説明

情報提供システムおよび車載装置

【課題】運転の安全性を損なうことなく、携帯端末への処理負荷を抑制することができること。
【解決手段】携帯端末装置が、文字データを含む提供情報を情報配信サーバ装置から取得し、文字データの一部である部分データを音声合成サーバ装置へ送信するとともに、部分データを音声へ変換した音声データを当該音声合成サーバ装置から取得し、車載装置から所定の通知を受け付けた際に音声データに対応する提供情報を車載装置で表示させる指示を行い、車載装置が、携帯端末装置からの情報を表示し、音声データを再生し、利用者による選択操作を受け付けた場合に、当該選択操作があった旨を携帯端末装置へ通知するように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車載装置に対して所定の情報を提供する携帯端末装置と車載装置とを有する情報提供システムおよび車載装置に関し、特に、運転の安全性を損なうことなく、携帯端末への処理負荷を抑制することができる情報提供システムおよび車載装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ポータルサイトに公開されているWebページの文字情報を取得し、取得した文字情報を音声合成処理して音声にて出力する携帯電話機等の携帯端末が知られている。たとえば、特許文献1には、情報配信サーバから配信されるテキストコンテンツを受信して、音声データに変換する情報提供システムおよび携帯端末が開示されている。
【0003】
具体的には、特許文献1の情報提供システムおよび携帯端末は、情報配信サイトから受け取るコンテンツの種類に応じて、利用者が音声再生するかテキスト表示するかを選択することができる。そして、特許文献1の携帯端末は、利用者によって音声再生すると選択された場合に、所望のテキストコンテンツをダウンロードして、音声変換を行い、選択された内容の音声再生を行う。
【0004】
また、特許文献1の情報提供システムおよび携帯端末では、かかるテキストコンテンツの見出しのみを音声出力するか、または、テキストコンテンツの本文を音声出力するかの選択も、利用者によって行うことができる。
【0005】
これにより、特許文献1の携帯端末では、利用者によって二者択一で選択された見出しまたは本文のいずれかをダウンロードして、音声変換を行い、音声再生することとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−323512号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の技術を自動車等の車両で用いる場合には、以下に示す問題があった。すなわち、自動車を運転中のドライバーは、運転中に携帯端末の使用を禁じられているため、上記した選択操作自体を行うことができないという問題があった。
【0008】
また、仮に、特許文献1の技術を自動車で用いることとしても、ドライバーに対して複数回の選択操作を強いてしまう結果となり、運転の安全性を確保することができないという問題もあった。
【0009】
さらに、特許文献1のように音声変換を携帯端末で行うこととすると、携帯端末の製造コストが上昇するだけでなく、携帯端末への処理負荷がかかってしまうという問題もあった。これは、テキストコンテンツを音声変換する際、処理速度を高速で、かつ、より人間的で自然な音声変換を実現するためには、大容量で高いリソースを必要とするためである。
【0010】
これらのことから、運転の安全性を損なうことなく、携帯端末への処理負荷を抑制することができる情報提供システムおよび車載装置をいかにして実現するかが大きな課題となっている。
【0011】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであり、運転の安全性を損なうことなく、携帯端末への処理負荷を抑制することができる情報提供システムおよび車載装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明は、車載装置に対して所定の情報を提供する携帯端末装置と前記車載装置とを有する情報提供システムであって、前記携帯端末装置は、文字データを含む提供情報を情報配信サーバ装置から取得する提供情報取得手段と、前記文字データの一部である部分データを音声合成サーバ装置へ送信するとともに、前記部分データを音声へ変換した音声データを当該音声合成サーバ装置から取得する音声データ取得手段と、前記車載装置から所定の通知を受け付けた際に前記音声データに対応する前記提供情報を前記車載装置で表示させる指示を行う表示指示手段とを備え、前記車載装置は、前記携帯端末装置からの情報を表示する表示手段と、前記音声データを再生する再生手段と、利用者による選択操作を受け付けた場合に、当該選択操作があった旨を前記携帯端末装置へ通知する選択操作通知手段とを備えたことを特徴とする。
【0013】
携帯端末装置から送信される情報を再生する車載装置であって、前記携帯端末装置から送信された文字データの一部である部分データを表示する部分表示手段と、前記携帯端末装置から送信された前記部分データの音声データを再生する再生手段と、前記表示手段によって表示された前記部分データに基づいて利用者による選択操作を受け付けた場合に、当該選択操作を受け付けた旨を前記携帯端末装置へ通知する選択操作通知手段と、前記選択操作通知手段によって前記選択操作を受け付けた旨を通知されたことによって前記携帯端末装置から前記音声データに対応する前記文字データの表示指示を受け付けたならば、当該文字データを表示する表示手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、車載装置に対して所定の情報を提供する携帯端末装置と車載装置とを有する情報提供システムであって、携帯端末装置が、文字データを含む提供情報を情報配信サーバ装置から取得し、文字データの一部である部分データを音声合成サーバ装置へ送信するとともに、部分データを音声へ変換した音声データを当該音声合成サーバ装置から取得し、車載装置から所定の通知を受け付けた際に音声データに対応する提供情報を車載装置で表示させる指示を行い、車載装置が、携帯端末装置からの情報を表示し、音声データを再生し、利用者による選択操作を受け付けた場合に、当該選択操作があった旨を携帯端末装置へ通知することとしたので、運転の安全性を損なうことなく、携帯端末装置への処理負荷を抑制することができるという効果を奏する。
