説明

抄紙方法および紙

【課題】 剛度や引張強さなど紙の強度(紙力)を向上させることが可能な抄紙方法および強度を向上させた紙を提供すること。
【解決手段】 パルプ懸濁液にカチオン性ポリマー、アニオン性ポリマー、カチオン性ポリマーを順次添加して調製した紙料を抄紙する紙の製造方法およびこの方法で製造された紙。添加するカチオン性ポリマー全量のアニオン要求量に対し、0.5〜6倍量のアニオン性ポリマーを添加することが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙の抄紙方法とその方法により得られる紙に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境保護意識の高まりと紙の製造コスト削減の点から、パルプ使用量の削減による紙の軽量・嵩高化が進行しつつある。しかし、これら軽量・嵩高紙は従来の紙と比較してパルプ配合量が減少するため、引張強さ等の各種強さや剛度など紙の強度(紙力)の低下を生じ、品質上の問題となる場合がある。特に剛度については、E×t3(E:紙の弾性率、t:紙の厚さ)に比例するといわれており、厚さや弾性率が低下すると剛度も低下し、複写機や各種プリンターなどの情報処理機器での紙詰まりや、段ボールでの膨れなど、様々な障害をもたらす。また、嵩高剤を使用することで繊維間の水素結合量が減少し、引張強さや層間強度といった強さが著しく低下し、コート紙などの印刷時にブリスターなどの障害を引き起こす。
【0003】
従来から、剛度を向上させるために、原料パルプ、表面処理(いわゆる外添)、薬品内添などの技術が種々検討されている。原料パルプの面では、例えば、嵩高で剛度が大きく、且つ印刷特性、表面強度の優れた紙の製造方法の提供を課題として、叩解後の保水度が60〜120%のマーセル化パルプを含有する紙料を抄紙する紙の製造方法が開示されている(特許文献1参照)。この技術は、紙抄造における通常の原料パルプに一部マーセル化したパルプを配合するもので、厚さが向上するため剛度の改善は認められるものの、水素結合量が減少するために引張強さや層間強度などは低下する。また、原料パルプのコストが著しく高くなり現実的でない。
【0004】
表面処理の面では、例えば、紙の剛度を向上させる紙用サイジング剤の提供を課題として、アルキルビニルエーテルと無水マレイン酸との共重合体を含有する紙用サイジング剤が開示されている(特許文献2参照)。しかし、この技術は薬品を紙の表面に塗布する(いわゆる外添の)手法を採るものであるため、抄造とは別の設備を必要とし、塗布した薬品の乾燥にまたエネルギーを必要とするなどの不利点を有する。その他、マイクロ中空バルーンを用いて紙の厚さを上げる方法等が考えられるが、これらの方法は価格的に実用性に乏しいことばかりではなく、パルプ繊維間の水素結合を阻害して引張強さ等の強さを低下させるという大きな欠点を有し、剛度も低下させてしまうこともある。
【0005】
薬品内添の従来技術としては以下の技術を挙げることができる。内添用の製紙用添加剤としてはアクリルアミド系紙力増強剤が良く知られている。これを内添することによって強さなどの改善は図られる。しかし、剛度に関してはある程度の改善は期待できるものの、未だ不十分であった。
紙力増強剤に関して、アニオン性ポリアクリルアミドとマンニッヒ変性あるいはホフマン変性したカチオン性ポリアクリルアミドを併用する方法、あるいはこれらを混合して添加する方法が開示されている(非特許文献1、2参照)。
【0006】
また、内添紙力増強剤としてデンプン及びデンプングラフト型ポリマーなどの技術もある。例えば、陽イオン性澱粉を含有する水溶液中において、少なくともアクリルアミド及び/又はメタアクリルアミドとアニオン性ビニルモノマーとから成るビニルモノマー混合物を重合して得られる両イオン性グラフト澱粉重合体を添加して抄紙する紙の製造方法が開示されている(特許文献3参照)。また、イオン性ビニルモノマーと連鎖移動性置換基を側鎖に有するビニルモノマーの混合物と、水分散性多糖類からなるグラフト構造の多糖類−イオン性共重合体を主成分とする製紙用添加剤が開示されている(特許文献4参照)。これらは、デンプンを加熱することにより糊化したうえでモノマーをグラフト共重合させることによって得られたもので、このようにして得られるデンプングラフトポリマーは紙力増強剤や表面サイズ剤などの製紙用添加剤として実用化されている。しかしながらこれらの改善効果は、前記アクリルアミド系紙力剤と同様に、強さに関しては改善されるものの、剛度に関しては期待できるほどのものではない。
【0007】
