説明

情報重畳表示システム

【課題】使用者との関連において適切な印刷物に関する情報を、迅速かつ簡便に、重畳表示できる情報重畳表示システムを提供すること。
【解決手段】印刷物110を撮像する撮像部104と、印刷物110を特定する画像認識部106と、電子情報と印刷物情報とを格納する印刷物情報格納部122と、印刷物情報を表示する電子情報表示部101と、印刷物情報を重畳的に表示する半透過光学素子102と、識別情報を入力する識別情報入力部130と、識別情報に基づいて表示される印刷物情報を選択する識別情報判断部140とを有し、撮像部104と電子情報表示部101と半透過光学素子102と識別情報判断部140とは携帯情報端末100に備えられ、印刷物情報格納部122は、コンピュータ120に備えられ、画像認識部106と識別情報判断部140とは、それぞれ携帯情報端末100とコンピュータ120とのいずれか一方に備えられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報重畳表示システムに関し、特に印刷された媒体やプリントされた媒体に関する情報を、使用者との関連における情報保護(セキュリティ)に鑑みて重畳的に表示するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、一人の人間が複数のコンピュータを使用するネットワーク社会、いわゆるユビキタス・ネットワーク社会が提唱されている。ユビキタス・ネットワーク社会では、インターネット等の情報ネットワークに、いつでも、どこからでもアクセスできる環境が実現できる。このようなアクセスに使う情報端末は、パソコンに限られず、例えば携帯電話等も用いることができる。
【0003】
また、携帯電話も通話とディスプレイ認識とを同時に行なえる表示機能付き携帯情報装置としての構成が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1に開示されている構成では、小型のディスプレイをホログラム素子により遠方に拡大投影する。これにより、例えば通話をしながら表示画像情報を見ることができる。さらに、ホログラム素子を介して遠方の物体の透過像を同時に観察できる。この表示機能付き携帯情報装置は、実視野の像に重畳させてデジタル情報を表示する、いわゆるシースルービュアー(see−through viewer)として用いることができる。
【0004】
【特許文献1】特開2001−308997号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
紙媒体に印刷された書籍、地図、またはプリントされたデジタル写真等を見ることは、日常良く行なわれている。このような書籍、地図、写真等は、直接、人間が印刷またはプリントされている紙媒体等の物理的実体に触ることできる。このため、例えば、書籍の頁をめくる触感、いわゆるタンジブル(tangible)な感覚を認知できる。このようなタンジブルな感覚を介して情報を得ることは、人間にとって自然なことであり、非常に重要である。
【0006】
また、紙媒体に一旦印刷またはプリントされた情報は、その内容を更新することができない。このため、例えば、テーマパークの印刷された案内地図を見ているとき、乗り物の現在の混雑状況をリアルタイムに得ることができない。
【0007】
上述したように表示機能付き携帯情報装置は、シースルービュアーとして用いることができる。従来技術の表示機能付き携帯情報装置では、単に、使用者がホログラム素子を透過して実視野の物体を観察するのみである。このとき、使用者が、観察している物体に関連する後発的に付加された情報、例えば最新情報をホログラム素子を介して表示させたいときがある。
【0008】
しかしながら、従来技術の表示機能付き携帯情報装置は、観察している物体を認識する機能を有していない。この結果、使用者が、意図的に観察している物体に関連する画像情報を選択、検索しなければならない。このため、従来技術の表示機能付き携帯情報装置では、迅速、簡便に観察物体に関する後発的に付加された情報を得ることができない。
【0009】
また、観察物体に関する情報は、一般情報と個人情報とに大別できる。一般情報は、誰でもアクセスできる情報である。これに対して、個人情報は、特定の許可された人間のみがアクセスできる情報である。従って、不特定の人間は個人情報にアクセスできないように制限する必要がある。
【0010】
さらに、携帯情報装置は、複数の異なる使用態様が考えられる。例えば、携帯情報装置が特定の個人用装置のときは、使用者と携帯情報装置とが一対一に対応している。このとき、使用者以外の人間が、この個人用の携帯情報装置を無制限に使用できることは情報のセキュリティの観点から望ましくない。また、携帯情報装置が汎用装置のときは、複数の使用者が一台の携帯情報装置を共有して使用する。このとき、携帯情報装置が汎用装置のとき、多数の使用者が特定の個人に関する個人情報を見ることができるのはセキュリティの観点から望ましくない。
【0011】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、印刷物に関する情報、特に使用者との関連において適切な情報を、迅速かつ簡便に、この印刷物の実視野に重畳的に表示できる情報重畳表示システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、第1の本発明によれば、関連する電子情報を有する印刷物を撮像する撮像部と、撮像された印刷物を画像認識により特定する画像認識部と、電子情報と電子情報に対して後発的に付加された印刷物情報とを格納する印刷物情報格納部と、少なくとも特定された印刷物に関する印刷物情報を表示する電子情報表示部と、電子情報表示部に表示された印刷物情報を印刷物の実視野に重畳的に表示する半透過光学素子と、使用者を特定するための識別情報を入力する識別情報入力部と、識別情報に基づいて電子情報表示部が表示する少なくとも前記印刷物情報を選択する識別情報判断部とを有し、少なくとも撮像部と電子情報表示部と半透過光学素子と識別情報入力部とは携帯情報端末に備えられ、印刷物情報格納部は、携帯情報端末と通信可能なコンピュータに備えられ、画像認識部と識別情報判断部とは、それぞれ携帯情報端末とコンピュータとのいずれか一方に備えられていることを有することを特徴とする情報重畳表示システムを提供できる。
【0013】
また、本発明の好ましい態様によれば、印刷物は、印刷物情報格納部に格納されているデジタル版下に基づいて紙媒体に印刷された書籍物であり、印刷物情報格納部は、書籍物に関連するサーバーコンピュータ内に設けられていることが望ましい。
【0014】
また、本発明の好ましい態様によれば、識別情報判断部は、サーバーコンピュータ内に設けられていることが望ましい。
【0015】
また、本発明の好ましい態様によれば、識別情報判断部は、携帯情報端末内に設けられていることが望ましい。
【0016】
また、本発明の好ましい態様によれば、印刷物は、印刷物情報格納部に格納されている電子情報であるデジタルファイルに基づいて紙媒体に印刷されたデジタル写真であることが望ましい。
【0017】
また、本発明の好ましい態様によれば、コンピュータは、電子情報と印刷物情報とに基づいて所定の演算処理を行なう演算部を有し、電子情報表示部は、演算された結果を表示することが望ましい。
【0018】
また、本発明の好ましい態様によれば、識別情報判断部は、コンピュータ内に設けられていることが望ましい。
【0019】
また、本発明の好ましい態様によれば、識別情報判断部は、携帯情報端末内に設けられていることが望ましい。
【0020】
また、本発明の好ましい態様によれば、コンピュータ内の印刷物情報格納部に格納されている印刷物情報は、コンピュータに接続されている入力装置またはコンピュータとは異なる他のコンピュータから書換え可能に構成されていることが望ましい。
【0021】
