説明

情報提供媒体および情報提供システム

【課題】ユーザが現在位置から参照位置までの移動時間を容易に把握することを可能とする手段を提供する。
【解決手段】情報誌の地図掲載ページには、ホテルや駅等の基準地点と基準地点の周辺の飲食店等の参照地点との位置関係を示す地図が掲載されている。その地図には、基準地点を中心とする等間隔の同心円が複数、記載されている。それらの同心円の各々は、基準地点からの徒歩による移動時間が概ね1分、2分、3分、・・・の範囲を示す。また、地図上には、参照位置の各々を識別する識別表示として正数が付されており、その識別表示の順に各参照位置に関する情報が地図の欄外に掲載されている。欄外の情報は、識別表示により詳細店舗情報を掲載する他のページと対応付けられている。詳細店舗情報には最新情報を配信するWebページのURLを示す二次元コードが含まれている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲食店情報等の情報を一般の消費者に対し提供するための情報提供媒体および情報提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般利用者が、多数の店舗の中から自分の目的に応じた店舗等を探し出す必要に迫られることがよくある。例えば、食事時に飲食店を探す場合がその例である。
【0003】
一般利用者が目的の店舗等を探し出すための手段として、古くからタウン情報誌等の紙媒体が利用されてきた。例えば一般的なタウン情報誌には、そのタウン情報誌がカバーする全エリアの地図と、店舗等の詳細情報が掲載されている。地図には各店舗等の位置を示す番号表示が付されており、その番号表示によって店舗等の詳細情報との対応関係が分かるようになっているものが多い。一般利用者は自分の現在位置から近い店舗等の番号表示を地図から見つけ出し、その番号表示に対応する店舗等の詳細情報を参照することで、好みの店舗等を特定することができる。
【0004】
また、近年では、インターネットを介したデータ通信機能を備えたPC(Personal Computer)や携帯電話等の通信機器を用いて、一般利用者が店舗等の情報を示すWebページを通信機器の表示部に表示させることで、目的の店舗等を探し出すことも広く行われている。
【0005】
例えば、Google社(アメリカ合衆国、カリフォルニア州)が提供する「Googleマップ」と呼ばれる情報提供システムによれば、一般利用者が通信機器の表示部に表示されるWebブラウザ内において、検索欄に基準地点、参照地点のグループ名、という順に入力を行った後、検索ボタンをクリック等することにより、基準地点およびその周辺に位置する参照地点の位置を示す地図を表示部に表示させることができる。
【0006】
図11は、非特許文献1の内容を示す画面表示のハードコピーである。図11においては、Googleマップにおいて基準地点として「首里駅」、参照地点のグループ名として「飲食店」が入力され、検索が行われた場合に通信機器の表示部に表示される情報が示されている。その場合、首里駅周辺の飲食店の各々の位置を示すアルファベット表示を含む地図が表示される。
【0007】
さらに、それらのアルファベット表示により識別される各々の飲食店の詳細情報の一部が画面左側に表示される。一般利用者が飲食店名の右に表示される「詳細」をクリックすると、クリックされた飲食店の詳細情報が表示される。
【0008】
上述したGoogleマップやそれと類似の情報提供システムによれば、一般利用者は適当な検索キーワードを通信機器に入力することにより、比較的容易に自分の目的に応じた店舗等を探し出すことができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Googleマップ、[online]、平成22年7月5日、Google社、[平成22年7月5日検索]、インターネット〈URL:http://maps.google.co.jp/〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
食事時に飲食店を探す場合など、一般利用者が目的に適った店舗を探し出す際、現在位置からの移動時間が重要なファクタとなる。従来技術による場合、現在位置からの移動時間を知るためには、地図に表示されているスケールに基づき、地図上で距離の計測を行い、さらにその距離を移動するために要する時間を計算する必要がある。
【0011】
例えば、100メートルの距離を示すスケールが地図上に表示されている場合、現在位置と目的の参照位置との地図上の距離が、100メートルのスケールの示す長さの何倍であるかを目分量で見極める等により、実際の距離を把握する。続いて、そのように把握した現在位置と参照位置との実際の距離を、徒歩による移動速度(例えば80メートル/分)で除することにより移動時間を求める、という計算を行う。このような地図に基づく移動時間の計算は面倒である。
【0012】
上記の事情に鑑み本発明は、ユーザが現在位置から参照位置までの移動時間を容易に把握することを可能とする手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題を解決するため、本発明は、
基準地点と、前記基準地点を中心とする所定半径の円または円弧と、前記基準地点を基準とする1以上の参照地点の各々の地理上の位置関係を示す表示と、前記1以上の参照地点の各々を識別する表示とを含む地図と、
前記識別する表示の各々に関し当該識別する表示により識別される参照地点の属性と
を視認可能に表示する媒体である情報提供媒体
を第1の実施態様として提供する。
【0014】
また、上記第1の実施態様において、
前記円または円弧は、前記基準地点を中心とする3以上の同心円もしくは同心円弧であって、前記3以上の同心円もしくは同心円弧のうち互いに隣接する2つの円もしくは円弧の半径の差が一定である
