説明

情報記録再生システム、情報記録再生制御装置およびライブラリ装置

【課題】簡素な構成で大容量低コストの情報記録再生システムを提供する。
【解決手段】ホストコンピュータとライブラリ装置との間に、簡素な構成の記録再生制御装置を組み込み、可搬記憶媒体を用いたライブラリ装置をディスクシステムに見せかける。記録再生制御装置は、擬似的に可搬記憶媒体への直接記録あるいは直接再生を実現し、ライブラリ装置内のドライブへの媒体交換回数を低減する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の可搬記憶媒体を使用する情報記録再生システム、情報記録再生制御装置、ライブラリ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コンピュータシステムの発展に伴い、外部記憶装置に対する要求も高まっている。その要求に答えるべく、現在はHDD(Hard Disk Drive)を使用するストレージ装置が主に使用されている。しかしながら、HDDを使用するストレージ装置のコストや消費電力が問題になってきている。一方、データ保存に対する法令の整備がなされつつあり、データの長期保存も重要となってきている。
【0003】
このような課題や状況に鑑み、ILM(Information Lifecycle Management:情報ライフサイクル管理)なる概念が生まれてきた。ILMは、蓄積された情報の利用価値は生成されてからの経過時間やアクセス頻度によって変化するものであり、見合った性能のストレージ装置に格納すべきであるという思想に基づいている。例えば、稀にしかアクセスが無いアーカイブデータを、高性能なHDDストレージでなく、安価だがアクセス時間がかかるテープや光ディスク等のライブラリシステムに保管することにより、コストや消費電力に関する課題解決を図るものである。
【0004】
だが、コンピュータシステムにおけるデータ保有に関わるコストは、ストレージ装置そのもののコストだけではない。階層化されたストレージ装置やデータ配置などの管理コストも考慮する必要がある。例えば、HDDストレージ装置とテープライブラリシステムとでは、データ管理の方式が異なる。そのため、それぞれの装置およびデータを別々に管理する必要があり、それだけ管理コストが高くなる。このような課題に対して、可搬記憶媒体を使用するライブラリシステムに接続されるディスクシステムを用いて、ホストコンピュータに対して可搬記憶媒体ライブラリシステムをディスクシステムの如く見せかける技術が考えられている。
【0005】
特開2008−234158号公報には、仮想ボリュームにアクセスするホスト装置に対して動的に拡張可能な仮想ボリュームを提供するストレージ装置が開示されている。このストレージ装置は、割当て部と、記憶領域配置部とを備える。割当て部は、複数のディスクによって仮想ボリュームに割り当てる記憶領域を提供するグループを構成し、複数のグループ内からそれぞれ記憶領域を仮想ボリュームに割り当てる。記憶領域配置部は、外部操作に基づいて、仮想ボリュームが使用している各グループ内の記憶領域を、各グループ間で最適となるように再配置する。
【0006】
特開2000−057672号公報には、記録再生装置を複数台搭載したジュークボックス装置に関する技術が開示されている。このジュークボックス装置は、上位装置から、予め全体容量を固定することなく、1枚の記録媒体の記録容量を越える書き込みアドレス指定を可能とする。上位装置から、1枚の記録媒体の記録容量を越える書き込みアドレス指定された場合、ジュークボックス装置は、2枚目の記録媒体の物理アドレスを、容量を越えた論理アドレスに変換して書き込みを受け付ける。
【0007】
特開平08−263335号公報には、データ記憶媒体に対してデータがブロック単位で書き込まれ、このデータ記憶媒体のブロックに書き込まれているデータが読み出されるデータ記憶装置に関する技術が開示されている。このデータ記憶装置は、判断手段と、記憶手段と、抽出手段と、読出手段と、書込手段とを具備する。判断手段は、上記複数のブロックで構成されるファイル単位のアクセス頻度を判断する。記憶手段は、この判断手段により判断されたファイル単位のアクセス頻度を記憶する。抽出手段は、この記憶手段に記憶されるアクセス頻度が所定値以上でかつ相関関係のある複数のファイルを1つのグループとして抽出する。読出手段は、この抽出手段により抽出された各ファイルの各ブロックのデータを上記データ記憶媒体から読み出す。書込手段は、この読出手段により読み出された各ファイルに対応する各ブロックのデータを上記データ記憶媒体上の連続するブロックあるいは近傍のブロックに順次書き込む。
【0008】
特開平09−265718号公報には、集合型情報記憶装置に関する技術が開示されている。集合型情報記憶装置は、格納手段と、再生記録手段と、搬送手段とで構成される。格納手段は、可搬型情報記憶媒体を複数格納する。再生記録手段は、可搬型情報記憶媒体に記憶された情報の再生および可搬型情報記憶媒体に対する情報の記録を行う。搬送手段は、可搬型情報記憶媒体を再生記録手段および格納手段へ搬送する。この集合型情報記憶装置内の可搬型情報記憶媒体の物理的な記憶領域の総和が、集合型情報記憶装置内の可搬型情報記憶媒体の論理的な記憶領域の総和より所定量以上大きくなるように、集合型情報記憶装置は、可搬型情報記憶媒体の論理的な記憶領域を定義する。
【0009】
特開平10−097388号公報には、ライブラリ制御装置に関する技術が開示されている。ライブラリ制御装置は、光ディスクライブラリ装置と、光ディスク管理部と、システム情報記憶部と、光ディスク入れ換え部と、バックアップ部とを有する。光ディスクライブラリ装置は、複数の光ディスクを格納する。光ディスク管理部は、光ディスクライブラリ装置内の各格納位置にある光ディスクの使用状態を管理する。システム情報記憶部は、システムを運用するために必要なシステム情報を記憶する。光ディスク入れ換え部は、光ディスクライブラリ装置内の特定のシステム情報格納位置にある光ディスクについて、光ディスク管理部に問い合わせ、光ディスクが未使用でない場合には他の格納位置にある未使用光ディスクと入れ換えを行なう。バックアップ部は、システム情報格納位置にある未使用光ディスクにシステム情報記憶部のバックアップをとる。
【0010】
特開平10−254629号公報には、クライアントコンピュータとデータアーカイブサーバと可搬媒体ライブラリ装置で構成されるデータアーカイブシステムが開示されている。クライアントコンピュータは、可搬媒体ライブラリ装置の記憶媒体をリードできるドライブ装置を備える。少なくとも一台のクライアントコンピュータがネットワークでデータアーカイブサーバに接続される。データアーカイブサーバは、可搬媒体ライブラリ装置と接続される。可搬媒体ライブラリ装置は、記憶媒体と記憶媒体を収納する媒体収納庫と、記憶媒体を装填してデータの読み出しや書き込みを行うドライブ装置と、記憶媒体を前記可搬媒体ライブラリ装置へ投入もしくは可搬媒体ライブラリ装置から排出するための媒体投入・排出口と記憶媒体を搬送する媒体チェンジャとを備える。データアーカイブシステムは、当該記憶媒体を可搬媒体ライブラリ装置の媒体投入・排出口から排出し、クライアントコンピュータのドライブ装置に装填することにより、ネットワーク経由でクライアントコンピュータからデータアーカイブサーバへ送られ可搬媒体ライブラリ装置の記憶媒体に蓄積されたデータを利用可能とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2008−234158号公報
【特許文献2】特開2000−057672号公報
【特許文献3】特開平08−263335号公報
【特許文献4】特開平09−265718号公報
【特許文献5】特開平10−097388号公報
