説明

感光材料包装材料、感光材料包装体の製造方法及び感光材料包装体

【課題】低コストで長期保存が可能である。
【解決手段】感光材料包装材料は、感光材料を包装する側の最内層と、感光材料を包装しない側の最外層と、最内層と最外層との間に介在されたアルミニウム箔層とを有し、アルミニウム箔層と最内層とを押し出しラミネート接着によって接着する。最内層は、遮光性物性と、滑剤と、酸化防止剤と、帯電防止剤とを含有するエチレン・α−オレフィン共重合体樹脂を主成分とする遮光性・滑性ポリオレフィン樹脂系フィルム層である。最外層は、ナイロンフィルム層である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、写真フィルムやXレイフィルム等の感光材料を包装する感光材料包装材料、感光材料包装体の製造方法及び感光材料包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、このような感光材料を包装する感光材料用包装材料としては、特開2001−305699号に提案されている最内層に設けられたヒートシール可能なヒートシール性熱可塑性樹脂フィルム層と、最外層に設けられたフレキシブルシートの間に設けられたいるもので、2枚重ねて1回以上圧延した際、アルミニウム同士が接触しているつや消し面がフレキシブルシートにある感光材料用包装材料がある。また、実公昭61−20590号には、カ−ボンブラックを含むHDPF樹脂フィルムを延伸倍率2.2〜4.2倍で一軸延伸し、延伸軸が45〜90度の角度で交叉するように2層以上貼り合わせたクロスラミネートフィルムが提案されている。また、特開2001−125228号には、アルミニウム箔に接着剤層を用いて積層された二軸延伸ポリアミド樹脂フィルム層を持つ包装材料が提案されている。
【特許文献1】特開2001−305699号公報(第1頁〜第45頁、図1〜図9)
【特許文献2】実公昭61−20590号公報(第1頁〜第5頁、図1〜図7)
【特許文献3】特開2001−125228号公報(第1頁〜第41頁、図1〜図9)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の感光材料用包装材料はそれぞれ欠点を有する。例えば、特許文献1に提案されている包装材料は、感光材料の保存性が不十分であった。また、特許文献2に提案された包装材料は、高価で、帯電防止性、ヒートシール適正、防湿性が不十分であった。さらに、特許文献3に提案された包装材料は、物理強度、その高い剛性により工場適正そして保存性が不十分であった。
【0004】
さらに、従来の包装材料において、防湿性、酸素バリア性を保つためにアルミニウム箔を持つものがあるが、アルミニウム箔を導入すると包装材料の剛性が上がりピンホールや引き裂き特性の劣化が見られる。
【0005】
このような問題に対しては、特許文献3にあるようにフレキシブルシート、アルミニウム箔、二軸延伸ポリアミドフィルムと、少なくとも、アルミニウム箔の下には二軸延伸ポリアミドを持つ包装材料が提案されている。しかし、一般にアルミニウム箔とポリアミドフィルムは接着剤層により接着されている。この接着剤層が微量に含有する溶剤また、水性タイプの接着剤層においては水の存在が感光材料の長期保存性を損なっている。
【0006】
この発明は、かかる点に鑑みてなされたもので、低コストで長期保存が可能な感光材料包装材料、感光材料包装体の製造方法及び感光材料包装体を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決し、かつ目的を達成するために、この発明は、以下のように構成した。
【0008】
請求項1に記載の発明は、感光材料を包装する側の最内層と、
感光材料を包装しない側の最外層と、
前記最内層と前記最外層との間に介在されたアルミニウム箔層とを有し、
前記アルミニウム箔層と前記最内層とを押し出しラミネート接着によって接着したことを特徴とする感光材料包装材料である。
【0009】
請求項2に記載の発明は、前記最内層は、遮光性物性と、滑剤と、酸化防止剤と、帯電防止剤とを含有するエチレン・α−オレフィン共重合体樹脂を主成分とする遮光性・滑性ポリオレフィン樹脂系フィルム層であることを特徴とする請求項1に記載の感光材料包装材料である。
【0010】
請求項3に記載の発明は、前記最外層は、ナイロンフィルム層であることを特徴とする請求項1に記載の感光材料包装材料である。
【0011】
請求項4に記載の発明は、トレー容器に複数枚のシート状の感光材料を積層し、
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載した感光材料包装材料を用いて袋状に形成された防湿遮光袋に、前記トレー容器に積層した前記感光材料を収納し、
前記防湿遮光袋により包装することを特徴とする感光材料包装体の製造方法である。
【0012】
請求項5に記載の発明は、複数枚のシート状の感光材料をトレー容器内に積層して防湿遮光袋により包装する感光材料包装体であり、
前記防湿遮光袋は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載した感光材料包装材料を用いて袋状に形成したことを特徴とする感光材料包装体である。
【発明の効果】
【0013】
前記構成により、この発明は、以下のような効果を有する。
【0014】
