報が記録される。第6の格納エリアには、2008/08/25と00:34:02のタイムスタンプ情報およびログ6(画像表示エリア10aに表示される画像Aへの機能Aの適用)のログ情報が記録される。
【0063】
図8に示すように、録画再生装置2のデータベース2jの第1の格納エリアには、2008/08/25と00:30:25のタイムスタンプ情報、チャプタ1とサムネイル画像1のマーキング情報、およびログ1(アプリケーションAの起動要求)のログ情報が記録される。第2の格納エリアには、2008/08/25と00:31:00のタイムスタンプ情報、チャプタ2とサムネイル画像2のマーキング情報、およびログ2(アプリケーションAの実行と操作画面10の表示)のログ情報が記録される。第3の格納エリアには、2008/08/25と00:31:10のタイムスタンプ情報、チャプタ3とサムネイル画像3のマーキング情報、およびログ3(画像Aの表示指示)のログ情報が記録される。
【0064】
第4の格納エリアには、2008/08/25と00:33:05のタイムスタンプ情報、チャプタ4とサムネイル画像4のマーキング情報、およびログ4(画像表示エリア10aへの画像Aの表示)のログ情報が記録される。第5の格納エリアには、2008/08/25と00:33:40のタイムスタンプ情報、チャプタ5とサムネイル画像5のマーキング情報、およびログ5(ボタン10bの選択)のログ情報が記録される。第6の格納エリアには、2008/08/25と00:34:02のタイムスタンプ情報、チャプタ6とサムネイル画像6のマーキング情報、およびログ6(画像表示エリア10aに表示される画像Aへの機能Aの適用)のログ情報が記録される
次に、データベース1jとデータベース2jにそれぞれ記録された操作ログの表示例について説明する。図9は、表示アプリケーションによって、情報処理装置1のモニタ1kに表示される操作ログ表示画面20の例を示す図である。
【0065】
図9に示す操作ログ表示画面20において、タイムスタンプ情報を表示するタイムスタンプ表示エリア20a、操作ログ(ユーザ操作)である映像を表示する操作ログ表示エリア20b、チャプタ位置やサムネイル画像を含むマーキング情報を表示するマーキング情報表示エリア20c、情報処理装置1や録画再生装置2から操作ログをダウンロードするためのダウンロードエリア20dが配置されている。また、操作ログ表示エリア20bの下方には、操作ログ表示エリア20bに表示される映像の操作を行うための操作ボタン群20eが配置されている。
【0066】
タイムスタンプ表示エリア20aには、図7に示した情報処理装置1のデータベース1jに記録されている操作ログが読み出され時系列順に表示されている。操作ログ表示エリア20bには、録画再生装置2のデータベース2jに記録されている操作ログの映像が表示される(ただし、図9の例では、未だ録画再生装置2から映像信号がダウンロードされていないため表示されない)。また操作ログ表示エリア20bには、再生映像のタイムスタンプログ情報に基づく再生時刻(YYY/MM/DD hh:mm:ss)およびチャプタ位置からの再生経過時刻(hh:mm:ss)が表示される。
【0067】
マーキング情報表示エリア20cには、図8に示した録画再生装置2のデータベース2jに記録されている操作ログのマーキング情報がダウンロードされ時系列順に表示される(ただし、図9の例では、未だ録画再生装置2からマーキング情報がダウンロードされていないため表示されない)。
【0068】
ダウンロードエリア20dには、情報処理装置1のデータベース1jに記録されている操作ログをダウンロードするときに選択されるタイムスタンプログボタン20d−1、録画再生装置2のデータベース2jに記録されている操作ログをダウンロードするときに選択される操作ログボタン20d−2が設けられている。
【0069】
例えば、情報処理装置1のデータベース1jに記録されている操作ログを操作ログ表示画面20に表示させる場合、操作者は、入力部1hを操作してタイムスタンプログボタン20d−1を選択する。また例えば、録画再生装置2のデータベース2jに記録されている操作ログを操作ログ表示画面20に表示させる場合、操作者は、入力部1hを操作して操作ログボタン20d−2を選択する。
【0070】
操作ボタン群20eには、操作ログ表示エリア20bに表示される映像の各種操作を行うためのボタンが設けられており、これらのボタンを操作することで、映像の停止、映像の開始(一時停止)、映像の早戻し、再生位置バーでの表示位置指定、映像の早送り、音量バーでの音量調整を行うことができる。なお、入力部1hのマウスを右クリックして拡大縮小メニューを表示させることで、映像の拡大または縮小を行うこともできる。
【0071】
次に、図10のフローチャートを参照して、ダウンロードエリア20dへの操作に応じた表示制御処理について説明する。
【0072】
ステップS21において、情報処理装置1のCPU1aは、操作者により入力部1hが操作されてダウンロードエリア20dのタイムスタンプログボタン20d−1が押下されたか否かを判定し、タイムスタンプログボタン20d−1が押下されたと判定した場合、ステップS22に進む。
