説明

情報処理装置

【課題】ユーザが外部装置に対する電力供給方法を決定することが可能な情報処理装置を提供する。
【解決手段】情報処理装置と外部装置との間で信号を送受するための信号用端子と、電源から外部装置に電力を供給するための電力用端子とを有する複数のコネクタと、情報処理装置の非稼動時に複数のコネクタにそれぞれ対して電力を供給するか否かを設定するための設定項目と、情報処理装置の非稼動時に複数のコネクタそれぞれに対して外部の電源の電力を供給するか、またはバッテリの電力を供給するかを設定するための設定項目とについてそれぞれ選択的に設定可能とする設定画面を表示する表示手段と、設定画面を介して設定された電力供給制御に関する設定情報に従って、情報処理装置の非稼動時にコネクタに接続された外部装置に対して電源から電力を供給するよう制御する制御手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来文献(特許文献1)には、接続コネクタを備えた情報処理装置の一例が示されている。この情報処理装置では、情報処理装置の接続コネクタは外部装置に接続されており、情報処理装置から接続コネクタを介して外部装置に電力を供給している。情報処理装置が稼動状態から非稼動状態に移行した場合でも、情報処理装置は接続コネクタを介して外部装置に電力を供給する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−53748号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術の情報処理装置では、非稼動状態の情報処理装置から接続コネクタを介して外部装置に電力を供給する場合において、外部装置に対する電力供給方法は情報処理装置の内部設定により決定されている。このため、従来技術の情報処理装置では、外部装置に対する電力供給方法は使い勝手の悪いものである。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、非稼動状態の情報処理装置から外部装置への電力供給方法をユーザが決定することが可能な情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の情報処理装置は、外部の電源または本体内部に配置されるバッテリのいずれかを電源として駆動する情報処理装置であって、複数のコネクタと、表示手段と、制御手段と、を備える。複数のコネクタは、前記情報処理装置と外部装置との間で信号を送受するための信号用端子と、前記電源から前記外部装置に電力を供給するための電力用端子とを有する。表示手段は、前記情報処理装置の非稼動時に前記複数のコネクタにそれぞれ対して電力を供給するか否かを設定するための設定項目と、前記情報処理装置の非稼動時に前記複数のコネクタそれぞれに対して前記外部の電源の電力を供給するか、または前記バッテリの電力を供給するかを設定するための設定項目とについてそれぞれ選択的に設定可能とする設定画面を表示する。制御手段は、前記設定画面を介して設定された電力供給制御に関する設定情報に従って、前記情報処理装置の非稼動時に前記コネクタに接続された外部装置に対して前記電源から電力を供給するよう制御する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、パーソナルコンピュータの外観を示す斜視図である。
【図2】図2は、パーソナルコンピュータのシステム構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、コンピュータ本体とUSBデバイスの接続部分を示すブロック図である。
【図4】図4は、ユーザ設定情報を設定するための設定画面である。
【図5】図5は、ユーザ設定情報の伝達経路を概念的に示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
【0009】
図1に示されるように、ノートブック型のパーソナルコンピュータ(情報処理装置)10は、コンピュータ本体11と、ディスプレイユニット12とから構成されている。ディスプレイユニット12には、LCD(Liquid Crystal Display)17から構成される表示装置が組み込まれており、LCD17の表示画面は、ディスプレイユニット12の略中央に位置されている。
【0010】
ディスプレイユニット12は、コンピュータ本体11に対して開放位置と閉塞位置との間を回動自在に取り付けられている。コンピュータ本体11は、薄い箱型の筐体を有しており、その上面には、キーボード13、パーソナルコンピュータ10の電源をON/OFFするためのパワーボタン14、入力操作パネル15、およびタッチパッド16等が配置されている。
