情報通信システムおよびそれに用いる端末装置
【課題】情報提供メディアから受信した情報中に残存する言葉の余韻に(その情報に対しての)心情を表現した言葉を、利用者にとって自分側(発信側ではなく受信側)に位置している端末から出力することにより、利用者に対して提供される情報への興味を惹きつけることのできる情報システムを実現する。
【解決手段】放送局からの伝達情報に呼応した心情表現を、受信端末や心情表現端末から出力させるようにした。具体的には、アナウンサーが話すニュースに対して、「ウン、ウン」と同意するような言葉を発したり、「そんなはずないやろっ!!」というようないわゆるツッコミと呼ばれる出力を行わせる。
【解決手段】放送局からの伝達情報に呼応した心情表現を、受信端末や心情表現端末から出力させるようにした。具体的には、アナウンサーが話すニュースに対して、「ウン、ウン」と同意するような言葉を発したり、「そんなはずないやろっ!!」というようないわゆるツッコミと呼ばれる出力を行わせる。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタル化された双方向情報通信システムにおけるメディアの有効活用に適用して有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタルテレビ放送、デジタルラジオ放送、衛星デジタル放送、さらにはブロードバンドによるインターネット接続環境が次第に整備されつつあり、利用者(視聴者)としては多彩なコンテンツを多種の情報提供メディアから取得できるようになってきている。そして、配信される番組、たとえばクイズ番組に利用者(視聴者)がリモコン、キーボードや携帯電話を通じて回答者として参加するような双方向機能も用意されるようになってきている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前述のように双方向通信機能がメディア端末に備わって利用者からの情報発信できるようになったとはいっても、メディアからの情報は基本的に一方通行であり、利用者(視聴者)はメディアからの情報に手が届かない範囲、手にとって実感できない非現実感を経験的に感じており、メディアから受け取った情報に感じる心情を共有できる相手が身近にいなかった場合には、そのもどかしさから孤独感や何か満たされない想いなどを感じてしまうという問題点があった。
【0004】
すなわち、これらの情報提供メディアから提供される情報は、たとえばニュース番組を例にすると、平均的な常識、知識、倫理観を有する利用者(視聴者)を想定しているため、個々の利用者としては受信する情報に対して共感を得ることができず、情報に対する実感のわかないものとなっていた。
【0005】
さらに、従来の情報提供メディアでは、情報を受信するためのメディア端末が機能していない状態(たとえばスイッチが入っていないなど)ではその効力を発揮し得なかった。
【0006】
本発明は、このような点に着目してなされたものであり、情報提供メディアから受信した情報中に残存する言葉の余韻に(その情報に対しての)心情を表現した言葉を、利用者にとって自分側(発信側ではなく受信側)に位置している端末から出力することにより、利用者に対して提供される情報への興味を惹きつけることのできる情報システムを実現することを技術的課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、情報配信手段から配信された伝達情報を受信してこの伝達情報を解析し、さらに解析後の伝達情報に呼応した心情表現情報を記憶手段から検索して、前記伝達情報と、前記で索出された呼応する心情表現情報とを順次出力するようにした双方向情報通信システムである。
【0008】
ここで情報配信手段とは、テレビ局、ラジオ局、情報配信サーバ等の情報配信メディアを意味し、伝達情報とは、音声や動画によるニュース、会話、音楽などの従来から配信されているいわゆるコンテンツを意味する。
【0009】
本発明ではこの伝達情報に呼応した心情表現を受信端末や心情表現端末から出力させるようにしたものである。より具体的には、これらの受信端末や心情表現端末にアナウンサーが話すニュースに対して、「ウン、ウン」と同意するような言葉を発したり、「そんなはずないやろっ!!」というようないわゆるツッコミと呼ばれる出力を行わせるものである。
【0010】
本発明の第1の特徴は、メディアから流れる情報に残る言葉の余韻に(その情報に対しての)心情を表現した言葉を出力することによって、利用者に「今、私もそう思った」と共感を与えることを意図する点にある。すなわち、言葉が音として消えたあとまで残る『余韻』を活用するものである。一般に、言葉には音として消えたあとまで残る響きがあり、言葉の受け手にとってはその言葉を無意識に噛み締めて(よく味わって)しまうような味わいが残る。この響きや味わいは意識できる場合もあるが、よほど集中していないと意識せずに聞き流してしまうために我々の日常生活においては無意識のうちに、であることが多い。この響きや味わいを「言葉の余韻」という。
【0011】
言葉の余韻に感じる想いは受け手となる人それぞれではあるが、この余韻が残る間にその言葉に関しての心情を表した言葉を聞くと、たとえば「今、私もそう思ったんだ」と共感することがよくある。心理的見地によると人は自らが思うことや感じることに賛同する意見は受け入れやすく、逆に反対する意見は受け入れにくいという特性があり、特に意識せず(無意識に)聞いている状態で聞いた言葉のなかで自らに賛同する言葉には感情移入しやすい反面、賛同しない言葉は聞き流しやすいからと考えられている。つまり言葉を聞いてからその余韻が消えるまでの間に(他の人がその言葉に対して)心情を表した言葉を繰り返し聞いていると無意識であればあるほど、(機会増加によって)いつしか共感してしまう瞬間が多くなるといる。本発明は、この効果を利用してメディアから流れる情報と共に、(その情報に残る)言葉の余韻に(その情報に対しての)心情を表現した言葉を出力することによって、「今、私もそう思った」などといった共感を利用者に与えることができるようにしたものである。
【0012】
また最近のメディアの利用は「ながら(他のことをしながらの意。何かを食べながらテレビを見たり車を運転しながらラジオを聞くのはこの例となる)」が多く、メディアから流れる情報を聞き流していることが多い。つまりは無意識に聞いているので、この「(メディアから流れる)情報に対しての心情を表した言葉」をその余韻が残る間に出力することは利用者の共感を得やすい演出として有効である。
【0013】
本発明の第2の特徴は、情報に対しての心情を表現した言葉は(利用者にとって)こちら側と思える端末から出力することでその効果が増すということを利用した点にある。
【0014】
すなわち、受信端末または心情表現端末を利用者がこちら側(放送局に対して情報の受け手側)だと思う範囲に置くことで共感性を増加させるものである。ここで、共感とは一種の仲間意識であり、その共感した相手の存在が近いとその共感性が増す傾向にある。ただしこの「存在が近い」とは身の回りという意味であり、(手を伸ばせば、手を伸ばすためにそこまで行こうかなと思える範囲を含めて)手が届く範囲(この『範囲』とはムリなく、楽に手が届きそうに思える範囲であって、つまりそう思えればという心理的範囲)に存在していることの意である。言い換えれば「手にとって実感できる(できそうな)」範囲にある(存在する)と存在が近いということであって、たとえば目の前などのいわゆる物理的に近いこととは異なる。話を戻すと、つまり心理的見地によれば人はメディアからの情報に手が届かない範囲、手にとって実感できない非現実感を経験的に感じており、共感できる「相手(の存在)」を身近なところに求めているからだと説明されている。
【0015】
そこで本発明では、利用者の身の回りにメディア端末とは異なる心情表現端末(具体的にはたとえば人形などの外観を持つ端末)として配置することでその効果の増加が期待できる。
【0016】
つまり、このような「そう思ったと感じる共感」や「身近な共感相手に対する親しみ」がたとえば孤独感や日ごろ感じる何か満たされない想い(虚無感)をかき消す効果があり、このこれらをかき消すこと自体が利用者にとっての「癒し」となる。
【0017】
より具体的には、本発明は、メディア局が使用する情報配信装置と利用者が使用する受信端末と、心情表現端末とでシステムを構成したものである。
【0018】
ここで、前記情報配信装置は、音声情報、画像情報または文字情報の少なくとも1つのコンテンツ情報と、制御情報とを含む伝達情報を配信する手段を具備しており、この制御情報は、前記コンテンツ情報に呼応して心情表現端末から出力するための呼応情報を含んでいる。
【0019】
前記受信端末は、伝達情報を受信する手段と、伝達情報から前記コンテンツ情報と前記制御情報中の呼応情報とを分離する手段と、呼応情報以外の伝達情報を出力する手段と、前記呼応情報を心情表現端末へ送信する手段とを具備しており、前記呼応情報を抽出するとともに、通常のコンテンツ情報を出力するようになっている。
【0020】
さらに、本発明の特徴的な装置である心情表現端末は、前記呼応情報を受信する手段と、前記呼応情報を心情表現端末から音声または動作により出力する出力手段とを具備しており、音声としての呼応情報を出力したり、端末自身が呼応情報に基づいて動作するようなっている。
【0021】
【発明の実施の形態】
実施形態の説明に先立って本発明の概念、特に「言葉の余韻」について説明する。図1は、「言葉の余韻」を説明するブロック図である。
【0022】