請求項1に記載の発明によれば、感光材料包装材料は、アルミニウム箔層と最内層とを押し出しラミネート接着によって接着し、アルミニウム箔層より内側に水性または、溶剤タイプの接着剤層を持たないようにすることによって、容易に透過し、長期の感光材料の保存性にかぶり等の悪影響を及ぼすことがなく、感光材料の長期保存が可能である。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、最内層が、遮光性物性と、滑剤と、酸化防止剤と、帯電防止剤とを含有するエチレン・α−オレフィン共重合体樹脂を主成分とする遮光性・滑性ポリオレフィン樹脂系フィルム層であり、優れた防湿性、酸素バリア性を有し、かつ引き抜き性が向上する。
【0016】
請求項3に記載の発明は、最外層が、ナイロンフィルム層であり、突き刺し強度を有する。
【0017】
請求項4に記載の発明によれば、トレー容器に複数枚のシート状の感光材料を積層し、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載した感光材料包装材料を用いて袋状に形成された防湿遮光袋が長期保存が可能である。
【0018】
請求項5に記載の発明によれば、複数枚のシート状の感光材料をトレー容器内に積層して防湿遮光袋により包装する感光材料包装体であり、防湿遮光袋を請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載した感光材料包装材料を用いて袋状に形成することで、防湿遮光袋が長期保存が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、この発明の感光材料包装材料、感光材料包装体の製造方法及び感光材料包装体の実施の形態について説明するが、この発明は、この実施の形態に限定されない。また、この発明の実施の形態は、発明の最も好ましい形態を示すものであり、この発明はこれに限定されない。
【0020】
図1は、この発明の感光材料包装体の製造例を示す図であり、同図において、1は複数枚積層されたシート状の感光材料であり、2は複数枚積層された感光材料1を保護するトレー容器である。積層された感光材料1は、この実施の形態では熱現像感光材料を用いているが、感光材料1は熱現像感光材料に限定されない。感光材料1はトレー容器2に積層された状態で防湿遮光袋3に収納され、減圧真空で防湿遮光袋3をシールして密封包装し、感光材料包装体4が得られる。
【0021】
この感光材料包装体4は、図2に示すように、現像機に入れて防湿遮光袋3の係止孔3aに取り出し部材5を係合し、巻き取り軸6の回転で防湿遮光袋3を除く(図2(a))。そして、トレー容器2に収納された感光材料1を吸盤7で吸着して持ち上げ(図2(b))、一枚ずつ搬送して現像する(図2(c))。
【0022】
この実施の形態のトレー容器2は、積層された感光材料1が載置される底部2aと、この底部2aの外縁から立上り積層された感光材料1を保持する4個の側壁部2bとを有する。この紙トレー容器2は、図3乃至図5に示すように製造される。図3はトレー容器の成形工程を示す図、図4はトレー容器の斜視図、図5は底部からの側壁部の立上り曲部の断面図である。
【0023】
図3に示すように、抄造原紙工程で原紙20を作る。原紙20の水分は8%〜8.5%である。この原紙20を打ち抜き工程でトレー容器2の展開形状に打ち抜き切断する。次に、調湿工程でトレー容器2の展開形状に打ち抜いた原紙20を複数枚重ねて水分を10wt%程度まで増加させる。そして、プレス成形工程で展開形状の原紙20を熱プレス成形し、トレー容器2を作成する。プレス成形は、プレス金型で行ない、プレス金型の温度は、130〜160℃、プレス金型の圧力は、15〜250Kgf/cm2である。ここで、水分率とは、試料の任意の状態の重さと、絶乾重量との差の、絶乾重量に対する百分率をいう。
【0024】
この展開形状の原紙20を、加熱してプレス成形することによって、トレー容器2の水分率が3wt%以下になる。このトレー容器2の水分率を3wt%以下にすることによって、防湿遮光袋3内の水分が低下し、感光材料1の性能劣化が防止できる。
【0025】
トレー容器2は、図4及び図5に示すように、底部2aからの側壁部2bの立上り曲部2cが、打ち抜き原紙の厚さの80%〜90%に圧縮されるまでプレスして成形される。例えば、原紙20の厚さが0.6mmであると、立上り曲部2cが0.4〜0.45mmになるようにプレスして成形され、このプレスによって側壁部2bが立上り形状に維持され、かつ底部2a及び側壁部2bの紙粉が紙目に入り込み、紙粉の発生を防止できる。
【0026】
このように、防湿遮光袋3に、トレー容器2に積層した感光材料1を収納し、減圧真空で防湿遮光袋3をシールして密封包装し、トレー容器2は、紙をプレス成形して作成されたものであり、紙粉の発生を防止し、かつ使用後の廃棄処理を容易にできる。
【0027】
トレー容器2は、図3乃至図5に示す実施の形態では紙製であるが、紙製に限定されず樹脂製、または紙とプラスチックの複合材製シートで一体に形成したものでも良い。樹脂製であれば、LLDPE、HIPS、HDPE、PETEなどが好ましく用いられている。
【0028】
また、紙製であればよいが、使用する板紙として、コートボール、マニラボールなどの古紙、再生紙を両面バージンパルプでコートしたものやダンボール板紙をフルートとライナーで接着させたダンボール原紙が使用されている。さらに稀に成形性を向上させる目的で、合成紙(PE樹脂を紙に20%以下含浸させたもの)が使用されている。
