説明

情報端末、制御方法、及びプログラム

【課題】画面内に表示されている表示情報の動きを制御すること。
【解決手段】情報を表示する画面を具備する表示装置140と、押圧位置を検知する入力装置140と、入力装置140が検知した押圧位置に基づいて、表示装置140の画面内に表示されている表示情報の動きを制御する制御装置とを備え、制御装置は、表示装置140の画面内に表示されている表示情報を、入力装置140が検知した複数の各押圧位置の相対関係に基づいて決定される基準軸に沿って移動又は回転させるべく制御する表示情報制御部を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報端末、制御方法、及びプログラムに関する。特に本発明は、画面内に表示されている表示情報の動きを制御する情報端末、当該情報端末を制御する制御方法、並びに当該情報端末用のプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の携帯電話やスマートフォンは、Webページや地図、新聞の紙面等の様々なコンテンツその画面に表示することができる。ところが、このようなコンテンツは、全ての情報が画面内に収まらないことが多い。その場合、ユーザは、画面内に表示されていない情報が表示されるように、所定のボタンを押下したり、タッチスクリーンをフリックしたりして、画面表示をスクロール移動する。
【0003】
従来技術として、折り畳み型の携帯端末装置の上部筐体に表示部を備え、下部筐体の対向する側面に第1及び第2の圧力センサーを配置し、これらの圧力センサーへの親指及び人差し指の加重値の差分に基づいた速度で、画面の上又は下方向へとスクロール移動させること、更には側面に第3の圧力センサーを配置して、2次元のスクロール移動方向及びスクロール移動速度を設定することが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−200665号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術の携帯端末装置は、2つ又は3つの圧力センサーのうち、押圧された圧力センサーの組合せと、その押圧力の関係によって、スクロール移動される方向を決定するようにしているため、そのスクロール移動の方向に対して操作すべき圧力センサーの組合せや押圧力の関係が直感的に分かり難いという欠点がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の第1の形態によると、画面内に表示されている表示情報の動きを制御する情報端末であって、情報を表示する画面を具備する表示装置と、押圧位置及び押圧位置における押圧状況を検知する入力装置と、入力装置が検知した押圧位置及び押圧状況に基づいて、表示装置の画面内に表示されている表示情報の動きを制御する制御装置とを備え、制御装置は、入力装置が検知した複数の押圧位置及び押圧状況に基づいて、表示装置の画面内に表示されている表示情報を制御する表示情報制御部を具備する。
【0007】
制御装置は、押圧状況に基づいて、表示情報を動かす際の速度を算出する速度算出部を更に具備してよい。
【0008】
押圧状況は、各押圧位置における押圧力又は押圧面積の相対関係であってよい。
【0009】
表示情報がスクロール移動可能な表示画面である場合、表示情報制御部は、押圧位置及び押圧状況に基づいて表示画面をスクロール移動させるべく制御してよい。
【0010】
本発明の第2の形態によると、画面内に表示されている表示情報の動きを制御する情報端末を制御する制御方法であって、入力装置が検知した複数の押圧位置及び押圧状況の相対関係に基づいて、表示装置の画面内に表示されている表示情報を制御する表示情報制御段階を具備する。
【0011】
本発明の第3の形態によると、画面内に表示されている表示情報の動きを制御する情報端末用のプログラムであって、情報端末を、入力装置が検知した複数の押圧位置及び押圧状況の相対関係に基づいて、表示装置の画面内に表示されている表示情報を制御する表示情報制御部として機能させる。
【0012】
なおまた、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となり得る。
【発明の効果】
【0013】
以上の説明から明らかなように、この発明は、直感的で分かり易い操作にて、画面内に表示されている表示情報を任意の方向及び速度で動かすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】スマートフォン100の一例を示す図である。
