説明

投影装置、投影方法及びプログラム

【課題】ポイント装置と協働する投影装置で、外部接続されて画像信号を提供する機器に対してポインタの位置を反映した正しい画像信号を提供させる。
【解決手段】外部機器から画像信号を入力する入出力部11と、入出力部11で入力した画像信号に対応し、画面上の座標情報を全面に重畳した画像を投影する投影系(12〜17)と、投影系(12〜17)で投影した画像に重畳した座標情報の一部をポイントペン(3)から取得するアンテナ25及びポインタ通信部23と、取得した座標情報を補正するCPU18とを備え、補正した座標情報を入出力部11からPC2に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポイント装置を用いるプロジェクタなどに好適な投影装置、投影方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
DLP(Digital Light Processing)(登録商標)方式のプロジェクタで、ポイント装置(専用のポイントペン)を用いて投影画像中に仮想的な描画、あるいはポイントすることが可能な技術が実用化されている。(例えば、非特許文献1)
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】http://dlp.com/jp/projector/dlp-innovations/interactive-projection.aspx(平成23年2月8日閲覧)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種のポイントペンでは、投影画像中に変調して重畳されている不可視の座標情報をポイントペン側で読取ってその位置情報をプロジェクタ本体に無線送信し、これを受信したプロジェクタが、画像信号を提供している外部機器、例えばパーソナルコンピュータ(以下「PC」と称する)に送信することにより、PCのアプリケーション上で投影すべく出力している画像に必要な書込み等を施すものである。
【0005】
しかるに上記のようなポイントペンを用いた投影環境下で、画像を提供するPC側で例えばマルチタスクにより複数の画面を開いて処理を行なう場合、例えばPCからプロジェクタ装置へはセカンダリ画面の画像信号を送信して投影を行なっている際に、プロジェクタを介してポイントペンの位置情報を受け取ったPCが、セカンダリ画面ではなくプライマリ画面上にポイントペンの位置情報を反映した画像を生成する事態が発生し得る。
【0006】
図5は、上記のような投影システムを例示する。同図で1がプロジェクタ、2がプロジェクタ1に投影する画像を提供するPCである。プロジェクタ1とPC2はVGAケーブルVC及びUSBケーブルUCで有線接続される。PC2からVGAケーブルVCを介して画像信号が提供され、プロジェクタ1はこの画像信号に応じた投影画像PIをスクリーンに投影する。
【0007】
3はプロジェクタ1専用のポイントペンであり、プロジェクタ1とポイントペン3の間は例えばBluetooth(登録商標)技術により無線接続される。プロジェクタ1が投影する投影画像PIは、肉眼では不可視であるが本来の画像に対して各画素領域毎に位置座標情報が階調表現上でPWM変調して重畳されている。
【0008】
ポイントペン3は内部に受光系及び上記位置座標信号の復調回路を備え、投影画像PI内の任意の位置をポイントとすることにより、そのポイント位置の位置座標信号を復調し、ポイント指示の座標情報としてプロジェクタ1に送信する。これを受けたプロジェクタ1は、当該座標情報をPC2に送信する。
【0009】
図6は、PC2で展開されているアプリケーション上のプライマリ画面(図6(A))とセカンダリ画面(図6(B))を例示する。PC2がセカンダリ画面の画像信号を、上記VGAケーブルVCを介してプロジェクタ1に提供していた場合、プロジェクタ1からUSBケーブルUCを介してポイント指示の座標情報を受けたPC2は、図示する如くセカンダリ画面ではなくプライマリ画面にポイント指示に対応したポインタPTの画像を合成(重畳)して表示してしまう。
【0010】
したがって、PC2がプロジェクタ1へ送信するセカンダリ画面の画像信号にはポインタPTの画像は反映されておらず、投影画像PI中にポインタPTが投影されることはない状態となってしまう。
【0011】
