感熱記録体
【課題】 本発明の課題は、カーテン塗工方式により、低塗工量、且つ均一な感熱記録層を形成され、画質に優れた感熱記録体を提供することにある。
【解決手段】 支持体上に、無色ないし淡色の電子共与性ロイコ染料及び電子受容性顕色剤を含有する感熱記録体において、該感熱記録層が高分子会合型の増粘剤を含有する塗料をカーテン塗工法で設ることにより、本課題が解決することを見出し、本発明に到達した。
特に、前記高分子会合型の増粘剤を含有する塗料がアセチレン基を有するノニオン性界面活性剤、特に望ましくは左右対称の構造を有するノニオン性界面活性剤を含有することで、更に感熱記録体の画質が良好になることを見出し、本発明に到達した。
【解決手段】 支持体上に、無色ないし淡色の電子共与性ロイコ染料及び電子受容性顕色剤を含有する感熱記録体において、該感熱記録層が高分子会合型の増粘剤を含有する塗料をカーテン塗工法で設ることにより、本課題が解決することを見出し、本発明に到達した。
特に、前記高分子会合型の増粘剤を含有する塗料がアセチレン基を有するノニオン性界面活性剤、特に望ましくは左右対称の構造を有するノニオン性界面活性剤を含有することで、更に感熱記録体の画質が良好になることを見出し、本発明に到達した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、電子供与性ロイコ染料と電子受容性顕色剤の発色反応を利用した感熱記録体に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
一般に、感熱記録体は通常無色ないし淡色の電子供与性ロイコ染料とフェノール性化合物等の電子受容性顕色剤とを、それぞれ微細な粒子に磨砕分散した後、両者を混合し、バインダー、充填剤、感度向上剤、滑剤およびその他の助剤を添加して得られた塗液を、紙、合成紙、フィルム、プラスチック等の支持体に塗工したものであり、サーマルヘッド、ホットスタンプ、熱ペン、レーザー光等の加熱による瞬時の化学反応により発色し、記録画像が得られる。感熱記録体は、ファクシミリ、コンピューターの端末プリンタ、自動券売機、計測用レコーダー等に広範囲に使用されている。
感熱記録体を構成している感熱記録層、アンダー層、保護層などの形成には様々な塗工方式を用いることができるが、各層の塗工法（形成方法）の違いよって、その品質に違いが生じる。このため、感熱記録層の膜厚を均一にすることで良好な画質を得るために、感熱記録層をカーテン塗工によって形成させることが行われている（引用文献１〜４）。また、カーテン膜を安定的に形成するために塗料物性（貯蔵弾性率、Ｂ型粘度、表面張力）に着目した技術が開示されている（引用文献５、６）。
【０００３】
【特許文献１】特許３６８３６６１号
【特許文献２】特開２００１−１３８６３１号公報
【特許文献３】特開２００１−１３８６３２号公報
【特許文献４】特開２００１−１８５２６号公報
【特許文献５】特開２００１−１４９８５１号公報
【特許文献６】特開２００５−２７０９５４号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかしながら、感熱記録体の感熱記録層は、固形分で２〜８ｇ／ｍ２程度と少ない塗工量範囲で均一な膜厚（感熱記録層厚）にすることが求められるため、バーブレードなどの接触型の塗工方式を用いた場合、低塗工量の塗工層を形成することは可能であるものの、支持体の凹凸の影響により、均一な膜厚の塗工層を得ることが困難であった。一方、非接触型であり輪郭塗工できるカーテン塗工方式を用いた場合、均一な膜厚の塗工層を凹凸のある支持体上に形成することは可能であり、塗料の濃度の調整、増粘剤や界面活性剤の添加による塗料物性（Ｂ型粘度、表面張力）の調整により低塗工量の塗工層を得ることも可能であるが、従来から使用されている増粘剤や界面活性剤を使用した場合、十分な品質（画質）を得ることが困難であった。
そこで、本発明の課題は、カーテン塗工方式により、低塗工量、且つ均一な感熱記録層を形成された画質に優れた感熱記録体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
本発明者らは、上記課題を鋭意検討した結果、支持体上に、無色ないし淡色の電子共与性ロイコ染料及び電子受容性顕色剤を含有する感熱記録体において、該感熱記録層が高分子会合型の増粘剤を含有する塗料をカーテン塗工方式で設ることにより、本課題が解決することを見出し、本発明に到達した。
特に、前記高分子会合型の増粘剤を含有する塗料がアセチレン基を有するノニオン性界面活性剤、特に望ましくは左右対称の構造を有するノニオン性界面活性剤を含有することで、更に感熱記録体の画質が良好になることを見出し、本発明に到達した。
【発明の効果】
【０００６】
本発明によれば、カーテン塗工方式により低塗工量、且つ均一な感熱記録層を形成することが可能となり、画質に優れた感熱記録体を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００７】
以下、本発明の具体的な詳細について説明する。
本発明は、支持体上に、無色ないし淡色の電子共与性ロイコ染料及び電子受容性顕色剤を含有する感熱記録層を設けた感熱記録体において、該感熱記録層が高分子会合型の増粘剤を含有する塗料をカーテン塗工方式で設けたことを特徴とする感熱記録体に関する。
【０００８】
カーテン塗工方式で低塗工量の塗工層を形成する方法としては、一般に塗料濃度を調整することや、塗液の流量を調整することが行なわれている。しかし、感熱記録層に用いられる塗液は通常固形分濃度が３０％以下であり、一般のコート紙の塗料の半分以下の濃度である。このため、感熱記録体の塗料を希釈した塗料を用いた場合は乾燥負荷が大きくなるといった操業上問題が発生する。また、塗料の表面張力の上昇により安定したカーテン膜の形成が困難になるとともに、Ｂ型粘度の低下によるヒール（支持体と塗料の接触した部分に液だまりが発生する現象）の発生により、均一な塗工層を形成することが困難となる。一方、流量を調整した場合には乾燥負荷の増大の問題はなくなるものの、薄いカーテン膜を安定的に形成させるためには、流量にあわせて塗液のＢ型粘度、表面張力を調整する必要がある。なお、塗料のＢ型粘度が高過ぎると支持体上に塗料が均一に広がらないために塗工ムラが発生する。
【０００９】
カーテン塗工において、特に低塗工量の塗工層を形成させる場合、具体的には塗料の流量を３〜７ｋｇ／分・ｍで塗工層を形成させる場合は、感熱記録層の塗料は、Ｂ型粘度が２００〜１５００ｍＰａ・ｓ、表面張力は４５ｍＮ／ｍ以下に調整することが望ましく、従来から使用されている高分子増粘剤と界面活性剤を用いて塗料物性（Ｂ型粘度、表面張力）を上記の範囲に調整することが可能であり、カーテン塗工時に発生するカーテン膜の形成やヒールの発生などの問題は発生しなくなる。しかしながら、十分な品質の画質が得られないといった問題が発生する。
【００１０】
本発明の高分子会合型の増粘剤及び界面活性剤を含有する塗料を用いて、感熱記録層をカーテン塗工法により形成させることで、優れた画質の感熱記録体を製造することができる理由は次のように推測される。
従来から使用されている分子量が数十万〜数千万である高分子型増粘剤は、塗料中に増粘剤分子が広がり、長鎖高分子である増粘剤の絡み合いにより増粘する。この場合、塗料全体の粘度は大きく増加するが、塗料中の顔料、バインダーなどの自由度は大きく制限してしまうため、塗料中の各構成成分は均一に混じりあわない状態で存在していると推測される。このため、優れた画像を得ることができないと考えられる。
また、分子中に疎水性の会合基を有する会合型増粘剤は、塗料中の顔料、バインダー、あるいは会合型増粘剤同士が分子間力や水素結合などによって会合（結合、反応）し、塗料中に擬似的な高分子のネットワーク（網目構造）を形成することによって増粘する。一般に、会合型増粘剤は会合性を高めるために、その分子量を数千〜数万程度と調整しているため、高分子型増粘剤と比べてその増粘効果は小さく、高分子型を使用した場合と同程度のＢ型粘度に調整するには、過剰に配合する必要があり、感熱記録体の発色感度などの基本性能に悪影響を及ぼす恐れがあるため、一般的には使用されない。
【００１１】
一方、本発明で使用される高分子会合型増粘剤は、分子量が数十万〜数千万であり、分子中に会合基を有しているため、長鎖高分子である増粘剤の絡み合いにより少ない配合量で増粘するとともに、塗料中の各構成成分とも会合するため、塗料中の各構成物質が均一に混合した状態を保持することができる推測される。このため、優れた画像を得られると考えられる。
また、本発明で使用される高分子会合型増粘剤を使用した塗料は高分子型増粘剤と比較して、塗料の洩糸性（伸びやすさ）が大幅に改善される。このことにより、塗料が支持体表面で均一に広がるため、良好な画像が得られる一因であると考えられる。洩糸性が改善される理由は、長鎖高分子である増粘剤の絡み合いによる大きなネットワークと増粘剤の会合基による小さなネットワークが同一の増粘剤で形成されることによる相乗効果であると考えられる。
なお、塗料の洩糸性は、伸長粘度計（機器名：CaBER1、Thermo Haake社製）によって塗料の破断時間を測定することによって評価することができ、本発明においては、破断時間が３．０×１０−２秒以上、より好ましくは１０．０×１０−２秒以上に調整することが望ましい。
本発明において、高分子会合型の増粘剤の具体例としてＳＮ４Ｘ４０２７（変性ポリカルボン酸のＷ／Ｏエマルジョン型、サンノプコ社製）などを例示することができるが、これに限定されるものではない。
【００１２】
