説明

情報処理装置

【課題】操作権限を有する者のみが操作可能というセキュリティを維持しつつ、操作権限を有していない者から当該権限を有する者への操作権限切替認証を迅速に行なえ、当該制限操作を行うこと。
【解決手段】情報端末における液晶ディスプレイに表示され、操作権限を有する操作者のみが操作可能な制限付入力ボタンに対して操作権限を有していない操作者からの入力を受付けた場合に、操作権限を有する操作者による認証を行う認証部60と、操作権限を有する操作者の認証が成功した場合、制限付入力ボタンの操作制限を一時的に解除する制限解除部40と、を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作制限が付された処理に対して、その操作制限を解除する情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、商品の販売を行う店舗に設置されている情報処理装置として、例えばお客様から注文を受けた商品の会計処理等を行う電子式金銭登録機のような会計処理装置がある。このような装置においては、既に注文を受けた商品を取り消したり、商品の値引きなどの取消処理系・マイナス処理系の操作には制限を付しておき、例えば店長などの予め定めた操作権限を有する者のみがそれらの操作を可能にすることで、他の操作者による不正を防止することが所望されている。
【0003】
そこで、電子式金銭登録機は、売上げに関わる情報の変更などを伴う処理を行う際に、予め設定記憶されている暗証コードと、操作者が入力する暗証コードとが一致するか否かを判断し、一致(認証)した場合に上記処理を行う(例えば、特許文献1参照)。このような特許文献1の電子式金銭登録機などの従来装置では、操作者が取消処理系・マイナス処理系の操作に対する権限を有しているか否かの判断を行い、権限を有していない場合は操作エラーとして処理していた。そして、権限を有していない操作者が一旦ログアウトし、権限を有する操作者がログインし直して認証を受け、取消処理系・マイナス処理系の操作を行っていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、お客様によるクレーム等に応じて、注文商品の取消などの取消処理系・マイナス処理系の操作を迅速に行わなければならない場合、当該処理の権限を有していない操作者が一旦ログアウトし、当該権限を有する操作者がログインし直してから注文商品の取消などの処理を行っていると、迅速な対応が必要であるにもかかわらず、多くの時間を費やさなければならない。一方、処理制限を設けないで、誰でも操作を行えるようにしてしまうと、セキュリティレベルが低下し、悪意のある操作者による不正へと繋がってしまう。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、操作権限を有する者のみが操作可能というセキュリティを維持しつつ、操作権限を有していない者から当該権限を有する者への操作権限切替認証を迅速に行なえ、当該制限操作を行うことができる情報処理装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、情報を入出力する装置における表示部に表示され、操作権限を有する操作者のみが操作可能な制限付入力ボタンに対して操作権限を有していない操作者からの入力を受付けた場合に、前記操作権限を有する操作者による認証を行う認証手段と、操作権限を有する操作者の認証が成功した場合、前記制限付入力ボタンの操作制限を一時的に解除する制限解除手段と、を備えることを特徴とする情報処理装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明にかかる情報処理装置は、操作権限を有する者のみが操作可能というセキュリティを維持しつつ、迅速に当該制限操作を行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】情報端末の電気的接続を示すブロック図である。
【図2】権限ファイルのファイル構造の一例を示す模式図である。
【図3】情報端末の構成を示すブロック図である。
【図4】操作画面の一例を示す模式図である。
【図5】認証画面の一例を示す模式図である。
【図6】情報端末による制限解除処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる情報処理装置の最良な実施の形態を詳細に説明する。
【0010】
本実施の形態は、お客様から受付けた注文に対する会計業務を行う会計装置を情報処理装置とした例である。本実施の形態にかかる情報処理装置である情報端末は、メニューオーダーについての注文情報の入力が可能であり、注文情報に応じた内容の伝票を印字発行する。印字発行する伝票は、注文されたメニュー品目をキッチンの調理人に指示するための調理指示伝票である。また、情報端末は、POS(Point Of Sales)端末としても機能し、会計処理を実行する。
【0011】
