情報受信制御装置、情報送信制御装置、情報受信制御方法、情報送信制御方法、およびプログラム
【課題】放送局から受信する放送波の受信状況を考慮すると共に、IP通信網などの他のネットワークを介して提供されるコンテンツを適切に受信する。
【解決手段】放送局2により放送される放送番組と同一または関連するコンテンツの、放送局2からの放送波以外の通信手段であるIP通信網10を介した受信について、放送波の受信レベルR(放送波の受信状況)が閾値T(所定の受信許可基準)を満たすか否かを所定のタイミングで判定し、この判定によりコンテンツの受信が許可された場合、IP通信網10を介してネットワーク接続部96(受信部)でコンテンツを受信し、このコンテンツの受信終了までの期間、受信可否判定による所定のタイミングでの判定に係らず受信を許可させる制御部99(許可部および受信許可基準変更部)を有する受信装置5(情報受信制御装置)とする。
【解決手段】放送局2により放送される放送番組と同一または関連するコンテンツの、放送局2からの放送波以外の通信手段であるIP通信網10を介した受信について、放送波の受信レベルR(放送波の受信状況)が閾値T(所定の受信許可基準)を満たすか否かを所定のタイミングで判定し、この判定によりコンテンツの受信が許可された場合、IP通信網10を介してネットワーク接続部96(受信部)でコンテンツを受信し、このコンテンツの受信終了までの期間、受信可否判定による所定のタイミングでの判定に係らず受信を許可させる制御部99(許可部および受信許可基準変更部)を有する受信装置5(情報受信制御装置)とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報受信制御装置、情報送信制御装置、情報受信制御方法、情報送信制御方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
アナログ放送を受信する装置では、放送局から伝送される搬送波と同調し、電界強度またはS/N比(Signal-Noise Ratio)などの受信感度に関する値が一定以上の基準を満たす場合に、その周波数を自動的に選局してコンテンツを受信する装置が知られている。また、インターネットなどのIP(Internet Protocol)通信網を介して放送局が放送するコンテンツの放送を行う、いわゆるIP放送を受信する装置も知られている。そして、上述した2つの装置の両方の機能を利用して、アナログ放送とIP放送とを双方共に受信可能な受信制御装置が知られている。このような受信制御装置でIP放送によるコンテンツを受信する際には、行政が放送免許で設定した放送対象地域内にある地域に設置されているか否かを考慮する必要がある。
【0003】
そのため、たとえば特許文献1に開示される技術では、視聴者宅に設置されたセットトップボックスに備えられているGPS(Global Positioning System)機能により検知された緯度/経度情報をそのセットトップボックスの地域情報としてサーバ側へ送信し、送信された地域情報に基づいて予め備えられている動作地域テーブルを参照し、放送対象地域であるか否かの判定を実行し、放送局の放送対象範囲内であると判定した場合にはセットトップボックスへコンテンツを提供するようにしている。また、特許文献2に開示される技術では、放送局の放送対象範囲内であるか否かを放送局から受信した放送波(電波)の受信感度によって判定することによって、放送局の放送対象範囲内にあると判定された地域のみコンテンツを提供するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−288814号公報(要約など)
【0005】
【特許文献2】特開2008−182604号公報(図10、段落0079など)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、行政が放送免許で設定した放送対象地域外まで放送局の放送電波が送出されてしまう現象、つまり、放送波のスピルオーバーによってコンテンツを受信できる地域がある。このような地域において、特許文献1に開示される技術を採用すると、緯度/経度情報により判定しているため、アナログ放送により受信できる番組をIP放送で視聴することはできない。また、このような地域において、特許文献2の技術を採用すると、放送波の受信感度によって判定するためIP放送でも視聴することが可能になる。しかしながら、放送波のスピルオーバーによって受信できる地域であっても、特に放送波の受信環境が不安定な地域(いわゆるフリンジエリア)においては、特許文献2の技術を採用した場合でも、IP放送が受信できると判定される場合と、受信できないと判定される場合とがあり、このように異なる判定が頻繁に発生してしまうとIP放送によるコンテンツの受信が安定せず、ユーザがIP放送によるコンテンツの視聴をしようとしても、視聴できない状況が発生する恐れがある。
【0007】
本発明は、このような背景の下に行われたものであって、放送局から受信する放送波の受信状況を考慮すると共に、IP通信網などの他のネットワークを介して提供されるコンテンツを適切に受信することができる情報受信制御装置、情報送信制御装置、情報受信制御方法、情報送信制御方法、およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の1つの観点は、情報受信制御装置としての観点である。すなわち、本発明の情報受信制御装置は、放送局により放送される放送番組と同一または関連するコンテンツの、放送局からの放送波以外の通信手段を介した受信について、放送波の受信状況が所定の受信許可基準を満たすか否かを所定のタイミングで判定する受信可否判定部と、受信可否判定部の判定によりコンテンツの受信が許可された場合、通信手段を介してコンテンツを受信する受信部と、受信部によるコンテンツの受信を、コンテンツの受信終了までの期間、受信可否判定部による所定のタイミングでの判定に係らず許可させる受信許可維持部とを備えるものである。
【0009】
また、本発明の情報受信制御装置は、上述した構成に加え、コンテンツの記録を行うコンテンツ記録制御部を備え、受信許可維持部は、コンテンツ記録制御部によるコンテンツの記録が行われている場合、コンテンツ記録制御部により記録が行われているコンテンツの受信を、コンテンツの受信終了までの期間、受信可否判定部による判定に係らず許可させることが好ましい。
【0010】
また、本発明の情報受信制御装置は、上述した構成に加え、コンテンツの聴取または記録の予約行うコンテンツ予約制御部を備え、受信許可維持部は、コンテンツ予約制御部によるコンテンツの予約が行われている場合、コンテンツ予約制御部により予約されたコンテンツの受信を、コンテンツの受信終了までの期間、受信可否判定部による判定に係らず許可させることが好ましい。
【0011】
また、上述した情報受信制御装置の受信許可維持部は、コンテンツ毎の受信について、コンテンツの受信終了までの期間、許可させることが好ましい。
【0012】
また、上述した情報受信制御装置の受信許可維持部は、コンテンツを構成する放送内容単位毎の受信について、放送内容単位毎の受信終了までの期間、許可させることが好ましい。
【0013】
また、上述した情報受信制御装置の受信可否判定部は、所定の受信許可基準に基づく判定を、コンテンツの受信開始時に計測された放送波の受信状況または受信開始前であって最新の放送波の受信状況に基づき行うことが好ましい。
【0014】
また、上述した情報受信制御装置の受信可否判定部は、所定の受信許可基準に基づく判定を、コンテンツ記録制御部によるコンテンツの記録開始時に計測された放送波の受信状況または記録開始前であって最新の放送波の受信状況に基づき行うことが好ましい。
【0015】
また、上述した情報受信制御装置の受信可否判定部は、所定の受信許可基準に基づく判定を、コンテンツ予約制御部によるコンテンツの予約指示時に計測された放送波の受信状況、予約指示前であって最新の放送波の受信状況、予約に基づくコンテンツの受信開始時に計測された放送波の受信状況、予約に基づくコンテンツの受信開始前であって最新の放送波の受信状況のいずれかの受信状況に基づき行うことが好ましい。
【0016】
また、本発明の他の観点は、情報送信制御装置としての観点である。すなわち、本発明の情報送信制御装置は、放送局により放送される放送番組と同一または関連するコンテンツの、放送局からの放送波以外の通信手段を介した情報受信制御装置への送信について、情報受信制御装置における放送波の受信状況が所定の送信許可基準を満たすか否かを所定のタイミングで判定する送信可否判定部と、送信可否判定部の判定によりコンテンツの送信が許可された場合、通信手段を介して情報受信制御装置にコンテンツを送信するコンテンツ送信部と、コンテンツ送信部によるコンテンツの送信を、コンテンツの送信終了までの期間、送信可否判定部による所定のタイミングでの判定に係らず許可させる送信許可維持部と、を備えるものである。
【0017】
また、上述した情報送信制御装置の送信許可維持部は、コンテンツ毎の送信について、コンテンツの送信終了までの期間、許可させることが好ましい。
【0018】
また、上述した情報送信制御装置の送信許可維持部は、コンテンツを構成する放送内容単位毎の送信について、放送内容単位毎の送信終了までの期間、許可させることが好ましい。
【0019】
また、上述した情報送信制御装置の送信可否判定部は、所定の送信許可基準に基づく判定を、コンテンツの送信開始前に取得した情報受信制御装置における放送波の受信状況に基づき判定することが好ましい。
【0020】
また、本発明の他の観点は、情報受信制御方法としての観点である。すなわち、本発明の情報受信制御方法は、放送局により放送される放送番組と同一または関連するコンテンツの、放送局からの放送波以外の通信手段を介した受信について、放送波の受信状況が所定の受信許可基準を満たすか否かを所定のタイミングで判定する受信可否判定ステップと、受信可否判定ステップによりコンテンツの受信が許可された場合、通信手段を介してコンテンツを受信するコンテンツ受信ステップと、コンテンツ受信ステップによるコンテンツの受信を、コンテンツの受信終了までの期間、受信可否判定ステップによる所定のタイミングでの判定に係らず許可させる受信許可維持ステップと、を有するものである。
【0021】
また、本発明の他の観点は、情報送信制御方法としての観点である。すなわち、本発明の情報送信制御方法は、放送局により放送される放送番組と同一または関連するコンテンツの、放送局からの放送波以外の通信手段を介した情報受信制御装置への送信について、情報受信制御装置における放送波の受信状況が所定の送信許可基準を満たすか否かを所定のタイミングで判定する送信可否判定ステップと、送信可否判定ステップによりコンテンツの送信が許可された場合、通信手段を介して情報受信制御装置にコンテンツを送信するコンテンツ送信ステップと、コンテンツ送信ステップによるコンテンツの送信を、コンテンツの送信終了までの期間、送信可否判定ステップによる所定のタイミングでの判定に係らず許可させる送信許可維持ステップと、を有するものである。
【0022】
また、本発明の他の観点は、情報受信制御を行うためのプログラムとしての観点である。すなわち、本発明のプログラムは、放送局により放送される放送番組と同一または関連するコンテンツの、放送局からの放送波以外の通信手段を介しての受信が可能であるコンピュータに、コンテンツの通信手段を介した受信について、放送波の受信状況が所定の受信許可基準を満たすか否かを所定のタイミングで判定する受信可否判定ステップと、受信可否判定ステップによりコンテンツの受信が許可された場合、通信手段を介してコンテンツを受信するコンテンツ受信ステップと、コンテンツ受信ステップによるコンテンツの受信を、コンテンツの受信終了までの期間、受信可否判定ステップによる所定のタイミングでの判定に係らず許可させる受信許可維持ステップと、を実行させるためのものである。
【0023】
また、本発明の他の観点は、情報送信制御を行うためのプログラムとしての観点である。すなわち、本発明のプログラムは、放送局により放送される放送番組と同一または関連するコンテンツの、放送局からの放送波以外の通信手段を介して情報受信制御装置へ送信が可能であるコンピュータに、コンテンツの通信手段を介した情報受信制御装置への送信について、情報受信制御装置における放送波の受信状況が所定の送信許可基準を満たすか否かを所定のタイミングで判定する送信可否判定ステップと、送信許可ステップによりコンテンツの送信が許可された場合、通信手段を介して情報受信制御装置にコンテンツを送信するコンテンツ送信ステップと、コンテンツ送信ステップによるコンテンツの送信を、コンテンツの送信終了までの期間、送信可否判定ステップによる所定のタイミングでの判定に係らず許可させる送信許可維持ステップと、を実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0024】
各発明によれば、放送局から受信する放送波の受信状況を考慮すると共に、IP通信網などの他のネットワークを介して提供されるコンテンツを適切に受信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施の形態に係る受信制御装置を含む情報配信システムの構成例を示す図である。
【図2】図1に示す放送局の構成例を示すブロック図である。
【図3】図1に示す放送局管理サーバの構成例を示すブロック図である。
【図4】図3に示す全放送局情報DBに格納されているデータの一例を示す図である。
【図5】図3に示すチューナIC情報DBに格納されているデータの一例を示す図である。
【図6】図1に示す放送局ポータルサーバの構成例を示すブロック図である。
【図7】図1に示す受信装置の構成例を示すブロック図である。
【図8】図1に示す受信装置が実行するコンテンツ受信制御処理のフローチャートである。
【図9】図8のフローチャートの処理におけるS3の処理の詳細を示すフローチャートである。
【図10】図7に示す受信状況検出部により検出される受信レベルRと、制御部が設定するIP放送の受信可否を判断するための受信許可基準である閾値Tと、制御部が行う受信許可維持との関係を時間の遷移と共に示した図である。
【図11】図10の変形例であり、受信するコンテンツの種類と受信可否判定方法の関係を説明するための図である。
【図12】本発明の第2の実施例に係る受信許可を維持するための受信制御処理を示すフローチャートである。
【図13】本発明の第2の実施例における、受信状況検出部により検出される受信レベルRと、制御部が設定するIP放送の受信可否を判断するための受信許可基準である閾値Tと、制御部が行う受信許可維持との関係を時間の遷移と共に示した図である。
【図14】本発明の第3の実施例に係る受信装置が実行する受信制御処理を示す図である。
【図15】本発明の第3の実施例に係る受信装置が実行する受信制御処理を示す図である。
【図16】本発明の第3の実施例における、受信状況検出部により検出される受信レベルRと、制御部が設定するIP放送の受信可否を判断するための受信許可基準である閾値Tと、制御部が行う受信許可維持との関係を時間の遷移と共に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明に係る情報受信制御装置、情報送信制御装置、情報受信制御方法、情報送信制御方法、およびプログラムの実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本発明に係る情報受信制御方法、情報送信制御方法およびプログラムについては、情報受信制御装置および情報送信制御装置の構成の説明、情報受信制御装置および情報送信制御装置が実行する処理の説明と共に行うものとする。
【0027】
(情報配信システム1の構成)
図1は、本発明の第1の実施例に係る情報受信制御装置を含む情報配信システム1の構成を示すブロック図である。情報配信システム1は、放送局2、放送局管理サーバ3、放送局ポータルサーバ4、および複数の受信装置5を有している。
【0028】
放送局2は、請求項の放送局の一例であり、放送スケジュールに沿って放送番組用のコンテンツを示すための信号波を放送波に重畳したアナログ放送信号を送出する。放送局管理サーバ3は、IP通信網10を介しての受信装置5からの問い合わせに応じて、放送局2に対応する放送局ポータルサーバ4の接続先情報の提供などを行う。放送局ポータルサーバ4は、IP通信網10を介して受信装置5からのコンテンツ配信要求があると、放送局2からの放送の内容を示すコンテンツデータ、そのコンテンツデータに関連するコンテンツデータ、これら以外のコンテンツデータ、またはコンテンツの種類を示すデータ(以下、これらをまとめて「コンテンツデータ」とする。)をIP通信網10経由で受信装置5へ配信する。受信装置5は、請求項の情報受信制御装置の一例であり、放送局2からの放送の受信状況に応じて、放送局2または放送局ポータルサーバ4のいずれかをコンテンツデータの取得先として決定して、コンテンツデータを受信する。また、放送局ポータルサーバ4は、請求項の情報送信制御装置の一例であり、受信装置5における放送局2からの放送の受信状況に応じて、受信装置5に対してコンテンツデータを送信する。
【0029】
IP通信網10は、放送局2の放送波以外の通信手段の一例であり、放送局管理サーバ3、放送局ポータルサーバ4、ならびに受信装置5間で通信を行うための通信網である。このIP通信網10は、たとえば、TCP/IPなどの通信プロトコルを利用したインターネット、CATV、専用線、VPN(仮想LAN)、WANなどのいずれか、もしくはそれらを組み合わせたネットワークで構成されていてもよい。なお、IP通信網10には、IP通信以外の他の通信プロトコルを利用したネットワークが含まれていてもよい。
【0030】
(放送局2の構成)
図2は、図1に示す放送局2の構成例を示すブロック図である。放送局2は、アナログ放送送信部21、放送用コンテンツDB22、および放送用スケジュールDB23を主要な構成要素としている。なお、放送用コンテンツDB22、放送用スケジュールDB23は記憶部24に記憶されており、記憶部24は、たとえば不図示のHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置から構成される。
【0031】
アナログ放送送信部21は、放送用コンテンツDB22に格納されているコンテンツデータである放送用コンテンツを、放送用スケジュールDB23に格納されているスケジュールにしたがってアナログ放送として送信する。ここで、放送用コンテンツとは、放送がラジオ放送である場合はアナログ放送用の音声データであり、放送がテレビ放送である場合は、アナログまたはデジタル放送用の音声データおよび画像データである。
【0032】
(放送局管理サーバ3の構成)
