情報処理装置に新たな装置を組み込む方法、及び情報処理装置
【課題】 情報処理装置に新たな装置を安全に組み込むための方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 情報処理装置の制御系統を複数の制御系統に分割し、複数の制御系統のうちの一の制御系統は前記新たな装置に直接アクセスし当該新たな装置を管理するための処理を実行し、他の制御系統は当該新たな装置に直接アクセスせず前記新たな装置に直接アクセスしその管理のための処理を実行する一の制御系統を管理する構成とした。
【解決手段】 情報処理装置の制御系統を複数の制御系統に分割し、複数の制御系統のうちの一の制御系統は前記新たな装置に直接アクセスし当該新たな装置を管理するための処理を実行し、他の制御系統は当該新たな装置に直接アクセスせず前記新たな装置に直接アクセスしその管理のための処理を実行する一の制御系統を管理する構成とした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は情報処理装置に新たな装置を組み込む方法、及びその方法を実施する機能を有する情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高品質、高性能が要求されるサーバ等の情報処理装置において、システムを停止せずにハードウェア資源を追加することが要求されている。
【0003】
例えば、オンラインバンキング、ネットショッピングなどの業務に適用されるサーバにおいては、以下の如くの要求が課せられる。
【0004】
1)24時間システムの停止が許されない。
【0005】
2)業務の負荷に応じてハードウェア資源をシステムを停止せずに追加し得る。
【0006】
3)限られたハードウェア資源を負荷の高い業務に動的に割当て得る。
【0007】
4)ハードウェア資源コスト削減が要求される。
【0008】
これらの要求を満たすためには、OS(オペレーティングシステム、以下同様)にて運用中のシステムにおいて、OSによる動作を停止することなく必要最小限のハードウェア資源を安全に追加することが要求される。
【0009】
このような場合、従来はCPU、メモリ及びIO(入出力部、以下同様)を含めワンセットとされたボードを一単位として既存のシステムに組込んでいた。このようにCPUを必ず追加すべき一単位に含めることにより、事前にこのCPUがファームウェアによる制御の下で追加ハードウェアに搭載されたメモリなどの各種デバイスの診断、初期化、デバイス構成情報の構築を行う。その結果、追加ハードウェアを安全に既存のシステムに組み込むことが可能であった。
【0010】
しかしながら、コスト削減の観点からは、CPU未実装のハードウェア資源を既存のシステムに組み込む形態の方が望ましい。
【0011】
CPU、メモリ及びIOを各々個別に既存のシステムに組込む場合、以下の如くの問題点が考えられる。追加のハードウェアの組込み時、既存のシステムにおいてOS動作中のCPUが、診断、初期化及びデバイス構成情報の構築がなされていない状態の追加ハードウェア資源に直接アクセスすることになる。そのため、当該ハードウェアへのアクセスエラーが発生した場合、既存のシステムがシステムダウンする危険性がある。
【0012】
そこで、CPU未実装のハードウェア資源を、既存のシステムにおいて動作中のOS管理下に安全に組込むための構成が望まれる。
【0013】
以下、上記問題点につき、更に詳細に説明する。
【0014】
まず次のようなコンピュータシステムを想定する。
【0015】
このシステムは複数のシステムボードから構成され、各システムボード上にはCPU、IO、メモリが実装される。
【0016】
このシステムはその起動時、ファームウェアがメモリに展開され、このファームウェアがシステムのデバイス構成情報をメモリ上に作成し、OSを起動する。
【0017】
OSはファームウェアが作成したデバイス構成情報を使ってシステム上のデバイスを管理する。
【0018】
ここで「OSがファームウェアが作成したデバイス構成情報を使ってシステム上のデバイスを管理する」とは、以下の内容を意味する。
【0019】
すなわちOSがソフトウェアSの処理を行う際、そのソフトウェアSの処理にデバイスDを割当てることが可能である。
【0020】
またデバイスDで何らかの異常が発生した際、OSはソフトウェアSの処理においてその異常処理を行なうことが可能である。
【0021】
このようなシステムの一例を図1に示す。
【0022】
図1中、SYS(X)100はOS132により運用中のシステムであり、CPU(A)110、CPU(B)120はSYS(X)100上で動作中のCPUである。また、MEM(X)130はSYS(X)100に搭載されるメモリであり、ファームウェア(FIRM133)およびファームウェア133によって作成されたSYS(X)100のデバイス構成情報(Devinfo(X)135)を格納する。
【0023】
また、SB(Y)200は既存のシステムSYS(X)に新たに組込まれるシステムボードである。また、MEM(Y)230はSB(Y)200上のメモリであり、IO(Y)240はSB(Y)200上のIOである。
【0024】
図1に図示されたデバイス、ファームウェア133、OS132は以下の状態にあるものとする。
【0025】
SYS(X)100上のメモリMEM(X)130上でOS132とファームウェア133とが動作している。
【0026】
SYS(X)100のデバイス構成情報Devinfo(X)135は、ファームウェア133によって構築され、MEM(X)に格納されている。
【0027】
CPU(A)110、CPU(B)120はOS132の管理下にある。OS132による制御系統は図1においてC1として示される。
【0028】
SB(Y)200はOS132運用中のシステムSYS(X)100にハードウェア的に接続されており、CPU(A)110、CPU(B)120からアクセス可能な状態にある。
【0029】
SB(Y)200にはメモリMEM(Y)230とIO(Y)240とが実装されているが、それらのデバイス構成情報は構築されておらず、既存のシステムSYS(X)100のOS132管理下にはないものとする。
【0030】
なお、図1図示のシステムにおいて、新たに組み込もうとするシステムボードSB(Y)200にはCPUが実装されていない。このため、既存のシステムに接続されたSB(Y)200上のデバイス(MEM(Y)230、IO(Y)240)を既存のシステムSYS(X)100のOS132の管理下に置くため、既存のシステムSYS(X)100上のCPU(A)110、CPU(B)120によるシステムボードSB(Y)200上のデバイス(MEM(Y)230、IO(Y)240)に対する診断、初期化及びそのデバイス構成情報の作成が必要である。
【0031】
そのため、従来は図2のステップS1、S2に示す如く、OS132の管理下にあるCPU(A)110、CPU(B)120が、新たに組み込むべきハードウェア資源(MEM(Y)230、IO(Y)240)に直接アクセスして診断、初期化及びそのデバイス構成情報の作成と言った処理を行っていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0032】
【特許文献1】特開2002−132741号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0033】
このように新たなハードウェアを既存のシステムに組み込む際、既存のシステムのOS132で動作中の一のCPU(B)120が新たに組み込まれたシステムボードSB(Y)200上のデバイスに直接アクセスした場合、動作エラーが発生することがある。そしてこれがシステムにとって致命的なエラーであった場合、既存のシステム全体のシステムダウンに至る可能性がある。
【0034】
以下この問題につき、図3乃至5と共に具体的に説明する。
【0035】
図4のステップS21にて新たなハードウェアとしてのシステムボードSB(Y)200をシステムSYS(X)に追加する際、既存のシステムSYS(X)100のOS132で動作中の一のCPUであるCPU(B)120が、システムボードSB(Y)200に直接アクセスする(図3中、ステップS11)。そしてシステムボードSB(Y)200上のデバイス(MEM(Y)230、IO(Y)240)の診断、初期化及びそのデバイス構成情報の構築を行う(図4中、ステップS22及び図5中、ステップS31)。その間、何らかの要因で致命的なエラーが発生した場合(図3中のステップS12)、既存のシステムSYS(X)100はシステムダウンに陥る(図4中、ステップS23)。図5の例(ステップS32)では、メモリに障害が発生した例が図示されている。
【0036】
他方、図4のステップS22の処理が正常に終了できた場合、あるいはエラーが発生しても修復可能なエラーであった場合には、ステップS24にてシステムボードSB(Y)200のOS132の管理下への組み込みが完了する。
【0037】
このように、従来の構成では図5に示す如く、システムボードSB(Y)200を組み込む際に既存のシステムSYS(X)100を制御しているOS132で動作しているCPU(B)120がシステムボードSB(Y)200に直接アクセスして、システムボードSB(Y)200上のデバイス(MEM(Y)230、IO(Y)240)0の診断、初期化及びそのデバイス構成情報の構築を行う。
【0038】
すなわち、既存のシステムSYS(X)100全体を管理するCPU(A)110と、診断、初期化及びそのデバイス構成情報の構築がなされていない状態のシステムボードSB(Y)200に直接アクセスするCPU(B)120とが、OS132による制御に係る制御系統C1で動作している状況下で、上記組み込みのための処理(診断、初期化、そのデバイス構成情報の構築)がなされる。そのため、CPU(B)120による上記アクセス中に何らかの致命的なエラーが発生した場合、そのエラーが制御系統C1全体に及び、制御系統C1に含まれるCPU(A)110も動作不能に陥ることになる。その結果、システム全体が動作不能状態に陥る。
【0039】
例えば24時間停止が許されないシステムではこのようなシステムダウンの発生は許されない。その結果システム運用中にCPU以外の必要最小限のハードウェア資源を追加するということが困難となってしまう。
【0040】
本発明はこのような問題点に鑑み、既存のシステムのOSに新たなハードウェアを組み込む際、システムダウンのリスクを回避して安全な組み込みを可能にする構成を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0041】