【0011】
次に、パーソナルコンピュータ10のシステム構成について説明する。
【0012】
図2に示されるように、パーソナルコンピュータ10は、CPU111、ノースブリッジ112、主メモリ113、ビデオコントローラ114、オーディオコントローラ115、サウスブリッジ119、BIOS120、ハードディスクドライブ(HDD)121、光ディスクドライブ(ODD)122、USBコネクタ140、エンベデッドコントローラ/キーボードコントローラIC(EC/KBC)124およびネットワークコントローラ125等を備えている。
【0013】
CPU111は、パーソナルコンピュータ10の動作を制御するために設けられたプロセッサであり、HDD121から主メモリ113にロードされるオペレーティングシステム(OS)、および各種アプリケーションプログラムを実行する。また、CPU111は、不揮発性メモリであるBIOS120に格納されたシステムBIOS(Basic Input Output System)も実行する。システムBIOSは、ハードウェア制御のためのプログラムである。
【0014】
ノースブリッジ112は、CPU111のローカルバスとサウスブリッジ119との間を接続するブリッジデバイスである。ノースブリッジ112には、主メモリ113をアクセス制御するメモリコントローラも内蔵されている。また、ノースブリッジ112は、AGP(Accelerated Graphics Port)バス等を介してビデオコントローラ114との通信を実行する機能も有している。
【0015】
ビデオコントローラ114は、パーソナルコンピュータ10のディスプレイモニタとして使用されるLCD17を制御するビデオ再生コントローラである。ビデオコントローラ114は、デコードされた映像データからLCD17に送出すべき再生信号を生成する。
【0016】
サウスブリッジ119は、LPC(Low Pin Count)バス上の各デバイス、およびPCI(Peripheral Component Interconnect)バス上の各デバイスを制御する。また、サウスブリッジ119は、オーディオコントローラ115との通信を実行する機能を有している。また、サウスブリッジ119は、HDD121、ODD122を制御するためのIDE(Integrated Drive Electronics)コントローラを内蔵している。また、サウスブリッジ119は、USBコネクタ140に接続されたUSBデバイスを制御するためのUSBホストコントローラを内蔵している。更に、サウスブリッジ119は、BIOS120をアクセス制御するための機能も有している。
【0017】
オーディオコントローラ115は、パーソナルコンピュータ10のスピーカ18を制御するオーディオ再生コントローラである。オーディオコントローラ115は、デコードされた音声データからスピーカ18に送出すべき再生信号を生成する。
【0018】
HDD121は、各種ソフトウェアおよびデータを格納する記憶装置である。ODD122は、ビデオコンテンツが格納されたDVD等の記憶メディアを駆動するためのドライブユニットである。
【0019】
EC/KBC124は、電力管理のためのエンベデッドコントローラと、キーボード(KB)13およびタッチパッド16を制御するためのキーボードコントローラとが集積された1チップマイクロコンピュータである。このEC/KBC124は、ユーザによるパワーボタン14の操作に応じてパーソナルコンピュータ10の電源をON/OFFする機能を有している。ネットワークコントローラ125は、例えばインターネット等の外部ネットワークとの通信を実行する通信装置である。
【0020】
次に、コンピュータ本体11とUSBデバイス200の接続部分について説明する。図3は、コンピュータ本体11とUSBデバイス200の接続部分の構成を示している。
【0021】
USBデバイス200は、USB(Universal Serial Bus)規格に準拠した外部装置であり、例えば、携帯電話装置や携帯オーディオプレーヤなどである。USBデバイス200は、USBコネクタ140に挿し込み可能なUSBプラグを有しており、USBプラグをUSBコネクタ140に挿し込むことで、USBデバイス200がコンピュータ本体11に接続される。USBプラグは、コンピュータ本体11との間で信号を送受するための2つの信号用端子207,208と、コンピュータ本体11から電力の供給を受けるための1つの電力用端子204と、接地するための1つのグランド用端子209と、を有する。なお、抵抗205は、USBデバイス200に内蔵されるプルアップ抵抗である。
【0022】