また、第2の本発明によれば、関連する電子情報を有する印刷物を撮像する撮像部と、撮像された印刷物を特定する情報を有する画像特定部と、画像特定部を認識して情報を再生する情報再生部と、電子情報と電子情報に対して後発的に付加された印刷物情報とを格納する印刷物情報格納部と、少なくとも特定された印刷物に関する印刷物情報を表示する電子情報表示部と、電子情報表示部に表示された印刷物情報を印刷物の実視野に重畳的に表示する半透過光学素子と、使用者を特定するための識別情報を入力する識別情報入力部と、識別情報に基づいて電子情報表示部が表示する少なくとも印刷物情報を選択する識別情報判断部とを有し、少なくとも撮像部と電子情報表示部と半透過光学素子と識別情報入力部は携帯情報端末に備えられ、識別情報判断部は、携帯情報端末部とコンピュータとのいずれか一方に備えられ、印刷物情報格納部は、携帯情報端末と通信可能なコンピュータに備えられ、画像特定部は、印刷物に備えられていることを特徴とする情報重畳表示システムを提供できる。
【0022】
また、本発明の好ましい態様によれば、画像特定部は、印刷物の内容を符号化したパターンを備えることが望ましい。
【0023】
また、本発明の好ましい態様によれば、画像特定部は、印刷物の内容を格納しているRFIDを備えることが望ましい。
【発明の効果】
【0024】
第1の本発明の構成において、情報重畳表示システムの使用者は、携帯情報端末の半透過光学素子を透過して印刷物を観察する。ここで、「印刷物」とは、関連する電子情報に基づいて紙媒体に印刷、プリントされた書籍、地図、デジタル写真等をいう。なお、印刷物は、紙媒体に限られず、これに類似する媒体、例えば、樹脂シート、金属シート等に印刷されたものでも良い。また、撮像部は、使用者が観察している印刷物を撮像する。画像認識部は、撮像された印刷物に対して、パターンマッチング等の画像処理を行って画像認識を行なう。これにより、印刷物の内容を特定できる。次に、印刷物情報格納部に格納されている印刷物情報のうち、特定された印刷物に関する印刷物情報が取得される。電子情報表示部は、取得された印刷物情報を表示する。そして、半透過光学素子は、電子情報表示部に表示された印刷物情報を印刷物の実視野に重畳的に表示する。また、電子情報の内容と印刷物情報の内容とは、一般情報と個人情報とに大別される。上述したように、一般情報は、誰でもアクセスできる情報である。これに対して、個人情報は、特定の許可された人間のみがアクセスできる情報である。本発明では、まず、携帯情報端末の使用者は、識別情報入力部に識別情報を入力する。そして、識別情報判断部は、入力された識別情報に基づいて電子情報表示部が表示する少なくとも印刷物情報を選択する。これにより、電子情報と印刷物情報とのうち、入力した識別情報に対応した情報、例えば個人情報を表示できる。従って、使用者とは異なる第三者が特定の個人情報にアクセスすることを防止できる。この結果、観察している実視野の印刷物に重畳して、後発的に付加された最新の印刷物情報のうち使用者との関連において適切な情報を表示できる。このため、使用者が、意図的に観察している物体に関連する画像情報を選択、検索する必要がない。さらに、印刷物に関する情報、特に使用者との関連において適切な情報を、迅速かつ簡便に、この印刷物の実視野に重畳的に表示できる。このように、使用者は、観察している印刷物に関する印刷物情報のうち識別情報に対応した情報を、迅速かつ簡便に得ることができる。
【0025】
また、第2の本発明では、印刷された書籍、地図、またはプリントされたデジタル写真は、印刷物自身を特定するための画像特定部を有している。画像特定部の例として、2次元パターンやRFID(Radio Frequency Identification)を用いることができる。2次元パターンには、この印刷物を特定するデータを記録させておく。撮像部は、印刷物と共に、画像特定部である2次元パターンを撮像する。これにより、パターンマッチング等を行なわないで、迅速に印刷物を特定できる。RFIDの場合も同様に、RFIDに印刷物を特定するデータを記録しておく。そして、RFIDは、電波や電磁波で読み取り器と交信する。これにより、パターンマッチング等を行なわないで、迅速にデジタル写真を特定できる。また、携帯情報端末の使用者は、識別情報入力部から識別情報を入力する。そして、識別情報判断部は、入力された識別情報に基づいて電子情報表示部が表示する少なくとも印刷物情報を選択する。これにより、電子情報と印刷物情報とのうち、入力した識別情報に対応した情報、例えば個人情報を表示できる。このように、使用者は、観察している印刷物に関する印刷物情報のうち識別情報に対応した情報を、迅速かつ簡便に得ることができる。この結果、観察している印刷物に重畳して、後発的に付加された最新の印刷物情報のうち識別情報に対応した情報を表示できる。
【0026】
このように、本発明に係る情報重畳表示システムによれば、印刷物に関する情報、特に使用者との関連において適切な情報を、を、迅速かつ簡便に、この印刷物の実視野に重畳的に表示できるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下に、本発明に係る情報重畳表示システムの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0028】
図1は、本発明の実施例1に係る情報重畳表示システムの概略構成を示す図である。使用者OBSは、携帯情報端末100を用いて印刷物110を観察する。印刷物110は書籍物、例えば、テーマパークの案内地図である。案内地図は、デジタル版下に基づいて紙媒体に印刷されている。このテーマパークの運営会社が、案内地図を印刷するための電子情報であるデジタル版下を有している。
【0029】
携帯情報端末100は、撮像部104と、電子情報表示部101と、半透過光学素子102とを有する。撮像部104として、小型カメラを用いることができる。電子情報表示部101として、液晶表示パネルや有機ELパネルを用いることができる。また、半透過光学素子102は、ホログラム素子を用いることができる。図2−1、図2−2は、携帯情報端末100の斜視図である。携帯情報端末100は、さらに、識別情報入力部130を備えている。識別情報入力部130は、数字キー、記号キー、アルファベットキー等から構成される、いわゆるテン(10)キーである。半透過光学素子102は、印刷物110からの光を透過し、電子情報表示部101からの光を使用者OBSの方向へ反射する。これにより、半透過光学素子102は、電子情報表示部101に表示された印刷物110に関する印刷物情報を印刷物110の実視野に重畳的に表示する。
【0030】
図3−1は、携帯情報端末100を上面からみた構成を示す。図3−2は、携帯情報端末100の断面構成を示す。図3−3は、携帯情報端末100を底面から見た構成を示す。図3−1、図3−3に示すように、撮像部104は、光学レンズと、撮像デバイスとから構成されている。撮像デバイスは、例えば2次元CCDを用いることができる。
【0031】
また、図3−2に示すように、使用者OBSは、半透過光学素子102を透過して印刷物110を実視野で観察する。同時に、電子情報表示部101に表示された印刷物情報の像は、半透過光学素子102により使用者OBSの方向へ反射される。これにより、使用者OBSは、印刷物110を実視野で観察しつつ、重畳して印刷物情報を認識できる。
【0032】
図4は、印刷物情報を実視野に重畳して表示する手順を示すフローチャートである。なお、識別情報の判断についての詳細な手順は後述する。このため、図4においては、情報表示の大まかな手順を説明する。また、図5は、本実施例に係る情報重畳表示システムの機能ブロック図である。まず、図4に基づいて手順を説明し、その後、図5の機能ブロックを説明する。図4のステップS401において、撮像部104は、印刷物110を撮像する。ステップS402において、パターンマッチング部105は、印刷物110の画像データに基づいてパターンマッチング処理を行なう。そして、ステップS402において、画像認識部106は、パターンマッチング結果に基づいて、印刷物110の内容を特定する。ステップS404において、印刷物情報格納部122に格納されている印刷物情報のうち、特定された印刷物110の印刷物情報が取得される。ステップS405において、取得された印刷物情報が電子情報表示部101に表示される。表示された印刷物情報は、半透過光学素子102により実視野に重畳的に表示される。
【0033】
