説明

情報検出装置及び方法

【課題】
信頼性の高い情報検出装置及び情報検出方法を提案する。
【解決手段】
情報検出装置に、時定数を変更自在に構成され、通信信号の高周波数成分を抽出するハイパスフィルタ部と、通信信号の高周波成分のうちの信号レベルが予め定められたスケルチ検出用の閾値を超える部位を検出するスケルチ検出部と、スケルチ検出部の検出出力に基づいて、通信信号に重畳された情報を検出する情報検出部と、通信信号の直流成分のレベル変動を検出する直流変動検出部と、直流変動検出部により通信信号の直流成分のレベル変動が検出されたときに、ハイパスフィルタ部の時定数を一定期間下げるようにハイパスフィルタ部を制御する制御部と、制御部がハイパスフィルタ部の時定数を下げている間、スケルチ検出部がスケルチ検出用の閾値を超える部位を検出していないように、スケルチ検出部の検出出力をマスクするマスク部とを設けるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報検出装置及び方法に関し、例えば、シリアルATA(Advanced Technology Attachment)規格に準拠した受信装置に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ホストコンピュータ(以下、ホストと呼ぶ)と光ディスク装置、ハードディスク装置等のストレージデバイス(以下、デバイスと呼ぶ)とを接続する方式として、高速シリアル転送プロトコル規格であるシリアルATAが策定されている。
【0003】
シリアルATA規格では、データ転送を行う前に、OOB(Out of Band)シーケンスと呼ばれるネゴシエーションが行われる。このOOBシーケンスは、図8に示す以下の手順により行われる。
【0004】
すなわち、まず、ホストが、パワーオン後にデバイスに対してCOMRESET信号を送信する。そしてデバイスは、そのCOMRESET信号を受信すると、デバイスに対してCOMINIT信号を送信する。次に、ホストは、そのCOMINIT信号を受信すると、デバイスに、COMWAKE信号を送信し、デバイスは、そのCOMWAKE信号を受信すると、ホストにCOMWAKE信号を送信する。
【0005】
以上のように、かかるネゴシエーションは、ホスト又はデバイスが送信した各信号を他方が検出するという動作を繰り返すことにより行われる。このネゴシエーションが正常に行われたとき、データ転送が開始される。なお、これらのCOMRESET信号、COMWAKE信号、及びCOMINIT信号は、総称して、OOB信号と呼ばれる。
【0006】
これらのOOB信号は、シリアルATA規格で定められたバースト信号が伝送される一定の長さの期間(バースト期間)と無信号期間(スペース期間)とを繰り返す信号であり、バースト期間及びスペース期間の長さ、並びにそれらの回数が規格により定められている。
【0007】
具体的に、COMRESET信号及びCOMINIT信号のバースト期間及びスペース期間は、それぞれ約106.7[ns]、及び約320[ns]であり、そのバースト期間の数は、6回であり、COMWAKE信号のバースト期間及びスペース期間は、それぞれ約106.7[ns]であり、そのバースト期間の数は、6回である。一般的に、シリアルATA規格に準拠した受信装置では、バースト期間及びスペース期間をそれぞれ連続して3回以上検出すると、OOB信号を検出したと認識する。
【0008】
なお以上のようなシリアルATA通信に関連して、下記特許文献1には、スケルチ検出回路を用いてOOB信号の誤検出を防止する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2006−203338号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、シリアルATA規格に準拠した通信を行う通信システム(以下、これをシリアルATA通信システムと呼ぶ)では、送信装置から受信装置に差動伝送される通信信号の直流成分にレベル変動が生じた場合に、受信装置側においてOOB信号を誤検出したり、OOB信号を正確に検出することができなくなるなど、信頼性の面で未だ不十分な問題があった。
【0011】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、信頼性の高い情報検出装置及び方法を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
かかる課題を解決するため本発明は、情報検出装置において、バースト信号が伝送されるバースト期間と、無信号期間であるスペース期間とが情報の内容に応じたパターンで繰り返される通信信号から前記情報を検出する情報検出装置であって、時定数を変更自在に構成され、前記通信信号の高周波数成分を抽出するハイパスフィルタ部と、前記通信信号の高周波成分のうちの信号レベルが予め定められたスケルチ検出用の閾値を超える部位を検出するスケルチ検出部と、前記スケルチ検出部の検出出力に基づいて、前記通信信号に重畳された前記情報を検出する情報検出部と、前記通信信号の直流成分のレベル変動を検出する直流変動検出部と、前記直流変動検出部により前記通信信号の直流成分のレベル変動が検出されたときに、前記ハイパスフィルタ部の時定数を下げるように前記ハイパスフィルタ部を制御する制御部と、前記制御部が前記ハイパスフィルタ部の時定数を下げている間、前記スケルチ検出部が前記スケルチ検出用の閾値を超える部位を検出していないように、当該スケルチ検出部の検出出力をマスクするマスク部とを備えることを特徴とする。