【図2】タッチスクリーン140の構成の一例を示す図である。
【図3】一実施形態に係るスマートフォン100の構成の一例を示す図である。
【図4】スマートフォン100の制御部110の構成の一例を示す図である。
【図5】スマートフォン100の制御部110の動作フローの一例を示す図である。
【図6】タッチスクリーン140に表示されている表示情報の一例を示す図である。
【図7】タッチスクリーン140上の2点が押圧された様子を示す図である。
【図8】地図上のC点を画面上のD点までスクロール移動する方法の一例を示す図である。
【図9】タッチスクリーン140上の3点が押圧された様子を示す図である。
【図10】フレーム構造のWebページの一例を示す図である。
【図11】タッチスクリーン140上の2点が押圧された様子を示す図である。
【図12】タッチスクリーン140上の2点が押圧された様子を示す図である。
【図13】タッチスクリーン140上の2点が押圧された様子を示す図である。
【図14】タッチスクリーン140上の2点が押圧された様子を示す図である。
【図15】キャラクターを移動させる実施形態の一例を示す図である。
【図16】キャラクターを移動させる実施形態の一例を示す図である。
【図17】回転体を回転させる実施形態の一例を示す図である。
【図18】回転体を回転させる実施形態の一例を示す図である。
【図19】他の実施形態に係る端末200、及びタッチパッド300の一例を示す図である。
【図20】他の実施形態に係る端末400の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0016】
図1は、スマートフォン100の一例を示す。スマートフォン100は、個人用の携帯コンピュータの機能を併せ持った携帯電話である。より具体的に説明すると、スマートフォン100は、感圧式のタッチスクリーン140を備えている。そして、スマートフォン100は、タッチスクリーン140の画面内に表示されている表示情報の動きを制御する機能を具備する。なおまた、スマートフォン100は、この発明における「情報端末」の一例であってよい。また、タッチスクリーン140は、この発明における「表示装置」及び「入力装置」の一例であって、表示装置及び入力装置はこれに限定されない。
【0017】
図2は、タッチスクリーン140の構成の一例を示す。タッチスクリーン140は、液晶スクリーン141、及び2枚のプラスチック・フィルム142、143を具備している。そして、プラスチック・フィルム142は、2つの電極142a、b(以下、電極142と総称する。)を具備している。同様に、プラスチック・フィルム143は、2つの電極143a、b(以下、電極143と総称する。)を具備している。また、各プラスチック・フィルム142、143は、金属導電層でコーティングされ、互いにエアギャップで分離されている。タッチスクリーン140は、2枚のプラスチック・フィルム142、143のうち、例えば、プラスチック・フィルム142に電源電圧を加えて励起する。タッチスクリーン140をタッチすると、2枚のプラスチック・フィルム142、143がタッチ点で接触し、プラスチック・フィルム142に沿って抵抗分割が生じる。タッチした点の電圧がプラスチック・フィルム142上の位置になるが、これは電極143aで検出される。続いて、同じプロセスが繰り返され、プラスチック・フィルム143を励起し、電極142aによってプラスチック・フィルム143上の位置を検出する。
【0018】
タッチ抵抗が大きいほど、タッチ圧力は弱いことを意味する。
【0019】
なおまた、入力装置は接触型に限られず、非接触型でもよく、例えば、赤外線遮光型、音響パルス認識型、電磁誘導型、又は画像認識型等でもよい。
【0020】
図3は、スマートフォン100の構成の一例を示す。スマートフォン100は、制御部110、メモリ130を更に備える。制御部110は、メモリ130、及びタッチスクリーン140と電気的に接続されている。
【0021】
制御部110は、スマートフォン100を構成する部材の一つで、メモリ130、及びタッチスクリーン140の制御や、データの演算、加工を行う。より具体的に説明すると、制御部110は、メモリ130に記憶されたプログラムの実行を行い、メモリ130やタッチスクリーン140からデータを受け取り、演算、加工した上で、メモリ130やタッチスクリーン140へ出力する。
【0022】