次に、図5を参照して、説明を続ける。図5において、携帯情報端末100とサーバーコンピュータ120とは無線通信可能に構成されている。上述のように、サーバーコンピュータ120は、テーマパークの運営会社が管理している。まず、使用者OBSは、識別情報入力部130を用いて予め決められている識別情報を入力する。識別情報は、ID番号、パスワードなどであり、数字、アルファベット、記号、またはこれらの組み合わせから構成されている。例えば、携帯情報端末100が携帯電話の機能を兼用しているとき、電話番号を識別情報とすることができる。このように、携帯情報端末100は、使用者OBSのみが使用する特定の個人用機器である。撮像部104は、印刷物110を撮像する。そして、携帯情報端末100の入出力部103は、サーバーコンピュータ120とのデータの送受信を行なう。撮像部104で撮像された印刷物110の画像データは、サーバーコンピュータ120へ送信される。
【0034】
サーバーコンピュータ120は、パターンマッチング部105と、画像認識部106と、印刷物情報格納部122とを有する。印刷物情報格納部122は、さらに、デジタル版下123と、版下用情報データベース124と、最新情報データベース125とから構成されている。パターンマッチング部105は、印刷物110の画像データに基づいてパターンマッチング処理を行なう。画像認識部106は、パターンマッチングの結果に基づいて、印刷物110の内容を特定する。
【0035】
テーマパークの運営会社は、このテーマパークの案内地図に加えて、その他の多くの書籍、地図等を紙媒体に印刷して発行する。デジタル版下123は、このように発行される版下が電子情報として格納されているデータベースである。また、版下用情報データベース124は、デジタル版下123を管理するための電子情報が格納されている。さらに、最新情報データベース125には、電子情報に対して後発的に付加された印刷物情報が格納されている。具体的には、最新情報データベース125には、例えばテーマパークの現在の日時における情報がリアルタイムで更新されて格納されている。
【0036】
本実施例では、サーバーコンピュータ120が、パターンマッチング部105と画像認識部106とを備えている。一般に、デジタル版下123により発行される書籍、地図等は、非常に数量が多い。特に、大規模なテーマパークになると、デジタル版下123と版下用情報データベース124とに格納されている情報は、数百〜数万種に及ぶこともある。この場合、撮像部104で撮像した印刷物110を画像認識により特定する際に非常に大量の電子情報データを参照して比較する必要がある。本実施例では、画像認識部106がサーバーコンピュータ120内に設けられている。大容量の電子情報を管理するサーバーコンピュータ120は、高速な処理速度を有している。サーバーコンピュータ120内の画像認識部106は、デジタル版下123と版下用情報データベース124とに格納されている複数の電子情報を参照する。そして、画像認識部106は、撮像部104で撮像された画像データと一致するデータをデジタル版下123と版下用情報データベース124とで検索する。これにより、高効率で印刷物110を特定できる。
【0037】
次に、特定された印刷物110に対応する最新の印刷物情報が最新情報データベース125から取得される。取得される最新の印刷物情報は、例えば、テーマパーク内の乗り物の現在の待ち時間(混雑状況)や、テーマパーク内で当日に開催されるイベントの開催場所や開催時間等である。取得された最新の印刷物情報は、入出力部103を介して、携帯情報端末100へ無線で送られる。
【0038】
携帯情報端末107の表示情報決定部107は、最新の印刷物情報のうち、使用者OBSが必要とする情報を選択、決定する。例えば、使用者OBSは、携帯情報端末100に対して、テーマパーク内の大人用の乗り物に関する情報を知りたいことを入力しておく。入力方法は、携帯情報端末100のテンキー130による方法、操作ボタン(不図示)による方法などがある。
【0039】
また、使用者OBSが注視している印刷物110上の位置に設けられている乗り物の情報を選択するように構成することもできる。例えば、視線検出技術を用いて、使用者OBSが注視している印刷物110上の注視点位置を検出する。上述の画像認識結果と注視点位置とから、使用者OBSが意図的に見ている部分が判別できる。この結果、注視点位置及びその近傍に設けられている施設、例えば乗り物、レストラン、休憩所等の最新情報を表示できる。
【0040】
電子情報表示部101は、決定された印刷物情報を表示する。表示された印刷物情報の像は、半透過光学素子102により使用者OBSの方向へ反射される。使用者OBSは、印刷物110を実視野で観察しながら、重畳して最新の情報を認識できる。このように、本実施例によれば、観察している実視野の印刷物110に重畳して、後発的に付加された最新の印刷物情報を表示できる。例えば、図1に示すように、テーマパークの案内地図を見ながら、「乗り物A:5分待ち」及び「乗り物B:15分待ち」というリアルタイムの文字情報が重畳的に表示される。このため、使用者OBSが、意図的に観察している物体に関連する画像情報を選択、検索する必要がない。このように、使用者OBSは、観察している印刷物110に関する印刷物情報を、迅速かつ簡便に得ることができる。
【0041】
印刷物情報の表示についてさらに説明を続ける。使用者OBSは、テーマパークの案内地図である印刷物110を見ている。そして、使用者OBSは、テーマパークの特別なサービスを受けことができる会員、例えば年間会員であるときを考える。テーマパークは、年間会員に対してのみ、電子クーポンの発行を行なっている。年間会員は、電子クーポンを使用して、特定のアトラクションに乗ること、テーマパーク内で飲食すること等の特典を得られる。最新情報データベース125には、上述の印刷物情報に加えて、電子クーポンのような使用者OBSに関する個人情報も格納されている。ここで、使用者OBSとは異なる他の人間が、携帯情報端末100を使用したときを考える。他の人間は、テーマパークの年間会員ではない。従って、他の人間が携帯情報端末100を使用したときに、使用者OBSにのみ与えられている特典である電子クーポンを認識してしまうのは望ましくない。
【0042】
上述したように、本実施例の携帯情報端末100は、特定の個人(使用者OBS)用機器である。このため、使用者OBSとは異なる他の人間は、携帯情報端末100を使用できないように制限している。これにより、他の人間が、携帯情報端末100を介して使用者OBSの個人情報、例えば電子クーポンの情報にアクセスすることを防止できる。次に、このような表示する情報を制限する手順について説明する。
【0043】
まず、図6は、携帯情報端末100が誰でも使用できる汎用機器のとき、すなわち識別情報入力部130を備えていないときの情報表示の手順を示すフローチャートである。この手順では、表示する情報は制限されていない例である。ステップS601において、使用者OBSは、携帯情報端末100の電源をONにする。ステップS602において、上述したように最新情報データベース125に格納されている印刷物情報が取得される。このとき、取得される印刷物情報は、全て一般情報あり、全ての人が制限なしに見ることができる内容である。一般情報とは、例えば、上述のような「乗り物のリアルタイムの混雑状況」等である。ステップS603において、最新情報データベース125から取得された情報が電子情報表示部101に表示される。ステップS604において、他のモードへ移行するか、否かの判断がされる。「他のモード」とは、半透過光学素子102による重畳表示をしない使用状態をいう。「他のモード」の具体例としては、音声通話状態、ウェブ(World Wide Web)鑑賞状態、または撮影状態等がある。「音声通話状態」とは、半透過光学素子102を用いずに、携帯情報端末100を電話として用いる状態をいう。「ウェブ鑑賞状態」とは、半透過光学素子102を用いずに、携帯情報端末100をインターネットやイントラネットに接続している状態をいう。「撮影状態」とは、半透過光学素子102を用いずに、携帯情報端末100が備えるカメラ(不図示)で被写体を撮影している状態をいう。
【0044】
