説明

情報読取出力装置

【課題】 1つのコード情報と複数のコンテンツとを関係付け、ユーザが所望するコンテンツを選択して出力装置に出力させる。
【解決手段】 本発明のボイスレコーダ1は、たとえば、オンオフスイッチ9がオンされて英語学習帳の文字領域「英語1」からドットパターンを読み取った際、読み込んだ画像の解析処理を実行してコード情報を出力し、入力されたコード情報を用いて参照し、モード1に対応するコンテンツとして英語の先生の音声をスピーカ3から出力する。モード2の場合は、同一コード情報の入力で学習者の録音した音声を出力し、モード3の場合は、同一コード情報の入力で英語の先生の音声と学習者の録音した音声とを同時再生する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷物等に形成されたドットパターン情報を光学的に読み取り、このドットパターン情報からコード情報に変換して複数のコンテンツを出力させる情報読取出力装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、印刷物等に印刷された2次元コードを読み取り、この2次元コードに対応する音声等の情報をメモリから読み出して出力させる情報読取出力装置がある。たとえば、あらかじめ記憶手段に与えられたキー情報に一致する情報を記憶させておき、コードリーダにより読み込まれたキーから検索して情報等を出力する方法が提案されている(たとえば、特許文献1)。また、多彩な音声情報を出力できるように、微細なドットを所定の法則で並べたドットコード(ドットパターン)を生成し、印刷物等に印刷したドットコード(ドットパターン)をカメラにより画像データとして取り込み、デジタル化して音声情報を出力させる技術も提案されている(たとえば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−41192号公報
【特許文献2】特開2002−366180号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来の2次元コードにより音声等を出力させる方法は、印刷物等に印刷された2次元コードが目障りであるという問題を有していた。また、2次元コードが大きく、紙面の一部を占有するため、このように2次元コードが大きいと、一部分の文章やセンテンスまたは、写真、絵、グラフィックの画像の中に登場する意味を有するキャラクタや対象物毎に分り易く数多くの2次元コードを割り当てることはレイアウト上不可能であるという問題を有していた。
【0005】
さらには、2次元コードに割り当てられた音声は固定的なものであり、同一の2次元コードを読み取った場合には常に同一の音声情報しか出力できなかった。これは、1つのコードリーダを用いて、1つの印刷物等から出力できる情報の数が、コードリーダの読み取り領域面積、2次元コードの印刷領域の面積、印刷物等の印刷可能面積等の制約を受けることとなるのと同義である。例えば、上記の制約により1つの印刷物に印刷できる2次元コードの数が10個に限られるとすれば、この1つの印刷物から1つのコードリーダにより出力できる情報の数も10個に制限されることとなる。また、音声だけでなくテキスト、映像、URL、マルチメディア等や各種命令からなる複数のコンテンツを出力することもできなかった。
【0006】
本発明は、かかる問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、1つのコード情報に複数のコンテンツを関係付け、ユーザが所望するコンテンツを出力できる仕組みを提案することにより、1つのコード情報に複数のコンテンツを関連付け、テキスト、音声、映像、URL、マルチメディア等や各種命令からなる複数のコンテンツを自動的にまたは任意に選択して出力装置に出力させることが可能な情報読取出力装置を提供することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明にかかる情報読取出力装置は、前記課題を解決するために以下の手段を採用した。
【0008】
本発明にかかる情報読取出力装置は、複数のコンテンツを記憶する記憶手段と、コンテンツIDおよび複数のサブコードからなるコンテンツコードと、コンテンツIDおよび出力モードと対応するモードコードと、のいずれかのコード情報が定義されたドットパターンを、該ドットパターンが予め印刷された媒体面より光学的に読み取る読取手段と、光学的に読み取られたドットパターンをコード情報であるコンテンツコードまたはモードコードに変換する変換手段と、該コンテンツIDと該出力モードとが対応付けて登録された出力モードリンクテーブルと、該ドットパターンがコンテンツコードに変換されたときは該コンテンツIDを参照し、該出力モードリンクテーブルに対応付けて登録された出力モードに基づいて、該複数のサブコードの1つを選択して、該サブコードと対応するコンテンツを所定の出力装置に出力する制御を行なう制御手段と、該ドットパターンがモードコードに変換されたときは、該コンテンツIDと出力モードとを対応付けて該出力モードリンクテーブルに登録するモード設定・切替手段と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
上記の特徴によれば、本発明にかかる情報読取出力装置は、複数のコンテンツに同じ1つのコンテンツコードが関係付けられていても、出力モードの設定・切替により1つのコンテンツを選択して出力できるため、1つの媒体から出力できるコンテンツの数が、1つの媒体面上に印刷できるドットパターンの数の制約を受けずにすむ。さらに、出力モードの設定・切替はコンテンツID毎に行なうことが可能である。
【0010】
本発明にかかる情報読取出力装置は、1つのコンテンツコードと、テキスト、音声、映像、URL、マルチメディア等および/または各種命令からなる複数のコンテンツと、該複数のコンテンツと対応する出力モードと、が関係付けられて登録されるリンクテーブルと、前記複数のコンテンツを記憶する記憶手段と、予め媒体面に印刷されたドットパターンを光学的に読み取る読取手段と、光学的に読み取られたドットパターンをコンテンツコードまたはモードコードの、いずれかのコード情報に変換する変換手段と、該モードコードに基づいて出力モードを設定・切替して、記憶するモード設定・切替手段と、該コンテンツコードに関係付けられた該リンクテーブルを読み出し、該リンクテーブルに登録された複数のコンテンツから少なくとも1つのコンテンツを該モード設定・切替手段が記憶した該出力モードに基づいて選択して、所定の出力装置に出力する制御を行う制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
上記の特徴によれば、本発明にかかる情報読取出力装置は、複数のコンテンツに同じ1つのコンテンツコードが関係付けられていても、出力モードの設定・切替により1つのコンテンツを選択して出力できるため、1つの媒体から出力できるコンテンツの数が、1つの媒体面上に印刷できるドットパターンの数の制約を受けずにすむ。
【0012】
前記変換手段は、さらに前記読取手段により読み取られた前記ドットパターンを座標情報に変換し、前記リンクテーブルには、前記コンテンツコードに代えて所定座標情報が前記複数のコンテンツと関係付けられて登録されており、前記制御手段は、さらに該座標情報から所定距離内で最も近い位置の、前記リンクテーブルに登録された前記所定座標情報を検索し、該所定座標情報に関係付けられた該複数のコンテンツから、少なくとも1つのコンテンツを該モード設定・切替手段が記憶した該出力モードに基づいて選択し、該コンテンツの出力を制御することが好ましい。
【0013】
前記リンクテーブルおよび/または前記記憶手段は、ネットワーク上の所定のサーバに設定されることが好ましい。
【0014】
前記リンクテーブルには、前記1つのコンテンツコード毎に、前記複数のコンテンツの登録順位、あいうえお順位、ABC順位、または所定の方法によりコンテンツの内容・属性をモードとして区別した順位で記憶する第一のサブテーブルを備え、該複数のコンテンツが該第一のサブテーブルにおいて前記各順位のいずれかの順位により割り振られて登録され、前記変換手段は、さらに前記読取手段により読み取られた前記ドットパターンを順位コードに変換し、前記制御手段は、前記モード設定・切替手段が記憶した前記出力モードに代えて、該順位コードに基づいて該サブテーブルから1つの順位を選択して、該選択された1つの順位に基づいて該複数のコンテンツを出力する順位をさらに制御することが好ましい。
【0015】
前記リンクテーブルは、出力時間または所定の経過時間により前記複数のコンテンツが割り振られて登録された第二のサブテーブルをさらに備え、前記制御手段は、前記読取手段がドットパターンの読み取った読取時間または所定の読取経過時間を計測する計時手段を備え、該読取時間または所定の読取経過時間と、該第二のサブテーブルの出力時間または所定の経過時間とを照合することにより、該第二のサブテーブルに割り振られたコンテンツを少なくとも1つ選択して、出力を制御することが好ましい。
