説明

感光性導電フィルム、導電膜の形成方法、導電パターンの形成方法及び導電膜基板

【課題】基板上に、基板との接着性が十分であり且つ表面抵抗率が十分小さい導電パターンを十分な解像度で簡便に形成することを可能とする感光性導電フィルム、並びに、この感光性導電フィルムを用いた導電膜の形成方法、導電パターンの形成方法及び導電膜基板を提供する。
【解決手段】感光性導電フィルム10は、支持フィルム1と、該支持フィルム1上に設けられ導電性繊維を含有する導電層2と、該導電層2上に設けられた感光性樹脂層3とを備え、該感光性導電フィルムを、基板上に前記感光性樹脂層が密着するようにラミネートするラミネート工程と、前記基板上の前記感光性樹脂層に活性光線を照射する露光工程と、を備える方法により形成された導電膜基板。さらに、露光した前記感光性樹脂層を現像することにより形成された導電パターンを備える導電性基板。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光性導電フィルム、導電膜の形成方法、導電パターンの形成方法及び導電膜基板に関し、特には、液晶表示素子などのフラットパネルディスプレイ、タッチスクリーン、太陽電池等の装置の電極配線として用いられる導電パターンの形成方法及び導電膜基板に関する。
【背景技術】
【0002】
パソコンやテレビ等の大型電子機器、カーナビゲーション、携帯電話、電子辞書等の小型電子機器、OA・FA機器等の表示機器では、液晶表示素子やタッチスクリーンが使用されているものが普及している。これら液晶表示素子やタッチスクリーン、更には太陽電池等のデバイスでは、透明であることが要求される配線、画素電極又は端子の一部に、透明導電膜が使用されている。
【0003】
透明導電膜の材料としては、可視光に対して高い透過率を示すITO(Indium−Tin−Oxide)、酸化インジュウム及び酸化スズなどが従来より用いられている。液晶表示素子用基板等の電極では、上記の材料からなる透明導電膜をパターニングしたものが主流になっている。
【0004】
透明導電膜のパターニング方法としては、透明導電膜を形成後、フォトリソグラフィー法によりレジストパターンを形成し、ウエットエッチングにより導電膜の所定部分を除去して導電パターンを形成する方法が一般的である。ITO及び酸化インジュウム膜の場合、エッチング液は塩酸と塩化第二鉄の2液よりなる混合液が一般に用いられている。
【0005】
ITO膜や酸化スズ膜は一般にスパッタ法により形成される。しかし、この方法は、スパッタ方式の違い、スパッタパワーやガス圧、基板温度、雰囲気ガスの種類等によって透明導電膜の性質が変わりやすい。スパッタ条件の変動による透明導電膜の膜質の違いは、透明導電膜をウエットエッチングする際のエッチング速度のばらつきの原因となり、パターンニング不良による製品の歩留り低下を招きやすい。また、上記の導電パターンの形成方法は、スパッタ工程、レジスト形成工程及びエッチング工程を経ていることから、工程が長く、コスト面でも大きな負担となっている。
【0006】
最近、上記の問題を解消するために、ITO、酸化インジュウム及び酸化スズなどに替わる材料を用いて透明な導電パターンを形成する試みがなされている。例えば、下記特許文献1には、基板上に、銀繊維などの導電性繊維を含有する導電層を形成した後、導電層上に感光性樹脂層を形成し、その上からパターンマスクを介して露光し、現像する導電パターンの形成方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許公開第2007/0074316号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1に記載の方法では、基板と導電パターンとの接着性を確保しつつ導電パターンの表面抵抗率の低抵抗率化を図ることが困難であることが本発明者の検討により判明している。また、前記導電パターンを配線、画素電極又は端子として使用する場合には、感光性樹脂層を除去する工程が必要であり、導電パターン形成の工程が煩雑化するという問題がある。
【0009】
本発明は、上記従来技術が有する問題に鑑みてなされたものであり、基板上に、基板との接着性が十分であり且つ表面抵抗率が十分小さい導電パターンを十分な解像度で簡便に形成することを可能とする感光性導電フィルム、並びに、この感光性導電フィルムを用いた導電膜の形成方法、導電パターンの形成方法及び導電膜基板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため本発明は、支持フィルムと、該支持フィルム上に設けられ導電性繊維を含有する導電層と、該導電層上に設けられた感光性樹脂層とを備える感光性導電フィルムを提供する。
【0011】
本発明の感光性導電フィルムによれば、上記構成を有することにより、感光性導電フィルムを基板上に感光性樹脂層が密着するようにラミネートし、これを露光、現像する簡便な工程で、基板との接着性が十分であり且つ表面抵抗率が十分小さい導電パターンを十分な解像度で形成することが可能となる。
【0012】
本発明の感光性導電フィルムにおいて、上記導電層及び上記感光性樹脂層の積層体は、両層の合計膜厚を1〜10μmとしたときに450〜650nmの波長域における最小光透過率が80%以上であることが好ましい。導電層及び感光性樹脂層がこのような条件を満たす場合、ディスプレイパネル等での高輝度化が容易となる。
【0013】
また、本発明の感光性導電フィルムにおいて、形成される導電膜の導電性を容易に調整できる点で、上記導電性繊維が銀繊維であることが好ましい。
【0014】
基板と導電パターンとの接着性及び導電膜のパターンニング性を更に向上させる観点から、上記感光性樹脂層が、バインダーポリマー、エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物及び光重合開始剤を含有することが好ましい。
【0015】
本発明はまた、本発明の感光性導電フィルムを、基板上に感光性樹脂層が密着するようにラミネートするラミネート工程と、基板上の感光性樹脂層に活性光線を照射する露光工程とを備える導電膜の形成方法を提供する。
【0016】
本発明の導電膜の形成方法によれば、本発明の感光性導電フィルムを用い、上記工程が実施されることにより、基板上に、基板との接着性が十分であり且つ表面抵抗率が十分小さい導電膜を容易に形成することができる。
【0017】
本発明はまた、本発明の感光性導電フィルムを、基板上に感光性樹脂層が密着するようにラミネートする工程と、基板上の感光性樹脂層の所定部分に活性光線を照射する露光工程と、露光した感光性樹脂層を現像することにより導電パターンを形成する現像工程とを備える導電パターンの形成方法を提供する。
【0018】
本発明の導電パターンの形成方法によれば、本発明の感光性導電フィルムを用い、上記工程が実施されることにより、基板上に、基板との接着性が十分であり且つ表面抵抗率が十分小さい導電パターンを十分な解像度で簡便に形成することが可能となる。
【0019】
本発明はまた、基板と、該基板上に本発明の導電膜の形成方法により形成された導電膜とを備える導電膜基板を提供する。
【0020】
本発明はまた、基板と、該基板上に本発明の導電パターンの形成方法により形成された導電パターンとを備える導電膜基板を提供する。
【0021】