本発明において、感熱記録層の塗料に含有される界面活性剤としては、イオン性界面活性剤として高級脂肪酸塩、高級アルコール硫酸エステル、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル、アルキルアリルスルホン酸塩、非イオン性界面活性剤としてポリオキシアルキレン高級脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミンなどを例示することができ、これらを単独あるいは２種類以上組み合わせて使用するでき、特にこれらに限定されるものではないが、これらの中では感熱塗料中の表面張力を下げる効果の点から、アセチレン基を有する非イオン性の界面活性剤（以下、アセチレン系界面活性剤と略す。）を使用することが望ましく、更に左右対称構造のアセチレン系界面活性剤を用いることが望ましい。この左右対称構造のアセチレン系界面活性剤は、三重結合を中心軸に疎水基、親水基同士を同じ向きに配向しやすく、かつ塗料表面において疎水基を外側に、親水基を内側に配向しやすいため、少ない添加量で優れた効果（低表面張力化）が発現すると推測される。
【００１３】
本発明において、左右対称の構造をもつアセチレン系界面活性剤とは、アセチレン基を中心に、両側に親水基と疎水基を共に有する構造を有する界面活性剤であり、具体的にサーフィノール１０４（日信化学社製）やサーフィノールＤＦ１１０Ｄ（日信化学社製）が挙げられる。
【００１４】
本発明において、塗工液に高分子会合型の増粘剤とアセチレン基を有する非イオン性界面活性剤を併用することで、高い曳糸性と低い表面張力を両立することが可能なため、塗工時のカーテン膜の安定性が向上することに加え、塗料が支持体表面で均一に広がるため、優れた画質が得られると考えられる。
【００１５】
本発明の感熱記録体の製造方法は、３〜７ｋｇ／分・ｍに調整した塗料の流量で２〜８ｇ／ｍ２（固形分）の塗工層を形成させた場合に特に優れた効果が発現する。
【００１６】
本発明において、塗液の表面張力は、４５ｍＮ／ｍ以下が好ましく、より好ましくは３０〜４０Ｎ／ｍである。これらは、複数種の塗液を用いて、カーテン膜が複数の塗液層から成る場合には、各塗液に関する物性に関するものである。カーテン塗布装置における塗料の流量は、一定時間且つ一定長さのカーテン膜を実測して測定した値である。塗料の表面張力は、表面張力計（CBVP-Z、協和界面化学株式会社製）によって測定した値である。
【００１７】
更に、本発明で使用する塗液の物性として、Ｂ型粘度が２００〜１５００ｍＰａ・ｓであることが望ましい。Ｂ型粘度が高い場合は塗工層のレベリングが不十分となり塗工ムラの原因となり、Ｂ型粘度が低い場合は塗液と支持体が接触したときに塗液がはじかれ塗工ムラが発生する。
【００１８】
本発明において、塗液の表面張力、Ｂ型粘度は、増粘剤及び界面活性剤によって調整することが可能であるが、界面活性剤、増粘剤は感熱記録体の過剰な添加は、感熱記録体の品質に悪影響を与える恐れがある。このため、界面活性剤の添加量（乾燥重量）は、感熱記録層（乾燥重量）に対して２重量％以下、保護層（乾燥重量）に対して６％以下、インク受理層（乾燥重量）に対して１％以下であることが望ましい。また、増粘剤（乾燥重量）の添加量は感熱記録層（乾燥重量）に対して２重量％以下、保護層（乾燥重量）に対して９％以下、インク受理層（乾燥重量）に対して１％以下であることが望ましい。
【００１９】
本発明の感熱発色層に使用される各種材料を例示するが、増粘剤、界面活性剤は上記課題に対する所望の効果を阻害しない範囲で併用することができ、バインダー、架橋剤、顔料、界面活性剤、増粘剤などは感熱記録層のみならずアンダー層、保護層をはじめとする必要に応じて設けられた各塗工層にも使用することができる。
【００２０】
本発明において、併用できる増粘剤としてはヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、気相法シリカ、コロイダルシリカ、有機変成ベントナイト、水添加ヒマシ油、アマイドワックス、酸化ポリエチレン、金属石鹸、ジベンジリデンソルビトール等が挙げられる。
【００２１】
本発明で使用する界面活性剤としては、高級脂肪酸塩、高級アルコール硫酸エステル、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル、アルキルアリルスルホン酸塩、非イオン性界面活性剤としてポリオキシアルキレン高級脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン等が挙げられる。
【００２２】
本発明で使用するバインダーとしては、完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、アセトアセチル化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アマイド変性ポリビニルアルコール、スルホン酸変性ポリビニルアルコール、ブチラール変性ポリビニルアルコール、オレフィン変性ポリビニルアルコール、ニトリル変性ポリビニルアルコール、ピロリドン変性ポリビニルアルコール、シリコーン変性ポリビニルアルコール、その他の変性ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体並びにエチルセルロース、アセチルセルロースのようなセルロース誘導体、カゼイン、アラビヤゴム、酸化澱粉、エーテル化澱粉、ジアルデヒド澱粉、エステル化澱粉、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸エステル、ポリビニルブチラール、ポリスチロースおよびそれらの共重合体、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、石油樹脂、テルペン樹脂、ケトン樹脂、クマロ樹脂などを例示することができる。これらの高分子物質は水、アルコール、ケトン類、エステル類、炭化水素などの溶剤に溶かして使用するほか、水又は他の媒体中に乳化又はペースト状に分散した状態で使用し、要求品質に応じて併用することも出来る。
【００２３】
本発明で使用する架橋剤としては、グリオキザール、メチロールメラミン、メラミンホルムアルデヒド樹脂、メラミン尿素樹脂、ポリアミンエピクロロヒドリン樹脂、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ソーダ、塩化第二鉄、塩化マグネシウム、ホウ砂、ホウ酸、ミョウバン、塩化アンモニウムなどを例示することができる。
【００２４】
本発明で使用する顔料としては、シリカ、炭酸カルシウム、カオリン、焼成カオリン、ケイソウ土、タルク、酸化チタン、水酸化アルミニウムなどの無機または有機充填剤などが挙げられる。保護層中に用いる顔料としてはサーマルヘッドの摩耗性などを考慮した場合、水酸化アルミニウムやカオリンが好ましい。
【００２５】
本発明で使用する滑剤としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩、ワックス類、シリコーン樹脂類などが挙げられる。
また、本発明においては、上記課題に対する所望の効果を阻害しない範囲で、記録画像の耐油性効果などを示す画像安定剤として、４，４'−ブチリデン（６−ｔ−ブチル−３−メチルフェノール）、２，２'−ジ−ｔ−ブチル−５，５'−ジメチル−４，４'−スルホニルジフェノール、１，１，３−トリス（２−メチル−４−ヒドロキシ−５−シクロヘキシルフェニル）ブタン、１，１，３−トリス（２−メチル−４−ヒドロキシ−５−ｔ−ブチルフェニル）ブタン、４−ベンジルオキシ−４'−（２，３−エポキシ−２−メチルプロポキシ）ジフェニルスルホン等を添加することもできる。
このほかにベンゾフェノン系やトリアゾール系の紫外線吸収剤、分散剤、消泡剤、酸化防止剤、蛍光染料等を使用することができる。
【００２６】
本発明で使用する電子供与性ロイコ染料としては、従来の感圧あるいは感熱記録紙分野で公知のものは全て使用可能であり、特に制限されるものではないが、トリフェニルメタン系化合物、フルオラン系化合物、フルオレン系、ジビニル系化合物等が好ましい。以下に代表的な無色ないし淡色の染料（染料前駆体）の具体例を示す。また、これらの染料前駆体は単独または２種以上混合して使用してもよい。
【００２７】
＜トリフェニルメタン系ロイコ染料＞
３，３−ビス（ｐ−ジメチルアミノフェニル）−６−ジメチルアミノフタリド〔別名クリスタルバイオレットラクトン〕
３，３−ビス（ｐ−ジメチルアミノフェニル）フタリド〔別名マラカイトグリーンラクトン〕
【００２８】
＜フルオラン系ロイコ染料＞
３−ジエチルアミノ−６−メチルフルオラン
３−ジエチルアミノ−６−メチル−７−アニリノフルオラン
３−ジエチルアミノ−６−メチル−７−（ｏ，ｐ−ジメチルアニリノ）フルオラン
３−ジエチルアミノ−６−メチル−７−クロロフルオラン
３−ジエチルアミノ−６−メチル−７−（ｍ−トリフルオロメチルアニリノ）フルオラン
３−ジエチルアミノ−６−メチル−７−（ｏ−クロロアニリノ）フルオラン
３−ジエチルアミノ−６−メチル−７−（ｐ−クロロアニリノ）フルオラン
３−ジエチルアミノ−６−メチル−７−（ｏ−フルオロアニリノ）フルオラン
３−ジエチルアミノ−６−メチル−７−（ｍ−メチルアニリノ）フルオラン
３−ジエチルアミノ−６−メチル−７−ｎ−オクチルアニリノフルオラン
３−ジエチルアミノ−６−メチル−７−ｎ−オクチルアミノフルオラン
３−ジエチルアミノ−６−メチル−７−ベンジルアミノフルオラン
３−ジエチルアミノ−６−メチル−７−ジベンジルアミノフルオラン
３−ジエチルアミノ−６−クロロ−７−メチルフルオラン
３−ジエチルアミノ−６−クロロ−７−アニリノフルオラン
３−ジエチルアミノ−６−クロロ−７−ｐ−メチルアニリノフルオラン
