説明

情報表示装置の表示方法

【課題】 トラックボールの操作特性を活かしつつ、一覧表示での拡大縮小表示を可能とする情報表示装置の表示方法を提供する。
【解決手段】 複数の選択枝40を一覧表示する表示部101と、この表示部の選択枝の配列を制御する制御部111と、この制御部に座標信号を指示するトラックボール51を備えたリモコン50を備え、選択肢を上方から下方でかつ左右方向に順次配置されるN行M列のマトリックス配列で表示部に表示し、トラックボールのY軸方向の座標信号に基づいて倍率を変化させ、トラックボールのX軸方向の座標信号に基づいて左右方向の画面をスクロールさせ、倍率変化に伴う表示される行数の増減に対応して、表示される行数で配列を変更させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示画面上に複数の操作ボタンを備えたメニュー画面や操作画面などの選択画面を表示し、ポインティングデバイスの操作によりカーソルを移動させて、前記選択画面の各種操作を実行する情報表示装置の表示方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、パソコンや各種の情報表示装置においては、キーボードによる入力や各種の操作指示をマウスで行うことが多くなってきている。これらは、表示装置に複数の操作ボタンを備えたメニュー画面や操作画面を表示し、目的あるいは選択したい操作ボタンにカーソルを移動させて決定操作を行うものである。このカーソルを移動させる手段としてマウスが一般的である。このマウスは、使用者が握るマウス本体の底面にトラックボール機構を備えて、マウス本体を操作テーブル面上を移動させることにより、前記トラックボール機構のボールを回転させて、その移動量と方向に対応する動作をカーソルの移動量と方向に変換するものである。しかしながら、このマウスは、マウス本体を直接移動させるため、操作テーブル面が絶対的に必要である。特に、カーソルを長い距離移動させる場合は、A地点からB地点にマウス本体を移動させて、このマウス本体を一端引き上げてA地点に戻して再びB地点まで移動させる動作、所謂「漕ぐ動作」を繰り返さなければならない。
【0003】
このような、マウスの欠点を補う装置としてトラックボールがある。このトラックボールは、マウスを反転させて、ボールを上面に露出させた構造を備えている。このトラックボールによれば、トラックボール本体を固定して設けることができ、このトラックボール本体の上面に配置したボールを指先で任意の方向に回転表示画面上のカーソルを簡単に移動させることができるから、操作テーブル面がなくともマウスと同様な操作を実現することができる。
【0004】
また、このほか、指先でタッチした位置の移動量を検知してカーソルの移動量に変換するタッチパッドも操作テーブル面が不要なポインティングデバイスとして知られている。
【0005】
【特許文献1】特開2004−272630号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記したように、トラックボールは、操作テーブル面を必要としないために、作業スペースのない設置条件での情報機器の操作や、操作部を機器に直接備える場合に有効である。しかしながら、マウス操作のように、マウス本体の移動動作とカーソルの移動とが連動していないために、画面上のある点まで移動する場合にはボールの回転距離を予め想定して操作を始めることができない。つまり、トラックボールでは、トラックボール本体を固定してボールの回転操作で座標指示を行うために、ボールの回転と移動距離の対応が取り憎い課題がある。特に、カーソル移動距離が短い場合はマウスと同じ感覚で操作することが可能であるが、移動距離が長くなると、先ず適当に移動させ、ゴール地点が視界に入ったら微調整を行うこととなる。
【0007】
特に、トラックボールの場合、操作者は横の動きは手首を軸にして左右方向の大きなリニアな操作が可能なのに対して、縦方向では指の屈伸の範囲に制限されてしまうためボールの操作がしずらく、例えば、Y軸方向やX軸方向の直線的な移動がしずらい操作特性を備えている。
【0008】