本発明の導電膜基板において、上記導電膜又は上記導電パターンの表面抵抗率が2000Ω/□以下であることが好ましい。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、基板上に、基板との接着性が十分であり且つ表面抵抗率が十分小さい導電パターンを十分な解像度で簡便に形成することを可能とする感光性導電フィルム、並びに、この感光性導電フィルムを用いた導電膜の形成方法、導電パターンの形成方法及び導電膜基板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の感光性導電フィルムの一実施形態を示す模式断面図である。
【図2】本発明の導電パターンの形成方法の一実施形態を説明するための模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書における「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」及びそれに対応する「メタクリレート」を意味する。同様に「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」及びそれに対応する「メタクリル」を意味し、「(メタ)アクリロイル」とは「アクリロイル」及びそれに対応する「メタクリロイル」を意味する。
【0025】
図1は、本発明の感光性導電フィルムの好適な一実施形態を示す模式断面図である。図1に示す感光性導電フィルム10は、支持フィルム1と、支持フィルム1上に設けられ導電性繊維を含有する導電層2と、導電層2上に設けられた感光性樹脂層3とを備える。
【0026】
以下、感光性導電フィルム10を構成する支持フィルム1、導電性繊維を含有する導電層2及び感光性樹脂層3のそれぞれについて詳細に説明する。
【0027】
支持フィルム1としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリカーボネートフィルム等の耐熱性及び耐溶剤性を有する重合体フィルムが挙げられる。これらのうち、透明性や耐熱性の観点からは、ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。なお、これらの重合体フィルムは、後に感光性樹脂層から除去可能でなくてはならないため、除去が不可能となるような表面処理が施されたもの或いは材質であったりしてはならない。
【0028】
また、支持フィルム1の厚みは、5〜300μmであることが好ましく、10〜200μmであることがより好ましく、15〜100μmであることが特に好ましい。支持フィルムの厚みが5μm未満であると、機械的強度が低下し、導電層2を形成するために導電性繊維分散液若しくは感光性樹脂層3を形成するために感光性樹脂組成物を塗工する工程、又は露光した感光性樹脂層3を現像する前に支持フィルムを剥離する工程において、支持フィルムが破れやすくなる傾向がある。一方、支持フィルムの厚みが300μmを超えると、支持フィルムを介して活性光線を感光性樹脂層に照射する場合にパターンの解像度が低下する傾向があり、また価格が高くなる傾向にある。
【0029】
支持フィルム1のヘーズ値は、感度及び解像度を良好にできる観点から、0.01〜5.0%であることが好ましく、0.01〜3.0%であることがより好ましく、0.01〜2.0%であることが特に好ましく、0.01〜1.0%であることが極めて好ましい。なお、ヘーズ値はJIS K 7105に準拠して測定することができ、例えば、NDH−1001DP(日本電色工業(株)製、商品名)等の市販の濁度計などで測定が可能である。
【0030】
導電層2に含有される導電性繊維としては、例えば、金、銀、白金などの金属繊維、及びカーボンナノチューブなどの炭素繊維が挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。導電性の観点からは、金繊維又は銀繊維を用いることが好ましい。金繊維及び銀繊維は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。更に、形成される導電膜の導電性を容易に調整できる観点からは、銀繊維がより好ましい。
【0031】
上記の金属繊維は、例えば、金属イオンをNaBH等の還元剤で還元する方法、又は、ポリオール法により調製することができる。
【0032】
カーボンナノチューブは、Unidym社のHipco単層カーボンナノチューブなどの市販品を使用することができる。
【0033】
導電性繊維の繊維径は、1nm〜50nmであることが好ましく、2nm〜20nmであることがより好ましく、3nm〜10nmであることが特に好ましい。また、導電性繊維の繊維長は、1μm〜100μmであることが好ましく、2μm〜50μmであることがより好ましく、3μm〜10μmであることが特に好ましい。繊維径及び繊維長は、走査型電子顕微鏡により測定することができる。
【0034】
導電層2の厚みは、本発明の感光性導電フィルムを用いて形成される導電膜若しくは導電パターンの用途や求められる導電性によっても異なるが、1μm以下であることが好ましく、1nm〜0.5μmであることがより好ましく、5nm〜0.1μmであることが特に好ましい。導電層2の厚みが1μm以下であると、450〜650nmの波長域での光透過率が高く、パターン形成性にも優れ、特に透明電極の作製に好適なものとなる。
【0035】
導電層2は、導電性繊維同士が接触してなる網目構造を有することが好ましい。このような網目構造を有する導電層2は、感光性樹脂層3の支持フィルム側表面に形成されていてもよいが、支持フィルムを剥離したときに露出する表面においてその面方向に導電性が得られるのであれば、感光性樹脂層3の支持フィルム側表層に含まれる形態で形成されていてもよい。なお、網目構造を有する導電層2の厚みは、走査型電子顕微鏡写真によって測定される値を指す。
【0036】
導電性繊維を含有する導電層2は、例えば、支持フィルム1上に、上述した導電性繊維を水及び/又は有機溶剤、必要に応じて界面活性剤などの分散安定剤などを加えた導電性繊維分散液を塗工した後、乾燥することにより形成することができる。乾燥後、支持フィルム1上に形成した導電層2は、必要に応じてラミネートされてもよい。塗工は、例えば、ロールコート法、コンマコート法、グラビアコート法、エアーナイフコート法、ダイコート法、バーコート法、スプレーコート法等の公知の方法で行うことができる。また、乾燥は、30〜150℃で1〜30分間程度、熱風対流式乾燥機等で行うことができる。導電層2において、導電性繊維は界面活性剤や分散安定剤と共存していてもかまわない。
【0037】
感光性樹脂層3としては、(a)バインダーポリマー、(b)エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物及び(c)光重合開始剤を含有する感光性樹脂組成物から形成されるものが挙げられる。
【0038】