ステップS604の判断結果が偽(No)のときは、ステップS602へ戻って、一般情報をさらに取得する。使用態様(モード)が変わらずに、さらに別の一般情報を取得するときは、例えば、テーマパークの案内地図上の異なる位置(場所)を観察したとき等である。このように、使用者OBSが携帯情報端末100を介して見ている位置が移動したときは、ステップS602において、新たな一般情報をさらに取得する。なお、使用者OBSによっては、見ている位置が移動した場合であっても、同じ情報を取得したい場合がある。このような場合は、例えば、以下のような処理を新たに設ければ良い。ステップS601の直後に、表示形態についての設定を行なうステップを設ける。このステップで、見ている位置に関係なく常に同じ表示を行なうか、見ている位置に応じた情報表示を行なうかの設定を行なう。また、ステップS602では、取得できる対象の情報を、上記設定に応じて異ならせる処理を設けておく。なお、見ている位置が移動していない場合は、上記設定は無視される処理とする。さて、処理が進行して、ステップS604での判断結果が偽(No)の場合、ステップS602に戻る。ここで、ステップS604からステップS602に戻る間に、見ている位置が移動したか否かを検出するステップを設ける。そして、見ている位置が移動したか否かに応じて、情報(移動または固定)を付与するステップを設ける。見ている位置が移動していなかった場合は、その情報(固定)が付与されてステップS602へ戻る。この場合、見ている位置が移動していないので、直前と同じ種類の情報であって、しかも更新された情報の取得が行なわれる。次に、見ている位置が変化した場合、その情報(移動)が付与されてステップS602に戻る。ステップS602では、見ている位置が変化したという情報を受けて、表示形態についての設定状態がチェックされる。ここで、「見ている位置に応じた情報表示を取得する」という設定になっている場合は、直前と異なる情報、即ち、現在見ている位置に応じた情報の取得が行なわれる。一方、「見ている位置に関係なく常に同じ表示を行なう」という設定になっている場合は、直前と同じ種類の情報であって、しかも更新された情報の取得が行なわれる。以上のようにすれば、見ている位置が移動した場合であっても、同じ情報を取得することができる。
【0045】
ステップS604の判断結果が真(Yes)のときは、ステップS605において、選択したモードを実行する。モード(使用態様)の選択は、携帯情報端末のテンキー130による選択、または操作ボタン(不図示)による選択により行なう。ステップS606において、携帯情報端末100の電源をOFFにするか、否かを判断する。ステップS606の判断結果が偽のときは、ステップS602へ戻る。ステップS606の判断結果が真のときは、そのまま終了する。
【0046】
図6で示したように、携帯情報端末100が誰でも使用できる汎用機器のとき、すなわち識別情報入力部130を備えていないときは、使用者OBSに関わらず、常に一般情報を重畳表示できる。次に、本実施例の携帯情報端末100を用いるときの情報表示の手順について説明する。
【0047】
図7は、本実施例の携帯情報端末100による情報表示の手順を示すフローチャートである。ステップS701において、使用者OBSは携帯情報端末100の電源をONにする。ステップS702において、使用者OBSは、識別情報入力部130であるテンキーにより識別情報を入力する。識別情報は、数字、アルファベット、記号、またはこれらの組み合わせから構成されているID番号、例えば電話番号である。ステップ703において、識別情報判断部140は、携帯情報端末100の使用を許可するか、否かを判断する。識別情報判断部140は、携帯情報端末100内に備えられている。識別情報判断部140は、予め登録されているID番号と、入力されたID番号とを比較する。比較結果が一致したときは、携帯情報端末100の使用を許可する。比較結果が不一致のときは、携帯情報端末100の使用を不許可とする。ステップS703の判断結果が偽(No)のときは、そのまま終了する。ステップS703の判断結果が真(Yes)のときは、ステップS704へ進む。ステップS704において、上述したように最新情報データベース125に格納されている印刷物情報が取得される。このとき、取得される印刷物情報は、全て一般情報あり、全ての人が制限なしに見ることができる内容である。一般情報とは、例えば、上述のような「乗り物のリアルタイムの混雑状況」等である。さらに、ステップS705において、最新情報データベース125に格納されている個人情報が取得される。ここで、個人情報とは、例えば使用者OBSが加入している年間会員のみに発行される電子クーポン等である。そして、ステップS707において、他のモードへ移行するか、否かが判断される。ステップS707の判断結果が偽のときは、ステップS704へ戻る。ステップS704へ戻るときは、さらに別の一般情報を取得するときである。例えば、テーマパークの案内地図上の異なる位置(場所)を観察したときである。このように、使用者OBSが携帯情報端末100を介して見ている位置が移動したときは、ステップ704において、新たな一般情報をさらに取得する。ステップS707の判断結果が真のときは、ステップS708において、選択した他のモードが実行される。他のモードは、上述したような、音声通話状態、Web鑑賞状態、または撮影状態等をいう。そして、ステップS709において、携帯情報端末100の電源をOFFするか、否かについて判断する。ステップS709の判断結果が偽のときは、ステップS704へ戻る。ステップS709の判断結果が真のときは、そのまま終了する。
【0048】
本実施例によれば、電子情報と印刷物情報とのうち、入力した識別情報に対応した情報、例えば電子クーポンのような個人情報を表示できる。また、識別情報が入力されないとき、または不正確な識別情報が入力されたときは、携帯情報端末100自体を使用することができない。従って、使用者OBSとは異なる第三者が特定の個人情報にアクセスすることを防止できる。この結果、観察している実視野の印刷物110に重畳して、後発的に付加された最新の印刷物情報のうち使用者OBSとの関連において適切な情報を表示できる。このように、本実施例では、使用者OBSが、意図的に観察している物体に関連する画像情報を選択、検索する必要がない。さらに、本実施例では、印刷物110に関する情報、特に使用者OBSとの関連において適切な情報を、迅速かつ簡便に、この印刷物110の実視野に重畳的に表示できる。従って、使用者OBSは、観察している印刷物110に関する印刷物情報のうち識別情報に対応した情報を、迅速かつ簡便に得ることができる。
【0049】
なお、本実施例において、識別情報判断部140を、サーバーコンピュータ120内に設ける構成とすることもできる。
【実施例2】
【0050】
図8は、本発明の実施例2に係る情報重畳表示システムの機能ブロック図である。本実施例では、携帯情報端末200がパターンマッチング部105と画像認識部106とを備えている点、及びサーバーコンピュータ220が識別情報判断部140を備えている点が上記実施例1と異なる。また、本実施例の携帯情報端末200は、上記実施例1と同様に、使用者OBSのみが使用できる特定の個人用機器である。上記実施例1と同一の部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0051】
上記実施例1では、テーマパークの運営会社が有しているサーバーコンピュータ120が大容量のデータベースを参照しながら、パターンマッチングと画像認識を行なっている。これに対して、画像認識するときに、参照、比較する電子情報の数が比較的少ないときもある。このときは、本実施例のように、パターンマッチング部105と画像認識部106とを携帯情報端末200内に設けておく。携帯情報端末200と、サーバーコンピュータ220とは、無線通信可能に構成されている。
【0052】
サーバーコンピュータ220が備えているデジタル版下123と版下用情報データベース124とは、記憶容量が実施例1のサーバーコンピュータ120に比較して小さい。即ち、格納されているデジタル版下の種類が比較的少ない。このときは、パターンマッチングによる画像認識処理を行なう演算処理速度は、実施例1のような高速度なCPUを用いる必要はない。
【0053】
そこで、本実施例のように、携帯情報端末200がパターンマッチング部105と画像認識部106を備えるように構成する。これにより、携帯情報端末200側で効率良く画像認識により印刷物110を特定できる。
【0054】