メモリ130は、スマートフォン100が処理すべきデータを記憶する。
【0023】
図4は、スマートフォン100の制御部110の構成の一例を示す。制御部110は、対象特定部111、方向算出部112、速度算出部113、及び表示情報制御部114を具備する。以下、各構成要素の機能及び動作を説明する。
【0024】
対象特定部111は、タッチスクリーン140の画面内に動かせる複数の表示情報が表示されている状態において、タッチスクリーン140上の複数の位置が同時に押圧された場合に、各押圧位置に基づいて、動かすべき対象の表示情報を特定する。
【0025】
方向算出部112は、タッチスクリーン140上の複数の位置が同時に押圧された場合に、その各押圧位置の相対関係と、その各押圧位置における押圧力の相対関係とに基づいて、タッチスクリーン140の画面内に表示されている表示情報を動かすべき方向を算出する。
【0026】
速度算出部113は、タッチスクリーン140上の複数の位置が同時に押圧された場合に、その各押圧位置における押圧力の相対関係に基づいて、タッチスクリーン140の画面内に表示されている表示情報を動かす際の速度を算出する。
【0027】
表示情報制御部114は、タッチスクリーン140上の複数の位置が同時に押圧された場合に、その各押圧位置の相対関係と、その各押圧位置における押圧力の相対関係とに基づいて、タッチスクリーン140の画面内に表示されている表示情報を動かすべく制御する。例えば、表示情報制御部114は、方向算出部112が算出した方向へ表示情報を動かすべく制御する。また、例えば、表示情報制御部114は、速度算出部113が算出した速度にて表示情報を動かすべく制御する。また、例えば、表示情報制御部114は、対象特定部111が特定した対象の表示情報を動かすべく制御する。
【0028】
図5は、スマートフォン100の制御部110の動作フローの一例を示す。以下の説明は、タッチスクリーン140上を2本指で押圧しながら、地図情報をスクロール移動する例について説明する。
【0029】
例えば、タッチスクリーン140の画面には、図6に示すような地図情報が表示されているものとする。そして、タッチスクリーン140に表示されている地図情報は、四方八方に、即ち任意の方向にスクロール移動することができるものとする。このように、タッチスクリーン140に地図情報が表示されている状態において、図7に示すように、タッチスクリーン140のA点とB点とが同時に押圧されたとする。A点は画面の左下部に位置し、B点は画面の右上部に位置する。
【0030】
このように、タッチスクリーン140上の2箇所が同時に押圧されると、制御部110の対象特定部111は、各押圧位置に基づいて、動かすべき対象の表示情報を特定する(S101)。この例の場合、タッチスクリーン140の画面内に表示されている表示情報のうち、動かせる表示情報は、地図情報だけである。したがって、この例の場合、対象特定部111は、何ら処理を行わない。
【0031】
一方、制御部110の方向算出部112は、各押圧位置の相対関係と、その各押圧位置における押圧力の相対関係とに基づいて、タッチスクリーン140の画面内に表示されている地図情報をスクロール移動させるべき方向を算出する(S102)。例えば、方向算出部112は、A点とB点とを通る軸を、地図情報をスクロール移動させるべき方向の基準となる基準軸として決定する。すなわち、地図情報は、この基準軸に沿ってスクロール移動することになる。方向算出部112は、A点の押圧力と、B点の押圧力とを比較して、押圧力が小さい方の点の位置から、押圧力が大きい方の点の位置へ向かう方向を、地図情報をスクロール移動させるべき方向として算出する。そして、方向算出部112は、算出した方向を示すデータを、表示情報制御部114へ送る。
【0032】
一方、制御部110の速度算出部113は、各押圧位置における押圧力の相対関係に基づいて、タッチスクリーン140の画面内に表示されている地図情報をスクロール移動させる際の速度を算出する(S103)。例えば、速度算出部113は、A点の押圧力と、B点の押圧力とを比較して、その押圧力の差の大きさに応じて、地図情報をスクロール移動させる際の速度を算出する。例えば、速度算出部113は、押圧力の差が大きくなるにつれ、地図情報をスクロール移動させる際の速度が速くなるように算出する。そして、速度算出部113は、算出した速度を示すデータを、表示情報制御部114へ送る。
【0033】