【0015】
また、本発明によれば、携帯端末装置から送信される情報を再生する車載装置が、携帯端末装置から送信された文字データの一部である部分データを表示し、携帯端末装置から送信された部分データの音声データを再生し、表示された部分データに基づいて利用者による選択操作を受け付けた場合に、当該選択操作を受け付けた旨を携帯端末装置へ通知し、選択操作を受け付けた旨を通知されたことによって携帯端末装置から音声データに対応する文字データの表示指示を受け付けたならば、当該文字データを表示することとしたので、運転の安全性を損なうことなく、携帯端末装置への処理負荷を抑制することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、本実施例に係る情報提供システムの概要を示す図である。
【図2】図2は、本実施例に係る情報提供システムの構成を示すブロック図その1である。
【図3】図3は、本実施例に係る情報提供システムの構成を示すブロック図その2である。
【図4】図4は、提供情報の一例を示す図である。
【図5】図5は、RSSフィード登録画面の一例を示す図である。
【図6】図6は、RSSフィードリスト表示画面の一例を示す図である。
【図7】図7は、標題データ表示画面の一例を示す図である。
【図8】図8は、提供情報の一例を示す図である。
【図9】図9は、AV(Audio Visual)プロファイルを説明するための図である。
【図10】図10は、情報提供システムが実行する処理手順の概要を示すフローチャートその1である。
【図11】図11は、情報提供システムが実行する処理手順の概要を示すフローチャートその2である。
【図12】図12は、標題データ表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0017】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る情報提供システムおよび車載装置の好適な実施例を詳細に説明する。なお、以下では、本発明に係る情報提供システムの概要について図1を用いて説明した後に、本発明に係る情報提供システムおよび車載装置についての実施例を図2〜図12を用いて説明することとする。まず、本発明に係る情報提供システムの概要について図1を用いて説明する。
【0018】
図1は、本発明に係る情報提供システムの概要を示す図である。本発明に係る情報提供システムでは、携帯端末装置が取得した標題および本文を含むWebページの情報のうち標題のみを音声データへ変換し、変換された音声データの再生中に選択操作を受け付けた場合に、選択された標題に対応する本文を表示する。
【0019】
このように、本発明に係る情報提供システムでは、音声データを用いてメニュー選択の簡易化を図ることによって、車両を運転中のドライバーの負荷を軽減することができる点に主たる特徴がある。
【0020】
図1に示すように、自動車に搭載されるDA(Display Audio)のような車載装置と携帯端末とが近距離無線通信機能で連携し、また、携帯端末はWebページが公開されている情報配信サーバや、文字列を音声データへ変換する音声合成サーバに接続するものとする。
【0021】
ここで、DAとは、表示機能やオーディオ再生機能、携帯端末装置との通信機能といった基礎的な機能のみを実装し、携帯端末装置と連携することで多機能化する車載装置を指す。
【0022】
なお、情報配信サーバは、複数のWebページのタイトル、アドレス、標題、本文、要約、更新時刻などの情報を、規格化された形式で記述されたファイルであるRSS(Rich Site Summary)フィードを公開している。
【0023】
そして、利用者は、携帯端末装置を介し、RSSフィードが格納されているアドレス、すなわち、URL(Uniform Resource Locator)へアクセスすることによって、かかるRSSフィードの内容を取得する。
【0024】
まず、携帯端末装置の所有者(ここではドライバー)は、予め携帯端末装置に搭載されるアプリケーション(以下、単に「アプリ」と記載する)に所望のRSSフィードのURLを登録しておく。
【0025】
そして、ドライバーは、自身の所有する携帯端末装置を車両へ持ち込んだ場合、RSSフィードを取得するアプリを起動させて、車載装置へ提供する提供情報を取得する。
【0026】
具体的には、携帯端末装置のアプリは、予め登録されたURLへアクセスすることによってRSSフィードから、標題データおよび本文データを抽出した情報である提供情報を取得する(図1の(1)参照)。
【0027】
そして、携帯端末装置のアプリは、音声合成サーバへ標題データのみを送信し(図1の(2)参照)、音声合成サーバは標題データの文字列を音声へ変換し、音声データを生成する(図1の(3)参照)。つづいて、音声合成サーバは、生成された音声データを携帯端末装置へ送信し、携帯端末装置のアプリは、標題データとともに音声データを車載装置へ送信する。
【0028】
一方、車載装置は、携帯端末装置から受信した標題データのリストをディスプレイへ表示するとともに、音声データを自車両に搭載されるスピーカー等から標題データごとに音声再生する(図1の(4)参照)。
【0029】
ここで、標題データの音声再生中にドライバーによって所定の選択操作が行われた場合、たとえば、車載装置が備える所定のボタンや、車載装置のディスプレイに表示されたボタンが押下された場合、携帯端末装置のアプリは、かかる選択操作を受け付ける(図1の(5)参照)。
【0030】
そして、携帯端末装置のアプリは、選択操作を受け付けたならば、音声再生中の標題データが選択されたものとみなし、選択された標題データに対応する本文データを含んだ本文表示指示を車載装置へ送信する(図1の(6)参照)。これにより、車載装置は、受信した本文データを表示する。
【0031】
ところで、運転の安全性を確保するために、走行中に車載装置のディスプレイへ表示できる文字数の規制や、車載装置にて音声再生する文字数の制限が定められている。このため、本発明に係る情報提供システムでは、自車両が走行中であれば、上記した本文データの表示を保留し、自車両の停車後に、本文データをディスプレイへ表示することとした。
【0032】
