説明

投写型表示装置

【課題】被投写面へ出射される映像光の状態を簡易に調整できる投写型表示装置を提供する。
【解決手段】プロジェクタ1は、光源ランプ201と、光源ランプ201からの光を変調して映像光を生成する液晶パネル211、213、216と、液晶パネル211、213、216により生成された映像光を被投写面に投写する投写レンズユニット30と、投写レンズユニット30の出射口の周辺位置に配され、投写レンズユニット30から出射された映像光を検出する照度センサ401と、照度センサ401の検出結果に基づいて映像光の輝度を調整するCPU501およびパネル駆動回路507とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源からの光を変調して被投写面に投写する投写型表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
投写型表示装置(以下、「プロジェクタ」という)は、光源からの光を光変調素子で変調し、変調された光(以下、「映像光」という)をスクリーン等の被投写面に投写する。
【0003】
かかるプロジェクタでは、複数のプロジェクタを用いて、大型のスクリーンに一つの画像を投写する使用形態が採られ得る(図6参照)。この場合、投写される全体の画像が、プロジェクタの個数の領域に分割される。各プロジェクタからは、対応する分割領域の画像が投写される。なお、上記の使用形態を、以下「マルチスクリーン投写」と称する。
【0004】
光源や光変調素子などの構成部品の性能がプロジェクタ間でばらつくことによって、各プロジェクタから出力される映像光の状態、たとえば、輝度や色度にばらつきが生じる。このため、マルチスクリーン投写が行われる場合、プロジェクタ間での映像光の状態のばらつきを抑えるよう、プロジェクタ毎に映像光の状態を調整する必要がある。
【0005】
そこで、各プロジェクタから出力される映像光を光センサにて検出し、検出結果に基づいて映像光の状態を調整する構成が採られ得る。光センサは、たとえば、スクリーン上において、2つの分割領域の境界位置に配され得る(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】WO99/53693号公報(再公表公報)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記構成のように、スクリーン上に光センサが配される場合には、複数のプロジェクタを設置した上で、さらに、光センサをスクリーン上に配置して、光センサとプロジェクタとを接続する作業が必要となる。このため、マルチスクリーン投写を行う際の調整作業が煩雑になり易い。
【0008】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、被投写面へ出射される映像光の状態を簡易に調整できる投写型表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の投写型表示装置は、光源と、前記光源からの光を変調して映像光を生成する光変調部と、前記光変調部により生成された前記映像光を被投写面に投写する投写部と、前記投写部の出射口の周辺位置に配され、前記投写部から出射された前記映像光を検出する光検出部と、前記光検出部の検出結果に基づいて前記映像光の状態を調整する調整部と、を備える。
【0010】
本発明の投写型表示装置によれば、被投写面へ出射される映像光の状態、たとえば、輝度や色度等を検出するために、被投写面に光検出部を配置する作業が不要となる。よって、投写型表示装置をマルチスクリーン投写に用いるなど、映像光の状態の調整を行う際に、調整作業を簡易に行うことができる。
【0011】
本発明の投写型表示装置において、前記光検出部は、前記投写部から出射された前記映像光の光路に掛からない位置に配され、当該光路から漏れた光を検出することにより、前記映像光を間接的に検出するような構成とされ得る。
【0012】
このような構成とすれば、投写部から出射された映像光の一部が光検出部に遮られることを防止できる。よって、映像光が遮られることによる画像品質の劣化を防止できる。
【0013】
本発明の投写型表示装置において、前記光検出部は、その受光面が前記映像光の光路の方向を向くよう配され得る。
【0014】
このような構成とすれば、映像光の光路から漏れた光を効率よく受光できるので、光検出部によって良好な検出を行うことができる。
【0015】