本発明は上記のような実情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、外部接続されて画像信号を提供する機器に対してポインタの位置を反映した正しい画像信号を提供させることが可能な投影装置、投影方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一態様は、ポイント装置と協働する投影装置であって、外部機器から画像信号を入力する画像入力手段と、上記画像入力手段で入力した画像信号に対応し、画面上の座標情報を全面に重畳した画像を投影する投影手段と、上記投影手段で投影した画像に重畳した座標情報の一部を上記ポイント装置から取得する座標取得手段と、上記座標取得手段で取得した座標情報を補正する補正手段と、上記補正手段で補正した座標情報を上記外部機器に送信する送信手段とを具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、外部接続されて画像信号を提供する機器に対してポインタの位置を反映した正しい画像信号を提供させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態に係るポイントペンを用いたプロジェクタとPCによる投影システムを示す図。
【図2】同実施形態に係るデータプロジェクタ装置の概略的な機能構成を示すブロック図。
【図3】同実施形態に係る投影動作時のポイントペンの操作に対応した処理内容を示すフローチャート。
【図4】同実施形態に係るPC側で出力するプライマリ画面とセカンダリ画面を例示する図。
【図5】ポイントペンを用いたプロジェクタとPCによる投影システムを示す図。
【図6】図5のPCのプライマリ画面とセカンダリ画面を例示する図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(実施形態1)
以下本発明をDLP(登録商標)方式のデータプロジェクタ装置に適用した場合の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は本実施形態に係るデータプロジェクタ装置10を含んだ投影システムを例示する。データプロジェクタ装置10を除いて、同図に示す投影システム自体は上記図5で示した内容と同一であるため、同一部分には同一符号を付加してその説明については省略する。
【0016】
図2は上記データプロジェクタ装置10の概略機能構成を示す図である。
入出力部11は、例えばビデオ入力端子、RGB入力端子、VGA端子、PCと接続するためのUSB端子などにより構成される。入出力部11に入力された画像信号は、必要に応じてデジタル化された後に、システムバスSBを介して画像変換部12に送られる。
【0017】
画像変換部12は、スケーラとも称され、入力される画像データを投影に適した所定のフォーマットの画像データに統一して投影処理部13へ送る。
【0018】
この際、OSD(On Screen Display)用の各種動作状態を示すシンボル等のデータも必要に応じて画像変換部12により画像データに重畳加工され、加工後の画像データを投影処理部13へ送る。
【0019】
投影処理部13は、送られてきた画像データに応じて、所定のフォーマットに従ったフレームレート、例えば60[フレーム/秒]と色成分の分割数、及び表示階調数を乗算した、より高速な時分割駆動により、空間的光変調素子であるマイクロミラー素子14を表示するべく駆動する。
【0020】
このマイクロミラー素子14は、アレイ状に配列された複数、例えばWXGA(Wide eXtended Graphic Array)(横1280画素×縦800画素)分の微小ミラーの各傾斜角度を個々に高速でオン/オフ動作して画像を表示することで、その反射光により光像を形成する。
【0021】
このときマイクロミラー素子14で表示する画像には、肉眼では不可視であるが本来の画像に対して各画素領域毎に位置座標情報が階調表現上でPWM変調して重畳されている。
【0022】
一方で、光源部15から時分割でR,G,Bの原色光を含む複数色の光が循環的に時分割で順次出射される。この光源部15からの光が、ミラー16で全反射して上記マイクロミラー素子14に照射される。
【0023】
そして、マイクロミラー素子14での反射光で光源光の色に応じた光像が形成され、形成された光像が投影レンズ部17を介して、投影対象となる図示しないスクリーンに投影表示される。
【0024】
上記各回路の動作すべてをCPU18が制御する。このCPU18は、メインメモリ19及びプログラムメモリ20と直接接続される。メインメモリ19は、例えばSRAMで構成され、CPU18のワークメモリとして機能する。プログラムメモリ20は、電気的に書換え可能な不揮発性メモリで構成され、CPU18が実行する動作プログラムや各種定型データ等を記憶する。CPU18は、上記メインメモリ19及びプログラムメモリ20を用いて、このデータプロジェクタ装置10内の制御動作を実行する。
【0025】
上記CPU18は、操作部21からのキー操作信号に応じて各種投影動作を実行する。