このように、本発明に係る情報提供システムは、携帯端末装置によって取得されたWebページの標題データのみを音声合成サーバによって音声データに変換する。また、携帯端末装置は、所定の標題データに対応する音声データの再生中に所定の選択操作が行われたならば、かかる標題データに対応する本文データを表示対象として決定する。
【0033】
すなわち、本発明に係る情報提供システムでは、標題データおよび本文データの組からなる提供情報のうち、標題データのみを音声変換の対象とした。そして、音声データの再生中に所定の操作が行われたことをもって本文データの表示依頼がなされたとみなすことで、メニュー選択の簡易化を図ることとした。
【0034】
したがって、本発明に係る情報提供システムによれば、車両を運転中のドライバーの負荷を軽減することによって、運転の安全性を確保しつつ利便性を向上させることができる。また、本発明に係る情報提供システムでは、音声変換を音声合成サーバへ依頼することとしたので、携帯端末への処理負荷を抑制することができる。
【0035】
以下では、図1を用いて説明した本発明に係る情報提供システムについての実施例を詳細に説明する。まず、本実施例に係る情報提供システムの構成について図2および図3を用いて説明する。
【0036】
図2は、本実施例に係る情報提供システム1の構成を示すブロック図その1であり、図3は、本実施例に係る情報提供システム1の構成を示すブロック図その2である。なお、図2および図3では、情報提供システム1の特徴点を説明するために必要な構成要素についてのみ記載している。
【0037】
図2に示すように、情報提供システム1は、携帯端末装置10と、車載装置20と情報配信サーバ30と、音声合成サーバ40とを含んでいる。まず、携帯端末装置10の構成について説明する。
【0038】
図2に示すように、携帯端末装置10は、近距離通信部11と、通信I/F(インターフェース)12と、記憶部13と、制御部14とを備えている。また、制御部14は、提供情報取得部14aと、音声データ取得部14bと、音声再生指示部14cと、表示指示部14dとをさらに備えており、記憶部13は、提供情報13aと、音声データ13bとを記憶する。
【0039】
近距離通信部11は、ブルートゥース(Bluetooth:登録商標)などの近距離無線通信を用いて車載装置20との通信リンクをそれぞれ確立するとともに、確立した各通信リンクを用いて携帯端末装置10と車載装置20との間の通信処理を行う。
【0040】
ここで、ブルートゥース(登録商標)とは、2.4GHzの周波数帯を用いて半径数10m程度の無線通信を行う近距離無線通信規格であり、近年では、携帯電話やパーソナルコンピュータなどの電子機器に広く適用されている。
【0041】
ここでは、ブルートゥース(登録商標)を用いて携帯端末装置10/車載装置20間の通信を行う場合について説明するが、Wi−Fi(ワイファイ:登録商標)、ZigBee(ジグビー:登録商標)といった他の無線通信規格を用いることとしてもよい。また、携帯端末装置10/車載装置20間の通信を有線通信で行うこととしてもよい。
【0042】
通信I/F12は、情報配信サーバ30や音声合成サーバ40との間で、無線電波を送受信する図示しないアンテナに接続されており、無線通信を行うための通信デバイスで構成されている。たとえば、通信I/F12は、情報配信サーバ30のRSSフィードに含まれる提供情報を受信する。
【0043】
記憶部13は、不揮発性メモリやハードディスクドライブといった記憶デバイスで構成される記憶部である。この記憶部13は、情報配信サーバ30から取得したRSSフィードに含まれる標題データおよび本文データを提供情報13aとして記憶する。なお、提供情報13aの詳細については後述することとする。
【0044】
また、記憶部13は、音声合成サーバ40によって文字列から音声へ変換された音声データを音声データ取得部14bで取得し、音声データ13bとして記憶する。制御部14は、携帯端末装置10の全体制御を行う制御部である。
【0045】
提供情報取得部14aは、予め登録されている図示しないURLに基づいて情報配信サーバ30から複数の標題データおよび本文データを取得する。また、提供情報取得部14aは、取得した標題データおよび本文データを提供情報13aとして記憶させる処理を併せて行う。
【0046】
ここで、走行中に車載装置20のディスプレイへ表示できる文字数の規制や、車載装置20にて音声再生する文字数の制限が定められている。したがって、提供情報取得部14aは、取得した標題データおよび本文データが制限を超えないように調整して、提供情報13aに記憶させる。
【0047】
音声データ取得部14bは、提供情報取得部14aが取得した標題データに基づいて音声合成サーバ40から標題データの文字列から生成された音声データを取得する。また、音声データ取得部14bは、取得した音声データを記憶部13の音声データ13bへ記憶させる処理を併せて行う。
【0048】
音声再生指示部14cは、車載装置20に備える読上ボタン押下による音声再生操作を受け付けたならば、記憶部13に記憶される音声データ13bとともに音声再生指示を、標題データごとに車載装置20へ送信する。
【0049】
ここで、音声再生指示部14cは、送信した音声データ13bが再生中である旨を、提供情報13aへ登録するとともに、かかる音声データ13bに対応する標題データを強調表示する強調表示指示を車載装置20へ送信する処理を併せて行う。
【0050】
その後、音声再生指示部14cは、車載装置20の音声再生部25cから音声データ13bの再生終了通知を受け付けたならば、次の標題データに対応する音声データ13bとともに音声再生指示を車載装置20へ送信し、すべての音声データ13bについて上述した処理を繰り返す。
【0051】
また、音声再生指示部14cは、すべての音声データ13bについて、音声再生指示とともに車載装置20へ送信が終了したならば、記憶部13の音声データ13bを削除する。なお、記憶部13の音声データ13bを削除するタイミングは、提供情報取得部14aが、別の提供情報13aを取得したタイミングであってもよい。これにより、車載装置20は、ドライバーが聞き逃したりすることによって、再度音声データ13bを音声再生させる場合であっても、対応することができる。
【0052】
表示指示部14dは、提供情報取得部14aが取得した提供情報13aに記憶される標題データとともに標題データのリスト表示指示を車載装置20へ送信する。また、表示指示部14dは、音声データ13bの再生中に車載装置20から選択操作を受け付けたならば、かかる音声データ13bに対応する標題データが選択されたものとして、選択された標題データに対応する本文データとともに本文表示指示を車載装置20へ送信する。
