説明

情報記録装置

【課題】複数のRFIDタグからリーダライタへの通信が衝突することを回避して、RFIDタグの数を正確に検知することができ、重送状態にある感熱記録媒体のうち2枚目以降の感熱記録媒体が正常に処理されたものであるか否かを容易に判別することが可能なリライタブルプリンタを提供する。
【解決手段】検知範囲内の感熱記録媒体Mに付帯させたRFIDタグMaに対してリーダライタ7との相互通信で通信ステータスがReady状態(応答可能ステータス)からStandby状態(通信保留ステータス)に遷移したRFIDタグMaの数に基づいて制御部9が重送状態であるか否かを判定し、重送状態であると判定した場合には検知したRFIDタグの数(重送情報)を記録ユニット4によって記録させるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱可逆的に発色及び消色可能な感熱記録媒体に対して、印刷することによって画像等の情報を記録する機能及び記録された情報を消去する機能を有する情報記録装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近時、同じ記録媒体に対してその表面に画像等の情報を印刷することによって記録する処理及び記録された情報を消去する処理を繰り返し行うことによって記録媒体の使用量を削減することが可能な情報記録装置として、熱可逆的に発色及び消色する例えばシート状の感熱記録媒体に対して、画像等の情報の記録及び記録された情報の消去を行うリライタブルプリンタが注目されている。この種のリライタブルプリンタに用いられる感熱記録媒体として、感熱記録媒体に関するデータ、例えば、感熱記録媒体に記録された情報が消去されているか否か、消去された感熱記録媒体に次に記録する情報が何であるか、情報の更新履歴、或いは書き換え回数等のデータを管理できるように、各感熱記録媒体にRFID(Radio Frequency Identification)タグを埋め込み又は貼り付けたものが考えられている。そして、このようなRFIDタグ付きの感熱記録媒体に対して、リライタブルプリンタ内に設けたリーダライタにより、RFIDタグに対してデータの読み出し又は書き込みを行うことができるようにしたリライタブルプリンタが考えられている(例えば特許文献1参照)。なお、RFIDタグは、無線ICタグ、ICタグ、RFタグ、電子タグなどとも称されるものである。
【0003】
このようなリライタブルプリンタ内において、カットシート状の感熱記録媒体が重なった状態で搬送される、いわゆる「重送」が生じる場合がある。リーダライタ及びRFIDタグは非接触で相互に通信可能であるため、重送状態であれば、リーダライタの検知範囲内にある複数の感熱記録媒体にそれぞれ付帯させたRFIDタグに対してデータの読み出し又は書き込みを行うか、そのうちの何れか1つのRFIDタグに対してのみデータの読み出し又は書き込みを行う。一方、記録ユニットや消去ユニットにおいて実際に記録処理又は消去処理が施される感熱記録媒体は1枚であるため、重送状態で記録処理又は消去処理を行った場合、感熱記録媒体の表面に実際に記録された情報と、RFIDタグに書き込まれたデータの内容とが一致しないという問題が生じる。
【0004】
そこで、RFIDタグ付きの記録媒体に画像等の情報を印刷することによって不可逆的に記録する一般的なプリンタに関するものであるが、記録処理を行う前の時点で、読取部(前述のリーダライタに相当するもの)からRFIDタグに対して電磁波により電力を供給し、RFIDタグから自動的に送信される固有識別情報(Unique ID)を読み取り、読取部が読み取った固有識別情報の数が特定の数を越えているか否かに応じて重送の発生を検知するようにしたプリンタが考えられている(例えば特許文献2参照)。なお、特許文献2には、重送の発生を検知した場合に、その後の処理を中断する、又は重送状態にある記録媒体を強制的にプリンタ外へ排出する態様が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−150765号公報
【特許文献2】特開2008−65188号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、前述した特許文献2に記載の技術のように、読取部の検知範囲内に存在するRFIDタグが、読取部からの電力供給(読取要求)に応じて無条件に固有識別情報を送信するものであり、重送状態にある場合にリーダライタが各RFIDタグから送信される固有識別情報を一斉に検知しようとすれば、これら各RFIDタグから読取部への通信が衝突(collision)を起こし、全てのRFIDタグの固有識別情報を読取部で正確に読み取ることができないおそれがある。また、読取部とRFIDタグとの通信を一定の間隔(時間的な間隔、位置的な間隔)を空けて複数回行う態様も考えられるが、この場合、読取部が同一のRFIDタグに対して読取要求を行うこともあり得る。したがって、1つのRFIDタグが同一の固有識別情報を複数回送信することによって読取部が重複する固有識別情報を読み取った場合には、当該読取数(検知数)と実際のRFIDタグの数とが一致せず、重送状態であるか否かの判別を適切に行うことができないとうおそれがある。
【0007】
また、特許文献2には、画像等の情報を記録媒体に不可逆的に記録するプリンタにおいて、重送を検知した場合、その後の処理を中断する態様が開示されているが、重送を検知する度にその後の処理を中断する態様であれば、作業効率が著しく低下するという問題がある。一方、特許文献2には、重送状態にある記録媒体を強制的にプリンタ外へ排出する処理も開示されているが、画像等の情報を記録媒体に不可逆的に記録する一般的なプリンタでは、重送状態にある記録媒体をプリンタ外へ強制的に排出することにより、記録処理が施されていない、つまり白紙の状態で排出された記録媒体を再度給紙口からプリンタ内へ搬送することで通常の記録処理が施されることが予想される。したがって、画像等の情報を記録媒体に不可逆的に印刷するプリンタでは、重送を検知した場合に重送状態にある記録媒体をプリンタ外へ強制的に排出しさえすればよく、それ以上の処理をする動機がない。
【0008】
しかしながら、画像等の情報を感熱記録媒体に熱可逆的に記録及び消去可能なリライタブルプリンタでは、新品の感熱記録媒体でない限り、各感熱記録媒体の表面には予め画像等の情報が印刷により表示させて記録されているため、重送を検知した際に重送状態にある感熱記録媒体をリライタブルプリンタ外へ強制的に排出した場合、2枚目以降の感熱記録媒体が正常な処理が施されたものであるか否か、すなわち、感熱記録媒体の表面に実際に印刷することによって記録されている情報とRFIDタグに書き込まれたデータの内容とが一致しているか否かを瞬時且つ容易に判断できないという問題が生じ得る。このような問題は、リライタブルプリンタ特有の問題であり、記録媒体に不可逆的に情報を印刷する一般的なプリンタでは生じ得ないものである。そして、重送状態にある感熱記録媒体をリライタブルプリンタ外へ強制的に排出した場合、2枚目以降の感熱記録媒体が正常な処理が施されたものであるか否かを判断するためには、感熱記録媒体の表面に記録された情報とRFIDタグに書き込まれたデータの内容とを照合する作業が要求される。なお、消去ユニットによる消去処理の後であって且つ記録ユニットによる記録処理の前に重送状態にある感熱記録媒体を強制排紙する態様であれば、排出された感熱記録媒体のうち1枚目の感熱記録媒体は消去処理が施されているため、正常な記録処理がなされていないことは容易に把握できるが、2枚目以降の感熱記録媒体は、消去処理が施されず表面には以前の情報が目視可能な状態で記録されており、正常に処理されたものであるか否か、つまり感熱記録媒体の表面に記録された情報とRFIDタグに書き込まれたデータの内容とが一致しているか否かを容易に把握することができないという問題が生じる。
