説明

情報表示カード及び情報提供システム

【課題】情報を随時に更新でき、情報の更新に容易に気づくことができる。
【解決手段】情報提供システム10は、ICカード11,管理装置12,自動改札機13からなる。受付リーダライタ40にICカード11をかざすと、客の個人情報やシリアルナンバがICカード11のメモリに記憶され、カードキーとして客に貸与される。チェックアウトする際にICカード11を受付リーダライタ40にかざすと、嗜好等情報を除く個人情報等が消去され、客に引き渡される。ICカード11をカード入れ18に入れ、これを自動改札機13の改札リーダライタ46上にかざすと、ICカード11から読み込まれた嗜好等情報が管理装置12に送られ、対応するサービス情報が改札リーダライタ46を介してICカード11に入力される。カード入れ18を開くと、有機ELシートが発光し、ICカード11をカード入れ18から取り出すと、有機ELパネルにサービス情報が表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広告等の情報を表示する情報表示カード及び情報提供システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年のホテル等の宿泊施設では、客室の施解錠を行なう金属製のルームキーの代わりに、カード式のカードキーが多く利用されるようになってきている。このカードキーは、客室の扉の鍵を解錠するためのキー情報などが磁気データとして記録されており、客室の扉に設けられたカードキーの挿入口にカードキーを挿入することで、扉を解錠することができる。
【0003】
このようなカードキーに、データ書き換えが可能な可変表示領域を設け、客室に設置されたカードドライブ装置にカードキーを挿入すると、カードドライブ装置がサーバと送受信し、各種の情報がカードドライブ装置の表示部に表示されるとともに、カードキーの可変表示領域に表示された情報がカードドライブ装置によって書き換えられ、カードキーの可変表示領域に、宿泊施設での利用明細やホテル周辺情報や、周辺施設からホテル側に依頼された広告などの情報が表示される客室情報サービスシステムが知られている(特許文献1)。
【特許文献1】特開2006−185378号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1記載の情報サービスシステムでは、カードキーの可変表示領域をわざわざ見ないかぎり、情報が更新されていても気づかないという欠点がある。また、カードドライブ装置が設置された宿泊施設内でのみ情報を更新でき、宿泊施設から離れた場所やチェックアウトした後では、情報を更新することができないという欠点がある。
【0005】
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたもので、情報を随時更新することができるとともに、情報が更新されたことに容易に気づくことができる情報表示カード及び情報提供システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の情報表示カードは、外部と非接触で通信を行なう非接触通信部と、この非接触通信部を介して外部から得られる情報を記憶する記憶部と、発光することにより前記情報を表示する平面表示部と、前記平面表示部に電源を供給する電池と、前記平面表示部の駆動を制御する制御部とをカード本体に設けたことを特徴とする。
【0007】
前記平面表示部が前記情報の表示を開始してからの経過時間を計測する時間計測部を前記カード本体に設け、前記制御部は、前記経過時間が所定時間に達した時点で、前記平面表示部の駆動を停止することが好ましい。
【0008】
前記平面表示部とは別に平面状をした発光体を前記カード本体の表面に設けるとともに、光を感知する一対の光センサを、前記カード本体を所定のカード入れに入れた状態で一方の光センサのみが露呈されるように、前記カード本体の表面に設け、前記制御部は、前記一対の光センサのうち一方のみが光を感知した時点から前記発光体を発光させるとともに、両方の光センサが光を感知した時点から前記平面表示部が前記情報の表示を開始するように制御するこことが好ましい。また、前記平面表示部は、有機ELからなることが好ましい。
【0009】
前記情報は、所定の情報提供装置に設けられた非接触通信部を介して得ることが好ましい。また、前記情報提供装置は、駅構内に設置された自動改札機であることが好ましい。