３−ジエチルアミノ−６−エトキシエチル−７−アニリノフルオラン
３−ジエチルアミノ−７−メチルフルオラン
３−ジエチルアミノ−７−クロロフルオラン
３−ジエチルアミノ−７−（ｍ−トリフルオロメチルアニリノ）フルオラン
３−ジエチルアミノ−７−（ｏ−クロロアニリノ）フルオラン
３−ジエチルアミノ−７−（ｐ−クロロアニリノ）フルオラン
３−ジエチルアミノ−７−（ｏ−フルオロアニリノ）フルオラン
３−ジエチルアミノ−ベンゾ〔ａ〕フルオラン
３−ジエチルアミノ−ベンゾ〔ｃ〕フルオラン
３−ジブチルアミノ−６−メチル−フルオラン
３−ジブチルアミノ−６−メチル−７−アニリノフルオラン
３−ジブチルアミノ−６−メチル−７−（ｏ，ｐ−ジメチルアニリノ）フルオラン
３−ジブチルアミノ−６−メチル−７−（ｏ−クロロアニリノ）フルオラン
３−ジブチルアミノ−６−メチル−７−（ｐ−クロロアニリノ）フルオラン
３−ジブチルアミノ−６−メチル−７−（ｏ−フルオロアニリノ）フルオラン
３−ジブチルアミノ−６−メチル−７−（ｍ−トリフルオロメチルアニリノ）フルオラン
３−ジブチルアミノ−６−メチル−７−クロロフルオラン
３−ジブチルアミノ−６−エトキシエチル−７−アニリノフルオラン
３−ジブチルアミノ−６−クロロ−７−アニリノフルオラン
３−ジブチルアミノ−６−メチル−７−ｐ−メチルアニリノフルオラン
３−ジブチルアミノ−７−（ｏ−クロロアニリノ）フルオラン
３−ジブチルアミノ−７−（ｏ−フルオロアニリノ）フルオラン
３−ジ−ｎ−ペンチルアミノ−６−メチル−７−アニリノフルオラン
３−ジ−ｎ−ペンチルアミノ−６−メチル−７−（ｐ−クロロアニリノ）フルオラン
３−ジ−ｎ−ペンチルアミノ−７−（ｍ−トリフルオロメチルアニリノ）フルオラン
３−ジ−ｎ−ペンチルアミノ−６−クロロ−７−アニリノフルオラン
３−ジ−ｎ−ペンチルアミノ−７−（ｐ−クロロアニリノ）フルオラン
３−ピロリジノ−６−メチル−７−アニリノフルオラン
３−ピペリジノ−６−メチル−７−アニリノフルオラン
３−（Ｎ−メチル−Ｎ−プロピルアミノ）−６−メチル−７−アニリノフルオラン
３−（Ｎ−メチル−Ｎ−シクロヘキシルアミノ）−６−メチル−７−アニリノフルオラン
３−（Ｎ−エチル−Ｎ−シクロヘキシルアミノ）−６−メチル−７−アニリノフルオラン
３−（Ｎ−エチル−Ｎ−キシルアミノ）−６−メチル−７−（ｐ−クロロアニリノ）フルオラン
３−（Ｎ−エチル−ｐ−トルイディノ）−６−メチル−７−アニリノフルオラン
３−（Ｎ−エチル−Ｎ−イソアミルアミノ）−６−メチル−７−アニリノフルオラン
３−（Ｎ−エチル−Ｎ−イソアミルアミノ）−６−クロロ−７−アニリノフルオラン
３−（Ｎ−エチル−Ｎ−テトラヒドロフルフリルアミノ）−６−メチル−７−アニリノフルオラン
３−（Ｎ−エチル−Ｎ−イソブチルアミノ）−６−メチル−７−アニリノフルオラン
３−（Ｎ−エチル−Ｎ−エトキシプロピルアミノ）−６−メチル−７−アニリノフルオラン
３−シクロヘキシルアミノ−６−クロロフルオラン
２−（４−オキサヘキシル）−３−ジメチルアミノ−６−メチル−７−アニリノフルオラン
２−（４−オキサヘキシル）−３−ジエチルアミノ−６−メチル−７−アニリノフルオラン
２−（４−オキサヘキシル）−３−ジプロピルアミノ−６−メチル−７−アニリノフルオラン
２−メチル−６−ｐ−（ｐ−ジメチルアミノフェニル）アミノアニリノフルオラン
２−メトキシ−６−ｐ−（ｐ−ジメチルアミノフェニル）アミノアニリノフルオラン
２−クロロ−３−メチル−６−ｐ−（ｐ−フェニルアミノフェニル）アミノアニリノフルオラン
２−クロロ−６−ｐ−（ｐ−ジメチルアミノフェニル）アミノアニリノフルオラン
２−ニトロ−６−ｐ−（ｐ−ジエチルアミノフェニル）アミノアニリノフルオラン
２−アミノ−６−ｐ−（ｐ−ジエチルアミノフェニル）アミノアニリノフルオラン
２−ジエチルアミノ−６−ｐ−（ｐ−ジエチルアミノフェニル）アミノアニリノフルオラン
２−フェニル−６−メチル−６−ｐ−（ｐ−フェニルアミノフェニル）アミノアニリノフルオラン
２−ベンジル−６−ｐ−（ｐ−フェニルアミノフェニル）アミノアニリノフルオラン
２−ヒドロキシ−６−ｐ−（ｐ−フェニルアミノフェニル）アミノアニリノフルオラン
３−メチル−６−ｐ−（ｐ−ジメチルアミノフェニル）アミノアニリノフルオラン
３−ジエチルアミノ−６−ｐ−（ｐ−ジエチルアミノフェニル）アミノアニリノフルオラン
３−ジエチルアミノ−６−ｐ−（ｐ−ジブチルアミノフェニル）アミノアニリノフルオラン
２，４−ジメチル−６−〔（４−ジメチルアミノ）アニリノ〕−フルオラン
【００２９】
＜フルオレン系ロイコ染料＞
３，６，６'−トリス（ジメチルアミノ）スピロ〔フルオレン−９，３'−フタリド〕
３，６，６'−トリス（ジエチルアミノ）スピロ〔フルオレン−９，３'−フタリド〕
【００３０】
＜ジビニル系ロイコ染料＞
３，３−ビス−〔２−（ｐ−ジメチルアミノフェニル）−２−（ｐ−メトキシフェニル）エテニル〕−４，５，６，７−テトラブロモフタリド
３，３−ビス−〔２−（ｐ−ジメチルアミノフェニル）−２−（ｐ−メトキシフェニル）エテニル〕−４，５，６，７−テトラクロロフタリド
３，３−ビス−〔１，１−ビス（４−ピロリジノフェニル）エチレン−２−イル〕−４，５，６，７−テトラブロモフタリド
３，３−ビス−〔１−（４−メトキシフェニル）−１−（４−ピロリジノフェニル）エチレン−２−イル〕−４，５，６，７−テトラクロロフタリド
【００３１】
＜その他＞
３−（４−ジエチルアミノ−２−エトキシフェニル）−３−（１−エチル−２−メチルインドール−３−イル）−４−アザフタリド
３−（４−ジエチルアミノ−２−エトキシフェニル）−３−（１−オクチル−２−メチルインドール−３−イル）−４−アザフタリド
３−（４−シクロヘキシルエチルアミノ−２−メトキシフェニル）−３−（１−エチル−２−メチルインドール−３−イル）−４−アザフタリド
３，３−ビス（１−エチル−２−メチルインドール−３−イル）フタリド
３，６−ビス（ジエチルアミノ）フルオラン−γ−（３'−ニトロ）アニリノラクタム
３，６−ビス（ジエチルアミノ）フルオラン−γ−（４'−ニトロ）アニリノラクタム
１，１−ビス−〔２'，２'，２''，２''−テトラキス−（ｐ−ジメチルアミノフェニル）−エテニル〕−２，２−ジニトリルエタン
１，１−ビス−〔２'，２'，２''，２''−テトラキス−（ｐ−ジメチルアミノフェニル）−エテニル〕−２−β−ナフトイルエタン
１，１−ビス−〔２'，２'，２''，２''−テトラキス−（ｐ−ジメチルアミノフェニル）−エテニル〕−２，２−ジアセチルエタン
ビス−〔２，２，２'，２'−テトラキス−（ｐ−ジメチルアミノフェニル）−エテニル〕−メチルマロン酸ジメチルエステル
【００３２】
本発明で用いられる電子受容性顕色剤としては、従来の感圧あるいは感熱記録紙の分野で公知のものがすべて使用可能であり、特に制限されるものではないが、例えば、活性白土、アタパルジャイト、コロイダルシリカ、珪酸アルミニウムなどの無機酸性物質、４，４'−イソプロピリデンジフェノール、１，１−ビス（４−ヒドロキシフェニル）シクロヘキサン、２，２−ビス（４−ヒドロキシフェニル）−４−メチルペンタン、４，４'−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、ヒドロキノンモノベンジルエーテル、４−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、４，４'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、２，４'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、４−ヒドロキシ−４'−イソプロポキシジフェニルスルホン、４−ヒドロキシ−４'−ｎ−プロポキシジフェニルスルホン、ビス（３−アリル−４−ヒドロキシフェニル）スルホン、４−ヒドロキシ−４'−メチルジフェニルスルホン、４−ヒドロキシフェニル−４'−ベンジルオキシフェニルスルホン、３，４−ジヒドロキシフェニル−４'−メチルフェニルスルホン、特開平８−５９６０３号公報記載のアミノベンゼンスルホンアミド誘導体、ビス（４−ヒドロキシフェニルチオエトキシ）メタン、１，５−ジ（４−ヒドロキシフェニルチオ）−３−オキサペンタン、ビス（ｐ−ヒドロキシフェニル）酢酸ブチル、ビス（ｐ−ヒドロキシフェニル）酢酸メチル、１，１−ビス（４−ヒドロキシフェニル）−１−フェニルエタン、１，４−ビス［α−メチル−α−（４'−ヒドロキシフェニル）エチル］ベンゼン、１，３−ビス［α−メチル−α−（４'−ヒドロキシフェニル）エチル］ベンゼン、ジ（４−ヒドロキシ−３−メチルフェニル）スルフィド、２，２'−チオビス（３−tert−オクチルフェノール）、２，２'−チオビス（４−tert−オクチルフェノール）、国際公開ＷＯ９７／１６４２０号に記載のジフェニルスルホン架橋型化合物等のフェノール性化合物、国際公開ＷＯ０２／０８１２２９号あるいは特開２００２−３０１８７３号公報記載の化合物、またＮ，Ｎ'−ジ−ｍ−クロロフェニルチオウレア等のチオ尿素化合物、ｐ−クロロ安息香酸、没食子酸ステアリル、ビス［４−（ｎ−オクチルオキシカルボニルアミノ）サリチル酸亜鉛］２水和物、４−［２−（ｐ−メトキシフェノキシ）エチルオキシ］サリチル酸、４−［３−（ｐ−トリルスルホニル）プロピルオキシ］サリチル酸、５−［ｐ−（２−ｐ−メトキシフェノキシエトキシ）クミル］サリチル酸の芳香族カルボン酸、およびこれらの芳香族カルボン酸の亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、チタン、マンガン、スズ、ニッケル等の多価金属塩との塩、さらにはチオシアン酸亜鉛のアンチピリン錯体、テレフタルアルデヒド酸と他の芳香族カルボン酸との複合亜鉛塩等が挙げられる。これらの顕色剤は、単独または２種以上混合して使用することもできる。国際公開ＷＯ９７／１６４２０号に記載のジフェニルスルホン架橋型化合物は、日本曹達（株）製商品名Ｄ−９０として入手可能である。また、国際公開ＷＯ０２／０８１２２９号等に記載の化合物は、日本曹達（株）製商品名ＮＫＫ−３９５、Ｄ−１００として入手可能である。この他、特開平１０−２５８５７７号公報記載の高級脂肪酸金属複塩や多価ヒドロキシ芳香族化合物などの金属キレート型発色成分を含有することもできる。