構成が第2の実施態様として採用されてもよい。
【0015】
さらに、上記第1または第2の実施態様において、
印刷による画像形成により前記地図および前記属性を視認可能に表示し、
前記参照地点の属性は、対応する参照地点の最新の属性を示すデータである属性データを格納するノードを含むネットワークにおいて当該属性データを識別する識別情報を示す二次元コードを含む
構成が第3の実施態様として採用されてもよい。
【0016】
さらに、上記第1または第2の実施態様において、
ネットワークを介してページの表示を指示するページデータを受信する受信部と、
前記受信部により受信されたページデータに従いページを表示する表示部と、
ユーザの操作に応じて所定のデータを出力するデータ入力部と
を備え、
前記受信部は、前記1以上の参照地点のうち少なくとも前記データ入力部から出力されたデータにより示される条件を満たす属性を有する参照地点に関して、当該参照地点の最新の属性を示すデータである属性データを格納するネットワーク内のノードから当該最新の属性を表示するページの表示を指示するページデータを受信し、
前記表示部により、前記1以上の参照地点のうち前記データ入力部から出力されたデータにより示される条件を満たさない属性を有する参照地点に関して、前記基準地点を基準とする当該参照地点の地理上の位置関係を示す表示および当該参照地点を識別する表示のいずれも含まない前記地図と、当該参照地点に関する属性を含まない前記属性とを視認可能に表示する
構成が第4の実施態様として採用されてもよい。
【0017】
また、本発明は、
上記第3または第4に記載の情報提供媒体と、
前記1以上の参照地点のうち少なくとも1の参照地点に関し、当該参照地点の最新の属性を示す前記属性データを格納するノードと、
前記ノードに対し前記ノードが格納する前記属性データを所定の内容に更新することを指示する更新指示を示す二次元コードを印刷による画像形成により視認可能に表示する媒体である属性更新用シートと
を備え、
前記ノードは、前記属性更新用シートにより表示される二次元コードを光学的に読み取ることにより生成された当該二次元コードが示す更新指示を含む更新指示データを、ネットワークを介して一の通信装置から受信し、当該受信した更新指示データに従い自機が格納している前記属性データを更新する
情報提供システム
を第5の実施態様として提供する。
【0018】
また、上記第5の実施態様において、
前記一の通信装置はユニークな電話番号を割り当てられた携帯電話であり、
前記更新指示データは前記携帯電話から送信される電子メッセージであり、
前記ノードは前記電子メッセージの送信元情報に基づき更新すべき属性データを特定する
構成が第6の実施態様として採用されてもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明の第1の実施態様にかかる情報提供媒体によれば、ユーザは、例えば特定のホテルといった基準地点を中心とする円または円弧の表示に基づき、基準地点から例えば徒歩1分圏内の範囲を直ちに把握することができる。
【0020】
本発明の第2の実施態様にかかる情報提供媒体によれば、等間隔の同心円または同心円弧の表示に基づき、ユーザは基準地点から参照地点までの移動時間が例えば徒歩で約2分であるか、あるいは約3分であるか、ということを直ちに把握することができる。
【0021】
本発明の第3の実施態様にかかる情報提供媒体によれば、ユーザは、いわゆる印刷物による情報提供媒体の利便性と、インターネット等のネットワークを介したデータ取得によりページの表示を行う電子的な情報提供媒体の利便性の両方を享受することができる。
【0022】
より具体的に言えば、本発明の第3の実施態様にかかる情報提供媒体はいわゆる印刷物であるため、気軽にポケットや鞄に入れて持ち運ぶことができる、手軽にメモ書き等をすることができる、等々の利便性を備えている。また、本発明の第3の実施態様にかかる情報提供媒体には店舗等の最新の情報を示すデータにリンクされた二次元コードが印刷されているため、ユーザは二次元コードのデコード機能を備えた携帯電話等の通信機器によりその二次元コードを読み取り所定の操作を行うことで、店舗等の最新情報を容易に通信機器に表示させることができる。従って、本発明の第3の実施態様にかかる情報提供媒体は、鮮度の高い情報の提供、という電子的な情報提供媒体の利便性も提供する。
【0023】
本発明の第4の実施態様にかかる情報提供媒体によれば、ユーザは、関心のない参照位置に関する表示を含まない地図および詳細情報を得ることができ、目的に適った店舗等の検索を容易に行うことができる。例えば、ユーザが午後2時30分に1,000円以下でランチが食べられる飲食店を探したい場合、ユーザは自分の通信機器に「予算:1,000円以下」「ランチ:あり」といった条件を入力し検索を実行させることにより、その時間帯に1,000円以下でランチ提供をしている飲食店のみを含む地図および店舗情報を見ることができる。従って、ユーザは詳細情報を確認することなく予算オーバーの飲食店やランチ提供のない飲食店、その時間帯にランチ提供が終わっている飲食店等を検索の対象から外すことができ、便利である。
【0024】
本発明の第5の実施態様にかかる情報提供システムによれば、例えば店舗の従業員が通信機器を用いて属性更新用シートに印刷されている二次元コードを読み取る操作を行うことにより、インターネット等のネットワークを介して一般ユーザに提供される店舗の詳細情報を最新のものに更新することができる。
【0025】