人は見聞きした情報を解釈し、意味を理解すると、「無意識のフィルタ」を通して、関心のあるものとそうでないものを分類する。
【0023】
関心のあるものについては、無意識に噛み締めるので、その言葉の持つ響きや味わいが残る。すなわち、それを「言葉の余韻」という。
【0024】
図2は、メディア端末(受信端末)を利用している際に共感が生み出す癒し効果を説明するブロック図(従来例を示す図)である。
【0025】
同図は、メディア端末(受信端末)を利用している際に共感が生み出す効果を説明するブロック図である。同図において、「メディア局」とは、音声や画像、文字などの情報を不特定多数(特定多数の場合もある)の人に一斉に配信する組織(放送局、情報配信手段または情報配信サーバ)のことで、一斉に情報を配信するものであれば、その情報の形式や伝達方法は問わない。たとえば、テレビやラジオの放送局等を意味している。
【0026】
「メディア端末」とは、前記「メディア局」から放送される「情報」を受信し、利用者が理解できる形式で提供するものであり、利用者が理解できるのであればデータ形式や伝達方法は問わない。たとえば、テレビ、ラジオ、パーソナルコンピュータ等を意味している。
【0027】
ここでいう「音声、画像等の情報」とは、メディア局が発信する従来のコンテンツのことであり、たとえば、ラジオの場合のパーソナリティによる話や音楽の音声情報などのことをいう。
【0028】
「心理的境界」とは、利用者にとっての「心理的な存在」が遠いか、近いかを分ける境界をいう。「心理的境界」よりも利用者に近いところを「こちら側」、遠いところを「あちら側」という。利用者にとって「心理的な存在」が近いとは、「手にとって実感できる(できそうな)」範囲にある(存在する)という心理的な意味であり、たとえば目の前などのいわゆる物理的に近いこととは異なる。ここでいう「メディア端末」が配信する「音声、画像等の情報」を聞くことは、「メディア局」が一方的に出力する「情報」を受信するだけであり、利用者が「情報」を操作することはできない。「情報」の配信はすべて「メディア局」の側で行っていることから、利用者は自分の意思や想いから遠い存在と感じるため、「あちら側」に存在しているということができる。
【0029】
「共感者」とは、利用者とともに「こちら側」で「メディア端末」からの「情報」を取得し、利用者に「呼応情報」を提供するもののことであり、利用者と心理的近いところにいて、「呼応情報」を提供するものであれば、その種類は問わない。多くの場合、人間やペットなどのことである。
【0030】
「呼応情報」とは、「メディア端末」から発せられる「情報」に対して呼応する情報のことである。ここでは、「共感者」が「情報」に関して利用者に発するものであり、「共感者」の想いが利用者に伝えられるのであれば、その方法は問わない。たとえば、「これおもしろいよね」という言葉や、利用者の好きな音楽に合わせてリズムを取るといった動作などがある。
【0031】
利用者が「共感者」から発せられる「呼応情報」を取得し、自分の持っている「言葉の余韻」と一致するものがあるときは、「私も今、そう思った」などと共感し、身近な共感相手に対して親しみを感じるので、「孤独感」や「何か満たされない想い」などがかき消されるといった「癒し効果」が生まれる。
【0032】
ただし、この「癒し効果」を生むためには、必ず利用者が「こちら側」と思えるところに、「共感者」が存在する必要があった。
【0033】
図3は、「心情表現端末」が存在した場合の構成を説明するモデル図(本発明の代表図)である。
【0034】
ここでいう「情報」とは、図2での「メディア局」から配信される「音声、画像等の情報」に加えて、「呼応情報」も含むものである。「メディア端末」は「情報」を受信すると、「音声、画像等の情報」と「呼応情報」をそれぞれ取得し、「音声、画像等の情報」を従来どおりの形式で利用者に提供する一方、「呼応情報」を「心情表現端末」へ提供する。
【0035】
「心情表現端末」とは、利用者が「こちら側」と思えるところに存在し、利用者に「呼応情報」を提供するものであり、利用者の「言葉の余韻」に一致する「呼応情報」を提供することで、利用者の近いところに「共感者」がいなくても「癒し効果」を生むことができる。また、人に近いインターフェース(人形や動物やキャラクタ等の形状をしていたり、表情を持っていたり、話し言葉で応答するなど)を持つことで、人が親しみやすいようになっている。利用者に「呼応情報」を提供できるものであれば、提供する「呼応情報」の形式(文字情報、音声情報等)、伝達手段(スピーカー、表示ディプレイさらには前記人形等のインターフェースの動き等)は問わない。
【0036】
ここでいう「呼応情報」とは、「動作に関する情報」と「動作以外の情報」があり、「動作に関する情報」は「心情表現端末」に動作指示するもので、「動作以外の情報」は音声や文字などの情報をそのまま利用者に伝達されるものである。
【0037】
図4は、「メディア端末」を利用していない場合に利用者が関心を持つときの心理モデル図である。
【0038】
「メディア端末」から音声や画像などが出力されていない場合に、「心情表現端末」が「メディア局」から配信される情報に対しての心情を表す言葉や態度(呼応情報)を出力することで、利用者に「メディア局」の「情報」に興味を持たせ、「メディア端末」または「心情表現端末」にアクションを起こさせる効果を持つ。
【0039】
「制御情報」とは、利用者が「心情表現端末」へアクションを起こした際に、「心情表現端末」から「メディア端末」を操作する必要がある場合に、「心情表現端末」が「メディア端末」のスイッチを入れるなどといった制御をするための情報である。
【0040】
たとえば、人形型の「心情表現端末」が(利用者がラジオを聞いていないときには)イヤホンのようなもので聞いているフリをしたり、独り言をいったりする行為などがあげられる。利用者は「心情表現端末」の態度を見て、「心情表現端末」と一緒にラジオを聞こうと、「メディア端末に対するアクション(動作)」を行う。
【0041】
図5は、「心情表現端末」がインターネットへ接続している状態を示す図である。
【0042】
利用者が「心理表現情報出力端末」に対してアクションを起こした際に、「心情表現端末」からインターネットへ接続し、情報を送受信してもよい。このとき端末からの接続先は「メディア局」だけでなく、「ネット情報」を発信する他の組織でもよい。
【0043】
「ネット情報」とは、「心情表現端末」がインターネットを介して送受信する情報のことであり、インターネットを介して送受信することができるものであれば、形式、内容は問わない。
【0044】
【実施例1】
図6は、「メディア端末」のハードウェアブロック図である。
【0045】
同図において、「チューナ部」とは、「メディア局」から送られてくる「情報」をデコードし、利用者や共感者が理解することのできる音声、画像、文字などの伝達情報形式に変換する機能部である。
【0046】
「情報表示部」とは、「メディア端末」のオン・オフやチューニング状態を表示したり、「チューナ部」でデコードされた「情報」のなかで、画像や文字情報など、視覚的に表示できるものを利用者や共感者に提供する部位である。たとえば、当該メディア端末が「伝達情報」を受信している相手側の「メディア局」の名称や周波数を表示したり、「メディア局」からの提供される多重文字情報等を表示する。具体的には液晶ディスプレイ等で構成されている。
【0047】
「音声出力部」とは、「チューナ部」でデコードされた「伝達情報」のなかで、音声として利用者や共感者に提供できるものを出力する部位であり、より具体的にはスピーカーやイヤホン等を意味する。
【0048】
「入力デバイス」とは、利用者や共感者が「メディア端末」に対して操作を行うインターフェースとなる部位であり、「メディア端末」の機能を制御することができるのであれば、その形態、方法は問わない。たとえば、放送局を選択するための操作ボタンや、音量を調節するボリュームつまみ等を意味している。
【0049】
「呼応情報入出力部」とは、「メディア端末」が「心情表現端末」に対して「呼応情報」を送信したり、「心情表現端末」から送られてくる「制御情報」を受信するための部位であり、「心情表現端末」との間のインターフェースとなる。「呼応情報」や「制御情報」を伝達できるのであれば、伝達する情報の形式、手段は問わない。すなわち、呼応情報としては、音声情報として図示しないスピーカーからメディア端末のマイク(図7の情報受信部に接続される)に対して再生されるようにしてもよいし、当該メディア端末と心情表現端末とを接続してデータ形式で制御情報としてメディア端末から心情表現端末に出力するようにしてもよい。
【0050】
なお、当該呼応情報入出力部は、当該メディア端末が伝達情報の出力を行っていないとき、すなわち音声出力部や情報表示部からの出力を行っていないときであっても呼応情報を心情表現端末に出力し続けることが可能である。すなわち、心情表現端末のみを呼応情報だけで動作させることができる。
【0051】
「演算部」とは、各機能を(プログラムを実行することによって)駆動、処理するための演算機能を持つ部位である。一般にCPU(Central Processor Unit:中央演算処理装置)で構成される。
【0052】
「メモリ部」とは、「演算部」がプログラムを実行する実行エリア(RAM・ROMなどの記憶素子)の部位である。
【0053】
「情報DB管理部」とは、ハードディスク装置等の記憶装置に格納された種々のデータの構成とデータ実体を管理する機能を有している。
【0054】