図1は、本実施の形態にかかる情報端末の電気的接続を示すブロック図である。図1に示すように、情報端末102(会計装置)には、マイクロコンピュータ201が備えられており、このマイクロコンピュータ201が各部を駆動制御する。マイクロコンピュータ201は、各部を集中的に制御するCPU(Central Processing Unit)202に、バスライン203を介して制御プログラム等の固定的情報を予め記憶するROM(Read Only Member)204と、各種情報を書き換え自在に記憶してワークエリア等として機能するRAM(Random Access Memory)205とが接続されて構成されている。したがって、マイクロコンピュータ201は、情報処理を実行する情報処理部を構成する。
【0012】
マイクロコンピュータ201には、バスライン203を介して、タッチパネルコントローラ206、表示コントローラ207、HDD(Hard Disk Drive)208、インターフェース(I/F)209、および通信インターフェース210が接続されている。
【0013】
タッチパネルコントローラ206は、タッチパネル110からの入力信号をマイクロコンピュータ201に取り込む。表示コントローラ207は、画像データに基づいて液晶ディスプレイ109を駆動制御し、画像データに応じた画像を液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)109に表示させる。インターフェース209は、キーボード、マウス、プリンタや客面表示装置をマイクロコンピュータ201に接続させるためのインターフェースであり、前述したように、USB等によって構成されている。通信インターフェース210は、マイクロコンピュータ201をLAN(Local Area Network)経由で他の機器とデータ通信可能にするためのインターフェースである。
【0014】
HDD208には、OS(Operating System)、コンピュータアプリケーションプログラム(APPLI)、各種ファイル等が格納されている。これらのOS、APPLI、各種ファイル等は、情報端末102の起動時にその全部又は一部がRAM205にコピーされてCPU202にアクセスされる。CPU202は、こうしてコピーされたOS及びAPPLIに従った処理を実行する。
【0015】
HDD208は、各種操作ごとに、操作者と取消処理系・マイナス処理系の操作の操作権限の有無とを対応付けた権限ファイルを記憶している。図2は、権限ファイルのファイル構造の一例を示す模式図である。図2に示すように、権限ファイルでは、一つの操作ごとに、パスワードと、操作者と、操作権限の有無と、画像とを対応付けて登録している。図2の権限ファイルでは、一例として、「会計中止」の操作に対しての情報を登録しており、例えば、店長は、パスワードが「0001」で、会計中止の操作権限を有しているが、大崎はな子さんは、パスワードが「0003」で、会計中止の操作権限を有していないことがわかる。なお、HDD208は、会計中止の操作だけでなく、他の取消処理系・マイナス処理系の操作に対しても同様に権限ファイルを記憶しているものとする。
【0016】
次いで、情報端末102のHDD208にインストールされたOSおよびAPPLIによりマイクロコンピュータ201が実行する処理のうち、本実施の形態の情報端末102が有している特徴的な処理について説明する。図3は、本実施の形態にかかる情報端末の構成を示すブロック図である。
【0017】
本実施の形態にかかる情報端末102で実行されるAPPLIは、操作表示部70、認証部60(入力受付部10、表示制御部20、および認証処理部30を含む)、制限解除部40、処理制御部50を含むモジュール構成となっている。これらの各モジュールは、マイクロコンピュータ201のCPU202によってHDD208から適宜読み出されて、RAM205上にロードされ、実行されることで、操作表示部70、認証部60(入力受付部10、表示制御部20、および認証処理部30を含む)、制限解除部40、処理制御部50の各機能を情報端末102に果たさせる。
【0018】
本実施の形態にかかる情報端末102は、既にログインしている操作者の操作画面で、該操作者が操作できない制限付きの入力ボタンにはその旨を知らせるアイコンを表示する。そして、制限付きの入力ボタンをタッチすると表示される認証画面にパスワードを入力すると、一時的に操作の権限を解除して取消処理系・マイナス処理系の操作を行うことができる。
【0019】
操作表示部70は、情報端末102を操作する操作者がログインするログイン画面を液晶ディスプレイ109に表示し、操作者からのログインを受付ける。また、操作表示部70は、操作者からのログインを受付けた場合、いずれの操作者も操作可能な操作を示す入力ボタンと、制限付入力ボタンとを設けた操作画面を液晶ディスプレイ109に表示する。
【0020】