(a)バインダーポリマーとしては、例えば、アクリル樹脂、スチレン樹脂、エポキシ樹脂、アミド樹脂、アミドエポキシ樹脂、アルキド樹脂、フェノール樹脂、エステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応で得られるエポキシアクリレート樹脂、エポキシアクリレート樹脂と酸無水物の反応で得られる酸変性エポキシアクリレート樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。アルカリ現像性及びフィルム形成性に優れる観点から、アクリル樹脂を用いることが好ましく、そのアクリル樹脂が(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来するモノマー単位を構成単位として有するとより好ましい。ここで、「アクリル樹脂」とは、(メタ)アクリル基を有する重合性単量体に由来するモノマー単位を主に有する重合体のことを意味する。また、本明細書における「(メタ)アクリル酸」とは「アクリル酸」及びそれに対応する「メタクリル酸」を意味し、「(メタ)アクリル酸アルキルエステル」とは「アクリル酸アルキルエステル」及びそれに対応する「メタクリル酸アルキルエステル」を意味する。
【0039】
上記アクリル樹脂は、(メタ)アクリル基を有する重合性単量体をラジカル重合して製造されるものが使用できる。このアクリル樹脂は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0040】
上記(メタ)アクリル基を有する重合性単量体としては、例えば、ジアセトンアクリルアミド等のアクリルアミド、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、α−ブロモ(メタ)アクリル酸、α−クロル(メタ)アクリル酸、β−フリル(メタ)アクリル酸、β−スチリル(メタ)アクリル酸等が挙げられる。
【0041】
また、上記アクリル樹脂は、上記のような(メタ)アクリル基を有する重合性単量体の他に、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等のα−位若しくは芳香族環において置換されている重合可能なスチレン誘導体、アクリロニトリル、ビニル−n−ブチルエーテル等のビニルアルコールのエステル類、マレイン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノイソプロピル等のマレイン酸モノエステル、フマール酸、ケイ皮酸、α−シアノケイ皮酸、イタコン酸、クロトン酸等の1種又は2種以上の重合性単量体が共重合されていてもよい。
【0042】
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、下記一般式(1)で表される化合物、これらの化合物のアルキル基に水酸基、エポキシ基、ハロゲン基等が置換した化合物が挙げられる。
CH=C(R)−COOR …(1)
【0043】
ここで、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは炭素数1〜12のアルキル基を示す。上記炭素数1〜12のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基及びこれらの構造異性体が挙げられる。
【0044】
上記一般式(1)で表される化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸プロピルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸ペンチルエステル、(メタ)アクリル酸ヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸ヘプチルエステル、(メタ)アクリル酸オクチルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸ノニルエステル、(メタ)アクリル酸デシルエステル、(メタ)アクリル酸ウンデシルエステル、(メタ)アクリル酸ドデシルエステルが挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0045】
また、(a)バインダーポリマーは、アルカリ現像性をより良好にする観点から、カルボキシル基を有することが好ましい。カルボキシル基を有する重合性単量体としては、上述したような(メタ)アクリル酸が挙げられる。
【0046】
バインダーポリマーが有するカルボキシル基の比率は、アルカリ現像性とアルカリ耐性のバランスを図る観点から、使用する全重合性単量体に対するカルボキシル基を有する重合性単量体の割合として、12〜50質量%であることが好ましく、12〜40質量%であることがより好ましく、15〜30質量%であることが特に好ましく、15〜25質量%であることが極めて好ましい。このカルボキシル基を有する重合性単量体の割合が12質量%未満ではアルカリ現像性が劣る傾向があり、50質量%を超えるとアルカリ耐性が劣る傾向がある。
【0047】
バインダーポリマーの重量平均分子量は、機械強度及びアルカリ現像性のバランスを図る観点から、5000〜300000であることが好ましく、20000〜150000であることがより好ましく、30000〜100000であることが特に好ましい。重量平均分子量が、5000未満では耐現像液性が低下する傾向があり、300000を超えると現像時間が長くなる傾向がある。なお、本発明における重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)により測定され、標準ポリスチレンを用いて作成した検量線により換算された値である。
【0048】
これらのバインダーポリマーは、1種を単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。2種類以上を組み合わせて使用する場合のバインダーポリマーとしては、例えば、異なる共重合成分からなる2種類以上のバインダーポリマー、異なる重量平均分子量の2種類以上のバインダーポリマー、異なる分散度の2種類以上のバインダーポリマーが挙げられる。
【0049】
次に、(b)エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物について説明する。
【0050】
エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物としては、エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物が好ましい。エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物としては、例えば、多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン等のビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物、グリシジル基含有化合物にα,β−不飽和カルボン酸を反応させで得られる化合物、ウレタン結合を有する(メタ)アクリレート化合物等のウレタンモノマー、γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシエチル−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシプロピル−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、(メタ)アクリル酸アルキルエステル等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0051】