さらに、サーバーコンピュータ220が識別情報判断部140を備えている。使用者OBSは、携帯情報端末200の識別情報入力部130から識別情報を入力する。入力された識別情報は、サーバーコンピュータ220へ送信される。サーバーコンピュータ220内の識別情報判断部140は、上記実施例1と同様に、入力されたID番号と予め登録されているID番号との比較を行なう。識別情報判断部140の機能は、上記実施例1と同様であるので重複する説明は省略する。多数のID番号が登録されているときは、大きな記憶容量を必要とする。そして、本実施例のように、サーバーコンピュータ220が識別情報判断部140を備えていると、高速なCPUにより効率良くID番号の比較処理を行なうことができる。
【0055】
これにより、印刷物110に関する情報、特に使用者OBSとの関連において適切な情報を、迅速かつ簡便に、この印刷物110の実視野に重畳的に表示できる。このように、使用者OBSは、観察している印刷物に関する印刷物情報のうち識別情報に対応した情報を、迅速かつ簡便に得ることができる。
【0056】
なお、本実施例において、識別情報判断部140を、携帯情報端末200内に設ける構成とすることもできる。
【実施例3】
【0057】
図9は、本発明の実施例3に係る情報重畳表示システムの概略構成を示す図である。また、本実施例の携帯情報端末200は、上記実施例1と同様に、使用者OBSのみが使用できる特定の個人用機器である。使用者OBSは、携帯情報端末300を用いて印刷物110を観察する。印刷物110は、上記実施例1、実施例2と同様に、テーマパークの案内地図である。案内地図は、デジタル版下に基づいて紙媒体に印刷されている。このテーマパークの運営会社が、案内地図を印刷するための電子情報であるデジタル版下を有している。なお、上記各実施例と同一の部分には、同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0058】
本実施例では、印刷物110が画像特定部111を備えている。画像特定部111は、撮像部104で撮像された印刷物110を特定する情報を備えている。画像特定部111は、印刷物110の内容を符号化したパターン、例えば2次元パターンを用いることができる。2次元パターンには、このテーマパークの案内地図を特定するデータを記録しておく。
【0059】
図10は、本実施例の情報重畳表示システムの機能ブロック図である。撮像部104は、印刷物110と共に、画像特定部111である2次元パターンを撮像する。携帯情報端末300は、情報再生部801を備えている。情報再生部801は、撮像された画像特定部111の符号化されたパターンに基づいて、パターンの情報を再生する。これにより、パターンマッチング等を行なわないで、迅速にテーマパークの案内地図を特定できる。
【0060】
特定された印刷物110に関する最新の印刷物情報が、サーバーコンピュータ120内の最新情報データベース125から取得される。取得された最新の印刷物情報は、無線通信により、携帯情報端末300へ送信される。携帯情報端末300は、受信した最新の印刷物情報を入出力部103を介して、表示情報決定部107へ送る。そして、上記実施例1と同様に、印刷物110の実視野に重畳して印刷物情報が表示される。このように、本実施例によれば、使用者OBSは、観察している印刷物110に関する印刷物情報を、迅速かつ簡便に得ることができる。この結果、観察している印刷物110に重畳して、後発的に付加された最新の印刷物情報を表示できる。
【0061】
また、画像特定部111として、RFIDを用いることもできる。この場合は、RFIDに案内地図を特定するデータを記録しておく。そして、RFIDは、携帯情報端末300内の読み取り器(不図示)と電波や電磁波で交信する。これにより、パターンマッチング等を行なわないで、迅速に案内地図を特定できる。RFIDを用いるときは、パターンを読み取る必要がない。このため、印刷物110の裏側にRFIDを貼付しておけば良い。なお、情報再生部801は、サーバーコンピュータ120内に設けても良い。
【0062】
また、本実施例では、携帯情報端末300が識別情報判断部140を備えている。識別情報判断部140は、上記実施例1と同様に、入力された識別情報を判断する。そして、識別情報判断部140は、携帯情報端末部300の使用許可を判断する。使用が許可されたときは、印刷部情報格納部122に格納されている電子情報と印刷物情報とのうち一般情報と個人情報とが重畳表示される。使用が不許可のときは、携帯情報端末100そのものを使用できない。これにより、印刷物110に関する情報、特に使用者OBSとの関連において適切な情報を、迅速かつ簡便に、この印刷物110の実視野に重畳的に表示できる。このように、使用者OBSは、観察している印刷物110に関する印刷物情報のうち識別情報に対応した情報を、迅速かつ簡便に得ることができる。
【0063】
なお、本実施例において、識別情報判断部140を、サーバーコンピュータ120内に設ける構成とすることもできる。
【実施例4】
【0064】
図11は、本発明の実施例4に係る情報重畳表示システムの概略構成を示す図である。本実施例において、使用者OBSが観察する印刷物410は、デジタル写真である。また、本実施例の携帯情報端末400は、不特定の複数の人間が共有して使用できる汎用機器である。デジタル写真は、画像データベース413に格納されている電子情報であるデジタルファイルに基づいて紙媒体に印刷されている。上記各実施例1と同一の部分には、同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0065】
近年、デジタルカメラによる撮影者は、デジタル写真をデジタルファイルに基づいてパーソナルコンピュータにより管理することが多い。例えば、使用者OBSは、コンピュータ420を所有している。コンピュータ420には、ディスプレイ421と、キーボード416とが接続されている。携帯情報端末400とコンピュータ420とは無線通信可能に構成されている。なお、無線通信に限られず、例えばUSBケーブルを用いて携帯情報端末400とコンピュータ420とを接続することもできる。
【0066】
図12は、本実施例の情報重畳表示システムの機能ブロック図である。本実施例では、携帯情報端末400が識別情報判断部140を備えている。デジタルカメラ415で撮影された画像のデジタルファイルは、画像データベース413に格納されている。使用者OBSは、コンピュータ420を操作し、プリントするデジタル写真のデジタルファイルを選択する。選択されたデジタルファイルの情報は、カラープリンタ430に出力される。カラープリンタ430は、選択されたデジタルファイルに応じたデジタル写真をシート紙にプリントする。
【0067】
なお、デジタル写真は、街頭のプリント店舗において銀塩プリントして作成しても良い。このときは、画像データベース413内のデジタルファイルを外部記憶媒体に記憶する。外部記憶媒体は、CD、MOディスク、DVD、USBメモリ、フレキシブルディスク等を用いることができる。そして、プリント店舗において、外部記憶媒体に基づいて、デジタル写真を銀塩プリントする。
【0068】
使用者OBSは、携帯情報端末400を用いて、プリントされた印刷物410を観察する。撮像部104は、印刷物410を撮像する。そして、携帯情報端末400の入出力部103は、コンピュータ420とのデータの送受信を行なう。撮像部104で撮像された印刷物110の画像データは、コンピュータ420へ送信される。
【0069】
コンピュータ420は、パターンマッチング部105と、画像認識部106と、演算部424と、画像データベース413と、画像関連情報データベース414とを備えている。画像データベース413と、画像関連情報データベース414とで印刷物情報格納部122を構成する。パターンマッチング部105は、印刷物410の画像データに基づいてパターンマッチング処理を行なう。画像認識部106は、パターンマッチングの結果に基づいて、印刷物410の内容を特定する。
【0070】
上述のように、印刷物情報格納部は、画像データベース413に加えて、画像関連情報データベース414を備えている。画像関連情報データベース414には、電子情報に対して後発的に付加された印刷物情報が格納されている。画像関連情報データベース414に格納されている印刷物情報は、コンピュータ420に接続されている入力装置、例えばキーボード416から書換え可能に構成されている。また、画像関連情報データベース414に格納されている印刷物情報は、コンピュータ420とは異なる他のコンピュータ418a、418b、418cから書換え可能に構成されている。使用者OBSが所有するコンピュータ420と、他のコンピュータ418a、418b、418cとは、例えばインターネット417や専用回線で接続されている。
