説明

成形用部材と離型膜形成方法

【課題】成形面に均一な膜厚の離型膜を形成することにより焼き付きや曇りのない高精度な光学成形品を得る。
【解決手段】成形用型10の成形面10aに離型剤12を用いて離型膜22を形成する離型膜形成方法において、成形用型10を加熱する工程(図1(a))と、成形用型10に離型膜22を形成する工程(図1(b))と、形成された離型膜22の厚み分布に起因する所望の形状からの誤差を測定する工程(図1(c))と、測定された誤差分の補正加工を行う工程(図1(d))と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成形用基材に離型膜が形成された成形用部材と離型膜形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、フラーレン(Fullerene)を離型膜や潤滑膜として利用する技術が提案されている。このフラーレンは、炭素原子からなるクラスター(集合体)で炭素の同素体(例えばC60等)である。
【0003】
このフラーレンに関し、例えば特許文献1では、真空蒸着法など真空機器を必要としない手軽な手段でフラーレンの塗布を実現するために、フラーレンの成形体を提案している。すなわち、この特許文献1によると、成形用の金型表面に離型用膜(又は潤滑用膜)を形成するために、フラーレン類を主成分とする棒状の成形体を提唱している。
【特許文献1】特開2006−306010号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、例えばフラーレンの成形体を成形用金型に手で擦り付けて塗布し、余剰分をワイパーで拭き取ってフラーレン膜を形成している。これでは、フラーレンの膜厚を均一に成膜したり、あるいは膜厚を薄く制御することは難しい(例えば、数百nmから数百μmの厚さに成膜される)。
【0005】
特に、例えば、光学素子の成形用金型に成膜した場合、成形面の形状精度を維持することは難しい(例えば、数十nmから数μmの厚さに成膜する必要がある)。よって、従来の技術では、フラーレンの成形体を用いた簡易成膜手法を、高精度が要求される光学素子の成形用金型に適用することは困難であった。
【0006】
本発明は斯かる課題を解決するためになされたもので、成形用基材の成形面に所望の膜厚の離型膜を形成することにより、光学素材と成形用型の融着のない高精度な光学成形品を得ることのできる成形用部材と離型膜形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、
成形用基材に離型剤を用いて離型膜を形成する離型膜形成方法において、
前記成形用基材及び前記離型剤の少なくとも一方を加熱する工程と、
前記成形用基材に前記離型膜を形成する工程と、
形成された前記離型膜の厚み分布に起因する所望の形状からの誤差を測定する工程と、
前記測定された誤差分の補正加工を行う工程と、を有することを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の離型膜形成方法において、
前記補正加工を行う工程では、
前記成形用基材及び形成された前記離型膜のうち、少なくとも前記離型膜を補正加工することを特徴とする。
【0009】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の離型膜形成方法において、
前記補正加工後の前記離型膜の表面の粗さ曲線のスキューネス(Rsk)がゼロより小さい(Rsk<0)ことを特徴とする。
【0010】
請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の離型膜形成方法において、
前記成形用基材が成形用型であることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の離型膜形成方法において、
前記離型剤がフラーレンを主成分とすることを特徴とする。
【0011】
請求項6に係る発明は、
光学素材を挟んで対向する一対の成形用基材と、該一対の成形用基材が嵌挿されるスリーブとを有し、前記一対の成形用基材を接近移動させて前記光学素材を成形する成形用部材において、