上記2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘプタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシオクタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシノナエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシウンデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシドデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサデカエトキシ)フェニル)プロパンが挙げられる。これらの中で、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパンは、「BPE−500」(新中村化学工業(株)製、商品名)として商業的に入手可能であり、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパンは、「BPE−1300」(新中村化学工業(株)製、商品名)として商業的に入手可能である。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0052】
上記多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物としては、例えば、エチレン基の数が2〜14であるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレン基の数が2〜14であるポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレン基の数が2〜14であり、プロピレン基の数が2〜14であるポリエチレンポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンテトラエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンペンタエトキシトリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、プロピレン基の数が2〜14であるポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0053】
上記ウレタンモノマーとしては、例えば、β位にヒドロキシル基を有する(メタ)アクリルモノマーとイソホロンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物との付加反応物、トリス[(メタ)アクリロキシテトラエチレングリコールイソシアネート]ヘキサメチレンイソシアヌレート、EO変性ウレタンジ(メタ)アクリレート、EO,PO変性ウレタンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。なお、「EO」はエチレンオキサイドを示し、EO変性された化合物はエチレンオキサイド基のブロック構造を有する。また、「PO」はプロピレンオキサイドを示し、PO変性された化合物はプロピレンオキサイド基のブロック構造を有する。EO変性ウレタンジ(メタ)アクリレートとしては、例えば、「UA−11」(新中村化学工業(株)製、商品名)が挙げられる。また、EO,PO変性ウレタンジ(メタ)アクリレートとしては、例えば、「UA−13」(新中村化学工業(株)製、商品名)が挙げられる。
【0054】
光重合性化合物の含有割合は、バインダーポリマー及び光重合性化合物の総量100質量部に対して、30〜80質量部であることが好ましく、40〜70質量部であることがより好ましい。この含有割合が30質量部未満では光硬化が不十分となり、転写した導電膜(導電層及び感光性樹脂層)の塗膜性が不十分となる傾向があり、80質量部を超えるとフィルムとして巻き取った場合、保管が困難となる傾向がある。
【0055】
次に(c)光重合開始剤について説明する。
【0056】
光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、N,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、N,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパノン−1等の芳香族ケトン、2−エチルアントラキノン、フェナントレンキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ベンズアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナンタラキノン、2−メチル1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルアントラキノン等のキノン類、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル化合物、ベンゾイン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン化合物、1,2−オクタンジオン−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−2−(O−ベンゾイルオキシム)、1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン1−(O−アセチルオキシム)等のオキシムエステル化合物、ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体、N−フェニルグリシン、N−フェニルグリシン誘導体、クマリン系化合物、オキサゾール系化合物が挙げられる。また、2つの2,4,5−トリアリールイミダゾールのアリール基の置換基は同一で対象な化合物を与えてもよいし、相違して非対称な化合物を与えてもよい。また、ジエチルチオキサントンとジメチルアミノ安息香酸の組み合わせのように、チオキサントン系化合物と3級アミン化合物とを組み合わせてもよい。これらの中でも、透明性の見地からは、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1等の芳香族ケトン化合物や1,2−オクタンジオン−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−2−(O−ベンゾイルオキシム)等のオキシムエステル化合物がより好ましい。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0057】
光重合開始剤の含有割合は、バインダーポリマー及び光重合性化合物の総量100質量部に対して、0.1〜20質量部であることが好ましく、1〜10質量部であることがより好ましく、1〜5質量部であることが特に好ましい。この含有割合が0.1質量部未満では光感度が不十分となる傾向があり、20質量部を超えると露光の際に感光性樹脂層の表面での吸収が増大して内部の光硬化が不十分となる傾向がある。