【0010】
本発明の情報提供システムは、前記請求項1ないし4いずれか1項記載の情報表示カードと、前記情報を配信する情報配信サーバと、この情報配信サーバから前記情報を受信する通信部と、前記情報を記憶する装置側記憶部と、前記情報表示カードの非接触通信部と非接触で通信し、前記情報を前記情報表示カードの非接触通信部へ向けて発信する装置側非接触通信部とを備えた情報提供装置とからなることを特徴とする。
【0011】
前記情報提供装置は、駅構内に設置された自動改札機であることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、外部から非接触通信で情報が得られ、かつ情報が、発光することにより表示する平面表示部に表示されるので、情報を随時更新することができるとともに、情報が更新されたことに容易に気がつくことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の実施形態である情報提供システム10は、図1に示すように、ホテル等の宿泊施設から提供されるICカード11(情報表示カード)と、宿泊施設に設置された管理装置12(情報配信サーバ)と、駅構内の改札に設置され、非接触で乗車運賃の自動支払い等を行なうICカードなどを受け付け、改札処理を行う自動改札機13とからなり、ICカード11を宿泊施設でカードキーとして使った後は、自動改札機13にかざす、もしくはタッチする(以下、煩雑になるため、単に「かざす」という)ことにより、ICカード11の平面表示部に表示される広告等の情報を更新するものである。以下、本発明の実施形態について詳しく説明する。
【0014】
ICカード11は、客が宿泊施設に到着し、フロントで受付を済ますと、カードキーとしてフロントから提供される。ICカード11の外観を示す図2において、ICカード11は、一般に普及している矩形状のカードと同様の形状及びサイズ(約54mm×85mm)をしている。
【0015】
ICカード11の表面11aの上下縁部には、縁の長手方向に沿って細長い平面発光体である有機ELシート15がそれぞれ貼着され、対角線上の隅角部には、それぞれ光センサ16が設けられている。このため、図3に示すように、ICカード11を財布等のカード入れ18のポケット18aに挿入すると、挿入方向に拠らず、一方の有機ELシート15及び光センサ16がポケット18aの縁から外に露呈される。
【0016】
別のポケット18bには、乗車運賃支払い用のICカード19が収納されている。このため、ICカード11,19が互いに干渉しないように、ICカード11,19及び自動改札機13は、全てがアンチコリジョンに対応している。このアンチコリジョンはISO/IEC14443−3に提示されている。
【0017】
図2に戻って、表面11aの中央部には、ドットマトリクス型の有機ELパネル21(平面表示部)が設けられている。この有機ELパネル21には、各種のサービス情報、例えば「○○○旅館 期間限定 特別価格 8月1日〜9月15日 お一人様:15,000円」が、書き換え自在に表示される。
【0018】
ICカード11は、図4に示すように、三層構造をしており、中間層23を表面11a側の上層24と、裏面11b側の下層25とでサンドイッチ状態に挟んだ構成になっている。上層24,下層25は、いずれも中間層23を保護する薄い樹脂層であり、上層24は、有機ELシート15,有機ELパネル21及び光センサ16に対応する部分のみが透明で他の部分は不透明の樹脂、下層25は、不透明の樹脂から、それぞれ形成されている。
【0019】
中間層23には、図5に示すように、有機ELシート15,有機ELパネル21及び光センサ16の他、ICカード11全体を制御する制御部26、これに電力を供給する電源である電池27、制御部26が情報を書き込んだり参照するEEPROM等の不揮発性のメモリ28(記憶部)、外部のリーダライタと非接触、例えば離間距離が10cm程度の距離で通信を行なう非接触通信部29、及び有機ELパネル21が情報の表示を開始してからの経過時間を計測するタイマ30(時間計測部)が設けられている。
【0020】
一方の光センサ16が光を感知した時点から、制御部26は、有機ELシート15を駆動してこれを発光させ、客の注意を惹き付ける。また、両方の光センサ16が光を感知した時点から、制御部26は、有機ELパネル21を駆動してサービス情報の表示を開始すると同時に、タイマ30を作動させる。このタイマ30による計測時間が、例えば30秒に達した時に、制御部26は、有機ELシート15及び有機ELパネル21の駆動を停止する。これにより、電池27の消耗が防止される。また、非接触通信部29としては、周知の無線タグを用いてもよい。
