説明

情報通信システム、情報通信方法

【課題】個人毎に着信番号を設定でき、その番号に該当する留守番メッセージを一括して再生可能な情報通信システムおよび情報通信方法を提供する。
【解決手段】着信音声を留守電メッセージとして録音する音声録音機能2と、留守番メッセージ保存領域5に保存された留守電メッセージの再生を制御する音声制御機能3と、留守電メッセージを電気信号にして後述のスピーカ23へ音声信号として出力するための音声再生機能4と、番号(1)〜番号(5)のそれぞれの留守番メッセージを保存するための留守番メッセージ保存領域5と、を備える。端末20〜22には、ユーザA〜ユーザCのそれぞれに付与された個別のユーザIDと、番号(1)〜番号(5)のいずれかが括りつけされ、端末20ではユーザAが自分のユーザIDでのみログインでき、この端末20で着信可能な番号は番号(1)と番号(2)である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の着信番号の留守番メッセージを一括管理するための情報通信システム、情報通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来よりIP電話端末に対して留守番電話サービスを提供できるIP電話システムが知られている。IP網に留守番メッセージを保存するためのメッセージ保存サーバを接続し、各IP電話端末はこのメッセージ保存サーバに接続して、自端末宛の留守番メッセージを聞くことができるものである(特許文献1参照)。
【0003】
また、このようなIP電話システムを用いない方法としては、IP電話端末に留守番電話メッセージを録音するための記憶手段を備えた構成が知られており、IP電話端末の単体で留守番メッセージの設定と着信ができる。
【特許文献1】特開2006−270549号公報
【0004】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術においては、自分のIP電話端末単体に対する着信を留守番メッセージとして録音するのみであり、自身宛の留守番メッセージは自端末でしか聞くことができなかった。
【0006】
また、電話端末毎の留守番電話メッセージの管理であるため、着信番号毎や個人毎といった単位での留守番メッセージの管理はできなかった。
【0007】
このような課題に鑑み、本発明は、個人毎に着信番号を設定でき、その番号に該当する留守番メッセージを一括して再生可能な情報通信システムおよび情報通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の本発明は、情報通信網に接続された情報通信端末への着信が非応答の場合に該情報通信端末に代わって応答し、その内容を録音して保存するための情報通信システムにおいて、前記情報通信網と接続する複数の番号毎にそれぞれ前記着信の内容を録音してメッセージとして保存するためのメッセージ保存領域と、前記情報通信端末に入力されたユーザIDに応じて該情報通信端末の利用の可否を管理するユーザ情報管理部と、前記ユーザID毎に予め使用可能な前記番号を選択して限定した端末情報を管理するための端末情報管理部と、前記情報通信端末にそれぞれ前記限定された前記番号毎の前記メッセージを呼び出して音声として再生するための音声再生手段と、を備える。
【0009】
また、請求項2に記載の本発明は、請求項1において、前記メッセージ保存領域に保存された前記メッセージは、前記ユーザID毎にそれぞれ限定された前記番号毎に削除可能である。
【0010】
また、請求項3に記載の本発明は、情報通信網に接続された情報通信端末への着信が非応答の場合に該情報通信端末に代わって応答し、その内容を録音して保存するための情報通信方法において、メッセージ保存領域において前記情報通信網と接続する複数の番号毎にそれぞれ前記着信の内容を録音してメッセージとして保存するステップと、ユーザ情報管理部において前記情報通信端末に入力されたユーザIDに応じて該情報通信端末の利用の可否を管理するステップと、端末情報管理部において前記ユーザID毎に予め使用可能な前記番号を選択して限定した端末情報を管理するステップと、音声再生手段において前記情報通信端末にそれぞれ前記限定された前記番号毎の前記メッセージを呼び出して音声として再生するステップと、を有する。
【0011】
また、請求項4に記載の本発明は、請求項3において、前記ユーザID毎にそれぞれ限定された前記番号毎に削除するためのステップを実行可能である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、個人毎に着信番号を設定でき、その番号に該当する留守番メッセージを一括して再生可能な情報通信システムおよび情報通信方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1は、本発明の情報通信システムおよび情報通信方法の実施の形態に係る、全体構成を説明するための構成図を示す。この図1には、サーバ機器もしくはサーバ機器と同等の機能を有する主装置1と、主装置1に接続しているIP電話端末などの端末20〜22と、が示され、主装置1はIP電話網などのネットワーク公衆網30に接続している。ネットワーク公衆網30を介した外部からの電話発信は、このネットワーク公衆網30に接続された主装置1により一旦受信し、端末20〜22のうちの該当する端末へ接続して着信させる。
【0014】
