説明

情報案内サービスシステム、情報案内提供装置及びそれに用いる情報案内サービス方法

【課題】 情報を得るまでの時間を短縮し、情報を得るための通信料金を低減可能な情報案内サービスシステムを提供する。
【解決手段】 利用者端末1はPoC(Push−to−talk over Cellular)サーバ2に接続することで、PoCにて情報案内提供装置3との通信を行う。情報案内提供装置3は利用者端末1に電車5の時刻情報の提供や乗り換え情報案内を行う。利用者端末1はその利用者が電車5に乗り、乗車経路61〜6nの経路を移動する際に、音声による乗り換え情報案内を受信する。情報案内提供装置3は電車管理装置4によって電車5の現在位置を知り、利用者端末1に対して音声による乗り換え情報や降車情報を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は情報案内サービスシステム、情報案内提供装置及びそれに用いる情報案内サービス方法に関し、特に交通機関の乗り換え案内等の情報案内サービスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の情報案内サービスとしては、交通機関の乗り換え案内サービス、駅前や繁華街等の諸施設の情報案内サービス、博物館や美術館等の陳列物の情報案内サービス等がある。これらの情報案内サービスでは、携帯電話機の普及に伴って、携帯電話機を用いて情報を提供する方法が提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2002−255035号公報
【特許文献2】特開2002−298284号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来の携帯電話機による乗り換え案内サービスでは、携帯電話機において文字入力の操作が容易ではなく、操作に時間がかかること、データ量が多い場合、通信速度の制約からデータを受信するのに時間がかかるため、情報を得るまでに時間がかかり、情報を得るための通信料金がかさんでしまうという問題がある。
【0005】
また、従来の携帯電話機による乗り換え案内サービスでは、通信時間で課金されるような場合、情報を得るために長時間通信することとなり、通信料金が高くなるため、情報を得るまでに時間がかかり、情報を得るための通信料金がかさんでしまうという問題がある。これらは乗り換え案内サービスだけでなく、他の情報案内サービスでも生ずる問題である。
【0006】
そこで、本発明の目的は上記の問題点を解消し、情報を得るまでの時間を短縮することができ、情報を得るための通信料金を低減することができる情報案内サービスシステム、情報案内提供装置及びそれに用いる情報案内サービス方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による情報案内サービスシステムは、携帯電話のトランシーバモードでの通信を行うPoC(Push−to−talk over Cellular)機能を持つ利用者端末に対して利用施設に関する情報を提供する情報案内提供装置を含む情報案内サービスシステムであって、
前記利用者端末の前記PoC機能を用いて前記利用施設に関する情報を音声信号にて前記利用者端末に通知する通知手段を前記情報案内提供装置に備えている。
【0008】
本発明による情報案内提供装置は、携帯電話のトランシーバモードでの通信を行うPoC(Push−to−talk over Cellular)機能を持つ利用者端末に対して利用施設に関する情報を提供する情報案内提供装置であって、
前記利用者端末の前記PoC機能を用いて前記利用施設に関する情報を音声信号にて前記利用者端末に通知する通知手段を備えている。
【0009】
本発明による情報案内サービス方法は、携帯電話のトランシーバモードでの通信を行うPoC(Push−to−talk over Cellular)機能を持つ利用者端末に対して利用施設に関する情報を提供する情報案内提供装置を含む情報案内サービスシステムに用いる情報案内サービス方法であって、前記情報案内提供装置側に、前記利用者端末の前記PoC機能を用いて前記利用施設に関する情報を音声信号にて前記利用者端末に通知する処理を備えている。
【0010】