この操作部21は、データプロジェクタ装置10の本体に設けられるキー操作部と、このデータプロジェクタ装置10専用の図示しないリモートコントローラからの赤外光を受光する赤外線受光部とを含み、ユーザが本体のキー操作部またはリモートコントローラで操作したキーに基づくキー操作信号をCPU18へ直接出力する。
【0026】
上記CPU18はさらに、上記システムバスSBを介して音声処理部22、ポインタ通信部23とも接続される。音声処理部22は、PCM音源等の音源回路を備え、投影動作時に与えられる音声データをアナログ化し、スピーカ部24を駆動して拡声放音させ、あるいは必要によりビープ音等を発生させる。
【0027】
ポインタ通信部23は、アンテナ25を介して上記ポイントペン3と無線接続し、ポイントペン3から送られてくる座標情報やポイントペン3に備えられる各種キーの操作信号等を受信して上記CPU18へ送出する。
【0028】
次に上記実施形態の動作について説明する。
なお、画像信号を、VGAケーブルVCを介してデータプロジェクタ装置10に提供するPC2においては、出力する画像信号を図4に示すように管理している。
図4は、PC2で管理して出力する画像信号の概念を示すものである。同図で、PC2はプライマリ画像とセカンダリ画像とを同一のXY座標系列で認識して管理しており、そのうちのY座標値については共通の座標系列で、「0」〜「v−1(v:VGAであれば480)」の座標範囲となる。
【0029】
また、X座標値については、例えば「0」〜「h−1(h:VGAであれば640)」がプライマリ画像、「h」〜「2h−1」がセカンダリ画像の各座標範囲となる。
【0030】
PC2では、こうした座標系で管理する画像に関し、プライマリ画像またはセカンダリ画像を選択して画像信号としてプロジェクタ1へ出力する。
【0031】
次いでこのような画像信号を入力するデータプロジェクタ装置10での動作について説明する。なお、以下に示す動作は投影動作時にデータプロジェクタ装置10内でCPU18の制御に基づいて実行する、CPU18はプログラムメモリ20に記憶されている動作プログラムやデータを読出し、メインメモリ19に展開して記憶させた上で該動作プログラムを実行する。
【0032】
プログラムメモリ20に記憶されている動作プログラム等は、このデータプロジェクタ装置10の製造工場出荷時にプログラムメモリ20に記憶されていたものに加え、例えばこのデータプロジェクタ装置10のバージョンアップに際して、データプロジェクタ装置10をPC2と接続することにより外部から新たな動作プログラム等をインストールするものも含む。
【0033】
図3は、投影動作時のポイントペンの操作に対応した処理内容を示すフローチャートである。その当初においてCPU18は、入出力部11に入力される画像信号に応じて画面全体に不可視の位置座標情報を重畳してマイクロミラー素子14で表示し、光源部15からの反射光による光像を投影レンズ部17により投影させる(ステップS101)。
【0034】
この投影と同時にCPU18は、アンテナ25を介してポインタ通信部23から上記ポイントペン3の座標入力があるか否かにより、投影画像をポイントペン3によりポイントしているか否かを判断する(ステップS102)。
【0035】
ここでポイントペン3からの入力がないと判断した場合、CPU18は引き続いて入出力部11より入力される画像信号に応じた投影動作を続行するべく、上記ステップS101からの処理に戻る。
【0036】
また、上記ステップS102でポイントペン3からの入力があったと判断した場合、CPU18はその入力された座標データを、その時点で設定されている補正内容にしたがって適宜補正した後に、ポイントペン3でのポイント座標データとして上記入出力部11からUSBケーブルUCを介してPC2へ送信する(ステップS103)。
【0037】
このPC2への送信に合わせてCPU18では、その時点で、マイクロミラー素子14で表示し、投影レンズ部17より投影している画像中、上記ポイントペン3でポイントされた座標位置を含む周囲内から、例えば予め設定された矢印の形状をしたポインタの画像パターンを、画像変換部12を用いての画像処理により検索し(ステップS104)、その検索の結果、ポインタの画像が重畳されているか否かを判断する(ステップS105)。
【0038】
ここでポインタの画像があると判断した場合には、ポイントペン3から入力した位置座標がPC2側で正しく認識され、出力画像中に反映されているものとして、そのまま上記ステップS101からの処理に戻る。
【0039】
また上記ステップS105でポインタの画像を検索することができなかったと判断した場合には、ポイントペン3から入力した位置座標がPC2側で正しく認識されておらず、出力画像中に反映されていないものとして、入出力部11からUSBケーブルUCを介してPC2へ送信するポイントペン3の位置座標データの補正量を1画面分補正するよう更新設定した上で(ステップS106)、上記ステップS101からの処理に戻る。
