情報端末装置及び情報端末システム
【課題】保守員にKIOSK端末装置の障害となっているユニットを知らせること。
【解決手段】複数ユニットからなる情報端末装置において、ユニット11の障害を検出する障害検出手段23と、ユニット11の近傍に設けられユニット11の障害状態を表示するフリッカランプ111と、障害検出手段23がユニット11の障害を検出すると、フリッカランプ111に障害状態を表示するよう制御する。タッチパネルLCD14にも表示し、プリンタにも印刷する。
【解決手段】複数ユニットからなる情報端末装置において、ユニット11の障害を検出する障害検出手段23と、ユニット11の近傍に設けられユニット11の障害状態を表示するフリッカランプ111と、障害検出手段23がユニット11の障害を検出すると、フリッカランプ111に障害状態を表示するよう制御する。タッチパネルLCD14にも表示し、プリンタにも印刷する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報KIOSK端末装置などの顧客操作型情報端末装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、情報KIOSK端末装置(以下KIOSK端末という)は、公共施設や店舗などに設置され、不特定多数の人がマンマシンインターフェースを通じて、必要な情報にアクセスしたり、サービスを利用したりすることができる端末装置である。KIOSK端末は、設置場所によって種々の用途がある。例えば博物館では館内の案内という情報提供であり、病院では診察券を受け付けることによる来院の記録であり、駅や空港ではカードを受け付けることによるチケットやレシートの発行である。また、KIOSK端末の有する機能は、顧客の有するカードの内容を読み取る磁気カードリーダ部やバーコードリーダ部、チケットやレシートを印刷するプリンタ部、更に顧客に操作表示を行うタッチパネル部などがあり、そのため複数ユニットを備えている。
【0003】
一般にKIOSK端末は、公共施設や店舗などに複数台で設置される場合が多い。そして、複数台のKIOSK端末は、公衆網の回線を利用し、店舗内の上位装置からセンタ側ホストと接続されている。そのため、KIOSK端末には、円滑なサービスを維持するために保守が重要となっている。
【0004】
なお、特開平11−203529(特許文献1)には、紙幣識別装置の異常を報知する技術が記載されている。特許文献1は、紙幣識別装置のどの部分で紙幣詰まりが起こったのか、どの部分が故障したのかの詳細な事項を表示するため、紙幣の挿入口に設けた複数の入口ランプを点滅させて、異常内容をコード化して表す技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−203529号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
KIOSK端末の従来の技術によれば、各ユニットに障害が発生した場合の対応は次の通りである。即ち、(1)顧客がKIOSK端末を操作した結果、障害の発生が判明された場合、顧客からの通報に基づいて、係員/保守員(以下保守員という)がKIOSK端末の状態を見に行く。(2)KIOSK端末とオンラインで接続されている監視端末装置が障害の発生を受信した場合、保守員が画面又はブザーにより障害情報を確認した後、KIOSK端末の状態を見に行く。
【0007】
しかしながら、保守員は常時、KIOSK端末の状態を監視し続けることは困難である。その結果、KIOSK端末のユニットの障害に基づいて、KIOSK端末が停止してしまうことになる。KIOSK端末が停止している間は顧客に対するサービス低下となってしまい、店舗側としては経済的損失に陥るという問題があった。また、障害となっているユニットが特定できないため、障害となっているユニットをKIOSK端末から切り離して運用するいわゆる縮退運転を行うことができないという問題があった。
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、情報端末装置の保守員にとって、情報端末装置において所定の装置状態、即ち障害となっているユニットを簡単に特定することができる情報端末装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために本発明に関する情報端末装置は、複数ユニットからなる情報端末装置において、前記ユニットの所定の装置状態を検出する装置状態検出手段と、前記ユニットの近傍に設けられ当該ユニットの前記所定の装置状態を表示する表示手段と、前記装置状態検出手段が前記ユニットの前記所定の装置状態を検出すると、前記表示手段に前記所定の装置状態を表示するよう制御する制御手段を有する情報端末装置である。
【発明の効果】
【0010】
上記構成を有する本発明によれば、情報端末装置のユニットの所定の装置状態、即ち障害を表示する表示手段をユニットの近傍に設けたので、情報端末装置の保守員は情報端末装置における所定の装置状態、即ち障害となっているユニットを簡単に特定することができる。更に、ユニット障害時には保守員による復旧対応を迅速に行うことができる。
これにより、顧客からの通報によることなく、更に保守員が常時監視する必要のない情報端末装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1の実施の形態に関するKIOSK端末の外観図である。
【図2】第1の実施の形態に関するKIOSK端末の端末システムの構成図である。
【図3】第1の実施の形態に関するKIOSK端末のブロック図である。
【図4】第1の実施の形態に関するKIOSK端末の制御部の機能ブロック図である。
【図5】第1の実施の形態に関するフリッカランプ表示色と点灯・点滅パターン例を示す説明図である。
【図6】第1の実施の形態に関する正常時と異常時のフリッカランプの表示動作を示すフローチャートである。
【図7】第1の実施の形態に関する縮退動作とフリッカランプ表示動作の関係を示すフローチャートである。
【図8】第3の実施の形態に関するKIOSK端末の制御部の機能ブロック図である。
【図9】第3の実施の形態に関するKIOSK端末の動作を示すフローチャートである。
【図10】第4の実施の形態に関する縮退動作とフリッカランプ表示動作の関係を示すフローチャートである。
【図11】第5の実施の形態に関するKIOSK端末の外観図である。
【図12】第5の実施の形態に関するKIOSK端末のブロック図である。
【図13】第6の実施の形態に関する記憶部に格納する障害情報を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態について説明する。図2は第1の実施の形態に関するKIOSK端末10の端末システムの構成図である。情報端末装置としてのKIOSK端末10は、店舗A及び店舗Bなどに複数台設置される。店舗A及びB内の複数台のKIOSK端末10−1〜10−6は店舗内監視端末30に接続され、店舗内監視端末30によってその動作状況が監視されている。そして、店舗A及びB内のKIOSK端末10は、公衆網回線50を利用し、店舗内監視端末30を経由してセンタ側の上位ホスト100と接続されている。
【0013】
顧客が店舗Aからサービスを要求するときは、店舗AのKIOSK端末10−1を操作する。顧客が行う操作情報は、店舗内監視端末30及び公衆網回線50を経由して上位ホスト100にアクセスする。上位ホスト100には、サービスに関するデータや顧客に関するデータが記憶されたデータベース101を有する。例えばメニュー画面を生成するための画像データがデータベース101に格納され、当該画像データは上位ホスト100からKIOSK端末10に送られる。このように顧客はマンマシンインターフェースを通じて、必要な情報にアクセスしたり、サービスを利用したりすることができる。
【0014】
図1は第1の実施の形態に関するKIOSK端末10の外観図である。KIOSK端末10のユニットとしての磁気カードリーダ部11は、顧客が所持する磁気カードからなる会員カードを受け入れ、磁気情報を読み取る。ユニットとしてのバーコードリーダ部12は同じく顧客が所持するバーコードを印刷したカードを受け入れ、バーコード情報を読み取る。同じくユニットとしてのプリンタ部13は顧客に対するサービスの結果としてのチケットやレシートを印刷し、出力する。顧客操作表示画面としてのタッチパネルLCD14は、顧客操作のためのガイダンスを表示するとともに、顧客の入力操作を受け入れる。近接センサ15は、顧客又は保守員がKIOSK端末10に接近したことを検知する。そして、保守員用錠16は保守員が保守作業のためにKIOSK端末10の内部を操作する際、保守用扉を解放するための錠である。
【0015】
磁気カードリーダ部用フリッカランプ111はユニットとしての磁気カードリーダ部11の近傍に設けられ、磁気カードリーダ部11の装置状態が正常の時は顧客に対する操作案内用に点灯・点滅を行う。また、磁気カードリーダ部11の装置状態に障害が生じた場合は、保守員に対する操作案内用に後述する特殊な点灯・点滅を行う。
【0016】
バーコードリーダ部用フリッカランプ112はユニットとしてのバーコードリーダ部12の近傍に設けられ、バーコードリーダ部12の装置状態が正常の時は顧客に対する操作案内用に点灯・点滅を行う。また、バーコードリーダ部12の装置状態に障害が生じた場合は、保守員に対する操作案内用に後述する特殊な点灯・点滅を行う。
【0017】
プリンタ部用フリッカランプ113は同じくユニットとしてのプリンタ部13の近傍に設けられ、プリンタ部13の装置状態が正常の時は顧客に対する操作案内用に点灯・点滅を行う。プリンタ部13の装置状態に障害が生じた場合は、同じく保守員に対する操作案内用に後述する特殊な点灯・点滅を行う。これらの各ユニット及び各フリッカランプは、顧客にとって操作し易いようにかつ保守員にとって認識し易いようにKIOSK端末10の前面に設けてある。
【0018】
図3は第1の実施の形態に関するKIOSK端末10のブロック図である。図1で示す外観図と同一の要素には同一の符号で示してある。内蔵プリンタ17は保守員の保守作業用の詳細データを印刷する。記憶部18は制御部20の制御に必要なプログラム及び各種のデータを格納する。通信部19は制御部20の制御により各種のデータを店舗内監視端末30に送信し、店舗内監視端末30から受信する。
【0019】
制御部20は、ユニットとしての磁気カードリーダ部11、バーコードリーダ部12、プリンタ部13及びその他各部と接続され、これらに対して指示を行うとともに、これらからの動作状況を受信して各ユニットに障害がないかどうか判断する。また、制御部20は、これらのユニットに障害が生じたとき、磁気カードリーダ部用フリッカランプ111、バーコードリーダ部用フリッカランプ112及びプリンタ部用フリッカランプ113に対して後述するように個々に点滅・点灯及び消灯の指示を行う。
【0020】
図4は第1の実施の形態に関するKIOSK端末10の制御部20の機能ブロック図である。ユニット動作指示部22はユニットとしての磁気カードリーダ部11、バーコードリーダ部12及びプリンタ部13に対し動作を行うよう指示する。装置状態検出部としての障害検出部23は、ユニットとしての磁気カードリーダ部11、バーコードリーダ部12及びプリンタ部13が正常に動作可能か異常かどうか監視し、これらの障害としての異常を検出する。
【0021】
縮退判定・指示部24は、障害検出部23による特定のユニットに障害が検出されたとき、障害となっているユニットをKIOSK端末10から切り離して運用するいわゆる縮退運転が可能かどうか判定する。縮退運転が可能と判定された場合、縮退判定・指示部24は、その結果関連ユニット及び各部に対し縮退運転を指示する。
【0022】