【0053】
なお、表示指示部14dは、予め提供情報取得部14aによって記憶部13に記憶された提供情報13aに含まれる本文データを車載装置20へ送信する。しかし、車載装置20から選択操作を受け付けた際に、選択された標題データに対応する本文データを情報配信サーバ30に取得し、取得した本文データを車載装置20へ送信することとしてもよい。これにより、携帯端末装置10のリソースにかかる負担を軽減することができる。
【0054】
ここで、表示指示部14dは、本文表示指示を行う際、車両情報取得部25dからの車両情報に基づいて本文表示指示を車載装置20へ送信する。具体的には、表示処理部25bは、車載装置20を搭載した車両が停車中の場合は、本文表示指示を車載装置20へ送信する。また、表示処理部25bは、車両が走行中の場合は、本文表示指示を保留し、自車両が停止してから本文表示指示を車載装置20へ送信する。
【0055】
なお、表示指示部14dは、車載装置20を搭載した車両が停車中であるか走行中であるかを判定して本文表示指示を車載装置20へ送信することとした。しかし、車載装置20側で車両情報に基づいて表示指示部14dから受信した本文データを表示するか保留するかを判定することとしてもよい。
【0056】
つづいて、車載装置20の構成について説明する。図2に示すように、車載装置20は、近距離通信部21と、表示操作部22と、スピーカー23と、センサ24と、制御部25とを備えている。また、制御部25は、操作受付部25aと、表示処理部25bと、音声再生部25cと、車両情報取得部25dとをさらに備えている。
【0057】
近距離通信部21は、近距離通信部11と同様であるので、ここでは説明を省略する。表示操作部22は、標題データや本文データを表示する表示部と、音声再生操作や標題データの選択操作を受け付ける操作部とを備えている。
【0058】
たとえば、表示操作部22の表示部には、標題データや本文データを表示するディスプレイを備えており、また、操作部には、音声再生操作を行う音声データの「読上ボタン」や標題データの選択操作を行うための音声再生の「停止ボタン」を備えている。
【0059】
なお、表示操作部22に備えるディスプレイや各種操作を行う構成部品を限定する必要はない。したがって、指やポインティングデバイスなどの押圧感知により入力を受け付け、かつ表示出力も兼ねるタッチパネル式の液晶ディスプレイを用いることとしてもよい。
【0060】
また、HUD(Head-Up Display)等のディスプレイによってドライバー前方のフロントガラス部分に半透明状に構成してもよいし、ドライバー前方の計器部分に構成してもよいし、また、ドライバー前方のルームミラー部分に構成してもよい。
【0061】
スピーカー23は、音声データ13bの再生や、CD(Compact Disc)等の音楽データを再生するための音声出力機器である。ここでは、スピーカー23を車載装置20に備えるように構成したが、別体であるように構成してもよい。
【0062】
センサ24は、自車両の走行速度、走行距離、エンジンの回転速度、および、電圧等、種々の車両に関する情報(以下、「車両情報」と記載する)を検知する計測機器である。なお、センサ24についても車載装置20に備えるように構成したが、別体であるように構成してもよい。
【0063】
制御部25は、車載装置20の全体制御を行う制御部である。操作受付部25aは、表示操作部22からの各種操作を受け付けて、携帯端末装置10へ渡す処理を行う処理部である。
【0064】
具体的には、操作受付部25aは、ドライバーや同乗者によって音声データの「読上ボタン」が押下された場合は、音声再生操作を受け付けた旨を携帯端末装置10へ送信する。また、操作受付部25aは、音声再生中に音声再生の「停止ボタン」が押下された場合は、再生中の音声データ13bに対応する標題データが選択された旨を携帯端末装置10へ送信する。
【0065】
表示処理部25bは、表示指示部14dから標題データとともに標題データのリスト表示指示を受信したならば、表示操作部22へ受信した標題データのリストを表示する処理を行う処理部である。なお、表示操作部22のディスプレイの画面にすべての標題データが表示できない場合には、リストをスクロールさせてもよいし、複数の画面へ遷移するような表示手法によって表示させてもよい。
【0066】
また、表示処理部25bは、音声再生指示部14cから受信した音声データ13bに対応する標題データを強調表示する強調表示指示を表示指示部14dから受信したならば、該当する標題データの強調表示処理を併せて行う。強調表示手法としては、たとえば、かかる標題データをブリンクさせてもよいし、かかる標題データの表意色を他の標題データとは異なる表示色で表示してもよい。また、標題データにカーソルがフォーカスされた状態と同様の表示としてもよい。
【0067】
さらに、表示処理部25bは、ドライバーによって選択された標題データに対応する本文データとともに本文表示指示を表示指示部14dから受信したならば、ディスプレイへ受信した本文データを表示する処理を併せて行う。
【0068】
音声再生部25cは、音声再生指示部14cから音声データ13bとともに音声再生指示を受信したならば、受信した音声データ13bをスピーカー23によって再生する。また、音声再生部25cは、再生が終了したならば、再生終了通知を音声再生指示部14cへ送信する処理を併せて行う。
【0069】
なお、音声再生部25cでは、一つの標題データに対応する音声データ13bの再生が終了したならば、ドライバーに対して選択するか否かのメッセージまたはベル音等によって報知することとしてもよい。また、次の標題データに対応する音声データ13bを再生するまで、所定時間保留することとしてもよいし、ベル音等による報知とともに所定時間保留することとしてもよい。これによって、ドライバーが所望の標題データを選択するタイミングを逸機することを抑止することができる。
【0070】
車両情報取得部25dは、センサ24によって検知された車両情報を取得して、携帯端末装置10へ送信する。ここでは、車両情報は、自車両の走行速度であり、携帯端末装置10は、走行速度によって車載装置20を搭載した車両が停車中または走行中の判定を行う。なお、車両情報取得部25dは、車両情報として、走行速度ではなく、自車両が停車中であるか、または、走行中であるかを送信することとしてもよい。