本発明の第6の実施態様にかかる情報提供システムによれば、現在普及している多くの携帯電話が標準的に装備している電子メール等の電子メッセージ送信機能と、QRコード(登録商標、株式会社デンソーウェーブ)等の二次元コードの読取機能とを用いることにより、新たな通信機器の導入を要することなく店舗等の詳細情報の更新が可能となる。また、携帯電話は持ち主以外の人に使用されないようにPINコード等で保護されている上、通信料課金等の目的で各携帯電話の識別が電話番号に基づき厳密に行われるため、携帯電話から送信される電子メッセージの送信元を偽装することが極めて困難である。従って、別途、本人認証のためにユーザIDとパスワードの入力等を店舗の従業員等に求めることを要さず、便利である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】図1は、本発明の一実施形態にかかる情報提供システムの全体構成を示した図である。
【図2】図2は、本発明の一実施形態にかかる情報誌に含まれる地図掲載ページの内容を模式的に示した図である。
【図3】図3は、本発明の一実施形態にかかる情報誌に含まれる掲載店舗一覧ページの内容を模式的に例示した図である。
【図4】図4は、本発明の一実施形態にかかる情報誌に含まれる詳細店舗情報ページの内容を模式的に例示した図である。
【図5】図5は、本発明の一実施形態にかかる情報提供システムにおいて提供される携帯電話用Webページの内容を模式的に例示した図である。
【図6】図6は、本発明の一実施形態にかかる情報提供システムにおいて提供されるPC用Webページの内容を模式的に例示した図である。
【図7】図7は、本発明の一実施形態にかかる情報提供システムにおいて提供されるPC用Webページの内容を模式的に例示した図である。
【図8】図8は、本発明の一実施形態にかかるサーバ装置に記憶されている店舗データの内容を模式的に例示した図である。
【図9】図9は、本発明の一実施形態にかかる更新用ブックに印刷されている内容の一部を模式的に例示したものである。
【図10】図10は、本発明の一実施形態にかかる更新指示用電子メールの内容を模式的に示した図である。
【図11】図11は、従来技術にかかるWebページの内容を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
(実施形態)
以下に、本発明の一実施形態にかかる情報提供システム1の構成および動作を説明する。情報提供システム1は、店舗を利用する一般ユーザに対し、ホテルや駅といった基準地点の周辺に位置する飲食店等の店舗情報を提供するシステムである。図1は、情報提供システム1の全体構成を示した図である。
【0028】
情報提供システム1は、いわゆる紙媒体の情報誌11と、情報誌11の内容とほぼ同様の内容を一般ユーザの携帯電話やPC等の通信機器に配信するサーバ装置12と、サーバ装置12に記憶されている店舗情報を店舗の従業員等(以下、「店舗ユーザ」という)が携帯電話等の通信機器を用いて更新するために用いられるQRコード(登録商標)が印刷された紙媒体の冊子である更新用ブック13とを備えている。なお、情報提供システム1において採用される二次元コードはQRコード(登録商標)に限られないが、以下の説明においては現在、最も普及している二次元コードであるQRコード(登録商標)が用いられるものとする。
【0029】
情報提供システム1においては、多数の情報誌11の各々が任意の一般ユーザに配布されるが、図1においては図が煩雑になるのを防ぐため、一般ユーザAに配布された情報誌11aのみが示されている。また、情報提供システム1においては、多数の店舗の各々に関し1名以上の店舗ユーザが更新用ブック13を用いた店舗情報の更新を行うが、図1においては図が煩雑になるのを防ぐため、店舗ユーザXが利用する更新用ブック13xのみが示されている。なお、店舗ユーザXは例として、飲食店「いろは食堂」の従業員であるものとする。
【0030】
一般ユーザAは、自分が携帯する携帯電話21aを用いて情報誌11aに印刷されているQRコード(登録商標)を読み取ることにより、携帯電話21aの表示部に最新の店舗情報を表示させることができる。
【0031】
また、一般ユーザAは、自分が使用するPC22aのブラウザ機能を用いて、ブラウザに情報誌11に掲載されているURL(Uniform Resource Locator)を入力することにより、PC22aの表示部に最新の店舗情報を表示させることができるとともに、目的に適った店舗を絞り込み検索することができる。
【0032】
一方、店舗ユーザXは、自分が携帯する携帯電話21xを用いて更新用ブック13xに印刷されているQRコード(登録商標)を読み取ることにより、サーバ装置12に記憶されている店舗情報の更新を指示する電子メールを送信することができる。
【0033】
上記の動作を行うために、携帯電話21aおよび携帯電話21xはQRコード(登録商標)の読取機能、すなわち、QRコード(登録商標)をカメラにより光学的に読み取り、読み取った画像をデコードしてQRコード(登録商標)が示すデータを取得する機能を備えている。
【0034】
また、上記の動作を行うために、携帯電話21aはブラウザ機能、すなわち、公衆無線通信網およびインターネットを介してHTML(HyperText Markup Language)等のマークアップ言語で記述されたWebページの表示を指示するデータ(以下、「ページデータ」という)を受信し、受信したページデータに従いWebページの表示を行う機能を備えている。
【0035】
また、上記の動作を行うために、携帯電話21xはメーラ機能、すなわち、公衆無線通信網およびインターネットを介してSMTPおよびPOP3等のプロトコルに従い電子メールの送受信を行う機能を備えている。
【0036】
携帯電話21aおよび携帯電話21xが備えるQRコード(登録商標)の読取機能、ブラウザ機能およびメーラ機能は従来技術にかかる機能であるため、その詳細説明は省略する。
【0037】