【0013】
また本発明においては、時定数を変更自在に構成され、通信信号の高周波数成分を抽出するハイパスフィルタ部と、前記通信信号の高周波成分のうちの信号レベルが予め定められたスケルチ検出用の閾値を超える部位を検出するスケルチ検出部と、前記スケルチ検出部の検出出力に基づいて、前記通信信号に重畳された前記情報を検出する情報検出部とを有し、バースト信号が伝送されるバースト期間と、無信号期間であるスペース期間とが情報の内容に応じたパターンで繰り返される前記通信信号から前記情報を検出する情報検出装置の情報検出方法において、前記通信信号の直流成分のレベル変動を検出する第1のステップと、前記通信信号の直流成分のレベル変動が検出されたときに、前記ハイパスフィルタ部の時定数を下げるように前記ハイパスフィルタ部を制御する第2のステップと、前記ハイパスフィルタ部の時定数を下げている間、前記スケルチ検出部が前記スケルチ検出用の閾値を超える部位を検出していないように、当該スケルチ検出部の検出出力をマスクする第3のステップとを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、信頼性の高い情報検出装置及び方法を実現できる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面について本発明の一実施の形態を詳述する。
【0016】
(1)第1の実施の形態
(1−1)従来のシリアルATA通信システムの構成例
図1は、従来のシリアルATA通信システムの構成例を示す。このシリアルATA通信システム1は、シリアルATA規格に準拠した送信装置2及び受信装置3を備え、これら送信装置2及び受信装置3がシリアルATAケーブル4を介して接続されて構成されている。
【0017】
送信装置2は、出力アンプ10と、第1及び第2のAC結合コンデンサC1,C2とを備える。そして送信装置2は、出力アンプ10から差動出力される通信信号の正相側(以下、これを正相側通信信号と呼ぶ)を、第1のAC結合コンデンサC1及び第1の出力端子11Aを介してシリアルATAケーブル4に送出すると共に、出力アンプ10の反転出力端子から出力される通信信号の逆相側(以下、これを逆相側通信信号と呼ぶ)を、第2のAC結合コンデンサC2及び第2の出力端子11Bを介してシリアルATAケーブル4に送出する。
【0018】
受信装置3は、第1及び第2の入力端子20A,20Bと、ハイパスフィルタ部21、バイアス電源22、スケルチ検出部23、OOB検出部24、シリアルATAインタフェースコントロール部25及びデータ抽出部26とを備えて構成される。
【0019】
ハイパスフィルタ部21は、第1の入力端子20Aに直列接続された第3のコンデンサC3及び第1の終端抵抗R1から構成される第1のハイパスフィルタ回路30Aと、第2の入力端子20Bに直列接続された第4のコンデンサC4及び第2の終端抵抗R2から構成される第2のハイパスフィルタ回路30Bとを備える。そして第1の入力端子20Aには、送信装置2からシリアルATAケーブル4を介して差動伝送される正相側通信信号及び逆相通信信号のうちの正相側通信信号が与えられ、第2の入力端子20Bには、逆相側通信信号が与えられる。また第1及び第2の終端抵抗R1,R2は、負極側が接地されたバイアス電源22の正極側に共通接続されている。
【0020】
かくしてハイパスフィルタ部21は、正相側通信信号の高周波成分を抽出し、抽出した高周波成分にバイアス電源22の出力電圧に応じたバイアス電圧を重畳して、これを正相側高周波成分信号として第3のAC結合コンデンサC3及び第1の終端抵抗R1の接続中点から出力する。またハイパスフィルタ部21は、逆相側通信信号の高周波成分を抽出し、抽出した高周波成分に上記バイアス電圧を重畳して、これを逆相側高周波成分信号として第4のAC結合コンデンサC4及び第2の終端抵抗R2の接続中点を介して出力する。
【0021】
スケルチ検出回路23は、ハイパスフィルタ部21から出力される正相側高周波成分信号及び逆相側高周波成分信号を入力し、これら正相側高周波成分信号及び逆相側高周波成分信号の信号レベルの差分の絶対値が予め設定された所定の閾値(スケルチ検出回路23が正常にスケルチ検出を行える入力信号の閾値であり、以下、これをスケルチ検出回路許容入力信号閾値と呼ぶ)以上であるか否かを判定する。そしてスケルチ検出回路23は、かかる差分の絶対値がスケルチ検出回路許容入力信号閾値以上となる期間は論理レベル「1」に立ち上がり、かかる差分の絶対値がスケルチ検出回路許容入力信号閾値よりも小さい期間は論理レベル「0」に立ち下がるスケルチ検出信号を生成し、これをOOB検出回路24に送出する。