前記一対の成形用基材は対向面側に夫々成形面を有し、該少なくとも一方の成形面に、離型膜が形成された部分と前記成形面の地肌が露出した部分とが混在するように配置したことを特徴とする。
【0012】
請求項7に係る発明は、請求項6に記載の成形用部材において、
前記離型膜はフラーレンを主成分とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、成形用基材の成形面に所望の膜厚の離型膜を形成することにより、光学素材と成形用型の融着のない高精度な光学成形品を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
(第1の実施の形態)
図1(a)〜(e)は、本発明の第1の実施の形態の離型膜形成方法の工程を示す図である。本実施形態では、成形用基材としての成形用型(下型)10の成形面10aに離型膜22を形成する場合について説明する。
【0015】
図1(a)に示すように、成形用型(下型)10を所定温度(300℃)に加熱する。なお、後述するように(図2参照)、必要に応じ、この成形用型(下型)10に対向して配置される他方の成形用型(上型)11に対しても、同様の作業を行う。
【0016】
次に、図1(b)に示すように、加熱した成形用型10の成形面10aに、スティック状の離型剤(フラーレン)12を塗布して離型膜22を形成する。この離型剤12は、フラーレンを主成分とするものである。このフラーレンは、炭素の同素体(例えばC60等)であり、高温(約600℃)においても不活性雰囲気下で良好な熱安定性を有している。
【0017】
また、成形面10aは所望の形状に鏡面加工してある。なお、一般的には塗布は手作業により行うが、機械により行ってもよい。また、離型剤12として、スティック状の固体以外の、例えば粉体のものを用いてもよい。
【0018】
さらに、成形用型10を加熱する代わりに、離型剤12を加熱してから塗布してもよいし、又は成形用型10と離型剤12の双方を加熱して離型剤12を塗布してもよい。
次に、図1(c)に示すように、成形面10aに離型剤12の離型膜22−1を所定膜厚で形成した後、その表面形状を測定する。この測定では、接触式の測定装置を用いてもよいし、レーザ等の非接触式の測定装置を用いてもよい。
【0019】
この測定により、所望の形状(設計値又は要求精度)からの離型膜22−1の膜厚等の誤差を把握することができる。
次に、図1(d)に示すように、離型膜22−1の所望の形状からの誤差を補正するため、離型膜22−1の一部を加工する。そして、均一な膜厚の離型膜22−2を形成する。
【0020】
具体的には、図1(e)に示すように、凹凸に形成された離型膜22−1の膜厚分布に対し、加工により離型膜22−1の一部22−3を削除して補正し、均一な厚みの離型膜22−2を得る。
【0021】
なお、離型膜22−1を形成した後の表面形状の測定と一回の補正加工とにより、一度で所望の形状の離型膜22−2が得られなかった場合は、繰り返し補正加工を行う。
また、前述した加工は、研磨加工により行い、例えばダイヤモンド砥粒を含んだ研磨剤を用いて行う。但し、離型膜22の一部22−3を補正加工することができる手段であれば、上述した研磨加工に限らない。例えば、バフ研磨やラップ加工等を用いてもよい。
【0022】
図2は、成形用部材としての金型セット14と光学素材18の断面図を示している。
金型セット14は、成形用型(下型)10、成形用型(上型)11、及びスリーブ16を有している。成形用型(下型)10及び成形用型(上型)11は、スリーブ16の内部で夫々の成形面10a、11aが対向するようにスリーブ16の両端側から嵌挿されている。また、成形用型(上型)11はスリーブ16の軸方向に摺動自在とされている。成形面10a、11a間には、例えば熱可塑性素材からなる光学素材18が配置されている。
【0023】
そして、図示しないが、これら成形面10a、11aの夫々に、離型膜22−2が形成されている。なお、成形面10a、11aの周囲の成形用型10、11の平面部にも離型膜22−2を形成するとよい。
【0024】
本実施形態では、成形用型(下型)10、成形用型(上型)11、及びスリーブ16は、タングステンカーバイド(WC)等の超硬合金から作られている。但し、超硬合金の代わりにSiC、SUS、鉄等を用いてもよい。また、光学素材18は、例えば球状の市販の光学ガラスが用いられている。但し、光学ガラスの代わりにプラスチックを用いてもよい。また、本実施形態では、成形される光学成形品はレンズであるが、プリフォーム(PF)としてもよい。