PC22aは、インターネットを介してサーバ装置12との間でデータの送受信を行う通信部と、サーバ装置12から受信したページデータに従い生成されたWebページを表示する表示部と、一般ユーザAによる操作に応じて所定のデータを出力することにより一般ユーザAからのデータ入力を受け付けるデータ入力部とを備えるブラウザ機能を備えた一般的なPCである。なお、PC22aの表示部は、例えば液晶ディスプレイであり、データ入力部は、例えばキーボードやマウス、もしくは液晶ディスプレイに統合されたタッチパネルである。
【0038】
なお、PC22aは情報提供システム1において、サーバ装置12から受信したページデータに従い情報誌11aに掲載されている情報と類似の情報を表示部に表示することにより、電子的に情報を提供する情報提供媒体として機能する。
【0039】
サーバ装置12は、携帯電話21aおよびPC22aといった一般ユーザが使用する通信機器からの要求に応じてページデータを送信するWebサーバ機能と、携帯電話21xといった店舗ユーザが使用する携帯電話21から送信される電子メールを外部のメールサーバ装置から受信するメーラ機能とを備えたサーバ装置である。
【0040】
図2、図3および図4は、情報誌11に含まれるページの内容を模式的に例示した図である。情報誌11は、まず図2に示されるような地図掲載ページを含んでいる。地図掲載ページには、基準地点とその周辺に位置する参照地点の位置関係を示す地図が含まれている。以下の説明において、例として、基準地点は「ABCホテル」、参照地点は飲食店、土産物店およびコンビニエンスストアのいずれかであるものとする。
【0041】
図2において、ABCホテルは地図のほぼ中央に位置する丸で囲まれた「H」のマークで示されている。なお、基準地点の地図内における位置は必ずしも中央に限られない。例えば、基準地点が海沿いであるような場合、海側には店舗がないため、基準地点を地図の端に配置した方が同じ情報をより大きく表示するか、もしくは同じ大きさでより多くの情報を伝えることができ、望ましい。
【0042】
図2において、飲食店等の参照地点の各々は丸で囲まれた数字のマークで示されている。この数字の表示により、各店舗は情報誌11において各々識別される。従って、以下、丸で囲まれた数字のマークを「店舗識別表示」と呼ぶ。店舗識別表示に割り当てられる数字は、基準地点であるABCホテルからの直線距離が短い順となっている。すなわち、丸で囲まれた「1」のマーク(以下、「店舗識別表示「1」」のようにいう)で識別される店舗は情報誌11に情報が掲載されている店舗のうちABCホテルに最も近く、店舗識別表示「2」で識別される店舗は2番目に近い、という具合である。
【0043】
また、情報誌11に含まれる地図には、基準地点を中心とし、半径が内側から80メートル、160メートル、240メートル、・・・のように80メートル毎に増加する等間隔の同心円もしくは同心円弧が3以上、表示されている。ここで等間隔とは、隣接する2つの円もしくは円弧の半径の差が一定である3以上の円もしくは円弧を意味する。なお、円もしくは円弧の表示の態様は、実線によるもの、破線によるもの、色分けによるものなど、いずれであってもよい。
【0044】
情報誌11の地図に表示される円もしくは円弧の表示には、四角で囲まれた正数のマークが内側から順に「1」、「2」、「3」、・・・のように付されている。例えば四角で囲まれた「1」の表示は、その円(もしくは円弧)の内側が基準地点から概ね徒歩1分で移動可能な範囲であることを示している。同様に、四角で囲まれた「2」の表示は、その円(もしくは円弧)の内側が基準地点から概ね徒歩2分で移動可能な範囲であることを示す、という具合である。
【0045】
上記のように情報誌11に含まれる地図には円(または円弧)が表示されているため、それを閲覧する一般ユーザは基準地点から参照地点の各々までの概ねの移動時間を直ちに知ることができる。
【0046】
地図掲載ページには、図2に示されるように、一般ユーザにとって利用頻度のごく高い店舗情報として、各店舗の店舗名、ランチの有無(飲食店の場合)、および閉店時刻がリスト形式で記載されている。これらの店舗情報は店舗識別情報により地図上の店舗の位置と対応付けられている。また、リスト内における順序は店舗識別情報の番号順であるため、基準地点であるABCホテルから近い順となっている。このようにABCホテルから近い順に店舗情報が記載されていることにより、一般ユーザは店舗選択において重要なファクタである移動時間を考慮しながら店舗情報を閲覧できる。以上が地図掲載ページの説明である。
【0047】
地図掲載ページに加え、情報誌11には図3に示されるような掲載店舗一覧ページが含まれている。掲載店舗一覧ページには、例えば以下の項目の店舗情報が一覧できるようにリスト形式で掲載されている。
【0048】
店舗名:店舗の名称。
業種:飲食店、土産物店、コンビニエンスストア、マッサージサロン、エステサロンなど、店舗の種別を示す名称。
住所:店舗の住所。
電話番号:店舗の電話番号。
地図位置:基準地点を中心とした地図における大まかな方向を示すマークと、基準地点からの大まかな徒歩移動時間。
閉店時刻:店舗の閉店時刻。
平均予算(ランチ):店舗が飲食店である場合、ランチの平均的な予算。
平均予算(ディナー):店舗が飲食店である場合、ディナーの平均的な予算。
【0049】
コース料理:コース料理の提供があることを示す丸のマーク。
ランチ営業:ランチ営業があることを示す丸のマーク。
深夜迄営業:深夜までの営業があることを示す丸のマーク。
個室有:個室があることを示す丸のマーク。
座敷有:座敷があることを示す丸のマーク。
団体席有:団体席があることを示す丸のマーク。
掘こたつ有:掘こたつがあることを示す丸のマーク。
おひとり様:一人での利用が可能であることを示す丸のマーク。
カード可:カードによる支払いが可能であることを示す丸のマーク。
駐車場有:駐車場があることを示す丸のマーク。
【0050】