図3は、図1に示す放送局管理サーバ3の構成例を示すブロック図である。放送局管理サーバ3は、制御部31、記憶部32、および通信制御部33を備えている。制御部31は、不図示のCPU(Central Processing Unit)、不図示のROM(Read Only Memory)、不図示のRAM(Random Access Memory)、不図示のハードディスクまたはフラッシュメモリなどの記憶部位などを備えており、CPUがROM、ハードディスク、および/またはフラッシュメモリなどの記憶部位に格納されている各種プログラムを不図示のバスを介してRAMに読み出して協働して実行する。それにより、制御部31には、機器認証部41、地域特定処理部42、周波数情報提供部43、ポータルサーバ特定部44の各構成が機能的に実現されている。また、記憶部32は、位置情報変換DB51、全放送局情報DB52、およびチューナIC情報DB53を有している。また、記憶部32は、たとえば不図示のHDDやフラッシュメモリなどの記憶装置から構成される。通信制御部33は、受信装置5、放送局ポータルサーバ4などの外部機器とIP通信網10を介して通信を行うための通信インターフェースである。
【0033】
制御部31を構成する各部について説明する。機器認証部41は、受信装置5が情報配信システム1において正当な機器であるか否かを認証する。情報配信システム1では、予め発行可能な認証用データを受信装置5および機器認証部41の所定の記憶領域に記憶させ、「機器ID」の照合をこれらの間で実行することで、受信装置5の機器認証を行うことが可能である。
【0034】
地域特定処理部42は、位置情報変換DB51の情報を参照して受信装置5が設置されている地域を特定する。周波数情報提供部43は、受信装置5が設置されている地域で受信可能な放送局2の周波数情報について全放送局情報DB52を参照して特定し、周波数リストを生成する処理を実行する。この周波数リストは受信装置5に送信され、受信装置5は、この周波数リストに基づいて放送局2の選局を行う。
【0035】
ポータルサーバ特定部44は、受信装置5から受信した周波数情報に含まれる周波数の放送局2に対応する放送局ポータルサーバ4を特定し、放送局ポータルサーバ4の接続情報を送信する処理を実行する。通信制御部32は、受信装置5、放送局ポータルサーバ4などの外部機器とIP通信網10を介して通信を行うための通信インターフェースである。位置情報変換DB51は、IPアドレス、郵便番号、住所などの位置情報から受信装置5の設置位置を特定できる情報が少なくとも格納されているデータベースである。
【0036】
全放送局情報DB52は、情報配信システム1に含まれる各放送局2に関するデータが格納されているデータベースである。図4は、図3に示す全放送局情報DB52に格納されているデータの一例を示す図である。図4の上方には、放送局2の情報を管理するためのテーブルが示されている。このテーブル(上方のテーブル)には、「放送局ID」、「放送局名」、「コールサイン」、「放送局ポータルサーバURL」などの情報が少なくとも格納されている。「放送局ID」には、情報配信システム1内において、放送局2の周波数と放送局ポータルサーバ4との対応付けが一意に識別される識別情報が含まれている。「放送局名」には、放送局ポータルサーバ4に対応する放送局2の名称が含まれている。「コールサイン」には、放送局ポータルサーバ4に対応する放送局2の国際電気通信条約に基づいて発行されている識別番号が含まれている。「放送局ポータルサーバURL」には、放送局ポータルサーバ4のホームページなどのURLが含まれている。したがって、放送局情報DB44の「放送局ID」を参照することにより、放送局IDに関連付けられている「放送局名」、「コールサイン」、「放送局ポータルサーバURL」などを一意に決定することができる。
【0037】
図4の下方には、放送局2の視聴エリア情報を管理するテーブルが示されている。このテーブル(下方のテーブル)には、「都道府県コード」、「市区町村コード」、「郵便番号」、「周波数」、「放送局ID」などの情報が格納されている。「都道府県コード」には、情報配信システム1内において、日本の都道府県を一意に識別できる番号情報が含まれている。「市区町村コード」には、情報配信システム1内の「都道府県コード」との組み合わせにより日本の市区町村を一意に識別できる番号情報が含まれている。「郵便番号」には、「都道府県コード」および「市区町村コード」により一意に特定される地域の郵便番号情報が含まれている。「周波数」には、「都道府県コード」および「市区町村コード」により特定される地域において受信できる放送局2からの放送波の周波数情報が含まれている。「放送局ID」には、情報配信システム1内において、放送局2の周波数から放送局ポータルサーバ4を一意に識別できる識別情報が含まれている。なお、図4中の上方に示したテーブルと下方に示したテーブルとはこの「放送局ID」により関連付けがなされている。前述した周波数リストは、周波数と放送局IDとが対応付けられた情報であり、図4に示す全放送局情報DB52にも周波数リストの情報が反映されている。
【0038】
チューナIC情報DB53は、情報配信システム1において使用される受信装置5の機器情報が少なくとも格納されているデータベースである。図5は、図3に示すチューナIC情報DB53に格納されているデータの一例を示す図である。チューナIC情報DB53には、「チューナ情報識別」、「受信制御装置メーカコード」、「受信制御装置型番」、「チューナ製造メーカ名」、「チューナ型番」、「チューナファームバージョン」、「受信レベル算出用計数」などの情報が少なくとも格納されている。「チューナ情報識別」には、情報配信システム1において、受信装置5のチューナ92を一意に識別できる識別情報が含まれている。「受信制御装置メーカコード」には、受信装置5の製造メーカを一意に識別できる識別情報が含まれている。「受信制御装置型番」には、受信装置5の型番を一意に識別できる識別情報が含まれている。「チューナファームバーション」には、受信装置5のチューナ92についてのファームウェアのバージョン情報が含まれている。「受信レベル算出用計数」には、チューナ92に関する各種パラメータの特性に応じて算出される変換計数が含まれている。したがって、「チューナ情報識別」が後述するように特定されれば、チューナIC情報DB53を参照することにより、「チューナ情報識別」に関連付けられた「受信制御装置メーカコード」、「受信制御装置型番」、「チューナ製造メーカ名」、「チューナ型番」、「チューナファームバージョン」、「受信レベル算出用計数」が一意に特定できる。
【0039】
(放送局ポータルサーバ4の構成)
図6は、図1に示す放送局ポータルサーバ4の構成例を示すブロック図である。放送局ポータルサーバ4は、制御部61と、記憶部62と、通信制御部63とを備えている。制御部61は、不図示のCPU、不図示のROM、不図示のRAM、不図示のハードディスクまたはフラッシュメモリなどの記憶部位などを備えており、CPUがROM、ハードディスク、および/またはフラッシュメモリなどの記憶部位に格納されている各種プログラムを不図示のバスを介してRAMに読出して協働して実行する。それにより、制御部61には送信制御部71、コンテンツ生成部72の各構成が機能的に実現される。記憶部62は、コンテンツDB81を有している。記憶部62は、たとえば不図示のHDDやフラッシュメモリなどの記憶装置から構成される。通信制御部63は、IP通信網10を介して、受信装置5からのコンテンツ配信要求を受信し、受信装置5へコンテンツデータを送信する通信インターフェースで構成される。
【0040】
送信制御部71は、コンテンツDB81などを参照し、コンテンツ配信要求をしてきた受信装置5へIP通信網10を介して所望のコンテンツデータの送信を行う。送信制御部71は、受信装置5からコンテンツ配信要求があると、コンテンツ配信指示を示す信号をコンテンツ生成部72に対して送る。
【0041】
コンテンツ生成部72は、送信制御部71からコンテンツ配信指示を示す信号を受け取ると、コンテンツDB81を参照して、受信装置5に対して送信すべきコンテンツデータを生成する。ここで、受信装置5に対して送信されるコンテンツデータとしては、受信装置5が要求するコンテンツデータの他に、そのコンテンツデータの種類を示す情報、具体的には放送番組のカテゴリ情報、放送番組を構成する放送内容単位のカテゴリ情報を生成する。
【0042】
コンテンツDB81は、種々のコンテンツデータが格納されているデータベースである。コンテンツDB81に記憶されているコンテンツデータには、放送局2が放送するコンテンツデータと同一内容のコンテンツデータの他に、放送局2が放送する番組に連動しているコンテンツデータ、放送終了後にも接続可能なコンテンツデータ、受信するエリアが限定されないコンテンツデータ、および上述したコンテンツデータの種類を示す情報などが記憶されている。具体的なコンテンツデータの種類としては、静止画像データ、動画像データ、音声データなどがある。なお、放送局2からコンテンツストリーム形式のデータをそのままコンテンツDB81に格納して、受信装置5へ提供するようにしてもよい。さらに、コンテンツDB81に、コンテンツの受信可否を判定するための放送局2からの放送波の受信レベルを示す閾値情報が格納されていてもよい。
【0043】
(受信装置5の構成)
図7は、図1に示す受信装置5の構成を示すブロック図である。受信装置5は、放送局2、放送局管理サーバ3、放送局ポータルサーバ4からの受信情報を表示装置6、音声再生装置7へ出力する。なお、受信装置5は、表示装置6、音声再生装置7とは別個の装置としているが、表示装置6と音声再生装置7のうち少なくとも一方が受信装置5と同じ筐体内に具備されるようにしてもよい。また、受信装置5は、録画機能、録音機能を有していてもよい。
【0044】
受信装置5は、操作入力部91、チューナ92、DEMUX(DEMUltipleXer)部93、デコード部94、映像/音声出力部95、ネットワーク接続部96、受信状況検出部97、情報記憶部98、および制御部99を主要な構成要素としている。ここで、制御部99は、不図示のCPUなどから構成される受信装置5全体を制御する中央演算処理装置である。また、上述のCPUが不図示のROM、ハードディスク、フラッシュメモリなどの記憶部位に格納されている各種プログラムを不図示のバスを介してRAMに読み出し、これらのプログラムを実行することにより、操作入力部91、チューナ92、DEMUX部93、デコード部94、映像/音声出力部95、ネットワーク接続部96、受信状況検出部97、情報記憶部98の各部と協働して受信装置5の各機能を実現している。
【0045】
また、制御部99は、受信可否判定部、受信許可維持部として機能するものであり、後述する受信状況検出部97によって検出されたアナログ放送波の受信状況に基づいて放送局ポータルサーバ4からコンテンツを受信するか否かを所定の受信許可基準に基づいて判定すると共に、この判定結果に応じてコンテンツの受信を制御することができる。なお、コンテンツ受信可否判定、およびコンテンツ受信制御の詳細については後述する受信装置5の動作と共に説明する。
【0046】
操作入力部91は、ユーザからの操作入力(チャンネルの選局実行指示、自動選局実行指示、または受信状況検出指示など)を受け付けて、制御部99へ出力する。操作入力部91は、たとえばリモコン、タッチパネルおよび/または操作ボタンなどで構成されるが、音声入力などが行えるものとしてもよい。また、操作入力部91は、赤外線などの無線信号(操作信号)を入力するものとしてもよい。ユーザが操作入力部91を用いてチャンネルの選局実行指示、自動選局実行指示、または受信状況検出指示を入力すると、その指示に対応する信号が制御部99に入力される。そして、制御部99は、チャンネルの選局実行指示に対応する信号が入力されると、チューナ92に対し、ユーザが選局したチャンネルとなるようにチューニング指示を送信する。また、制御部99は、自動選局実行指示に対応する信号が入力されると、チューナ92に対し、自動選局実行指示を送信する。また、制御部99は、受信状況検出指示に対応する信号が入力されると、後述する受信状況検出部97に対し、受信状況検出指示を送信する。
【0047】
チューナ92は、制御部99からの上述のチューニング指示、自動選局実行指示により、放送局2のアナログ放送波をアンテナで受信し、受信したRF(Radio Frequency)信号を復調し、映像/音声出力部95へ出力する。なお、図7では、チューナ92は、地上アナログラジオ放送および/または地上アナログテレビ放送を受信するために1つのみ図示したが、地上デジタルラジオ放送および/または地上デジタルテレビ放送、あるいはBS放送(アナログ、デジタル)も受信する場合にはそれらのチューナ92を備え、2つ以上のチューナ92を備えるようにしてもよい。
【0048】
DEMUX部93は、TS(Transport Stream)パケット形式でコンテンツが放送局ポータルサーバ4から送信されてきた場合、映像や音声などのストリームデータと、SI/PSI(Service Information/Program Specific Information)などのセクション形式のデータとに分離する。また、デジタル放送に対応したチューナ92を別途有する場合には、DEMUX部93は、デジタル放送波からデータを分離するためにも使用される。
【0049】
デコード部94は、ネットワーク接続部96から受信したデータをデコードし、映像/音声出力部95に供給する。デコード部94は、デコードしたこれらのデータを不図示の記憶部に供給して記憶させる。デコード部94が記憶部に供給するデータは、映像信号、音声信号としてデコードせずに、データ信号としてそのまま供給するようにしてもよい。
【0050】
映像/音声出力部95は、チューナ92から出力されたアナログデータとしての音声データおよび画像データを表示装置6および音声再生装置7に出力する。また、映像/音声出力部95は、ネットワーク接続部96から供給された番組データを不図示のRAMに格納する。また、映像/音声出力部95は、番組データを描画することでEPG情報を生成する。そして、映像/音声出力部95は、デコード部94からのビデオデータに基づいた画面および音声データを表示装置6および音声再生装置7に送出し、またはEPG情報に基づいた画面を生成し、表示装置6に送出する。
【0051】
表示装置6は、映像/音声出力部95から送出された画面を表示する。制御部99からの記憶指示によりデコード部94でデコードしたデータが不図示の記憶部に記憶される。なお、映像/音声出力部95への出力方法は上記に限らず、番組データをRAMに格納しないで表示装置6に直接出力させるようにしてもよい。また、映像/音声出力部95は、ビデオデータに基づいた画面上に、EPG情報に基づいた画面を合成した合成画面や、ビデオデータのみの画面、またはEPG情報のみの画面を表示装置6にそれぞれ出力するようにしてもよい。
【0052】
ネットワーク接続部96は、制御部99との協働によりコンテンツ受信部として機能するものであり、IP通信網10を介して放送局管理サーバ3または放送局ポータルサーバ4と通信を行う通信インターフェースである。ネットワーク接続部96は、放送局ポータルサーバ4、または放送局管理サーバ3からのデータを受信し、デコード部94にデータを送る。なお、ネットワーク接続部96は、請求項のコンテンツ受信部の一例である。
【0053】
受信状況検出部97は、制御部99から所定のタイミングに発生する受信状況検出指示、またはユーザが操作入力部91を操作することで発生する受信状況検出指示により、受信装置5で受信するアナログ放送波の受信状況を検出する機能を有する。たとえば、受信状況検出部97は、電界受信強度信号を生成できる電界受信強度信号生成回路(不図示)などから構成され、生成回路から得られる値が制御部99に出力されるようにする。生成回路としては、たとえば上述したRSSIを検出するRSSI回路を備える構成とし、RSSI回路から電界受信強度信号を得られるようにすることができる。なお、電界受信強度が検出できればどのような回路であってもよい。上述した電界受信強度信号生成回路から得られる電界受信強度信号を用いることで放送波の受信状況を検出することができる。その他にも受信状況検出部97は、RSSI回路以外にも、Sメータ(Signal Meter)などで電波強度を取得できるようにしてもよい。また、受信状況検出部97は、S/N比(SNR:Signal to Noise ratio)、マルチパス情報(Multipath Information)などを検出できるものでもよい。
【0054】
情報記憶部98は、ユーザについての登録情報や受信装置5についての機器情報、受信装置5の位置情報、放送局情報、および記録指示のあったコンテンツデータを格納している。ここでいうユーザについての登録情報とは、情報配信システム1を利用可能なユーザと関連付けられ、受信装置5に割り振られているIPアドレス、ユーザのユーザID、ユーザIDに関連付けられたパスワード、ユーザの住所、郵便番号、電話番号などの一部または全部である。また、受信装置5についての機器情報とは、受信装置5の機器ID情報(たとえば、受信装置5の製造メーカを識別するためのメーカコード、シリアル番号など)、機器種別情報(たとえば、受信装置5の型番情報など)、チューナ92に関する情報(チューナIC情報DB37に格納されている「チューナ情報識別」、「チューナ型番」、「チューナファームバージョン」に対応)などである。また、受信装置5の位置情報とは、自装置が設置されている場所の郵便番号、電話番号、住所、自装置に割り振られているIPアドレスなどの一部または全部である。また、受信装置5の放送局情報とは、受信状況検出部97で検出された値、検出日時を示す情報、検出された値に対応する放送局2の名称情報、放送局2の周波数情報、放送局2の放送エリア情報(たとえば、放送エリアを示す情報、フリンジエリアを示す情報など)および放送局2に対応する放送局ポータルサーバ4からコンテンツの受信可否を判定するための放送局2からの放送波の受信レベルを示す閾値情報などの一部または全部である。なお、閾値情報は、受信装置5に予め記憶されていてもよいし、放送局管理サーバ3、放送局ポータルサーバ4がこの閾値情報を有している場合には、これらのサーバから取得するようにしてもどちらでもよい。また、記録指示のあったコンテンツデータとは、ユーザが操作入力部91を操作することにより、記録が指示されたコンテンツデータ、もしくは記録予約がなされ、記録されたコンテンツデータのことである。
【0055】