【0040】
この場合、具体的にはPC2へ送信する位置座標データ中のX座標の値を一画面分「+h」する。このとき、PC2が管理する画像信号のX座標の最大値が「2h−1」であった場合、すなわちPC2がプライマリ画像とセカンダリ画像の2画面分しか最大で管理できない場合には、この「+h」更新設定により総計の補正量が「2h」となった際には、あらためて補正量をリセットして「0(ゼロ)」とする。
【0041】
したがって、PC2からセカンダリ画像の画像信号がプロジェクタ1に出力されているにも拘わらず、PC2側ではポイントペン3によるポイントの位置座標データをプライマリ画像に反映してポインタPTの画像を重畳していた場合であっても、データプロジェクタ装置10がポイントペン3の位置座標データを自動的に1画面分補正してPC2へ送信するようになる。
【0042】
そのため、PC2ではその位置座標データに基づいてセカンダリ画像にポインタPTの画像を重畳してプロジェクタ1へ出力し、結果としてポイントペン3のポイント操作に応じたポインタPTの画像を反映したセカンダリ画像が投影されることとなる。
【0043】
図4は、そのようなPC2側での処理によりポインタPTの画像を重畳したセカンダリ画像をプライマリ画像と共に示すものである。
【0044】
以上詳述した如く本実施形態によれば、外部接続されて画像信号を提供するPC2に対し、特にPC2側でのアプリケーション上で補正処理を必要とすることなく、ポインタの位置を反映した正しい画像信号を提供させることが可能となる。
【0045】
なお、上記実施形態では、PC2側から提供される画像中にポインタPTの画像があるか否かをデータプロジェクタ装置10側で自動的に認識して必要により補正するものとしたので、データプロジェクタ装置10のユーザは、特にプロジェクタ1におけるプライマリ画像、セカンダリ画像等を把握する必要がなく、ユーザに手間をかけず意識せずに使用できる。
【0046】
(実施形態2)
また上記実施形態のような自動的な処理ではなく、ユーザがデータプロジェクタ装置10とPC2の動作を把握した上でマニュアル的に補正処理を行なわせることも考えられる。
【0047】
この場合、例えばポイントペン3に備えられる所定のキーを操作することで、上記図1の投影画像PI中に示すようなPC投影画面の選択ウィンドウSWを投影させた上で、「プライマリ」「セカンダリ」のいずれかをポイントペン3でポイントして所定のクリックキー操作を行なうことにより、そのポイント操作位置をデータプロジェクタ装置10側で把握して、PC2へ送信するポイントペン3の位置座標データのX座標を「プライマリ画像」(図4では「0」〜「h−1」)と「セカンダリ画像」(図4では「h」〜「2h−1」)のいずれかに対応する値に設定する。
【0048】
このようにユーザのマニュアル設定によりポイントペン3のポイント操作に伴うPC2への位置座標データを設定することにより、ユーザがデータプロジェクタ装置10とPC2での動作内容を把握している場合に、ポイントペン3の操作位置を確実に補正して投影画像に反映させることができる。
【0049】
なお、本実施形態はPC2がプライマリ画像とセカンダリ画面の2つの画面を管理してそのいずれか一方を出力する場合について説明したが、PC2が3画面以上の複数画面を管理する場合であっても、上記実施形態で説明したような1画面分ずつの補正を必要画面数だけ実行することで、実際には例えばフレームレートが60[フレーム/秒]である場合に約0.1[秒]以下程度の時間内で正しい補正量を更新設定できるため、体感上も問題なく対応できる。
【0050】
なお、上記実施形態では、特にPC2側でのアプリケーションの助けを必要とすることなく、ポインタの位置を反映した正しい画像信号を提供させることが可能となるようにしているが、PC2側でのアプリケーションの助けを利用して、ポイントペン3の操作位置を確実に補正して投影画像に反映させることもできる。
【0051】
(変形例1)
上記実施形態では、USBケーブルUCにより、データプロジェクタ装置10からPC2への通信のみで、実現できるようにしているが、PC2側でのアプリケーションプログラムにより、USBケーブルUCにより、PC2側から、複数画面のうちどの画面を選択して出力しているかを示す画面IDが通知されるようにすれば、その通知内容に応じて、補正処理を行なわせるようにしてもよい。
【0052】
すなわち、例えば、PC2側がプライマリ画像(ID=1)を出力していることを通知された場合は、座標情報をそのまま補正データとして用い、セカンダリ画像(ID=2)を出力していることを通知された場合は、座標情報中のX座標の値を一画面分「+h」するように補正する。
【0053】