【００３３】
本発明の感熱記録体に使用する増感剤としては、従来公知の増感剤を使用することができる。かかる増感剤としては、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド等の脂肪酸アマイド、エチレンビスアミド、モンタン酸ワックス、ポリエチレンワックス、１，２−ジ−（３−メチルフェノキシ）エタン、ｐ−ベンジルビフェニル、β−ベンジルオキシナフタレン、４−ビフェニル−ｐ−トリルエーテル、ｍ−ターフェニル、１，２−ジフェノキシエタン、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ジ（ｐ−クロロベンジル）、シュウ酸ジ（ｐ−メチルベンジル）、テレフタル酸ジベンジル、ｐ−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、ジ−ｐ−トリルカーボネート、フェニル−α−ナフチルカーボネート、１，４−ジエトキシナフタレン、１−ヒドロキシ−２−ナフトエ酸フェニルエステル、ｏ−キシレン−ビス−（フェニルエーテル）、４−（ｍ−メチルフェノキシメチル）ビフェニル、４，４'−エチレンジオキシ−ビス−安息香酸ジベンジルエステル、ジベンゾイルオキシメタン、１，２−ジ（３−メチルフェノキシ）エチレン、ビス［２−（４−メトキシ−フェノキシ）エチル］エーテル、ｐ−ニトロ安息香酸メチル、ｐ−トルエンスルホン酸フェニルなどを例示することができるが、特にこれらに制限されるものではない。これらの増感剤は、単独または２種以上混合して使用してもよい。
【００３４】
本発明の感熱記録体に使用する電子供与性ロイコ染料、電子受容性顕色剤、その他の各種成分の種類及び量は要求される性能及び記録適性に従って決定され、特に限定されるものではないが、通常、電子供与性ロイコ染料１部に対して電子受容性顕色剤０．５〜１０部、増感剤０．５〜１０部程度が使用される。
【００３５】
上記組成からなる塗液を紙、再生紙、合成紙、フィルム、プラスチックフィルム、発泡プラスチックフィルム、不織布等任意の支持体に塗布することによって目的とする感熱記録体が得られる。またこれらを組み合わせた複合シートを支持体として使用してもよい。
【００３６】
電子供与性ロイコ染料、電子受容性顕色剤並びに必要に応じて添加する材料は、ボールミル、アトライター、サンドグライダーなどの粉砕機あるいは適当な乳化装置によって数ミクロン以下の粒子径になるまで微粒化し、バインダーおよび目的に応じて各種の添加材料を加えて塗液とする。
【００３７】
本発明の感熱記録体においては、感熱発色層上に更に保護層を設けることもできる。
該保護層としては、顔料と樹脂を主成分とすることが多く、例えば、ポリビニルアルコールや澱粉などの水溶性高分子が主成分として用いられる。
【００３８】
本発明の感熱記録体はさらに、発色感度を高める目的で、填料を含有した高分子物質等のアンダーコート層を感熱記録層の下に設けることもできる。支持体の感熱記録層とは反対面にバックコート層を設け、カールの矯正を図ることも可能である。また、各層の塗工後にスーパーカレンダーがけ等の平滑化処理を施すなど、感熱記録体分野における各種公知の技術を必適宜付加することができる。
【実施例】
【００３９】
以下に本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。なお、各実施例中、特にことわらない限り「部」は「重量部」を示す。
［実施例１］
下記配合からなる配合物を攪拌分散して、アンダーコート層塗布液を調製した。
Ｕ液（アンダーコート層塗布液）
焼成カオリン（エンゲルハード社製商品名：アンシレックス９０、
<吸油量９０ｃｃ／１００ｇ>）
１００部
スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス（固形分４８％） ４０部
ポリビニルアルコール １０％水溶液 ３０部
水 １４６部
次いで、アンダーコート層塗布液を支持体（５０ｇ／ｍ２の基紙）の片面にバリバーブレードコーティングした後、乾燥を行ない、乾燥塗布量１０．０ｇ／ｍ２ のアンダーコート層塗工紙を得た。
下記配合の顕色剤分散液（Ａ液）、ロイコ染料分散液（Ｂ液）、及び増感剤分散液（Ｃ液）を、それぞれ別々にサンドグラインダーで平均粒子径０．５ミクロンになるまで湿式磨砕を行なった。
Ａ液（顕色剤分散液）
４−ヒドロキシ−４’−イソプロポキシジフェニルスルホン ６．０部
ポリビニルアルコール １０％水溶液 １８．８部
水 ８．０部
Ｂ液（ロイコ染料分散液）
３−ジブチルアミノ−６−メチル−７−アニリノフルオラン（ＯＤＢ−２）
２．０部
ポリビニルアルコール １０％水溶液 ４．６部
水 ２．６部
Ｃ液（増感剤分散液）
シュウ酸ジベンジル ６．０部
ポリビニルアルコール １０％水溶液 １８．８部
水 ８．０部
【００４０】
次いで下記の割合で分散液を混合して感熱記録層の塗布液とした。
感熱記録層塗布液
Ａ液（顕色剤分散液） ３２．１部
Ｂ液（ロイコ染料分散液） ９．２部
Ｃ液（増感剤分散液） ３２．８部
カオリンクレー（５０％分散液） １２．０部
高分子会合型増粘剤（変性ポリカルボン酸、ＳＮ４Ｘ ４０２７、サンノプコ社製、固形分４０％） ０．１７５部
水 ３．５部
アセチレン系界面活性剤
（２，３，７，９−テトラメチル−５デシン−４，７−ジオール、サーフィノール１０４
Ｐ、日信化学社、５０％） ０．８部
塗工方式 ：スロット型カーテン
塗工速度 ：６５０ｍ／ｍｉｎ．
塗料濃度 ：２７％
【００４１】
次いで、感熱記録層塗料を真空脱泡機を用いて脱気処理した後、上記カーテン塗工装置を用いてカーテン膜に形成して支持体上に塗布後、乾燥後、このシートをスーパーカレンダーで処理後、目標とする感熱記録紙を得た。尚、カーテン塗工装置から吐出する塗工液の流量は、５．０ｋｇ／ｍｉｎ／ｍとなるように調整した。
【００４２】
［実施例２］
実施例２の感熱記録層塗料の高分子会合型増粘剤の配合部数を０．３７５部に変更した以外は、実施例１と同様にして感熱記録体を得た。
【００４３】
［実施例３］
実施例１の感熱記録層塗料のアセチレン系界面活性剤０．８部を、左右対称のアセチレン系界面活性剤（サーフィノールＤＦ１１０Ｄ、日信化学社製、固形分３２％）１．２５部、カーテン塗工装置から吐出する塗工液の流量を４．０ｋｇ／ｍｉｎ／ｍに変更した以外は実施例１と同様にして感熱記録体を得た。
【００４４】
［実施例４］
カーテン塗工装置からの吐出する塗工液の流量を５．０ｋｇ／ｍｉｎ／ｍに変更した以外は実施例３同様にして感熱記録体を得た。
【００４５】
［実施例５］
カーテン塗工装置からの吐出する塗工液の流量を７．０ｋｇ／ｍｉｎ／ｍに変更した以外は実施例３と同様にして感熱記録体を得た。
【００４６】
［実施例６］
実施例４の感熱記録層塗料のポリカルボン酸系増粘剤の配合部数を０．７５部に変更した以外は実施例４と同様にして感熱記録体を得た。
【００４７】
［比較例１］
実施例１の高分子会合型増粘剤０．１７５部を高分子型増粘剤であるＳＮシックナー９２９Ｓ（変性ポリアクリル酸塩、サンノプコ社製、固形分１２％）４．１７部に変更した以外は実施例１と同様にして感熱記録体を得た。
【００４８】
［比較例２］
比較例１の感熱記録層塗料のアセチレン系界面活性剤０．８部を、左右対称のアセチレン系界面活性剤サーフィノールＤＦ１１０Ｄ１．２５部に変更した以外は、比較例１と同様にして感熱記録体を得た。
【００４９】
［塗工欠陥］
作成した感熱記録体２００枚（Ａ４サイズ）を送風乾燥器（１０５℃、１０分）処理し、塗工欠陥数（白抜け数）を下記の基準で判断した。
◎：２００枚中の塗工欠陥数が０である。
○：２００枚中の塗工欠陥数が１〜５個である。
×：２００枚中の塗工欠陥数が５〜10個である。
［ネックイン］
カーテンヘッドから塗工液を供給した時、エッジガイドから塗料の薄膜が離れる頻度を下記の基準で判断した。
◎：カーテン膜がエッジガイドから離れない。
○：エッジガイドからカーテン膜が１０分以上に１回程度の頻度で離れる。
△：エッジガイドからカーテン膜が１分以上に１回の頻度で離れる。
［画質］
大倉電機社製のＴＨ−ＰＭＤを使用し、作成した感熱記録体に印加エネルギー０．３４ｍＪ／ｄｏｔで印字を行なった。印字後の画質を下記の基準で評価した。
○：全くムラが見られない。
×：僅かにムラが見られる。
［表面張力］
表面張力計（CBVP-Z、協和界面化学株式会社製）を用いて、塗料の静的表面張力を測定した。
［破断時間（洩糸性）］
伸長粘度計（CaBER1、Thermo Haake社製）を用いて、塗料の破断時間を測定した。
【００５０】
【表１】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、電子供与性ロイコ染料と電子受容性顕色剤の発色反応を利用した感熱記録体に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