USBコネクタ140は、USBデバイス200を着脱自在とするためにコンピュータ本体11に設けられたポートである。USBコネクタ140は、USBデバイス200との間で信号を送受するための2つの信号用端子147,148と、電源Vからの電力をUSBデバイス200に供給するための1つの電力用端子144と、コンピュータ本体11の筐体に接続された1つのグランド用端子149と、を有する。図3では、USBコネクタ140が1つだけ示されているが、コンピュータ本体11には複数のUSBコネクタ140が設けられている。なお、USBコネクタ140には、パーソナルコンピュータ10の制御において、1つのUSBコネクタ140が1つの独立した制御対象として管理されているものと、複数のUSBコネクタ140からなる1組が1つの独立した制御対象として管理されているものとがある。
【0023】
USBホストコントローラ(外部装置制御部)130は、USBデバイス200との間で制御指令やデータなどの信号を送受するための回路である。USBホストコントローラ130は、正極の通信ライン137上に設けられる入出力バッファ131および直列抵抗133と、負極の通信ライン138上に設けられる入出力バッファ132および直列抵抗134と、正極の通信ライン137に接続されるプルダウン抵抗135と、負極の通信ライン137に接続されるプルダウン抵抗136と、を有する。USBホストコントローラ130の内部で生成された一組の信号は、入出力バッファ131,132を通して出力され、EMI対策用等の受動部品であるフィルタ139により調整され、USBコネクタ140の信号用端子147,148に到達する。なお、USBホストコントローラ130に内蔵されるメモリには、通信ライン137,138の制御方法に関してユーザにより設定されたユーザ設定情報が格納されている。USBホストコントローラ130は、コンピュータ本体11の非稼動時にユーザ設定情報に従って通信ライン137,138の制御を行う。なお、上記のフィルタ139は不可欠な要素ではない。
【0024】
電力供給状態切換部(IC)150は、電源VおよびUSBコネクタ140を接続状態または非接続状態に切り換えるスイッチ152を含んで構成された集積回路であり、スイッチ152を接続状態または非接続状態のいずれか一つに切り換え可能に構成されている。スイッチ152は、独立した制御対象であるUSBコネクタ140ごとにまたはその1組ごとに設けられている。電力供給状態切換部150のスイッチ152が接続状態に切り換えられた時には、電源Vからの電力はUSBコネクタ140を介してUSBデバイス200に供給される。一方、電力供給状態切換部150のスイッチ152が非接続状態に切り換えられた時には、電源Vからの電力はUSBデバイス200に供給されない。なお、電源Vは、コンピュータ本体11の内部に配置される充電地であるバッテリ、および、コンピュータ本体11の外部から供給される一般商用電源である。よって、スイッチ152は、USBコネクタ140をバッテリに接続する接続状態、USBコネクタ140を一般商用電源に接続する接続状態、それ等を組み合わせた状態、USBコネクタ140をいずれの電源にも接続しない非接続状態のいずれか一つに切り換え可能に構成されている。電力供給状態切換部150は、各スイッチ152に過電流が流れていることを検出する回路を含んで構成されており、過電流の検出信号156を出力する。
【0025】
電力供給状態制御部(EC)160は、電力供給状態切換部150のスイッチ152を接続状態または非接続状態のいずれか一方に切り換える制御を行うエンベデッドコントローラである。電力供給状態制御部160は、例えば1チップマイコン等で構成されており、電力供給状態切換部150を制御するための信号154を出力する。パーソナルコンピュータ10の非稼動時においても電力供給状態制御部160には電力が供給されており、電力供給状態制御部160は常に動作可能な状態にある。電力供給状態制御部160に内蔵されるメモリには、電力供給状態切換部150の制御方法に関してユーザにより設定されたユーザ設定情報が格納されている。電力供給状態制御部160は、コンピュータ本体11の非稼動時にユーザ設定情報に従ってスイッチ152を接続状態または非接続状態のいずれか一方に切り換える制御を行う。
【0026】