【0009】
そもそも、同一の感熱記録媒体に対して記録処理及び消去処理を繰り返し行うことが可能なリライタブルプリンタは、感熱記録媒体を再使用するにあたって以前の使用による油等の汚れが当該感熱記録媒体に付着していたり、油等の汚れを洗浄するための液体が十分に乾燥していない場合に重送が生じ易く、記録媒体に対して不可逆的に印刷処理を行う一般的なプリンタと比較して重送が生じる頻度が高い。しかも、重送が発生した際に単純に強制排紙しただけでは上述した不具合が生じる。
【0010】
以上より、重送が発生した際の処理をどのようにすれば重送の発生を的確に把握でき、重送状態にある感熱記録媒体のうち2枚目以降の感熱記録媒体が正常な処理を経たものであるか否かを容易且つ適切に把握できるかという点は、リライタブルプリンタ特有の切実な課題であることが分かる。
【0011】
本発明は、このような問題に着目してなされたものであって、主たる目的は、複数のRFIDタグからリーダライタへの通信が衝突することを回避して、RFIDタグの数を正確に検知し、重送状態を適切に判別することが可能であり、且つ作業効率の低下を招来することなく、重送状態にある感熱記録媒体のうち2枚目以降の感熱記録媒体が正常に処理されたものであるか否かを容易且つ適切に判別することが可能なリライタブルプリンタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
すなわち本発明の情報記録装置は、一又は複数のRFIDタグを付帯し、且つ熱可逆的に発色及び消色可能なカットシート状の感熱記録媒体に対して、画等の情報の記録及び記録された情報の消去を行うものであって、給紙口側に配されて感熱記録媒体に記録された情報を消去する消去ユニットと、排紙口側に配されて感熱記録媒体に画像等の情報を印刷により表示させて記録する記録ユニットと、給紙口から排紙口に亘って感熱記録媒体を搬送する搬送部と、搬送部によって搬送されるRFIDタグに対してデータの読み書きが可能なリーダライタと、これら各部(消去ユニット、記録ユニット、搬送部、リーダライタ)の作動を制御する制御部とを備えたものである。そして、本発明の情報記録装置は、リーダライタが、搬送部上における検知範囲内のRFIDタグに対して通信ステータスを、リーダライタからの所定コマンドに対して応答し得る応答可能ステータスからリーダライタに応答した後にリーダライタとの通信を一時的に保留する通信保留ステータスに順次遷移させ、通信ステータスを遷移させたRFIDタグの数を、リーダライタが検知したRFIDタグの数に関する情報であるRFIDタグ検知数情報として制御部に送信するものである。ここで、本発明における「RFIDタグ検知数情報」とは、「リーダライタが検知したRFIDタグの数そのものを示す情報」や、「リーダライタが検知したRFIDタグの数に基づいて任意に処理された文字や記号等の情報」、或いは「ステータスを遷移させたRFIDタグの数そのものを示す情報でありリーダライタが検知したRFIDタグの数を示唆する文字や記号等の情報」など、これら何れをも含む概念である。
【0013】
このような情報記録装置であれば、搬送部上におけるリーダライタの検知範囲内に複数のRFIDタグが存在する場合には、リーダライタがRFIDタグの通信ステータスを応答可能ステータスから通信保留ステータスに順次遷移させるため、複数のRFIDタグとリーダライタとの通信が相互に衝突する事態を回避することができるとともに、リーダライタによりRFIDタグの通信ステータスが応答可能ステータスから通信保留ステータスに自動的に遷移するため、同一のRFIDタグがリーダライタに複数回応答することがなく、リーダライタはステータスを遷移させたRFIDタグの数を正確に検知することができる。なお、1枚の感熱記録媒体には必ず1つのRFIDタグが付帯されているため、RFIDタグ検知数情報に基づくRFIDタグの数と感熱記録媒体の枚数とは一致するが、1枚の感熱記録媒体に予め2つ以上のRFIDタグが付帯されている場合は、RFIDタグ検知数情報に基づくRFIDタグの数を1枚の感熱記録媒体に付帯されたRFIDタグの数で割った数が感熱記録媒体の枚数と一致する。したがって、例えば1枚の感熱記録媒体に1つのRFIDタグが付帯されている場合、RFIDタグ検知数情報が示すRFIDタグの数が1であれば、制御部は通常の作動制御を行えばよく、RFIDタグ検知数情報が示すRFIDタグの数が2以上であれば、制御部は感熱記録媒体が重なった状態で搬送される場合の重送処理制御を行えばよい。
【0014】
そして、本発明の情報記録装置は、通信ステータスを遷移させたRFIDタグの数に基づいて、搬送部上における検知範囲内に存在するRFIDタグの数を正確に検知することができることを利用して、RFIDタグ検知数情報を制御部に送信し、制御部が、リーダライタから受信したRFIDタグ検知数情報に基づいて、搬送部上の感熱記録媒体が1枚であるか複数枚であるかを判別するとともに、搬送部上における検知範囲内の感熱記録媒体が複数枚であると判断した場合にRFIDタグ検知数情報に関する情報を記録ユニットに送信するものであり、記録ユニットが、制御部から送信されたRFIDタグ検知数情報に関する情報を感熱記録媒体に印刷により表示させて記録するものであることを特徴とする。ここで、「RFIDタグ検知数情報に関する情報」とは、「RFIDタグ検知数情報そのものを示す情報」、及び「RFIDタグ検知数情報に基づいて任意に処理された文字や記号等の情報」、「RFIDタグ検知数情報に基づいて重送状態である旨を示す文字や記号等の情報」など、これら何れをも包含するものである。
【0015】
このような構成であるため、ユーザは当該情報記録装置外へ排出された感熱記録媒体にFIDタグ検知数情報に関する情報が表示されているか否かを確認することにより、感熱記録媒体が複数枚重なった状態で搬送されているか否かを簡単に把握することができる。したがって、予め画像等の情報が印刷により可視状態で記録されている感熱記録媒体を再利用する場合であっても、1枚目の感熱記録媒体は勿論のこと、2枚目以降の感熱記録媒体が正常な処理が施されたものであるか否かについても容易且つ適切に判別することができる。しかも、本発明の情報記録装置は、熱可逆的に発色及び消色可能なカットシート状の感熱記録媒体に対して画像等の情報の記録及び記録された情報の消去を行うものであるため、重送を検知した場合に感熱記録媒体にRFIDタグ検知数情報に関する情報を印刷により表示させて記録したとしても当該情報記録装置で再利用することが可能であり、次回の消去処理でRFIDタグ検知数情報に関する情報を消去することができる。これは、記録処理及び消去処理を繰り返し行うことが可能な本発明の情報記録装置であるからこそ奏し得る効果であり、記録媒体に不可逆的に画像等の情報を印刷する一般的なプリンタにおいて、記録媒体にRFIDタグ検知数情報に関する情報を印刷により表示させて記録した場合には、RFIDタグ検知数情報に関する情報を当該プリンタで消去することは当然のことながら不可能であり、RFIDタグ検知数情報に関する情報を印刷により表示させて記録した当該記録媒体は、当該プリンタで再利用することができず無駄なものとなる。さらに、本発明の情報記録装置であれば、重送を検知する度にその後の処理を停止して感熱記録媒体を情報記録装置外へ排出する必要がなく、作業効率の低下を招来することもない。