同図中、「プログラム/データ」とは、本ハードウェアが機能するためのプログラムとデータ群のことであり、OS(オペレーティングシステム)や設定情報だけでなく、アプリケーションソフトやそれらに付随するデータもここに含まれる。また、データとして音声や画像情報も蓄積することができる。これらの「プログラム/データ」もハードディスク装置等の記憶装置内にインストールされている。
【0055】
図7は、「心情表現端末」のハードウェアブロック図である。
【0056】
本実施例では、この心情表現端末は、図6で説明したメディア端末に接続される構成となっている。
【0057】
同図中において、「情報受信部」とは、「メディア端末」から出力される「呼応情報」を受信する部位である。
【0058】
この情報受信部は、前述のメディア端末と直接接続されて呼応情報のデータを受信できるようにしてもよいし、あるいはマイクを接続して、メディア端末のスピーカーから再生された音声中の呼応情報を受信するようにしてもよい。
【0059】
「入力デバイス」とは、利用者が「心情表現端末」に対して制御情報、端末の個性やネットワークに関する設定情報などを入力するための部位である。「心情表現端末」に入力可能な情報であれば、情報の形式、入力の手段は問わない。たとえば、入力ボタン、音声情報を入力するマイク、画像を入力するカメラ、遠隔操作を行うためのリモコンとそのセンサなどがあげられる。また、パーソナルコンピュータなどの機器と接続し、情報を入力することも可能である。心情表現端末が人形型である場合、入力デバイスとしては伝達情報に対する「支持」、「共感」、「拒絶」を意味する入力ボタンを設けておいてもよい。
【0060】
「ネットワーク接続部」とは、「心情表現端末」がLANやインターネットの回線に接続するための機能を持った部位である。ネットワークに接続であれば、通信の手段は問わない。
【0061】
「アクチュエータコントローラ部」とは、「メディア端末」からの送信や利用者の入力によって与えられた「制御情報」をもとに、「アクチュエータ」に動作指示を行う部位である。
【0062】
「アクチュエータ」とは、「アクチュエータコントローラ部」からの指示に基づいて、「心情表現端末」を動作させる部位である。
【0063】
心情表現端末が人形等のようにキャラクタの外形を備えている場合には、アクチュエータを制御することによって当該人形の手足や顔を動作させることもできる。
【0064】
「情報表示部」とは、「呼応情報」や「心情表現端末」が保持している設定情報や受信した「ネット情報」などを表示する部位であり、人が視覚的に把握可能な情報であれば、文字、図形、映像など、その形式は問わない。
【0065】
「音声出力部」とは、「メディア局」から取得した音声情報、それに対応する呼応情報、または「心情表現端末」がデータとして保持している音声情報等を前記呼応情報の受信に合わせて、または自律的に発する。
【0066】
「時間管理部」とは、時計としての機能を持ち、「メディア端末」や「心情表現端末」において、動作(操作)が行われた時間を管理するものである。たとえば、利用者がいつも聞いている番組の時間帯を記憶させておき、その時間になった際に利用者に対して前記情報表示部または音声出力部を通じてその番組が始まったことなどを通知するために利用される。
【0067】
なお、図7における「プログラム/データ」とは、図6の「メディア端末」でいうところの「プログラム/データ」に加えて、「心情表現端末」が心情を表現するために必要な情報を含む。たとえば「呼応情報」もここに格納される。 ここで、「呼応情報」について説明すると、「呼応情報」は、メディア局から配信される伝達情報に呼応した情報であり、伝達情報に対応した動作を行うためのプログラムとその設定情報や音声情報等を含む。
【0068】
この呼応情報は、心情表現端末にあらかじめインストールされていてもよいし、あるいは、メディア端末が受信するメディア局の伝達情報中に格納されたものを蓄積してもよい。
【0069】
なお、図7の「プログラム/データ」には、前記呼応情報の他に、心情表現端末自身が自律的な動作を行うためのプログラムとその設定情報、および心情表現端末の個性として利用者によって入力された(あるいはあらかじめ記憶されている)設定情報や通信プログラム等も含まれる。
【0070】
図13は、放送局からの通信フォーマットを示すものである。同図(a)〜(d)はFM放送のデジタルデータフォーマットを示しており、同図(a)および(b)は基本セグメント(1セグメント:300kbps)によるフォーマットであり、同図(c)および(d)は拡張セグメント(3セグメント:900kbps)によるフォーマットを示している。
【0071】
同図(a)を例に説明すると、基本セグメントである300kbps(Bit PerSecond)中の144kbpsが伝達情報、すなわちステレオ音声情報に割り当てられ、100kbpsが文字情報や静止画等のデータ領域に割り当てられている。このデータ領域には、通常、放送される楽曲の曲名やアーティスト等の情報または広告情報等を格納することができる。また、56kbpsの制御情報領域には、制御対象ID、制御対象危機、制御コマンド等の情報が格納されるようになっている。
【0072】
本実施例における「呼応情報」は、このデータ領域または制御情報領域に格納される。
【0073】
なお、同図(b)のフォーマットは2チャンネルのモノラル放送を基本セグメントで送信する場合、(c)は拡張セグメントによってステレオ放送を行う場合、(d)は拡張セグメント構成によって2チャンネルのステレオ放送を行う場合のフォーマットである。
【0074】
図9は、「メディア端末」の演算部のフローチャートである。
【0075】
メディア端末(図6)の演算部は、チューナ部を介してメディア局からの情報を受信したか否かを判定する(ステップ901)。ここで何の受信情報も無い場合には待機する(902)。
【0076】
メディア局からの受信情報が検出されたときには、当該情報をデコードし(903)、この情報中に呼応情報が含まれているか否かを検出する(904)。このとき、呼応情報が索出されたときには、該呼応情報を呼応情報入出力部を介して心情表現端末に送信する(905)。
【0077】
そして、受信情報の中から伝達情報(通常の音声情報)を音声出力部を通じて出力する。このときに、楽曲等の付加情報があるときには情報表示部を通じて出力する。
【0078】
図10は、「心情表現端末」の演算部のフローチャートである。
【0079】
前述のステップ905でメディア端末から送信された呼応情報を受信した心情表現端末の演算部の処理フローを説明する。
【0080】
まず、演算部は、メディア端末からの呼応情報の受信があると(1001)、当該呼応情報をデコードし(1003、動作情報が含まれているか否かを検出する(1004)。このとき動作情報が含まれていたときには(1004)、当該動作情報を解析し(1005)、情報DB管理部を通じて動作プログラムを読み出す(1006)。
【0081】
そして読み出した動作プログラムをアクチュエータコントローラ部に通知する。これによってアクチュエータコントローラ部はアクチュエータに対して所定の動作を行わせる(1007)。
【0082】
一方、演算部は動作以外の呼応情報(たとえば音声情報や文字情報)がある場合には、情報表示部や音声出力部を介してそれぞれの情報を出力する(1008)。
【0083】
図14は、以上に説明した本実施例1をわかりやすく示した図である。
【0084】
メディア局では伝達情報(ここではアナウンサーが発声した「ねえねえ、しってるこの話し...」という音声)と、呼応情報(ここでは心情表現端末から発声させる音声「オイオイ、えーかげんにせーよ!」と、「ドテ!」という対応動作を行うために心情表現端末のアクチュエータを作動させるための動作情報)を前記図13で説明したフォーマットで配信する。
【0085】
家庭内でこれを受信した人形型のメディア端末では、伝達情報(ここでは「ねえねえ、しってるこの話し...」)をそのまま音声情報として音声出力部より再生する。
【0086】
そしてメディア端末に接続された人形型の心情表現端末は呼応情報を入力して、呼応情報としての音声情報(「オイオイ、えーかげんにせーよ!」)を音声出力部(図7参照)から出力する。またこれに続けて人形型の心情表現端末は呼応情報中から読み出した制御信号を演算部が解析し、アクチュエータコントローラ部を通じてアクチュエータを動作させて当該人形型の心情表現端末に「ドテ!」という対応動作がなされるように制御する。
【0087】
なお、図17に示すように、心情表現端末は、メディア端末の音声出力部や情報表示部から出力がなされていないとき(メディア端末が機能していないとき)でもメディア端末を経由して呼応情報のみを受信して動作させてもよい。これにより利用者に対して心情表現端末の動作を見ることにより、メディア局からの放送内容を興味を持たせることができる。
【0088】
図12は、心情表現端末において、利用者が入力デバイス(図7)を通じて操作を行った場合の心情表現端末の演算部の処理フローを示したものである。
【0089】
演算部は、利用者の入力があったか否かを検出する(1201。具体的には人形型の心情表現端末を例に挙げると呼応情報を再生しているときに利用者から入力ボタンが押され場合、またはキーボード等から当該伝達情報に対する情報入力がなされたような場合である。
【0090】
利用者からの入力があったときには、当該入力情報をエンコードする(1203)。このエンコード内容は、メディア局からの伝達情報に対する利用者の受け入れ、支持、共感や拒絶を意味する情報としてエンコードされる。そしてこれらがメディア局に向けられた情報である場合、ネットワーク接続部を介してメディア局に対して当該入力情報を送信する。