フリッカランプ指示部25は、正常時、磁気カードリーダ部用フリッカランプ111、バーコードリーダ部用フリッカランプ112及びプリンタ部用フリッカランプ113に対して正常に動作中であることを示す表示を行うよう指示する。また、異常時、即ち、障害検出部23による特定のユニットに障害が検出されたとき、当該ユニットの近傍に設けられた磁気カードリーダ部用フリッカランプ111、バーコードリーダ部用フリッカランプ112又はプリンタ部用フリッカランプ113に対して後述する点滅、点灯又は消灯の指示を行う。修理開始検知部26は、障害検出部23による特定のユニットに障害が検出された後、保守員によって修理が開始されたかどうかを識別検知する。
【0023】
次に、第1の実施の形態に関するKIOSK端末10の初期段階の動作について説明する。まず、KIOSK端末10の装置状態が正常時において、顧客はKIOSK端末10を利用するとき、図示しない磁気カードからなる会員カード又はバーコードデータを準備する。顧客がKIOSK端末10に近づくと、近接センサ15が反応し、近接センサ15は、顧客が近づいたことを制御部20に知らせる。制御部20はこれを受けて、KIOSK端末10を待機状態から運用状態に切り替える。同時に制御部20は、顧客操作表示画面としてのタッチパネルLCD14に対し、図示しない案内画面を表示するよう指示する。
【0024】
次に、KIOSK端末10の装置状態に応じたフリッカランプの表示パターンについて説明する。図5は第1の実施の形態に関するフリッカランプ表示色と点灯・点滅パターン例を示す説明図である。磁気カードリーダ部用フリッカランプ111、バーコードリーダ部用フリッカランプ112及びプリンタ部用フリッカランプ113に対して共通する表示色と点灯・点滅パターンである。フリッカランプ111、112、113は前述のように、個々に独立した点灯・点滅及び消灯が可能であり、複数の色を表示可能である。以下の正常時及び異常時の動作は、制御部20がフリッカランプ指示部25に対して指示を行うことにより実施される。
【0025】
同図においてまず、正常時、KIOSK端末10の装置状態が顧客による操作待ちのときは、青色又は緑色の点滅であり、KIOSK端末10が動作中のときは、青色又は緑色の点灯となる。
【0026】
また、重度の障害としての異常時、即ち、KIOSK端末10の装置状態が媒体ジャムで復旧待ちのときは、対象ユニットのみで赤色の点滅であり、KIOSK端末10の装置状態が媒体ジャムで復旧操作中のときは、対象ユニットのみで赤色の点灯である。そして、KIOSK端末10の装置状態が通信異常のときは、装置内の全フリッカが赤色の点滅である。
【0027】
更に、軽度の障害としての異常時、即ち、KIOSK端末10の装置状態が用紙エンドのときは、黄色の点滅であり、KIOSK端末10の装置状態が用紙ニアエンドのときは、黄色の点灯であり、KIOSK端末10の装置状態がカバーオープンなどのユニットセット不良のときは、黄色の点滅となる。なお、同図の最下段の「他装置」については、後に第7の実施の形態で説明する。また、点滅の場合は、それぞれ点滅の周期を変えることにより、これらを識別することが容易となる。
【0028】
次に、正常時と異常時のフリッカランプの表示動作について説明する。図6は第1の実施の形態に関する正常時と異常時のフリッカランプの表示動作を示すフローチャートである。
S001:KIOSK端末10の制御部20は装置状態検出部としての障害検出部23に対し、ユニットとしての磁気カードリーダ部11、バーコードリーダ部12及びプリンタ部13が正常に動作可能か異常かどうか監視するよう指示する。障害検出部23が正常に動作可能であることを検出したときはステップ002へ移行し、異常を検出したときはステップ008へ移行する。
【0029】
S002:障害検出部23が正常に動作可能であることを検出したときは、制御部20はユニット動作指示部22に対し、ユニットとしての磁気カードリーダ部11、バーコードリーダ部12又はプリンタ部13を操作待ち(待機)させるよう指示する。
【0030】
S003:同時に、制御部20は、フリッカランプ指示部25に対し、ユニットに対応する磁気カードリーダ部用フリッカランプ111、バーコードリーダ部用フリッカランプ112又はプリンタ部用フリッカランプ113に操作待ち(待機)であることを示す表示(青色又は緑色の点滅)を行わせるよう指示する。
【0031】
S004:その後、制御部20は障害検出部23から、ユニットとしての磁気カードリーダ部11、バーコードリーダ部12又はプリンタ部13が顧客により動作されたことを検出されたとする。
【0032】
S005:制御部20は、フリッカランプ指示部25に対し、動作を開始したユニットに対応する磁気カードリーダ部用フリッカランプ111、バーコードリーダ部用フリッカランプ112又はプリンタ部用フリッカランプ113に動作中であることを示す表示(青色又は緑色の点灯)を行わせるよう指示する。
【0033】
S006:その後、制御部20は障害検出部23から、ユニットとしての磁気カードリーダ部11、バーコードリーダ部12又はプリンタ部13の動作が終了されたことを検出されたとする。
【0034】
S007:制御部20は、フリッカランプ指示部25に対し、動作を終了したユニットに対応する磁気カードリーダ部用フリッカランプ111、バーコードリーダ部用フリッカランプ112又はプリンタ部用フリッカランプ113が動作終了であることを示す表示(青色又は緑色の消灯)を行わせるよう指示する。なおこの場合、操作待ち(待機)であることを示す表示(青色又は緑色の点滅)を行わせるよう指示してもよい。
【0035】
S008:ステップ001において障害検出部23が異常を検出したときは、制御部20は、フリッカランプ指示部25に対し、障害のあるユニットに対応する磁気カードリーダ部用フリッカランプ111、バーコードリーダ部用フリッカランプ112又はプリンタ部用フリッカランプ113にユニットが障害であることを示す表示(赤色又は黄色の点滅又は点灯)を行わせるよう指示する。
【0036】
次に縮退動作とフリッカランプ表示動作の関係を説明する。図7は第1の実施の形態に関する縮退動作とフリッカランプ表示動作の関係を示すフローチャートである。
S101:装置状態検出部としての障害検出部23が、ユニットとしての磁気カードリーダ部11、バーコードリーダ部12又はプリンタ部13の異常を検出する。
【0037】
S102:障害検出部23が異常を検出すると、制御部20は縮退判定・指示部24に対し、障害となっている磁気カードリーダ部11、バーコードリーダ部12又はプリンタ部13をKIOSK端末10から切り離して運用するいわゆる縮退運転が可能かどうか判定するよう指示する。
【0038】
S103:縮退判定・指示部24の判定の結果、縮退運転を行うときは、制御部20は縮退判定・指示部24に対し、縮退運転を行う磁気カードリーダ部11、バーコードリーダ部12又はプリンタ部13が復旧待ちにすることを指示する。
【0039】
S104:制御部20はフリッカランプ指示部25に対し、障害のあるユニットに対応する磁気カードリーダ部用フリッカランプ111、バーコードリーダ部用フリッカランプ112又はプリンタ部用フリッカランプ113にユニットが障害であることを示す表示(赤色又は黄色の点滅又は点灯)を行わせるよう指示する。保守員は障害のあるユニットの近傍のフリッカランプ111、112又は113にユニットが障害であることを示す表示がされているので、容易に特定することができる。
【0040】
S105:制御部20は修理開始検知部26に対し、縮退運転を行う磁気カードリーダ部11、バーコードリーダ部12又はプリンタ部13が保守員によって修理が開始されたかどうか検知するよう指示する。修理が開始されるまで、ステップ104を継続する。
【0041】
以上第1の実施の形態によれば、障害のあるユニットの近傍に、これらのユニットに対応して磁気カードリーダ部用フリッカランプ111、バーコードリーダ部用フリッカランプ112及びプリンタ部用フリッカランプ113を設けたので、KIOSK端末10の近くにいる保守員が障害のあるユニットを容易に特定がすることができるようになる。また、障害の状態は、フリッカランプの表示色及び点灯・点滅のパターンを替えることによって、複数の障害に対応することができる。従って、ユニット障害時の復旧対応を迅速に行うことができ、顧客サービス向上につながることができる。
【0042】
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態は、KIOSK端末10のユニットのうち磁気カードリーダ部11が障害となった場合を例に説明する。第2の実施の形態に関するKIOSK端末10は、磁気カードリーダ部11が障害となったことをタッチパネルLCD14にも表示するというものである。
【0043】
KIOSK端末10の磁気カードリーダ部11が障害となったとき、障害検出部23がこれを検出すると、制御部20はタッチパネルLCD14に対し、磁気カードリーダ部11が障害となっていることを表示するよう指示する。表示内容は、例えば「ただ今、磁気カードリーダが故障しておりますので、ご使用になれません。」である。
【0044】
同時に、第1の実施の形態同様に、制御部20はフリッカランプ指示部25に対し、障害のあるユニットである磁気カードリーダ部11に対応する磁気カードリーダ部用フリッカランプ111に磁気カードリーダ部11が障害であることを示す表示(赤色又は黄色の点滅又は点灯)を行わせるよう指示する。
【0045】
その後、KIOSK端末10の近くにいる保守員は、磁気カードリーダ部用フリッカランプ111及びタッチパネルLCD14の表示を確認する。これにより保守員は、障害のある磁気カードリーダ部11を容易に特定し、磁気カードリーダ部11の修理を行うことができる。
【0046】
以上のように、第2の実施の形態によれば、保守員は磁気カードリーダ部用フリッカランプ111及びタッチパネルLCD14の表示により、障害のある磁気カードリーダ部11を容易に特定することができる。
【0047】
(第3の実施の形態)
次に、第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態も、同様にKIOSK端末10のユニットのうち磁気カードリーダ部11が障害となった場合を例に説明する。第3の実施の形態に関するKIOSK端末10は、障害となるユニットを検出した後、保守員がメンテナンス操作を行う場合と、顧客が通常操作を行う場合とでフリッカランプの点灯・点滅とするか又は消灯とするかを使い分けることにある。
【0048】
図8は第3の実施の形態に関するKIOSK端末10の制御部20の機能ブロック図である。図中、修理開始検知部26は、前述のように磁気カードリーダ部11に障害が検出された後、保守員によって修理が開始されたかどうかを識別検知する。具体的には、保守員が修理作業のためにKIOSK端末10の内部を操作する際、保守員用錠16を開けたことを検知する。そして、顧客が操作したことを識別する操作識別手段としての顧客操作検知部27は磁気カードリーダ部11に障害が検出された後、顧客がタッチパネルLCD14を使って入力操作を開始したかどうかを識別検知する。その他、前記第1の実施の形態に関するKIOSK端末10の制御部20の機能ブロック図(図4)で説明した要素と同じ要素は、同一符号で示し説明を省略する。
【0049】
図9は第3の実施の形態に関するKIOSK端末10の動作を示すフローチャートである。
S201:装置状態検出部としての障害検出部23がユニットとしての磁気カードリーダ部11の異常を検出する。
【0050】
S202:障害検出部23が磁気カードリーダ部11の異常を検出すると、制御部20は縮退判定・指示部24に対し、障害となっている磁気カードリーダ部11をKIOSK端末10から切り離して運用するいわゆる縮退運転が可能かどうか判定するよう指示する。
【0051】
S203:縮退判定・指示部24の判定の結果、縮退運転を行うときは、制御部20は縮退判定・指示部24に対し、縮退運転を行う磁気カードリーダ部11が復旧待ちにすることを指示する。
【0052】
S204:制御部20はフリッカランプ指示部25に対し、障害のある磁気カードリーダ部11に対応する磁気カードリーダ部用フリッカランプ111に磁気カードリーダ部11が障害であることを示す表示(赤色又は黄色の点滅又は点灯)を行わせるよう指示する。
【0053】
S205:制御部20は近接センサ15に対し、人がKIOSK端末10に接近したかどうか検知するよう指示する。近接センサ15が検知しなければステップ204に戻り、検知したときは次に進む。
【0054】
S206:制御部20は修理開始検知部26に対し、保守員によって修理が開始されたかどうかを識別検知するよう指示する。なお、ここで保守員により修理の開始を識別する方法としては、例えばタッチパネルLCD14やKIOSK端末10内部に設けた図示しないボタンスイッチによって、保守作業を行うための保守モードの起動を識別する。また、後述する保守用IDカードの読取りなどにより、保守員による修理の開始を識別するようにすればよい。保守員によって修理が開始されたことを識別検知したときは次へ進み、検知されないときはステップ209へ移行する。
【0055】
S207:保守員によって障害のある磁気カードリーダ部11の修理が行われているとき、制御部20は、フリッカランプ指示部25に対し、磁気カードリーダ部用フリッカランプ111に磁気カードリーダ部11が障害であることを示す表示(赤色又は黄色の点滅又は点灯)を継続するよう指示する。これらの表示を消灯してしまうと保守員にとって確認がとれにくくなるので、確認を容易にするためである。
【0056】
S208:保守員による修理が完了することにより、障害検出部23が磁気カードリーダ部11の正常を検出すると、制御部20はフリッカランプ指示部25に対し、動作を終了した磁気カードリーダ部11に対応する磁気カードリーダ部用フリッカランプ111が動作終了であることを示す表示(青色又は緑色の消灯)を行わせるよう指示する。なおこの場合、操作待ち(待機)であることを示す表示(青色又は緑色の点滅)を行わせるよう指示してもよい。
【0057】
S209:ステップ206において、保守員によって修理が開始されたことが検知されないときは、制御部20は顧客操作検知部27に対し、顧客がタッチパネルLCD14を使って入力操作を開始したかどうかを識別検知するよう指示する。検知しないときはステップ204に戻り、検知したときは次へ進む。
【0058】
S210:顧客操作検知部27が顧客がタッチパネルLCD14を使って入力操作を開始したことを検知したときは、制御部20は、フリッカランプ指示部25に対し、磁気カードリーダ部用フリッカランプ111を消灯させ、磁気カードリーダ部11が動作終了であることを示す表示(青色又は緑色の消灯)を行わせるよう指示する。顧客が別の操作しているときに、磁気カードリーダ部用フリッカランプ111を点滅させておくことは顧客にとって煩わしいので、顧客の心理を考慮し、この煩わしさを解消するためである。
【0059】
S211:制御部20は、磁気カードリーダ部11以外の他のユニットに対し通常操作を可能とするよう指示する。
【0060】
以上のように、第3の実施の形態によれば、第1の実施の形態同様に、障害のあるユニットの近傍に、これらのユニットに対応してフリッカランプを設けたので、KIOSK端末10の近くにいる保守員が障害のあるユニットを容易に特定がすることができるようになる。更に、その後のKIOSK端末10への操作が、保守員か顧客によって、フリッカランプの表示方法を替えることにしたので、ユニット障害時の復旧対応をより迅速に行うことができるとともに、顧客の心理を考慮したKIOSK端末を提供することができ、顧客サービス向上につながることができる。
【0061】
(第4の実施の形態)
次に、第4の実施の形態について説明する。第4の実施の形態も、同様にKIOSK端末10のユニットのうち磁気カードリーダ部11が障害となった場合を例に説明する。第4の実施の形態に関するKIOSK端末10は、障害となった磁気カードリーダ部11の障害の詳細を示す詳細データをタッチパネルLCD14に表示するか又は内蔵プリンタ17に印刷するというものである。
【0062】
図10は第4の実施の形態に関する縮退動作とフリッカランプ表示動作の関係を示すフローチャートである。
S301:装置状態検出部としての障害検出部23がユニットとしての磁気カードリーダ部11の異常を検出する。
【0063】
S302:障害検出部23が異常を検出すると、制御部20は縮退判定・指示部24に対し、障害となっている磁気カードリーダ部11をKIOSK端末10から切り離して運用するいわゆる縮退運転が可能かどうか判定するよう指示する。
【0064】
S303:縮退判定・指示部24の判定の結果、縮退運転を行うときは、制御部20は縮退判定・指示部24に対し、縮退運転を行う磁気カードリーダ部11が復旧待ちにすることを指示する。
【0065】
S304:制御部20はフリッカランプ指示部25に対し、障害のある磁気カードリーダ部11に対応する磁気カードリーダ部用フリッカランプ111に磁気カードリーダ部11が障害であることを示す表示(赤色又は黄色の点滅又は点灯)を行わせるよう指示する。
【0066】
S305:同時に制御部20はタッチパネルLCD14又は内蔵プリンタ17に対し、磁気カードリーダ部11の障害の詳細を示す詳細データを表示又は印刷するよう指示する。詳細データは、第1の実施の形態で説明したフリッカランプの点滅による表示では、何のエラーであるのか分からない場合に有効である。
【0067】
S306:制御部20は修理開始検知部26に対し、縮退運転を行う磁気カードリーダ部11が保守員によって修理が開始されたかどうか検知するよう指示する。修理が開始されるまで、ステップ104を継続する。
【0068】
以上第4の実施の形態によれば、タッチパネルLCD14又は内蔵プリンタ17に障害の詳細を示す詳細データを表示又は印刷するようにしたので、保守員は手元にエラーリストなどの資料を準備する必要がなく、迅速に保守作業を行うことができる。
【0069】
(第5の実施の形態)
次に、第5の実施の形態について説明する。第5の実施の形態に関するKIOSK端末10は、第4の実施の形態におけるタッチパネルLCD14又は内蔵プリンタ17に障害の詳細データを表示又は印刷する際に、保守員に保守員を特定するID情報を入力させるというものである。
【0070】
図11は第5の実施の形態に関するKIOSK端末10の外観図である。同図において、前記第1の実施の形態に関するKIOSK端末10の外観図(図2)で説明した要素と同じ要素は、同一符号で示し説明を省略する。保守員のID情報を読み取るID情報読取部としてのIDカード読取部31は、保守員が保守用IDカードをかざすことにより、保守用IDカード内の保守員データを非接触で読み取る。IDカード読取部31はKIOSK端末10の前面又は側面に設けられる。保守用IDカードが磁気カードであるときは、磁気カードリーダ部11に挿入すればよい。また、保守用IDカードがカードに印刷された1次元又は2次元バーコードであるときは、バーコードリーダ部12に挿入すればよい。そして、ICカードであるときは、IDカード読取部31にかざすことになる。保守用IDカードに記憶されるデータは、保守員を特定することができるデータであればよく、個人用又は保守作業専用のいずれでもよい。
【0071】
図12は第5の実施の形態に関するKIOSK端末10のブロック図である。図11で示す外観図と同一の要素には同一の符号で示してある。第5の実施の形態に関する動作について説明する。前述のように障害検出部23が異常を検出したときは、制御部20は、フリッカランプ指示部25に対し、障害のあるユニットに対応する磁気カードリーダ部用フリッカランプ111、バーコードリーダ部用フリッカランプ112又はプリンタ部用フリッカランプ113にユニットが障害であることを示す表示(赤色又は黄色の点滅又は点灯)を行わせるよう指示する。その後、保守員がフリッカランプの点滅又は点灯表示に気づく。
【0072】
そして、保守員は、保守用IDカード内の保守員データを磁気カードリーダ部11、バーコードリーダ部12又はIDカード読取部31で読み取らせる。KIOSK端末10の磁気カードリーダ部11、バーコードリーダ部12又はIDカード読取部31で読み取られた保守員データは、制御部20の制御により、通信部19から店舗内監視端末30及び公衆網回線50を経由して上位ホスト100へ送られる。上位ホスト100では、保守員データを受信すると、事前に保守員として登録されているデータとマッチングが行われる。
【0073】
マッチングの結果適合の場合は、上位ホスト100から確認がとれたことの結果が店舗内監視端末30経由でKIOSK端末10へ送られる。通知を受けたKIOSK端末10においては、制御部20がプリンタ部13に対して、障害のあるユニット、例えば磁気カードリーダ部11及び磁気カードリーダ部用フリッカランプ111で表示している点滅状態の意味をレシートとして印刷するよう指示する。
【0074】
上位ホスト100でのマッチングの結果不適合の場合は、不適合の通知が店舗内監視端末30経由でKIOSK端末10へ送られる。通知を受けたKIOSK端末10においては、制御部20は何もしない。このようにすれば、登録した保守員以外は保守作業をすることができない。以上のように、第5の実施の形態によれば、前記第4の実施の形態の効果に加え、更に、KIOSK端末10の保守作業を行う保守員を限定することができる。
【0075】
(第6の実施の形態)
次に、第6の実施の形態について説明する。前記第1の実施の形態から第4の実施の形態の説明では、障害の生じたユニットに対する復旧対応をKIOSK端末10内の処理で行っていた。第6の実施の形態に関するKIOSK端末システムでは、KIOSK端末10の通信部19から上位ホスト100へ障害情報を通知することにより、上位ホスト100における対応が可能となる。即ち、上位ホスト100において、特定の店舗や地域の複数のKIOSK端末10の障害情報から障害の傾向の把握を行うことができ、その傾向に従った店舗や地域特有の対策を策定することが可能となる。そして、第6の実施の形態の説明においても、同様にKIOSK端末10のユニットのうち磁気カードリーダ部11が障害となった場合を例に説明する。
【0076】
第6の実施の形態に関するフリッカランプの表示動作について、図6に示す正常時と異常時のフリッカランプの表示動作を示すフローチャートに従って説明する。
S001:KIOSK端末10の制御部20は障害検出部23に対し、ユニットとしての磁気カードリーダ部11、バーコードリーダ部12及びプリンタ部13が正常に動作可能か異常かどうか監視するよう指示する。障害検出部23が異常を検出したときはステップ008へ移行し、正常に動作可能であることを検出したときは説明を省略する。
【0077】
S008:障害検出部23が異常を検出したときは、制御部20は、フリッカランプ指示部25に対し、障害のある磁気カードリーダ部11に対応する磁気カードリーダ部用フリッカランプ111に磁気カードリーダ部11が障害であることを示す表示(赤色又は黄色の点滅又は点灯)を行わせるよう指示する。同時に制御部20は、記憶部18に対し、磁気カードリーダ部11に障害が生じたことを障害情報として格納するよう指示する。
【0078】
図13は第6の実施の形態に関する記憶部18に格納する障害情報を示す説明図である。ここでいう障害情報は、KIOSK端末10の端末番号(仮に001)、障害ユニット名(磁気カードリーダ部)及び障害発生年月日時刻(仮に2011年8月15日12時10分)である。
【0079】
その後、KIOSK端末10の制御部20は、通信部19に対し、記憶部18に格納した障害情報を店舗内監視端末30を経由して上位ホスト100へ送信するよう指示する。通信部19は障害情報の送信を行う装置状態情報送信部として機能する。この障害情報を受信した上位ホスト100は特定の地域の複数のKIOSK端末10の障害情報から障害の傾向の把握を行い、その傾向に従った地域特有の対策を策定する。なお、上位ホスト100へ障害情報を送信するタイミングは、障害発生の都度でもよいが、一日一回のバッチ処理で送信するようにしてもよい。