【0016】
また、本発明の情報記録装置では、リーダライタが、制御部において搬送部上における検知範囲内の感熱記録媒体が複数枚であると判断した場合に、感熱記録媒体に本来記録すべき画像等の情報である表面印刷画像情報に関するデータを検知範囲内の全てのRFIDタグに対して書き込むように構成し、記録ユニットが、制御部から送信された「RFIDタグ検知数情報に関する情報」とRFIDタグに書き込まれた表面印刷画像情報に関するデータに基づく「表面印刷画像情報」とを1枚目の感熱記録媒体に表示させて記録するように構成している。ここで、「画像等の情報」とは、写真やイラスト、図形に加えて、文字や記号も含む概念である。本発明の情報記録装置はこのような構成であるため、重送を検知した場合であっても、重送状態にある全ての感熱記録媒体を正常な処理を経ていないものとして画一的に扱うことなく、1枚目の感熱記録媒体に対して、本来記録すべき画像等の情報である表面印刷画像情報をRFIDタグ検知数情報に関する情報と共に表示させて記録することにより、1枚目の感熱記録媒体は、使用に際して大きな支障がなければその状態で使用することができる一方、2枚目以降の感熱記録媒体は、1枚目の感熱記録媒体にRFIDタグ検知数情報に関する情報が記録されていることから正常な処理を経ていないものとして扱うことができる。ここで、「1枚目の感熱記録媒体」とは、記録ユニットのうち実際に記録処理を行う記録ヘッド(サーマルヘッド等)と直接接し得る感熱記録媒体であり、記録ユニットにおける記録ヘッドの相対位置により、最下層の感熱記録媒体、または最上層の感熱記録媒体の何れかを意味する。なお、リーダライタが、表面印刷画像情報に関するデータを検知範囲内の全てのRFIDタグに対して画一的に書き込むように構成しているのは、重送を検知する際、感熱記録媒体が何枚重なっているのかについては特定できる一方で、各感熱記録媒体に付帯させたRFIDタグのうち1枚目の感熱記録媒体のRFIDタグが何番目に応答可能ステータスから通信保留ステータスに遷移するのかについては判別することが困難であり、1枚目の感熱記録媒体に付帯させたRFIDタグに、表面印刷画像情報に関するデータ、換言すれば表面印刷画像情報に対応するRFIDタグへの書き込みデータを確実に記録させる(書き込む)ことによって、1枚目の感熱記録媒体が、当該感熱記録媒体に付帯させたRFIDタグに書き込んだ表面印刷画像情報に関するデータに基づく表面印刷画像情報を表示させることが可能な状態となり、この1枚目の感熱記録媒体を有効なものとして使用することができるようにするためである。
【0017】
また、本発明の情報記録装置における制御部が、搬送部上における検知範囲内の感熱記録媒体が複数枚であると判断した場合に、RFIDタグ検知数情報を消去ユニット、記録ユニット、搬送部、及びリーダライタ以外である情報記録装置の内部構成要素又は情報記録装置とは別体の装置に送信するものであっても、重送状態であるか否かをユーザは簡単に把握することができる。なお、消去ユニット、記録ユニット、搬送部、及びリーダライタ以外である情報記録装置の内部構成要素としては、表示画面やサウンド装置、警告灯等が挙げられる。また、情報記録装置とは別体の装置としては、情報記録装置に有線または無線で通信可能に接続されたコンピュータが例示される。また、制御部が情報記録装置の内部構成要素又は情報記録装置とは別体の装置に送信する「RFIDタグ検知数情報」は、制御部が記録ユニットに送信する上述した「RFIDタグ検知数情報」と同じ意味である。
【0018】
さらに、本発明の情報記録装置を、搬送部がリーダライタよりも下流側において感熱記録媒体を厚み方向に挟む位置に対向配置した送りローラを備えたものであり、搬送部が、この搬送部上における検知範囲内の感熱記録媒体が複数枚であると判断した場合に、RFIDタグ検知数情報に基づいて感熱記録媒体に作用させる送りローラの圧力又は送りローラ同士の離間寸法を指令するように構成したものであれば、感熱記録媒体の枚数に応じた搬送制御を行うことができ、重送状態にある感熱記録媒体をスムーズに搬送することができる。
【0019】
重送状態であっても情報記録装置内でジャムが生じ難い構成のリライタブルプリンタとするには、搬送部が、感熱記録媒体を一定の搬送姿勢に維持した状態で搬送するものとすればよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明の情報記録装置によれば、複数のRFIDタグからリーダライタへの通信が衝突することを回避して、RFIDタグの数をリーダライタによって正確に検知することができ、このRFIDタグ検知数に基づいて重送状態であるか否かを適切に判別することができるとともに、記録媒体に不可逆的に印刷する一般的なプリントと比較して重送が発生する頻度が高いいわゆるリライタブルプリンタに相当する本発明の情報記録装置特有且つ重要な課題、つまり作業効率の低下を招来することなく、重送状態にある感熱記録媒体のうち2枚目以降の感熱記録媒体が正常に処理されたものであるか否かを容易且つ適切に判別するという課題を、リライタブルプリンタ特有の運用、すなわち、熱可逆的に発色及び消色可能な感熱記録媒体に対して記録処理及び情報処理を行う運用を利用して悉く解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態に係るリライタブルプリンタの全体概略図。
【図2】同実施形態における感熱記録媒体の模式的な平面図。
【図3】同実施形態における感熱記録媒体の模式的な側面図。
【図4】同実施形態に係るリライタブルプリンタの簡略図。
【図5】同実施形態に係るリライタブルプリンタの処理工程を示すフローチャート。
【図6】同実施形態に係るリライタブルプリンタにおいてRFIDタグ及びリーダライタのアンチコリジョン処理手順を示すフローチャート。
【図7】同実施形態に係るリライタブルプリンタにおいて重送処理手順の一部を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
本実施形態に係る情報記録装置であるリライタブルプリンタ1(図1に概略的に示す)は、RFIDタグMaを付帯し、且つ熱可逆的に発色及び消色可能な記録層Mbを有する感熱記録媒体Mに対して、記録層Mbへの画像等の情報の記録及び記録層Mbに記録された画像等の情報の消去を行うものである。本実施形態において、「画像等の情報」とは、写真やイラスト、図形に加えて、文字や記号も含む概念である。また、以下の説明では、「画像等の情報」を「表面印刷画像情報」と称する場合もある。
【0023】
