説明

所望量の物質を捕捉するためのフィルターデバイスおよびその使用方法

本発明は、所望の量の、液体またはガスに懸濁された物質を捕捉する方法を有するフィルター装置である。これらのフィルター捕捉方法は、様々な試料成分の精製もしくは濃縮のために用いられうる。または、捕捉した物質を観察もしくは分析することもできる。また、粒子状物質をタンパク質や薬物の輸送機構として用いてもよく、次いでタンパク質や薬物を評価もしくは使用してもよい。本フィルターデバイスは、圧力を感知する手段を具備しているため、試料懸濁液がフィルターを通る流速に関わる圧力変化に反応する。典型的には、所望量の物質のフィルターへの捕捉に関わる予め定められた圧力に反応する。さらに、本フィルター装置は、そのような予め定められた圧力を感知した場合、試料の流れを止めるか、さもなくば調整する手段を具備している。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
産業及び生物学において、精製、濃縮、観察、またはそれらに続く分析のために、液体中または気体中に懸濁された粒子状の物質をフィルター上に捕捉することが有効である場合はしばしばある。粒子状物質の量および性質は、製造(例えば、粉末、顔料、燃料または潤滑剤を使用するプロセス)において重要である。粒子の評価はまた、花粉、アスベストおよび煤などの、水もしくは空気中の汚染を評価するためにも用いられる。粒子状物質は、タンパク質または化学物質を評価するために用いられることがある。例えば、モノクローナル抗体でコートされた溶球は血液と相互作用しうる。その後、これらの溶球はフィルター上に捕捉され、それらの結合するタンパク質が評価されうる。
【0002】
本明細書にて用いられる「試料懸濁物(sample suspension)」とは、液体中または気体中に懸濁された粒子状の物質を意味する。本明細書にて用いられる「物質」とは、生物細胞、有機体、バクテリア、ウイルス、またはこれらの構成要素、並びに有機および無機粒子あるいはフィルター上で捕捉もしくは単離されうるその他の物体を意味する。この捕捉された物質は次いで、診断および/または分析情報を提供するために用いられるか、あるいは再懸濁もしくは別の用法に用いられうる。例えば、捕捉された物質は化学的に分析することができる。あるいは、分析のために顕微鏡のスライドなどの受け面(receiving surface)上に置いてもよい。
【0003】
観察や分析のための受け面上に、物質の単一層(mono-layers)を堆積(deposit)させるための確立された方法は数多くあるが、フィルター上に集められた物質の量を制御することは、達成がより難しい。通常、フィルター装置上の物質の収集をモニターおよび制御するために、電気的制御ならびに介入が必要とされ、および/または、その他の実験室手法(粒子カウンターおよび希釈技術を使うもの)を用いて懸濁物中の物質濃度を調整する。残念なことに、これらの方法は付加的な装置や電子機器を必要とし、支出および時間に関して、比較的複雑であるか、もしくは費用がかかる。従って、、所望量の物質をフィルター上に捕捉するための、シンプルで信用度の高い方法が有効とされる。
【0004】
本発明は、所望量の物質を集めるための手段を提供するフィルターデバイスである。これを達成するために、圧力センサーを用いてフィルターを通る流量(flow rate)を実質的にモニターする。加えて、試料の流れの制御を提供しそれにより物質を収集するバルブに、該圧力センサーを組み合わせてもよい。本発明の1つの実施態様では、圧力センサーとバルブとが統合(integrated)されて感圧性チェックバルブを形成している。その他の実施態様では、膜フィルターまたはフィルターアセンブリ自体が変形し、圧力センサーおよび流量制御メカニズムとして作動する。
【0005】
先行技術の簡単な解説
「差異のある圧力反応性シグナリングデバイスおよびそれを有するフィルターアセンブリ(Differential pressure-responsive signaling device and filter assembly having same)」と題する米国特許No.3591003(Cooper)には、潤滑油、冷却液および燃料などの液体から汚染物質を取り除くことが論じられている。フィルターが汚染物質で詰まってくるにつれて、フィルター上の圧力差が増加する(規定の圧力差の発生によって感知される)。これはフィルターがふさがれ、補修されるべきであることを示している。このモニタリングおよびフロー条件に対処する原理は、本発明の様々な実施態様に活用されている。
【0006】
「ポペットバルブアセンブリ(Poppet valve assembly)」と題する米国特許No.3963048(Bowman)は、加圧ガスの流れを制御するための小型ポペットバルブについて論じており、そのバルブは小さく、信用度が高く、頑丈、およびダメージに強いものである。
【0007】
「手動式真空ろ過デバイス(Manual vacuum filtration device)」と題する米国特許No.4792398(Klein)は、固体粒子をフィルターエレメント上に保持するための、標本レシービングチャンバーと真空チャンバーの間に置かれた多孔性膜フィルターエレメントについて論じている。さらにこの先行技術は、液体ろ過のための装置を提供する最近の試みについて論じており、それらの装置は比較的小さく、手動操作によって機能して圧力差を起こす。記載されている限定要因とてしては、精密許容差とそれに関わる費用が挙げられる。論じられている装置は一方向性のバルブを具備しており、真空チャンバーから空気を放出する。1つの実施態様では、一方向性のバルブメカニズムは、周囲に等距離で形成されかつデバイスの環状段付壁に置かれた複数の通気道またはオリフィスを含み、所望の速度の空気放出を提供する(真空レギュレーション手段)。本発明に活用するのに適した様々なフィルターおよび装置についてもまた論じられている。真空を解除するための手段、あるいは実質的に試料の流れを減じる手段が、本発明の様々な実施態様において使用されている。
【0008】
「制御された、または制御可能なダッシュポットのための選択的性質を伴ったバイパスバルブ(Bypass valve with selective characteristics for controlled and adjustable dashpots)」と題する米国特許No.5168965(Huang)は、圧力で稼動されるチェックバルブ、および、例えばモーター車におけるような使用のための性質を決定する手段について論じている。これらの原理は、本発明の様々な実施態様において使用されている。
【0009】
「液体から粒子状物体を混合および分離するための装置(Apparatus for mixing and separating particulate matter from a fluid)」と題する米国特許No.6296764(Guirguis)は、回転可能な攪拌機および顕微鏡観察のためにすぐに用いることができる形態の粒子状物体を効率的に集め、濃縮することに関した問題について論じている。「従来の細胞調製技術では、非均一な細胞密度、不均等な細胞分配および空気乾燥アーティファクト(air drying artifacts)の問題に適切に対処できない」とも言及されている。