セルロース誘導体であるカルボキシメチルセルロース(以下、CMCと記述する)にも、紙の強度を増強する作用があることは古くから知られているが、パルプ繊維を含む紙料に添加して用いる種類の紙力増強剤としては、得られる強度の増強効果が小さく、また、硫酸バンドを添加併用しなければ紙に留まらず、効果を発現しない等の問題点があり、紙料に添加して用いる製紙用紙力増強剤としては、現在ほとんど使用されていないのが実状である。
パルプ繊維からなるスラリーに、CMCおよび/またはカルボキシエチルセルロースを添加し、次いで鉱酸を添加してパルプ繊維スラリーのpHを2〜6の範囲に調整し、CMCおよび/またはカルボキシエチルセルロースを酸型に転換してパルプに吸着させた後、スラリーpHを5〜9に再調整したパルプを用いて抄紙することにより、紙の強度を増加させる方法が開示されている(特許文献5参照)。しかし、pH調整用薬品の添加場所、添加の時期等を厳密にする必要があり、調整が良好に行われない場合は、得られる強度の増強効果が小さくなるという問題点がある。
さらにCMCに関しては、パルプスラリーに、CMCと紙力増強剤からなる樹脂組成物を添加すると、乾燥紙力を減少することなく、水中への分散速度の速い和紙を製造できることが開示されている(特許文献6参照)。また、有機溶剤に不溶な水溶性糊剤(例えば、CMCのNa塩)あるいは吸着性物質と離解したパルプとを、含水有機溶剤中で混合した後に抄紙することを特徴とする高保水紙の製造方法が記載されている(特許文献7、8参照)。さらに、置換度の低いCMCを、高電気伝導度の系に添加することで、セルロース繊維に塩析することにより吸着させて、パルプ電位を調整前のゼータ電位より3mV以上低く調整したパルプ繊維と紙の抄造方法が記載されている(特許文献9参照)。
【0008】
この他、濾水性について、水に分散したセルロース繊維に、カチオン性高分子電解質及びアニオン性高分子電解質を添加して、カチオン性高分子電解質とアニオン性高分子電解質がイオン的に結合した水不溶性の高分子電解質複合体をセルロース繊維上に生成せしめると、濾水性が向上することが述べられている(特許文献10参照)。
【0009】
【特許文献1】特開平7−34395号公報
【特許文献2】特開平7−238490号公報
【特許文献3】特開平7−112739号公報
【特許文献4】特開平8−113894号公報
【特許文献5】特開平9−291490号公報
【特許文献6】特公昭47−38004号公報
【特許文献7】特開昭54−82418号公報
【特許文献8】特開昭54−82419号公報
【特許文献9】特開2001−262498号公報
【特許文献10】特公昭46−17282号公報
【非特許文献1】紙パ技協誌、第45巻245〜249頁、紙パルプ技術協会発行
【非特許文献2】紙パ技協誌、第46巻986〜996頁、紙パルプ技術協会発行
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記特許文献1〜5に記載されているように、紙の強度を改善することを目的として種々な技術が検討されているが、これらは近年の軽量・嵩高化に伴う剛度および引張強さ等の低下を十分に抑制できる技術ではなく、特に、高い剛度を有する紙は強く要望されるものであった。
また、紙料にアニオン性とカチオン性の物質を添加し、両者のイオン的な結合を利用してセルロール繊維に定着させる技術が、非特許文献1、2および特許文献10に記載されている。しかし、非特許文献1、2に記載の併用処方あるいは混合処方を、アニオン性ポリアクリルアミドあるいはカチオン性ポリアクリルアミドを単独で添加する方法と比較してみると、剛度や引張強さ等の増強効果は若干高いものの満足し得る水準には到達しておらず、その効果は硫酸バンドの添加量の多寡に大きく左右され、また、その他に添加併用される薬品助剤によっても、効果の発現が一定しない等の問題点がある。また、特許文献10は、乾燥効果を高めるための濾水性に関し、剛度や引張り強さについて具体的な知見を示すものではない。
そこで、本発明は、軽量あるいは嵩高な紙においても、剛度など紙の強度を向上させることが可能な抄紙方法と、剛度や引張り強さが向上した紙を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、パルプ懸濁液にカチオン性ポリマー、アニオン性ポリマー、カチオン性ポリマーを順次添加して調製した紙料を抄紙することを特徴とする。
請求項2に係る発明は、前記アニオン性ポリマーの添加量が前記カチオン性ポリマーの総添加量のアニオン要求量に対して0.5〜6倍であることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、前記カチオン性ポリマーがカチオン澱粉またはカチオン性ポリアクリルアミドであり、前記アニオン性ポリマーがカルボキシメチルセルロースまたはアニオン性ポリアクリルアミドであることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、パルプ懸濁液にカチオン性ポリマー、アニオン性ポリマー、カチオン性ポリマーを順次添加して調製した紙料を抄紙して製造した紙であることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、前記アニオン性ポリマーの添加量が前記カチオン性ポリマーの総添加量のアニオン要求量に対して0.5〜6倍であることを特徴とする。