前記リンクテーブルは、前記1つのコード情報が複数のサブコードに分割され、前記複数のコンテンツは該複数のサブコードにそれぞれ関係付けられて登録された第三のサブテーブルをさらに備え、前記制御手段は、前記出力モード、または該第三のサブテーブルを参照して該複数のコンテンツの選択画面を表示手段に出力し、ユーザからの指示を受け付ける入力手段により入力された指示のいずれかに基づいて該第三のサブテーブルから該1つのサブコードに対応する少なくとも1つのコンテンツを選択して所定の出力装置に出力する制御を行うことが好ましい。
【0016】
前記制御手段は、少なくとも2以上のコンテンツの同時出力を制御することが好ましい。
【0017】
前記リンクテーブルは、複数のコンテンツの出力する順序を指示する、コンテンツの出力命令情報が、前記各種命令の1つとして前記コンテンツコードおよび出力モードとさらに関係付けられて登録されており、前記制御手段は、該出力命令情報に基づいて、複数のコンテンツの出力する順序により所定の出力装置に出力する制御を行うことが好ましい。 前記モード設定・切替手段は、前記モードコードに代えて、ユーザからの指示を受け付ける入力手段により入力された指示に基づいて出力モードを設定・切替して、記憶することが好ましい。
【0018】
前記記憶手段は、ユーザからの指示を受け付ける入力手段により入力されたテキスト、音声、映像、URL、マルチメディア等および/または各種命令を新たなコンテンツとして記憶し、前記情報読取出力装置は、該新たなコンテンツを、該記憶手段による該新たなコンテンツの記憶に前後して前記読取手段により読み取られたドットパターンを前記変換手段が変換した1つのコンテンツコード、および出力モードに関係付けて前記リンクテーブルに新たに登録するリンク手段をさらに備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、1つのコード情報と複数のコンテンツとを関係付け、ユーザが所望するコンテンツを出力できる仕組みを提案することにより、1つのコード情報に複数のコンテンツを関連付けてテキスト、音声、映像、URL、マルチメディア等や各種命令からなる複数のコンテンツを選択して出力装置に出力させることが可能な情報読取出力装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本実施形態に係るボイスレコーダの外観構成を示す図。
【図2】ボイスレコーダの回路構成を示す図。
【図3】ドットパターンを説明するための図。
【図4】ドットパターンを説明するための図。
【図5】ドットパターンを説明するための図。
【図6】ドットパターンを説明するための図。
【図7】ドットパターンを説明するための図。
【図8】ドットパターンを説明するための図。
【図9】モードを切り替えるためのテーブル1を示す図。
【図10】コード情報と音声情報の関係を示すテーブル2を示す図。
【図11】ドットパターンを重畳印刷した媒体例を示す図。
【図12】ボイスレコーダを用いた読み込み動作を説明するためのフローチャート。
【図13】1つのコンテンツコードに複数のモードをリンクさせたテーブルを示す図。
【図14】英語学習帳を示す図。
【図15】本発明の他の実施例に係るスキャナとコンピュータのシステム構成を示すブロック図。
【図16】1つのコンテンツコードに複数のコンテンツをリンクさせたリンクテーブルを示す図。
【図17】スキャナにより読み取る出力指示ボードを示す図。
【図18】地図(媒体)の表面印刷状態を示す図。
【図19】座標情報リンクテーブルの構成例を示す図。
【図20】サブテーブルの構成例を示す図。
【図21】コード情報を分割して複数のコンテンツコードにし、各々のコードにコンテンツをリンクさせる構成を説明するための図。
【図22】コンテンツとコンテンツコードをリンクする方法を説明するための図。
【図23】コンテンツとコンテンツコードをリンクする方法を説明するための図。
【図24】コンテンツとコンテンツコードをリンクする方法を説明するための図。
【図25】出力モードをコンテンツコード毎に個別に切り替える方法を説明するための図。
【図26】出力モードをコンテンツコード毎に個別に切り替える方法を説明するための図。
【図27】コンテンツIDと出力モードとの対応付けを新規に登録するためのコードのフォーマットを説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、本発明のスキャナを一体化したボイスレコーダ(情報読取出力装置)1の外観構成を示すものである。
【0022】
図1の(a)はボイスレコーダ1の側面を示すものであり、先端(図上で上端)にセンサユニット2が内蔵され、詳しくは後述するがドットパターンを読み取ることができる。また、ボイスレコーダ1の側面にはスピーカ3が設けられ、コンテンツ情報の表示や音声出力ができるようになっている。
【0023】
図1の(b)はボイスレコーダ1の正面(操作面)を示すものであり、スキャンボタン4、録音ボタン5、ボリューム6、モード設定切替ボタン7、LED8、オンオフスイッチ9、マイク10、およびカード挿入口11がそれぞれ配置されている。
【0024】
スキャンボタン4は、ドットパターンが印刷された絵本、写真、雑誌等からドットパターンの読み取り、またはコンテンツのリンクの際に押下されるボタンである。
【0025】
録音ボタン5は、音声を録音する際に押下されるボタンである。
【0026】
ボリューム6は、音声情報を出力する際に音量を調整する。
【0027】
モード設定切替ボタン7は、モードの設定、またはモードの切り替えの際に押下されるボタンである。
【0028】
LED8は、ボイスレコーダ1の動作時に点灯(点滅)する。
【0029】
オンオフスイッチ9は、ボイスレコーダ1の電源のオン/オフを行うスイッチである。
【0030】
マイク10は、音声を録音するためのものである。
【0031】
カード挿入口11は、例えばメモリとしてのICチップを内蔵したメモリカード20が挿入されている。なお、メモリカード20には、信号ピン、電源ピンを構成する接触型の電極(図示しない)を有してボイスレコーダ1のコネクタ(図示しない)に接続される。なお、非接触の無線通信型のRFIDカードであってもよい。また、このようなメモリカード20の他、SDカード(商標名)、ミニSDカード(商標名)、メモリースティック(商標名)、メモリースティック・デュオ(商標名)等の規格型のメモリカードを用いるようにしてもよい。
【0032】
図2は、ボイスレコーダ1の回路構成の例を示すものである。
【0033】
まず、センサユニット2は、CMOS撮像素子(CMOSS)が配置されており、LED(IRLED)からの照射光をドットパターンの印刷面に照射し、その反射光が可視光フィルタ(図示せず)を介することによって赤外線領域のみの波長光として受光し、これがレンズを介してCMOS撮像素子によって撮影され、該撮影画像が中央処理装置(MPU)21によって解析され、解析結果のコード情報(32bitのドットコード)または座標情報として中央処理装置(MPU)22に送信される。
【0034】
なお、センサユニット2内には解析ソフトウエアがROM等に格納されており、中央処理装置21は、当該ROMから当該ソフトウエアを読み込むことによって撮影画像の解析処理(ドットパターンを認識し、コード情報、XY座標値に変換する処理)を実行する。
【0035】
中央処理装置22は、音声情報を再生する際、デジタル音声情報をメモリカード(記憶手段)20からコネクタを介して読み込み、圧縮回路により逆圧縮(展開)し、A/Dコンバータによりアナログ情報に変換してアンプ(AMP)を介してスピーカ3から出力する。なお、スピーカ3にはイヤホンやヘッドフォンで再生音を聴けるようにイヤホンジャックが設けられている。
【0036】
また、中央処理装置22の制御によって、マイク4から入力された音声情報は、アンプを介してA/Dコンバータ、圧縮回路によって処理され、デジタル音声情報として、コネクタを介してメモリカード20に記録される。
【0037】
なお、中央処理装置22は、上述したようにボリューム6とLED8とが接続され、それぞれを制御する。
【0038】
また、ボイスレコーダ1の駆動電流は、電池からDC−DCコンバータを介して、センサユニット2、中央処理装置22、圧縮回路、アンプ(AMP)に供給されるようになっている。
【0039】
上述したボイスレコーダ1によりドットパターンが印刷された媒体の読み込みについて説明する。
【0040】