このようにPC2側がどの画像を出力しているかが通知される場合に、ポイントペン3の操作位置を確実に補正して投影画像に反映させることができる。
【0054】
(変形例2)
また、PC2側でのアプリケーション上での補正処理により、ポインタの位置を反映した正しい画像信号を提供させることが可能となるようにしてもよい。
【0055】
その場合は、PC2側でのアプリケーションプログラムにて、複数画面のうち1つの画面を選択して出力しているその画面IDに応じて、USBケーブルUCを介して取得した座標情報を補正すればよい。
【0056】
すなわち、例えば、プライマリ画像(ID=1)を出力している場合は、座標情報をそのまま補正データとして用い、セカンダリ画像(ID=2)を出力している場合は、座標情報中のX座標の値を一画面分「+h」するようにPC2側で補正する。
【0057】
そして、その補正された画像位置に専用のポイント装置の指示位置を示すポインタの画像パターンを重畳してVGAケーブルVCよりそのポインタの画像パターンの合成(重畳)された画像信号を出力するようにすればよい。
【0058】
このようにPC2側でのアプリケーション上での補正処理によっても、ポイントペン3の操作位置を確実に補正して投影画像に反映させることができる。
【0059】
その他、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、上述した実施形態で実行される機能は可能な限り適宜組み合わせて実施しても良い。上述した実施形態には種々の段階が含まれており、開示される複数の構成要件による適宜の組み合せにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、効果が得られるのであれば、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0060】
以下に、本願出願の当所の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
請求項1記載の発明は、ポイント装置と協働する投影装置であって、外部機器から画像信号を入力する画像入力手段と、上記画像入力手段で入力した画像信号に対応し、画面上の座標情報を全面に重畳した画像を投影する投影手段と、上記投影手段で投影した画像に重畳した座標情報の一部を上記ポイント装置から取得する座標取得手段と、上記座標取得手段で取得した座標情報を補正する補正手段と、上記補正手段で補正した座標情報を上記外部機器に送信する送信手段とを具備したことを特徴とする。
【0061】
請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明において、上記補正手段は、上記投影手段で投影する画像中、上記座標取得手段で取得した座標位置が所定の投影内容となっているか否かに応じて、送信する座標情報を補正することを特徴とする。
【0062】
請求項3記載の発明は、上記請求項1記載の発明において、上記補正手段は、投影されている画像の選択を促す画像を上記投影手段により投影させ、その投影後に上記座標取得手段で上記ポイント装置から取得する座標情報に応じて、送信する座標情報を補正することを特徴とする。
【0063】
請求項4記載の発明は、上記請求項1記載の発明において、上記補正手段は、上記外部機器がどの画像信号を出力しているかを示す画像認識情報を上記外部機器から取得し、その画像認識情報に応じて、送信する座標情報を補正することを特徴とする。
【0064】
請求項5記載の発明は、ポイント装置と協働し、外部機器から画像信号を入力する画像入力部、上記画像入力部で入力した画像信号に対応し、画面上の座標情報を全面に重畳した画像を投影する投影部、及び上記投影部で投影した画像に重畳した座標情報の一部を上記ポイント装置から取得する座標取得部を備えた装置での投影方法であって、上記座標取得部で取得した座標情報を補正する補正工程と、上記補正工程で補正した座標情報を上記外部機器に送信する送信工程とを有したことを特徴とする。
【0065】
請求項6記載の発明は、専用のポイント装置と協働し、外部機器から画像信号を入力する画像入力部、上記画像入力部で入力した画像信号に対応し、画面上の座標情報を全面に重畳した画像を投影する投影部、及び上記投影部で投影した画像に重畳した座標情報の一部を上記ポイント装置から取得する座標取得部を備えた装置が内蔵するコンピュータが実行するプログラムであって、上記コンピュータを、上記座標取得手段で取得した座標情報を補正する補正手段、及び上記補正手段で補正した座標情報を上記外部機器に送信する送信手段として機能させることを特徴とする。
【0066】
