説明

情報重畳表示装置及び情報重畳表示システム

【課題】シースルービュアーを介して観察している観察している印刷物に関連する情報を、迅速かつ簡便に、この印刷物の実視野に重畳して表示できる情報重畳表示装置及び情報重畳表示システムを提供する。
【解決手段】撮像部104と、印刷物情報格納部120と、印刷物撮像内容特定部105と、印刷物情報抽出部106と、電子情報表示部101と、印刷物情報を印刷物110の実視野に重畳して表示する半透過光学素子102とを有する。印刷物情報格納部120のデータを用いて、撮像部104で撮影した印刷物の撮像内容の特定を行うとともに、特定した撮像内容に関連する印刷物情報を抽出し、半透過光学素子102を介して印刷物110の実視野に重畳して表示する。抽出した対象物に関連する印刷物情報を表示する際に、撮像範囲に応じて、印刷物情報の内容を異ならせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報重畳表示装置及び情報重畳表示システムに関し、特に印刷された媒体やプリントされた媒体に関連する情報を、実視野に重畳して表示する装置及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、一人の人間が複数のコンピュータを使用するネットワーク社会、いわゆるユビキタス・ネットワーク社会が提唱されている。ユビキタス・ネットワーク社会では、インターネット等の情報ネットワークに、いつでも、どこからでもアクセスできる環境が実現できる。このようなアクセスに使うことのできる情報端末は、パソコンに限られず、例えば携帯電話等も用いることができる。
【0003】
また、携帯電話においては、通話とディスプレイ認識とを同時に行なえる表示機能付き携帯情報装置としての構成が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1に開示されている構成では、小型のディスプレイをホログラム素子により遠方に拡大投影する。これにより、例えば、通話をしながら表示画像情報を見ることができる。さらに、ホログラム素子を介して遠方の物体の透過像を同時に観察できる。このような表示機能付き携帯情報装置は、実視野の像に重畳させてデジタル情報を表示する、いわゆるシースルービュアー(see−through viewer)として用いることができる。
【特許文献1】特開2001−308997号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、紙媒体等に印刷された書籍、地図、または焼付けされた写真等を見ることは、日常良く行なわれている。このような書籍、地図、写真等には、直接、人間が印刷または焼付けされている紙媒体等の物理的実体に触ることができる。このため、人間は、例えば、書籍の頁をめくる触感のような、いわゆるタンジブル(tangible)な感覚を認知できる。このようなタンジブルな感覚を伴って情報を得ることは、人間にとって自然なことであり、非常に重要であると考えられている。
【0005】
一方、紙媒体等に一旦印刷または焼付けされた情報は、その内容を更新することができない。このため、例えば、テーマパークの印刷された案内地図を見ているときに、その地図に記載されている乗り物の現在の混雑状況をリアルタイムに得ることはできない。
【0006】
また、上述したように表示機能付き携帯情報装置は、シースルービュアーとして用いることができる。しかしながら、従来技術の表示機能付き携帯情報装置では、単に、使用者がホログラム素子を介して実視野の物体を透過観察することができるのみであり、使用者の観察している物体の内容を認識する機能を有していない。
【0007】
このため、従来技術の表示機能付き携帯情報装置では、使用者がホログラム素子を介して透過観察している物体に関連する例えば最新情報などの後発的に付加された情報を得たいときがあっても、使用者は、そのままホログラム素子を介して物体を透過観察した状態では情報を得ることができない。使用者は、観察している物体に関連する情報を検索画面等を観察しながら、意図的に選択、検索しなければならない。このため、従来技術の表示機能付き携帯情報装置では、迅速、簡便には、観察物体に関連する後発的に付加された情報を得ることができない。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、シースルービュアーを介して観察している印刷物に関連する付加情報を、迅速かつ簡便に、この印刷物の実視野に重畳して表示できる情報重畳表示装置及び情報重畳表示システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明による情報重畳表示装置は、印刷物を撮像する撮像部と、印刷物の画像と該画像に対応して後発的に付加された印刷物情報とを電子情報データベースとして格納する印刷物情報格納部と、前記撮像部を介して撮像された印刷物の画像を、前記印刷物情報格納部に格納されている印刷物の画像と照合して、印刷物の撮像内容を特定する印刷物撮像内容特定部と、前記印刷物撮像内容特定部を介して特定された印刷物の撮像内容に関連する印刷物情報を、前記印刷物情報格納部から抽出する印刷物情報抽出部と、前記印刷物情報抽出部を介して抽出された印刷物情報を表示する電子情報表示部と、前記電子情報表示部に表示された印刷物情報を、印刷物の実視野に重畳して表示する半透過光学素子とを有し、少なくとも前記撮像部と前記電子情報表示部と前記半透過光学素子とを、携帯情報端末に備え、前記印刷物情報格納部を、前記携帯情報端末に対して通信可能なコンピュータに備え、前記印刷物撮像内容特定部及び前記印刷物情報抽出部を、前記携帯情報端末と前記コンピュータとのいずれか一方に備え、前記携帯情報端末の前記半透過光学素子を介して観察される印刷物の実視野に、該印刷物の撮像範囲に対応して異なる印刷物情報を重畳して表示するようにしたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明の情報重畳表示システムにおいては、前記印刷物情報が、印刷物の撮像範囲に対応した基本情報と、該基本情報に関連する付加情報とを含んでいるのが好ましい。
