説明

情報記録再生装置

【課題】デジタルビデオカメラに対して早送り再生・巻き戻し再生・スロー再生の速度の段階を切り換えることを可能にする情報記録再生装置を提供する。
【解決手段】デジタルビデオカメラからの情報が早送り再生されている際中に、情報記録再生装置が、早送り再生の速度の段階を切り換えるためにFF操作が行われたことを検知したとき、デジタルビデオカメラへの状態取得コマンドによりFF1状態を取得し、この取得したカメラ状態が、送信した早送り再生操作コマンドにより実行されたカメラ状態に変わるまで、デジタルビデオカメラにコマンドFF2,FF3を順次送信させる。ここで、デジタルビデオカメラは、コマンドFF3を受けたときに、コマンドFF3に対応する機能を有しているとすると、早送り再生状態がFF3状態になる。このような処理により、デジタルビデオカメラでの早送り再生の速度の段階を切り換えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像された映像情報および入力された音声情報を磁気テープに記録すると共に磁気テープに記録された映像音声情報を再生するデジタルビデオカメラとケーブルを介して接続可能であって、デジタルビデオカメラから再生された映像音声情報を記録媒体に記録できると共に記録媒体に記録された映像音声情報を再生できるように構成された情報記録再生装置に関し、特に、デジタルビデオカメラに対して早送り再生・巻き戻し再生・スロー再生の速度の段階を切り換えるための処理に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から知られているように、物体や人物などを撮像して、この撮像した映像情報、およびマイクで得た音声情報を磁気テープに記録し、また、磁気テープに記録した映像情報および音声情報を再生して、テレビ受信機などのディスプレイ装置に映像を表示させると共にスピーカなどから音声を出力させることが可能な構成を有するデジタルビデオカメラが普及している。
【0003】
ところで、このようなデジタルビデオカメラにセットされた磁気テープに記録された映像音声情報を、情報記録再生装置によりハードディスクや光ディスクなどの記録媒体にダビング記録したい場合がある。この場合、デジタルビデオカメラのデジタル入出力端子を、例えば、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)1394ケーブルを介して、情報記録再生装置のデジタル入出力端子に接続し、デジタルビデオカメラを再生モードに設定すると共に情報記録再生装置を記録モードに設定することによって、磁気テープに記録されている映像音声情報を再生し、この再生した映像音声情報を情報記録再生装置に送ることにより、記録媒体には磁気テープに記録されている映像音声情報が記録される。
【0004】
また、情報記録再生装置に接続されたモニタ装置(テレビ受信機など)に、デジタルビデオカメラにセットされた磁気テープに記録された映像音声情報を再生してモニタ装置に入力し、モニタ装置のディスプレイ装置に映像を表示させると共に、モニタ装置のスピーカに音声を出力させたい場合がある。この場合、デジタルビデオカメラのデジタル入出力端子を、例えば、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)1394ケーブルを介して、情報記録再生装置のデジタル入出力端子に接続し、リモコンを操作して情報記録再生装置をカメラ操作モードに設定し、この後、リモコンの再生キーを押下することにより、デジタルビデオカメラにセットされている磁気テープに対して再生動作が行われ、これにより、磁気テープから映像音声情報が読み出され、情報記録再生装置を経由してモニタ装置に送られ、モニタ装置のディスプレイ装置に映像が表示されると共に、モニタ装置のスピーカから音声が出力される。
【特許文献1】特開2005−176059号公報
【特許文献2】特開2006−67204号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そして、前記のように磁気テープの映像音声情報の再生が行われているときに、ユーザが、その映像情報を例えば早送り再生で観たい場合、リモコンの早送りキーを押下すると、磁気テープが早送り再生の速度で走行し、モニタ装置のディスプレイ装置には早送り再生の映像を観ることができる。しかしながら、この種の従来の情報記録再生装置では、デジタルビデオカメラに対して磁気テープを早送り再生させるには、リモコンの早送りキーを押下すれば良いが、早送り再生速度の段階を切り換える速度切り換え機能を有していないので、即ち、各機種のデジタルビデオカメラの早送り再生の速度の段階に対応した速度切り換えコマンドを有していないので、早送り再生の速度の段階を切り換えることができないという課題があった。また、巻き戻し再生やスロー再生についても、同様に、巻き戻し再生の速度の段階やスロー再生の速度の段階を切り換えることができないという課題があった。
【0006】
なお、特許文献1の従来技術は、再生コマンドや早送りコマンドや巻き戻しコマンドなどのようなデジタルビデオカメラとしての動作を示す種々のコマンドの内、受付可能なコマンドの内の一つが通信制御手段を介して映像信号記録装置からデジタルビデオカメラに与えられたときには、デジタルビデオカメラはコマンドにより指示された動作を実行するが、デジタルビデオカメラに対して早送り再生・巻き戻し再生・スロー再生の速度の段階を切り換える処理については開示されていない。
【0007】
特許文献2の従来技術は、DVDレコーダからインターフェイスを介してデジタルビデオカメラの操作を行う制御用コマンドと、その応答信号の送受信を行ってデジタルビデオカメラを制御するものであるが、デジタルビデオカメラに対して早送り再生・巻き戻し再生・スロー再生の速度の段階を切り換える処理については開示されていない。
【0008】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、デジタルビデオカメラに対して早送り再生・巻き戻し再生・スロー再生の速度の段階を切り換えることができるようにする情報記録再生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、撮像手段により撮像された映像情報および音声入力手段により入力された音声情報を磁気テープに記録すると共に磁気テープに記録された映像音声情報を再生するデジタルビデオカメラとケーブルを介して接続可能であって、前記デジタルビデオカメラから再生された映像音声情報を記録媒体に記録できると共に記録媒体に記録された映像音声情報を再生できるように構成された情報記録再生装置において、前記デジタルビデオカメラを操作するカメラ操作モードに設定された後、早送り再生または巻き戻し再生またはスロー再生のことを示す特殊再生を行うための特殊再生操作により特殊再生が行われている際中に、特殊再生の速度の段階を切り換えるために特殊再生操作が行われたことを検知する特殊操作検知手段と、この特殊操作検知手段により特殊再生操作が検知されたとき、前記デジタルビデオカメラに状態取得コマンドを送信し、この状態取得コマンドによりカメラ状態を取得するカメラ状態取得手段と、前記取得されたカメラ状態が示す特殊再生速度よりも1段階速い特殊再生を行わせるための1段階速い特殊再生操作コマンドを前記デジタルビデオカメラに送信する特殊再生操作コマンド送信手段と、前記1段階速い特殊再生操作コマンドが前記デジタルビデオカメラに送信された後、前記デジタルビデオカメラに状態取得コマンドを送信し、この状態取得コマンドによりカメラ状態を再度取得するカメラ状態再度取得手段と、このカメラ状態再度取得手段により取得されたカメラ状態が示す特殊再生速度が前記1段階速い特殊再生操作コマンドにより実行された1段階速い特殊再生速度の特殊再生状態であるか否かを判定する特殊再生状態判定手段と、前記1段階速い特殊再生速度の特殊再生状態であると判定された場合は特殊再生速度の段階の切り換えが完了したと認識するが、前記1段階速い特殊再生速度の特殊再生状態でないと判定された場合は、所定の応答時間を待って、1段階速い特殊再生速度の特殊再生状態であるか否かを再度判定する特殊再生状態再度判定手段と、この特殊再生状態再度判定手段により、前記1段階速い特殊再生速度の特殊再生状態であると判定された場合は特殊再生速度の段階の切り換えが完了したと認識するが、前記1段階速い特殊再生速度の特殊再生状態でないと判定された場合は、前記特殊再生操作コマンド送信手段からの処理に戻して、更に1段階速い特殊再生処理に関する処理に移行させる処理移行手段と、を有するシステムコントローラを備えたことを特徴とする情報記録再生装置を提供する。
【0010】
この構成において、デジタルビデオカメラを操作するカメラ操作モードに設定された後、例えば、早送り再生を行うための早送り再生操作(特殊再生操作)により早送り再生(特殊再生)が行われている際中に、早送り再生(特殊再生)の速度の段階を切り換えるために早送り再生操作(特殊再生操作)が行われたことを特殊操作検知手段により検知されると、カメラ状態取得手段は、デジタルビデオカメラに状態取得コマンドを送信し、この状態取得コマンドによりカメラ状態を取得する。
【0011】
次に、特殊再生操作コマンド送信手段は、前記取得されたカメラ状態が示す早送り再生速度(特殊再生速度)よりも1段階速い早送り再生(特殊再生)を行わせるための1段階速い早送り再生操作コマンド(特殊再生操作コマンド)をデジタルビデオカメラに送信する。そして、カメラ状態再度取得手段は、デジタルビデオカメラに状態取得コマンドを送信し、この状態取得コマンドによりカメラ状態を再度取得する。特殊再生状態判定手段は、前記カメラ状態再度取得手段により取得されたカメラ状態が示す早送り再生速度(特殊再生速度)が前記1段階速い早送り再生操作コマンド(特殊再生操作コマンド)により実行された1段階速い早送り再生速度(特殊再生速度)の早送り再生状態(特殊再生状態)であるか否かを判定する。
【0012】
前記1段階速い早送り再生速度(特殊再生速度)の早送り再生状態(特殊再生状態)であると判定された場合は早送り再生速度(特殊再生速度)の段階の切り換えが完了したと認識されるが、前記1段階速い早送り再生速度(特殊再生速度)の早送り再生状態(特殊再生状態)でないと判定された場合は、特殊再生状態再度判定手段は、所定の応答時間(例えば、200ms)を待って、1段階速い早送り再生速度(特殊再生速度)の早送り再生状態(特殊再生状態)であるか否かを再度判定する。
【0013】
前記特殊再生状態再度判定手段により、前記1段階速い早送り再生速度(特殊再生速度)の早送り再生状態(特殊再生状態)であると判定された場合は、早送り再生速度(特殊再生速度)の段階の切り換えが完了したと認識されるが、前記1段階速い早送り再生速度(特殊再生速度)の早送り再生状態(特殊再生状態)でないと判定された場合は、処理移行手段は、前記特殊再生操作コマンド送信手段からの処理に戻して、更に1段階速い早送り再生処理(特殊再生処理)に関する処理に移行させる。
【0014】
この構成によれば、早送り再生または巻き戻し再生またはスロー再生のことを示す特殊再生を行うための特殊再生操作により特殊再生が行われている際中に、特殊再生の速度の段階を切り換えるための特殊再生操作が行われると、送信した特殊再生操作コマンドにより実行されたカメラ状態に変わるまで、前記デジタルビデオカメラに各特殊再生操作コマンドを順次送信させるので、デジタルビデオカメラの機種に関係なく、デジタルビデオカメラに対して早送り再生・巻き戻し再生・スロー再生の速度の段階を切り換えることができ、ユーザにとってはデジタルビデオカメラに対する早送り再生の速度または巻き戻し再生の速度またはスロー再生の速度の段階の切り換え操作に対する使い勝手が良くなる。
【0015】
請求項2の発明は、撮像手段により撮像された映像情報および音声入力手段により入力された音声情報を磁気テープに記録すると共に磁気テープに記録された映像音声情報を再生するデジタルビデオカメラとケーブルを介して接続可能であって、前記デジタルビデオカメラから再生された映像音声情報を記録媒体に記録できると共に記録媒体に記録された映像音声情報を再生できるように構成された情報記録再生装置において、早送り再生または巻き戻し再生またはスロー再生のことを示す特殊再生を行うための特殊再生操作により特殊再生が行われている際中に、特殊再生の速度の段階を切り換えるために特殊再生操作が行われたことを検知したとき、前記デジタルビデオカメラへの状態取得コマンドによりカメラ状態を取得し、この取得したカメラ状態が、送信した特殊再生操作コマンドにより実行されたカメラ状態に変わるまで、前記デジタルビデオカメラに各特殊再生操作コマンドを順次送信させるシステムコントローラを備えたことを特徴とする情報記録再生装置を提供する。
【0016】
この構成において、例えば、早送り再生が行われている際中に、早送り再生の速度の段階を切り換えるために早送り再生操作が行われると、デジタルビデオカメラへの状態取得コマンドによりカメラ状態が取得され、この取得されたカメラ状態が、送信した早送り再生操作コマンドにより実行されたカメラ状態(早送り再生状態)に変わるまで、デジタルビデオカメラに各早送り再生操作コマンドが順次送信される。
【0017】
この構成によれば、早送り再生または巻き戻し再生またはスロー再生のことを示す特殊再生を行うための特殊再生操作により特殊再生が行われている際中に、特殊再生の速度の段階を切り換えるための特殊再生操作が行われると、送信した特殊再生操作コマンドにより実行されたカメラ状態に変わるまで、前記デジタルビデオカメラに各特殊再生操作コマンドを順次送信させるので、デジタルビデオカメラの機種に関係なく、デジタルビデオカメラに対して早送り再生・巻き戻し再生・スロー再生の速度の段階を切り換えることができ、ユーザにとってはデジタルビデオカメラに対する早送り再生の速度または巻き戻し再生の速度またはスロー再生の速度の段階の切り換え操作に対する使い勝手が良くなる。
【0018】