【0080】
以上のように、第6の実施の形態によれば、前記第1乃至第4の実施の形態の効果に加え、更に、上位ホスト100において、特定の地域の複数のKIOSK端末10の障害情報から障害の傾向の把握を行うことができ、その傾向に従った地域特有の対策を策定することが可能となる。
【0081】
(第7の実施の形態)
次に、第7の実施の形態について説明する。第7の実施の形態に関するKIOSK端末システムは、店舗A内に複数のKIOSK端末10−1、10−2、10−3がある場合、障害のあるユニットを有するKIOSK端末10−1以外に他のKIOSK端末10−2及び10−3のフリッカランプに、KIOSK端末10−1に障害があることの表示をするものである。
【0082】
第7の実施の形態に関するフリッカランプの表示動作について、図6に示す正常時と異常時のフリッカランプの表示動作を示すフローチャートに従って説明する。
S001:KIOSK端末10の制御部20は障害検出部23に対し、ユニットとしての磁気カードリーダ部11、バーコードリーダ部12及びプリンタ部13が正常に動作可能か異常かどうか監視するよう指示する。障害検出部23が異常を検出したときはステップ008へ移行し、正常に動作可能であることを検出したときは説明を省略する。
【0083】
S008:障害検出部23が異常を検出したときは、制御部20は、フリッカランプ指示部25に対し、障害のある磁気カードリーダ部11に対応する磁気カードリーダ部用フリッカランプ111に磁気カードリーダ部11が障害であることを示す表示(赤色又は黄色の点滅又は点灯)を行わせるよう指示する。同時に制御部20は、記憶部18に対し、磁気カードリーダ部11に障害が生じたことを障害情報として格納するよう指示する。
【0084】
その後、KIOSK端末10−1の制御部20は、通信部19に対し、記憶部18に格納した障害情報を店舗内監視端末30へ送信するよう指示する。この障害情報を受信した店舗内監視端末30は、KIOSK端末10−1が障害のあるユニットを有することを認識する。そして、店舗内監視端末30は、同一店舗A内の他のKIOSK端末10−2、10−3に対し、KIOSK端末10−1が障害状態であることを通知する。
【0085】
KIOSK端末10−2、10−3はKIOSK端末10−1に障害があることを保守員に知らせるため、フリッカランプ又はタッチパネルLCD14に磁気カードリーダ部11が障害であることを表示する。フリッカランプに表示する場合は、図5の最下段に示すように他の装置の異常時、例えばKIOSK端末10−1の状態が重度又は軽度障害のときは、KIOSK端末10−2、10−3における予め定めた一箇所のフリッカランプのみ赤色及び黄色の交互の点滅となる。タッチパネルLCD14に表示する場合は、「KIOSK端末1号機に障害があります。保守員は修理をしてください。」と表示する。
【0086】
なお、障害のあったKIOSK端末10−1から店舗内監視端末30へ障害情報を送信することを説明したが、これに限らない。即ち、KIOSK端末10−1から店舗内監視端末30を経由して上位ホスト100へ送信するようにしてもよい。また、一旦KIOSK端末10−1から障害情報を受信した店舗内監視端末30が上位ホスト100へ送信するようにしてもよい。これにより障害情報を受信した上位ホスト100が店舗A内の他のKIOSK端末10−2、10−3に対し、KIOSK端末10−1が障害状態であることを通知する。
【0087】
なお、KIOSK端末10−2及び10−3に、KIOSK端末10−1が障害になっていることを表示するが、KIOSK端末10自体が障害になっていると保守員に勘違いされることを防ぐために、表示色や点滅周期は前記実施の形態と異ならせることが望ましい。
【0088】
以上第7の実施の形態によれば、前記第1乃至第6の実施の形態の説明に記載した効果に加え、障害となったユニットを有するKIOSK端末10−1の付近に保守員がいなくても、同一店舗A内の他のKIOSK端末10−2及び10−3付近にいる保守員に障害の発生をしらせることが可能となる。
【0089】
(第8の実施の形態)
次に、第8の実施の形態について説明する。第8の実施の形態に関するKIOSK端末システムは、制御部20に障害が生じたKIOSK端末10−1があったとき、店舗内監視端末30がこれを監視し、店舗A内の他のKIOSK端末10−2、10−3にこれを表示するよう指示するものである。
【0090】
図2において、店舗A内の店舗内監視端末30は、KIOSK端末10−1、10−2及び10−3の動作状況を監視している。ここで、KIOSK端末10−1の制御部20に障害が生じた場合、KIOSK端末10−1全体が機能しなくなる。そのとき、店舗内監視端末30から見て、無応答状態となる。これはKIOSK端末10−1、10−2及び10−3の上位に位置する店舗内監視端末30は、下位に接続されたKIOSK端末10−1、10−2及び10−3と常にセッションを張り、KIOSK端末10−1、10−2及び10−3の状態監視を行っているからである。
【0091】
店舗内監視端末30は一定周期でKIOSK端末10の制御部20と通信を行い、KIOSK端末10の状態監視を行っている。制御部20が障害となった場合は無応答となり、店舗内監視端末30は一定時間応答がないことをもってKIOSK端末10−1が障害となったと判断する。判断した結果、前記第7の実施の形態と同様に、同じ店舗A内の他のKIOSK端末10−2及び10−3にKIOSK端末10−1に障害が発生していることを表示する。
【0092】
KIOSK端末10−2、10−3はKIOSK端末10−1に障害があることを保守員に知らせるため、フリッカランプ又はタッチパネルLCD14に磁気カードリーダ部11が障害であることを表示する。フリッカランプに表示する場合は、図5の最下段に示すように他の装置の異常時、例えばKIOSK端末10−1の状態が重度又は軽度障害のときは、KIOSK端末10−2、10−3における予め定めた一箇所のフリッカランプのみ赤色及び黄色の交互の点滅となる。タッチパネルLCD14に表示する場合は、「KIOSK端末1号機に障害があります。保守員は修理をしてください。」と表示する。なお、第7の実施の形態と同様に、上位ホストから他のKIOSK端末10−2及び10−3に通知するようにしてもよい。
【0093】
第8の実施の形態によれば、制御部20が異常となっても、店舗内監視端末30により異常状態を把握することができ、異常となっているKIOSK端末10−1に保守員がいなくても、その他のKIOSK端末10−2及び10−3付近にいる保守員に状況を知らせることが可能となる。
【0094】
前記第1乃至第8の実施の形態において、ユニットの障害に関して説明したが、障害に限らず広く所定の装置状態に関して適用可能である。
【符号の説明】
【0095】
10 KIOSK端末
11 磁気カードリーダ部
12 バーコードリーダ部
13 プリンタ部
14 タッチパネルLCD
20 制御部
23 障害検出手段
111 磁気カードリーダ部用フリッカランプ
112 バーコードリーダ部用フリッカランプ
113 プリンタ部用フリッカランプ
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報KIOSK端末装置などの顧客操作型情報端末装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、情報KIOSK端末装置(以下KIOSK端末という)は、公共施設や店舗などに設置され、不特定多数の人がマンマシンインターフェースを通じて、必要な情報にアクセスしたり、サービスを利用したりすることができる端末装置である。KIOSK端末は、設置場所によって種々の用途がある。例えば博物館では館内の案内という情報提供であり、病院では診察券を受け付けることによる来院の記録であり、駅や空港ではカードを受け付けることによるチケットやレシートの発行である。また、KIOSK端末の有する機能は、顧客の有するカードの内容を読み取る磁気カードリーダ部やバーコードリーダ部、チケットやレシートを印刷するプリンタ部、更に顧客に操作表示を行うタッチパネル部などがあり、そのため複数ユニットを備えている。
【0003】
一般にKIOSK端末は、公共施設や店舗などに複数台で設置される場合が多い。そして、複数台のKIOSK端末は、公衆網の回線を利用し、店舗内の上位装置からセンタ側ホストと接続されている。そのため、KIOSK端末には、円滑なサービスを維持するために保守が重要となっている。
【0004】
なお、特開平11−203529(特許文献1)には、紙幣識別装置の異常を報知する技術が記載されている。特許文献1は、紙幣識別装置のどの部分で紙幣詰まりが起こったのか、どの部分が故障したのかの詳細な事項を表示するため、紙幣の挿入口に設けた複数の入口ランプを点滅させて、異常内容をコード化して表す技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−203529号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
KIOSK端末の従来の技術によれば、各ユニットに障害が発生した場合の対応は次の通りである。即ち、(1)顧客がKIOSK端末を操作した結果、障害の発生が判明された場合、顧客からの通報に基づいて、係員/保守員(以下保守員という)がKIOSK端末の状態を見に行く。(2)KIOSK端末とオンラインで接続されている監視端末装置が障害の発生を受信した場合、保守員が画面又はブザーにより障害情報を確認した後、KIOSK端末の状態を見に行く。
【0007】
しかしながら、保守員は常時、KIOSK端末の状態を監視し続けることは困難である。その結果、KIOSK端末のユニットの障害に基づいて、KIOSK端末が停止してしまうことになる。KIOSK端末が停止している間は顧客に対するサービス低下となってしまい、店舗側としては経済的損失に陥るという問題があった。また、障害となっているユニットが特定できないため、障害となっているユニットをKIOSK端末から切り離して運用するいわゆる縮退運転を行うことができないという問題があった。
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、情報端末装置の保守員にとって、情報端末装置において所定の装置状態、即ち障害となっているユニットを簡単に特定することができる情報端末装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために本発明に関する情報端末装置は、複数ユニットからなる情報端末装置において、前記ユニットの所定の装置状態を検出する装置状態検出手段と、前記ユニットの近傍に設けられ当該ユニットの前記所定の装置状態を表示する表示手段と、前記装置状態検出手段が前記ユニットの前記所定の装置状態を検出すると、前記表示手段に前記所定の装置状態を表示するよう制御する制御手段を有する情報端末装置である。
【発明の効果】
【0010】
上記構成を有する本発明によれば、情報端末装置のユニットの所定の装置状態、即ち障害を表示する表示手段をユニットの近傍に設けたので、情報端末装置の保守員は情報端末装置における所定の装置状態、即ち障害となっているユニットを簡単に特定することができる。更に、ユニット障害時には保守員による復旧対応を迅速に行うことができる。
これにより、顧客からの通報によることなく、更に保守員が常時監視する必要のない情報端末装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1の実施の形態に関するKIOSK端末の外観図である。
【図2】第1の実施の形態に関するKIOSK端末の端末システムの構成図である。
【図3】第1の実施の形態に関するKIOSK端末のブロック図である。