また、受信装置5は、放送局ポータルサーバ4からTSパケット形式でデータが送信されてきた場合には、以下の処理をするようにしてもよい。すなわち、制御部99は、TSパケット形式のコンテンツデータが放送局ポータルサーバ4から送信されてきた場合、制御部99は、ネットワーク接続部96で受信したTSパケットデータをDEMUX部93に供給し、映像や音声などのストリームデータと、SI/PSIなどのセクション形式のデータとに分離し、分離したそれぞれのデータをデコード部94によりデコードし、映像/音声出力部95により表示装置6または音声再生装置7へ出力させるようにしてもよい。
【0056】
(第1の実施例に係る配信許可を維持するための受信制御処理)
図8は、図1に示す受信装置5が実行するコンテンツ受信制御処理のフローチャートである。この図8に示す処理は、情報受信装置5の電源がONになることにより開始される(START)。
【0057】
受信装置5の制御部99は、受信する放送局2の選局指示があるか否かを判定する(S1)。放送局2の選局指示は、たとえばユーザが操作入力部91を用いて特定の放送番組の受信操作、または選局操作などを行った場合に発効される。
【0058】
放送局2の選局指示を受けた受信装置5の制御部99は、その選局された放送局2が放送するアナログ放送を、チューナ92によって受信する(S2)。そして、制御部99は、S2において選局された放送局2が、IP放送で配信されているか否かの判定を行う(S3)。なお、このS3の判定処理の詳細については後述する。制御部99は、S3の判定において、IP放送が配信されていないと判定した場合(S3でNO)には、アナログ放送で受信したコンテンツを受信して出力し(S4)、選局切替があるか否かの選局切替判定(S5)をし、選局切替があると判定した場合(S5でYES)にはS2の処理へ戻る。一方、制御部99は、選局切替がないと判定した場合(S5でNO)には、視聴を終了するか否かの視聴終了判定(S6)をさらに行う。そして、制御部99は、視聴を終了しないと判定した場合(S6でNO)には、S5の選局切替判定を繰り返し、視聴を終了すると判定した場合(S6でYES)には、受信制御処理を終了する(END)。
【0059】
一方、制御部99は、S3の判定において、IP放送が配信されていると判定した場合(S3でYES)には、放送波の受信レベルが閾値以上であるか否かを所定のタイミングで判定する(S7)。具体的には、制御部99は、受信状況検出部97により放送局2の放送波の受信レベルを検出すると共に、その放送波の受信レベルを示す閾値情報について、情報記憶部98を参照して取得し、これらを比較することにより判定を行う。制御部99は、放送波の受信状況を示す値が閾値以上であると判定した場合には、放送局ポータルサーバ4に接続し、IP放送によるコンテンツを受信し出力する(S9)。具体的には、制御部99は、IP放送受信部15を用いてIP放送を受信して、表示部18及び音声出力部19を用いて音声又は映像の出力を行う。一方、制御部99は、放送波の受信状況を示す値が閾値以上ではない、すなわち閾値未満であると判定した場合には、アナログ放送波によってコンテンツを受信し、出力する(S8)。そして、制御部99は、S8の処理後は、S7の処理へ戻ることにより、受信中のコンテンツに対して所定の間隔(例えば3分間隔)で、放送局2の放送波の受信レベルを検出し、その放送波の受信レベルと閾値の比較をする。
【0060】
S9においてIP放送によるコンテンツの受信を開始した後、または受信したときに制御部99は、S9で受信しているIP放送によるコンテンツが、所定のコンテンツであるのか否かの判定を行う(S10)。ここで、所定のコンテンツとは、たとえば、番組単位や番組内における所定の内容単位など、時間で区切ることのできるコンテンツである。
【0061】
制御部99は、S9で受信しているコンテンツが所定のコンテンツではないと判定した場合(S10でNO)には、S7の処理に戻る。このため所定のコンテンツではないコンテンツは、閾値に対する放送の受信レベルに応じて逐次放送波による受信とIP放送による受信とが切り替わることとなる。一方、制御部99は、S9で受信しているコンテンツが所定のコンテンツであると判定した場合(S10でYES)には、その所定のコンテンツの受信が終了するまで、IP放送によるそのコンテンツの配信許可を維持する(S11)。そして、制御部99は、S10で配信許可が維持されている所定のコンテンツの受信が終了したか否かを判定する(S12)。そして、制御部99は、S12の所定のコンテンツの受信が終了したと判定した場合にはS7の処理に戻り、終了していないと判定した場合には、さらに選局切替の有無を判定する(S13)。制御部99は、選局切替があると判定した場合にはS2の処理へ戻り、選局切替がないと判定した場合には視聴を終了するか否かの視聴終了判定(S14)をさらに行う。制御部99は、視聴を終了しないと判定した場合(S14でNO)には、S12の判定へ戻り、視聴を終了すると判定した場合(S14でYES)には、受信制御処理を終了する(END)。
【0062】
(S3のIP放送配信有無判定処理の詳細について)
図9は、図8のフローチャートの処理におけるS3の処理の詳細を示すフローチャートである。図9のフローチャートの処理において、図8のS3の処理に移行されると、受信装置5は以下の処理を開始する(START)。
【0063】
受信装置5の制御部99は、放送局2の周波数および放送局IDに対応する放送局ポータルサーバ4の有無を確認するために、放送局2に対応する周波数および放送局IDを放送局管理サーバ3へ送信する(S21)。なお、このS21において送信する情報は、たとえばラジオ放送の場合であれば、AMやFMといったバンド種別を同時に送信するようにしてもよい。放送局管理サーバ3の制御部31は、受信装置5から周波数および放送局IDの情報を取得する(S22)。そして、制御部31は、全放送局情報DB52を参照してS22で取得した周波数および放送局IDに関連付けられている放送局ポータルサーバ4のURL情報を検索し、その検索結果を受信装置5への送信情報として設定し(S23)、その検索結果を受信装置5へ送信する(S24)。すると、受信装置5の制御部99は、取得した検索結果に基づいて放送局2に対応する放送局ポータルサーバ4の有無を確認して(S25)、処理を終了する(RETURN)。なお、放送局管理サーバ3が問い合わせを行った放送局2の放送波の受信可否判定に用いる閾値情報を有する場合、受信装置5の制御部99は、図9に示したIP放送配信有無判定処理と共に、その閾値情報を取得するようにしてもよい。
【0064】
(S7の受信可否判定とS11の受信許可の維持の関係について)
図10は、図7に示す受信状況検出部97により検出される受信レベルRと、制御部99が設定するIP放送の受信可否を判断するための受信許可基準である閾値Tと、制御部99が行う受信許可維持との関係を時間の遷移と共に示した図である。なお、図10の(a)および(b)に示す例では、番組BBが所定のコンテンツであることを前提として説明する。
【0065】
図10の(a)に示す例では、制御部99が、IP放送によって受信するコンテンツのうち、番組BBが所定のコンテンツであるため、放送局2の放送波の受信レベルRが閾値T以上である期間(t1〜t3の期間)が番組BBの受信中に含まれており、t3〜t4の期間で受信不可となる受信レベルRになっても受信可能の判定を維持し続けている。また、図10の(b)に示す例では、番組BBの冒頭部分(t11〜t12の期間)は、受信レベルRが閾値T未満なので、受信不可の判定であるが、その後の期間(t12〜t13)において、受信レベルRが閾値T以上であるため、さらにその後の期間(t13〜t14)において受信レベルRが閾値T未満であっても、番組BBの受信が完了するまでは受信可能の判定結果が維持される。
【0066】
(図10の変形例)
図11は、図10の変形例であり、受信するコンテンツの種類と受信可否判定方法の関係を説明するための図である。図11に示す例では、IP放送による受信の許可が維持されるコンテンツの単位が図10のような放送番組AA、BB、CC、DDといった1つの放送番組に対応する単位ではなく、その放送番組を構成する内容(図11におけるトーク1、楽曲1、CM1、楽曲2、トーク3)により細かく区分された単位での受信制御を行っている。なお、図11に示す例では、所定のコンテンツが楽曲であるか否かを前提として判定を行っていることを前提として説明する。なお、所定のコンテンツは楽曲以外のトーク、ニュースなどであってもよい。
【0067】
図11に示す例では、制御部99が、楽曲1の受信期間t22〜t23の期間において、放送局2の放送波の受信レベルRが閾値T以上であるため、t23〜24の期間で受信レベルRが閾値T未満となっていても、受信可能の判定を維持し続けている。また、楽曲2の受信期間t25〜t28の期間において、t26〜t27の期間において、放送局2の放送波の受信レベルRが閾値T以上であるため、その後のt27〜28の期間で受信レベルRが閾値T未満となっていても、受信可能の判定を維持し続けている。
【0068】
(第2の実施例に係る受信許可を維持するための受信制御処理について)
図12は、本発明の第2の実施例に係る受信許可を維持するための受信制御処理を示すフローチャートである。図12の処理において、図8に示すフローチャートと同一の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を簡略化または省略する。なお、本発明の第2の実施例では、操作入力部91をユーザが操作することによって、制御部99へコンテンツの受信記録指示を行い、この受信記録指示を受けた制御部99は、コンテンツ記録制御部として機能することができる。
【0069】
図12に示す処理では、図8に示す処理と同様にS1〜S8までの各処理が行われる。そして、S9の処理(IP放送の受信及び出力)が行われた場合、制御部99は、S9で受信しているコンテンツの記録処理が開始されたか否かを判定する(S31)。具体的には、操作入力部91をユーザが操作することによって、制御部99へコンテンツの受信記録指示が送信され、その指示を受けた制御部99が、情報記憶部95に受信している所定のコンテンツの記録処理を開始する。そして、制御部99は、S31の判定で記録されているコンテンツの単位で記録処理が終了するまで、受信可否判定結果を維持する(S32)。そして、制御部99は、コンテンツの単位で受信処理が終了したか否かを判定する(S33)。ここで、S33のコンテンツの単位で受信処理が終了したか否か判定方法とは、受信しているパケットデータ内にコンテンツの終了を示すフラグを設けて、そのフラグの有無を受信するパケットデータ毎に判定する方法、放送局ポータルサーバ4からコンテンツのデータとは別にそのコンテンツの種類を示す情報を送信させて、現在受信しているコンテンツの種類を示す情報との異同により受信処理が終了したか否かを判定する方法などがある。なお、S33は、受信処理の終了判定ではなく、記録処理の終了判定としてもよく、その場合、たとえば、ユーザが操作入力部91を操作して記録処理の終了が指示された場合に、記録処理が終了したと判定するようにしてもよい。そして、制御部99は、S33の処理で受信処理が終了したと判定した場合(S33でYES)には、S7の処理に戻り、受信処理が終了していないと判定した場合(S33でNO)には、選局切替判定処理(S13)、視聴終了処理(S14)を行って、処理を終了する(END)。
【0070】
(S7の受信可否判定とS32の受信許可維持処理について)
図13は、本発明の第2の実施例に係る受信状況検出部97により検出される受信レベルRと、制御部99が設定するIP放送の受信可否を判断するための受信許可基準である閾値Tと、制御部99が行う受信許可維持との関係を時間の遷移と共に示した図である。なお、この図13の例では番組BBが所定のコンテンツに該当するものとして説明する。
【0071】
図13に示すように、記録開始の処理がt32の時点でなされており、t32〜t33の期間において、番組BBは閾値T以上の受信レベルRがあり、その後のt33の時点から閾値T未満の受信レベルRとなっているが、番組BBの受信が終了するt34の時点まで受信許可が維持されている。
【0072】
(第3の実施例に係る配信許可を維持するための受信制御処理)
図14および図15は、本発明の第3の実施例に係る受信装置5が実行する受信制御処理を示す図である。図14の処理において、図8に示すフローチャートと同一の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を簡略化または省略する。図14は放送の予約を行うときの処理であり、受信装置5の制御部99は、予約を行うための放送局2の選局指示があるか否かを判定する(S41)。
【0073】
予約のための選局指示を受けた受信装置5の制御部99は、その選局された放送局2が放送するアナログ放送を、チューナ92によって受信する(S2)とともに、予約の設定がされる(S42)。S42における予約の設定とは、ユーザが操作入力部91を用いて特定の放送番組に対する記録予約または聴取予約を行うことである。S42において予約設定がされた後、S3においてIP放送が配信されていると判定した場合(S3でYES)には、制御部99は受信状況検出部97により予約設定時の受信レベルを取得し(S43)、予約処理を終了する(END)。
【0074】
図15は、図14に示すS43の処理によって設定された予約を実行するときの処理である。受信装置5の制御部99は図示しない計時部等を参照し現在時刻が予約設定された開始時刻であるか否かを判定する(S45)。S45における判定は開始時刻ちょうどではなく開始時刻にコンテンツの出力やコンテンツの記録を行うことができるように、開始時刻より所定時間前であってもよい。S45において開始時刻である場合(S45でYES)には、制御部99はS43で取得した予約時の放送受信レベルが所定の閾値以上であるか否かを判定する(S46)。
【0075】
S46において、予約時の放送受信レベルが閾値未満であると判定された場合(S46でNO)は、予約されたコンテンツをチューナ92により受信したアナログ放送として受信し、映像/音声出力部95より出力する(S47)。また、設定された予約が記録予約であった場合は、受信したアナログ放送によるコンテンツを情報記憶部98に記録開始する。S46において、予約時の放送受信レベルが閾値以上であると判定された場合(S46でYES)は、予約されたコンテンツは、IP放送による配信が許可され、ネットワーク接続部96を用いて取得したIP放送として受信し、映像/音声出力部95より出力する。また、設定された予約が記録予約であった場合は、受信したIP配信によるコンテンツを情報記憶部98に記録開始する。さらに予約されたコンテンツがIP放送による配信が許可されている場合は、予約されたコンテンツの受信が終了するまでIP配信許可が維持される(S49)。S47またはS49の処理に基づくS48の処理中において、制御部99は予約されたコンテンツが終了したか否かを判定し(S50、S51)、終了したと判定された場合は本処理を終了する(END)。
【0076】
図16は、本発明の第3の実施例における受信状況検出部97により検出される受信レベルRと、制御部99が設定するIP放送の受信可否を判断するための受信許可基準である閾値Tと、制御部99が行う受信許可維持との関係を時間の遷移と共に示した図である。なお、この図16の例では番組BBが所定のコンテンツに該当するものとして説明する。
【0077】
図16の(a)に示すように、番組BBの予約設定処理がt42の時点でなされており、この時点において、閾値T以上の受信レベルRがあることから受信可能と判定し、その後のt44の時点から番組BBが終了するt45の時点までは閾値T未満の受信レベルRとなっているが、番組BBの受信が終了するt45の時点まで受信許可が維持されている。
【0078】
また、図16の(b)に示すように、番組BBの予約設定処理がt52の時点でなされており、この時点において、閾値T以上の受信レベルRがあることから受信可能と判定し、t53〜t54の期間において、番組BBは閾値T未満の受信レベルであるが、番組BBが終了するt56の時点までは受信許可が維持されている。
【0079】
以上、受信装置5および受信装置5が実行する情報受信制御方法によれば、制御部99(受信可否判定部および受信許可維持部)が、放送局2により放送される放送番組と同一または関連するコンテンツの、放送局2からの放送波以外の通信手段であるIP通信網10を介した受信について、放送波の受信レベルR(放送波の受信状況)が閾値T(所定の受信許可基準)を満たすか否かを所定のタイミングで判定し、この判定によりコンテンツの受信が許可された場合、IP通信網10を介してネットワーク接続部96(受信部)でコンテンツを受信し、このコンテンツの受信終了までの期間、受信可否判定による所定のタイミングでの判定に係らず受信を許可させるため、受信レベルRが変化してもコンテンツの受信終了までは判定が変更されることが無く、視聴途中に頻繁に受信可否判定が異なるような不都合が発生しない。すなわち、この受信装置5および受信装置5が実行する情報受信制御方法によれば、放送局2から受信する放送波の受信状況を考慮すると共に、IP通信網10などの他のネットワークを介して提供されるコンテンツを適切に受信することができる。
【0080】
また、制御部99は、コンテンツ記録制御部として、情報記憶部95にコンテンツの記録の制御を行うようにしてもよい。その場合、制御部99は更に受信許可維持部としても機能し、情報記憶部95にコンテンツの記録が行われている場合、その記録が行われているコンテンツの受信が終了するまでの期間、放送局2の放送波の受信レベルRに基づく受信可否判定の判定結果に係らず許可させるため、記録途中に頻繁に受信可否判定が異なるような不都合が発生しない。
【0081】
また、制御部99は、コンテンツ予約制御部として、コンテンツの聴取または記録の予約の制御を行うようにしてもよい。その場合、制御部99は更に受信許可維持部としても機能し、コンテンツの予約が行われている場合、予約されたコンテンツの受信が終了するまでの期間、受信可否判定の判定結果に係らず許可させることができるため、予約したコンテンツの記録中に頻繁に受信可否判定が異なるような不都合が発生しない。
【0082】
また、制御部99は、受信許可維持部として、コンテンツ毎の受信について、コンテンツの受信終了までの期間許可させるようにしてもよい。これにより、コンテンツの受信が許可されたコンテンツ単位毎に、その後の放送波の受信状況の変化に係らず、安定して受信することが可能となる。
【0083】
あるいは、制御部99は、受信許可維持部として、コンテンツを構成する放送内容単位毎の受信について、放送内容単位毎の受信終了までの期間許可させるようにしてもよい。これにより、受信が許可された放送内容単位毎に、その後の放送波の受信状況の変化に係らず、安定して受信することが可能となる。
【0084】