請求項6に係る発明は、前記カチオン性ポリマーがカチオン澱粉またはカチオン性ポリアクリルアミドであり、前記アニオン性ポリマーがカルボキシメチルセルロースまたはアニオン性ポリアクリルアミドであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、引張りこわさや曲げこわさなどの剛度が顕著に向上し、また同時に、引張り強さや層間強度といった強さも顕著に向上し、強度に優れた紙を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明では、パルプ懸濁液にカチオン性ポリマー、アニオン性ポリマー、カチオン性ポリマーを順次添加して紙料を調製する。ここでいうパルプ懸濁液とは、懸濁物としてパルプ繊維を含んでいればよく、その他に填料などが懸濁していてもよい。
パルプ繊維(セルロース繊維)はアニオン性に帯電しているため、まず、カチオン性ポリマーを添加することによって、パルプ繊維や填料の表面にカチオン性ポリマーが吸着される。次に、このカチオン性部位ができたパルプ繊維や填料にアニオン性ポリマーが添加されることによって、アニオン性ポリマーがパルプ繊維や填料に吸着される。さらに、このアニオン性部位ができたパルプ繊維や填料にカチオン性ポリマーが添加されることによって、カチオン性ポリマーがパルプ繊維や填料の表面に吸着される。このように、パルプ繊維の表面に各ポリマーが効率良く吸着されて連続的な三層のポリマー層が作り出されることにより、繊維間の強力な結合が形成される。また、上記の順序でポリマーを三層に吸着させたパルプ繊維や填料を含む紙料を抄紙した場合、剛度や引張強さなど強度が向上した紙を得ることができる。これに対し、カチオン性ポリマーまたはアニオン性ポリマーのいずれか片方を添加した場合(一段添加)や、カチオン性またはアニオン性ポリマー同士、カチオン性ポリマーとアニオン性ポリマー、アニオン性ポリマーとカチオン性ポリマーを順次添加した場合(二段添加)は、剛度や強さの十分な向上効果が得られない。
【0014】
本発明における強度向上の効果発現機構は十分に解明されてないが、おそらく、カチオン性ポリマー、アニオン性ポリマー、カチオン性ポリマーを三層にパルプ繊維や填料に吸着させることにより、吸着したカチオン性ポリマーとアニオン性ポリマーの複合体がパルプ繊維上に厚い層を形成するために、繊維壁が強化され単繊維のこわさが向上すること、さらに、カチオン性ポリマーとアニオン性ポリマーとの複合体は、カチオン性ポリマーやアニオン性ポリマーのポリマー単体よりも大きな複合体を形成するために、パルプ繊維同士やパルプ繊維と填料を結合しやすく、また水素結合量が多くなるために、紙の引張り弾性率(ヤング率)が向上し、その結果として引張りこわさや曲げこわさなどの剛度が向上するものと推測される。また、引張り強さや層間強度についても、剛度の効果発現機構と同様に、パルプ繊維同士の水素結合量が増加することによって、向上するものと推測される。
以下、本発明について詳しく説明する。
【0015】
<カチオン性ポリマー>
本発明で使用するカチオン性ポリマーは、第1級アミノ基、第2級アミノ基、第3級アミノ基、第4級アンモニウム塩基を有するポリマーであり、例えば、カチオン化澱粉、カチオン性ポリアクリルアミド(PAM)、ポリビニルアミン、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド(ポリDADMAC)、ポリアミドアミンエピクロロヒドリン(PAE)、ポリエチレンイミン(PEI)、キト酸などの水溶性のカチオン性ポリマー等が挙げられる。中でも、効果が良好で入手性も良いことからカチオン化澱粉、カチオン性ポリアクリルアミドが好ましい。カチオン化澱粉の場合、澱粉原料は特に限定はなく、コーン、タピオカ、ポテト、甘藷などが挙げられる。また、このカチオン澱粉の置換度(D.S.)も特に限定はなく、0.01〜0.06の範囲であればよい。
【0016】
<アニオン性ポリマー>
本発明で使用するアニオン性ポリマーは、カルボキシル基、スルホン基、リン酸基等のアニオン性基を有するポリマーであり、例えば、CMC、ポリアクリル酸、アニオン性PAM、尿素燐酸化澱粉、琥珀酸変性澱粉などが挙げられる。中でも、効果が良好で入手性も良いことからCMC、アニオン性ポリアクリルアミドが好ましい。アニオン性ポリマーがCMCの場合、置換度は0.5〜1.5が好ましい。また、1%水溶液の粘度が2〜20000mPa・sのものが通常の水溶性CMCであり、これらを使用できるが、1%粘度が100mPa・s以上のものを使用することがより好ましい。