【0058】
感光性樹脂層3には、必要に応じて、p−トルエンスルホンアミド等の可塑剤、充填剤、消泡剤、難燃剤、安定剤、密着性付与剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、イメージング剤、熱架橋剤等の添加剤を、単独で又は2種類以上を組み合わせて含有させることができる。これらの添加剤の添加量は、バインダーポリマー及び光重合性化合物の総量100質量部に対して各々0.01〜20質量部であることが好ましい。
【0059】
感光性樹脂層3は、導電層2を形成した支持フィルム1上に、必要に応じて、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル等の溶剤又はこれらの混合溶剤に溶解した、固形分10〜60質量%程度の感光性樹脂組成物の溶液を塗布、乾燥することにより形成できる。但し、この場合、乾燥後の感光性樹脂層中の残存有機溶剤量は、後の工程での有機溶剤の拡散を防止するため、2質量%以下であることが好ましい。
【0060】
塗工は、例えば、ロールコート法、コンマコート法、グラビアコート法、エアーナイフコート法、ダイコート法、バーコート法、スプレーコート法等の公知の方法で行うことができる。塗工後、有機溶剤等を除去するための乾燥は、70〜150℃で5〜30分間程度、熱風対流式乾燥機等で行うことができる。
【0061】
感光性樹脂層3の厚みは、用途により異なるが、乾燥後の厚みで1〜200μmであることが好ましく、1〜15μmであることがより好ましく、1〜10μmであることが特に好ましい。この厚みが1μm未満では塗工が困難となる傾向があり、200μmを超えると光透過の低下による感度が不十分となり転写する感光性樹脂層の光硬化性が低下する傾向がある。
【0062】
本実施形態の感光性導電フィルムにおいて、上記導電層2及び上記感光性樹脂層3の積層体は、両層の合計膜厚を1〜10μmとしたときに450〜650nmの波長域における最小光透過率が80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましい。導電層及び感光性樹脂層がこのような条件を満たす場合、ディスプレイパネル等での高輝度化が容易となる。
【0063】
本発明の感光性導電フィルムにおいて、感光性樹脂層3の支持フィルム1側と反対側の面に接するように保護フィルムを積層することができる。
【0064】
保護フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム等の耐熱性及び耐溶剤性を有する重合体フィルムを用いることができる。また、保護フィルムとして上述の支持体フィルムと同様の重合体フィルムを用いてもよい。
【0065】
保護フィルムと感光性樹脂層との間の接着力は、保護フィルムを感光性樹脂層から剥離しやすくするために、導電層2及び感光性樹脂層3と支持フィルム1との間の接着力よりも小さいことが好ましい。
【0066】
また、保護フィルムは、保護フィルム中に含まれる直径80μm以上のフィッシュアイ数が5個/m以下であることが好ましい。なお、「フィッシュアイ」とは、材料を熱溶融し、混練、押し出し、2軸延伸、キャスティング法等によりフィルムを製造する際に、材料の異物、未溶解物、酸化劣化物等がフィルム中に取り込まれたものである。
【0067】
保護フィルムの厚みは、1〜100μmであることが好ましく、5〜50μmであることがより好ましく、5〜30μmであることが更に好ましく、15〜30μmであることが特に好ましい。保護フィルムの厚みが1μm未満ではラミネートの際、保護フィルムが破れやすくなる傾向があり、100μmを超えると価格が高くなる傾向がある。
【0068】
感光性導電フィルムは、支持フィルム上に、接着層、ガスバリア層等の層を更に有していてもよい。
【0069】
感光性導電フィルムは、例えば、そのままの平板状の形態で、又は、円筒状などの巻芯に巻きとりロール状の形態で貯蔵することができる。なお、この際、支持フィルムが最も外側になるように巻き取られることが好ましい。
【0070】
また、感光性導電フィルムが保護フィルムを有してない場合、かかる感光性導電フィルムは、そのままの平板状の形態で貯蔵することができる。
【0071】
巻芯としては、従来用いられているものであれば特に限定されず、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ABS樹脂(アクリロニトリルーブタジエンースチレン共重合体)等のプラスチックが挙げられる。またロール状に巻き取られた感光性導電フィルムの端面には、端面保護の観点から端面セパレータを設置することが好ましく、加えて耐エッジフュージョンの観点から防湿端面セパレータを設置することが好ましい。また、感光性導電フィルムを梱包する際には、透湿性の小さいブラックシートに包んで包装することが好ましい。
【0072】
<導電膜の形成方法>
本発明の導電膜の形成方法は、本発明の感光性導電フィルムを、基板上に感光性樹脂層が密着するようにラミネートするラミネート工程と、基板上の感光性樹脂層に活性光線を照射する露光工程とを備える。感光性導電フィルムが保護フィルムを有している場合は、保護フィルムを剥離した感光性導電フィルムを、基板上に感光性樹脂層側からラミネートする。ラミネート工程により、基板上に、感光性樹脂層、導電層及び支持フィルムがこの順に積層される。
【0073】
基板としては、例えば、ガラス基板、ポリカーボネート等のプラスチック基板などが挙げられる。基板は、450〜650nmの波長域での最小光透過率が80%以上であるものが好ましい。
【0074】
ラミネート工程は、例えば、感光性導電フィルムを、保護フィルムがある場合はそれを除去した後、加熱しながら感光性樹脂層側を基板に圧着することにより積層する方法により行なわれる。なお、この作業は、密着性及び追従性の見地から減圧下で積層することが好ましい。感光性導電フィルムの積層は、感光性樹脂層及び/又は基板を70〜130℃に加熱することが好ましく、圧着圧力は、0.1〜1.0MPa程度(1〜10kgf/cm程度)とすることが好ましいが、これらの条件には特に制限はない。また、感光性樹脂層を上記のように70〜130℃に加熱すれば、予め基板を予熱処理することは必要ではないが、積層性をさらに向上させるために基板の予熱処理を行うこともできる。
【0075】
露光工程では、活性光線を照射によって感光性樹脂層が硬化され、この硬化物によって導電層が固定されることで、基板上に導電膜が形成される。活性光線の光源としては、公知の光源、例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンランプ等の紫外線、可視光などを有効に放射するものが用いられる。また、Arイオンレーザ、半導体レーザ等の紫外線、可視光などを有効に放射するものも用いられる。更に、写真用フラッド電球、太陽ランプ等の可視光を有効に放射するものも用いられる。
【0076】
導電層上の支持フィルムが活性光線に対して透明である場合には、支持フィルムを通して活性光線を照射することができ、支持フィルムが遮光性である場合には、支持フィルムを除去した後に感光性樹脂層に活性光線を照射する。
【0077】
また、基板が活性光線に対して透明である場合には、基板側から基板を通して活性光線を照射することができるが、解像度の点で、導電層側から導電層及び感光性樹脂層に活性光線を照射することが好ましい。