本発明による情報案内サービス方法のプログラムは、携帯電話のトランシーバモードでの通信を行うPoC(Push−to−talk over Cellular)機能を持つ利用者端末に対して利用施設に関する情報を提供する情報案内提供装置を含む情報案内サービスシステムに用いる情報案内サービス方法のプログラムであって、コンピュータに、前記利用者端末の前記PoC機能を用いて前記利用施設に関する情報を音声信号にて前記利用者端末に通知する処理を実行させている。
【0011】
すなわち、本発明の情報案内サービスシステムは、PoC(Push−to−talk over Cellular)機能を持つ携帯電話機を利用し、操作性の良い情報案内サービスを実現することを特徴とする。
【0012】
より具体的に説明すると、本発明の情報案内サービスシステムでは、PoC機能付き携帯電話機を持つサービス利用者がPoCサーバに接続し、情報案内提供装置との通信を行う。情報案内提供装置はサービス利用者に電車の時刻情報の提供や乗り換え情報案内を行う。
【0013】
また、本発明の情報案内サービスシステムでは、サービス利用者が電車に乗り、乗車経路を移動すると、情報案内提供装置が電車管理装置によって電車の位置を知り、サービス利用者に対して乗り換えや降車情報を提供している。
【0014】
ここで、PoCはIP(Internet Protocol)を利用したウォーキー・トーキーのようなもので、通話は一方通行となる。また、PoCはIM(Instant Messaging)のように、話す相手をグループ化することが可能であり、相手の状態を見ることが可能である。したがって、PoCでは通話状態にある相手(一人またはグループ)を選択して通話ボタンを押すことで通話可能となる。つまり、PoCは携帯電話のトランシーバモードであり、通話先の番号をダイヤルする必要がなく、接続までの時間は短く、複数カ所と同時に通話することができる。
【0015】
上記のように、本発明の情報案内サービスシステムでは、携帯電話機のPoC機能を利用することによって、長時間継続して利用することが可能となり、しかも安価に利用することが可能となるので、利用者にとって利便性のあるサービスが実現可能となる。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、以下に述べるような構成及び動作とすることで、情報を得るまでの時間を短縮することができ、情報を得るための通信料金を低減することができるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
次に、本発明の実施例について図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施例による情報案内サービスシステムの構成を示すブロック図である。図1は、電車5を代表とする交通機関の乗り換え案内サービスを提供するシステムを示している。
【0018】
図1において、本発明の一実施例による情報案内サービスシステムはサービスを利用する利用者の利用者端末1と、利用者端末1にPoC(Push−to−talk over Cellular)サービスを提供するPoCサーバ2と、情報案内サービスを提供する情報案内提供装置3と、電車5の運行等を管理する電車管理装置4とから構成されている。ここで、利用者端末1はPoCサーバ2から提供されるPoCサービスのためのPoC機能(図示せず)を備えた携帯電話機である。
【0019】
利用者端末1はPoCサーバ2に接続することで、PoCにて情報案内提供装置3との通信を行う。情報案内提供装置3は利用者端末1に電車5の時刻情報の提供や乗り換え情報案内を行う。また、利用者端末1はその利用者が電車5に乗り、乗車経路61〜6nの経路を移動する際に、音声による乗り換え情報案内を受信する。情報案内提供装置3は電車管理装置4によって電車5の現在位置を知り、利用者端末1に対して音声による乗り換え情報や降車情報を提供する。
【0020】
上記のように、本実施例では、利用者端末1に備えたPoC機能を利用することによって、乗り換え情報や降車情報等の情報案内を長時間継続して利用することができ、かつそれらのサービスを安価に利用することができるので、利用者にとって利便性のあるサービスを実現することができる。
【0021】