このように、掲載店舗一覧ページには、一般ユーザが店舗の選択を行う際に役立つ情報が一覧表示されているため、一般ユーザは例えば「ホテルから5時の方向にある飲食店でランチをとりたい」といった個々の目的に適った店舗を極めて容易に特定することができる。その際、店舗情報が基準地点から近い順に記載されているため、一般ユーザは移動時間を考慮しながら店舗の検索を行うことができる点は地図掲載ページにおいて説明したものと同様である。以上が掲載店舗一覧ページの説明である。
【0051】
情報誌11にはさらに、図4に示されるような詳細な店舗情報を掲載した詳細店舗情報ページが含まれている。詳細店舗情報ページには、店舗名、住所、電話番号等の基本情報に加え、店舗や店舗が提供する飲食物等の写真、店舗の売り文句、基準地点と店舗との位置関係を示す簡易地図、情報誌11を持参して来店した場合に一般ユーザに店舗から与えられる特典等の情報が含まれている。
【0052】
さらに、詳細店舗情報ページには、その店舗の最新の詳細店舗情報を一般ユーザが携帯電話21を用いて閲覧するために用いられるQRコード(登録商標)が印刷されている。このQRコード(登録商標)は、その店舗の詳細店舗情報を含む携帯電話用ページデータの配信元のURLを示す。そのURLはインターネット内におけるサーバ装置12のアドレスと、サーバ装置12における目的のページデータの識別情報とを示している。
【0053】
従って、例えば一般ユーザAが携帯電話21aによりQRコード(登録商標)を読み取った後、携帯電話21aに対しWebページの表示を指示する所定の操作を行うと、携帯電話21aはQRコード(登録商標)をデコードして得られるURLに従いサーバ装置12に対しその店舗の携帯電話用ページデータの送信要求を行い、その応答としてサーバ装置12から送信されてくるページデータに従い、例えば図5に示すようなWebページをその表示部に表示する。
【0054】
携帯電話21aに表示されるWebページの内容は、情報誌11の詳細店舗情報ページに掲載されている内容と概ね同じであるが、まず情報誌11の発行の後に営業時間等の基本情報に変更があった場合には、変更後の最新の情報を含んでいる点で情報誌11の情報と異なっている。また、情報誌11の詳細店舗情報ページには、現在の駐車場の混み具合や、その日のランチメニューに関する情報といった即時性の高い情報は含まれていないが、Webページにはそれらの即時性の高い情報が含まれている。
【0055】
なお、情報誌11には店舗識別表示により識別される全ての店舗の各々に関する詳細店舗情報ページが、その店舗識別表示の番号順に、すなわち基準地点から近い順に記載されている。従って、一般ユーザが移動時間を考慮しながら店舗の検索を行うことができる点は既に述べた通りである。
【0056】
このように、情報提供システム1においては、高い閲覧性を有し、書き込み等が簡単にできる紙媒体の利点を備えた情報誌11による情報提供と、高い鮮度の情報が得られるという利点を備えたWebページ表示による情報提供とがQRコード(登録商標)によりリンクされており、その双方を容易に利用できるため、一般ユーザにとっての利便性が高い。
【0057】
一般ユーザは情報誌11および携帯電話21に表示されるWebページにより店舗情報を得ることに加え、PC22を用いて最新の情報が反映された店舗情報を地図とともに閲覧することができる。情報誌11の例えば表紙には、情報誌11に含まれる全情報を含むPC用WebページのURLが印刷されている。そのURLには、インターネット内におけるサーバ装置12のアドレスと、サーバ装置12における目的のページデータの識別情報とを示している。
【0058】
従って、例えば一般ユーザAがPC22aのブラウザのURL入力欄に情報誌11aに印刷されているURLを入力し、Enterキーを叩く等の所定の操作を行うと、その操作に応じてPC22aはサーバ装置12に対しPC用ページデータの送信要求を行い、その応答としてサーバ装置12から送信されてくるページデータに従い、例えば図6に示すようなWebページをその表示部に表示する。
【0059】
PC22aに表示されるWebページには、情報誌11の地図掲載ページに含まれる地図および店舗情報(図2参照)に加え、一般ユーザAが検討対象の店舗を絞り込むための条件を入力するためのボックス群が含まれている。
【0060】
一般ユーザAは、例えば検討対象を飲食店に絞り、土産物店やコンビニエンスストアを検討対象から外したい場合、「業種」ボックスにおいてメニューリストから「飲食店」を選択する。また、一般ユーザAは、飲食店のうちランチの平均予算が1,000円以下の店舗のみを検討対象としたい場合、「平均予算(ランチ)」ボックスに0円〜1,000円と入力する。一般ユーザAは他のボックスに関しても同様に選択操作もしくは入力操作をした後、「絞り込み実行」ボタンをマウスでクリック等する。
【0061】
その操作に応じて、PC22aは一般ユーザAにより入力された条件を示すデータ(以下、「抽出条件データ」という)をサーバ装置12に送信する。サーバ装置12はPC22aから送信されてくる抽出条件データに従い、PC用Webページにより情報提供可能な店舗のうち、その属性、すなわち業種、平均予算(ランチ)、等々の内容が抽出条件データにより示される条件を満たすもののみを抽出し、抽出した店舗の店舗識別表示を含み抽出しなかった店舗の店舗識別表示を含まない地図と、抽出した店舗の店舗情報を含み抽出しなかった店舗の店舗情報を含まないWebページの表示を指示するPC用ページデータを生成し、生成したPC用ページデータをPC22aに送信する。
【0062】
図7は、上述の抽出結果の反映されたPC用ページデータに従いPC22aの表示部に表示されるWebページを示した図である。抽出結果の反映されたWebページにおいては一般ユーザAにより入力された条件を満たさない店舗に関する表示がなくなっており、一般ユーザAはより容易に目的に適った店舗を探し出すことができる。