【0010】
米国特許No.5471994、6091483および6106483(Guirguis)は、物質をフィルター装置上に捕捉するための様々な方法を記載している。また、「モジュール式液体試料調製アセンブリ(Modular fluid sample preparation assembly)」と題する米国特許No.4961432において、Guirguisは、液体試料を動かすシリンジ(液体タイトシールを備え付けた外部を伴った、円筒穴ピストン)が実質的に何なのか、より具体的にはフィルター上の粒子状物質の捕捉について記載している。この先行技術は均一な密度の細胞単層を沈殿させるための手段を提供することを概して目指しているが、物質のオーバラップなど、捕捉された物質の量に関係する問題や限定を認めている。フィルター上に捕捉された物質の量の制御を改善することは、本発明の1つの目的である。
【0011】
「初期に平面な膜および曲線状の膜支持を伴ったフィルター(Filter with initially flat membrane and curved membrane support)」と題する米国特許No.4319996(Vincent)は、使用中は支持表面の形態を呈する、挿入された変形可能な膜フィルターを有するフィルターデバイスを記載している。本発明は様々な実施態様において、変形可能なフィルターまたは支持表面を使用して、新規な機能性を、圧力モニターおよび/または流量制御の形態で得ている。
【0012】
所望量の物質を提供する別の方法が、2002年8月26日に出願された「試料懸濁物から物質の密度勾配を沈殿する方法およびそのためのフィルターデバイス(Methods of depositing density gradients of material from sample suspensions and filter device for same)」と題する同時係属米国出願(Ferguson、出願番号10/228,353)で論じられている。これらの技術革新は、物質の濃度勾配を捕捉する手段を提供し、使用者が、所望量の物質を有する領域を、例えば顕微鏡観察のために選択することを可能にする。
【0013】
様々な遠心分離システムもまた、物質の濃縮を追及し、および/または単層沈殿のための物質を提供している。例えば「振動するバケット(Swinging buckets)」と題する米国特許No.4250830(Leif)、「細胞学遠心分離装置(Cytology centrifuge apparatus)」と題する米国特許No.5480484(Kelly)、「細胞学遠心分離装置(Cytology centrifuge apparatus)」と題する米国特許No.5679154(Kelly)、および「サイトファネル装置(Cytofunnelarrangement)」と題する米国特許No.6162401(Callaghan)。
【0014】
「フィルター技術を用いる単一層デバイス(Monolayer device using filter techniques)」と題する米国特許No.4395493(Zahniser)は、液体懸濁物において適切な細胞濃度を有することの必要性、および、例えば、インピーダンス細胞カウンターで測定したとして、所望数の細胞を有する一定量の液体を得るための手段について論じている。この特許はまた、フィルターテープを受け面として用いることを記載している。
【0015】
「膜フィルターの透過性を試験するための方法およびデバイス(Method and device for testing the permeability of membrane filters)」と題する米国特許No.4614109(Hofmann)は、膜透過性を試験することを提供し、また米国特許No.3591003(Cooper)および米国特許No.4792398(Klein)(前述)と合わせて、「フィルターデバイスを伴った、制御された粒子計測のための方法および装置(Method and apparatus for controlled instrumentation of particles with filter device)」と題する米国特許No.6010909(Lapidus)および「フィルターデバイスを伴った、制御された粒子計測のための方法および装置(Method and apparatus for controlled instrumentation of particles with filter device)」と題する米国特許No.6225125(Lapidus)の基礎を提供する。Hofmannは、濃度を評価する手段、また孔がクリアな場合の膜を通る圧力の差異で表されるような膜孔のサイズについて論じている。Lapidusは、孔がブロックされている場合の膜を通る圧力の差異を測定している。好ましい膜フィルターは「実質的に均一なサイズの孔の均一な分配で開口され(aperaturized)、孔のサイズによって決められる閾値サイズ以上の細胞およびその他の粒子をブロックし、またそれよりも小さな粒子は自由に通過させる」。後者は、膜の性質よりもむしろ細胞濃度を指摘している。同様に、本発明の目的は、かかる機能性を比較的シンプルで費用のかからない手段によって提供することである。
【0016】
「感圧カニューレ(Pressure sensing cannula)」と題する米国特許No.6295877(Aboul-Hosn)は、カニューレの主たるルーメンの輪郭を示すチューブ壁のような中空ボディに、流量または例えば血液といったような体液を、測定するために取り付けられた圧力トランスデューサーについて論じている。
【0017】
「圧力で活性化されるチェックバルブ(Pressure activated check valve)」と題する米国特許No.4967791(Sternberger)は、インレットポートにおいて液体圧力に反応するスプリングおよびエレメントと向かいあった閉鎖位置にポペットバルブを移動することについて論じている。本発明は、感圧バルブを使用して、流量を測定し、また流路を閉じるか、試料の流れを起こす圧力を除くことによって試料の流れを制御する様々な実施態様を考慮している。
【0018】
「直接的なスプリング圧力で操作されるバルブ(Direct spring pressure operated valve)」と題する米国特許No.5341838(Powell)は、バルブを、例えば安全リリーフバルブとして使用することについて論じている。バルブ部材を超える圧力によって、バルブ部材はインレット圧力を規定のレベルに引き下げる。様々な機械的手段が、スプリング、タブ、レバーなどといった圧力センサーを調整するために用いられうる。同様に、分圧計などの様々な手段により、電気機械的圧力センサーが規定の圧力を起こすように調整される。あるいは、圧力トランスデューサーおよび/またはバルブが、設計中に定められた誘因性質を有していてもよい。本発明は、引き起こすこと、変形すること、またそうでなければ規定の圧力に反応することについて論じている。またより具体的には、規定量の物質がフィルター上に集められたとき、膜を通過する圧力差異が、試料の流れを、例えば半分の流れに引き続き調整するように用いられる。