ここで、PoCはIP(Internet Protocol)を利用したウォーキー・トーキーのようなもので、通話は一方通行となる。また、PoCはIM(Instant Messaging)のように、話す相手をグループ化することができ、相手の状態を見ることができる。したがって、PoCでは通話状態にある相手(一人またはグループ)を選択して通話ボタンを押すことで通話可能となる。つまり、PoCは携帯電話機のトランシーバモードであり、通話先の番号をダイヤルする必要がなく、接続までの時間は短く、複数カ所と同時に通話することができる。
【0022】
また、PoCにおいては、携帯電話における通常の通話よりも割安な料金に設定されることが多い。さらに、その操作手順としては、通常の電話帳とは別に用意された通話先リストを開き、相手を選択して決定し、通話ボタンを押すことで通話することとなる。その際、複数の通話先を選択しておけば、多地点通話となる。
【0023】
但し、現在のPoCでは、通話先が同じキャリアの端末に限られている。しかしながら、この分野の技術の進展に伴って、異なるキャリア間での多地点通話も考慮されつつあるので、本実施例でも通話先が同じキャリアの端末に限定されないものとする。尚、PoCについては、特表2003−526275号公報に開示された方法等がある。
【0024】
現在普及しつつあるPoCについては、上記のような特徴を有しているが、本実施例では、相手先として利用者端末1を選択することで、利用者端末1に対して情報案内提供装置3からの情報案内をPoCにて提供することが可能となる。
【0025】
図2は図1の情報案内提供装置3の構成を示すブロック図である。図2において、情報案内提供装置3は制御部[CPU(中央処理装置)/RAM(ランダムアクセスメモリ)]31と、音声認識機能32と、音声合成機能33と、時刻表34と、記録媒体35とから構成されている。
【0026】
音声認識機能32はサービスの利用者の音声(利用者端末1からの音声)を解析し、その利用者が話した言葉を認識する。音声合成機能33はサービスの利用者に対して情報の入力を促したり、情報を提供するための音声(情報案内の音声)を利用者端末1側に流す。時刻表34は電車5の運転日程を集積したデータベースである。尚、時刻表34の代わりに情報案内サービスを提供するための情報(例えば、駅前や繁華街等の諸施設の情報、博物館や美術館等の陳列物の情報等)を蓄積するデータベースを備えてもよい。
【0027】
制御部31は記録媒体35のプログラムを実行することで、音声信号の入出力や上記の各機能を制御する。制御部31がCPU及びRAMから構成されている場合、CPUは記録媒体35のプログラムをRAMに移して実行することで、上記の制御を行う。
【0028】
図3は本発明の一実施例による情報案内提供装置3の動作を示すフローチャートであり、図4は本発明の一実施例による情報案内提供装置3の時刻情報提供の動作を示すフローチャートであり、図5は本発明の一実施例による情報案内提供装置3による乗り換え案内の動作例を示すフローチャートである。これら図1〜図5を参照して本発明の一実施例による情報案内サービスシステムの動作について説明する。尚、図3〜図5に示す処理は制御部31が記録媒体35のプログラムを実行することで実現される。
【0029】
図3においては、情報案内提供装置3が提供する情報案内サービスの一例を示しており、この情報案内サービスは接続段階(図3ステップS1)と、時刻情報提供(図3のステップS2)と、乗り換え案内(図3ステップS4)とからなっている。
【0030】
まず、サービスの利用者がPoC機能を持つ利用者端末1(携帯電話)にてPoCサーバ2を介して本実施例の情報案内サービスを提供する情報案内提供装置3と接続する(図3ステップS1)。この時、PoCサーバ2は利用者端末1に対する課金のため、音声の監視を開始する。
【0031】
情報案内提供装置3は利用者端末1が接続されると、時刻情報提供サービスを開始する(図3ステップS2)。ここで、情報案内提供装置3の音声は音声合成機能33で生成され、サービスの利用者の音声(利用者端末1からの音声)は音声認識機能32にて認識される。また、情報案内提供装置3から利用者端末1への各種アナウンス(音声信号)はPoCを用いて利用者端末1に発信される。
【0032】
情報案内提供装置3による時刻情報提供の動作の一例を図4に示す。まず、情報案内提供装置3は利用者端末1に対して乗車駅を質問するための音声信号を出力する(図4ステップS11)。
【0033】