【0011】
また、本発明の情報重畳表示システムにおいては、前記印刷物情報が、印刷物の撮像範囲に対応した基本情報と、該基本情報に関連する付加情報の格納場所を示す位置情報とを含んでいるのが好ましい。
【0012】
また、本発明の情報重畳表示システムにおいては、印刷物に関連する複数の印刷物情報を順次表示させるための、印刷物の撮像範囲に対する所定量の可変量が設定されており、該可変量の範囲内で撮像範囲を変化させて印刷物を撮像したときに、該印刷物の撮像範囲に対応して異なる印刷物情報を前記半透過光学素子を介して観察される印刷物の実視野に重畳して表示するようにするのが好ましい。
【0013】
また、本発明による情報重畳表示装置は、印刷物を撮像する撮像部と、印刷物の画像と該画像に対応して後発的に付加された印刷物情報とを電子情報データベースとして格納する印刷物情報格納部を備えたコンピュータとの通信を行い、前記撮像部を介して撮像された印刷物の画像を該印刷物情報格納部に格納されている印刷物の画像と照合して、印刷物の撮像内容を特定する印刷物撮像内容特定部と、前記印刷物撮像内容特定部を介して特定された印刷物の撮像内容に関連する印刷物情報を、前記印刷物情報格納部から抽出する印刷物情報抽出部と、前記印刷物情報抽出部を介して抽出された印刷物情報を表示する電子情報表示部と、前記電子情報表示部に表示された印刷物情報を、印刷物の実視野に重畳して表示する半透過光学素子とを有し、前記半透過光学素子を介して観察される印刷物の実視野に、該印刷物の撮像範囲に対応して異なる印刷物情報を重畳して表示するようにした携帯情報端末からなることを特徴とする。
【0014】
また、本発明による情報重畳表示装置は、印刷物を撮像する撮像部と、印刷物の画像と該画像に対応して後発的に付加された印刷物情報とを電子情報データベースとして格納する印刷物情報格納部と、前記撮像部で撮像された印刷物の画像を該印刷物情報格納部に格納されている印刷物の画像と照合して、印刷物の撮像内容を特定する印刷物撮像内容特定部と、該印刷物撮像内容特定部を介して特定された印刷物の撮像内容に関連する印刷物情報を、該印刷物情報格納部から抽出する印刷物情報抽出部とを備えたコンピュータとの通信を行い、該印刷物情報抽出部を介して抽出された印刷物情報を表示する電子情報表示部と、前記電子情報表示部に表示された印刷物情報を、印刷物の実視野に重畳して表示する半透過光学素子とを有し、前記半透過光学素子を介して観察される印刷物の実視野に、該印刷物の撮像範囲に対応して異なる印刷物情報を重畳して表示するようにした携帯情報端末からなることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の情報重畳表示装置においては、前記印刷物情報が、印刷物の撮像範囲に対応した基本情報と、該基本情報に関連する付加情報とを含んでいるのが好ましい。
【0016】
また、本発明の情報重畳表示装置においては、前記印刷物情報が、印刷物の撮像範囲に対応した基本情報と、該基本情報に関連する付加情報の格納場所を示す位置情報とを含んでいるのが好ましい。
【0017】
また、本発明の情報重畳表示装置においては、印刷物に関連する複数の印刷物情報を順次表示させるための、印刷物の撮像範囲に対する所定量の可変量が設定されており、該可変量の範囲内で撮像範囲を変化させて印刷物を撮像したときに、該印刷物の撮像範囲に対応して異なる印刷物情報を前記半透過光学素子を介して観察される印刷物の実視野に重畳して表示するようにするのが好ましい。
【0018】
また、本発明によるテーマパーク用情報重畳表示システムは、所定面積を有するエリアに多数のアトラクション施設等を備えたテーマパークにおいて、前記テーマパーク内に多数設置された、前記アトラクション施設等に関連する情報を印刷した設置印刷物と、前記テーマパーク内に入場する観客に配布される、前記アトラクション施設等に関連する情報を印刷した配布印刷物と、上記いずれかの情報重畳表示システムのコンピュータと、前記テーマパーク内に入場する観客が使用するための上記いずれかの情報重畳表示システムの携帯情報端末とを有し、前記それぞれの観客が、前記携帯情報端末を介して前記設置印刷物又は前記配布印刷物を撮像したときに、該印刷物の撮像範囲に対応した前記設置印刷物又は前記配布印刷物に印刷された情報に関連する印刷物情報を、携帯情報端末の半透過光学素子を介して観察される印刷物の実視野に重畳して表示するようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、シースルービュアーを介して観察している印刷物に関連する付加情報を、迅速かつ簡便に、この印刷物の実視野に重畳的に表示できる情報重畳表示装置及び情報重畳表示システムが得られる。
特に、広大な面積を有するエリアに多数のアトラクション施設等を備えたテーマパーク等に本発明を用いた場合には、例えば、印刷物をシースルー観察しながら所望のアトラクション施設等に関連する付加情報(待ち時間、年齢制限の有無、開始及び終了時刻)を広大な領域内を探し回ることなく簡単且つ迅速に得ることができ、その効果は絶大なものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明のように構成された情報重畳表示システム及び情報重畳表示装置においては、使用者は、携帯情報端末の半透過光学素子を介して印刷物を透過観察する。ここで、「印刷物」とは、紙媒体等に印刷、焼付けされた書籍、地図、写真等をいう。なお、印刷物は、紙媒体に限られず、これに類似する印刷可能な媒体、例えば、樹脂シート、金属シート等に印刷されたものでも良い。