【0071】
これにより、キーボード416により、このデジタル写真に関する最新情報を入力できる。また、インターネット417を介して、使用者OBSとは異なる他の人間が、このデジタル写真に関する最新情報や関連する情報を画像関連情報データベース414に書き込むことができる。例えば、デジタル写真の被写体である「光太郎」氏は、使用者OBSの友人であるとする。光太郎氏は、自らのコンピュータから、使用者OBSのコンピュータ420へインターネット417を介してアクセスする。そして、画像関連情報データベース414内へ、最新情報を書き込む。最新情報の例としては、光太郎氏の近況コメントや「今度、一緒に食事をしましょう」というメッセージを挙げることができる。このメッセージは、個人情報に相当する。従って、特定の個人、例えば光太郎氏の友人のみが、メッセージを見ることができることが望ましい。これに対して、不特定の第三者は、メッセージを見ることができないように制限する必要がある。
【0072】
画像認識部106により印刷物410が特定される。そして、特定された印刷物410に関する最新の印刷物情報が画像関連情報データベース414から取得される。取得された最新の印刷物情報は、携帯情報端末400へ出力される。携帯情報端末400は、上述した各実施例と同様に、印刷物410の実視野に重畳して、後発的に付加された印刷物情報を表示する。この結果、使用者は、携帯情報端末により、デジタル写真を実視野で見ながら、重畳して、例えばデジタル写真に撮影されている人物の近況情報を認識できる。
【0073】
また、本実施例では、画像認識部106は、コンピュータ420内に設けられている。デジタルファイルによりプリントされるデジタル写真は、数百〜数千種に及ぶこともある。この場合、撮像部104で撮像した印刷物410を画像認識により特定するときに大量の電子情報データ(デジタルファイル)を参照する必要がある。本実施例では、画像認識部106がコンピュータ420内に設けられている。このため、コンピュータ420が備えるCPUにより高効率で印刷物410を特定できる。
【0074】
また、コンピュータ420は、電子情報と印刷物情報とに基づいて所定の演算処理を行なう演算部424を有している。そして、電子情報表示部101は、演算された結果を表示する。デジタル写真を撮影したときに、例えば被写体である光太郎氏の年令、撮影日時等の電子情報は、画像データベース413に格納されている。例を挙げると、被写体の光太郎氏は、撮影時に20才であるとする。このデジタル写真を、撮影時から10年後に、使用者OBSが観察しているときを考える。演算部424は、デジタル写真を見ている現在の日時情報と、画像データベース413に格納されている電子情報のうち撮影日時とを比較する。そして、演算部424は、撮影日時から現在までに経過している年月数(本例の場合は、「10年」)を演算する。そして、電子情報表示部101は、被写体の人物の現在の年令(20才+10年=30才)を表示する。このように、携帯情報端末400の使用者は、10年前に撮影されたデジタル写真を実視野で見ながら、被写体の人物が現在30才であるという印刷物情報を重畳的に認識できる。なお、演算部424は、被写体の年令に限られず、種々の数値演算を行なうことができる。演算部424が行なう演算処理の内容は、予めコンピュータ420に設定しておくことができる。
【0075】
図13は、本実施例における情報表示の手順を示すフローチャートである。上述したように、携帯情報端末400は、不特定の複数の人間が共有して使用できる汎用機器である。ステップS801において、携帯情報端末400の電源をONする。ステップS802において、使用者OBSは識別情報、例えば電話番号(ID番号)を識別情報入力部130から入力する。ステップS803において、識別情報判断部140は、識別情報が入力されたか、否かを判断する。そして、携帯情報端末400を特定の個人用機器として使用するか、否かを判断する。このため、識別情報判断部140は、予め登録されているID番号と、入力されたID番号とを比較する。ステップS803の判断結果が真のとき、即ち比較結果が一致したときは、ステップS804へ進む。これに対して、ステップS803の判断結果が偽のとき、即ち比較結果が不一致のときは、ステップS810へ進む。なお、ステップS803において、比較結果が不一致のときとは、識別情報そのものが入力されないときを含む。
【0076】
ステップS804において、印刷物情報格納部122に格納されている電子情報と印刷物情報とのうち、一般情報が取得される。さらに、ステップS805において、印刷物情報格納部122に格納されている電子情報と印刷物情報とのうち、個人情報が取得される。例えば、光太郎氏の友人である使用者OBSは、個人情報である上述のメッセージを実視野に重畳して認識できる。ステップS806において、電子情報表示部101は、一般情報と個人情報とを表示する。携帯情報端末400は、ステップS803において、使用者OBSの個人用機器して使用許可されている。このため、使用者OBSは、印刷物410であるデジタル写真に関連している一般情報と個人情報との両方の情報を重畳表示により認識できる。ステップS807において、他のモードへ移行するか、否かが判断される。ステップS807の判断結果が真のとき、ステップS808において選択したモードを実行する。「他のモード」は、上記実施例1と同様に、音声通話状態、Web鑑賞状態、撮影状態等である。ステップS807の判断結果が偽のとき、ステップS804へ戻る。また、ステップS809において、電源をOFFするか、否かについて判断する。ステップS809の判断結果が真のとき、終了する。ステップS809の判断結果が偽のとき、ステップS804へ戻る。
【0077】
ステップS803の判断結果が偽のとき、ステップS810へ進む。ステップ810において、印刷物情報格納部122に格納されている電子情報と印刷物情報とにおける一般情報が取得される。ステップS811において、電子情報表示部101は、取得された一般情報を表示する。ステップS812において、他のモードへ移行するか、否かが判断される。ステップS812の判断結果が真のとき、ステップS813において選択したモードを実行する。「他のモード」は。上記実施例1と同様に、音声通話状態、Web鑑賞状態、撮影状態等である。ステップS812の判断結果が偽のとき、ステップS810へ戻る。また、ステップS814において、電源をOFFするか、否かについて判断する。ステップS814の判断結果が真のとき、終了する。ステップS814の判断結果が偽のとき、ステップS810へ戻る。
【0078】
図13に示した手順によれば、汎用機器である携帯情報端末400を2通りの重畳表示使用態様で用いることができる。第1の重畳表示使用態様は、携帯情報端末400を特定の個人用機器として用いる態様である。第1の重畳表示使用態様は、ステップS804からステップS809までが対応する。また、第2の重畳表示使用態様は、携帯情報端末400を汎用機器として用いる態様である。第2の重畳表示使用態様は、ステップS810からステップS814までが対応する。
【0079】
このように、本実施例によれば、使用者OBSが正しい識別情報を入力したときは、特定の個人用機器として携帯情報端末400を使用できる。このときは、使用者OBSは、印刷物情報格納部122に格納されている情報のうち、一般情報と個人情報との両方の情報を重畳表示させることができる。これに対して、使用者OBSが誤った識別情報を入力したとき、または識別情報を入力しないとき、汎用機器として携帯情報端末400を使用できる。このときは、使用者OBSは、印刷物情報格納部122に格納されている情報のうち、一般情報のみを重畳表示させることができる。
【0080】
本実施例によれば、使用者OBSとは異なる第三者が特定の個人情報にアクセスすることを防止できる。この結果、観察している実視野の印刷物410に重畳して、後発的に付加された最新の印刷物情報のうち使用者OBSとの関連において適切な情報を表示できる。本実施例では、使用者OBSが、意図的に観察している物体に関連する画像情報を選択、検索する必要がない。さらに、印刷物410に関する情報、特に使用者OBSとの関連において適切な情報を、迅速かつ簡便に、この印刷物410の実視野に重畳的に表示できる。このように、使用者OBSは、観察している印刷物410に関する印刷物情報のうち識別情報に対応した情報を、迅速かつ簡便に得ることができる。