また、遠隔操作装置に取り付けられたタッチパッドなど、手で握った状態で特定の指先だけで操作するポインティングデバイスにおいても左右方向の操作に比べて縦方向の操作が制限される操作特性を備えている。
【0009】
一方、各種のコンテンツ検索画面では、表示画面上に多くの操作ボタンやアイコンなどの選択枝を一覧表示し、特定の選択枝を拡大表示して内容を確認したり、あるいは、全体を見渡す鳥瞰表示や画面スクロールを行うことが要求されている。
【0010】
そこで、この発明の目的とするところは、トラックボールや遠隔操作装置のポインティングデバイスの操作特性を活かしつつ、一覧表示での拡大縮小表示を可能とする情報表示装置の表示方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するために、本発明に係る情報表示装置の表示方法では、複数の選択枝を一覧表示する表示装置と、前記表示装置の選択枝の配列を制御する制御装置と、前記制御装置に座標信号を指示するトラックボールを備えた遠隔操作装置とを備え、前記選択肢を上方から下方でかつ左右方向に順次配置されるN行M列のマトリックス配列で前記表示装置に表示し、前記トラックボールのY軸方向の座標信号に基づいて倍率を変化させ、前記トラックボールのX軸方向の座標信号に基づいて左右方向の画面をスクロールさせ、前記倍率変化に伴う表示される行数の増減に対応して、表示される行数で配列を変更するようにする。
【0012】
また、複数の選択枝を一覧表示する表示装置と、前記表示装置の選択枝の配列を制御する制御装置と、前記制御装置に座標信号を指示する遠隔操作装置であって該遠隔操作装置を把持した状態で指先で操作されるポインティングデバイスを備えた遠隔操作装置とを備え、前記選択肢を上方から下方でかつ左右方向に順次配置されるN行M列のマトリックス配列で前記表示装置に表示し、前記ポインティングデバイスのY軸方向の座標信号に基づいて倍率を変化させ、前記ポインティングデバイスのX軸方向の座標信号に基づいて左右方向の画面をスクロールさせ、前記倍率変化に伴う表示される行数の増減に対応して、表示される行数で配列を変更するようにする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、一覧表示での拡大縮小表示の操作をトラックボールや遠隔操作装置のポインティングデバイスの操作特性にあった良好な操作性を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図1から図7を参照して、この発明に係る情報表示装置を具体的に説明する。以下の説明では、情報表示装置の1つの実施の形態として、テレビジョン受像機を事例に説明するが、パーソナルコンピュータやゲームなどでも適用することができる。ここで、図1はテレビジョン受像機の概要図である。図2はテレビジョン受像機の装置ブロック図である。図3はコンテンツ検索フロー図である。図4はコンテンツ検索画面図である。図5はコンテンツ閲覧フロー図である。図6、図7はコンテンツ閲覧画面の配列図である。
【0015】
先ず、図1を参照して、この実施の形態に係るテレビジョン受像機の概要を説明する。図1において、この実施の形態に係るテレビジョン受像機は、表示部101を備えた受像機本体100と、この受像機本体100の各種の操作を入力するリモコン50とから構成される。受像機本体100は、1つの筐体に表示部101や記憶部102(図2で図示)などを収めた一体型の極一般的なテレビジョン受像機でも良いし、表示部101を他の装置と独立して設けた表示部分離型の筐体構造でも良い。ここでは、一体型のテレビジョン受像機で説明している。また、リモコン50は、表示部101に表示されるカーソルの操作をトラックボール51で行う遠隔操作型の操作指示装置である。この実施の形態では、赤外線信号を用いてチャンネル選局や各種の操作を遠隔操作できる事例で説明するが、これに限定されるものではなく、無線装置を備えたり、あるいは、コードを介して操作信号を受像機本体に指示する構造のものでも良い。また、この実施の形態においては、カーソルの操作をトラックボールにより行う事例で説明するが、リモコンなどに取り付けられ、手で把持した状態で指先で操作するポインティングデバイスにより操作するものでも良い。
【0016】