本発明では情報処理装置に新たに装置を組み込む際、当該情報処理装置の制御系統を複数の制御系統に分割し、当該分割された複数の制御系統のうちの一の制御系統は前記新たな装置に直接アクセスし当該新たな装置を管理するための処理を実行し、前記分割された複数の制御系統のうちの他の制御系統は、前記新たな装置に直接アクセスしその管理のための処理を実行する一の制御系統を管理する構成とした。
【発明の効果】
【0042】
このように情報処理装置の制御系統を分割し、その一の制御系統によって新たな装置に直接アクセスするようにすることにより、アクセス中に何らかの原因で致命的なエラーが発生した場合であっても、当該エラーが前記一の制御系統を越え他の制御系統まで波及することがない。したがって、前記分割に係る他の制御系統は正常に動作継続可能となり、既存の情報処理装置全体のシステムダウンの発生を効果的に防止し得る。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】従来の問題点を説明するための図(その1)である。
【図2】従来の問題点を説明するための図(その2)である。
【図3】従来の問題点を説明するための図(その3)である。
【図4】従来の問題点を説明するための図(その4)である。
【図5】従来の問題点を説明するための図(その5)である。
【図6】本発明の一実施例による情報処理装置に新たに装置を組み込むための方法の概要を説明するための動作フローチャートである。
【図7】本発明の一実施例による情報処理装置に新たに装置を組み込むための方法の概要を説明するための装置ブロック図である。
【図8】本発明の一実施例による情報処理装置に新たに装置を組み込むための方法を適用し得る情報処理装置の一例のシステムボード用スロット構成を示すための図である。
【図9】図8に示すシステムボード上のスロット構成の一例を示すための図である。
【図10】本発明の一実施例による情報処理装置に新たに装置を組み込むための方法を説明するための装置ブロック図(その1)である。
【図11】本発明の一実施例による情報処理装置に新たに装置を組み込むための方法を詳細に説明するための動作フローチャートである。
【図12】本発明の一実施例による情報処理装置に新たに装置を組み込むための方法を説明するための装置ブロック図(その2)である。
【図13】本発明の一実施例による情報処理装置に新たに装置を組み込むための方法を説明するための装置ブロック図(その3)である。
【図14】本発明の一実施例による情報処理装置に新たに装置を組み込むための方法を説明するための装置ブロック図(その4)である。
【図15】本発明の一実施例による情報処理装置に新たに装置を組み込むための方法を説明するための装置ブロック図(その5)である。
【図16】本発明の一実施例による情報処理装置に新たに装置を組み込むための方法を説明するための装置ブロック図(その6)である。
【図17】本発明の一実施例による情報処理装置に新たに装置を組み込むための方法を実施するための処理手順を示す図(その1)である。
【図18】本発明の一実施例による情報処理装置に新たに装置を組み込むための方法を実施するための処理手順を示す図(その2)である。
【図19】本発明の一実施例による情報処理装置に新たに装置を組み込むための方法を適用可能な情報処理装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
図6は、本発明の一実施形態によるハードウェア追加処理の手順を示した図面である。また、図7は本発明の一実施形態が適用されるシステムの構成を示す図面である。
【0045】
図7において、SYS(X)はOSにより制御されるシステムを示す。SYS(X)には、複数のCPUが搭載される。図7の例では、CPU(A)およびCPU(B)の二つのCPUが搭載されている。また、SYS(X)にはメモリMEM(X)が搭載される。
【0046】
MEM(X)にはOS、ファームウェアおよびデバイス構成情報Devinfo(X)が格納される。
【0047】
また、SB(Y)はシステムボードであり、SYS(X)に追加されるハードウェア資源である。SB(Y)にはメモリMEM(Y)およびIO(Y)が搭載されているが、図7に図示されるSB(Y)にはCPUは搭載されていない。
【0048】
図示のC1及びC2は制御系統を模式的に示している。制御系統は、CPUがどの部位の制御により動作しているかを示す。図7の例では、C1はOSによって制御される系統を示しており、CPU(A)が制御系統C1に含まれる。一方、C2はファームウェアにより制御される系統を示しており、CPU(B)が制御系統C2に含まれる。制御系統C1および制御系統C2は互いに独立している。また、CPUをどの制御系統に配置するかは動的に変更可能であり、CPUの割り当ては図7に図示されたものに限定されるわけではない。
【0049】
本発明の実施の形態によれば、図6、7に示す如くCPU(A)110、CPU(B)120の動作を制御するOS132に対して新たにCPU未実装のシステムボードSB(Y)を組込む際、当該OS132による制御系統C1に置かれたCPUうちの一のCPU(B)120の制御を、OS132による制御系統C1から外してファームウェア133による制御系統C2に移す(図6中、ステップS41)。その結果、図7に示す如く当該システムSYS(X)100においては二つの制御系統C1、C2が互いに独立して存在することになる。
【0050】
そして、ファームウェアによる制御系統C2に置かれたCPU(B)120に対し、OS132による制御系統C1に置かれたCPU(A)110がCPU間通信(ステップS42、S43)によって指示を送る(図7中、ステップS51)。指示を受けたCPU(B)120は、デバイス(MEM(Y)230、IO(Y)240)の診断、初期化、構成情報の作成(図6中ステップS44、図7中ステップS52)を行う。
【0051】
ここでは、CPU未実装のハードウェアとしてのシステムボードSB(Y)200を既存のシステムSYS(X)100のOS132に組込む際、デバイス(MEM(Y)230、IO(Y)240)の診断、初期化、その構成情報の作成をファームウェア133による制御系統C2のCPU(B)120に実行させる。このためデバイス(MEM(Y)230、IO(Y)240)へのアクセス中に致命的なエラーが発生した場合(図6中ステップS45及び図7中ステップS53)であっても、その影響は制御系統C2内に閉じ、OSによる制御系統C1に及ぶことがない。
【0052】
すなわち、両CPU(A)110、CPU(B)120は異なる制御系統C1、C2にあって、両CPUの間はCPU間通信が行われるにとどまる。このため、一方の制御系統における致命的なエラーが、他方の制御系統の根幹に及ぶことが防止される
その結果、OS132のダウンによるシステム全体の機能停止発生の危険性を効果的に回避した上で、ハードウェアの追加作業を行うことが可能となる。
【実施例1】
【0053】
以下本発明の一実施例につき、図と共に詳細に説明する。
【0054】
本発明の一実施例が適用可能な構成としてハードウェアとプログラム(ファームウェアとOS)とが協調してシステムを提供する構成を想定する。
【0055】
ここでは、動的に組込み・切離しが可能なハードウェアと、このように動的にハードウェア資源が追加・削除される状況に対応可能なプログラムとを有する構成が前提である。
【0056】
図8は本発明の一実施例が適用可能な情報処理装置のスロットを説明する図面である。図8は、情報処理装置のフレームを示しており、図示されないバックプレーンが設けられ、各種ボードが接続されるコネクタを有する。
【0057】
このシステムにおいては、ひとつのOSが複数のシステムボード(以下SBと称する)資源を使って動作可能とされる。
【0058】
また、このシステムでは当該システム内に複数のドメインを同時に動作させることが可能である。尚ドメインとは一つのOSが動作する環境を言う。
【0059】
またこのシステムはOSの動作中に装置の空きスロットにSB(システムボード)を挿入可能な構成とされ、挿入されたSB上のデバイスにOS動作中のデバイスからアクセス可能な構成とされる。
【0060】
また、本実施例ではOSが二つ以上のCPUで動作するシステムが想定されている。
【0061】
このように複数のSBで構成されるドメインをシステム内に複数構築可能とすることにより以下の例のような利点が得られる。
【0062】
すなわちシステム内に待機系と運用系との二つのドメインを構築することが可能である。
【0063】
また負荷の高いドメインに対し負荷の低いドメインの資源をSB単位で割当てることが可能となる。
【0064】
更に負荷の高いドメインに対しSB単位でハードウェア資源を追加することが可能となる。
【0065】
また各SB上にCPU、IO、メモリを適宜実装可能である(図9参照)。
【0066】
更にこのシステムにおいてファームウェア、OSは任意の複数のSB資源を使って動作可能である。
【0067】
またこのシステムは起動時にファームウェアをメモリに展開し、ファームウェアがシステムのデバイス構成情報をメモリ上に作成しOSを起動する。
【0068】
OSは、ファームウェアが作成したデバイス構成情報を使って、システム上の各デバイスを管理する。
【0069】
以下、図と共に本発明の一実施例による情報処理装置としての上記システムに新たに装置を組み込むための方法につき詳細に説明する。
【0070】
ここでは図8に示す如く、2枚のシステムボードSB#0、SB#1がスロットに装着されたシステムに対し、CPU未実装の新たなシステムボードSB#2を追加する例について以下に説明する。
【0071】
図10は本発明の一実施形態が適用されるシステムの構成を示す図面である。
【0072】
図10においてSYS(X)はOSにより制御されるシステムを示し、CPU(A)およびCPU(B)の二つのCPUが搭載されている。また、SYS(X)にはメモリMEM(X)が搭載される。
【0073】
MEM(X)にはOS、ファームウェアおよびデバイス構成情報Devinfo(X)が格納される。
【0074】
また、SB(Y)はシステムボードであり、SYS(X)に追加されるハードウェア資源である。SB(Y)にはメモリMEM(Y)およびIO(Y)が搭載されているが、図10に図示されるSB(Y)にはCPUは搭載されていない。
【0075】
またSYS(X)において、CPU(A)及びCPU(B)が制御系統C1に含まれる。
【0076】
すなわちシステムSYS(X)100は図10に示す如く、CPU(A)110、CPU(B)120がOS132により制御されて動作する。また、図10に図示されたシステムSYS(X)は、SB#0、SB#1から構成されているものとする。
【0077】
CPU(A)110、CPU(B)120はシステムSYS(X)上で動作中のCPUであり、MEM(X)130はSYS(X)上で動作中のメモリである。
【0078】