【0029】
即ち、紙とプラスチックの複合材製シートの材質としては次のような材料から選択使用できる。
(A)天然パルプ:木材、化学パルプ(B)合成パルプ:ポリエチレンパルプ(C)合成繊維:アクリルニトリル、ポリアミド、ポリアクリルニトリル、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール、ポリエステル(D)内添又は含浸用水系樹脂:SBRラテックス、NBR、クロロプレン、天然ゴム、イソプレン、ポリウレタン、ポリアクリレート、ポリ酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニルコポリマーラテックス、ポリ塩化ビニルラテックス、ポリビニリデンラテックス、ポリアクリルアマイドラテックス、アクリルケテンダイナマーラテックス、デンプン、PVA、デキストリン(E)含浸用溶剤系樹脂:EVA、SBR、NBR、MBR、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、アミノアルキッド樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリレート樹脂
複合材製シートの材質として好ましいのは、上記の(A)の中から1種又は2種以上を選択使用したり、(A)、(B)及び(C)を組み合わせて用いたり、更に(D)を添加して得られる原紙に(D)又は(E)を含浸させたものを用いることである。
【0030】
上記の材料を混合使用する場合、各材料の好ましい混合比率は、(A):(B)〜(C)=100〜30%:0〜70%であり、パルプに対する(D)の添加は0〜20%が好ましく、(E)の好ましい含浸比率は対パルプ重量比で3〜70%である。
【0031】
また、防湿遮光袋3は、図6に示すように、最内層に設けられた遮光性・滑性ポリオレフィン樹脂系フィルム層3a1と、最外層に設けられたナイロンフィルム層3a2と、遮光性・滑性ポリオレフィン樹脂系フィルム層3a1とナイロンフィルム層3a2との間に介在されたアルミニウム箔層3a3とを有する感光材料包装材料を用いて袋状に形成される。感光材料包装材料の最内層は、感光材料を包装する側であり、最外層は感光材料を包装しない側である。
【0032】
遮光性・滑性ポリオレフィン樹脂系フィルム層3a1は、遮光性物性と、滑剤と、酸化防止剤と、帯電防止剤とを含有するエチレン・α−オレフィン共重合体樹脂を主成分とし、優れた防湿性、酸素バリア性を有し、かつ引き抜き性が向上する。最外層が、ナイロンフィルム層3a2であり、突き刺し強度を有する。
【0033】
アルミニウム箔層3a3は、一方側が接着剤によるドライラミネート接着3cによってナイロンフィルム層側に接着される。また、アルミニウム箔層3a3の他方側がメルトPEによる押し出しラミネート接着3dによって遮光性・滑性ポリオレフィン樹脂系フィルム層側に接着される。
【0034】
この実施の形態の感光材料包装材料は、アルミニウム箔層3a3と最内層とを押し出しラミネート接着3dによって接着し、アルミニウム箔層3a3より内側に水性または、溶剤タイプの接着剤層を持たないようにする。このように、水性または、溶剤タイプの接着剤を用いてないから、遮光性・滑性ポリオレフィン樹脂系フィルム層3a1を透過し、長期の感光材料1の保存性にかぶり等の悪影響を及ぼすことがなく、感光材料1の長期保存が可能である。
【0035】
この実施の形態では、最外層としてナイロンフィルム層3a2が用いられているが、強固なフィルム、PETなどを用いてもよい。押し出しラミネートによる接着は、PEと性質の違うPETに対して弱い。
【0036】
以下、この実施の形態の感光材料包装材料は、最内層に設けられた遮光性物性と、滑剤と、酸化防止剤と、帯電防止剤とを含有するエチレン・α−オレフィン共重合体樹脂を主成分とする遮光性・滑性ポリオレフィン樹脂系フィルム層と、最外層に設けられたナイロンフィルム層と、遮光性・滑性ポリオレフィン樹脂系フィルム層とナイロンフィルム層との間に介在されたアルミニウム箔層とを有し、以下の遮光性・滑性ポリオレフィン樹脂系フィルムを用いることができる。
【0037】
この写真感光材料包装材料に使用される樹脂は、メタロセン触媒を使用して、製造される。代表される樹脂としてはポリオレフィン系樹脂(高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリプロピレン(PP)等)が挙げられる。メタロセンとは、遷移金属を不飽和環状化合物で挟んだ構造の化合物をいい、Zr錯体とメチルアルミノキサン(MAO)の組み合わせが知られている。
【0038】
この触媒はKaminsky触媒もしくはKaminsky−sinn触媒とも言われる。この様にメタロセン触媒を用いたフィルム樹脂材料をヒートシール層に用いる場合、この層の上に積層されるフレキシブル層としては熱可塑性フィルム、例えば各種ポリエチレン樹脂、エチレン共重合体樹脂、ポリプロピレン樹脂、プロピレン・α−オレフィン共重合体樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂などの公知のフィルム、及びこれらの変性樹脂フィルム又はこれらの一軸及び二軸延伸フィルム等が挙げられる。また、金属薄膜加工フィルム(代表的なものはアルミニウム真空蒸着フィルム)、セルロースアセテートフィルム、セロファン、再生セルロース、ポリビニルアルコール、合成紙、金属箔(代表例としてアルミニウム箔)、不織布、紙(未晒クラフト紙、半晒クラフト紙、晒クラフト紙、ヒネリ原紙、クルパック紙、デュオストレス紙、白板紙、写真用原紙、純白ロール紙、コート紙、模造紙、グラシン紙)等である。