このテレビジョン受像機は、受像機本体100に内蔵したチューナ103(図2で図示)によりテレビ放送などのコンテンツの視聴ができる他、受像機本体100に内蔵した制御部111がリモコン50からの指示操作に基づいて、特定の機能が割り当てられた複数の操作ボタンやアイコン、あるいは写真画像や動画像などの選択枝40を表示部101の表示画面101aに表示し、これらの選択枝40に対してトラックボール51で指示されるX座標とY座標からなる座標位置信号によりカーソルを移動させ、このカーソルを位置合わせすることにより選択し、この選択された選択枝40に対し、特定の機能が割り当てられていれば、その特定の機能を実行することができる。
【0017】
そして、このテレビジョン受像機の大きな特徴の1つは、トラックボール51の特性を活かしたリモコン40の操作に基づいて、表示画面101aに複数の選択肢40を一覧表示し、この一覧表示の倍率指示を受け付けて、この倍率指示にあった選択枝40の配列を自動的に行う点にある。即ち、この実施の形態では、トラックボール50のY軸方向を値を倍率として定義し、X軸方向の動きをY軸方向の画面スクロールとして定義している。
【0018】
この実施の形態で採用するトラックボール51は、テーブルに設置した場合は、このトラックボール51の配置面52の一方に手首をおいて、指先でトラックボール51を操作する。この際、図1(a)に示すように、トラックボール51の前後方向(Y軸方向)の動きは、指を前後方向に動かして操作するので、その動作範囲は制限され操作しにくい。一方、図(b)に図示すように、トラックボール51の左右方向(X軸方向)は、手首を中心とした回転操作となるので操作しやすい。上記トラックボール51の操作性は、リモコン50を片手に持って親指で操作する場合も同様な操作性となる。
【0019】
一方、表示画面101aは、一般に、縦方向(Y軸方向)より横方向(X軸方向)の寸法が大きい横長の形状となっているので、トラックボール51の操作性にあった表示画面101aといえる。また、複数の選択枝40を一覧表示して画面スクロールを行う場合、上下方向(Y軸方向)の動きより横方向(X軸方向)の画面スクロールが人間の目の動きに合っているということもできる。
【0020】
そこで、この実施の形態では、トラックボール51のY軸方向の動きを倍率として受け付け、そのY軸方向の移動量にあわせて連続した拡大や縮小を行う。また、X軸方向の動きは画面スクロールとして受け付け、そのX軸方向の移動量にあわせて連続して移動させる。
【0021】
このように、この実施の形態では、トラックボール51の操作特性に合わせて、表示画面101aの倍率の指示をY座標、左右方向(X軸方向)の画面スクロールの指示をX座標で受け付けることで操作性を向上させることができる。
【0022】
このテレビジョン受像機の大きな特徴の他の1つは、拡大/縮小の倍率にあわせて配列を自動的に変更させる点にある。即ち、この実施の形態では、選択枝40をN行M列のマトリックスで配置することを原則としている。図1では、選択枝40の総数が24個の事例で説明している。この事例では、4行6列の一覧表示を1つの表示画面101aに表示するのが最小倍率の一覧表示となり、逆に、少なくとも1個の選択枝40が表示画面101aの縦幅一杯に表示されるのが最大倍率として定義する。なお、この最小倍率と最大倍率をさらに大きな倍率やさらに小さな倍率としてもよいが、その配列変更を行わないようにする。
【0023】
この配列を実現するために、この実施の形態では、列は上から下へ、行は左から右の順で選択枝40が配置される。したがって、選択枝40の配列は、図1に示すように、左側行m1の上から下へ、次の左側行m2の上から下に順次配列される。また、配列変更では、n1行を基点として、倍率変更にともなって行数Nが増減するように定義する。
【0024】
そして、倍率が拡大されて、n4m1の「選択肢4」が表示画面101aから見えなくなると、即ち、表示画面101aの下端がn3の領域に入ると、制御部111はn4m4の「選択枝4」をn1m2の位置に移動して、以後の選択枝40を矢印Pにしたがって並び替えるようにする。縮小の場合はこの逆の制御をおこなう。
【0025】
