説明

成長ホルモン分泌促進物質を用いる嘔吐の治療又は予防方法

本発明は、成長ホルモン分泌促進化合物、又はその薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物の有効量を投与することによって、嘔吐を治療又は予防し、及び対象のASASスコアを改善するための方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願
本願は、2007年4月10日に出願された米国仮出願第60/922,742号の利益を請求する。上記出願の全体の内容は、本明細書に参考として明白に援用される。
【0002】
発明の背景
【0003】
嘔吐は、癌及び化学療法剤、例えばシスプラチンの周知かつ頻繁な副作用である。それは、癌化学療法における重大な問題を引き起こし、患者によっては、治療を中断しなければならないくらい重大である。そのため、制吐剤は、癌化学療法剤のこの副作用を緩和するために頻繁に投与される。採用される制吐剤は、通常、ドーパミン拮抗薬活性を有する、メトクロプラミドのようなベンズアミド誘導体である。そのドーパミン拮抗薬活性の点から、ベンズアミド誘導体例えばメトクロプラミドは、それ自体、重大なかつ望ましくない副作用、例えば錐体外路系作用、すなわち遅発性ジスキネジー、急性ジストニー、静座不能及び震えを示す。他の制吐剤は、5-HT3拮抗薬、例えばオンダンセトロン; コルチコステロイド、例えばデキサメタソン;及びNK1拮抗薬、例えばアプレピタントを含む。これらの治療は、患者の要求を十分に解消することができない。
【0004】
上記の点から、現在入手できる治療法の1以上の副作用を最小限にするか又は取り除く、嘔吐の効果的な治療法は非常に望まれている。
【発明の概要】
【0005】
発明の概要
本発明は、嘔吐の危険性を有するか又はその危険性にある対象を治療するための方法及び組成物に関する。本発明はまた、ASAS試験によって測定される癌症状の苦痛の治療のための方法及び組成物を提供する。該方法は、成長ホルモン分泌促進化合物又はその薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物の治療上有効量をそれを必要としている対象に投与することを含む。
【0006】
本発明の組成物は、嘔吐症状を経験する患者又は癌の症状を経験する患者に苦痛の軽減を与えるために有用である。本組成物は、致命的な疾患、例えば癌のための化学療法を経験し、経験しそうな患者、又は該化学療法から患者を回復させるために特に有効である。しかしながら、他の症状、例えば悪心、嘔吐又はその関連する症状を引き起こす、目眩、乗り物酔い、AIDS、食中毒及び他の急性又は慢性疾患、及び感染症は、本明細書に記載の組成物及び方法によって効果的に治療されることがある。
【0007】
具体的には、本発明は、成長ホルモン分泌促進物質の有効量を対象に投与することによって、それを必要としている対象の嘔吐を治療する方法を提供する。具体的な成長ホルモン分泌促進物質は、式I〜V、又はその薬学的に許容される塩、水和物、アミドもしくは溶媒和物によって示される。
【0008】
1つの成長ホルモン分泌促進物質は、構造式I:
【0009】
【化1】

【0010】
[式中、
R1は、水素、又は場合により1以上のアリール又はヘタリールで置換されたC1-6アルキルであり;
a及びdは、独立に0、1、2又は3であり;
b及びcは、b+cが3、4又は5であることを条件に、独立に0、1、2、3、4又は5であり;
Dは、R2-NH-(CR3R4)e-(CH2)f-M-(CHR5)g-(CH2)h-
ここで、R2、R3、R4及びR5は、独立に、水素、場合により1以上のハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、アリール又はヘタリールで置換されたC1-6アルキルであり;又は
R2及びR3、又はR2及びR4、又はR3及びR4は、場合により、-(CH2)i-U-(CH2)j-を形成し(ここで、i及びjは独立に1又は2であり、Uは-O-、-S-又は原子価結合である);
h及びfは、独立に0、1、2又は3を示し;
g及びeは、独立に0又は1を示し;
Mは、原子価結合、-CR6=CR7-、アリーレン、ヘタリーレン、-O-又は-S-であり;
R6及びR7は、独立に、水素、又は場合により1以上のアリール又はヘタリールで置換されたC1-6アルキルであり;
Gは、-O-(CH2)k-R8
【0011】
【化2】

【0012】
であり、
Jは、-O-(CH2)l-R13
【0013】
【化3】

【0014】
(ここで、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16及びR17は、独立に、水素、ハロゲン、アリール、ヘタリール、C1-6アルキル又はC1-6アルコキシであり;
k及びlは独立に0、1又は2であり;
Eは、-CONR18R19、-COOR19、-(CH2)m-NR18SO2R20、-(CH2)m-NR18-COR20、-(CH2)m-OR19、-(CH2)m-OCOR20、-CH(R18)R19-(CH2)m-NR18-CS-NR19R21、又は-(CH2)m-NR18-CO-NR19R21;又は
Eは、-CONR22NR23R24であり、ここで、R22は、水素、場合により1以上のアリール又はヘタリールで置換されたC1-6アルキル、又は1以上のC1-6アルキルで置換されたアリール又はヘタリールであり;R23は、場合により1以上のアリール又はヘタリールで置換されたC1-6アルキル、又はC1-7アシルであり;及びR24は、水素、場合により1以上のアリール又はヘタリールで置換されたC1-6アルキルであり;又は
R22及びR23は、それらが結合されている窒素原子と一緒になって、場合により、1以上のC1-6アルキル、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、アリール又はヘタリールで置換された複素環式系を形成することができ;又は
R22及びR24は、それらが結合されている窒素原子と一緒になって、場合により、1以上のC1-6アルキル、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、アリール又はヘタリールで置換された複素環式系を形成することができ;又は
R23及びR24は、それらが結合されている窒素原子と一緒になって、場合により、1以上のC1-6アルキル、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、アリール又はヘタリールで置換された複素環式系を形成することができ;
mは、0、1、2又は3であり;
R18、R19及びR21は、独立に、水素、場合によりハロゲン、-N(R25)R26(R25及びR26は、独立に、水素又はC1-6アルキルである)
で置換されたC1-6アルキル、ヒドロキシ、C1-6アルコキシ、C1-6アルコキシカルボニル、C1-6アルキルカルボニルオキシ又はアリールであり;又は
R19は、
【0015】
【化4】

【0016】
(ここで、
Qは、-CH<、又は-N<であり;
K及びLは、独立に-CH2-、-CO-、-O-、-S-、-NR27-、又は原子価結合であり、R27は水素又はC1-6アルキルであり;n及びoは、独立に0、1、2、3又は4である);
R20は、C1-6アルキル、アリール又はヘタリールである)である。]
で表される化合物又はその薬学的に許容される塩である。但し、Mが原子価結合である場合には、Eが-CONR22NR23R24である。
【0017】
式Iの化合物は、参考としてその全体の内容が本明細書に援用されている、Hansen他の米国特許第6,303,620号明細書に十分に記載されている。
【0018】
式Iの1つの成長ホルモン分泌促進物質は、より具体的には、式II:
【0019】
【化5】

【0020】
で表される化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物である。
【0021】
式IIの化合物は、参考としてその全体の内容が本明細書に援用されている、Hansen他の米国特許第6,303,620号明細書に十分に記載されている。
【0022】
別の成長ホルモン分泌促進物質は、式III:
【0023】
【化6】

【0024】
で表される化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物である。
【0025】
式IIIの化合物は、参考としてその全体の内容が本明細書に援用されている、Hansen他の米国特許第6,303,620号明細書に十分に記載されている。式IIIの化合物の化学名は、2-アミノ-N-{(1R)-2-[3-ベンジル-3-(N,N',N'- トリメチルヒドラジノカルボニル)ピペリジン-1-イル]-1-((1H-インドール-3-イル)-2-オキソエチル}-2-メチルプロピオンアミドであり、RC-1291及びアナモレリンと称される。
【0026】
別の成長ホルモン分泌促進物質は、構造式IV:
【0027】
【化7】

【0028】
[式中、
R1は、水素又はC1-6アルキルであり;
R2は、水素又はC1-6アルキルであり;
Lは、
【0029】
【化8】

【0030】
(ここで、
R4は、水素又はC1-6アルキルであり;
pは、0又は1であり;
q、s、t、uは、独立に0、1、2、3又は4であり;
rは、1であり;
q + r + s + 1 + uの合計は、0、1、2、3又は4であり;
R9、R10、R11及びR12は、独立に水素又はC1-6アルキルであり;
Qは、>N-R13、又は
【0031】
【化9】

【0032】
ここで、
oは、0、1又は2であり;
Tは、-N(R15)(R16)又はヒドロキシルであり;
R13、R15及びR16は、独立に水素又はC1-6アルキルであり;
R14は、水素、アリール又はヘタリールであり);あるいは
Lは
【0033】
【化10】

【0034】
(ここで、
pは、0又は1であり;
q、s、t、uは、独立に0、1、2、3又は4であり;
rは、0又は1であり;
q + r + s + 1 + uの合計は、0、1、2、3又は4であり;
R9、R10、R11及びR12は、独立に水素又はC1-6アルキルであり;
Qは、>N-R13、又は
【0035】
【化11】

【0036】
(ここで、
oは、0、1又は2であり;
Tは、-N(R15)(R16)又はヒドロキシルであり;
R13、R15及びR16は、独立に水素又はC1-6アルキルであり;
R14は、水素、アリール又はヘタリール、
【0037】
【化12】

【0038】
であり);
Gは、-O-(CH2)-R17
ここで、
R17、R18、R19、R20、及びR21は、独立に水素、ハロゲン、アリール、ヘタリール、C1-6アルキル又はC1-6アルコキシであり;
kは、0、1又は2であり;
Jは、-O-(CH2)t-R22
【0039】
【化13】

【0040】
(ここで、R22、R23、R 24、R25、及びR26は、独立に水素、ハロゲン、アリール、ヘタリール、C1-6アルキル又はC1-6アルコキシであり;lは、0、1又は2であり);
aは、O、1又は2であり;
bは、O、1又は2であり;
cは、O、1又は2であり;
dは、0又は1であり;
eは、0、1、2又は3であり;
fは、O又は1であり;
R5は、水素、又は場合により1以上のヒドロキシ、アリール又はヘタリールで置換されたC1-6アルキルであり;
R6及びR7は、独立に水素、又は1以上のハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、アミノ、ヒドロキシ、アリール又はヘタリールで置換されたC1-6アルキルであり;
R8は、水素、又は1以上のハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、アミノ、ヒドロキシ、アリール又はヘタリールで置換されたC1-6アルキルであり;
R6及びR7、又はR6及びR8、又はR7及びR8は、場合により-(CH2)i-U-(CH2)j-を形成することができ(ここで、i及びjは、独立に1、2又は3であり、Uは、-O-、-S-又は原子価結合であり;
Mは、アリーレン、ヘタリーレン、-O-、-S-又は-CR27 = CR28-であり、
R27及びR28は、独立に水素、又は1以上のヒドロキシ、アリール又はヘタリールで置換されたC1-6アルキルである。]
によって示される化合物、又はその薬学的に許容される塩である。
【0041】
式IVの化合物は、参考としてその全体が本明細書に援用されている、Peschke他の米国特許第6,919,315号明細書に十分に記載されている。
【0042】
式IVの別の成長ホルモン分泌促進物質は、より具体的には、構造式VI:
【0043】
【化14】