またFIRM133は当該システムSYS(X)100が有するファームウェアであり、Devinfo(X)135はファームウェア133によって作成されMEM(X)に格納された、システムSYS(X)100に含まれるデバイス(MEM(X)130、IO(X)140)に係るデバイス構成情報である。
【0079】
システムSYS(X)100の起動時にファームウェア133がメモリ130に展開され、ファームウェア133がシステムSYS(X)100のデバイス構成情報135をメモリ130上に作成し、OS132を起動する。そして、OS132はファームウェア133が作成したデバイス構成情報135を使って、システムSYS(X)100上のデバイス(MEM(X)130、IO(X)140)を管理する。
【0080】
また、SB(Y)は図8に図示のSB#2に該当し、システムSYS(X)100に追加される新規なハードウェアであり、CPUは実装されていない。したがって、自らが事前に搭載されているデバイスの診断、初期化、デバイス構成情報の構築を行うことはできない。そのため、システムボードSB(Y)をOS132管理下に組み込むためには、既存のシステムSYS(X)100のCPU(A)110、CPU(B)120によってデバイス診断、初期化、デバイス構成情報構築などの作業がなされる。
【0081】
MEM(Y)230はシステムボードSB(Y)200上のデバイスとしてのメモリであり、IO(Y)240も同じくシステムボードSB(Y)上のデバイスとしてのIOである。
【0082】
またSB(Y)200を追加する際、デバイス(MEM(X)130、IO(X)140、MEM(Y)230、IO(Y)240)、ファームウェア133、OS132は以下の状態にあるものとする。
【0083】
既存のシステムSYS(X)100上のメモリMEM(X)130上でOS132とファームウェア133とが動作している。
【0084】
システムSYS(X)100に搭載された既存のデバイスに係るデバイス構成情報Devinfo(X)135は、ファームウェア133によって構築され、MEM(X)に格納されている。
【0085】
上記の如く、システムSYS(X)100のCPUであるCPU(A)110、CPU(B)120はOS132による制御系統C1に置かれている。
【0086】
SB(Y)200には、メモリMEM(Y)230とIO(Y)240とが実装されているが、これらデバイスのデバイス構成情報は構築されておらず、またOS132の管理下にはない。
【0087】
上記図10のシステムSYS(X)100にCPUが未実装の新規なハードウェアSB#2を追加する手順につき、以下に説明する。
【0088】
図11はこの手順を示すフローチャートである。
【0089】
まずステップS61にて、ユーザがSB(Y)200を、システムSYS(X)を構成する情報処理装置100のスロット#2に挿入する。
【0090】
その結果、SB(Y)200はCPU(A)110、CPU(B)120からアクセス可能な状態となる。
【0091】
ステップS62にて、当該システムSYS(X)100のユーザは、OS132に対しSB(Y)200をSYS(X)100に組込むよう指示するための入力操作を行う。
【0092】
ステップS63にて、OS132はCPU(B)120に対し、CPU(B)120の制御をファームウェア133による制御系統C2に移行するための処理を実行させる(図12中、ステップS81)。
【0093】
その結果、CPU(B)120の制御がファームウェア133による制御系統C2に移る(図12中、ステップS82)。
【0094】
ステップS64にて、OS132により制御されるCPU(A)110は、CPU間通信によってファームウェア133により制御されるCPU(B)120に対し、ファームウェア133にしたがってSB(Y)に搭載されたデバイスの診断、初期化、構成情報作成処理を実行するよう指示を出す(図13中、ステップS83)。
【0095】
その後、OS132による制御系統C1に置かれたCPU(A)110は、ファームウェア133による制御系統C2に置かれたCPU(B)120による上記処理が完了するのを監視する。
【0096】
ステップS65にて、CPU(B)120はファームウェア133によるSB(Y)に搭載されたデバイスに直接アクセスし、診断、初期化、構成情報作成処理を実行する(図13中、ステップS84、S85)。
【0097】
ステップS65の処理が正常終了すると、該当するデバイス構成情報Devinfo(Y)135が得られる(ステップS69、図14)。得られたデバイス構成情報Devingo(Y)は、MEM(X)に格納される。
【0098】
ステップS70で、OS132上のCPU(A)110はCPU間通信によってファームウェア上のCPU(B)120に対し、OS132による制御系統C1に戻るよう指示を出す(図14中、ステップS86、S87)。
【0099】
ステップS71にて、OS132はファームウェア133が上記の如く作成したデバイス構成情報Devinfo(Y)によって認識可能になった新規なハードウェアとしてのデバイスMEM(Y)230、IO(Y)240を、OS132の管理下に置く(図14中、ステップS88、S89、図15)。
【0100】
次に、SB(Y)200上のデバイス(MEM(Y)230、IO(Y)240)へのアクセス時に異常が発生した場合について以下に説明する。
【0101】
例えば、メモリMEM(Y)が故障のため、ステップS65の処理中に致命的なエラーが発生した場合、ファームウェア133の動作による通常の処理の継続が不可能となる(ステップS66、図16中ステップS91)。
【0102】
CPU(B)による処理が行われている間、OS132はファームウェア133上のCPU(B)の処理を監視している。ここで、CPU(B)による処理継続が不可能となると、OSはCPU(B)120のタイムアウトを検出する(図16中、ステップS92)。すなわち、規定の時間以内に所定の処理が完了しない際にそれを検出し、異常発生と判定する。
【0103】
ステップS68にて、OS132はSB(Y)の組込みを断念し、CPU(A)110のみでシステムSYS(X)100の動作を継続する。
【0104】
このように、本発明の実施例では新規なハードウェアとしてのシステムボードSB(Y)200に直接アクセスするCPU(B)120を一旦システムの制御を担うOS132による制御系統C1から切り離し、これとは独立なファームウェア133による制御系統C2に移行させる。そして、制御系統の移行後、OS132上のCPU(A)110はファームウェア133上のCPU(B)120に対し、CPU間通信により必要な指示を出しその動作を監視する。
【0105】
したがって、ファームウェア133上のCPU(B)120がシステムボードSB(Y)200にアクセス中致命的なエラーが発生し動作不能な状態に陥ったとしても、OS132上のCPU(A)110の動作が直接その影響を受けることがないようにプログラム設計することが可能である。したがって既存のシステムSYS(X)100のシステムダウンの発生を防止可能である。
【0106】
以下、図17及び図18と共に、上述の本発明の一実施例による情報処理装置に新たにハードウェア資源を組み込むための方法を実施するための処理手順につき説明する。図17はCPU(A)で実行される処理を、図18はCPU(B)で実行される処理をそれぞれ示している。
【0107】
ステップS101にて、OS上で動作中のCPU(A)はユーザによる指示入力に基づき、上記新たにハードウェア資源を組み込むため動作としての、システムボードSB(Y)200の追加動作を開始する。
【0108】
ステップS102にて、CPU(A)は同上ボードの追加動作に関連する情報をCPU間通信にてやりとりするための情報領域(フラグ)を設定する。
【0109】
ステップS103にて、CPU(A)はOS上で動作中のCPU(B)に対し、その制御をファームウェア133上に移すようCPU間通信にて指示を出す。
【0110】
これを受けたCPU(B)はステップS111にてファームウェア133上へ自己の制御を移すための動作を開始する。
【0111】
更にCPU(B)はステップS112にてファームウェア133上への自己の制御を遷移を完了し、ステップS113にてその事実をCPU間通信にてCPU(A)に通知する。
【0112】
この間CPU(A)はステップS104にてCPU(B)からの上記通知を待ち、ステップS105にてCPU(B)から該当するステップS113の通知を受けると、CPU(B)に対しCPU間通信にてシステムボードSB(Y)の追加動作を指示する。
【0113】
その間CPU(B)ではステップS113にてCPU(A)からの指示を待ち、ステップS115にてCPU(A)からのステップS105の指示を受けて上記ボードの追加動作を開始する。
【0114】
そしてCPU(B)はステップS116にてまずSB(Y)内のIO(Y)240をOSの管理下に置くための処理、すなわち診断、初期化及び構成情報の作成を行うとともに、ステップS117にて現在IO240に対する処理を実行中である旨をフラグに書き込む。
【0115】
同様にCPU(B)はステップS118にてSB(Y)内のMEM(Y)230をOSの管理下に置くための処理、すなわち診断、初期化及び構成情報の作成を行うとともに、ステップS119にて現在MEM(Y)230に対する処理を実行中である旨を同じフラグに書き込む。
【0116】
その間CPU(A)はステップS106にてCPU(B)の動作の監視を実行する。この場合タイマーを設定し、一定時間以内に後述するステップS121の処理の正常終了の通知が無かった場合(ステップS108)、後述するステップS109以降の動作を実行する。
【0117】
CPU(B)にて上記IO240、MEM(Y)230に関する処理、すなわち診断、初期化及び構成情報の作成が正常に終了した場合(ステップS120)、ステップS121にてその旨をCPU間通信にてCPU(A)に通知する。
【0118】
これを受けたCPU(A)ではステップS107にて当該ボードの追加動作を正常終了する。
【0119】
他方上記IO(Y)240、MEM(Y)230に関する処理、すなわち診断、初期化及び構成情報の作成の動作中に何らかの要因でエラーが発生した場合(ステップS122)、CPU(B)はファームウェア133上でエラー時動作を実行する(ステップS123)。
【0120】
すなわちステップS124にてエラー原因調査の目的等のためにCPU(B)のレジスタログを記録し、ステップS125にてOSの動作に影響を与えない態様にて無限ループ動作を行う。
【0121】
上記ステップS109にてCPU(A)は上記ステップS119にてCPU(B)によってフラグに書き込まれた情報、すなわち上記エラー発生前にCPU(B)が行っていた動作を参照し、同参照情報に応じたエラーメッセージを発行する。そしてステップS110にて上記ボードの追加動作を異常終了する。
【0122】