【図4】第1の実施の形態に関するKIOSK端末の制御部の機能ブロック図である。
【図5】第1の実施の形態に関するフリッカランプ表示色と点灯・点滅パターン例を示す説明図である。
【図6】第1の実施の形態に関する正常時と異常時のフリッカランプの表示動作を示すフローチャートである。
【図7】第1の実施の形態に関する縮退動作とフリッカランプ表示動作の関係を示すフローチャートである。
【図8】第3の実施の形態に関するKIOSK端末の制御部の機能ブロック図である。
【図9】第3の実施の形態に関するKIOSK端末の動作を示すフローチャートである。
【図10】第4の実施の形態に関する縮退動作とフリッカランプ表示動作の関係を示すフローチャートである。
【図11】第5の実施の形態に関するKIOSK端末の外観図である。
【図12】第5の実施の形態に関するKIOSK端末のブロック図である。
【図13】第6の実施の形態に関する記憶部に格納する障害情報を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態について説明する。図2は第1の実施の形態に関するKIOSK端末10の端末システムの構成図である。情報端末装置としてのKIOSK端末10は、店舗A及び店舗Bなどに複数台設置される。店舗A及びB内の複数台のKIOSK端末10−1〜10−6は店舗内監視端末30に接続され、店舗内監視端末30によってその動作状況が監視されている。そして、店舗A及びB内のKIOSK端末10は、公衆網回線50を利用し、店舗内監視端末30を経由してセンタ側の上位ホスト100と接続されている。
【0013】
顧客が店舗Aからサービスを要求するときは、店舗AのKIOSK端末10−1を操作する。顧客が行う操作情報は、店舗内監視端末30及び公衆網回線50を経由して上位ホスト100にアクセスする。上位ホスト100には、サービスに関するデータや顧客に関するデータが記憶されたデータベース101を有する。例えばメニュー画面を生成するための画像データがデータベース101に格納され、当該画像データは上位ホスト100からKIOSK端末10に送られる。このように顧客はマンマシンインターフェースを通じて、必要な情報にアクセスしたり、サービスを利用したりすることができる。
【0014】
図1は第1の実施の形態に関するKIOSK端末10の外観図である。KIOSK端末10のユニットとしての磁気カードリーダ部11は、顧客が所持する磁気カードからなる会員カードを受け入れ、磁気情報を読み取る。ユニットとしてのバーコードリーダ部12は同じく顧客が所持するバーコードを印刷したカードを受け入れ、バーコード情報を読み取る。同じくユニットとしてのプリンタ部13は顧客に対するサービスの結果としてのチケットやレシートを印刷し、出力する。顧客操作表示画面としてのタッチパネルLCD14は、顧客操作のためのガイダンスを表示するとともに、顧客の入力操作を受け入れる。近接センサ15は、顧客又は保守員がKIOSK端末10に接近したことを検知する。そして、保守員用錠16は保守員が保守作業のためにKIOSK端末10の内部を操作する際、保守用扉を解放するための錠である。
【0015】
磁気カードリーダ部用フリッカランプ111はユニットとしての磁気カードリーダ部11の近傍に設けられ、磁気カードリーダ部11の装置状態が正常の時は顧客に対する操作案内用に点灯・点滅を行う。また、磁気カードリーダ部11の装置状態に障害が生じた場合は、保守員に対する操作案内用に後述する特殊な点灯・点滅を行う。
【0016】
バーコードリーダ部用フリッカランプ112はユニットとしてのバーコードリーダ部12の近傍に設けられ、バーコードリーダ部12の装置状態が正常の時は顧客に対する操作案内用に点灯・点滅を行う。また、バーコードリーダ部12の装置状態に障害が生じた場合は、保守員に対する操作案内用に後述する特殊な点灯・点滅を行う。
【0017】
プリンタ部用フリッカランプ113は同じくユニットとしてのプリンタ部13の近傍に設けられ、プリンタ部13の装置状態が正常の時は顧客に対する操作案内用に点灯・点滅を行う。プリンタ部13の装置状態に障害が生じた場合は、同じく保守員に対する操作案内用に後述する特殊な点灯・点滅を行う。これらの各ユニット及び各フリッカランプは、顧客にとって操作し易いようにかつ保守員にとって認識し易いようにKIOSK端末10の前面に設けてある。
【0018】
図3は第1の実施の形態に関するKIOSK端末10のブロック図である。図1で示す外観図と同一の要素には同一の符号で示してある。内蔵プリンタ17は保守員の保守作業用の詳細データを印刷する。記憶部18は制御部20の制御に必要なプログラム及び各種のデータを格納する。通信部19は制御部20の制御により各種のデータを店舗内監視端末30に送信し、店舗内監視端末30から受信する。
【0019】
制御部20は、ユニットとしての磁気カードリーダ部11、バーコードリーダ部12、プリンタ部13及びその他各部と接続され、これらに対して指示を行うとともに、これらからの動作状況を受信して各ユニットに障害がないかどうか判断する。また、制御部20は、これらのユニットに障害が生じたとき、磁気カードリーダ部用フリッカランプ111、バーコードリーダ部用フリッカランプ112及びプリンタ部用フリッカランプ113に対して後述するように個々に点滅・点灯及び消灯の指示を行う。
【0020】
図4は第1の実施の形態に関するKIOSK端末10の制御部20の機能ブロック図である。ユニット動作指示部22はユニットとしての磁気カードリーダ部11、バーコードリーダ部12及びプリンタ部13に対し動作を行うよう指示する。装置状態検出部としての障害検出部23は、ユニットとしての磁気カードリーダ部11、バーコードリーダ部12及びプリンタ部13が正常に動作可能か異常かどうか監視し、これらの障害としての異常を検出する。
【0021】
縮退判定・指示部24は、障害検出部23による特定のユニットに障害が検出されたとき、障害となっているユニットをKIOSK端末10から切り離して運用するいわゆる縮退運転が可能かどうか判定する。縮退運転が可能と判定された場合、縮退判定・指示部24は、その結果関連ユニット及び各部に対し縮退運転を指示する。
【0022】
フリッカランプ指示部25は、正常時、磁気カードリーダ部用フリッカランプ111、バーコードリーダ部用フリッカランプ112及びプリンタ部用フリッカランプ113に対して正常に動作中であることを示す表示を行うよう指示する。また、異常時、即ち、障害検出部23による特定のユニットに障害が検出されたとき、当該ユニットの近傍に設けられた磁気カードリーダ部用フリッカランプ111、バーコードリーダ部用フリッカランプ112又はプリンタ部用フリッカランプ113に対して後述する点滅、点灯又は消灯の指示を行う。修理開始検知部26は、障害検出部23による特定のユニットに障害が検出された後、保守員によって修理が開始されたかどうかを識別検知する。
【0023】
次に、第1の実施の形態に関するKIOSK端末10の初期段階の動作について説明する。まず、KIOSK端末10の装置状態が正常時において、顧客はKIOSK端末10を利用するとき、図示しない磁気カードからなる会員カード又はバーコードデータを準備する。顧客がKIOSK端末10に近づくと、近接センサ15が反応し、近接センサ15は、顧客が近づいたことを制御部20に知らせる。制御部20はこれを受けて、KIOSK端末10を待機状態から運用状態に切り替える。同時に制御部20は、顧客操作表示画面としてのタッチパネルLCD14に対し、図示しない案内画面を表示するよう指示する。
【0024】
次に、KIOSK端末10の装置状態に応じたフリッカランプの表示パターンについて説明する。図5は第1の実施の形態に関するフリッカランプ表示色と点灯・点滅パターン例を示す説明図である。磁気カードリーダ部用フリッカランプ111、バーコードリーダ部用フリッカランプ112及びプリンタ部用フリッカランプ113に対して共通する表示色と点灯・点滅パターンである。フリッカランプ111、112、113は前述のように、個々に独立した点灯・点滅及び消灯が可能であり、複数の色を表示可能である。以下の正常時及び異常時の動作は、制御部20がフリッカランプ指示部25に対して指示を行うことにより実施される。
【0025】
同図においてまず、正常時、KIOSK端末10の装置状態が顧客による操作待ちのときは、青色又は緑色の点滅であり、KIOSK端末10が動作中のときは、青色又は緑色の点灯となる。
【0026】
また、重度の障害としての異常時、即ち、KIOSK端末10の装置状態が媒体ジャムで復旧待ちのときは、対象ユニットのみで赤色の点滅であり、KIOSK端末10の装置状態が媒体ジャムで復旧操作中のときは、対象ユニットのみで赤色の点灯である。そして、KIOSK端末10の装置状態が通信異常のときは、装置内の全フリッカが赤色の点滅である。
【0027】
更に、軽度の障害としての異常時、即ち、KIOSK端末10の装置状態が用紙エンドのときは、黄色の点滅であり、KIOSK端末10の装置状態が用紙ニアエンドのときは、黄色の点灯であり、KIOSK端末10の装置状態がカバーオープンなどのユニットセット不良のときは、黄色の点滅となる。なお、同図の最下段の「他装置」については、後に第7の実施の形態で説明する。また、点滅の場合は、それぞれ点滅の周期を変えることにより、これらを識別することが容易となる。
【0028】
次に、正常時と異常時のフリッカランプの表示動作について説明する。図6は第1の実施の形態に関する正常時と異常時のフリッカランプの表示動作を示すフローチャートである。
S001:KIOSK端末10の制御部20は装置状態検出部としての障害検出部23に対し、ユニットとしての磁気カードリーダ部11、バーコードリーダ部12及びプリンタ部13が正常に動作可能か異常かどうか監視するよう指示する。障害検出部23が正常に動作可能であることを検出したときはステップ002へ移行し、異常を検出したときはステップ008へ移行する。
【0029】
S002:障害検出部23が正常に動作可能であることを検出したときは、制御部20はユニット動作指示部22に対し、ユニットとしての磁気カードリーダ部11、バーコードリーダ部12又はプリンタ部13を操作待ち(待機)させるよう指示する。
【0030】
S003:同時に、制御部20は、フリッカランプ指示部25に対し、ユニットに対応する磁気カードリーダ部用フリッカランプ111、バーコードリーダ部用フリッカランプ112又はプリンタ部用フリッカランプ113に操作待ち(待機)であることを示す表示(青色又は緑色の点滅)を行わせるよう指示する。
【0031】
S004:その後、制御部20は障害検出部23から、ユニットとしての磁気カードリーダ部11、バーコードリーダ部12又はプリンタ部13が顧客により動作されたことを検出されたとする。
【0032】
S005:制御部20は、フリッカランプ指示部25に対し、動作を開始したユニットに対応する磁気カードリーダ部用フリッカランプ111、バーコードリーダ部用フリッカランプ112又はプリンタ部用フリッカランプ113に動作中であることを示す表示(青色又は緑色の点灯)を行わせるよう指示する。
【0033】
S006:その後、制御部20は障害検出部23から、ユニットとしての磁気カードリーダ部11、バーコードリーダ部12又はプリンタ部13の動作が終了されたことを検出されたとする。
【0034】
S007:制御部20は、フリッカランプ指示部25に対し、動作を終了したユニットに対応する磁気カードリーダ部用フリッカランプ111、バーコードリーダ部用フリッカランプ112又はプリンタ部用フリッカランプ113が動作終了であることを示す表示(青色又は緑色の消灯)を行わせるよう指示する。なおこの場合、操作待ち(待機)であることを示す表示(青色又は緑色の点滅)を行わせるよう指示してもよい。
【0035】