図4は、ユーティリティソフトウェアにより提供される、ユーザ設定情報を設定するための設定画面の一例を示している。ビデオコントローラ114が、図4に示される設定画面をLCD17に表示する。設定画面の左欄には、ユーザが設定する制御項目の内容が表示されている。設定画面の上欄には、パーソナルコンピュータ10に設けられたUSBコネクタ140の各々が表示されている。ここで、USBコネクタ1およびUSBコネクタ2の各々は、1つのUSBコネクタが1つの独立した制御対象として管理されるものであり、各USBコネクタについてユーザが制御項目を設定可能となっている。また、USBコネクタ3およびUSBコネクタ4は、2つのUSBコネクタからなる1組が1つの独立した制御対象として管理されるものであり、一組のUSBコネクタについてユーザが制御項目を設定可能となっている。ユーザがチェックボックスをチェックしたり数値を入力することにより、各制御項目がユーザの任意に設定される。
【0027】
図5は、ユーザ設定情報の伝達経路を概念的に示している。ユーザ設定情報の伝達経路は階層的であり、ユーティリティソフトウェア(SW)170、オペレーティングシステム(OS)172、BIOS120、USBホストコントローラ(USB‐HC)130、電力供給状態制御部(EC)160、電源コントローラ(PSC)178を含んでいる。ユーザ設定情報の伝達経路の各階層は、互いに情報をやり取りすることが可能である。
【0028】
ユーザが設定可能な制御項目には、電力供給制御に関するものと、通信ライン制御に関するものがある。ユーザが設定画面を利用して電力供給制御に関するユーザ設定情報を入力すると、ユーザ設定情報は、ユーティリティソフトウェア170からオペレーティングシステム172およびBIOS120を経由して電力供給状態制御部160に渡される。そして、電力供給状態制御部160は、ユーザ設定情報をメモリに格納して、ユーザ設定情報を一元管理する。
【0029】
一方、ユーザが設定画面を利用して通信ライン制御に関するユーザ設定情報を入力すると、ユーザ設定情報は、ユーティリティソフトウェア170からオペレーティングシステム172およびBIOS120を経由してUSBホストコントローラ130に渡される。そして、USBホストコントローラ130は、ユーザ設定情報をメモリに格納して、ユーザ設定情報を一元管理する。
【0030】
パーソナルコンピュータ10の稼動状態では、ユーザ設定情報の伝達経路の各階層に電力が供給されている。一方、パーソナルコンピュータ10の非稼動状態では、ユーティリティソフトウェア170、オペレーティングシステム172、BIOS120には電力が供給されておらず、電力供給状態制御部160、電源コントローラ178、USBホストコントローラ130に電力が供給されている。よって、ユーザ設定情報の設定は、パーソナルコンピュータ10の稼動時に行われる。
【0031】
なお、USBホストコントローラ130にユーザ設定情報を格納する場合には、パーソナルコンピュータ10の稼動時における通常動作を妨げないために、パーソナルコンピュータ10が稼動状態から非稼動状態へと状態遷移する間際、言い換えればパーソナルコンピュータ10の制御がオペレーティングシステム172からBIOS120に渡された後に実行されることが必要である。
【0032】
本実施形態によれば、パーソナルコンピュータ10の非稼動時にユーザ設定情報に従ってUSBデバイス200に電力が供給されるため、ユーザはUSBデバイス200への電力供給機能を任意に決定することができる。よって、パーソナルコンピュータ10の電力供給機能を、ユーザにとって使い勝手の良いものにすることができる。また、複数の制御項目を組み合わせて設定することにより、パーソナルコンピュータ10の電力供給機能を詳細に設定して、ユーザにとってさらに使い勝手の良いものにすることができる。
【0033】
なお、補足的に説明すると、電源コントローラ178は、電源に関して統括的な制御を行う制御部である。電源コントローラ178は、コンピュータ本体11に一般商用電源が供給されている場合に、一般商用電源からの電力をバッテリに充電する機能を有している。また、電源コントローラ178は、一般商用電源からの電力供給の有無を常時モニターしており、コンピュータ本体11に一般商用電源が供給されているか否かを検出する機能を有している。また、電源コントローラ178は、バッテリの充電残容量を常時モニターしており、バッテリの充電残容量を検出する機能を有している。また、電源コントローラ178は、これらの検出結果を電力供給状態制御部160に出力する。
【0034】
ユーザにより設定される設定項目としては様々なものが考えられるが、本実施形態のパーソナルコンピュータ10では図4に示される設定項目をユーザは設定することができる。以下、図4の設定画面の設定項目について上から順に説明する。
【0035】