一般に、感熱記録体は通常無色ないし淡色の電子供与性ロイコ染料とフェノール性化合物等の電子受容性顕色剤とを、それぞれ微細な粒子に磨砕分散した後、両者を混合し、バインダー、充填剤、感度向上剤、滑剤およびその他の助剤を添加して得られた塗液を、紙、合成紙、フィルム、プラスチック等の支持体に塗工したものであり、サーマルヘッド、ホットスタンプ、熱ペン、レーザー光等の加熱による瞬時の化学反応により発色し、記録画像が得られる。感熱記録体は、ファクシミリ、コンピューターの端末プリンタ、自動券売機、計測用レコーダー等に広範囲に使用されている。
感熱記録体を構成している感熱記録層、アンダー層、保護層などの形成には様々な塗工方式を用いることができるが、各層の塗工法（形成方法）の違いよって、その品質に違いが生じる。このため、感熱記録層の膜厚を均一にすることで良好な画質を得るために、感熱記録層をカーテン塗工によって形成させることが行われている（引用文献１〜４）。また、カーテン膜を安定的に形成するために塗料物性（貯蔵弾性率、Ｂ型粘度、表面張力）に着目した技術が開示されている（引用文献５、６）。
【０００３】
【特許文献１】特許３６８３６６１号
【特許文献２】特開２００１−１３８６３１号公報
【特許文献３】特開２００１−１３８６３２号公報
【特許文献４】特開２００１−１８５２６号公報
【特許文献５】特開２００１−１４９８５１号公報
【特許文献６】特開２００５−２７０９５４号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかしながら、感熱記録体の感熱記録層は、固形分で２〜８ｇ／ｍ２程度と少ない塗工量範囲で均一な膜厚（感熱記録層厚）にすることが求められるため、バーブレードなどの接触型の塗工方式を用いた場合、低塗工量の塗工層を形成することは可能であるものの、支持体の凹凸の影響により、均一な膜厚の塗工層を得ることが困難であった。一方、非接触型であり輪郭塗工できるカーテン塗工方式を用いた場合、均一な膜厚の塗工層を凹凸のある支持体上に形成することは可能であり、塗料の濃度の調整、増粘剤や界面活性剤の添加による塗料物性（Ｂ型粘度、表面張力）の調整により低塗工量の塗工層を得ることも可能であるが、従来から使用されている増粘剤や界面活性剤を使用した場合、十分な品質（画質）を得ることが困難であった。
そこで、本発明の課題は、カーテン塗工方式により、低塗工量、且つ均一な感熱記録層を形成された画質に優れた感熱記録体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
本発明者らは、上記課題を鋭意検討した結果、支持体上に、無色ないし淡色の電子共与性ロイコ染料及び電子受容性顕色剤を含有する感熱記録体において、該感熱記録層が高分子会合型の増粘剤を含有する塗料をカーテン塗工方式で設ることにより、本課題が解決することを見出し、本発明に到達した。
特に、前記高分子会合型の増粘剤を含有する塗料がアセチレン基を有するノニオン性界面活性剤、特に望ましくは左右対称の構造を有するノニオン性界面活性剤を含有することで、更に感熱記録体の画質が良好になることを見出し、本発明に到達した。
【発明の効果】
【０００６】
本発明によれば、カーテン塗工方式により低塗工量、且つ均一な感熱記録層を形成することが可能となり、画質に優れた感熱記録体を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００７】
以下、本発明の具体的な詳細について説明する。
本発明は、支持体上に、無色ないし淡色の電子共与性ロイコ染料及び電子受容性顕色剤を含有する感熱記録層を設けた感熱記録体において、該感熱記録層が高分子会合型の増粘剤を含有する塗料をカーテン塗工方式で設けたことを特徴とする感熱記録体に関する。
【０００８】
カーテン塗工方式で低塗工量の塗工層を形成する方法としては、一般に塗料濃度を調整することや、塗液の流量を調整することが行なわれている。しかし、感熱記録層に用いられる塗液は通常固形分濃度が３０％以下であり、一般のコート紙の塗料の半分以下の濃度である。このため、感熱記録体の塗料を希釈した塗料を用いた場合は乾燥負荷が大きくなるといった操業上問題が発生する。また、塗料の表面張力の上昇により安定したカーテン膜の形成が困難になるとともに、Ｂ型粘度の低下によるヒール（支持体と塗料の接触した部分に液だまりが発生する現象）の発生により、均一な塗工層を形成することが困難となる。一方、流量を調整した場合には乾燥負荷の増大の問題はなくなるものの、薄いカーテン膜を安定的に形成させるためには、流量にあわせて塗液のＢ型粘度、表面張力を調整する必要がある。なお、塗料のＢ型粘度が高過ぎると支持体上に塗料が均一に広がらないために塗工ムラが発生する。
【０００９】
カーテン塗工において、特に低塗工量の塗工層を形成させる場合、具体的には塗料の流量を３〜７ｋｇ／分・ｍで塗工層を形成させる場合は、感熱記録層の塗料は、Ｂ型粘度が２００〜１５００ｍＰａ・ｓ、表面張力は４５ｍＮ／ｍ以下に調整することが望ましく、従来から使用されている高分子増粘剤と界面活性剤を用いて塗料物性（Ｂ型粘度、表面張力）を上記の範囲に調整することが可能であり、カーテン塗工時に発生するカーテン膜の形成やヒールの発生などの問題は発生しなくなる。しかしながら、十分な品質の画質が得られないといった問題が発生する。
【００１０】
本発明の高分子会合型の増粘剤及び界面活性剤を含有する塗料を用いて、感熱記録層をカーテン塗工法により形成させることで、優れた画質の感熱記録体を製造することができる理由は次のように推測される。
従来から使用されている分子量が数十万〜数千万である高分子型増粘剤は、塗料中に増粘剤分子が広がり、長鎖高分子である増粘剤の絡み合いにより増粘する。この場合、塗料全体の粘度は大きく増加するが、塗料中の顔料、バインダーなどの自由度は大きく制限してしまうため、塗料中の各構成成分は均一に混じりあわない状態で存在していると推測される。このため、優れた画像を得ることができないと考えられる。
また、分子中に疎水性の会合基を有する会合型増粘剤は、塗料中の顔料、バインダー、あるいは会合型増粘剤同士が分子間力や水素結合などによって会合（結合、反応）し、塗料中に擬似的な高分子のネットワーク（網目構造）を形成することによって増粘する。一般に、会合型増粘剤は会合性を高めるために、その分子量を数千〜数万程度と調整しているため、高分子型増粘剤と比べてその増粘効果は小さく、高分子型を使用した場合と同程度のＢ型粘度に調整するには、過剰に配合する必要があり、感熱記録体の発色感度などの基本性能に悪影響を及ぼす恐れがあるため、一般的には使用されない。
【００１１】
一方、本発明で使用される高分子会合型増粘剤は、分子量が数十万〜数千万であり、分子中に会合基を有しているため、長鎖高分子である増粘剤の絡み合いにより少ない配合量で増粘するとともに、塗料中の各構成成分とも会合するため、塗料中の各構成物質が均一に混合した状態を保持することができる推測される。このため、優れた画像を得られると考えられる。
また、本発明で使用される高分子会合型増粘剤を使用した塗料は高分子型増粘剤と比較して、塗料の洩糸性（伸びやすさ）が大幅に改善される。このことにより、塗料が支持体表面で均一に広がるため、良好な画像が得られる一因であると考えられる。洩糸性が改善される理由は、長鎖高分子である増粘剤の絡み合いによる大きなネットワークと増粘剤の会合基による小さなネットワークが同一の増粘剤で形成されることによる相乗効果であると考えられる。
なお、塗料の洩糸性は、伸長粘度計（機器名：CaBER1、Thermo Haake社製）によって塗料の破断時間を測定することによって評価することができ、本発明においては、破断時間が３．０×１０−２秒以上、より好ましくは１０．０×１０−２秒以上に調整することが望ましい。
本発明において、高分子会合型の増粘剤の具体例としてＳＮ４Ｘ４０２７（変性ポリカルボン酸のＷ／Ｏエマルジョン型、サンノプコ社製）などを例示することができるが、これに限定されるものではない。
【００１２】
本発明において、感熱記録層の塗料に含有される界面活性剤としては、イオン性界面活性剤として高級脂肪酸塩、高級アルコール硫酸エステル、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル、アルキルアリルスルホン酸塩、非イオン性界面活性剤としてポリオキシアルキレン高級脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミンなどを例示することができ、これらを単独あるいは２種類以上組み合わせて使用するでき、特にこれらに限定されるものではないが、これらの中では感熱塗料中の表面張力を下げる効果の点から、アセチレン基を有する非イオン性の界面活性剤（以下、アセチレン系界面活性剤と略す。）を使用することが望ましく、更に左右対称構造のアセチレン系界面活性剤を用いることが望ましい。この左右対称構造のアセチレン系界面活性剤は、三重結合を中心軸に疎水基、親水基同士を同じ向きに配向しやすく、かつ塗料表面において疎水基を外側に、親水基を内側に配向しやすいため、少ない添加量で優れた効果（低表面張力化）が発現すると推測される。
【００１３】
本発明において、左右対称の構造をもつアセチレン系界面活性剤とは、アセチレン基を中心に、両側に親水基と疎水基を共に有する構造を有する界面活性剤であり、具体的にサーフィノール１０４（日信化学社製）やサーフィノールＤＦ１１０Ｄ（日信化学社製）が挙げられる。
【００１４】
本発明において、塗工液に高分子会合型の増粘剤とアセチレン基を有する非イオン性界面活性剤を併用することで、高い曳糸性と低い表面張力を両立することが可能なため、塗工時のカーテン膜の安定性が向上することに加え、塗料が支持体表面で均一に広がるため、優れた画質が得られると考えられる。