請求項3の発明では、請求項2の発明において、前記システムコントローラは、前記デジタルビデオカメラを操作するカメラ操作モードに設定された後、早送り再生または巻き戻し再生またはスロー再生のことを示す特殊再生を行うための特殊再生操作により特殊再生が行われている際中に、特殊再生の速度の段階を切り換えるために特殊再生操作が行われたことを検知する特殊操作検知手段と、この特殊操作検知手段により特殊再生操作が検知されたとき、前記デジタルビデオカメラに状態取得コマンドを送信し、この状態取得コマンドによりカメラ状態を取得するカメラ状態取得手段と、前記取得されたカメラ状態が示す特殊再生速度よりも1段階速い特殊再生を行わせるための1段階速い特殊再生操作コマンドを前記デジタルビデオカメラに送信する特殊再生操作コマンド送信手段と、前記1段階速い特殊再生操作コマンドが前記デジタルビデオカメラに送信された後、前記デジタルビデオカメラに状態取得コマンドを送信し、この状態取得コマンドによりカメラ状態を再度取得するカメラ状態再度取得手段と、このカメラ状態再度取得手段により取得されたカメラ状態が示す特殊再生速度が前記1段階速い特殊再生操作コマンドにより実行された1段階速い特殊再生速度の特殊再生状態であるか否かを判定する特殊再生状態判定手段と、前記1段階速い特殊再生速度の特殊再生状態であると判定された場合は特殊再生速度の段階の切り換えが完了したと認識するが、前記1段階速い特殊再生速度の特殊再生状態でないと判定された場合は、所定の応答時間を待って、1段階速い特殊再生速度の特殊再生状態であるか否かを再度判定する特殊再生状態再度判定手段と、この特殊再生状態再度判定手段により、前記1段階速い特殊再生速度の特殊再生状態であると判定された場合は特殊再生速度の段階の切り換えが完了したと認識するが、前記1段階速い特殊再生速度の特殊再生状態でないと判定された場合は、前記特殊再生操作コマンド送信手段からの処理に戻して、更に1段階速い特殊再生処理に関する処理に移行させる処理移行手段とを有する。
【0019】
したがって、前記システムコントローラは、特殊操作検知処理、カメラ状態取得処理、特殊再生操作コマンド送信処理、カメラ状態再度取得処理、特殊再生状態判定処理、特殊再生状態再度判定処理、および処理移行処理を実現でき、これにより、早送り再生または巻き戻し再生またはスロー再生のことを示す特殊再生を行うための特殊再生操作により特殊再生が行われている際中に、特殊再生の速度の段階を切り換えるための特殊再生操作が行われると、送信した特殊再生操作コマンドにより実行されたカメラ状態に変わるまで、前記デジタルビデオカメラに各特殊再生操作コマンドを順次送信させることができる。
【発明の効果】
【0020】
以上のように本発明によれば、デジタルビデオカメラを操作するカメラ操作モードに設定された後、早送り再生または巻き戻し再生またはスロー再生のことを示す特殊再生を行うための特殊再生操作により特殊再生が行われている際中に、特殊再生の速度の段階を切り換えるために特殊再生操作が行われたことを検知する特殊操作検知手段と、この特殊操作検知手段により特殊再生操作が検知されたとき、前記デジタルビデオカメラに状態取得コマンドを送信し、この状態取得コマンドによりカメラ状態を取得するカメラ状態取得手段と、前記取得されたカメラ状態が示す特殊再生速度よりも1段階速い特殊再生を行わせるための1段階速い特殊再生操作コマンドを前記デジタルビデオカメラに送信する特殊再生操作コマンド送信手段と、前記1段階速い特殊再生操作コマンドが前記デジタルビデオカメラに送信された後、前記デジタルビデオカメラに状態取得コマンドを送信し、この状態取得コマンドによりカメラ状態を再度取得するカメラ状態再度取得手段と、このカメラ状態再度取得手段により取得されたカメラ状態が示す特殊再生速度が前記1段階速い特殊再生操作コマンドにより実行された1段階速い特殊再生速度の特殊再生状態であるか否かを判定する特殊再生状態判定手段と、前記1段階速い特殊再生速度の特殊再生状態であると判定された場合は特殊再生速度の段階の切り換えが完了したと認識するが、前記1段階速い特殊再生速度の特殊再生状態でないと判定された場合は、所定の応答時間を待って、1段階速い特殊再生速度の特殊再生状態であるか否かを再度判定する特殊再生状態再度判定手段と、この特殊再生状態再度判定手段により、前記1段階速い特殊再生速度の特殊再生状態であると判定された場合は特殊再生速度の段階の切り換えが完了したと認識するが、前記1段階速い特殊再生速度の特殊再生状態でないと判定された場合は、前記特殊再生操作コマンド送信手段からの処理に戻して、更に1段階速い特殊再生処理に関する処理に移行させる処理移行手段とを有するシステムコントローラを備えたので、早送り再生または巻き戻し再生またはスロー再生のことを示す特殊再生を行うための特殊再生操作により特殊再生が行われている際中に、特殊再生の速度の段階を切り換えるための特殊再生操作が行われると、送信した特殊再生操作コマンドにより実行されたカメラ状態に変わるまで、前記デジタルビデオカメラに各特殊再生操作コマンドを順次送信させることができ、これにより、デジタルビデオカメラの機種に関係なく、デジタルビデオカメラに対して早送り再生・巻き戻し再生・スロー再生の速度の段階を切り換えることができ、ユーザにとってはデジタルビデオカメラに対する早送り再生の速度または巻き戻し再生の速度またはスロー再生の速度の段階の切り換え操作に対する使い勝手が良くなる。
【0021】
また、本発明によれば、早送り再生または巻き戻し再生またはスロー再生のことを示す特殊再生を行うための特殊再生操作により特殊再生が行われている際中に、特殊再生の速度の段階を切り換えるために特殊再生操作が行われたことを検知したとき、デジタルビデオカメラへの状態取得コマンドによりカメラ状態を取得し、この取得したカメラ状態が、送信した特殊再生操作コマンドにより実行されたカメラ状態に変わるまで、前記デジタルビデオカメラに各特殊再生操作コマンドを順次送信させるシステムコントローラを備えたので、早送り再生または巻き戻し再生またはスロー再生のことを示す特殊再生を行うための特殊再生操作により特殊再生が行われている際中に、特殊再生の速度の段階を切り換えるための特殊再生操作が行われると、送信した特殊再生操作コマンドにより実行されたカメラ状態に変わるまで、前記デジタルビデオカメラに各特殊再生操作コマンドを順次送信させることができ、これにより、デジタルビデオカメラの機種に関係なく、デジタルビデオカメラに対して早送り再生・巻き戻し再生・スロー再生の速度の段階を切り換えることができ、ユーザにとってはデジタルビデオカメラに対する早送り再生の速度または巻き戻し再生の速度またはスロー再生の速度の段階の切り換え操作に対する使い勝手が良くなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明の一実施形態に係る情報記録再生装置とデジタルビデオカメラとの構成を示すブロック図である。
【0023】