【0044】
で表される化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物である。
【0045】
式VIの化合物の化学名は、(2E)-4-(1-アミノシクロブチル)ブト-2-エノン酸 N-((1R)-1-{N-[(1R)-1-ベンジル-2-(4-ヒドロキシピペリジン-1-イル)-2-オキソエチル]-N-メチルカルバモイル}-2-(ビフェニル-4-イル)エチル)-N-メチルアミドである。
【0046】
式IVの化合物は、参考としてその全体が本明細書に援用されている、Peschke他の米国特許第6,919,315号明細書に十分に記載されている。
【0047】
本発明は、嘔吐(emesis)、悪心又は嘔吐(vomiting)の治療のための、本発明の成長ホルモン分泌促進物質を含むキット及び医薬組成物を更に提供する。該キット及び医薬組成物は、1以上の追加の制吐性の、又は嘔吐抑制の組成物を更に含むことがある。本発明の好ましい医薬組成物は、嘔吐の治療のために経口的に投与されるように調合された式IIIの化合物を含む。
【発明を実施するための形態】
【0048】
発明の詳細な説明
本発明は、経口投与されたグレリン受容体作動薬が、癌患者に投与された時に悪心を減少させ、癌を有する及び/又は癌治療を経験する対象の癌症状の苦痛を減少させる、という予想しない発見に基づいている。従って、本発明は、悪心の治療又は予防のための、及び対象の癌症状の苦痛を減少させるための、方法及び組成物を提供する。該方法は、成長ホルモン分泌促進物質又はその薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物の治療上有効量をそれを必要としている対象に投与することを含む。成長ホルモン分泌促進物質は、式I〜XVIのいずれか1つによって示される化合物、又はその薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物である。
【0049】
本発明はまた、1以上の追加の制吐剤を投与することを更に含む、成長ホルモン分泌促進物質又はその薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物の治療上有効量を投与することによって、悪心又は嘔吐症状を治療又は予防する方法を提供する。本発明の方法及び組成物は、例えば、細胞増殖疾患、例えば癌の化学療法を受ける対象における悪心を治療又は予防するために有用である。
【0050】
成長ホルモン分泌促進物質/グレリン作動薬
本明細書で使用される「成長ホルモン分泌促進物質」は、成長ホルモン分泌促進物質受容体(GHS受容体)の少なくとも1つの機能的特徴を促進(誘導又は亢進)する物質(例えば、分子、化合物)を意味する。成長ホルモン分泌促進物質の例は、グレリン模倣体、例えばグレリン作動薬である。1つの実施態様では、成長ホルモン分泌促進物質化合物又はグレリン受容体は、GHS受容体又はグレリン受容体(すなわち、グレリン又はGHS受容体作動薬)と結合し、成長ホルモンの分泌を誘発する。GHS受容体作動薬活性を有する化合物(例えば、GHS受容体又はグレリン受容体作動薬)は、任意の好適な方法によって同定されそして評価され得る。例えば、GHS受容体作動薬のGHS受容体への結合親和性は、受容体結合アッセイを用いて決定され、成長ホルモン刺激は、本明細書に参考として援用される米国特許第6,919,315号明細書に記載されているようにして評価され得る。
【0051】
GHS又はグレリン(GRLN)受容体は、他の組織中、視床下部、下垂体及び膵臓に発現される。下垂体でのこれらの受容体の活性は、成長ホルモンの分泌を誘発する。成長ホルモンの分泌の誘発に加えて、最近の研究は、成長ホルモン分泌促進物質が食欲及び体重を増加させることができることを示している。典型的な投薬では、成長ホルモン分泌促進物質は、IGF-1の分泌を誘導することも知られている。成長ホルモン分泌促進物質化合物の例は、米国特許第6,303,620号明細書、同第6,576,648号明細書、同第5,977,178号明細書、同第6,566,337号明細書、同第6,083,908号明細書、同第6,274,584号明細書及び米国特許第6,919,315号明細書に記載されている化合物である。その全体的な内容は、本明細書に参考として援用されている。
【0052】
別の成長ホルモン分泌促進物質は、構造式I:
【0053】
【化15】

【0054】
[式中、
R1は、水素、又は場合により1以上のアリール又はヘタリールで置換されたC1-6アルキルであり;
a及びdは、独立に0、1、2又は3であり;
b及びcは、b+cが3、4又は5であることを条件に、独立に0、1、2、3、4又は5であり;
Dは、R2-NH-(CR3R4)e-(CH2)f-M-(CHR5)g-(CH2)h-
ここで、R2、R3、R4及びR5は、独立に、水素、場合により1以上のハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、アリール又はヘタリールで置換されたC1-6アルキルであり;又は
R2及びR3、又はR2及びR4、又はR3及びR4は、場合により、-(CH2)i-U-(CH2)j-を形成し(ここで、i及びjは独立に1又は2であり、Uは-O-、-S-又は原子価結合である);
h及びfは、独立に0、1、2又は3を示し;
g及びeは、独立に0又は1を示し;
Mは、原子価結合、-CR6=CR7-、アリーレン、ヘタリーレン、-O-又は-S-であり;
R6及びR7は、独立に、水素、又は場合により1以上のアリール又はヘタリールで置換されたC1-6アルキルであり;
Gは、-O-(CH2)k-R8
【0055】
【化16】

【0056】
【化17】

【0057】
(ここで、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16及びR17は、独立に、水素、ハロゲン、アリール、ヘタリール、C1-6アルキル又はC1-6アルコキシであり;
k及びlは独立に0、1又は2であり;
Eは、-CONR18R19、-COOR19、-(CH2)m-NR18SO2R20、-(CH2)m-NR18-COR20、-(CH2)m-OR19、-(CH2)m-OCOR20、-CH(R18)R19-(CH2)m-NR18-CS-NR19R21、又は-(CH2)m-NR18-CO-NR19R21であり;又は
Eは、-CONR22NR23R24であり、ここで、R22は、水素、場合により1以上のアリール又はヘタリールで置換されたC1-6アルキル、又は1以上のC1-6アルキルで置換されたアリール又はヘタリールであり;R23は、場合により1以上のアリール又はヘタリールで置換されたC1-6アルキル、又はC1-7アシルであり;及びR24は、水素、場合により1以上のアリール又はヘタリールで置換されたC1-6アルキルであり;又は
R22及びR23は、それらが結合されている窒素原子と一緒になって、場合により、1以上のC1-6アルキル、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、アリール又はヘタリールで置換された複素環式系を形成することができ;又は
R22及びR24は、それらが結合されている窒素原子と一緒になって、場合により、1以上のC1-6アルキル、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、アリール又はヘタリールで置換された複素環式系を形成することができ;又は
R23及びR24は、それらが結合されている窒素原子と一緒になって、場合により、1以上のC1-6アルキル、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、アリール又はヘタリールで置換された複素環式系を形成することができ;
mは、0、1、2又は3であり;
R18、R19及びR21は、独立に、水素、場合によりハロゲン、-N(R25)R26(R25及びR26は、独立に、水素又はC1-6アルキルである)
で置換されたC1-6アルキル、ヒドロキシ、C1-6アルコキシ、C1-6アルコキシカルボニル、C1-6アルキルカルボニルオキシ又はアリールであり;又は
R19は、
【0058】
【化18】

【0059】
(ここで、
Qは、-CH<、又は-N<であり;
K及びLは、独立に-CH2-、-CO-、-O-、-S-、-NR27-、又は原子価結合であり、R27は水素又はC1-6アルキルであり;n及びoは、独立に0、1、2、3又は4である);
R20は、C1-6アルキル、アリール又はヘタリールである)である。]
で表される化合物又はその薬学的に許容される塩である。但し、Mが原子価結合である場合には、Eが-CONR22NR23R24である。
【0060】
R1は、C1-6アルキルでよい。aは1でよい。
【0061】
dは1でよく、又はb+cは4である。
【0062】
Dは、R2-NH-(CR3R4)e-(CH2)f-M-(CHR5)g-(CH2)h-
[式中、
R2、R3、R4及びR5は、独立に、水素、場合により1以上のハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、アリール又はヘタリールで置換されたC1-6アルキルであり;又は
R2及びR3、又はR2及びR4、又はR3及びR4は、場合により、-(CH2)i-U-(CH2)j-(ここで、i及びjは独立に1又は2であり、Uは-O-、-S-又は原子価結合である);
h及びfは独立に0、1、2、又は3であり;
g及びeは独立に0又は1であり;
Mは、-CR6=CR7-、アリーレン、ヘタリーレン、-O-又は-S-であり;そして
R6及びR7は独立にハロゲン又はC1-6アルキルである。]
で表される。
【0063】
更なる態様において、Dは、R2-NH-(CR3R4)e-(CH2)f-M-(CHR5)g-(CH2)h-
[式中、
R2、R3、R4及びR5は、独立に、水素、場合により1以上のハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、アリール又はヘタリールで置換されたC1-6アルキルであり;又は
R2及びR3、又はR2及びR4、又はR3及びR4は、場合により、-(CH2)i-U-(CH2)j-(ここで、i及びjは独立に1又は2であり、Uは-O-、-S-又は原子価結合である);
h及びfは独立に0、1、2、又は3であり;
g及びeは独立に0又は1であり;
Mは、原子価結合である。]
である。
【0064】
Gは、
【0065】
【化19】

【0066】
(ここで、R8、R9、R10、R11及びR12は、独立に、水素、ハロゲン、アリール、ヘタリール、C1-6アルキル又はC1-6アルコキシであり;及びkは0又は2である。)
でよい。
【0067】
Jは、
【0068】
【化20】

【0069】
(ここで、R13、R14、R15、R16及びR17は、独立に、水素、ハロゲン、アリール、ヘタリール、C1-6アルキル又はC1-6アルコキシである。)
でよい。
【0070】
Eは、-CONR18R19、-COOR19、又は-(CH2)m-OCOR19
(ここで、
mは0、1、2又は3であり;
R18及びR19は、独立に、水素又は場合によりハロゲンによって置換されたC1-6アルキル、-N(R25)R26(ここで、R25及びR26は、独立に水素又はC1-6アルキルである)、ヒドロキシル、C1-6アルコキシ、C1-6アルコキシカルボニル、C1-6アルキルカルボニルオキシ又はアリールである。)
でよい。
【0071】
Eは、-CONR22NR23R24
(ここで、
R22は、水素、場合によりアリール又はヘタリールで置換されたC1-6アルキル、又はC1-6アルキルで置換されたアリール又はヘタリールであり;
R23は、場合により1以上のアリール又はヘタリールで置換されたC1-6アルキル、又はC1-7アシルであり;及び
R24は、水素、場合により1以上のアリール又はヘタリールで置換されたC1-6アルキル、又はC1-6アルキルで置換されたアリール又はヘタリールであり;
R22及びR23は、それらが結合されている窒素原子と一緒になって、場合により、C1-6アルキル、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、アリール又はヘタリールで置換された複素環式系を形成することができ;又は
R22及びR24は、それらが結合されている窒素原子と一緒になって、場合により、C1-6アルキル、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、アリール又はヘタリールで置換された複素環式系を形成することができ;又は
R23及びR24は、それらが結合されている窒素原子と一緒になって、場合により、C1-6アルキル、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、アリール又はヘタリールで置換された複素環式系を形成することができる。)
でよい。
【0072】
別の成長ホルモン分泌促進物質は、構造式II:
【0073】
【化21】

【0074】
で示される。
【0075】
式(II)の1つの具体的化合物は、式(II)中のアスタリスク(*)によって指定されるキラル炭素の(R)配置を有する。指定されたキラル炭素が(R)配置を有する式IIの化合物の化学名は、構造式III:
【0076】
【化22】

【0077】
で表される2-アミノ-N-{(1R)-2-[3-ベンジル-3-(N,N',N'-トリメチルヒドラジノカルボニル)ピペリジン-1-イル]-1-((1H-インドール-3-イル)-2-オキソエチル)-2-メチルプロピオンアミド、又はその薬学的に許容される塩である。
【0078】
別の成長ホルモン分泌促進物質は、構造式IV:
【0079】
【化23】

【0080】
[式中、
R1は、水素又はC1-6アルキルであり;
R2は、水素又はC1-6アルキルであり;
Lは、
【0081】
【化24】

【0082】
(ここで、
R4は、水素又はC1-6アルキルであり;
pは、0又は1であり;
q、s、t、uは、独立に0、1、2、3又は4であり;
rは、1であり;
q + r + s + 1 + uの合計は、0、1、2、3又は4であり;
R9、R10、R11及びR12は、独立に水素又はC1-6アルキルであり;
Qは、>N-R13、又は
【0083】
【化25】

【0084】
ここで、
oは、0、1又は2であり;
Tは、-N(R15)(R16)又はヒドロキシルであり;
R13、R15及びR16は、独立に水素又はC1-6アルキルであり;
R14は、水素、アリール又はヘタリールであり);あるいは
Lは
【0085】
【化26】

【0086】
(ここで、
pは、0又は1であり;
q、s、t、uは、独立に0、1、2、3又は4であり;
rは、0又は1であり;
q + r + s + 1 + uの合計は、0、1、2、3又は4であり;
R9、R10、R11及びR12は、独立に水素又はC1-6アルキルであり;
Qは、>N-R13、又は
【0087】
【化27】

【0088】
(ここで、
oは、0、1又は2であり;
Tは、-N(R15)(R16)又はヒドロキシルであり;
R13、R15及びR16は、独立に水素又はC1-6アルキルであり;
R14は、水素、アリール又はヘタリール、
【0089】
【化28】

【0090】
であり);
Gは、-O-(CH2)-R17
ここで、
R17、R18、R19、R20、及びR21は、独立に水素、ハロゲン、アリール、ヘタリール、C1-6アルキル又はC1-6アルコキシであり;
kは、0、1又は2であり;
Jは、-O-(CH2)t-R22
【0091】
【化29】