【0022】
OOB検出回路24は、スケルチ検出信号を監視し、そのスケルチ検出信号に含まれる論理レベルが「1」の各部分(つまりOOB信号の各バースト期間)でそれぞれ論理レベル「1」に立ち上がる各パルスのパルス幅(バースト期間に相当)、連続する個数(バースト期間の回数に相当)及びパルス間隔(スペース期間に相当)をそれぞれ測定する。そしてOOB検出回路24は、この測定により得られた各パルスのパルス幅及びパルス間隔を、シリアルATA規格において規定されたCOMRESET信号、COMWAKE信号及びCOMINIT信号のバースト期間及びスペース期間とそれぞれ比較し、かかるパルス幅及びパルス間隔がCOMRESET信号、COMWAKE信号及びCOMINIT信号のいずれかのバースト期間及びスペース期間と合致する連続する3つ以上のパルスを検出すると、これに応じたOOB検出信号をシリアルATAインタフェースコントロール部25に送信する。
【0023】
具体的に、OOB検出部24は、パルス幅が約106.7[ns]、間隔が約320[ns]である連続する3つ以上のパルスを検出すると、COMRESET信号又はCOMINIT信号を受信したと判断し、これに応じたOOB検出信号をシリアルATAインタフェースコントロール部25に送信する。またOOB検出部24は、パルス幅が約106.7[ns]、間隔が約160.7[ns]である連続する3つ以上のパルスを検出すると、COMWAKE信号を受信したと判断し、これに応じたOOB検出信号をシリアルATAインタフェースコントロール部25に送信する。
【0024】
シリアルATAインタフェースコントロール部25は、OOB検出回路24から与えられるOOB検出信号に基づいて、COMRESET信号、COMRESET信号又はCOMINIT信号の入力の有無を判断し、判断結果に基づき必要に応じて、図8について上述したOOBシーケンスに関する所定処理を実行する。
【0025】
一方、データ抽出部26は、データ抽出用差動アンプ40及びデータ抽出ブロック41から構成される。
【0026】
データ抽出用差動アンプ40は、非反転入力端子がハイパスフィルタ部21の第3のAC結合コンデンサC3及び第1の終端抵抗R1の接続中点と接続され、反転入力端子がハイパスフィルタ部21の第4のAC結合コンデンサC4及び第2の終端抵抗R2の接続中点と接続されている。そしてデータ抽出用差動アンプ40は、ハイパスフィルタ部21から非反転入力端子に与えられる正相側高周波成分信号と、当該ハイパスフィルタ部21から反転入力端子に与えられる逆相側高周波成分信号と信号レベルの差分に応じた差分信号をデータ抽出ブロック41に送出する。
【0027】
またデータ抽出ブロック41は、シリアルATAインタフェースコントロール部25の制御のもとに、受信装置3が送信装置2との間のOOBシーケンスが終了した後に、データ抽出用差動アンプ40から与えられる差分信号に含まれる、送信装置2から送信されてきたデータを抽出する。
【0028】
以上のような構成を有する従来のシリアルATA通信システムでは、システム全体で見ると、送信装置2の第1のAC結合コンデンサC1と、受信装置3の第3のAC結合コンデンサC3及び第1の終端抵抗R1とでハイパスフィルタが構成され、送信装置2の第2のAC結合コンデンサC2と、受信装置3の第4のAC結合コンデンサC4及び第2の終端抵抗R2とでハイパスフィルタが構成される。
【0029】
このため、図2(A)に示すように、例えば送信装置2側がシャットダウンされるなどして正相側通信信号S1及び逆相側通信信号S2の直流成分に変動が生じた場合(時点t1)、受信装置3のハイパスフィルタ部21から出力される正相側高周波成分信号及び逆相側高周波信号に、例えば図2(B)に示すような鋸歯状のレベル変動が発生する。また、これに伴い正相側高周波成分信号及び逆相側高周波信号の差分でなる差分信号S3にも、同様のレベル変動が発生する。
【0030】
そして、この差分信号S3に発生したかかるレベル変動が、スケルチ検出回路23が正常にスケルチ検出を行えるスケルチ検出回路許容入力信号閾値TH1を超えた場合、図2(C)に示すように、スケルチ検出回路23から出力されるスケルチ検出信号S4に、かかる差分信号S3の信号レベルがスケルチ検出回路許容入力信号閾値TH1を超えた期間立ち上がるパルスP1が発生し、条件によってはOOB検出回路24がこのパルスP1をOOB信号と誤検出するおそれがあった。
【0031】
また図3(A)に示すように、正相側通信信号S1及び逆相側通信信号S2の直流成分にレベル変動が生じた(時点t2)直後に送信装置2から受信装置3にOOB信号S5が送信された場合、図3(B)に示すように、かかる差分信号S3がスケルチ検出回路許容入力信号閾値TH1を超えた状態でOOB信号S5がスケルチ検出回路23に入力する場合がある。そしてこの場合には、図3(C)に示すように、差分信号S3がスケルチ検出回路許容入力信号閾値TH1を超えた期間立ち上がるパルスP2を含むスケルチ検出信号S4がOOB検出回路24に与えられるため、OOB検出回路24がOOB信号S5を検出できない問題があった。