本発明の投写型表示装置は、前記出射口の周辺位置に配され前記光検出部を収容する不透明なホルダを備える構成とされ得る。この場合、前記ホルダは、前記光検出部の周囲を覆うとともに前記光検出部の受光面を外部に開放する開口を有し、前記開口が前記映像光の光路の方向を向くように設置される。
【0016】
このような構成とすれば、光検出部が不透明なホルダに収容されているため、光検出に不要な迷光が光検出部に入射するのを抑制することができる。よって、映像光の検出精度を高めることができる。
【0017】
本発明の投写型表示装置において、前記光検出部は、照度センサとされ得る。この場合、前記調整部は、前記照度センサにより検出された照度に基づいて、前記投写部から出射される前記映像光の輝度を調整する。
【0018】
このような構成とすれば、映像光の輝度調整を行う際に、調整作業を良好に行うことができる。
【発明の効果】
【0019】
以上のとおり、本発明によれば、被投写面へ出射される映像光の状態を良好に調整できる投写型表示装置を提供することができる。
【0020】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下の実施の形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施の形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】実施の形態に係るプロジェクタの構成を示す図である。
【図2】実施の形態に係る光学エンジンの構成を示す図である。
【図3】実施の形態に係る投写レンズユニットおよびセンサユニットの構成を示す図である。
【図4】実施の形態に係るプロジェクタの回路系の構成を示す図である。
【図5】実施の形態に係るプロジェクタから出力される投写光(映像光)の輝度を調整するための輝度調整処理の動作を示すフローチャートである。
【図6】複数のプロジェクタを用いて、マルチスクリーン投写が行われている状態を示す図である。
【図7】変更例に係るプロジェクタについて説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して、実施の形態に係るプロジェクタについて説明する。
【0023】
図1は、プロジェクタ1の構成を示す図である。同図を参照して、プロジェクタ1は、筺体となる、横長の略直方体形状のキャビネット10を備えている。キャビネット10には、前面左側に投写窓101が形成されており、前面右側および右側面にキャビネット10内部から排気を行うための排気口102、103がそれぞれ形成されている。また、キャビネット10の上面には、操作部104が設けられている。操作部104には、複数の操作キーが配されている。
【0024】
キャビネット10の内部には、光学エンジン20および投写レンズユニット30が配されている。光学エンジン20は、映像信号に基づいて変調された映像光を生成する。光学エンジン20には、投写レンズユニット30が装着されており、投写レンズユニット30の前端部が、投写窓101から前方に露出している。投写レンズユニット30は、光学エンジン20で生成された映像光を、プロジェクタ1の前方に配されたスクリーン面に拡大投写する。投写レンズユニット30の出射口近傍には、センサユニット40が配されている。センサユニット40の構成については、後に詳述する。
【0025】
図2は、光学エンジン20の構成を示す図である。
【0026】
光源ランプ201は、白色光を発する発光体と、発光体から発せられた光を反射するリフレクターとを備えている。発光体には、たとえば、水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、あるいはメタルハライドランプが用いられる。
【0027】
光源ランプ201から出射された白色光は、フライアイインテグレータ202、PBSアレイ203、コンデンサレンズ204を通過する。フライアイインテグレータ202は一対のレンズ202a、202bからなり、各レンズ202a、202bは蠅の目状に配列された多数の小レンズから構成されている。フライアイインテグレータ202に入射した光は、これら小レンズによって分割される。分割された各光は、コンデンサレンズ204により液晶パネル(後述する)に重畳される。これにより、液晶パネルに照射される光の光量分布が均一化される。また、フライアイインテグレータ202により分割された各光は、PBSアレイ203によって偏光方向が一方向に揃えられる。
【0028】