【0092】
(ここで、R22、R23、R 24、R25、及びR26は、独立に水素、ハロゲン、アリール、ヘタリール、C1-6アルキル又はC1-6アルコキシであり;lは、0、1又は2であり);
aは、O、1又は2であり;
bは、O、1又は2であり;
cは、O、1又は2であり;
dは、0又は1であり;
eは、0、1、2又は3であり;
fは、O又は1であり;
R5は、水素、又は場合により1以上のヒドロキシ、アリール又はヘタリールで置換されたC1-6アルキルであり;
R6及びR7は、独立に水素、又は1以上のハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、アミノ、ヒドロキシ、アリール又はヘタリールで置換されたC1-6アルキルであり;
R8は、水素、又は1以上のハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、アミノ、ヒドロキシ、アリール又はヘタリールで置換されたC1-6アルキルであり;
R6及びR7、又はR6及びR8、又はR7及びR8は、場合により-(CH2)i-U-(CH2)j-を形成することができ(ここで、i及びjは、独立に1、2又は3であり、Uは、-O-、-S-又は原子価結合であり;
Mは、アリーレン、ヘタリーレン、-O-、-S-又は-CR27 = CR28-であり、
R27及びR28は、独立に水素、又は1以上のヒドロキシ、アリール又はヘタリールで置換されたC1-6アルキルである。]
によって示される化合物、又はその薬学的に許容される塩である。
【0093】
R1はC1-6アルキルでよい。
【0094】
R2はC1-6アルキルでよい。
【0095】
Lは、
【0096】
【化30】

【0097】
(ここで、
R4は、水素又はC1-6アルキルであり;
pは、0又は1であり;
q、s、t、uは、独立に0、1、2、3又は4であり;
rは、1であり;
q + r + s + 1 + uの合計は、0、1、2、3又は4であり;
R9、R10、R11及びR12は、独立に水素又はC1-6アルキルであり;
Qは、>N-R13、又は
【0098】
【化31】

【0099】
ここで、
oは、0、1又は2であり;
Tは、-N(R15)(R16)又はヒドロキシルであり;
R13、R15及びR16は、独立に水素又はC1-6アルキルであり;
R14は、水素、アリール又はヘタリールであり);あるいは
Lは
【0100】
【化32】

【0101】
(ここで、
pは、0又は1であり;
q、s、t、uは、独立に0、1、2、3又は4であり;
rは、0又は1であり;
q + r + s + 1 + uの合計は、0、1、2、3又は4であり;
R9、R10、R11及びR12は、独立に水素又はC1-6アルキルであり;
Qは、>N-R13、又は
【0102】
【化33】

【0103】
(ここで、
oは、0、1又は2であり;
Tは、-N(R15)(R16)又はヒドロキシルであり;
R13、R15及びR16は、独立に水素又はC1-6アルキルであり;
R14は、水素、アリール又はヘタリールである。)
でよい。
【0104】
Gは、
【0105】
【化34】

【0106】
(ここで、R17、R18、R19、R20、及びR21は、独立に水素、ハロゲン、アリール、ヘタリール、C1-6アルキル又はC1-6アルコキシである。)
でよい。
【0107】
Jは、
【0108】
【化35】

【0109】
(ここで、R22、R23、R 24、R25、及びR26は、独立に水素、ハロゲン、アリール、ヘタリール、C1-6アルキル又はC1-6アルコキシである。)
でよい。
【0110】
Mは、アリーレン、又は-CR27 = CR28-(R27及びR28は、独立に水素、又は場合によりアリール又はヘタリールで置換されたC1-6アルキルである。)でよい。
【0111】
R6及びR7は、独立に水素又はC1-6アルキルでよい。
【0112】
R6及びR7は、場合により-(CH2)i-U-(CH2)j-を形成することもできる(ここで、i及びjは、独立に1、2又は3であり、Uは、-O-、-S-又は原子価結合である。)。
【0113】
R8は水素又はC1-6アルキルでよい。
【0114】
別の成長ホルモン分泌促進物質は、構造式Vで示される。式Vの化合物の化学名は、構造式V:
【0115】
【化36】

【0116】
によって表される (2E)-5-アミノ-5-メチルへキシ-2-エノン酸 N-((1R)-1-{N-[(1R)-1-ベンジル-2-(4-ヒドロキシピペリジン-1-イル)-2-オキソエチル]-N-メチルカルバモイル}-2-(ビフェニル-4-イル)エチル)-N-メチルアミド、及びその薬学的に許容される塩である。
【0117】
興味の他の化合物は以下又はその薬学的に許容される塩を含む。
1-{(2R)-2-[N-((2E)-5-アミノ-5-メチルヘキ-2-エノイル)-N-メチルアミノ]-3-(2-ナフチル)プロピオニル}-4-ベンジルピペリジン-4-カルボン酸メチルアミド
【0118】
【化37】

【0119】
1-{(1R)-2-[N-((2E)-5-アミノ-3,5-ジメチルへキ-2-エノイル)-N-メチルアミノ]-3-(2-ナフチル)プロピオニル)-4-ベンジルピペリジン-4-カルボン酸メチルアミド
【0120】
【化38】

【0121】
1-{(2R)-2-[N-((2E)-5-アミノ-5-メチルヘキ-2-エノイル)-N-メチルアミノ]-3-(ビフェニル-4-イル)プロピオニル}-4-ベンジルピペリジン-4-カルボン酸メチルアミド
【0122】
【化39】

【0123】
1-{(2R)-2-[N-((2E)-5-アミノ-3,5-ジメチルへキ-2-エノイル)-N-メチルアミノ]-3-(ビフェニル-4-イル)プロピオニル}-4-ベンジルピペリジン-4-カルボン酸メチルアミド
【0124】
【化40】

【0125】
1-((2R)-2-{N-[(2E)-4-(1-アミノシクロブチル)ブト-2-エノイル]-N-メチルアミノ}-3-(ビフェニル-4-イル)プロピオニル)-4-ベンジルピペリジン-4-カルボン酸メチルアミド
【0126】
【化41】

【0127】
2-アミノ-N-[(1R)-2-[4-ベンジル-4-(N',N'-ジメチル-ヒドラジノカルボニル)ピペリジン-1-イル]-1-((1H-インドール-3-イル)メチル)-2-オキソエチル]-2-メチルプロピオンアミド
【0128】
【化42】

【0129】
2-アミノ-N-{(1R)-2-[(3R)-3-ベンジル-3-(N',N'-ジメチル-ヒドラジノカルボニル)-ピペリジン-1-イル]-1-ベンジルオキシメチル-2-オキソ-エチル}-2-メチルプロピオンアミド
【0130】
【化43】

【0131】
2-アミノ-N-[(1)-2-[(3R)-3-ベンジル-3-(N',N'-ジメチルヒドラジノカルボニル)-ピペリジン-1-イル]-1-((1H-インドール-3-イル)メチル)-2-オキソエチル]-2-メチルプロピオンアミド
【0132】
【化44】

【0133】
1-{(2R)-2-[N-((2E)-5-アミノ-5-メチルヘキシ-2-エノイル)-N-メチルアミノ]-3-(ビフェニル-4-イル)プロピオニル}-4-ベンジルピペリジン-4-カルボン酸エチルエステル
【0134】
【化45】

【0135】
1-{(2R)-2-[N-((2E)-5-アミノ-3,5-ジメチルヘキシ-2-エノイル)-N-メチルアミノ]-3-(ビフェニル-4-イル)プロピオニル}-4-ベンジルピペリジン-4-カルボン酸エチルエステル
【0136】
【化46】

【0137】
1-{(2R)-2-[N-((2E)-5-アミノ-3,5-ジメチルヘキシ-2-エノイル)-N-メチルアミノ]-3-(2-ナフチル)プロピオニル}-4-ベンジルピペリジン-4-カルボン酸エチルエステル
【0138】
【化47】

【0139】
1-{(2R)-2-[N-((2E)-5-アミノ-5-メチルヘキシ-2-エノイル)-N-メチルアミノ]-3-(2-ナフチル)プロピオニル}-4-ベンジルピペリジン-4-カルボン酸エチルエステル
【0140】
【化48】

【0141】
(3S)-1-[(2R)-2-((2E)-5-アミノ-5-メチルヘキシ-2-エノイルアミノ)-3-(1H-インドル-3-イル)プロピオニル]-3-ベンジルピペリジン-3-カルボン酸エチルエステル
【0142】
【化49】

【0143】
(3S)-1-[(2R)-2-((2E)-5-アミノ-3,5-ジメチルヘキシ-2-エノイルアミノ)-3-(1H-インドール-3-イル)プロピオニル]-3-ベンジルピペリジン-3-カルボン酸エチルエステル
【0144】
【化50】

【0145】
(3S)-1-[(2R)-2-(3-(アミノメチル)ベンゾイルアミノ)-3-(1H-インドール-3-イル)プロピオニル]-3-ベンジルピペリジン-3-カルボン酸エチルエステル
【0146】
【化51】

【0147】
(2E)-5-アミノ-5-メチルヘキシ-2-エノン酸 N-{(1R)-2-[4-ベンジル-4-(N',N'-ジメチル-ヒドラジノカルボニル)ピペリジン-1-イル]-1-((2-ナフチル)メチル)-2-オキソエチル}-N-メチルアミド
【0148】
【化52】

【0149】
(2E)-5-アミノ-5-メチルヘキシ-2-エノン酸 N-[(1R)-2-[3-ベンジル-3-(N',N'-ジメチル-ヒドラジノカルボニル)-ピペリジン-1-イル]-1-((1H-インドール-3-イル)メチル)-2-オキソエチル]アミド
【0150】
【化53】

【0151】
(2E)-5-アミノ-5-メチルヘキシ-2-エノン酸 N-{(1R)-2-[3-ベンジル-3-(N',N'-ジメチル-ヒドラジノカルボニル)-ピペリジン-1-イル]-1-((2-ナフチル)メチル)-2-オキソエチル}-N-メチルアミド
【0152】
【化54】

【0153】
(2E)-5-アミノ-5-メチルヘキシ-2-エノン酸 {(1R)-2-[3-ベンジル-3-N',N'-ジメチル-ヒドラジノカルボニル]ピペリジン-1-イル}-1-(ベンジルオキシメチル)-2-オキソエチル}アミド
【0154】
【化55】

【0155】
2-アミノ-N-{2-[3-ベンジル-3-(N',N'-ジメチルヒドラジノカルボニル)ピペリジン-1-イル]-1-((2-ナフチル)メチル)-2-オキソ-エチル}-2-メチル-プロピオンアミド
【0156】
【化56】

【0157】
2-アミノ-N-{(1R)-2-[3-ベンジル-3-(N',N'-ジメチルヒドラジノカルボニル)ピペリジン-1-イル]-((ビフェニル-4-イル)メチル)-2-オキソエチル}-2-メチルプロピオンアミド
【0158】
【化57】

【0159】
2-アミノ-N-{(1R)-2-[3-ベンジル-3-(N',N'-ジメチルヒドラジノカルボニル)ピペリジン-1-イル]-1-((1H-インドール-3-イル)メチル)-2-オキソエチル}-2-メチルプロピオンアミド
【0160】
【化58】

【0161】
2-アミノ-N-{2-[3-ベンジル-3-(N'-ジメチルヒドラジノカルボニル)ピペリジン-1-イル]-1-(ベンジルオキシメチル)-2-オキソエチル}-2-メチルプロピオンアミド
【0162】
【化59】

【0163】
2-アミノ-N-{(1R-2-[3-ベンジル-3-(N',N'-ジメチルヒドラジノカルボニル)ピペリジン-1-イル]-1-(ベンジルオキシメチル)-2-オキソエチル)-2--メチルプロピオンアミド
【0164】
【化60】

【0165】
1[(2R)-2-(2-アミノ-2-メチルプロピオニルアミノ)-3-(1H-インドール-3-イル)プロピオニル]-3-ベンジルピペリジン-3-カルボン酸 (ピロリジン-1-イル)アミド
【0166】
【化61】

【0167】
(2E)-5-アミノ-5-メチルヘキシ-2-エノン酸 N-((1R)-1-{N-[(1R)-1-ベンジル-2-(4-((ジメチルアミノ)メチル)ピペリジン-1-イル)-2-オキソエチル]-N-メチルカルボニル}-2-(2-ナフチル)エチル)-N-メチルアミド
【0168】
【化62】

【0169】
(2E)-5-アミノ-5-メチルヘキシ-2-エノン酸 N-((1R)-1-{N-[(1R)-1-ベンジル-2-((3S)-3-(ジメチルアミノメチル)ピペリジン-1-イル)-2-オキソエチル]-N-メチルカルボニル}-2-(2-ナフチル)エチル)-N-メチルアミド
【0170】
【化63】