S008:ステップ001において障害検出部23が異常を検出したときは、制御部20は、フリッカランプ指示部25に対し、障害のあるユニットに対応する磁気カードリーダ部用フリッカランプ111、バーコードリーダ部用フリッカランプ112又はプリンタ部用フリッカランプ113にユニットが障害であることを示す表示(赤色又は黄色の点滅又は点灯)を行わせるよう指示する。
【0036】
次に縮退動作とフリッカランプ表示動作の関係を説明する。図7は第1の実施の形態に関する縮退動作とフリッカランプ表示動作の関係を示すフローチャートである。
S101:装置状態検出部としての障害検出部23が、ユニットとしての磁気カードリーダ部11、バーコードリーダ部12又はプリンタ部13の異常を検出する。
【0037】
S102:障害検出部23が異常を検出すると、制御部20は縮退判定・指示部24に対し、障害となっている磁気カードリーダ部11、バーコードリーダ部12又はプリンタ部13をKIOSK端末10から切り離して運用するいわゆる縮退運転が可能かどうか判定するよう指示する。
【0038】
S103:縮退判定・指示部24の判定の結果、縮退運転を行うときは、制御部20は縮退判定・指示部24に対し、縮退運転を行う磁気カードリーダ部11、バーコードリーダ部12又はプリンタ部13が復旧待ちにすることを指示する。
【0039】
S104:制御部20はフリッカランプ指示部25に対し、障害のあるユニットに対応する磁気カードリーダ部用フリッカランプ111、バーコードリーダ部用フリッカランプ112又はプリンタ部用フリッカランプ113にユニットが障害であることを示す表示(赤色又は黄色の点滅又は点灯)を行わせるよう指示する。保守員は障害のあるユニットの近傍のフリッカランプ111、112又は113にユニットが障害であることを示す表示がされているので、容易に特定することができる。
【0040】
S105:制御部20は修理開始検知部26に対し、縮退運転を行う磁気カードリーダ部11、バーコードリーダ部12又はプリンタ部13が保守員によって修理が開始されたかどうか検知するよう指示する。修理が開始されるまで、ステップ104を継続する。
【0041】
以上第1の実施の形態によれば、障害のあるユニットの近傍に、これらのユニットに対応して磁気カードリーダ部用フリッカランプ111、バーコードリーダ部用フリッカランプ112及びプリンタ部用フリッカランプ113を設けたので、KIOSK端末10の近くにいる保守員が障害のあるユニットを容易に特定がすることができるようになる。また、障害の状態は、フリッカランプの表示色及び点灯・点滅のパターンを替えることによって、複数の障害に対応することができる。従って、ユニット障害時の復旧対応を迅速に行うことができ、顧客サービス向上につながることができる。
【0042】
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態は、KIOSK端末10のユニットのうち磁気カードリーダ部11が障害となった場合を例に説明する。第2の実施の形態に関するKIOSK端末10は、磁気カードリーダ部11が障害となったことをタッチパネルLCD14にも表示するというものである。
【0043】
KIOSK端末10の磁気カードリーダ部11が障害となったとき、障害検出部23がこれを検出すると、制御部20はタッチパネルLCD14に対し、磁気カードリーダ部11が障害となっていることを表示するよう指示する。表示内容は、例えば「ただ今、磁気カードリーダが故障しておりますので、ご使用になれません。」である。
【0044】
同時に、第1の実施の形態同様に、制御部20はフリッカランプ指示部25に対し、障害のあるユニットである磁気カードリーダ部11に対応する磁気カードリーダ部用フリッカランプ111に磁気カードリーダ部11が障害であることを示す表示(赤色又は黄色の点滅又は点灯)を行わせるよう指示する。
【0045】
その後、KIOSK端末10の近くにいる保守員は、磁気カードリーダ部用フリッカランプ111及びタッチパネルLCD14の表示を確認する。これにより保守員は、障害のある磁気カードリーダ部11を容易に特定し、磁気カードリーダ部11の修理を行うことができる。
【0046】
以上のように、第2の実施の形態によれば、保守員は磁気カードリーダ部用フリッカランプ111及びタッチパネルLCD14の表示により、障害のある磁気カードリーダ部11を容易に特定することができる。
【0047】
(第3の実施の形態)
次に、第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態も、同様にKIOSK端末10のユニットのうち磁気カードリーダ部11が障害となった場合を例に説明する。第3の実施の形態に関するKIOSK端末10は、障害となるユニットを検出した後、保守員がメンテナンス操作を行う場合と、顧客が通常操作を行う場合とでフリッカランプの点灯・点滅とするか又は消灯とするかを使い分けることにある。
【0048】
図8は第3の実施の形態に関するKIOSK端末10の制御部20の機能ブロック図である。図中、修理開始検知部26は、前述のように磁気カードリーダ部11に障害が検出された後、保守員によって修理が開始されたかどうかを識別検知する。具体的には、保守員が修理作業のためにKIOSK端末10の内部を操作する際、保守員用錠16を開けたことを検知する。そして、顧客が操作したことを識別する操作識別手段としての顧客操作検知部27は磁気カードリーダ部11に障害が検出された後、顧客がタッチパネルLCD14を使って入力操作を開始したかどうかを識別検知する。その他、前記第1の実施の形態に関するKIOSK端末10の制御部20の機能ブロック図(図4)で説明した要素と同じ要素は、同一符号で示し説明を省略する。
【0049】
図9は第3の実施の形態に関するKIOSK端末10の動作を示すフローチャートである。
S201:装置状態検出部としての障害検出部23がユニットとしての磁気カードリーダ部11の異常を検出する。
【0050】
S202:障害検出部23が磁気カードリーダ部11の異常を検出すると、制御部20は縮退判定・指示部24に対し、障害となっている磁気カードリーダ部11をKIOSK端末10から切り離して運用するいわゆる縮退運転が可能かどうか判定するよう指示する。
【0051】
S203:縮退判定・指示部24の判定の結果、縮退運転を行うときは、制御部20は縮退判定・指示部24に対し、縮退運転を行う磁気カードリーダ部11が復旧待ちにすることを指示する。
【0052】
S204:制御部20はフリッカランプ指示部25に対し、障害のある磁気カードリーダ部11に対応する磁気カードリーダ部用フリッカランプ111に磁気カードリーダ部11が障害であることを示す表示(赤色又は黄色の点滅又は点灯)を行わせるよう指示する。
【0053】
S205:制御部20は近接センサ15に対し、人がKIOSK端末10に接近したかどうか検知するよう指示する。近接センサ15が検知しなければステップ204に戻り、検知したときは次に進む。
【0054】
S206:制御部20は修理開始検知部26に対し、保守員によって修理が開始されたかどうかを識別検知するよう指示する。なお、ここで保守員により修理の開始を識別する方法としては、例えばタッチパネルLCD14やKIOSK端末10内部に設けた図示しないボタンスイッチによって、保守作業を行うための保守モードの起動を識別する。また、後述する保守用IDカードの読取りなどにより、保守員による修理の開始を識別するようにすればよい。保守員によって修理が開始されたことを識別検知したときは次へ進み、検知されないときはステップ209へ移行する。
【0055】
S207:保守員によって障害のある磁気カードリーダ部11の修理が行われているとき、制御部20は、フリッカランプ指示部25に対し、磁気カードリーダ部用フリッカランプ111に磁気カードリーダ部11が障害であることを示す表示(赤色又は黄色の点滅又は点灯)を継続するよう指示する。これらの表示を消灯してしまうと保守員にとって確認がとれにくくなるので、確認を容易にするためである。
【0056】
S208:保守員による修理が完了することにより、障害検出部23が磁気カードリーダ部11の正常を検出すると、制御部20はフリッカランプ指示部25に対し、動作を終了した磁気カードリーダ部11に対応する磁気カードリーダ部用フリッカランプ111が動作終了であることを示す表示(青色又は緑色の消灯)を行わせるよう指示する。なおこの場合、操作待ち(待機)であることを示す表示(青色又は緑色の点滅)を行わせるよう指示してもよい。
【0057】
S209:ステップ206において、保守員によって修理が開始されたことが検知されないときは、制御部20は顧客操作検知部27に対し、顧客がタッチパネルLCD14を使って入力操作を開始したかどうかを識別検知するよう指示する。検知しないときはステップ204に戻り、検知したときは次へ進む。
【0058】
S210:顧客操作検知部27が顧客がタッチパネルLCD14を使って入力操作を開始したことを検知したときは、制御部20は、フリッカランプ指示部25に対し、磁気カードリーダ部用フリッカランプ111を消灯させ、磁気カードリーダ部11が動作終了であることを示す表示(青色又は緑色の消灯)を行わせるよう指示する。顧客が別の操作しているときに、磁気カードリーダ部用フリッカランプ111を点滅させておくことは顧客にとって煩わしいので、顧客の心理を考慮し、この煩わしさを解消するためである。
【0059】
S211:制御部20は、磁気カードリーダ部11以外の他のユニットに対し通常操作を可能とするよう指示する。
【0060】
以上のように、第3の実施の形態によれば、第1の実施の形態同様に、障害のあるユニットの近傍に、これらのユニットに対応してフリッカランプを設けたので、KIOSK端末10の近くにいる保守員が障害のあるユニットを容易に特定がすることができるようになる。更に、その後のKIOSK端末10への操作が、保守員か顧客によって、フリッカランプの表示方法を替えることにしたので、ユニット障害時の復旧対応をより迅速に行うことができるとともに、顧客の心理を考慮したKIOSK端末を提供することができ、顧客サービス向上につながることができる。
【0061】
(第4の実施の形態)
次に、第4の実施の形態について説明する。第4の実施の形態も、同様にKIOSK端末10のユニットのうち磁気カードリーダ部11が障害となった場合を例に説明する。第4の実施の形態に関するKIOSK端末10は、障害となった磁気カードリーダ部11の障害の詳細を示す詳細データをタッチパネルLCD14に表示するか又は内蔵プリンタ17に印刷するというものである。
【0062】
図10は第4の実施の形態に関する縮退動作とフリッカランプ表示動作の関係を示すフローチャートである。
S301:装置状態検出部としての障害検出部23がユニットとしての磁気カードリーダ部11の異常を検出する。
【0063】
S302:障害検出部23が異常を検出すると、制御部20は縮退判定・指示部24に対し、障害となっている磁気カードリーダ部11をKIOSK端末10から切り離して運用するいわゆる縮退運転が可能かどうか判定するよう指示する。
【0064】
S303:縮退判定・指示部24の判定の結果、縮退運転を行うときは、制御部20は縮退判定・指示部24に対し、縮退運転を行う磁気カードリーダ部11が復旧待ちにすることを指示する。
【0065】
S304:制御部20はフリッカランプ指示部25に対し、障害のある磁気カードリーダ部11に対応する磁気カードリーダ部用フリッカランプ111に磁気カードリーダ部11が障害であることを示す表示(赤色又は黄色の点滅又は点灯)を行わせるよう指示する。
【0066】
S305:同時に制御部20はタッチパネルLCD14又は内蔵プリンタ17に対し、磁気カードリーダ部11の障害の詳細を示す詳細データを表示又は印刷するよう指示する。詳細データは、第1の実施の形態で説明したフリッカランプの点滅による表示では、何のエラーであるのか分からない場合に有効である。
【0067】
S306:制御部20は修理開始検知部26に対し、縮退運転を行う磁気カードリーダ部11が保守員によって修理が開始されたかどうか検知するよう指示する。修理が開始されるまで、ステップ104を継続する。