また、撮像部は、使用者が観察している印刷物を撮像する。印刷物撮像内容特定部は、撮像部を介して撮像された印刷物の画像を、印刷物情報格納部に電子情報として格納されている画像と照合を行うことにより、印刷物の撮像内容を特定する。次に、印刷物情報抽出部が、印刷物情報格納部に電子情報として格納されている印刷物の画像に対応して後発的に付加された印刷物情報のうち、印刷物撮像内容特定部を介して特定された印刷物に関連する印刷物情報を抽出する。電子情報表示部は、印刷物情報抽出部を介して抽出された印刷物情報を表示する。そして、半透過光学素子は、電子情報表示部に表示された印刷物情報を印刷物の実視野に重畳して表示する。そして、本発明では、印刷物の撮像範囲に対応して異なる印刷物情報を重畳して表示するようにしている。この結果、使用者は、印刷物を観察しながら印刷物の撮像範囲を変えるという簡単な操作によって、印刷物に関連する情報の選択を行って印刷物の実視野に重畳して観察することができる。
【0021】
また、本発明において、印刷物情報が、撮像範囲内に対応した基本情報と、この基本情報に関連ずる付加情報とを含んでいれば、使用者は、観察している印刷物に関連する詳細な情報を得ることができる。
【0022】
また、本発明において、印刷物情報が、撮像範囲内に対応した基本情報と、この基本情報に関連する付加情報の格納場所を示す位置情報を含んでいれば、使用者は、この位置情報に基づいて撮像範囲と撮像位置を変えることで、観察している印刷物に関連する詳細な情報を、観察画面上で認識し易い状態で得ることができる。
【0023】
また、本発明においては、印刷物に関連する複数の印刷物情報を順次表示させるための、印刷物の撮像範囲に対して、所定量の可変量を設定し、この可変量の範囲内で撮影範囲を変化させて印刷物を撮像したときに、その印刷物の撮影範囲に対応して異なる印刷物情報を前記半透過光学素子を介して観察される印刷物の実視野に重畳して表示させるようにする。このようにすれば、使用者は、可変量の範囲内で撮影範囲を変えることで、観察している印刷物に関連する複数の詳細な情報を得ることができる。
【0024】
以下に、本発明に係る情報重畳表示システム及び情報重畳表示装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0025】
図1は本発明の実施例1に係る情報重畳表示システム全体の概略構成を示す説明図である。図2は実施例1の情報重畳表示システムで用いる情報重畳表示装置としての携帯情報端末の斜視図である。図3は図2に示す携帯情報端末の概略構成を模式的に示す説明図であり、(a)は上面図、(b)は断面図、(c)は底面図である。
なお、実施例1の情報重畳表示システムは、所定の広大な面積を有するエリアに多数のアトラクション施設、飲食店、その他の店舗等(以下、本願では、「アトラクション施設等」とする。)を備えたテーマパークに用いた一構成例として示してある。
【0026】
実施例1の情報重畳表示システムは、所定の広大な面積を有するエリアに多数のアトラクション施設等を備えたテーマパークにおいて、テーマパーク内に多数設置された、アトラクション施設等に関連する情報を印刷した設置印刷物と、テーマパーク内に入場する観客に配布される、アトラクション施設等に関連する情報を印刷した配布印刷物と、情報重畳表示装置としての携帯情報端末100と、サーバーコンピュータ120を有している。
なお、設置印刷物と配布印刷物の印刷内容は異なるものであってよいが、図1では説明の便宜上、設置印刷物と配布印刷物を印刷物110として示してある。
印刷物110は書籍物、例えば、テーマパークの案内地図を例えば、テーマパークの運営会社が所有するデジタル版下に基づいて紙媒体等に印刷したものである。
【0027】
携帯情報端末100は、図2に示すように、撮像部104と、電子情報表示部101と、半透過光学素子102と、入出力部103と、情報入力部130を有している。
撮像部104は、図3に示すように、光学レンズ104aと、撮像デバイス104bとから構成されており、印刷物110を撮像するために用いられる。撮像デバイス104bには、例えば2次元CCDを用いることができる。光学レンズ104aは、ズームレンズとして構成されていて、使用者の必要に応じて、撮影範囲を変化させることができるようになっている。撮像部104には、小型カメラを用いることができる。
【0028】
電子情報表示部101は、一般に用いられる携帯情報端末の表示画面で構成されており、サーバーコンピュータ120との通信を介して得られる印刷物110に関連する印刷物情報を表示する。電子情報表示部101には、液晶表示パネルや有機ELパネルを用いることができる。
【0029】
半透過光学素子102は、外部の観察対象と電子情報表示部101に表示された情報とを重畳して観察するために用いられる。半透過光学素子102には、ホログラム素子やハーフミラーを用いることができる。半透過光学素子102は、印刷物110からの光を透過するとともに、電子情報表示部101からの光を使用者の眼Eの方向へ反射する。これにより、半透過光学素子102は、電子情報表示部101に表示された印刷物110に関連する印刷物情報を印刷物110の実視野に重畳的に表示することができるようになっている。 また、電子情報表示部101、半透過光学素子102は、携帯情報端末100の本体に対して開閉可能に取り付けられており、図1では、開いた状態を示している。なお、電子情報表示部101、半透過光学素子102を、携帯情報端末100の本体に対して例えば図1の状態に固定して構成してもよい。
図3(b)に示すように、使用者OBSは、半透過光学素子102を介して印刷物110を実視野で透過観察する。同時に、電子情報表示部101に表示された印刷物情報の像は、半透過光学素子102により使用者OBSの眼Eの方向へ反射される。これにより、使用者OBSは、印刷物110を実視野で観察しつつ、これに重畳して電子情報表示部101に表示された印刷物情報を認識できる。