第1の設定項目は、パーソナルコンピュータ10の非稼動時にUSBコネクタ140を介して電力を供給するか否かを設定するための設定項目である。言い換えれば、第1の設定項目は、パーソナルコンピュータ10の非稼動時に電力供給状態切換部150のスイッチ152を接続状態とするかまたは非接続状態とするかを設定するための設定項目である。この設定項目についてユーティリティソフトウェアが生成するユーザ設定情報は、電力供給制御に関するユーザ設定情報であり、電力供給状態制御部160に渡されて格納される。パーソナルコンピュータ10の非稼動時に、電力供給状態制御部160は、ユーザ設定情報においてスイッチ152の接続状態が選択されている場合には、電力供給状態切換部150のスイッチ152を接続するように制御する。一方、電力供給状態制御部160は、ユーザ設定情報においてスイッチ152の非接続状態が選択されている場合には、電力供給状態切換部150のスイッチ152を接続しないように制御する。
【0036】
第2の設定項目は、パーソナルコンピュータ10の非稼動時にUSBデバイス200に電力を供給する電源を選択するための設定項目である。言い換えれば、第2の設定項目は、一般商用電源の電力をUSBデバイス200に供給するか、またはバッテリの電力をUSBデバイス200に供給するかを設定するための設定項目である。この設定項目についてユーティリティソフトウェアが生成するユーザ設定情報は、電力供給制御に関するユーザ設定情報であり、電力供給状態制御部160に渡されて格納される。パーソナルコンピュータ10の非稼動時に、電力供給状態制御部160は、ユーザ設定情報において一般商用電源が選択されている場合には、電力供給状態切換部150のスイッチ152を一般商用電源に接続するように制御する。一方、電力供給状態制御部160は、ユーザ設定情報においてバッテリが選択されている場合には、電力供給状態切換部150のスイッチ152をバッテリに接続するように制御する。例えば、バッテリから電力を供給した場合には、携帯電話装置等をUSBコネクタに接続して電源を得ることで、携帯電話装置等の電池切れに対処することができる。なお、第2の設定項目は、一般商用電源の電力およびバッテリの電力をUSBデバイス200に供給することを設定可能に構成されてもよい。
【0037】
第3の設定項目は、パーソナルコンピュータ10の非稼動時にバッテリから電力を供給する場合に、電力供給条件であるバッテリの充電残容量の最小値を設定するための設定項目である。この設定項目についてユーティリティソフトウェアが生成するユーザ設定情報は、電力供給制御に関するユーザ設定情報であり、電力供給状態制御部160に渡されて格納される。パーソナルコンピュータ10の非稼動時に、電力供給状態制御部160は、バッテリの充電残容量の設定値を示すユーザ設定情報に従って電力供給状態切換部150のスイッチ152を制御する。すなわち、電力供給状態制御部160は、バッテリの充電残容量が上記設定値を上回っている場合には、バッテリからUSBデバイス200に電力を供給する。一方、バッテリの充電残容量が上記設定値を下回っている場合には、バッテリからUSBデバイス200に電力を供給しない。
【0038】
第4の設定項目は、パーソナルコンピュータ10の非稼動時にウェイクアップ機能を有効状態とするかまたは無効状態とするかを設定するための設定項目である。ここで、ウェイクアップ機能とは、Microsoft社が提供するWindowsXP(登録商標)等のオペレーティングシステムにおいて“bringthe computer out of standby”(コンピュータのスタンバイ状態を解除)等と表現される機能であり、Advanced Configuration and Power Interface(ACPI)規格におけるSleepingstates(S3/S4/S5等)と定義される非稼動状態を解除して稼動状態(S0)へと復帰させるパーソナルコンピュータ10の状態遷移機能のことである。この設定項目についてユーティリティソフトウェアが生成するユーザ設定情報は、通信ライン制御に関するユーザ設定情報であり、USBホストコントローラ130に渡されて格納される。パーソナルコンピュータ10の非稼動時に、USBホストコントローラ130は、ユーザ設定情報においてウェイクアップ機能の有効状態が選択されている場合には、USBデバイス200の接続などのイベントに応じてパーソナルコンピュータ10を非稼動状態から稼動状態に移行させる。一方、USBホストコントローラ130は、ユーザ設定情報においてウェイクアップ機能の無効状態が選択されている場合には、パーソナルコンピュータ10を非稼動状態のまま維持する。
【0039】