【特許文献6】特開平10−254629号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、簡素な構成で大容量低コストの情報記録再生システム、情報記録再生制御装置およびライブラリ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の観点では、情報記録再生システムは、複数の可搬記憶媒体と、ライブラリ装置と、情報記録再生制御装置とを具備する。ライブラリ装置は、複数の可搬記憶媒体のうちの所定数の可搬記憶媒体を内蔵し、複数の可搬記憶媒体の所定の記憶領域にホストからのデータを記録し、複数の可搬記憶媒体の所定の記憶領域からデータを再生する。情報記録再生制御装置は、ホストコンピュータの指示に基づいて、ライブラリ装置を制御する。情報記録再生制御装置は、一時保持部と、管理情報格納部と、領域管理部と、アドレス変換部と、記録再生制御部とを備える。一時保持部は、ホストコンピュータから取り込む記録データと、ライブラリ装置から取り込む再生データとを一時的に保持する。管理情報格納部は、ライブラリ装置によって記録データが物理的に連続して記録可能な可搬記憶媒体上の記憶領域を示す物理領域の定義状態を管理する領域管理情報と、ホストコンピュータによって論理的に連続する記憶領域と認識される論理領域と物理領域との対応関係を示す変換管理情報とを保持する。領域管理部は、ホストコンピュータの要求に応答して、領域管理情報と変換管理情報とに基づいて、物理領域の割り当てまたは解放を行って論理領域に物理領域を割り当て、領域管理情報及び変換管理情報を更新する。アドレス変換部は、領域管理情報と変換管理情報とに基づいて、ホストコンピュータが指定する論理領域における記憶位置を示す論理アドレスを物理領域における記憶位置を示す物理アドレスに変換する。記録再生制御部は、ホストコンピュータから指示された論理アドレスに記録すべき一時保持部に格納された記録データを、アドレス変換部によって変換された物理アドレスにより示される可搬記憶媒体の記憶領域に記録し、ホストコンピュータから指示された論理アドレスをアドレス変換部によって変換された物理アドレスによって示される可搬記憶媒体の記憶領域に記録されたデータを再生して一時保持部に格納する。
【0014】
本発明の他の観点では、情報記録再生制御装置は、情報記録再生制御部と、一時保持部と、管理情報格納部と、領域管理部と、アドレス変換部とを具備する。情報記録再生制御部は、複数の可搬記憶媒体のうちの所定数の可搬記憶媒体を内蔵し、複数の可搬記憶媒体の所定の記憶領域にホストコンピュータからのデータを記録し、複数の可搬記憶媒体の所定の記憶領域からデータを再生するライブラリ装置をホストコンピュータの指示に基づいて制御する。一時保持部は、ホストコンピュータから取り込む記録データと、ライブラリ装置から取り込む再生データとを一時的に保持する。管理情報格納部は、ライブラリ装置によって記録データが物理的に連続して記録可能な可搬記憶媒体上の記憶領域を示す物理領域の定義状態を管理する領域管理情報と、ホストコンピュータによって論理的に連続する記憶領域と認識される論理領域と物理領域との対応関係を示す変換管理情報とを保持する。領域管理部は、ホストコンピュータの要求に応答して、領域管理情報と変換管理情報とに基づいて、物理領域の割り当てまたは解放を行って論理領域に物理領域を割り当て、領域管理情報及び変換管理情報を更新する。アドレス変換部は、領域管理情報と変換管理情報とに基づいて、ホストコンピュータが指定する論理領域における記憶位置を示す論理アドレスを物理領域における記憶位置を示す物理アドレスに変換する。記録再生制御部は、ホストコンピュータから指示された論理アドレスに記録すべき一時保持部に格納された記録データを、アドレス変換部によって変換された物理アドレスにより示される前記可搬記憶媒体の記憶領域に記録し、ホストコンピュータから指示された論理アドレスをアドレス変換部によって変換された物理アドレスによって示される可搬記憶媒体の記憶領域に記録されたデータを再生して一時保持部に格納する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、簡素な構成で大容量低コストの情報記録再生システム、情報記録再生制御装置およびライブラリ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る情報記録再生システムの構成を示すブロック図である。
【図2】可搬記憶媒体群の物理領域の割り当て状況を示す図である。
【図3】領域管理情報の一例を示す図である。
【図4】変換管理情報の一例を示す図である。
【図5】物理領域の設定を追加した後の物理領域の割り当て状況を示す図である。
【図6】物理領域の設定を追加した後の領域管理情報を示す図である。
【図7】物理領域の設定を追加した後の変換管理情報を示す図である。
【図8】さらに物理領域の設定を追加した後の物理領域の割り当て状況を示す図である。
【図9】さらに物理領域の設定を追加した後の物理領域の割り当て状況を示す図である。
【図10】所在管理情報の一例を示す図である。
【図11】論理領域が解放された後の物理領域の割り当て状況を示す図である。
【図12】物理領域の設定を追加した後の別の物理領域の割り当て状況を示す図である。
【図13】本発明の第3の実施の形態に係る情報記録再生システムの構成を示すブロック図である。
【図14】同じ論理領域に対応する物理領域を移動した後の物理領域の割り当て状況を示す図である。
【図15】異なる論理領域に対応する物理領域を移動した後の物理領域の割り当て状況を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図を参照して、本発明を実施するための形態を説明する。
【0018】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る情報記録再生システムの構成を示すブロック図である。情報記録再生システムは、ホストコンピュータ10と、情報記録再生制御装置20と、ライブラリ装置30と、表示装置40とを具備する。
【0019】
ホストコンピュータ10は、情報記録再生制御装置20を介してライブラリ装置30をアクセスし、データの記録再生を行う。ホストコンピュータ10は、データの記録または再生を行う前に、使用する領域の大きさを指定して論理領域を確保する。ホストコンピュータ10は、確保された論理領域に対してデータの記録または再生を行う。
【0020】
情報記録再生制御装置20は、ホストインタフェース部201、ライブラリインタフェース部202、一時保持部203、管理情報格納部204、領域管理部205、アドレス変換部206、記録再生制御部207、媒体選択部208、保守インタフェース部209を具備する。
【0021】
ホストインタフェース部201は、ホストコンピュータ10に接続され、ホストコンピュータ10との間で記録再生データ及び制御情報を送受する。一時保持部203は、ホストコンピュータ10から受信する記録すべきデータやライブラリ装置30から受信する再生データを格納し、一時的に保持する。管理情報格納部204は、変換管理情報、領域管理情報、所在管理情報等の管理情報を格納する。領域管理部205は、領域管理情報に基づいて各可搬記憶媒体31の記憶領域を管理し、領域の探索、領域の割り当て、領域の解放を行う。
【0022】
アドレス変換部206は、論理アドレスと物理アドレスとを対応させてアドレスの変換を行う。記録再生制御部207は、データの記録再生を制御する。媒体選択部208は、管理情報格納部204に保持される所在管理情報を参照して、指定された可搬記憶媒体31の所在を確認する。保守インタフェース部209は、記録再生制御部207の指示に基づいて、表示装置40に各種情報を表示する。ライブラリインタフェース部202は、ライブラリ装置30に接続され、ライブラリ装置30との間で記録再生データ及び制御情報を送受する。
【0023】
所定数の可搬記憶媒体31を内蔵するライブラリ装置30は、媒体搬送部33、ライブラリ制御部32、可搬記憶媒体ドライブ34、媒体投入排出口35、複数の媒体スロット36を具備する。ここでは、複数の媒体スロット36の各々は、符号に“−”と番号を付加して区別し、区別しない場合には媒体スロット36として説明する。