【００１５】
本発明の感熱記録体の製造方法は、３〜７ｋｇ／分・ｍに調整した塗料の流量で２〜８ｇ／ｍ２（固形分）の塗工層を形成させた場合に特に優れた効果が発現する。
【００１６】
本発明において、塗液の表面張力は、４５ｍＮ／ｍ以下が好ましく、より好ましくは３０〜４０Ｎ／ｍである。これらは、複数種の塗液を用いて、カーテン膜が複数の塗液層から成る場合には、各塗液に関する物性に関するものである。カーテン塗布装置における塗料の流量は、一定時間且つ一定長さのカーテン膜を実測して測定した値である。塗料の表面張力は、表面張力計（CBVP-Z、協和界面化学株式会社製）によって測定した値である。
【００１７】
更に、本発明で使用する塗液の物性として、Ｂ型粘度が２００〜１５００ｍＰａ・ｓであることが望ましい。Ｂ型粘度が高い場合は塗工層のレベリングが不十分となり塗工ムラの原因となり、Ｂ型粘度が低い場合は塗液と支持体が接触したときに塗液がはじかれ塗工ムラが発生する。
【００１８】
本発明において、塗液の表面張力、Ｂ型粘度は、増粘剤及び界面活性剤によって調整することが可能であるが、界面活性剤、増粘剤は感熱記録体の過剰な添加は、感熱記録体の品質に悪影響を与える恐れがある。このため、界面活性剤の添加量（乾燥重量）は、感熱記録層（乾燥重量）に対して２重量％以下、保護層（乾燥重量）に対して６％以下、インク受理層（乾燥重量）に対して１％以下であることが望ましい。また、増粘剤（乾燥重量）の添加量は感熱記録層（乾燥重量）に対して２重量％以下、保護層（乾燥重量）に対して９％以下、インク受理層（乾燥重量）に対して１％以下であることが望ましい。
【００１９】
本発明の感熱発色層に使用される各種材料を例示するが、増粘剤、界面活性剤は上記課題に対する所望の効果を阻害しない範囲で併用することができ、バインダー、架橋剤、顔料、界面活性剤、増粘剤などは感熱記録層のみならずアンダー層、保護層をはじめとする必要に応じて設けられた各塗工層にも使用することができる。
【００２０】
本発明において、併用できる増粘剤としてはヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、気相法シリカ、コロイダルシリカ、有機変成ベントナイト、水添加ヒマシ油、アマイドワックス、酸化ポリエチレン、金属石鹸、ジベンジリデンソルビトール等が挙げられる。
【００２１】
本発明で使用する界面活性剤としては、高級脂肪酸塩、高級アルコール硫酸エステル、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル、アルキルアリルスルホン酸塩、非イオン性界面活性剤としてポリオキシアルキレン高級脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン等が挙げられる。
【００２２】
本発明で使用するバインダーとしては、完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、アセトアセチル化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アマイド変性ポリビニルアルコール、スルホン酸変性ポリビニルアルコール、ブチラール変性ポリビニルアルコール、オレフィン変性ポリビニルアルコール、ニトリル変性ポリビニルアルコール、ピロリドン変性ポリビニルアルコール、シリコーン変性ポリビニルアルコール、その他の変性ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体並びにエチルセルロース、アセチルセルロースのようなセルロース誘導体、カゼイン、アラビヤゴム、酸化澱粉、エーテル化澱粉、ジアルデヒド澱粉、エステル化澱粉、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸エステル、ポリビニルブチラール、ポリスチロースおよびそれらの共重合体、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、石油樹脂、テルペン樹脂、ケトン樹脂、クマロ樹脂などを例示することができる。これらの高分子物質は水、アルコール、ケトン類、エステル類、炭化水素などの溶剤に溶かして使用するほか、水又は他の媒体中に乳化又はペースト状に分散した状態で使用し、要求品質に応じて併用することも出来る。
【００２３】
本発明で使用する架橋剤としては、グリオキザール、メチロールメラミン、メラミンホルムアルデヒド樹脂、メラミン尿素樹脂、ポリアミンエピクロロヒドリン樹脂、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ソーダ、塩化第二鉄、塩化マグネシウム、ホウ砂、ホウ酸、ミョウバン、塩化アンモニウムなどを例示することができる。
【００２４】
本発明で使用する顔料としては、シリカ、炭酸カルシウム、カオリン、焼成カオリン、ケイソウ土、タルク、酸化チタン、水酸化アルミニウムなどの無機または有機充填剤などが挙げられる。保護層中に用いる顔料としてはサーマルヘッドの摩耗性などを考慮した場合、水酸化アルミニウムやカオリンが好ましい。
【００２５】
本発明で使用する滑剤としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩、ワックス類、シリコーン樹脂類などが挙げられる。
また、本発明においては、上記課題に対する所望の効果を阻害しない範囲で、記録画像の耐油性効果などを示す画像安定剤として、４，４'−ブチリデン（６−ｔ−ブチル−３−メチルフェノール）、２，２'−ジ−ｔ−ブチル−５，５'−ジメチル−４，４'−スルホニルジフェノール、１，１，３−トリス（２−メチル−４−ヒドロキシ−５−シクロヘキシルフェニル）ブタン、１，１，３−トリス（２−メチル−４−ヒドロキシ−５−ｔ−ブチルフェニル）ブタン、４−ベンジルオキシ−４'−（２，３−エポキシ−２−メチルプロポキシ）ジフェニルスルホン等を添加することもできる。
このほかにベンゾフェノン系やトリアゾール系の紫外線吸収剤、分散剤、消泡剤、酸化防止剤、蛍光染料等を使用することができる。
【００２６】
本発明で使用する電子供与性ロイコ染料としては、従来の感圧あるいは感熱記録紙分野で公知のものは全て使用可能であり、特に制限されるものではないが、トリフェニルメタン系化合物、フルオラン系化合物、フルオレン系、ジビニル系化合物等が好ましい。以下に代表的な無色ないし淡色の染料（染料前駆体）の具体例を示す。また、これらの染料前駆体は単独または２種以上混合して使用してもよい。
【００２７】
＜トリフェニルメタン系ロイコ染料＞
３，３−ビス（ｐ−ジメチルアミノフェニル）−６−ジメチルアミノフタリド〔別名クリスタルバイオレットラクトン〕
３，３−ビス（ｐ−ジメチルアミノフェニル）フタリド〔別名マラカイトグリーンラクトン〕
【００２８】
＜フルオラン系ロイコ染料＞
３−ジエチルアミノ−６−メチルフルオラン
３−ジエチルアミノ−６−メチル−７−アニリノフルオラン
３−ジエチルアミノ−６−メチル−７−（ｏ，ｐ−ジメチルアニリノ）フルオラン
３−ジエチルアミノ−６−メチル−７−クロロフルオラン
３−ジエチルアミノ−６−メチル−７−（ｍ−トリフルオロメチルアニリノ）フルオラン
３−ジエチルアミノ−６−メチル−７−（ｏ−クロロアニリノ）フルオラン
３−ジエチルアミノ−６−メチル−７−（ｐ−クロロアニリノ）フルオラン
３−ジエチルアミノ−６−メチル−７−（ｏ−フルオロアニリノ）フルオラン
３−ジエチルアミノ−６−メチル−７−（ｍ−メチルアニリノ）フルオラン
３−ジエチルアミノ−６−メチル−７−ｎ−オクチルアニリノフルオラン
３−ジエチルアミノ−６−メチル−７−ｎ−オクチルアミノフルオラン
３−ジエチルアミノ−６−メチル−７−ベンジルアミノフルオラン
３−ジエチルアミノ−６−メチル−７−ジベンジルアミノフルオラン
３−ジエチルアミノ−６−クロロ−７−メチルフルオラン
３−ジエチルアミノ−６−クロロ−７−アニリノフルオラン
３−ジエチルアミノ−６−クロロ−７−ｐ−メチルアニリノフルオラン
３−ジエチルアミノ−６−エトキシエチル−７−アニリノフルオラン
３−ジエチルアミノ−７−メチルフルオラン
３−ジエチルアミノ−７−クロロフルオラン
３−ジエチルアミノ−７−（ｍ−トリフルオロメチルアニリノ）フルオラン
３−ジエチルアミノ−７−（ｏ−クロロアニリノ）フルオラン
３−ジエチルアミノ−７−（ｐ−クロロアニリノ）フルオラン
３−ジエチルアミノ−７−（ｏ−フルオロアニリノ）フルオラン
３−ジエチルアミノ−ベンゾ〔ａ〕フルオラン
３−ジエチルアミノ−ベンゾ〔ｃ〕フルオラン
３−ジブチルアミノ−６−メチル−フルオラン
３−ジブチルアミノ−６−メチル−７−アニリノフルオラン
３−ジブチルアミノ−６−メチル−７−（ｏ，ｐ−ジメチルアニリノ）フルオラン
３−ジブチルアミノ−６−メチル−７−（ｏ−クロロアニリノ）フルオラン
３−ジブチルアミノ−６−メチル−７−（ｐ−クロロアニリノ）フルオラン
３−ジブチルアミノ−６−メチル−７−（ｏ−フルオロアニリノ）フルオラン
３−ジブチルアミノ−６−メチル−７−（ｍ−トリフルオロメチルアニリノ）フルオラン
３−ジブチルアミノ−６−メチル−７−クロロフルオラン
３−ジブチルアミノ−６−エトキシエチル−７−アニリノフルオラン
３−ジブチルアミノ−６−クロロ−７−アニリノフルオラン
３−ジブチルアミノ−６−メチル−７−ｐ−メチルアニリノフルオラン
３−ジブチルアミノ−７−（ｏ−クロロアニリノ）フルオラン
３−ジブチルアミノ−７−（ｏ−フルオロアニリノ）フルオラン
３−ジ−ｎ−ペンチルアミノ−６−メチル−７−アニリノフルオラン
３−ジ−ｎ−ペンチルアミノ−６−メチル−７−（ｐ−クロロアニリノ）フルオラン
３−ジ−ｎ−ペンチルアミノ−７−（ｍ−トリフルオロメチルアニリノ）フルオラン
３−ジ−ｎ−ペンチルアミノ−６−クロロ−７−アニリノフルオラン
３−ジ−ｎ−ペンチルアミノ−７−（ｐ−クロロアニリノ）フルオラン
３−ピロリジノ−６−メチル−７−アニリノフルオラン
３−ピペリジノ−６−メチル−７−アニリノフルオラン
３−（Ｎ−メチル−Ｎ−プロピルアミノ）−６−メチル−７−アニリノフルオラン
３−（Ｎ−メチル−Ｎ−シクロヘキシルアミノ）−６−メチル−７−アニリノフルオラン
３−（Ｎ−エチル−Ｎ−シクロヘキシルアミノ）−６−メチル−７−アニリノフルオラン
３−（Ｎ−エチル−Ｎ−キシルアミノ）−６−メチル−７−（ｐ−クロロアニリノ）フルオラン
３−（Ｎ−エチル−ｐ−トルイディノ）−６−メチル−７−アニリノフルオラン
３−（Ｎ−エチル−Ｎ−イソアミルアミノ）−６−メチル−７−アニリノフルオラン
３−（Ｎ−エチル−Ｎ−イソアミルアミノ）−６−クロロ−７−アニリノフルオラン
３−（Ｎ−エチル−Ｎ−テトラヒドロフルフリルアミノ）−６−メチル−７−アニリノフルオラン
３−（Ｎ−エチル−Ｎ−イソブチルアミノ）−６−メチル−７−アニリノフルオラン
３−（Ｎ−エチル−Ｎ−エトキシプロピルアミノ）−６−メチル−７−アニリノフルオラン
３−シクロヘキシルアミノ−６−クロロフルオラン
２−（４−オキサヘキシル）−３−ジメチルアミノ−６−メチル−７−アニリノフルオラン
２−（４−オキサヘキシル）−３−ジエチルアミノ−６−メチル−７−アニリノフルオラン
２−（４−オキサヘキシル）−３−ジプロピルアミノ−６−メチル−７−アニリノフルオラン
２−メチル−６−ｐ−（ｐ−ジメチルアミノフェニル）アミノアニリノフルオラン
２−メトキシ−６−ｐ−（ｐ−ジメチルアミノフェニル）アミノアニリノフルオラン
２−クロロ−３−メチル−６−ｐ−（ｐ−フェニルアミノフェニル）アミノアニリノフルオラン
２−クロロ−６−ｐ−（ｐ−ジメチルアミノフェニル）アミノアニリノフルオラン
２−ニトロ−６−ｐ−（ｐ−ジエチルアミノフェニル）アミノアニリノフルオラン
２−アミノ−６−ｐ−（ｐ−ジエチルアミノフェニル）アミノアニリノフルオラン
２−ジエチルアミノ−６−ｐ−（ｐ−ジエチルアミノフェニル）アミノアニリノフルオラン
２−フェニル−６−メチル−６−ｐ−（ｐ−フェニルアミノフェニル）アミノアニリノフルオラン
２−ベンジル−６−ｐ−（ｐ−フェニルアミノフェニル）アミノアニリノフルオラン
２−ヒドロキシ−６−ｐ−（ｐ−フェニルアミノフェニル）アミノアニリノフルオラン
３−メチル−６−ｐ−（ｐ−ジメチルアミノフェニル）アミノアニリノフルオラン
３−ジエチルアミノ−６−ｐ−（ｐ−ジエチルアミノフェニル）アミノアニリノフルオラン
３−ジエチルアミノ−６−ｐ−（ｐ−ジブチルアミノフェニル）アミノアニリノフルオラン
２，４−ジメチル−６−〔（４−ジメチルアミノ）アニリノ〕−フルオラン
【００２９】
＜フルオレン系ロイコ染料＞
３，６，６'−トリス（ジメチルアミノ）スピロ〔フルオレン−９，３'−フタリド〕
３，６，６'−トリス（ジエチルアミノ）スピロ〔フルオレン−９，３'−フタリド〕
【００３０】
＜ジビニル系ロイコ染料＞
３，３−ビス−〔２−（ｐ−ジメチルアミノフェニル）−２−（ｐ−メトキシフェニル）エテニル〕−４，５，６，７−テトラブロモフタリド
３，３−ビス−〔２−（ｐ−ジメチルアミノフェニル）−２−（ｐ−メトキシフェニル）エテニル〕−４，５，６，７−テトラクロロフタリド
３，３−ビス−〔１，１−ビス（４−ピロリジノフェニル）エチレン−２−イル〕−４，５，６，７−テトラブロモフタリド
３，３−ビス−〔１−（４−メトキシフェニル）−１−（４−ピロリジノフェニル）エチレン−２−イル〕−４，５，６，７−テトラクロロフタリド
【００３１】
＜その他＞
３−（４−ジエチルアミノ−２−エトキシフェニル）−３−（１−エチル−２−メチルインドール−３−イル）−４−アザフタリド
３−（４−ジエチルアミノ−２−エトキシフェニル）−３−（１−オクチル−２−メチルインドール−３−イル）−４−アザフタリド
３−（４−シクロヘキシルエチルアミノ−２−メトキシフェニル）−３−（１−エチル−２−メチルインドール−３−イル）−４−アザフタリド
３，３−ビス（１−エチル−２−メチルインドール−３−イル）フタリド
３，６−ビス（ジエチルアミノ）フルオラン−γ−（３'−ニトロ）アニリノラクタム
３，６−ビス（ジエチルアミノ）フルオラン−γ−（４'−ニトロ）アニリノラクタム
１，１−ビス−〔２'，２'，２''，２''−テトラキス−（ｐ−ジメチルアミノフェニル）−エテニル〕−２，２−ジニトリルエタン
１，１−ビス−〔２'，２'，２''，２''−テトラキス−（ｐ−ジメチルアミノフェニル）−エテニル〕−２−β−ナフトイルエタン
１，１−ビス−〔２'，２'，２''，２''−テトラキス−（ｐ−ジメチルアミノフェニル）−エテニル〕−２，２−ジアセチルエタン
ビス−〔２，２，２'，２'−テトラキス−（ｐ−ジメチルアミノフェニル）−エテニル〕−メチルマロン酸ジメチルエステル
【００３２】
本発明で用いられる電子受容性顕色剤としては、従来の感圧あるいは感熱記録紙の分野で公知のものがすべて使用可能であり、特に制限されるものではないが、例えば、活性白土、アタパルジャイト、コロイダルシリカ、珪酸アルミニウムなどの無機酸性物質、４，４'−イソプロピリデンジフェノール、１，１−ビス（４−ヒドロキシフェニル）シクロヘキサン、２，２−ビス（４−ヒドロキシフェニル）−４−メチルペンタン、４，４'−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、ヒドロキノンモノベンジルエーテル、４−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、４，４'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、２，４'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、４−ヒドロキシ−４'−イソプロポキシジフェニルスルホン、４−ヒドロキシ−４'−ｎ−プロポキシジフェニルスルホン、ビス（３−アリル−４−ヒドロキシフェニル）スルホン、４−ヒドロキシ−４'−メチルジフェニルスルホン、４−ヒドロキシフェニル−４'−ベンジルオキシフェニルスルホン、３，４−ジヒドロキシフェニル−４'−メチルフェニルスルホン、特開平８−５９６０３号公報記載のアミノベンゼンスルホンアミド誘導体、ビス（４−ヒドロキシフェニルチオエトキシ）メタン、１，５−ジ（４−ヒドロキシフェニルチオ）−３−オキサペンタン、ビス（ｐ−ヒドロキシフェニル）酢酸ブチル、ビス（ｐ−ヒドロキシフェニル）酢酸メチル、１，１−ビス（４−ヒドロキシフェニル）−１−フェニルエタン、１，４−ビス［α−メチル−α−（４'−ヒドロキシフェニル）エチル］ベンゼン、１，３−ビス［α−メチル−α−（４'−ヒドロキシフェニル）エチル］ベンゼン、ジ（４−ヒドロキシ−３−メチルフェニル）スルフィド、２，２'−チオビス（３−tert−オクチルフェノール）、２，２'−チオビス（４−tert−オクチルフェノール）、国際公開ＷＯ９７／１６４２０号に記載のジフェニルスルホン架橋型化合物等のフェノール性化合物、国際公開ＷＯ０２／０８１２２９号あるいは特開２００２−３０１８７３号公報記載の化合物、またＮ，Ｎ'−ジ−ｍ−クロロフェニルチオウレア等のチオ尿素化合物、ｐ−クロロ安息香酸、没食子酸ステアリル、ビス［４−（ｎ−オクチルオキシカルボニルアミノ）サリチル酸亜鉛］２水和物、４−［２−（ｐ−メトキシフェノキシ）エチルオキシ］サリチル酸、４−［３−（ｐ−トリルスルホニル）プロピルオキシ］サリチル酸、５−［ｐ−（２−ｐ−メトキシフェノキシエトキシ）クミル］サリチル酸の芳香族カルボン酸、およびこれらの芳香族カルボン酸の亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、チタン、マンガン、スズ、ニッケル等の多価金属塩との塩、さらにはチオシアン酸亜鉛のアンチピリン錯体、テレフタルアルデヒド酸と他の芳香族カルボン酸との複合亜鉛塩等が挙げられる。これらの顕色剤は、単独または２種以上混合して使用することもできる。国際公開ＷＯ９７／１６４２０号に記載のジフェニルスルホン架橋型化合物は、日本曹達（株）製商品名Ｄ−９０として入手可能である。また、国際公開ＷＯ０２／０８１２２９号等に記載の化合物は、日本曹達（株）製商品名ＮＫＫ−３９５、Ｄ−１００として入手可能である。この他、特開平１０−２５８５７７号公報記載の高級脂肪酸金属複塩や多価ヒドロキシ芳香族化合物などの金属キレート型発色成分を含有することもできる。
【００３３】
本発明の感熱記録体に使用する増感剤としては、従来公知の増感剤を使用することができる。かかる増感剤としては、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド等の脂肪酸アマイド、エチレンビスアミド、モンタン酸ワックス、ポリエチレンワックス、１，２−ジ−（３−メチルフェノキシ）エタン、ｐ−ベンジルビフェニル、β−ベンジルオキシナフタレン、４−ビフェニル−ｐ−トリルエーテル、ｍ−ターフェニル、１，２−ジフェノキシエタン、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ジ（ｐ−クロロベンジル）、シュウ酸ジ（ｐ−メチルベンジル）、テレフタル酸ジベンジル、ｐ−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、ジ−ｐ−トリルカーボネート、フェニル−α−ナフチルカーボネート、１，４−ジエトキシナフタレン、１−ヒドロキシ−２−ナフトエ酸フェニルエステル、ｏ−キシレン−ビス−（フェニルエーテル）、４−（ｍ−メチルフェノキシメチル）ビフェニル、４，４'−エチレンジオキシ−ビス−安息香酸ジベンジルエステル、ジベンゾイルオキシメタン、１，２−ジ（３−メチルフェノキシ）エチレン、ビス［２−（４−メトキシ−フェノキシ）エチル］エーテル、ｐ−ニトロ安息香酸メチル、ｐ−トルエンスルホン酸フェニルなどを例示することができるが、特にこれらに制限されるものではない。これらの増感剤は、単独または２種以上混合して使用してもよい。