【0171】
(2E)-4-(1-アミノシクロブチル)ブト-2-エノン酸 N-((1R)-1-{N-[(1R)-1-ベンジル-2-((3S)-3-(ジメチルアミノメチル)ピペリジン-1-イル)-2-オキソエチル]-N-メチルカルボニル}-2-(2-ナフチル)エチル)-N-メチルアミド
【0172】
【化64】

【0173】
(2E)-5-アミノ-5-メチルヘキシ-2-エノン酸 N-((1R)-1-{N-[(1R)-1-ベンジル-2-((2S)-2-((ジメチルアミノ)メチル)ピロリジン-1-イル)-2-オキソエチル]-N-メチルカルボニル}-2-(2-ナフチル)エチル)-N-メチルアミド
【0174】
【化65】

【0175】
N-((1R)-1-{N-[(1R)-1-ベンジル-2-((2S)-2-((ジメチルアミノ)メチル)ピロリジン-1-イル)-2-オキソエチル]-N-メチルカルボニル}-2-(2-ナフチル)エチル)-N-メチル-3-((メチルアミノ)メチル)ベンズアミド
【0176】
【化66】

【0177】
(2E)-5-アミノ-5-メチルヘキシ-2エノン酸-N-((1R-1-{N-[(1R)-1-ベンジル-2-(4-(ジメチルアミノ)ピペリジン-1-イル)-2-オキソエチル]-N-メチルカルボニル}-2-(2-ナフチル)エチル)-N-メチルアミド
【0178】
【化67】

【0179】
(2E)-5-アミノ-5-メチルヘキシ-2-エノン酸 N-メチル-N-[(1R)-1-(N-メチル-N-{(1R)-1-[N-メチル-N-(1-メチルピペリジン-4-イル)カルバモイル]-2-フェニルエチル}カルバモイル)-2-(2-ナフチル)エチル]アミド
【0180】
【化68】

【0181】
3-アミノメチル-N-((1R)-1-{N-[(1R)-1-ベンジル-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]-メチルカルボニル}-2-(2-ナフチル)エチル)-N-メチルベンズアミド
【0182】
【化69】

【0183】
(2E)-5-アミノ-5-メチルヘキシ-2-エノン酸 N-((1R)-1-{N-[(1R)-1-ベンジル-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]-N-メチルカルボニル}-2-(2-ナフチル)-N-メチルアミド
【0184】
【化70】

【0185】
(2E)-5-アミノ-5-メチルヘキシ-2-エノン酸 N-メチル-N-((1R)-1-{N-メチル-N-[(1R)-2-フェニル-((2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)カルバモイル)エチル]カルバモイル}-2-(2-ナフチル)エチル)アミド
【0186】
【化71】

【0187】
3-アミノメチル-N-メチル-N-((1R)-1-{N-メチル-N-[(1R)-2-フェニル-1-((2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)カルバモイル)エチル]カルバモイル}-2-(2-ナフチル)エチル)ベンズアミド
【0188】
【化72】

【0189】
(2E)-5-アミノ-3,5-ジメチルヘキシ-2-エノン酸 N-メチル-N-((1R-1-{N-メチル-N-[(1R)-2-フェニル-1-((2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)カルバモイル)エチル]カルバモイル}-2-(2-ナフチル)エチル)アミド
【0190】
【化73】

【0191】
(2E)-4-(1-アミノシクロブチル)ブト-2-エノン酸 N-((1R)-1-{N-[(1R)-1-ベンジル-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]-N-メチルカルボニル}-2-(2-ナフチル)エチル)-N-メチルアミド
【0192】
【化74】

【0193】
(2E)-5-アミノ-3,5-ジメチルヘキシ-2-エノン酸 N-((1R)-1-{N-[(1R)-1-ベンジル-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]-N-メチルカルボニル}-2-(2-ナフチル)エチル)-N-メチルアミド
【0194】
【化75】

【0195】
(2E)-4-(1-アミノシクロブチル)ブト-2-エノン酸 N-((1R)-1-{N-[(1R)-1-ベンジル-2-(4-ヒドロキシピペリジン-1-イル)-2-オキソエチル]-N-メチルカルボニル}-2-(ビフェニル-4-イル)エチル)-N-メチルアミド
【0196】
【化76】

【0197】
(2E)-5-アミノ-3,5-ジメチルヘキシ-2-エノン酸 N-((1R)-1-{N-[(1R)-1-ベンジル-2-(4-ヒドロキシピペリジン-1-イル)-2-オキソエチル]-N-メチルカルボニル}-2-(ビフェニル-4-イル)エチル)-N-メチルアミド
【0198】
【化77】

【0199】
(2E)-5-アミノ-5-メチルヘキシ-2-エノン酸 N-((1R)-1-{N-[(1R)-1-ベンジル-2-(4-ヒドロキシピペリジン-1-イル)-2-オキソエチル]-N-メチルカルボニル}-2-(2-ナフチル)エチル)-N-メチルアミド
【0200】
【化78】

【0201】
(2E)-5-アミノ-3,5-ジメチルへキシ-2-エノン酸 N-((1R)-1-{N-[(1R)-1-ベンジル-2-(4-ヒドロキシピペリジン-1-イル)-2-オキソエチル]-N-メチルカルボニル}-2-(2-ナフチル)エチル)-N-メチルアミド
【0202】
【化79】

【0203】
(2E)-4-(1-アミノシクロブチル)ブト-2-エノン酸 N-((1R)-1-{N-[(1R)-1-ベンジル-2-(4-ヒドロキシピペリジン-1-イル)-2-オキソエチル]-N-メチルカルボニル}-2-(2-ナフチル)エチル)-N-メチルアミド
【0204】
【化80】

【0205】
(2E)-5-アミノ-5-メチルヘキシ-2-エノン酸 N-((1R)-1-{N-[(1R)-1-(4-フルオロベンジル)-2-(4-ヒドロキシピペリジン-1-イル)-2-オキソエチル]-N-メチルカルボニル}-2-(2-ナフチル)エチル)-N-メチルアミド
【0206】
【化81】

【0207】
(2E)-5-アミノ-3,5-ジメチルヘキシ-2-エノン酸 N-((1R)-1-{N-[(1R)-1-(4-フルオロベンジル)-2-(4-ヒドロキシピペリジン-1-イル)-2-オキソエチル)-N-メチルカルボニル}-2-(2-ナフチル)エチル)-N-メチルアミド
【0208】
【化82】

【0209】
(2E)-5-アミノ-5-メチルヘキシ-2-エノン酸 N-((1R)-1-{N-[(1R)-1-ベンジル-2-(4-ヒドロキシ-4-(2-チエニル)ピペリジン-1-イル)-2-オキソエチル]-N-メチルカルボニル}-2-(2-ナフチル)エチル)-N-メチルアミド
【0210】
【化83】

【0211】
(2E)-5-アミノ-5-メチルヘキシ-2-エノン酸 N-((1R)-1-{N-[(1R)-1-(3-ヒドロキシシクロヘキシルカルバモイル)-2-フェニルエチル]-N-メチルカルボニル}-2-(2-ナフチル)エチル)-N- メチルアミド
【0212】
【化84】

【0213】
(2E)-4-(1-アミノシクロブチル)ブト-2-エノン酸 N-((1R)-1-{N-[(1R)-1-ベンジル-2-(4-(ジメチルアミノ)ピペリジン-1-イル)-2-オキソエチル]-N-メチルカルボニル}-2-(2-ナフチル)エチル)-N-メチルアミド
【0214】
【化85】

【0215】
(2E)-5-アミノ-5-メチルへキシ-2-エノン酸 N-((1R)-1-{N-[(2R)-2-(4-ヒドロキシピペリジン-1-イル)-2-オキソ-1-((2-チエニル)メチル)エチル]-N-メチルカルボニル}-2-(2-ナフチル)エチル)-N-メチルアミド
【0216】
【化86】

【0217】
(2E)-5-アミノ-3,5-ジメチルへキシ-2-エノン酸 N-((1R)-1-{N-[(2R)-2-(4-ヒドロキシピペリジン-1-イル)-2-オキソ-1-((2-チエニル)メチル)エチル]-N-メチルカルボニル}-2-(2-ナフチル)エチル)-N-メチルアミド
【0218】
【化87】

【0219】
(2E)-5-アミノ-5-メチルへキシ-2-エノン酸 N-((1R)-2-(ビフェニル-4-yl)-1-{N-[(2R)-2-(4-ヒドロキシピペリジン-1-イル)-2-オキソ-1-((2-チエニル)メチル)エチル]-N-メチルカルボニル}エチル)-N-メチルアミド
【0220】
【化88】

【0221】
(2E)-5-アミノ-3,5-ジメチルヘキシ-2-エノン酸 N-((1R)-2-(ビフェニル-4-イル)-1-{N-[(1R)-2-(4-ヒドロキシピペリジン-1-イル)-2-オキソ-1-((2-チエニル)メチル)エチル]-N-メチルカルボニル}エチル)-N メチルアミド
【0222】
【化89】

【0223】
(2E)-5-メチル-5-(メチルアミノ)ヘキシ-2-エノン酸 N-((1R)-1-{N-[(1R)-1-ベンジル-2-(4-ヒドロキシピペリジン-1-イル)-2-オキソエチル]-N-メチルカルボニル}-2-(ビフェニル-4-イル)エチル)-N-メチルアミド
【0224】
【化90】

【0225】
(2E)-4-(1-アミノシクロブチル)ブト-2-エノン酸 N-((1R)-1-{N-[(1R)-1-ベンジル-2-(4-ヒドロキシピペリジン-1-イル)-2-オキソエチル]-N-メチルカルボニル}-2-(ビフェニル-4-イル)エチル)アミド
【0226】
【化91】

【0227】
別の成長ホルモン分泌促進物質は、構造式VIで表される化合物又はその薬学的に許容される塩、その溶媒和物もしくはその水和物である。構造式VI:
【0228】
【化92】

【0229】
によって示される化合物の化学名は、(2E)-4-(1-アミノシクロブチル)ブト-2-エノン酸 N-((1R)-1-{N-[(1R)-1-ベンジル-2-(4-ヒドロキシピペリジン-1-イル)-2-オキソエチル]-N-メチルカルバモイル}-2-(ビフェニル-4-イル)エチル)-N-メチルアミドである。
【0230】
別の成長ホルモン分泌促進物質は、構造式VII又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物によって表される。構造式VII:
【0231】
【化93】

【0232】
によって表される化合物の化学名は、(2E)-5-アミノ-5-メチルへキシ-2-エノン酸 N-メチル-N-((1R)-1-{N-methyl-N-[(1R)-2-フェニル-1-(N,N',N'-トリメチルヒドラジノカルボニル)エチル]カルバモイル}-2-(2-ナフチル)エチル)アミドである。
【0233】
別の成長ホルモン分泌促進物質は、構造式VIII、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物によって表される。
【0234】
構造式VIII:
【0235】
【化94】

【0236】
によって表される化合物の化学名は、(2E)-5-アミノ-5-メチルヘキシ-2-エノン酸 N-メチル-N-((1R)-1-{N-メチル-N-[(1R)-2-フェニル-1-(N,N',N'-トリメチルヒドラジノカルボニル)エチル]カルバモイル}2-(2-ナフチル)エチルアミドである。
【0237】
別の成長ホルモン分泌促進物質は、構造式IX又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物によって表される。構造式IX:
【0238】
【化95】

【0239】
によって表される化合物の化学名は、2-アミノ-N-(2-(2-(N-((2R)-2-(N-((2E)-5-アミノ-5-メチルヘキシ-2-エノイル)-N-メチルアミノ)-3-(2-ナフチル)プロピオニル)-N-メチルアミノ)エチル)フェニルl)アセトアミドである。
【0240】
更なる具体的な成長ホルモン分泌促進物質は、GHRP-1 (式X)、GHRP-2 (式XI)、GHRP-6 (式XII)、NN703 (式XIII)、イパモレリン (式XIV)、カプロモレリン (式XV)、及びMK-677 (式XVI)、並びに上位機の任意のアナログから選ばれる。
【0241】
【化96】