【0017】
<添加率>
本発明のカチオン性ポリマーの総添加量は、少なすぎる場合は十分な剛度向上効果が得られず、一方、多すぎる場合は抄紙系の汚れが発生しやすくなり操業に悪影響が及ぼされることから、パルプ懸濁液の固形分重量に対して、0.02〜3.0固形分重量%が望ましく、好ましくは0.1〜2.0固形分重量%、さらに好ましくは0.25〜2.0固形分重量%である。なお、総添加量とは、先に添加するカチオン性ポリマーと後で添加するカチオン性ポリマーとの合計である。
また、アニオン性ポリマーの添加量は、少なすぎる場合は十分な剛度向上効果が得られず、一方、多すぎても剛度が低くなる傾向にあると同時に抄紙系の汚れも発生することから、アニオン性ポリマーの添加量がカチオン性ポリマーの総添加量のアニオン要求量に対して0.5〜6倍であることが望ましい。これを次の例で説明する。
【0018】
(カチオン性ポリマーのアニオン要求量)
カチオン性ポリマーの総添加量が1.0固形分重量%、カチオン電荷密度が+0.1meq/g、アニオン性ポリマーのアニオン電荷密度が−3.0meq/gの場合;
全カチオン性ポリマーのアニオン要求量は、0.1×1.0=0.10となる。
アニオン性ポリマーは、全カチオン性ポリマーのアニオン要求量の0.5〜6倍量添加すると、(0.10×0.5)〜(0.10×6)=0.05〜0.6のアニオンとなる。
添加するアニオン性ポリマーのアニオン電荷密度は−3.0meq/gであるから、アニオン性ポリマーの添加量は、(0.05/3.0)〜(0.6/3)=0.0167〜0.2が必要である。
【0019】
<添加時期>
紙の製造工程では、一般に、ミキシングチェストにおいて混合された原料パルプがマシンチェストへ送られ、次に種箱を通して安定した量のパルプ懸濁液を一次ファンポンプからの白水と共に抄紙マシンへと送り、ワイヤ上で均一なシートが形成される。本発明における各ポリマーの添加については、カチオン性ポリマーの一部をパルプ懸濁液に添加した後に、アニオン性ポリマーを添加し、その後にカチオン性ポリマーの残りを添加するが、これらの添加場所はミキシングチェストから一次ファンポンプの間であればよく、特に限定されるものではない。初めに添加するカチオン性ポリマーは、添加する全カチオン性ポリマーの25〜75%とすることが好ましく、40〜60%がより好ましい。
【0020】
<パルプ>
原料パルプは、通常使用されているパルプであれば良く、特に限定は無く、ケミカルパルプ(CP)、砕木パルプ(GP)、ケミグラウンドパルプ(CGP)、リファイナーグラウンドパルプ(RGP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、セミケミカルパルプ(SCP)等の各種製造方法の針葉樹、広葉樹パルプ、また、これらの晒、未晒パルプ、更に脱墨パルプ(DIP)等を紙の種類と要求される品質に応じて適宜配合したパルプである。
【0021】
<抄紙方法>
ア.酸性抄紙
本発明の紙は、酸性抄紙法で抄造される酸性紙でも、中性抄紙法で抄造される中性紙でもよい。酸性抄紙法で製造する用紙では、紙の品種に応じて必要であれば、ロジンサイズ剤、強化ロジンサイズ剤、合成サイズ剤等の公知の酸性抄紙用内添サイズ剤を使用でき、また、抄紙pHが酸性領域でも安定な填料を使用でき、具体的にはクレー、焼成カオリン、デラミカオリン、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化珪素、非晶質シリカ等の無機填料や、尿素−ホルマリン樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂、微小中空粒子等の有機填料を単独でまたは適宜2種類以上を組み合わせて使用できる。
【0022】
イ.中性抄紙
中性抄紙法で製造する用紙では、紙の品種に応じて必要であれば、公知の内添中性サイズ剤である、アルキルケテンダイマー(AKD)系サイズ剤、アルケニル無水コハク酸(ASA)系サイズ剤、中性ロジンサイズ剤を使用でき、填料としては炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、クレー、焼成カオリン、デラミカオリン、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化珪素、非晶質シリカ等の無機填料や、尿素−ホルマリン樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂、微小中空粒子等を単独でまたは適宜2種類以上を組み合わせて使用できる。