情報入力部130は、数字キー、記号キー、アルファベットキー等から構成される、いわゆるテンキーで構成されている。
【0030】
図4は実施例1に係る情報重畳表示システムの機能ブロック図である。
サーバーコンピュータ120と携帯情報端末100とは、入出力部103を介して無線通信可能に構成されている。なお、サーバーコンピュータ120は、テーマパークの運営会社が管理している。
サーバーコンピュータ120は、印刷物撮像内容特定部105と、印刷物情報抽出部106と、印刷物情報格納部122とを有している。印刷物情報格納部122は、印刷物の版下となる画像及びこれに関連する情報としてのデジタル版下123及び版下用情報データベース124と、その版下画像に対応して後発的に付加された情報を含む最新情報データベース125とで構成されている。
印刷物撮像内容特定部105は、携帯情報端末100の入出力部103を介して送信された印刷物110の画像を、印刷物情報格納部122のデジタル版下123及び版下用情報データベース124の画像と照合することによって、印刷物110の撮像内容を特定するように構成されている。
印刷物情報抽出部106は、印刷物撮像内容特定部105を介して特定された印刷物110の撮像内容に関連する印刷物情報を、印刷物情報格納部122の最新情報データベース125から抽出するように構成されている。
【0031】
テーマパークの運営会社は、テーマパークの案内地図に加えて、その他の多くの書籍、地図等を紙媒体に印刷して発行する。デジタル版下123は、このように発行される版下の画像が電子情報として格納されているデータベースである。また、版下用情報データベース124には、デジタル版下123を管理するための電子情報が格納されている。さらに、最新情報データベース125には、これらの版下画像の電子情報に対して後発的に付加された印刷物情報が格納されている。具体的には、最新情報データベース125には、例えばテーマパークの現在の日時における諸情報がリアルタイムで更新されて格納されている。
【0032】
このように構成された実施例1に係る情報重畳表示システムによる印刷物情報の重畳表示処理について以下に説明する。図5は実施例1に係る情報重畳表示システムにおいて、印刷物情報を実視野に重畳して表示する手順の概略を示すフローチャートである。まず、情報表示についての大まかな手順を説明する。
使用者OBSは、携帯情報端末100を用いて、半透過光学素子102を介して印刷物110を透過観察しながら、撮像部104を介して印刷物110(の所望範囲)を撮像する(ステップS401)。撮像部104を介して撮像された画像は、入出力部103を介してサーバーコンピュータ120に送信される。サーバーコンピュータ120に印刷物110の画像が送信されると、サーバーコンピュータ120の印刷物撮像内容特定部105が、印刷物110の画像を、印刷物情報格納部122のデジタル版下123及び版下用情報データベース124の画像と照合して、印刷物110の撮像内容を特定する(ステップS402)。次いで、印刷物情報抽出部107が、特定された印刷物110の撮像内容に関連する印刷物情報を印刷物情報格納部122の最新情報データベース125から抽出(取得)する(ステップS403)。抽出された印刷物情報は、入出力部103を介して携帯情報端末100に受信される。電子情報表示部101は、受信された印刷物情報を表示する。電子情報表示部101に表示された印刷物情報は、半透過光学素子102の表示面に表示される(ステップS404)。これにより、使用者OBSは、印刷物110に関連するリアルタイムの情報を、半透過光学素子102を介して、印刷物110の実視野に重畳して表示された状態で観察することができる。
【0033】
更に、サーバーコンピュータ120で行われる処理について、より詳細に説明する。
上述したように、本実施例では、サーバーコンピュータ120が、印刷物撮像内容特定部105と、印刷物情報抽出部106と、印刷物情報格納部122とを備えている。一般に、デジタル版下123により発行される書籍、地図等は、非常に数量が多い。特に、大規模なテーマパークになると、デジタル版下123と版下用情報データベース124とに格納されている情報は、数百〜数万種に及ぶこともある。その場合、撮像部104で撮像した印刷物110の画像をこれらのデジタル版下123と版下用情報データベース124の画像と照合することにより印刷物110の撮像内容を特定する際に、非常に大量の電子情報データを参照して比較する必要がある。そこで、本実施例の情報重畳表示システムでは、印刷物情報特定部105及び印刷物情報抽出部106を印刷物情報格納部122と共にサーバーコンピュータ120内に設けている。また、サーバーコンピュータ120は、大容量の電子情報を管理し、高速な処理速度機能を有している。
【0034】
ステップS402において、印刷物撮像内容特定部105は、デジタル版下123と版下用情報データベース124とに格納されている複数の画像の電子情報を参照する。そして、撮像部104で撮像され、入出力部103を介して送信された画像をキーとして、デジタル版下123と版下用情報データベース124を検索し、この画像と一致する画像のデジタル版下23に関連する版下用情報を抽出する。これにより、高速且つ高効率で印刷物110の撮像内容が特定される。
次に、ステップS403において、印刷物情報抽出部106は、特定された印刷物110の版下用情報をキーとして、最新情報データベース125を検索し、特定された印刷物110の撮像内容に関連する最新の印刷物情報を抽出する。
【0035】
また、本実施例の情報重畳表示システムでは、観察している印刷物110の撮像範囲に対応して異なる最新の印刷物情報を最新情報データベース125から抽出するように構成されている。