【0024】
ライブラリ装置30は、複数の媒体スロット36に可搬記憶媒体31を保持する。ここでは、ライブラリ装置30は、4つの媒体スロット36−1、36−2、36−3、36−4にそれぞれ可搬記憶媒体31−1、31−2、31−3、31−4を保持する。また、可搬記憶媒体31−5、31−6は、ライブラリ装置30の媒体スロット36に装填されずに、ライブラリ装置30の外に保管されている。ここでは、複数の可搬記憶媒体31の各々は、符号に“−”と番号を付加して区別し、区別しない場合には可搬記憶媒体31として説明する。
【0025】
媒体搬送部33は、ライブラリ制御部32により制御され、媒体スロット36、可搬記憶媒体ドライブ34、媒体投入排出口35の間で可搬記憶媒体31を移動する。可搬記憶媒体ドライブ34は、ライブラリ制御部32により制御され、可搬記憶媒体ドライブ34に装填された可搬記憶媒体31に対して記録再生する。可搬記憶媒体31は、媒体投入搬出口35からライブラリ装置30内に取り込まれ、媒体投入搬出口35からライブラリ装置30の外に排出される。
【0026】
可搬記憶媒体31には、例えば、RFID(Radio Frequency Identification)タグやMAM(Medium Auxiliary Memory)などによって各々を識別する識別子が付与される。情報記録再生制御装置20は、使用する可搬記憶媒体31に媒体識別子を付与して管理する。したがって、ライブラリ装置30内に保持されている可搬記憶媒体31と、ライブラリ装置30で以前に使用されたことがあってライブラリ装置30外にある可搬記憶媒体31とは、情報記録再生制御装置20により付与された媒体識別子によって識別される。ここでは、ライブラリ装置30内に装填される4つの可搬記憶媒体31−1、31−2、31−3、31−4には、それぞれM1、M2、M3、M4なる媒体識別子が付与されている。また、可搬記憶媒体31−5は、ライブラリ装置30で以前使用されたことがある媒体であり、そのときに媒体識別子M5が付与されている。可搬記憶媒体31−6は、ライブラリ装置30で使用されたことが無い可搬記憶媒体である。したがって、可搬記憶媒体31−6には、媒体識別子が付与されていない。また、各可搬記憶媒体31の記憶容量は、100Gバイトであるとする。
【0027】
図2に示されるように、可搬記憶媒体群310上には、8つの物理領域P1〜P8が設定されている。物理領域は、ライブラリ装置30によって記録データが物理的に連続して記録可能な可搬記憶媒体上の記憶領域を示す。ここで、P1〜P8は、物理領域を一意に識別するための物理領域識別子を示す。この8つの物理領域P1〜P8は、6つの論理領域L1〜L6に割り当てられている。すなわち、可搬記憶媒体310上には、ホストコンピュータ10がデータを記録再生する6つの論理領域L1〜L6が確保されている。論理領域は、ホストコンピュータ10によって論理的に連続する記憶領域と認識される。ここで、L1〜L6は、論理領域を一意に識別するための論理領域識別子を示す。論理領域L1は、物理領域P1に割り当てられている。論理領域L2は、物理領域P2に割り当てられている。論理領域L3は、物理領域P3、P4に割り当てられている。論理領域L4は、物理領域P5に割り当てられている。論理領域L5は、物理領域P6、P7に割り当てられている。論理領域L6は、物理領域P8に割り当てられている。
【0028】
このとき、図3に示されるように、物理領域は、領域管理情報により管理されている。この領域管理情報は、管理情報格納部204に保持されている。領域管理情報は、物理領域の設定状態を示し、物理領域識別子に関連付けて媒体識別子、媒体内の先頭位置を示すアドレス、物理領域の大きさの情報を含む。すなわち、物理領域毎に、その物理領域を識別する物理領域識別子、その物理領域が確保されている可搬記憶媒体の媒体識別子、その物理領域の先頭の媒体内アドレス、その物理領域の大きさが登録される。また、媒体識別子及び物理領域の先頭を示す媒体内アドレスに基づいて、領域管理情報はソートされている。
【0029】
また、図4に示されるように、変換管理情報により論理領域が管理され、変換管理情報は管理情報格納部204に保持されている。変換管理情報には、各論理領域に対して、その論理領域を識別する論理領域識別子に関連付けて、その論理領域に含まれる物理領域の物理領域識別子がリストとして登録されている。論理領域が複数の物理領域に割り当てられているとき、リストに登録されている順序に従って物理領域が割り当てられる。例えば、論理領域L3の先頭は、物理領域P3の先頭に対応し、物理領域P3の後端に物理領域P4の先頭が続く。論理領域L3の末尾は、物理領域P4の末尾に対応する。
【0030】
このように物理領域、論理領域が設定されているときに、ホストコンピュータ10が新たに100Gバイトの大きさの論理領域L7を確保する場合、ホストコンピュータ10は、ホストインタフェース部201を介して、記録再生制御部207に論理領域L7の確保を指示する。ここで、L7は論理領域識別子を示す。記録再生制御部207は、確保する論理領域の大きさ(100Gバイト)を示して、論理領域L7の確保を領域管理部205に指示する。
【0031】
領域管理部205は、管理情報格納部204に保持されている領域管理情報を参照して、指示された論理領域の大きさに対応する物理領域を確保可能な可搬記憶媒体31を探索する。図3に示されるように物理領域が配置されている可搬記憶媒体群310の場合、領域管理部205は、可搬記憶媒体31−3に未割り当て領域として残されている60Gバイトの領域を物理領域P9として設定し、可搬記憶媒体31−4に未割り当て領域として残されている領域のうちの40Gバイトの領域を物理領域P10として設定し、これら2つの物理領域に指示された論理領域L7を割り当てる。すなわち、確保を指示された論理領域L7は、可搬記憶媒体31−3の物理領域P9と可搬記憶媒体31−4の物理領域P10とに割り当てられる。ここで、P9、P10は、物理領域識別子を示す。割り当て後の可搬記憶媒体群310の物理領域の割り当て状況が図5に示される。また、そのときの領域管理情報が図6に示され、変換管理情報が図7に示される。領域管理部205は、物理領域を割り当てると、管理情報格納部204に保持されている領域管理情報と変換管理情報とを更新する。
【0032】
このような割り当て状況からさらにホストコンピュータ10が80Gバイトの大きさの論理領域を確保する場合、ホストコンピュータ10からの指示に基づいて、記録再生制御部207は、80Gバイトの論理領域L8の確保を領域管理部205に指示する。ここで、L8は論理領域識別子を示す。
【0033】
領域管理部205は、管理情報格納部204に保持されている領域管理情報を参照して、確保すべき80Gバイトの論理領域に対応する物理領域を確保可能な空き領域を調べる。この場合、ライブラリ装置30内の媒体スロット36−1〜36−4に装填されている4つの可搬記憶媒体31−1〜31−4に80Gバイト分の空き領域は無い。ライブラリ装置30内の媒体スロット36−1〜36−4に装填されていない可搬記憶媒体31−5の空き領域を充当すると、指示された大きさの論理領域が確保可能である。したがって、領域管理部205は、可搬記憶媒体31−4、31−5上に、論理領域L8に対応する領域として物理領域P11、P12を割り当てる。ここで、P11、P12は物理領域識別子を示す。割り当て後の可搬記憶媒体の割り当て状況が図8に示される。領域管理部205は、物理領域を割り当てると、管理情報格納部204に保持されている領域管理情報と変換管理情報とを更新する。
【0034】
図8に示されるように物理領域が設定されている状況からさらにホストコンピュータ10が80Gバイトの大きさの論理領域を確保する場合、ホストコンピュータ10からの指示に基づいて、記録再生制御部207は、80Gバイトの論理領域L9の確保を領域管理部205に指示する。ここで、L9は論理領域識別子を示す。
【0035】