【００３４】
本発明の感熱記録体に使用する電子供与性ロイコ染料、電子受容性顕色剤、その他の各種成分の種類及び量は要求される性能及び記録適性に従って決定され、特に限定されるものではないが、通常、電子供与性ロイコ染料１部に対して電子受容性顕色剤０．５〜１０部、増感剤０．５〜１０部程度が使用される。
【００３５】
上記組成からなる塗液を紙、再生紙、合成紙、フィルム、プラスチックフィルム、発泡プラスチックフィルム、不織布等任意の支持体に塗布することによって目的とする感熱記録体が得られる。またこれらを組み合わせた複合シートを支持体として使用してもよい。
【００３６】
電子供与性ロイコ染料、電子受容性顕色剤並びに必要に応じて添加する材料は、ボールミル、アトライター、サンドグライダーなどの粉砕機あるいは適当な乳化装置によって数ミクロン以下の粒子径になるまで微粒化し、バインダーおよび目的に応じて各種の添加材料を加えて塗液とする。
【００３７】
本発明の感熱記録体においては、感熱発色層上に更に保護層を設けることもできる。
該保護層としては、顔料と樹脂を主成分とすることが多く、例えば、ポリビニルアルコールや澱粉などの水溶性高分子が主成分として用いられる。
【００３８】
本発明の感熱記録体はさらに、発色感度を高める目的で、填料を含有した高分子物質等のアンダーコート層を感熱記録層の下に設けることもできる。支持体の感熱記録層とは反対面にバックコート層を設け、カールの矯正を図ることも可能である。また、各層の塗工後にスーパーカレンダーがけ等の平滑化処理を施すなど、感熱記録体分野における各種公知の技術を必適宜付加することができる。
【実施例】
【００３９】
以下に本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。なお、各実施例中、特にことわらない限り「部」は「重量部」を示す。
［実施例１］
下記配合からなる配合物を攪拌分散して、アンダーコート層塗布液を調製した。
Ｕ液（アンダーコート層塗布液）
焼成カオリン（エンゲルハード社製商品名：アンシレックス９０、
<吸油量９０ｃｃ／１００ｇ>）
１００部
スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス（固形分４８％） ４０部
ポリビニルアルコール １０％水溶液 ３０部
水 １４６部
次いで、アンダーコート層塗布液を支持体（５０ｇ／ｍ２の基紙）の片面にバリバーブレードコーティングした後、乾燥を行ない、乾燥塗布量１０．０ｇ／ｍ２ のアンダーコート層塗工紙を得た。
下記配合の顕色剤分散液（Ａ液）、ロイコ染料分散液（Ｂ液）、及び増感剤分散液（Ｃ液）を、それぞれ別々にサンドグラインダーで平均粒子径０．５ミクロンになるまで湿式磨砕を行なった。
Ａ液（顕色剤分散液）
４−ヒドロキシ−４’−イソプロポキシジフェニルスルホン ６．０部
ポリビニルアルコール １０％水溶液 １８．８部
水 ８．０部
Ｂ液（ロイコ染料分散液）
３−ジブチルアミノ−６−メチル−７−アニリノフルオラン（ＯＤＢ−２）
２．０部
ポリビニルアルコール １０％水溶液 ４．６部
水 ２．６部
Ｃ液（増感剤分散液）
シュウ酸ジベンジル ６．０部
ポリビニルアルコール １０％水溶液 １８．８部
水 ８．０部
【００４０】
次いで下記の割合で分散液を混合して感熱記録層の塗布液とした。
感熱記録層塗布液
Ａ液（顕色剤分散液） ３２．１部
Ｂ液（ロイコ染料分散液） ９．２部
Ｃ液（増感剤分散液） ３２．８部
カオリンクレー（５０％分散液） １２．０部
高分子会合型増粘剤（変性ポリカルボン酸、ＳＮ４Ｘ ４０２７、サンノプコ社製、固形分４０％） ０．１７５部
水 ３．５部
アセチレン系界面活性剤
（２，３，７，９−テトラメチル−５デシン−４，７−ジオール、サーフィノール１０４
Ｐ、日信化学社、５０％） ０．８部
塗工方式 ：スロット型カーテン
塗工速度 ：６５０ｍ／ｍｉｎ．
塗料濃度 ：２７％
【００４１】
次いで、感熱記録層塗料を真空脱泡機を用いて脱気処理した後、上記カーテン塗工装置を用いてカーテン膜に形成して支持体上に塗布後、乾燥後、このシートをスーパーカレンダーで処理後、目標とする感熱記録紙を得た。尚、カーテン塗工装置から吐出する塗工液の流量は、５．０ｋｇ／ｍｉｎ／ｍとなるように調整した。
【００４２】
［実施例２］
実施例２の感熱記録層塗料の高分子会合型増粘剤の配合部数を０．３７５部に変更した以外は、実施例１と同様にして感熱記録体を得た。
【００４３】
［実施例３］
実施例１の感熱記録層塗料のアセチレン系界面活性剤０．８部を、左右対称のアセチレン系界面活性剤（サーフィノールＤＦ１１０Ｄ、日信化学社製、固形分３２％）１．２５部、カーテン塗工装置から吐出する塗工液の流量を４．０ｋｇ／ｍｉｎ／ｍに変更した以外は実施例１と同様にして感熱記録体を得た。
【００４４】
［実施例４］
カーテン塗工装置からの吐出する塗工液の流量を５．０ｋｇ／ｍｉｎ／ｍに変更した以外は実施例３同様にして感熱記録体を得た。
【００４５】
［実施例５］
カーテン塗工装置からの吐出する塗工液の流量を７．０ｋｇ／ｍｉｎ／ｍに変更した以外は実施例３と同様にして感熱記録体を得た。
【００４６】
［実施例６］
実施例４の感熱記録層塗料のポリカルボン酸系増粘剤の配合部数を０．７５部に変更した以外は実施例４と同様にして感熱記録体を得た。
【００４７】
［比較例１］
実施例１の高分子会合型増粘剤０．１７５部を高分子型増粘剤であるＳＮシックナー９２９Ｓ（変性ポリアクリル酸塩、サンノプコ社製、固形分１２％）４．１７部に変更した以外は実施例１と同様にして感熱記録体を得た。
【００４８】
［比較例２］
比較例１の感熱記録層塗料のアセチレン系界面活性剤０．８部を、左右対称のアセチレン系界面活性剤サーフィノールＤＦ１１０Ｄ１．２５部に変更した以外は、比較例１と同様にして感熱記録体を得た。
【００４９】
［塗工欠陥］
作成した感熱記録体２００枚（Ａ４サイズ）を送風乾燥器（１０５℃、１０分）処理し、塗工欠陥数（白抜け数）を下記の基準で判断した。
◎：２００枚中の塗工欠陥数が０である。
○：２００枚中の塗工欠陥数が１〜５個である。
×：２００枚中の塗工欠陥数が５〜10個である。
［ネックイン］
カーテンヘッドから塗工液を供給した時、エッジガイドから塗料の薄膜が離れる頻度を下記の基準で判断した。
◎：カーテン膜がエッジガイドから離れない。
○：エッジガイドからカーテン膜が１０分以上に１回程度の頻度で離れる。
△：エッジガイドからカーテン膜が１分以上に１回の頻度で離れる。
［画質］
大倉電機社製のＴＨ−ＰＭＤを使用し、作成した感熱記録体に印加エネルギー０．３４ｍＪ／ｄｏｔで印字を行なった。印字後の画質を下記の基準で評価した。
○：全くムラが見られない。
×：僅かにムラが見られる。
［表面張力］
表面張力計（CBVP-Z、協和界面化学株式会社製）を用いて、塗料の静的表面張力を測定した。
［破断時間（洩糸性）］
伸長粘度計（CaBER1、Thermo Haake社製）を用いて、塗料の破断時間を測定した。
【００５０】
【表１】
【特許請求の範囲】
【請求項１】
支持体上に、無色ないし淡色の電子共与性ロイコ染料及び電子受容性顕色剤を含有する感熱記録層を設けた感熱記録体において、該感熱記録層が高分子会合型の増粘剤を含有する塗料をカーテン塗工方式で設けたことを特徴とする感熱記録体。
【請求項２】
前記高分子会合型の増粘剤を含有する塗料が、アセチレン基を有するノニオン性界面活性剤を含有することを特徴とする請求項１記載の感熱記録体。
【請求項３】
前記アセチレン基を有するノニオン性界面活性剤が、左右対称の構造を有することを特徴とする請求項２記載の感熱記録体。
【請求項１】
支持体上に、無色ないし淡色の電子共与性ロイコ染料及び電子受容性顕色剤を含有する感熱記録層を設けた感熱記録体において、該感熱記録層が高分子会合型の増粘剤を含有する塗料をカーテン塗工方式で設けたことを特徴とする感熱記録体。
【請求項２】
前記高分子会合型の増粘剤を含有する塗料が、アセチレン基を有するノニオン性界面活性剤を含有することを特徴とする請求項１記載の感熱記録体。
【請求項３】
前記アセチレン基を有するノニオン性界面活性剤が、左右対称の構造を有することを特徴とする請求項２記載の感熱記録体。
【公開番号】特開２００９−２１４３７３（Ｐ２００９−２１４３７３Ａ）
【公開日】平成２１年９月２４日（２００９．９．２４）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００８−５９１５４（Ｐ２００８−５９１５４）
【出願日】平成２０年３月１０日（２００８．３．１０）
【出願人】（０００１８３４８４）日本製紙株式会社 (981)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２１年９月２４日（２００９．９．２４）
【国際特許分類】
【出願日】平成２０年３月１０日（２００８．３．１０）
【出願人】（０００１８３４８４）日本製紙株式会社 (981)
【Ｆターム（参考）】
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