媒体面のドットパターンはカーボンインクまたは赤外線を吸収するステルスインク(不可視インク)で印刷されており、ドットパターン以外の部分はノンカーボンインク等の赤外線を反射または透過する特性を有するインクにより印刷される。なお、透過性のインクを用いた場合は、透過した赤外線が媒体面で反射し、再度当該インクを透過してCMOS撮像素子により撮像される。
【0041】
このカーボンインクおよびステルスインク(不可視インク)は赤外線を吸収する特性を有しているため、前記CMOS撮像素子での撮像画像では、ドットの部分のみ反射光を得られないため黒く撮影されることになる。
【0042】
ここで、照射光については、本実施形態では赤外線を用いてカーボンインクおよびステルスインク(不可視インク)により印刷されたドットパターンを用いた場合で説明したが、照射光とインクの特性については、これに限らず、たとえば紫外線や特定の周波数を有する光線を用いて、紫外線を吸収する特性や、光特性が変化する特性を有するインクを用いてドットパターンを印刷してもよい。
【0043】
このようにして読み取ったドットパターンの撮像画像は、ボイスレコーダ1内の中央処理装置21で動作するドットパターンの解析プログラムによってコード情報(コード値)および/または座標値が求められる。
【0044】
なお、図示こそしないが、ボイスレコーダ1はドットパターンの読み取りのみならず、従来のボイスレコーダや音声プレーヤーに備えられているようなスクロールボタンを押すことで記憶されている音声ファイルを選択し、再生ボタンを押すことで選択した音声ファイルを再生することができるようにしてもよい。
【0045】
次に、媒体に印刷されるドットパターンとコード情報について説明する。
【0046】
図3はドットパターン101のキードット102、基準格子点ドット103および情報ドット104の配置の一例を示す拡大図である。図4はベクトル情報を表す情報ドット104と符号化を示す説明図である。
【0047】
ドットパターンを用いた情報入出力方法は、ドットパターン101の生成と、そのドットパターン101の認識と、このドットパターン101を解析し、情報およびプログラムを出力する方法とからなる。すなわち、中央処理装置21は、ドットパターン101をセンサユニット2のCMOS撮像素子により撮影画像として取り込み、解析ソフトに基づいて基準格子点ドット103を抽出し、次に本来基準格子点ドット103があるべき位置にドットが配置されず、所定の方向にずれた位置にドットが配置されていることによってキードット102を抽出し、1ブロック分のドットパターン101と、その方向を特定する。
【0048】
続いて中央処理装置21は、4つの基準格子点ドット103またはキードット102に囲まれた情報ドット104を抽出して所定のアルゴリズムにより符号化し、1ブロック分のドットパターン101における情報ドット104の配置により、各情報ドット104の集合から所定のコード値および/または座標値に復号し、このコード値および/または座標値を中央処理装置12へ送出する。
【0049】
ドットパターン101の生成は、ドットコード生成アルゴリズムにより、符号化するためのベクトル情報を認識させるために微細なドット、すなわち、少なくとも1個のキードット102と、基準格子点ドット103および情報ドット104を所定の規則に則って配列する。
【0050】
図3に示すように、ドットパターン101のブロックは、5×5の基準格子点ドット103を配置し、4点の基準格子点ドット103または基準格子点に囲まれた仮想中心点105の周囲にベクトル情報を表す情報ドット104を配置する。
【0051】
なお、ブロックの配置・構成は、キードット102によって定められる。本実施形態の場合、当該キードット102はブロックの1コーナーの基準格子点上にはドットを配置せずに、そこから所定方向にずらしてドットを配置したものであり、ブロックの大きさを確定するとともに、当該ブロック、すなわちドットパターン101の方向を定義している。このブロックには任意の数値情報が定義される。
【0052】
なお、図3の図示例では、ドットパターン101のブロック(太線枠内)を4個並列させた状態を示している。ただし、ドットパターン101は4ブロックに限定されないことは勿論である。なお、キードット102は、前記ブロックのコーナーに限らず、ブロック内またはブロック外のいかなる位置に配置してもよい。
【0053】
センサユニット2でこのドットパターン101を画像データとして取り込む際、ドットコード解析アルゴリズムは、そのセンサユニット2のレンズの歪みや斜めからの撮像、紙面の伸縮、媒体表面の湾曲、印刷時の基準格子点ドット103の配置の歪みを矯正することができる。
【0054】
具体的には歪んだ4点の基準格子点ドット103を元の正方形または矩形に変換する補正用の関数(Xn,Yn)=f(Xn’,Yn’)を求め、その同一の関数で情報ドット104を補正して、正しい情報ドット104の位置からベクトル情報を求める。
【0055】
情報ドット104は種々のベクトル情報を認識させるドットである。この情報ドット104は、キードット102で構成される1ブロック分のドットパターン101内に配置すると共に、4点の基準格子点ドット103で囲まれた仮想中心点105にして、これを始点としてベクトルにより表現した終点に配置したものである。
【0056】
たとえば、この情報ドット104は、4点の基準格子点ドット103または基準格子点に囲まれ、図4の(a)に示すように、その仮想中心点105から離れたドットは、ベクトルで表現される方向と長さを有するために、時計方向に45度ずつ回転させて8方向に配置し、3ビットに符号化する。したがって、1ブロックのドットパターン101で3ビット×16個=48ビットを表現することができる。
【0057】
図4の(b)は、図3のドットパターン101において、1個の情報ドット104毎に2ビットに符号化する方法であり、+方向および×方向にドットをずらして各2ビットに符号化し、2ビット×16個=32ビットを表現している。これにより、1ブロック分のドットパターン101で、本来48ビットの数値情報を定義できるが、用途によって分割して32ビット毎に数値情報を与えることができる。+方向および×方向の組み合わせによって最大216(約65000)通りの情報ドットの配置パターンが実現できる。
【0058】
なお、これに限定されずに、16方向に配置して4ビットを符号化することも可能であり、種々の方向に配置し、符号化を変更できることは勿論である。
【0059】
キードット102、基準格子点ドット103および情報ドット104のドットの径は、見栄えと、紙質、印刷の精度、センサユニット3の解像度および最適なデジタル化を考慮して、0.03〜0.06mm程度の範囲にあることが望ましい。
【0060】
また、撮像面積に対する必要な情報量と、各種ドット102,103,104の誤認を考慮して基準格子点ドット103の間隔は縦・横それぞれ、0.3〜0.6mm程度の範囲にあることが望ましい。基準格子点ドット103および情報ドット104との誤認を考慮して、キードット102のずれは格子間隔の20%前後が望ましい。
【0061】
この情報ドット104と、4点の基準格子点ドット103で囲まれた仮想中心点105との間隔は、隣接する基準格子点ドット103と仮想中心点105間の距離の15〜30%程度の間隔であることが望ましい。情報ドット104と仮想中心点105間の距離がこの間隔より大きいと、基準格子点ドット103と情報ドット104が塊として視認されやすく、ドットパターン101が模様として見苦しく見えるからである。
【0062】
逆に、情報ドット104と仮想中心点105間の距離がこの間隔より小さいと、仮想中心点105を中心にしてベクトル情報を持たせた情報ドット104がどの方向に位置しているかの認識が困難になるためである。
【0063】
図3に示すように、1個のドットパターン101は、4×4個のブロック領域で構成されたドットパターン101であり、各ブロック内には2ビットの情報ドット104が配置されている。
【0064】
図5は、情報ドット104の集合を構成する1ブロック分のドットパターン101のドットコードフォーマットを示すものである。
【0065】
図5の(a)に示すように、1個のドットパターン101中には、パリティチェック、コード値が記録されている。
【0066】
図5の(b)は、パリティチェック、コード値、XY座標値が記録されている。なお、ドットコードフォーマットは任意に定めることができる。
【0067】
図6は、ベクトル情報を持たせた情報ドット104と、その符号化の他の形態を示す例である。この事例のように、情報ドット104について基準格子点ドット103または基準格子点で囲まれた仮想中心点105から長・短の2種類を使用し、ベクトル方向を8方向とすると、4ビットを符号化することができる。このとき、長い方が隣接する仮想中心点105間の距離の25〜30%程度、短い方は同じく15〜20%程度が望ましい。ただし、誤認しないよう、長・短の情報ドット104の中心間隔は、これらの情報ドット104の径より長くなることが望ましい。