そして、制御部110の表示情報制御部114は、地図情報をスクロール移動させるべき方向を示すデータを方向算出部112から受け取り、地図情報をスクロール移動させる際の速度を示すデータを速度算出部113から受け取ると、方向算出部112から受け取ったデータによって示される方向へ、速度算出部113から受け取ったデータによって示される速度にて、タッチスクリーン140に表示されている地図情報をスクロール移動制御する。例えば、A点よりもB点の方が強く押圧された場合、タッチスクリーン140に表示されている地図情報は、A点からB点へ向かう方向にスクロール移動されることになる。
【0034】
したがって、ユーザは、図8に示すように、地図上のC点を、画面上のD点までスクロール移動させたい場合、C点とD点とを結ぶ直線上の任意の2点A、Bを押圧すればよい。このとき、ユーザは、A点よりもB点の方を強く押圧するようにする。すると、地図上のC点は、A点とB点とを結ぶ直線に沿って、A点からB点へ向かう方向へスクロール移動されることになる。そして、ユーザは、地図上のC点が画面上のD点までスクロール移動されたときに、タッチスクリーン140から指を離すことによって、地図上のC点を、画面上のD点までスクロール移動させることができる。
【0035】
次に、タッチスクリーン140上を3本指で押圧しながら、地図情報をスクロール移動する例について説明する。例えば、タッチスクリーン140に地図情報が表示されている状態において、図9に示すように、タッチスクリーン140のA点、B点、及びC点が同時に押圧されたとする。
【0036】
このように、タッチスクリーン140上の3箇所が同時に押圧されると、制御部110の対象特定部111は、各押圧位置に基づいて、動かすべき対象の表示情報を特定する(S101)。この例の場合、タッチスクリーン140の画面内に表示されている表示情報のうち、動かせる表示情報は、地図情報だけである。したがって、この例の場合、対象特定部111は、何ら処理を行わない。
【0037】
一方、制御部110の方向算出部112は、各押圧位置の相対関係と、その各押圧位置における押圧力の相対関係とに基づいて、タッチスクリーン140の画面内に表示されている地図情報をスクロール移動させるべき方向を算出する(S102)。例えば、方向算出部112は、画面の左上端を基点とした場合の、A点、B点、C点の各位置ベクトルP1、P2、P3をそれぞれ算出する。そして、方向算出部112は、A点、B点、C点に押圧力が掛かっていない場合の重心点G0の位置ベクトルP0を算出する。重心点G0の位置ベクトルP0は、P0=(P1+P2+P3)/3となる。ここで、A点、B点、C点には、それぞれ押圧力F1、F2、F3が掛かっている。したがって、方向算出部112は、これら押圧力を考慮した場合のA点、B点、C点の重心点Gfの位置ベクトルPfを算出する。重心点Gfの位置ベクトルPfは、Pf=(F1×P1+F2×P2+F3×P3)/(F1+F2+F3)となる。そして、方向算出部112は、算出した重心点Gfの位置ベクトルPfを示すデータを、速度算出部113、及び表示情報制御部114へ送る。
【0038】
一方、制御部110の速度算出部113は、各押圧位置における押圧力の相対関係に基づいて、タッチスクリーン140の画面内に表示されている地図情報をスクロール移動させる際の速度を算出する(S103)。例えば、速度算出部113は、重心点G0の位置ベクトルP0及び重心点Gfの位置ベクトルPfを示すデータを、方向算出部112から受け取ると、その位置ベクトルP0とPfの差の大きさ|Pf−P0|に応じて、地図情報をスクロール移動させる際の速度を算出する。例えば、速度算出部113は、P0とPfの差の大きさ|Pf−P0|が大きくなるにつれ、地図情報をスクロール移動させる際の速度が速くなるように算出する。そして、速度算出部113は、算出した速度を示すデータを、表示情報制御部114へ送る。
【0039】
そして、制御部110の表示情報制御部114は、地図情報をスクロール移動させるべき方向を示すデータを方向算出部112から受け取って、地図情報をスクロール移動させる際の速度を示すデータを速度算出部113から受け取ると、方向算出部112から受け取ったデータによって示される方向へ、速度算出部113から受け取ったデータによって示される速度にて、タッチスクリーン140に表示されている地図情報をスクロール移動制御する。
【0040】
この3点が同時に押圧されたときの処理は、2点よりも多い複数点が同時に押圧された場合の処理へと一般化することができる。例えば、重心点Gfの位置ベクトルPfは、Pf=Σ(Fi×Pi)/ΣFiのように一般化することができる。