【0063】
なお、図6もしくは図7に示されるPC用のWebページにおいて、地図の左側に表示されている店舗情報の各々に付されている「詳細」という文字を一般ユーザAがマウスでクリック等すると、その文字にリンクされている詳細店舗情報のWebページがPC22aの表示部に表示される。
【0064】
詳細店舗情報のWebページの内容は、情報誌11の詳細店舗情報ページ(図4参照)とほぼ同じであるが、情報誌11の発行後にそれらの情報に変更が生じた場合には最新の情報に更新されている点と、駐車場の混み具合や本日のランチメニュー情報といった即時性の高い情報が含まれている点で情報誌11の詳細店舗情報ページと異なっている。すなわち、PC22の表示部に表示されるPC用Webページは、情報誌11の利便性と携帯電話21の表示部に表示される携帯電話用Webページの鮮度の高い情報提供という双方の利点を兼ね備えている。従って、一般ユーザがインターネット接続可能なホテル内等の環境において店舗の検索を行う場合などは、PC22aを用いた情報閲覧が便利である。
【0065】
ところで、サーバ装置12には携帯電話21およびPC22からの要求に応じて店舗情報を含むWebページの表示を指示するページデータを生成するために、店舗識別表示により識別される店舗の各々に関し、店舗情報を示す店舗データが記憶されている。図8は、サーバ装置12に記憶されている店舗データの内容を模式的に例示したものである。
【0066】
サーバ装置12に記憶される店舗データは、常に最新の情報を示すように必要に応じて更新される必要がある。更新されるべき情報として、例えば営業時間の変更等の基本情報の変更があるが、そのような変更の頻度は高くないため、例えば店舗ユーザが情報提供システム1の管理者に対し電話やFAX等によりその変更を伝えても事足りる。
【0067】
一方、駐車場の混み具合など、時々刻々と変化し得る情報については、店舗ユーザがサーバ装置12に記憶されている自分の店舗に関する店舗データを更新するためのより簡便な手段が求められる。そのようなニーズに応じるため、情報提供システム1においては更新用ブック13が用いられる。
【0068】
図9は、更新用ブック13xに印刷されている内容の一部を模式的に例示したものである。更新用ブック13xには、いろは食堂に関する駐車場の混み具合や本日のランチのメニューの内容をサーバ装置12に記憶されている店舗データに反映させるためのQRコード(登録商標)が印刷されている。
【0069】
各店舗の店主もしくは店舗ユーザは、予め情報提供システム1の管理者に対しFAX等で、自分の店舗データのうち更新の可能性のあるものに関し、その選択肢となる情報を伝える。情報提供システム1の管理者は、店舗から得られた情報に従い、その店舗専用の更新用ブック13を作成し、それを店舗に郵送等する。
【0070】
更新用ブック13に印刷されているQRコード(登録商標)は、送信先のメールアドレスと、対応する選択肢の内容を示すテキストを示している。従って、例えば店舗ユーザXが携帯電話21xにより更新用ブック13に印刷されているいずれかのQRコード(登録商標)を読み取った後、携帯電話21xに対し電子メールの送信を指示する所定の操作を行うと、携帯電話21xはQRコード(登録商標)をデコードして得られるメールアドレスを送信先とし、QRコード(登録商標)をデコードして得られる選択肢の内容を示すテキストを件名とする電子メールを生成し、生成した電子メールを送信する。以下、そのように送信される電子メールを「更新指示用電子メール」と呼ぶ。
【0071】
図10は、更新指示用電子メールの内容を模式的に示した図である。更新指示用電子メールの送信先のメールアドレスは、QRコード(登録商標)からデコードされたメールアドレスであり、サーバ装置12で動作するメーラにより受信される電子メールの宛先である。なお、この送信先のメールアドレスは、全ての店舗の更新用ブック13に関し、また更新用ブック13に含まれる全てのQRコード(登録商標)に関し、共通である。
【0072】
更新指示用電子メールの送信元のメールアドレスは、携帯電話21xのメールアドレスであり、例として「電話番号」+ドメイン名の形式が採用されている。この送信元のメールアドレスの形式は、携帯電話21に固有に与えられたものであれば、「電話番号」+ドメイン名に限られない。すなわち、更新指示用電子メールは携帯電話21xに固有のメールアドレスであるため、更新指示用電子メールを受信するサーバ装置12は、送信元のメールアドレスに基づき、いずれの店舗に関する店舗データの更新であるかを特定可能である。
【0073】
また、携帯電話は基本的に正当なユーザにより携帯され、他のユーザにより使用されることがないように管理されている場合が多いため、例えばユーザ名とパスワードの入力等による本人認証を別途要することなく、店舗データの更新を指示した者が正当な店舗ユーザであると判断することができる。
【0074】
更新指示用電子メールの件名は、QRコード(登録商標)からデコードされた更新内容を示すテキストである。例えば、図10に示される件名「[駐車場の混み具合]満車」は店舗データのフィールド「駐車場の混み具合」の内容を「満車」を示すデータに更新することを指示している。なお、更新指示用電子メールの本文は空であり、従って更新指示用電子メールはいわゆる空メールである。
【0075】
サーバ装置12は、例えば図10に示される更新指示用電子メールを受信すると、更新指示用電子メールの送信元のメールアドレスに基づき、多くの店舗データの中からいろは食堂の店舗データを検索する。続いて、サーバ装置12は更新指示用電子メールの件名に基づき、いろは食堂の店舗データに含まれるフィールド「駐車場の混み具合」の内容を「満車」に変更する。これにより、その後、一般ユーザが使用する携帯電話21やPC22に表示されるいろは食堂の店舗情報において、駐車場の混み具合は「満車」と表示されることになる。