また、受信可否判定部としての制御部99は、閾値T(所定の受信許可基準)に基づく判定を、コンテンツの受信開始時に計測された放送波の受信状況または受信開始前であって最新の放送波の受信状況に基づき行うようにしてもよい。これにより、コンテンツの受信時における受信可否判定がコンテンツ毎に判断されることになるため、より好ましいものとなる。
【0085】
また、受信可否判定部としての制御部99は、閾値T(所定の受信許可基準)に基づく判定を、コンテンツの記録開始時に計測された放送波の受信状況または記録開始前であって最新の放送波の受信状況に基づき行うようにしてもよい。これにより、コンテンツの記録を行う際に、受信可否判定がコンテンツ毎に判断されることになるため、より好ましいものとなる。
【0086】
また、受信可否判定部としての制御部99は、閾値T(所定の受信許可基準)に基づく判定を、コンテンツの予約指示時に計測された放送波の受信状況、予約指示前であって最新の放送波の受信状況、予約に基づくコンテンツの受信開始時に計測された放送波の受信状況、予約に基づくコンテンツの受信開始前であって最新の放送波の受信状況のいずれかの受信状況に基づき行うようにしてもよい。これにより、コンテンツの予約記録を行う際に、受信可否判定がコンテンツ毎に判断されることになるため、より好ましいものとなる。
【0087】
なお、上述した受信装置5の機能を放送局ポータルサーバ4側が有するようにしてもよい。すなわち、情報送信制御装置としての放送局ポータルサーバ4の制御部61を、放送局2により放送される放送番組と同一または関連するコンテンツの、放送局からの放送波以外の通信手段であるIP通信網10を介した受信装置5への送信について、受信装置5における放送波の受信状況が閾値T(所定の送信許可基準)を満たすか否かを所定のタイミングで判定する送信可否判定部として機能させる。そして、送信制御部71を、その送信可否判定部の判定によりコンテンツの送信が許可された場合、IP通信網10を介して受信装置5にコンテンツを送信するコンテンツ送信部として機能させる。さらに、制御部61を、その送信制御部71によるコンテンツの送信を、コンテンツの送信終了までの期間、送信可否判定部による所定のタイミングでの判定に係らず許可させる送信許可維持部として機能させるものとしてもよい。これにより、上述した受信装置5の制御部99と同様の効果を奏することができるため、この放送局ポータルサーバ4および放送局ポータルサーバ4が実行する情報送信制御方法によれば、受信装置5における放送局2から受信する放送波の受信状況を考慮し、IP通信網10などの他のネットワークを介して提供されるコンテンツを適切に受信装置5へ受信させる(送信する)ことが可能となる。
【0088】
また、上述した制御部61は、送信許可維持部として、コンテンツ毎の送信について、コンテンツの送信終了までの期間、許可させるようにしてもよい。これにより、コンテンツの送信が許可されたコンテンツ単位毎に、その後の受信装置5における放送波の受信状況の変化に係らず、安定して送信することが可能となる。
【0089】
あるいは、上述した送信許可維持部としての制御部61は、コンテンツを構成する放送内容単位毎の送信について、放送内容単位毎の送信終了までの期間、許可させるようにしてもよい。これにより、送信が許可された放送内容単位毎に、その後の受信装置5における放送波の受信状況の変化に係らず、安定して送信することが可能となる。
【0090】
また、上述した送信可否判定部としての制御部61は、閾値T(所定の送信許可基準)に基づく判定を、コンテンツの送信開始前に取得した情報受信制御装置における放送波の受信状況に基づき判定することとしてもよい。これにより、コンテンツの送信時に近い時点における受信装置の受信レベルRに基づく送信可否判定がコンテンツ毎に判断されることになるため、より好ましいものとなる。
【0091】
(その他の実施の形態について)
本発明の実施の形態は、その要旨を逸脱しない限り、上述した態様以外にも様々に変更が可能である。たとえば、受信装置5の制御部99は、放送局ポータルサーバ4から送信されるコンテンツの種類、またはコンテンツの内容単位の種類に応じて閾値を上下させるようにしたが、その他にも、特定の放送番組のみ閾値を変更するように制御してもよい。
【0092】
また、放送局ポータルサーバ4から送信されるコンテンツの種類を示す情報、コンテンツを構成する内容単位の種類を示す情報を受信するタイミングについては、そのコンテンツを構成する単位毎(放送番組毎、または放送番組を構成する内容単位毎)の最初のパケット受信時が好ましいが、放送局ポータルサーバ4から送信されるコンテンツを視聴する際に、必ずしもそのコンテンツの冒頭から視聴するとは限らないため、受信装置5がコンテンツデータを放送局ポータルサーバ4より受信するタイミングで提供されるようにしてもよい。すなわち、コンテンツが途中のものであっても、そのコンテンツの種類を示す情報、コンテンツを構成する内容単位の種類を示す情報が提供されるようにしてもよい。
【0093】
また、受信制御装置5側での受信可否判定の一部または全部を放送局ポータルサーバ4側で実行するようにしてもよい。また、放送局管理サーバ3に、放送局ポータルサーバ4の機能を有するように構成してもよいし、逆に放送局ポータルサーバ4に放送局管理サーバ3の機能を有するように構成してもよい。
【0094】
また、上述の実施の形態は、放送の対象を、ラジオまたはテレビのアナログ放送として説明したが、放送の対象が、ラジオまたはテレビのデジタル放送であってもよい。また、電波を介しての放送とIP放送との両方が存在するものであれば、上述の実施の形態を適用することは可能である。そのようなものとしては、たとえばBS放送などの他の放送が挙げられる。
【0095】
また、本発明における処理を、受信装置5の受信位置や受信状態によって実施することとしてもよい。例えば受信装置5が弱電界地域やフリンジエリアにある場合のみに、本発明の処理を適用させてもよい。
【0096】
また、上述の実施の形態は、処理を適用するコンテンツを所定のコンテンツとして、予め特定されたコンテンツに対して適用することとしたが、全てのコンテンツに適用させてもよい。
【0097】
また、図1に示す情報配信システム1の例では、1つの放送局2、1つの放送局管理サーバ3、1つの放送局2に対応する1つの放送局ポータルサーバ4、および2つの受信装置5を示したが、複数の放送局2、複数の放送局管理サーバ3、複数の放送局ポータルサーバ4を有するものであってもよい。また、放送局2が想定している受信エリアは、県域放送の場合には、都道府県単位別が基本であり、広域放送の場合には複数の都道府県にまたがっている。しかしながら、想定している受信エリアは、これらに限られず、たとえば1つまたは複数の市区町村別を受信エリアとしてもよく、複数の国を受信エリアとしてもよい。また、放送局管理サーバ3および/または放送局ポータルサーバ4は、放送局2が想定している受信エリア内に存在せずに、別のエリアに存在する構成としてもよい。また、1つの放送局2に対して1つの放送局ポータルサーバ4が存在するが、1つの放送局2に対して複数の放送局ポータルサーバ4が存在してもよいし、複数の放送局2に対応する1つの放送局ポータルサーバ4が存在してもよい。また、放送局ポータルサーバ4をもたない放送局2が含まれてもよい。
【0098】
また、図1に示す放送局管理サーバ3は、受信装置5を認証する機能、受信装置5の設置されている地域を特定する機能、放送局2に対応する放送局ポータルサーバ4の有無を判定する機能など少なくとも有するものとしたが、受信装置5を認証する機能、受信装置5の設置されている地域を特定する機能を有さないものとしてもよい。また、放送局管理サーバ3は、情報配信システム1における放送局ポータルサーバ4について統括的な管理を行うサーバであるが、情報配信システム1に含まれない放送局2(たとえば、放送局2に対応する放送局ポータルサーバ4が存在する場合であっても、情報配信システム1にその放送局ポータルサーバ4が放送局2に対応する放送局ポータルサーバ4として登録されていない場合、またはそもそも放送局ポータルサーバ4が存在しない場合など)についての情報を有するものとしてもよい。
【0099】
また、放送局管理サーバ3、放送局ポータルサーバ4および受信装置5の各装置は、所定のプログラムにより動作する汎用の情報処理装置によってそれぞれ構成されてもよい。例えば、汎用の情報処理装置は、メモリ、CPU、入出力ポートなどを有する。汎用の情報処理装置のCPUは、メモリなどから所定のプログラムとして制御プログラムを読み込んで実行する。これにより、汎用の情報処理装置(コンピュータ)には、放送局管理サーバ3、放送局ポータルサーバ4および受信装置5の各部の機能が実現される。このようなプログラムは、上述した放送局管理サーバ3、放送局ポータルサーバ4および受信装置5の各装置が奏する効果と同様の効果を奏することができる。なお、上述したCPUの代わりにASIC(Application Specific Integrated Circuit)、マイクロプロセッサ(マイクロコンピュータ)、DSP(Digital Signal Processor)などを用いてもよい。なお、コンピュータが実行する制御プログラムは、放送局管理サーバ3、放送局ポータルサーバ4および受信装置5の出荷前に、汎用の情報処理装置のメモリなどに記憶されたものであっても、放送局管理サーバ3、放送局ポータルサーバ4および受信装置5の出荷後に、汎用の情報処理装置のメモリなどに記憶されたものであってもよい。また、制御プログラムの一部が、放送局管理サーバ3、放送局ポータルサーバ4および受信装置5の出荷後に、コンピュータのメモリなどに記憶されたものであってもよい。放送局管理サーバ3、放送局ポータルサーバ4および受信装置5の出荷後に、コンピュータのメモリなどに記憶される制御プログラムは、例えば、CD、DVD、Blu−ray(登録商標)などのコンピュータ読取可能な記録媒体に記憶されているものをインストールしたものであっても、インターネットなどの伝送媒体を介してダウンロードしたものをインストールしたものであってもよい。また、制御プログラムは、コンピュータによって直接実行可能なものだけでなく、ハードディスクなどにインストールすることによって実行可能となるものも含む。また、圧縮されたり、暗号化されたりしたものも含む。このように、コンピュータとプログラムによって放送局管理サーバ3、放送局ポータルサーバ4および受信装置5の機能を実現することにより、大量生産や仕様変更(または設計変更)に対して柔軟に対応可能となる。
【符号の説明】
【0100】
1・・・情報配信システム、2・・・放送局、3・・・放送局管理サーバ、4・・・放送局ポータルサーバ、5・・・受信装置(情報受信制御装置の一例)、10・・・IP通信網(通信手段の一例)、91・・・操作入力部、96・・・ネットワーク接続部(コンテンツ受信部の一例)、98・・・情報記憶部、99・・・制御部(受信許可部、受信許可維持部、コンテンツ記録制御部、コンテンツ予約制御部の一例)
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報受信制御装置、情報送信制御装置、情報受信制御方法、情報送信制御方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
アナログ放送を受信する装置では、放送局から伝送される搬送波と同調し、電界強度またはS/N比(Signal-Noise Ratio)などの受信感度に関する値が一定以上の基準を満たす場合に、その周波数を自動的に選局してコンテンツを受信する装置が知られている。また、インターネットなどのIP(Internet Protocol)通信網を介して放送局が放送するコンテンツの放送を行う、いわゆるIP放送を受信する装置も知られている。そして、上述した2つの装置の両方の機能を利用して、アナログ放送とIP放送とを双方共に受信可能な受信制御装置が知られている。このような受信制御装置でIP放送によるコンテンツを受信する際には、行政が放送免許で設定した放送対象地域内にある地域に設置されているか否かを考慮する必要がある。
【0003】
そのため、たとえば特許文献1に開示される技術では、視聴者宅に設置されたセットトップボックスに備えられているGPS(Global Positioning System)機能により検知された緯度/経度情報をそのセットトップボックスの地域情報としてサーバ側へ送信し、送信された地域情報に基づいて予め備えられている動作地域テーブルを参照し、放送対象地域であるか否かの判定を実行し、放送局の放送対象範囲内であると判定した場合にはセットトップボックスへコンテンツを提供するようにしている。また、特許文献2に開示される技術では、放送局の放送対象範囲内であるか否かを放送局から受信した放送波(電波)の受信感度によって判定することによって、放送局の放送対象範囲内にあると判定された地域のみコンテンツを提供するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−288814号公報(要約など)
【0005】
【特許文献2】特開2008−182604号公報(図10、段落0079など)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、行政が放送免許で設定した放送対象地域外まで放送局の放送電波が送出されてしまう現象、つまり、放送波のスピルオーバーによってコンテンツを受信できる地域がある。このような地域において、特許文献1に開示される技術を採用すると、緯度/経度情報により判定しているため、アナログ放送により受信できる番組をIP放送で視聴することはできない。また、このような地域において、特許文献2の技術を採用すると、放送波の受信感度によって判定するためIP放送でも視聴することが可能になる。しかしながら、放送波のスピルオーバーによって受信できる地域であっても、特に放送波の受信環境が不安定な地域(いわゆるフリンジエリア)においては、特許文献2の技術を採用した場合でも、IP放送が受信できると判定される場合と、受信できないと判定される場合とがあり、このように異なる判定が頻繁に発生してしまうとIP放送によるコンテンツの受信が安定せず、ユーザがIP放送によるコンテンツの視聴をしようとしても、視聴できない状況が発生する恐れがある。
【0007】
本発明は、このような背景の下に行われたものであって、放送局から受信する放送波の受信状況を考慮すると共に、IP通信網などの他のネットワークを介して提供されるコンテンツを適切に受信することができる情報受信制御装置、情報送信制御装置、情報受信制御方法、情報送信制御方法、およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の1つの観点は、情報受信制御装置としての観点である。すなわち、本発明の情報受信制御装置は、放送局により放送される放送番組と同一または関連するコンテンツの、放送局からの放送波以外の通信手段を介した受信について、放送波の受信状況が所定の受信許可基準を満たすか否かを所定のタイミングで判定する受信可否判定部と、受信可否判定部の判定によりコンテンツの受信が許可された場合、通信手段を介してコンテンツを受信する受信部と、受信部によるコンテンツの受信を、コンテンツの受信終了までの期間、受信可否判定部による所定のタイミングでの判定に係らず許可させる受信許可維持部とを備えるものである。
【0009】
また、本発明の情報受信制御装置は、上述した構成に加え、コンテンツの記録を行うコンテンツ記録制御部を備え、受信許可維持部は、コンテンツ記録制御部によるコンテンツの記録が行われている場合、コンテンツ記録制御部により記録が行われているコンテンツの受信を、コンテンツの受信終了までの期間、受信可否判定部による判定に係らず許可させることが好ましい。
【0010】
また、本発明の情報受信制御装置は、上述した構成に加え、コンテンツの聴取または記録の予約行うコンテンツ予約制御部を備え、受信許可維持部は、コンテンツ予約制御部によるコンテンツの予約が行われている場合、コンテンツ予約制御部により予約されたコンテンツの受信を、コンテンツの受信終了までの期間、受信可否判定部による判定に係らず許可させることが好ましい。
【0011】
また、上述した情報受信制御装置の受信許可維持部は、コンテンツ毎の受信について、コンテンツの受信終了までの期間、許可させることが好ましい。
【0012】
また、上述した情報受信制御装置の受信許可維持部は、コンテンツを構成する放送内容単位毎の受信について、放送内容単位毎の受信終了までの期間、許可させることが好ましい。
【0013】
また、上述した情報受信制御装置の受信可否判定部は、所定の受信許可基準に基づく判定を、コンテンツの受信開始時に計測された放送波の受信状況または受信開始前であって最新の放送波の受信状況に基づき行うことが好ましい。
【0014】
また、上述した情報受信制御装置の受信可否判定部は、所定の受信許可基準に基づく判定を、コンテンツ記録制御部によるコンテンツの記録開始時に計測された放送波の受信状況または記録開始前であって最新の放送波の受信状況に基づき行うことが好ましい。
【0015】
また、上述した情報受信制御装置の受信可否判定部は、所定の受信許可基準に基づく判定を、コンテンツ予約制御部によるコンテンツの予約指示時に計測された放送波の受信状況、予約指示前であって最新の放送波の受信状況、予約に基づくコンテンツの受信開始時に計測された放送波の受信状況、予約に基づくコンテンツの受信開始前であって最新の放送波の受信状況のいずれかの受信状況に基づき行うことが好ましい。
【0016】
また、本発明の他の観点は、情報送信制御装置としての観点である。すなわち、本発明の情報送信制御装置は、放送局により放送される放送番組と同一または関連するコンテンツの、放送局からの放送波以外の通信手段を介した情報受信制御装置への送信について、情報受信制御装置における放送波の受信状況が所定の送信許可基準を満たすか否かを所定のタイミングで判定する送信可否判定部と、送信可否判定部の判定によりコンテンツの送信が許可された場合、通信手段を介して情報受信制御装置にコンテンツを送信するコンテンツ送信部と、コンテンツ送信部によるコンテンツの送信を、コンテンツの送信終了までの期間、送信可否判定部による所定のタイミングでの判定に係らず許可させる送信許可維持部と、を備えるものである。
【0017】
また、上述した情報送信制御装置の送信許可維持部は、コンテンツ毎の送信について、コンテンツの送信終了までの期間、許可させることが好ましい。
【0018】
また、上述した情報送信制御装置の送信許可維持部は、コンテンツを構成する放送内容単位毎の送信について、放送内容単位毎の送信終了までの期間、許可させることが好ましい。
【0019】
また、上述した情報送信制御装置の送信可否判定部は、所定の送信許可基準に基づく判定を、コンテンツの送信開始前に取得した情報受信制御装置における放送波の受信状況に基づき判定することが好ましい。