【0039】
これらのフレキシブルシートは、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのフレキシブルシートはヒートシール層より融点が10℃以上高いことが好ましい。
【0040】
これらフレキシブル層を積層する手段としては、用途に応じて各種の方法が適用される。例えば多層押し出しインフレーション法、押し出しラミネート法、ドライラミネート法等、コンバーテック1991.1,ラミネート初級講座(8)P10〜14,コンバーテック1990.5,ラミネート初級講座(3)P40〜48に記載されている加工方法、プラスチックの押し出し成形とその応用(株)誠文堂,P137〜147、プラスチックハンドブック、朝倉書店P727に記載されている方法により製造する事が可能である。ドライラミネーション法で積層する場合、使用する接着剤はコンバーテック1993.3,ラミネート初級講座(23)P40〜48に記載されている中から必要に応じて選択することができる。この中でも写真性能にカブリ等の悪影響を与えない接着剤としてはエステル,ウレタン系が挙げられる。
【0041】
メタロセン触媒を用い製造し、かつ低分子量ポリマー含有率3%以下の樹脂を用いて成形品を得るには通常の多数個取り射出成形によって製造すれば良く、射出成形方法は、特に限定されるものではなく、例えばホットランナー方式の通常の射出成形法や金型内真空射出成形法やスタックモールド方式等によってもよい。特に、ホットランナー方式が成形効率上好ましい。
【0042】
この樹脂には必要に応じて各種添加剤を添加することができる。遮光用のカーボンブラックは写真性能へ悪影響を与えないようにするためには硫黄含有量が0.5重量%以下の物が好ましく、例えば市販品としてはなどが挙げられる。
【0043】
添加量としては0.3重量%〜0.6重量%の範囲が好ましく、より好ましくは0.35重量%〜0.40重量%である。0.7重量%以上の場合はフィルム物性が弱くなり、好ましくなく、0.3重量%以下の場合は遮光性が不十分となり好ましくない。
【0044】
この他に必要に応じて添加可能な添加剤を以下に示す。
【0045】
滑剤
(1)シリコーン系滑剤;各種グレードのジメチルポリシロキサン(信越シリコーン、東レシリコーン)
(2)オレイン酸アミド滑剤;アーモスリップCP(ライオン・アクゾ)、ニュートロン(日本精化)、ニュートロンE−18(日本精化)、アマイドO(日東化学)、アルフローE−10(日本油脂)、ダイヤミッドO−200(日本化成)、ダイヤミッドG−200(日本化成)等
(3)エルカ酸アミド系滑剤;アルフローP−10(日本油脂)等
(4)ステアリン酸アミド系滑剤;アルフローS−10(日本油脂)、ニュートロン2(日本精化)、ダイヤミッド200ビス(日本化成)等
(5)ビス脂肪酸アミド系滑剤;ビスアマイド(日本化成)、ダイヤミッド200ビス(日本化成)、アーモワックスEBS(ライオン・アクゾ)等
(6)アルキルアミン系滑剤;エレクトロストリッパーTS−2(花王石鹸)等(7)炭化水素系滑剤;流動パラフィン、天然パラフィン、マイクロワックス、合成パラフィン、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、塩素化炭化水素、フルオロカーボン
(8)脂肪酸系滑剤;高級脂肪酸(C12以上が好ましい)、オキシ脂肪酸
(9)エステル系滑剤;脂肪酸の低級アルコールエステル、脂肪酸の多価アルコールエステル、脂肪酸のポリグリコールエステル、脂肪酸の樹脂アルコールエステル
(10)アルコール系滑剤;多価アルコール、ポリグリコール、ポリグリセロール
(11)金属石けん;ラウリン酸、ステアリン酸、リシノール酸、ナフテン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸とLi、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Cd、Al、Sn、Pb等の金属との化合物又、導電性物質を、静電気故障等を防止するために添加することが好ましい。
【0046】
この導電性物質の代表例を以下に示す。
1)非イオン界面活性剤(代表的成分ポリオキシエチレングリコール類)
2)アニオン界面活性剤(代表的成分ポリオキシエチレングリコール類)
3)陽イオン界面活性剤(代表的成分第4級アンモニウム塩)
4)両性界面活性剤
5)アルキルアミン誘導体
6)脂肪酸誘導体
7)各種滑剤
8)カーボンブラック、グラファイト
9)金属表面被覆顔料
10)金属粉末、金属フレーク
11)炭素繊維
12)金属繊維
13)ウィスカー(チタン酸カリウム、窒化アルミナ、アルミナ)
前記非イオン界面活性剤の代表例を以下に示す。
【0047】
ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪族アルコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪族アミン、ソルビタンモノ脂肪酸エステル、脂肪酸ペンタエリスリット、脂肪アルコールのエチレンオキサイド付加物、脂肪酸のエチレンオキサイド付加物、脂肪酸アミノまたは脂肪酸アミドのエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールのエチレンオキサイド付加物、アルキルナフトールのエチレンオキサイド付加物、多価アルコールの部分的脂肪酸エステルのエチレンオキサイド付加物、その他特公昭63−26697号公報120頁記載の各種非イオン帯電防止剤等。
【0048】
前記アニオン界面活性剤の代表例を以下に示す。
【0049】
リシノレイン酸硫酸エステルソーダ塩、各種脂肪酸金属塩、シリノレイン酸エステル硫酸エステルソーダ塩、硫酸化オレイン酸エチルアニリン、オレフィンの硫酸エステル塩類、オレイルアルコール硫酸エステルソーダ塩、アルキル硫酸エステル塩、脂肪酸エチルスルフォン酸塩、アルキルスルフォン酸塩、アルキルナフタレンスルフォン酸塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、コハク酸エステルスルフォン酸塩、リン酸エステル塩。
【0050】
前記陽イオン界面活性剤の代表例を以下に示す。
【0051】
第1級アミン塩、第3級アミン塩、第4級アンモニウム塩、ピリジニウム誘導体。
【0052】
前記両性界面活性剤の代表例を以下に示す。
【0053】
カルボン酸誘導体、イミダゾリン誘導体、ベタイン誘導体酸化防止剤を、フィッシュアイやブツ(固まり状の不均一故障)の発生を防止するために添加することが好ましい。この酸化防止剤の代表例を以下に示す。
(イ)フェノール系酸化防止剤6−t−ブチル−3−メチルフェノール誘導体、2,6−ジ−t−ブチル−P−クレゾール、t−ブチルフェノール、2,2′−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−ブチリデンビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、4,4′−チオビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、4,4−ジヒドロキシジフェニルシクロヘキサン、アルキル化ビスフェノール、スチレン化フェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、n−オクタデシル−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、ステアリル−β(3,5−ジ−4−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス(メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタン
(ロ)ケトンアミン縮合系酸化防止剤6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンの重合物、トリメチルジヒドロキノリン誘導体
(ハ)アリルアミン系酸化防止剤フェニル−α−ナフチルアミン、N−フェニル−β−ナフチルアミン、N−フェニル−N′−イソプロピル−P−フェニレンジアミン、N,N′−ジフェニル−P−フェニレンジアミン、N,N′−ジ−β−ナフチル−P−フェニレンジアミン、N−(3′−ヒドロキシブチリデン)−1−ナフチルアミン
(ニ)イミダゾール系酸化防止剤2−メルカプトベンツイミダゾール、2−メルカプトベンツイミダゾールの亜鉛塩、2−メルカプトメチルベンツイミダゾール(ホ)ホスファイト系酸化防止剤アルキル化アリルホスファイト、ジフェニルイソデシルフォスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト亜リン酸ソーダ、トリノニルフェニルフォスファイト、トリフェニルフォスファイト
(ヘ)チオ尿素系酸化防止剤チオ尿素誘導体、1,3−ビス(ジメチルアミノプロピル)−2−チオ尿素
(ト)その他空気酸化に有用な酸化防止剤チオジプロピオン酸ジラウリル
代表的な市販酸化防止剤を以下に示す。
(1)フェノール系酸化防止剤;SUMILIZER BHT(住友)、IRGANOX 1076(チバガイギー)、MARK AO−50(アデカ・アーガス)、SUMILIZER BP−76(住友)、TOMINOX SS(吉富)、IRGANOX 565(チバガイギー)、NONOX WSP(ICI)、SANTONOX(Monsanto)、SUMILIZER WXR(住友)、ANTAGECRYSTAL(川口)、IRGANOX 1035(チバガイギー)、ANTAGE W−400(川口)、NOCLIZER NS−6(大内新興)、IRGANOX 1425 WL(チバガイギー)、MARK AO−80(アデカ・アーガス)、SUMILIZER GA−80(住友)、TOPANOLCA(ICI)、MARK AO−30(アデカ・アーガス)、MARK AO−20(アデカ・アーガス)、IRGANOX 3114(チバガイギー)、MARK AO−330(アデカ・アーガス)、IRGANOX 1330(チバガイギー)、CYANOX 1790(ACC)、IRGANOX 1010(チバガイギー)、MARK AO−60(アデカ・アーガス)、SUMILIZER BP−101(住友)、TO−MINOX TT(吉富)