【0242】
【化97】

【0243】
【化98】

【0244】
本明細書に記載の用語「嘔吐症候」、「嘔吐症状」、「嘔吐(vomiting)」、「悪心」及び「嘔吐(emesis)」は、交換的に使用され、同一の意味を有する意図である。嘔吐症候は、口から胃内容物を追い出す反射的行動又はかかる反射的行動が起こりそうな感覚によって特徴付けられる症候である。嘔吐症状は、通常、化学療法的処置(化学療法-誘導悪心及び嘔吐(CINV))、又は手術(手術後の悪心及び嘔吐(PONV))と関連する。化学療法的処置からくる嘔吐症候は、(1)急性、(2)遅延型、及び(3)予期型、の3種に分類され得る。急性嘔吐は、化学療法を受けた約24時間以内に起こり、遅延型嘔吐は、化学療法を受けた約24時間〜約120時間に起こる(Grunberg et al. (2004) Cancer 100:2261-8)。
【0245】
本明細書で使用される用語「癌症候の苦痛」は、癌対象の生活の質又は進行癌症候の緩和の量の指標として使用される。1つの実施態様では、対象の癌症候苦痛は、アンダーソン症候評価系(ASAS)によって測定される。
【0246】
全体的な癌症候の苦痛又は嘔吐症状の重度は、当該分野で知られている多数の尺度によって特徴付けられる。例えば、アンダーソン症候評価系(ASAS)は、疼痛、疲れ、悪心、鬱、不安、眠気、息切れ、食欲、睡眠及び健康感の評価を含む、エドモントン症候評価系の修飾形態である(Palmer et al. (2005) J. Pain and Symptom Management 6: 565-571参照)。ASASは、0〜10スケールで、0=なし(又はベスト)、及び10=最大(又は想像できる最悪)で、これらの症候の各々の重度を同定するための患者を必要とする。患者のASASスコアは、10個の症候に対するその数値的回答の総数である。
【0247】
あるいは、Heskethスケールは、癌の化学療法の急性催吐性を分類するために使用され得る(Hesketh et al. (1997) J. Clin. Oncology 15: 103-109)。Heskethスケールは、催吐性の5つのレベルを記載している。レベル1は、催吐性のない物質からなり;レベル2は、患者の10〜30%に嘔吐を引き起こす物質からなり;レベル3は、嘔吐を経験する患者の30〜60%に中程度の催吐性をある物質からなり;レベル4は、患者の60〜90%に嘔吐を引き起こす物質からなり;及び、レベル5は、患者の>90%に嘔吐を引き起こす物質からなる。
【0248】
本明細書で使用される「対象」は、動物、例えば霊長類(例えばヒト)、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ブタ、イヌ、ネコ、ウサギ、ギニアピッグ、ラット、マウス、又は他のウシ科、ヒツジ科、イヌ科、ネコ科、ウマ科、ネコ科、齧歯目もしくはネズミ種を含むがこれらに限定されない哺乳動物を言う。好ましい実施態様では、哺乳動物はヒトである。
【0249】
本明細書で使用される「治療すること」及び「治療」は、対象における嘔吐を治療、減少又は予防することを言う。
【0250】
本明細書で使用される「治療上有効量」は、所望の生物学的反応を引き出すために十分な量を言う。本願では、所望の生物学的反応は、嘔吐を治療又は予防することである。
【0251】
治療上有効量又は用量は、患者の年齢、性別及び体重、及び患者の現在の病状に依拠することになる。当業者は、所望の生物学的反応を達成するために、これらの因子及び他の因子に依拠する好適な投薬量を決定することができるだろう。
【0252】
成長ホルモン分泌促進物質の一日当たりの好適な用量は、約1 ng〜約10,000 mg、約5 ng〜約9,500 mg、約10 ng〜約9,000 mg、約20 ng〜約8,500 mg、約30 ng〜約7,500 mg、約40 ng〜約7,000 mg、約50 ng〜約6,500 mg、約100 ng〜約6,000 mg、約200 ng〜約5,500 mg、約300 ng〜約5,000 mg、約400 ng〜約4,500 mg、約500 ng〜約4,000 mg、約1 μg〜約3,500 mg、約5 μg〜約3,000 mg、約10μg〜約2,600 mg、約20 μg〜約2,575 mg、約30 μg〜約2,550 mg、約40 μg〜約2,500 mg、約 50 μg〜約2,475 mg、約100 μg〜約2,450 mg、約200 μg〜約2,425 mg、約300 μg〜約2,000 mg、約400 μg〜約1,175 mg、約500 μg〜約1,150 mg、約0.5 mg〜約1,125 mg、約1 mg〜約1,100 mg、約1.25 mg〜約1,075 mg、約1.5 mg〜約1,050 mg、約2.0 mg〜約1,025 mg、約2.5 mg〜約1,000 mg、約3.0 mg〜約975 mg、約3.5 mg〜約950 mg、約4.0 mg〜約925 mg、約4.5 mg〜約 900 mg、約5 mg〜約875 mg、約10 mg〜約850 mg、約20 mg〜約825 mg、約30 mg〜約800 mg、約40 mg〜約775 mg、約50 mg〜約750 mg、約100 mg〜約725 mg、約200 mg〜約700 mg、約300 mg〜約675 mg、約400 mg〜約650 mg、約500 mg、又は約525 mg〜約625 mgの範囲でよい。
【0253】
成長ホルモン分泌促進物質の一日当たりの他の好適な用量は、約1 ng以上、約5 ng以上、約10 ng以上、約20 ng以上、約30 ng以上、約40 ng以上、約50 ng以上、約100 ng以上、約200 ng以上、約300 ng以上、約400 ng以上、約500 ng以上、約1 μg以上、約 5 μg以上、約10 μg以上、約20 μg以上、約30 μg以上、約40 μg以上、約50 μg以上、約100 μg以上、約200 μg以上、約300 μg以上、約400 μg以上、約500 μg (0.5 mg) 以上、約1 mg以上、約1.25 mg以上、約1.5 mg以上、約2.0 mg以上、約2.5 mg以上、約3.0 mg以上、約3.5 mg以上、約4.0 mg、約4.5 mg以上、約5 mg以上、約10 mg以上、約20 mg以上、約30 mg以上、約40 mg以上、約50 mg以上、約100 mg以上、約200 mg以上、約300 mg以上、約400 mg以上、約500 mg以上、約600 mg以上、約625 mg以上、約650 mg以上、約675 mg以上、約700 mg以上、約725 mg以上、約750 mg以上、約775 mg以上、約800 mg以上、約825 mg以上、約850 mg以上、約875 mg以上、約900 mg以上、約925 mg以上、約950 mg以上、約975 mg以上、約1000 mg以上、約1025 mg以上、約1050 mg以上、約1075 mg以上、約1100 mg以上、約1125 mg以上、約1150 mg以上、約1175 mg以上、約1200 mg以上、約1225 mg以上、約1250 mg以上、約1275 mg以上、約1300 mg以上、約1325 mg以上、約1350 mg以上、約1375 mg以上、約1400 mg以上、約1425 mg以上、約1450 mg以上、約1475 mg以上、約1500 mg以上、約1525 mg以上、約1550 mg以上、約1575 mg以上、約1600 mg以上、約1625 mg以上、約1650 mg以上、約1675 mg以上、約1700 mg以上、約1725 mg以上、約1750 mg以上、約1775 mg以上、約1800 mg以上、約1825 mg以上、約1850 mg以上、約1875 mg以上、約1900 mg以上、約1925 mg以上、約1950 mg以上、約1975 m以上g、約2000 mg以上、約2025 mg以上、約2050 mg以上、約2075 mg以上、約2100 mg以上、約2125 mg以上、約2150 mg以上、約2175 mg以上、約2200 mg以上、約2225 mg以上、約2250 mg以上、約2275 mg以上、約2300 mg以上、約2325 mg以上、約2350 mg以上、約2375 mg以上、約2400 mg以上、約2425 mg以上、約2450 mg以上、約2475 mg以上、約2500 mg以上、約2525 mg以上、約2550 mg以上、約2575 mg以上、約2600 mg以上、約3,000 mg以上、約3,500 mg以上、約4,000 mg以上、約4,500 mg以上、約5,000 mg以上、約5,500 mg以上、約6,000 mg以上、約6,500 mg以上、約7,000 mg以上、約7,500 mg以上、約8,000 mg以上、約8,500 mg以上、約9,000 mg以上、又は約9,500 mg以上の投薬量を含む。
【0254】
成長ホルモン分泌促進物質の好適な投薬量は、約1〜150 mg/日、例えば約10 mg〜約100 mg、例えば約20 mg〜約80 mg、例えば約30 mg〜約60 mg/日、例えば約50 mg/日の範囲でよい。投薬は、単回投薬又は複数回投薬、例えば1〜4回又はそれ以上/日でよい。多数回投薬が使用される時には、各投薬量は同一でも又は異なってもよい。
【0255】
追加の治療薬のための好適な投薬量は、成長ホルモン分泌促進物質についての上記の範囲と同一の範囲でよい。成長ホルモン分泌促進物質及び追加の物質の投薬量は、同一でも又は異なってもよい。追加の物質のための好適な投薬量は文献に見出される。
【0256】
投与
投与は、嘔吐症状を予防又は治療するために必要に応じて行える。成長ホルモン分泌促進物質の投与は、悪心又は嘔吐を起こしそうである化学療法剤の投与の前に、後に又は同時に行える。
【0257】
医薬組成物及び投与形式
本発明の成長ホルモン分泌促進物質(本明細書では、「活性化合物」とも称される)は、医薬組成物に組み込まれる。かかる組成物は、典型的には、成長ホルモン分泌促進物質及び薬学的に許容される担体を含む。本明細書で用いられる用語「薬学的に許容される担体」は、医薬組成物と適合し得る、溶媒、分散媒体、コーティング、抗菌剤及び抗真菌剤、等張剤及び吸収遅延剤等を含む。補助的な活性化合物も、該組成物に組み込まれる。
【0258】
医薬組成物は、投与のための教示と共に、容器、パック又はデスペンサー内に含まれる。
【0259】
医薬組成物は、その投与の意図した経路と適合するように調合される。投与経路の例は、非経口、例えば静脈内、皮内、皮下、経口的(例えば、吸入)、経皮的(局所的)、経粘膜的、及び結腸投与を含む。非経口、皮内又は経皮的適用のための液剤又は懸濁剤は、以下の成分を含み得る:殺菌希釈剤、例えば注射用水、生理食塩水溶液、不揮発性油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール又は他の合成溶媒;抗菌物質、例えばベンジルアルコール又はメチルパラベン;抗酸化剤、例えばアスコルビン酸又は重亜硫酸ナトリウム;キレート剤、例えばエチレンジアミン四酢酸;バッファー、例えば酢酸エステル、クエン酸エステル又はリン酸エステル、及び張性を調整するための物質、例えば塩化ナトリウム又はデキストロース。pHは、塩酸又は水酸化ナトリウムのような酸又は塩基で調製され得る。非経口調製物は、アンプル、使い捨てシリンジ、又はガラスもしくはプレスティックでできた複数回使用バイアル中に封入され得る。本発明の方法における使用のための化合物は、任意の好適な経路、例えば、経口又は非経口、例えば皮内、経粘膜(例えば、舌下、舌の、(経)舌の)、膣内(例えば、経膣及び膣周囲)、鼻腔(内)及び(経)結腸)、皮下、筋肉内、皮内、動脈内、腹腔内、吸入、及び局所投与、による投与のために調合され得る。本発明の好ましい実施態様では、成長ホルモン分泌促進物質は経口的に投与される。
【0260】
好適な組成物及び投薬剤形は、錠剤、カプセル剤、キャプレット、ピル、ゲルキャップ、トローチ、分散剤、懸濁剤、液剤、シロップ剤、顆粒剤、ビーズ、経皮パッチ、ゲル、粉剤、ペレット、マグマ、トローチ剤、クリーム、ペースト、膏薬、ローション、ディスク、座薬、液状スプレイ、乾燥粉剤、又はアエロゾル化製剤を含む。
【0261】
化合物は経口的に投与されることが好ましい。好適な経口投薬剤形は、例えば、結合剤(例えば、ポリビニルピロリドン又はヒドロキシプロピルメチルセルロース);充填剤(例えば、ラクトース、微結晶セルロース又はリン酸カルシウム);滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク又はシリカ);崩壊剤(例えば、デンプングリコール酸ナトリウム);又は湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)のような薬学的に許容される賦形剤と共に、慣用的な方法によって調製される、錠剤、カプセル剤又はキャプレットを含む。必要であれば、例えば、嚥下を容易にするために提供するためか、又は好適な方法を用いて活性成分の遅延型放出を提供するために、錠剤はコートされ得る。経口投与用の液状調製物は、液状、シロップ又は懸濁液の形態でよい。液状調製物(例えば、溶液、懸濁液及びシロップ)は、経口投与のためにも好適であり、そして、懸濁剤(例えば、ソルビトールシロップ、メチルセルロース、又は水素化食用脂);乳化剤(例えば、レシチン又はアカシア);非-水性ビヒクル(例えば、アーモンド油、油状エステル又はエチルアルコール);及び保存料(例えば、メチル又はプロピルp-ヒドロキシ安息香酸、又はソルビン酸)のような薬学的に許容される添加剤と共に慣用的な方法によって調製され得る。
【0262】
本明細書で使用される用語「薬学的に許容される塩」は、無機酸、有機酸、その溶媒和物、その水和物又はその包接物を含む、薬学的に許容される非-毒性酸から調製された、投与されるべき化合物の塩を言う。かかる無機酸の例は、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、スルホン酸、及びリン酸である。好適な有機酸は、例えば、脂肪族、芳香族の有機酸、有機酸のカルボン酸及びスルホン酸類から選ばれる。その例は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、カンファースルホン酸、クエン酸、フマル酸、グルコン酸、イセチオン酸、酪酸、リンゴ酸、粘性酸、酒石酸、p-トルエンスルホン酸、グリコール酸、グルクロン酸、マレイン酸、フロ酸、グルタミン酸、安息香酸、アントラニル酸、サリチル酸、フェニル酢酸、マンデル酸、エンボニン酸(パモン酸)、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、パントテン酸、ベンゼンスルホン酸(ベシレート)、ステアリン酸、スルファニル酸、アルギン酸、ガラクツロン酸等である。
【0263】
開示された成長ホルモン分泌促進物質は、半水和物、一水和物、二水和物、三水和物、四水和物等のようなその水和物の形態、及び溶媒和物として調製され得る。
【0264】
ご承知のように、成長ホルモン分泌促進化合物は、例えば、好適な方法を用いて分子のライブラリー又は収集を選別することによって同定され得る。興味の化合物の別の起源は、多くの構造的に異なった分子種を含み得るコンビナトリアル・ライブラリーである。コンビナトリアル・ライブラリーは、候補化合物を同定するために又は先に同定された候補を最適化するために、使用され得る。かかるライブラリーは、コンビナトリアル・ライブラリーの周知な方法によって製造され、好適な方法によって選別され得る。
【0265】
立体化学
本明細書に記載の化合物の多くは、1以上のキラル中心を有し、そのため、異なったエナンチオマー体で存在し得る。必要ならば、キラル炭素はアスタリスク(*)で表示される。キラル炭素への結合が本発明の式において直線で示されるときには、キラル炭素の(R)及び(S)配置の両方、並びにその両エナンチオマー及びその混合物は、式中に包含される。当該分野で使用されるように、キラル炭素についての絶対配置を特定することが望ましい時には、キラル炭素への結合の1つは、(平面上で原子に結合する)くさびとして表示され、他の結合は、(平面上で原子に結合する)一組の短い平行線又は短い平行線のくさびとして表示され得る。カーン・インゴルド・プレローグ順位則は、キラル炭素に対して(R)又は(S)配置を指定するために使用され得る。
【0266】
本発明の化合物が2以上のキラル炭素を有するときに、それは2超の光学異性体を有し、ジアステレオマー体で存在し得る。例えば、2つのキラル炭素が存在するときに。該化合物は、最高で4つの光学異性体及び2対のエナンチオマーを有し得る((S,S)/(R,R)、及び(R,S)/(S,R))。エナンチオマー対(例えば、(S,S)/(R,R))は、もう一方の鏡像立体異性体である。鏡像でない立体異性体(例えば、(S,S)、及び(R5S))は、ジアステレオマーである。ジアステレオマー対は、当業者に公知の方法、例えば、クロマトグラフィー又は結晶化、によって分離されてよく、各対における個々のエナンチオマーは上記のようにして分離され得る。本発明は、かかる化合物の各ジアステレオマー及びその混合物を含む。
【0267】
変数定義
上記の構造式において及び本明細書の全体において、以下の用語は所定の意味を有する。
【0268】
上で定義されたC1-6アルキル、C1-6アルキレン、C1-4アルキル、又はC1-4アルキレン基は、許容される、直線、分岐又は環状構造のいずれかの、所定の長さのアルキル又はアルキレン基を含む意図である。直鎖アルキルの例は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル及びヘキシル、及びその対応する二価の部分、例えばエチレンである。分岐鎖の例は、イソプロピル、sec-ブチル、tert-ブチル、イソペンチル及びイソヘキシル、及びその対応する二価の部分、例えばイソプロピレンである。環状アルキルの例は、C3-6-シクロアルキル、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシル、及びその対応する二価の部分、例えばシクロプロピレンである。
【0269】
上で定義されたC1-6アルコキシ基は、直線、分岐又は環状構造のいずれかの、所定の長さのアルコキシ基を含む意図である。直鎖のアルコキシの例は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ及びヘキソキシである。分岐鎖のアルコキシの例は、イソプロポキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、イソペントキシ及びイソへキソキシである。環状アルコキシの例は、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ及びシクロへキシルオキシである。
【0270】
上で定義されたC1-7アシル基は、直線、分岐又は環状構造のいずれかの、所定の長さのアシル基を含む意図である。直鎖アシルの例は、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、バレリル等である。分岐鎖アシルの例は、イソブチリル、イソバレリル、ピバロイル等である。環状アシルの例は、シクロペンチルカルボニル、シクロヘキシルカルボニル等である。
【0271】
本明細書において、用語「アリール」は、単価の炭素環式芳香環部分を含む意図である。それは、単環式、二環式又は多環式のいずれかであり、例えば、場合により1以上のC1-6アルキル、C1-6アルコキシ、アミノもしくはアリールで置換された、フェニル及びナフチルである。
【0272】
本明細書では、用語「アリーレン」は、二かの炭素環式芳香環部分を含む意図である。それは、単環式、二環式又は多環式のいずれかであり、場合により1以上のC1-6アルキル、C1-6アルコキシ、ハロゲン、アミノもしくはアリールで置換された、フェニレン及びナフタレン(napthylene)からなる群より選ばれる。
【0273】
本明細書において、用語「ヘタリール」は、一価の複素環式芳香環部分を含む意図である。それは、単環式、二環式又は多環式のいずれかであり、例えば、場合により、1以上のC1-6アルキル、C1-6アルコキシ、ハロゲン、アミノもしくはアリールで置換された、ピリジル、1-H-テトラゾール-5-イル、チアゾリル、イミダゾリル、インドリル、ピリミジニル、チアジアゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チエニル、キノリル、ピラジニル、又はイソチアゾリルからなる群より選ばれる。
【0274】
本明細書では、用語「ヘタリーレン」は、二価の複素環式芳香環部分を含む意図である。これは、単環式、二環式又は多環式のいずれかであり、例えば、場合により1以上のC1-6アルキル、C1-6アルコキシ、ハロゲン、アミノもしくはアリールで置換された、ピリジンジイル、1-H-テトラゾールジイル、チアゾールジイル、イミダゾールジイル、インドールジイル、ピリミジンジイル、シアジアゾールジイル、ピラゾールジイル、オキサゾールジイル、イソオキザゾールジイル、オキサジアゾールジイル、チオフェンジイル、キノリンジイル、ピラジンジイル又はイソチアゾールジイルからなる群より選ばれる。
【0275】
本明細書では、用語「複素環式系」は、単環式、二環式又は多環式でよい、芳香族及び非-芳香族の環部分を含み、そして、その環構造には、少なくとも1つ、例えば1つ、2つ又は3つの窒素原子(複数)、及び場合により1以上の例えば1又は2つの他のヘテロ原子、例えばイオウ又は酸素原子を含む意図である。複素環式系は、好ましくは、ピラゾール、ピリダジン、トリアジン、インダゾール、フタラジン、シノリン、ピラゾリジン、ピラゾリン、アジリジン、ジチアジン、ピロール、ピラゾール、インドール、インダゾール、プリン、ピロリジン、ピロリン、イミダゾリジン、イミダゾリン、ピラゾリジン、ピラゾリン、ピペリジン、ピペラジン、インドリン、イソインドリン又はモルホリンから選ばれる。
【0276】
用語「ハロゲン」は、塩素(Cl)、フッ素(F)、臭素(Br)及びヨウ素(I)を含む。
【実施例】
【0277】
本発明は、以下の実施例によって説明されるが、本発明を何ら限定するものではない。
【0278】
実施例 1
嘔吐症状の処置のために使用されるべき成長ホルモン分泌促進物質の能力を研究するために、二重盲検のプラセボ制御された無作為化試験を設計した。
【0279】
82人のヒト対象を12週の並行試験に登録した。82人の対象のうち、74人の対象は、処置群(ITT)として分類した。これらの74人の対象はすべて活性な癌を有し、少なくとも1つの投薬の試験治療を受け、少なくとも1つの投薬後有効測定を有した。この74人の対象を2群に分けた:プラセボ群及びRC-1291群。36人プラセボ群対象のうちの30人、及び38人のRC-1291群対象の33人は、なんらの形態の化学療法を受けた。RC-1291群は、毎日、2個の25 mgカプセルで50 mgのRC-1291を受けた。プラセボ群は、毎日、2カプセルを受けた。
【0280】
癌患者に投与されたRC-1291の効果を、同様の患者群に投与したプラセボの効果と比較した。対象の癌症候苦痛を軽減するRC-1291の能力、すなわち生活の質、を決定するために、試験前、試験中及び試験完了後に、対象にアンダーソン症候評価系(ASAS)試験を投与した。ASAS試験は、対象を、10症状の重度について0〜10にランク付けすることによって行った:疼痛、疲れ、悪心、鬱、不安、眠気、息切れ、食欲、睡眠及び健康感(Palmer et al. (2005) J. Pain and Symptom Management 6: 565-571参照)。以下のテキストは、より高い値はよりよい生活に質を反映するようなASASスコアの逆転を示している。
【0281】
患者が悪心症状の標準的治療を受けている12週間の試験の後、RC-1291を投与された患者は、1.52のベースラインに対する総ASASスコアの増加 対 プラセボを投与された患者の5.13のベースラインに対する総ASASスコアの減少を報告した。2群間の総ASASスコアの全体的な差は、6.66であり、統計的に有意であった(p-0.0287)。このことは、顕著な生活の質の向上、及びRC-1291−処置患者対プラセボを受けた患者における癌症状の苦痛の減少を示す。特に、RC-1291で処置された癌患者は、プラセボを受けた患者に対するASAS悪心症状スケールにおいて統計的に有意な減少を示した(処置群間の全体的な差 = 1.46、p=0.0046)。
【0282】
別個のクロスオーバー試験では、16人の癌対象は、3日間上記のようにしてRC-1291又はプラセボで治療し、約5日間洗浄し、次いでプラセボ又はRC-1291を投与した(最初の3日間に受けたとして受けなかったとしても)。16人のプラセボ群対象のうちの12人、及び16人のRC-1291群対象のうちの11人は、何らかの形態の化学療法を受けていた。
【0283】
ASAS悪心症状スケールの全体的な差は、2つの処置間に観察された:減少した悪心は、RC-1291処置で観察され、増加した悪心は、プラセボ処置で観察された。治療間の全体的な差は0.71であり、統計的有意差(p=0.0756)に近い。これらの結果は、RC-1291は3日間で起こる抗悪心効果の突発的な兆候を有することを証明する。
【0284】
結局、これらの結果は、脳室内に投与される時にのみ抗-嘔吐的であることを示すグレリンペプチドとは異なり、RC-1291のようなグレリン受容体作動薬は、全身的例えば経口的に投与される時に抗-嘔吐性を示す。
【0285】
実施例 2
フェレットにおけるイパモレリンの抗-嘔吐活性の評価の薬理学的試験
この試験の目的は、シスプラチンで治療されたフェレットにおける単回静脈内投与(遅延型ボーラス)に従ってイパモレリンの抗-嘔吐反応を評価することであった。
【0286】
方法及び実験的デザイン
この実験では30匹の雌性フェレット(24週齢)を使用した。到着後に、正常な健康状態を確認するために、資格のある獣医スタッフメンバーによる全身的な健康状態試験に、すべての動物を供した。動物を研究室環境に慣れさせるために、動物の受け入れと処置開始との間に少なくとも1週間の順応期間を設けた。
【0287】
自動式の送水バルブを備えた棒型の床を有するステンレス鋼ケージ中で、動物を個々に飼育した。各ケージは、プロジュクト、群及、動物番号及び性別を示す色分けされたケージカードで明確に標識した。各動物は、独自に耳タグで識別した。
【0288】
【表1】