請求項7記載の発明は、画像信号を出力する画像出力部、及び上記画像出力部から出力した画像信号を投影する投影装置から、投影された画像におけるポイント装置によって指示された位置の座標情報を取得する入力部を内蔵するコンピュータが実行するプログラムであって、上記コンピュータを、上記画像出力部から出力する画像として、複数の画像から1つの画像を選択する出力選択手段、上記複数の画像のうち選択された画像のIDに応じて、上記入力部で取得した座標情報を補正する補正手段、及び上記補正手段により補正された座標情報に対応する位置に上記ポイント装置の指示位置を示す画像を重畳して出力する画像重畳手段として機能させることを特徴とする。
【符号の説明】
【0067】
1…プロジェクタ、2…PC、3…(専用)ポイントペン、10…データプロジェクタ装置、11…入出力部、12…画像変換部、13…投影処理部、14…マイクロミラー素子、15…光源部、16…ミラー、17…投影レンズ部、18…CPU、19…メインメモリ、20…プログラムメモリ、21…操作部、22…音声処理部、23…ポインタ通信部、24…スピーカ部、25…アンテナ、PI…投影画像、PT…ポインタ、UC…USBケーブル、VC…VGAケーブル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポイント装置と協働する投影装置であって、
外部機器から画像信号を入力する画像入力手段と、
上記画像入力手段で入力した画像信号に対応し、画面上の座標情報を全面に重畳した画像を投影する投影手段と、
上記投影手段で投影した画像に重畳した座標情報の一部を上記ポイント装置から取得する座標取得手段と、
上記座標取得手段で取得した座標情報を補正する補正手段と、
上記補正手段で補正した座標情報を上記外部機器に送信する送信手段と
を具備したことを特徴とする投影装置。
【請求項2】
上記補正手段は、上記投影手段で投影する画像中、上記座標取得手段で取得した座標位置が所定の投影内容となっているか否かに応じて、送信する座標情報を補正することを特徴とする請求項1記載の投影装置。
【請求項3】
上記補正手段は、投影されている画像の選択を促す画像を上記投影手段により投影させ、その投影後に上記座標取得手段で上記ポイント装置から取得する座標情報に応じて、送信する座標情報を補正することを特徴とする請求項1記載の投影装置。
【請求項4】
上記補正手段は、上記外部機器がどの画像信号を出力しているかを示す画像認識情報を上記外部機器から取得し、その画像認識情報に応じて、送信する座標情報を補正することを特徴とする請求項1記載の投影装置。
【請求項5】
ポイント装置と協働し、外部機器から画像信号を入力する画像入力部、上記画像入力部で入力した画像信号に対応し、画面上の座標情報を全面に重畳した画像を投影する投影部、及び上記投影部で投影した画像に重畳した座標情報の一部を上記ポイント装置から取得する座標取得部を備えた装置での投影方法であって、
上記座標取得部で取得した座標情報を補正する補正工程と、
上記補正工程で補正した座標情報を上記外部機器に送信する送信工程と
を有したことを特徴とする投影方法。
【請求項6】
専用のポイント装置と協働し、外部機器から画像信号を入力する画像入力部、上記画像入力部で入力した画像信号に対応し、画面上の座標情報を全面に重畳した画像を投影する投影部、及び上記投影部で投影した画像に重畳した座標情報の一部を上記ポイント装置から取得する座標取得部を備えた装置が内蔵するコンピュータが実行するプログラムであって、
上記コンピュータを、
上記座標取得手段で取得した座標情報を補正する補正手段、及び
上記補正手段で補正した座標情報を上記外部機器に送信する送信手段
として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項7】
画像信号を出力する画像出力部、及び上記画像出力部から出力した画像信号を投影する投影装置から、投影された画像におけるポイント装置によって指示された位置の座標情報を取得する入力部を内蔵するコンピュータが実行するプログラムであって、
上記コンピュータを、
上記画像出力部から出力する画像として、複数の画像から1つの画像を選択する出力選択手段、
上記複数の画像のうち選択された画像のIDに応じて、上記入力部で取得した座標情報を補正する補正手段、及び
上記補正手段により補正された座標情報に対応する位置に上記ポイント装置の指示位置を示す画像を重畳して出力する画像重畳手段
として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−215982(P2012−215982A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−79615(P2011−79615)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】