図1において、デジタルビデオカメラAと情報記録再生装置Bとは、例えば、通信ケーブルであるIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)1394ケーブルLにより接続され、デジタルビデオカメラAで撮像された映像および入力された音声を情報記録再生装置Bにおいてダビング記録することが可能になっている。即ち、デジタルビデオカメラAのデジタル入出力端子aと情報記録再生装置Bのデジタル入出力端子bとがIEEE1394ケーブルLにより接続され、デジタルビデオカメラAにおいて磁気テープ9に記録された映像音声データ(映像音声情報)を情報記録再生装置Bにおける記録媒体17にダビング記録することが可能になっている。なお、記録媒体17としては、情報記録再生装置Bがハードディスクレコーダである場合は、ハードディスクであり、情報記録再生装置BがDVDレコーダである場合は、DVDである。したがって、本実施形態の情報記録再生装置Bは、ハードディスクレコーダ、DVDレコーダのどちらであっても良い。
【0024】
デジタルビデオカメラAは、物体を撮影するための撮影レンズ1と、この撮影レンズ1で撮影した映像を電気信号に変換するCCDなどの撮像素子2と、撮像素子2の出力信号を所定形式の映像信号に変換する映像信号処理回路3と、音声を入力するマイク4と、このマイク4から出力される音声信号を増幅するマイクアンプ5と、このマイクアンプ5からの音声信号を所定形式の音声信号に変換する音声信号処理回路6と、映像信号処理回路3からの映像信号を入力してデジタル映像データに変換すると共に音声信号処理回路6からの音声信号を入力してデジタル音声データに変換して映像音声データとして磁気テープ9に記録したり、磁気テープ9に記録された映像音声データを再生したりする磁気テープ記録再生部7と、記録時や再生時あるいは巻戻し時や早送り時に磁気テープ9を走行させる磁気テープ駆動機構8と、磁気テープ記録再生部7で再生された映像音声データを情報記録再生装置Bに送信させたり、情報記録再生装置Bからの制御信号を受信したりする送受信回路10と、この送受信回路10とIEEE1394ケーブルLとの間のIEEE1394のインターフェイス11と、複数の操作キーを有する操作部12と、カメラ全体を制御するシステムコントローラ13とを備えている。
【0025】
情報記録再生装置Bは、IEEE1394ケーブルLと接続するためのデジタル入出力端子bを介して接続され、デジタルビデオカメラAからの映像音声データを受信したり、デジタルビデオカメラAに制御信号を送信したりする送受信回路14と、この送受信回路14で受信したIEEE1394特有の映像音声データを情報記録再生装置Bで扱う通常の映像音声データに変換するデータコンバータ15と、このデータコンバータ15からの映像音声データをデコードするデコーダ16と、記録時にはデコーダ16からの映像音声データをMPEG方式により圧縮して記録媒体18に記録したり、再生時には記録媒体18に記録された映像音声データを伸張して再生してモニタ装置Cに出力したりする記録再生部17と、制御に必要なデータを格納するフラッシュROMなどのメモリ19と、デジタルビデオカメラAから出力された映像音声データを記録媒体18に記録するダビング記録を行っているときに記録時間を計時するタイマ20と、複数の操作キーを有するリモコンなどを示す操作部21と、装置全体を制御するシステムコントローラ22と、リモコン24からの赤外線の操作信号を受光して電気信号の操作信号に変換してシステムコントローラ22に与える受光部23とを備えている。
【0026】
特に、システムコントローラ22は、本実施形態の特徴として、デジタルビデオカメラAを操作するカメラ操作モードに設定された後、早送り再生または巻き戻し再生またはスロー再生のことを示す特殊再生を行うための特殊再生操作により特殊再生が行われている際中に、特殊再生の速度の段階を切り換えるために特殊再生操作が行われたことを検知する特殊操作検知手段と、この特殊操作検知手段により特殊再生操作が検知されたとき、デジタルビデオカメラAに状態取得コマンドを送信し、この状態取得コマンドによりカメラ状態を取得するカメラ状態取得手段と、前記取得されたカメラ状態が示す特殊再生速度よりも1段階速い特殊再生を行わせるための1段階速い特殊再生操作コマンドをデジタルビデオカメラAに送信する特殊再生操作コマンド送信手段と、前記1段階速い特殊再生操作コマンドがデジタルビデオカメラAに送信された後、デジタルビデオカメラAに状態取得コマンドを送信し、この状態取得コマンドによりカメラ状態を再度取得するカメラ状態再度取得手段と、このカメラ状態再度取得手段により取得されたカメラ状態が示す特殊再生速度が前記1段階速い特殊再生操作コマンドにより実行された1段階速い特殊再生速度の特殊再生状態であるか否かを判定する特殊再生状態判定手段と、前記1段階速い特殊再生速度の特殊再生状態であると判定された場合は特殊再生速度の段階の切り換えが完了したと認識するが、前記1段階速い特殊再生速度の特殊再生状態でないと判定された場合は、所定の応答時間を待って、1段階速い特殊再生速度の特殊再生状態であるか否かを再度判定する特殊再生状態再度判定手段と、この特殊再生状態再度判定手段により、前記1段階速い特殊再生速度の特殊再生状態であると判定された場合は特殊再生速度の段階の切り換えが完了したと認識するが、前記1段階速い特殊再生速度の特殊再生状態でないと判定された場合は、前記特殊再生操作コマンド送信手段からの処理に戻して、更に1段階速い特殊再生処理に関する処理に移行させる処理移行手段とを有する。
【0027】
図2は本実施形態において各機種に対応する早送り再生・巻き戻し再生・スロー再生の操作コマンド(特殊再生操作コマンド)を説明するための図である。図2において、playback_modeコマンドとしては、NEXT FRAME(正方向コマ送りのコマンド)、SLOWEST FORWARD(正スロー再生最低速のコマンド)、正スローの速度の低いコマンドから順に示されるSLOW FORWARD6、SLOW FORWARD5、SLOW FORWARD4、SLOW FORWARD3、SLOW FORWARD2、SLOW FORWARD1(正スロー再生最高速のコマンド)が存在する。
【0028】
また、playback_modeコマンドとしては、X1(通常再生と同じ速度の早送りのコマンド)、早送り再生速度の低いコマンドから順にFAST FORWARD1、FAST FORWARD2、FAST FORWARD3、FAST FORWARD4、FAST FORWARD5、FAST FORWARD6、FASTEST FORWARD(早送り再生の最高速のコマンド)が存在する。
【0029】
また、playback_modeコマンドとしては、PREVIOUS FRAME(逆方向コマ送りのコマンド)、SLOWEST REVERSE(逆スロー再生の最低速のコマンド)、逆スロー再生速度の低いコマンドから順にSLOW REVERSE6、SLOW REVERSE5、SLOW REVERSE4、SLOW REVERSE3、SLOW REVERSE2、SLOW REVERSE1(逆スロー再生の最高速のコマンド)が存在する。
【0030】
また、playback_modeコマンドとしては、X1 REVERSE(逆再生と同じ速度の巻き戻しのコマンド)、巻き戻し再生速度の低いコマンドから順にFAST REVERSE1、FAST REVERSE2、FAST REVERSE3、FAST REVERSE4、FAST REVERSE5、FAST REVERSE6、FASTEST REVERSE(巻き戻し再生の最高速のコマンド)が存在する。