【0019】
「眼科用水晶体吸引機における超音波力の機能としての真空を制御するための方法および装置(Method and apparatus for controlling vacuum as a function of ultrasonic power in an ophthalmic phaco aspirator)」と題する米国特許No.6425883(Urich)は、とりわけ、液体を吸引ラインに入れるための制御バルブについて論じている。該システムは、吸引ラインおよびチェックバルブに結合した圧力トランスデューサーを含んでいてもよい。
【0020】
論じてきたように、圧力トランスデューサーおよびバルブを用いて流量をモニターおよび制御する様々な手段が存在する。トランスデューサーに関する付加的な詳細、それらの性質および製造方法もまた、「高感度小型圧力トランスデューサー(High sensitivity miniature pressure transducer)」と題する米国特許No.4996627(Zias)において見受けられる。
【0021】
従って、本発明の目的は、シンプルでコスト効率のよい態様で、所望量の物質を捕捉するフィルターデバイスを提供することである。本発明のさらなる目的は、同時に複数の試料を用意するために用いることができる方法を提供することである。本発明のさらなる目的は、さらに自動化されうる方法を提供することである。
【0022】
圧力トランスデューサーの様々な用途のためのトリガーポイント(起動点)を予め定めかつセットするための方法、様々な用途のためにフィルターおよび物質を選択するための指針(guide)、およびその他の一般的な原則は、先行技術において論じられており、よって、本出願に引用された該先行技術は、ここで言及することによって含まれる。
【発明の開示】
【0023】
要旨
所望量の物質を、比較的複雑な電気機器およびセンサーに依存しないフィルターに、捕捉するためのシンプルなフィルター装置を提供することは、有益なことである。さらに、自動化され、複数の試料を同時に用意できるフィルター捕捉方法を提供することは有利なことである。よって、より詳しく記載されるように、本発明は、圧力トランスデューサーを組み込んだ新規な装置を提供し、かつ、所望量の物質を複雑なエレクトロニクス無しで捕捉するためのシンプルで信頼できるデバイスを提供して、試料の流れを実質的に止めるかそうでなければ調整するための手段を提供するものである。加えて、本発明は、容易に自動化できて、複数の試料からの物質が同時に膜フィルター上に捕捉されるようにすることができる。
【0024】
本明細書にてこれまで論じてきたように、種々の圧力センサーによって、本発明の開発のために適した性質が得られる。ある用途では、フィルター上に捕捉された物質は、顕微鏡スライドなどの受け面へのコントラクトトランスファー(contract-transfer)を目的としている。従って、、比較的大きなフィルターが必要である場合やまたは懸濁物が粘性である場合の用途に対しては、例えば、フィルター支持構造が望ましい。
【0025】
本発明は、フィルターを通過する気体または液体の流量を、測定もしくは感知するための手段を用いるフィルター装置を提供する。ある実施態様では、圧力が感知さるが、液体または気体の流量もまた感知されうる。ある実施態様では、本発明は、予め定められた量の物質がフィルター上に捕捉された場合に、例えば、試料の流れに応じた圧力差異を放出すること、あるいは流路(例えばバルブ)を閉じることによって、試料の流れを停止させるかそうでなければ調整する。本発明のその他の実施態様では、フィルター上の物質収集は、フィルターへのアクセスを制限すること、例えば、その位置を変えること、もしくはその形を変形することによって、実質的に減らされる。
【0026】
フィルタータイプとしては、例えば、繊維性およびメッシュ膜、多孔および細多孔膜、並びに繊維およびゲル格子が挙げられる。かかるフィルターは、通常、紙、ナイロン、ガラス繊維、ニトロセルロース、ポリプロピレン、化学ゲルなどから作られる。フィルターは、捕捉力、柔軟性、選択性、または粘着性などの或る種の特性を強めるために、コートすることによって、またはPTFEもしくはタンパク質結合化合物といったその他の化合物を含むことによって、さらに処理されている場合もある。従って、フィルターは、平面、円錐、ピラミッド型、半球、球などの様々な形態であってもよく、あるいは、フィルターは、担体またはその他の支持構造に合わせた形態を有していてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明の好ましい実施態様における、構造の構成および様式、並びに操作は、そのさらなる目的と利点と共に、付随の図面と関連した記載を参照することにより最もよく理解されるであろう。図面においては、同等の参照番号は同等のエレメントを確定するものである。
【0028】
図面と好ましい実施態様の、詳細な記載
本発明は異なった形態で具体化される余地がありうる一方で、図面で示されたものがあり、また本明細書は特定的な実施態様を詳細に記載しているが、本開示が本発明の原理の例示として考慮されるべきであること、および、本発明を本明細書に例示および記載したものに限定することを意図していないことは、理解されるべきである。
【0029】
図1a(先行技術)は、所望量の細胞を、スクリーンタイプフィルター12の下側(underside)に集めるためのシステム10を図示している。図解されているように、圧力センサー26が、膜(メンブレン)フィルター12の両側と連通している。従って、収集容器(collection vessel)18中の膜12の一方の側は、該膜の反対側に具備されている圧力センサー26によって、周囲圧力で表される。圧力ユニット30は、典型的には、制御ユニットからの電気制御シグナルに対応し、該シグナルはマイクロプロセッサで制御されて、選択された液体状態を収集容器の内部に適用することができる。
【0030】
図1b(先行技術)は、本発明の装置において用いられているような、並びに米国特許No.6010909および米国特許No.6225125に記載されているようなスクリーンタイプのフィルター12を伴った収集容器18をさらに図示している。この様式では、所望量の物質が捕捉されうる。
【0031】