【0078】
上記の工程を経ることにより、基板上に導電膜を備える導電膜基板が得られる。本実施形態の導電膜の形成方法においては、形成された導電膜を、支持フィルムのはく離後、必要に応じて、60〜250℃程度の加熱又は0.2〜10J/cm程度の露光を行うことにより更に硬化してもよい。
【0079】
このように、本発明の導電膜の形成方法によれば、ガラスやプラスチックなど基板上に容易に透明な導電膜を形成することが可能である。
【0080】
<導電パターンの形成方法>
次に、図面を参照しつつ、本発明の導電パターンの形成方法について説明する。
【0081】
本実施形態に係る導電パターンの形成方法は、上述した感光性導電フィルム10を、基板20上に感光性樹脂層3が密着するようにラミネートする工程(図2の(a))と、基板20上の感光性樹脂層3の所定部分に活性光線を照射する露光工程(図2の(b))と、露光した感光性樹脂層3を現像することにより導電パターンを形成する現像工程とを備える。これらの工程を経ることにより、基板20上にパターニングされた導電膜(導電パターン)2aを備える導電膜基板40が得られる(図2の(c))。
【0082】
ラミネート工程は、例えば、感光性導電フィルムを、保護フィルムがある場合はそれを除去した後、加熱しながら感光性樹脂層側を基板に圧着することにより積層する方法により行なわれる。なお、この作業は、密着性及び追従性の見地から減圧下で積層することが好ましい。感光性導電フィルムの積層は、感光性樹脂層及び/又は基板を70〜130℃に加熱することが好ましく、圧着圧力は、0.1〜1.0MPa程度(1〜10kgf/cm程度)とすることが好ましいが、これらの条件には特に制限はない。また、感光性樹脂層を上記のように70〜130℃に加熱すれば、予め基板を予熱処理することは必要ではないが、積層性をさらに向上させるために基板の予熱処理を行うこともできる。
【0083】
露光工程での露光方法としては、アートワークと呼ばれるネガ又はポジマスクパターンを通して活性光線を画像状に照射する方法(マスク露光法)が挙げられる。活性光線の光源としては、公知の光源、例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンランプ等の紫外線、可視光などを有効に放射するものが用いられる。また、Arイオンレーザ、半導体レーザ等の紫外線、可視光などを有効に放射するものも用いられる。更に、写真用フラッド電球、太陽ランプ等の可視光を有効に放射するものも用いられる。また、レーザ露光法などを用いた直接描画法により活性光線を画像状に照射する方法を採用してもよい。
【0084】
導電層上の支持フィルムが活性光線に対して透明である場合には、支持フィルムを通して活性光線を照射することができ、支持フィルムが遮光性である場合には、支持フィルムを除去した後に感光性樹脂層に活性光線を照射する。
【0085】
また、基板が活性光線に対して透明である場合には、基板側から基板を通して活性光線を照射することができるが、解像度の点で、導電層側から導電層及び感光性樹脂層に活性光線を照射することが好ましい。
【0086】
本実施形態の現像工程では、感光性樹脂層の露光部以外の部分が除去される。具体的には、導電層上に透明な支持フィルムが存在している場合には、まず支持フィルムを除去し、その後、ウェット現像により感光性樹脂層の露光部以外の部分を除去する。これにより、所定のパターンを有する樹脂硬化層3a上に導電性繊維を含有する導電層2aが残り、導電パターンが形成される。
【0087】
ウェット現像は、例えば、アルカリ性水溶液、水系現像液、有機溶剤系現像液等の感光性樹脂に対応した現像液を用いて、スプレー、揺動浸漬、ブラッシング、スクラッピング等の公知の方法により行われる。
【0088】
現像液としては、アルカリ性水溶液等の安全かつ安定であり、操作性が良好なものが用いられる。上記アルカリ性水溶液の塩基としては、例えば、リチウム、ナトリウム又はカリウムの水酸化物等の水酸化アルカリ、リチウム、ナトリウム、カリウム若しくはアンモニウムの炭酸塩又は重炭酸塩等の炭酸アルカリ、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム等のアルカリ金属リン酸塩、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム等のアルカリ金属ピロリン酸塩などが用いられる。
【0089】
また、現像に用いるアルカリ性水溶液としては、0.1〜5質量%炭酸ナトリウム水溶液、0.1〜5質量%炭酸カリウム水溶液、0.1〜5質量%水酸化ナトリウム水溶液、0.1〜5質量%四ホウ酸ナトリウム水溶液等が好ましい。また、現像に用いるアルカリ性水溶液のpHは9〜11の範囲とすることが好ましく、その温度は、感光性樹脂層の現像性に合わせて調節される。また、アルカリ性水溶液中には、表面活性剤、消泡剤、現像を促進させるための少量の有機溶剤等を混入させてもよい。
【0090】
また、水又はアルカリ水溶液と一種以上の有機溶剤とからなる水系現像液を用いることができる。ここで、アルカリ水溶液に含まれる塩基としては、上述の塩基以外に、例えば、ホウ砂やメタケイ酸ナトリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、エタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1、3−プロパンジオール、1、3−ジアミノプロパノール−2、モルホリンが挙げられる。有機溶剤としては、例えば、3アセトンアルコール、アセトン、酢酸エチル、炭素数1〜4のアルコキシ基をもつアルコキシエタノール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルが挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0091】
水系現像液は、有機溶剤の濃度を2〜90質量%とすることが好ましく、その温度は、現像性にあわせて調整することができる。さらに、水系現像液のpHは、レジストの現像が十分にできる範囲でできるだけ小さくすることが好ましく、pH8〜12とすることが好ましく、pH9〜10とすることがより好ましい。また、水系現像液中には、界面活性剤、消泡剤等を少量添加することもできる。
【0092】
有機溶剤系現像液としては、例えば、1,1,1−トリクロロエタン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。これらの有機溶剤は、引火防止のため、1〜20質量%の範囲で水を添加することが好ましい。
【0093】
上述した現像液は、必要に応じて、2種以上を併用してもよい。
【0094】
現像の方式としては、例えば、ディップ方式、バトル方式、スプレー方式、ブラッシング、スラッピング等が挙げられる。これらのうち、高圧スプレー方式を用いることが、解像度向上の観点から好ましい。
【0095】
本実施形態の導電パターンの形成方法においては、現像後に必要に応じて、60〜250℃程度の加熱又は0.2〜10J/cm程度の露光を行うことにより導電パターンを更に硬化してもよい。
【0096】