【0032】
これらの問題を解決するための1つの方法として、例えば、かかる差分信号S3がスケルチ検出回路許容入力信号閾値TH1を超える期間がなるべく短くなるようにシステムを構築すると共に、この期間中にスケルチ検出信号S4に発生するパルスP3,P4を何らかの方法によりマスキングする方法が考えられる。そしてこの方法によれば、図3(A)のように正相側通信信号S1及び逆相側通信信号S2の直流成分にレベル変動が生じた直後に送信装置2から受信装置3にOOB信号S5が送信された場合においても、OOB信号をマスキングすることなく、かかるレベル変動に起因してスケルチ検出信号S4に発生するパルスのみをマスキングすることができるものと考えられる。
【0033】
この場合において、図2(A)のような正相側通信信号S1及び逆相側通信信号S2の直流成分のレベル変動に起因して受信装置3の第1のハイパスフィルタ回路30Aから出力される正相側高周波成分信号に発生するレベル変動の収束時間は、送信装置2の第1のAC結合コンデンサC1と、受信装置3の第3のAC結合コンデンサC3及び第1の終端抵抗R1とで構成されるハイパスフィルタの時定数τとして計算することができる。そして、この時定数τは、送信装置2の第1のAC結合コンデンサC1の容量をCT1、受信装置3の第3のAC結合コンデンサC3の容量をCR1、受信装置3の第1の終端抵抗R1の抵抗値をRR1として、次式のように求めることができる。
【数1】

【0034】
また、このとき受信装置3の第2のハイパスフィルタ回路30Bから出力される逆相側高周波成分信号に発生するレベル変動の収束時間も、同様に求めることができる。
【0035】
従って、送信装置2の第1のAC結合コンデンサC1の容量と、受信装置3の第3のAC結合コンデンサC3の容量との合計値を小さくするか、及び又は、受信装置3の第1の終端抵抗R1の抵抗値を小さくすることによって、これら第1及び第3のAC結合コンデンサC1,C3と、第1の終端抵抗R1とで構成されるハイパスフィルタの時定数τを下げることができ、同様の方法により、送信装置2の第2のAC結合コンデンサC2と、受信装置3の第4のAC結合コンデンサC4及び第2の終端抵抗R2とで構成されるハイパスフィルタの時定数を下げることができることが分かる。
【0036】
そして、このような方法により正相側高周波成分信号に発生するレベル変動の収束時間と、逆相側高周波成分信号に発生するレベル変動の収束時間を短時間化することによって、例えば図5(C)及び図6(C)に示すように、正相側通信信号及び逆相側通信信号の直流成分のレベル変動に起因して正相側高周波成分信号及び逆相側高周波成分信号の差分である差分信号S3がスケルチ検出回路許容入力信号閾値TH1を超える時間を短く抑えることができる。
【0037】
ただし、かかるハイパスフィルタ部21における第3及び第4のAC結合コンデンサC3,C4の容量や、第1及び第2の終端抵抗R1,R2の抵抗値を下げることは、受信装置3側で受信する正相側通信信号及び逆相側通信信号の信号品質を下げることになるため、初期状態からかかる容量や抵抗値を下げるようにすることは対応として不十分である。
【0038】
そこで、本実施の形態のシリアルATA通信システムでは、受信装置3側において、正相側通信信号及び逆相側通信信号の直流成分のレベルを監視し、かかる直流成分のレベル変動が生じたときにハイパスフィルタ部21における第1及び第2のハイパスフィルタ回路30A,30Bの時定数を一時的に下げ、さらにこのときスケルチ検出回路23から出力されるスケルチ検出信号をマスクする機能が搭載されている。以下、このような機能が搭載された本実施の形態によるシリアルATA通信システムについて説明する。
【0039】
(1−2)本実施の形態によるシリアルATA通信システム
図1との対応部分に同一符号を付した図4は、本実施の形態によるシリアルATA通信システム50を示す。このシリアルATA通信システム50は、受信装置51のハイパスフィルタ部52の構成が異なる点と、受信装置51にスイッチ制御部53が追加されている点とを除いて図1について上述したシリアルATA通信システム1と同様に構成されている。
【0040】
実際上、このシリアルATA通信システム50の場合、受信装置51のハイパスフィルタ部52の第1のハイパスフィルタ回路60Aには、第1の終端抵抗R1と並列に接続された第1の時定数低減用抵抗R3及び第1のスイッチ61Aが設けられ、第2のハイパスフィルタ回路60Bには、第2の終端抵抗R2と並列に接続された第2の時定数低減用抵抗R4及び第2のスイッチ61Bが設けられている。
【0041】
そして第1及び第2のスイッチ61A,61Bは、スイッチ制御部53から与えられる後述するスイッチ制御信号に基づいて、当該スイッチ制御信号の論理レベルが「0」のときには開状態となり、当該スイッチ制御信号の論理レベルが「1」のときには閉状態となるように構成されている。
【0042】
またスイッチ制御部53は、加算アンプ70、直流成分変動検出回路71、スイッチ制御回路72及びマスク用ゲート73から構成されている。