【0023】
ウ.その他添加剤
抄造に際して、従来から使用されている各種のノニオン性、カチオン性の歩留まり剤、濾水度向上剤、紙力向上剤、嵩高剤等の製紙用内添助剤が必要に応じて適宜選択して使用される。また、例えば、硫酸バンド、塩化アルミニウム、アルミン酸ソーダや、塩基性塩化アルミニウム、塩基性ポリ水酸化アルミニウム等の塩基性アルミニウム化合物や、水に易分解性のアルミナゾル等の水溶性アルミニウム化合物、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄等の多価金属化合物、シリカゾル等が内添されてもよい。その他製紙用助剤として各種澱粉類、ポリアクリルアミド、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミド、ポリアミン樹脂、ポリアミン、ポリエチレンイミン、植物ガム、ポリビニルアルコール、ラテックス、ポリエチレンオキサイド、親水性架橋ポリマー粒子分散物及びこれらの誘導体あるいは変成物等の各種化合物を使用できる。更に、染料、蛍光増白剤、pH調整剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤等の抄紙用内添剤を用途に応じて適宜添加することもできる。
【0024】
エ.抄紙機
紙を抄造する抄紙機の型式は特に限定は無く、長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、ヤンキー抄紙機、円網抄紙機等で適宜抄紙できる。プレス線圧は通常の操業範囲内で用いられる。
【0025】
オ.表面処理剤
また、必要に応じて表面処理剤を塗布してもよい。表面処理剤を塗布する場合、紙の要求される品質に応じて、水溶性高分子物質、表面サイズ剤などの公知の表面処理薬品を単独または適宜配合して使用する。水溶性高分子物質としては、例えば、生澱粉や、酸化澱粉、エステル化澱粉、カチオン化澱粉、酵素変性澱粉、アルデヒド化澱粉、エーテル化澱粉(湿式低分子化ヒドロキシエチル化澱粉、乾式低分子化ヒドロキシエチル化澱粉等)などの変性澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリビニルアルコール、カルボキシル変性ポリビニルアルコールなどの変性アルコール、スチレンブタジエン共重合体、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリルアミドなどが挙げられ、これらを単独または併用する。
【0026】
表面サイズ剤としては、スチレン−マレイン酸系共重合体樹脂、スチレン−アクリル酸系共重合体樹脂、α−オレフィン−マレイン酸系共重合体樹脂、アクリル酸エステル−アクリル酸系共重合体樹脂、カチオン性サイズ剤、アルキルケテンダイマー系サイズ剤などが挙げられるがこれらに制限されるものではない。また、中性抄紙の場合は、カチオン性表面サイズ剤が好ましく用いられる。このようなカチオン性表面サイズ剤としては特に限定されないが、公知のものでは具体的に例えば、WO2005/003457号公報、特開2005-105488号公報、特開2005-248338号公報、特開2006-16712号公報、特開2006-16713号公報、特開2006-97179号公報、特開2006-152510号公報、特開2006-161259号公報、特開2006-322093号公報等に記載のカチオン性表面サイズ剤が挙げられる。また、本件出願人が出願中である特願2005-223106、特願2005-312381、特願2006-17607等に記載のカチオン性表面サイズ剤が挙げられる。
【0027】
表面処理剤を塗布するサイズプレスの型式は特に限定はなく、ツーロールサイズプレス、ゲートロールコーター、シムサイザー等の公知の装置を適宜用いて表面処理剤を塗布する。カレンダーはバイパスしても良いし、通常の操業範囲内で処理しても良い。
【0028】
<紙の用途>
本発明で製造される紙は、上質印刷用紙、中質印刷用紙、新聞印刷用紙、グラビア印刷用紙、PPC用紙、レーザープリンター用紙、フォーム用紙、板紙原紙等に使用することができる。また、アート紙、キャストコート紙、上質コート紙、熱転写用紙等の各種のコート原紙にも使用することができる。中でも剛度向上が求められている新聞印刷用紙、印刷用紙、板紙原紙に効果的に使用できる。また、層間強度向上が重要な印刷用紙にも効果的に使用できる。また、嵩高剤を内添して紙を低密度化する技術があるが、この嵩高剤は紙の剛度や引張り強さ等を著しく低下させるものがほとんどであり、このような低密度化した紙への強度付与に、本発明の製造方法が好適に使用される。
【実施例】
【0029】