続いて、情報案内提供装置3は利用者端末1に対して降車駅を質問するための音声信号を出力し(図4ステップS12)、さらに乗車予定時刻を質問するための音声信号を出力する(図4ステップS13)。
【0034】
情報案内提供装置3は利用者端末1から得た情報と時刻表34の情報と電車管理装置からの情報とを基に経路の検索を行い(図4ステップS14)、その結果を通知するための音声信号を利用者端末1に出力する(図4ステップS15)。
【0035】
情報案内提供装置3は利用者端末1に対して引き続き乗り換え案内を行うかどうかを確認するための音声信号を出力し(図4ステップS16)、利用者端末1が引き続き乗り換え案内を希望した場合(図3ステップS3)、乗り換え案内へ進む(図3ステップS4)。情報案内提供装置3は利用者端末1から乗り換え案内を希望しない旨の音声信号が入力されると、上記の情報案内サービスを終了する。
【0036】
情報案内提供装置3による乗り換え案内の動作の一例を図5に示す。まず、情報案内提供装置3はサービスの利用者が電車5に乗ったことを知るために、電車5に乗ったことを知らせてもらうように利用者端末1に対してアナウンスする(図5ステップS21)。
【0037】
情報案内提供装置3はサービスの利用者が電車5に乗ったことを通知するための音声信号が利用者端末1から送信されると(図5ステップS22)、電車5の運行を電車管理装置4からの情報及び時間を計測することによって計測する(図5ステップS23)。
【0038】
情報案内提供装置3は次が乗り換え駅の場合(乗り換え駅近傍に接近したことを検知すると)(図5ステップS24)、乗り換え駅であることを知らせるための音声信号を利用者端末1に出力する(図5ステップS27)。また、情報案内提供装置3は次が降車駅の場合(降車駅近傍に接近したことを検知すると)(図5ステップS25)、降車駅であることを知らせるための音声信号を利用者端末1に出力する(図5ステップS26)。
【0039】
最後に、サービスの利用者は利用者端末1と、PoCサーバ2及び情報案内提供装置3との接続を切断する(図2ステップS5)。尚、利用者端末1に対する課金は利用者端末1及び情報案内提供装置3からの音声がPoCサーバ2で認識される時間に対して行われる。
【0040】
図6は本発明の一実施例による情報案内サービスシステムの課金の仕組みを示すシーケンスチャートである。これら図1及び図6を参照して本発明の一実施例による情報案内サービスシステムの課金の仕組みについて説明する。
【0041】
まず、利用者端末1からはPoCサーバ2に対して情報案内提供装置3への接続が要求される(図6のa1)。PoCサーバ2は利用者端末1からの要求に応答して情報案内提供装置3へ接続を要求する(図6のa2)。情報案内提供装置3はPoCサーバ2からの接続の要求を受けると、PoCサーバ2に対して応答を返す(図6のa3)。PoCサーバ2は利用者端末1に対して情報案内提供装置3から応答がきたことを通知する(図6のa4)。
【0042】
PoCサーバ2は情報案内提供装置3から音声信号が流れると、一定時間の課金を行い(図6のa5,a6)、予め設定された一定時間が経過した後、音声信号が流れなくなれば、課金を停止する(図6のa7)。
【0043】
PoCサーバ2は再び音声信号が流れると、課金を開始し(図6のa8,a9)、一定時間が経過した後(図6のa10)、音声信号があれば、再度、一定時間の課金を行う(図6のa11〜a13,a14〜a18)。
【0044】
図7は本発明の一実施例による情報案内システムの具体例を示すシーケンスチャートである。これら図1と図2と図7とを参照して本発明の一実施例による情報案内システムの具体的な動作について説明する。
【0045】
利用者端末1がPoCサーバ2を通して情報案内提供装置3に接続する(図7のb1)、情報案内提供装置3は利用者端末1に対して「乗車駅はどちらですか」のアナウンスを音声信号にて送る(図7のb2)。利用者端末1は利用者からの音声(「鴨居駅」)をPoCサーバ2を通して情報案内提供装置3に返す(図7のb3)。
【0046】
次に、情報案内提供装置3は利用者端末1に対して「降車駅はどちらですか」のアナウンスを音声信号にて送る(図7のb4)。利用者端末1は利用者からの音声(「田町駅」)をPoCサーバ2を通して情報案内提供装置3に返す(図7のb5)。
【0047】