【0091】
このようにして利用者から入力された入力情報は図15に示すように、放送局における「リスナの反応情報」として集計される。
【0092】
また、図16に示すように、メディア局より伝達情報として健康をチェックするアンケートを出力し、これに対して利用者が心情表現端末の入力ボタンで回答することにより、病院等の健康チェックに用いることができ、適切な健康アドバイスのサービスを実施することができる。
【0093】
【実施例2】
図8は、「メディア端末」を内蔵している「心情表現端末」のハードウェアブロック図である。
【0094】
本実施例は、実施例1の図7で説明した「心情表現端末」に図6の「メディア端末」の主な機能を付加し、「心情表現端末」と「メディア端末」間のインターフェースを削除したものである。より具体的には、本実施例1では、「メディア局」から配信される「音声、画像等の情報」を受信し、利用者に提供する機能を付加し、「呼応情報」や「制御情報」を送受信するためのインターフェースを削除している。
【0095】
同図において、「メディア情報出力部」は主にメディア局から配信された伝達情報中の「音声、画像等の情報」を出力する機能部であり、「呼応情報出力部」は、呼応情報中の音声や画像等を出力する機能部である。両機能部ともに図示しないスピーカ、液晶画面等の出力装置が接続されるようになっている。
【0096】
図11は、本実施例2における「心情表現端末」の演算部のフローチャートである。
【0097】
演算部は、メディア局からの情報を受信すると(1101)、当該情報をデコードし(1103)、これに呼応情報が含まれているときには当該呼応情報をデコードする(1104,1105)。
【0098】
そして、さらに当該情報中に動作情報が含まれている場合には、情報DB管理部を介して動作プログラムを読み出してアクチュエータコントロール部にアクチュエータを動作させる(1108,1109)。
【0099】
そして、メディア局からの伝達情報や呼応情報はそれぞれメディア情報出力部と呼応情報出力部を通じて文字情報や音声情報として出力される(1110)。
【0100】
以上、本発明を実施例に基づいて説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0101】
たとえば、実施例では図13で説明したようにFMデジタル放送のデータフォーマットを例に説明したが、1対多数または1対1のデータ通信に適用可能であり、BSまたはCSデジタル方法、地上波テレビ文字方法、FM文字多重放送、ISDN通信、IMT−2000通信にも用いることができる。
【発明の効果】
本発明によれば、情報提供メディアから受信した情報中に残存する言葉の余韻に(その情報に対しての)心情を表現した言葉を、利用者にとって自分側(発信側ではなく受信側)に位置している端末から出力することにより、利用者に対して提供される情報への興味を惹きつけることのできる情報システムを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における言葉の余韻を説明するための図
【図2】従来技術を説明するための図
【図3】本発明の概念図(1)
【図4】本発明の概念図(2)
【図5】本発明の概念図(3)
【図6】実施例1のメディア端末の構成を示すブロック図
【図7】実施例1の心情表現端末の構成を示すブロック図
【図8】実施例2のメディア端末を内蔵した心情表現端末の構成を示すブロック図
【図9】実施例1のメディア端末の演算部の処理フロー図
【図10】実施例1の心情表現端末の演算部の処理フロー図(1)
【図11】実施例2のメディア端末を内蔵した心情表現端末の演算部の処理フロー図
【図12】実施例1の心情表現端末の演算部の処理フロー図(2)
【図13】実施例の放送データのフォーマット図
【図14】実施例1のサービス概要を示す説明図(1)
【図15】実施例1のサービス概要を示す説明図(2)
【図16】実施例1のサービス概要を示す説明図(3)
【図17】実施例1のサービス概要を示す説明図(4)
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタル化された双方向情報通信システムにおけるメディアの有効活用に適用して有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタルテレビ放送、デジタルラジオ放送、衛星デジタル放送、さらにはブロードバンドによるインターネット接続環境が次第に整備されつつあり、利用者(視聴者)としては多彩なコンテンツを多種の情報提供メディアから取得できるようになってきている。そして、配信される番組、たとえばクイズ番組に利用者(視聴者)がリモコン、キーボードや携帯電話を通じて回答者として参加するような双方向機能も用意されるようになってきている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前述のように双方向通信機能がメディア端末に備わって利用者からの情報発信できるようになったとはいっても、メディアからの情報は基本的に一方通行であり、利用者(視聴者)はメディアからの情報に手が届かない範囲、手にとって実感できない非現実感を経験的に感じており、メディアから受け取った情報に感じる心情を共有できる相手が身近にいなかった場合には、そのもどかしさから孤独感や何か満たされない想いなどを感じてしまうという問題点があった。
【0004】
すなわち、これらの情報提供メディアから提供される情報は、たとえばニュース番組を例にすると、平均的な常識、知識、倫理観を有する利用者(視聴者)を想定しているため、個々の利用者としては受信する情報に対して共感を得ることができず、情報に対する実感のわかないものとなっていた。
【0005】
さらに、従来の情報提供メディアでは、情報を受信するためのメディア端末が機能していない状態(たとえばスイッチが入っていないなど)ではその効力を発揮し得なかった。
【0006】
本発明は、このような点に着目してなされたものであり、情報提供メディアから受信した情報中に残存する言葉の余韻に(その情報に対しての)心情を表現した言葉を、利用者にとって自分側(発信側ではなく受信側)に位置している端末から出力することにより、利用者に対して提供される情報への興味を惹きつけることのできる情報システムを実現することを技術的課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、情報配信手段から配信された伝達情報を受信してこの伝達情報を解析し、さらに解析後の伝達情報に呼応した心情表現情報を記憶手段から検索して、前記伝達情報と、前記で索出された呼応する心情表現情報とを順次出力するようにした双方向情報通信システムである。
【0008】
ここで情報配信手段とは、テレビ局、ラジオ局、情報配信サーバ等の情報配信メディアを意味し、伝達情報とは、音声や動画によるニュース、会話、音楽などの従来から配信されているいわゆるコンテンツを意味する。
【0009】
本発明ではこの伝達情報に呼応した心情表現を受信端末や心情表現端末から出力させるようにしたものである。より具体的には、これらの受信端末や心情表現端末にアナウンサーが話すニュースに対して、「ウン、ウン」と同意するような言葉を発したり、「そんなはずないやろっ!!」というようないわゆるツッコミと呼ばれる出力を行わせるものである。
【0010】
本発明の第1の特徴は、メディアから流れる情報に残る言葉の余韻に(その情報に対しての)心情を表現した言葉を出力することによって、利用者に「今、私もそう思った」と共感を与えることを意図する点にある。すなわち、言葉が音として消えたあとまで残る『余韻』を活用するものである。一般に、言葉には音として消えたあとまで残る響きがあり、言葉の受け手にとってはその言葉を無意識に噛み締めて(よく味わって)しまうような味わいが残る。この響きや味わいは意識できる場合もあるが、よほど集中していないと意識せずに聞き流してしまうために我々の日常生活においては無意識のうちに、であることが多い。この響きや味わいを「言葉の余韻」という。
【0011】
言葉の余韻に感じる想いは受け手となる人それぞれではあるが、この余韻が残る間にその言葉に関しての心情を表した言葉を聞くと、たとえば「今、私もそう思ったんだ」と共感することがよくある。心理的見地によると人は自らが思うことや感じることに賛同する意見は受け入れやすく、逆に反対する意見は受け入れにくいという特性があり、特に意識せず(無意識に)聞いている状態で聞いた言葉のなかで自らに賛同する言葉には感情移入しやすい反面、賛同しない言葉は聞き流しやすいからと考えられている。つまり言葉を聞いてからその余韻が消えるまでの間に(他の人がその言葉に対して)心情を表した言葉を繰り返し聞いていると無意識であればあるほど、(機会増加によって)いつしか共感してしまう瞬間が多くなるといる。本発明は、この効果を利用してメディアから流れる情報と共に、(その情報に残る)言葉の余韻に(その情報に対しての)心情を表現した言葉を出力することによって、「今、私もそう思った」などといった共感を利用者に与えることができるようにしたものである。
【0012】
また最近のメディアの利用は「ながら(他のことをしながらの意。何かを食べながらテレビを見たり車を運転しながらラジオを聞くのはこの例となる)」が多く、メディアから流れる情報を聞き流していることが多い。つまりは無意識に聞いているので、この「(メディアから流れる)情報に対しての心情を表した言葉」をその余韻が残る間に出力することは利用者の共感を得やすい演出として有効である。