領域管理部205は、管理情報格納部204に保持されている領域管理情報を参照して、確保すべき80Gバイトの論理領域に対応する物理領域を確保可能な空き領域を調べる。この場合、ライブラリ装置30がこれまで使用したことのある、すなわち媒体識別子が付与されている5つの可搬記憶媒体31−1〜31−5には、80Gバイト分の空き領域は無い。したがって、領域管理部205は、新たな可搬記憶媒体31−6に媒体識別子M6を付与して登録する。新たな媒体であるため、100Gバイトの空き領域が追加される。領域管理部205は、可搬記憶媒体31−5と新たな可搬記憶媒体31−6に、論理領域L9に対応する領域として物理領域P13、P14を割り当てる。ここで、P13、P14は物理領域識別子を示す。割り当て後の各可搬記憶媒体31の領域の割り当て状況が図9に示される。物理領域を割り当てると、領域管理部205は、管理情報格納部204に保持されている領域管理情報と変換管理情報とを更新する。
【0036】
このように論理領域が確保されると、ホストコンピュータ10は、確保された論理領域に対してデータの記録を行うことができるようになる。データを記録するとき、ホストコンピュータ10は、ホストインタフェース部201を介して記録再生制御部207にデータの記録を指示する。記録再生制御部207は、記録する先頭の論理アドレス(論理領域識別子とその論理領域上のアドレス)と、記録するデータの長さとを示して、アドレスの変換をアドレス変換部206に指示する。
【0037】
アドレス変換部206は、管理情報格納部204に保持されている変換管理情報と領域管理情報とを参照して、記録する先頭の論理アドレスに対応する物理領域の物理アドレス(媒体識別子とその可搬記憶媒体上のアドレス)と、その物理領域に記録可能なデータの長さとを算出する。論理領域に対して複数の物理領域が割り当てられている場合、記録に関わるそれぞれの物理領域に関する物理アドレスとデータの長さとが算出される。アドレス変換部206は、記録される物理領域を示す算出された物理アドレスおよびデータの長さを記録再生制御部207に回答する。例えば、論理領域L3の先頭から10Gバイト目の位置から20Gバイトの長さのデータを記録するとき、アドレス変換部206は、物理領域P3を示す情報と、物理領域P4を示す情報とを記録再生制御部207に回答する。物理領域P3を示す情報は、媒体識別子M1と、可搬記憶媒体の先頭から70Gバイト目の位置を示す物理アドレスと、記録可能なデータの長さ(10Gバイト)を示す情報を含む。物理領域P4を示す情報は、媒体識別子M2、可搬記憶媒体の先頭位置を示すアドレス、記録可能なデータの長さ(10Gバイト)を示す情報を含む。
【0038】
記録再生制御部207は、アドレス変換部206からの応答に基づいて、一時保持部203に格納先情報(媒体識別子、可搬記憶媒体上の物理アドレス、記録可能なデータ長さ)を示して記録データを送る。一時保持部203は、記録データと格納先情報とを関連付けて蓄積する。
【0039】
一時保持部203に蓄積された記録データは、一時保持部203が予め定められた条件を満たしたとき、可搬記憶媒体31に記録される。例えば、一時保持部203に一定量以上の記録データが蓄積されたことにより、一時保持部203の記録データが可搬記憶媒体31に記録される。このとき、記録再生制御部207は、一時保持部203に蓄積されている格納先情報に基づいて、可搬記録媒体31ごとの一時保持部203に蓄積されている記録データ量を集計し、最も記録データ量が多い可搬記録媒体31を格納先としているデータを選択する。
【0040】
例えば、媒体識別子M1を付与された可搬記録媒体31−1に記録されるデータ量が最も多いときには、記録再生制御部207は、可搬記録媒体31−1を示す媒体識別子M1を媒体選択部208に示し、所在を問い合わせる。
【0041】
媒体選択部208は、管理情報格納部204に保持される所在管理情報を参照して、可搬記憶媒体31−1の所在を確認する。管理情報格納部204には、例えば、図10に示されるように、所在管理情報が保持されている。この場合、可搬記憶媒体31−1(媒体識別子M1)がライブラリ装置30内の媒体スロット36−1に保持されていることが分かる。媒体選択部208は、所在を示す情報を記録再生制御部207に回答する。
【0042】
記録再生制御部207は、可搬記憶媒体31−1を可搬記憶媒体ドライブ34に移動するように、ライブラリインタフェース部202を介してライブラリ装置30に指示する。その後、記録再生制御部207は、一時保持部203に蓄積された記録データのうちの可搬記憶媒体31−1に記録すべき記録データを全て可搬記憶媒体31−1に記録する。
【0043】
一時保持部203に記録データを蓄積し、可搬記憶媒体31に集中して記録することによって、ライブラリ装置30内での可搬記憶媒体31の交換回数を少なくすることができ、記録時間を短縮することができる。また、記録再生制御部207は、一時保持部203を用いて記録キャッシュ動作を実現しても良い。
【0044】
次に、一時保持部203が予め定められた条件を満たしたとき、ライブラリ装置30外にある可搬記録媒体31−5にデータを記録する場合を例示する。可搬記録媒体31−5には、媒体識別子M5が付与されている。可搬記憶媒体31の所在を示す所在管理情報は、図10に示されるように、管理情報格納部204に保持されている。
【0045】
記録再生制御部207は、可搬記録媒体31−5を示す媒体識別子M5を媒体選択部208に通知し、所在を問い合わせる。媒体選択部208は、管理情報格納部204に保持される所在管理情報を参照して、可搬記憶媒体31−5がライブラリ装置30内に存在しないことを認識する。また、媒体選択部208は、ライブラリ装置30内にある可搬記憶媒体31のうち、排出されてもよい可搬記録媒体31を所定の条件に基づいて選定する。媒体選択部208は、可搬記憶媒体31−5が装填されていないことと、排出されてもよい可搬記憶媒体31を示す媒体識別子とを記録再生制御部207に回答する。排出されてもよい可搬記憶媒体31は、ライブラリ装置30内に最も長く存在することを条件として選択することができる。また、記録再生が行われていない期間が最も長いことを条件として選択することもできる。その場合、記録再生制御部207における記録再生の履歴があればよく、記録再生の履歴は管理情報格納部204に蓄積されていることが好ましい。
【0046】
記録再生制御部207は、保守インタフェース部209を介して、表示装置40に排出されてもよい可搬記憶媒体31を示す媒体識別番号と、装填すべき可搬記憶媒体31−5の媒体識別子とを表示し、可搬記憶媒体31の交換を知らせる。可搬記憶媒体31の交換は、別に用意される装置によって自動的に行われてもよいし、保守員等により手動で行われてもよい。
【0047】
記録再生制御部207は、ライブラリインタフェース部202を介して、ライブラリ装置30に可搬記憶媒体31−5を可搬記憶媒体ドライブ34に装填するように指示する。可搬記憶媒体ドライブ34に可搬記憶媒体31−5がセットされると、記録再生制御部207は、一時保持部203に蓄積された記録データのうちの可搬記憶媒体31−5に記録すべき記録データを全て可搬記憶媒体31−5に記録する。
【0048】
また、記録再生制御部207は、ライブラリ装置30において可搬記憶媒体31の排出、投入、移動が行われたことを検出すると、管理情報格納部204に保持されている所在管理情報を更新する。
【0049】
次に、一時保持部203が予め定められた条件を満たしたときに、新たな可搬記録媒体31−6にデータが記録される場合を例示する。新たな可搬記録媒体31−6には、まだ媒体識別子が付与されておらず、記録に先立って媒体識別子M6が付与される。記録再生制御部207は、新たな可搬記録媒体31−6を示す媒体識別子M6を媒体選択部208に通知する。
【0050】