感熱記録媒体Mは、図2及び図3(図2、図3はそれぞれ感熱記録媒体Mの平面図、側面図をそれぞれ模式的に示す図である)に示すように、基材たるベース層Mcと、記録層Mbと、これらベース層Mcと記録層Mbとの間に挟み込んだRFIDタグMaとを備えたカットシート状の積層体である。ベース層Mc及び記録層Mbは、例えばA3やA4等の用紙サイズに裁断されたものであり、これらベース層Mc及び記録層Mbをシート本体と捉えた場合、感熱記録媒体MはRFIDタグMaをシート本体に内蔵したものといえる。本実施形態では、1枚の感熱記録媒体Mに1個のRFIDタグMaを付帯させている。
【0024】
記録層Mbは、例えば、電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物とを用い、加熱温度及び/又は加熱後の冷却速度の違いにより相対的に発色状態と消色状態とを形成し得るものであったり、樹脂母材、及び樹脂母材中に分散された有機低分子物質を主成分とし、温度に依存して相対的に発色状態と消色状態とを形成し得るものである。
【0025】
RFIDタグMaは、例えばコイル状の導電性材料からなり外部と交信可能なアンテナと、アンテナに接続され、固有の識別子を有するICチップとを備え、アンテナを介して後述するリーダライタと非接触状態にてICチップ(より具体的にはICチップ内のメモリ)にデータの書き込みや読み出し、書き換えが可能なものである。本実施形態で用いるRFIDタグMaは、後述するリーダライタの通信可能領域(検知範囲)内に複数のRFIDタグMaが同時に存在しても通信の衝突(collision)を防止し、リーダライタとの間で適切にデータ通信することができる機能、つまりアンチコリジョン機能を有するものである。本実施形態では、例えばISO/IEC18000−6TypeCに準拠したプロトコル(通信規格)を有するRFIDタグMaを適用している。この規格では、RFIDタグMa内のメモリに4つのエリア、具体的には、ユーザが自由に定義して用いる情報が格納されているユーザエリアバンク、ICチップメーカが付与するICチップ固有の番号が格納されているタグコードバンク、RFIDタグ固有のIDデータであるUII(Unique Item Identifier)コード、EPC(Electronic Product Code)、及びPC(Protocol Control bits)に関連した情報が格納されているUIIコードバンク、パスワード等のセキュリティに関連した情報が格納されているセキュリティバンクを設けている。なお、UIIコードバンクに格納されるEPCとは、RFIDタグを利用して製品識別を行う場合に利用されるコードである。このようなRFIDタグMaは、リーダライタ7と通信可能なReady状態(本発明における「応答可能ステータス」に相当)と、リーダライタ7から少なくとも後述するQueryRepコマンドを受信し得るArbitrate状態と、リーダライタ7に対して後述する16ビットの乱数(RN16)を応答したReply状態と、リーダライタ7にEPC及びPCが読み出されたAcknowledged状態と、Acknowledged状態においてリーダライタから後述するQueryRepを受信したStandby状態(本発明における「通信保留ステータス」に相当)との間で通信ステータスが遷移する。
【0026】
リライタブルプリンタ1は、図1及び図4に示すように、給紙口21を有する給紙部2と、給紙口21から挿入される感熱記録媒体Mの記録層Mbに記録された画像等の情報を消去する消去ユニット3と、消去ユニット3を通過した感熱記録媒体Mの記録層Mbに画像等の情報を目視可能な状態に記録する記録ユニット4と、記録ユニット4を通過した感熱記録媒体Mを外部へ排出するための排出口51を有する排紙部5とを備えたものである。
【0027】
給紙部2は、記録層Mbに画像等の情報を記録した感熱記録媒体Mを複数枚重ねて載置可能な給紙トレイ22と、給紙トレイ22に載置された感熱記録媒体Mを1枚ずつ順次消去ユニット3に向かって送り出す給紙用送りローラ23とを備えたものである。消去ユニット3は、感熱記録媒体Mの記録層Mbを加熱する消去ヘッド31と、消去ヘッド31に対向配置された消去用プラテンローラ32とを備えたものである。記録ユニット4は、感熱記録媒体Mの記録層Mbを加熱する記録ヘッド41と、記録ヘッド41に対向配置された記録用プラテンローラ42とを備えたものである。本実施形態では、消去ヘッド31及び記録ヘッド41として、それぞれサーマルヘッドを適用している。排紙部5は、感熱記録媒体Mを排出口51に向かって送り出す排出用送りローラ52とを備えたものである。本実施形態のリライタブルプリンタ1は、記録ユニット4を消去ユニット3の上方に配置しており、消去ユニット3を通過した感熱記録媒体Mはリフト機構6により記録ユニット4に搬送される。
【0028】
リフト機構6は、感熱記録媒体Mを載置し得る載置部61と、この載置部61を消去ユニット3と記録ユニット4との間の搬送経路上で昇降移動させるリフト部62とを備えたものである。載置部61は、一部又は全部を金属によって成形したトレイ状をなし、リンクメンバ621等から構成されるリフト部62によって水平姿勢を保持したまま最下降位置(U)と最上昇位置(T)との間で高さ方向に移動可能なものである。
【0029】
そして、本実施形態に係るリライタブルプリンタ1は、図4に示すように、消去ユニット3と記録ユニット4との間に、感熱記録媒体MのRFIDタグMaに対してデータの読み出し及び書き込みを行うリーダライタ7を設けている。本実施形態では、リーダライタ7を、最下降位置(U)に位置付けた載置部61における載置面61aよりも低位置に固定している(図1参照)。リーダライタ7は、アンチコリジョン機能を有するRFIDタグMaに対して適切に通信可能なものであり、このリーダライタ7自身もアンチコリジョン機能を有するものであるといえる。本実施形態では、UHF帯のRFIDタグMaを適用しているため、リーダライタ7もUHF帯に対応するものを適用している。もちろん、RFIDタグMaがHF帯のものであれば、HF帯に対応可能なリーダライタを適用すればよい。
【0030】
また、本実施形態のリライタブルプリンタ1は、給紙部2における給紙用送りローラ23と、消去ユニット3の上流側に設けた消去用送りローラ81と、リフト機構6と、記録ユニット4の上流側に設けた記録用送りローラ82と、排紙部5における排紙用送りローラ52とによって、給紙口21から排紙口51に亘って感熱記録媒体Mを搬送する搬送部8を構成している。このリライタブルプリンタ1は、給紙部2、消去ユニット3、記録ユニット4、排紙部5、リーダライタ7、及び搬送部8の作動を制御部9によって制御している(図6及び図7参照)。この制御部9は、リーダライタ7から送信される後述する「RFIDタグ検知数情報」に基づいて、搬送部8上におけるリーダライタ7の検知範囲内において感熱記録媒体Mが1枚であるか複数枚であるかを判定(判断)する判定部91を有する(図7参照)。判定部91は、RFIDタグ検知数情報に含まれる後述するRFIDタグ検知数が2未満、つまり1であれば、感熱記録媒体Mが1枚であると判定する一方で、RFIDタグ検知数が2以上であれば、感熱記録媒体Mが複数枚であると判定するものである。そして、本実施形態に係るリライタブルプリンタ1における制御部9は、判定部91において感熱記録媒体Mが複数枚である、つまり重送状態であると判定した場合に「RFIDタグ検知数情報に関する情報」を記録ユニット4及び搬送部8に送信するものである。
【0031】