ネットワーク公衆網30を介した外部からの発信において、その発信が宛てた着信先の電話番号は主装置1が提供する複数種類の電話番号のうちのいずれかに対して行われる。なお、ネットワーク公衆網30と主装置1との接続回線の数はこの図1においては説明のために1回線が示されており、この1回線が予め設定された複数の番号を有している。なお、この回線数は1回線に限定するものではなく、例えば図1中の破線矢印で示すように2回線(2ch構成)といった1回線以上の回線から構成される場合も含まれている。このような複数の回線からなる構成においても、複数の電話番号が括り付けされている。
【0015】
そして、外部の発信側から見ると、あたかも複数の回線が主装置1に接続されているかのようにこの主装置1が動作するが、デジタル信号を用いた情報通信方式により複数の番号を持って動作している。
【0016】
また主装置1は、その設定により1回線に割り当てられた複数の電話番号と後述のユーザIDとを括り付け、それに基づきユーザIDにより識別された個人毎にそれぞれ個別の着信番号を設定できる。さらには、このユーザIDと端末20〜22との対応付けを設定して括り付けることにより、それぞれにおいて着信可能な電話番号も互いに異なる電話番号としたり、あるいは共通の電話番号としたりすることができる。
【0017】
図2は、本発明の情報通信システムおよび情報通信方法の実施の形態に係る、主装置1の構成を説明するための構成図を示している。この図2に示す主装置1には端末20が接続されて、その端末20の通信が制御されている。なお、端末20を説明のために単独で示したが、他の端末21、端末22も同様の構成である。
【0018】
また、主装置1は留守番機能制御部を備えており、その構成は、着信音声を留守電メッセージとして録音するための音声録音機能2と、留守番メッセージ保存領域5に保存された留守電メッセージの音声を再生に際して制御するための音声制御機能3と、留守電メッセージを電気信号にして後述のスピーカ23へ音声信号として出力するための音声再生機能4と、たとえば番号(1)〜番号(5)のそれぞれの留守番メッセージを保存するための留守番メッセージ保存領域5と、から成り立っている。また、主装置1には留守番機能制御部と共に、端末情報管理部6と、ユーザ情報管理部7と、設定情報管理部8と、が備わる。なお、これらにより構成される留守番機能制御部は通信制御部10を介してネットワーク公衆網30と通信可能に接続されている。
【0019】
また、端末20(端末21、22も同様)には、留守番機能制御部に接続するための送受信部26と、留守番電話の設定や解除および再生などの操作を入力するための入力部27と、留守番メッセージを音声に変換して聞くためのスピーカ23と、端末情報管理部24と、ユーザ情報管理部25と、が備わる。
【0020】
このような図2の構成の動作を図3および図4を参照して説明する。図3には、図1および図2に示した構成において、ネットワーク公衆網30から番号(1)、番号(2)、番号(4)への着信による留守電メッセージの保存と、端末20〜22による留守電メッセージの再生可否の設定を示している。また、図4は図3における動作の説明をするためのフロー図を示している。
【0021】
まず、主装置1の設定条件として留守番電話メッセージ保存領域5において、番号(1)〜番号(5)までのそれぞれの電話番号に着信した音声を、それぞれ留守電メッセージとして録音し保存するための保存領域を備えている。この保存領域は図2に示す留守番メッセージ保存領域5に示された「番号(1)保存領域」〜「番号(5)保存領域」に該当し、図3においては「番号(1)メッセージ保存領域」〜「番号(5)メッセージ保存領域」がそれぞれ該当する。
【0022】
また、各端末20〜22には、図3に示すユーザA〜ユーザCのそれぞれに予め付与された個別のユーザIDと、番号(1)〜番号(5)のうちのいずれかが括りつけされている。この括り付けにより、たとえば端末20ではユーザAが自分のユーザIDでのみログインでき、この端末20で着信可能な番号は番号(1)と番号(2)のみである。なお、番号(1)の電話番号は「AA−AAAA−AAAA」であり、番号(2)の電話番号は「BB−BBBB−BBBB」であるので、したがって端末20はこの両者の電話番号宛の着信のみを受信する。同様に、端末21で着信可能な番号は番号(1)と番号(3)のみでありユーザBのみがログイン可能であるので、したがって端末21は番号(1)と番号(3)の電話番号宛の着信のみを受信できる。そして端末22で着信可能な番号は番号(1)と番号(4)のみでありユーザCのみがログイン可能であるので、したがって端末22は番号(1)と番号(4)「DD−DDDD−DDDD」の電話番号宛の着信のみを受信できる。このようにしてユーザの個人毎に着信番号を設定している。
【0023】
ここで図4を参照して、ステップS1において端末20から留守番電話メッセージ保存領域5に保存された留守番電話メッセージの再生を実行する。この実行において、端末20は番号(1)メッセージ保存領域に保存された再生可能なメッセージの再生リストをユーザAに提示する。番号(1)メッセージ保存領域には、たとえば「1−1」と「1−2」の2つの留守番電話メッセージが保存されており、番号(2)メッセージ保存領域には、たとえば「2−1」というひとつの留守番電話メッセージが保存されている。これらの保存された留守番電話メッセージをユーザAが再生して聞く。
【0024】
ここで、ユーザAは留守番電話メッセージを聞いた後の処置として、不要な留守番電話メッセージの場合は消去し、必要な留守番電話メッセージである場合は保存を維持させるべく削除操作を行わない。たとえば削除を端末20で行わない場合はステップS2へ進む。また、たとえば「1−1」を削除をした場合はステップS3へ処理が進む。
【0025】