以下に実施例及び比較例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、特にことわらない限り、部および%は重量部および重量%を示す。また、各例においてカチオン化澱粉、CMC、ポリアクリルアミド等の添加率は、パルプ固形分重量に対する固形分重量%である。
【0030】
以下の実施例及び比較例で得られた紙の紙質および強度は、以下の方法で測定した。結果を表1、表2に示す。
・手抄き紙の作成:JIS P 8209に準じて手抄きにより作成した。
・坪量:JIS P 8124に準じて測定した。
・紙厚:JIS P 8118に準じて測定した。
・密度:JIS P 8118に準じて坪量と紙厚から求めた。
・引張りこわさ:SCAN−P67に準じて、L&W Tensile Tester(Lorentzen&Wettre社製)を用いて測定した。
・曲げこわさ:ISO−2493に準じて、L&W Bending Tester(Lorentzen&Wettre社製)で、曲げ角度が15度の曲げこわさを測定した。
・引張り強さ:JIS P 8113に準じて測定した。
・層間強度:L&W ZD Tensile Tester SE 155(Lorentzen&Wettre社製)で、層間強度を測定した。
【0031】
[実施例1]
広葉樹漂白クラフトパルプ(LBKP、CSF=400ml)100重量%からなるパルプに、硫酸バンド0.5重量%を添加し、スリーワンモーターで攪拌しながら、カチオン化コーン澱粉(置換度0.03、カチオン電荷密度+0.1meq/g)を0.25重量%添加し、その30秒後にCMC(製品名F1400MC、日本製紙ケミカル(株)社製、置換度0.73、1%粘度14100mPa・s、アニオン電荷密度−3.0meq/g)を0.009重量%添加し、その30秒後にカチオン化コーン澱粉(置換度0.03、カチオン電荷密度+0.1meq/g)を0.25重量%添加し、その30秒後に歩留まり向上剤(製品名R-300、ソマール(株)社製)を0.01重量%添加して紙料を調製し、坪量60g/mとなるように手抄きにより紙を作成した。
【0032】
[実施例2]
CMCの添加率を0.017重量%としたこと以外は、実施例1と同様に行った。
【0033】
[実施例3]
CMCの添加率を0.06重量%としたこと以外は、実施例1と同様に行った。
【0034】
[実施例4]
CMCの添加率を0.1重量%としたこと以外は、実施例1と同様に行った。
【0035】
[実施例5]
広葉樹漂白クラフトパルプ(LBKP、CSF=400ml)100重量%からなるパルプスラリーに、硫酸バンド0.5重量%を添加し、スリーワンモーターで攪拌しながら、カチオン化コーン澱粉(置換度0.03、カチオン電荷密度+0.1meq/g)を0.5重量%添加し、その30秒後にCMC(製品名F1400MC、日本製紙ケミカル(株)社製、置換度0.73、1%粘度14100mPa・s、アニオン電荷密度−3.0meq/g)を0.1重量%添加し、その30秒後にカチオン化コーン澱粉(置換度0.03、カチオン電荷密度+0.1meq/g)を0.5重量%添加し、その30秒後に歩留まり向上剤(製品名R-300、ソマール(株)社製)を0.01重量%添加して紙料を調製し、坪量65g/mとなるように手抄きにより紙を作成した。
【0036】
[実施例6]
カチオン化コーン澱粉の添加率がCMCの添加前後でそれぞれ1.0重量%であり、CMCの添加率が0.2重量%であること以外は、実施例5と同様に行った。
【0037】
[実施例7]
カチオン化コーン澱粉の添加率がCMCの添加前後でそれぞれ0.25重量%であり、CMCの添加率が0.008重量%であること以外は、実施例1と同様に行った。
【0038】
[実施例8]
カチオン化コーン澱粉の添加率がCMCの添加前後でそれぞれ0.25重量%であり、CMCの添加率が0.125重量%であること以外は、実施例1と同様に行った。
【0039】
[比較例1]
カチオン化コーン澱粉とCMCを添加しないこと以外は、実施例1と同様に行った。
【0040】
[比較例2]
広葉樹漂白クラフトパルプ(LBKP、CSF=400ml)100重量%からなるパルプスラリーに、硫酸バンド0.5重量%を添加したパルプに、スリーワンモーターで攪拌しながら、カチオン化コーン澱粉(置換度0.03、カチオン電荷密度+0.1meq/g)を0.5重量%一段添加し、その30秒後に歩留まり向上剤(製品名R-300、ソマール(株)社製)を0.01重量%添加して紙料を調製し、坪量65g/mとなるように手抄きにより紙を作成した。
【0041】
[比較例3]
硫酸バンドの添加後にカチオン化コーン澱粉を1.0重量%で一段添加したこと以外は、比較例2と同様に行った。
【0042】
[比較例4]