このように、この実施の形態では、拡大にともなって、表示画面101aから見えなくなった選択枝n4m4の「選択枝4」を隣の行Nの上部に配列しなおすことにより、この「選択肢4」を見忘れることがない。そして、これらの選択肢40は並び替えにより表示画面の右側に仮想的に配列されることとなるが、これらは、トラックボールをX軸方向に移動させることにより一覧することができる。
【0026】
なお、図1の事例では、表示画面101aに「選択枝1」が見える事例で説明したが、例えば、もっと多くの選択枝40があり、画面スクロールした状態の場合、所定の行(画面中央)の上部の選択枝40が新たに並び替えのあった所定の行(画面中央)に位置するように画面をスクロールする。これにより、拡大により表示画面101aから消えた選択枝40は所定行の右側になるようにすることで、見忘れを軽減することができる。
【0027】
以下、図2から図7を参照して、さらに詳細に説明する。
【0028】
図2において、リモコン50は、トラックボール51の回転を検知するX軸検知センサ部53とY軸検知センサ部54とから構成される回転検知部55と、トラックボール51への押圧を検知する決定操作スイッチ56と、操作ボタン57とを備えている。この他、前記赤外線発信窓から赤外線信号を送受信するための赤外線通信部58と、操作プログラムや操作履歴などを格納する記憶部59と、このリモコン50の動作制御を統括的に制御する制御部60と、この制御部60の指示に基づいてリモコン50受信機本体100に振動を与える振動駆動部61を含んで構成される。
【0029】
一方、このリモコン50の操作指示に基づいて動作する受像機本体100は、操作のためのメニュー画面やリストを表示するための表示部101と、スピーカなどの音声出力部105と、アンテナ106からコンテンツを受信するためのチューナ103と、通信回線を介してインターネット107からコンテンツを取得するためのネットワーク通信部108と、リモコン50からの赤外線信号を送受信するための赤外線通信部109と、各種のプログラムやコンテンツなどを格納する記憶部110と、これら受像機本体100の各装置を統括的に制御する制御部111とを備えた極一般的な装置である。
【0030】
なお、この実施の形態では、赤外線通信部58、と赤外線通信部109との間で双方向の通信を行うことにより、受像機本体100から信号を受け取って、振動駆動部61を介して利用者に知らせることができる。しかし、フォースフィードバックを実施する場合は双方向通信が必要だが、実施しない場合はリモコン50から受像機本体100への一方向通信で良い。また、この実施の形態では、赤外線通信を採用しているが、これに替えて電波による無線通信を採用してもよい。
【0031】
次に、図3の動作フロー図と図4の画面図を参照して、コンテンツ検索操作を説明する。図3において、この実施の形態に係る受像機本体100の制御部111は、リモコン50の操作ボタン57の1つの操作スイッチであるメニューボタンの操作を受け付けると(ステップ300)、図4に示すコンテンツ検索のメニュー画面200を表示画面101aに表示する(ステップ302)。
【0032】
このメニュ画面200は、複数のフオルダが縦列に配列され、前記フオルダ領域201で選択されたフオルダに属する複数のコンテンツを一覧表示画面210に表示する。そして、フオルダ領域201では、常に1つのフオルダが選択状態となっている。この図4では、フオルダ領域ではフオルダCが選択されている状態を示している。
【0033】
さて、制御部111は、トラックボール51の操作信号を監視し、Y座標の移動信号を受け付けると(ステップ306)、フオルダ領域201に縦列に表示されたフオルダをカーソル203がY座標の指示に基づいて移動する(ステップ414)。ここで、カーソル203が上端または下端でさらに移動指示を受け付けると画面スクロールをおこなうように動作する。そして、制御部111は、一覧表示画面210にフオルダ領域201で選択されたフオルダに属するコンテンツを表示し、フオルダ領域201での選択が変更されると、この選択にともなってコンテンツの表示を切り替える。
【0034】
一方、制御部111は、X座標の移動信号を受け付けると(ステップ308)、一覧表示画面210に配列されるコンテンツ一覧を指示方向へ横スクロールさせる(ステップ316)。