【0021】
図1に戻って、管理装置12は、例えばパーソナルコンピュータで構成されており、これにアプリケーションソフトをインストールする等して、認証登録部33、データベース(DB)34、使用制御部35として機能する。また、管理装置12には、キーボード36と、モデム等の通信部37とが接続されている。
【0022】
フロントの係員は、客がチェックインする際に、客に客記録用紙を渡し、これに客の氏名,性別,年齢,住所,趣味,嗜好等の個人情報を記載してもらう。フロントの係員は、この客記録用紙に基づいて、キーボード36を操作し、客の個人情報を管理装置12に入力すると、認証登録部33は、○○○旅館という宿泊施設の名称、客の個人情報の他、ICカード11をカードキーとして使用するためのキー情報であるシリアルナンバと客が宿泊する客室の客室番号とを対応付けて、宿泊管理情報38としてデータベース34に登録する。データベース34には、宿泊管理情報38の他に、客に知らせたい広告等の情報であるサービス情報39等が記憶されている。
【0023】
続いて、フロントの係員が、新しいICカード11を、管理装置12に接続された非接触型の受付リーダライタ40にかざす。これにより、ICカード11の非接触通信部29と受付リーダライタ40とが非接触で通信を行ない、制御部26は、受付リーダライタ40から読み込まれた○○○旅館の名称、客の個人情報及びシリアルナンバをメモリ28に記憶する。この後、フロントの係員は、ICカード11をカードキーとして客に貸与する。
【0024】
使用制御部35には、客室のドア42に設けられた施錠装置43と、客室の外のドア42近傍に設けられた非接触型の客室リーダライタ44とが接続されている。施錠装置43は、例えば電磁式の鍵であり、通常はドア42を施錠した状態にして開扉を禁止し、使用制御部35からの許可信号に応答して解錠して開扉を許容する。
【0025】
客室リーダライタ44にICカード11をかざすと、ICカード11のメモリ28に記憶された○○○旅館の名称、客の個人情報及びシリアルナンバが客室リーダライタ44に読み取られ、これが使用制御部35に送られる。使用制御部35は、データベース34の宿泊管理情報38を参照して、客室リーダライタ44で読み取られたシリアルナンバが、客室リーダライタ44が設置された客室の客室番号に対応しているか否かを判定する。
【0026】
使用制御部35は、シリアルナンバと客室番号とが対応していると判定した場合、施錠装置43に許可信号を送って、ドア42の解錠を行ない、対応していないと判定した場合、施錠装置43に不許可信号を送って、ドア42を施錠したまま、施錠装置43に設けられた液晶パネル等の表示部に、例えば「客室番号をご確認下さい」等の警告を表示する。
【0027】
また、ICカード11のシリアルナンバが客室番号に対応している場合、使用制御部35は、データベース34のサービス情報39を参照して、客の個人情報のうちの性別,年齢,趣味,嗜好に対応したサービス情報を抽出して、客室リーダライタ44に送る。これにより、客室リーダライタ44から非接触通信部29を介してメモリ28にサービス情報が書き込まれるとともに、制御部26により有機ELパネル21にサービス情報が表示される。この有機ELパネル21がサービス情報の表示を開始してからの経過時間は、タイマ30によって計測され、例えば30秒経過した時点で、制御部26によって、有機ELパネル21によるサービス情報の表示が停止される。
【0028】
客がチェックアウトする際には、フロントの係員は、客からICカード11を受け取り、キーボード36を操作して宿泊料金等の精算を行なってから、受付リーダライタ40にかざす。これにより、性別,年齢,趣味,嗜好を除く客の個人情報(客を特定できるような氏名等の個人情報)と、シリアルナンバとが、ICカード11のメモリ28から消去される。これにより、例えばICカード11を紛失した場合でも、客の個人情報が第三者に漏れる恐れがなくなる。以下、メモリ28に残された、これだけでは客個人を特定することはできない、○○○旅館の名称,客の性別,年齢,趣味,嗜好をICカード11の嗜好等情報という。
【0029】