図6は実施例1に係る情報重畳表示システムにおける印刷物情報の表示形式を示す図であり、(a)は使用者が観察している印刷物全体を撮像した場合の様子を示す説明図、(b)は使用者が観察している印刷物の一部の領域を撮像した場合の様子を示す説明図、(c)は使用者が観察している印刷物の他の領域を撮影した場合の様子を示す説明図である。なお、図6では、説明の便宜上、印刷物110の全体が実視野で観察されているものとする。
例えば、撮像部104による印刷物110の撮像範囲が、図6(a)に示すように、使用者が観察している印刷物110の全体(絵、図柄、イラスト)であったとする。この場合には、印刷物情報抽出部106を介して抽出されて半透過光学素子102を介して印刷物110の実視野に重畳して表示される最新の印刷物情報が、例えば、現在の入場者数となるように、デジタル版下23、版下用情報データベース24及び最新情報データベース125が構築されている。
【0036】
また、撮像部104による印刷物110の撮像範囲が、図6(b)に示すように、使用者が観察している印刷物110のうちのアトラクションA(絵、図柄、イラスト)を含む範囲であったとする。この場合には、印刷物情報抽出部106を介して抽出されて半透過光学素子102を介して印刷物110の実視野に重畳して表示される最新の印刷物情報が、例えば、アトラクションAの現在の待ち時間(混雑状況)となるように、デジタル版下23、版下用情報データベース24及び最新情報データベース125が構築されている。
【0037】
また、撮像部104による印刷物110の撮像範囲が、図6(c)に示すように、使用者が観察している印刷物110のうちのインフォメーションセンターを含む範囲であったとする。この場合には、印刷物情報抽出部106を介して抽出されて半透過光学素子102を介して印刷物110の実視野に重畳して表示される最新の印刷物情報が、例えば、テーマパーク内で当日に開催されるイベントの開催場所や開催時間等となるように、デジタル版下23、版下用情報データベース24及び最新情報データベース125が構築されている。
【0038】
なお、撮像範囲は、図3に示した光学レンズ104aのズーム機能により調整することができる(図7(a))。
あるいは、携帯情報端末100の使用者が移動して、撮像部104から印刷物110までの距離を変えることにより撮像範囲を調整してもよい。すなわち、印刷物110全体を撮像範囲にする場合は、使用者は印刷物110から離れ、印刷物110の特定部位を撮像範囲にする場合は、使用者は印刷物110に近づけばよい。このようにすれば、機器の操作を伴わずに、撮像範囲を変化させることができる(図7(b))。
【0039】
また、本実施例の情報重畳表示システムでは、観察している印刷物110の撮像範囲に対応した適切な表示位置に、最新情報データベース125から抽出された印刷物情報を半透過光学素子102に表示させるための表示位置制御部が、携帯情報端末100、サーバーコンピュータ120のいずれかに備えられている(図示省略)。
【0040】
このようにして印刷物情報抽出部106を介して抽出された印刷物情報は、サーバーコンピュータ102から携帯情報端末100へ無線で送信され、入出力部103で受信される。電子情報表示部101は、入出力部103で受信された印刷物情報を表示する。電子情報表示部101で表示された印刷物情報の像は、半透過光学素子102を経て使用者OBSの方向へ導かれる。これにより使用者OBSは、印刷物110を実視野で観察しながら、実視野に重畳した最新の印刷物情報を認識できる。例えば、図6(b)に示すように、使用者OBSがテーマパークの案内地図を携帯情報端末100の半透過光学素子102を介して観察し、その観察範囲内においてアトラクションAを撮像部104を介して撮像したときには、「アトラクションAの乗り物:5分待ち」というリアルタイムの文字情報を、観察している印刷物110の実視野(テーマパークの案内地図)の所定位置に重畳した状態で観察することができる。
【0041】
このように、本実施例によれば、観察している実視野の印刷物110に重畳して、後発的に付加された最新の印刷物情報を表示できる。これにより、使用者OBSは、観察している印刷物110に関連する印刷物情報を、迅速かつ簡便に得ることができる。
【実施例2】
【0042】
図8は本発明の実施例2に係る情報重畳表示システムの表示形式を示す図であり、(a)は使用者が観察している印刷物の一部の領域を撮像した場合の様子を示す説明図、(b)は使用者が観察している印刷物の一部の領域内に表示された一つの位置情報を撮像した場合の様子を示す説明図、(c)は使用者が観察している印刷物の一部の領域内に表示された他の位置情報を撮像した場合の様子を示す説明図である。
実施例2の情報重畳表示システムは、基本構成は図1〜図5に示す実施例1の構成と同様であり、印刷物110に関連する印刷物情報が、印刷物110の実視野に重畳的に表示されるように構成されている。
但し、実施例2の情報重畳表示システムでは、その際、印刷物情報には、印刷物の撮像範囲(対象)に関連する基本情報と、基本情報に関連する付加情報の格納場所を示す位置情報とが含まれるように、印刷物情報格納部122のデジタル版下23、版下用情報データベース24及び最新情報データベース125が構築されている。
【0043】
例えば、撮像部104による印刷物110の撮像範囲が、図8(a)に示すように、観察者が観察している印刷物110のうちのインフォメーションセンター(絵、図柄、イラスト)を含む範囲であったとする。この場合には、印刷物情報抽出部106を介して抽出されて半透過光学素子102を介して印刷物110の実視野に重畳して表示される最新の印刷物情報として、例えば、テーマパーク内で当日に開催されるパレードの開催時間が、印刷物情報抽出部106を介して抽出される。この情報が、基本情報である。この基本情報は、半透過光学素子102を介して、観察している印刷物110の実視野内の所定の位置に重畳して表示される。
【0044】