コンデンサレンズ204を通過した光は、ダイクロイックミラー205に入射する。ダイクロイックミラー205は、入射した光のうち、赤色波長帯の光(以下、「R光」という)と緑色波長帯(以下、「G光」という)を透過し、青色波長帯(以下、「B光」という)を反射する。
【0029】
ダイクロイックミラー205を透過したR光およびG光は、ダイクロイックミラー206に入射する。ダイクロイックミラー206は、R光を透過しG光を反射する。
【0030】
ダイクロイックミラー206を透過したR光は、リレーレンズ207および反射ミラー208、209によってコンデンサレンズ210に導かれ、コンデンサレンズ210を通過して液晶パネル211に照射される。液晶パネル211は、赤色用の映像信号に応じて駆動され、その駆動状態に応じてR光を変調する。なお、液晶パネル211の入射側には、図示しない入射側偏光板が配されており、入射側偏光板を介して液晶パネル211にR光が照射される。また、液晶パネル211の出射側には図示しない出射側偏光板が配されており、液晶パネル211から出射されたR光が出射側偏光板に入射する。
【0031】
ダイクロイックミラー206で反射されたG光は、コンデンサレンズ212を通過して液晶パネル213に照射される。液晶パネル213は、緑色用の映像信号に応じて駆動さ
れ、その駆動状態に応じてG光を変調する。なお、液晶パネル213の入射側には、図示しない入射側偏光板が配されており、入射側偏光板を介して液晶パネル213にG光が照射される。また、液晶パネル213の出射側には図示しない出射側偏光板が配されており、液晶パネル213から出射されたG光が出射側偏光板に入射する。
【0032】
ダイクロイックミラー205で反射されたB光は、反射ミラー214によってコンデンサレンズ215に導かれ、コンデンサレンズ215を通過して液晶パネル216に照射される。液晶パネル216は、青色用の映像信号に応じて駆動され、その駆動状態に応じてB光を変調する。なお、液晶パネル216の入射側には、図示しない入射側偏光板が配されており、入射側偏光板を介して液晶パネル216にB光が照射される。また、液晶パネル216の出射側には図示しない出射側偏光板が配されており、液晶パネル216から出射されたB光が出射側偏光板に入射する。
【0033】
液晶パネル211、213、216によって変調され、出射側偏光板から出射されたR光、G光、B光は、ダイクロイックプリズム217に入射する。ダイクロイックプリズム217は、R光、G光およびB光のうち、R光とB光を反射するとともにG光を透過し、これにより、B光、G光およびR光を色合成する。こうして、色合成された映像光が、ダイクロイックプリズム217から投写レンズユニット30に向けて出射される。
【0034】
なお、光学エンジン20を構成する光変調素子としては、上記透過型の液晶パネル211、213、216の他、反射型の液晶パネルや、MEMSデバイスを用いることもできる。また、光学エンジン20は、上記のように3つの光変調素子を備えた3板式の光学系ではなく、たとえば、1つの光変調素子とカラーホイールを用いた単板式の光学系により構成することもできる。
【0035】
図3は、投写レンズユニット30およびセンサユニット40の構成を示す図であり、プロジェクタ1における投写レンズユニット30の周辺の縦断面図である。
【0036】
投写レンズユニット30は、ハウジング301内に前玉レンズ302を含む複数のレンズを備えている。投写レンズユニット30に入射した映像光は、投写光として、前玉レンズ302からスクリーンに向けて出射される。
【0037】
センサユニット40は、照度センサ401と、照度センサ401を投写レンズユニット30の出射口の周辺位置に保持するためホルダ402とを含む。
【0038】
照度センサ401は、ホルダ402に保持されることにより、投写レンズユニット30から出射された投写光の光路の近傍であって、光路に掛からない位置に配置される。照度センサ401は、投写光の光路から周囲に向けて放出される漏れ光の光量を検出することにより、投写光の光量を間接的に検出する。照度センサ401からは、受光量、即ち、照射された光の照度に応じた電流信号が出力される。投写光の輝度が高いほど、漏れ光が多くなるので、照度センサ401の受光量が多くなる。
【0039】
照度センサ401は、その受光面401aが、投写レンズユニット30の光軸L、に対して略直交する方向Pを向くように、即ち、投写光の光路の方向を向くようにホルダ402内に収容されている。
【0040】