このように、本発明の導電パターンの形成方法によれば、ITOなどの無機膜のようにエッチングレジストを形成することなく、ガラスやプラスチックなど基板上に容易に透明な導電パターンを形成することが可能である。
【0097】
本発明の導電膜基板は、上述した導電膜の形成方法や導電パターンの形成方法により得られるが、透明電極として有効に活用できる観点から、導電膜又は導電パターンの表面抵抗率が2000Ω/□以下であることが好ましく、1000Ω/□以下であることがより好ましく、500Ω/□以下であることが特に好ましい。表面抵抗率は、例えば、導電性繊維分散液の濃度又は塗工量によって調整することができる。
【0098】
また、本発明の導電膜基板は、450〜650nmの波長域における最小光透過率が80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましい。
【実施例】
【0099】
以下に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0100】
<導電性繊維分散液の調製>
(導電性繊維分散液1(カーボンナノチューブ分散液))
純水に、Unidym社のHipco単層カーボンナノチューブの高純度品を0.4質量%、及び、界面活性剤としてドデシルーペンタエチレングリコールを0.1質量%の濃度となるように分散し、導電性繊維分散液1を得た。
【0101】
(導電性繊維分散液2(銀繊維分散液))
[ポリオール法による銀繊維の調製]
2000mlの3口フラスコに、エチレングリコール500mlを入れ、窒素雰囲気下、マグネチックスターラーで攪拌しながらオイルバスにより160℃まで加熱した。ここに、別途用意したPtCl2mgを50mlのエチレングリコールに溶解した溶液を滴下した。4〜5分後、AgNO5gをエチレングリコール300mlに溶解した溶液と、重量平均分子量が4万のポリビニルピロリドン(和光純薬(株)製)5gをエチレングリコール150mlに溶解した溶液とを、それぞれの滴下ロートから1分間で滴下し、その後160℃で60分間攪拌した。
【0102】
上記反応溶液が30℃以下になるまで放置してから、アセトンで10倍に希釈し、遠心分離機により2000回転で20分間遠心分離し、上澄み液をデカンテーションした。沈殿物にアセトンを加え攪拌後に前記と同様の条件で遠心分離し、アセトンをデカンテーションした。その後、蒸留水を用いて同様に2回遠心分離して、銀繊維を得た。得られた銀繊維を光学顕微鏡で観察したところ、繊維径(直径)は約5nmで、繊維長は約5μmであった。
【0103】
[銀繊維分散液の調製]
純水に、上記で得られた銀繊維を0.2質量%、及び、ドデシルーペンタエチレングリコールを0.1質量%の濃度となるように分散し、導電性繊維分散液2を得た。
【0104】
<感光性樹脂組成物の溶液の調製>
<アクリル樹脂の合成>
撹拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロート及び窒素ガス導入管を備えたフラスコに、メチルセロソルブとトルエンとの混合液(メチルセロソルブ/トルエン=3/2(質量比)、以下、「溶液s」という)400gを加え、窒素ガスを吹き込みながら撹拌して、80℃まで加熱した。一方、単量体としてメタクリル酸100g、メタクリル酸メチル250g、アクリル酸エチル100g及びスチレン50gと、アゾビスイソブチロニトリル0.8gとを混合した溶液(以下、「溶液a」という)を用意した。次に、80℃に加熱された溶液sに溶液aを4時間かけて滴下した後、80℃で撹拌しながら2時間保温した。さらに、100gの溶液sにアゾビスイソブチロニトリル1.2gを溶解した溶液を、10分かけてフラスコ内に滴下した。そして、滴下後の溶液を撹拌しながら80℃で3時間保温した後、30分間かけて90℃に加熱した。90℃で2時間保温した後、冷却してバインダーポリマー溶液を得た。このバインダーポリマー溶液に、アセトンを加えて不揮発成分(固形分)が50質量%になるように調製し、(a)成分としてのバインダーポリマー溶液を得た。得られたバインダーポリマーの重量平均分子量は80000であった。これをアクリルポリマーAとした。
【0105】
表1に示す材料を同表に示す配合量(単位:質量部)で配合し、感光性樹脂組成物の溶液を調製した。
【0106】
【表1】



1)メタクリル酸:メタクリル酸メチル:アクリル酸エチル:及びスチレン=20:50:20:10の重量比率のアクリルポリマー。
【0107】
<感光性導電フィルムの作製−1>
(実施例1)
上記で得られた導電性繊維分散液1を、支持フィルムである50μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム、帝人(株)製、商品名「G2−50」)上に25g/mで均一に塗布し、100℃の熱風対流式乾燥機で3分間乾燥し、室温において10kg/cmの線圧で加圧することにより、支持フィルム上に導電層を形成した。なお、導電層の乾燥後の膜厚は、約0.02μmであった。
【0108】
次に、感光性樹脂組成物の溶液を、導電層が形成された50μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム上に均一に塗布し、100℃の熱風対流式乾燥機で10分間乾燥して感光性樹脂層を形成した。その後、感光性樹脂層を、ポリエチレン製の保護フィルム(タマポリ(株)製、商品名「NF−13」)で覆い、感光性導電フィルムを得た。なお、感光性樹脂層の乾燥後の膜厚は5μmであった。
【0109】
(実施例2)
上記で得られた導電性繊維分散液2を、支持フィルムである50μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム、帝人(株)製、商品名「G2−50」)上に25g/mで均一に塗布し、100℃の熱風対流式乾燥機で10分間乾燥し、室温において10kg/cmの線圧で加圧することにより、支持フィルム上に導電層を形成した。なお、導電層の乾燥後の膜厚は、約0.01μmであった。
【0110】
次に、感光性樹脂組成物の溶液を、導電層が形成された50μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム上に均一に塗布し、100℃の熱風対流式乾燥機で10分間乾燥して感光性樹脂層を形成した。その後、感光性樹脂層を、ポリエチレン製の保護フィルム(タマポリ(株)製、商品名「NF−13」)で覆い、感光性導電フィルムを得た。なお、感光性樹脂層の乾燥後の膜厚は5μmであった。
【0111】
<導電膜の形成>
1mm厚のポリカーボネート基板を80℃に加温し、その表面上に実施例1及び2で得られた感光性導電フィルムを、保護フィルムを剥離しながら感光性樹脂層を基板に対向させて、120℃、0.4MPaの条件でラミネートした。ラミネート後、基板を冷却し基板の温度が23℃になった時点で、支持フィルム側から高圧水銀灯ランプを有する露光機(オーク(株)製、商品名「HMW−201B」)を用いて、1000mJ/cmの露光量で導電層及び感光性樹脂層に光照射した。露光後、室温(25℃)で15分間放置し、続いて、支持フィルムであるPETフィルムを剥離することで、カーボンナノチューブ又は銀繊維を含んでなる導電膜をポリカーボネート基板上に形成した。それぞれの導電膜の表面抵抗率は、2000Ω/□、500Ω/□であり、450〜650nmの波長域における最小光透過率(基板を含む)は、80%、85%であった。