しかしながら、インフォメーションセンターには、パレードに関連する情報のほかに、例えば、イベントの情報、レストランの情報及びショップの情報等を備えている。ここでは、イベントの情報、レストランの情報及びショップの情報等を、付加情報とする。これらの付加情報を、使用者が容易に取得できると、より好ましい。ただし、これらの付加情報を、全て、同時に表示させたのでは、使用者OBSが半透過光学素子102を介して観察している印刷物110の実視野の中に、多くの情報が混在、重畳して表示されることになる。そのため、必要な情報を認識することが困難になる恐れがある。
【0045】
そこで、実施例2の情報重畳表示システムでは、付加情報そのものではなく、付加情報が格納されていることを示す位置情報を、観察している印刷物110の実視野内の所定位置に重畳して表示するように構成している。
具体的には、例えば、図8(a)に示すように、インフォメーションセンターを示す絵(図柄、イラスト)の左上の位置には、ショップBに関連する付加情報が格納されていることを示す位置情報SBを表示する。同様にして、インフォメーションセンタを示す絵の所定の位置に、各種の付加情報が格納されていることを示すような位置情報を表示する。
即ち、インフォメーションセンターを示す絵の中央上部の位置には、イベントAに関連する付加情報が格納されていることを示す位置情報EAを表示する。
また、インフォメーションセンターを示す絵の右上の位置には、レストランAに関連する付加情報が格納されていることを示す位置情報RAを表示する。
また、インフォメーションセンターを示す絵の右下の位置には、レストランBに関連する付加情報が格納されていることを示す位置情報RBを表示する。
また、インフォメーションセンターを示す絵の左下の位置には、ショップAに関連する付加情報が格納されていることを示す位置情報SAを表示する。
【0046】
そこで、使用者は、必要な付加情報がある位置に、撮像範囲を移動させる。例えば、レストランAに関連する付加情報を得る場合、撮像範囲の中心を、インフォメーションセンタを示す絵の右上の位置に移動させる。ただし、撮像範囲の広さが図8(a)のままでは、インフォメーションセンターを示す絵の右上の位置を特定したことにならない。
そこで、図8(b)に示すように、撮像範囲を狭める。このようにすることで、インフォメーションセンターを示す絵の右上の位置を、特定することができる。位置の特定が行われると、例えば、付加情報として、レストランAの待ち時間が、観察している印刷物110の実視野に重畳して表示される。また、図8(c)に示すように、撮像範囲を狭め、且つ撮影中心を、インフォメーションセンターを示す絵の左上に移動させると、ショップBで販売されている限定商品名が、観察している印刷物110の実視野に重畳して表示される。
【0047】
なお、撮像範囲が狭くなると、撮像した画像に関する特徴点が少なくなる。そうすると、撮像した印刷物110の画像とデジタル版下123と版下用情報データベース124の画像との照合により撮像内容を特定することが難しくなる。その結果、印刷物情報特定部105を介しても、撮像した印刷物110の画像が、印刷物110のどの部分の画像であるかを特定することができなくなる。上記の例では、インフォメーションセンタを示す絵の右上の位置を、特定することが困難になる可能性が生じる。
そこで、付加情報がある位置には、印刷物110に予め特徴点を持たせておくのが好ましい。例えば、印刷物110のインフォメーションセンタを示す絵には、その右上の位置に、RAという文字、左上の位置にはSBの文字を、予め印刷しておく。このようにすれば、撮像範囲が狭くなっても、撮像した印刷物110の画像とデジタル版下123と版下用情報データベース124の画像との照合が容易に行える。
【実施例3】
【0048】
図9は本発明の実施例3に係る情報重畳表示システムの表示形式を示す図であり、(a)は使用者が観察している印刷物の一部の領域を所定の撮像範囲で撮像した場合の様子を示す説明図、(b)は使用者が観察している印刷物の一部の領域を(a)とは異なる大きさの撮像範囲で撮像した場合の様子を示す説明図である。
実施例3の情報重畳表示システムにおいても、基本構成は図1〜図5に示す実施例1の構成と同様であり、印刷物110に関連する印刷物情報が、印刷物110の実視野に重畳的に表示されるように構成されている。
但し、実施例3の情報重畳表示システムでは、その際、印刷物情報には、撮像対象に関連する複数の情報が含まれており、撮像範囲の変化に対応して異なる情報を表示するように、印刷物情報格納部122のデジタル版下23、版下用情報データベース24及び最新情報データベース125が構築されている。
【0049】
例えば、撮像部104による印刷物110の撮像範囲が、図9(a)に示すように、印刷物110のうちのアトラクションB(絵、図柄、イラスト)を含む範囲であったとする。この場合には、印刷物情報抽出部106を介して抽出されて半透過光学素子102を介して印刷物110の実視野に重畳して表示される最新の印刷物情報として、例えば、アトラクションBの待ち時間、年齢制限の有無、終了時刻等が、印刷物情報抽出部106を介して抽出される。そして、抽出された情報のうち、待ち時間が、半透過光学素子102を介して、観察している印刷物110の実視野内の所定の位置に重畳して表示される。
【0050】
しかしながら、アトラクションBについては、待ち時間の情報のほかに、例えば、年齢制限の有無や、終了時刻等の情報が存在する。これらの情報を、使用者が容易に取得できると、より好ましい。ただし、これらの情報を、全て、同時に表示させたのでは、使用者OBSが半透過光学素子102を介して観察している印刷物110の実視野の中に、多くの情報が混在、重畳して表示されることになる。そのため、必要な情報を認識することが困難になる恐れがある。
【0051】
そこで、実施例3の情報重畳表示システムでは、使用者が撮像範囲を変化させることで、これらの情報を別々のタイミングで表示するように構成している。