【0013】
本発明の第2の特徴は、情報に対しての心情を表現した言葉は(利用者にとって)こちら側と思える端末から出力することでその効果が増すということを利用した点にある。
【0014】
すなわち、受信端末または心情表現端末を利用者がこちら側(放送局に対して情報の受け手側)だと思う範囲に置くことで共感性を増加させるものである。ここで、共感とは一種の仲間意識であり、その共感した相手の存在が近いとその共感性が増す傾向にある。ただしこの「存在が近い」とは身の回りという意味であり、(手を伸ばせば、手を伸ばすためにそこまで行こうかなと思える範囲を含めて)手が届く範囲(この『範囲』とはムリなく、楽に手が届きそうに思える範囲であって、つまりそう思えればという心理的範囲)に存在していることの意である。言い換えれば「手にとって実感できる(できそうな)」範囲にある(存在する)と存在が近いということであって、たとえば目の前などのいわゆる物理的に近いこととは異なる。話を戻すと、つまり心理的見地によれば人はメディアからの情報に手が届かない範囲、手にとって実感できない非現実感を経験的に感じており、共感できる「相手(の存在)」を身近なところに求めているからだと説明されている。
【0015】
そこで本発明では、利用者の身の回りにメディア端末とは異なる心情表現端末(具体的にはたとえば人形などの外観を持つ端末)として配置することでその効果の増加が期待できる。
【0016】
つまり、このような「そう思ったと感じる共感」や「身近な共感相手に対する親しみ」がたとえば孤独感や日ごろ感じる何か満たされない想い(虚無感)をかき消す効果があり、このこれらをかき消すこと自体が利用者にとっての「癒し」となる。
【0017】
より具体的には、本発明は、メディア局が使用する情報配信装置と利用者が使用する受信端末と、心情表現端末とでシステムを構成したものである。
【0018】
ここで、前記情報配信装置は、音声情報、画像情報または文字情報の少なくとも1つのコンテンツ情報と、制御情報とを含む伝達情報を配信する手段を具備しており、この制御情報は、前記コンテンツ情報に呼応して心情表現端末から出力するための呼応情報を含んでいる。
【0019】
前記受信端末は、伝達情報を受信する手段と、伝達情報から前記コンテンツ情報と前記制御情報中の呼応情報とを分離する手段と、呼応情報以外の伝達情報を出力する手段と、前記呼応情報を心情表現端末へ送信する手段とを具備しており、前記呼応情報を抽出するとともに、通常のコンテンツ情報を出力するようになっている。
【0020】
さらに、本発明の特徴的な装置である心情表現端末は、前記呼応情報を受信する手段と、前記呼応情報を心情表現端末から音声または動作により出力する出力手段とを具備しており、音声としての呼応情報を出力したり、端末自身が呼応情報に基づいて動作するようなっている。
【0021】
【発明の実施の形態】
実施形態の説明に先立って本発明の概念、特に「言葉の余韻」について説明する。図1は、「言葉の余韻」を説明するブロック図である。
【0022】
人は見聞きした情報を解釈し、意味を理解すると、「無意識のフィルタ」を通して、関心のあるものとそうでないものを分類する。
【0023】
関心のあるものについては、無意識に噛み締めるので、その言葉の持つ響きや味わいが残る。すなわち、それを「言葉の余韻」という。
【0024】
図2は、メディア端末(受信端末)を利用している際に共感が生み出す癒し効果を説明するブロック図(従来例を示す図)である。
【0025】
同図は、メディア端末(受信端末)を利用している際に共感が生み出す効果を説明するブロック図である。同図において、「メディア局」とは、音声や画像、文字などの情報を不特定多数(特定多数の場合もある)の人に一斉に配信する組織(放送局、情報配信手段または情報配信サーバ)のことで、一斉に情報を配信するものであれば、その情報の形式や伝達方法は問わない。たとえば、テレビやラジオの放送局等を意味している。
【0026】
「メディア端末」とは、前記「メディア局」から放送される「情報」を受信し、利用者が理解できる形式で提供するものであり、利用者が理解できるのであればデータ形式や伝達方法は問わない。たとえば、テレビ、ラジオ、パーソナルコンピュータ等を意味している。
【0027】
ここでいう「音声、画像等の情報」とは、メディア局が発信する従来のコンテンツのことであり、たとえば、ラジオの場合のパーソナリティによる話や音楽の音声情報などのことをいう。
【0028】
「心理的境界」とは、利用者にとっての「心理的な存在」が遠いか、近いかを分ける境界をいう。「心理的境界」よりも利用者に近いところを「こちら側」、遠いところを「あちら側」という。利用者にとって「心理的な存在」が近いとは、「手にとって実感できる(できそうな)」範囲にある(存在する)という心理的な意味であり、たとえば目の前などのいわゆる物理的に近いこととは異なる。ここでいう「メディア端末」が配信する「音声、画像等の情報」を聞くことは、「メディア局」が一方的に出力する「情報」を受信するだけであり、利用者が「情報」を操作することはできない。「情報」の配信はすべて「メディア局」の側で行っていることから、利用者は自分の意思や想いから遠い存在と感じるため、「あちら側」に存在しているということができる。
【0029】
「共感者」とは、利用者とともに「こちら側」で「メディア端末」からの「情報」を取得し、利用者に「呼応情報」を提供するもののことであり、利用者と心理的近いところにいて、「呼応情報」を提供するものであれば、その種類は問わない。多くの場合、人間やペットなどのことである。
【0030】
「呼応情報」とは、「メディア端末」から発せられる「情報」に対して呼応する情報のことである。ここでは、「共感者」が「情報」に関して利用者に発するものであり、「共感者」の想いが利用者に伝えられるのであれば、その方法は問わない。たとえば、「これおもしろいよね」という言葉や、利用者の好きな音楽に合わせてリズムを取るといった動作などがある。
【0031】
利用者が「共感者」から発せられる「呼応情報」を取得し、自分の持っている「言葉の余韻」と一致するものがあるときは、「私も今、そう思った」などと共感し、身近な共感相手に対して親しみを感じるので、「孤独感」や「何か満たされない想い」などがかき消されるといった「癒し効果」が生まれる。
【0032】
ただし、この「癒し効果」を生むためには、必ず利用者が「こちら側」と思えるところに、「共感者」が存在する必要があった。
【0033】
図3は、「心情表現端末」が存在した場合の構成を説明するモデル図(本発明の代表図)である。
【0034】
ここでいう「情報」とは、図2での「メディア局」から配信される「音声、画像等の情報」に加えて、「呼応情報」も含むものである。「メディア端末」は「情報」を受信すると、「音声、画像等の情報」と「呼応情報」をそれぞれ取得し、「音声、画像等の情報」を従来どおりの形式で利用者に提供する一方、「呼応情報」を「心情表現端末」へ提供する。
【0035】
「心情表現端末」とは、利用者が「こちら側」と思えるところに存在し、利用者に「呼応情報」を提供するものであり、利用者の「言葉の余韻」に一致する「呼応情報」を提供することで、利用者の近いところに「共感者」がいなくても「癒し効果」を生むことができる。また、人に近いインターフェース(人形や動物やキャラクタ等の形状をしていたり、表情を持っていたり、話し言葉で応答するなど)を持つことで、人が親しみやすいようになっている。利用者に「呼応情報」を提供できるものであれば、提供する「呼応情報」の形式(文字情報、音声情報等)、伝達手段(スピーカー、表示ディプレイさらには前記人形等のインターフェースの動き等)は問わない。
【0036】
ここでいう「呼応情報」とは、「動作に関する情報」と「動作以外の情報」があり、「動作に関する情報」は「心情表現端末」に動作指示するもので、「動作以外の情報」は音声や文字などの情報をそのまま利用者に伝達されるものである。
【0037】
図4は、「メディア端末」を利用していない場合に利用者が関心を持つときの心理モデル図である。
【0038】
「メディア端末」から音声や画像などが出力されていない場合に、「心情表現端末」が「メディア局」から配信される情報に対しての心情を表す言葉や態度(呼応情報)を出力することで、利用者に「メディア局」の「情報」に興味を持たせ、「メディア端末」または「心情表現端末」にアクションを起こさせる効果を持つ。
【0039】
「制御情報」とは、利用者が「心情表現端末」へアクションを起こした際に、「心情表現端末」から「メディア端末」を操作する必要がある場合に、「心情表現端末」が「メディア端末」のスイッチを入れるなどといった制御をするための情報である。
【0040】
たとえば、人形型の「心情表現端末」が(利用者がラジオを聞いていないときには)イヤホンのようなもので聞いているフリをしたり、独り言をいったりする行為などがあげられる。利用者は「心情表現端末」の態度を見て、「心情表現端末」と一緒にラジオを聞こうと、「メディア端末に対するアクション(動作)」を行う。
【0041】
図5は、「心情表現端末」がインターネットへ接続している状態を示す図である。
【0042】
利用者が「心理表現情報出力端末」に対してアクションを起こした際に、「心情表現端末」からインターネットへ接続し、情報を送受信してもよい。このとき端末からの接続先は「メディア局」だけでなく、「ネット情報」を発信する他の組織でもよい。
【0043】
「ネット情報」とは、「心情表現端末」がインターネットを介して送受信する情報のことであり、インターネットを介して送受信することができるものであれば、形式、内容は問わない。