(2)燐系酸化防止剤;IRGAFOS 168(チバガイギー)、MARK 2112(アデカ・アーガス)、WESTON 618(ボルグワーナー)、MARK PEP−8(アデカ・アーガス)、ULTRANOX 626(ボルグ・ワーナー)、MARK PEP−24G(アデカ・アーガス)、MARK PEP−36(アデカ・アーガス)、HCA(三光)
(3)チオエーテル系酸化防止剤;DLTDP“YOSHITOMI”(吉富)、SUMILIZER TPL(住友)、ANTIOX L(日油)、DMTD“YOSHITOMI”(吉富)、SUMILIZER TPM(住友)、ANTIOX M(日油)、DSTP“YOSHITOMI”(吉富)、SUMILIZER TPS(住友)、ANTIOX S(日油)、SEENOX 412S(シプロ)、MARK AO−412 S(アデカ・アーガス)、SUMILIZER TP−D(住友)、MARK AO−23(アデカ・アーガス)、SANDSTABP−EPQ(サンド)、IRGAFOS P−EPQ FF(チバガイギー)、IRGANOX 1222(チバガイギー)、MARK 329K(アデカ・アーガス)、WES TON399(ボルグ・ワーナー)、MARK 260(アデカ・アーガス)、MARK 522A(アデカ・アーガス)
(4)金属不活性化剤NAUGARD XL−1(ユニロイヤル)、MARK CDA−1(アデカ・アーガス)、MARKCDA−6(アデカ・アーガス)、LRGANOX MD−1024(チバガイギー)、CU−NOX(三井東圧) 特に好ましい酸化防止剤はフェノール系の酸化防止剤であり、市販品としてはチバガイギー社のイルガノックス各種と住友化学(株)のSumilizer BHT,Sumilizer BH−76,Sumilizer WX−R,Sumilizer BP−101等である。
【0054】
また、2,6−ジ−tブチル−p−クレゾール(BHT)、低揮発性の高分子量フェノール型酸化防止剤(商品名 Irganox 1010,Irganox 1076,Topanol CA,Ionox 330等)、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオプロピオネート、ジステアリルチオプロピオネート、ジアルキルフォスフェート等の1種以上、特に2種以上を併用するのが効果的である。
【0055】
その他プラスチックデータハンドブック(KK工業調査会発行)の794〜799ページに開示された各種酸化防止剤やプラスチック添加剤データー集(KK化学工業社)の327〜329ページに開示された各種酸化防止剤やPLASTICS AGE ENCYCLOPEDIA進歩編 1986(KKプラスチック・エージ)の211〜212ページに開示された各種酸化防止剤等を選択して用いることが可能である。
【0056】
これら添加剤の添加量としては、滑り剤の場合0.5重量%〜3.0重量%であり、3重量%を越すと分散、不良、浸み出し等膜表面物性が変化し、0.4重量%以下の場合は効果がなくなる。
【0057】
帯電防止剤の場合2.0重量%〜4.0重量%であり、4.0重量%を越すとヒートシール、フィルムの滑り性に悪影響が出易くなる。1.9重量%以下の場合は帯電防止効果が無くなる。
【0058】
酸化防止剤の場合は0.01重量%〜1.0重量%であり、1.0重量%を越えると写真性能にカブリや感光度の増減故障の異常が発生する場合があり、0.01重量%以下では効果が殆どない。酸化防止剤はフィッシュアイやブツが発生しない最少量を添加するようにすることが好ましい。
【0059】
分散剤としては、燐酸エステル、アルキルサルフェート、高級アルコール、ポリエチレンオキサイド、高級脂肪酸塩、スルホ琥珀酸、スルホ琥珀酸エステル、公知の界面活性剤等及びこれらの塩があり、また、陰性有機基(例えば−COOH)を有する重合体分散剤の塩を使用することも出来る。これらの分散剤は1種類のみで用いても、或いは2種類以上を併用してもよい。
【0060】
この実施の形態の防湿遮光袋3は、感光材料包装材料を用いてヒートシールにより袋状に形成され、水分がトレー容器2まで浸透することがない。また、防湿遮光袋3によってトレー容器2に水分が含有されないため、感光材料1の性能劣化が防止できる。また、トレー容器2と防湿遮光袋3との擦れも防止でき、紙粉の発生防止に寄与できる。
【0061】
以下、この発明が適用される感光材料としての熱現像感光材料について説明する。この発明の熱現像感光材料は、支持体上に、有機銀塩、感光性ハロゲン化銀、銀イオンの還元剤を含有する写真構成層が溶剤塗布して形成され、該写真構成層の上部に、少なくとも一層の保護層を有することが好ましい。また支持体の他方の側にバッキング層を有する、いわゆる片面感光材料が好ましい。
【0062】
また、熱現像感光材料の写真構成層は、感光性層と非感光性層からなり、感光性層に有機銀塩及び感光性ハロゲン化銀粒子を含有し、非感光性層に還元剤を含有する態様が好ましい。
【0063】
(感光性ハロゲン化銀)
ハロゲン化銀粒子は光センサーとして機能するものである。この発明においては、画像形成後の白濁を低く抑えるため、及び良好な画質を得るために平均粒径は小さい方が好ましく0.20μm以下、より好ましくは0.02μm以上0.15μm以下、更に好ましくは0.03μm以上0.11μm以下がよい。
【0064】
ここでいう平均粒径とは、ハロゲン化銀粒子が立方体或いは八面体のいわゆる正常晶である場合には、ハロゲン化銀粒子の稜の長さをいう。また、正常晶でない場合、例えば球状、棒状、或いは平板状の粒子の場合には、ハロゲン化銀粒子の体積と同等な球を考えたときの直径をいう。