【0068】
4点の基準格子点ドット103または基準格子点で囲まれた情報ドット104が複数あると、隣接するドットが塊として視認されやすく模様が発生するため、見栄えを考慮し1ドットが望ましい。しかし、見栄えを無視し、情報量を多くしたい場合は、1ベクトル毎に、1ビットを符号化し、情報ドット104を複数のドットで表現することにより、多量の情報を有することができる。
【0069】
たとえば、同心円8方向の8ベクトルでは、4点の基準格子点ドット103または基準格子点で囲まれた情報ドット104が0〜8個で8ビットが符号化でき、同心2重円8方向の16ベクトルでは、1ブロックの情報ドット104が0〜16個で16ビットが符号化できる。
【0070】
図7は、同心2重円8方向の16ベクトルの情報ドット104と符号化の例であり、(a)は情報ドット104を2個、(b)は情報ドット104を4個、および(c)は情報ドット104を5個配置したものを示すものである。
【0071】
図8はドットパターン101の変形例を示すものであり、(a)は情報ドット104を囲む4点の基準格子点ドット103または基準格子点からなる正方形または矩形領域を6個配置型、(b)は前記領域を9個配置型、(c)は前記領域を12個配置型、(d)は前記領域を36個配置型の概略図である。これらの1ブロック分のドットパターンは、1個もしくは任意の領域内で上下・左右に繰り返し配置される。ブロックには任意の数値情報が定義されるが、XY座標値が定義される場合は、XY座標方向に配置されたブロックには1ずつ増分したXY座標値が記録される。
【0072】
図3に示すドットパターン101は、1ブロックに16個(4×4)の情報ドット104を配置した例を示している。しかし、この情報ドット104は1ブロックに16個配置することに限定されずに、図7〜8に示すように、情報ドット104を囲む4点の基準格子点ドット103または基準格子点からなる領域、および当該領域で定義される情報ドット104の符号化を種々変更することができる。
【0073】
本発明においては、コード情報は、第一にテキスト、音声、映像,URL、マルチメディア等や各種命令からなる複数のコンテンツと対応するものとして定義されたコンテンツコードとして用いられる。
【0074】
コード情報は、第二に、出力モードを切り替えるためのモードコードとして用いられる。ここで、出力モードとは、本発明において、コンテンツコードに割り当てられた複数のコンテンツのうち、少なくとも1つを選択して出力するために必要な処理の総称を意味する。
【0075】
コード情報は、第三に、ドットパターンが印刷された領域におけるXY座標値を意味する座標情報として用いられる。
【0076】
コード情報は、第四に、複数のコンテンツの登録順、あいうえお順位、ABC順位、または所定の方法によりコンテンツの内容・属性をモードとして区別した順位のいずれかの順位を登録するサブテーブルにおいて、複数のコンテンツの出力の順位を指示する順位コードを意味する(詳細は後述する)。
【0077】
図9、図10は、メモリカード20に予め記憶されているコード情報(詳しくは後述する)を用いて音声情報を読み出すテーブルを示すものである。
【0078】
図9はモード設定用のテーブル1を示すもので、ボイスレコーダ1によりモードコード「110000」が読み込まれると、出力モードがモード1からモード2に切り替わり、もう1度モードコード「110000」が読み込まれるとモード2からモード1に切り替わるというように、モードコード「110000」を読み込む毎にモード1とモード2の設定が繰り返される(トグル動作)。モードの設定が行われると、設定状態は記憶される。
【0079】
図10はコンテンツ選択用のテーブル2を示すものであり、出力モード1においては音声情報の言語が日本語になる。例えば、入力されたコード情報が「110001」では日本語により「おはようございます」と音声出力され、入力されたコード情報が「110002」では日本語により「こんにちは」と音声出力される。
【0080】
一方、出力モード2では音声情報の言語が英語になる。例えば、入力されたコード情報が「110001」では英語により「Good morning」と音声出力され、入力されたコード情報が「110002」では英語により「Hello」と音声出力される。
【0081】
すなわち、同一のコンテンツコードを読み込んでも、出力モードを設定・切替することにより出力するコンテンツを選択することが可能となる。
【0082】
図11は媒体に印刷された例を示すもので、文字領域に文字に対応するコード情報を意味するドットパターンが重畳印刷されたものである。ドットパターンは肉眼では見ることができないのでドットパターンは図示できないが、同図中の「言語切替」と印刷された領域にはモードコードを意味するドットパターンが重畳印刷され、同図中の「おはようございます」、「Good morning」、「こんにちは」、「Hello」、「こんばんは」、「Good evening」と印刷された領域には、「おはようございます」と「Good morning」の一組、「こんにちは」と「Hello」の一組、「こんばんは」と「Good evening」の一組の三組の異なるコンテンツコードを意味するドットパターンが重畳印刷されている。
【0083】
次に、このような構成において図12のフローチャートを参照してボイスレコーダ1を用いた読み込み動作を説明する。
【0084】
中央処理装置22は、オンオフスイッチ9がオンになった際(ステップ1)、出力モードの設定がモード1か否かを確認し(ステップ2)、モード1の場合にステップ3、モード2の場合にステップ8へ移行する。
【0085】
モード1においてステップ3へ移行した場合、中央処理装置21は、センサユニット2によって媒体からドットパターンが読み込まれた際(ステップ3)、ドットパターンから解析ソフトに基づいてコード情報に変換して中央処理装置22に出力する(ステップ4)。
【0086】
中央処理装置22は、メモリカード10に記憶されているテーブル2を参照して入力されたコード情報が「110000」の場合に、かかるコード情報はモードコードであるから、モード1からモード2へ切り替える(ステップ5)。
【0087】
ステップ5においてコード情報が「110000」でない場合、かかるコード情報はコンテンツコードであるから、中央処理装置22は、モード1における該コンテンツコードに対応する音声情報を読み出してスピーカ3から音声を出力する(ステップ6)。たとえば、コード情報が「110001」の場合、日本語により「おはようございます」と音声出力される。この場合、図11に示す文字領域「おはようございます」と文字領域「Good morning」には、同じドットパターンが重畳印刷されているため、文字領域「おはようございます」を読み込んでも、文字領域「Good morning」を読み込んでも日本語により「おはようございます」と音声出力される。
【0088】
また、ステップ2においてモード2であってステップ8へ移行した場合、中央処理装置21は、センサユニット2によって媒体からドットパターンが読み込まれた際(ステップ8)、ドットパターンから解析ソフトに基づいてコード情報に変換して中央処理装置22に出力する(ステップ9)。
【0089】
中央処理装置22は、メモリカード20に記憶されているテーブル2を参照して入力されたコード情報が「110000」の場合に、かかるコード情報はモードコードであるから、モード2からモード1へ切り替える(ステップ10)。
【0090】
ステップ10においてコード情報が「110000」でない場合、かかるコード情報はコンテンツコードであるから、中央処理装置22は、モード2における該コンテンツコードに対応する音声情報を読み出してスピーカ3から音声を出力する(ステップ11)。たとえば、コード情報が「110001」の場合、英語により「Good morning」と音声出力される。この場合、図11に示す文字領域「おはようございます」と文字領域「Good morning」には、同じドットパターンが重畳印刷されているため、文字領域「おはようございます」を読み込んでも、文字領域「Good morning」を読み込んでも英語により「Good morning」と音声出力される。
【0091】
ここで、オンオフスイッチ9がオフになったとき(ステップ17)、ボイスレコーダ1の電源がオフとなる。
【0092】
上述したように、1つのコンテンツコードにモード1とモード2の各々に別の音声情報(コンテンツ)を登録しておくことにより、出力モードの設定・切替により別の音声情報(たとえば、英語と日本語)を出力することが可能となる。
【0093】
次に、他の実施形態を説明する。
【0094】