【0081】
なお、本実施例において、識別情報判断部140を、コンピュータ420内に設ける構成とすることもできる。
【実施例5】
【0082】
図14は、本発明の実施例5に係る情報重畳表示システムの機能ブロック図である。本実施例では、携帯情報端末500がパターンマッチング部105と画像認識部106とを備えている点、及びコンピュータ520が識別情報判断部140を備えている点が上記実施例4と異なる。識別情報判断部140の機能は、上記実施例4と同様である。上記実施例4と同一の部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0083】
上記実施例4では、使用者OBSが所有しているコンピュータ420が画像データベース413を参照しながら、パターンマッチングと画像認識を行なっている。これに対して、画像認識するときに、参照、比較する電子情報の数が比較的少ないときもある。このときは、パターンマッチングによる画像認識処理を行なう演算処理速度は、実施例4のような高速度なCPUを用いる必要はない。このため、本実施例のように、パターンマッチング部105と画像認識部106とを携帯情報端末500内に設けておく。これにより、携帯情報端末500側で効率良く画像認識により印刷物110を特定できる。
【0084】
また、本実施例によれば、図13で示した手順で情報を表示する。このため、使用者OBSとは異なる第三者が特定の個人情報にアクセスすることを防止できる。この結果、観察している実視野の印刷物410に重畳して、後発的に付加された最新の印刷物情報のうち使用者OBSとの関連において適切な情報を表示できる。従って、使用者OBSが、意図的に観察している物体に関連する画像情報を選択、検索する必要がない。さらに、印刷物410に関する情報、特に使用者OBSとの関連において適切な情報を、迅速かつ簡便に、この印刷物410の実視野に重畳的に表示できる。このように、使用者OBSは、観察している印刷物410に関する印刷物情報のうち識別情報に対応した情報を、迅速かつ簡便に得ることができる。
【0085】
なお、本実施例において、識別情報判断部140を、携帯情報端末500内に設ける構成とすることもできる。
【実施例6】
【0086】
図15は、本発明の実施例6に係る情報重畳表示システムの概略構成を示す図である。使用者OBSは、携帯情報端末600を用いて印刷物410を観察する。印刷物410は、上記実施例5と同様に、デジタル写真である。なお、上記各実施例と同一の部分には、同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0087】
本実施例では、印刷物410が画像特定部411を備えている。画像特定部411は、撮像部104で撮像された印刷物410を特定する情報を備えている。画像特定部411は、印刷物410の内容を符号化したパターン、例えば2次元パターンを用いることができる。2次元パターンには、このデジタル写真を特定するデータを記録しておく。また、コンピュータ520が識別情報判断部140を備えている。識別情報判断部140の機能は、上記実施例4と同様である。
【0088】
図15において、撮像部104は、印刷物410と共に、画像特定部411である2次元パターンを撮像する。携帯情報端末600は、情報再生部801を備えている。情報再生部801は、撮像された画像特定部411の符号化されたパターンに基づいて、パターンの情報を再生する。これにより、パターンマッチング等を行なわないで、迅速にデジタル写真を特定できる。
【0089】
特定された印刷物410に関する最新の印刷物情報が、コンピュータ520内の画像関連情報データベース414から取得される。取得された最新の印刷物情報は、無線通信により、携帯情報端末600へ送信される。携帯情報端末600は、受信した最新の印刷物情報を入出力部103を介して、表示情報決定部107へ送る。そして、上記実施例5と同様に、印刷物410の実視野に重畳して印刷物情報が表示される。このように、本実施例によれば、使用者OBSは、観察している印刷物410に関する印刷物情報を、迅速かつ簡便に得ることができる。この結果、観察している印刷物410に重畳して、後発的に付加された最新の印刷物情報を表示できる。
【0090】
また、画像特定部411として、RFIDを用いることもできる。この場合は、RFIDにデジタル写真を特定するデータを記録しておく。そして、RFIDは、携帯情報端末600内の読み取り器(不図示)と電波や電磁波で交信する。これにより、パターンマッチング等を行なわないで、迅速にデジタル写真を特定できる。RFIDを用いるときは、パターンを読み取る必要がない。このため、印刷物410の裏側にRFIDを貼付しておけば良い。
【0091】
また、本実施例によれば、図13で示した手順で情報を表示する。このため、使用者OBSとは異なる第三者が特定の個人情報にアクセスすることを防止できる。この結果、観察している実視野の印刷物410に重畳して、後発的に付加された最新の印刷物情報のうち使用者OBSとの関連において適切な情報を表示できる。従って、使用者OBSが、意図的に観察している物体に関連する画像情報を選択、検索する必要がない。さらに、印刷物410に関する情報、特に使用者OBSとの関連において適切な情報を、迅速かつ簡便に、この印刷物410の実視野に重畳的に表示できる。このように、使用者OBSは、観察している印刷物410に関する印刷物情報のうち識別情報に対応した情報を、迅速かつ簡便に得ることができる。
【0092】
なお、本実施例において、識別情報判断部140を、携帯情報端末600内に設ける構成とすることもできる。
【0093】
以上説明した実施例では、テーマパークの案内地図やデジタル写真を例にしている。しかしながら、本発明はこれに限られず、博物館の館内地図やショッピングモールの案内地図にも適用できる。博物館の館内地図を印刷物として観察するときは、例えば、館内に展示されている展示物の情報を重畳表示できる。さらに、デジタル版下を有している印刷物であれば、印刷物として書籍に適用しても良い。特に、書籍では、異なる書籍であっても、類似した画像や文章が存在する。この場合は、本実施例を組み合わせること、即ち、本の特定にRFID等のタグ情報を用い、ページの特定にパターンマッチングを用いることが効果的である。また、連載等の類似した画像を排除してゆくことが可能である。このようにすれば、書籍の特定が素早く行なえるので、マッチングがより高速に実現できる。また、印刷物が書籍のときの個人情報の例としては、電子クーポンを挙げることができる。この電子クーポンは、雑誌等の書籍において特定の読者、例えば定期購読者のみに発信される。このように、本発明は電子情報を有する印刷物であれば、その内容にとらわれず幅広く適用できる。
【0094】
さらに、実視野に重畳的に表示される情報は、文字情報に限られない。例えば、静止画、動画などの映像情報を重畳的に表示できる。また、アイコン、天気記号、地理記号等の記号を重畳的に表示してもよい。加えて、上記各実施例において、印刷物情報格納部は、携帯情報端末内に設けても良い。
【0095】
また、携帯情報端末とコンピュータとの通信形態は、PHS回線、携帯電話回線、有線LAN、無線LAN、赤外線通信等のデータ転送を行なえるものであれば良い。さらに、上記各実施例では、使用者が携帯情報端末を手で把持して使用する例を説明している。しかしながら、本発明は、携帯情報端末に限られず、例えば公知のヘッドマウントディスプレイに上述した携帯情報端末の機能を持たせても良い。
【0096】
また、識別情報はテンキーにより入力される情報に限られない。例えば、識別情報入力部130として指紋センサーを用いることができる。このときは、個人情報へアクセスできる者の指紋を予めコンピュータ内に格納しておく。そして、携帯情報端末を使用する者は、その指紋を指紋センサーで読み取らせる。これにより、携帯情報端末の使用許可等が判断される。なお、識別情報は指紋に限られず、網膜パターン、声紋等の個人を特定できる情報であれば良い。このように、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変形が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0097】