第5の設定項目は、パーソナルコンピュータ10の非稼動時に信号送受用の通信ラインの電位レベルを設定するための設定項目である。言い換えれば、第5の設定項目は、パーソナルコンピュータ10の非稼動時に信号送受用の通信ラインの電位レベルを高電位レベルとするかまたは低電位レベルとするかを設定するための設定項目である。この設定項目についてユーティリティソフトウェアが生成するユーザ設定情報は、通信ライン制御に関するユーザ設定情報であり、USBホストコントローラ130に渡されて格納される。パーソナルコンピュータ10の非稼動時に、USBホストコントローラ130は、ユーザ設定情報において高電位レベルが選択されている場合には、通信ラインを高電位レベルに制御する。一方、USBホストコントローラ130は、ユーザ設定情報において低電位レベルが選択されている場合には、通信ラインを低電位レベルに制御する。
【0040】
上述した実施形態では、USBデバイスがコンピュータ本体に接続されたが、他の実施形態では、IEEE1394などの他の規格に準拠したデバイスがコンピュータ本体に接続されてもよい。
【符号の説明】
【0041】
10 パーソナルコンピュータ
11 コンピュータ本体
130 USBホストコントローラ
131,132 入出力バッファ
133,134 直列抵抗
135,136 プルダウン抵抗
137,138 通信ライン
139 フィルタ
140 USBコネクタ
144 電力用端子
147,148 信号用端子
149 グランド用端子
150 電力供給状態切換部
152 スイッチ
160 電力供給状態制御部
170 ユーティリティソフトウェア
172 オペレーティングシステム
178 電源コントローラ
200 デバイス
204 電力用端子
207,208 信号用端子
209 グランド用端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部の電源または本体内部に配置されるバッテリのいずれかを電源として駆動する情報処理装置であって、
前記情報処理装置と外部装置との間で信号を送受するための信号用端子と、前記電源から前記外部装置に電力を供給するための電力用端子とを有する複数のコネクタと、
前記情報処理装置の非稼動時に前記複数のコネクタにそれぞれ対して電力を供給するか否かを設定するための設定項目と、前記情報処理装置の非稼動時に前記複数のコネクタそれぞれに対して前記外部の電源の電力を供給するか、または前記バッテリの電力を供給するかを設定するための設定項目とについてそれぞれ選択的に設定可能とする設定画面を表示する表示手段と、
前記設定画面を介して設定された電力供給制御に関する設定情報に従って、前記情報処理装置の非稼動時に前記コネクタに接続された外部装置に対して前記電源から電力を供給するよう制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記表示手段は、前記情報処理装置の非稼動時に前記バッテリから電力を供給する場合に、前記バッテリの充電残容量の最小値を電力供給制御に関する設定情報として設定するための設定項目を前記設定画面に表示する、
ことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記表示手段は、前記情報処理装置の非稼動時に、非稼動状態を解除して稼動状態へと復帰させる機能を有効状態とするかまたは無効状態とするかを通信ライン制御に関する設定情報として設定するための設定項目を前記設定画面に表示し、
前記設定画面を介して設定された通信ライン制御に関する設定情報に従って、前記情報処理装置の非稼動時に前記コネクタに接続された外部装置に対する信号送受用の通信ラインの制御を行うコントローラを備える、
ことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記表示手段は、前記情報処理装置の非稼動時に、信号送受用の通信ラインの電位レベルを通信ライン制御に関する設定情報として設定するための設定項目を前記設定画面に表示し、
前記設定画面を介して設定された通信ライン制御に関する設定情報に従って、前記情報処理装置の非稼動時に前記コネクタに接続された外部装置に対する信号送受用の通信ラインの制御を行うコントローラを備える、
ことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−164335(P2012−164335A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−88688(P2012−88688)
【出願日】平成24年4月9日(2012.4.9)
【分割の表示】特願2007−172803(P2007−172803)の分割
【原出願日】平成19年6月29日(2007.6.29)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】