【0020】
また、本発明の他の観点は、情報受信制御方法としての観点である。すなわち、本発明の情報受信制御方法は、放送局により放送される放送番組と同一または関連するコンテンツの、放送局からの放送波以外の通信手段を介した受信について、放送波の受信状況が所定の受信許可基準を満たすか否かを所定のタイミングで判定する受信可否判定ステップと、受信可否判定ステップによりコンテンツの受信が許可された場合、通信手段を介してコンテンツを受信するコンテンツ受信ステップと、コンテンツ受信ステップによるコンテンツの受信を、コンテンツの受信終了までの期間、受信可否判定ステップによる所定のタイミングでの判定に係らず許可させる受信許可維持ステップと、を有するものである。
【0021】
また、本発明の他の観点は、情報送信制御方法としての観点である。すなわち、本発明の情報送信制御方法は、放送局により放送される放送番組と同一または関連するコンテンツの、放送局からの放送波以外の通信手段を介した情報受信制御装置への送信について、情報受信制御装置における放送波の受信状況が所定の送信許可基準を満たすか否かを所定のタイミングで判定する送信可否判定ステップと、送信可否判定ステップによりコンテンツの送信が許可された場合、通信手段を介して情報受信制御装置にコンテンツを送信するコンテンツ送信ステップと、コンテンツ送信ステップによるコンテンツの送信を、コンテンツの送信終了までの期間、送信可否判定ステップによる所定のタイミングでの判定に係らず許可させる送信許可維持ステップと、を有するものである。
【0022】
また、本発明の他の観点は、情報受信制御を行うためのプログラムとしての観点である。すなわち、本発明のプログラムは、放送局により放送される放送番組と同一または関連するコンテンツの、放送局からの放送波以外の通信手段を介しての受信が可能であるコンピュータに、コンテンツの通信手段を介した受信について、放送波の受信状況が所定の受信許可基準を満たすか否かを所定のタイミングで判定する受信可否判定ステップと、受信可否判定ステップによりコンテンツの受信が許可された場合、通信手段を介してコンテンツを受信するコンテンツ受信ステップと、コンテンツ受信ステップによるコンテンツの受信を、コンテンツの受信終了までの期間、受信可否判定ステップによる所定のタイミングでの判定に係らず許可させる受信許可維持ステップと、を実行させるためのものである。
【0023】
また、本発明の他の観点は、情報送信制御を行うためのプログラムとしての観点である。すなわち、本発明のプログラムは、放送局により放送される放送番組と同一または関連するコンテンツの、放送局からの放送波以外の通信手段を介して情報受信制御装置へ送信が可能であるコンピュータに、コンテンツの通信手段を介した情報受信制御装置への送信について、情報受信制御装置における放送波の受信状況が所定の送信許可基準を満たすか否かを所定のタイミングで判定する送信可否判定ステップと、送信許可ステップによりコンテンツの送信が許可された場合、通信手段を介して情報受信制御装置にコンテンツを送信するコンテンツ送信ステップと、コンテンツ送信ステップによるコンテンツの送信を、コンテンツの送信終了までの期間、送信可否判定ステップによる所定のタイミングでの判定に係らず許可させる送信許可維持ステップと、を実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0024】
各発明によれば、放送局から受信する放送波の受信状況を考慮すると共に、IP通信網などの他のネットワークを介して提供されるコンテンツを適切に受信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施の形態に係る受信制御装置を含む情報配信システムの構成例を示す図である。
【図2】図1に示す放送局の構成例を示すブロック図である。
【図3】図1に示す放送局管理サーバの構成例を示すブロック図である。
【図4】図3に示す全放送局情報DBに格納されているデータの一例を示す図である。
【図5】図3に示すチューナIC情報DBに格納されているデータの一例を示す図である。
【図6】図1に示す放送局ポータルサーバの構成例を示すブロック図である。
【図7】図1に示す受信装置の構成例を示すブロック図である。
【図8】図1に示す受信装置が実行するコンテンツ受信制御処理のフローチャートである。
【図9】図8のフローチャートの処理におけるS3の処理の詳細を示すフローチャートである。
【図10】図7に示す受信状況検出部により検出される受信レベルRと、制御部が設定するIP放送の受信可否を判断するための受信許可基準である閾値Tと、制御部が行う受信許可維持との関係を時間の遷移と共に示した図である。
【図11】図10の変形例であり、受信するコンテンツの種類と受信可否判定方法の関係を説明するための図である。
【図12】本発明の第2の実施例に係る受信許可を維持するための受信制御処理を示すフローチャートである。
【図13】本発明の第2の実施例における、受信状況検出部により検出される受信レベルRと、制御部が設定するIP放送の受信可否を判断するための受信許可基準である閾値Tと、制御部が行う受信許可維持との関係を時間の遷移と共に示した図である。
【図14】本発明の第3の実施例に係る受信装置が実行する受信制御処理を示す図である。
【図15】本発明の第3の実施例に係る受信装置が実行する受信制御処理を示す図である。
【図16】本発明の第3の実施例における、受信状況検出部により検出される受信レベルRと、制御部が設定するIP放送の受信可否を判断するための受信許可基準である閾値Tと、制御部が行う受信許可維持との関係を時間の遷移と共に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明に係る情報受信制御装置、情報送信制御装置、情報受信制御方法、情報送信制御方法、およびプログラムの実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本発明に係る情報受信制御方法、情報送信制御方法およびプログラムについては、情報受信制御装置および情報送信制御装置の構成の説明、情報受信制御装置および情報送信制御装置が実行する処理の説明と共に行うものとする。
【0027】
(情報配信システム1の構成)
図1は、本発明の第1の実施例に係る情報受信制御装置を含む情報配信システム1の構成を示すブロック図である。情報配信システム1は、放送局2、放送局管理サーバ3、放送局ポータルサーバ4、および複数の受信装置5を有している。
【0028】
放送局2は、請求項の放送局の一例であり、放送スケジュールに沿って放送番組用のコンテンツを示すための信号波を放送波に重畳したアナログ放送信号を送出する。放送局管理サーバ3は、IP通信網10を介しての受信装置5からの問い合わせに応じて、放送局2に対応する放送局ポータルサーバ4の接続先情報の提供などを行う。放送局ポータルサーバ4は、IP通信網10を介して受信装置5からのコンテンツ配信要求があると、放送局2からの放送の内容を示すコンテンツデータ、そのコンテンツデータに関連するコンテンツデータ、これら以外のコンテンツデータ、またはコンテンツの種類を示すデータ(以下、これらをまとめて「コンテンツデータ」とする。)をIP通信網10経由で受信装置5へ配信する。受信装置5は、請求項の情報受信制御装置の一例であり、放送局2からの放送の受信状況に応じて、放送局2または放送局ポータルサーバ4のいずれかをコンテンツデータの取得先として決定して、コンテンツデータを受信する。また、放送局ポータルサーバ4は、請求項の情報送信制御装置の一例であり、受信装置5における放送局2からの放送の受信状況に応じて、受信装置5に対してコンテンツデータを送信する。
【0029】
IP通信網10は、放送局2の放送波以外の通信手段の一例であり、放送局管理サーバ3、放送局ポータルサーバ4、ならびに受信装置5間で通信を行うための通信網である。このIP通信網10は、たとえば、TCP/IPなどの通信プロトコルを利用したインターネット、CATV、専用線、VPN(仮想LAN)、WANなどのいずれか、もしくはそれらを組み合わせたネットワークで構成されていてもよい。なお、IP通信網10には、IP通信以外の他の通信プロトコルを利用したネットワークが含まれていてもよい。
【0030】
(放送局2の構成)
図2は、図1に示す放送局2の構成例を示すブロック図である。放送局2は、アナログ放送送信部21、放送用コンテンツDB22、および放送用スケジュールDB23を主要な構成要素としている。なお、放送用コンテンツDB22、放送用スケジュールDB23は記憶部24に記憶されており、記憶部24は、たとえば不図示のHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置から構成される。
【0031】
アナログ放送送信部21は、放送用コンテンツDB22に格納されているコンテンツデータである放送用コンテンツを、放送用スケジュールDB23に格納されているスケジュールにしたがってアナログ放送として送信する。ここで、放送用コンテンツとは、放送がラジオ放送である場合はアナログ放送用の音声データであり、放送がテレビ放送である場合は、アナログまたはデジタル放送用の音声データおよび画像データである。
【0032】
(放送局管理サーバ3の構成)
図3は、図1に示す放送局管理サーバ3の構成例を示すブロック図である。放送局管理サーバ3は、制御部31、記憶部32、および通信制御部33を備えている。制御部31は、不図示のCPU(Central Processing Unit)、不図示のROM(Read Only Memory)、不図示のRAM(Random Access Memory)、不図示のハードディスクまたはフラッシュメモリなどの記憶部位などを備えており、CPUがROM、ハードディスク、および/またはフラッシュメモリなどの記憶部位に格納されている各種プログラムを不図示のバスを介してRAMに読み出して協働して実行する。それにより、制御部31には、機器認証部41、地域特定処理部42、周波数情報提供部43、ポータルサーバ特定部44の各構成が機能的に実現されている。また、記憶部32は、位置情報変換DB51、全放送局情報DB52、およびチューナIC情報DB53を有している。また、記憶部32は、たとえば不図示のHDDやフラッシュメモリなどの記憶装置から構成される。通信制御部33は、受信装置5、放送局ポータルサーバ4などの外部機器とIP通信網10を介して通信を行うための通信インターフェースである。
【0033】
制御部31を構成する各部について説明する。機器認証部41は、受信装置5が情報配信システム1において正当な機器であるか否かを認証する。情報配信システム1では、予め発行可能な認証用データを受信装置5および機器認証部41の所定の記憶領域に記憶させ、「機器ID」の照合をこれらの間で実行することで、受信装置5の機器認証を行うことが可能である。
【0034】
地域特定処理部42は、位置情報変換DB51の情報を参照して受信装置5が設置されている地域を特定する。周波数情報提供部43は、受信装置5が設置されている地域で受信可能な放送局2の周波数情報について全放送局情報DB52を参照して特定し、周波数リストを生成する処理を実行する。この周波数リストは受信装置5に送信され、受信装置5は、この周波数リストに基づいて放送局2の選局を行う。
【0035】
ポータルサーバ特定部44は、受信装置5から受信した周波数情報に含まれる周波数の放送局2に対応する放送局ポータルサーバ4を特定し、放送局ポータルサーバ4の接続情報を送信する処理を実行する。通信制御部32は、受信装置5、放送局ポータルサーバ4などの外部機器とIP通信網10を介して通信を行うための通信インターフェースである。位置情報変換DB51は、IPアドレス、郵便番号、住所などの位置情報から受信装置5の設置位置を特定できる情報が少なくとも格納されているデータベースである。
【0036】
全放送局情報DB52は、情報配信システム1に含まれる各放送局2に関するデータが格納されているデータベースである。図4は、図3に示す全放送局情報DB52に格納されているデータの一例を示す図である。図4の上方には、放送局2の情報を管理するためのテーブルが示されている。このテーブル(上方のテーブル)には、「放送局ID」、「放送局名」、「コールサイン」、「放送局ポータルサーバURL」などの情報が少なくとも格納されている。「放送局ID」には、情報配信システム1内において、放送局2の周波数と放送局ポータルサーバ4との対応付けが一意に識別される識別情報が含まれている。「放送局名」には、放送局ポータルサーバ4に対応する放送局2の名称が含まれている。「コールサイン」には、放送局ポータルサーバ4に対応する放送局2の国際電気通信条約に基づいて発行されている識別番号が含まれている。「放送局ポータルサーバURL」には、放送局ポータルサーバ4のホームページなどのURLが含まれている。したがって、放送局情報DB44の「放送局ID」を参照することにより、放送局IDに関連付けられている「放送局名」、「コールサイン」、「放送局ポータルサーバURL」などを一意に決定することができる。
【0037】
図4の下方には、放送局2の視聴エリア情報を管理するテーブルが示されている。このテーブル(下方のテーブル)には、「都道府県コード」、「市区町村コード」、「郵便番号」、「周波数」、「放送局ID」などの情報が格納されている。「都道府県コード」には、情報配信システム1内において、日本の都道府県を一意に識別できる番号情報が含まれている。「市区町村コード」には、情報配信システム1内の「都道府県コード」との組み合わせにより日本の市区町村を一意に識別できる番号情報が含まれている。「郵便番号」には、「都道府県コード」および「市区町村コード」により一意に特定される地域の郵便番号情報が含まれている。「周波数」には、「都道府県コード」および「市区町村コード」により特定される地域において受信できる放送局2からの放送波の周波数情報が含まれている。「放送局ID」には、情報配信システム1内において、放送局2の周波数から放送局ポータルサーバ4を一意に識別できる識別情報が含まれている。なお、図4中の上方に示したテーブルと下方に示したテーブルとはこの「放送局ID」により関連付けがなされている。前述した周波数リストは、周波数と放送局IDとが対応付けられた情報であり、図4に示す全放送局情報DB52にも周波数リストの情報が反映されている。
【0038】
チューナIC情報DB53は、情報配信システム1において使用される受信装置5の機器情報が少なくとも格納されているデータベースである。図5は、図3に示すチューナIC情報DB53に格納されているデータの一例を示す図である。チューナIC情報DB53には、「チューナ情報識別」、「受信制御装置メーカコード」、「受信制御装置型番」、「チューナ製造メーカ名」、「チューナ型番」、「チューナファームバージョン」、「受信レベル算出用計数」などの情報が少なくとも格納されている。「チューナ情報識別」には、情報配信システム1において、受信装置5のチューナ92を一意に識別できる識別情報が含まれている。「受信制御装置メーカコード」には、受信装置5の製造メーカを一意に識別できる識別情報が含まれている。「受信制御装置型番」には、受信装置5の型番を一意に識別できる識別情報が含まれている。「チューナファームバーション」には、受信装置5のチューナ92についてのファームウェアのバージョン情報が含まれている。「受信レベル算出用計数」には、チューナ92に関する各種パラメータの特性に応じて算出される変換計数が含まれている。したがって、「チューナ情報識別」が後述するように特定されれば、チューナIC情報DB53を参照することにより、「チューナ情報識別」に関連付けられた「受信制御装置メーカコード」、「受信制御装置型番」、「チューナ製造メーカ名」、「チューナ型番」、「チューナファームバージョン」、「受信レベル算出用計数」が一意に特定できる。
【0039】
(放送局ポータルサーバ4の構成)
図6は、図1に示す放送局ポータルサーバ4の構成例を示すブロック図である。放送局ポータルサーバ4は、制御部61と、記憶部62と、通信制御部63とを備えている。制御部61は、不図示のCPU、不図示のROM、不図示のRAM、不図示のハードディスクまたはフラッシュメモリなどの記憶部位などを備えており、CPUがROM、ハードディスク、および/またはフラッシュメモリなどの記憶部位に格納されている各種プログラムを不図示のバスを介してRAMに読出して協働して実行する。それにより、制御部61には送信制御部71、コンテンツ生成部72の各構成が機能的に実現される。記憶部62は、コンテンツDB81を有している。記憶部62は、たとえば不図示のHDDやフラッシュメモリなどの記憶装置から構成される。通信制御部63は、IP通信網10を介して、受信装置5からのコンテンツ配信要求を受信し、受信装置5へコンテンツデータを送信する通信インターフェースで構成される。
【0040】
送信制御部71は、コンテンツDB81などを参照し、コンテンツ配信要求をしてきた受信装置5へIP通信網10を介して所望のコンテンツデータの送信を行う。送信制御部71は、受信装置5からコンテンツ配信要求があると、コンテンツ配信指示を示す信号をコンテンツ生成部72に対して送る。
【0041】
コンテンツ生成部72は、送信制御部71からコンテンツ配信指示を示す信号を受け取ると、コンテンツDB81を参照して、受信装置5に対して送信すべきコンテンツデータを生成する。ここで、受信装置5に対して送信されるコンテンツデータとしては、受信装置5が要求するコンテンツデータの他に、そのコンテンツデータの種類を示す情報、具体的には放送番組のカテゴリ情報、放送番組を構成する放送内容単位のカテゴリ情報を生成する。
【0042】
コンテンツDB81は、種々のコンテンツデータが格納されているデータベースである。コンテンツDB81に記憶されているコンテンツデータには、放送局2が放送するコンテンツデータと同一内容のコンテンツデータの他に、放送局2が放送する番組に連動しているコンテンツデータ、放送終了後にも接続可能なコンテンツデータ、受信するエリアが限定されないコンテンツデータ、および上述したコンテンツデータの種類を示す情報などが記憶されている。具体的なコンテンツデータの種類としては、静止画像データ、動画像データ、音声データなどがある。なお、放送局2からコンテンツストリーム形式のデータをそのままコンテンツDB81に格納して、受信装置5へ提供するようにしてもよい。さらに、コンテンツDB81に、コンテンツの受信可否を判定するための放送局2からの放送波の受信レベルを示す閾値情報が格納されていてもよい。
【0043】
(受信装置5の構成)