【0112】
基板を0.7mm厚のソーダガラス板に変更した以外は上記と同様にして、実施例1及び2で得られた感光性導電フィルムを用いてガラス基板上に導電膜を形成した。それぞれの導電膜の表面抵抗率は、2000Ω/□、500Ω/□であり、450〜650nmの波長域における最小光透過率(基板を含む)は、82%、87%であった。なお、表面抵抗率及び透過率は以下の方法で測定した。
【0113】
[表面抵抗率の測定]
低抵抗率計(三菱化学社製、ロレスタGP)を用い、4探針法によりJIS K 7194に準拠して表面抵抗率を測定した。
【0114】
[光透過率の測定]
分光光度計(日立ハイテクノロジーズ社製、商品名「U−3310」)を用いて、450nm、550nm及び650nmにおける光透過率、及び、450〜650nmの波長域における最小光透過率を測定した。
【0115】
<感光性導電フィルムの作製−2>
(実施例3)
実施例1と同様にして導電層を形成し、導電層及び感光性樹脂層の合計膜厚が10μmとなるように感光性樹脂層を形成した以外は実施例1と同様にして、感光性導電フィルムを作製した。
【0116】
(実施例4)
実施例2と同様にして導電層を形成し、導電層及び感光性樹脂層の合計膜厚が10μmとなるように感光性樹脂層を形成した以外は実施例2と同様にして、感光性導電フィルムを作製した。
【0117】
<光透過率の評価>
上記で得られた感光性導電フィルムを、80℃に加温した1mm厚のポリカーボネート基板に、保護フィルムを剥離しながら感光性樹脂層を基板に対向させて、120℃、0.4MPaの条件でラミネートした。ラミネート後、基板を冷却し基板の温度が23℃になった時点で、支持フィルム側から高圧水銀灯ランプを有する露光機(オーク(株)製、商品名「HMW−201B」)を用いて、1000mJ/cmの露光量で導電層及び感光性樹脂層に光照射した。露光後、室温(25℃)で15分間放置し、続いて、支持フィルムであるPETフィルムを剥離することで、カーボンナノチューブ又は銀繊維を含んでなる導電膜をポリカーボネート基板上に形成した。
【0118】
ポリカーボネート基板単体をリファレンスとして、分光光度計(日立ハイテクノロジーズ社製、商品名「U−3310」)を用いて、導電性繊維を含有する導電層及び感光性樹脂層の、450nm、550nm及び650nmにおける光透過率、及び、450〜650nmの波長域における最小光透過率を測定した。評価結果を表2に示す。
【0119】
【表2】



【0120】
<導電パターンの形成>
1mm厚のポリカーボネート基板を80℃に加温し、その表面上に、実施例1、2で得られた感光性導電フィルムを、保護フィルムを剥離しながら感光性樹脂層を基板に対向させて、120℃、0.4MPaの条件でラミネートした。ラミネート後、基板を冷却し基板の温度が23℃になった時点で、支持フィルムであるPETフィルム面にライン幅/スペース幅が100/100μmで長さが100mmの配線パターンを有するフォトマスクを密着させた。そして、高圧水銀灯ランプを有する露光機(オーク(株)製、商品名「HMW−201B」)を用いて、200mJ/cmの露光量で導電層及び感光性樹脂層に光照射した。
【0121】
露光後、室温(25℃)で15分間放置し、続いて、支持フィルムであるPETフィルムを剥離し、30℃で1質量%炭酸ナトリウム水溶液を30秒間スプレーすることにより現像した。現像後、カーボンナノチューブ又は銀繊維を含んでなる導電膜のライン幅/スペース幅が約100/100μmの導電パターンをポリカーボネート基板上に形成した。それぞれの導電パターンは良好に形成されていることが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0122】
本発明によれば、基板上に、基板との接着性が十分であり且つ表面抵抗率が十分小さい導電パターンを十分な解像度で簡便に形成することを可能とする感光性導電フィルム、並びに、この感光性導電フィルムを用いた導電膜の形成方法、導電パターンの形成方法及び導電膜基板を提供することができる。
【符号の説明】
【0123】
1…支持フィルム、2…導電層、2a…導電パターン、3…感光性樹脂層、3a…樹脂硬化層、10…感光性導電フィルム、20…基板、30…アートワーク、40…導電膜基板。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持フィルムと、該支持フィルム上に設けられ導電性繊維を含有する導電層と、該導電層上に設けられた感光性樹脂層と、を備える、感光性導電フィルム。
【請求項2】
前記導電層及び前記感光性樹脂層の積層体は、両層の合計膜厚を1〜10μmとしたときに450〜650nmの波長域における最小光透過率が80%以上である、請求項1に記載の感光性導電フィルム。
【請求項3】
前記導電性繊維が銀繊維である、請求項1又は2に記載の感光性導電フィルム。
【請求項4】
前記感光性樹脂層が、バインダーポリマー、エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物及び光重合開始剤を含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の感光性導電フィルム。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の感光性導電フィルムを、基板上に前記感光性樹脂層が密着するようにラミネートするラミネート工程と、
前記基板上の前記感光性樹脂層に活性光線を照射する露光工程と、
を備える、導電膜の形成方法。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の感光性導電フィルムを、基板上に前記感光性樹脂層が密着するようにラミネートする工程と、
前記基板上の前記感光性樹脂層の所定部分に活性光線を照射する露光工程と、
露光した前記感光性樹脂層を現像することにより導電パターンを形成する現像工程と、
を備える、導電パターンの形成方法。
【請求項7】
基板と、該基板上に請求項5に記載の導電膜の形成方法により形成された導電膜と、を備える、導電膜基板。
【請求項8】
前記導電膜の表面抵抗率が2000Ω/□以下である、請求項7に記載の導電膜基板。
【請求項9】
基板と、該基板上に請求項6に記載の導電パターンの形成方法により形成された導電パターンと、を備える、導電膜基板。
【請求項10】
前記導電パターンの表面抵抗率が2000Ω/□以下である、請求項9に記載の導電膜基板。


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−175972(P2011−175972A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−53486(P2011−53486)
【出願日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【分割の表示】特願2010−525646(P2010−525646)の分割
【原出願日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【出願人】(000004455)日立化成工業株式会社 (4,649)
【Fターム(参考)】