図2aは、上部ボディ部材210と底部ボディ部材220との間に置かれたフィルター215を持ったフィルター装置205を有してなる本発明の一実施態様を示す。この例示においては、開口しているコンテナ235が、試料懸濁物230(例えば、液体に懸濁された粒子状物質)を収容しており、該懸濁物は、ピックアップ管245を通して取り込まれる。このピックアップ管は、要求または所望により、底部ボディ部材220の一部を構成していてもよく、あるいは、ピックアップ管245は、ボディ部材220に添付された別個の部材であってもよい。これからより詳細に記載する本デバイスの目的は、この試料懸濁物230の流量を、モニターすることまたはそうでなければ感知することであり、また、流れを制御するための手段と(機械的または電気機械的に)連通しているセンサー250によって指示された場合、その流量を、変化させ、調整し、停止させるための、あるいはそうでなければ該流量に影響を与えるための手段を提供することである。試料懸濁物230は、真空ソース(vacuum source)200からの圧力を印加することによりくみ出され、それによって、試料懸濁物230を、流れ方向の矢印240(該矢印は、図解されているように、ピックアップ管245のインレットポート221の中にある)によってさらに示されているように、底部ボディ部材220へ入れ、フィルター215(この例示においては膜フィルターのことである)を通し、流量制御エレメント212(この例示ではバルブのことである)を通し、次いでアウトレットポート211を通して外へ出すように、流すための手段を提供している。(この実施態様では、以下に記載および例示するものと同様に、真空を用いて試料懸濁物を流している。この実施態様およびこれ以降の実施態様において、例えば重力、あるいははポンプといったような機械的手段などの、その他の手段をこの目的のために用いてもよい。)その結果、この態様にて試料懸濁物230が流れるにつれて、試料懸濁物230中の粒子状物質は、膜フィルター215によって捕捉され始める。圧力センサーまたは圧力トランスデューサー250(この例示では、実質的に上部ボディ部材210中に含まれている)は、膜フィルター215の上部表面(upper surface)に連絡している。この連絡(communication)は、さらに連絡の矢印270によって示されている。圧力センサー250は、また、流量制御エレメント212とも連絡して、特定の圧力が感知された場合に、流れを、調整あるいはそうでなければ制御するための手段を提供している。圧力センサー250と流量制御エレメント212との間の、この連絡は、さらに連絡の矢印260によって示されている。こうして圧力の差異が膜フィルター215を渡って確定し、それによって、圧力センサー250が試料懸濁物の流速をモニターするための手段を提供している。試料が流れ続けるとき、そして図1および2の先行技術の記載と関連して記載されるように、膜フィルター215の孔サイズよりも小さい粒子状物質は膜を通過するが(廃棄へまたは別の容器へ行く−図示せず)、膜フィルター215の孔よりも大きい物質は捕捉される。フィルター孔はフィルターを通過する実際の通路であるため、膜フィルター215によって捕捉された物質は通常、孔を塞ぎ、流れを段々と制限する。流速があるレベルにまで落ちると、圧力センサー250は(本明細書および引用した先行技術中に前記したように、用途、フィルター性質、所望物質の量などに基づいて予め定められた圧力において)応答し、圧力センサー250は作動(activate)し、次に流量制御エレメント212を作動させる。流量制御エレメント212は、試料懸濁物230の流れを停止させてもよく、それによって、所望量の物質を現在捕捉している膜フィルター215に、物質がさらに捕捉されるのを止めてもよい。そのようなバルブ(流量制御エレメント212)は、フィルターアセンブリ205内の様々な位置に装備され得るが、概しては、圧力センサー250との連絡がよりシンプルであれば、これら2つの機能が比較的密接に関連している場合、より多くのオプションが提供される。このさらなる実施例を、図2bおよび2cを伴う説明にて提供する。流量制御エレメント212の作動は、機械的、電気機械的であってもよく、あるいは(さらに説明するように)圧力センサーとバルブとのさらなる統合(integration)によってなされてもよい。同様に、これらのエレメントは物理的に離れていてもよく、または機能的に統合されていてもよい。単一層堆積(monolayer deposition)などのように、接触のためにフィルターにアクセスすることや他の物質移送方法が必要である用途のために、フィルター装置205の上部ボディ部材210と底部ボディ部材とは、例えば、ネジ(threads)や圧入組立て(press-fit assembly)を採用することによって、分離可能に作られるのが好ましい。
【0032】
図2bは、試料懸濁物230が真空200の印加によってフィルター215を通ってくみ出されている、本発明のもう1つの実施態様を示している。この例示では、フィルター215は上部ボディ部材210の底にシールされており、それによって、膜フィルター215で捕捉された物質へのアクセスを提供している。図解されているように、センサー250は流量制御エレメント213と統合されており、該流量制御エレメントは、この例示では、図2aに関連して記載されたような試料の流路を調整するのではなく、ベントポート(vent port)214または流量制御バルブ213を通して圧力ソース200をベントする(逃がす)バルブを用いて、流量制御を提供している。要求または所望されるのであれば、ソース200によって供給される真空を、該ベント(逃し口)が実質的に開放することで流れを止めてもよく、あるいは、ベントによってもたらされる真空度の下落を感知して、真空ソースを閉じてもよい。
【0033】
図2cは、当該デバイスの用途および図2bに関連して記載された本発明の構成を示している。ここで、試料懸濁物221は、例えば空気などの気体に懸濁された、例えば煤などの粒子物からなるものである。
【0034】
図3aは、本発明300の実施態様を示しており、当該発明は、中空メインボディ310と、該メインボディ310内に延びて膜フィルター330の一方の側と連絡している感圧チェックバルブ320とを有しており、該膜フィルターは、メインボディ310の下側に添付されている。液体における使用の場合、所望により、突起335が、メインボディの底に具備されていてもよく、あるいは、膜フィルター330が試料容器(図示せず)の底と接触することを防ぐように、かつ使用中に流れを中断することを防ぐように、適切に作られていてもよい。真空ソース360は、試料を吸引するために具備されている。初めは、感圧チェックバルブ320のベント部分340は閉じられており、典型的には、膜フィルター330は真新しい(試料物質がついていない)。収集を始めるために、真空を用いて試料懸濁物(図示せず)を膜フィルター330を通して引き、物質を膜フィルター330の下側に集める。次いで、物質が集まると、孔が塞がれ、試料懸濁物の流速が減少する。感圧チェックバルブ320は、膜フィルター320を通る流速をモニターし、該流速が所望のレベルに達したとき(これは所望量の、物質が集まったことを示す)、感圧チェックバルブ320が(規定の圧力にて)起動し、試料の流れ(および物質の収集)が止まる。エレクトロニクスを用いて同等の作業をなすフィルター収集システムの記載が、米国特許No.6010909および米国特許No.6225125に見出される。この先行技術の一部を本明細書の図1および2に表す。かかる構造において様々なフィルターが細胞学的試料を用意するために用いられ得るが、通常、膜フィルター330が比較的均一に分布する均一なサイズの孔を有し、孔サイズより大きな物質を捕捉するのに対し小さな粒子状物質は通過させることを目的としている。約6つの会社がシリンジ(シリンジフィルター)に適合するフィルター装置を提供している。