上記エラーメッセージを見たユーザは追加しようとしたシステムボードSB(Y)の部品交換等の作業を適宜実施可能となる。
【0123】
図19は上述のシステムSYS(X)100としての情報処理装置のハードウェア構成例を示す。
【0124】
図示の如く、システムSYS(X)を構成する情報処理装置100はCPU(A)110、CPU(B)120、メモリ130、ユーザが操作することにより各種指示等を入力するための操作部161、ユーザに対し種々の情報を表示する表示部162、プログラム、データ等を格納するためのハードディスク装置163、可搬記録媒体としてのCD−ROM166を介し外部からプログラム等を導入するためのCD−ROMドライブ164及び通信網500を介し外部との通信を可能にするモデム165を有する。
【0125】
図19に図示されるシステムでは、上述の本発明の実施例による情報処理装置に新たにハードウェア資源を組み込むための方法を実施するためのプログラムをCD−ROM166に格納している。そして、CD−ROMドライブ164によりCD−ROM166に格納されたプログラムを読み出してCPU(A)110、CPU(B)120により実行することにより、上記本発明の実施例による情報処理装置に新たにハードウェア資源を組み込むための方法が実施され得る。
【0126】
また、図20に図示したようにCD−ROM166等の可搬記録媒体を使用する代わりに、通信網500を介し外部サーバからプログラムを導入することで、同様に上記本発明の実施例による情報処理装置に新たに装置を組み込むための方法を実施することも可能である。
【0127】
本発明は以下の付記の各々に記載の構成をとり得る。
(付記1)
情報処理装置に新たに装置を組み込むための方法であって、
当該情報処理装置の制御系統を複数の制御系統に分割し、
当該分割された複数の制御系統のうちの一の制御系統は前記新たな装置に直接アクセスし当該新たな装置を管理するための処理を実行し、
前記分割された複数の制御系統のうちの他の制御系統は、前記新たな装置に直接アクセスしその管理のための処理を実行する一の制御系統を管理する各段階よりなる方法。
(付記2)
前記分割された複数の制御系統の各々には別個のCPUが割り当てられ、
前記一の制御系統に割り当てられた一のCPUは前記新たな装置にアクセスし当該新たな装置を管理するための処理を実行し、
前記分割された複数の制御系統のうちの他の制御系統に割り当てられた他のCPUは、前記新たな装置に直接アクセスしその管理のための処理を実行する前記一のCPUを管理する構成とされてなる付記1に記載の方法。
(付記3)
前記他の制御系統はOSによって制御され、前記一の制御系統はOSによる制御から外される構成とされてなる付記1または2に記載の方法。
(付記4)
前記新たな装置を管理するための処理は、当該新たな装置の診断、初期化及びその構成情報の作成よりなる付記1乃至3のうちのいずれかに記載の方法。
(付記5)
前記新たな装置を管理するための処理は、OSの機能による監視の下でファームウェアの機能により実行されてなる付記1乃至4のうちのいずれかに記載の方法。
(付記6)
前記他のCPUはOSによる制御の下で前記一のCPUに対し前記新たな装置を管理するための処理の実行を指示し、
前記一のCPUは前記他のCPUの指示に従い、前記ファームウェアによる制御の下で前記新たな装置に直接アクセスして前記新たな装置を管理するための処理を行う構成とされてなる付記5に記載の方法。
(付記7)
前記新たな装置は自らCPUを持たない構成とされてなる付記1乃至6のうちのいずれかに記載の方法。
(付記8)
第一の処理手段と第二の処理手段とを備える情報処理装置において、
前記第一の処理手段及び前記第二の処理手段の少なくとも一方を制御する第一の制御手段と、
前記第一の処理手段及び前記第二の処理手段の少なくとも一方を制御する第二の制御手段と、
前記第一の処理手段および前記第二の処理手段を、前記第一の制御手段の制御下あるいは前記第二の制御手段の制御下のいずれかに切り替える切替手段と、を備え、
前記情報処理装置にハードウェアが追加されるときに、前記第一の制御手段による制御下に前記第一の処理手段を、前記第二の制御手段による制御下に前記第二の処理手段をおくように切り替えることを特徴とする、情報処理装置。
(付記9)
前記第1の処理手段及び第2の処理手段はそれぞれ別個のCPUよりなり、
前記第1の制御手段による制御下におかれた前記第1の処理手段は、前記追加するハードウェアにアクセスし当該ハードウェアを管理するための処理を実行し、
前記第2の制御手段による制御下におかれた前記第2の処理手段は、前記追加するハードウェアに直接アクセスしその管理のための処理を実行する前記第1の処理手段を管理する構成とされてなる付記8に記載の情報処理装置。
(付記10)
前記第2の制御手段はOSよりなり、前記第1の制御手段はファームウェアよりなる付記8または9に記載の情報処理装置。
(付記11)
前記追加するハードウェアを管理するための処理は、当該ハードウェアの診断、初期化及びその構成情報の作成の各処理よりなる付記8乃至10のうちのいずれかに記載の情報処理装置。
(付記12)
前記追加するハードウェアを管理するための処理は、OSの機能による監視下でファームウェアの機能により実行されてなる付記8乃至11のうちのいずれかに記載の情報処理装置。
(付記13)
前記第2の処理手段はOSによる制御の下で前記第1の処理手段に対し前記追加するハードウェアを管理するための処理の実行を指示し、
前記第1の処理手段は前記第2の処理手段の指示に従い、前記ファームウェアによる制御の下で前記追加するハードウェアに直接アクセスして当該ハードウェアを管理するための処理を行う構成とされてなる付記12に記載の情報処理装置。
(付記14)
前記追加するハードウェアは自らCPUを持たない構成とされてなる付記8乃至13のうちのいずれかに記載の情報処理装置。
(付記15)
情報処理装置に新たに装置を組み込む処理をコンピュータに実行させるための命令よりなるプログラムであって、
当該情報処理装置の制御系統を複数の制御系統に分割し、
当該分割された複数の制御系統のうちの一の制御系統に前記新たな装置に直接アクセスさせ当該新たな装置を管理するための処理を実行させ、
前記分割された複数の制御系統のうちの他の制御系統に、前記新たな装置に直接アクセスしその管理のための処理を実行する一の制御系統を管理させる各段階をコンピュータに実行させるための命令よりなるプログラム。
(付記16)
前記分割された複数の制御系統の各々には別個のCPUを割り当て、
前記一の制御系統に割り当てられた一のCPUに前記新たな装置にアクセスさせ当該新たな装置を管理するための処理を実行させ、
前記分割された複数の制御系統のうちの他の制御系統に割り当てられた他のCPUに、前記新たな装置に直接アクセスしその管理のための処理を実行する前記一のCPUを管理させるための命令よりなる付記15に記載のプログラム。
(付記17)
前記他の制御系統をOSによる制御下に置き、前記一の制御系統をOSによる制御から外すための命令よりなる付記15または16に記載のプログラム。
(付記18)
前記新たな装置を管理するための処理は、OSの機能による監視下でファームウェアの機能により実行されてなる付記15乃至17のうちのいずれかに記載のプログラム。
(付記19)
前記他のCPUをOSによる制御下に置き前記一のCPUに対し前記新たな装置を管理するための処理の実行を指示させ、
前記一のCPUを前記他のCPUの指示に従わせ、前記ファームウェアによる制御下で前記新たな装置に直接アクセスさせて前記新たな装置を管理するための処理を行わせるための命令よりなる付記18に記載のプルグラム。
(付記20)
付記15乃至19のうちのいずれかに記載のプログラムを格納したコンピュータ読取可能記録媒体。
【符号の説明】
【0128】
100 情報処理装置、システム
110 CPU(A)
120 CPU(B)
130、230 メモリ
140、240 入出力部
132 OS
133 ファームウェア
135 デバイス構成情報
200 システムボード
【技術分野】
【0001】
本発明は情報処理装置に新たな装置を組み込む方法、及びその方法を実施する機能を有する情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高品質、高性能が要求されるサーバ等の情報処理装置において、システムを停止せずにハードウェア資源を追加することが要求されている。
【0003】
例えば、オンラインバンキング、ネットショッピングなどの業務に適用されるサーバにおいては、以下の如くの要求が課せられる。
【0004】
1)24時間システムの停止が許されない。
【0005】
2)業務の負荷に応じてハードウェア資源をシステムを停止せずに追加し得る。
【0006】
3)限られたハードウェア資源を負荷の高い業務に動的に割当て得る。
【0007】
4)ハードウェア資源コスト削減が要求される。
【0008】
これらの要求を満たすためには、OS(オペレーティングシステム、以下同様)にて運用中のシステムにおいて、OSによる動作を停止することなく必要最小限のハードウェア資源を安全に追加することが要求される。
【0009】
このような場合、従来はCPU、メモリ及びIO(入出力部、以下同様)を含めワンセットとされたボードを一単位として既存のシステムに組込んでいた。このようにCPUを必ず追加すべき一単位に含めることにより、事前にこのCPUがファームウェアによる制御の下で追加ハードウェアに搭載されたメモリなどの各種デバイスの診断、初期化、デバイス構成情報の構築を行う。その結果、追加ハードウェアを安全に既存のシステムに組み込むことが可能であった。
【0010】
しかしながら、コスト削減の観点からは、CPU未実装のハードウェア資源を既存のシステムに組み込む形態の方が望ましい。
【0011】
CPU、メモリ及びIOを各々個別に既存のシステムに組込む場合、以下の如くの問題点が考えられる。追加のハードウェアの組込み時、既存のシステムにおいてOS動作中のCPUが、診断、初期化及びデバイス構成情報の構築がなされていない状態の追加ハードウェア資源に直接アクセスすることになる。そのため、当該ハードウェアへのアクセスエラーが発生した場合、既存のシステムがシステムダウンする危険性がある。
【0012】
そこで、CPU未実装のハードウェア資源を、既存のシステムにおいて動作中のOS管理下に安全に組込むための構成が望まれる。
【0013】
以下、上記問題点につき、更に詳細に説明する。
【0014】
まず次のようなコンピュータシステムを想定する。
【0015】
このシステムは複数のシステムボードから構成され、各システムボード上にはCPU、IO、メモリが実装される。
【0016】
このシステムはその起動時、ファームウェアがメモリに展開され、このファームウェアがシステムのデバイス構成情報をメモリ上に作成し、OSを起動する。
【0017】