次に、本実施形態に係るリライタブルプリンタ1の操作手順、動作及び作用について説明する。
【0032】
先ず、感熱記録媒体Mの給紙からRFIDタグMaとリーダライタ7との通信までのリライタブルプリンタ1の作動を説明する。ユーザが記録層Mbに画像等の情報が記録され発色状態にある感熱記録媒体Mを給紙部2の給紙トレイ22にセットした後、リライタブルプリンタ1は、ユーザの所定操作に伴って制御部9から給紙部2に給紙開始信号(作動開始信号)を送信し、給紙用送りローラ23により感熱記録媒体Mを給紙口21から消去ユニット3に搬送する(給紙工程S1、図5参照)。なお、リライタブルプリンタ1は、予めユーザの所定操作によって入力された感熱記録媒体Mに記録すべき画像等の情報である表面印刷画像情報に関するデータを制御部9内における所定の記憶領域に格納している。そして、記録工程S4より前の時点、例えば給紙工程S1の時点でこの表面印刷画像情報に関するデータ、換言すれば表面印刷画像情報に対応するRFIDタグMaへの書き込みデータをリーダライタ7に転送している。給紙工程S1後、リライタブルプリンタ1は、消去ユニット3に搬送された感熱記録媒体Mを消去用プラテンローラ32で押圧支持し、消去ヘッド31により記録層Mbを加熱し、徐冷することにより記録層Mbの画像等の情報は消去される(消去工程S2)。引き続き、消去工程S2を経て記録層Mbの画像等の情報が消去された消去状態にある感熱記録媒体Mは、消去用送りローラ81で搬送方向に沿って搬送され、最下降位置(U)に位置付けた載置部61に水平姿勢で載置される。そして、感熱記録媒体Mが載置部51に載置した時点またはリフト部62により載置部61が水平姿勢のまま上方へ移動する適宜の時点で、リーダライタ7が感熱記録媒体MのRFIDタグMaと通信を行う(RFIDタグ通信工程S3)。
【0033】
なお、感熱記録媒体MのRFIDタグMaが最下降位置(U)に位置付けた載置部61に載置した時点でリーダライタ7と最も近接するが、同じ周波数帯のRFIDタグMaであってもRFIDタグ全体の形状、換言すればインレットの形状が異なれば、リーダライタ7との最適な通信距離も異なるため、本実施形態では、リフト部62によって載置部61が高さ方向に移動し、この載置部61に載置した感熱記録媒体MのRFIDタグMaとリーダライタ7との相対距離を変更する過程で、RFIDタグMaとリーダライタ7との適切な通信距離を検出し、その検出位置で載置部61を一時的に停止させて、RFIDタグMaに対して通信を行うようにすることができる。本実施形態のリライタブルプリンタ1は、感熱記録媒体Mに付帯させたRFIDタグMaを水平姿勢に保持したまま、垂直方向に離間して設けたリーダライタ7に接離させることにより、リーダライタ7がRFIDタグMaに対して垂直方向から通信を行えるようにしている。
【0034】
そして、本実施形態に係るリライタブルプリンタ1は、処理対象物としてアンチコリジョン機能を有するRFIDタグMaを付帯した感熱記録媒体Mを適用しており、RFIDタグ通信工程S3においてこのアンチコリジョン機能を利用して感熱記録媒体Mが重送状態であるか否かを判別するようにしている。アンチコリジョンに関する処理手順について図5を参照しながら説明する。
【0035】
先ず、リーダライタ7は、読み出しを行うRFIDタグMaのグループ群(母集団)を選択するSelectコマンドを検知範囲(通信範囲)内のRFIDタグMaに送信する(ステップS31)。なお、RFIDタグMaはリーダライタ7の検知範囲内に進入するとリーダライタ7からの電波を受信することにより起動してReady状態となっている。
【0036】
リーダライタ7は、RFIDタグMaの輻輳制御のために必要なスロット数の情報を含むQueryコマンドをRFIDタグMaに送信する(ステップS32)。Queryコマンドを受信した各RFIDタグMaは、スロットカウントパラメータQにより(0,2Q−1)の乱数をスロットカウンタに設定する(ステップS33)。そして、RFIDタグMaは、設定したスロットカウンタがゼロ以外の場合(ステップS34;No)にArbitrate状態に遷移する一方、スロットカウンタがゼロである場合(ステップS34;Yes)にRFIDタグMa自身を識別する乱数RN16をリーダライタ7に送信(応答)し、Ready状態からReply状態に遷移する。次いで、リーダライタ7は、QueryRepコマンドをRFIDタグMaに順次送信し、スロットカウンタをデクリメント(減算)する(ステップS35)。Arbitrate状態にあるRFIDタグMaは、リーダライタ7から送信されるQueryRepコマンドを受信し、スロットカウンタがゼロであれば(ステップS36;Yes)、RN16をリーダライタ7に送信(応答)し、Reply状態に遷移する一方、スロットカウンタがゼロ以外であれば(ステップS36;No)であれば、Arbitrate状態、つまりリーダライタ7から送信される次のQueryRepコマンドを受信し得る状態を維持する。
【0037】
リーダライタ7は、RFIDタグMaからRN16を受信する、すなわちRFIDタグMaから応答があると、そのRN16を含むAckコマンドをRFIDタグMaに送信する(ステップS37)。次いで、リーダライタ7からAckコマンドを受信したRFIDタグMaは、メモリ内に格納されている上述したEPC及びPCをリーダライタ7に送信する(ステップS38)。RFIDタグMaは、自ら送信したRN16を含むAckコマンドを受信してEPC及びPCを送信するとReply状態からAcknowledge状態に遷移する。そして、Acknowledge状態にあるRFIDタグMaがリーダライタ7からQueryRepコマンドを受信すると、Acknowledge状態からStandby状態に遷移する。
【0038】
以上の手順により、リーダライタ7が検知範囲内のRFIDタグMaに対して、各RFIDタグMaの通信ステータス(通信状態)をReady状態(応答可能ステータス)からStandby状態(通信保留ステータス)に順次遷移させる。そして、一旦EPC及びPCをリーダライタ7に送信したRFIDタグMa、換言すれば、一旦EPC及びPCをリーダライタ7に読み出されたRFIDタグMaは、アンチコリジョン処理が終了するまでリーダライタ7からのQueryRepコマンドに応答しない通信ステータス(Standby状態、通信保留ステータス)となる。
【0039】
リーダライタ7が検知範囲内に存在する全てのRFIDタグMaのEPC及びPCを読み出すまでステップS35以下の手順を繰り返す。その際、Standby状態にあるRFIDタグMaは、リーダライタ7が送信するQueryRepコマンドに対して何ら応答することはなく、Arbitrate状態、またはReply状態にある他のRFIDタグMaが順次応答し得ることになる。
【0040】