この後、フロントの係員は、客がICカード11を自動改札機13の改札リーダライタ46上にかざすことにより、ICカード11の有機ELパネル21に表示されるサービス情報が随時更新され、有益なサービス情報が得られる旨を客に説明して、ICカード11を受け取ってもらう。
【0030】
自動改札機13には、改札リーダライタ46の他、通信網、例えばインターネット47を介して管理装置12の通信部37と通信を行なう通信部48と、管理装置12から送られてきたサービス情報等を記憶するEEPROM等の不揮発性のメモリ49と、改札リーダライタ46,通信部48,メモリ49等を制御する制御部50とが設けられている。
【0031】
客は、受け取ったICカード11を、運賃支払い用のICカード19を入れてあるカード入れ18のポケット18aに入れる。駅の自動改札機13を通過する際は、必ずカード入れ18を自動改札機13の改札リーダライタ46上にかざすから、必然的に、自動改札機13の改札リーダライタ46上にICカード11をかざすことになる。
【0032】
管理装置12は、インターネット47を介して、予め契約してある最寄り駅や客の多くが居住している地域の駅に設置されている自動改札機13と接続されている。最寄り駅以外の駅の選定は、客が○○○旅館にチェックインした時に得られた客の個人情報に基づいて行なわれる。
【0033】
カード入れ18を自動改札機13の改札リーダライタ46の上にかざすと、ICカード11から嗜好等情報が読み取られ、通信部48及びインターネット47を介して、管理装置12に送られる。管理装置12は、ICカード11の嗜好等情報に基づいて、データベース34のサービス情報39を検索し、○○○旅館が提供している割引情報や、他の店から提供されている性別や年齢等に対応した広告等のサービス情報をインターネット47を介して自動改札機13に送る。他の店から提供される広告等のサービス情報については、情報配信サーバ機能を提供している○○○旅館は、その店から手数料収入を得ることができる。
【0034】
制御部50は、インターネット47及び通信部48を介して管理装置12から受け取ったサービス情報をメモリ49に記憶させるとともに、改札リーダライタ46に送る。改札リーダライタ46は、サービス情報を周知の非接触通信でICカード11に発信する。ICカード11の制御部26は、非接触通信部29を介して改札リーダライタ46から受け取ったサービス情報をメモリ28に記憶する。
【0035】
このように構成された情報提供システムの作用について、図6に示すフローチャートを参照して説明する。なお、以下の説明において、「st」はステップであり、(st1)は、図中の「st1」に対応する。
【0036】
客が○○○旅館に到着し、フロントでチェックインの手続を行なう(st1)。フロントの係員は、客に記載してもらった客記録用紙に基づいて、客の個人情報を管理装置12に入力する。受付リーダライタ40に新しいICカード11をかざすと、ICカード11のメモリ28に○○○旅館の名称、客の個人情報及びシリアルナンバが書き込まれる。フロントの係員は、ICカード11をカードキーとして客に貸与する(st2)。
【0037】
客が客室に到着し、ICカード11を客室リーダライタ44にかざすと、ICカード11のシリアルナンバが使用制御部35に送られ、シリアルナンバが客室の客室番号に対応しているか否かが判定される。シリアルナンバが客室番号に対応していれば、使用制御部35から施錠装置43に許可信号が送られ、ドア42が解錠される(st3)。これにより、客はドア42を開け、客室内に入ることができる。また、ICカード11の有機ELパネル21に、嗜好等情報に対応したサービス情報が表示される(st4)。
【0038】
シリアルナンバが客室番号に対応していなければ、使用制御部35から施錠装置43に不許可信号が送られ、客はドア42を開けることができず、「客室番号をご確認下さい」等の警告が施錠装置43の表示部に表示される。
【0039】
客が宿泊日程を消化してチェックアウト(st5)する際に、客から返却されたICカード11をフロントの係員が受付リーダライタ40にかざすと、ICカード11のメモリ28から嗜好等情報を除く客の個人情報及びシリアルナンバが消去される(st6)。この後、ICカード11が無償で客に引き渡されるから、客は、ICカード11を、運賃支払い用のICカード19が入っているカード入れ18に入れる(st7)。
【0040】