【0031】
また、playback_modeコマンドとしては、REVERSE(逆再生のコマンド)、REVERSE PAUSE(逆方向一時停止のコマンド)、FORWARD(再生のコマンド)、FORWARD PAUSE(正方向一時停止のコマンド)が存在する。
【0032】
図2に示す例では、メーカーA社のa機種のデジタルビデオカメラ、メーカーA社のb機種のデジタルビデオカメラ、メーカーB社のx機種のデジタルビデオカメラは、それぞれ○印が付されたコマンドに対応する動作を実行することができる。したがって、図1において、情報記録再生装置Bからのコマンドが当該機種のデジタルビデオカメラに有れば、当該機種のデジタルビデオカメラは、該当するコマンドに対応する動作を実行させることができる。図1に示すコマンドを情報記録再生装置Bのメモリ(フラッシュROM)19に記憶させておくことで、情報記録再生装置Bは、各メーカーのデジタルビデオカメラの機種に対応させたコマンドを、接続されたデジタルビデオカメラに送ることにより、当該接続されたデジタルビデオカメラが持っている機能の範囲で当該接続されたデジタルビデオカメラを操作することが可能になる。
【0033】
図3は本実施形態において早送り再生の速度の段階の切り換え処理を説明するためのフローチャートである。このフローチャートおよび図1〜図2を参照して早送り再生の速度の段階の切り換え処理について説明する。
【0034】
先ず、デジタルビデオカメラAと情報記録再生装置BとをIEEE1394ケーブルLにより接続し、情報記録再生装置BからデジタルビデオカメラAを操作できるようにするため、情報記録再生装置Bのモードをカメラ操作モードに設定する操作をリモコン24により行う。これにより、情報記録再生装置Bはカメラ操作モードに設定される(ステップS1)。そして、リモコン24の早送りキーが押下されると、情報記録再生装置Bのシステムコントローラ22は、早送りキーの押下を検知し(ステップS2)、FF1操作コマンド(FAST FORWARD1)をデジタルビデオカメラAに送信する(ステップS3)。これにより、システムコントローラ22からのFF1操作コマンドは、送受信回路14からIEEE1394ケーブルLを介してデジタルビデオカメラAに入力される。
【0035】
ビデオデジタルカメラAでは、システムコントローラ13が、前記入力されたFF1操作コマンドをインターフェイス11および送受信回路10を介して受け取り、磁気テープ記録再生部7および磁気テープ駆動機構8を制御して早送り再生動作をさせる。したがって、磁気テープ記録再生部7は、磁気テープ9から映像音声データを、早送り再生速度FF1で読み出して、送受信回路10、インターフェイス11、およびIEEE1394ケーブルLを介して情報記録再生装置Bに送信する。情報記録再生装置Bでは、デジタルビデオカメラAからの映像音声データを、送受信回路14で受信して、データコンバータ15およびデコーダ16の各処理を経て、記録再生部17を素通りさせてモニタ装置Cに出力する。これにより、モニタ装置Cでは、早送り再生速度FF1で早送り再生された映像が表示されることになる。
【0036】
このようにして早送り再生速度FF1で早送り再生が行われている際中に、1段階速い速度で早送り再生をしたいため、リモコン24の早送りキーが再び押下されると、システムコントローラ22の特殊操作検知手段は、早送りキーの押下を検知する(ステップS4)。次に、システムコントローラ22のカメラ状態取得手段は、状態取得コマンドを、送受信回路14、IEEE1394ケーブルL、インターフェイス11、および送受信回路10を経由してデジタルビデオカメラAのシステムコントローラ13に送信する(ステップS5)。そして、状態取得コマンドに応答してシステムコントローラ13は、デジタルビデオカメラAの現在の状態(この例の場合、FF1早送り再生状態)を検出し、送受信回路10、インターフェイス11、IEEE1394ケーブルL、および送受信回路14を経由して情報記録再生装置Bのシステムコントローラ22に送信する。これにより、システムコントローラ22のカメラ状態取得手段は、現在のデジタルビデオカメラAの状態(FF1早送り再生状態)を取得する(ステップS6)。
【0037】
次に、システムコントローラ22は、前記取得されたカメラ状態が示す早送り再生速度(この例の場合、FF1早送り再生速度)よりも1段階速い早送り再生を行わせるための1段階速い早送り再生操作コマンド(この例の場合、FF2再生操作コマンド)を、送受信回路14、IEEE1394ケーブルL、インターフェイス11、および送受信回路10を経由してデジタルビデオカメラAのシステムコントローラ13に送信する(ステップS7)。
【0038】
そして、前記送信されたFF2再生操作コマンドが最高速のFF再生操作コマンドでない場合は(ステップS8)、システムコントローラ22のカメラ状態再度取得手段は、状態取得コマンドを、送受信回路14、IEEE1394ケーブルL、インターフェイス11、および送受信回路10を経由してデジタルビデオカメラAのシステムコントローラ13に送信する(ステップS9)。次に、前記状態取得コマンドに応答してシステムコントローラ13は、デジタルビデオカメラAの現在の状態(この例の場合、FF1早送り再生状態)を検出し、送受信回路10、インターフェイス11、IEEE1394ケーブルL、および送受信回路14を経由して情報記録再生装置Bのシステムコントローラ22に送信する。これにより、システムコントローラ22のカメラ状態再度取得手段は、現在のデジタルビデオカメラAの状態(FF1早送り再生状態)を取得する(ステップS10)。
【0039】
これにより、システムコントローラ22の特殊再生状態判定手段は、前記カメラ状態再度取得手段により取得されたカメラ状態が示す特殊再生速度(この場合、早送り再生速度)が前記1段階速い特殊再生操作コマンド(この場合、FF2操作コマンド)により実行された1段階速い特殊再生速度の特殊再生状態(FF2早送り再生状態)であるか否かを判定する(ステップS11)。前記1段階速い特殊再生速度の特殊再生状態(FF2早送り再生状態)であると判定された場合は、特殊再生(早送り再生)の切り換えが完了したと認識されるが(ステップS12)、前記1段階速い特殊再生速度(FF2再生速度)の特殊再生状態(FF2早送り再生状態)でないと判定された場合は、システムコントローラ22の特殊再生状態再度判定手段は、所定の応答時間(この例の場合、200ms)を待って(ステップS13)、1段階速い特殊再生速度の特殊再生状態(FF2早送り再生状態)であるか否かを再度判定する(ステップS14)。
【0040】
前記特殊再生状態再度判定手段により、前記1段階速い特殊再生速度の特殊再生状態(FF2早送り再生状態)であると判定された場合は、特殊再生(FF2早送り再生)の切り換えが完了したと認識するが(ステップS12)、前記1段階速い特殊再生速度の特殊再生状態(FF2早送り再生状態)でないと判定された場合は、システムコントローラ22の処理移行手段は、前記特殊再生操作コマンド送信手段からの処理(ステップS7)に戻して、更に1段階速い特殊再生処理(FF3早送り再生処理)に関する処理に移行させる(ステップS15)。