【0073】
ステップS22において、CPU1aは、データベース1jからタイムスタンプ情報とログ情報を読み出し、入出力インターフェイス1dおよびビデオカード1iを介してモニタ1kに供給し、例えば、図9に示すように、操作ログ表示画面20のタイムスタンプ表示エリア20aに表示させる。
【0074】
ステップS21において、タイムスタンプログボタン20d−1が押下されていないと判定された場合、ステップS23に進み、CPU1aは、操作者により入力部1hが操作されてダウンロードエリア20dの操作ログボタン20d−2が押下されたか否かを判定する。ステップS23において、操作ログボタン20d−2が押下されたと判定された場合、ステップS24に進み、CPU1aは、録画再生装置2のデータベース2jから通信部1gを介して、タイムスタンプ情報、映像、ログ情報、チャプタ位置、およびサムネイル画像をダウンロードする。
【0075】
ステップS25において、CPU1aは、ステップS24の処理でダウンロードした情報を、入出力インターフェイス1dおよびビデオカード1iを介してモニタ1kに供給し、例えば、図11に示すように、操作ログ表示画面20の操作ログ表示エリア20bに映像を、マーキング情報表示エリア20cにチャプタ位置とサムネイル画像をそれぞれ表示させる。
【0076】
図11に示す操作ログ表示画面20において、操作ログ表示エリア20bには、チャプタ2の画像が表示されており、マーキング情報表示エリア20cには、録画再生装置2のデータベース2jに記録されているマーキング情報(チャプタ位置とサムネイル画像)がダウンロードされて時系列順に表示されている。またマーキング情報表示エリア20cにおいて、操作ログ表示エリア20bに表示されているチャプタ2に対応するサムネイル画像が強調表示されている。
【0077】
図10の説明に戻る。ステップS23において、操作ログボタン20d−2が押下されていないと判定された場合、ステップS21に戻り、上述した処理が繰り返し実行される。
【0078】
ステップS26において、CPU1aは、操作者により入力部1hが用いられて画面操作が行われたか否かを判定し、画面操作が行われるまで待機する。そして、画面操作が行われたと判定された場合、ステップS27に進み、CPU1aは、操作に応じて表示を更新する。
【0079】
例えば、図11において、操作者によりタイムスタンプ表示エリア20aに表示されている操作ログのうちの上から第2番目の操作ログが選択された場合、操作ログ表示エリア20bには、選択されたタイムスタンプ情報の時刻に録画された映像が表示(再生)される。すなわち、2008/08/25 00:31:00からの映像が表示される。この映像表示に伴って、マーキング情報表示エリア20cでは、チャプタ2のサムネイル画像が強調表示される。
【0080】
また例えば、操作者によりマーキング情報表示エリア20cに表示されているサムネイル画像のうちのチャプタ2のサムネイル画像が選択された場合、操作ログ表示エリア20bには、選択されたサムネイル画像のチャプタ位置から映像が表示(再生)される。すなわち、2008/08/25 00:31:00からの映像が表示される。この映像表示に伴って、マーキング情報表示エリア20cでは、チャプタ2のサムネイル画像が強調表示され、同時に、チャプタ2のサムネイル画像のログ情報がポップアップ表示される(不図示)。
【0081】
操作ログ表示エリア20bに表示される映像が再生中の場合には、再生時刻の位置と一致するタイムスタンプログ情報とチャプタが連動して強調表示される。例えば、図12に示すように、操作ログ表示エリア20bに表示される映像の再生時刻が00:32:15のとき、タイムスタンプ表示エリア20aでは、上から第3番目と第4番目の操作ログが強調表示され、マーキング情報表示エリア20cでは、チャプタ3とチャプタ4のサムネイル画像が強調表示される。すなわち、再生時刻を挟んだ前後のタイムスタンプ情報とチャプタが強調表示(選択)された状態となり、再生時刻が経過するに従って、強調表示される位置も順次切り替わるようになされている。
【0082】
なお、操作ログ表示エリア20bに表示される映像が停止中の場合、そこにはチャプタ位置の画像(静止画)が表示される。
【0083】
図10の説明に戻る。ステップS28において、CPU1aは、表示終了か否か、すなわち、操作者により入力部1hが操作されて操作ログ表示画面20の表示終了が指示されたか否かを判定し、表示終了ではないと判定した場合、ステップS26に戻り、上述した処理を繰り返し実行する。そして、ステップS28において、表示終了であると判定された場合、表示制御処理を終了する。
【0084】
以上の処理により、サービスマンは、画面上に表示された操作ログ(ユーザ操作)を見ながら、忠実な再現試験を実施することができ、装置のトラブルや不具合の調査・解析を容易に行うことが可能となる。またオペレーション操作ミスなども容易に発見することが可能となる。従って、ダウンタイムを短くすることができる。
【0085】