OSはファームウェアが作成したデバイス構成情報を使ってシステム上のデバイスを管理する。
【0018】
ここで「OSがファームウェアが作成したデバイス構成情報を使ってシステム上のデバイスを管理する」とは、以下の内容を意味する。
【0019】
すなわちOSがソフトウェアSの処理を行う際、そのソフトウェアSの処理にデバイスDを割当てることが可能である。
【0020】
またデバイスDで何らかの異常が発生した際、OSはソフトウェアSの処理においてその異常処理を行なうことが可能である。
【0021】
このようなシステムの一例を図1に示す。
【0022】
図1中、SYS(X)100はOS132により運用中のシステムであり、CPU(A)110、CPU(B)120はSYS(X)100上で動作中のCPUである。また、MEM(X)130はSYS(X)100に搭載されるメモリであり、ファームウェア(FIRM133)およびファームウェア133によって作成されたSYS(X)100のデバイス構成情報(Devinfo(X)135)を格納する。
【0023】
また、SB(Y)200は既存のシステムSYS(X)に新たに組込まれるシステムボードである。また、MEM(Y)230はSB(Y)200上のメモリであり、IO(Y)240はSB(Y)200上のIOである。
【0024】
図1に図示されたデバイス、ファームウェア133、OS132は以下の状態にあるものとする。
【0025】
SYS(X)100上のメモリMEM(X)130上でOS132とファームウェア133とが動作している。
【0026】
SYS(X)100のデバイス構成情報Devinfo(X)135は、ファームウェア133によって構築され、MEM(X)に格納されている。
【0027】
CPU(A)110、CPU(B)120はOS132の管理下にある。OS132による制御系統は図1においてC1として示される。
【0028】
SB(Y)200はOS132運用中のシステムSYS(X)100にハードウェア的に接続されており、CPU(A)110、CPU(B)120からアクセス可能な状態にある。
【0029】
SB(Y)200にはメモリMEM(Y)230とIO(Y)240とが実装されているが、それらのデバイス構成情報は構築されておらず、既存のシステムSYS(X)100のOS132管理下にはないものとする。
【0030】
なお、図1図示のシステムにおいて、新たに組み込もうとするシステムボードSB(Y)200にはCPUが実装されていない。このため、既存のシステムに接続されたSB(Y)200上のデバイス(MEM(Y)230、IO(Y)240)を既存のシステムSYS(X)100のOS132の管理下に置くため、既存のシステムSYS(X)100上のCPU(A)110、CPU(B)120によるシステムボードSB(Y)200上のデバイス(MEM(Y)230、IO(Y)240)に対する診断、初期化及びそのデバイス構成情報の作成が必要である。
【0031】
そのため、従来は図2のステップS1、S2に示す如く、OS132の管理下にあるCPU(A)110、CPU(B)120が、新たに組み込むべきハードウェア資源(MEM(Y)230、IO(Y)240)に直接アクセスして診断、初期化及びそのデバイス構成情報の作成と言った処理を行っていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0032】
【特許文献1】特開2002−132741号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0033】
このように新たなハードウェアを既存のシステムに組み込む際、既存のシステムのOS132で動作中の一のCPU(B)120が新たに組み込まれたシステムボードSB(Y)200上のデバイスに直接アクセスした場合、動作エラーが発生することがある。そしてこれがシステムにとって致命的なエラーであった場合、既存のシステム全体のシステムダウンに至る可能性がある。
【0034】
以下この問題につき、図3乃至5と共に具体的に説明する。
【0035】
図4のステップS21にて新たなハードウェアとしてのシステムボードSB(Y)200をシステムSYS(X)に追加する際、既存のシステムSYS(X)100のOS132で動作中の一のCPUであるCPU(B)120が、システムボードSB(Y)200に直接アクセスする(図3中、ステップS11)。そしてシステムボードSB(Y)200上のデバイス(MEM(Y)230、IO(Y)240)の診断、初期化及びそのデバイス構成情報の構築を行う(図4中、ステップS22及び図5中、ステップS31)。その間、何らかの要因で致命的なエラーが発生した場合(図3中のステップS12)、既存のシステムSYS(X)100はシステムダウンに陥る(図4中、ステップS23)。図5の例(ステップS32)では、メモリに障害が発生した例が図示されている。
【0036】
他方、図4のステップS22の処理が正常に終了できた場合、あるいはエラーが発生しても修復可能なエラーであった場合には、ステップS24にてシステムボードSB(Y)200のOS132の管理下への組み込みが完了する。
【0037】
このように、従来の構成では図5に示す如く、システムボードSB(Y)200を組み込む際に既存のシステムSYS(X)100を制御しているOS132で動作しているCPU(B)120がシステムボードSB(Y)200に直接アクセスして、システムボードSB(Y)200上のデバイス(MEM(Y)230、IO(Y)240)0の診断、初期化及びそのデバイス構成情報の構築を行う。
【0038】
すなわち、既存のシステムSYS(X)100全体を管理するCPU(A)110と、診断、初期化及びそのデバイス構成情報の構築がなされていない状態のシステムボードSB(Y)200に直接アクセスするCPU(B)120とが、OS132による制御に係る制御系統C1で動作している状況下で、上記組み込みのための処理(診断、初期化、そのデバイス構成情報の構築)がなされる。そのため、CPU(B)120による上記アクセス中に何らかの致命的なエラーが発生した場合、そのエラーが制御系統C1全体に及び、制御系統C1に含まれるCPU(A)110も動作不能に陥ることになる。その結果、システム全体が動作不能状態に陥る。
【0039】
例えば24時間停止が許されないシステムではこのようなシステムダウンの発生は許されない。その結果システム運用中にCPU以外の必要最小限のハードウェア資源を追加するということが困難となってしまう。
【0040】
本発明はこのような問題点に鑑み、既存のシステムのOSに新たなハードウェアを組み込む際、システムダウンのリスクを回避して安全な組み込みを可能にする構成を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0041】
本発明では情報処理装置に新たに装置を組み込む際、当該情報処理装置の制御系統を複数の制御系統に分割し、当該分割された複数の制御系統のうちの一の制御系統は前記新たな装置に直接アクセスし当該新たな装置を管理するための処理を実行し、前記分割された複数の制御系統のうちの他の制御系統は、前記新たな装置に直接アクセスしその管理のための処理を実行する一の制御系統を管理する構成とした。
【発明の効果】
【0042】
このように情報処理装置の制御系統を分割し、その一の制御系統によって新たな装置に直接アクセスするようにすることにより、アクセス中に何らかの原因で致命的なエラーが発生した場合であっても、当該エラーが前記一の制御系統を越え他の制御系統まで波及することがない。したがって、前記分割に係る他の制御系統は正常に動作継続可能となり、既存の情報処理装置全体のシステムダウンの発生を効果的に防止し得る。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】従来の問題点を説明するための図(その1)である。
【図2】従来の問題点を説明するための図(その2)である。
【図3】従来の問題点を説明するための図(その3)である。
【図4】従来の問題点を説明するための図(その4)である。
【図5】従来の問題点を説明するための図(その5)である。
【図6】本発明の一実施例による情報処理装置に新たに装置を組み込むための方法の概要を説明するための動作フローチャートである。
【図7】本発明の一実施例による情報処理装置に新たに装置を組み込むための方法の概要を説明するための装置ブロック図である。
【図8】本発明の一実施例による情報処理装置に新たに装置を組み込むための方法を適用し得る情報処理装置の一例のシステムボード用スロット構成を示すための図である。
【図9】図8に示すシステムボード上のスロット構成の一例を示すための図である。
【図10】本発明の一実施例による情報処理装置に新たに装置を組み込むための方法を説明するための装置ブロック図(その1)である。
【図11】本発明の一実施例による情報処理装置に新たに装置を組み込むための方法を詳細に説明するための動作フローチャートである。
【図12】本発明の一実施例による情報処理装置に新たに装置を組み込むための方法を説明するための装置ブロック図(その2)である。
【図13】本発明の一実施例による情報処理装置に新たに装置を組み込むための方法を説明するための装置ブロック図(その3)である。
【図14】本発明の一実施例による情報処理装置に新たに装置を組み込むための方法を説明するための装置ブロック図(その4)である。
【図15】本発明の一実施例による情報処理装置に新たに装置を組み込むための方法を説明するための装置ブロック図(その5)である。
【図16】本発明の一実施例による情報処理装置に新たに装置を組み込むための方法を説明するための装置ブロック図(その6)である。
【図17】本発明の一実施例による情報処理装置に新たに装置を組み込むための方法を実施するための処理手順を示す図(その1)である。
【図18】本発明の一実施例による情報処理装置に新たに装置を組み込むための方法を実施するための処理手順を示す図(その2)である。
【図19】本発明の一実施例による情報処理装置に新たに装置を組み込むための方法を適用可能な情報処理装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
図6は、本発明の一実施形態によるハードウェア追加処理の手順を示した図面である。また、図7は本発明の一実施形態が適用されるシステムの構成を示す図面である。
【0045】
図7において、SYS(X)はOSにより制御されるシステムを示す。SYS(X)には、複数のCPUが搭載される。図7の例では、CPU(A)およびCPU(B)の二つのCPUが搭載されている。また、SYS(X)にはメモリMEM(X)が搭載される。
【0046】
MEM(X)にはOS、ファームウェアおよびデバイス構成情報Devinfo(X)が格納される。
【0047】