【0065】
またハロゲン化銀粒子は単分散粒子であることが好ましい。ここでいう単分散粒子とは、下記式で求められる単分散度が40%以下の粒子をいい、より好ましくは30%以下、特に好ましくは20%以下となる粒子である。
【0066】
単分散度=(粒径の標準偏差)/(粒径の平均値)×100
ハロゲン化銀粒子の形状については、特に制限はないが、ミラー指数〔100〕面の占める割合が高いことが好ましく、この割合が50%以上、更には70%以上、特に80%以上であることが好ましい。ミラー指数〔100〕面の比率は増感色素の吸着における〔111〕面と〔100〕面との吸着依存性を利用したT.Tani,J.Imaging Sci.,29,165(1985)により求めることができる。
【0067】
ハロゲン組成としては特に制限はなく、塩化銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀、臭化銀、沃臭化銀、沃化銀のいずれであってもよいが、好ましくは臭化銀あるいは沃化銀あるいは沃臭化銀であって、更に好ましくは臭化銀あるいは沃臭化銀である。特に好ましくは沃臭化銀であり、沃化銀含有率は0.1モル%以上40モル%以下が好ましく、更に好ましくは0.1モル%以上10モル%以下である。粒子内におけるハロゲン組成の分布は均一であってもよく、ハロゲン組成がステップ状に変化したものでもよく、或いは連続的に変化した粒子であってもよい。好ましくは、粒子内部の沃化銀含有率の高いコア/シェル構造を有するハロゲン化銀粒子を用いる態様が好ましい。
【0068】
(有機銀塩)
この発明に用いることができる有機銀塩は、光に対して比較的安定であるが、露光された光触媒(写真用銀塩など)および還元剤の存在下で、80℃またはそれ以上に加熱された場合に銀画像を形成する銀塩である。
【0069】
有機銀塩は、銀イオンを還元できる源を含む任意の有機物質であってよい。有機酸の銀塩、特に(炭素数が10〜30が好ましく、より好ましくは炭素数15〜28の)長鎖脂肪カルボン酸が好ましい。
【0070】
配位子が4.0〜10.0の範囲の全安定定数を有する有機または無機銀塩の錯体も望ましい。銀源物質は、好ましくは感光性層の約5〜30重量%を構成すべきである。好ましい有機銀塩は、カルボキシル基を有する有機化合物の銀塩を含む。これらの例は、脂肪族カルボン酸の銀塩および芳香族カルボン酸の銀塩を含むが、これらに限定されない。脂肪族カルボン酸の銀塩の好ましい例は、ベヘン酸銀、ステアリン酸銀、アラキジン酸銀、オレイン酸銀、ラウリン酸銀、カプロン酸銀、ミリスチン酸銀、パルミチン酸銀、マレイン酸銀、フマル酸銀、酒石酸銀、リノール酸銀、酪酸銀および樟脳酸銀、これらの混合物などを含む。メルカプトまたはチオン基を含む化合物の銀塩およびこれらの誘導体を使用することもできる。
【0071】
(銀イオンの還元剤)
銀イオンの還元剤は、有機銀塩のための還元剤であり、本発明に使用できる還元剤としては、銀イオンを金属銀に還元する任意の物質、好ましくは有機物質であってよい。フェニドン、ヒドロキノンおよびカテコールなどの従来の写真現像剤は有用であるが、ヒンダードフェノール還元剤が好ましい。
【0072】
還元剤は、写真構成層(画像形成層)の1〜10重量%に範囲で存在することが好ましい。感光材料が多層構成の場合、還元剤をエマルジョン層以外の層に加える場合は、わずかに高い割合である約2〜15重量%がより望ましい傾向がある。
【0073】
(バインダー)
この発明の熱現像感光材料に好適なバインダーは透明又は半透明で、一般に無色であり、天然ポリマー合成樹脂やポリマー及びコポリマー、その他フィルムを形成する媒体、例えば:ゼラチン、アラビアゴム、ポリ(ビニルアルコール)、ヒドロキシエチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリ(ビニルピロリドン)、カゼイン、デンプン、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メチルメタクリル酸)、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(メタクリル酸)、コポリ(スチレン−無水マレイン酸)、コポリ(スチレン−アクリロニトリル)、コポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリ(ビニルアセタール)類(例えば、ポリ(ビニルホルマール)及びポリ(ビニルブチラール))、ポリ(エステル)類、ポリ(ウレタン)類、フェノキシ樹脂、ポリ(塩化ビニリデン)、ポリ(エポキシド)類、ポリ(カーボネート)類、ポリ(ビニルアセテート)、セルロースエステル類、ポリ(アミド)類がある。親水性でも非親水性でもよい。
【0074】
(その他の添加剤)
この発明においては、感光性層側にマット剤を含有することが好ましく、熱現像後の画像の傷つき防止のためには、感光材料の表面にマット剤を配することが好ましく、そのマット剤を乳剤層側の全バインダーに対し、重量比で0.5〜10%含有することが好ましい。
【0075】
この発明において用いられるマット剤の材質は、有機物及び無機物のいずれでもよい。例えば、無機物としては、スイス特許第330,158号等に記載のシリカ、仏国特許第1,296,995号等に記載のガラス粉、英国特許第1,173,181号等に記載のアルカリ土類金属又はカドミウム、亜鉛等の炭酸塩、等をマット剤として用いることができる。