さらに、情報案内提供装置3は利用者端末1に対して「乗車予定時刻は何時何分ですか」のアナウンスを音声信号にて送る(図7のb6)。利用者端末1は利用者からの音声(「10時15分」)をPoCサーバ2を通して情報案内提供装置3に返す(図7のb7)。
【0048】
情報案内提供装置3は利用者への質問に対する回答が得られると、その回答内容を基に時刻表33を検索し(図7のb8)、その検索結果(「鴨居駅10時18分発、東神奈川駅乗り換え、田町駅11時10分着です」)と「引き続き、乗換え案内をご利用になりますか」のアナウンスとを音声信号にて利用者端末1に送る(図7のb9)。利用者端末1はそのアナウンスに対する利用者からの音声(「はい」)をPoCサーバ2を通して情報案内提供装置3に返す(図7のb10)。
【0049】
情報案内提供装置3は利用者端末1に対して「電車に乗りましたら乗りましたと言って下さい」のアナウンスを音声信号にて送る(図7のb11)。利用者端末1の利用者が電車5に乗車すると(図7のb12)、利用者からの音声(「乗りました」)をPoCサーバ2を通して情報案内提供装置3に返す(図7のb13)。
【0050】
情報案内提供装置3は乗換え駅への接近を検知すると(図7のb14)、利用者端末1に対して「次は東神奈川乗換えです」のアナウンスを音声信号にて送る(図7のb15)。
【0051】
さらに、情報案内提供装置3は降車駅への接近を検知すると(図7のb16)、利用者端末1に対して「次は田町駅です」のアナウンスを音声信号にて送る(図7のb17)。利用者端末1の利用者は降車駅に到着したので、情報案内提供装置3との接続を切断する(図7のb18)。
【0052】
このように、本実施例では、利用者端末1のPoC機能を用いて乗換え案内や降車案内を音声にて通知することによって、PoCにおいて接続時間ではなく、音声が流れている時間だけ課金されるので、通信料を気にすることなく、長い時間継続してサービスを受けることができる。
【0053】
また、本実施例では、利用者端末1のPoC機能を用いて乗換え案内や降車案内を音声にて通知することによって、ブラウザを使ったデータ通信において携帯電話の操作として困難な文字入力を伴うのとは異なり、音声による応答を行うので、サービスの操作性を向上させることができる。
【0054】
図8は本発明の他の実施例による情報案内システムの構成を示すブロック図である。図8において、本発明の他の実施例による情報案内システムは、利用者端末1と、PoCサーバ2と、情報案内提供装置7と、電車管理装置4と、オペレータ端末Aとから構成されている。
【0055】
利用者端末1が情報案内提供装置7を介してオペレータ端末Aを呼び出すと、オペレータ端末Aは情報案内提供装置7の代わりに利用者端末1に音声信号によるアナウンスを流すことができる。オペレータ端末Aは情報案内提供装置7では対処することができない事項やサービス利用上の不具合に対処することができる。
【0056】
図9は図8の情報案内提供装置7の構成を示すブロック図である。図9において、情報案内提供装置7は制御部(CPU/RAM)31と、音声認識機能32と、音声合成機能33と、時刻表34と、DTMF(Dial Tone Multi Frequency)検出器71と、記録媒体72とから構成されている。
【0057】
情報案内提供装置7の音声合成機能33は利用者端末1に対してDTMFトーンによって駅名や時刻の入力を行うように伝える。DTMF検出器71は利用者端末1から送られてきたDTMFトーンを解析してサービスを提供する。駅毎の番号はサービスにあたり、予め割り振っておく。
【0058】
尚、本発明は、電車5が事故によって定刻通り動いていない場合、情報案内提供装置3,7が電車管理装置4からの情報によって運用状況を知ると、その運用状況を利用者端末1に対して伝え、当初伝えた経路とは異なる経路がある場合、情報案内提供装置7がその経路情報を利用者端末1に対して伝えることも可能である。
【0059】
また、本発明は、時刻情報提供時に運賃を伝えるたり、時刻情報提供時に複数経路が選択可能な場合、利用者端末1に対して経路情報を伝えるとともに、優先する情報の順位を時間にするか、料金にするかを選択できるようにすることも可能である。
【0060】
さらに、本発明は、電車5での移動中に、回線状態によってPoCの通信が切れた場合、切断前に受けていたサービスを情報案内提供装置3,7にて記憶しておくことで、回線復帰後に継続して利用することも可能である。