【0035】
そして、制御部111は、リモコン50から決定キーの操作を受け付けると(ステップ310)、、フオルダ領域201が非表示になり、一覧表示画面210の拡大縮小動作フローが可能になる(ステップ312)。
【0036】
次に、図5から図7を参照して一覧表示画面210の拡大縮小動作フローを具体的に説明する。先ず、図6を参照して一覧表示画面210の特徴を説明する。ここで図6の(a)図は最小倍率から拡大表示に移る状態の配列を示し、(b)図はさらに拡大して1行減らした状態の配列を示している。
【0037】
図5において、制御部111は、図3の動作ステップから一覧表示画面210の表示指示がなされると一覧表示画面210の図6の(a)図に示す初期画面を表示する。
【0038】
図6において、この一覧表示画面210は、コンテンツ表示領域211を備え、このコンテンツ表示領域211にN行M列、即ち、N行×M列で求められる最大表示数Q1を表示することができる。例えば、図6の例では、コンテンツ総数Q2が24個あり、このコンテンツ総数Q2を表示することができる4行6列(最大表示数Q1と同じ)のマトリックスで表示する。そして、この4行6列のマトリックスを表示画面101aに表示する状態を最小倍率としている。制御部111は、フオルダ領域201で選択されたコンテンツのコンテンツ数Q2から行数と列数を算出して初期画面を表示する。
【0039】
図5に戻り、制御部111は、リモコン50のトラックボール51による座標信号を受け付け、X座標信号であれば画面を指示方向へ横スクロールさせ(ステップ352)、Y軸座標信号であればY軸方向(縦方向)の拡大、縮小信号として表示画面101aを制御する(ステップ354)。しかしながら、倍率が所定値を超えると、即ち表示画面101aに表示される行数が変化するとコンテンツの配列を変更する(ステップ356)。
【0040】
即ち、図6において、(a)図に示すように、制御部111は、拡大指示がなされると、その指示速度に応じて表示内容を拡大する。表示内容と表示画面101aとの関係は相対変化なので、拡大は表示画面101aのフレーム101bを小さくすることと同じと考えることができる。この実施の形態では、左上を基点として拡大縮小を行うように設定しているので、制御部111は、拡大指示がなされて、フレーム101bの下端が4行の領域n4から3行の領域n3に入ると、即ち表示される行数が1行少なくなると、(b)図に示すように「コンテンツ4」がn4m1の位置からn1m2の位置に移動するように4行表示から3行表示のマトリックス配列に表示を変化させる。ここで、行数は少なくなると、列数が増えることとなるが、これは画面をスクロールさせることで対応させることができる。また、縮小表示では、前記肯定と逆の操作がなされて行数を増やす操作がなされる。
【0041】
図7は、行数の変化にともなう一覧表示画面210の表示内容の変化を表している。(a)に示すように、行数は変化すると、それにともなって、その変化にともなって、順送りに各コンテンツの表示位置される位置が変化する。(b)図は(a)図の状態から1行減った状態の配列を示している。さらに(c)図は2行となった場合の配列、(d)図は1行となった状態の一覧表示画面210を示している。ここで、(a)図の状態が最小倍率、(d)図が最大表示倍率となる。なお、拡大縮小の倍率は、(a)図よりさらに縮小したり、あるいは(d)からさらに拡大してもよいが、配列変更をしない。
【0042】
図5に戻り、前記したように、ステップ356ではフレーム101bの下端が現在の行領域から増減されると(ステップ356)、所定列の上部の選択枝(コンテンツ)を記憶する(ステップ358)。ここで、図6の例では、m1列の上部の選択肢(コンテンツ1)を記憶する。そして、行数の増減に基づいて、制御部111は表の並び替えを行い(ステップ360)、所定行の選択肢(コンテンツ)が所定行とするように画面スクロールを行う(ステップ362)。
【0043】