【0043】
加算アンプ70は、一方の入力端子がハイパスフィルタ部52の第3のAC結合コンデンサC3及び第1の終端抵抗R1の接続中点と接続され、他方の入力端子がハイパスフィルタ部52の第4のAC結合コンデンサC4及び第2の終端抵抗R2の接続中点と接続されている。そして加算アンプ70は、ハイパスフィルタ部53から一方の入力端子に与えられる正相側高周波成分信号と、ハイパスフィルタ部53から他方の入力端子に与えられる逆相側高周波成分信号とを加算する。これにより正相側通信信号に含まれる情報成分と、逆相側通信信号に含まれる情報成分とが相殺されて、正相側通信信号の直流成分の変動分と、逆相側通信信号の直流成分の変動分とを加算した信号(以下、これを変動加算信号と呼ぶ)が得られる。かくして加算アンプ70は、このようにして得られた変動加算信号を直流変動検出回路71に送出する。
【0044】
直流変動検出回路71は、供給される変動加算信号に基づいて、正相側通信信号及び逆相側通信信号の各直流成分のレベル変動の有無を検出する。具体的に直流変動検出回路71は、変動加算信号の信号レベルを、予め定められた閾値(以下、これを変動検出用閾値と呼ぶ)と比較する。そして直流変動検出回路71は、かかる変動加算信号の信号レベルが変動検出用閾値以上となったときに、これに応じたレベル変動検出信号をスイッチ制御回路72に送出する。
【0045】
スイッチ制御回路72は、通常時には、論理レベル「0」のスイッチ制御信号をハイパスフィルタ部52の第1及び第2のスイッチ61A,61Bに送信することにより、これら第1及び第2のスイッチ61A,61Bを開いた状態に制御する。またスイッチ制御回路72は、直流変動検出回路71から与えられるレベル変動検出信号に基づいて、変動加算信号の信号レベルが変動検出用閾値以上となった(正相側通信信号及び逆相側通信信号の直流成分に一定以上のレベル変動が生じた)ことを認識すると、かかるスイッチ制御信号の論理レベルを予め定められた所定時間(以下、これをマスキング時間と呼ぶ)だけ「1」に切り替え、これによりハイパスフィルタ部52の第1及び第2のスイッチ61A,61Bをかかるマスキング時間だけ閉じた状態に遷移させる。
【0046】
マスク用ゲート回路73は、非反転入力端子及び反転入力端子を有するANDゲート回路から構成され、スケルチ検出回路23から出力されるスケルチ検出信号を非反転入力端子に入力し、スイッチ制御回路72から出力されるスイッチ制御信号を反転入力端子に入力する。そしてマスク用ゲート回路73は、これらスケルチ検出信号と、スイッチ制御信号を反転させた信号との論理和をマスク用ゲート信号としてOOB検出回路24に送出する。
【0047】
従って、通常時には、論理レベル「0」のスイッチ制御信号がスイッチ制御回路72からマスク用ゲート回路73の反転入力端子に与えられるため、マスク用ゲート回路73からはスケルチ検出信号と同じ論理レベルのマスク用ゲート信号が出力され、これがOOB検出回路24に与えられる。また正相側通信信号及び逆相側通信信号の直流成分にレベル変動が生じたことをスイッチ制御回路72が認識したときには、スイッチ制御信号の論理レベルが上述のマスキング時間だけ「1」に切り替えられるため、この間、かかるレベル変動に起因するパルス(図2(C)のパルスP1や図3(C)のパルスP2)がスケルチ検出信号に発生した場合においてもこのパルスがマスキングされて、マスク用ゲート回路73からは、論理レベル「0」のマスク用ゲート信号がOOB検出回路24に与えられる。
【0048】
以上の構成において、本シリアルATA通信システム50において、図5(A)に示すように、送信装置2の出力アンプ10から出力される正相側通信信号S1及び逆相側通信信号S2の直流成分にレベル変動が生じた場合(時点t3)、図5(B)に示すように、このレベル変動が受信装置51のスイッチ制御部53の直流変動検出部71において変動加算信号S10に基づいて検出され、これに応じた変動検出信号がスイッチ制御回路72に与えられる。そしてスイッチ制御回路72は、この変動検出信号に基づいて、図5(C)に示すように、スイッチ制御信号S11の論理レベルをマスキング時間T1分だけ「0」から「1」に切り替える。
【0049】
このときスイッチ制御信号S11の論理レベルの切り替えに応じてハイパスフィルタ部52の第1及び第2のスイッチ61A,61Bが閉状態となる。そして、第1及び第2のスイッチ61A,61Bが閉状態となると、第1の終端抵抗R1に対して第1の時定数低減用抵抗R3が並列に接続され、第2の終端抵抗R2に対して第2の時定数低減用抵抗R4が並列に接続されることになる。この結果、送信装置2の第1のAC結合コンデンサC1、受信装置51の第3のAC結合コンデンサC3及び第1の終端抵抗R1により構成されるハイパスフィルタ全体としての抵抗値と、送信装置2の第2のAC結合コンデンサC2、受信装置51の第4のAC結合コンデンサC4及び第2の終端抵抗R2により構成されるハイパスフィルタの抵抗値とがそれぞれ元の抵抗値よりも小さくなって、これら2つのハイパスフィルタの時定数が下がる。これにより、図5(D)に示すように、正相側通信信号S1及び逆相側通信信号S2の直流成分のレベル変動に起因して正相側高周波成分信号及び逆相側高周波成分信号の差分である差分信号S3がスケルチ検出回路許容入力信号閾値TH1を超える時間が短時間化する。