図13は、メモリカード20とは記憶内容が異なる図示しないメモリカード30に予め記憶されているテーブルを示すものである。たとえば、メモリカード30には、英語学習のリンクテーブルが設けられている。
【0095】
図14は、英語学習に用いられる英語学習帳としての印刷媒体の例を示すものである。英語学習帳の右上にモードを切り替える「モード切替」の文字領域にモードコードたるコード情報(たとえば、「130000」)がドットパターンとして印刷されている。「英語1」の文字領域にはコンテンツコードたるコード情報「130001」がドットパターンとして印刷されている。「英語2」以下も同様である。
【0096】
図13において、コンテンツコード「130001」では、モード1のときに英語1の英文がお手本となる先生の音声により再生される。モード2のときは自分の声を録音した音声が再生される。モード3のときは先生の音声と自分の音声が同時もしくは連続して再生される。
【0097】
ここで、英語学習者のメモリカード30が挿入されたボイスレコーダ1と英語学習帳とを用いた使用例を説明する。
【0098】
まず学習者は、ボイスレコーダ1のオンオフスイッチ9をオンにし(デフォルトとしてモード1が設定されている)、学習帳の文字領域「英語1」からドットパターンを読み取らせる。
【0099】
ボイスレコーダ1の中央処理装置21は、読み込んだ画像の解析処理(ドットパターンを認識し、コード情報、XY座標値に変換する処理)を実行してコンテンツコード「130001」を中央処理装置22へ出力する。
【0100】
中央処理装置22は、入力されたコンテンツコード「130001」を用いて図13のテーブルを参照し、モード1に対応するコンテンツである英語1の先生の音声をスピーカ3から出力する。
【0101】
続いて、学習者は、イヤホンジャックにヘッドフォン(図示しない)を差し込んでヘッドフォンを装着し、もう1度、英語学習帳の文字領域「英語1」からドットパターンを読み取らせる。同時に学習者は、録音ボタン5を押してマイク10に向かってヘッドフォンから聴こえてくる英語1の先生の音声に合わせて英文を発音する。
【0102】
この際、リンク手段として中央処理装置22は、マイク10からの学習者の音声情報をメモリカード30のコンテンツコード130001に対応して設けられた録音領域に記録し、リンクテーブルに新たに登録する
リンク手段によるコンテンツとコンテンツコードのリンクについて詳細を説明する。コンテンツとコンテンツコードのリンクについてはいくつかの方法がある。
【0103】
図22は、上記リンク方法のうち、第一のリンク方法を示す図である。第一のリンク方法は、同図(a)に示すようにユーザがボイスレコーダ1にユーザ自身の音声「I’m fine. Thank you.」の録音を開始して図示しない記録手段に記憶し、ボイスレコーダ1によりドットパターンをタッチすることにより、同図(b)に示すように「(登録スペース)」として空欄となっているコンテンツコード「100004」の出力モード「2」に対応するコンテンツとして、同図(c)に示すように、先述のユーザ自身の音声「I’m fine. Thank you.」をリンクさせる方法である。
【0104】
ボイスレコーダ1が録音を開始し、終了する過程の操作は何通りか方法がある。
【0105】
第一には、ユーザがボイスレコーダ1の図示しない録音ボタン5を押して録音を開始し、ユーザ自身の音声を録音した後に、ドットパターンをダッチして録音を終了し、該ドットパターンが定義するコンテンツコードと、録音していた音声ファイルとをリンクさせる方法がある。
【0106】
第二には、ユーザがボイスコーダ1の録音ボタン5を押して音声の録音を開始し、録音ボタン5を再度押して録音終了してから所定時間内に(例:10秒)ボイスレコーダ1によりドットパターンをタッチすることにより、該ドットパターンが定義するコンテンツコードと、録音していた音声ファイルとをリンクさせる方法がある。
【0107】
第三には、既にボイスレコーダ1に録音した音声ファイルを再生している最中または再生終了から所定時間内に(例:10秒)ボイスレコーダ1によりドットパターンをタッチすることにより、該ドットパターンが定義するコンテンツコードと、録音していた音声ファイルとをリンクさせる方法がある。
【0108】
なお、上記の構成はボイスレコーダに関するものであるが、本発明にかかる情報読取出力装置はボイスレコーダに限るものではなく、種々置き換えて実施することが可能である。
【0109】
例えば本発明のスキャナをビデオカメラと接続ないし一体化させ、ビデオカメラにより撮影した映像を上記各種の方法によりコンテンツコードとリンクさせてもよいし、本発明のスキャナをパーソナルコンピュータと接続して、パーソナルコンピュータが閲覧しているURLをコンテンツコードとリンクさせてもよいことは当然である。
【0110】
また、パーソナルコンピュータを利用する場合は、上記の各種のリンク方法の他にも、パーソナルコンピュータ上のアプリケーションによりコンテンツとコンテンツコードをリンクさせたリンクテーブルを作成する第二のリンク方法を採用してもよい。
【0111】
図23、図24は上記のリンクテーブルを作成するための、パーソナルコンピュータ上において実行するアプリケーションを説明する、第二のリンク方法を説明する図である。図23はアプリケーションを実行中の様子を示す図であり、図24はアプリケーションの実行により作成されたリンクテーブルを示す図である。
【0112】
図23に示すように、リンクテーブル作成用のアプリケーションを起動すると、表示装置(DISP)上の画面左側にはコンピュータに予め記憶された各コンテンツ(ネットワーク上のコンテンツを示すアドレスを含む。)を表示するアイコンが表示され、画面右側にはコンテンツコードが表示され、画面中央にはリンクテーブルが表示される(当然ながら、レイアウトは上記のものに限らない。)。ユーザは図示しないマウスによる操作により、表示されたコンテンツないしコンテンツコードを画面中央のリンクテーブルへとドラッグ&ドロップにより挿入する。
【0113】
すると、図24に示すように、画面中央のリンクテーブルには新たなコンテンツとコンテンツコードの対応付けが登録され、コード欄にはコンテンツコードが表示され、コンテンツ欄にはコンテンツのファイル名が表示される。
【0114】
このように、リンクテーブルは専用のアプリケーションを用いてパーソナルコンピュータ上でも作成することができる。
【0115】
録音が終わった後、発明者はボイスレコーダ1により英語学習帳の文字領域「モード切替」のドットパターンを読み込むか、ボイスレコーダ1のモード設定切替ボタン7を押すことにより、デフォルトで設定されているモード1からモード2へ切り替える。そして、発明者は、ボイスレコーダ1により英語学習帳の文字領域「英語1」のドットパターンを読み込む。
【0116】
中央処理装置21は、読み込まれた画像の解析処理(ドットパターンを認識し、コード情報、XY座標値に変換する処理)を実行してコンテンツコード「130001」を中央処理装置22へ出力する。
【0117】
中央処理装置22は、入力されたコンテンツコード「130001」を用いて図13のテーブルを参照し、モード2に対応するコンテンツである記録された学習者の音声をスピーカ3、またはヘッドフォン(図示しない)から出力する。
【0118】
さらに、学習者は、ボイスレコーダ1により英語学習帳の文字領域「モード切替」に重畳印刷されたモードコードを意味するドットパターンを読み込むか、ボイスレコーダ1のモード設定切替ボタン7を押すことにより、モード2からモード3へ切り替える。そして、学習者は、ボイスレコーダ1により英語学習帳の文字領域「英語1」のドットパターンを読み込む。
【0119】
中央処理装置21は、読み込まれた画像の解析処理(ドットパターンを認識し、コード情報、XY座標値に変換する処理)を実行してコンテンツコード「130001」を中央処理装置22へ出力する。
【0120】
中央処理装置22は、入力されたコンテンツコード「130001」を用いて図13のテーブルを参照し、モード3に対応するコンテンツである先生の音声と記録された学習者の音声とをスピーカ3、またはヘッドフォン(図示しない)から出力する。
【0121】
上述したように、1つのコンテンツコードではあるが出力モードに応じて、先生の音声の再生、自分の録音した音声の再生、あるいは先生の音声と自分の録音した音声とを同時または連続再生することができる。
【0122】
なお、図1において示したボイスレコーダ1の側面に液晶表示部を設け、図13のリンクテーブルにより示したコンテンツ名を表示するようにしても良い。
【0123】
また、図示こそしないが、本発明にかかる情報読取出力装置は上記の録音手段のみならず、従来技術であるOCRやビデオカメラを装置の内外に備えることで、音声以外のマルチメディア情報を入力してリンクテーブルに登録することができる。
【0124】