媒体選択部208は、管理情報格納部204に保持される所在管理情報を参照して、可搬記憶媒体31−6がライブラリ装置30内に存在しない新たな可搬記憶媒体であることを知る。また、媒体選択部208は、ライブラリ装置30内にある可搬記憶媒体31のうち、排出されてもよい可搬記録媒体31を所定の条件に基づいて選定する。媒体選択部208は、新たな可搬記憶媒体31−6が必要であることと、排出されてもよい可搬記憶媒体31を示す媒体識別子とを記録再生制御部207に回答する。排出されてもよい可搬記憶媒体31の選択は、先に説明した方法と同じでよい。
【0051】
記録再生制御部207は、保守インタフェース部209を介して、表示装置40に排出されてもよい可搬記憶媒体31を示す媒体識別子と、新しい可搬記憶媒体31−6の投入が必要であることとを表示し、可搬記憶媒体31の交換を知らせる。可搬記憶媒体31の交換は、別に用意される装置によって自動的に行われてもよいし、保守員等により手動で行われてもよい。新たな可搬記録媒体31−6は、ライブラリ装置30に投入されるとライブラリ制御部3によって媒体識別子M6が付与され、以降、可搬記録媒体31−6は媒体識別子M6によって識別される。
【0052】
記録再生制御部207は、ライブラリインタフェース部202を介して、ライブラリ装置30に可搬記憶媒体31−6を可搬記憶媒体ドライブ34に装填するように指示する。可搬記憶媒体ドライブ34に可搬記憶媒体31−6がセットされると、記録再生制御部207は、一時保持部203に蓄積された記録データのうちの可搬記憶媒体31−6に記録すべき記録データを全て可搬記憶媒体31−6に記録する。
【0053】
また、記録再生制御部207は、ライブラリ装置30で可搬記憶媒体31の排出、投入、移動が行われたことを検出すると、管理情報格納部204に保持されている所在管理情報を更新する。
【0054】
新たな可搬記憶媒体のライブラリ装置30への投入は、記録再生制御部207の動作と同期せず行ってもかまわない。新たな可搬記憶媒体31−6の媒体識別子M6は、ライブラリ装置30への投入によって付与される。
【0055】
確保されている論理領域からデータを再生する場合、ホストコンピュータ10は、ホストインタフェース部201を介してデータの再生を記録再生制御部207に指示する。可搬記憶媒体の所在は、図10で示されるように、所在管理情報で示される。所在管理情報は、管理情報格納部204に保持されている。
【0056】
記録再生制御部207は、アドレス変換部206に、再生する先頭の論理アドレス(論理領域識別子と当該論理領域上のアドレス)と、再生するデータの長さの最大値とをアドレス変換部206に与え、アドレス変換を指示する。
【0057】
アドレス変換部206は、変換管理情報と領域管理情報とを参照して、再生すべき物理アドレス(媒体識別子と可搬記憶媒体上のアドレス)および再生可能なデータの長さを算出し、記録再生制御部207に回答する。例えば、論理領域L4の先頭から10Gバイト目の位置から10Gバイトの長さのデータを再生する場合、アドレス変換部206は、情報(媒体識別子M2、可搬記憶媒体の先頭から70Gバイト目を示す物理アドレス、再生可能なデータ長さ10Gバイト)を記録再生制御部207に回答する。
記録再生制御部207は、再生するデータが記録されている可搬記録媒体31−2を示す媒体識別子M2を媒体選択部208に通知する。媒体選択部208は、管理情報格納部204に保持される所在管理情報を参照して、再生する可搬記憶媒体31−2がライブラリ装置30内の媒体スロット36−2に存在することを記録再生制御部207に回答する。
【0058】
記録再生制御部207は、ライブラリインタフェース部202を介して、ライブラリ装置30に対して、可搬記憶媒体31−2を可搬記憶媒体ドライブ34に移動して装填するように指示する。可搬記憶媒体31−2が可搬記憶媒体ドライブ34にセットされたことを確認すると、記録再生制御部207は、ライブラリ制御部32に対して、可搬記録媒体31−2の指定された領域のデータを再生するように指示する。可搬記録媒体31−2から再生されたデータは、ライブラリインタフェース部202、一時保持部203、ホストインタフェース部201を介して、ホストコンピュータ10に伝送される。
【0059】
記録再生制御部207は、ライブラリ装置30で可搬記憶媒体の排出、投入、移動が行われたことを検出し、管理情報格納部204に保持されている所在管理情報を更新する。記録再生制御部207は、一時保持部203を用いて、再生が予測される領域の再生を予め行っておくバッファリング動作や、再生キャッシュ動作を実現しても良い。
【0060】
ホストコンピュータ10がライブラリ装置30外にある可搬記憶媒体31−5に格納されているデータを再生する場合を例示する。可搬記憶媒体の所在は、図10に示されるように、所在管理情報により示される。
【0061】
記録再生制御部207は、アドレス変換部206に、再生する先頭の論理アドレス(論理領域識別子と当該論理領域上のアドレス)と、再生するデータの長さの最大値とをアドレス変換部206に示し、アドレス変換を指示する。
【0062】
アドレス変換部206は、管理情報格納部204に保持されている変換管理情報と領域管理情報とを参照して、再生すべき物理アドレス(媒体識別子と可搬記憶媒体上のアドレス)および再生可能なデータの長さを算出し、記録再生制御部207に回答する。例えば、論理領域L6の先頭から10Gバイト目の位置から10Gバイトの長さを有するデータを再生するとき、アドレス変換部206は、情報(媒体識別子M5、可搬記憶媒体の先頭から10Gバイト目を示す物理アドレス、再生可能なデータ長さ10Gバイト)を記録再生制御部207に回答する。
記録再生制御部207は、再生する可搬記録媒体31−5を示す媒体識別子M5を媒体選択部208に通知する。媒体選択部208は、管理情報格納部204に保持された所在管理情報を参照して、再生する可搬記憶媒体31−5がライブラリ装置30内に存在しないことを把握する。また、媒体選択部208は、ライブラリ装置30内にある可搬記憶媒体31のうち、排出されてもよい可搬記録媒体31を所定の条件に基づいて選定する。媒体選択部208は、可搬記憶媒体31−5が装填されていないことと、排出されてもよい可搬記憶媒体31を示す媒体識別子とを記録再生制御部207に回答する。排出されてもよい可搬記憶媒体31は、先に示した方法と同じ方法で選択される。
【0063】
記録再生制御部207は、保守インタフェース部209を介して、表示装置40に排出されてもよい可搬記憶媒体31を示す識別子と、装填すべき可搬記憶媒体31−5の媒体識別子とを表示し、可搬記憶媒体31の交換を知らせる。可搬記憶媒体31の交換は、別に用意される装置によって自動的に行われてもよいし、保守員等により手動で行われてもよい。
【0064】
記録再生制御部207は、ライブラリインタフェース部202を介して、ライブラリ装置30に可搬記憶媒体31−5を可搬記憶媒体ドライブ34に装填するように指示する。可搬記憶媒体ドライブ34に可搬記憶媒体31−5がセットされると、記録再生制御部207は、可搬記録媒体31−5の指定された領域のデータを再生するようにライブラリ制御部32に指示する。再生されたデータは、ライブラリインタフェース部202、一時保持部203、ホストインタフェース部201を介して、ホストコンピュータ10に伝送される。記録再生制御部207は、ライブラリ装置30において可搬記憶媒体31が排出、投入、移動が行われたことを検出すると、管理情報格納部204に保持されている所在管理情報を更新する。
【0065】
次に、論理領域の解放について説明する。ここでは、図9に示されるように、可搬記憶媒体31に物理領域が割り当てられている状況において、ホストコンピュータ10が論理領域L3を解放する場合を例示する。
【0066】
記録再生制御部207は、領域管理部205に論理領域L3の解放を指示する。領域管理部205は、論理領域L3に対応する物理領域P3、P4を解放する。解放した後、図11に示されるように、可搬記憶媒体31−1には、物理領域P1、P2が設定され、20Gバイトの空き領域ができ、可搬記憶媒体31−2には、物理領域P5、P6が設定され、先頭部分に60Gバイトの空き領域ができる。領域管理部205は、物理領域が解放された後に、管理情報格納部204に保持されている領域管理情報と変換管理情報を更新する。