【0035】
本発明の1つの実施態様では、感圧チェックバルブ320のセンサー部分が、所望の予め定められた圧力で起動(trigger)するように調整されており、その予め定められた圧力は、膜フィルター330の底面に所望量の物質が捕捉されたことを示すように確定されたものである。図解したように、感圧チェックバルブ320が起動すると(所望量の物質が捕捉されたことを示している)、真空をベントする(逃す)通路が開かれ、それにより試料の吸引が止まる。圧力トランスデューサーまたは制御システムと連絡しているエレクトロニクスを減らすこと、もしくは除くことは本発明の1つの目的であるが、電池で動く圧力トランスデューサーおよび/またはバルブアセンブリはこの目的に合致する。所望により、感圧チェックバルブ320を様々な方法で取り付け、試料の流れをモニターおよび制御してもよく、例えば、起動(triggering)に基づいて液路を閉じてもよい。生物学的用途の場合、もしくはその他の危険がある場合、記載したように真空をベントするのが好ましく、それがエアロゾルの可能性を制限する働きをする。
【0036】
複数の試料を同時に用意するために、真空を、1試料につき1シリンジにて、ステッパー駆動シリンジによって供給してもよい。自動化を高いレベルにするためには、真空ポンプおよび真空アイソレーターが好ましい。次いで、本発明により捕捉された物質は、適切な受け面とコンタクトすることにより移動されてもよい。細胞学的試料のマシンビジョン試験などのいくつかの用途のために、カバーガラスもしくは透明テープなどその他の比較的薄い均一な物質の下側に、単一層の堆積がつくられてもよく、これによって、物質は、上面(top surface)からほぼ同じ距離で提供され、焦点が合わせやすくなる。さらに剛性を提供するため、該薄い受け面は、所望もしくは要求により、第二の表面に、配置または添付されていてもよい。
【0037】
図3bは、本フィルターデバイス300のまた別の構成を示しており、これは、上部ボディ部位315および下部ボディ部位316を有している。膜フィルター330は、Oリング325によって、形成されたボディでシールされていることが示されている。上部および下部ボディ部位315および316は、Oリング325といっしょになってシールするようにデザインされており、これにより試料の流れが実質的に膜フィルター330を通過するための状態がつくられる。一部の用途では、一旦所望量の物質がフィルター上に捕捉されたあと、フィルターに逆流(back-flushing)をかけることによって、この物質を再懸濁させることは便利でありうる。物質を再懸濁させたあと、例えば、別のフィルターデバイスを用いて収集された物質の亜成分を単離してもよい。あるいは、フィルター表面へのアクセスを所望の場合は、圧入、ねじ、またはその他のアセンブリの便利な形態を用いて、上部ボディ部位315と下部ボディ部位316とを分離可能に作るべきである。
【0038】
感圧チェックバルブ320は、フィルター335の上部ボディ部315と連絡した状態で示されている。この場合もやはり、膜フィルター330を通る流れは、物質が集められるにつれて、その物質による孔の連続的な閉塞によって、経時的に減少する。そのため、感圧チェックバルブ320が流速を感知し、膜フィルター330によって捕捉された物質の量を測定する。
【0039】
図3cは、デバイスボディ310の下部表面に付けられた膜フィルター330(図示せず)を有する本発明の一実施態様を示している。図3aに関連して記載したように、隔離器(standoff)335が具備されていてもよい。本実施態様では、感圧チェックバルブ370は、ポペットバルブとして作動するプラスチックスプリングタブを有する装置の周りに統合され、取り付けられている。これらは、拡大図として、さらに図示されている。プラスチックスプリングタブ376はコンタクトエリア374を有し、テンションがデバイスボディ310の壁にあるベント穴372をシールしている。このタイプのシングルポペットバルブは意図した使用のための感圧チェックバルブとしては機能できたが、そのような機能性が、フィルターデバイス300の周りに分配された複数のプラスチックポペットバルブ370を用いて実行されている。図3aおよび3bに関連して記載したように、印加された真空360によって、膜フィルター330を通過する試料懸濁物(図示せず)の流れが開始される。そして物質が膜フィルター330の下側に捕捉されるにつれ、感圧ポペットバルブ370が膜フィルター330の上部と連絡する。該バルブがこのように配置されているのは、膜フィルター330を通過する物質の流速をモニターするためである。ポペットバルブは予め定められた圧力で起動(trigger)するように設定されており、所望量の物質が膜フィルター330上に集められた場合を知らせる。
【0040】
論じたように、感圧チェックバルブ370は、1つまたはそれ以上のコンタクトタブを備えていてもよい。このタイプのコンパウンドバルブは、予め定められた圧力において、起動(trigger)するように、またはそうでなければ作動(activate)するように調整されていてもよい。同様に、バルブ部分の性質もまた調整可能であってもよく、例えば、ベントまたは液体路として用いられる場合、バルブの直径が調整されてもよい。一部の用途または、製造、サイズ、操作範囲、信頼性、感度、起動率などの理由により、示したように、デバイスの周辺に複数のこれらのプラスチックスプリングタブを分配することが望ましい。そのようなタブは、別個のユニットとして添付されていてもよいし、デバイスへの挿入のために設計されたユニットの輪として組み立てられてもよい。あるいは、これらの感圧チェックバルブ構成要素を成形過程の一部として設置されていることが好ましい。この場合もやはり、用途、コスト、その他の要因が実施に影響しうる。
【0041】
図4は、複数の試料を処理するための、本発明のフィルターデバイスの構成を示している。真空マニホールド400は真空を分配し、かかる真空は真空チャンバー410を介してさらに隔離されている。懸濁物430中の物質はフィルターデバイス420に吸引され始める。次いで、適切なコンポーネントを選択することによって、複数の同様のまたは複数の異なった試料が同時に処理されうる。代替的には、個々のステーションは、所望または要求により、同じ量の物質または異なる量の物質を捕捉するように確立されていてもよい。
【0042】