【0071】
つぎに、情報配信サーバ30および音声合成サーバ40の構成について図3を用いて説明する。図3に示すように、情報配信サーバ30は、通信I/F31と、記憶部32と、制御部33とを備えている。また、制御部33は、提供情報送信部33aをさらに備えており、記憶部32は、Webページ32aを記憶する。
【0072】
通信I/F31は、携帯端末装置10との間で、データの送受信を行うための通信デバイスで構成されている。たとえば、通信I/F31は、携帯端末装置10からURLとともに提供情報送信指示を受信する。
【0073】
記憶部32は、不揮発性メモリやハードディスクドライブといった記憶デバイスで構成される記憶部である。この記憶部32は、RSSフィードやホームページのソース等のインターネット上で公開されている文書をWebページ32aとして記憶する。
【0074】
制御部33は、情報配信サーバ30の全体制御を行う制御部である。提供情報送信部33aは、携帯端末装置10からURLを受信したならば、URLに格納されているWebページ32aの情報を携帯端末装置10へ送信する。
【0075】
具体的には、携帯端末装置10から受信したURLにはRSSフィードのアドレスが指定してあり、提供情報送信部33aは、指定されたURLに格納されているRSSフィードから標題データおよび本文データを抽出して携帯端末装置10へ送信する。
【0076】
つづいて、音声合成サーバ40の構成について説明する。図3に示すように、音声合成サーバ40は、通信I/F41と、記憶部42と、制御部43とを備えている。また、制御部43は、文字列取得部43aと、音声変換部43bと、音声データ送信部43cとをさらに備えており、記憶部42は、辞書情報42aを記憶する。
【0077】
通信I/F41は、携帯端末装置10との間で、データの送受信を行うための通信デバイスで構成されている。たとえば、通信I/F41は、携帯端末装置10から標題データとともに音声データ変換指示を受信する。
【0078】
記憶部42は、不揮発性メモリやハードディスクドライブといった記憶デバイスで構成される記憶部である。この記憶部42は、文字列を音声データへ変換する際に使用する辞書情報42aを記憶する。
【0079】
制御部43は、音声合成サーバ40の全体制御を行う制御部である。文字列取得部43aは、携帯端末装置10から標題データとともに音声データ変換指示を受信したならば、音声変換部43bへ、標題データの文字列を渡す処理を行う処理部である。
【0080】
音声変換部43bは、文字列取得部43aから受け付けた標題データの文字列を辞書情報42aに基づいて音声へ変換し、音声データを生成して、音声データ送信部43cへ渡す処理を行う処理部である。なお、辞書情報42aは必然ではなく、辞書情報42aを使用せずに音声へ変換することとしてもよい。
【0081】
音声データ送信部43cは、音声変換部43bから受け付けた音声データを携帯端末装置10の音声データ取得部14bへ送信する処理を行う処理部である。
【0082】
つぎに、携帯端末装置10の記憶部13に記憶される提供情報13aの詳細について図4を用いて説明する。図4は、提供情報13aの一例を示す図である。
【0083】
図4に示すように、提供情報13aは、「標題」項目と、「本文」項目と、「音声データ」項目と、「再生中」項目と、「本文表示」項目とを含んでいる。なお、提供情報13aは、かかる項目で構成される情報を1レコードとしたレコードの集合体である。「標題」項目および「本文」項目は、提供情報取得部14aが受信した標題データおよび本文データである。
【0084】
「音声データ」項目は、音声データ取得部14bが取得した標題データごとの音声データ13bのファイル名である。なお、「音声データ」項目はファイル名でなくてもよく、たとえば、音声データ13bが記憶される記憶部13のアドレスであってもよい。
【0085】
また、図4に示したようなmp3(MPEG Audio Layer-3)形式の音声データのファイルは、デジタル音声のための圧縮音声ファイルフォーマットである。しかし、音声データ13bを音声再生する車載装置20の性能によって最低限の圧縮形式となるよう、他のファイルフォーマットの音声データを使用することとしてもよい。
【0086】
「再生中」項目は、標題データに対応する音声データ13bが再生中であるか否かのフラグである。たとえば、音声データのファイル名が「01.mp3」である音声データ13bを音声再生部25cへ送信したならば、かかる音声データ13bは再生中であるとし、「再生中」項目に「ON」がセットされる(図4の1行目参照)。その後、音声再生部25cから再生終了通知を受信したならば、かかる「再生中」項目には「OFF」がセットされる。
【0087】
「本文表示」項目は、どの本文データが選択されたかを示すフラグである。たとえば、音声データのファイル名が「01.mp3」である音声データ13bの再生中に車載装置20から選択操作を受け付けた場合について説明する。この場合、「01.mp3」である音声データ13bに対応する標題データが選択されたものとして、「本文表示」項目に「ON」がセットされる(図4の1行目参照)。
【0088】
つぎに、予め携帯端末装置10に搭載されるアプリにドライバーの所望するRSSフィードのURLを登録する処理について図5および図6を用いて説明する。図5は、RSSフィード登録画面の一例を示す図であり、図6は、RSSフィードリスト表示画面の一例を示す図である。
【0089】
RSSフィードのURLを登録する際には、ドライバーは携帯端末装置10に搭載されるアプリを起動し、図示しないメニュー等より「RSSフィード登録」を選択した場合、携帯端末装置10のディスプレイには、図5に示すような登録画面が表示される。
【0090】
そして、ドライバーは、「カテゴリ」を入力して、RSSフィードの「URL」を入力し、「登録」ボタンを押下すると、入力したRSSフィードのURLがカテゴリごとにアプリに登録されることとなる。
【0091】
なお、カテゴリは、「カテゴリ」の入力フィールド右に備える三角ボタンを押下することによって、アプリで予め分類された選択リストから選択することができてもよい。また、カテゴリを指定しないでURLの登録ができることとしてもよい。
【0092】