【0067】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。第2の実施の形態に係る情報記録再生制御装置は、第1の実施の形態に係る情報記録再生制御装置と同じ構成であるが、領域管理部205の動作の一部が異なる。第2の実施の形態に係る情報記録再生制御装置20は、論理領域の確保と解放、データの記録と再生について、領域管理部205の動作を除いて第1の実施の形態に係る情報記録再生制御装置20とほぼ同様に動作する。
【0068】
図2に示されるように、可搬記憶媒体群310上には、8つの物理領域P1〜P8が設定されている。このような状況において、ホストコンピュータ10が新たに100Gバイトの大きさの論理領域L7を確保する場合の動作を例示する。
【0069】
ホストコンピュータ10は、ホストインタフェース部201を介して、記録再生制御部207に論理領域L7の確保を指示する。記録再生制御部207は、確保する論理領域の大きさ(100Gバイト)を示して、論理領域L7の確保を領域管理部205に指示する。
【0070】
領域管理部205は、管理情報格納部204に保持されている領域管理情報を参照して、可搬記憶媒体群310上に要求された大きさの物理領域が確保可能であるか探索する。このとき、領域管理部205は、最少の可搬記憶媒体に論理領域L7を構成する物理領域が割り当てられるように探索する。探索する範囲は、ライブラリ装置30内に装填されている可搬記憶媒体31を対象にしても良いし、媒体識別子が付与されている全ての可搬記憶媒体31を対象にしても良い。
【0071】
可搬記憶媒体31−4には、100Gバイトの領域を全て確保することができる空き領域があり、領域管理部205は、可搬記憶媒体31−4の全体を論理領域L7に対応する物理領域P9に割り当てる。論理領域L7が割り当てられると、可搬記憶媒体群310には図12に示されるように、領域が割り当てられる。領域管理部205は、物理領域を割り当てると、管理情報格納部204に保持されている領域管理情報と変換管理情報とを更新する。
【0072】
同じ論理領域に格納されるデータは時間的に集中してアクセスされる可能性が高い。そのため、1つの論理領域が多くの可換記憶媒体31に属する物理領域によって構成されている場合には、可搬記憶媒体31を可搬記憶媒体ドライブ34に搬送し交換する事象の発生可能性が高くなる。論理領域を構成する物理領域ができるだけ少ない可搬記憶媒体に割り当てられるようにすることで、可搬記憶媒体の交換回数を減らすことができ、記録再生時間を短縮することができる。
【0073】
(第3の実施の形態)
図13は、本発明の第3の実施の形態に係る情報記録再生システムの構成を示すブロック図である。情報記録再生システムは、ホストコンピュータ10と、情報記録再生制御装置21と、ライブラリ装置30と、表示装置40とを具備する。第3の実施の形態に係る情報記録再生制御装置21には、第1の実施の形態に係る情報記録再生制御装置20に領域再配置部210が付加されている。第3の実施の形態に係る情報記録再生制御装置21は、論理領域の確保と解放、データの記録と再生について、第1の実施の形態に係る情報記録再生制御装置20と同様に動作する。
【0074】
情報記録再生制御装置21は、ホストインタフェース部201、ライブラリインタフェース部202、一時保持部203、管理情報格納部204、領域管理部205、アドレス変換部206、記録再生制御部207、媒体選択部208、保守インタフェース部209、領域再配置部210を具備する。
【0075】
ホストインタフェース部201は、ホストコンピュータ10に接続され、ホストコンピュータ10との間で記録再生データ及び制御情報を送受する。一時保持部203は、ホストコンピュータ10から受信する記録すべきデータやライブラリ装置30から受信する再生データを格納し、一時的に保持する。管理情報格納部204は、変換管理情報、領域管理情報、所在管理情報等の管理情報を格納する。領域管理部205は、領域管理情報に基づいて記憶領域を管理し、領域の探索、領域の割り当て、領域の解放を行う。
【0076】
アドレス変換部206は、論理アドレスと物理アドレスとを対応させてアドレスの変換を行う。記録再生制御部207は、データの記録再生を制御する。媒体選択部208は、管理情報格納部204に保持される所在管理情報を参照して、指定された可搬記憶媒体31の所在を確認する。保守インタフェース部209は、記録再生制御部207の指示に基づいて、表示装置40に各種情報を表示する。ライブラリインタフェース部202は、ライブラリ装置30に接続され、ライブラリ装置30との間で記録再生データ及び制御情報を送受する。
【0077】
領域再配置部210は、記録再生制御部207を監視し、ライブラリ装置30への記録あるいは再生を行っていない期間を調べる。一定時間ライブラリ装置30への記録/再生が行われていないとき、領域再配置部210は、可搬記憶媒体31上の情報の複写を指示し、物理領域を移動させる。すなわち、領域再配置部210は、論理領域に対応する物理領域を変更する。論理領域を構成する物理領域が存在する可搬記憶媒体の数をできるだけ少なくすることができれば、可搬記憶媒体の交換回数を減じ、記録再生時間を短縮することができる。
【0078】
例えば、領域再配置部210は、記録再生制御部207が一定時間、記録/再生を行っていないことを検出すると、物理領域の再配置動作を開始する。領域再配置部210は、管理情報格納部204に保持される管理情報を参照して、構成する物理領域の数を減じることが可能な論理領域を選択する。領域再配置部210は、選択された物理領域ごとに移動先の物理領域を決定する。領域再配置部210は、記録再生制御部207に、移動元の物理領域のデータを再生し、一時保持部203に格納するよう指令する。さらに、領域再配置部210は、記録再生制御部207に、一時保持部203に格納した移動元の物理領域から再生したデータを移動先の物理領域に記録するよう指示する。物理領域におけるデータの複写が完了した後に、管理情報格納部204が保持する管理情報を更新する。
【0079】
領域再配置部210が起動されたときに、図2に示されるように、物理領域が割り当てられている場合、領域再配置部210は、論理領域L3(物理領域P3、P4)を選択し、可搬記憶媒体31−4の空き領域に物理領域を移動させる。移動後の物理領域の割り当ては、図14に示されるように、可搬記憶媒体31−1に設定された物理領域P3と可搬記憶媒体31−2に設定された物理領域P4とが解放され、可搬記憶媒体31−4に新しく1つの物理領域P3として設定される。可搬記憶媒体31−1に設定された物理領域P3と可搬記憶媒体31−2に設定された物理領域P4とに格納されていたデータは、可搬記憶媒体31−4に設定された新しい物理領域P3に格納される。
【0080】
領域再配置部210は、物理領域を移動すると、管理情報格納部204に保持されている領域管理情報と変換管理情報とを更新する。また、記録再生制御部207は、ライブラリ装置30で可搬記憶媒体31の排出、投入、移動が行われたことを検出し、管理情報格納部204に保持されている所在管理情報を更新する。
【0081】
この情報記録再生制御装置によって、論理領域を構成する物理領域を含む可搬記憶媒体の数をできるだけ少なくすることができる。したがって、可搬記憶媒体の交換回数を少なくして、記録再生時間を短縮することができる。
【0082】
領域再配置部210が探索する論理領域や移動先の物理領域の探索範囲は、ライブラリ装置30内の可搬記憶媒体(31−1〜4)でも良いし、媒体識別子が付与されている全ての可搬記憶媒体(31−1〜6)でも良い。
【0083】