ここで、制限付入力ボタンとは、操作権限を有する操作者のみが操作可能な取消処理系・マイナス処理系の入力ボタンであって、当該操作権限を有する操作者のログインした操作画面等から操作が可能となっている。また、制限付入力ボタン以外の入力ボタンは、いずれの操作者も操作可能な入力ボタンである。この操作画面には、いずれの操作者も操作可能な入力ボタンと視覚的に区別可能な態様で制限付入力ボタンが設けられている。また、操作表示部70は、操作画面から、制限付入力ボタン等を含む各種入力ボタンの入力を受付ける。
【0021】
図4は、操作画面の一例を示す模式図である。図4に示すように、操作画面Dには、会計関連操作D11、会計方法D12、カードの種類D13、テンキーD14、ログイン操作者D15などが表示されている。
【0022】
会計関連操作D11には、会計を一旦保留する「会計保留」ボタン、会計を中止する「会計中止」ボタンD11a、複数のお客様の会計を個別に割り勘にする「個別割勘」ボタン、複数のお客様の会計を均等に割り勘にする「均等割勘」ボタン、電卓画面に切り替わる「電卓」ボタンが、タッチパネル110によるタッチ指定が可能なオブジェクトとして表示されている。
【0023】
ここで、「会計中止」ボタンD11aには、三角形の中に感嘆符(エクスクラメーションマーク)が表記されたマークMが表示されている。このマークMが表示された入力ボタンは、現在ログインしている操作者には操作が行えず、操作権限を有する操作者のみが操作可能な制限付入力ボタンである旨を示している。つまり、ログインしている大崎はな子さんは、会計中止の操作権限を有していないことが認識できる。
【0024】
会計方法D12には、会計の方法を示すボタンが表示されており、具体的には、例えばクレジット会計を行う旨を示す「クレジット」ボタン、電子マネーによりお会計を行う旨を示す「電子マネー」ボタンなどが、タッチパネル110によるタッチ指定が可能なオブジェクトとして表示されている。
【0025】
カードの種類D13には、お客様がカードにより支払いを行う場合に利用するカードの種類を示すボタンが、タッチパネル110によるタッチ指定が可能なオブジェクトとして表示されている。
【0026】
テンキーD14は、お客様から受け取った代金を打ち込み、会計を行うものであり、0〜9ボタン等が、タッチパネル110によるタッチ指定が可能なオブジェクトとして表示されている。
【0027】
ログイン操作者D15は、現在ログインしている操作者の名前と画像とが表示される。図4では、大崎はな子さんがログインしている状態で表示された操作画面(会計/支払操作画面)であることがわかる。
【0028】
認証部60は、操作制限を有する操作者による認証を行うもので、入力受付部10と、表示制御部20と、認証処理部30を備えている。
【0029】
入力受付部10は、表示制御部20により表示された認証画面(図5参照)から、操作者に固有のパスワード(操作者識別情報)の入力を受付ける。
【0030】
表示制御部20は、操作表示部70によって表示された操作画面において、操作権限を有していない操作者から、制限付入力ボタンの入力を受付けた場合に、操作権限を有する操作者であるか否かの認証を行う認証画面を表示する。
【0031】
例えば、図4における操作画面では、会計中止の操作権限を有していない大崎はな子さんから、マークMの付された会計中止ボタンの入力を受付けた場合に認証画面を表示する。また、この認証画面には、制限付入力ボタンの示す操作に対して操作権限を有する操作者を示す操作者情報を表示する。
【0032】
図5は、認証画面の一例を示す模式図である。認証画面Eには、入力を受付けた制限付入力ボタンの示す操作に対して操作権限を有する操作者の名前と画像(操作者情報)が表記された操作者情報ボタンE11、E12が表示されている。具体的に図5では、店長およびマネージャーが操作権限を有する操作者であることを示している。そして、認証画面Eには、パスワード入力フィールドE13が表示され、入力を受付けた制限付入力ボタンの示す操作に対して操作権限を有する操作者が、自己の操作者情報ボタンをタッチした後、テンキーE14によりパスワードを入力し、決定キーE15により決定すると、認証処理部30による認証が行われる。そして、この認証が成功した場合、操作の制限が一時的に解除されることになる。また、認証画面Eの右上部には、ログインしている操作者の名前と画像が表示されたログイン操作者情報E16が表示されており、図5では、大崎はな子さんがログインしていることが示されている。
【0033】
認証処理部30は、認証画面から、操作権限を有する操作者によりパスワードが入力された場合、HDD208に記憶されている権限ファイルを参照して、パスワードを入力した操作者が、入力を受付けた制限付入力ボタンの示す操作の操作権限を有する操作者か否かの認証を行うものである。
【0034】
例えば、図2、4、5を参照すると、操作画面(図4)から、大崎はな子さんにより操作権限を有していない会計中止ボタンの入力が行われ、操作画面Eに重ねて認証画面E(図5)がポップアップ画面として表示された場合に、操作権限を有している店長が自己の操作者情報ボタンE11をタッチして、フィールドE13にパスワード「0001」を入力する。この入力されたパスワード「0001」と、権限ファイル(図2)の操作名「会計中止」を参照すると、店長のパスワードは「0001」であるため本人である旨が認識され、かつ店長は操作権限があることにより認証は成功となる。