【0044】
【実施例1】
図6は、「メディア端末」のハードウェアブロック図である。
【0045】
同図において、「チューナ部」とは、「メディア局」から送られてくる「情報」をデコードし、利用者や共感者が理解することのできる音声、画像、文字などの伝達情報形式に変換する機能部である。
【0046】
「情報表示部」とは、「メディア端末」のオン・オフやチューニング状態を表示したり、「チューナ部」でデコードされた「情報」のなかで、画像や文字情報など、視覚的に表示できるものを利用者や共感者に提供する部位である。たとえば、当該メディア端末が「伝達情報」を受信している相手側の「メディア局」の名称や周波数を表示したり、「メディア局」からの提供される多重文字情報等を表示する。具体的には液晶ディスプレイ等で構成されている。
【0047】
「音声出力部」とは、「チューナ部」でデコードされた「伝達情報」のなかで、音声として利用者や共感者に提供できるものを出力する部位であり、より具体的にはスピーカーやイヤホン等を意味する。
【0048】
「入力デバイス」とは、利用者や共感者が「メディア端末」に対して操作を行うインターフェースとなる部位であり、「メディア端末」の機能を制御することができるのであれば、その形態、方法は問わない。たとえば、放送局を選択するための操作ボタンや、音量を調節するボリュームつまみ等を意味している。
【0049】
「呼応情報入出力部」とは、「メディア端末」が「心情表現端末」に対して「呼応情報」を送信したり、「心情表現端末」から送られてくる「制御情報」を受信するための部位であり、「心情表現端末」との間のインターフェースとなる。「呼応情報」や「制御情報」を伝達できるのであれば、伝達する情報の形式、手段は問わない。すなわち、呼応情報としては、音声情報として図示しないスピーカーからメディア端末のマイク(図7の情報受信部に接続される)に対して再生されるようにしてもよいし、当該メディア端末と心情表現端末とを接続してデータ形式で制御情報としてメディア端末から心情表現端末に出力するようにしてもよい。
【0050】
なお、当該呼応情報入出力部は、当該メディア端末が伝達情報の出力を行っていないとき、すなわち音声出力部や情報表示部からの出力を行っていないときであっても呼応情報を心情表現端末に出力し続けることが可能である。すなわち、心情表現端末のみを呼応情報だけで動作させることができる。
【0051】
「演算部」とは、各機能を(プログラムを実行することによって)駆動、処理するための演算機能を持つ部位である。一般にCPU(Central Processor Unit:中央演算処理装置)で構成される。
【0052】
「メモリ部」とは、「演算部」がプログラムを実行する実行エリア(RAM・ROMなどの記憶素子)の部位である。
【0053】
「情報DB管理部」とは、ハードディスク装置等の記憶装置に格納された種々のデータの構成とデータ実体を管理する機能を有している。
【0054】
同図中、「プログラム/データ」とは、本ハードウェアが機能するためのプログラムとデータ群のことであり、OS(オペレーティングシステム)や設定情報だけでなく、アプリケーションソフトやそれらに付随するデータもここに含まれる。また、データとして音声や画像情報も蓄積することができる。これらの「プログラム/データ」もハードディスク装置等の記憶装置内にインストールされている。
【0055】
図7は、「心情表現端末」のハードウェアブロック図である。
【0056】
本実施例では、この心情表現端末は、図6で説明したメディア端末に接続される構成となっている。
【0057】
同図中において、「情報受信部」とは、「メディア端末」から出力される「呼応情報」を受信する部位である。
【0058】
この情報受信部は、前述のメディア端末と直接接続されて呼応情報のデータを受信できるようにしてもよいし、あるいはマイクを接続して、メディア端末のスピーカーから再生された音声中の呼応情報を受信するようにしてもよい。
【0059】
「入力デバイス」とは、利用者が「心情表現端末」に対して制御情報、端末の個性やネットワークに関する設定情報などを入力するための部位である。「心情表現端末」に入力可能な情報であれば、情報の形式、入力の手段は問わない。たとえば、入力ボタン、音声情報を入力するマイク、画像を入力するカメラ、遠隔操作を行うためのリモコンとそのセンサなどがあげられる。また、パーソナルコンピュータなどの機器と接続し、情報を入力することも可能である。心情表現端末が人形型である場合、入力デバイスとしては伝達情報に対する「支持」、「共感」、「拒絶」を意味する入力ボタンを設けておいてもよい。
【0060】
「ネットワーク接続部」とは、「心情表現端末」がLANやインターネットの回線に接続するための機能を持った部位である。ネットワークに接続であれば、通信の手段は問わない。
【0061】
「アクチュエータコントローラ部」とは、「メディア端末」からの送信や利用者の入力によって与えられた「制御情報」をもとに、「アクチュエータ」に動作指示を行う部位である。
【0062】
「アクチュエータ」とは、「アクチュエータコントローラ部」からの指示に基づいて、「心情表現端末」を動作させる部位である。
【0063】
心情表現端末が人形等のようにキャラクタの外形を備えている場合には、アクチュエータを制御することによって当該人形の手足や顔を動作させることもできる。
【0064】
「情報表示部」とは、「呼応情報」や「心情表現端末」が保持している設定情報や受信した「ネット情報」などを表示する部位であり、人が視覚的に把握可能な情報であれば、文字、図形、映像など、その形式は問わない。
【0065】
「音声出力部」とは、「メディア局」から取得した音声情報、それに対応する呼応情報、または「心情表現端末」がデータとして保持している音声情報等を前記呼応情報の受信に合わせて、または自律的に発する。
【0066】
「時間管理部」とは、時計としての機能を持ち、「メディア端末」や「心情表現端末」において、動作(操作)が行われた時間を管理するものである。たとえば、利用者がいつも聞いている番組の時間帯を記憶させておき、その時間になった際に利用者に対して前記情報表示部または音声出力部を通じてその番組が始まったことなどを通知するために利用される。
【0067】
なお、図7における「プログラム/データ」とは、図6の「メディア端末」でいうところの「プログラム/データ」に加えて、「心情表現端末」が心情を表現するために必要な情報を含む。たとえば「呼応情報」もここに格納される。 ここで、「呼応情報」について説明すると、「呼応情報」は、メディア局から配信される伝達情報に呼応した情報であり、伝達情報に対応した動作を行うためのプログラムとその設定情報や音声情報等を含む。
【0068】
この呼応情報は、心情表現端末にあらかじめインストールされていてもよいし、あるいは、メディア端末が受信するメディア局の伝達情報中に格納されたものを蓄積してもよい。
【0069】
なお、図7の「プログラム/データ」には、前記呼応情報の他に、心情表現端末自身が自律的な動作を行うためのプログラムとその設定情報、および心情表現端末の個性として利用者によって入力された(あるいはあらかじめ記憶されている)設定情報や通信プログラム等も含まれる。
【0070】
図13は、放送局からの通信フォーマットを示すものである。同図(a)〜(d)はFM放送のデジタルデータフォーマットを示しており、同図(a)および(b)は基本セグメント(1セグメント:300kbps)によるフォーマットであり、同図(c)および(d)は拡張セグメント(3セグメント:900kbps)によるフォーマットを示している。
【0071】
同図(a)を例に説明すると、基本セグメントである300kbps(Bit PerSecond)中の144kbpsが伝達情報、すなわちステレオ音声情報に割り当てられ、100kbpsが文字情報や静止画等のデータ領域に割り当てられている。このデータ領域には、通常、放送される楽曲の曲名やアーティスト等の情報または広告情報等を格納することができる。また、56kbpsの制御情報領域には、制御対象ID、制御対象危機、制御コマンド等の情報が格納されるようになっている。
【0072】
本実施例における「呼応情報」は、このデータ領域または制御情報領域に格納される。
【0073】
なお、同図(b)のフォーマットは2チャンネルのモノラル放送を基本セグメントで送信する場合、(c)は拡張セグメントによってステレオ放送を行う場合、(d)は拡張セグメント構成によって2チャンネルのステレオ放送を行う場合のフォーマットである。
【0074】
図9は、「メディア端末」の演算部のフローチャートである。
【0075】
メディア端末(図6)の演算部は、チューナ部を介してメディア局からの情報を受信したか否かを判定する(ステップ901)。ここで何の受信情報も無い場合には待機する(902)。
【0076】
メディア局からの受信情報が検出されたときには、当該情報をデコードし(903)、この情報中に呼応情報が含まれているか否かを検出する(904)。このとき、呼応情報が索出されたときには、該呼応情報を呼応情報入出力部を介して心情表現端末に送信する(905)。
【0077】
そして、受信情報の中から伝達情報(通常の音声情報)を音声出力部を通じて出力する。このときに、楽曲等の付加情報があるときには情報表示部を通じて出力する。
【0078】
図10は、「心情表現端末」の演算部のフローチャートである。
【0079】
前述のステップ905でメディア端末から送信された呼応情報を受信した心情表現端末の演算部の処理フローを説明する。
【0080】