ここで、ステップ356とステップ360は、無くして動作させてもよいが、このステップを備えることにより画面の見易さを良好とすることができる。例えば、記憶する所定行を表示画面101aの中央とすることにより、中央の最上部に配列されていたコンテンツが行数が変化して配列が変わっても、常に中央に存在するので、コンテンツ表示領域211に沢山のコンテンツが存在しても、対象とするものが常に中央にあるので、配列変更にともなう迷子や戸惑いを軽減することができる。
【0044】
さて、制御部111は、前記配列変更がなされると、変化した行数を基準として行数の増減を監視する(ステップ366)。また、制御部111は、最大倍率と最小倍率を監視している。即ち、行数nが1行の場合(ステップ366)は、これ以上の拡大は無しとして拡大を制限する(ステップ370)。一方、表示されるコンテンツ数がコンテンツ総数と同じかあるいは超えると(ステップ368)、それ以上の縮小は無しとして縮小を制限する(ステップ372)。
【0045】
さて、前記実施の形態では、X座標を画面スクロールとして定義したが、このX座標をコンテンツ表示領域211内でのカーソル移動として定義してもよい。例えば、コンテンツ表示領域211では常に1つのコンテンツが選択状態(カーソル)となっており、X座標が変化すると、このカーソルが配列の順番に従って移動するようにしてもよい。この場合、ステップ358ではカーソルのコンテンツを記憶し、ステップ362では、中央行かあるいは中央行に至らない場合は中央から左側の行に位置するように画面スクロールするように制御する。この方法であれば、コンテンツに特定の機能が付されている場合、このカーソルで選択状態となったコンテンツを決定キーの操作で前記機能を実行させることができるから、プレビューの一覧表示画面210に留まらず汎用性のあるコンテンツ検索に応用することができる。
【0046】
このように、この実施の形態に係るテレビジョン受像機などの情報表示装置は、複数の選択枝を一覧表示する表示装置(表示部)と、この表示装置の選択枝の配列を制御する制御装置(制御部)と、この制御装置に座標信号を指示するトラックボールを備えた遠隔操作装置(リモコン)を備えた情報表示装置の表示方法であって、前記選択肢を上方から下方でかつ左右方向に順次配置されるN行M列のマトリックス配列で前記表示装置に表示し、前記トラックボールのY軸方向の座標信号に基づいて倍率を変化させ、前記トラックボールのX軸方向の座標信号に基づいて左右方向の画面をスクロールさせ、前記倍率変化に伴う表示される行数の増減に対応して、表示される行数で配列を変更するものである。そして、この実施の形態では、配列変更前の所定の選択肢を配列後に表示される所定の列に配置するように表示画面をスクロールして表示するものである。
【0047】
また、他の実施の形態に係るテレビジョン受像機などの情報表示装置は、特定の機能が割り当てられた複数の選択枝を一覧表示する表示装置(表示部)と、この表示装置の選択枝の配列を制御する制御装置(制御部)と、この制御装置に座標信号を指示するトラックボールを備えた遠隔操作装置(リモコン)を備えた情報表示装置であって、前記選択肢を上方から下方でかつ左右方向に順次配置されるN行M列のマトリックス配列で前記表示装置に表示し、前記トラックボールのY軸方向の座標信号に基づいて倍率を変化させ、前記トラックボールのX軸方向の座標信号に基づいて前記選択肢の選択を受け付け、前記倍率変化に伴う表示される行数の増減に対応して、表示される行数で配列を変更するものである。この場合、配列変更前の所定の選択肢を配列後に表示される所定の列に配置するように表示画面をスクロールして表示することができる。また、前記遠隔操作装置からの決定操作を受け付けて、前記選択されている選択肢に割り当てられている機能を実行することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】テレビジョン受像機の概要図である。
【図2】テレビジョン受像機の装置ブロック図である。
【図3】コンテンツ検索フロー図である。
【図4】コンテンツ検索画面図である。
【図5】コンテンツ閲覧フロー図である。
【図6】コンテンツ閲覧画面の配列図である。
【図7】コンテンツ閲覧画面の配列図である。
【符号の説明】
【0049】