【0025】
以上により、本実施形態によれば、離型膜22の厚み分布に起因する所望の形状からの誤差を測定し、測定された誤差分の補正加工を行うようにしたので、成形用型10、11の成形面10a、11aに高精度に離型膜22を形成することができる。これにより、成形の際、光学素材18が成形用型10、11に融着することがないため、高精度な光学成形品(レンズ)を得ることができる。
(第2の実施の形態)
図3は、第2の実施の形態の離型膜形成方法の工程を示す図である。なお、第1の実施の形態と同一又は相当する部材には同一の符号を付して説明する。
【0026】
本実施の形態では、略所望の成形面形状を持つ成形用型10の成形面10aに離型剤12を塗布して離型膜22を形成する。なお、前述した「略所望の」形状とは、表面粗さが最終の狙いの仕上げ粗さよりも粗いことを意味している。
【0027】
例えば、最終の仕上げ粗さが最大高さRmax0.05μm以下とした場合、それよりも粗い、最大高さRmax3.2μmとする。
離型剤12を塗布後、離型剤12が塗布された成形用型10を加熱炉で所定温度(300℃、3分間)に加熱し、離型膜22を形成する。こうして、成形用型10に離型膜22を形成した後、該成形用型10の成形面10aの形状を測定する。
【0028】
この測定により、所望の形状(設計値、要求精度)からの離型膜22−1の膜厚、粗さ等の誤差を検出する。
次に、この誤差(形状、粗さ)を補正するために、離型膜22の一部(余剰部)と成形用型10の一部を加工する。
【0029】
具体的には、図3に示すように、離型膜22を、成形用型10の成形面10aに形成された凸部20(表面粗さの成分)が露出するまで、離型膜22と成形用型10の凸部20の一部を加工して除去する。
【0030】
この加工は、研削加工によりダイヤモンド砥石を用いて行う。但し、離型膜22の補正加工及び成形用型10の凸部20を露出させる加工が行える手段であれば、上述した加工方法に限らない。
【0031】
表面形状の測定と一回の補正加工により、一度で所望の表面形状が得られなかった場合は、繰り返し行う。
ここで、成形用型10の成形面の全面を離型膜22が覆っている場合、成形時に一対の成形用型10、11を接近移動させて加圧により光学素材18(図2参照)を変形させる際、光学素材18から成形用型10の成形面10aが受ける圧力が、成形用型10の成形面10aの凸部20に集中し易い(面圧が高くなりやすい)。このため、その部分だけ離型膜22の消耗が早くなってしまう。
【0032】
よって、成形用型10の成形面10aの凸部20を覆っている離型膜22を除去し、さらに、これら凸部20の一部と離型膜22とを同時に加工することで平坦な面に形成する。こうすることで、成形時において成形面10aには均等な面圧が加わるため、離型膜22の耐久性の向上を図ることができる。
【0033】
このとき、成形用型10の成形面10aの凸部20と凸部20との間に形成された凹部21には、離型膜22が埋め込まれた状態となっている。このように、成形用型10の成形面10aを最終の仕上げ粗さよりも粗い、適度な粗さに形成しておくことで離型剤12が凹部21に入り込んで密着するため、形成される離型膜22の密着強度を高めることができる。そして、成形面10aには、離型膜22が存在する部分と成形用型10の地肌が露出した部分とが混在している。
【0034】
その後、離型膜22及び成形用型10の露出部分の粗さが、所望の値となるように加工を行う。このときの加工は、研磨加工、ダイヤモンド砥粒を含んだ研磨剤を用いる。但し、離型膜22及び成形用型10の露出部分の補正加工が行えるのであれば、他の手段であってもよい。
【0035】
次に、図4(a)(b)は、離型膜22の表面の粗さ曲線のスキューネスRskを示す図である。
図4(a)に示すように、離型膜22の表面の粗さ曲線のスキューネスRskは、ゼロより小さい(Rsk<0)ことが望ましい。
【0036】
すなわち、図4(b)に示すように、スキューネスRskがゼロより大きい(Rsk>0)場合は、離型膜22の表面粗さが鋭角の凸部を有するため、成形時に離型膜22の凸部が削れるなどして離型膜22の耐久性を低下させる原因となる。このため、離型膜22の表面の粗さ曲線のスキューネスRskはゼロより小さくするのが好ましい(Rsk<0)。