また、SB(Y)はシステムボードであり、SYS(X)に追加されるハードウェア資源である。SB(Y)にはメモリMEM(Y)およびIO(Y)が搭載されているが、図7に図示されるSB(Y)にはCPUは搭載されていない。
【0048】
図示のC1及びC2は制御系統を模式的に示している。制御系統は、CPUがどの部位の制御により動作しているかを示す。図7の例では、C1はOSによって制御される系統を示しており、CPU(A)が制御系統C1に含まれる。一方、C2はファームウェアにより制御される系統を示しており、CPU(B)が制御系統C2に含まれる。制御系統C1および制御系統C2は互いに独立している。また、CPUをどの制御系統に配置するかは動的に変更可能であり、CPUの割り当ては図7に図示されたものに限定されるわけではない。
【0049】
本発明の実施の形態によれば、図6、7に示す如くCPU(A)110、CPU(B)120の動作を制御するOS132に対して新たにCPU未実装のシステムボードSB(Y)を組込む際、当該OS132による制御系統C1に置かれたCPUうちの一のCPU(B)120の制御を、OS132による制御系統C1から外してファームウェア133による制御系統C2に移す(図6中、ステップS41)。その結果、図7に示す如く当該システムSYS(X)100においては二つの制御系統C1、C2が互いに独立して存在することになる。
【0050】
そして、ファームウェアによる制御系統C2に置かれたCPU(B)120に対し、OS132による制御系統C1に置かれたCPU(A)110がCPU間通信(ステップS42、S43)によって指示を送る(図7中、ステップS51)。指示を受けたCPU(B)120は、デバイス(MEM(Y)230、IO(Y)240)の診断、初期化、構成情報の作成(図6中ステップS44、図7中ステップS52)を行う。
【0051】
ここでは、CPU未実装のハードウェアとしてのシステムボードSB(Y)200を既存のシステムSYS(X)100のOS132に組込む際、デバイス(MEM(Y)230、IO(Y)240)の診断、初期化、その構成情報の作成をファームウェア133による制御系統C2のCPU(B)120に実行させる。このためデバイス(MEM(Y)230、IO(Y)240)へのアクセス中に致命的なエラーが発生した場合(図6中ステップS45及び図7中ステップS53)であっても、その影響は制御系統C2内に閉じ、OSによる制御系統C1に及ぶことがない。
【0052】
すなわち、両CPU(A)110、CPU(B)120は異なる制御系統C1、C2にあって、両CPUの間はCPU間通信が行われるにとどまる。このため、一方の制御系統における致命的なエラーが、他方の制御系統の根幹に及ぶことが防止される
その結果、OS132のダウンによるシステム全体の機能停止発生の危険性を効果的に回避した上で、ハードウェアの追加作業を行うことが可能となる。
【実施例1】
【0053】
以下本発明の一実施例につき、図と共に詳細に説明する。
【0054】
本発明の一実施例が適用可能な構成としてハードウェアとプログラム(ファームウェアとOS)とが協調してシステムを提供する構成を想定する。
【0055】
ここでは、動的に組込み・切離しが可能なハードウェアと、このように動的にハードウェア資源が追加・削除される状況に対応可能なプログラムとを有する構成が前提である。
【0056】
図8は本発明の一実施例が適用可能な情報処理装置のスロットを説明する図面である。図8は、情報処理装置のフレームを示しており、図示されないバックプレーンが設けられ、各種ボードが接続されるコネクタを有する。
【0057】
このシステムにおいては、ひとつのOSが複数のシステムボード(以下SBと称する)資源を使って動作可能とされる。
【0058】
また、このシステムでは当該システム内に複数のドメインを同時に動作させることが可能である。尚ドメインとは一つのOSが動作する環境を言う。
【0059】
またこのシステムはOSの動作中に装置の空きスロットにSB(システムボード)を挿入可能な構成とされ、挿入されたSB上のデバイスにOS動作中のデバイスからアクセス可能な構成とされる。
【0060】
また、本実施例ではOSが二つ以上のCPUで動作するシステムが想定されている。
【0061】
このように複数のSBで構成されるドメインをシステム内に複数構築可能とすることにより以下の例のような利点が得られる。
【0062】
すなわちシステム内に待機系と運用系との二つのドメインを構築することが可能である。
【0063】
また負荷の高いドメインに対し負荷の低いドメインの資源をSB単位で割当てることが可能となる。
【0064】
更に負荷の高いドメインに対しSB単位でハードウェア資源を追加することが可能となる。
【0065】
また各SB上にCPU、IO、メモリを適宜実装可能である(図9参照)。
【0066】
更にこのシステムにおいてファームウェア、OSは任意の複数のSB資源を使って動作可能である。
【0067】
またこのシステムは起動時にファームウェアをメモリに展開し、ファームウェアがシステムのデバイス構成情報をメモリ上に作成しOSを起動する。
【0068】
OSは、ファームウェアが作成したデバイス構成情報を使って、システム上の各デバイスを管理する。
【0069】
以下、図と共に本発明の一実施例による情報処理装置としての上記システムに新たに装置を組み込むための方法につき詳細に説明する。
【0070】
ここでは図8に示す如く、2枚のシステムボードSB#0、SB#1がスロットに装着されたシステムに対し、CPU未実装の新たなシステムボードSB#2を追加する例について以下に説明する。
【0071】
図10は本発明の一実施形態が適用されるシステムの構成を示す図面である。
【0072】
図10においてSYS(X)はOSにより制御されるシステムを示し、CPU(A)およびCPU(B)の二つのCPUが搭載されている。また、SYS(X)にはメモリMEM(X)が搭載される。
【0073】
MEM(X)にはOS、ファームウェアおよびデバイス構成情報Devinfo(X)が格納される。
【0074】
また、SB(Y)はシステムボードであり、SYS(X)に追加されるハードウェア資源である。SB(Y)にはメモリMEM(Y)およびIO(Y)が搭載されているが、図10に図示されるSB(Y)にはCPUは搭載されていない。
【0075】
またSYS(X)において、CPU(A)及びCPU(B)が制御系統C1に含まれる。
【0076】
すなわちシステムSYS(X)100は図10に示す如く、CPU(A)110、CPU(B)120がOS132により制御されて動作する。また、図10に図示されたシステムSYS(X)は、SB#0、SB#1から構成されているものとする。
【0077】
CPU(A)110、CPU(B)120はシステムSYS(X)上で動作中のCPUであり、MEM(X)130はSYS(X)上で動作中のメモリである。
【0078】
またFIRM133は当該システムSYS(X)100が有するファームウェアであり、Devinfo(X)135はファームウェア133によって作成されMEM(X)に格納された、システムSYS(X)100に含まれるデバイス(MEM(X)130、IO(X)140)に係るデバイス構成情報である。
【0079】
システムSYS(X)100の起動時にファームウェア133がメモリ130に展開され、ファームウェア133がシステムSYS(X)100のデバイス構成情報135をメモリ130上に作成し、OS132を起動する。そして、OS132はファームウェア133が作成したデバイス構成情報135を使って、システムSYS(X)100上のデバイス(MEM(X)130、IO(X)140)を管理する。
【0080】
また、SB(Y)は図8に図示のSB#2に該当し、システムSYS(X)100に追加される新規なハードウェアであり、CPUは実装されていない。したがって、自らが事前に搭載されているデバイスの診断、初期化、デバイス構成情報の構築を行うことはできない。そのため、システムボードSB(Y)をOS132管理下に組み込むためには、既存のシステムSYS(X)100のCPU(A)110、CPU(B)120によってデバイス診断、初期化、デバイス構成情報構築などの作業がなされる。
【0081】
MEM(Y)230はシステムボードSB(Y)200上のデバイスとしてのメモリであり、IO(Y)240も同じくシステムボードSB(Y)上のデバイスとしてのIOである。
【0082】
またSB(Y)200を追加する際、デバイス(MEM(X)130、IO(X)140、MEM(Y)230、IO(Y)240)、ファームウェア133、OS132は以下の状態にあるものとする。
【0083】
既存のシステムSYS(X)100上のメモリMEM(X)130上でOS132とファームウェア133とが動作している。
【0084】
システムSYS(X)100に搭載された既存のデバイスに係るデバイス構成情報Devinfo(X)135は、ファームウェア133によって構築され、MEM(X)に格納されている。
【0085】
上記の如く、システムSYS(X)100のCPUであるCPU(A)110、CPU(B)120はOS132による制御系統C1に置かれている。
【0086】
SB(Y)200には、メモリMEM(Y)230とIO(Y)240とが実装されているが、これらデバイスのデバイス構成情報は構築されておらず、またOS132の管理下にはない。
【0087】
上記図10のシステムSYS(X)100にCPUが未実装の新規なハードウェアSB#2を追加する手順につき、以下に説明する。
【0088】
図11はこの手順を示すフローチャートである。
【0089】
まずステップS61にて、ユーザがSB(Y)200を、システムSYS(X)を構成する情報処理装置100のスロット#2に挿入する。
【0090】
その結果、SB(Y)200はCPU(A)110、CPU(B)120からアクセス可能な状態となる。
【0091】
ステップS62にて、当該システムSYS(X)100のユーザは、OS132に対しSB(Y)200をSYS(X)100に組込むよう指示するための入力操作を行う。
【0092】
ステップS63にて、OS132はCPU(B)120に対し、CPU(B)120の制御をファームウェア133による制御系統C2に移行するための処理を実行させる(図12中、ステップS81)。
【0093】
その結果、CPU(B)120の制御がファームウェア133による制御系統C2に移る(図12中、ステップS82)。
【0094】
ステップS64にて、OS132により制御されるCPU(A)110は、CPU間通信によってファームウェア133により制御されるCPU(B)120に対し、ファームウェア133にしたがってSB(Y)に搭載されたデバイスの診断、初期化、構成情報作成処理を実行するよう指示を出す(図13中、ステップS83)。
【0095】