まず、演算部は、メディア端末からの呼応情報の受信があると(1001)、当該呼応情報をデコードし(1003、動作情報が含まれているか否かを検出する(1004)。このとき動作情報が含まれていたときには(1004)、当該動作情報を解析し(1005)、情報DB管理部を通じて動作プログラムを読み出す(1006)。
【0081】
そして読み出した動作プログラムをアクチュエータコントローラ部に通知する。これによってアクチュエータコントローラ部はアクチュエータに対して所定の動作を行わせる(1007)。
【0082】
一方、演算部は動作以外の呼応情報(たとえば音声情報や文字情報)がある場合には、情報表示部や音声出力部を介してそれぞれの情報を出力する(1008)。
【0083】
図14は、以上に説明した本実施例1をわかりやすく示した図である。
【0084】
メディア局では伝達情報(ここではアナウンサーが発声した「ねえねえ、しってるこの話し...」という音声)と、呼応情報(ここでは心情表現端末から発声させる音声「オイオイ、えーかげんにせーよ!」と、「ドテ!」という対応動作を行うために心情表現端末のアクチュエータを作動させるための動作情報)を前記図13で説明したフォーマットで配信する。
【0085】
家庭内でこれを受信した人形型のメディア端末では、伝達情報(ここでは「ねえねえ、しってるこの話し...」)をそのまま音声情報として音声出力部より再生する。
【0086】
そしてメディア端末に接続された人形型の心情表現端末は呼応情報を入力して、呼応情報としての音声情報(「オイオイ、えーかげんにせーよ!」)を音声出力部(図7参照)から出力する。またこれに続けて人形型の心情表現端末は呼応情報中から読み出した制御信号を演算部が解析し、アクチュエータコントローラ部を通じてアクチュエータを動作させて当該人形型の心情表現端末に「ドテ!」という対応動作がなされるように制御する。
【0087】
なお、図17に示すように、心情表現端末は、メディア端末の音声出力部や情報表示部から出力がなされていないとき(メディア端末が機能していないとき)でもメディア端末を経由して呼応情報のみを受信して動作させてもよい。これにより利用者に対して心情表現端末の動作を見ることにより、メディア局からの放送内容を興味を持たせることができる。
【0088】
図12は、心情表現端末において、利用者が入力デバイス(図7)を通じて操作を行った場合の心情表現端末の演算部の処理フローを示したものである。
【0089】
演算部は、利用者の入力があったか否かを検出する(1201。具体的には人形型の心情表現端末を例に挙げると呼応情報を再生しているときに利用者から入力ボタンが押され場合、またはキーボード等から当該伝達情報に対する情報入力がなされたような場合である。
【0090】
利用者からの入力があったときには、当該入力情報をエンコードする(1203)。このエンコード内容は、メディア局からの伝達情報に対する利用者の受け入れ、支持、共感や拒絶を意味する情報としてエンコードされる。そしてこれらがメディア局に向けられた情報である場合、ネットワーク接続部を介してメディア局に対して当該入力情報を送信する。
【0091】
このようにして利用者から入力された入力情報は図15に示すように、放送局における「リスナの反応情報」として集計される。
【0092】
また、図16に示すように、メディア局より伝達情報として健康をチェックするアンケートを出力し、これに対して利用者が心情表現端末の入力ボタンで回答することにより、病院等の健康チェックに用いることができ、適切な健康アドバイスのサービスを実施することができる。
【0093】
【実施例2】
図8は、「メディア端末」を内蔵している「心情表現端末」のハードウェアブロック図である。
【0094】
本実施例は、実施例1の図7で説明した「心情表現端末」に図6の「メディア端末」の主な機能を付加し、「心情表現端末」と「メディア端末」間のインターフェースを削除したものである。より具体的には、本実施例1では、「メディア局」から配信される「音声、画像等の情報」を受信し、利用者に提供する機能を付加し、「呼応情報」や「制御情報」を送受信するためのインターフェースを削除している。
【0095】
同図において、「メディア情報出力部」は主にメディア局から配信された伝達情報中の「音声、画像等の情報」を出力する機能部であり、「呼応情報出力部」は、呼応情報中の音声や画像等を出力する機能部である。両機能部ともに図示しないスピーカ、液晶画面等の出力装置が接続されるようになっている。
【0096】
図11は、本実施例2における「心情表現端末」の演算部のフローチャートである。
【0097】
演算部は、メディア局からの情報を受信すると(1101)、当該情報をデコードし(1103)、これに呼応情報が含まれているときには当該呼応情報をデコードする(1104,1105)。
【0098】
そして、さらに当該情報中に動作情報が含まれている場合には、情報DB管理部を介して動作プログラムを読み出してアクチュエータコントロール部にアクチュエータを動作させる(1108,1109)。
【0099】
そして、メディア局からの伝達情報や呼応情報はそれぞれメディア情報出力部と呼応情報出力部を通じて文字情報や音声情報として出力される(1110)。
【0100】
以上、本発明を実施例に基づいて説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0101】
たとえば、実施例では図13で説明したようにFMデジタル放送のデータフォーマットを例に説明したが、1対多数または1対1のデータ通信に適用可能であり、BSまたはCSデジタル方法、地上波テレビ文字方法、FM文字多重放送、ISDN通信、IMT−2000通信にも用いることができる。
【発明の効果】
本発明によれば、情報提供メディアから受信した情報中に残存する言葉の余韻に(その情報に対しての)心情を表現した言葉を、利用者にとって自分側(発信側ではなく受信側)に位置している端末から出力することにより、利用者に対して提供される情報への興味を惹きつけることのできる情報システムを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における言葉の余韻を説明するための図
【図2】従来技術を説明するための図
【図3】本発明の概念図(1)
【図4】本発明の概念図(2)
【図5】本発明の概念図(3)
【図6】実施例1のメディア端末の構成を示すブロック図
【図7】実施例1の心情表現端末の構成を示すブロック図
【図8】実施例2のメディア端末を内蔵した心情表現端末の構成を示すブロック図
【図9】実施例1のメディア端末の演算部の処理フロー図
【図10】実施例1の心情表現端末の演算部の処理フロー図(1)
【図11】実施例2のメディア端末を内蔵した心情表現端末の演算部の処理フロー図
【図12】実施例1の心情表現端末の演算部の処理フロー図(2)
【図13】実施例の放送データのフォーマット図
【図14】実施例1のサービス概要を示す説明図(1)
【図15】実施例1のサービス概要を示す説明図(2)
【図16】実施例1のサービス概要を示す説明図(3)
【図17】実施例1のサービス概要を示す説明図(4)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メディア局が使用する情報配信装置と、
利用者が使用する受信端末と、心情表現端末とを含む情報通信システムであって、
前記情報配信装置は、音声情報、画像情報または文字情報の少なくとも1つのコンテンツ情報と、前記コンテンツ情報に呼応して心情表現端末から出力するための制御情報とを含む伝達情報を配信する手段を具備し、
前記受信端末は、伝達情報を受信する手段と、伝達情報から前記コンテンツ情報と前記制御情報中の呼応情報とを分離する手段と、呼応情報以外の伝達情報を出力する手段と、前記呼応情報を心情表現端末へ送信する手段とを具備し、
前記心情表現端末は、前記呼応情報を受信する手段と、前記呼応情報を心情表現端末から音声または動作により出力する出力手段とを具備してなる情報通信システム。
【請求項2】
メディア局が使用する情報配信装置と、
利用者が使用する心情表現端末とを含む情報通信システムであって、
前記情報配信装置は、音声情報、画像情報または文字情報の少なくとも1つのコンテンツ情報と、前記コンテンツ情報に呼応して心情表現端末から出力するための制御情報とを含む制御情報とを含む伝達情報を配信する手段を具備し、
前記心情表現端末は、前記伝達情報を受信する手段と、前記伝達情報の中から呼応情報を分離する手段と、呼応情報以外の伝達情報を出力する手段と、前記呼応情報を心情表現端末から音声または動作により出力する出力手段とを具備してなる情報通信システム。
【請求項3】
心情表現端末は、あらかじめ設定された呼応情報を記憶する手段をさらに具備し、
前記伝達情報に含まれる音声情報、画像情報、文字情報、制御情報の少なくとも1つのコンテンツ情報に応じて、前記記憶手段から呼応情報を読み出して、前記呼応情報を前記伝達情報中の呼応情報とともにまたはこれとは独立して心情表現端末から音声または動作により出力する出力手段とを具備してなる請求項1または2に記載された情報通信システム。
【請求項4】
前記心情表現端末の前記出力手段は、前記受信端末からの伝達情報の入力が一定時間ないときに任意の心情表現情報を前記記憶手段から読み出して出力することを特徴とする請求項3記載の心情表現端末。
【請求項5】
メディア局が用いる情報配信装置であって、
音声情報、画像情報または文字情報の少なくとも1つのコンテンツ情報と、当該コンテンツ情報に呼応して心情表現端末から出力するための呼応情報とを含む伝達情報を生成・配信する手段を有しており、