客が自動改札機13を通過する際に、カード入れ18を自動改札機13の改札リーダライタ46の上にかざす(st8)。カード入れ18に一緒に入っているICカード11,19及び改札リーダライタ46は、アンチコリジョンに対応しているから、ICカード11からは嗜好等情報が、またICカード19からは乗車運賃支払い処理に必要な乗車駅名やチャージ残高等の情報が、互いに干渉することなく、改札リーダライタ46に読み取られる。
【0041】
乗車駅名やチャージ残高等の情報は、乗車運賃支払い処理に用いられ、チャージ残高不足等の場合には、自動改札機13は、遮断板を作動させて、客の通過を阻止し、なんら問題がない場合には、客がそのまま通過するのを許容する。
【0042】
ICカード11から読み込まれた嗜好等情報は、通信部48及びインターネット47を介して、管理装置12に送られる(st9)。管理装置12は、送られた嗜好等情報に基づいて、データベース34のサービス情報39から、割引情報や各種広告等のサービス情報を自動改札機13に送る(st10)。
【0043】
制御部50は、管理装置12から送られたサービス情報を、メモリ49に記憶するとともに、改札リーダライタ46からICカード11へ発信する(st11)。ICカード11の非接触通信部29は、改札リーダライタ46からサービス情報を受信し(st12)、このサービス情報を制御部26はメモリ28に記憶する。
【0044】
客がカード入れ18を開くと(st13)、ポケット18aの縁から外に露呈されている一方の光センサ16が光を感知して(st14)、有機ELシート15が発光する(st15)。客は、発光している有機ELシート15に気づき、ICカード11をカード入れ18のポケット18aから取り出す。これにより、他方の光センサ16も外に露呈され、両方の光センサ16が光を感知するから(st16)、有機ELパネル21に新しいサービス情報が表示される(st17)。
【0045】
客は、有機ELパネル21に表示されているサービス情報に目を通す。有機ELパネル21がサービス情報の表示を開始した時点から、タイマ30が経過時間の計測を開始し、例えば30秒が経過(st18)すると、制御部26は、有機ELシート15及び有機ELパネル21の駆動を停止する(st19)。これにより、電池27の無駄な消耗が防止される。
【0046】
このように、情報を随時に更新することができるとともに、情報が更新されたことに容易に気づくことができる。また、宿泊施設を一度利用した客に、継続して広告等のサービス情報を提供することができ、宿泊施設及び客の双方にとって有益である。
【0047】
なお、有機ELシート15,有機ELパネル21の各駆動を停止させる経過時間は、30秒に限定されず、例えば1分でもよいし、また、それぞれの停止タイミングをずらしてもよい。例えば、最初の10秒経過で有機ELシート15の駆動を停止し、この後、更に20秒経過後に有機ELパネル21の駆動を停止するようにしてもよい。また、サービス情報の表示が開始された直後に、有機ELシート15の発光を停止するようにしてもよい。
【0048】
また、情報が更新されている場合のみ、有機ELシート15を発光させるようにしてもよい。また、例えば、有機ELパネル21にタッチパネル機能を持たせ、有機ELパネル21の駆動が停止している状態でも、有機ELパネル21をタッチすれば、いつでも有機ELパネル21に情報を表示させることができるようにしてもよい。
【0049】
以上説明した実施形態では、ICカードの有機ELパネルに表示されるサービス情報は、テキスト(図2参照)で表示されるようにしたが、本発明はこれに限定されることなく、例えば2次元バーコードを表示してもよい。このようにすると、例えば、携帯電話で2次元バーコードを読み込むと、携帯電話の液晶パネルにクーポン券が表示されるようになり、対応する店の店員に、携帯電話の液晶パネルに表示されているクーポン券を見せて、商品を値引きしてもらうというサービスを受けることができる。
【0050】
上記実施形態では、情報を表示する有機ELパネルとは別に、発光させることのみを目的とした有機ELシートを設けたが、本発明はこれに限定されることなく、例えば、有機ELシートを省略し、有機ELパネルを発光させるようにしてもよい。
【0051】
上記実施形態では、一対の光センサをカード本体の対角線上の隅角部に設けたが、本発明はこれに限定されることなく、ICカードをカード入れに入れた状態で一対の光センサのうち一方のみが露呈されるのであれば、一対の光センサがどのように配置されていてもよい。
【0052】