その後、OS132による制御系統C1に置かれたCPU(A)110は、ファームウェア133による制御系統C2に置かれたCPU(B)120による上記処理が完了するのを監視する。
【0096】
ステップS65にて、CPU(B)120はファームウェア133によるSB(Y)に搭載されたデバイスに直接アクセスし、診断、初期化、構成情報作成処理を実行する(図13中、ステップS84、S85)。
【0097】
ステップS65の処理が正常終了すると、該当するデバイス構成情報Devinfo(Y)135が得られる(ステップS69、図14)。得られたデバイス構成情報Devingo(Y)は、MEM(X)に格納される。
【0098】
ステップS70で、OS132上のCPU(A)110はCPU間通信によってファームウェア上のCPU(B)120に対し、OS132による制御系統C1に戻るよう指示を出す(図14中、ステップS86、S87)。
【0099】
ステップS71にて、OS132はファームウェア133が上記の如く作成したデバイス構成情報Devinfo(Y)によって認識可能になった新規なハードウェアとしてのデバイスMEM(Y)230、IO(Y)240を、OS132の管理下に置く(図14中、ステップS88、S89、図15)。
【0100】
次に、SB(Y)200上のデバイス(MEM(Y)230、IO(Y)240)へのアクセス時に異常が発生した場合について以下に説明する。
【0101】
例えば、メモリMEM(Y)が故障のため、ステップS65の処理中に致命的なエラーが発生した場合、ファームウェア133の動作による通常の処理の継続が不可能となる(ステップS66、図16中ステップS91)。
【0102】
CPU(B)による処理が行われている間、OS132はファームウェア133上のCPU(B)の処理を監視している。ここで、CPU(B)による処理継続が不可能となると、OSはCPU(B)120のタイムアウトを検出する(図16中、ステップS92)。すなわち、規定の時間以内に所定の処理が完了しない際にそれを検出し、異常発生と判定する。
【0103】
ステップS68にて、OS132はSB(Y)の組込みを断念し、CPU(A)110のみでシステムSYS(X)100の動作を継続する。
【0104】
このように、本発明の実施例では新規なハードウェアとしてのシステムボードSB(Y)200に直接アクセスするCPU(B)120を一旦システムの制御を担うOS132による制御系統C1から切り離し、これとは独立なファームウェア133による制御系統C2に移行させる。そして、制御系統の移行後、OS132上のCPU(A)110はファームウェア133上のCPU(B)120に対し、CPU間通信により必要な指示を出しその動作を監視する。
【0105】
したがって、ファームウェア133上のCPU(B)120がシステムボードSB(Y)200にアクセス中致命的なエラーが発生し動作不能な状態に陥ったとしても、OS132上のCPU(A)110の動作が直接その影響を受けることがないようにプログラム設計することが可能である。したがって既存のシステムSYS(X)100のシステムダウンの発生を防止可能である。
【0106】
以下、図17及び図18と共に、上述の本発明の一実施例による情報処理装置に新たにハードウェア資源を組み込むための方法を実施するための処理手順につき説明する。図17はCPU(A)で実行される処理を、図18はCPU(B)で実行される処理をそれぞれ示している。
【0107】
ステップS101にて、OS上で動作中のCPU(A)はユーザによる指示入力に基づき、上記新たにハードウェア資源を組み込むため動作としての、システムボードSB(Y)200の追加動作を開始する。
【0108】
ステップS102にて、CPU(A)は同上ボードの追加動作に関連する情報をCPU間通信にてやりとりするための情報領域(フラグ)を設定する。
【0109】
ステップS103にて、CPU(A)はOS上で動作中のCPU(B)に対し、その制御をファームウェア133上に移すようCPU間通信にて指示を出す。
【0110】
これを受けたCPU(B)はステップS111にてファームウェア133上へ自己の制御を移すための動作を開始する。
【0111】
更にCPU(B)はステップS112にてファームウェア133上への自己の制御を遷移を完了し、ステップS113にてその事実をCPU間通信にてCPU(A)に通知する。
【0112】
この間CPU(A)はステップS104にてCPU(B)からの上記通知を待ち、ステップS105にてCPU(B)から該当するステップS113の通知を受けると、CPU(B)に対しCPU間通信にてシステムボードSB(Y)の追加動作を指示する。
【0113】
その間CPU(B)ではステップS113にてCPU(A)からの指示を待ち、ステップS115にてCPU(A)からのステップS105の指示を受けて上記ボードの追加動作を開始する。
【0114】
そしてCPU(B)はステップS116にてまずSB(Y)内のIO(Y)240をOSの管理下に置くための処理、すなわち診断、初期化及び構成情報の作成を行うとともに、ステップS117にて現在IO240に対する処理を実行中である旨をフラグに書き込む。
【0115】
同様にCPU(B)はステップS118にてSB(Y)内のMEM(Y)230をOSの管理下に置くための処理、すなわち診断、初期化及び構成情報の作成を行うとともに、ステップS119にて現在MEM(Y)230に対する処理を実行中である旨を同じフラグに書き込む。
【0116】
その間CPU(A)はステップS106にてCPU(B)の動作の監視を実行する。この場合タイマーを設定し、一定時間以内に後述するステップS121の処理の正常終了の通知が無かった場合(ステップS108)、後述するステップS109以降の動作を実行する。
【0117】
CPU(B)にて上記IO240、MEM(Y)230に関する処理、すなわち診断、初期化及び構成情報の作成が正常に終了した場合(ステップS120)、ステップS121にてその旨をCPU間通信にてCPU(A)に通知する。
【0118】
これを受けたCPU(A)ではステップS107にて当該ボードの追加動作を正常終了する。
【0119】
他方上記IO(Y)240、MEM(Y)230に関する処理、すなわち診断、初期化及び構成情報の作成の動作中に何らかの要因でエラーが発生した場合(ステップS122)、CPU(B)はファームウェア133上でエラー時動作を実行する(ステップS123)。
【0120】
すなわちステップS124にてエラー原因調査の目的等のためにCPU(B)のレジスタログを記録し、ステップS125にてOSの動作に影響を与えない態様にて無限ループ動作を行う。
【0121】
上記ステップS109にてCPU(A)は上記ステップS119にてCPU(B)によってフラグに書き込まれた情報、すなわち上記エラー発生前にCPU(B)が行っていた動作を参照し、同参照情報に応じたエラーメッセージを発行する。そしてステップS110にて上記ボードの追加動作を異常終了する。
【0122】
上記エラーメッセージを見たユーザは追加しようとしたシステムボードSB(Y)の部品交換等の作業を適宜実施可能となる。
【0123】
図19は上述のシステムSYS(X)100としての情報処理装置のハードウェア構成例を示す。
【0124】
図示の如く、システムSYS(X)を構成する情報処理装置100はCPU(A)110、CPU(B)120、メモリ130、ユーザが操作することにより各種指示等を入力するための操作部161、ユーザに対し種々の情報を表示する表示部162、プログラム、データ等を格納するためのハードディスク装置163、可搬記録媒体としてのCD−ROM166を介し外部からプログラム等を導入するためのCD−ROMドライブ164及び通信網500を介し外部との通信を可能にするモデム165を有する。
【0125】
図19に図示されるシステムでは、上述の本発明の実施例による情報処理装置に新たにハードウェア資源を組み込むための方法を実施するためのプログラムをCD−ROM166に格納している。そして、CD−ROMドライブ164によりCD−ROM166に格納されたプログラムを読み出してCPU(A)110、CPU(B)120により実行することにより、上記本発明の実施例による情報処理装置に新たにハードウェア資源を組み込むための方法が実施され得る。
【0126】
また、図20に図示したようにCD−ROM166等の可搬記録媒体を使用する代わりに、通信網500を介し外部サーバからプログラムを導入することで、同様に上記本発明の実施例による情報処理装置に新たに装置を組み込むための方法を実施することも可能である。
【0127】
本発明は以下の付記の各々に記載の構成をとり得る。
(付記1)
情報処理装置に新たに装置を組み込むための方法であって、
当該情報処理装置の制御系統を複数の制御系統に分割し、
当該分割された複数の制御系統のうちの一の制御系統は前記新たな装置に直接アクセスし当該新たな装置を管理するための処理を実行し、
前記分割された複数の制御系統のうちの他の制御系統は、前記新たな装置に直接アクセスしその管理のための処理を実行する一の制御系統を管理する各段階よりなる方法。
(付記2)
前記分割された複数の制御系統の各々には別個のCPUが割り当てられ、
前記一の制御系統に割り当てられた一のCPUは前記新たな装置にアクセスし当該新たな装置を管理するための処理を実行し、
前記分割された複数の制御系統のうちの他の制御系統に割り当てられた他のCPUは、前記新たな装置に直接アクセスしその管理のための処理を実行する前記一のCPUを管理する構成とされてなる付記1に記載の方法。
(付記3)
前記他の制御系統はOSによって制御され、前記一の制御系統はOSによる制御から外される構成とされてなる付記1または2に記載の方法。
(付記4)
前記新たな装置を管理するための処理は、当該新たな装置の診断、初期化及びその構成情報の作成よりなる付記1乃至3のうちのいずれかに記載の方法。
(付記5)
前記新たな装置を管理するための処理は、OSの機能による監視の下でファームウェアの機能により実行されてなる付記1乃至4のうちのいずれかに記載の方法。
(付記6)
前記他のCPUはOSによる制御の下で前記一のCPUに対し前記新たな装置を管理するための処理の実行を指示し、
前記一のCPUは前記他のCPUの指示に従い、前記ファームウェアによる制御の下で前記新たな装置に直接アクセスして前記新たな装置を管理するための処理を行う構成とされてなる付記5に記載の方法。
(付記7)
前記新たな装置は自らCPUを持たない構成とされてなる付記1乃至6のうちのいずれかに記載の方法。
(付記8)
第一の処理手段と第二の処理手段とを備える情報処理装置において、
前記第一の処理手段及び前記第二の処理手段の少なくとも一方を制御する第一の制御手段と、
前記第一の処理手段及び前記第二の処理手段の少なくとも一方を制御する第二の制御手段と、
前記第一の処理手段および前記第二の処理手段を、前記第一の制御手段の制御下あるいは前記第二の制御手段の制御下のいずれかに切り替える切替手段と、を備え、