図5aは、上部ボディ510と下部ボディ520との間に置かれた膜フィルター530を有する本発明のフィルターデバイス500を示している。試料懸濁物(図示せず)はインレットポート525を通って入り、膜フィルター530を通過し、アウトレットポート515を介して出ていく。この例示では、膜フィルター530は、十分な変形性能を持つよう選択され、所望量の物質(膜フィルターを通過する流速の減少によって示される)が捕捉されたとき、膜フィルターは上部デバイスボディ510の内部表面535と概して一致する。それにより流れは、その後、膜フィルター530のより小さいエリア、例えば、図解したような単一の中央の液路に制限される。
【0043】
図5bは、図5aと関連して記載したようなフィルター530を示しており、該フィルターは、所望量の物質を領域540に捕捉し、フィルター545のより限られたエリアを通過する減少した流れを提供している。所望により、例えば、エリア545が塞がって試料の流れが遅くなるか、実質的に減少もしくは停止するまで、試料の流れを続けてもよい。これは、所望量の物質はフィルターのエリア540に捕捉されているので、流れを続けてもそれによる影響がないためである。該デバイスは、領域540に集められた所望量の物質に実質的に影響を与えることなく、所望により試料をくみ出し続けることが可能である。所望により、上部ボディ315と下部ボディ316とが分離可能に作られ、フィルターアクセスを具備していてもよい。
【0044】
図6aは、上部ボディ610と下部ボディ620との間に置かれた膜フィルターアセンブリ650を有する本発明のフィルターデバイス600を示している。試料懸濁物(図示せず)はインレットポート625を通って入り、膜フィルターアセンブリ650を通過し、アウトレットポート615を通って出ていく。膜フィルターアセンブリ650は、フィルター660と、その周囲の非多孔質(non-porous)支持構造体655とを有してなる。この例示では、膜フィルターアセンブリ650は、圧力トランスデューサーとして作動し、粒子状物質がフィルター660の下側に集まるときの、フィルター660を通る流速の減少に応答する。図5aおよび5bに関連して記載したように、フィルターの変形、または本例示の場合における膜フィルターアセンブリ650により、膜フィルターアセンブリ650上の圧力の差異に応じて流れを変える手段が提供される。
【0045】
図6bは、周囲の非多孔質支持構造体655によって支持されているフィルターエリア660を有する膜フィルターアセンブリ650を示している。該支持構造体655は、予め定められた圧力が感知された場合に、それをトリガーのかかったモーション(triggered motion)に変形させることのできる条線(striations)665を有する。記載したように、フィルター660の下側に集められた物質はフィルター660を塞ぎ始め、フィルター660を通る流速の減少、および膜フィルターアセンブリ650上の圧力変化を導く。所望量の物質が集められた場合、該支持構造体は、図5aに関連して記載したように、内部表面と一致するようにトリガーがかかるか、あるいは該支持構造体は、図3a、bおよびcに関連して記載したように、バルブとコンタクトして試料の流れを実質的に止め、それにより物質の収集を停止してもよい。
【0046】
図6cは、周囲に非多孔質支持構造体675のあるフィルターエリア680を有する、膜フィルターアセンブリ670を示している。該支持構造体675は、条線685を有する。膜アセンブリは、第一状態にて図解されており、その第一状態は、膜フィルターアセンブリ670をわたる圧力差異が予め定められたトリガーポイントに達してそこで該構造体が第二状態へ切り換わる(toggle)か第二状態へ変形するときまで、実質的に維持される。
【0047】
図6dは、図6cに関連して論じたような膜フィルターアセンブリ670が、トリガーがかかった状態、または、変形状態にあるものを示している。所望もしくは要求により、膜フィルターアセンブリ670が、状態が切り換わるときに流れを変える手段を自体が具備し、それにより所望量の物質がフィルター680上に集まったことを示してもよい。あるいは状態変化が、バルブ、スイッチ、またはスイッチに連動しているバルブとコンタクトし、該膜を通る流れを調整もしくは停止してもよい。
【0048】
本発明の好ましい実施態様を示し、記載したが、当業者がここに添付した請求項の意図および範疇から逸脱することなく、本発明の様々なモディフィケーションを考察しうることは明白である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1a】(先行技術)膜フィルター上に捕捉された物質の、濃度のモニターと収集とを行なう方法である。
【図1b】(先行技術)図1に関連して用いられる膜フィルターデバイスである。
【図2a】図2aは、所望量の物質を捕捉する本発明の一実施態様を示している。
【図2b】図2bは、液体懸濁物から所望量の粒子状物質を捕捉する、本発明のもう1つの実施態様を示している。
【図2c】図2cは、所望量の、気体に懸濁された物質を捕捉するために用いられる、図2bの実施態様を示している。
【図3a】図3aは、感圧チェックバルブを有する膜フィルター装置を示している。
【図3b】図3bは膜フィルター装置のもう1つの構造を示している。
【図3c】図3cは、フィルター装置の周りに配置されたスプリングタブの形態における感圧チェックバルブを組み込んだ、本発明の一実施態様を示している。
【図4】図4は、複数の試料を処理するために用いる、本発明の一実施態様を示している。
【図5a】図5aは、変形可能なフィルターによって、流速モニター(圧力検出)および流速制御が提供される、本発明の一実施態様のシリンジフィルターアセンブリを示している。
【図5b】図5bは、図5aのシリンジフィルター上に集められた、所望量の物質を示している。
【図6a】図6aは、膜を通る流速をモニターおよび制御するか、そうでなければ調整するためのフィルターアセンブリのもう1つの実施態様を示している。
【図6b】図6bは、図6aのフィルターアセンブリをさらに詳しく記載している。
【図6c】図6cは、休止状態の(通常(normal)の操作状態下にある)フィルターアセンブリの実施態様を示している。
【図6d】図6dは、図6cのフィルターアセンブリ実施態様を示しており、所望量の物質を集めたことを示す圧力変化に対し、応答した作動状態にある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所望量の物質を試料懸濁物からフィルター上に捕捉するための装置であって、
フィルター、
前記フィルターを支持する部材、
前記フィルターを通して前記試料懸濁物を流すように、圧力を与えるための手段、
前記フィルターを通る前記試料懸濁物の流速を決定するように、前記フィルターにかかる圧力を感知し、それによって、前記フィルター上に捕捉された物質の量を示すための手段、および、
前記試料懸濁物が前記フィルターを通る前記流速を調整するための手段を、
有する前記装置。
【請求項2】
感知するための前記手段、および調整するための前記手段が、感圧チェックバルブを有している、請求項1記載の装置。
【請求項3】
感知するための前記手段、および調整するための前記手段が、ポペットバルブを有している、請求項1記載の装置。