【0041】
次のステップS7からの処理は、FF3早送り再生ついての処理が行われ、同様にステップS15まで来た場合は、また、ステップS7に戻り、FF4早送り再生についての処理が同様に行われる。このような処理が、最高速のFF再生操作コマンドがデジタルビデオカメラAに送信されるまで繰り返された場合、ステップS8において、システムコントローラ22は、ステップS7の処理で送信された早送り操作操作コマンドが最高速のFF再生操作コマンドであると判定した場合は、状態取得コマンドをデジタルビデオカメラAに送信し(ステップS16)、デジタルビデオカメラAの状態である最高速の早送り再生状態を取得し(ステップS17)、最高速の早送り再生への切り換えの完了を認識する(ステップS18)。
【0042】
なお、図3に示すフローチャートでは早送り再生の速度の段階の切り換え処理について説明したが、巻き戻し再生の速度の段階の切り換え処理やスロー再生の速度の段階の切り換え処理についても、同様な処理により実現できる。
【0043】
図1に示すデジタルビデオカメラAが図2に示すA社a機種のデジタルビデオカメラであった場合として、情報記録再生装置BがデジタルビデオカメラAを早送り再生操作する処理について、図3に示すフローチャートを参照して説明する。
【0044】
先ず、デジタルビデオカメラAと情報記録再生装置BとをIEEE1394ケーブルLにより接続し、情報記録再生装置BからデジタルビデオカメラAを操作できるようにするため、情報記録再生装置Bのモードをカメラ操作モードに設定する操作をリモコン24により行う。これにより、情報記録再生装置Bはカメラ操作モードに設定される(ステップS1)。そして、リモコン24の早送りキーが押下されると、情報記録再生装置Bのシステムコントローラ22は、早送りキーの押下を検知し(ステップS2)、FAST FORWARD1(図2参照)をデジタルビデオカメラAに送信する(ステップS3)。これにより、システムコントローラ22からのFAST FORWARD1は、送受信回路14からIEEE1394ケーブルLを介してデジタルビデオカメラAに入力される。
【0045】
ビデオデジタルカメラAでは、システムコントローラ13は、前記入力されたFAST FORWARD1をインターフェイス11および送受信回路10を介して受け取り、磁気テープ記録再生部7および磁気テープ駆動機構8を制御して早送り再生動作させる。したがって、磁気テープ記録再生部7は、磁気テープ9から映像音声データを、早送り再生速度FF1(早送り再生最低速)で読み出して、送受信回路10、インターフェイス11、およびIEEE1394ケーブルLを介して情報記録再生装置Bに送信する。情報記録再生装置Bでは、デジタルビデオカメラAからの映像音声データを、送受信回路14で受信して、データコンバータ15およびデコーダ16の各処理を経て、記録再生部17を素通りさせてモニタ装置Cに出力する。これにより、モニタ装置Cでは、早送り再生速度FF1(早送り再生最低速)で早送り再生された映像が表示されることになる。
【0046】
このようにして早送り再生速度FF1(早送り再生最低速)で早送り再生が行われている際中に、1段階速い速度で早送り再生をしたいため、リモコン24の早送りキーが再び押下されると、システムコントローラ22の特殊操作検知手段は、早送りキーの押下を検知する(ステップS4)。次に、システムコントローラ22のカメラ状態取得手段は、状態取得コマンドを、送受信回路14、IEEE1394ケーブルL、インターフェイス11、および送受信回路10を経由してデジタルビデオカメラAのシステムコントローラ13に送信する(ステップS5)。そして、状態取得コマンドに応答してシステムコントローラ13は、デジタルビデオカメラAの現在の状態(この例の場合、FF1早送り再生状態)を検出し、送受信回路10、インターフェイス11、IEEE1394ケーブルL、および送受信回路14を経由して情報記録再生装置Bのシステムコントローラ22に送信する。これにより、システムコントローラ22のカメラ状態取得手段は、現在のデジタルビデオカメラAの状態(FF1早送り再生状態)を取得する(ステップS6)。
【0047】
次に、システムコントローラ22は、前記取得されたカメラ状態が示す早送り再生速度(この例の場合、FF1早送り再生速度)よりも1段階速い早送り再生を行わせるための1段階速い早送り再生操作コマンドであるFAST FORWARD2(図2参照)を、送受信回路14、IEEE1394ケーブルL、インターフェイス11、および送受信回路10を経由してデジタルビデオカメラAのシステムコントローラ13に送信する(ステップS7)。
【0048】
そして、前記送信されたFAST FORWARD2が最高速のFF操作コマンドであるFASTEST FORWARD(図2参照)でない場合は(ステップ8)、システムコントローラ22のカメラ状態再度取得手段は、状態取得コマンドを、送受信回路14、IEEE1394ケーブルL、インターフェイス11、および送受信回路10を経由してデジタルビデオカメラAのシステムコントローラ13に送信する(ステップS9)。次に、前記状態取得コマンドに応答してシステムコントローラ13は、デジタルビデオカメラAの現在の状態(この例の場合、カメラ内にはFAST FORWARD2のコマンドが無いので、FF1早送り再生状態)を検出し、送受信回路10、インターフェイス11、IEEE1394ケーブルL、および送受信回路14を経由して情報記録再生装置Bのシステムコントローラ22に送信する。これにより、システムコントローラ22のカメラ状態再度取得手段は、現在のデジタルビデオカメラAの状態(FF1早送り再生状態)を取得する(ステップS10)。
【0049】
これにより、システムコントローラ22の特殊再生状態判定手段は、前記カメラ状態再度取得手段により取得されたカメラ状態が示す早送り再生速度が前記1段階速い特殊再生操作コマンドであるFAST FORWARD2の早送り再生状態であるか否かを判定する(ステップS11)。この場合は、A社a機種はFAST FORWARD2が存在しないので(図2参照)、FAST FORWARD2の早送り再生状態でないと判定される。そして、システムコントローラ22の特殊再生状態再度判定手段は、例えば200msを待って(ステップS13)、FAST FORWARD2の早送り再生状態であるか否かを再度判定する(ステップS14)。
【0050】
しかし、FAST FORWARD2はA社a機種のデジタルビデオカメラには元々存在しないので、現在のカメラ状態はFF2早送り再生状態ではないと判定される。そして、システムコントローラ22の処理移行手段は、前記特殊再生操作コマンド送信手段からの処理(ステップS7)に戻して、更に1段階速いFF3早送り再生処理に関する処理に移行させる(ステップS15)。
【0051】