【0068】
以上第4の実施の形態によれば、タッチパネルLCD14又は内蔵プリンタ17に障害の詳細を示す詳細データを表示又は印刷するようにしたので、保守員は手元にエラーリストなどの資料を準備する必要がなく、迅速に保守作業を行うことができる。
【0069】
(第5の実施の形態)
次に、第5の実施の形態について説明する。第5の実施の形態に関するKIOSK端末10は、第4の実施の形態におけるタッチパネルLCD14又は内蔵プリンタ17に障害の詳細データを表示又は印刷する際に、保守員に保守員を特定するID情報を入力させるというものである。
【0070】
図11は第5の実施の形態に関するKIOSK端末10の外観図である。同図において、前記第1の実施の形態に関するKIOSK端末10の外観図(図2)で説明した要素と同じ要素は、同一符号で示し説明を省略する。保守員のID情報を読み取るID情報読取部としてのIDカード読取部31は、保守員が保守用IDカードをかざすことにより、保守用IDカード内の保守員データを非接触で読み取る。IDカード読取部31はKIOSK端末10の前面又は側面に設けられる。保守用IDカードが磁気カードであるときは、磁気カードリーダ部11に挿入すればよい。また、保守用IDカードがカードに印刷された1次元又は2次元バーコードであるときは、バーコードリーダ部12に挿入すればよい。そして、ICカードであるときは、IDカード読取部31にかざすことになる。保守用IDカードに記憶されるデータは、保守員を特定することができるデータであればよく、個人用又は保守作業専用のいずれでもよい。
【0071】
図12は第5の実施の形態に関するKIOSK端末10のブロック図である。図11で示す外観図と同一の要素には同一の符号で示してある。第5の実施の形態に関する動作について説明する。前述のように障害検出部23が異常を検出したときは、制御部20は、フリッカランプ指示部25に対し、障害のあるユニットに対応する磁気カードリーダ部用フリッカランプ111、バーコードリーダ部用フリッカランプ112又はプリンタ部用フリッカランプ113にユニットが障害であることを示す表示(赤色又は黄色の点滅又は点灯)を行わせるよう指示する。その後、保守員がフリッカランプの点滅又は点灯表示に気づく。
【0072】
そして、保守員は、保守用IDカード内の保守員データを磁気カードリーダ部11、バーコードリーダ部12又はIDカード読取部31で読み取らせる。KIOSK端末10の磁気カードリーダ部11、バーコードリーダ部12又はIDカード読取部31で読み取られた保守員データは、制御部20の制御により、通信部19から店舗内監視端末30及び公衆網回線50を経由して上位ホスト100へ送られる。上位ホスト100では、保守員データを受信すると、事前に保守員として登録されているデータとマッチングが行われる。
【0073】
マッチングの結果適合の場合は、上位ホスト100から確認がとれたことの結果が店舗内監視端末30経由でKIOSK端末10へ送られる。通知を受けたKIOSK端末10においては、制御部20がプリンタ部13に対して、障害のあるユニット、例えば磁気カードリーダ部11及び磁気カードリーダ部用フリッカランプ111で表示している点滅状態の意味をレシートとして印刷するよう指示する。
【0074】
上位ホスト100でのマッチングの結果不適合の場合は、不適合の通知が店舗内監視端末30経由でKIOSK端末10へ送られる。通知を受けたKIOSK端末10においては、制御部20は何もしない。このようにすれば、登録した保守員以外は保守作業をすることができない。以上のように、第5の実施の形態によれば、前記第4の実施の形態の効果に加え、更に、KIOSK端末10の保守作業を行う保守員を限定することができる。
【0075】
(第6の実施の形態)
次に、第6の実施の形態について説明する。前記第1の実施の形態から第4の実施の形態の説明では、障害の生じたユニットに対する復旧対応をKIOSK端末10内の処理で行っていた。第6の実施の形態に関するKIOSK端末システムでは、KIOSK端末10の通信部19から上位ホスト100へ障害情報を通知することにより、上位ホスト100における対応が可能となる。即ち、上位ホスト100において、特定の店舗や地域の複数のKIOSK端末10の障害情報から障害の傾向の把握を行うことができ、その傾向に従った店舗や地域特有の対策を策定することが可能となる。そして、第6の実施の形態の説明においても、同様にKIOSK端末10のユニットのうち磁気カードリーダ部11が障害となった場合を例に説明する。
【0076】
第6の実施の形態に関するフリッカランプの表示動作について、図6に示す正常時と異常時のフリッカランプの表示動作を示すフローチャートに従って説明する。
S001:KIOSK端末10の制御部20は障害検出部23に対し、ユニットとしての磁気カードリーダ部11、バーコードリーダ部12及びプリンタ部13が正常に動作可能か異常かどうか監視するよう指示する。障害検出部23が異常を検出したときはステップ008へ移行し、正常に動作可能であることを検出したときは説明を省略する。
【0077】
S008:障害検出部23が異常を検出したときは、制御部20は、フリッカランプ指示部25に対し、障害のある磁気カードリーダ部11に対応する磁気カードリーダ部用フリッカランプ111に磁気カードリーダ部11が障害であることを示す表示(赤色又は黄色の点滅又は点灯)を行わせるよう指示する。同時に制御部20は、記憶部18に対し、磁気カードリーダ部11に障害が生じたことを障害情報として格納するよう指示する。
【0078】
図13は第6の実施の形態に関する記憶部18に格納する障害情報を示す説明図である。ここでいう障害情報は、KIOSK端末10の端末番号(仮に001)、障害ユニット名(磁気カードリーダ部)及び障害発生年月日時刻(仮に2011年8月15日12時10分)である。
【0079】
その後、KIOSK端末10の制御部20は、通信部19に対し、記憶部18に格納した障害情報を店舗内監視端末30を経由して上位ホスト100へ送信するよう指示する。通信部19は障害情報の送信を行う装置状態情報送信部として機能する。この障害情報を受信した上位ホスト100は特定の地域の複数のKIOSK端末10の障害情報から障害の傾向の把握を行い、その傾向に従った地域特有の対策を策定する。なお、上位ホスト100へ障害情報を送信するタイミングは、障害発生の都度でもよいが、一日一回のバッチ処理で送信するようにしてもよい。
【0080】
以上のように、第6の実施の形態によれば、前記第1乃至第4の実施の形態の効果に加え、更に、上位ホスト100において、特定の地域の複数のKIOSK端末10の障害情報から障害の傾向の把握を行うことができ、その傾向に従った地域特有の対策を策定することが可能となる。
【0081】
(第7の実施の形態)
次に、第7の実施の形態について説明する。第7の実施の形態に関するKIOSK端末システムは、店舗A内に複数のKIOSK端末10−1、10−2、10−3がある場合、障害のあるユニットを有するKIOSK端末10−1以外に他のKIOSK端末10−2及び10−3のフリッカランプに、KIOSK端末10−1に障害があることの表示をするものである。
【0082】
第7の実施の形態に関するフリッカランプの表示動作について、図6に示す正常時と異常時のフリッカランプの表示動作を示すフローチャートに従って説明する。
S001:KIOSK端末10の制御部20は障害検出部23に対し、ユニットとしての磁気カードリーダ部11、バーコードリーダ部12及びプリンタ部13が正常に動作可能か異常かどうか監視するよう指示する。障害検出部23が異常を検出したときはステップ008へ移行し、正常に動作可能であることを検出したときは説明を省略する。
【0083】
S008:障害検出部23が異常を検出したときは、制御部20は、フリッカランプ指示部25に対し、障害のある磁気カードリーダ部11に対応する磁気カードリーダ部用フリッカランプ111に磁気カードリーダ部11が障害であることを示す表示(赤色又は黄色の点滅又は点灯)を行わせるよう指示する。同時に制御部20は、記憶部18に対し、磁気カードリーダ部11に障害が生じたことを障害情報として格納するよう指示する。
【0084】
その後、KIOSK端末10−1の制御部20は、通信部19に対し、記憶部18に格納した障害情報を店舗内監視端末30へ送信するよう指示する。この障害情報を受信した店舗内監視端末30は、KIOSK端末10−1が障害のあるユニットを有することを認識する。そして、店舗内監視端末30は、同一店舗A内の他のKIOSK端末10−2、10−3に対し、KIOSK端末10−1が障害状態であることを通知する。
【0085】
KIOSK端末10−2、10−3はKIOSK端末10−1に障害があることを保守員に知らせるため、フリッカランプ又はタッチパネルLCD14に磁気カードリーダ部11が障害であることを表示する。フリッカランプに表示する場合は、図5の最下段に示すように他の装置の異常時、例えばKIOSK端末10−1の状態が重度又は軽度障害のときは、KIOSK端末10−2、10−3における予め定めた一箇所のフリッカランプのみ赤色及び黄色の交互の点滅となる。タッチパネルLCD14に表示する場合は、「KIOSK端末1号機に障害があります。保守員は修理をしてください。」と表示する。
【0086】
なお、障害のあったKIOSK端末10−1から店舗内監視端末30へ障害情報を送信することを説明したが、これに限らない。即ち、KIOSK端末10−1から店舗内監視端末30を経由して上位ホスト100へ送信するようにしてもよい。また、一旦KIOSK端末10−1から障害情報を受信した店舗内監視端末30が上位ホスト100へ送信するようにしてもよい。これにより障害情報を受信した上位ホスト100が店舗A内の他のKIOSK端末10−2、10−3に対し、KIOSK端末10−1が障害状態であることを通知する。
【0087】
なお、KIOSK端末10−2及び10−3に、KIOSK端末10−1が障害になっていることを表示するが、KIOSK端末10自体が障害になっていると保守員に勘違いされることを防ぐために、表示色や点滅周期は前記実施の形態と異ならせることが望ましい。
【0088】
以上第7の実施の形態によれば、前記第1乃至第6の実施の形態の説明に記載した効果に加え、障害となったユニットを有するKIOSK端末10−1の付近に保守員がいなくても、同一店舗A内の他のKIOSK端末10−2及び10−3付近にいる保守員に障害の発生をしらせることが可能となる。
【0089】
(第8の実施の形態)
次に、第8の実施の形態について説明する。第8の実施の形態に関するKIOSK端末システムは、制御部20に障害が生じたKIOSK端末10−1があったとき、店舗内監視端末30がこれを監視し、店舗A内の他のKIOSK端末10−2、10−3にこれを表示するよう指示するものである。
【0090】
図2において、店舗A内の店舗内監視端末30は、KIOSK端末10−1、10−2及び10−3の動作状況を監視している。ここで、KIOSK端末10−1の制御部20に障害が生じた場合、KIOSK端末10−1全体が機能しなくなる。そのとき、店舗内監視端末30から見て、無応答状態となる。これはKIOSK端末10−1、10−2及び10−3の上位に位置する店舗内監視端末30は、下位に接続されたKIOSK端末10−1、10−2及び10−3と常にセッションを張り、KIOSK端末10−1、10−2及び10−3の状態監視を行っているからである。
【0091】
店舗内監視端末30は一定周期でKIOSK端末10の制御部20と通信を行い、KIOSK端末10の状態監視を行っている。制御部20が障害となった場合は無応答となり、店舗内監視端末30は一定時間応答がないことをもってKIOSK端末10−1が障害となったと判断する。判断した結果、前記第7の実施の形態と同様に、同じ店舗A内の他のKIOSK端末10−2及び10−3にKIOSK端末10−1に障害が発生していることを表示する。