次に、他の実施形態について説明する。
【0125】
図15は、パーソナルコンピュータとスキャナの構成を示すものである。
【0126】
図に示すように、パーソナルコンピュータは、中央処理装置(CPU)を中心に、メインメモリ(MM)、バスにより接続されたハードディスク装置(HD)、表示装置(DISP)、スピーカ(SP)、キーボード(KBD)、およびマウスとから構成されている。また、中央処理装置(CPU)は、計時手段50を有して後述する時間によるコンテンツの出力も制御する。
【0127】
そして、USBインターフェース(USB I/F)を介して撮像手段としてのスキャナが接続されている。
【0128】
また、バス(BUS)は、ネットワークインターフェース(NW I/F)を介してインターネット等の汎用ネットワーク(NW)に接続されている。さらに詳しくは後述するが複数のコンテンツがサーバ40よりダウンロード可能となっている。
【0129】
ハードディスク(HD)内には、オペレーティングシステム(OS)とともに、本実施形態で用いられるドットパターンの解析プログラム等のアプリケーションプログラム、電子地図データ、文字情報、画像情報、音声情報、動画情報や各種テーブル等のデータが登録されている。
【0130】
中央処理装置(CPU)は、ハードディスク(HD)内のアプリケーションプログラムをバス(BUS)およびメインメモリ(MM)を介して順次読み込んで実行処理するとともに、データを読み出して表示装置(DISP)に出力表示する。
【0131】
スキャナは、図示を省略するが、赤外線照射手段(赤色LED)とIRフィルタと、CMOSセンサ、CCDセンサ等の光学撮像素子を備えており、媒体面に照射した照射光の反射光を撮像する機能を有している。なお、スキャナに図1において示したモード設定切替ボタンを設けるようにしても良い。
【0132】
ここで、媒体面上のドットパターンはカーボンインクで印刷されており、ドットパターン以外の部分はノンカーボンインクで印刷されている。このカーボンインクは赤外光を吸収する特性を有しているため、前記光学撮像素子での撮像画像では、ドットの部分のみ黒く撮影されることになる。
【0133】
このようにして読み取られたドットパターンの撮像画像は、スキャナ内の中央処理装置(図示せず)によって解析されてコンテンツコードに変換され、USBケーブルを介してパーソナルコンピュータに送信される。
【0134】
パーソナルコンピュータの中央処理装置(CPU)は、受信したコンテンツコードを示すリンクテーブル(後述する)を参照して、1つのコード情報に対応した複数のコンテンツを表示装置(DISP)やスピーカ(SP)から出力する。
【0135】
図16は、ハードディスク(HD)に設けられたリンクテーブルの例を示すもので、1つのコンテンツコードに複数のコンテンツが登録されている。
【0136】
たとえば、図において、1つのコンテンツコード「120001」には、コンテンツ名として『「桃太郎」文章』があってコンテンツとして「テキスト情報」、コンテンツ名として『「桃太郎」朗読』があってコンテンツとして「音声情報」、コンテンツ名として『「桃太郎」動画』があってコンテンツとして「映像・音声情報」、コンテンツ名として『「桃太郎」関連』があってコンテンツとして「URL」がリンクされている。
【0137】
図17は、上述したリンクテーブルを検索するコード情報を入力するための媒体である「出力指示ボード」の例において、文字領域に文字に対応するコンテンツコードを意味するドットパターンが重畳印刷されている。
【0138】
同図において「出力指示ボード」には、文字領域「桃太郎」にコンテンツコード「120001」を意味するドットパターンが重畳印刷され、文字領域『小説「○○○」』にコンテンツコード「120002」を意味するドットパターンが重畳印刷され、文字領域「案山子」にコンテンツコード「120003」を意味するドットパターンが重畳印刷され、その他も同様に重畳印刷されている。
【0139】
ここで、ユーザがスキャナを用いて出力指示ボードから文字領域「桃太郎」を読み込んだ際、中央処理装置CPUは、読み込まれた画像の解析処理(ドットパターンを認識し、コード情報、XY座標値に変換する処理)を実行してコンテンツコード「120001」を得る。そして、中央処理装置CPUは、コンテンツコード「120001」により図16のリンクテーブルを参照し、コンテンツ名としての『「桃太郎」文章』、『「桃太郎」朗読』、『「桃太郎」動画』、『「桃太郎」関連』を表示装置DISPに表示する。
【0140】
キーボード(KBD)あるいはマウスにより表示装置DISPに表示された『「桃太郎」文章』が選択された際、中央処理装置CPUは、リンクテーブルを参照してコンテンツとしての「テキスト情報」を読み出して表示装置DISPに表示する。ユーザは、表示装置DISPに表示された「桃太郎」の文章(物語)をスクロールさせながら読むことができる。
【0141】
キーボード(KBD)あるいはマウスにより表示装置DISPに表示された『「桃太郎」朗読』が選択された際、中央処理装置CPUは、リンクテーブルを参照してコンテンツとしての「音声情報」を読み出してスピーカSPから音声を出力する。ユーザは、スピーカSPから「桃太郎」の音声(物語)を聴くことができる。
【0142】
キーボード(KBD)あるいはマウスにより表示装置DISPに表示された『「桃太郎」動画』が選択された際、中央処理装置CPUは、リンクテーブルを参照してコンテンツとしての「映像・音声情報」を読み出して映像を表示装置DISPに上映し、スピーカSPから音声を出力する。ユーザは、「桃太郎」の動画(物語)を視聴することができる。
【0143】
キーボード(KBD)あるいはマウスにより表示装置DISPに表示された『「桃太郎」関連』が選択された際、中央処理装置CPUは、リンクテーブルを参照してコンテンツとしての「URL」を読み出し、ネットワークインターフェース(NW I/F)を介してインターネット等の汎用ネットワーク(NW)に接続し、「桃太郎」に関連する情報をダウンロードして表示装置DISPに表示する。ユーザは、「桃太郎」に関連する情報を得ることができる。
【0144】
また、キーボード(KBD)あるいはマウスにより表示装置DISPに表示された『「桃太郎」文章』と『「桃太郎」朗読』とが選択され、さらに表示装置DISPに予め表示された「同時出力」(図示しない)が選択された際、中央処理装置CPUは、リンクテーブルを参照して『「桃太郎」文章』に対応するコンテンツとしての「テキスト情報」と『「桃太郎」朗読』に対応するコンテンツとしての「音声情報」とを読み出す。そして、中央処理装置CPUは、「テキスト情報」を表示装置DISPに表示し、同時に「音声情報」をスピーカSPから音声出力する。ユーザは、表示装置DISPに表示された「桃太郎」の文章(物語)をスクロールさせながら読むことができ、同時にスピーカSPから「桃太郎」の音声(物語)を聴くことができる。
【0145】
なお、複数のコンテンツ名および各々に対応する複数のコンテンツはサーバ40よりダウンロードするようにしても良い。また、複数のコンテンツのみサーバよりダウンロードするようにしても良い。
【0146】
なお、上述したコンテンツとは、映画、音楽、演劇、文芸、写真、漫画、アニメーション、コンピュータゲーム、その他の文字、図形、色彩、音声、動作、若しくは映像、若しくはこれらを組み合わせたもの又はこれらに係る情報である。
【0147】
さらに、図16に示すリンクテーブルにおいて、1つのコンテンツコード「120003」には、コンテンツ名として『案山子物語』があってコンテンツとして「コンテンツの出力命令情報」、コンテンツ名として『「案山子」導入部』があってコンテンツとして「音声情報」、コンテンツ名として『「案山子」動画』があってコンテンツとして「映像・音声情報」、コンテンツ名として『「案山子」朗読』があってコンテンツとして「音声情報」、コンテンツ名として『「案山子」文章読み上げ』があってコンテンツとして「テキスト情報と音声情報」がリンクされている。
【0148】
ここで、ユーザがスキャナを用いて出力指示ボードから文字領域「案山子」を読み込んだ際、中央処理装置CPUは、読み込まれた画像の解析処理(ドットパターンを認識し、コード情報、XY座標値に変換する処理)を実行してコンテンツコード「120003」を得る。そして、中央処理装置CPUは、コンテンツコード「120003」により図16のリンクテーブルを参照し、コンテンツ名としての『案山子物語』、『「案山子」導入部』、『「案山子」動画』、『「案山子」朗読』、『「案山子」文章読み上げ』を表示装置DISPに表示する。
【0149】