また、領域再配置部210は、ホストコンピュータ10からの記録再生履歴を収集し、論理領域間のアクセス関連性を調査し、物理領域を移動させる機能を有しても良い。その場合、領域再配置部210は、ホストコンピュータ10からのアクセスの履歴を示す記録再生履歴情報を、記録再生制御部207経由で収集し、管理情報格納部204に蓄積する。領域再配置部210は、蓄積された記録再生履歴情報を解析し、時間的に近接して記録または再生が行われる可能性が高い関係にある論理領域を抽出する。
【0084】
図2に示されるように物理領域が割り当てられているときに、例えば、論理領域L2およびL4が同時にアクセスされる頻度が高いと領域配置部210が判定したとする。さらに、論理領域L2(物理領域P2)の大きさは40Gバイト、論理領域L4(物理領域P5)の大きさは20Gバイトであるので、合わせて60Gバイトの大きさの空き領域を探索する。可搬記憶媒体31−4上には60Gバイト以上の空き領域が存在する。
【0085】
領域再配置部210は、記録再生制御部207の記録/再生動作を監視する。例えば、記録再生制御部207が一定時間以上、記録/再生を行っていないことを検出すると、領域再配置部210は、物理領域の移動動作を開始する。領域を移動した後の物理領域の割り当て状況は、図15に示されるように、論理領域L2に対応する物理領域P2と、論理領域L4に対応する物理領域P5とが可搬記憶媒体31−4に割り当てられ、可搬記憶媒体31−1に設定されていた物理領域P2および可搬記憶媒体31−2に設定されていた物理領域P5が解放される。
【0086】
領域再配置部210は、物理領域を移動すると、管理情報格納部204に保持されている領域管理情報と変換管理情報とを更新する。また、記録再生制御部207は、ライブラリ装置30で可搬記憶媒体の排出、投入、移動が行われたことを検出し、管理情報格納部204に保持されている所在管理情報を更新する。
【0087】
この情報記録再生制御装置は、論理領域の間のアクセス関連性に基づいて、複数の論理領域に対応する物理領域を構成するために必要な可搬記憶媒体の数をできるだけ少なくすることができる。したがって、可搬記憶媒体の交換回数を減じ、記録再生時間を短縮することができる。
【0088】
領域再配置部210が探索する論理領域や移動先の物理領域の探索範囲は、ライブラリ装置30内の可搬記憶媒体でも良いし、媒体識別子が付与されている全ての可搬記憶媒体でも良い。
【0089】
本発明によれば、可搬記憶媒体を用いたライブラリ装置をディスクシステムと同様な管理方法で管理することが可能となり、管理コストを大幅に低減することができる。また、本発明の記録再生制御装置は、擬似的に可搬記憶媒体への直接記録あるいは直接再生を実現することが可能で、低コストで簡素に構成することができる。さらに、ライブラリ装置内のドライブへの媒体交換回数を低減することが可能で、記録再生時間の短縮を図ることができる。
【0090】
以上、実施の形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施の形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0091】
10 ホストコンピュータ
20、21 情報記録再生制御装置
201 ホストインタフェース部
202 ライブラリインタフェース部
203 一時保持部
204 管理情報格納部
205 領域管理部
206 アドレス変換部
207 記録再生制御部
208 媒体選択部
209 保守インタフェース部
210 領域再配置部
30 ライブラリ装置
310 可搬記憶媒体群
31、31−1〜31−6 可搬記憶媒体
32 ライブラリ制御部
33 媒体搬送部
34 可搬記憶媒体ドライブ
35 媒体投入排出口
36−1〜36−4 媒体スロット
40 表示装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の可搬記憶媒体と、
前記複数の可搬記憶媒体のうちの所定数の可搬記憶媒体を内蔵し、前記複数の可搬記憶媒体の所定の記憶領域にホストコンピュータからのデータを記録し、前記複数の可搬記憶媒体の所定の記憶領域からデータを再生するライブラリ装置と、
前記ホストコンピュータの指示に基づいて、前記ライブラリ装置を制御する情報記録再生制御装置と
を具備し、
前記情報記録再生制御装置は、
前記ホストコンピュータから取り込む記録データと、前記ライブラリ装置から取り込む再生データとを一時的に保持する一時保持部と、
前記ライブラリ装置によって前記記録データを物理的に連続して記録可能な可搬記憶媒体上の記憶領域を示す物理領域の定義状態を管理する領域管理情報と、前記ホストコンピュータによって論理的に連続する記憶領域と認識される論理領域と前記物理領域との対応関係を示す変換管理情報とを保持する管理情報格納部と、
前記ホストコンピュータの要求に応答して、前記領域管理情報と前記変換管理情報とに基づいて、前記物理領域の割り当てまたは解放を行って前記論理領域に前記物理領域を割り当て、前記領域管理情報及び前記変換管理情報を更新する領域管理部と、
前記領域管理情報と前記変換管理情報とに基づいて、前記ホストコンピュータが指定する前記論理領域における記憶位置を示す論理アドレスを前記物理領域における記憶位置を示す物理アドレスに変換するアドレス変換部と、
前記ホストコンピュータから指示された前記論理アドレスに記録すべき前記一時保持部に格納された前記記録データを、前記アドレス変換部によって変換された前記物理アドレスにより示される前記可搬記憶媒体の前記記憶領域に記録し、前記ホストコンピュータから指示された前記論理アドレスを前記アドレス変換部によって変換された前記物理アドレスによって示される前記可搬記憶媒体の前記記憶領域に記録されたデータを再生して前記一時保持部に格納する記録再生制御部と
を備える
情報記録再生システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報記録再生システムにおいて、
前記領域管理部は、前記ホストコンピュータからの新たな論理領域の確保の要求または既存の論理領域の拡張の要求に応答して、前記ライブラリ装置に内蔵される前記所定数の可搬記憶媒体に対応する容量の領域を確保するときに、前記所定数の可搬記憶媒体に残留する前記物理領域が設定されていない空き領域の容量が前記対応する容量に満たない場合、前記複数の可搬記憶媒体のうちの前記ライブラリ装置に内蔵されていない可搬記憶媒体に含まれる空き領域を前記対応する容量の領域に割り当てる
情報記録再生システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の情報記録再生システムにおいて、
前記管理情報格納部は、前記複数の可搬記憶媒体の所在を管理する所在管理情報をさらに保持し、
前記情報記録再生制御装置は、
前記所在管理情報に基づいて、前記複数の可搬記憶媒体のうちの記録または再生の対象となる可搬記憶媒体が前記ライブラリ装置に内蔵される前記所定数の可搬記憶媒体に含まれていないことを認識すると、前記所定数の可搬記憶媒体のうちの前記ライブラリ装置から排出されてもよい可搬記憶媒体と、前記ライブラリ装置に投入すべき前記記録または再生の対象となる可搬記憶媒体とを前記記録再生制御部に示す媒体選択部と、
前記排出されてもよい可搬記憶媒体と、前記記録または再生の対象となる可搬記憶媒体との交換を外部に通知する保守インタフェース部と
を備える
情報記録再生システム。
【請求項4】
請求項3に記載の情報記録再生システムにおいて、
表示装置をさらに具備し、
前記保守インタフェース部は、前記表示装置に前記排出されてもよい可搬記憶媒体を示す媒体識別子と、前記記録または再生の対象となる可搬記憶媒体を示す媒体識別子とを表示し、保守員に対して前記排出されてもよい可搬記憶媒体と前記記録または再生の対象となる可搬記憶媒体との交換を促す
情報記録再生システム。
【請求項5】
請求項3または請求項4に記載の情報記録再生システムにおいて、
前記媒体選択部は、前記ライブラリ装置内に最も長く装填されている可搬記憶媒体を前記排出されてもよい可搬記憶媒体として選択する
情報記録再生システム。
【請求項6】