【0289】
投薬製剤の調製
投薬前に、被検物質の好適な量をビヒクルに溶解して4 mg/mLのストック溶液を調製し、ストック溶液(4 mg/mL)を調合する時に2当量の氷酢酸を加え、1 N NaOHを加えて7.5±0.2(必要に応じて)にpHを調整した。次いで、0.22 μm PVDFフィルターを用いてストック溶液を殺菌濾過し、毎日の投薬のために等分し、投薬製剤調製のために使用するまで冷凍保存した(約-20℃)。
【0290】
毎日の投薬について試験物投薬調合剤を調製した。被検物質の4 mg/mLストック溶液の好適なアリコートを室温で解凍した。次いで、ストック溶液(4 mg/mL)の好適な量を、ビヒクル(0.9%生食注射)の好適な量で希釈して、所望の最終濃度を得た。
【0291】
毎日の投薬についてグレリン調合物を調製した。対象物質の必要量をビヒクル(0.9%生食注射)の好適な量と混合して、所望の最終濃度を得た。
【0292】
2日間の投薬について1回シスプラチン調合物を調製した。シスプラチンの必要量をビヒクル(0.9%生食注射)の好適な量と混合して、所望の最終濃度を得た。シスプラチン調合物を冷蔵保存し(2〜8℃)、使用まで遮光した。
【0293】
試験動物の調製
投与
フェレットを、好適な16時間、投薬前に終夜絶食させた。
【0294】
投薬開始の前の約15分間、すべての動物に約50 g(1缶の半分)の商業的に入手可能なネコフードを与えた。
【0295】
毎日投薬される各群由来のほぼ等しい数の動物について連続して毎日投薬を行った。シスプラチンの単回腹腔内注射の後直ちに、橈側皮静脈又は伏在静脈を介する遅い静脈内注射によって、対照/参照/被検物質を投与した。30分後、橈側皮静脈又は伏在静脈を介する遅い静脈内注射によって、対照/参照/被検物質の第2の静脈内注射を投与した。各場合において、投薬量は5 mL/kg(シスプラチン、及び対照/参照/被検物質)であり、投与された実際の投薬量は、各動物のごく最近の実際の体重に基づいた。
【0296】
制吐反応アッセイ
投薬後、10分おきに約4時間、嘔吐の兆候についてフェレットを監視、観察した。全体の観察時間(4時間投薬)に渡って10分間隔で、吐き気又は嘔吐の最初の兆候の前の時間(潜伏期間)、並びに吐き気及び嘔吐時間の総数を記録した。
【0297】
この試験の目的のために、嘔吐の兆候を、胃腸管からの固体又は液状物質の経口排除(すなわち、嘔吐)に関連し、物質の通過(すなわち、吐き気)に関連しない、律動的腹部縮小として定義した。吐き気及び/又は嘔吐の兆候は、ケージ中で動物が位置を変えた時、又は吐き気及び/又は嘔吐の間隔が約5秒間を超える時に、別個であると考えた。
【0298】
統計的方法
動物から得られた数値データを、群平均及び標準偏差(SEM)の計算に供した。以下の統計的比較を行った。
【0299】
以下:潜伏期間、吐き気の存在を有する10分間隔当たりの吐き気兆候の平均、観察期間の吐き気兆候の総頻度、観察期間の嘔吐兆候の総頻度、吐き気の存在を有する10分間隔の総数、及び嘔吐の存在を有する10分間隔の総数、についての個々の観察を用いて、抗-嘔吐反応を評価した。
全体の動物観察期間中、吐き気又は嘔吐の兆候がなかった時はいつでも、潜伏期間を4時間に設定し、吐き気/嘔吐の存在を有する、間隔当たりの吐き気/嘔吐の兆候の平均をゼロに設定した。これらの7個のパラメータの各々を以下の統計的比較の供した。
【0300】
すべての考慮された群を比較するために、ノンパラメトリックなクラスカル-ウォリス検定を使用した。クラスカル-ウォリス検定が有意である(p<0.05)場合には、ダン検定を用いて生食対照群を各処置群と比べた。
【0301】
結果
死亡及び臨床的兆候
投薬に関するこの試験において死亡及び臨床的兆候は認められなかった。
【0302】
制吐反応
生食対照動物は、4時間の観察時間中、それぞれ、平均して4.89と1.78の吐き気及び嘔吐の兆候を示した。
【0303】
グレリン処置同動物は、4時間の観察期間中、それぞれ、平均して7.00及び1.60の吐き気及び嘔吐の兆候を示した。吐き気又は嘔吐の開始時期も回数も、統計的に生食対照動物とは異なった。
【0304】
対照的に、イパモレリン-処置動物は、4時間の観察期間中、それぞれ、平均して1.14及び0.75の吐き気及び嘔吐の兆候を示した。イパモレリン-処置動物は、シスプラチン投与後の嘔吐の開始時期において、中程度の非-統計的に有意な(p>0.05)遅れを示した。生食対照動物と比べた吐き気兆候の数の82%減少は、統計的に有意に近づいた(p<0.05)。生食対照動物と比べた嘔吐兆候の減少は、統計的有意に近づかなかった(p>0.05)。
【0305】
結論
結論として、1.0 mg/kg/用量で雄性フェレット静脈内投与されたイパモレリンは、生食処置対照と比べた時に、吐き気兆候の数を有意に減少させた(p<0.05)。嘔吐兆候の数を減少させることに対するイパモレリンの効果は、生食処置対照群動物に対して統計的有意に達しなかった。
【0306】
0.25 mg/kg/用量(i.v.)の投薬量で静脈内投与されたグレリンは、対照動物に比較して有意な効率を示さなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
嘔吐を発症する危険性を有する又はその危険性がある対象の治療方法であって、成長ホルモン分泌促進物質の有効量を該対象に投与し、それによって該対象を治療することを含み、該成長ホルモン分泌促進物質が、構造式I:
【化1】