【0061】
さらにまた、本発明は、情報案内提供装置3,7が乗り換え駅及び降車駅の地図(駅構内の地図を含む)や写真を利用者端末1に送付することによって、乗り換えの道順等を示すことも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は、上述した交通機関の乗り換え案内サービスを提供するシステム以外に、駅前や繁華街等の諸施設の情報案内サービスを提供するシステム、博物館や美術館等の陳列物の情報案内サービスを提供するシステム等にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の一実施例による情報案内サービスシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1の情報案内提供装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施例による情報案内提供装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の一実施例による情報案内提供装置の時刻情報提供の動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の一実施例による情報案内提供装置による乗り換え案内の動作例を示すフローチャートである。
【図6】本発明の一実施例による情報案内サービスシステムの課金の仕組みを示すシーケンスチャートである。
【図7】本発明の一実施例による情報案内システムの具体例を示すシーケンスチャートである。
【図8】本発明の他の実施例による情報案内システムの構成を示すブロック図である。
【図9】図8の情報案内提供装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0064】
1 利用者端末
2 PoCサーバ
3,7 情報案内提供装置
4 電車管理装置
5 電車
31 制御部
32 音声認識機能
33 音声合成機能
34 時刻表
35,72 記録媒体
61〜6n 乗車経路
71 DTMF検出器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯電話のトランシーバモードでの通信を行うPoC(Push−to−talk over Cellular)機能を持つ利用者端末に対して利用施設に関する情報を提供する情報案内提供装置を含む情報案内サービスシステムであって、
前記利用者端末の前記PoC機能を用いて前記利用施設に関する情報を音声信号にて前記利用者端末に通知する通知手段を前記情報案内提供装置に有することを特徴とする情報案内サービスシステム。
【請求項2】
前記情報案内提供装置は、前記PoC機能を介して前記利用者端末に接続することを特徴とする請求項1記載の情報案内サービスシステム。
【請求項3】
前記利用施設に関する情報を蓄積するデータベースと、前記PoC機能を用いて入力される前記利用者端末からの情報を基に前記利用施設に関する情報を前記データベースから検索する検索手段とを前記情報案内提供装置に含むことを特徴とする請求項1または請求項2記載の情報案内サービスシステム。
【請求項4】
前記利用者端末からのDTMF(Dial Tone Multi Frequency)トーンを解析する手段を前記情報案内提供装置に含み、
前記検索手段は、その解析されたDTMFトーンの解析結果を基に前記利用施設に関する情報を前記データベースから検索することを特徴とする請求項3記載の情報案内サービスシステム。
【請求項5】
前記通知手段は、少なくとも電車の時刻情報の提供及び乗り換え情報案内を行うことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか記載の情報案内サービスシステム。
【請求項6】
前記利用者端末の利用者が乗車する電車の運行位置を検知する手段を前記情報案内提供装置に含み、
前記通知手段は、その検知された運行位置に基づいて前記乗り換え情報及び降車情報を前記利用者端末に通知することを特徴とする請求項5記載の情報案内サービスシステム。
【請求項7】
携帯電話のトランシーバモードでの通信を行うPoC(Push−to−talk over Cellular)機能を持つ利用者端末に対して利用施設に関する情報を提供する情報案内提供装置であって、