そして、リライタブルプリンタ1では、ステップS35以降の手順を複数回繰り返してもRFIDタグMaからの応答が一切無い場合には、当該事象をもってアンチコリジョン処理を終了し、リーダライタ7がアンチコリジョン処理終了時点までに取得したEPC及びPCの数又はRN16の数、つまり通信ステータスを変更したRFIDタグMaの数を、リーダライタ7は検知したRFIDタグMaの数に関する情報である「RFIDタグ検知数情報」として、上述した制御部9に送信する(図7参照)。本実施形態では、通信ステータスを遷移させたRFIDタグMaの数=RFIDタグMaの検知数とし、このRFIDタグMaの検知数そのものを示す情報を「RFIDタグ検知数情報」として制御部9に送信するようにしている。本実施形態では、リーダライタ7は、RFIDタグMaの検知数が「1」である場合に、そのRFIDタグMaにAckコマンドを送信した(ステップS37)後、RFIDタグMaから書き込みを許容する旨の信号を受信すると、消去された記録層Mbに次に記録する画像等の情報(表面印刷画像情報)に関するデータ、すなわち表面印刷画像情報に対応するRFIDタグMaへの書き込みデータをRFIDタグMaに書き込む。RFIDタグMaとリーダライタ7との間で読み書きされるデータとしては、上述した各種情報の他、記録層Mbの表面に可視状態に記録された画像等の情報が消去されているか否か、画像等の情報の更新履歴や書き換え回数等、RFIDタグMaを付帯した感熱記録媒体M又はRFIDタグMa自体に関する情報が挙げられる。
【0041】
リーダライタ7からRFIDタグ検知数情報を受信した制御部9は、判定部91において、リーダライタ7から受信したRFIDタグ検知数情報に示されている(記録されている)RFIDタグ検知数が2未満である場合には感熱記録媒体Mが1枚の状態で搬送されている正常搬送状態であると判定し、RFIDタグ検知数が2以上である場合には感熱記録媒体Mが複数枚である、つまり重送状態であると判定する(重送判別工程S4)。引き続き、制御部9は、判定部91において重送状態であると判定した場合に、「RFIDタグ検知数情報に関する情報」を記録ユニット4及び搬送部8に送信する(ステップS4A、S4B)。本実施形態では、RFIDタグ検知数そのものを記録ヘッド41に直接接し得る感熱記録媒体Mに記録する旨を指令する「重送情報」が、「RFIDタグ検知数情報に関する情報」として制御部9から記録ユニット4に送信されるとともに、RFIDタグ検知数に基づいて重送判別工程S4以降の工程で重送状態にある感熱記録媒体Mを適切に搬送するための「搬送制御情報」が、「RFIDタグ検知数情報に関する情報」として制御部9から搬送部8に送信される(図7参照)。搬送制御情報には、RFIDタグ検知数に基づいて明らかになる感熱記録媒体Mの枚数に応じて、搬送部8のうちリーダライタ7よりも排紙口51側に配置される記録用送りローラ82同士の離間寸法、排紙用送りローラ52同士の離間寸法、各送りローラ82、52により感熱記録媒体Mに作用させる圧力を、感熱記録媒体Mの枚数毎に予め設定した適正値に基づいて決定した値(以下、「搬送制御決定値」と称するものとする)が含まれている。
【0042】
また、制御部9は、判定部91において重送状態であると判定した場合に、検出した全てのRFIDタグMaに対して感熱記録媒体Mに本来記録する画像等の情報(表面印刷画像情報)に関するデータを書き込む旨を指令する「書込情報」をリーダライタ7に送信する(ステップS4C)。制御部9から書込情報を受信したリーダライタ7は、検出した全てのRFIDタグMaに対して、感熱記録媒体Mに次に記録する表面印刷画像情報に関するデータを書き込む。この時点で、リーダライタ7の検出範囲内に存在する全てのRFIDタグMaには同じ表面印刷画像情報に関するデータが書き込まれることになる。
【0043】
一方、感熱記録媒体Mは、正常搬送状態であるか重送状態であるかを問わず、載置部61が最上昇位置(T)に到達した後、記録用送りローラ82で記録ユニット4に搬送され、記録用プラテンローラ42に押圧支持された状態で、記録ヘッド41により記録層Mbを加熱し、急冷することにより、感熱記録媒体Mの記録層Mbに、表面印刷画像情報に関するデータ、つまり表面印刷画像情報に対応するRFIDタグMaへの書き込みデータに基づく表面印刷画像情報が記録され(記録工程S5)、感熱記録媒体Mはその画像が目視可能な状態に発色した発色状態となる。そして、記録ユニット4は、制御部9から前述した「重送情報」を受信している場合、つまり重送状態である場合、記録ヘッド41に直接接し得る1枚目の感熱記録媒体Mに、重送情報に基づいてRFIDタグ検知数そのもの、すなわち感熱記録媒体Mの枚数を目視可能な状態に記録する。
【0044】
記録工程S5を経た感熱記録媒体Mは、排紙用送りローラ52により排紙部5の排紙口51から外部へ排出される(排出工程S6)。なお、排出された感熱記録媒体Mは排紙部5の排紙トレイ(図示省略)に積み重ねられる。また、重送判別工程S4で重送状態であると判定され、搬送部8が制御部9から搬送制御情報を受信した場合(ステップS4B)、搬送部8のうち、リーダライタ7よりも排紙口51側に配置される記録用送りローラ82及び排紙用送りローラ52の位置や感熱記録媒体Mに作用させる圧力が、搬送制御情報に含まれる搬送制御決定値に基づいて調整(変更)される。これにより、重送状態にある感熱記録媒体Mがリライタブルプリンタ1内でジャムを起こすことなく排出口51から外部へスムーズに排出される。なお、重送判別工程S4において、RFIDタグ検知数情報に示されているRFIDタグ検知数が2未満であり、正常搬送状態であると判定された場合、記録ユニット4及び搬送部8は制御部9から上述した「重送情報」や「搬送制御情報」を受信することなく、通常の作動状態が維持され、感熱記録媒体Mは記録工程S4を経て排紙工程S5で排紙口51から外部へ排出される。
【0045】
したがって、感熱記録媒体Mが排出された場合、正常搬送状態で処理された感熱記録媒体Mには表面印刷画像情報が記録されている一方、重送状態で処理された感熱記録媒体Mのうち1枚目の感熱記録媒体Mには、表面印刷画像情報に加えて、RFIDタグ検知数そのもの、すなわち感熱記録媒体Mの枚数が記録されているため、オペレータは、1枚目の感熱記録媒体Mに表示されている感熱記録媒体Mの枚数を確認することにより、重送状態で排出されている点、及び何枚重なっているのかという点を瞬時且つ容易に把握することができる。しかも、表面印刷画像情報と共に感熱記録媒体Mの枚数が表示された感熱記録媒体Mであっても、その状態での使用に差し支えなければそのまま使用することができ、再度リライタブルプリンタ1内での消去工程等を経ることにより再利用することが可能である。
【0046】
このように、本実施形態に係るリライタブルプリンタ1は、リーダライタ7の検知範囲内に複数のRFIDタグMaが存在する場合であっても、リーダライタ7がRFIDタグMaの通信ステータスをリーダライタ7からの所定コマンド(Queryコマンド、QueryRepコマンド)に対して応答するReady状態(応答可能ステータス)からリーダライタ7に応答した後にリーダライタ7との通信を一時的に保留するStandby状態(通信保留ステータス)へ順次遷移させることにより、複数のRFIDタグMaとリーダライタ7との通信が相互に衝突する事態を回避することができるとともに、同一のRFIDタグMaがリーダライタ7に複数回応答することがなく、リーダライタ7が通信ステータスを遷移させたRFIDタグMaの数を順次検知することにより検知範囲内に存在するRFIDタグMaの数を正確に把握することができる。そして、リーダライタ7が通信ステータスを遷移させたRFIDタグMaの数=RFIDタグ検知数をRFIDタグ検知数情報として制御部9に送信し、この制御部9において、RFIDタグ検知数情報に示されているRFIDタグ検知数が2以上であるか否かに基づいて、感熱記録媒体Mが正常搬送状態(1枚)であるか重送状態(2枚以上)であるかを適切に判別することができる。また、重送状態であっても重なっている感熱記録媒体Mの枚数は2,3枚であることが経験則上知られており、リーダライタ7の検知範囲内に存在するRFIDタグMaの数が例えば10以上になるというケースは極めて希であるため、リーダライタ7は、検知範囲内に存在する複数のRFIDタグMaと瞬時に一括して通信することができる。