【0035】
制限解除部40は、認証処理部30による認証が成功した場合、入力を受付けた制限付入力ボタンの示す操作の制限を一時的に解除するものである。また、制限解除部40は、操作の制限が一時的に解除された操作に対する処理終了した場合、制限付入力ボタンに対して再度操作の制限を付与する。
【0036】
処理制御部50は、認証処理部30による認証が成功したことによって、制限解除部40により入力を受付けた制限付入力ボタンの示す操作の制限が一時的に解除された場合、当該操作に対する処理を行うものである。
【0037】
このように、認証画面から、操作権限を有する操作者がパスワードを入力して操作の制限が一時的に解除された場合、当該操作権限を有する操作者は、入力を受付けた制限付入力ボタンの示す操作を行うことができるようになる。また、操作表示部70は、操作の制限が一時的に解除された操作に対する処理が終了した場合、元の操作画面、すなわち操作の制限が一時的に解除される前の操作画面を、液晶ディスプレイ109に表示する。
【0038】
次に、以上のように構成された情報端末102による制限解除処理について説明する。図6は、本実施の形態にかかる情報端末による制限解除処理の流れを示すフローチャートである。
【0039】
まず、操作表示部70は、ログイン画面から操作者によりログインを受付けたか否かの判断をし(ステップS10)、受付けてない場合(ステップS10:No)、ログインを受付けるまで待機する。一方、ログインを受付けた場合(ステップS10:Yes)、操作表示部70は、液晶ディスプレイ109に操作画面を表示する(ステップS11)。そして、操作表示部70は、ログインした操作者により、入力ボタンの入力を受付けたか否かを判断し(ステップS12)、受付けていない場合(ステップS12:No)、受付けるまで待機する。一方、入力ボタンの入力を受付けた場合(ステップS12:Yes)、操作表示部70は、入力を受付けた入力ボタンが制限付入力ボタンか否かの判断をする(ステップS13)。制限付入力ボタンであると判断された場合(ステップS13:Yes)、表示制御部20は、認証画面を表示する(ステップS14)。
【0040】
そして、入力受付部10は、認証画面からパスワードの入力を受付けたか否かの判断をし(ステップS15)、受付けていない場合(ステップS15:No)、受付けるまで待機する。一方、パスワードの入力を受付けた場合(ステップS15:Yes)、認証処理部30は、パスワードを入力した操作者が、入力を受付けた制限付入力ボタンの示す操作の操作権限を有する操作者か否かの判断を行う(ステップS16)。操作権限を有する操作者でない場合(ステップS16:No)、ステップS20の処理へ進む。
【0041】
一方、操作権限を有する操作者である場合(ステップS16:Yes)、制限解除部40は、入力を受付けた制限付入力ボタンの示す操作の制限を一時的に解除する(ステップS17)。そして、操作権限を有する操作者の入力に従って、処理制御部50は、入力を受付けた制限付入力ボタンの示す操作に対する処理を実行する(ステップS18)。
【0042】
操作表示部70は、処理制御部50による処理が終了したか否かの判断をし(ステップS19)、処理が終了していない場合(ステップS19:No)、ステップS18に戻って処理を繰り返す。一方、処理が終了した場合(ステップS19:Yes)、制限解除部40が制限付入力ボタンに対して再度操作の制限を付与し、操作表示部70は、元の操作画面、すなわち操作の制限が一時的に解除される前の操作画面を表示する(ステップS20)。
【0043】
ステップS13において、入力を受付けた入力ボタンが制限付入力ボタンでないと判断された場合(ステップS13:No)、操作者の入力に従って、処理制御部50は、入力を受付けた入力ボタンの示す操作に対する処理を実行する(ステップS21)。操作表示部70は、処理制御部50による処理が終了したか否かの判断をし(ステップS22)、終了していない場合(ステップS22:No)、ステップS21に戻る。一方、処理が終了した場合(ステップS22:Yes)、操作表示部70は、操作画面を表示する(ステップS23)。
【0044】
このように、本実施の形態の情報端末102は、操作者がログインした操作画面において、該操作者が操作権限を有していない制限付入力ボタンをタッチすると、認証画面が表示されて、その認証画面に操作権限を有する操作者がパスワードを入力することで、操作の権限を一時的に解除して取消処理系・マイナス処理系の操作を行うことが可能となっている。
【0045】
また、一時的に解除された操作に対する処理が終了した後には、元の操作画面を表示する。従って、お客様から注文したメニューの取消を求められた場合などに、取消処理系・マイナス処理系の操作権限を有していない操作者がログインした操作画面において、一時的にそれらの操作制限を解除できるため、操作権限を有する者のみが操作可能というセキュリティを維持しつつ、操作権限を有していない者から当該権限を有する者への操作権限切替認証を迅速に行なえ、当該制限操作を行うことができ、お客様をお待たせする時間が短縮できる。