【0092】
KIOSK端末10−2、10−3はKIOSK端末10−1に障害があることを保守員に知らせるため、フリッカランプ又はタッチパネルLCD14に磁気カードリーダ部11が障害であることを表示する。フリッカランプに表示する場合は、図5の最下段に示すように他の装置の異常時、例えばKIOSK端末10−1の状態が重度又は軽度障害のときは、KIOSK端末10−2、10−3における予め定めた一箇所のフリッカランプのみ赤色及び黄色の交互の点滅となる。タッチパネルLCD14に表示する場合は、「KIOSK端末1号機に障害があります。保守員は修理をしてください。」と表示する。なお、第7の実施の形態と同様に、上位ホストから他のKIOSK端末10−2及び10−3に通知するようにしてもよい。
【0093】
第8の実施の形態によれば、制御部20が異常となっても、店舗内監視端末30により異常状態を把握することができ、異常となっているKIOSK端末10−1に保守員がいなくても、その他のKIOSK端末10−2及び10−3付近にいる保守員に状況を知らせることが可能となる。
【0094】
前記第1乃至第8の実施の形態において、ユニットの障害に関して説明したが、障害に限らず広く所定の装置状態に関して適用可能である。
【符号の説明】
【0095】
10 KIOSK端末
11 磁気カードリーダ部
12 バーコードリーダ部
13 プリンタ部
14 タッチパネルLCD
20 制御部
23 障害検出手段
111 磁気カードリーダ部用フリッカランプ
112 バーコードリーダ部用フリッカランプ
113 プリンタ部用フリッカランプ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数ユニットからなる情報端末装置において、
前記ユニットの所定の装置状態を検出する装置状態検出手段と、
前記ユニットの近傍に設けられ当該ユニットの前記所定の装置状態を示す表示をする表示手段と、
前記装置状態検出手段が前記ユニットの前記所定の装置状態を検出すると、前記表示手段に前記所定の装置状態を示す表示をするよう制御する制御手段を有することを特徴とする情報端末装置。
【請求項2】
顧客が操作する顧客操作表示画面を備え、
前記制御手段は、
前記装置状態検出手段が前記ユニットの前記所定の装置状態を検出すると、前記表示手段及び前記顧客操作表示画面に前記所定の装置状態を示す表示をするよう制御することを特徴とする請求項1記載の情報端末装置。
【請求項3】
顧客が操作する顧客操作表示画面と、
前記顧客操作表示画面を顧客が操作したことを識別する操作識別手段を備え、
前記制御手段は、
前記装置状態検出手段が前記ユニットの前記所定の装置状態を検出すると、前記表示手段に前記所定の装置状態を示す表示を行い、該表示後に前記操作識別手段が顧客による操作を識別すると、前記表示手段の前記所定の装置状態を示す表示を解除するよう制御することを特徴とする請求項1記載の情報端末装置。
【請求項4】
保守員によって修理が開始されたかどうかを検知する修理開始検知部を有し、
前記制御手段は、
前記装置状態検出手段が前記ユニットの前記所定の装置状態を検出すると、前記表示手段に前記所定の装置状態を示す表示を行い、該表示後に、前記修理開始検知部が保守員による修理の開始を検知した場合、前記表示手段の前記所定の装置状態を示す表示を継続するよう制御することを特徴とする請求項3記載の情報端末装置。
【請求項5】
レシートを印刷するプリンタ部を有し、
前記制御手段は、
前記装置状態検出手段が前記ユニットの前記所定の装置状態を検出すると、前記所定の装置状態の詳細を前記顧客操作表示画面に表示し、又は前記プリンタ部に印刷することを特徴とする請求項2記載の情報端末装置。
【請求項6】
保守員のID情報を読み取るID情報読取部と、
上位装置へ前記ID情報を送信し、前記上位装置から許可信号の受信を行う情報送受信部を有し、
前記制御部は、
前記装置状態検出手段が前記ユニットの前記所定の装置状態を検出すると、前記表示手段に前記所定の装置状態を示す表示を行い、かつ、前記ID情報読取部が前記保守員の前記ID情報を読み取ると、前記情報送受信部により前記ID情報を前記上位装置に送信し、前記上位装置からの前記許可信号を受信するよう制御することを特徴とする請求項1記載の情報端末装置。
【請求項7】
前記上位装置に対し前記所定の装置状態の情報の送信を行う装置状態情報送信部を有し、
前記制御手段は、
前記装置状態検出手段が前記ユニットの前記所定の装置状態を検出すると、前記装置状態情報送信部を介して前記装置状態の情報を上位装置に送信することを特徴とする請求項1乃至6いずれか一記載の情報端末装置。
【請求項8】
前記ユニットの前記所定の装置状態は、前記ユニットの障害であることを特徴とする請求項1乃至7いずれか一記載の情報端末装置。
【請求項9】
複数ユニットからなる情報端末装置と、複数の前記情報端末装置を監視する上位装置からなる情報端末システムにおいて、
前記情報端末装置は、
前記ユニットの所定の装置状態を検出する装置状態検出手段と、
前記ユニットの近傍に設けられ当該ユニットの前記所定の装置状態を示す表示をする表示手段と、
前記上位装置に対し前記所定の装置状態の情報の送信を行う装置状態情報送信部と、
前記装置状態検出手段が前記ユニットの前記所定の装置状態を検出すると、前記表示手段に前記所定の装置状態を示す表示をするとともに、前記装置状態情報送信部を介して前記所定の装置状態の情報を前記上位装置に送信するよう制御する制御手段を有し、
前記上位装置は、
前記所定の装置状態の情報の受信があると、前記装置状態の情報を当該情報を送信した前記情報端末装置以外の他の情報端末装置に通知することを特徴とする情報端末システム。
【請求項10】
前記装置状態の情報を通知された前記他の情報端末装置の前記制御手段は、
前記装置状態の情報を受信すると、前記表示手段に前記所定の装置状態の情報を示す表示をすることを特徴とする請求項9記載の情報端末システム。
【請求項11】
前記上位装置に接続されたホストを有し、
更に、前記上位装置は複数の前記情報端末装置を監視した結果、前記情報端末装置の前記制御手段に所定の装置状態を検出したときは、前記他の情報端末装置及び前記ホストに通知することを特徴とする請求項9又は10記載の情報端末システム。
【請求項12】
前記ユニットの所定の装置状態は、前記ユニットの障害であることを特徴とする請求項9乃至11いずれか一記載の情報端末システム。
【請求項1】
複数ユニットからなる情報端末装置において、
前記ユニットの所定の装置状態を検出する装置状態検出手段と、
前記ユニットの近傍に設けられ当該ユニットの前記所定の装置状態を示す表示をする表示手段と、
前記装置状態検出手段が前記ユニットの前記所定の装置状態を検出すると、前記表示手段に前記所定の装置状態を示す表示をするよう制御する制御手段を有することを特徴とする情報端末装置。
【請求項2】
顧客が操作する顧客操作表示画面を備え、
前記制御手段は、
前記装置状態検出手段が前記ユニットの前記所定の装置状態を検出すると、前記表示手段及び前記顧客操作表示画面に前記所定の装置状態を示す表示をするよう制御することを特徴とする請求項1記載の情報端末装置。
【請求項3】
顧客が操作する顧客操作表示画面と、
前記顧客操作表示画面を顧客が操作したことを識別する操作識別手段を備え、
前記制御手段は、
前記装置状態検出手段が前記ユニットの前記所定の装置状態を検出すると、前記表示手段に前記所定の装置状態を示す表示を行い、該表示後に前記操作識別手段が顧客による操作を識別すると、前記表示手段の前記所定の装置状態を示す表示を解除するよう制御することを特徴とする請求項1記載の情報端末装置。
【請求項4】
保守員によって修理が開始されたかどうかを検知する修理開始検知部を有し、
前記制御手段は、
前記装置状態検出手段が前記ユニットの前記所定の装置状態を検出すると、前記表示手段に前記所定の装置状態を示す表示を行い、該表示後に、前記修理開始検知部が保守員による修理の開始を検知した場合、前記表示手段の前記所定の装置状態を示す表示を継続するよう制御することを特徴とする請求項3記載の情報端末装置。
【請求項5】
レシートを印刷するプリンタ部を有し、
前記制御手段は、
前記装置状態検出手段が前記ユニットの前記所定の装置状態を検出すると、前記所定の装置状態の詳細を前記顧客操作表示画面に表示し、又は前記プリンタ部に印刷することを特徴とする請求項2記載の情報端末装置。
【請求項6】
保守員のID情報を読み取るID情報読取部と、
上位装置へ前記ID情報を送信し、前記上位装置から許可信号の受信を行う情報送受信部を有し、
前記制御部は、
前記装置状態検出手段が前記ユニットの前記所定の装置状態を検出すると、前記表示手段に前記所定の装置状態を示す表示を行い、かつ、前記ID情報読取部が前記保守員の前記ID情報を読み取ると、前記情報送受信部により前記ID情報を前記上位装置に送信し、前記上位装置からの前記許可信号を受信するよう制御することを特徴とする請求項1記載の情報端末装置。
【請求項7】
前記上位装置に対し前記所定の装置状態の情報の送信を行う装置状態情報送信部を有し、
前記制御手段は、
前記装置状態検出手段が前記ユニットの前記所定の装置状態を検出すると、前記装置状態情報送信部を介して前記装置状態の情報を上位装置に送信することを特徴とする請求項1乃至6いずれか一記載の情報端末装置。
【請求項8】
前記ユニットの前記所定の装置状態は、前記ユニットの障害であることを特徴とする請求項1乃至7いずれか一記載の情報端末装置。
【請求項9】
複数ユニットからなる情報端末装置と、複数の前記情報端末装置を監視する上位装置からなる情報端末システムにおいて、
前記情報端末装置は、
前記ユニットの所定の装置状態を検出する装置状態検出手段と、
前記ユニットの近傍に設けられ当該ユニットの前記所定の装置状態を示す表示をする表示手段と、
前記上位装置に対し前記所定の装置状態の情報の送信を行う装置状態情報送信部と、
前記装置状態検出手段が前記ユニットの前記所定の装置状態を検出すると、前記表示手段に前記所定の装置状態を示す表示をするとともに、前記装置状態情報送信部を介して前記所定の装置状態の情報を前記上位装置に送信するよう制御する制御手段を有し、
前記上位装置は、
前記所定の装置状態の情報の受信があると、前記装置状態の情報を当該情報を送信した前記情報端末装置以外の他の情報端末装置に通知することを特徴とする情報端末システム。
【請求項10】
前記装置状態の情報を通知された前記他の情報端末装置の前記制御手段は、
前記装置状態の情報を受信すると、前記表示手段に前記所定の装置状態の情報を示す表示をすることを特徴とする請求項9記載の情報端末システム。
【請求項11】
前記上位装置に接続されたホストを有し、
更に、前記上位装置は複数の前記情報端末装置を監視した結果、前記情報端末装置の前記制御手段に所定の装置状態を検出したときは、前記他の情報端末装置及び前記ホストに通知することを特徴とする請求項9又は10記載の情報端末システム。
【請求項12】
前記ユニットの所定の装置状態は、前記ユニットの障害であることを特徴とする請求項9乃至11いずれか一記載の情報端末システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−50774(P2013−50774A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−187103(P2011−187103)
【出願日】平成23年8月30日(2011.8.30)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月30日(2011.8.30)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】
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