伝達情報は、当該伝達情報を受信した心情表現端末が当該伝達情報から呼応情報を抽出して該呼応情報を該心情表現端末から音声または動作として出力可能なように生成されている情報配信装置。
【請求項6】
メディア局の情報配信装置で生成された、音声情報、画像情報または文字情報の少なくとも1つのコンテンツ情報と、該コンテンツ情報に呼応した呼応情報とを有する制御情報とを含む伝達情報を前記情報配信装置から入力する心情表現端末であって、
前記情報配信装置から伝達情報を入力する手段と、
伝達情報から前記コンテンツ情報と前記制御情報中の呼応情報とを分離する手段と、
呼応情報以外の伝達情報を出力する第1の出力手段と、
前記呼応情報を音声または動作として出力する第2の出力手段とからなる心情表現端末。
【請求項7】
メディア局の情報配信装置で生成された、音声情報、画像情報または文字情報の少なくとも1つのコンテンツ情報と、該コンテンツ情報に呼応した呼応情報とを有する制御情報とを含む伝達情報を受信する受信端末に接続され、受信端末で分離した呼応情報を受ける心情表現端末であって、
前記情報配信装置から呼応情報を入力する手段と、
前記呼応情報を音声または動作として出力する出力手段とからなる心情表現端末。
【請求項8】
メディア局が使用する情報配信装置と、利用者が使用する心情表現端末とを含む情報通信システムにおいて、
前記情報配信装置において、音声情報、画像情報または文字情報の少なくとも1つのコンテンツ情報と、呼応情報を含む制御情報とからなる伝達情報を配信し、
前記心情表現端末において、前記伝達情報を受信し、前記伝達情報から前記コンテンツ情報と前記制御情報中の呼応情報とを分離し、前記呼応情報以外の伝達情報を出力するとともに、前記呼応情報を音声または動作として出力する情報送信・受信方法。
【請求項9】
メディア局が使用する情報配信装置と、利用者が使用する受信端末と、心情表現端末とを含む情報通信システムにおいて、
前記情報配信装置において、音声情報、画像情報または文字情報の少なくとも1つのコンテンツ情報と、呼応情報を含む制御情報とからなる伝達情報を配信し、
前記受信端末において、前記伝達情報を受信し、前記伝達情報から前記コンテンツ情報と前記制御情報中の呼応情報とを分離し、呼応情報以外の伝達情報を出力するとともに、前記呼応情報を心情表現端末に出力し、
前記心情表現端末において、前記呼応情報を受信し、前記呼応情報を心情表現端末から音声または動作として出力する情報送信・受信方法。
【請求項10】
メディア局の情報配信装置で生成された、音声情報、画像情報または文字情報の少なくとも1つのコンテンツ情報と、該コンテンツ情報に呼応した呼応情報とを有する制御情報とを含む伝達情報を受信する受信端末であって、
前記伝達情報を受信する手段と、
前記伝達情報から前記コンテンツ情報と前記制御情報中の呼応情報とを分離する手段と、
前記呼応情報以外の伝達情報を出力する手段と、
前記呼応情報を、当該受信端末に接続された心情表現端末から音声または動作として出力させるために出力する手段とからなる受信端末。
【請求項1】
メディア局が使用する情報配信装置と、
利用者が使用する受信端末と、心情表現端末とを含む情報通信システムであって、
前記情報配信装置は、音声情報、画像情報または文字情報の少なくとも1つのコンテンツ情報と、前記コンテンツ情報に呼応して心情表現端末から出力するための制御情報とを含む伝達情報を配信する手段を具備し、
前記受信端末は、伝達情報を受信する手段と、伝達情報から前記コンテンツ情報と前記制御情報中の呼応情報とを分離する手段と、呼応情報以外の伝達情報を出力する手段と、前記呼応情報を心情表現端末へ送信する手段とを具備し、
前記心情表現端末は、前記呼応情報を受信する手段と、前記呼応情報を心情表現端末から音声または動作により出力する出力手段とを具備してなる情報通信システム。
【請求項2】
メディア局が使用する情報配信装置と、
利用者が使用する心情表現端末とを含む情報通信システムであって、
前記情報配信装置は、音声情報、画像情報または文字情報の少なくとも1つのコンテンツ情報と、前記コンテンツ情報に呼応して心情表現端末から出力するための制御情報とを含む制御情報とを含む伝達情報を配信する手段を具備し、
前記心情表現端末は、前記伝達情報を受信する手段と、前記伝達情報の中から呼応情報を分離する手段と、呼応情報以外の伝達情報を出力する手段と、前記呼応情報を心情表現端末から音声または動作により出力する出力手段とを具備してなる情報通信システム。
【請求項3】
心情表現端末は、あらかじめ設定された呼応情報を記憶する手段をさらに具備し、
前記伝達情報に含まれる音声情報、画像情報、文字情報、制御情報の少なくとも1つのコンテンツ情報に応じて、前記記憶手段から呼応情報を読み出して、前記呼応情報を前記伝達情報中の呼応情報とともにまたはこれとは独立して心情表現端末から音声または動作により出力する出力手段とを具備してなる請求項1または2に記載された情報通信システム。
【請求項4】
前記心情表現端末の前記出力手段は、前記受信端末からの伝達情報の入力が一定時間ないときに任意の心情表現情報を前記記憶手段から読み出して出力することを特徴とする請求項3記載の心情表現端末。
【請求項5】
メディア局が用いる情報配信装置であって、
音声情報、画像情報または文字情報の少なくとも1つのコンテンツ情報と、当該コンテンツ情報に呼応して心情表現端末から出力するための呼応情報とを含む伝達情報を生成・配信する手段を有しており、
伝達情報は、当該伝達情報を受信した心情表現端末が当該伝達情報から呼応情報を抽出して該呼応情報を該心情表現端末から音声または動作として出力可能なように生成されている情報配信装置。
【請求項6】
メディア局の情報配信装置で生成された、音声情報、画像情報または文字情報の少なくとも1つのコンテンツ情報と、該コンテンツ情報に呼応した呼応情報とを有する制御情報とを含む伝達情報を前記情報配信装置から入力する心情表現端末であって、
前記情報配信装置から伝達情報を入力する手段と、
伝達情報から前記コンテンツ情報と前記制御情報中の呼応情報とを分離する手段と、
呼応情報以外の伝達情報を出力する第1の出力手段と、
前記呼応情報を音声または動作として出力する第2の出力手段とからなる心情表現端末。
【請求項7】
メディア局の情報配信装置で生成された、音声情報、画像情報または文字情報の少なくとも1つのコンテンツ情報と、該コンテンツ情報に呼応した呼応情報とを有する制御情報とを含む伝達情報を受信する受信端末に接続され、受信端末で分離した呼応情報を受ける心情表現端末であって、
前記情報配信装置から呼応情報を入力する手段と、
前記呼応情報を音声または動作として出力する出力手段とからなる心情表現端末。
【請求項8】
メディア局が使用する情報配信装置と、利用者が使用する心情表現端末とを含む情報通信システムにおいて、
前記情報配信装置において、音声情報、画像情報または文字情報の少なくとも1つのコンテンツ情報と、呼応情報を含む制御情報とからなる伝達情報を配信し、
前記心情表現端末において、前記伝達情報を受信し、前記伝達情報から前記コンテンツ情報と前記制御情報中の呼応情報とを分離し、前記呼応情報以外の伝達情報を出力するとともに、前記呼応情報を音声または動作として出力する情報送信・受信方法。
【請求項9】
メディア局が使用する情報配信装置と、利用者が使用する受信端末と、心情表現端末とを含む情報通信システムにおいて、
前記情報配信装置において、音声情報、画像情報または文字情報の少なくとも1つのコンテンツ情報と、呼応情報を含む制御情報とからなる伝達情報を配信し、
前記受信端末において、前記伝達情報を受信し、前記伝達情報から前記コンテンツ情報と前記制御情報中の呼応情報とを分離し、呼応情報以外の伝達情報を出力するとともに、前記呼応情報を心情表現端末に出力し、
前記心情表現端末において、前記呼応情報を受信し、前記呼応情報を心情表現端末から音声または動作として出力する情報送信・受信方法。
【請求項10】
メディア局の情報配信装置で生成された、音声情報、画像情報または文字情報の少なくとも1つのコンテンツ情報と、該コンテンツ情報に呼応した呼応情報とを有する制御情報とを含む伝達情報を受信する受信端末であって、
前記伝達情報を受信する手段と、
前記伝達情報から前記コンテンツ情報と前記制御情報中の呼応情報とを分離する手段と、
前記呼応情報以外の伝達情報を出力する手段と、
前記呼応情報を、当該受信端末に接続された心情表現端末から音声または動作として出力させるために出力する手段とからなる受信端末。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2004−64129(P2004−64129A)
【公開日】平成16年2月26日(2004.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2002−215675(P2002−215675)
【出願日】平成14年7月24日(2002.7.24)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成16年2月26日(2004.2.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成14年7月24日(2002.7.24)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】
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