【0076】
このような仕組みにより、店舗ユーザは、例えば接客に多忙な時であっても、自分の携帯電話21で更新用ブック13に印刷されているQRコード(登録商標)群から更新後の店舗データに対応するものを選択して読み取り、電子メール送信の操作を行うだけで、ごく簡便に自分の店舗の店舗データを更新することができる。
【0077】
(変形例)
上述した実施形態は、本発明の技術的思想の範囲内で様々に変形可能である。以下にそれらの変形の例を示す。
【0078】
上述した情報提供システム1においては、情報誌11に掲載の地図およびPC22において表示されるWebページに含まれる地図には、基準地点から徒歩で概ね1分で移動可能な範囲、基準地点から徒歩で概ね2分で移動可能な範囲、基準地点から徒歩で概ね3分で移動可能な範囲、・・・を各々示す同心円(または同心円弧)が表示される。これに代えて、それらの地図に基準地点から自動車で概ね1分で移動可能な範囲、基準地点から自動車で概ね2分で移動可能な範囲、基準地点から自動車で概ね3分で移動可能な範囲、・・・を各々示す同心円(または同心円弧)が表示される構成が採用されてもよい。例えば市街地以外においては主として自動車で移動するケースが多いので、後者の方が重宝される。さらに、車両に代えて自転車で移動可能な範囲を示すなど、他の移動手段に基づきその半径が定められた同心円(または同心円弧)が表示される構成が採用されてもよい。
【0079】
また、上述した情報提供システム1においては、情報誌11の地図およびPC22に表示されるWebページに含まれる地図において、同心円(または同心円弧)の各々が示す位置は、内側から順に基準地点からの概ねの移動時間が1分間隔となっている。これに代えて、例えば5分間隔、10分間隔など、他の適当な時間間隔が採用されてもよい。例えば、自動車による移動時間に基づき同心円(または同心円弧)が表示される場合、1分間隔よりも5分間隔、もしくは10分間隔の方が重宝される場合がある。
【0080】
また、上述した情報提供システム1においては、情報誌11の地図およびPC22に表示されるWebページに含まれる地図において、隣接する同心円(または同心円弧)の間隔は地図上で80メートルを示す間隔であるものとしたが、徒歩による移動時間に基づく同心円(または同心円弧)の半径の間隔、すなわち隣接する同心円(または同心円弧)の半径の差として、例えば地図上の距離が66.7メートル(時速4キロメートル)など、他の間隔が採用されてもよい。徒歩を基準とする場合、隣接する同心円(または同心円弧)の半径の差は地図上で60メートル以上かつ90メートル以下が適当であり、利用者の歩く速さを考慮してその範囲内で適宜決定されることが望ましい。
【0081】
同様に、自動車を基準とする場合、移動時間を1分間隔とするならば、隣接する同心円(または同心円弧)の半径の差は地図上で300メートル以上かつ700メートル以下が適当であり、移動時間を5分間隔とするならば、隣接する同心円(または同心円弧)の半径の差は地図上で1500メートル以上かつ3500メートル以下が適当であり、移動時間を10分間隔とするならば、隣接する同心円(または同心円弧)の半径の差は地図上で3000メートル以上かつ7000メートル以下が適当であり、渋滞や信号機の多少等を考慮してそれらの範囲内で適宜決定されることが望ましい。
【0082】
また、自転車を基準とする場合、移動時間を1分間隔とするならば、隣接する同心円(または同心円弧)の半径の差は地図上で150メートル以上かつ300メートル以下が適当であり、移動時間を5分間隔とするならば、隣接する同心円(または同心円弧)の半径の差は地図上で750メートル以上かつ1500メートル以下が適当であり、移動時間を10分間隔とするならば、隣接する同心円(または同心円弧)の半径の差は地図上で1500メートル以上かつ3000メートル以下が適当であり、信号機の多少等を考慮してそれらの範囲内で適宜決定されることが望ましい。
【0083】
上述した情報提供システム1においては、一般ユーザがPC22を用いてPC用Webページの表示により地図および店舗情報を閲覧する際、一般ユーザにより入力された抽出条件に従い、サーバ装置12において条件を満たす店舗の抽出と、その抽出結果を反映したWebページを示すページデータの生成が行われるものとした。
【0084】
これに代えて、PC22において店舗の抽出およびWebページに対する抽出結果の反映の処理が行われる構成が採用されてもよい。そのような構成は、例えばサーバ装置12からPC22に送信されるページデータにJavaScript(登録商標)等に従ったスクリプトを組み込む等により実現することができる。
【0085】
また、上述した情報提供システム1においては、サーバ装置12が1つであるものとして説明したが、サーバ装置12が複数のサーバ装置が互いに連携しあって動作するサーバ装置群により実現されてもよい。
【0086】
また、上述した情報提供システム1においては、紙媒体としての情報提供媒体である情報誌11と、電子的な情報提供媒体である携帯電話21(一般ユーザが使用するもの)およびPC22の全てが利用可能であるものとしたが、例えば情報誌11と携帯電話21によるWebページの表示のみが利用可能でありPC用Webページの提供がなかったり、PC22によるWebページの表示のみが利用可能であり情報誌11や携帯電話用Webページの提供がなかったりしてもよい。また、例えば情報誌11に掲載店舗一覧ページが含まれないなど、必ずしも上述した全てのページが情報誌11に含まれていなくともよい。
【0087】
また、上述した情報誌11や携帯電話用Webページ、PC用Webページのレイアウトやその内容は例示であって、それらは実際の内容に応じて様々に変更可能である。
【0088】