【0050】
この場合において、図5(D)に示すように、かかる差分信号S3がスケルチ検出回路許容入力信号閾値TH1を超えた期間立ち上がるパルスP3がスケルチ検出信号S14に発生するが、図5(E)に示すように、このときマスク用ゲート回路73から出力されるマスク用ゲート信号S13の論理レベルは上述のように常に「0」となるため、OOB検出回路24にかかるパルスP3が入力されることも、このパルスP3に基づいてOOB検出回路24がOOB信号を誤検出することもない。
【0051】
また、例えば図6(A)に示すように、正相側通信信号S1及び逆相側通信信号S2の直流成分に変動が生じた(時点t4)直後に送信装置2から受信装置51にOOB信号S12が送信された場合においても、差分信号S3がスケルチ検出回路許容入力信号閾値TH1を超える時間が短時間化されているため、図6(B)〜(F)に示すように、OOB信号S12をマスキングすることなく、スケルチ検出信号S4に発生したパルスP4のみをマスキングしたマスク用ゲート信号S13をOOB検出回路24に与えることができる。
【0052】
以上のように本実施の形態によれば、シリアルATA通信システム50の受信装置51側において、正相側通信信号及び逆相側通信信号の直流成分のレベル変動を監視し、当該レベル変動が生じたときには、ハイパスフィルタ部52における第3及び第4の終端抵抗R3,R4に対してそれぞれ第1又は第2の時定数低減用抵抗R3,R4を並列接続すると共に、これと併せてスケルチ検出回路23から出力されるスケルチ検出信号をマスキングするようにしたことにより、かかる正相側通信信号及び逆相側通信信号の直流成分のレベル変動に起因してOOB検出回路24がOOB信号を誤検出することを防止することができ、かくして信頼性の高いシリアルATA通信システムを構築することができる。
【0053】
(2)第2の実施の形態
図4との対応部分に同一符号を付して示す図7は、図4の受信装置51に代えてリアルATA通信システム50に適用される第2の実施の形態による受信装置80を示す。この受信装置80は、ハイパスフィルタ部81の第1及び第2のハイパスフィルタ回路82A,82Bの構成が異なる点を除いて第1の実施の形態の受信装置51と同様に構成されている。
【0054】
すなわち、本実施の形態による受信装置80の場合、かかる第1のハイパスフィルタ回路82Aは、第1の入力端子20Aに直接接続された第3のAC結合コンデンサC3、第1の時定数低減用コンデンサC10及び第1の終端抵抗R1と、第1の時定数低減用コンデンサC5と並列に接続された第1のスイッチ83Aとから構成され、第2のハイパスフィルタ回路82Bは、第2の入力端子20Bに直接接続された第4のAC結合コンデンサC4、第2の時定数低減用コンデンサC11及び第1の終端抵抗R2と、第2の時定数低減用コンデンサC11と並列に接続された第2のスイッチ83Bとから構成されている。
【0055】
そして第1及び第2のスイッチ83A,83Bは、スイッチ制御部53のスイッチ制御回路72から与えられるスイッチ制御信号に基づいて、当該スイッチ制御信号の信号レベルが論理「0」のときには閉状態となり、当該スイッチ制御信号の信号レベルが論理「1」のときには開状態となるように構成されている。
【0056】
これによりこの受信装置80においては、スイッチ制御回路72から出力されるスイッチ制御信号に基づいて、通常時には、第1及び第2のハイパスフィルタ回路82A,82Bの第1及び第2のスイッチ83A,83Bが閉じ、正相側通信信号及び逆相側通信信号の直流成分にレベル変動が発生したときには、かかる第1及び第2のスイッチ83A,83Bが開くようになされている。
【0057】
以上の構成において、通常時には、第1及び第2のスイッチ83A,83Bが閉じているため、送信装置2の第1のAC結合コンデンサC1、受信装置51の第3のAC結合コンデンサC3及び第1の終端抵抗R1により構成されるハイパスフィルタのコンデンサ容量は、かかる第1及び第3のAC結合コンデンサC1,C3の各容量に依存し、送信装置2の第2のAC結合コンデンサC2、受信装置51の第4のAC結合コンデンサC4及び第1の終端抵抗R2により構成されるハイパスフィルタのコンデンサ容量は、かかる第2及び第4のAC結合コンデンサC2,C4の各容量に依存する。
【0058】
これに対して、正相側通信信号及び逆相側通信信号の直流成分にレベル変動が発生したときには、第3のコンデンサC3に対して第1の時定数低減用コンデンサC10が直列に接続され、第4のコンデンサC4に対して第2の時定数低減用コンデンサC11が直列に接続されることになり、送信装置2の第1のAC結合コンデンサC1、受信装置51の第3のAC結合コンデンサC3及び第1の終端抵抗R1等により構成されるハイパスフィルタのコンデンサ容量と、送信装置2の第2のAC結合コンデンサC2、受信装置51の第4のAC結合コンデンサC4及び第1の終端抵抗R2等により構成されるハイパスフィルタのコンデンサ容量とのいずれもが元のコンデンサ容量よりも小さくなる。