ホルダ402には、開口部402aが形成されている。開口部402aは、投写光の光路の方向を向いており、開口部402aを介して照度センサ401に漏れ光が取り込まれる。ホルダ402は、不透明な材料で形成されており、開口部402a以外からの光、即ち照度センサ401での検出に不要な迷光が遮断される。よって、照度センサ401によ
る漏れ光の検出精度が向上する。
【0041】
ホルダ402は、たとえばネジ(図示せず)により、キャビネット10に前端部に固定される。ホルダ402は、接着剤によって固定されても良い。
【0042】
なお、漏れ光は、投写光の光路から外側に進んでいくほど弱くなる。よって、漏れ光を感度良く検出するためには、照度センサ401が、投写光の光路に掛からない範囲で、できる限り光路に近づけられることが望ましい。
【0043】
図4は、プロジェクタ1の回路系の構成を示す図である。
【0044】
液晶パネル211、213、216、光源ランプ201等を制御するため、プロジェクタ1は、制御回路部50を備える。制御回路部50は、CPU501、メモリ502、キー入力回路503、入力切替回路504、A/Dコンバータ505、信号処理回路506、パネル駆動回路507、ランプ駆動回路508を含む。
【0045】
キー入力回路503は、操作部104のキー操作に応じた入力信号をCPU501へ出力する。
【0046】
入力切替回路504は、複数の入力端子の中から接続する入力端子を切り替える。入力切替回路504によって接続された入力端子から映像信号、たとえば、RGB信号が入力される。入力されたRGB信号がアナログである場合には、A/Dコンバータ505によってデジタルのRGB信号に変換されて信号処理回路506に入力される。なお、RGB信号がデジタル信号である場合には、A/Dコンバータ505を介することなく信号処理回路506に入力される。
【0047】
信号処理回路506は、走査変換回路509と、補正回路510とを含む。
【0048】
走査変換回路509は、フレームメモリ511を用いて、入力された映像信号にスケーリング処理を施す。これにより、入力された映像信号が、液晶パネル211、213、216の画面サイズに適合する画面サイズの映像信号に変換される。
【0049】
補正回路510は、入力された映像信号に対して、ホワイトバランス補正、ガンマ補正等の各種補正を行う。
【0050】
信号処理回路506は、映像信号がRGB信号以外の信号である場合、かかる信号をRGB信号に変換する。信号処理回路506から出力されたRGB信号は、パネル駆動回路507に入力される。
【0051】
パネル駆動回路507は、入力されたRGB信号に従って液晶パネル211、213、216を駆動する。即ち、パネル駆動回路507は、RGBの各信号を、対応する各液晶パネル211、213、216の画素電極に印加する駆動電圧信号に変換する。また、パネル駆動回路507は、液晶パネル211、213、216のコモン電極(対向電極)に印加するコモン電圧信号を生成する。そして、パネル駆動回路507は、これら駆動電圧信号およびコモン電圧信号を各液晶パネル211、213、216に出力する。画素電極とコモン電極との間の電位差に応じて液晶の配向性が変化することにより、液晶パネル211、213、216の透過光量が変化する。
【0052】
ランプ駆動回路508は、CPU501からの制御信号に従って光源ランプ201を駆動する。
【0053】
メモリ502は、RAM、ROMを含む。メモリ502には、CPU501に制御機能を付与するための制御プログラムが記憶されている。
【0054】
CPU501は、メモリ502に記憶された制御プログラムに従って、信号処理回路506およびパネル駆動回路507を制御する。また、CPU501は、制御プログラムに従って、ランプ駆動回路508に制御信号を出力することにより、光源ランプ201を制御する。
【0055】
図5は、プロジェクタ1から出力される投写光(映像光)の輝度を調整するための輝度調整処理の動作を示すフローチャートである。
【0056】
プロジェクタ1では、個々の製品毎に、光源ランプ201や液晶パネル211、213、216など、各構成部品の性能に多少のばらつきが生じる。このため、同じ画像を投写する場合であっても、投写光の輝度、即ち、投写される画像の輝度にばらつきが生じ得る。
【0057】
たとえば、図6のように、複数のプロジェクタ1を用いて、大型のスクリーンに一つの画像を投写するマルチスクリーン投写が行われる場合、各プロジェクタ1間に輝度差が生じることにより画質が低下し得る。そこで、このような画質の低下を招かないよう、プロジェクタ1毎に投写光の輝度を調整する必要がある。
【0058】