具体的には、図9(a)に示すように、例えば、印刷物110における撮像範囲がX1の場合、アトラクションBの待ち時間が重畳して表示される。次に、撮像範囲を僅かに変化させる。例えば、撮像範囲をX1からX2(X2>X1)に大きくする。すると、図9(b)に示すように、アトラクションBに関連する年齢制限の有無が重畳して表示される。このようにすれば、使用者は、アトラクションBに関連する複数の情報を、簡単な動作で認識し易く得ることができる。
【0052】
なお、撮像範囲は、印刷物110に印刷された対象物の大きさによっても変化する。すなわち、撮像範囲は、対象物を選択するために変化することもある。よって、撮像範囲の変化が、対象物を選択するためのものであるのか、対象物に関連する複数の情報を順次表示させるためのものであるのか、を区別させる必要がある。そこで、実施例2の情報重畳表示システムにおいては、撮像範囲についての所定の可変量を、予め設定しておく。そして、撮像範囲の変化が所定の可変量の範囲内である場合には、対象物に関連する複数の情報を順次表示させ、所定の可変量の範囲を超えた場合には、他の対象物に関連する情報を表示させるようにするとよい。
【0053】
なお、上記各実施例では、情報重畳表示システム及び情報重畳表示装置をテーマパークに用いたが、本発明の情報重畳表示システム及び情報重畳表示装置は、印刷物を観察しながらその印刷物に関連する印刷物情報を観察している印刷物の重畳して表示させることことができるものであれば、用途は限定されない。
また、上記各実施例の情報重畳表示システム及び情報重畳表示装置では、テーマパーク等において非常に大量の電子情報データとの参照、比較処理を高速度で行うために、印刷物撮像内容特定部及び印刷物情報抽出部をサーバーコンピュータに備えたが、参照、比較するための印刷物情報格納部の電子情報データの格納量がそれほど多くしないでシステムを構築できれば、印刷物撮像内容特定部及び印刷物情報抽出部を携帯情報端末に備えてもよい。
また、電子情報表示部で印刷物に関連する印刷物情報を着色表示や点滅表示するようにしてもよい。このようにすれば、印刷物の実視野に重畳して表示される印刷物情報が認識し易くなる。
【産業上の利用可能性】
【0054】
以上のように、本発明に係る情報重畳表示システムは、印刷物に関連する情報、特に使用者との関係においてリアルタイムに変化する付加的な情報を、迅速かつ簡便に、この印刷物の実視野に重畳的に表示するときに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の実施例1に係る情報重畳表示システムの概略構成図である。
【図2】本発明の実施例1の情報重畳表示システムで用いる情報重畳表示装置としての携帯情報端末の斜視構成図である。
【図3】図2に示す携帯情報端末の概略構成を模式的に示す説明図であり、(a)は上面図、(b)は断面図、(c)は底面図である。
【図4】本発明の実施例1に係る情報重畳表示システムの機能ブロック図である。
【図5】本発明の実施例1に係る情報重畳表示システムにおいて、印刷物情報を実視野に重畳して表示する手順の概略を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施例1に係る情報重畳表示システムにおける印刷物情報の表示形式を示す図であり、(a)は使用者が観察している印刷物全体を撮像した場合の様子を示す説明図、(b)は使用者が観察している印刷物の一部の領域を撮像した場合の様子を示す説明図、(c)は使用者が観察している印刷物の他の領域を撮影した場合の様子を示す説明図である。
【図7】実施例1の情報重畳表示システムにおける携帯情報端末を用いた印刷物の撮像範囲の調整方法を示す図であり、(a)は携帯情報端末に備わる光学レンズのズーム機能を用いて撮像範囲を調整する状態を示す説明図、(b)は携帯情報端末の使用者が移動することによって撮像範囲を調整する状態を示す説明図である。
【図8】本発明の実施例2に係る情報重畳表示システムの表示形式を示す図であり、(a)は使用者が観察している印刷物の一部の領域を撮像した場合の様子を示す説明図、(b)は使用者が観察している印刷物の一部の領域内に表示された一つの位置情報を撮像した場合の様子を示す説明図、(c)は使用者が観察している印刷物の一部の領域内に表示された他の位置情報を撮像した場合の様子を示す説明図である。
【図9】本発明の実施例3に係る情報重畳表示システムの表示形式を示す図であり、(a)は使用者が観察している印刷物の一部の領域を所定の撮像範囲で撮像した場合の様子を示す説明図、(b)は使用者が観察している印刷物の一部の領域を(a)とは異なる大きさの撮像範囲で撮像した場合の様子を示す説明図である。
【符号の説明】
【0056】
100 携帯情報端末
101 電子情報表示部
102 半透過光学素子
103 入出力部
104 撮像部
105 印刷物撮像内容特定部
106 印刷物情報抽出部
110 印刷物
120 サーバーコンピュータ
122 印刷物情報格納部
123 デジタル版下
124 版下用情報データベース
125 最新情報データベース
130 情報入力部
OBS 携帯情報端末の使用者
E 使用者の観察している側の眼

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷物を撮像する撮像部と、
印刷物の画像と該画像に対応して後発的に付加された印刷物情報とを電子情報データベースとして格納する印刷物情報格納部と、
前記撮像部を介して撮像された印刷物の画像を、前記印刷物情報格納部に格納されている印刷物の画像と照合して、印刷物の撮像内容を特定する印刷物撮像内容特定部と、

前記印刷物撮像内容特定部を介して特定された印刷物の撮像内容に関連する印刷物情報を、前記印刷物情報格納部から抽出する印刷物情報抽出部と、
前記印刷物情報抽出部を介して抽出された印刷物情報を表示する電子情報表示部と、