[式中、
R1は、水素、又は場合により1以上のアリール又はヘタリールで置換されたC1-6アルキルであり;
a及びdは、独立に0、1、2又は3であり;
b及びcは、b+cが3、4又は5であることを条件に、独立に0、1、2、3、4又は5であり;
Dは、R2-NH-(CR3R4)e-(CH2)f-M-(CHR5)g-(CH2)h-であり;
ここで、R2、R3、R4及びR5は、独立に、水素、場合により1以上のハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、アリール又はヘタリールで置換されたC1-6アルキルであり;又は
R2及びR3、又はR2及びR4、又はR3及びR4は、場合により、-(CH2)i-U-(CH2)j-を形成し(ここで、i及びjは独立に1又は2であり、Uは-O-、-S-又は原子価結合である);
h及びfは、独立に0、1、2又は3を示し;
g及びeは、独立に0又は1を示し;
Mは、原子価結合、-CR6=CR7-、アリーレン、ヘタリーレン、-O-又は-S-であり;
R6及びR7は、独立に、水素、又は場合により1以上のアリール又はヘタリールで置換されたC1-6アルキルであり;
Gは、-O-(CH2)k-R8
【化2】

であり、
Jは、-O-(CH2)l-R13
【化3】

ここで、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16及びR17は、独立に、水素、ハロゲン、アリール、ヘタリール、C1-6アルキル又はC1-6アルコキシであり;
k及びlは独立に0、1又は2であり;
Eは、-CONR18R19、-COOR19、-(CH2)m-NR18SO2R20、-(CH2)m-NR18-COR20、-(CH2)m-OR19、-(CH2)m-OCOR20、-CH(R18)R19-(CH2)m-NR18-CS-NR19R21、又は-(CH2)m-NR18-CO-NR19R21;又は
Eは、-CONR22NR23R24であり、ここで、R22は、水素、場合により1以上のアリール又はヘタリールで置換されたC1-6アルキル、又は1以上のC1-6アルキルで置換されたアリール又はヘタリールであり;R23は、場合により1以上のアリール又はヘタリールで置換されたC1-6アルキル、又はC1-7アシルであり;及びR24は、水素、場合により1以上のアリール又はヘタリールで置換されたC1-6アルキルであり;又は
R22及びR23は、それらが結合されている窒素原子と一緒になって、場合により、1以上のC1-6アルキル、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、アリール又はヘタリールで置換された複素環式系を形成することができ;又は
R22及びR24は、それらが結合されている窒素原子と一緒になって、場合により、1以上のC1-6アルキル、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、アリール又はヘタリールで置換された複素環式系を形成することができ;又は
R23及びR24は、それらが結合されている窒素原子と一緒になって、場合により、1以上のC1-6アルキル、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、アリール又はヘタリールで置換された複素環式系を形成することができ;
mは、0、1、2又は3であり;
R18、R19及びR21は、独立に、水素、場合によりハロゲン、-N(R25)R26(ここで、R25及びR26は、独立に、水素又はC1-6アルキルである)で置換されたC1-6アルキル、ヒドロキシ、C1-6アルコキシ、C1-6アルコキシカルボニル、C1-6アルキルカルボニルオキシ又はアリールであり;又は
R19は、
【化4】

(ここで、
Qは、-CH<、又は-N<であり;
K及びLは、独立に-CH2-、-CO-、-O-、-S-、-NR27-、又は原子価結合であり、R27は水素又はC1-6アルキルであり;
n及びoは、独立に0、1、2、3又は4である);
R20は、C1-6アルキル、アリール又はヘタリールである。
但し、Mが原子価結合である場合には、Eが-CONR22NR23R24である。]
で表される化合物、又はその薬学的に許容される塩である、前記治療方法。
【請求項2】
前記成長ホルモン分泌促進物質が、構造式II:
【化5】

によって示される化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物である、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記成長ホルモン分泌促進物質が、構造式III:
【化6】

によって示される化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物である、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記成長ホルモン分泌促進物質が、構造式IV:
【化7】

[式中、
R1は、水素又はC1-6アルキルであり;
R2は、水素又はC1-6アルキルであり;
Lは、
【化8】

(ここで、
R4は、水素又はC1-6アルキルであり;
pは、0又は1であり;
q、s、t、uは、独立に0、1、2、3又は4であり;
rは、1であり;
q + r + s + 1 + uの合計は、0、1、2、3又は4であり;
R9、R10、R11及びR12は、独立に水素又はC1-6アルキルであり;
Qは、>N-R13、又は
【化9】

ここで、
oは、0、1又は2であり;
Tは、-N(R15)(R16)又はヒドロキシルであり;
R13、R15及びR16は、独立に水素又はC1-6アルキルであり;
R14は、水素、アリール又はヘタリールであり);あるいは
Lは
【化10】

(ここで、
pは、0又は1であり;
q、s、t、uは、独立に0、1、2、3又は4であり;
rは、0又は1であり;
q + r + s + 1 + uの合計は、0、1、2、3又は4であり;
R9、R10、R11及びR12は、独立に水素又はC1-6アルキルであり;
Qは、>N-R13、又は
【化11】

(ここで、
oは、0、1又は2であり;
Tは、-N(R15)(R16)又はヒドロキシルであり;
R13、R15及びR16は、独立に水素又はC1-6アルキルであり;
R14は、水素、アリール又はヘタリール、
【化12】

であり);
Gは、-O-(CH2)-R17
ここで、
R17、R18、R19、R20、及びR21は、独立に水素、ハロゲン、アリール、ヘタリール、C1-6アルキル又はC1-6アルコキシであり;
Kは、0、1又は2であり;
Jは、-O-(CH2)t-R22
【化13】

(ここで、R22、R23、R 24、R25、及びR26は、独立に水素、ハロゲン、アリール、ヘタリール、C1-6アルキル又はC1-6アルコキシであり;lは、0、1又は2であり);
aは、O、1又は2であり;
bは、O、1又は2であり;
cは、O、1又は2であり;
dは、0又は1であり;
eは、0、1、2又は3であり;
fは、O又は1であり;
R5は、水素、又は場合により1以上のヒドロキシ、アリール又はヘタリールで置換されたC1-6アルキルであり;
R6及びR7は、独立に水素、又は1以上のハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、アミノ、ヒドロキシ、アリール又はヘタリールで置換されたC1-6アルキルであり;
R8は、水素、又は1以上のハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、アミノ、ヒドロキシ、アリール又はヘタリールで置換されたC1-6アルキルであり;
R6及びR7、又はR6及びR8、又はR7及びR8は、場合により-(CH2)i-U-(CH2)j-を形成することができ(ここで、i及びjは、独立に1、2又は3であり、Uは、-O-、-S-又は原子価結合であり;
Mは、アリーレン、ヘタリーレン、-O-、-S-又は-CR27 = CR28-であり、
R27及びR28は、独立に水素、又は1以上のヒドロキシ、アリール又はヘタリールで置換されたC1-6アルキルである。]
によって示される化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物である、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記成長ホルモン分泌促進物質が、構造式V:
【化14】