以上の表示制御処理は、情報処理装置1で行われるものとして説明したが、録画再生装置2や保守端末3で行うことも勿論可能である。録画再生装置2で表示制御処理を行う場合、操作ログ表示画面20のGUIが予め用意されるが、図9に示したダウンロードエリア20dは不要となる。録画再生装置2にTVモニタなどを接続することで、操作ログ表示画面20を表示させることができ、サービスマンは、情報処理装置1を用いなくても装置のトラブルや不具合の調査・解析を容易に行うことが可能となる。
【0086】
また保守端末3で表示制御処理を行う場合にも、操作ログ表示画面20のGUIが予め用意される。保守端末3は、ネットワーク4を介して情報処理装置1や録画再生装置2と通信し、操作ログをダウンロードして操作ログ表示画面20を表示させることができる。これにより、サービスマンは、わざわざ情報処理装置1や録画再生装置2が設置されている場所に出向くことなく、遠隔操作にて、装置のトラブルや不具合の調査・解析を容易に行うことが可能となる。
【0087】
以上においては、映像信号として記録された操作ログを、装置のトラブルや不具合の調査・解析に用いるようにしたが、これに限らず、例えば、製品開発時の自動テストツールの画面操作ログを記録することで、デバックツール(コンピュータプログラムのバグと呼ばれる誤りを探して取り除くこと)としての利用も可能である。
【0088】
また、映像信号の操作ログは、録画再生装置2のデータベース2jに記録させるようにしたが、これに限らず、情報処理装置1のデータベース1jに記録するようにしたり、あるいは、半導体や磁気ディスクなどで構成される外部記憶装置に記録したりするようにしてもよい。
【0089】
なおこの発明は、上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化したり、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせたりすることにより種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施の形態に亘る構成要素を適宜組み合わせても良い。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】情報処理システムの構成例を示す図である。
【図2】図1の情報処理装置の構成例を示すブロック図である。
【図3】図1の録画再生装置の構成例を示すブロック図である。
【図4】操作ログ記録処理を説明するフローチャートである。
【図5】ログ記録処理の詳細を説明するフローチャートである。
【図6】ログ記録処理の具体例を説明するための操作画面の表示例を示す図である。
【図7】情報処理装置のデータベースに記録される操作ログの情報例を示す図である。
【図8】録画再生装置のデータベースに記録される操作ログの情報例を示す図である。
【図9】操作ログ表示画面の表示例を示す図である。
【図10】表示制御処理を説明するフローチャートである。
【図11】操作ログ表示画面の他の表示例を示す図である。
【図12】操作ログ表示画面の他の表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0091】
1 情報処理装置
1a CPU
1h 入力部
1i ビデオカード
1j データベース
1k モニタ
2 録画再生装置
2j データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置を操作するための入力手段と、
前記入力手段による操作に応じた画面を表示する表示手段と、
前記入力手段による操作の内容を操作ログとして記録する記録手段と、
前記表示手段に表示された前記画面上での操作の内容を映像信号として出力する出力手段と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記操作ログには、少なくとも、日付と時間からなるタイムスタンプ情報、および操作内容からなるログ情報が含まれている
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記表示手段は、前記記録手段に記録された前記操作ログに基づく画面をさらに表示する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
情報処理装置が備えるコンピュータに、
前記情報処理装置を操作するための入力ステップと、
前記入力ステップの処理による操作に応じた画面を表示する表示ステップと、
前記入力ステップの処理による操作の内容を操作ログとして記録する記録ステップと、
前記表示ステップの処理で表示された前記画面上での操作の内容を映像信号として出力する出力ステップと
を実行させることを特徴とする制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−157076(P2010−157076A)
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−334704(P2008−334704)
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】