【請求項4】
感知するための前記手段、および調整するための前記手段が、複数のポペットバルブを有している、請求項1記載の装置。
【請求項5】
感知するための前記手段が圧力トランスデューサーである、請求項1記載の装置。
【請求項6】
感知するための前記手段が機械的なものである、請求項1記載の装置。
【請求項7】
感知するための前記手段が電気機械的なものである、請求項1記載の装置。
【請求項8】
感知するための前記手段が調整可能なものである、請求項1記載の装置。
【請求項9】
制御するための前記手段が機械的なものである、請求項1記載の装置。
【請求項10】
制御するための前記手段が電気機械的なものである、請求項1記載の装置。
【請求項11】
所望量の物質を試料懸濁物からフィルター上に捕捉するための装置であって、
フィルター、
前記フィルターを支持する部材、
前記フィルターを通して前記試料懸濁物を流すように、圧力を与えるための手段、および、
前記圧力に連絡する感圧チェックバルブを有し、
前記圧力が予め定められたレベルに達したときに、前記チェックバルブが前記圧力を逃すものである、前記装置。
【請求項12】
前記チェックバルブがポペットバルブを有している、請求項11記載の装置。
【請求項13】
前記感圧チェックバルブが複数のポペットバルブを有している、請求項11記載の装置。
【請求項14】
前記感圧チェックバルブが機械的なものである、請求項11記載の装置。
【請求項15】
前記感圧チェックバルブが電気機械的なものである、請求項11記載の装置。
【請求項16】
前記感圧チェックバルブが調整可能なものである、請求項11記載の装置。
【請求項17】
所望量の物質を試料懸濁物からフィルター上に捕捉するための装置であって、当該装置は、
変形可能な材料でできているフィルターを有し、
上部と底部とを有するボディ部材を有し、
前記ボディ部材の前記上部と前記下部との間に前記フィルターが配置されており、
前記ボディ部材の前記底部に位置する、前記試料懸濁物のためのインレットポートを有し、
前記ボディ部材の前記上部に位置する、前記試料懸濁物のためのアウトレットポートを有し、前記アウトレットポートは前記フィルターのエリアより小さいエリアを有し、前記インレットポートと前記アウトレットポートは、前記試料懸濁物が前記フィルターを通って流れるための経路を提供しており、
前記フィルターを通して前記試料懸濁物を流すように、圧力を与える手段を有し、
前記フィルターを通る前記試料懸濁物の流れを調整するように、前記フィルターが前記ボディ部材内で変形するものである、
前記装置。
【請求項18】
前記フィルターが規定の圧力において変形するものである、請求項17記載の装置。
【請求項19】
前記試料懸濁物が前記フィルターを通る流れの調整を、前記フィルターが予め定められた圧力において変形する場合に、行なうための手段をさらに有している、請求項17記載の装置。
【請求項20】
前記フィルターが、多孔性のエリアと非多孔性のエリアとを有してなるものである、請求項17記載の装置。
【請求項21】
前記ボディ部材中に、流量制御バルブをさらに有しており、
前記フィルターが前記ボディ部材内で変形する場合に、前記フィルターは前記流量制御バルブに係合するものであり、かつ、前記流量制御バルブは、係合によって、前記試料懸濁物の流れを調整するものである、請求項17記載の装置。
【請求項22】
前記流量制御バルブが、ベントを用いて、前記フィルターを通る前記試料懸濁物の流れを制御する、請求項21記載の装置。
【請求項23】
前記流量制御バルブが、経路制御を用いて、前記フィルターを通る前記試料懸濁物の流れを制御する、請求項21記載の装置。
【請求項24】
所望量の物質を試料懸濁物からフィルター上に捕捉するための方法であって、
フィルターを通して前記試料懸濁物を流すように、圧力を与えること、
フィルターを通る前記試料懸濁物の流速を特定するように、前記フィルターにかかる圧力を感知し、それによって、前記フィルター上に捕捉された物質の量を特定すること、
予め定められた圧力において、前記フィルターを通る前記試料懸濁物の前記流速を調整することを、
有する、前記方法。
【請求項25】
感圧チェックバルブで感知することおよび調整することをさらに有する、請求項24記載の方法。
【請求項26】
ポペットバルブで感知することおよび調整することをさらに有する、請求項24記載の方法。
【請求項27】
複数のポペットバルブで感知することおよび調整することをさらに有する、請求項24記載の方法。
【請求項28】
圧力トランスデューサーで感知することをさらに有する、請求項24記載の方法。
【請求項29】
機械的手段で感知することをさらに有する、請求項24記載の方法。
【請求項30】
電気機械的手段で感知することをさらに有する、請求項24記載の方法。
【請求項31】
調整可能な手段で感知することをさらに有する、請求項24記載の方法。
【請求項32】
機械的手段で制御することをさらに有する、請求項24記載の方法。
【請求項33】
電気機械的手段で制御することをさらに有する、請求項24記載の方法。
【請求項34】
所望量の物質を試料懸濁物からフィルター上に捕捉するための方法であって、
前記フィルターを通して前記試料懸濁物を流すように、圧力を与えること、
前記圧力と連絡する感圧チェックバルブを備えること、および
所望量の物質が前記フィルター上に捕捉されたときに、予め定められた圧力において、前記感圧チェックバルブを用いて前記フィルターを通る前記試料懸濁物の流れを調整すること、
を含む方法。
【請求項35】
前記感圧チェックバルブがポペットバルブを有している、請求項32記載の方法。
【請求項36】
前記感圧チェックバルブが複数のポペットバルブを有している、請求項32記載の方法。
【請求項37】
前記感圧チェックバルブが機械的なものである、請求項32記載の方法。
【請求項38】
前記感圧チェックバルブが電気機械的なものである、請求項32記載の方法。
【請求項39】
前記感圧チェックバルブが調整可能なものである、請求項32記載の方法。
【請求項40】
所望量の物質を、試料懸濁物から、変形可能なフィルター上に捕捉するための方法であって、
上部と下部とを有するボディ部材の間に前記変形可能なフィルターを置くこと、
前記変形可能なフィルターを通して前記試料懸濁物を流すように、圧力を与えること、
ボディ部材内で前記変形可能なフィルターを変形させて、前記変形可能なフィルターを通る前記試料懸濁物の流れを調整すること、
を有する方法。
【請求項41】
前記変形可能なフィルターを、予め定められた圧力において変形させることを、さらに有する、請求項40記載の方法。
【請求項42】
前記変形させるステップが、前記試料懸濁物の流れを調整することをさらに含んでいる、請求項40記載の方法。
【請求項43】
前記変形可能なフィルターが、多孔性のエリアと非多孔性のエリアとを有している、請求項40記載の方法。
【請求項44】
前記変形させるステップが、流量制御バルブと係合して前記試料懸濁物の流れを調整することをさらに含んでいる、請求項40記載の方法。