【0047】
特に、制御部9が、判定部91において重送状態であると判定した場合に記録ユニット4に重送情報(本実施形態では、RFIDタグ検知数情報が示すRFIDタグ検知数そのものを示す情報)を送信し、記録ユニット4が、受信した重送情報に示されているRFIDタグ検知数を感熱記録媒体Mに記録するように構成しているため、排出後において感熱記録媒体Mが重送状態であるか否かを手触りに頼ることなく視覚を通じて簡単に把握することができる。したがって、予め画像等の情報が記録されている感熱記録媒体Mを再利用する場合であっても、重送状態で処理された感熱記録媒体Mであるか否かを容易且つ適切に判別することができる。しかも、本実施形態に係るリライタブルプリンタ1は、熱可逆的に発色及び消色可能なカットシート状の感熱記録媒体Mに対して画像等の情報の記録及び記録された情報の消去を行うものであるため、重送を検知した場合に感熱記録媒体MにRFIDタグ検知数情報に関する情報を印刷により表示させて記録したとしても当該リライタブルプリンタ1で再利用することが可能であり、次回の消去処理でRFIDタグ検知数情報に関する情報を消去することができる。これは、記録処理及び消去処理を繰り返し行うことが可能なリライタブルプリンタ1であるからこそ奏し得る効果であり、記録媒体に不可逆的に画像等の情報を印刷する一般的なプリンタにおいて、記録媒体にRFIDタグ検知数情報に関する情報を印刷により表示させて記録した場合には、RFIDタグ検知数情報に関する情報を当該プリンタで消去することは当然のことながら不可能であり、RFIDタグ検知数情報に関する情報を印刷により表示させて記録した当該記録媒体は、当該プリンタで再利用することができず無駄なものとなる。さらに、本実施形態に係るリライタブルプリンタ1であれば、重送を検知する度にその後の処理を停止して感熱記録媒体Mをリライタブルプリンタ1外へ排出する必要がなく、作業効率の低下を招来することもない。
【0048】
また、本実施形態に係るリライタブルプリンタ1は、制御部9が、搬送部3上における検知範囲内の感熱記録媒体Mが複数枚であると判断した場合に、表面印刷画像情報に関するデータを検知範囲内の全てのRFIDタグMaに対して書き込むようにリーダライタ7に指令し、リーダライタ7が検知範囲内の全てのRFIDタグMaに対して表面印刷画像情報に関するデータを書き込み、記録ユニット4が、制御部9から送信された「RFIDタグ検知数情報に関する情報」と表面印刷画像情報に関するデータに基づく「表面印刷画像情報」とを1枚目の感熱記録媒体Mに表示させて記録するように構成しているため、重送を検知した場合であっても、重送状態にある全ての感熱記録媒体Mを正常な処理を経ていないものとして画一的に扱うことなく、1枚目の感熱記録媒体Mは、使用に際して支障がなければその状態で使用することができる一方、2枚目以降の感熱記録媒体Mは、1枚目の感熱記録媒体にRFIDタグ検知数情報に関する情報が記録されていることから正常な処理を経ていないものとして扱うことができる。なお、リーダライタ7が、制御部9からの指令により検知範囲内の全てのRFIDタグに対して同じ表面印刷画像情報に関するデータを画一的に書き込むように構成しているのは、重送を検知する際、感熱記録媒体Mが何枚重なっているのかについては特定できる一方で、各感熱記録媒体Mに付帯させたRFIDタグMaのうち1枚目の感熱記録媒体MのRFIDタグが何番目に通信保留ステータス(Standby状態)に遷移するのかについては判別することが困難であり、1枚目の感熱記録媒体Mに付帯させたRFIDタグMaに、表面印刷画像情報に関するデータ、すなわち表面印刷画像情報に対応するRFIDタグMaへの書き込みデータを確実に記録させる(書き込む)ことによって、1枚目の感熱記録媒体Mが、この感熱記録媒体Mに付帯させたRFIDタグMaに書き込んだ表面印刷画像情報に関するデータに基づく「表面印刷画像情報」を表示させて記録することが可能な状態となり、この1枚目の感熱記録媒体Mを、廃棄したり又はほぼ白紙の状態でリライタブルプリンタ1外へ排出することなく、RFIDタグMaに書き込んだ表面印刷画像情報に関するデータに基づく「表面印刷画像情報」を表示させて有効なものとして使用することができるようにするためである。
【0049】
さらに、制御部9が、判定部91において重送状態であると判定した場合に搬送部8に搬送制御情報を搬送部8に送信し、搬送部8のうちリーダライタ7よりも排紙口51側において感熱記録媒体Mを厚み方向に挟む位置に対向配置した記録用送りローラ82、排紙用送りローラ52の圧力や記録用送りローラ82同士の離間寸法、排紙用送りローラ52同士の離間寸法を搬送制御情報に基づいて調整するように構成しているため、感熱記録媒体Mの枚数に応じた適切な搬送制御を行うことができ、重送状態にある感熱記録媒体Mをスムーズに搬送することができる。そして、本実施形態のリライタブルプリンタ9は、感熱記録媒体Mが重送状態であっても、感熱記録媒体Mの枚数に応じた適切な搬送制御を行い、正常搬送状態の場合と同様に排紙口51から重送状態にある複数の感熱記録媒体Mを排紙することが可能であるため、重送が発生した場合にリライタブルプリンタ1の作動状態を一旦停止して感熱記録媒体Mを機外へ強制的に取り出した後、再びリライタブルプリンタを作動状態にするという手間が不要となり、重送が発生してもリライタブルプリンタ全体の処理スピード低下を招来せず、好適である。
【0050】
しかも、リライタブルプリンタ1における搬送部8が、感熱記録媒体Mを一定の搬送姿勢(具体的には水平姿勢)に維持した状態で給紙口21から排紙口51まで搬送するものであるため、感熱記録媒体Mが重送状態であってもリライタブルプリンタ1内でジャムが生じ難く、感熱記録媒体Mの無駄な廃棄を防止することができる。
【0051】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、上述した実施形態では、「RFIDタグ検知数情報」として、「リーダライタが検知したRFIDタグの数そのものを示す情報」をリーダライタが制御部に送信する態様を例示したが、「RFIDタグ検知数情報」が、「リーダライタが検知したRFIDタグの数に基づいて任意に処理された文字や記号等の情報」であってもよく、或いは「ステータスを遷移させたRFIDタグの数そのものを示す情報でありリーダライタが検知したRFIDタグの数を示唆する文字や記号等の情報」であっても構わない。
【0052】
また、「RFIDタグ検知数情報に関する情報」(前記実施形態における「重送情報」や「搬送制御情報」)が、「RFIDタグ検知数情報に基づいて任意に処理された文字や記号等の情報」、或いは「RFIDタグ検知数情報に基づいて重送状態である旨を示す文字や記号等の情報」であってもよい。例えば、記録ユニットが、制御部から「RFIDタグ検知数情報に関する情報」として「RFIDタグ検知数情報に基づいて重送状態である旨を示す文字や記号等の情報」を受信した場合に、「RFIDタグ検知数情報に関する情報」に基づいて感熱記録媒体に重送状態である旨を示す文字や記号を記録するようにしても、ユーザは重送の発生を容易に把握することができる。