上記実施形態では、サービス情報を表示する表示部として、ドットマトリクス型の有機ELパネルを採用したが、本発明はこれに限定されることなく、例えば、セグメント型の有機ELパネルや、任意のカラー画像等も自在に表示できるアクティブ・マトリクス駆動の有機ELディスプレイを用いてもよい。
【0053】
上記実施形態では、宿泊施設で提供されたICカードを用い、自動改札機で情報を更新する例を挙げたが、本発明はこれに限定されることなく、例えば、コンビニエンスストアでICカードを発行し、提携しているコンビニエンスストアの各チェーン店に設置された情報提供装置で情報を更新するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の情報提供システムの実施形態を示す説明図である。
【図2】ICカードの表面の一例を示す説明図である。
【図3】ICカードをカード入れに入れた状態を示す説明図である。
【図4】ICカードの側面を示す説明図である。
【図5】ICカードの電気的構成を示すブロック図である。
【図6】本実施形態の主なシーケンスを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0055】
10 情報提供システム
11,19 ICカード
12 管理装置
13 自動改札機
15 有機ELシート
16 光センサ
18 カード入れ
21 有機ELパネル
26,50 制御部
28,49 メモリ
29 非接触通信部
30 タイマ
37,48 通信部
34 データベース
38 宿泊管理情報
39 サービス情報
40 受付リーダライタ
44 客室リーダライタ
46 改札リーダライタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部と非接触で通信を行なう非接触通信部と、
この非接触通信部を介して外部から得られる情報を記憶する記憶部と、
発光することにより前記情報を表示する平面表示部と、
前記平面表示部に電源を供給する電池と、
前記平面表示部の駆動を制御する制御部と
をカード本体に設けたことを特徴とする情報表示カード。
【請求項2】
前記平面表示部が前記情報の表示を開始してからの経過時間を計測する時間計測部を前記カード本体に設け、前記制御部は、前記経過時間が所定時間に達した時点で、前記平面表示部の駆動を停止することを特徴とする請求項1記載の情報表示カード。
【請求項3】
前記平面表示部とは別に平面状をした発光体を前記カード本体の表面に設けるとともに、光を感知する一対の光センサを、前記カード本体を所定のカード入れに入れた状態で一方の光センサのみが露呈されるように、前記カード本体の表面に設け、前記制御部は、前記一対の光センサのうち一方のみが光を感知した時点から前記発光体を発光させるとともに、両方の光センサが光を感知した時点から前記平面表示部が前記情報の表示を開始するように制御することを特徴とする請求項2記載の情報表示カード。
【請求項4】
前記平面表示部は、有機ELからなることを特徴とする請求項1ないし3いずれか1項記載の情報表示カード。
【請求項5】
前記情報は、所定の情報提供装置に設けられた非接触通信部を介して得ることを特徴とする請求項1ないし4いずれか1項記載の情報表示カード。
【請求項6】
前記情報提供装置は、駅構内に設置された自動改札機であることを特徴とする請求項5記載の情報表示カード。
【請求項7】
前記請求項1ないし4いずれか1項記載の情報表示カードと、
前記情報を配信する情報配信サーバと、
この情報配信サーバから前記情報を受信する通信部と、前記情報を記憶する装置側記憶部と、前記情報表示カードの非接触通信部と非接触で通信し、前記情報を前記情報表示カードの非接触通信部へ向けて発信する装置側非接触通信部とを備えた情報提供装置と
からなることを特徴とする情報提供システム。
【請求項8】
前記情報提供装置は、駅構内に設置された自動改札機であることを特徴とする請求項7記載の情報提供システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−102571(P2010−102571A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−274470(P2008−274470)
【出願日】平成20年10月24日(2008.10.24)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】