硫酸バンドの添加後にカチオン化コーン澱粉を2.0重量%で一段添加したこと以外は、比較例2と同様に行った。
【0043】
[比較例5]
広葉樹漂白クラフトパルプ(LBKP、CSF=400ml)100重量%からなるパルプスラリーに、硫酸バンド0.5重量%を添加し、スリーワンモーターで攪拌しながら、CMC(製品名F1400MC、日本製紙ケミカル(株)社製、置換度0.73、1%粘度14100mPa・s、アニオン電荷密度−3.0meq/g)を0.1重量%添加し、その30秒後に歩留まり向上剤(製品名R-300、ソマール(株)社製)を0.01重量%添加して紙料を調製し、坪量65g/mとなるように手抄きにより紙を作成した。
【0044】
[比較例6]
CMCの添加率を0.2重量%とした以外は、比較例5と同様に行った。
【0045】
[比較例7]
CMCの添加率を0.4重量%とした以外は、比較例5と同様に行った。
【0046】
[比較例8]
広葉樹漂白クラフトパルプ(LBKP、CSF=400ml)100重量%からなるパルプスラリーに、硫酸バンド0.5重量%を添加し、スリーワンモーターで攪拌しながら、CMC(製品名F1400MC、日本製紙ケミカル(株)社製、置換度0.73、1%粘度14100mPa・s、アニオン電荷密度−3.0meq/g)を0.1重量%添加し、その30秒後にカチオン化コーン澱粉(置換度0.03、カチオン電荷密度+0.1meq/g)を0.5重量%添加し、その30秒後に歩留まり向上剤(製品名R-300、ソマール(株)社製)を0.01重量%添加して紙料を調製し、坪量65g/mとなるように手抄きにより紙を作成した。
【0047】
[比較例9]
CMCの添加率を0.2重量%、カチオン化コーン澱粉の添加率を1.0重量%とした以外は、比較例8と同様に行った。
【0048】
[比較例10]
CMCの添加率を0.4重量%、カチオン化コーン澱粉の添加率を2.0重量%とした以外は、比較例8と同様に行った。
【0049】
[比較例11]
広葉樹漂白クラフトパルプ(LBKP、CSF=400ml)100重量%からなるパルプスラリーに、硫酸バンド0.5重量%を添加し、スリーワンモーターで攪拌しながら、カチオン化コーン澱粉(置換度0.03、カチオン電荷密度+0.1meq/g)を0.5重量%添加し、その30秒後にCMC(製品名F1400MC、日本製紙ケミカル(株)社製、置換度0.73、1%粘度14100mPa・s、アニオン電荷密度−3.0meq/g)を0.1重量%添加し、その30秒後に歩留まり向上剤(製品名R-300、ソマール(株)社製)を0.01重量%添加して紙料を調製し、坪量65g/mとなるように手抄きにより紙を作成した。
【0050】
[比較例12]
カチオン化コーン澱粉の添加率を1.0重量%、CMCの添加率を0.2重量%とした以外は、比較例11と同様に行った。
【0051】
[比較例13]
カチオン化コーン澱粉の添加率を2.0重量%、CMCの添加率を0.4重量%とした以外は、比較例11と同様に行った。
【0052】
【表1】

【0053】
表1中、「アニオン性ポリマーの添加倍率」とは、カチオン性ポリマーの総添加量(カチオン化澱粉)のアニオン要求量に対するアニオン性ポリマー(CMC)の添加倍率である。
表1から、以下のことが示される。
(1)本発明の実施例では、引張りこわさや曲げこわさといった剛度の高い紙が得られている。特に、実施例1〜6と実施例7、8との比較から、アニオン性ポリマーの添加倍率は、全カチオン性ポリマーのアニオン要求量の0.5から6倍量の場合に、剛度がより高くなることがわかる。
(2)カチオン性ポリマーとアニオン性ポリマーの総添加量がともに0.6重量%である実施例4と比較例8(アニオン性ポリマー/カチオン性ポリマーの二段処理)、および比較例11(カチオン性ポリマー/アニオン性ポリマーの二段処理)との比較から、カチオン性ポリマーはアニオン性ポリマーの添加前後に分割して添加することで、剛度が高くなることがわかる。さらに、アニオン性ポリマーの添加倍率がともに6.0である、実施例4と比較例11〜13との比較からも、カチオン性ポリマーはアニオン性ポリマーの添加前後に分割して添加することで、引張りこわさ及び曲げこわさが高くなることがわかる。
(3)比較例8〜12は、アニオン性ポリマー/カチオン性ポリマー、あるいはカチオン性ポリマー/アニオン性ポリマーで二段処理した例であるが、十分な剛度向上効果は得られない。比較例13は、剛度は高くなっているものの、本発明の実施例に比べてはるかに多量の薬品を使用しなければならないことがわかる。
(4)比較例2〜7は、カチオン性ポリマーまたはアニオン性ポリマーのいずれか片方で一段処理した例であるが、これらの薬品量を多く添加した場合でも(比較例4、7)、十分な剛度向上効果は得られない。
【0054】
[実施例9]