【0041】
図10は、フレーム構造のWebページの一例を示す。本実施形態におけるタッチスクリーン140には、Webページ141が表示されており、そのWebページ141のフレームとして地図情報142が表示されている。そして、Webページ141は、画面の上下方向にスクロール移動することができるようになっている。一方、Webページ141のフレームの地図情報142は、四方八方に任意の方向にスクロール移動することができるようになっている。
【0042】
上述したように、タッチスクリーン140上の2箇所が同時に押圧されると、制御部110の対象特定部111は、各押圧位置に基づいて、動かすべき対象の表示情報を特定する。例えば、図11に示すようにA点、B点が押圧された場合、これら各押圧位置は、Webサイト141のフレームの地図情報142から外れた位置である。したがって、対象特定部111は、Webページ141をスクロール移動させるべき対象として特定する。
【0043】
また、例えば、図12に示すようにA点、B点が押圧された場合、これら各押圧位置は、Webサイト141のフレームの地図情報142上の位置である。したがって、対象特定部111は、フレームの地図情報142をスクロール移動させるべき対象として特定する。
【0044】
また、例えば、図13に示すようにA点、B点が押圧された場合、Webサイト141のフレームの地図情報142から外れた位置にA点があり、Webサイト141のフレームの地図情報142上の位置にB点がある。このように、動かせる複数の表示情報に跨って押圧操作された場合、対象特定部111は、予め定められた優先順位に従って、優先順位の高い表示情報を動かすべき対象として特定する。例えば、フレーム内の表示情報よりもそのフレームを含むWebサイト141のスクロール移動を優先するように設定されている場合、対象特定部111は、図13のような押下操作が成されると、Webサイト141をスクロール移動させるべき対象として特定する。一方、フレーム内の表示情報のスクロール移動を優先するように設定されている場合、対象特定部111は、図13のような押下操作が成されると、フレーム内の地図情報142をスクロール移動させるべき対象として特定する。
【0045】
なおまた、上述した実施形態における速度算出部113は、押圧力の差が大きくなるにつれ、地図情報をスクロール移動させる際の速度が速くなるように算出することとした。その場合、スクロール移動の開始においては、押圧差があるしきい値を超えるとスクロール移動を開始し、押圧差が増すにしたがって、直線的又は段階的にスクロール移動速度を増すようにしてもよい。
【0046】
なおまた、上述した実施形態においては、例えば、タッチスクリーン140上の2点が押圧された場合、その2点を結ぶ直線上にスクロール移動させる例について説明したが、図14に示すWebサイト143のように、所定の方向にしかスクロール移動させることができない情報もある。その場合、方向算出部112は、図14に示すように、スクロール移動させることができる方向とは異なる直線をとるようなA点、B点が押圧されたとしても、対象をスクロール移動させることができる方向を、スクロール移動させるべき方向として算出する。
【0047】
なおまた、上述した実施形態においては、表示情報として表示画面をスクロール移動させる場合について説明したが、例えば、表示情報として移動可能なキャラクターが表示されている場合、上述した実施形態と同様の処理を行うことによって、このキャラクターを基準軸に沿って移動させるようにしてもよい(例えば、図15、16参照。)。キャラクター144の移動の場合も、画面のスクロール移動と同様に、押圧位置の相対関係から基準軸を決定し、押圧力や押圧面積等の押圧状況の相対状況も含めて、移動方向、移動速度を決定することができる。その場合、キャラクター144の移動範囲は、画面のスクロール移動と異なり、2点押圧の場合は、押圧位置を越えてキャラクター144を移動させない、3点押圧の場合は、3点を結んでできる三角形の辺を跨いでキャラクター144を移動させない、等の制御をするようにしてもよい。
【0048】
また、例えば、表示情報として回転可能な回転体が表示されている場合、上述した実施形態と同様の処理を行うことによって、この回転体を基準軸に沿って回転させるようにしてもよい(例えば、図17、18参照。)。回転体145の回転については、画面のスクロール移動と同様の手段により算出した基準軸に垂直な方向を回転体145の回転軸にする。
【0049】