ステップS2へ処理が進んだ場合は、端末20での削除が無かったので、端末21では番号(1)と番号(3)に宛てた留守番電話メッセージを聞くことができる。なお、この図3では番号(3)には着信が無く留守番電話メッセージも保存されていない場合を示している。そのため、端末21で聞ける留守番電話メッセージは番号(1)メッセージ保存領域にある「1−1」と「1−2」の2件のみとなる。
【0026】
また、一方でステップ3へ処理が進んだ場合は、たとえばステップS1でユーザAが端末20を介して留守番電話メッセージ「1−1」を削除しているので、再生可能なものは「1−2」の留守番電話メッセージのみとなる。
【0027】
次に、端末22にてユーザCが留守番電話メッセージを再生して聞く。端末22は番号(1)と番号(4)が接続されているので、ユーザCは番号(1)メッセージ保存領域に保存された留守番電話メッセージと、番号(4)メッセージ保存領域に保存された留守番電話メッセージを聞くことができる。
【0028】
ここで、ステップS1とステップS2を経てステップS4へ進んだ場合は、留守番電話メッセージは何も削除されていないので「1−1」、「1−2」、「4−1」の3種類の留守番電話メッセージを聞くことができる。
【0029】
また、ステップS1からステップS3へ進んで、ステップS3で削除が無い場合は、「1−1」のみが既に削除されているので、ステップS5にて「1−2」、「4−1」の2種類の留守番電話メッセージを聞くことができる。
【0030】
また、ステップS3において「1−2」を削除した場合はステップS6において「4−1」の留守番電話メッセージのみが再生可能である。
【0031】
以上説明した本発明の実施の形態によれば、個人毎に着信番号を設定でき、その番号に該当する留守番メッセージを一括して再生可能な情報通信システムおよび情報通信方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施の形態に係る、全体構成を説明するための構成図を示す。
【図2】本発明の実施の形態に係る、主装置の構成を説明するための構成図を示す。
【図3】本発明の実施の形態に係る、留守番電話メッセージの再生を説明するための説明図を示す。
【図4】本発明の実施の形態に係る、留守番電話メッセージの再生を説明するためのフロー図を示す。
【符号の説明】
【0033】
1 主装置
2 音声録音機能
3 音声制御機能
4 音声再生機能
5 留守番メッセージ保存領域
6 端末情報管理部
7 ユーザ情報管理部
8 設定情報管理部
20、21、22 端末
30 ネットワーク公衆網

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報通信網に接続された情報通信端末への着信が非応答の場合に該情報通信端末に代わって応答し、その内容を録音して保存するための情報通信システムにおいて、
前記情報通信網と接続する複数の番号毎にそれぞれ前記着信の内容を録音してメッセージとして保存するためのメッセージ保存領域と、
前記情報通信端末に入力されたユーザIDに応じて該情報通信端末の利用の可否を管理するためのユーザ情報管理部と、
前記情報通信端末に入力された前記ユーザIDに応じて該情報通信端末において利用可能な前記番号を管理するための端末情報管理部と、
前記ユーザID毎にそれぞれ前記限定された前記番号毎の前記メッセージを呼び出して音声として再生するための音声再生手段と、
を備えることを特徴とする情報通信システム。
【請求項2】
前記メッセージ保存領域に保存された前記メッセージは、前記ユーザID毎にそれぞれ限定された前記番号毎に削除可能なこと
を特徴とする請求項1に記載の情報通信システム。
【請求項3】
情報通信網に接続された情報通信端末への着信が非応答の場合に該情報通信端末に代わって応答し、その内容を録音して保存するための情報通信方法において、
メッセージ保存領域において前記情報通信網と接続する複数の番号毎にそれぞれ前記着信の内容を録音してメッセージとして保存するステップと、
ユーザ情報管理部において前記情報通信端末に入力されたユーザIDに応じて該情報通信端末の利用の可否を管理するステップと、
端末情報管理部において前記ユーザID毎に予め使用可能な前記番号を選択して限定した端末情報を管理するステップと、
音声再生手段において前記情報通信端末にそれぞれ前記限定された前記番号毎の前記メッセージを呼び出して音声として再生するステップと、
を有することを特徴とする情報通信方法。
【請求項4】
前記メッセージ保存領域に保存された前記メッセージは、前記ユーザID毎にそれぞれ限定された前記番号毎に削除するためのステップを実行可能なこと
を特徴とする請求項3に記載の情報通信方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2008−252844(P2008−252844A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−95151(P2007−95151)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第3項適用申請有り 2006年10月3日〜7日 CEATEC JAPAN実施協議会、情報通信ネットワーク産業協会、社団法人 電子情報技術産業協会、社団法人 日本パーソナルコンピュータソフトウェア協会主催の「CEATEC JAPAN 2006」に出品
【出願人】(399041158)西日本電信電話株式会社 (215)
【出願人】(399040405)東日本電信電話株式会社 (286)
【Fターム(参考)】