【0076】
有機物としては、米国特許第2,322,037号等に記載の澱粉、ベルギー特許第625,451号や英国特許第981,198号等に記載された澱粉誘導体、特公昭44−3643号等に記載のポリビニルアルコール、スイス特許第330,158号等に記載のポリスチレン或いはポリメタアクリレート、米国特許第3,079,257号等に記載のポリアクリロニトリル、米国特許第3,022,169号等に記載されたポリカーボネートの様な有機マット剤を用いることができる。
【0077】
マット剤の形状は、定形、不定形どちらでも良いが、好ましくは定形で、球形が好ましく用いられる。
【0078】
この実施例では、感光材料包装材料が、感光材料を包装する側の最内層と、感光材料を包装しない側の最外層と、最内層と最外層との間に介在されたアルミニウム箔層とを有し、アルミニウム箔層と最内層とを押し出しラミネート接着によって接着した。最内層は、遮光性物性と、滑剤と、酸化防止剤と、帯電防止剤とを含有するエチレン・α−オレフィン共重合体樹脂を主成分とする遮光性・滑性ポリオレフィン樹脂系フィルム層であり、滑剤と、酸化防止剤と、帯電防止剤とを変化させてブツ個数、被り濃度及び引き抜きトルクを測定した。この結果を、表1に示す。
[測定方法]
ブツ個数;内面ポリエチレンフィルムに発生したブツの個数を顕微鏡で確認し、ブツの大きさが0.5mm角以上のものを、大きさ570mm×435mmで何個あるか確認した。
【0079】
被り濃度;使用フィルムはコニカKDPフィルム、現像機器はコニカドライイメージャーDrypro722使用した。現像温度126℃、ハーフベタ現像して、フィルムの中央部分の濃度を測定し、ブランクフィルムの濃度と比較した。±0.03以内を合格とした。
【0080】
引き抜きトルク;Drypro722イメージャーのフィルム収納部を取り出し、防湿袋を巻取り軸に引っ掛け、トルクゲージ(ミツトヨ製)をその軸の端部につけて、トルクゲージをまわし、トルク値を測定した。
【0081】
測定結果から試料5〜10が最適であることがわかった。
表1

【産業上の利用可能性】
【0082】
この発明は、感光材料を包装する側の最内層と、感光材料を包装しない側の最外層と、最内層と最外層との間に介在されたアルミニウム箔層とを有し、アルミニウム箔層と最内層とを押し出しラミネート接着によって接着する感光材料包装材料であり、低コストで長期保存が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】感光材料包装体の製造例を示す図である。
【図2】感光材料包装体から感光材料を取り出して搬送する状態を示す図である。
【図3】トレー容器の成形工程を示す図である。
【図4】トレー容器の斜視図である。
【図5】底部からの側壁部の立上り曲部の断面図である。
【図6】感光材料包装材料の層構成を示す図である。
【符号の説明】
【0084】
1 感光材料
2 トレー容器
3 防湿遮光袋
3a 係止孔
3a1 遮光性・滑性ポリオレフィン樹脂系フィルム層
3a2 ナイロンフィルム層
3a3 アルミニウム箔層
3c 接着剤によるドライラミネート接着
3d メルトPEによる押し出しラミネート接着
4 感光材料包装体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光材料を包装する側の最内層と、
感光材料を包装しない側の最外層と、
前記最内層と前記最外層との間に介在されたアルミニウム箔層とを有し、
前記アルミニウム箔層と前記最内層とを押し出しラミネート接着によって接着したことを特徴とする感光材料包装材料。
【請求項2】
前記最内層は、遮光性物性と、滑剤と、酸化防止剤と、帯電防止剤とを含有するエチレン・α−オレフィン共重合体樹脂を主成分とする遮光性・滑性ポリオレフィン樹脂系フィルム層であることを特徴とする請求項1に記載の感光材料包装材料。
【請求項3】
前記最外層は、ナイロンフィルム層であることを特徴とする請求項1に記載の感光材料包装材料。
【請求項4】
トレー容器に複数枚のシート状の感光材料を積層し、
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載した感光材料包装材料を用いて袋状に形成された防湿遮光袋に、前記トレー容器に積層した前記感光材料を収納し、
前記防湿遮光袋により包装することを特徴とする感光材料包装体の製造方法。
【請求項5】
複数枚のシート状の感光材料をトレー容器内に積層して防湿遮光袋により包装する感光材料包装体であり、
前記防湿遮光袋は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載した感光材料包装材料を用いて袋状に形成したことを特徴とする感光材料包装体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−53366(P2006−53366A)
【公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−235082(P2004−235082)
【出願日】平成16年8月12日(2004.8.12)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】