前記情報処理装置にハードウェアが追加されるときに、前記第一の制御手段による制御下に前記第一の処理手段を、前記第二の制御手段による制御下に前記第二の処理手段をおくように切り替えることを特徴とする、情報処理装置。
(付記9)
前記第1の処理手段及び第2の処理手段はそれぞれ別個のCPUよりなり、
前記第1の制御手段による制御下におかれた前記第1の処理手段は、前記追加するハードウェアにアクセスし当該ハードウェアを管理するための処理を実行し、
前記第2の制御手段による制御下におかれた前記第2の処理手段は、前記追加するハードウェアに直接アクセスしその管理のための処理を実行する前記第1の処理手段を管理する構成とされてなる付記8に記載の情報処理装置。
(付記10)
前記第2の制御手段はOSよりなり、前記第1の制御手段はファームウェアよりなる付記8または9に記載の情報処理装置。
(付記11)
前記追加するハードウェアを管理するための処理は、当該ハードウェアの診断、初期化及びその構成情報の作成の各処理よりなる付記8乃至10のうちのいずれかに記載の情報処理装置。
(付記12)
前記追加するハードウェアを管理するための処理は、OSの機能による監視下でファームウェアの機能により実行されてなる付記8乃至11のうちのいずれかに記載の情報処理装置。
(付記13)
前記第2の処理手段はOSによる制御の下で前記第1の処理手段に対し前記追加するハードウェアを管理するための処理の実行を指示し、
前記第1の処理手段は前記第2の処理手段の指示に従い、前記ファームウェアによる制御の下で前記追加するハードウェアに直接アクセスして当該ハードウェアを管理するための処理を行う構成とされてなる付記12に記載の情報処理装置。
(付記14)
前記追加するハードウェアは自らCPUを持たない構成とされてなる付記8乃至13のうちのいずれかに記載の情報処理装置。
(付記15)
情報処理装置に新たに装置を組み込む処理をコンピュータに実行させるための命令よりなるプログラムであって、
当該情報処理装置の制御系統を複数の制御系統に分割し、
当該分割された複数の制御系統のうちの一の制御系統に前記新たな装置に直接アクセスさせ当該新たな装置を管理するための処理を実行させ、
前記分割された複数の制御系統のうちの他の制御系統に、前記新たな装置に直接アクセスしその管理のための処理を実行する一の制御系統を管理させる各段階をコンピュータに実行させるための命令よりなるプログラム。
(付記16)
前記分割された複数の制御系統の各々には別個のCPUを割り当て、
前記一の制御系統に割り当てられた一のCPUに前記新たな装置にアクセスさせ当該新たな装置を管理するための処理を実行させ、
前記分割された複数の制御系統のうちの他の制御系統に割り当てられた他のCPUに、前記新たな装置に直接アクセスしその管理のための処理を実行する前記一のCPUを管理させるための命令よりなる付記15に記載のプログラム。
(付記17)
前記他の制御系統をOSによる制御下に置き、前記一の制御系統をOSによる制御から外すための命令よりなる付記15または16に記載のプログラム。
(付記18)
前記新たな装置を管理するための処理は、OSの機能による監視下でファームウェアの機能により実行されてなる付記15乃至17のうちのいずれかに記載のプログラム。
(付記19)
前記他のCPUをOSによる制御下に置き前記一のCPUに対し前記新たな装置を管理するための処理の実行を指示させ、
前記一のCPUを前記他のCPUの指示に従わせ、前記ファームウェアによる制御下で前記新たな装置に直接アクセスさせて前記新たな装置を管理するための処理を行わせるための命令よりなる付記18に記載のプルグラム。
(付記20)
付記15乃至19のうちのいずれかに記載のプログラムを格納したコンピュータ読取可能記録媒体。
【符号の説明】
【0128】
100 情報処理装置、システム
110 CPU(A)
120 CPU(B)
130、230 メモリ
140、240 入出力部
132 OS
133 ファームウェア
135 デバイス構成情報
200 システムボード
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のCPUを有し、互いに異なるプログラムによって制御され、互いに異なるCPUが割り当てられる、互いに独立した複数の制御系統が設定される情報処理装置に新たな装置を組み込む方法であって、
前記新たな装置が前記情報処理装置に組み込まれた場合、
前記情報処理装置の制御系統のうち、第一の制御系統に割り当てられた複数のCPUのうちいずれかのCPUを、第二の制御系統に移動させ、
前記第一の制御系統に割り当てられたCPUから、前記第二の制御系統に移動したCPUに対して、前記新たな装置組み込みのための処理を実行する指示を発し、
前記指示を受けたCPUが前記新たな装置をアクセスして、前記新たな装置組み込みのための処理を実行することを特徴とする、新たな装置を組み込む方法。
【請求項2】
前記第二の制御系統に割り当てられたCPUによる、前記新たな装置組み込みのための処理が正常に終了した場合、前記第一の制御系統に割り当てられたCPUが、前記第二の制御系統に割り当てられたCPUに対して前記第一の制御系統に戻るよう指示を発することを特徴とする、請求項1に記載の新たな装置を組み込む方法。
【請求項3】
前記第一の制御系統は、前記情報処理装置のオペレーティングシステムによって制御され、
前記第二の制御系統は、前記オペレーティングシステムとは異なるプログラムによって制御されることを特徴とする、請求項1に記載の新たな装置を組み込む方法。
【請求項4】
前記新たな装置組み込みのための処理は、前記新たに組み込む装置の診断、前記新たに組み込む装置の初期化、あるいは前記新たに組み込む装置のデバイス構成情報の構築の少なくとも一つを含むことを特徴とする、請求項1に記載の新たな装置を組み込む方法。
【請求項5】
前記新たな装置組み込みのための処理は、前記第一の制御系統を制御する情報処理装置のオペレーティングシステムの監視下で、前記第二の制御系統を制御するファームウェアにより制御されることを特徴とする、請求項1に記載の新たな装置を組み込む方法。
【請求項6】
第一のCPUと、
第二のCPUと、
少なくとも前記第一のCPUを制御する第一の制御手段と、
前記第一のCPU及び前記第二のCPUのうちの少なくとも一方を制御する第二の制御手段と、
前記第一のCPUを、前記第二の制御手段の制御下から前記第一の制御手段の制御下に切り替える切替手段と、を備え、
前記情報処理装置にハードウェアが追加されるときに、
前記切替手段は、前記第一のCPUを前記第二の制御手段の制御下から前記第一の制御手段の制御下に切り替え、
前記第二のCPUは、前記第一のCPUに対して前記追加されるハードウェアを組み込む処理を実行する指示を行い、
前記第一のCPUは、前記指示に応じて前記追加されるハードウェアにアクセスし、当該ハードウェア組み込みのための処理を実行する、情報処理装置。
【請求項1】
複数のCPUを有し、互いに異なるプログラムによって制御され、互いに異なるCPUが割り当てられる、互いに独立した複数の制御系統が設定される情報処理装置に新たな装置を組み込む方法であって、
前記新たな装置が前記情報処理装置に組み込まれた場合、
前記情報処理装置の制御系統のうち、第一の制御系統に割り当てられた複数のCPUのうちいずれかのCPUを、第二の制御系統に移動させ、
前記第一の制御系統に割り当てられたCPUから、前記第二の制御系統に移動したCPUに対して、前記新たな装置組み込みのための処理を実行する指示を発し、
前記指示を受けたCPUが前記新たな装置をアクセスして、前記新たな装置組み込みのための処理を実行することを特徴とする、新たな装置を組み込む方法。
【請求項2】
前記第二の制御系統に割り当てられたCPUによる、前記新たな装置組み込みのための処理が正常に終了した場合、前記第一の制御系統に割り当てられたCPUが、前記第二の制御系統に割り当てられたCPUに対して前記第一の制御系統に戻るよう指示を発することを特徴とする、請求項1に記載の新たな装置を組み込む方法。
【請求項3】
前記第一の制御系統は、前記情報処理装置のオペレーティングシステムによって制御され、
前記第二の制御系統は、前記オペレーティングシステムとは異なるプログラムによって制御されることを特徴とする、請求項1に記載の新たな装置を組み込む方法。
【請求項4】
前記新たな装置組み込みのための処理は、前記新たに組み込む装置の診断、前記新たに組み込む装置の初期化、あるいは前記新たに組み込む装置のデバイス構成情報の構築の少なくとも一つを含むことを特徴とする、請求項1に記載の新たな装置を組み込む方法。
【請求項5】
前記新たな装置組み込みのための処理は、前記第一の制御系統を制御する情報処理装置のオペレーティングシステムの監視下で、前記第二の制御系統を制御するファームウェアにより制御されることを特徴とする、請求項1に記載の新たな装置を組み込む方法。
【請求項6】
第一のCPUと、
第二のCPUと、
少なくとも前記第一のCPUを制御する第一の制御手段と、
前記第一のCPU及び前記第二のCPUのうちの少なくとも一方を制御する第二の制御手段と、
前記第一のCPUを、前記第二の制御手段の制御下から前記第一の制御手段の制御下に切り替える切替手段と、を備え、
前記情報処理装置にハードウェアが追加されるときに、
前記切替手段は、前記第一のCPUを前記第二の制御手段の制御下から前記第一の制御手段の制御下に切り替え、
前記第二のCPUは、前記第一のCPUに対して前記追加されるハードウェアを組み込む処理を実行する指示を行い、
前記第一のCPUは、前記指示に応じて前記追加されるハードウェアにアクセスし、当該ハードウェア組み込みのための処理を実行する、情報処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2010−262671(P2010−262671A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−161609(P2010−161609)
【出願日】平成22年7月16日(2010.7.16)
【分割の表示】特願2005−301768(P2005−301768)の分割
【原出願日】平成17年10月17日(2005.10.17)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月16日(2010.7.16)
【分割の表示】特願2005−301768(P2005−301768)の分割
【原出願日】平成17年10月17日(2005.10.17)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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