【請求項45】
前記流量制御バルブが、ベントを用いて前記試料懸濁物の流れを調整することをさらに含んでいる、請求項44記載の方法。
【請求項46】
前記流量制御バルブが、経路制御を用いて前記試料懸濁物の流れを調整することをさらに含んでいる、請求項44記載の方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所望量の物質を試料懸濁物からフィルター上に捕捉するための装置であって、
フィルター、
前記フィルターを支持する部材、
前記フィルターを通して前記試料懸濁物を流すように、圧力を与えるための手段、および、
前記圧力に連絡する感圧チェックバルブを有し、
前記圧力が予め定められたレベルに達したときに、前記チェックバルブが前記圧力を逃すものである、前記装置。
【請求項2】
前記チェックバルブがポペットバルブを有している、請求項記載の装置。
【請求項3】
前記感圧チェックバルブが複数のポペットバルブを有している、請求項記載の装置。
【請求項4】
前記感圧チェックバルブが機械的なものである、請求項記載の装置。
【請求項5】
前記感圧チェックバルブが電気機械的なものである、請求項記載の装置。
【請求項6】
前記感圧チェックバルブが調整可能なものである、請求項記載の装置。
【請求項7】
所望量の物質を試料懸濁物からフィルター上に捕捉するための装置であって、当該装置は、
変形可能な材料でできているフィルターを有し、
上部と底部とを有するボディ部材を有し、
前記ボディ部材の前記上部と前記下部との間に前記フィルターが配置されており、
前記ボディ部材の前記底部に位置する、前記試料懸濁物のためのインレットポートを有し、
前記ボディ部材の前記上部に位置する、前記試料懸濁物のためのアウトレットポートを有し、前記アウトレットポートは前記フィルターのエリアより小さいエリアを有し、前記インレットポートと前記アウトレットポートは、前記試料懸濁物が前記フィルターを通って流れるための経路を提供しており、
前記フィルターを通して前記試料懸濁物を流すように、圧力を与える手段を有し、
前記フィルターを通る前記試料懸濁物の流れを調整するように、前記フィルターが前記ボディ部材内で変形するものである、
前記装置。
【請求項8】
前記フィルターが規定の圧力において変形するものである、請求項記載の装置。
【請求項9】
前記試料懸濁物が前記フィルターを通る流れの調整を、前記フィルターが予め定められた圧力において変形する場合に、行なうための手段をさらに有している、請求項記載の装置。
【請求項10】
前記フィルターが、多孔性のエリアと非多孔性のエリアとを有してなるものである、請求項記載の装置。
【請求項11】
前記ボディ部材中に、流量制御バルブをさらに有しており、
前記フィルターが前記ボディ部材内で変形する場合に、前記フィルターは前記流量制御バルブに係合するものであり、かつ、前記流量制御バルブは、係合によって、前記試料懸濁物の流れを調整するものである、請求項記載の装置。
【請求項12】
前記流量制御バルブが、ベントを用いて、前記フィルターを通る前記試料懸濁物の流れを制御する、請求項11記載の装置。
【請求項13】
前記流量制御バルブが、経路制御を用いて、前記フィルターを通る前記試料懸濁物の流れを制御する、請求項11記載の装置。
【請求項14】
所望量の物質を試料懸濁物からフィルター上に捕捉するための方法であって、
前記フィルターを通して前記試料懸濁物を流すように、圧力を与えること、
前記圧力と連絡する感圧チェックバルブを備えること、および
所望量の物質が前記フィルター上に捕捉されたときに、予め定められた圧力において、前記感圧チェックバルブを用いて前記フィルターを通る前記試料懸濁物の流れを調整すること、
を含む方法。
【請求項15】
前記感圧チェックバルブがポペットバルブを有している、請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記感圧チェックバルブが複数のポペットバルブを有している、請求項14記載の方法。
【請求項17】
前記感圧チェックバルブが機械的なものである、請求項14記載の方法。
【請求項18】
前記感圧チェックバルブが電気機械的なものである、請求項14記載の方法。
【請求項19】
前記感圧チェックバルブが調整可能なものである、請求項14記載の方法。
【請求項20】
所望量の物質を、試料懸濁物から、変形可能なフィルター上に捕捉するための方法であって、
上部と下部とを有するボディ部材の間に前記変形可能なフィルターを置くこと、
前記変形可能なフィルターを通して前記試料懸濁物を流すように、圧力を与えること、
ボディ部材内で前記変形可能なフィルターを変形させて、前記変形可能なフィルターを通る前記試料懸濁物の流れを調整すること、
を有する方法。
【請求項21】
前記変形可能なフィルターを、予め定められた圧力において変形させることを、さらに有する、請求項20記載の方法。
【請求項22】
前記変形させるステップが、前記試料懸濁物の流れを調整することをさらに含んでいる、請求項20記載の方法。
【請求項23】
前記変形可能なフィルターが、多孔性のエリアと非多孔性のエリアとを有している、請求項20記載の方法。
【請求項24】
前記変形させるステップが、流量制御バルブと係合して前記試料懸濁物の流れを調整することをさらに含んでいる、請求項20記載の方法。
【請求項25】
前記流量制御バルブが、ベントを用いて前記試料懸濁物の流れを調整することをさらに含んでいる、請求項24記載の方法。
【請求項26】
前記流量制御バルブが、経路制御を用いて前記試料懸濁物の流れを調整することをさらに含んでいる、請求項24記載の方法。

【図1a】
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【図1b】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図6a】
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【図6b】
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【図6c】
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【図6d】
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【公表番号】特表2006−501450(P2006−501450A)
【公表日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−540399(P2004−540399)
【出願日】平成15年9月17日(2003.9.17)
【国際出願番号】PCT/CA2003/001417
【国際公開番号】WO2004/031735
【国際公開日】平成16年4月15日(2004.4.15)
【出願人】(505122184)ジーシックス サイエンス コーポレーション (1)
【Fターム(参考)】