図7は、図1に示す受信装置5の構成を示すブロック図である。受信装置5は、放送局2、放送局管理サーバ3、放送局ポータルサーバ4からの受信情報を表示装置6、音声再生装置7へ出力する。なお、受信装置5は、表示装置6、音声再生装置7とは別個の装置としているが、表示装置6と音声再生装置7のうち少なくとも一方が受信装置5と同じ筐体内に具備されるようにしてもよい。また、受信装置5は、録画機能、録音機能を有していてもよい。
【0044】
受信装置5は、操作入力部91、チューナ92、DEMUX(DEMUltipleXer)部93、デコード部94、映像/音声出力部95、ネットワーク接続部96、受信状況検出部97、情報記憶部98、および制御部99を主要な構成要素としている。ここで、制御部99は、不図示のCPUなどから構成される受信装置5全体を制御する中央演算処理装置である。また、上述のCPUが不図示のROM、ハードディスク、フラッシュメモリなどの記憶部位に格納されている各種プログラムを不図示のバスを介してRAMに読み出し、これらのプログラムを実行することにより、操作入力部91、チューナ92、DEMUX部93、デコード部94、映像/音声出力部95、ネットワーク接続部96、受信状況検出部97、情報記憶部98の各部と協働して受信装置5の各機能を実現している。
【0045】
また、制御部99は、受信可否判定部、受信許可維持部として機能するものであり、後述する受信状況検出部97によって検出されたアナログ放送波の受信状況に基づいて放送局ポータルサーバ4からコンテンツを受信するか否かを所定の受信許可基準に基づいて判定すると共に、この判定結果に応じてコンテンツの受信を制御することができる。なお、コンテンツ受信可否判定、およびコンテンツ受信制御の詳細については後述する受信装置5の動作と共に説明する。
【0046】
操作入力部91は、ユーザからの操作入力(チャンネルの選局実行指示、自動選局実行指示、または受信状況検出指示など)を受け付けて、制御部99へ出力する。操作入力部91は、たとえばリモコン、タッチパネルおよび/または操作ボタンなどで構成されるが、音声入力などが行えるものとしてもよい。また、操作入力部91は、赤外線などの無線信号(操作信号)を入力するものとしてもよい。ユーザが操作入力部91を用いてチャンネルの選局実行指示、自動選局実行指示、または受信状況検出指示を入力すると、その指示に対応する信号が制御部99に入力される。そして、制御部99は、チャンネルの選局実行指示に対応する信号が入力されると、チューナ92に対し、ユーザが選局したチャンネルとなるようにチューニング指示を送信する。また、制御部99は、自動選局実行指示に対応する信号が入力されると、チューナ92に対し、自動選局実行指示を送信する。また、制御部99は、受信状況検出指示に対応する信号が入力されると、後述する受信状況検出部97に対し、受信状況検出指示を送信する。
【0047】
チューナ92は、制御部99からの上述のチューニング指示、自動選局実行指示により、放送局2のアナログ放送波をアンテナで受信し、受信したRF(Radio Frequency)信号を復調し、映像/音声出力部95へ出力する。なお、図7では、チューナ92は、地上アナログラジオ放送および/または地上アナログテレビ放送を受信するために1つのみ図示したが、地上デジタルラジオ放送および/または地上デジタルテレビ放送、あるいはBS放送(アナログ、デジタル)も受信する場合にはそれらのチューナ92を備え、2つ以上のチューナ92を備えるようにしてもよい。
【0048】
DEMUX部93は、TS(Transport Stream)パケット形式でコンテンツが放送局ポータルサーバ4から送信されてきた場合、映像や音声などのストリームデータと、SI/PSI(Service Information/Program Specific Information)などのセクション形式のデータとに分離する。また、デジタル放送に対応したチューナ92を別途有する場合には、DEMUX部93は、デジタル放送波からデータを分離するためにも使用される。
【0049】
デコード部94は、ネットワーク接続部96から受信したデータをデコードし、映像/音声出力部95に供給する。デコード部94は、デコードしたこれらのデータを不図示の記憶部に供給して記憶させる。デコード部94が記憶部に供給するデータは、映像信号、音声信号としてデコードせずに、データ信号としてそのまま供給するようにしてもよい。
【0050】
映像/音声出力部95は、チューナ92から出力されたアナログデータとしての音声データおよび画像データを表示装置6および音声再生装置7に出力する。また、映像/音声出力部95は、ネットワーク接続部96から供給された番組データを不図示のRAMに格納する。また、映像/音声出力部95は、番組データを描画することでEPG情報を生成する。そして、映像/音声出力部95は、デコード部94からのビデオデータに基づいた画面および音声データを表示装置6および音声再生装置7に送出し、またはEPG情報に基づいた画面を生成し、表示装置6に送出する。
【0051】
表示装置6は、映像/音声出力部95から送出された画面を表示する。制御部99からの記憶指示によりデコード部94でデコードしたデータが不図示の記憶部に記憶される。なお、映像/音声出力部95への出力方法は上記に限らず、番組データをRAMに格納しないで表示装置6に直接出力させるようにしてもよい。また、映像/音声出力部95は、ビデオデータに基づいた画面上に、EPG情報に基づいた画面を合成した合成画面や、ビデオデータのみの画面、またはEPG情報のみの画面を表示装置6にそれぞれ出力するようにしてもよい。
【0052】
ネットワーク接続部96は、制御部99との協働によりコンテンツ受信部として機能するものであり、IP通信網10を介して放送局管理サーバ3または放送局ポータルサーバ4と通信を行う通信インターフェースである。ネットワーク接続部96は、放送局ポータルサーバ4、または放送局管理サーバ3からのデータを受信し、デコード部94にデータを送る。なお、ネットワーク接続部96は、請求項のコンテンツ受信部の一例である。
【0053】
受信状況検出部97は、制御部99から所定のタイミングに発生する受信状況検出指示、またはユーザが操作入力部91を操作することで発生する受信状況検出指示により、受信装置5で受信するアナログ放送波の受信状況を検出する機能を有する。たとえば、受信状況検出部97は、電界受信強度信号を生成できる電界受信強度信号生成回路(不図示)などから構成され、生成回路から得られる値が制御部99に出力されるようにする。生成回路としては、たとえば上述したRSSIを検出するRSSI回路を備える構成とし、RSSI回路から電界受信強度信号を得られるようにすることができる。なお、電界受信強度が検出できればどのような回路であってもよい。上述した電界受信強度信号生成回路から得られる電界受信強度信号を用いることで放送波の受信状況を検出することができる。その他にも受信状況検出部97は、RSSI回路以外にも、Sメータ(Signal Meter)などで電波強度を取得できるようにしてもよい。また、受信状況検出部97は、S/N比(SNR:Signal to Noise ratio)、マルチパス情報(Multipath Information)などを検出できるものでもよい。
【0054】
情報記憶部98は、ユーザについての登録情報や受信装置5についての機器情報、受信装置5の位置情報、放送局情報、および記録指示のあったコンテンツデータを格納している。ここでいうユーザについての登録情報とは、情報配信システム1を利用可能なユーザと関連付けられ、受信装置5に割り振られているIPアドレス、ユーザのユーザID、ユーザIDに関連付けられたパスワード、ユーザの住所、郵便番号、電話番号などの一部または全部である。また、受信装置5についての機器情報とは、受信装置5の機器ID情報(たとえば、受信装置5の製造メーカを識別するためのメーカコード、シリアル番号など)、機器種別情報(たとえば、受信装置5の型番情報など)、チューナ92に関する情報(チューナIC情報DB37に格納されている「チューナ情報識別」、「チューナ型番」、「チューナファームバージョン」に対応)などである。また、受信装置5の位置情報とは、自装置が設置されている場所の郵便番号、電話番号、住所、自装置に割り振られているIPアドレスなどの一部または全部である。また、受信装置5の放送局情報とは、受信状況検出部97で検出された値、検出日時を示す情報、検出された値に対応する放送局2の名称情報、放送局2の周波数情報、放送局2の放送エリア情報(たとえば、放送エリアを示す情報、フリンジエリアを示す情報など)および放送局2に対応する放送局ポータルサーバ4からコンテンツの受信可否を判定するための放送局2からの放送波の受信レベルを示す閾値情報などの一部または全部である。なお、閾値情報は、受信装置5に予め記憶されていてもよいし、放送局管理サーバ3、放送局ポータルサーバ4がこの閾値情報を有している場合には、これらのサーバから取得するようにしてもどちらでもよい。また、記録指示のあったコンテンツデータとは、ユーザが操作入力部91を操作することにより、記録が指示されたコンテンツデータ、もしくは記録予約がなされ、記録されたコンテンツデータのことである。
【0055】
また、受信装置5は、放送局ポータルサーバ4からTSパケット形式でデータが送信されてきた場合には、以下の処理をするようにしてもよい。すなわち、制御部99は、TSパケット形式のコンテンツデータが放送局ポータルサーバ4から送信されてきた場合、制御部99は、ネットワーク接続部96で受信したTSパケットデータをDEMUX部93に供給し、映像や音声などのストリームデータと、SI/PSIなどのセクション形式のデータとに分離し、分離したそれぞれのデータをデコード部94によりデコードし、映像/音声出力部95により表示装置6または音声再生装置7へ出力させるようにしてもよい。
【0056】
(第1の実施例に係る配信許可を維持するための受信制御処理)
図8は、図1に示す受信装置5が実行するコンテンツ受信制御処理のフローチャートである。この図8に示す処理は、情報受信装置5の電源がONになることにより開始される(START)。
【0057】
受信装置5の制御部99は、受信する放送局2の選局指示があるか否かを判定する(S1)。放送局2の選局指示は、たとえばユーザが操作入力部91を用いて特定の放送番組の受信操作、または選局操作などを行った場合に発効される。
【0058】
放送局2の選局指示を受けた受信装置5の制御部99は、その選局された放送局2が放送するアナログ放送を、チューナ92によって受信する(S2)。そして、制御部99は、S2において選局された放送局2が、IP放送で配信されているか否かの判定を行う(S3)。なお、このS3の判定処理の詳細については後述する。制御部99は、S3の判定において、IP放送が配信されていないと判定した場合(S3でNO)には、アナログ放送で受信したコンテンツを受信して出力し(S4)、選局切替があるか否かの選局切替判定(S5)をし、選局切替があると判定した場合(S5でYES)にはS2の処理へ戻る。一方、制御部99は、選局切替がないと判定した場合(S5でNO)には、視聴を終了するか否かの視聴終了判定(S6)をさらに行う。そして、制御部99は、視聴を終了しないと判定した場合(S6でNO)には、S5の選局切替判定を繰り返し、視聴を終了すると判定した場合(S6でYES)には、受信制御処理を終了する(END)。
【0059】
一方、制御部99は、S3の判定において、IP放送が配信されていると判定した場合(S3でYES)には、放送波の受信レベルが閾値以上であるか否かを所定のタイミングで判定する(S7)。具体的には、制御部99は、受信状況検出部97により放送局2の放送波の受信レベルを検出すると共に、その放送波の受信レベルを示す閾値情報について、情報記憶部98を参照して取得し、これらを比較することにより判定を行う。制御部99は、放送波の受信状況を示す値が閾値以上であると判定した場合には、放送局ポータルサーバ4に接続し、IP放送によるコンテンツを受信し出力する(S9)。具体的には、制御部99は、IP放送受信部15を用いてIP放送を受信して、表示部18及び音声出力部19を用いて音声又は映像の出力を行う。一方、制御部99は、放送波の受信状況を示す値が閾値以上ではない、すなわち閾値未満であると判定した場合には、アナログ放送波によってコンテンツを受信し、出力する(S8)。そして、制御部99は、S8の処理後は、S7の処理へ戻ることにより、受信中のコンテンツに対して所定の間隔(例えば3分間隔)で、放送局2の放送波の受信レベルを検出し、その放送波の受信レベルと閾値の比較をする。
【0060】
S9においてIP放送によるコンテンツの受信を開始した後、または受信したときに制御部99は、S9で受信しているIP放送によるコンテンツが、所定のコンテンツであるのか否かの判定を行う(S10)。ここで、所定のコンテンツとは、たとえば、番組単位や番組内における所定の内容単位など、時間で区切ることのできるコンテンツである。
【0061】
制御部99は、S9で受信しているコンテンツが所定のコンテンツではないと判定した場合(S10でNO)には、S7の処理に戻る。このため所定のコンテンツではないコンテンツは、閾値に対する放送の受信レベルに応じて逐次放送波による受信とIP放送による受信とが切り替わることとなる。一方、制御部99は、S9で受信しているコンテンツが所定のコンテンツであると判定した場合(S10でYES)には、その所定のコンテンツの受信が終了するまで、IP放送によるそのコンテンツの配信許可を維持する(S11)。そして、制御部99は、S10で配信許可が維持されている所定のコンテンツの受信が終了したか否かを判定する(S12)。そして、制御部99は、S12の所定のコンテンツの受信が終了したと判定した場合にはS7の処理に戻り、終了していないと判定した場合には、さらに選局切替の有無を判定する(S13)。制御部99は、選局切替があると判定した場合にはS2の処理へ戻り、選局切替がないと判定した場合には視聴を終了するか否かの視聴終了判定(S14)をさらに行う。制御部99は、視聴を終了しないと判定した場合(S14でNO)には、S12の判定へ戻り、視聴を終了すると判定した場合(S14でYES)には、受信制御処理を終了する(END)。
【0062】
(S3のIP放送配信有無判定処理の詳細について)
図9は、図8のフローチャートの処理におけるS3の処理の詳細を示すフローチャートである。図9のフローチャートの処理において、図8のS3の処理に移行されると、受信装置5は以下の処理を開始する(START)。
【0063】
受信装置5の制御部99は、放送局2の周波数および放送局IDに対応する放送局ポータルサーバ4の有無を確認するために、放送局2に対応する周波数および放送局IDを放送局管理サーバ3へ送信する(S21)。なお、このS21において送信する情報は、たとえばラジオ放送の場合であれば、AMやFMといったバンド種別を同時に送信するようにしてもよい。放送局管理サーバ3の制御部31は、受信装置5から周波数および放送局IDの情報を取得する(S22)。そして、制御部31は、全放送局情報DB52を参照してS22で取得した周波数および放送局IDに関連付けられている放送局ポータルサーバ4のURL情報を検索し、その検索結果を受信装置5への送信情報として設定し(S23)、その検索結果を受信装置5へ送信する(S24)。すると、受信装置5の制御部99は、取得した検索結果に基づいて放送局2に対応する放送局ポータルサーバ4の有無を確認して(S25)、処理を終了する(RETURN)。なお、放送局管理サーバ3が問い合わせを行った放送局2の放送波の受信可否判定に用いる閾値情報を有する場合、受信装置5の制御部99は、図9に示したIP放送配信有無判定処理と共に、その閾値情報を取得するようにしてもよい。
【0064】
(S7の受信可否判定とS11の受信許可の維持の関係について)
図10は、図7に示す受信状況検出部97により検出される受信レベルRと、制御部99が設定するIP放送の受信可否を判断するための受信許可基準である閾値Tと、制御部99が行う受信許可維持との関係を時間の遷移と共に示した図である。なお、図10の(a)および(b)に示す例では、番組BBが所定のコンテンツであることを前提として説明する。
【0065】
図10の(a)に示す例では、制御部99が、IP放送によって受信するコンテンツのうち、番組BBが所定のコンテンツであるため、放送局2の放送波の受信レベルRが閾値T以上である期間(t1〜t3の期間)が番組BBの受信中に含まれており、t3〜t4の期間で受信不可となる受信レベルRになっても受信可能の判定を維持し続けている。また、図10の(b)に示す例では、番組BBの冒頭部分(t11〜t12の期間)は、受信レベルRが閾値T未満なので、受信不可の判定であるが、その後の期間(t12〜t13)において、受信レベルRが閾値T以上であるため、さらにその後の期間(t13〜t14)において受信レベルRが閾値T未満であっても、番組BBの受信が完了するまでは受信可能の判定結果が維持される。
【0066】
(図10の変形例)
図11は、図10の変形例であり、受信するコンテンツの種類と受信可否判定方法の関係を説明するための図である。図11に示す例では、IP放送による受信の許可が維持されるコンテンツの単位が図10のような放送番組AA、BB、CC、DDといった1つの放送番組に対応する単位ではなく、その放送番組を構成する内容(図11におけるトーク1、楽曲1、CM1、楽曲2、トーク3)により細かく区分された単位での受信制御を行っている。なお、図11に示す例では、所定のコンテンツが楽曲であるか否かを前提として判定を行っていることを前提として説明する。なお、所定のコンテンツは楽曲以外のトーク、ニュースなどであってもよい。
【0067】
図11に示す例では、制御部99が、楽曲1の受信期間t22〜t23の期間において、放送局2の放送波の受信レベルRが閾値T以上であるため、t23〜24の期間で受信レベルRが閾値T未満となっていても、受信可能の判定を維持し続けている。また、楽曲2の受信期間t25〜t28の期間において、t26〜t27の期間において、放送局2の放送波の受信レベルRが閾値T以上であるため、その後のt27〜28の期間で受信レベルRが閾値T未満となっていても、受信可能の判定を維持し続けている。
【0068】
(第2の実施例に係る受信許可を維持するための受信制御処理について)
図12は、本発明の第2の実施例に係る受信許可を維持するための受信制御処理を示すフローチャートである。図12の処理において、図8に示すフローチャートと同一の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を簡略化または省略する。なお、本発明の第2の実施例では、操作入力部91をユーザが操作することによって、制御部99へコンテンツの受信記録指示を行い、この受信記録指示を受けた制御部99は、コンテンツ記録制御部として機能することができる。
【0069】