また、携帯端末装置10によって所望のRSSフィードの内容が表示されているURLに直接アクセスして、ブラウザに表示した際に、図示しない「サブメニュー」の中の「RSSフィード登録」を選択することによって、表示中のURLがアプリに登録されることとしてもよい。
【0093】
このようにして、登録したRSSフィードのURLを、図6に示したように、カテゴリごとにリスト表示された画面によって、ドライバーは確認することができる。また、アプリでは、ドライバーによってリストの一部を選択され、「削除」ボタンが押下されたことによって選択されたURLを削除する。
【0094】
つぎに、車載装置20のディスプレイへ表示される標題データの表示画面について図7を用いて説明する。図7は、標題データ表示画面の一例を示す図である。ここでは、車載装置20のディスプレイが、タッチパネル式の液晶ディスプレイである場合について説明する。
【0095】
図7の(A)に示すように、車載装置20のディスプレイには標題データのリストが表示されており、画面には標題A、B、Cが表示され、他の標題については、ドライバーはスクロールすることによって確認することができる。
【0096】
また、ディスプレイには、タッチ操作によって操作指示が可能な「戻る」ボタン101や「読上」ボタン102が表示されている。車載装置20は、「戻る」ボタン101がタッチされた場合に、前画面を表示する。前画面については、たとえば、標題データのカテゴリを選択する画面であってもよい。
【0097】
「読上」ボタン102は音声再生操作を受け付けるボタンであり、車載装置20は、「読上」ボタン102がタッチされた場合に、ディスプレイへ表示されている標題データの音声再生を行う。
【0098】
ここで、音声再生中は、図7の(B)に示すように、「読上」ボタン102は、「停止」ボタン105へ変更され、選択操作を受け付けるボタンとなる。また、音声データ13bが再生されている標題データは、強調表示される。図7の(B)には、標題Bの音声データ13bが再生されている場合について示した。
【0099】
「停止」ボタン105は選択操作を受け付けるボタンであり、車載装置20は、「停止」ボタン105がタッチされた場合に、音声再生を停止し、自車両が停車中であれば、再生中であった音声データ13bに対応する本文データの表示を行う。
【0100】
なお、情報提供システム1では、各種操作ボタン押下によって音声再生操作や選択操作を受け付けていた。しかし、近年では、音声認識エンジンを搭載した携帯端末も普及してきている。
【0101】
そこで、情報提供システム1では、音声認識エンジンを搭載した携帯端末装置10で構成されるようにしてもよい。また、ヘッドセットマイクなどのハンズフリーユニットによって携帯端末装置10または車載装置20へ音声入力できるような構成としてもよい。
【0102】
そして、音声入力された音声を携帯端末装置10に搭載された音声認識エンジンによって解析し、文字データとして取り出し、所定の文字データを音声再生操作や選択操作として割り当てることとしてもよい。
【0103】
たとえば、携帯端末装置10は、「よみあげ」と音声入力された場合には、音声再生操作を受け付けたものとし、また、「ほんぶん」と音声入力された場合には、選択操作を受け付けたものとして各操作に対応した処理を行う。これにより、ドライバーは、車載装置20への手動操作を行う必要もなく、情報提供システム1は、運転の安全性を担保することができる。
【0104】
さて、これまでは、ディスプレイに表示されている操作ボタンについて説明した。自動車に搭載されるDA(Display Audio)のような車載装置20のディスプレイには、ディスプレイへのタッチ操作による操作部の他に、画面枠部分等に操作ボタンを備えている。
【0105】
ここでは、図7の(A)に示すように、車載装置20のディスプレイにはSETボタン103や電源ボタン104を備えているとする。このような操作ボタンに、所定の機能を付与することとしてもよい。
【0106】
たとえば、SETボタン103に、音声データ13bが再生されている標題データだけでなく複数の標題データに対応する本文データを車載装置20のディスプレイへ表示する場合の選択操作を受け付ける機能を付与した場合について図8を用いて説明する。
【0107】
図8は、提供情報13aの一例を示す図である。車載装置20は、音声再生中にSETボタン103が押下された場合に、複数選択操作を受け付けた旨を表示指示部14dへ送信し、音声再生を継続する。
【0108】
一方、表示指示部14dは、音声データ13bの再生中に車載装置20から複数選択操作を受け付けたならば、かかる音声データ13bに対応する標題データが選択されたものとして、提供情報13aの「本文表示」項目を「ON」にセットする。そして、音声再生中にSETボタン103が押下された場合には、上述した処理を繰り返す。
【0109】
その後、車載装置20は、すべての音声データ13bの音声再生が終了した時点、または、図示しない操作ボタン押下によって本文表示操作を受け付けた場合に、提供情報13aの「本文表示」項目が「ON」となっている本文データすべてをディスプレイへ表示する。このように、ドライバーは容易な操作によって、気になる標題データをブックマークして、自車両が停車した際に、ブックマークされた本文データを閲覧することができる。
【0110】
図8には、音声データのファイル名が「01.mp3」および「03.mp3」である音声データ13bの再生中に車載装置20からそれぞれ複数選択操作を受け付けた場合の提供情報13aについて示した(図8の1行目、3行目参照)。このような提供情報13aの場合、車載装置20は、音声データのファイル名が「01.mp3」および「03.mp3」に対応する本文データをディスプレイへ表示することとなる。
【0111】
つぎに、車載装置20に採用されるAV(Audio Visual)プロファイルについて図9を用いて説明する。図9は、AV(Audio Visual)プロファイルを説明するための図である。
【0112】
ここで、AV(Audio Visual)プロファイルとは、音響/映像関連の標準化された技術仕様において、音声/映像データを配信するための手順や使用するプロトコル等が規定されている仕様のことである。
【0113】