前記電子情報表示部に表示された印刷物情報を、印刷物の実視野に重畳して表示する半透過光学素子とを有し、
少なくとも前記撮像部と前記電子情報表示部と前記半透過光学素子とを、携帯情報端末に備え、
前記印刷物情報格納部を、前記携帯情報端末に対して通信可能なコンピュータに備え、
前記印刷物撮像内容特定部及び前記印刷物情報抽出部を、前記携帯情報端末と前記コンピュータとのいずれか一方に備え、
前記携帯情報端末の前記半透過光学素子を介して観察される印刷物の実視野に、該印刷物の撮像範囲に対応して異なる印刷物情報を重畳して表示するようにしたことを特徴とする情報重畳表示システム。
【請求項2】
前記印刷物情報が、印刷物の撮像範囲に対応した基本情報と、該基本情報に関連する付加情報とを含んでいることを特徴とする請求項1に記載の情報重畳表示システム。
【請求項3】
前記印刷物情報が、印刷物の撮像範囲に対応した基本情報と、該基本情報に関連する付加情報の格納場所を示す位置情報とを含んでいることを特徴とする請求項1に記載の情報重畳表示システム。
【請求項4】
印刷物に関連する複数の印刷物情報を順次表示させるための、印刷物の撮像範囲に対する所定量の可変量が設定されており、
該可変量の範囲内で撮像範囲を変化させて印刷物を撮像したときに、該印刷物の撮像範囲に対応して異なる印刷物情報を前記半透過光学素子を介して観察される印刷物の実視野に重畳して表示するようにしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の情報重畳表示システム。
【請求項5】
印刷物を撮像する撮像部と、
印刷物の画像と該画像に対応して後発的に付加された印刷物情報とを電子情報データベースとして格納する印刷物情報格納部を備えたコンピュータとの通信を行い、前記撮像部を介して撮像された印刷物の画像を該印刷物情報格納部に格納されている印刷物の画像と照合して、印刷物の撮像内容を特定する印刷物撮像内容特定部と、
前記印刷物撮像内容特定部を介して特定された印刷物の撮像内容に関連する印刷物情報を、前記印刷物情報格納部から抽出する印刷物情報抽出部と、
前記印刷物情報抽出部を介して抽出された印刷物情報を表示する電子情報表示部と、
前記電子情報表示部に表示された印刷物情報を、印刷物の実視野に重畳して表示する半透過光学素子とを有し、
前記半透過光学素子を介して観察される印刷物の実視野に、該印刷物の撮像範囲に対応して異なる印刷物情報を重畳して表示するようにした携帯情報端末からなることを特徴とする情報重畳表示装置。
【請求項6】
印刷物を撮像する撮像部と、
印刷物の画像と該画像に対応して後発的に付加された印刷物情報とを電子情報データベースとして格納する印刷物情報格納部と、前記撮像部で撮像された印刷物の画像を該印刷物情報格納部に格納されている印刷物の画像と照合して、印刷物の撮像内容を特定する印刷物撮像内容特定部と、該印刷物撮像内容特定部を介して特定された印刷物の撮像内容に関連する印刷物情報を、該印刷物情報格納部から抽出する印刷物情報抽出部とを備えたコンピュータとの通信を行い、該印刷物情報抽出部を介して抽出された印刷物情報を表示する電子情報表示部と、
前記電子情報表示部に表示された印刷物情報を、印刷物の実視野に重畳して表示する半透過光学素子とを有し、
前記半透過光学素子を介して観察される印刷物の実視野に、該印刷物の撮像範囲に対応して異なる印刷物情報を重畳して表示するようにした携帯情報端末からなることを特徴とする情報重畳表示装置。
【請求項7】
前記印刷物情報が、印刷物の撮像範囲に対応した基本情報と、該基本情報に関連する付加情報とを含んでいることを特徴とする請求項5又は6に記載の情報重畳表示システム。
【請求項8】
前記印刷物情報が、印刷物の撮像範囲に対応した基本情報と、該基本情報に関連する付加情報の格納場所を示す位置情報とを含んでいることを特徴とする請求項5又は6に記載の情報重畳表示装置。
【請求項9】
印刷物に関連する複数の印刷物情報を順次表示させるための、印刷物の撮像範囲に対する所定量の可変量が設定されており、
該可変量の範囲内で撮像範囲を変化させて印刷物を撮像したときに、該印刷物の撮像範囲に対応して異なる印刷物情報を前記半透過光学素子を介して観察される印刷物の実視野に重畳して表示するようにしたことを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載の情報重畳表示装置。
【請求項10】
所定面積を有するエリアに多数のアトラクション施設等を備えたテーマパークにおいて、
前記テーマパーク内に多数設置された、前記アトラクション施設等に関連する情報を印刷した設置印刷物と、
前記テーマパーク内に入場する観客に配布される、前記アトラクション施設等に関連する情報を印刷した配布印刷物と、
前記請求項1〜3のいずれかに記載のコンピュータと、
前記テーマパーク内に入場する観客が使用するための前記請求項1〜3のいずれかに記載の携帯情報端末を有し、
前記それぞれの観客が、前記携帯情報端末を介して前記設置印刷物又は前記配布印刷物を撮像したときに、
該印刷物の撮像範囲に対応した、前記設置印刷物又は前記配布印刷物に印刷された情報に関連する印刷物情報を、携帯情報端末の半透過光学素子を介して観察される印刷物の実視野に重畳して表示するようにしたことを特徴とするテーマパーク用情報重畳表示システム。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2006−139104(P2006−139104A)
【公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−329149(P2004−329149)
【出願日】平成16年11月12日(2004.11.12)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】