【0046】
また、本実施の形態の情報端末102は、既にログインしている操作者の操作画面で、該操作者が操作できない制限付入力ボタンを、操作可能な入力ボタンと視覚的に区別可能な態様で表示する。具体的には、例えば、操作不可を知らせるアイコンを制限付入力ボタンに表記する。これにより、制限付入力ボタンは、操作権限が付与されており、パスワードを入力してログインが必要なボタンである旨を操作者に認識させることができる。操作権限を有していない人には不要なファンクションボタンであるが、例えば注文済のメニューを取り消す行為は、オーダリングミスの状況で使用される。このため、お客様からのクレームがあった時点で迅速な対応が求められるため、権限を有していない操作者の操作画面にも制限付入力ボタンを表示することで、後の対応を迅速に行うことができる。
【0047】
また、制限付入力ボタンをタッチしたときに表示される認証画面に、その制限付入力ボタンの示す操作に対して権限を有している操作者の情報(名前や画像等)を表示しておくことで、権限を有するのが誰かがすぐ分かり、該操作者は迷うことなく権限を有する者を呼びに行くことができ、迅速な対応が可能となる。また、操作画面にログインしている操作者の名前等を表示することで、現在ログインしている操作者を操作画面上で確認できるため、よりセキュリティを強化できる。
【0048】
なお、操作者からのログインを受付けることにより、出勤した旨を受付ける出勤簿を兼ねた構成としてもよい。このように構成した場合、現在出勤している操作者(従業員や店長等)を把握することができる。従って、認証画面において、操作権限を有する操作者の操作者情報ボタンを表示する場合に、出勤していない操作者に関しては、操作権限を有していてもグレイアウトとして表示し、タッチできないようにすることができる。これにより、操作権限を有していない従業員等の操作者が、操作権限を有していても出勤していない操作者を即座に把握できるため、制限付きの操作をより迅速に行うことができる。
【0049】
また、本実施の形態では、操作画面における制限付入力ボタンに操作ができない旨を知らせるアイコン表記しているが、ボタンの色を変えて表示するなど、いずれの操作者も操作可能な入力ボタンと視覚的に区別可能な態様で表示されていればよい。また、パスワードを他人に知られるとセキュリティレベルが低下してしまうため、パスワード入力の認証技術と、他の認証技術、例えば指紋認証、IDカードによる認証、静脈認証などとの併用することでセキュリティを強化できる。
【符号の説明】
【0050】
10 入力受付部
20 表示制御部
30 認証処理部
40 制限解除部
50 処理制御部
60 認証部
70 操作表示部
102 情報端末
109 液晶ディスプレイ
110 タッチパネル
201 マイクロコンピュータ
202 CPU
203 バスライン
206 タッチパネルコントローラ
207 表示コントローラ
208 HDD
209 インターフェース
210 通信インターフェース
【先行技術文献】
【特許文献】
【0051】
【特許文献1】特開平9−44749号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を入出力する装置における表示部に表示され、操作権限を有する操作者のみが操作可能な制限付入力ボタンに対して操作権限を有していない操作者からの入力を受付けた場合に、前記操作権限を有する操作者による認証を行う認証手段と、
操作権限を有する操作者の認証が成功した場合、前記制限付入力ボタンの操作制限を一時的に解除する制限解除手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記制限解除手段は、操作制限が一時的に解除された操作に対する処理が終了した場合、前記制限付入力ボタンに対して再度操作制限を付与することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記認証手段は、前記操作権限を有する操作者を示す操作者情報とともに、前記操作権限を有する操作者による認証を受付ける認証画面を前記表示部に表示することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記操作制限を有していない操作者がログインしている場合、前記制限付入力ボタンを、いずれの操作者も操作可能な入力ボタンと視覚的に区別可能な態様で前記表示部に表示する操作表示部をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−211631(P2010−211631A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−58495(P2009−58495)
【出願日】平成21年3月11日(2009.3.11)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】