たとえば、ユーザにより、操作部104に対して所定の操作がなされると、輝度調整処理が実行される。
【0059】
図5を参照して、CPU501は、信号処理回路506に画像全体が白色となるテストパターン画像の映像信号を生成させ、生成したテストパターン画像をスクリーンに投写させる(S1)。
【0060】
次に、CPU501は、テストパターン画像を投写したときに照度センサ401により検出された照度を取得する(S2)。そして、CPU501は、取得した照度が予め設定された規定照度であるか否かを判定し(S3)、規定照度でなければ(S3:NO)、規定照度に近づくように、投写光の輝度を調整する(S4)。
【0061】
たとえば、CPU501は、取得した照度が規定照度より低ければ、パネル駆動回路507から出力されるコモン電圧信号を低下させ、画素電極とコモン電極との間の電位差を大きくして、各液晶パネル211、213、216の透過光量を上昇させる。これにより、投写光の輝度を上昇させる。一方、CPU501は、取得した照度が規定照度より高ければ、パネル駆動回路507から出力されるコモン電圧信号を上昇させ、画素電極とコモン電極との間の電位差を小さくして、各液晶パネル211、213、216の透過光量を低下させる。これにより、投写光の輝度を低下させる。
【0062】
こうして、CPU501は、ステップS2からステップS4の処理を繰り返す。そして、取得した照度が規定照度になると(S3:YES)、CPU501は、テストパターン画像の投写を停止して(S5)、処理を終了する。
【0063】
このように、本実施の形態によれば、マルチスクリーン投写が行われる場合、ユーザは、各プロジェクタ1において輝度調整を行うことができるので、各プロジェクタ1間に生じる輝度差を小さくすることができる。
【0064】
しかも、投写光の輝度を検出するために、スクリーンに照度センサ401を配置するような作業が不要であるため、調整作業を簡易に行うことができる。
【0065】
さらに、本実施の形態によれば、照度センサ401は、投写光の光路に掛からない位置に配され、当該光路から漏れた光の光量を検出することにより、投写光の光量を間接的に検出するような構成とされている。これにより、投写光の一部が照度センサ401に遮られることを防止できる。よって、投写光が遮られることによる画像品質の劣化を防止できる。
【0066】
さらに、照度センサ401は、その受光面401aが投写光の光路の方向を向くよう配されている。このため、投写光の光路から周囲に向けて放出される漏れ光が受光面401aに当たり易い。よって、受光面401aによって漏れ光を効率よく受光でき、照度センサ401によって良好な検出を行うことができる。
【0067】
以上のとおり、本実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら制限されるものではなく、また、本発明の実施形態も、上記実施の形態以外に、種々の変更が可能である。
【0068】
たとえば、上記実施の形態では、センサユニット40が、投写レンズユニット30の出射口の周辺位置であって、投写レンズユニット30の上部に配されている。しかしながら、センサユニット40は、投写レンズユニット30の出射口の周辺位置であれば、投写レンズユニット30の下部、右部、左部等、どこに配されても良い。
【0069】
また、上記実施の形態では、照度センサ401が、ホルダ402内において開口部402aに近い位置に配されている。しかしながら、図7(a)に示すように、照度センサ401が、ホルダ402内において開口部402aから離れた位置に配されても良い。これにより、照度センサ401に迷光が一層入射しにくくなる。
【0070】
さらに、上記実施の形態では、照度センサ401は、受光面401aの方向Pが投写レンズユニット30の光軸Lに対して略垂直となるように配されている。しかしながら、図7(b)に示すように、受光面401aが、光軸Lに略垂直ではなく、少し投写レンズユニット30側に向くよう、照度センサ401がホルダ402内で傾けられても良い。
【0071】
さらに、上記実施の形態では、センサユニット40(ホルダ402)がキャビネット10に固定されている。しかしながら、センサユニット40が、投写レンズユニット30(ハウジング301)に固定されても良い。
【0072】