情報提供システム1では、ブルートゥース(登録商標)の近距離無線通信によって携帯端末装置10で再生される音楽データを車載装置20に備えるスピーカー23へ音声出力する際、A2DP(Advanced Audio Distribution Profile)を使用している。なお、A2DPとは、ブルートゥース(登録商標)のAVプロファイルの一つである。
【0114】
また、情報提供システム1では、標題データが変換された音声データ13bを再生する場合には、SPP(Serial Port Profile)と呼ばれる機器間をシリアル接続するためのAVプロファイルを使用している。なお、使用するAVプロファイルについては、これに限定されるものではなく、他の構成にて実施されてよい。
【0115】
このように、情報提供システム1は、A2DPとSPPとの二つの異なるAVプロファイルを使用することによって、双方の音声が干渉されることなく再生することができる。また、A2DPによって音楽データの再生中に音声データ13bを再生する場合に、所定のスピーカー23の出力レベルを、AVプロファイルごとに変化させて音声再生することとしてもよい。
【0116】
具体的には、図9に示したように、車両の前方および後方の左右にスピーカー23を設置した場合について説明する。まず、車両に設置された四つのスピーカー23によって、音楽データが再生されていたとする。
【0117】
そこで、音声再生指示部14cが音声再生操作を受け付けた場合に、音声データ13bの音声再生指示を車載装置20へ送信する。一方、車載装置20は、音声再生指示を受信して、音声データ13bを音声再生する際、所定のスピーカー23のA2DPによる出力レベルを下げることとする。
【0118】
たとえば、車載装置20は、ドライバーの近傍のスピーカー23であるスピーカーBの出力レベルを、音声データ13bに対してのみ出力レベルを上げ、音楽データに対してはミュート(無音)とする。
【0119】
また、その他のスピーカー23であるスピーカーA,C,Dの出力レベルについては、音楽データに対してのみ出力レベルを上げ、音声データ13bに対してミュートとする。このようにすることによって、ドライバー横に乗車している同乗者にとっては聞こえていた音楽データが遮断されることなく、ドライバーに対してのみ音声データ13bが聞こえることとなる。
【0120】
つぎに、本実施例に係る携帯端末装置10が実行する情報提供処理手順の詳細について図10〜図11を用いて説明する。図10は、情報提供システムが実行する処理手順の概要を示すフローチャートその1であり、図11は、情報提供システムが実行する処理手順の概要を示すフローチャートその2である。ここでは、車載装置20から複数選択操作を受け付けた場合について説明する。
【0121】
図10に示すように、提供情報取得部14aは、通信I/F12経由で情報配信サーバ30から提供情報13aを取得し(ステップS101)、音声データ取得部14bは、音声合成サーバ40から標題データの音声データ13bを取得する(ステップS102)。
【0122】
そして、表示指示部14dは、提供情報取得部14aが取得した提供情報13aに記憶される標題データとともに標題データのリスト表示指示を車載装置20へ送信する(ステップS103)。
【0123】
そして、音声再生指示部14cは、車載装置20に備える読上ボタン押下による音声再生操作を受け付けたか否かを判定し(ステップS104)、音声再生操作を受け付けていないと判定された場合(ステップS104,No)、ステップS104の判定処理を繰り返す。
【0124】
一方、音声再生指示部14cは、音声再生操作を受け付けたと判定された場合(ステップS104,Yes)、先頭レコードの提供情報13aへ移動し(ステップS105)、以下の処理を行う。
【0125】
音声再生指示部14cは、かかるレコードの提供情報13aに対応する音声データ13bがあるか否かを判定し(ステップS106)、音声データ13bがある場合に(ステップS106,Yes)、提供情報13aの「再生中」項目を「ON」にセットする(ステップS107)。
【0126】
そして、音声再生指示部14cは、音声データ13bとともに音声再生指示を、車載装置20へ送信する(ステップS108)。その後、表示指示部14dは、音声データ13bの再生中に車載装置20から複数選択操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS109)。
【0127】
表示指示部14dは、音声データ13bの再生中に車載装置20から複数選択操作を受け付けた場合(ステップS109,Yes)、提供情報13aの「本文表示」項目を「ON」にセットする(ステップS110)。
【0128】
一方、表示指示部14dは、音声データ13bの再生中に車載装置20から複数選択操作を受け付けなかった場合(ステップS109,No)、ステップS111へ処理を移行する。
【0129】
その後、音声再生指示部14cは、音声再生部25cから音声データ13bの再生終了通知を受け付けたことによって再生が終了したものとして、提供情報13aの「再生中」項目を「OFF」にセットする(ステップS111)。
【0130】
そして、音声再生指示部14cは、次のレコードの提供情報13aへ移動して(ステップS112)、ステップS106へ処理を移行し、すべてのレコードの提供情報13aに対してステップS106〜ステップS112の処理を繰り返す。
【0131】
一方、音声再生指示部14cは、ステップS106で、音声データ13bがない場合に(ステップS106,No)、すべてのレコードの提供情報13aに対して処理が終了したものとして、ステップS113へ処理を移行する。
【0132】
ステップS113で、表示指示部14dは、車両情報取得部25dから受信した車両情報に基づいて車両が停車中であるか走行中であるかを判定し(ステップS113)、走行中である場合(ステップS113,No)、車両が停車中となるまでステップS113の判定処理を繰り返す。
【0133】
また、表示指示部14dは、車両が停車中となった場合(ステップS113,Yes)、提供情報13aの「本文表示」項目が「ON」とセットされた標題データが選択されたのもとして、選択された標題データに対応する本文データとともに本文表示指示を車載装置20へ送信して(ステップS114)、携帯端末装置10が実行する一連の情報提供処理を終了する。
【0134】