【0059】
この結果、これら2つのハイパスフィルタの時定数が小さくなるため、正相側通信信号及び逆相側通信信号の直流成分に生じたレベル変動に起因して正相側高周波成分信号及び逆相側高周波成分信号の差分である差分信号がスケルチ検出回路許容入力信号閾値を超える時間を短く抑えることができる。
【0060】
またこのとき、マスク用ゲート回路73の反転入力端子に入力するスイッチ制御信号の論理レベルも上述のマスキング時間だけ「0」から「1」に切り替わるため、このマスキング時間内にかかる正相側高周波成分信号及び逆相側高周波成分信号の差分である差分信号がスケルチ検出回路許容入力信号閾値TH1(図5及び図6)を超えたことに起因するパルスがスケルチ検出回路23から出力されがスケルチ検出信号に生じたとしても、上述のようにマスク用ゲート回路73から出力されるマスク用ゲート信号の論理レベルは常に「0」となり、かかるパルスがOOB検出回路24に入力されることも、またOOB検出回路24がマスク用ゲート信号に基づいてOOB信号を誤検出することもない。
【0061】
以上のように本実施の形態によれば、シリアルATA通信システムの受信装置80側において、正相側通信信号及び逆相側通信信号の直流成分のレベル変動を監視し、当該レベル変動が生じたときには、ハイパスフィルタ部81における第3及び第4のAC結合コンデンサC3,C4に対してそれぞれ第1又は第2の時定数低減用コンデンサC10,C11を並列接続すると共に、これと併せてスケルチ検出回路23から出力されるスケルチ検出信号をマスキングするようにしたことにより、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0062】
(3)他の実施の形態
なお上述の第1及び第2の実施の形態においては、差動信号の直流成分の変動を検出した場合に、マスキング時間分だけ受信装置51,80におけるハイパスフィルタ部52,81の抵抗値又はコンデンサ容量を下げることにより、送信装置2の第1のAC結合コンデンサC1、受信装置51,80の第3のAC結合コンデンサC3及び第1の終端抵抗R1から構成されるハイパスフィルタと、送信装置2の第2のAC結合コンデンサC2、受信装置51,80の第4のAC結合コンデンサC4及び第2の終端抵抗R2から構成されるハイパスフィルタとの時定数を低くするようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、受信装置51,80におけるハイパスフィルタ部52,81の抵抗値及びコンデンサ容量の双方をマスキング時間分だけ下げることによりかかる時定数を下げるようにしても良い。
【0063】
また上述の第1及び第2の実施の形態においては、差動信号の直流成分の変動を検出した場合に、変動加算信号の信号レベルが変動検出用閾値以上となってから一定時間だけ受信装置51,80におけるハイパスフィルタ部52,81の抵抗値又はコンデンサ容量を下げたが、変動加算信号の信号レベルが変動検出用閾値以上である時間と一定時間とを合わせた時間だけ受信装置51,80におけるハイパスフィルタ部52,81の抵抗値又はコンデンサ容量を下げてもよい。
【0064】
また上述の第1及び第2の実施の形態においては、本発明を、シリアルATA通信規格に準拠した受信装置51,80に適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、要は、バースト信号が伝送されるバースト期間と、無信号期間であるスペース期間とが情報の内容に応じたパターンで繰り返される通信信号から情報を検出する種々の情報検出装置に広く適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明は、OOB信号を検出する受信装置のほか、バースト信号が伝送されるバースト期間と、無信号期間であるスペース期間とが伝送情報の内容に応じたパターンで繰り返される伝送信号から伝送情報を検出する、この他種々の情報検出装置に広く適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】従来のシリアルATA通信システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】図1のシリアルATA通信システムにおける各種信号の波形を示す波形図である。
【図3】図1のシリアルATA通信システムにおける各種信号の波形を示す波形図である。
【図4】第1の実施の形態によるシリアルATA通信システムの全体構成を示すブロック図である。
【図5】図4のシリアルATA通信システムにおける各種信号の波形を示す波形図である。
【図6】図4のシリアルATA通信システムにおける各種信号の波形を示す波形図である。
【図7】第2の実施の形態による受信装置の構成を示すブロック図である。