また、上記実施の形態では、パネル駆動回路507から出力されるコモン電圧信号を変化させることにより、投写光の輝度を調整する構成とされている。しかしながら、これに限らず、たとえば、パネル駆動回路507から出力される駆動電圧信号を変化させることにより、投写光の輝度が調整されても良い。この場合、CPU501は、取得した照度が規定照度より低ければ、駆動電圧信号を一律に上昇させ、画素電極とコモン電極との間の電位差を大きくして、各液晶パネル211、213、216の透過光量を上昇させる。一方、CPU501は、取得した照度が規定照度より高ければ、駆動電圧信号を一律に低下させ、画素電極とコモン電極との間の電位差を小さくして、各液晶パネル211、213、216の透過光量を低下させる。
【0073】
また、光源ランプ201の出力を調整することにより、投写光の輝度が調整されても良い。この場合、取得した照度が規定照度より高ければ、光源ランプ201の出力が小さくされ、取得した照度が規定照度より低ければ、光源ランプ201の出力が大きくされる。
また、コモン電圧信号および駆動電圧信号の少なくとも一方と、光源ランプ201の出力とを調整することにより、投写光の輝度が調整されても良い。
【0074】
さらに、本実施の形態では、照度センサ401により検出された照度に基づいて、投写光の輝度が調整される構成とされている。しかしながら、照度センサ401に替えて、あるいは、照度センサ401に加えて、色度センサが投写レンズユニット30の出射口近傍に配され、投写光の輝度に替えて、あるいは輝度に加えて、色度が調整されても良い。この場合、赤色、青色、緑色などのテストパターン画像がスクリーンに投写され、色度センサにて検出された色度が所定の色度となるように、RGBの各信号の大きさが、CPU501からの指示のもと、パネル駆動回路507により調整される。
【0075】
さらに、上記実施の形態では、光源ランプ201が用いられているが、ランプ光源に限らず、LED光源、レーザ光源等の固体光源が用いられても良い。
【0076】
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0077】
20 光学エンジン
201 光源ランプ(光源)
211、213、216 液晶パネル(光変調部)
30 投写レンズユニット(投写部)
40 センサユニット
401 照度センサ(光検出部)
401a 受光面
402 ホルダ
402a 開口部(開口)
50 制御回路部
501 CPU(調整部)
507 パネル駆動回路(調整部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
前記光源からの光を変調して映像光を生成する光変調部と、
前記光変調部により生成された前記映像光を被投写面に投写する投写部と、
前記投写部の出射口の周辺位置に配され、前記投写部から出射された前記映像光を検出する光検出部と、
前記光検出部の検出結果に基づいて前記映像光の状態を調整する調整部と、
を備えたことを特徴とする投写型表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の投写型表示装置において、
前記光検出部は、前記投写部から出射された前記映像光の光路に掛からない位置に配され、当該光路から漏れた光を検出することにより、前記映像光を間接的に検出する、
ことを特徴とする投写型表示装置。
【請求項3】
請求項2に記載の投写型表示装置において、
前記光検出部は、その受光面が前記映像光の光路の方向を向くよう配される、
ことを特徴とする投写型表示装置。
【請求項4】
請求項1ないし3の何れか一項に記載の投写型表示装置において、
前記出射口の周辺位置に配され前記光検出部を収容する不透明なホルダを備え、
前記ホルダは、前記光検出部の周囲を覆うとともに前記光検出部の受光面を外部に開放する開口を有し、前記開口が前記映像光の光路の方向を向くように設置される、
ことを特徴とする投写型表示装置。
【請求項5】
請求項1ないし4の何れか一項に記載の投写型表示装置において、
前記光検出部は、照度センサであり、
前記調整部は、前記照度センサにより検出された照度に基づいて、前記投写部から出射される前記映像光の輝度を調整する、
ことを特徴とする投写型表示装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2012−242457(P2012−242457A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−109905(P2011−109905)
【出願日】平成23年5月16日(2011.5.16)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】