このように、本発明に係る情報提供システム1は、携帯端末装置10が取得した標題および本文を含むWebページの情報のうち標題のみを音声合成サーバ40によって音声データ13bへ変換し、変換された音声データ13bを車載装置20によって再生中に選択操作を受け付けた場合、選択された標題に対応する本文を車載装置20のディスプレイへ表示することとしたので、本発明に係る情報提供システム1では、音声データによるメニュー選択の簡易化を図ることが可能となり、運転の安全性を損なうことなく、携帯端末への処理負荷を抑制することができる。
【0135】
なお、上述した実施例では、情報配信サーバ30から取得したWebページ32aのRSSフィードに含まれる標題データと本文データとを提供情報13aとする構成とした。しかし、このように、標題データおよび本文データの組合せは限定する必要はない。上記した構成以外にも、種々の異なる情報提供システム1の構成にて実施されてよいものである。
【0136】
以下では、提供情報13aの元データとなる対象を、電子メールの送受信を行うメールサーバから送受信した電子メールとして構成した場合について図12を用いて説明する。図12は、標題データ表示画面の一例を示す図である。
【0137】
この場合、携帯端末装置10の提供情報取得部14aは、メールサーバから携帯端末装置10宛の電子メールを取得して、件名および本文を提供情報13aとして記憶する。また、音声データ取得部14bは、取得した電子メールの件名のみを音声データ13bに変換し、車載装置20によって音声再生される。
【0138】
ここで、図12に示したように、車載装置20のディスプレイには、件名リストが表示される。音声再生操作や選択操作については、上述した手法と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0139】
これにより、ドライバーは、運転中であっても自身の携帯端末装置10に届いた電子メールの件名を音声で確認することができ、また、簡単な操作によって停車中に所望の電子メールの本文を視認することができる。
【産業上の利用可能性】
【0140】
以上のように、本発明に係る情報提供システムおよび車載装置は、車載装置を用いて選択操作が行われる場合に有用であり、特に、運転の安全性を損なうことなく、携帯端末への処理負荷を抑制させたい場合に適している。
【符号の説明】
【0141】
1 情報提供システム
10 携帯端末装置
11 近距離通信部
12 通信I/F
13 記憶部
14 制御部
14a 提供情報取得部
14b 音声データ取得部
14c 音声再生指示部
14d 表示指示部
20 車載装置
21 近距離通信部
22 表示操作部
23 スピーカー
24 センサ
25 制御部
25a 操作受付部
25b 表示処理部
25c 音声再生部
25d 車両情報取得部
30 情報配信サーバ
31 通信I/F
32 記憶部
32a Webページ
33 制御部
33a 提供情報送信部
40 音声合成サーバ
41 通信I/F
42 記憶部
42a 辞書情報
43 制御部
43a 文字列取得部
43b 音声変換部
43c 音声データ送信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車載装置に対して所定の情報を提供する携帯端末装置と前記車載装置とを有する情報提供システムであって、
前記携帯端末装置は、
文字データを含む提供情報を情報配信サーバ装置から取得する提供情報取得手段と、
前記文字データの一部である部分データを音声合成サーバ装置へ送信するとともに、前記部分データを音声へ変換した音声データを当該音声合成サーバ装置から取得する音声データ取得手段と、
前記車載装置から所定の通知を受け付けた際に前記音声データに対応する前記提供情報を前記車載装置で表示させる指示を行う表示指示手段と
を備え、
前記車載装置は、
前記携帯端末装置からの情報を表示する表示手段と、
前記音声データを再生する再生手段と、
利用者による選択操作を受け付けた場合に、当該選択操作があった旨を前記携帯端末装置へ通知する選択操作通知手段と
を備えたことを特徴とする情報提供システム。
【請求項2】
前記音声データを前記車載装置で再生させる指示を行う再生指示手段
をさらに備え、
前記表示指示手段は、
前記部分データのリストを前記車載装置で表示させる指示を行うとともに、前記再生指示手段による指示によって再生中の前記音声データに対応する前記部分データを強調表示させる指示を行うことを特徴とする請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項3】
前記車載装置は、
当該車載装置が搭載された車両の走行状態を取得する走行状態取得手段
をさらに備え、
前記表示指示手段は、
前記走行状態取得手段によって車両が走行中である旨が取得された場合には、前記提供情報の表示指示を保留し、前記走行状態取得手段によって車両が停車中である旨が取得されたならば、保留中の前記表示指示を前記車載装置に対して行うことを特徴とする請求項1または2に記載の情報提供システム。
【請求項4】
前記提供情報取得手段は、
あらかじめ登録されたアドレスに対応するWebページを前記情報配信サーバ装置から取得するとともに、当該Webページから前記提供情報を抽出することを特徴とする請求項1、2または3に記載の情報提供システム。
【請求項5】
携帯端末装置から送信される情報を再生する車載装置であって、
前記携帯端末装置から送信された文字データの一部である部分データを表示する部分表示手段と、
前記携帯端末装置から送信された前記部分データの音声データを再生する再生手段と、
前記表示手段によって表示された前記部分データに基づいて利用者による選択操作を受け付けた場合に、当該選択操作を受け付けた旨を前記携帯端末装置へ通知する選択操作通知手段と、
前記選択操作通知手段によって前記選択操作を受け付けた旨を通知されたことによって前記携帯端末装置から前記音声データに対応する前記文字データの表示指示を受け付けたならば、当該文字データを表示する表示手段と
を備えたことを特徴とする車載装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−23510(P2012−23510A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−159197(P2010−159197)
【出願日】平成22年7月13日(2010.7.13)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】