によって示される化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物である、請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記成長ホルモン分泌促進物質が、構造式VI:
【化15】

式VII:
【化16】

【化17】

【化18】

【化19】

によって示される化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物である、請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記成長ホルモン分泌促進が、約25 mg/日〜150 mg/日の量で投与される、請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記成長ホルモン分泌促進が、約50 mg/日〜100 mg/日の量で投与される、請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記成長ホルモン分泌促進が、約50 mg/日の量で投与される、請求項8記載の方法。
【請求項10】
構造式III:
【化20】

によって表される成長ホルモン分泌促進物質の有効量を対象に投与し、それによって該対象を治療することを含む、対象における嘔吐を治療又は予防する方法。
【請求項11】
前記対象が化学療法を受けている、請求項1記載の方法。
【請求項12】
前記成長ホルモン分泌促進物質が、約25 mg/日〜150 mg/日の量で投与される、請求項10記載の方法。
【請求項13】
前記成長ホルモン分泌促進が、約50 mg/日〜100 mg/日の量で投与される、請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記成長ホルモン分泌促進が、約50 mg/日の量で投与される、請求項13記載の方法。
【請求項15】
構造式III:
【化21】

によって表される成長ホルモン分泌促進物質の有効量を対象に投与し、それによって該対象を治療することを含む、嘔吐を発症する危険性を有する又はその危険性がある対象の治療方法。
【請求項16】
前記対象が化学療法を受けている、請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記成長ホルモン分泌促進物質が、約25 mg/日〜150 mg/日の量で投与される、請求項15記載の方法。
【請求項18】
前記成長ホルモン分泌促進が、約50 mg/日〜100 mg/日の量で投与される、請求項17記載の方法。
【請求項19】
前記成長ホルモン分泌促進が、約50 mg/日の量で投与される、請求項18記載の方法。
【請求項20】
前記成長ホルモン分泌促進が経口的に投与される、請求項1〜19のいずれか1項記載の方法。
【請求項21】
構造式III:
【化22】

によって表される成長ホルモン分泌促進物質の有効量を対象に経口投与し、それによって該対象を治療することを含む、嘔吐を発症する危険性を有する又はその危険性がある対象の治療方法。
【請求項22】
前記対象が化学療法を受けている、請求項21記載の方法。
【請求項23】
前記成長ホルモン分泌促進物質が、約25 mg/日〜150 mg/日の量で投与される、請求項21記載の方法。
【請求項24】
前記成長ホルモン分泌促進が、約50 mg/日〜100 mg/日の量で投与される、請求項23記載の方法。
【請求項25】
前記成長ホルモン分泌促進が、約50 mg/日の量で投与される、請求項24記載の方法。
【請求項26】
対象のASASスコアを改善する方法であって、成長ホルモン分泌促進物質の有効量を該対象に投与し、それによって該対象を治療することを含み、該成長ホルモン分泌促進物質が、構造式I:
【化23】

[式中、
R1は、水素、又は場合により1以上のアリール又はヘタリールで置換されたC1-6アルキルであり;
a及びdは、独立に0、1、2又は3であり;
b及びcは、b+cが3、4又は5であることを条件に、独立に0、1、2、3、4又は5であり;
Dは、R2-NH-(CR3R4)e-(CH2)f-M-(CHR5)g-(CH2)h-であり;
ここで、R2、R3、R4及びR5は、独立に、水素、場合により1以上のハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、アリール又はヘタリールで置換されたC1-6アルキルであり;又は
R2及びR3、又はR2及びR4、又はR3及びR4は、場合により、-(CH2)i-U-(CH2)j-を形成し(ここで、i及びjは独立に1又は2であり、Uは-O-、-S-又は原子価結合である);
h及びfは、独立に0、1、2又は3を示し;
g及びeは、独立に0又は1を示し;
Mは、原子価結合、-CR6=CR7-、アリーレン、ヘタリーレン、-O-又は-S-であり;
R6及びR7は、独立に、水素、又は場合により1以上のアリール又はヘタリールで置換されたC1-6アルキルであり;
Gは、-O-(CH2)k-R8
【化24】

であり、
Jは、-O-(CH2)l-R13
【化25】

ここで、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16及びR17は、独立に、水素、ハロゲン、アリール、ヘタリール、C1-6アルキル又はC1-6アルコキシであり;
k及びlは独立に0、1又は2であり;
Eは、-CONR18R19、-COOR19、-(CH2)m-NR18SO2R20、-(CH2)m-NR18-COR20、-(CH2)m-OR19、-(CH2)m-OCOR20、-CH(R18)R19-(CH2)m-NR18-CS-NR19R21、又は-(CH2)m-NR18-CO-NR19R21;又は
Eは、-CONR22NR23R24であり、ここで、R22は、水素、場合により1以上のアリール又はヘタリールで置換されたC1-6アルキル、又は1以上のC1-6アルキルで置換されたアリール又はヘタリールであり;R23は、場合により1以上のアリール又はヘタリールで置換されたC1-6アルキル、又はC1-7アシルであり;及びR24は、水素、場合により1以上のアリール又はヘタリールで置換されたC1-6アルキルであり;又は
R22及びR23は、それらが結合されている窒素原子と一緒になって、場合により1以上のC1-6アルキル、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、アリール又はヘタリールで置換された複素環式系を形成することができ;又は
R22及びR24は、それらが結合されている窒素原子と一緒になって、場合により1以上のC1-6アルキル、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、アリール又はヘタリールで置換された複素環式系を形成することができ;又は
R23及びR24は、それらが結合されている窒素原子と一緒になって、場合により1以上のC1-6アルキル、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、アリール又はヘタリールで置換された複素環式系を形成することができ;
mは、0、1、2又は3であり;
R18、R19及びR21は、独立に、水素、場合によりハロゲン、-N(R25)R26(ここで、R25及びR26は、独立に、水素又はC1-6アルキルである)で置換されたC1-6アルキル、ヒドロキシ、C1-6アルコキシ、C1-6アルコキシカルボニル、C1-6アルキルカルボニルオキシ又はアリールであり;又は
R19は、
【化26】

(ここで、
Qは、-CH<、又は-N<であり;
K及びLは、独立に-CH2-、-CO-、-O-、-S-、-NR27-、又は原子価結合であり、R27は水素又はC1-6アルキルであり;
n及びoは、独立に0、1、2、3又は4である);
R20は、C1-6アルキル、アリール又はヘタリールである。
但し、Mが原子価結合である場合に、Eは-CONR22NR23R24である。]
で表される化合物又はその薬学的に許容される塩である、前記方法。
【請求項27】
対象のASASスコアを改善する方法であって、構造式III:
【化27】

で表される成長ホルモン分泌促進物質の有効量を該対象に経口投与し、それによって該対象を治療することを含む、前記方法。
【請求項28】
前記対象が化学療法を受けている、請求項27記載の方法。
【請求項29】
前記成長ホルモン分泌促進物質が、約25 mg/日〜150 mg/日の量で投与される、請求項27記載の方法。
【請求項30】
前記成長ホルモン分泌促進が、約50 mg/日〜100 mg/日の量で投与される、請求項29記載の方法。
【請求項31】
前記成長ホルモン分泌促進が、約50 mg/日の量で投与される、請求項30記載の方法。
【請求項32】
成長ホルモン分泌促進物質、1以上の追加の制吐物質、及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物であって、該成長ホルモン分泌促進物質が、構造式I:
【化28】

[式中、
R1は、水素、又は場合により1以上のアリール又はヘタリールで置換されたC1-6アルキルであり;
a及びdは、独立に0、1、2又は3であり;
b及びcは、b+cが3、4又は5であることを条件に、独立に0、1、2、3、4又は5であり;
Dは、R2-NH-(CR3R4)e-(CH2)f-M-(CHR5)g-(CH2)h-であり;
ここで、R2、R3、R4及びR5は、独立に、水素、場合により1以上のハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、アリール又はヘタリールで置換されたC1-6アルキルであり;又は
R2及びR3、又はR2及びR4、又はR3及びR4は、場合により、-(CH2)i-U-(CH2)j-を形成し(ここで、i及びjは独立に1又は2であり、Uは-O-、-S-又は原子価結合である);
h及びfは、独立に0、1、2又は3を示し;
g及びeは、独立に0又は1を示し;
Mは、原子価結合、-CR6=CR7-、アリーレン、ヘタリーレン、-O-又は-S-であり;
R6及びR7は、独立に、水素、又は場合により1以上のアリール又はヘタリールで置換されたC1-6アルキルであり;
Gは、-O-(CH2)k-R8
【化29】

であり、
Jは、-O-(CH2)l-R13
【化30】

ここで、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16及びR17は、独立に、水素、ハロゲン、アリール、ヘタリール、C1-6アルキル又はC1-6アルコキシであり;
k及びlは独立に0、1又は2であり;
Eは、-CONR18R19、-COOR19、-(CH2)m-NR18SO2R20、-(CH2)m-NR18-COR20、-(CH2)m-OR19、-(CH2)m-OCOR20、-CH(R18)R19-(CH2)m-NR18-CS-NR19R21、又は-(CH2)m-NR18-CO-NR19R21;又は
Eは、-CONR22NR23R24であり、ここで、R22は、水素、場合により1以上のアリール又はヘタリールで置換されたC1-6アルキル、又は1以上のC1-6アルキルで置換されたアリール又はヘタリールであり;R23は、場合により1以上のアリール又はヘタリールで置換されたC1-6アルキル、又はC1-7アシルであり;及びR24は、水素、場合により1以上のアリール又はヘタリールで置換されたC1-6アルキルであり;又は
R22及びR23は、それらが結合されている窒素原子と一緒になって、場合により1以上のC1-6アルキル、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、アリール又はヘタリールで置換された複素環式系を形成することができ;又は
R22及びR24は、それらが結合されている窒素原子と一緒になって、場合により1以上のC1-6アルキル、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、アリール又はヘタリールで置換された複素環式系を形成することができ;又は
R23及びR24は、それらが結合されている窒素原子と一緒になって、場合により1以上のC1-6アルキル、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、アリール又はヘタリールで置換された複素環式系を形成することができ;
mは、0、1、2又は3であり;
R18、R19及びR21は、独立に、水素、場合によりハロゲン、-N(R25)R26(ここで、R25及びR26は、独立に、水素又はC1-6アルキルである)で置換されたC1-6アルキル、ヒドロキシ、C1-6アルコキシ、C1-6アルコキシカルボニル、C1-6アルキルカルボニルオキシ又はアリールであり;又は
R19は、
【化31】

(ここで、
Qは、-CH<、又は-N<であり;
K及びLは、独立に-CH2-、-CO-、-O-、-S-、-NR27-、又は原子価結合であり、R27は水素又はC1-6アルキルであり;
n及びoは、独立に0、1、2、3又は4である);
R20は、C1-6アルキル、アリール又はヘタリールである。
但し、Mが原子価結合である場合に、Eは-CONR22NR23R24である。]
で表される化合物又はその薬学的に許容される塩である、前記組成物。
【請求項33】
構造式III:
【化32】

で表される化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物、1以上の制吐剤、及び薬学的に許容される担体を含む、嘔吐治療のための医薬組成物。
【請求項34】
約10 mg/日〜150 mg/日の成長ホルモン分泌促進物質を含む、請求項33記載の医薬組成物。
【請求項35】
約10 mg/日〜100 mg/日の成長ホルモン分泌促進物質を含む、請求項34記載の医薬組成物。
【請求項36】
約10 mg/日〜50 mg/日の成長ホルモン分泌促進物質を含む、請求項35記載の医薬組成物。
【請求項37】
約10 mg/日〜25 mg/日の成長ホルモン分泌促進物質を含む、請求項36記載の医薬組成物。
【請求項38】
約10 mg/日〜15 mg/日の成長ホルモン分泌促進物質を含む、請求項37記載の医薬組成物。
【請求項39】
経口投与のために調合される、請求項32〜38のいずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項40】
請求項32〜39のいずれか1項記載の医薬組成物及び使用のための教示を含む、嘔吐の治療のためのキット。
【請求項41】
化学療法誘発性嘔吐のための、請求項40記載のキット。

【公表番号】特表2010−523675(P2010−523675A)
【公表日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−503058(P2010−503058)
【出願日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際出願番号】PCT/US2008/004640
【国際公開番号】WO2008/124183
【国際公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【出願人】(509227632)ヘルシン セラピューティクス(ユー.エス.),インコーポレイティド (6)
【Fターム(参考)】