図12に示す処理では、図8に示す処理と同様にS1〜S8までの各処理が行われる。そして、S9の処理(IP放送の受信及び出力)が行われた場合、制御部99は、S9で受信しているコンテンツの記録処理が開始されたか否かを判定する(S31)。具体的には、操作入力部91をユーザが操作することによって、制御部99へコンテンツの受信記録指示が送信され、その指示を受けた制御部99が、情報記憶部95に受信している所定のコンテンツの記録処理を開始する。そして、制御部99は、S31の判定で記録されているコンテンツの単位で記録処理が終了するまで、受信可否判定結果を維持する(S32)。そして、制御部99は、コンテンツの単位で受信処理が終了したか否かを判定する(S33)。ここで、S33のコンテンツの単位で受信処理が終了したか否か判定方法とは、受信しているパケットデータ内にコンテンツの終了を示すフラグを設けて、そのフラグの有無を受信するパケットデータ毎に判定する方法、放送局ポータルサーバ4からコンテンツのデータとは別にそのコンテンツの種類を示す情報を送信させて、現在受信しているコンテンツの種類を示す情報との異同により受信処理が終了したか否かを判定する方法などがある。なお、S33は、受信処理の終了判定ではなく、記録処理の終了判定としてもよく、その場合、たとえば、ユーザが操作入力部91を操作して記録処理の終了が指示された場合に、記録処理が終了したと判定するようにしてもよい。そして、制御部99は、S33の処理で受信処理が終了したと判定した場合(S33でYES)には、S7の処理に戻り、受信処理が終了していないと判定した場合(S33でNO)には、選局切替判定処理(S13)、視聴終了処理(S14)を行って、処理を終了する(END)。
【0070】
(S7の受信可否判定とS32の受信許可維持処理について)
図13は、本発明の第2の実施例に係る受信状況検出部97により検出される受信レベルRと、制御部99が設定するIP放送の受信可否を判断するための受信許可基準である閾値Tと、制御部99が行う受信許可維持との関係を時間の遷移と共に示した図である。なお、この図13の例では番組BBが所定のコンテンツに該当するものとして説明する。
【0071】
図13に示すように、記録開始の処理がt32の時点でなされており、t32〜t33の期間において、番組BBは閾値T以上の受信レベルRがあり、その後のt33の時点から閾値T未満の受信レベルRとなっているが、番組BBの受信が終了するt34の時点まで受信許可が維持されている。
【0072】
(第3の実施例に係る配信許可を維持するための受信制御処理)
図14および図15は、本発明の第3の実施例に係る受信装置5が実行する受信制御処理を示す図である。図14の処理において、図8に示すフローチャートと同一の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を簡略化または省略する。図14は放送の予約を行うときの処理であり、受信装置5の制御部99は、予約を行うための放送局2の選局指示があるか否かを判定する(S41)。
【0073】
予約のための選局指示を受けた受信装置5の制御部99は、その選局された放送局2が放送するアナログ放送を、チューナ92によって受信する(S2)とともに、予約の設定がされる(S42)。S42における予約の設定とは、ユーザが操作入力部91を用いて特定の放送番組に対する記録予約または聴取予約を行うことである。S42において予約設定がされた後、S3においてIP放送が配信されていると判定した場合(S3でYES)には、制御部99は受信状況検出部97により予約設定時の受信レベルを取得し(S43)、予約処理を終了する(END)。
【0074】
図15は、図14に示すS43の処理によって設定された予約を実行するときの処理である。受信装置5の制御部99は図示しない計時部等を参照し現在時刻が予約設定された開始時刻であるか否かを判定する(S45)。S45における判定は開始時刻ちょうどではなく開始時刻にコンテンツの出力やコンテンツの記録を行うことができるように、開始時刻より所定時間前であってもよい。S45において開始時刻である場合(S45でYES)には、制御部99はS43で取得した予約時の放送受信レベルが所定の閾値以上であるか否かを判定する(S46)。
【0075】
S46において、予約時の放送受信レベルが閾値未満であると判定された場合(S46でNO)は、予約されたコンテンツをチューナ92により受信したアナログ放送として受信し、映像/音声出力部95より出力する(S47)。また、設定された予約が記録予約であった場合は、受信したアナログ放送によるコンテンツを情報記憶部98に記録開始する。S46において、予約時の放送受信レベルが閾値以上であると判定された場合(S46でYES)は、予約されたコンテンツは、IP放送による配信が許可され、ネットワーク接続部96を用いて取得したIP放送として受信し、映像/音声出力部95より出力する。また、設定された予約が記録予約であった場合は、受信したIP配信によるコンテンツを情報記憶部98に記録開始する。さらに予約されたコンテンツがIP放送による配信が許可されている場合は、予約されたコンテンツの受信が終了するまでIP配信許可が維持される(S49)。S47またはS49の処理に基づくS48の処理中において、制御部99は予約されたコンテンツが終了したか否かを判定し(S50、S51)、終了したと判定された場合は本処理を終了する(END)。
【0076】
図16は、本発明の第3の実施例における受信状況検出部97により検出される受信レベルRと、制御部99が設定するIP放送の受信可否を判断するための受信許可基準である閾値Tと、制御部99が行う受信許可維持との関係を時間の遷移と共に示した図である。なお、この図16の例では番組BBが所定のコンテンツに該当するものとして説明する。
【0077】
図16の(a)に示すように、番組BBの予約設定処理がt42の時点でなされており、この時点において、閾値T以上の受信レベルRがあることから受信可能と判定し、その後のt44の時点から番組BBが終了するt45の時点までは閾値T未満の受信レベルRとなっているが、番組BBの受信が終了するt45の時点まで受信許可が維持されている。
【0078】
また、図16の(b)に示すように、番組BBの予約設定処理がt52の時点でなされており、この時点において、閾値T以上の受信レベルRがあることから受信可能と判定し、t53〜t54の期間において、番組BBは閾値T未満の受信レベルであるが、番組BBが終了するt56の時点までは受信許可が維持されている。
【0079】
以上、受信装置5および受信装置5が実行する情報受信制御方法によれば、制御部99(受信可否判定部および受信許可維持部)が、放送局2により放送される放送番組と同一または関連するコンテンツの、放送局2からの放送波以外の通信手段であるIP通信網10を介した受信について、放送波の受信レベルR(放送波の受信状況)が閾値T(所定の受信許可基準)を満たすか否かを所定のタイミングで判定し、この判定によりコンテンツの受信が許可された場合、IP通信網10を介してネットワーク接続部96(受信部)でコンテンツを受信し、このコンテンツの受信終了までの期間、受信可否判定による所定のタイミングでの判定に係らず受信を許可させるため、受信レベルRが変化してもコンテンツの受信終了までは判定が変更されることが無く、視聴途中に頻繁に受信可否判定が異なるような不都合が発生しない。すなわち、この受信装置5および受信装置5が実行する情報受信制御方法によれば、放送局2から受信する放送波の受信状況を考慮すると共に、IP通信網10などの他のネットワークを介して提供されるコンテンツを適切に受信することができる。
【0080】
また、制御部99は、コンテンツ記録制御部として、情報記憶部95にコンテンツの記録の制御を行うようにしてもよい。その場合、制御部99は更に受信許可維持部としても機能し、情報記憶部95にコンテンツの記録が行われている場合、その記録が行われているコンテンツの受信が終了するまでの期間、放送局2の放送波の受信レベルRに基づく受信可否判定の判定結果に係らず許可させるため、記録途中に頻繁に受信可否判定が異なるような不都合が発生しない。
【0081】
また、制御部99は、コンテンツ予約制御部として、コンテンツの聴取または記録の予約の制御を行うようにしてもよい。その場合、制御部99は更に受信許可維持部としても機能し、コンテンツの予約が行われている場合、予約されたコンテンツの受信が終了するまでの期間、受信可否判定の判定結果に係らず許可させることができるため、予約したコンテンツの記録中に頻繁に受信可否判定が異なるような不都合が発生しない。
【0082】
また、制御部99は、受信許可維持部として、コンテンツ毎の受信について、コンテンツの受信終了までの期間許可させるようにしてもよい。これにより、コンテンツの受信が許可されたコンテンツ単位毎に、その後の放送波の受信状況の変化に係らず、安定して受信することが可能となる。
【0083】
あるいは、制御部99は、受信許可維持部として、コンテンツを構成する放送内容単位毎の受信について、放送内容単位毎の受信終了までの期間許可させるようにしてもよい。これにより、受信が許可された放送内容単位毎に、その後の放送波の受信状況の変化に係らず、安定して受信することが可能となる。
【0084】
また、受信可否判定部としての制御部99は、閾値T(所定の受信許可基準)に基づく判定を、コンテンツの受信開始時に計測された放送波の受信状況または受信開始前であって最新の放送波の受信状況に基づき行うようにしてもよい。これにより、コンテンツの受信時における受信可否判定がコンテンツ毎に判断されることになるため、より好ましいものとなる。
【0085】
また、受信可否判定部としての制御部99は、閾値T(所定の受信許可基準)に基づく判定を、コンテンツの記録開始時に計測された放送波の受信状況または記録開始前であって最新の放送波の受信状況に基づき行うようにしてもよい。これにより、コンテンツの記録を行う際に、受信可否判定がコンテンツ毎に判断されることになるため、より好ましいものとなる。
【0086】
また、受信可否判定部としての制御部99は、閾値T(所定の受信許可基準)に基づく判定を、コンテンツの予約指示時に計測された放送波の受信状況、予約指示前であって最新の放送波の受信状況、予約に基づくコンテンツの受信開始時に計測された放送波の受信状況、予約に基づくコンテンツの受信開始前であって最新の放送波の受信状況のいずれかの受信状況に基づき行うようにしてもよい。これにより、コンテンツの予約記録を行う際に、受信可否判定がコンテンツ毎に判断されることになるため、より好ましいものとなる。
【0087】
なお、上述した受信装置5の機能を放送局ポータルサーバ4側が有するようにしてもよい。すなわち、情報送信制御装置としての放送局ポータルサーバ4の制御部61を、放送局2により放送される放送番組と同一または関連するコンテンツの、放送局からの放送波以外の通信手段であるIP通信網10を介した受信装置5への送信について、受信装置5における放送波の受信状況が閾値T(所定の送信許可基準)を満たすか否かを所定のタイミングで判定する送信可否判定部として機能させる。そして、送信制御部71を、その送信可否判定部の判定によりコンテンツの送信が許可された場合、IP通信網10を介して受信装置5にコンテンツを送信するコンテンツ送信部として機能させる。さらに、制御部61を、その送信制御部71によるコンテンツの送信を、コンテンツの送信終了までの期間、送信可否判定部による所定のタイミングでの判定に係らず許可させる送信許可維持部として機能させるものとしてもよい。これにより、上述した受信装置5の制御部99と同様の効果を奏することができるため、この放送局ポータルサーバ4および放送局ポータルサーバ4が実行する情報送信制御方法によれば、受信装置5における放送局2から受信する放送波の受信状況を考慮し、IP通信網10などの他のネットワークを介して提供されるコンテンツを適切に受信装置5へ受信させる(送信する)ことが可能となる。
【0088】
また、上述した制御部61は、送信許可維持部として、コンテンツ毎の送信について、コンテンツの送信終了までの期間、許可させるようにしてもよい。これにより、コンテンツの送信が許可されたコンテンツ単位毎に、その後の受信装置5における放送波の受信状況の変化に係らず、安定して送信することが可能となる。
【0089】
あるいは、上述した送信許可維持部としての制御部61は、コンテンツを構成する放送内容単位毎の送信について、放送内容単位毎の送信終了までの期間、許可させるようにしてもよい。これにより、送信が許可された放送内容単位毎に、その後の受信装置5における放送波の受信状況の変化に係らず、安定して送信することが可能となる。
【0090】
また、上述した送信可否判定部としての制御部61は、閾値T(所定の送信許可基準)に基づく判定を、コンテンツの送信開始前に取得した情報受信制御装置における放送波の受信状況に基づき判定することとしてもよい。これにより、コンテンツの送信時に近い時点における受信装置の受信レベルRに基づく送信可否判定がコンテンツ毎に判断されることになるため、より好ましいものとなる。
【0091】
(その他の実施の形態について)
本発明の実施の形態は、その要旨を逸脱しない限り、上述した態様以外にも様々に変更が可能である。たとえば、受信装置5の制御部99は、放送局ポータルサーバ4から送信されるコンテンツの種類、またはコンテンツの内容単位の種類に応じて閾値を上下させるようにしたが、その他にも、特定の放送番組のみ閾値を変更するように制御してもよい。
【0092】
また、放送局ポータルサーバ4から送信されるコンテンツの種類を示す情報、コンテンツを構成する内容単位の種類を示す情報を受信するタイミングについては、そのコンテンツを構成する単位毎(放送番組毎、または放送番組を構成する内容単位毎)の最初のパケット受信時が好ましいが、放送局ポータルサーバ4から送信されるコンテンツを視聴する際に、必ずしもそのコンテンツの冒頭から視聴するとは限らないため、受信装置5がコンテンツデータを放送局ポータルサーバ4より受信するタイミングで提供されるようにしてもよい。すなわち、コンテンツが途中のものであっても、そのコンテンツの種類を示す情報、コンテンツを構成する内容単位の種類を示す情報が提供されるようにしてもよい。
【0093】
また、受信制御装置5側での受信可否判定の一部または全部を放送局ポータルサーバ4側で実行するようにしてもよい。また、放送局管理サーバ3に、放送局ポータルサーバ4の機能を有するように構成してもよいし、逆に放送局ポータルサーバ4に放送局管理サーバ3の機能を有するように構成してもよい。
【0094】
また、上述の実施の形態は、放送の対象を、ラジオまたはテレビのアナログ放送として説明したが、放送の対象が、ラジオまたはテレビのデジタル放送であってもよい。また、電波を介しての放送とIP放送との両方が存在するものであれば、上述の実施の形態を適用することは可能である。そのようなものとしては、たとえばBS放送などの他の放送が挙げられる。
【0095】
また、本発明における処理を、受信装置5の受信位置や受信状態によって実施することとしてもよい。例えば受信装置5が弱電界地域やフリンジエリアにある場合のみに、本発明の処理を適用させてもよい。
【0096】
また、上述の実施の形態は、処理を適用するコンテンツを所定のコンテンツとして、予め特定されたコンテンツに対して適用することとしたが、全てのコンテンツに適用させてもよい。
【0097】
また、図1に示す情報配信システム1の例では、1つの放送局2、1つの放送局管理サーバ3、1つの放送局2に対応する1つの放送局ポータルサーバ4、および2つの受信装置5を示したが、複数の放送局2、複数の放送局管理サーバ3、複数の放送局ポータルサーバ4を有するものであってもよい。また、放送局2が想定している受信エリアは、県域放送の場合には、都道府県単位別が基本であり、広域放送の場合には複数の都道府県にまたがっている。しかしながら、想定している受信エリアは、これらに限られず、たとえば1つまたは複数の市区町村別を受信エリアとしてもよく、複数の国を受信エリアとしてもよい。また、放送局管理サーバ3および/または放送局ポータルサーバ4は、放送局2が想定している受信エリア内に存在せずに、別のエリアに存在する構成としてもよい。また、1つの放送局2に対して1つの放送局ポータルサーバ4が存在するが、1つの放送局2に対して複数の放送局ポータルサーバ4が存在してもよいし、複数の放送局2に対応する1つの放送局ポータルサーバ4が存在してもよい。また、放送局ポータルサーバ4をもたない放送局2が含まれてもよい。
【0098】
また、図1に示す放送局管理サーバ3は、受信装置5を認証する機能、受信装置5の設置されている地域を特定する機能、放送局2に対応する放送局ポータルサーバ4の有無を判定する機能など少なくとも有するものとしたが、受信装置5を認証する機能、受信装置5の設置されている地域を特定する機能を有さないものとしてもよい。また、放送局管理サーバ3は、情報配信システム1における放送局ポータルサーバ4について統括的な管理を行うサーバであるが、情報配信システム1に含まれない放送局2(たとえば、放送局2に対応する放送局ポータルサーバ4が存在する場合であっても、情報配信システム1にその放送局ポータルサーバ4が放送局2に対応する放送局ポータルサーバ4として登録されていない場合、またはそもそも放送局ポータルサーバ4が存在しない場合など)についての情報を有するものとしてもよい。
【0099】
また、放送局管理サーバ3、放送局ポータルサーバ4および受信装置5の各装置は、所定のプログラムにより動作する汎用の情報処理装置によってそれぞれ構成されてもよい。例えば、汎用の情報処理装置は、メモリ、CPU、入出力ポートなどを有する。汎用の情報処理装置のCPUは、メモリなどから所定のプログラムとして制御プログラムを読み込んで実行する。これにより、汎用の情報処理装置(コンピュータ)には、放送局管理サーバ3、放送局ポータルサーバ4および受信装置5の各部の機能が実現される。このようなプログラムは、上述した放送局管理サーバ3、放送局ポータルサーバ4および受信装置5の各装置が奏する効果と同様の効果を奏することができる。なお、上述したCPUの代わりにASIC(Application Specific Integrated Circuit)、マイクロプロセッサ(マイクロコンピュータ)、DSP(Digital Signal Processor)などを用いてもよい。なお、コンピュータが実行する制御プログラムは、放送局管理サーバ3、放送局ポータルサーバ4および受信装置5の出荷前に、汎用の情報処理装置のメモリなどに記憶されたものであっても、放送局管理サーバ3、放送局ポータルサーバ4および受信装置5の出荷後に、汎用の情報処理装置のメモリなどに記憶されたものであってもよい。また、制御プログラムの一部が、放送局管理サーバ3、放送局ポータルサーバ4および受信装置5の出荷後に、コンピュータのメモリなどに記憶されたものであってもよい。放送局管理サーバ3、放送局ポータルサーバ4および受信装置5の出荷後に、コンピュータのメモリなどに記憶される制御プログラムは、例えば、CD、DVD、Blu−ray(登録商標)などのコンピュータ読取可能な記録媒体に記憶されているものをインストールしたものであっても、インターネットなどの伝送媒体を介してダウンロードしたものをインストールしたものであってもよい。また、制御プログラムは、コンピュータによって直接実行可能なものだけでなく、ハードディスクなどにインストールすることによって実行可能となるものも含む。また、圧縮されたり、暗号化されたりしたものも含む。このように、コンピュータとプログラムによって放送局管理サーバ3、放送局ポータルサーバ4および受信装置5の機能を実現することにより、大量生産や仕様変更(または設計変更)に対して柔軟に対応可能となる。