【0037】
最後に、離型膜22及び成形用型10の成形面10aを加工して所望の粗さとする。このため、離型膜22を塗布する前の成形用型10の成形面10aの表面粗さは、最終の仕上げまで行わなくてもよい。また、成形面10aの粗さを粗くしておくことで、粗さの凹部21の中に離型膜22が入り込み、成形用型10と離型膜22の密着強度を増すことができる。
【0038】
ここで、離型膜22を形成する前の成形用型10の成形面10aには、前述した離型膜22とは別に、成形用型10を高温での酸化等から保護するための別個の保護膜を付加してもよい。そして、この保護膜の上に離型膜22を成膜する場合は、この離型膜22と保護膜の一部を加工する。なお、保護膜の加工と除去量は、保護膜が本来の目的、効果が得られる範囲設定を行う必要がある。
【0039】
本実施形態によれば、補正加工により、成形用型10の成形面10aの凸部20を覆っている離型膜22を除去し、さらに、これら凸部20の一部と離型膜22とを同時に加工して平坦面に仕上げるので、光学素材18からの圧力が一部に集中することがなく、離型膜22の耐久性の向上を図ることができる。
【0040】
また、補正加工後の離型膜22の表面の粗さ曲線のスキューネス(Rsk)がゼロより小さい(Rsk<0)ようにすることで、離型膜22の凸部が削れるようなことはなく、これによっても離型膜22の耐久性の向上を図ることができる。
(第3の実施の形態)
図5(a)〜(c)は、第3の実施の形態の離型膜形成方法の工程を示す図である。なお、第1の実施の形態と同一又は相当する部材には同一の符号を付して説明する。
【0041】
図5(a)に示すように、略所望の形状の成形面10aを持つ成形用型10を用意する。図5(a)に示した実線は、用意した成形用型10の成形面10aの形状であり、破線は、最終的に狙った成形用型10の成形面10aの形状である。
【0042】
図5(b)に示すように、成形用型10を所定温度(300℃)に加熱し、この加熱した成形用型10に離型剤12を用いて離型膜22を塗布する。
なお、前述したのと同様に、「略所望の形状」とは、離型膜22と成形用型10の露出部の分布を任意に作るために、離型膜22を残したい部分の成形用型10の形状を、最終の離型膜22の厚み分だけ掘り下げておいた形状を意味する。
【0043】
また、誤差の測定と離型膜22の加工、除去(研削、研磨)は、第1の実施の形態で説明したのと同様である。
図5(c)に示すように、成形用型10の露出部24と、離型膜22により形成された成形面10aと、が所望の形状となるように、加工と測定を必要に応じて繰り返す。
【0044】
これにより、成形面10aの中で離型作用の働く部分と働かない部分を任意に設定することができる。すなわち、光学成形品の形状に応じて、成形用型10の露出部24と離型膜22との分布を設定することで、光学素材18の変形時に内部に発生する応力を抑制したり、冷却の際の離型性をよくする(割れを防止する)ことができる。これにより、融着や割れなどの不具合のない光学成形品を得ることができる。
(第4の実施の形態)
図6(a)〜(c)は、成形用型10に離型膜22を種々に分布させた第4の実施の形態を示す図である。
【0045】
図6(a)で示すように、成形面10aの外周部に離型膜22を一様に分布させたり、図6(b)に示すように、成形面10aの中心に対し同心円状に離型膜22を分布(微細周期構造の分布)させることができる。さらに、図6(c)に示すように、成形面10aに、その中心から放射方向に離型膜22を分布(方向性を持った分布)させることができる。
【0046】
本実施形態によれば、中心に対し同心状又は中心軸対称に離型膜22を分布させることで、離型膜22の離型作用に加え、微細周期構造を模した分布や方向性を持った分布による、成形面10aに対する光学素材18の流動性が向上し、光学素材の変形時に内部に発生する応力を抑制したり、冷却の際の離型性をよくしたりすることができる。
(第5の実施の形態)
図7(a)〜図7(c)は、離型膜22の塗布箇所のバリエーションによる第5の実施の形態を示す図である。
【0047】
すなわち、離型膜22は、光学素材18と成形用型10との離型性をよくするだけでなく、潤滑膜として用いることもできる。