【図8】OOB(Out of Band)シーケンシャルを説明するための図である。
【符号の説明】
【0067】
1,50……シリアルATA通信システム、2……送信装置、3,51……受信装置、4……シリアルATAケーブル、10……出力アンプ、11A,11B……出力端子、20A,20B……入力端子、21,52,81……ハイパスフィルタ部、22……バイアス抵抗、30A,60A,82A,30B,60B,82B……ハイパスフィルタ回路、23……スケルチ検出回路、24……OOB検出回路、25……SATAインタフェースコントロール部、26……データ抽出部、40……データ抽出用差動アンプ、41……データ抽出回路、53……スイッチ制御部、61A,83A,61B,83B……スイッチ、70……加算アンプ、71……DC変動検出回路、72……スイッチ制御回路、73……マスク用ゲート、C1,C2,C3,C4……AC結合コンデンサ、C10,C11……時定数低減用コンデンサ、R1,R2……終端抵抗、R3、R4……時定数低減用抵抗。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バースト信号が伝送されるバースト期間と、無信号期間であるスペース期間とが情報の内容に応じたパターンで繰り返される通信信号から前記情報を検出する情報検出装置において、
時定数を変更自在に構成され、前記通信信号の高周波数成分を抽出するハイパスフィルタ部と、
前記通信信号の高周波成分のうちの信号レベルが予め定められたスケルチ検出用の閾値を超える部位を検出するスケルチ検出部と、
前記スケルチ検出部の検出出力に基づいて、前記通信信号に重畳された前記情報を検出する情報検出部と、
前記通信信号の直流成分のレベル変動を検出する直流変動検出部と、
前記直流変動検出部により前記通信信号の直流成分のレベル変動が検出されたときに、前記ハイパスフィルタ部の時定数を下げるように前記ハイパスフィルタ部を制御する制御部と、
前記制御部が前記ハイパスフィルタ部の時定数を下げている間、前記スケルチ検出部が前記スケルチ検出用の閾値を超える部位を検出していないように、当該スケルチ検出部の検出出力をマスクするマスク部と
を備えることを特徴とする情報検出装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記直流変動検出部により前記通信信号の直流成分のレベル変動が検出されたときに、前記ハイパスフィルタ部の時定数を一定期間下げるように前記ハイパスフィルタ部を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報検出装置。
【請求項3】
前記ハイパスフィルタ部は、抵抗とキャパシタとから構成され、
前記制御部は、前記抵抗の抵抗値及び又は前記キャパシタの静電容量を下げることによって、前記ハイパスフィルタ部の時定数を下げる
ことを特徴とする請求項1に記載の情報検出装置。
【請求項4】
前記通信信号は、正相信号と逆相信号とからなる差動信号であり、
前記直流変動検出部は、前記差動信号の前記正相信号と前記逆相信号とを加算し、加算した信号の値が所定の範囲外の値となった場合に、前記ハイパスフィルタ部の時定数を下げる
ことを特徴とする請求項1に記載の情報検出装置。
【請求項5】
前記情報検出部は、シリアルATA規格により定められたアウトオブバンド信号を検出する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報検出装置。
【請求項6】
時定数を変更自在に構成され、通信信号の高周波数成分を抽出するハイパスフィルタ部と、前記通信信号の高周波成分のうちの信号レベルが予め定められたスケルチ検出用の閾値を超える部位を検出するスケルチ検出部と、前記スケルチ検出部の検出出力に基づいて、前記通信信号に重畳された前記情報を検出する情報検出部とを有し、バースト信号が伝送されるバースト期間と、無信号期間であるスペース期間とが情報の内容に応じたパターンで繰り返される前記通信信号から前記情報を検出する情報検出装置の情報検出方法において、
前記通信信号の直流成分のレベル変動を検出する第1のステップと、
前記通信信号の直流成分のレベル変動が検出されたときに、前記ハイパスフィルタ部の時定数を下げるように前記ハイパスフィルタ部を制御する第2のステップと、
前記ハイパスフィルタ部の時定数を下げている間、前記スケルチ検出部が前記スケルチ検出用の閾値を超える部位を検出していないように、当該スケルチ検出部の検出出力をマスクする第3のステップと
を備えることを特徴とする情報検出方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2011−10244(P2011−10244A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−154357(P2009−154357)
【出願日】平成21年6月29日(2009.6.29)
【出願人】(501009849)株式会社日立エルジーデータストレージ (646)
【Fターム(参考)】