請求項3または請求項4に記載の情報記録再生システムにおいて、
前記媒体選択部は、記録再生が行われていない期間が最も長い可搬記憶媒体を前記排出されてもよい可搬記憶媒体として選択する
情報記録再生システム。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれかに記載の情報記録再生システムにおいて、
前記領域管理部は、前記論理領域に対応する前記物理領域を含む可搬記憶媒体の数が最小になるように前記物理領域を設定する
情報記録再生システム。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれかに記載の情報記録再生システムにおいて、
前記記録再生制御部は、前記ライブラリ装置が記録あるいは再生を行っていないときに、前記領域管理情報及び前記変換管理情報に基づいて、前記所定数の可搬記憶媒体に記録されている情報を複写して、前記論理領域に対応する前記物理領域の配置を変更する領域再配置部をさらに備える
情報記録再生システム。
【請求項9】
請求項8に記載の情報記録再生システムにおいて、
前記論理領域が2以上の可変記憶媒体の各々に設定された前記物理領域に割り当てられているとき、前記領域再配置部は、前記論理領域が割り当てられている可変記憶媒体の数が少なくなるように前記物理領域の配置を変更する
情報記録再生システム。
【請求項10】
請求項8または請求項9に記載の情報記録再生システムにおいて、
前記管理情報格納部は、前記ホストコンピュータから指示される記録再生の履歴情報をさらに保持し、
前記領域再配置部は、前記履歴情報に基づいて時間的に近接して記録あるいは再生される複数の論理領域に対応する物理領域を含む可搬記憶媒体の数が少なくなるように前記物理領域の配置を変更する
情報記録再生システム。
【請求項11】
複数の可搬記憶媒体のうちの所定数の可搬記憶媒体を内蔵し、前記複数の可搬記憶媒体の所定の記憶領域に前記ホストからのデータを記録し、前記複数の可搬記憶媒体の所定の記憶領域からデータを再生するライブラリ装置をホストコンピュータの指示に基づいて制御する情報記録再生制御部と、
前記ホストコンピュータから取り込む記録データと、前記ライブラリ装置から取り込む再生データとを一時的に保持する一時保持部と、
前記ライブラリ装置によって前記記録データが物理的に連続して記録可能な可搬記憶媒体上の記憶領域を示す物理領域の定義状態を管理する領域管理情報と、前記ホストコンピュータによって論理的に連続する記憶領域と認識される論理領域と前記物理領域との対応関係を示す変換管理情報とを保持する管理情報格納部と、
前記ホストコンピュータの要求に応答して、前記領域管理情報と前記変換管理情報とに基づいて、前記物理領域の割り当てまたは解放を行って前記論理領域に前記物理領域を割り当て、前記領域管理情報及び前記変換管理情報を更新する領域管理部と、
前記領域管理情報と前記変換管理情報とに基づいて、前記ホストコンピュータが指定する前記論理領域における記憶位置を示す論理アドレスを前記物理領域における記憶位置を示す物理アドレスに変換するアドレス変換部と
を具備し、
前記記録再生制御部は、前記ホストコンピュータから指示された前記論理アドレスに記録すべき前記一時保持部に格納された前記記録データを、前記アドレス変換部によって変換された前記物理アドレスにより示される前記可搬記憶媒体の前記記憶領域に記録し、前記ホストコンピュータから指示された前記論理アドレスを前記アドレス変換部によって変換された前記物理アドレスによって示される前記可搬記憶媒体の前記記憶領域に記録されたデータを再生して前記一時保持部に格納する
情報記録再生制御装置。
【請求項12】
請求項11に記載の情報記録再生制御装置において、
前記領域管理部は、前記ホストコンピュータからの新たな論理領域の確保の要求または既存の論理領域の拡張の要求に応答して、前記ライブラリ装置に内蔵される前記所定数の可搬記憶媒体に対応する容量の領域を確保するときに、前記所定数の可搬記憶媒体に残留する前記物理領域が設定されていない空き領域の容量が前記対応する容量に満たない場合、前記複数の可搬記憶媒体のうちの前記ライブラリ装置に内蔵されていない可搬記憶媒体に含まれる空き領域を前記対応する容量の領域に割り当てる
情報記録再生制御装置。
【請求項13】
請求項11または請求項12に記載の情報記録再生制御装置において、
前記管理情報格納部は、前記複数の可搬記憶媒体の所在を管理する所在管理情報をさらに保持し、
前記所在管理情報に基づいて、前記複数の可搬記憶媒体のうちの記録または再生の対象となる可搬記憶媒体が前記ライブラリ装置に内蔵される前記所定数の可搬記憶媒体に含まれていないことを認識すると、前記所定数の可搬記憶媒体のうちの前記ライブラリ装置から排出されてもよい可搬記憶媒体と、前記ライブラリ装置に投入すべき前記記録または再生の対象となる可搬記憶媒体とを前記記録再生制御部に示す媒体選択部と、
前記排出されてもよい可搬記憶媒体と、前記記録または再生の対象となる可搬記憶媒体との交換を外部に通知する保守インタフェース部と
をさらに具備する
情報記録再生制御装置。
【請求項14】
請求項13に記載の情報記録再生制御装置において、
前記保守インタフェース部は、表示装置に前記排出されてもよい可搬記憶媒体を示す媒体識別子と、前記記録または再生の対象となる可搬記憶媒体を示す媒体識別子とを表示し、保守員に対して前記排出されてもよい可搬記憶媒体と前記記録または再生の対象となる可搬記憶媒体との交換を促す
情報記録再生制御装置。
【請求項15】
請求項13または請求項14に記載の情報記録再生制御装置において、
前記媒体選択部は、前記ライブラリ装置内に最も長く装填されている可搬記憶媒体を前記排出されてもよい可搬記憶媒体として選択する
情報記録再生制御装置。
【請求項16】
請求項13または請求項14に記載の情報記録再生制御装置において、
前記媒体選択部は、記録再生が行われていない期間が最も長い可搬記憶媒体を前記排出されてもよい可搬記憶媒体として選択する
情報記録再生制御装置。
【請求項17】
請求項11から請求項16のいずれかに記載の情報記録再生制御装置において、
前記領域管理部は、前記論理領域に対応する前記物理領域を含む可搬記憶媒体の数が最小になるように前記物理領域を設定する
情報記録再生制御装置。
【請求項18】
請求項11から請求項17のいずれかに記載の情報記録再生制御装置において、
前記ライブラリ装置が記録あるいは再生を行っていないときに、前記領域管理情報及び前記変換管理情報に基づいて、前記所定数の可搬記憶媒体に記録されている情報を複写して、前記論理領域に対応する前記物理領域の配置を変更する領域再配置部をさらに具備する
情報記録再生制御装置。
【請求項19】
請求項18に記載の情報記録再生制御装置において、
前記論理領域が2以上の可変記憶媒体の各々に設定された前記物理領域に割り当てられているとき、前記領域再配置部は、前記論理領域が割り当てられている可変記憶媒体の数が少なくなるように前記物理領域の配置を変更する
情報記録再生制御装置。
【請求項20】
請求項18または請求項19に記載の情報記録再生制御装置において、
前記管理情報格納部は、前記ホストコンピュータから指示される記録再生の履歴情報をさらに保持し、
前記領域再配置部は、前記履歴情報に基づいて時間的に近接して記録あるいは再生される複数の論理領域に対応する物理領域を含む可搬記憶媒体の数が少なくなるように前記物理領域の配置を変更する
情報記録再生制御装置。
【請求項21】
請求項1から請求項10のいずれかに記載の情報記録再生システムに使用されるライブラリ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−65466(P2011−65466A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−215983(P2009−215983)
【出願日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】