なおまた、複数の位置が押圧されながらドラッグされる等して移動した場合、その押圧位置や押圧力が変化する度に、上述した実施形態の処理をループさせて実行するようにしてもよい。このような処理を行うことによって、押圧位置や押圧力の変化に応じて、表示情報を動かす方向や速度を、押圧位置のドラッグ操作に追従させることができる。
【0050】
なおまた、上述した実施形態においては、複数の押圧位置における押圧力の差に応じて方向や速度を算出するようにしたが、複数の押圧位置における押圧面積の差に応じて方向や速度を算出するようにしてもよい。
【0051】
なおまた、上述した実施形態におけるスマートフォン100は、タッチスクリーン140を備えることとしたが、タッチスクリーン140のように表示装置と入力装置とが一体化されていなくてもよい。表示装置と入力装置はそれぞれの座標が互いに対応付けられていればよく、両者が別体として構成されていてもよい。例えば、ディスプレイ250を備えた端末200にタッチパッド300を接続して、タッチパッド300により押圧入力を行うようにしたり(例えば、図19参照。)、ディスプレイ450とタッチパッド460を備えた端末400において、タッチパッド460により押圧入力を行うようにしたりしてもよい(例えば、図20参照。)。
【0052】
以上説明したように、本実施形態に係るスマートフォン100は、既知の技術と比較して、直感的で分かり易い操作にて、タッチスクリーン140の画面内に表示されている表示情報を動かすことができる。
【0053】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は、上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0054】
100 スマートフォン
110 制御部
111 対象特定部
112 方向算出部
113 速度算出部
114 表示情報制御部
130 メモリ
140 タッチスクリーン
141 Webサイト
142 地図情報
143 Webサイト
144 キャラクター
145 回転体
200 端末
250 ディスプレイ
300 タッチパッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画面内に表示されている表示情報の動きを制御する情報端末であって、
情報を表示する画面を具備する表示装置と、
押圧位置及び前記押圧位置における押圧状況を検知する入力装置と、
前記入力装置が検知した前記押圧位置及び前記押圧状況に基づいて、前記表示装置の画面内に表示されている表示情報の動きを制御する制御装置と
を備え、
前記制御装置は、
前記入力装置が検知した複数の押圧位置及び押圧状況に基づいて、前記表示装置の画面内に表示されている表示情報を制御する表示情報制御部
を具備する情報端末。
【請求項2】
前記制御装置は、
前記押圧状況に基づいて、前記表示情報を動かす際の速度を算出する速度算出部
を更に具備する請求項1に記載の情報端末。
【請求項3】
前記押圧状況は、前記各押圧位置における押圧力又は押圧面積の相対関係である
請求項1に記載の情報端末。
【請求項4】
前記表示情報がスクロール移動可能な表示画面である場合、前記表示情報制御部は、前記押圧位置及び前記押圧状況に基づいて前記表示画面をスクロール移動させるべく制御する
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報端末。
【請求項5】
画面内に表示されている表示情報の動きを制御する情報端末を制御する制御方法であって、
入力装置が検知した複数の押圧位置及び押圧状況の相対関係に基づいて、表示装置の画面内に表示されている表示情報を制御する表示情報制御段階
を具備する制御方法。
【請求項6】
画面内に表示されている表示情報の動きを制御する情報端末用のプログラムであって、前記情報端末を、
入力装置が検知した複数の押圧位置及び押圧状況の相対関係に基づいて、表示装置の画面内に表示されている表示情報を制御する表示情報制御部
として機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2013−25580(P2013−25580A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−160040(P2011−160040)
【出願日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】