脱墨パルプ(DIP)80重量%、サーモメカニカルパルプ(TMP)20重量%からなるパルプスラリーに、ミキシングボックスにおいてカチオン性ポリアクリルアミド(カチオン電荷密度+1.0meq/g)を0.05重量%添加し、その後マシンチェストにおいてアニオン性ポリアクリルアミド(アニオン電荷密度−1.5meq/g)を0.1重量%添加し、その後種箱においてカチオン性ポリアクリルアミド(カチオン電荷密度+1.0meq/g)を0.05重量%添加し、その後填料として炭酸カルシウムを10重量%、歩留り向上剤(製品名R-300、ソマール(株)社製)0.01重量%を添加して、ツインワイヤー抄紙機にて坪量44g/mとなるように新聞用紙用原紙を作成した。
【0055】
[比較例14]
カチオン性アクリルアミドおよびアニオン性ポリアクリルアミドを添加しないこと以外は、実施例9と同様に行った。
【0056】
[比較例15]
脱墨パルプ(DIP)80重量%、サーモメカニカルパルプ(TMP)20重量%からなるパルプスラリーに、ミキシングボックスにおいてカチオン性ポリアクリルアミド(カチオン電荷密度+1.0meq/g)を0.2重量%で一段添加し、その後填料として炭酸カルシウムを10重量%、歩留り向上剤(製品名R-300、ソマール(株)社製)0.01重量%を添加して、ツインワイヤー抄紙機にて坪量44g/mとなるように新聞用紙用原紙を作成した。
【0057】
[比較例16]
脱墨パルプ(DIP)80重量%、サーモメカニカルパルプ(TMP)20重量%からなるパルプスラリーに、ミキシングボックスにおいてカチオン性ポリアクリルアミド(カチオン電荷密度+1.0meq/g)を0.1重量%添加し、その後マシンチェストにおいてアニオン性ポリアクリルアミド(アニオン電荷密度−1.5meq/g)を0.1重量%添加し、その後填料として炭酸カルシウムを10重量%、歩留り向上剤(製品名R-300、ソマール(株)社製)0.01重量%を添加して、ツインワイヤー抄紙機にて坪量44g/mとなるように新聞用紙用原紙を作成した。
【0058】
[比較例17]
脱墨パルプ(DIP)80重量%、サーモメカニカルパルプ(TMP)20重量%からなるパルプスラリーに、ミキシングボックスにおいてカチオン性ポリアクリルアミド(カチオン電荷密度+1.0meq/g)を0.1重量%添加し、その後種箱においてカチオン性ポリアクリルアミド(カチオン電荷密度+1.0meq/g)を0.1重量%添加し、その後填料として炭酸カルシウムを10重量%、歩留り向上剤(製品名R-300、ソマール(株)社製)0.01重量%を添加して、ツインワイヤー抄紙機にて坪量44g/mとなるように新聞用紙用原紙を作成した。
【0059】
【表2】

【0060】
表2中、実施例9と比較例14〜17との比較から、実機にて紙を製造した場合も、表1に示す手抄きの場合に得られた傾向と同様に、カチオン性ポリマー/アニオン性ポリマー/カチオン性ポリマーの三段処理をすることで、同じポリマー添加率においても紙の剛度が高くなることがわかる。また、引張り強さや層間強度も高くなることがわかる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パルプ懸濁液にカチオン性ポリマー、アニオン性ポリマー、カチオン性ポリマーを順次添加して調製した紙料を抄紙することを特徴とする紙の製造方法。
【請求項2】
前記アニオン性ポリマーの添加量が前記カチオン性ポリマーの総添加量のアニオン要求量に対して0.5〜6倍であることを特徴とする請求項1記載の紙の製造方法。
【請求項3】
前記カチオン性ポリマーがカチオン澱粉またはカチオン性ポリアクリルアミドであり、前記アニオン性ポリマーがカルボキシメチルセルロースまたはアニオン性ポリアクリルアミドであることを特徴とする請求項1または2記載の紙の製造方法。
【請求項4】
パルプ懸濁液にカチオン性ポリマー、アニオン性ポリマー、カチオン性ポリマーを順次添加して調製した紙料を抄紙して製造した紙。
【請求項5】
前記アニオン性ポリマーの添加量が前記カチオン性ポリマーの総添加量のアニオン要求量に対して0.5〜6倍であることを特徴とする請求項4記載の紙。
【請求項6】
前記カチオン性ポリマーがカチオン澱粉またはカチオン性ポリアクリルアミドであり、前記アニオン性ポリマーがカルボキシメチルセルロースまたはアニオン性ポリアクリルアミドであることを特徴とする請求項4または5記載の紙。

【公開番号】特開2007−277795(P2007−277795A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−64686(P2007−64686)
【出願日】平成19年3月14日(2007.3.14)
【出願人】(000183484)日本製紙株式会社 (981)
【Fターム(参考)】