キーボード(KBD)あるいはマウスにより表示装置DISPに表示された『案山子物語』が選択された際、中央処理装置CPUは、リンクテーブルを参照してコンテンツとしての「コンテンツの出力命令情報」を読み出す。中央処理装置CPUは、この情報の出力命令に従って、たとえば最初に『「案山子」導入部』のコンテンツを実行し、続いて『「案山子」動画』のコンテンツを実行し、『「案山子」朗読』のコンテンツを実行し、『「案山子」文章読み上げ』のコンテンツを実行する。
【0150】
そのほか、中央処理装置CPUは、『「案山子」導入部』が選択された場合は対応する音声情報を実行し、『「案山子」動画』が選択された場合は対応する映像・音声情報を実行し、『「案山子」朗読』が選択された場合は対応する音声情報を実行し、『「案山子」文章読み上げ』が選択された場合は対応するテキスト情報と音声情報とを実行する。
【0151】
上述したように、1つのコンテンツコードに複数のコンテンツが関係付けられているため、1つのコンテンツコードを読み込むだけで複数のコンテンツをユーザが任意に選択して出力することができる。
【0152】
他の実施形態について説明する。
【0153】
図18は、本実施形態で用いる地図(媒体)の表面印刷状態を示したものである。地図における地図部には、道路、線路等の他、観光施設等を表示するシンボルが印刷されている。この地図部の領域には、道路や線路の位置に対応したXY座標を意味するドットパターンが印刷されている。
【0154】
また、地図欄外のアイコンにはそれぞれモードコードとしてのドットパターンが重畳印刷されている。「情報」のアイコンにはXY座標情報から施設を説明する動画を出力するための出力モードへと切り替わるモードコードが定義され、「地図」のアイコンにはXY座標情報から緯度・経度情報を出力するための出力モードへと切り替わるモードコードが定義されている。図19は、ハードディスク(HD)に設けられた座標情報リンクテーブルの例を示すもので、1つの座標情報に複数のコンテンツが登録されている。
【0155】
図18と図19を用いて本発明の実施形態を説明すると、図18の地図欄外のアイコン「情報」をスキャナで読み込むと、前述の通り出力モードは「情報」モードへと切り替わる。この状態から地図上のB点をスキャナにより読み込んだ際、中央処理装置CPUは、読み込まれた画像の解析処理(ドットパターンを認識し、コード情報、XY座標値に変換する処理)を実行して座標情報(XY座標値)を得る。そして、中央処理装置CPUは、XY座標値により図19の座標情報リンクテーブルを参照し、当該XY座標値に最も近いXY座標値、ここでは城のXY座標値に登録された複数のコンテンツのうち、出力モードに対応するコンテンツを出力する。この場合、出力モードは「情報」であるから、城について説明する動画を出力する。
ただし、コンテンツの選択は出力モードに代えて、ユーザがキーボード(KBD)あるいはマウスを操作することにより行ってもよい。
【0156】
他の実施形態について説明する。
【0157】
図20は、上述したリンクテーブルにより1つの順位コードにリンクさせた複数のコンテンツ名に各々対応するコンテンツを出力する順位を記憶するサブテーブルの構成例を示すものである。
【0158】
たとえば、順位コード「120001」の場合は「登録順」として記憶され、順位コード「120002」の場合は「あいうえお順位」として記憶され、順位コード「120003」の場合は「ABC順位」として記憶されている。
【0159】
上述したように、複数のコンテンツの登録順、あいうえお順位、ABC順位、または所定の方法によりコンテンツの内容・属性をモードとして区別した順位のいずれかの順位を登録する第一のサブテーブルを設けることにより、複数のコンテンツの出力の順位を指示することが可能となる。
【0160】
また、サブテーブルに出力時間または所定の経過時間によりコンテンツを割り振って登録するようにしても良い(第二のサブテーブル)。この場合、中央処理装置CPUは、図15に示すように計時手段50を用いて、スキャナがドットパターンの読み取った時間(読取時間)を計時して、サブテーブルの出力時間と照合することにより、サブテーブルに割り振られたコンテンツを選択し、当該コンテンツ名に対応するコンテンツの出力を時間により制御する。
ここで、出力時間とは、絶対時間を意味し、午後だったら、午後に合わせたコンテンツを出力するなど、現実の時刻を意味する。また、所定の経過時間とは、プログラムを開始してから経過した時間や、複数のコンテンツのうち一つを出力してから経過した時間、あるいは、関連するコード情報をタッチしてから経過した時間を意味する。
【0161】
他の実施形態について説明する。
【0162】
図21は、ドットパターンのC〜C31までの32ビットに定義されるコード情報を示すものであって、このコード情報を所定数のビット毎に分割して複数のサブコードにし、複数のサブコードの各々にコンテンツを割り当て、サブテーブルを構成した例を示すものである(第三のサブテーブル)。
【0163】
複数のサブコードはモードコードにそれぞれ関係付けられ、もしくは、モードコードが1つのコード情報を分割したサブコードとして割り当てられていれば、モード設定・切り替えによって、そのモードコードと同一のサブコードを照合して、対応するコンテンツの出力を制御できる。この場合、当然、コード情報には、サブコードの他に、コンテンツコードが存在し、そのコンテンツコード&サブコードで少なくとも1つのコンテンツを選択できる。もちろん、モードコードとサブコードを一致させる必要はなく、モードコード−サブコードテーブルを備えることにより、現状のモードからサブコードを得て、コード情報から該当するサブコードがあれば、そのコード情報内に定義されたコンテンツコード&サブコードに関連付けられたコンテンツを出力するようにしてもよい。該当するサブコードが存在しない場合、無反応や、「ブー」等の効果音や、所定のデフォルトコンテンツを出力させてもよい。
【0164】
上記までの説明においては、出力モードとは各コンテンツコードに共通かつ一時的なものであったが、コンテンツコード毎に固有の出力モードを予め設定しておくことも可能である。
【0165】
図25は上記この実施例において用いるコンテンツコードを示す図である。同図に示すように、かかるコンテンツコードは上位4ビットがコンテンツの題材を示すコンテンツIDとして定義されており、残りの28ビットが4分割されて各コンテンツと対応したサブコードとなっている。このようなコンテンツコードを定義したドットパターンをスキャナが読み取ると、上位4ビットのコンテンツIDは必ず解析するが、サブコードは設定されているモードと対応するサブコードだけを選択して解析する。
【0166】
図26は、図25のコンテンツコードから1のコンテンツを選択するための、コンテンツIDと出力モードとの対応付けを登録したテーブルを示す図である。図27は、コンテンツIDと出力モードとの対応付けを新規に登録するためのコードのフォーマットを示す図である。
【0167】
図26のテーブルによれば、例えば図26(a)によればスキャナが読み取ったコンテンツコードの上位4ビットがコンテンツID「かちかち山」を意味するコード0000である場合、このコンテンツIDと対応する出力モードとして「モード1」が登録されているため、コンテンツコード内のモード1に対応するサブコードが解析され、対応する情報が出力される。例えば、図25(a)のコンテンツコードによればモード1と対応するサブコードC27〜C21が解析されることにより、コンテンツ「『かちかち山』文章」が出力される。
【0168】
また、スキャナが読み取ったコンテンツコードの上位4ビットがコンテンツID「Faust」を意味するコード0100である場合、図26(a)のリンクテーブルによれば、かかるコンテンツIDと対応する出力モードが登録されていないため、情報は出力されない。この場合、図27(c)の「『Faust』文章」と記載の部分に重畳印刷された図示しないドットパターンをスキャナにより読み取ると、同図(a)に示すようにこのドットパターンに定義されたモードコードを解析して、コンテンツID「Faust」における出力モードを設定することができる。すると、図26(b)に示すように、コンテンツID「Faust」と出力モード1との対応付けが新たにリンクテーブルに登録される。
【0169】
また、図27(c)の「『Faust』動画」と記載の部分に重畳印刷された図示しないドットパターンをスキャナにより読み取ると、同図(b)に示すようにこのドットパターンに定義されたモードコードを解析して、この場合は図26(c)に示すようにコンテンツID「Faust」と出力モード4との対応付けに変更してリンクテーブルに登録することができる。
【0170】
さらに、図27(d)に示すように、複数のコンテンツIDと出力モードとの対応付けを、1つのドットパターンを読み取ることにより変更することができるものとしてもよい。この場合、図26(d)に示すように複数のコンテンツIDと出力モードとの対応付けが、図27(d)のフォーマットに従い変更される。
【0171】