40…選択枝、50…リモコン、51…トラックボール、52…配置面、53…X軸検知センサ部、54…Y軸検知センサ部、55…回転検知部、56…決定操作スイッチ、57…操作ボタン、58…赤外線通信部、59…記憶部、60…制御部、61…振動駆動部、100…受像機本体、101…表示部、101a…表示画面、102…記憶部、103…チューナ、104…制御部、105…音声出力部、106…アンテナ、107…インターネット、108…ネットワーク通信部、109…赤外線通信部、110…記憶部、111…制御部、200…メニュー画面、201…フオルダ領域、203…カーソル、210…一覧表示画面、211…コンテンツ表示領域、Q1…コンテンツ総数、Q2…最大表示数。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の選択枝を一覧表示する表示装置と、前記表示装置の選択枝の配列を制御する制御装置と、前記制御装置に座標信号を指示するトラックボールを備えた遠隔操作装置とを備えた情報表示装置の表示方法であって、
前記選択肢を上方から下方でかつ左右方向に順次配置されるN行M列のマトリックス配列で前記表示装置に表示し、
前記トラックボールのY軸方向の座標信号に基づいて倍率を変化させ、
前記トラックボールのX軸方向の座標信号に基づいて左右方向の画面をスクロールさせ、
前記倍率変化に伴う表示される行数の増減に対応して、表示される行数で配列を変更する
ことを特徴とする情報表示装置の表示方法。
【請求項2】
請求項1記載の情報表示装置の表示方法において、
配列変更前の所定の選択肢を配列後に表示される所定の列に配置するように表示画面をスクロールして表示する
ことを特徴とする情報表示装置の表示方法。
【請求項3】
特定の機能が割り当てられた複数の選択枝を一覧表示する表示装置と、前記表示装置の選択枝の配列を制御する制御装置と、前記制御装置に座標信号を指示するトラックボールを備えた遠隔操作装置とを備えた情報表示装置の表示方法であって、
前記選択肢を上方から下方でかつ左右方向に順次配置されるN行M列のマトリックス配列で前記表示装置に表示し、
前記トラックボールのY軸方向の座標信号に基づいて倍率を変化させ、
前記トラックボールのX軸方向の座標信号に基づいて前記選択肢の選択を受け付け、
前記倍率変化に伴う表示される行数の増減に対応して、表示される行数で配列を変更する
ことを特徴とする情報表示装置の表示方法。
【請求項4】
請求項3記載の情報表示装置の表示方法において、
配列変更前の所定の選択肢を配列後に表示される所定の列に配置するように表示画面をスクロールして表示する
ことを特徴とする情報表示装置の表示方法。
【請求項5】
請求項3または4記載の情報表示装置の表示方法において、
前記遠隔操作装置からの決定操作を受け付けて、前記選択されている選択肢に割り当てられている機能を実行する
ことを特徴とする情報表示装置の表示方法。
【請求項6】
複数の選択枝を一覧表示する表示装置と、前記表示装置の選択枝の配列を制御する制御装置と、前記制御装置に座標信号を指示する遠隔操作装置であって該遠隔操作装置を把持した状態で指先で操作されるポインティングデバイスを備えた遠隔操作装置とを備えた情報表示装置の表示方法であって、
前記選択肢を上方から下方でかつ左右方向に順次配置されるN行M列のマトリックス配列で前記表示装置に表示し、
前記ポインティングデバイスのY軸方向の座標信号に基づいて倍率を変化させ、
前記ポインティングデバイスのX軸方向の座標信号に基づいて左右方向の画面をスクロールさせ、
前記倍率変化に伴う表示される行数の増減に対応して、表示される行数で配列を変更する
ことを特徴とする情報表示装置の表示方法。
【請求項7】
請求項6記載の情報表示装置の表示方法において、
配列変更前の所定の選択肢を配列後に表示される所定の列に配置するように表示画面をスクロールして表示する
ことを特徴とする情報表示装置の表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−80709(P2009−80709A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−250373(P2007−250373)
【出願日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】