また、上述した携帯電話21およびPC22は情報提供システム1において利用可能な通信機器の例示であって、他の通信機器がそれらに代えて用いられてもよい。例えば、PC22に代えて、いわゆるフルブラウザ機能を備えたスマートフォンが用いられてもよい。
【0089】
また、上述した情報提供システム1においては、電子メールにより店舗データの更新指示がなされるものとしたが、店舗ユーザの携帯電話21からサーバ装置12に送信される更新指示をURI(Uniform Resource Identifier)等の他の電子メッセージの送信により行ってもよい。例えばURIが更新指示に利用される場合、URIにサーバ装置12のインターネットにおけるアドレスと、更新指示のコード番号等を含めるようにすればよい。その際、サーバ装置12は要求元の携帯電話21のアドレスにより、更新の要求元の店舗を識別することができる。
【0090】
なお、上述した実施形態においては、例としてABCホテルを基準地点とする場合における店舗情報の提供に関し説明したが、情報提供システム1において複数の基準地点の各々に関し情報誌11、携帯電話用WebページおよびPC用Webページによる店舗情報の提供が行われてもよい。
【0091】
情報提供システム1において複数の基準地点に関する周辺店舗の情報提供が行われる場合、例えば基準地点「ABCホテル」と基準地点「XYZホテル」のいずれにも参照地点「いろは食堂」が近い場合など、異なる基準地点の周辺店舗に同じ店舗が含まれることがある。そのような場合、店舗ユーザは自分の店舗の店舗データの更新を行う際、一度の更新指示により各基準地点に関する店舗データの更新を行えるようにサーバ装置12を構成しておくことが望ましい。例えば、複数の基準地点に関する同じ店舗の店舗データを互いに関連付けたり、同じ店舗の店舗データを統合したりすることにより、それが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明にかかる情報提供媒体および情報提供システムは、ホテルや飲食店等のサービス業において広く利用可能である。
【符号の説明】
【0093】
1…情報提供システム、11…情報誌、12…サーバ装置、13…更新用ブック、21…携帯電話、22…PC

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準地点と、前記基準地点を中心とする所定半径の円または円弧と、前記基準地点を基準とする1以上の参照地点の各々の地理上の位置関係を示す表示と、前記1以上の参照地点の各々を識別する表示とを含む地図と、
前記識別する表示の各々に関し当該識別する表示により識別される参照地点の属性と
を視認可能に表示する媒体である情報提供媒体。
【請求項2】
前記円または円弧は、前記基準地点を中心とする3以上の同心円もしくは同心円弧であって、前記3以上の同心円もしくは同心円弧のうち互いに隣接する2つの円もしくは円弧の半径の差が一定である
請求項1に記載の情報提供媒体。
【請求項3】
印刷による画像形成により前記地図および前記属性を視認可能に表示し、
前記参照地点の属性は、対応する参照地点の最新の属性を示すデータである属性データを格納するノードを含むネットワークにおいて当該属性データを識別する識別情報を示す二次元コードを含む
請求項1または2に記載の情報提供媒体。
【請求項4】
ネットワークを介してページの表示を指示するページデータを受信する受信部と、
前記受信部により受信されたページデータに従いページを表示する表示部と、
ユーザの操作に応じて所定のデータを出力するデータ入力部と
を備え、
前記受信部は、前記1以上の参照地点のうち少なくとも前記データ入力部から出力されたデータにより示される条件を満たす属性を有する参照地点に関して、当該参照地点の最新の属性を示すデータである属性データを格納するネットワーク内のノードから当該最新の属性を表示するページの表示を指示するページデータを受信し、
前記表示部により、前記1以上の参照地点のうち前記データ入力部から出力されたデータにより示される条件を満たさない属性を有する参照地点に関して、前記基準地点を基準とする当該参照地点の地理上の位置関係を示す表示および当該参照地点を識別する表示のいずれも含まない前記地図と、当該参照地点に関する属性を含まない前記属性とを視認可能に表示する
請求項1または2に記載の情報提供媒体。
【請求項5】
請求項3または4に記載の情報提供媒体と、
前記1以上の参照地点のうち少なくとも1の参照地点に関し、当該参照地点の最新の属性を示す前記属性データを格納するノードと、
前記ノードに対し前記ノードが格納する前記属性データを所定の内容に更新することを指示する更新指示を示す二次元コードを印刷による画像形成により視認可能に表示する媒体である属性更新用シートと
を備え、
前記ノードは、前記属性更新用シートにより表示される二次元コードを光学的に読み取ることにより生成された当該二次元コードが示す更新指示を含む更新指示データを、ネットワークを介して一の通信装置から受信し、当該受信した更新指示データに従い自機が格納している前記属性データを更新する
情報提供システム。
【請求項6】
前記一の通信装置はユニークな電話番号を割り当てられた携帯電話であり、
前記更新指示データは前記携帯電話から送信される電子メッセージであり、
前記ノードは前記電子メッセージの送信元情報に基づき更新すべき属性データを特定する
請求項5に記載の情報提供システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2012−58632(P2012−58632A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−203938(P2010−203938)
【出願日】平成22年9月13日(2010.9.13)
【出願人】(301060956)有限会社クイックデリバリー (1)
【Fターム(参考)】