図15に示す中央処理装置CPUは、ハードディスク(HD)に設けられた上述したサブテーブルを参照し、複数のコンテンツを選択候補として表示装置DISPにコンテンツ名を表示し、ユーザに選択されることにより、選択されたコンテンツ名に対応するコンテンツをハードディスク(HD)から読み出して出力する。
【0172】
なお、上記実施形態では分割した複数のコンテンツコードの各々に複数のコンテンツを割り当て、サブテーブルを構成することも可能である。
【0173】
以上、本発明の主要な実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態を必要に応じて組み合わせて変更実施可能であることは言うまでもない。例えば、図13に説明した実施形態と、図20に説明した実施形態または図21に説明した実施形態とを組み合わせて、ユーザ自らの音声をコンテンツとして、コンテンツコードおよび順位コードまたはサブコードと関係付けてリンクテーブルに登録することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0174】
本発明にかかる情報読取出力装置は、第一に外国語学習用の教材としての産業上の利用可能性を有し、第二に音の出る絵本等の出版物に供するものとしての産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0175】
1 ボイスレコーダ
2 センサユニット
3 スピーカ
4 スキャンボタン
5 録音ボタン
6 ボリューム
7 モード設定切替ボタン
9 オンオフスイッチ
10 マイク
20 メモリカード(記憶手段)
21 中央処理装置(MPU)
22 中央処理装置(MPU)
40 サーバ
50 計時手段
CPU 中央処理装置
MM メインメモリ
USB I/F USBインタフェース
HD ハードディスク装置
DISP 表示装置(表示手段)
NW ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコンテンツを記憶する記憶手段と、
コンテンツIDおよび複数のサブコードからなるコンテンツコードと、コンテンツIDおよび出力モードと対応するモードコードと、のいずれかのコード情報が定義されたドットパターンを、該ドットパターンが予め印刷された媒体面より光学的に読み取る読取手段と、
光学的に読み取られたドットパターンをコード情報であるコンテンツコードまたはモードコードに変換する変換手段と、
該コンテンツIDと該出力モードとが対応付けて登録された出力モードリンクテーブルと、
該ドットパターンがコンテンツコードに変換されたときは該コンテンツIDを参照し、該出力モードリンクテーブルに対応付けて登録された出力モードに基づいて、該複数のサブコードの1つを選択して、該サブコードと対応するコンテンツを所定の出力装置に出力する制御を行なう制御手段と、
該ドットパターンがモードコードに変換されたときは、該コンテンツIDと出力モードとを対応付けて該出力モードリンクテーブルに登録するモード設定・切替手段と、を備えた
ことを特徴とする情報読取出力装置。
【請求項2】
1つのコンテンツコードと、テキスト、音声、映像、URL、マルチメディア等および/または各種命令からなる複数のコンテンツと、該複数のコンテンツと対応する出力モードと、が関係付けられて登録されるリンクテーブルと、
前記複数のコンテンツを記憶する記憶手段と、 予め媒体面に印刷されたドットパターンを光学的に読み取る読取手段と、
光学的に読み取られたドットパターンをコンテンツコードまたはモードコードの、いずれかのコード情報に変換する変換手段と、
該モードコードに基づいて出力モードを設定・切替して、記憶するモード設定・切替手段と、
該コンテンツコードに関係付けられた該リンクテーブルを読み出し、該リンクテーブルに登録された複数のコンテンツから少なくとも1つのコンテンツを該モード設定・切替手段が記憶した該出力モードに基づいて選択して、所定の出力装置に出力する制御を行う制御手段と、を備えた
ことを特徴とする情報読取出力装置。
【請求項3】
前記変換手段は、さらに前記読取手段により読み取られた前記ドットパターンを座標情報に変換し、
前記リンクテーブルには、前記コンテンツコードに代えて所定座標情報が前記複数のコンテンツと関係付けられて登録されており、
前記制御手段は、さらに該座標情報から所定距離内で最も近い位置の、前記リンクテーブルに登録された前記所定座標情報を検索し、該所定座標情報に関係付けられた該複数のコンテンツから、少なくとも1つのコンテンツを該モード設定・切替手段が記憶した該出力モードに基づいて選択し、該コンテンツの出力を制御する
ことを特徴とする請求項2記載の情報読取出力装置。
【請求項4】
前記リンクテーブルおよび/または前記記憶手段は、ネットワーク上の所定のサーバに設定される
ことを特徴とする請求項2記載の情報読取出力装置。
【請求項5】
前記リンクテーブルには、前記1つのコンテンツコード毎に、前記複数のコンテンツの登録順位、あいうえお順位、ABC順位、または所定の方法によりコンテンツの内容・属性をモードとして区別した順位で記憶する第一のサブテーブルを備え、該複数のコンテンツが該第一のサブテーブルにおいて前記各順位のいずれかの順位により割り振られて登録され、
前記変換手段は、さらに前記読取手段により読み取られた前記ドットパターンを順位コードに変換し、
前記制御手段は、前記モード設定・切替手段が記憶した前記出力モードに代えて、該順位コードに基づいて該サブテーブルから1つの順位を選択して、該選択された1つの順位に基づいて該複数のコンテンツを出力する順位をさらに制御する
ことを特徴とする請求項2記載の情報読取出力装置。
【請求項6】
前記リンクテーブルは、出力時間または所定の経過時間により前記複数のコンテンツが割り振られて登録された第二のサブテーブルをさらに備え、
前記制御手段は、前記読取手段がドットパターンの読み取った読取時間または所定の読取経過時間を計測する計時手段を備え、
該読取時間または所定の読取経過時間と、該第二のサブテーブルの出力時間または所定の経過時間とを照合することにより、該第二のサブテーブルに割り振られたコンテンツを少なくとも1つ選択して、出力を制御する
ことを特徴とする請求項2に記載の情報読取出力装置。
【請求項7】
前記リンクテーブルは、前記1つのコード情報が複数のサブコードに分割され、前記複数のコンテンツは該複数のサブコードにそれぞれ関係付けられて登録された第三のサブテーブルをさらに備え、
前記制御手段は、
前記出力モード、または該第三のサブテーブルを参照して該複数のコンテンツの選択画面を表示手段に出力し、ユーザからの指示を受け付ける入力手段により入力された指示のいずれかに基づいて該第三のサブテーブルから該1つのサブコードに対応する少なくとも1つのコンテンツを選択して所定の出力装置に出力する制御を行う
ことを特徴とする請求項2記載の情報読取出力装置。
【請求項8】
前記制御手段は、
少なくとも2以上のコンテンツの同時出力を制御する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の情報読取出力装置。
【請求項9】
前記リンクテーブルは、複数のコンテンツの出力する順序を指示する、コンテンツの出力命令情報が、前記各種命令の1つとして前記コンテンツコードおよび出力モードとさらに関係付けられて登録されており、
前記制御手段は、
該出力命令情報に基づいて、複数のコンテンツの出力する順序により所定の出力装置に出力する制御を行う
ことを特徴とする請求項2に記載の情報読取出力装置。
【請求項10】
前記モード設定・切替手段は、前記モードコードに代えて、ユーザからの指示を受け付ける入力手段により入力された指示に基づいて出力モードを設定・切替して、記憶する
ことを特徴とする請求項2に記載の情報読取出力装置。
【請求項11】
前記記憶手段は、ユーザからの指示を受け付ける入力手段により入力されたテキスト、音声、映像、URL、マルチメディア等および/または各種命令を新たなコンテンツとして記憶し、
前記情報読取出力装置は、
該新たなコンテンツを、該記憶手段による該新たなコンテンツの記憶に前後して前記読取手段により読み取られたドットパターンを前記変換手段が変換した1つのコンテンツコード、および出力モードに関係付けて前記リンクテーブルに新たに登録するリンク手段をさらに備えた
ことを特徴とする請求項2に記載の情報読取出力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2010−217977(P2010−217977A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−60897(P2009−60897)
【出願日】平成21年3月13日(2009.3.13)
【出願人】(503349741)
【Fターム(参考)】