前記利用者端末の前記PoC機能を用いて前記利用施設に関する情報を音声信号にて前記利用者端末に通知する通知手段を有することを特徴とする情報案内提供装置。
【請求項8】
前記PoC機能を介して前記利用者端末に接続することを特徴とする請求項7記載の情報案内提供装置。
【請求項9】
前記利用施設に関する情報を蓄積するデータベースと、前記PoC機能を用いて入力される前記利用者端末からの情報を基に前記利用施設に関する情報を前記データベースから検索する検索手段とを含むことを特徴とする請求項7または請求項8記載の情報案内提供装置。
【請求項10】
前記利用者端末からのDTMF(Dial Tone Multi Frequency)トーンを解析する手段を含み、
前記検索手段は、その解析されたDTMFトーンの解析結果を基に前記利用施設に関する情報を前記データベースから検索することを特徴とする請求項9記載の情報案内提供装置。
【請求項11】
前記通知手段は、少なくとも電車の時刻情報の提供及び乗り換え情報案内を行うことを特徴とする請求項7から請求項10のいずれか記載の情報案内提供装置。
【請求項12】
前記利用者端末の利用者が乗車する電車の運行位置を検知する手段を含み、
前記通知手段は、その検知された運行位置に基づいて前記乗り換え情報及び降車情報を前記利用者端末に通知することを特徴とする請求項11記載の情報案内提供装置。
【請求項13】
携帯電話のトランシーバモードでの通信を行うPoC(Push−to−talk over Cellular)機能を持つ利用者端末に対して利用施設に関する情報を提供する情報案内提供装置を含む情報案内サービスシステムに用いる情報案内サービス方法であって、前記情報案内提供装置側に、前記利用者端末の前記PoC機能を用いて前記利用施設に関する情報を音声信号にて前記利用者端末に通知する処理を有することを特徴とする情報案内サービス方法。
【請求項14】
前記情報案内提供装置が、前記PoC機能を介して前記利用者端末に接続することを特徴とする請求項13記載の情報案内サービス方法。
【請求項15】
前記情報案内提供装置側に、前記PoC機能を用いて入力される前記利用者端末からの情報を基に前記利用施設に関する情報を前記利用施設に関する情報を蓄積するデータベースから検索する処理を含むことを特徴とする請求項13または請求項14記載の情報案内サービス方法。
【請求項16】
前記情報案内提供装置側に、前記利用者端末からのDTMF(Dial Tone Multi Frequency)トーンを解析する処理を含み、
前記利用施設に関する情報を検索する処理は、その解析されたDTMFトーンの解析結果を基に前記利用施設に関する情報を前記データベースから検索することを特徴とする請求項15記載の情報案内サービス方法。
【請求項17】
前記利用施設に関する情報を通知する処理は、少なくとも電車の時刻情報の提供及び乗り換え情報案内を行うことを特徴とする請求項13から請求項16のいずれか記載の情報案内サービス方法。
【請求項18】
前記情報案内提供装置側に、前記利用者端末の利用者が乗車する電車の運行位置を検知する処理を含み、
前記利用施設に関する情報を通知する処理は、その検知された運行位置に基づいて前記乗り換え情報及び降車情報を前記利用者端末に通知することを特徴とする請求項17記載の情報案内サービス方法。
【請求項19】
携帯電話のトランシーバモードでの通信を行うPoC(Push−to−talk over Cellular)機能を持つ利用者端末に対して利用施設に関する情報を提供する情報案内提供装置を含む情報案内サービスシステムに用いる情報案内サービス方法のプログラムであって、コンピュータに、前記利用者端末の前記PoC機能を用いて前記利用施設に関する情報を音声信号にて前記利用者端末に通知する処理を実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−17749(P2006−17749A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−192388(P2004−192388)
【出願日】平成16年6月30日(2004.6.30)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】