【0053】
また、記録対象物である感熱記録媒体が1枚につき複数のRFIDタグを付帯させたものである場合、制御部がリーダライタから受信したRFIDタグ検知数情報と、感熱記録媒体1枚当たりに付帯させたRFIDタグの数と比較することにより感熱記録媒体が1枚であるか複数枚であるかを判断するようにすればよい。
【0054】
また、制御部が、RFIDタグ検知数情報を消去ユニット、記録ユニット、搬送部、及びリーダライタ以外であるリラタブルプリンタの内部構成要素又はリラタブルプリンタとは別体の装置に送信するものであっても構わない。リラタブルプリンタの内部構成要素としては、表示画面(ディスプレイ)やサウンド装置、警告灯が挙げられ、制御部が重送状態であると判別した場合に、表示画面にその旨を表示させたり、サウンド装置により警報音を発生させる、或いは警告灯を点滅/点灯させることにより、重送の発生をユーザに簡単に知らせることができる。リラタブルプリンタとは別体の装置としては、リライタブルプリンタに有線又は無線で通信可能に接続したコンピュータが挙げられる。そして制御部が重送状態であると判別した場合に、コンピュータの表示画面にその旨を表示させる、或いはサウンド装置により警報音を発生させる、警告灯を点滅/点灯させるようにすればよい。
【0055】
また、制御部が重送状態であると判定した場合は、記録ユニットによりRFIDタグ検知数情報に関する情報(重送情報)だけを感熱記録媒体に記録し、表面印刷画像情報については記録しない(表示させない)リライタブルプリンタとしても構わない。
【0056】
リーダライタを取り付ける位置(リーダライタセッティング位置)は、搬送部によって搬送される感熱記録媒体に付帯させたRFIDタグに対してデータの読み書きが可能な位置であれば特に限定されず、例えば、上述した実施形態における載置部の底面に配置してもよい。この場合、載置部に載置された感熱記録媒体のRFIDタグと、載置部の底面に配置したリーダライタとの距離が適切な通信距離であることが条件となるが、感熱記録媒体が載置部に載置された時点でリーダライタとRFIDタグとの適切なデータ通信を行わせることができる。また、水平姿勢に維持された状態で搬送される感熱記録媒体に対して上方からデータ通信し得る位置にリーダライタを取り付けてもよい。
【0057】
また、消去ユニットと記録ユニットとを水平方向に並べて配置した態様であっても構わない。
【0058】
感熱記録媒体として、RFIDタグ内蔵型に代えてRFIDタグを貼り付けたタイプを適用しても構わない。
【0059】
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0060】
1…情報記録装置(リライタブルプリンタ)
3…消去ユニット
4…記録ユニット
7…リーダライタ
8…搬送部
9…制御部
M…感熱記録媒体
Ma…RFIDタグ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
RFIDタグを付帯し、且つ熱可逆的に発色及び消色可能なカットシート状の感熱記録媒体に対して、画像等の情報の記録及び記録された情報の消去を行う情報記録装置であって、
給紙口側に配され、前記感熱記録媒体に記録された情報を消去する消去ユニットと、
排紙口側に配され、前記感熱記録媒体に情報を表示させて記録する記録ユニットと、
前記給紙口から前記排紙口に亘って前記感熱記録媒体を搬送する搬送部と、
当該搬送部によって搬送される前記感熱記録媒体に付帯させた前記RFIDタグに対してデータの読み書きが可能なリーダライタと、
前記消去ユニット、前記記録ユニット、前記搬送部、及び前記リーダライタの作動を制御する制御部とを具備してなり、
前記リーダライタが、前記搬送部上における検知範囲内のRFIDタグに対して通信ステータスを前記リーダライタからの所定コマンドに対して応答し得る応答可能ステータスから前記リーダライタに応答した後にリーダライタとの通信を一時的に保留する通信保留ステータスに順次遷移させ、前記通信ステータスを遷移させたRFIDタグの数を、前記リーダライタが検知したRFIDタグの数に関する情報であるRFIDタグ検知数情報として前記制御部に送信するものであり、
前記制御部が、前記リーダライタから受信した前記RFIDタグ検知数情報に基づいて、前記搬送部上における検知範囲内の前記感熱記録媒体が1枚であるか複数枚であるかを判断するものであり、且つ、前記搬送部上における検知範囲内の前記感熱記録媒体が複数枚であると判断した場合に前記RFIDタグ検知数情報に関する情報を前記記録ユニットに送信するものであり、
前記記録ユニットが、前記制御部から送信された前記RFIDタグ検知数情報に関する情報を前記感熱記録媒体に表示させて記録するものであることを特徴とする情報記録装置。
【請求項2】
前記リーダライタが、前記制御部において前記搬送部上における検知範囲内の前記感熱記録媒体が複数枚であると判断した場合に、前記感熱記録媒体に本来記録すべき画像等の情報である前記表面印刷画像情報に関するデータを検知範囲内の全てのRFIDタグに対して書き込むものであり、
前記記録ユニットが、前記制御部から送信された前記RFIDタグ検知数情報に関する情報、及び前記RFIDタグに書き込まれた前記表面印刷画像情報に関するデータに基づく表面印刷画像情報を1枚目の前記感熱記録媒体に表示させて記録するものである請求項1に記載の情報記録装置。
【請求項3】
前記制御部が、前記搬送部上における検知範囲内の前記感熱記録媒体が複数枚であると判断した場合に、前記RFIDタグ検知数情報に関する情報を前記消去ユニット、前記記録ユニット、前記搬送部、及び前記リーダライタ以外の当該情報記録装置の内部構成要素又は当該情報記録装置とは別体の装置に送信するものである請求項1又は2の何れかに記載の情報記録装置。
【請求項4】
前記搬送部が前記リーダライタよりも排紙口側において前記感熱記録媒体を厚み方向に挟む位置に対向配置した送りローラを少なくとも備えたものであり、前記制御部が、前記搬送部上における検知範囲内の前記感熱記録媒体が複数枚であると判断した場合に、前記RFIDタグ検知数情報に基づいて、前記感熱記録媒体に作用させる前記送りローラの圧力又は送りローラ同士の離間寸法を指令するものである請求項1乃至3の何れかに記載の情報記録装置。
【請求項5】
前記搬送部が、前記感熱記録媒体を、一定の搬送姿勢に維持した状態で搬送するものである請求項1乃至4の何れかに記載の情報記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−167613(P2010−167613A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−10671(P2009−10671)
【出願日】平成21年1月21日(2009.1.21)
【出願人】(000002059)シンフォニアテクノロジー株式会社 (1,111)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】