例えば、図7(a)に示すように、離型膜22を成形用型10の側面に形成したり、図7(b)に示すように、成形用型10の底面に形成したり、さらに、図7(c)に示すように、スリーブ16の内面に形成することができる。その他、図示しないが、例えば成形装置のプレート上面などに塗布してもよい。
【0048】
本実施形態によれば、離型膜22を成形用型10の側面やスリーブ16の内面に形成することで、成形型10とスリーブ16との摺動を良くしたり、成形用型10の底面に形成することで、載置されるプレート上での移動性を良くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】(a)〜(e)は、第1の実施の形態の離型膜形成方法の工程を示す図である。
【図2】金型セットと光学素材の断面を示す図である。
【図3】第2の実施の形態の離型膜形成方法の工程を示す図である。
【図4】(a)(b)は、離型膜の表面の粗さ曲線のスキューネスを示す図である。
【図5】(a)〜(c)は、第3の実施の形態の離型膜形成方法の工程を示す図である。
【図6】成形用型に離型膜を種々に分布させた第4の実施の形態を示す図である。
【図7】離型膜の塗布箇所のバリエーションによる第5の実施の形態を示す図である。
【符号の説明】
【0050】
10 成形用型(下型)
10a 成形面
11 成形用型(上型)
11a 成形面
12 離型剤
14 金型セット
16 スリーブ
18 光学素材
20 凸部
21 凹部
22−1 離型膜
22−2 離型膜
22−3 離型膜
24 露出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形用基材に離型剤を用いて離型膜を形成する離型膜形成方法において、
前記成形用基材及び前記離型剤の少なくとも一方を加熱する工程と、
前記成形用基材に前記離型膜を形成する工程と、
形成された前記離型膜の厚み分布に起因する所望の形状からの誤差を測定する工程と、
前記測定された誤差分の補正加工を行う工程と、
を有することを特徴とする離型膜形成方法。
【請求項2】
前記補正加工を行う工程では、
前記成形用基材及び形成された前記離型膜のうち、少なくとも前記離型膜を補正加工する
ことを特徴とする請求項1に記載の離型膜形成方法。
【請求項3】
前記補正加工後の前記離型膜の表面の粗さ曲線のスキューネス(Rsk)がゼロより小さい(Rsk<0)
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の離型膜形成方法。
【請求項4】
前記成形用基材が成形用型である
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の離型膜形成方法。
【請求項5】
前記離型剤がフラーレンを主成分とする
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の離型膜形成方法。
【請求項6】
光学素材を挟んで対向する一対の成形用基材と、該一対の成形用基材が嵌挿されるスリーブとを有し、前記一対の成形用基材を接近移動させて前記光学素材を成形する成形用部材において、
前記一対の成形用基材は対向面側に夫々成形面を有し、該少なくとも一方の成形面に、離型膜が形成された部分と前記成形面の地肌が露出した部分とが混在するように配置したことを特徴とする成形用部材。
【請求項7】
前記離型膜はフラーレンを主成分とする
ことを特徴とする請求項6に記載の成形用部材。

【図2】
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【図3】
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【図1】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−307816(P2008−307816A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−158779(P2007−158779)
【出願日】平成19年6月15日(2007.6.15)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】