以上のように、本発明に係る情報重畳表示システムは、印刷物に関する情報、特に使用者との関連において適切な情報を、迅速かつ簡便に、この印刷物の実視野に重畳的に表示するときに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】実施例1に係る情報重畳表示システムの概略構成図である。
【図2−1】携帯情報端末の斜視構成図である。
【図2−2】携帯情報端末の他の斜視構成図である。
【図3−1】携帯情報端末の上面図である。
【図3−2】携帯情報端末の断面図である。
【図3−3】携帯情報端末の底面図である。
【図4】実施例1において情報を重畳表示する手順を示すフローチャートである。
【図5】実施例1の情報重畳表示システムの機能ブロック図である。
【図6】携帯情報端末が一般機器のときの重畳表示の手順を示すフローチャートである。
【図7】携帯情報端末が特定の個人用機器のときの重畳表示の手順を示すフローチャートである。
【図8】実施例2の情報重畳表示システムの機能ブロック図である。
【図9】実施例3に係る情報重畳表示システムの概略構成図である。
【図10】実施例3の情報重畳表示システムの機能ブロック図である。
【図11】実施例4に係る情報重畳表示システムの概略構成図である。
【図12】実施例4の情報重畳表示システムの機能ブロック図である。
【図13】携帯情報端末が汎用機器のときの重畳表示の手順を示すフローチャートである。
【図14】実施例5の情報重畳表示システムの機能ブロック図である。
【図15】実施例6の情報重畳表示システムの機能ブロック図である。
【符号の説明】
【0099】
100 携帯情報端末
101 電子情報表示部
102 半透過光学素子
103 入出力部
104 撮像部
105 パターンマッチング部
106 画像認識部
107 表示情報決定部
110 印刷物
111 画像特定部
120 サーバーコンピュータ
122 印刷物情報格納部
123 デジタル版下
124 版下用情報データベース
125 最新情報データベース
130 識別情報入力部
140 識別情報判断部
200 携帯情報端末
220 サーバーコンピュータ
300 携帯情報端末
400 携帯情報端末
410 印刷物
411 画像特定部
413 演算部
415 デジタルカメラ
416 キーボード
417 インターネット
418a、418b、418c 他のコンピュータ
420 コンピュータ
421 ディスプレイ
424 演算部
430 プリンタ
500 携帯情報端末
520 コンピュータ
600 情報携帯端末
801 情報再生部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
関連する電子情報を有する印刷物を撮像する撮像部と、
撮像された前記印刷物を画像認識により特定する画像認識部と、
前記電子情報と前記電子情報に対して後発的に付加された印刷物情報とを格納する印刷物情報格納部と、
少なくとも特定された前記印刷物に関する前記印刷物情報を表示する電子情報表示部と、
前記電子情報表示部に表示された前記印刷物情報を前記印刷物の実視野に重畳的に表示する半透過光学素子と、
使用者を特定するための識別情報を入力する識別情報入力部と、
前記識別情報に基づいて前記電子情報表示部が表示する少なくとも前記印刷物情報を選択する識別情報判断部とを有し、
少なくとも前記撮像部と前記電子情報表示部と前記半透過光学素子と前記識別情報入力部とは携帯情報端末に備えられ、
前記印刷物情報格納部は、前記携帯情報端末と通信可能なコンピュータに備えられ、
前記画像認識部と前記識別情報判断部とは、それぞれ前記携帯情報端末と前記コンピュータとのいずれか一方に備えられていることを特徴とする情報重畳表示システム。
【請求項2】
前記印刷物は、前記印刷物情報格納部に格納されている前記電子情報であるデジタル版下に基づいて紙媒体に印刷された書籍物であり、
前記コンピュータは、前記書籍物に関連するサーバーコンピュータであることを特徴とする請求項1に記載の情報重畳表示システム。
【請求項3】
前記識別情報判断部は、前記サーバーコンピュータ内に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の情報重畳表示システム。
【請求項4】
前記識別情報判断部は、前記携帯情報端末内に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の情報重畳表示システム。
【請求項5】
前記印刷物は、前記印刷物情報格納部に格納されている前記電子情報であるデジタルファイルに基づいて紙媒体にプリントされたデジタル写真であることを特徴とする請求項1に記載の情報重畳表示システム。
【請求項6】
前記コンピュータは、前記電子情報と前記印刷物情報とに基づいて所定の演算処理を行なう演算部を有し、
前記電子情報表示部は、さらに演算された結果を表示することを特徴とする請求項5に記載の情報重畳表示システム。
【請求項7】
前記識別情報判断部は、前記コンピュータ内に設けられていることを特徴とする請求項5に記載の情報重畳表示システム。
【請求項8】
前記識別情報判断部は、前記携帯情報端末内に設けられていることを特徴とする請求項5に記載の情報重畳表示システム。
【請求項9】
前記コンピュータ内の前記印刷物情報格納部に格納されている前記印刷物情報は、前記コンピュータに接続されている入力装置または前記コンピュータとは異なる他のコンピュータから書換え可能に構成されていることを特徴とする請求項5に記載の情報重畳表示システム。
【請求項10】
関連する電子情報を有する印刷物を撮像する撮像部と、
撮像された前記印刷物を特定する情報を有する画像特定部と、
前記画像特定部を認識して前記情報を再生する情報再生部と、
前記電子情報と前記電子情報に対して後発的に付加された印刷物情報とを格納する印刷物情報格納部と、
少なくとも特定された前記印刷物に関する前記印刷物情報を表示する電子情報表示部と、
前記電子情報表示部に表示された前記印刷物情報を前記印刷物の実視野に重畳的に表示する半透過光学素子と、
使用者を特定するための識別情報を入力する識別情報入力部と、
前記識別情報に基づいて前記電子情報表示部が表示する少なくとも前記印刷物情報を選択する識別情報判断部とを有し、
少なくとも前記撮像部と前記電子情報表示部と前記半透過光学素子と前記識別情報入力部とは携帯情報端末に備えられ、
前記識別情報判断部は、前記携帯情報端末と前記コンピュータとのいずれか一方に備えられ、
前記印刷物情報格納部は、前記携帯情報端末と通信可能なコンピュータに備えられ、
前記画像特定部は、前記印刷物に備えられていることを特徴とする情報重畳表示システム。
【請求項11】
前記画像特定部は、前記印刷物の内容を符号化したパターンを備えることを特徴とする請求項10に記載の情報重畳表示システム。
【請求項12】
前記画像特定部は、前記印刷物の内容を格納しているRFIDを備えることを特徴とする請求項10に記載の情報重畳表示システム。


【図1】
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【図2−1】
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【図2−2】
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【図3−1】
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【図3−2】
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【図3−3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2006−99227(P2006−99227A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−281973(P2004−281973)
【出願日】平成16年9月28日(2004.9.28)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】