次に、システムコントローラ22は、前記取得されたカメラ状態が示す早送り再生速度(この例の場合、FF1早送り再生速度)よりも更に1段階速い早送り再生を行わせるための1段階速い早送り再生操作コマンドであるFAST FORWARD3(図2参照)を、送受信回路14、IEEE1394ケーブルL、インターフェイス11、および送受信回路10を経由してデジタルビデオカメラAのシステムコントローラ13に送信する(ステップS7)。
【0052】
そして、前記送信されたFAST FORWARD3が最高速のFF再生操作コマンドであるFASTEST FORWARD(図2参照)でない場合は(ステップ8)、システムコントローラ22のカメラ状態再度取得手段は、状態取得コマンドを、送受信回路14、IEEE1394ケーブルL、インターフェイス11、および送受信回路10を経由してデジタルビデオカメラAのシステムコントローラ13に送信する(ステップS9)。次に、前記状態取得コマンドに応答してシステムコントローラ13は、デジタルビデオカメラAの現在の状態(この例の場合、カメラ内にはFAST FORWARD3のコマンドが無いので、再びFF1早送り再生状態)を検出し、送受信回路10、インターフェイス11、IEEE1394ケーブルL、および送受信回路14を経由して情報記録再生装置Bのシステムコントローラ22に送信する。これにより、システムコントローラ22のカメラ状態再度取得手段は、現在のデジタルビデオカメラAの状態(FF1早送り再生状態)を取得する(ステップS10)。
【0053】
これにより、システムコントローラ22の特殊再生状態判定手段は、前記カメラ状態再度取得手段により取得されたカメラ状態が示す早送り再生速度が前記1段階速い特殊再生操作コマンドであるFAST FORWARD3の早送り再生状態であるか否かを判定する(ステップS11)。この場合は、A社a機種のデジタルビデオカメラは、FAST FORWARD3が存在しないので(図2参照)、FAST FORWARD3の早送り再生状態でないと判定される。そして、システムコントローラ22の特殊再生状態再度判定手段は、例えば200msを待って(ステップS13)、FAST FORWARD3の早送り再生状態であるか否かを再度判定する(ステップS14)。
【0054】
しかし、FAST FORWARD3はA社a機種には元々存在しないので、現在のカメラ状態はFF3早送り再生状態でないと判定される。そして、システムコントローラ22の処理移行手段は、前記特殊再生操作コマンド送信手段からの処理(ステップS7)に戻して、更に1段階速いFF4早送り再生処理に関する処理に移行させる(ステップS15)。
【0055】
次に、システムコントローラ22は、前記取得されたカメラ状態が示す早送り再生速度(この例の場合、FF3早送り再生速度)よりも更に1段階速い早送り再生を行わせるための1段階速い早送り再生操作コマンドであるFAST FORWARD4(図2参照)を、送受信回路14、IEEE1394ケーブルL、インターフェイス11、および送受信回路10を経由してデジタルビデオカメラAのシステムコントローラ13に送信する(ステップS7)。
【0056】
そして、前記送信されたFAST FORWARD4が最高速のFF操作コマンドであるFASTEST FORWARD(図2参照)でない場合は(ステップS8)、システムコントローラ22のカメラ状態再度取得手段は、状態取得コマンドを、送受信回路14、IEEE1394ケーブルL、インターフェイス11、および送受信回路10を経由してデジタルビデオカメラAのシステムコントローラ13に送信する(ステップS9)。次に、前記状態取得コマンドに応答してシステムコントローラ13は、デジタルビデオカメラAの現在の状態(この例の場合、カメラ内にはFAST FORWARD4のコマンドが有るので、FF4早送り再生状態)を検出し、送受信回路10、インターフェイス11、IEEE1394ケーブルL、および送受信回路14を経由して情報記録再生装置Bのシステムコントローラ22に送信する。これにより、システムコントローラ22のカメラ状態再度取得手段は、現在のデジタルビデオカメラAの状態(FF4早送り再生状態)を取得する(ステップS10)。
【0057】
これにより、システムコントローラ22の特殊再生状態判定手段は、前記カメラ状態再度取得手段により取得されたカメラ状態が示す早送り再生速度が前記1段階速い特殊再生操作コマンドであるFAST FORWARD4の早送り再生状態であるか否かを判定する(ステップS11)。この場合は、A社a機種のデジタルビデオカメラは、FAST FORWARD4が存在するので(図2参照)、FAST FORWARD4の早送り再生状態であると判定され、FF4の早送り再生速度への切り換えが完了する(ステップS12)。
【0058】
なお、ここでは、デジタルビデオカメラとしてA社a機種のデジタルビデオカメラに対する早送り再生速度の段階の切り換えについて説明したが、これに限らず他社の機種のデジタルビデオカメラに対する早送り再生速度の段階の切り換えについても同様な処理で実現できる。また、巻き戻し再生速度の段階の切り換えやスロー再生速度の段階の切り換えについても同様な処理で実現できる。
【0059】
要するに本実施形態では、図4に示すように、情報記録再生装置側のリモコンのFFキー(早送りキー)が押下されると、情報記録再生装置は、この時のデジタルビデオカメラの状態がFF1状態であることを認識し、コマンドFF2をデジタルビデオカメラに送信する。しかし、デジタルビデオカメラは、コマンドFF2に対する機能を備えていないので、カメラ状態は変わらず、FF1状態のままである。したがって、情報記録再生装置は、コマンドFF2をデジタルビデオカメラに送っても、取得したカメラ状態はFF1状態なので、次にコマンドFF3をデジタルビデオカメラに送る。これにより、デジタルビデオカメラの状態は、FF3状態に変わる。このように、情報記録再生装置から送信した特殊再生操作コマンドにより実行されたデジタルビデオカメラのカメラ状態に変わるまで、デジタルビデオカメラに各特殊再生操作コマンドを順次送信させるようにしている。
【0060】
以上説明したように本実施形態によれば、早送り再生または巻き戻し再生またはスロー再生のことを示す特殊再生を行うための特殊再生操作により特殊再生が行われている際中に、特殊再生の速度の段階を切り換えるための特殊再生操作が行われると、送信した特殊再生操作コマンドにより実行されたカメラ状態に変わるまで、前記デジタルビデオカメラに各特殊再生操作コマンドを順次送信させるので、デジタルビデオカメラの機種に関係なく、デジタルビデオカメラに対して早送り再生・巻き戻し再生・スロー再生の速度の段階を切り換えることができ、ユーザにとってはデジタルビデオカメラに対する早送り再生速度または巻き戻し再生速度またはスロー再生速度の段階の切り換え操作に対する使い勝手が良くなる。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明においては、デジタルビデオカメラを操作することができるように構成されたDVDレコーダやハードディスクレコーダなどの情報記録再生装置に、デジタルビデオカメラにセットされた磁気テープに対する早送り再生の速度または巻き戻し再生の速度またはスロー再生の速度の段階を切り換えることができるようにする機能を付加することができる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の一実施形態に係る情報記録再生装置とデジタルビデオカメラとの構成を示すブロック図である。