【符号の説明】
【0100】
1・・・情報配信システム、2・・・放送局、3・・・放送局管理サーバ、4・・・放送局ポータルサーバ、5・・・受信装置(情報受信制御装置の一例)、10・・・IP通信網(通信手段の一例)、91・・・操作入力部、96・・・ネットワーク接続部(コンテンツ受信部の一例)、98・・・情報記憶部、99・・・制御部(受信許可部、受信許可維持部、コンテンツ記録制御部、コンテンツ予約制御部の一例)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送局により放送される放送番組と同一または関連するコンテンツの、前記放送局からの放送波以外の通信手段を介した受信について、前記放送波の受信状況が所定の受信許可基準を満たすか否かを所定のタイミングで判定する受信可否判定部と、
前記受信可否判定部の判定により前記コンテンツの受信が許可された場合、前記通信手段を介して前記コンテンツを受信するコンテンツ受信部と、
前記受信部による前記コンテンツの受信を、前記コンテンツの受信終了までの期間、前記受信可否判定部による前記所定のタイミングでの判定に係らず許可させる受信許可維持部と、
を備えることを特徴とする情報受信制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報受信制御装置であって、
前記コンテンツの記録を行うコンテンツ記録制御部を備え、
前記受信許可維持部は、前記コンテンツ記録制御部による前記コンテンツの記録が行われている場合、前記コンテンツ記録制御部により記録が行われている前記コンテンツの受信を、前記コンテンツの受信終了までの期間、前記受信可否判定部による判定に係らず許可させる、
ことを特徴とする情報受信制御装置。
【請求項3】
請求項1に記載の情報受信制御装置であって、
前記コンテンツの聴取または記録の予約行うコンテンツ予約制御部を備え、
前記受信許可維持部は、前記コンテンツ予約制御部による前記コンテンツの予約が行われている場合、前記コンテンツ予約制御部により予約された前記コンテンツの受信を、前記コンテンツの受信終了までの期間、前記受信可否判定部による判定に係らず許可させる、
ことを特徴とする情報受信制御装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の情報受信制御装置であって、
前記受信許可維持部は、
前記コンテンツ毎の受信について、前記コンテンツの受信終了までの期間、許可させることを特徴とする情報受信制御装置。
【請求項5】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の情報受信制御装置であって、
前記受信許可維持部は、
前記コンテンツを構成する放送内容単位毎の受信について、前記放送内容単位毎の受信終了までの期間、許可させることを特徴とする情報受信制御装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の情報受信制御装置であって、
前記受信可否判定部は、
前記所定の受信許可基準に基づく判定を、前記コンテンツの受信開始時に計測された前記放送波の受信状況または受信開始前であって最新の前記放送波の受信状況に基づき行うことを特徴とする情報受信制御装置。
【請求項7】
請求項2に記載の情報受信制御装置であって、
前記受信可否判定部は、
前記所定の受信許可基準に基づく判定を、前記コンテンツ記録制御部による前記コンテンツの記録開始時に計測された前記放送波の受信状況または記録開始前であって最新の前記放送波の受信状況に基づき行うことを特徴とする情報受信制御装置。
【請求項8】
請求項3に記載の情報受信制御装置であって、
前記受信可否判定部は、
前記所定の受信許可基準に基づく判定を、前記コンテンツ予約制御部による前記コンテンツの予約指示時に計測された前記放送波の受信状況、予約指示前であって最新の前記放送波の受信状況、予約に基づくコンテンツの受信開始時に計測された前記放送波の受信状況、予約に基づくコンテンツの受信開始前であって最新の前記放送波の受信状況のいずれかの受信状況に基づき行うことを特徴とする情報受信制御装置。
【請求項9】
放送局により放送される放送番組と同一または関連するコンテンツの、前記放送局からの放送波以外の通信手段を介した情報受信制御装置への送信について、前記情報受信制御装置における前記放送波の受信状況が所定の送信許可基準を満たすか否かを所定のタイミングで判定する送信可否判定部と、
前記送信可否判定部の判定により前記コンテンツの送信が許可された場合、前記通信手段を介して前記情報受信制御装置に前記コンテンツを送信するコンテンツ送信部と、
前記コンテンツ送信部による前記コンテンツの送信を、前記コンテンツの送信終了までの期間、前記送信可否判定部による所定のタイミングでの判定に係らず許可させる送信許可維持部と、
を備えることを特徴とする情報送信制御装置。
【請求項10】
請求項9に記載の情報送信制御装置であって、
前記送信許可維持部は、
前記コンテンツ毎の送信について、前記コンテンツの送信終了までの期間、許可させること、
ことを特徴とする情報送信制御装置。
【請求項11】
請求項9に記載の情報送信制御装置であって、
前記コンテンツを構成する放送内容単位毎の送信について、前記放送内容単位毎の送信終了までの期間、許可させること、
を特徴とする情報送信制御装置。
【請求項12】
請求項9から請求項11のいずれか1項に記載の情報送信制御装置であって、
前記送信可否判定部は、
前記所定の送信許可基準に基づく判定を、前記コンテンツの送信開始前に取得した前記情報受信制御装置における前記放送波の受信状況に基づき判定する、
ことを特徴とする情報送信制御装置。
【請求項13】
放送局により放送される放送番組と同一または関連するコンテンツの、前記放送局からの放送波以外の通信手段を介した受信について、前記放送波の受信状況が所定の受信許可基準を満たすか否かを所定のタイミングで判定する受信可否判定ステップと、
前記受信可否判定ステップにより前記コンテンツの受信が許可された場合、前記通信手段を介して前記コンテンツを受信するコンテンツ受信ステップと、
前記コンテンツ受信ステップによる前記コンテンツの受信を、前記コンテンツの受信終了までの期間、前記受信可否判定ステップによる所定のタイミングでの判定に係らず許可させる受信許可維持ステップと、
を有することを特徴とする情報受信制御方法。
【請求項14】
放送局により放送される放送番組と同一または関連するコンテンツの、前記放送局からの放送波以外の通信手段を介した情報受信制御装置への送信について、前記情報受信制御装置における前記放送波の受信状況が所定の送信許可基準を満たすか否かを所定のタイミングで判定する送信可否判定ステップと、
前記送信可否判定ステップにより前記コンテンツの送信が許可された場合、前記通信手段を介して前記情報受信制御装置に前記コンテンツを送信するコンテンツ送信ステップと、
前記コンテンツ送信ステップによる前記コンテンツの送信を、前記コンテンツの送信終了までの期間、前記送信可否判定ステップによる所定のタイミングでの判定に係らず許可させる送信許可維持ステップと、
を有することを特徴とする情報送信制御方法。
【請求項15】
放送局により放送される放送番組と同一または関連するコンテンツの、前記放送局からの放送波以外の通信手段を介しての受信が可能であるコンピュータに、
前記コンテンツの前記通信手段を介した受信について、前記放送波の受信状況が所定の受信許可基準を満たすか否かを所定のタイミングで判定する受信可否判定ステップと、
前記受信可否判定ステップにより前記コンテンツの受信が許可された場合、前記通信手段を介して前記コンテンツを受信するコンテンツ受信ステップと、
前記コンテンツ受信ステップによる前記コンテンツの受信を、前記コンテンツの受信終了までの期間、前記受信可否判定ステップによる所定のタイミングでの判定に係らず許可させる受信許可維持ステップと、
を実行させるためのプログラム。
【請求項16】
放送局により放送される放送番組と同一または関連するコンテンツの、前記放送局からの放送波以外の通信手段を介して情報受信制御装置へ送信が可能であるコンピュータに、
前記コンテンツの、前記通信手段を介した前記情報受信制御装置への送信について、前記情報受信制御装置における前記放送波の受信状況が所定の送信許可基準を満たすか否かを所定のタイミングで判定する送信可否判定ステップと、
前記送信許可ステップにより前記コンテンツの送信が許可された場合、前記通信手段を介して前記情報受信制御装置に前記コンテンツを送信するコンテンツ送信ステップと、
前記コンテンツ送信ステップによる前記コンテンツの送信を、前記コンテンツの送信終了までの期間、前記送信可否判定ステップによる所定のタイミングでの判定に係らず許可させる送信許可維持ステップと、
を実行させるためのプログラム。
【請求項1】
放送局により放送される放送番組と同一または関連するコンテンツの、前記放送局からの放送波以外の通信手段を介した受信について、前記放送波の受信状況が所定の受信許可基準を満たすか否かを所定のタイミングで判定する受信可否判定部と、
前記受信可否判定部の判定により前記コンテンツの受信が許可された場合、前記通信手段を介して前記コンテンツを受信するコンテンツ受信部と、
前記受信部による前記コンテンツの受信を、前記コンテンツの受信終了までの期間、前記受信可否判定部による前記所定のタイミングでの判定に係らず許可させる受信許可維持部と、
を備えることを特徴とする情報受信制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報受信制御装置であって、
前記コンテンツの記録を行うコンテンツ記録制御部を備え、
前記受信許可維持部は、前記コンテンツ記録制御部による前記コンテンツの記録が行われている場合、前記コンテンツ記録制御部により記録が行われている前記コンテンツの受信を、前記コンテンツの受信終了までの期間、前記受信可否判定部による判定に係らず許可させる、
ことを特徴とする情報受信制御装置。
【請求項3】
請求項1に記載の情報受信制御装置であって、
前記コンテンツの聴取または記録の予約行うコンテンツ予約制御部を備え、
前記受信許可維持部は、前記コンテンツ予約制御部による前記コンテンツの予約が行われている場合、前記コンテンツ予約制御部により予約された前記コンテンツの受信を、前記コンテンツの受信終了までの期間、前記受信可否判定部による判定に係らず許可させる、
ことを特徴とする情報受信制御装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の情報受信制御装置であって、
前記受信許可維持部は、
前記コンテンツ毎の受信について、前記コンテンツの受信終了までの期間、許可させることを特徴とする情報受信制御装置。
【請求項5】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の情報受信制御装置であって、
前記受信許可維持部は、
前記コンテンツを構成する放送内容単位毎の受信について、前記放送内容単位毎の受信終了までの期間、許可させることを特徴とする情報受信制御装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の情報受信制御装置であって、
前記受信可否判定部は、
前記所定の受信許可基準に基づく判定を、前記コンテンツの受信開始時に計測された前記放送波の受信状況または受信開始前であって最新の前記放送波の受信状況に基づき行うことを特徴とする情報受信制御装置。
【請求項7】
請求項2に記載の情報受信制御装置であって、
前記受信可否判定部は、
前記所定の受信許可基準に基づく判定を、前記コンテンツ記録制御部による前記コンテンツの記録開始時に計測された前記放送波の受信状況または記録開始前であって最新の前記放送波の受信状況に基づき行うことを特徴とする情報受信制御装置。
【請求項8】
請求項3に記載の情報受信制御装置であって、
前記受信可否判定部は、
前記所定の受信許可基準に基づく判定を、前記コンテンツ予約制御部による前記コンテンツの予約指示時に計測された前記放送波の受信状況、予約指示前であって最新の前記放送波の受信状況、予約に基づくコンテンツの受信開始時に計測された前記放送波の受信状況、予約に基づくコンテンツの受信開始前であって最新の前記放送波の受信状況のいずれかの受信状況に基づき行うことを特徴とする情報受信制御装置。
【請求項9】
放送局により放送される放送番組と同一または関連するコンテンツの、前記放送局からの放送波以外の通信手段を介した情報受信制御装置への送信について、前記情報受信制御装置における前記放送波の受信状況が所定の送信許可基準を満たすか否かを所定のタイミングで判定する送信可否判定部と、
前記送信可否判定部の判定により前記コンテンツの送信が許可された場合、前記通信手段を介して前記情報受信制御装置に前記コンテンツを送信するコンテンツ送信部と、
前記コンテンツ送信部による前記コンテンツの送信を、前記コンテンツの送信終了までの期間、前記送信可否判定部による所定のタイミングでの判定に係らず許可させる送信許可維持部と、
を備えることを特徴とする情報送信制御装置。
【請求項10】
請求項9に記載の情報送信制御装置であって、
前記送信許可維持部は、
前記コンテンツ毎の送信について、前記コンテンツの送信終了までの期間、許可させること、
ことを特徴とする情報送信制御装置。
【請求項11】
請求項9に記載の情報送信制御装置であって、
前記コンテンツを構成する放送内容単位毎の送信について、前記放送内容単位毎の送信終了までの期間、許可させること、
を特徴とする情報送信制御装置。
【請求項12】
請求項9から請求項11のいずれか1項に記載の情報送信制御装置であって、
前記送信可否判定部は、
前記所定の送信許可基準に基づく判定を、前記コンテンツの送信開始前に取得した前記情報受信制御装置における前記放送波の受信状況に基づき判定する、
ことを特徴とする情報送信制御装置。
【請求項13】
放送局により放送される放送番組と同一または関連するコンテンツの、前記放送局からの放送波以外の通信手段を介した受信について、前記放送波の受信状況が所定の受信許可基準を満たすか否かを所定のタイミングで判定する受信可否判定ステップと、
前記受信可否判定ステップにより前記コンテンツの受信が許可された場合、前記通信手段を介して前記コンテンツを受信するコンテンツ受信ステップと、
前記コンテンツ受信ステップによる前記コンテンツの受信を、前記コンテンツの受信終了までの期間、前記受信可否判定ステップによる所定のタイミングでの判定に係らず許可させる受信許可維持ステップと、
を有することを特徴とする情報受信制御方法。
【請求項14】
放送局により放送される放送番組と同一または関連するコンテンツの、前記放送局からの放送波以外の通信手段を介した情報受信制御装置への送信について、前記情報受信制御装置における前記放送波の受信状況が所定の送信許可基準を満たすか否かを所定のタイミングで判定する送信可否判定ステップと、
前記送信可否判定ステップにより前記コンテンツの送信が許可された場合、前記通信手段を介して前記情報受信制御装置に前記コンテンツを送信するコンテンツ送信ステップと、
前記コンテンツ送信ステップによる前記コンテンツの送信を、前記コンテンツの送信終了までの期間、前記送信可否判定ステップによる所定のタイミングでの判定に係らず許可させる送信許可維持ステップと、
を有することを特徴とする情報送信制御方法。
【請求項15】
放送局により放送される放送番組と同一または関連するコンテンツの、前記放送局からの放送波以外の通信手段を介しての受信が可能であるコンピュータに、
前記コンテンツの前記通信手段を介した受信について、前記放送波の受信状況が所定の受信許可基準を満たすか否かを所定のタイミングで判定する受信可否判定ステップと、
前記受信可否判定ステップにより前記コンテンツの受信が許可された場合、前記通信手段を介して前記コンテンツを受信するコンテンツ受信ステップと、
前記コンテンツ受信ステップによる前記コンテンツの受信を、前記コンテンツの受信終了までの期間、前記受信可否判定ステップによる所定のタイミングでの判定に係らず許可させる受信許可維持ステップと、
を実行させるためのプログラム。
【請求項16】
放送局により放送される放送番組と同一または関連するコンテンツの、前記放送局からの放送波以外の通信手段を介して情報受信制御装置へ送信が可能であるコンピュータに、
前記コンテンツの、前記通信手段を介した前記情報受信制御装置への送信について、前記情報受信制御装置における前記放送波の受信状況が所定の送信許可基準を満たすか否かを所定のタイミングで判定する送信可否判定ステップと、
前記送信許可ステップにより前記コンテンツの送信が許可された場合、前記通信手段を介して前記情報受信制御装置に前記コンテンツを送信するコンテンツ送信ステップと、
前記コンテンツ送信ステップによる前記コンテンツの送信を、前記コンテンツの送信終了までの期間、前記送信可否判定ステップによる所定のタイミングでの判定に係らず許可させる送信許可維持ステップと、
を実行させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−216966(P2012−216966A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−80189(P2011−80189)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(308036402)株式会社JVCケンウッド (1,152)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(308036402)株式会社JVCケンウッド (1,152)
【Fターム(参考)】
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