【図2】前記実施形態において各機種に対応する早送り再生・巻き戻し再生・スロー再生の操作コマンド(特殊再生操作コマンド)を説明するための図である。
【図3】前記実施形態において早送り再生の速度の段階の切り換え処理を説明するためのフローチャートである。
【図4】前記実施形態において早送り再生の速度の段階を切り換える処理を簡単に説明するための図である。
【符号の説明】
【0063】
A デジタルビデオカメラ
B 情報記録再生装置
L IEEE1394ケーブル
1 撮像レンズ(撮像手段)
2 撮像素子(撮像手段)
4 マイク(音声入力手段)
9 磁気テープ
18 記録媒体
22 システムコントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像手段により撮像された映像情報および音声入力手段により入力された音声情報を磁気テープに記録すると共に磁気テープに記録された映像音声情報を再生するデジタルビデオカメラとケーブルを介して接続可能であって、前記デジタルビデオカメラから再生された映像音声情報を記録媒体に記録できると共に記録媒体に記録された映像音声情報を再生できるように構成された情報記録再生装置において、
前記デジタルビデオカメラを操作するカメラ操作モードに設定された後、早送り再生または巻き戻し再生またはスロー再生のことを示す特殊再生を行うための特殊再生操作により特殊再生が行われている際中に、特殊再生の速度の段階を切り換えるために特殊再生操作が行われたことを検知する特殊操作検知手段と、
この特殊操作検知手段により特殊再生操作が検知されたとき、前記デジタルビデオカメラに状態取得コマンドを送信し、この状態取得コマンドによりカメラ状態を取得するカメラ状態取得手段と、
前記取得されたカメラ状態が示す特殊再生速度よりも1段階速い特殊再生を行わせるための1段階速い特殊再生操作コマンドを前記デジタルビデオカメラに送信する特殊再生操作コマンド送信手段と、
前記1段階速い特殊再生操作コマンドが前記デジタルビデオカメラに送信された後、前記デジタルビデオカメラに状態取得コマンドを送信し、この状態取得コマンドによりカメラ状態を再度取得するカメラ状態再度取得手段と、
このカメラ状態再度取得手段により取得されたカメラ状態が示す特殊再生速度が前記1段階速い特殊再生操作コマンドにより実行された1段階速い特殊再生速度の特殊再生状態であるか否かを判定する特殊再生状態判定手段と、
前記1段階速い特殊再生速度の特殊再生状態であると判定された場合は特殊再生速度の段階の切り換えが完了したと認識するが、前記1段階速い特殊再生速度の特殊再生状態でないと判定された場合は、所定の応答時間を待って、1段階速い特殊再生速度の特殊再生状態であるか否かを再度判定する特殊再生状態再度判定手段と、
この特殊再生状態再度判定手段により、前記1段階速い特殊再生速度の特殊再生状態であると判定された場合は特殊再生速度の段階の切り換えが完了したと認識するが、前記1段階速い特殊再生速度の特殊再生状態でないと判定された場合は、前記特殊再生操作コマンド送信手段からの処理に戻して、更に1段階速い特殊再生処理に関する処理に移行させる処理移行手段と、を有するシステムコントローラを備えたことを特徴とする情報記録再生装置。
【請求項2】
撮像手段により撮像された映像情報および音声入力手段により入力された音声情報を磁気テープに記録すると共に磁気テープに記録された映像音声情報を再生するデジタルビデオカメラとケーブルを介して接続可能であって、前記デジタルビデオカメラから再生された映像音声情報を記録媒体に記録できると共に記録媒体に記録された映像音声情報を再生できるように構成された情報記録再生装置において、
早送り再生または巻き戻し再生またはスロー再生のことを示す特殊再生を行うための特殊再生操作により特殊再生が行われている際中に、特殊再生の速度の段階を切り換えるために特殊再生操作が行われたことを検知したとき、前記デジタルビデオカメラへの状態取得コマンドによりカメラ状態を取得し、この取得したカメラ状態が、送信した特殊再生操作コマンドにより実行されたカメラ状態に変わるまで、前記デジタルビデオカメラに各特殊再生操作コマンドを順次送信させるシステムコントローラを備えたことを特徴とする情報記録再生装置。
【請求項3】
前記システムコントローラは、前記デジタルビデオカメラを操作するカメラ操作モードに設定された後、早送り再生または巻き戻し再生またはスロー再生のことを示す特殊再生を行うための特殊再生操作により特殊再生が行われている際中に、特殊再生の速度の段階を切り換えるために特殊再生操作が行われたことを検知する特殊操作検知手段と、この特殊操作検知手段により特殊再生操作が検知されたとき、前記デジタルビデオカメラに状態取得コマンドを送信し、この状態取得コマンドによりカメラ状態を取得するカメラ状態取得手段と、前記取得されたカメラ状態が示す特殊再生速度よりも1段階速い特殊再生を行わせるための1段階速い特殊再生操作コマンドを前記デジタルビデオカメラに送信する特殊再生操作コマンド送信手段と、前記1段階速い特殊再生操作コマンドが前記デジタルビデオカメラに送信された後、前記デジタルビデオカメラに状態取得コマンドを送信し、この状態取得コマンドによりカメラ状態を再度取得するカメラ状態再度取得手段と、このカメラ状態再度取得手段により取得されたカメラ状態が示す特殊再生速度が前記1段階速い特殊再生操作コマンドにより実行された1段階速い特殊再生速度の特殊再生状態であるか否かを判定する特殊再生状態判定手段と、前記1段階速い特殊再生速度の特殊再生状態であると判定された場合は特殊再生速度の段階の切り換えが完了したと認識するが、前記1段階速い特殊再生速度の特殊再生状態でないと判定された場合は、所定の応答時間を待って、1段階速い特殊再生速度の特殊再生状態であるか否かを再度判定する特殊再生状態再度判定手段と、この特殊再生状態再度判定手段により、前記1段階速い特殊再生速度の特殊再生状態であると判定された場合は特殊再生速度の段階の切り換えが完了したと認識するが、前記1段階速い特殊再生速度の特殊再生状態でないと判定された場合は、前記特殊再生操作コマンド送信手段からの処理に戻して、更に1段階速い特殊再生処理に関する処理に移行させる処理移行手段とを有することを特徴とする請求項2に記載の情報記録再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−324949(P2007−324949A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−153079(P2006−153079)
【出願日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】