説明

抗ウイルス剤としての大環状化合物

ウイルスプロテアーゼ、特にC型肝炎ウイルス(HCV)NS3プロテアーゼの阻害剤として有用であり、式(I)


(式中、R、R、R、R、R、A、Z、Y、X、M、W、nおよびmは、本明細書に記載したとおりである。)の1クラスの大環状化合物が提供される。さらに、HCV感染症を治療または予防するためのこのような大環状化合物を合成および使用するためのプロセス5が提供される。式(I)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、C型肝炎ウイルス(HCV)NS3プロテアーゼの阻害薬として有用である大環状化合物、これらの合成、およびHCV感染症を治療または予防するためのこれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
C型肝炎ウイルス(HCV)感染症は、世界人口の2から15%であると推定される相当に多数の感染者において、例えば肝硬変および肝細胞癌などの慢性肝疾患を引き起こす重大な健康問題である。世界保健機関(WHO)によると、世界中には1億7千万人を超える感染者が存在しており、少なくとも3から4百万人の人々が毎年感染している。いったん感染すると、約20%の人々からはウイルスが除去されるが、残りの人々には生涯を通してHCVが残留する。慢性的感染者の10から20%は、最終的には肝臓を破壊する肝硬変または癌を発生する。ウイルス疾患は、汚染した血液および血液製剤、汚染した注射針によって非経口的に、または性的に、ならびに感染した母親もしくは保菌者の母親から彼らの子孫へ垂直に感染させられる。
【0003】
HCV感染症に対する現在の治療法は、組換えインターフェロンα単独またはヌクレオシドアナログであるリバビリンと併用する免疫療法に限定されており、臨床的有用性が制限されている。さらに、HCVのための確立されたワクチンは存在しない。この結果として、慢性HCV感染症を効果的に治療する改良された治療薬に対する緊急の必要がある。
【0004】
メタロプロテアーゼ(NS2−3)、セリンプロテアーゼ(NS3)、ヘリカーゼ(NS3)、およびRNA依存性RNAポリメラーゼ(NS5B)を含む、数種のウイルスによりコードされた酵素は、治療的介入のための推定標的である。NS3プロテアーゼはNS3タンパク質のN末端ドメインに局在しており、NS3/4A部位での細胞内開裂ならびにNS4A/4B、NS4B/5AおよびNS5A/5B接合部での下流細胞内処理に責任を負っているので、重要な薬物標的であると考えられる。以前の研究は、NS3プロテアーゼを阻害する際の活性の程度を示している、米国特許出願US2005/0020503、US2004/0229818、およびUS2004/00229776において考察されたヘキサペプチドならびにトリペプチドなどのペプチドのクラスを同定した。
【0005】
本発明の目的は、HCV NS3プロテアーゼに対して活性を示すさらなる化合物を提供することである。
【0006】
HCV NS3プロテアーゼに対する活性を示す大環状化合物は、既に公開国際特許出願WO2006/119061、WO2007/015855、およびWO2007/016441(全部がMerck & Co.,Inc.)に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許出願公開第2005/0020503号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2004/0229818号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2004/00229776号明細書
【特許文献4】国際公開第2006/119061号
【特許文献5】国際公開第2007/015855号
【特許文献6】国際公開第2007/016441号
【発明の概要】
【0008】
従って、1つの態様では、式(I)、
【0009】
【化1】

(式中、
mは、0、1、2もしくは3であり、
nは、0、1、もしくは2であり、
は、CO、CONRSO、CONRSON(Rもしくはテトラゾリルであり、
は、C2−6アルキレン−Rであり、
は、水素であり、
またはRおよびRは、これらが結合している炭素原子と一緒に、Rで置換されていてもよいC3−6シクロアルキル基を形成し、
は、C1−6アルキル、C2−6アルケニルもしくはC3−8シクロアルキルであり、前記アルキル、アルケニルもしくはシクロアルキルは、1から3つのハロで置換されていてもよい、
は、ハロ、OR、SR、N(R、C1−6アルキル、NO、CN、CF、NRSO、SON(R、NHCO、NHCOR、NHCONHR、CO、C(O)RもしくはCON(Rで置換されていてもよいC1−6アルキル、(CH0−33−8シクロアルキル、(CH0−3アリールもしくは(CH0−3Hetであり、
各Rは、独立して水素、C1−6アルキルもしくはC3−8シクロアルキルであり、
各Wは、独立してハロ、OR、C1−6アルキル、CN、NO、CF、CO、CON(R、COR、NRC(O)R、アリールもしくはヘテロアリールであり、
Zは、OもしくはNRであり、
は、水素もしくはC1−6アルキルであり、
Yは、C=O、SOもしくはCRであり、
Xは、O、NRもしくはCRであり、
、R、RおよびRは、独立して水素、ハロもしくはC1−6アルキルであり、
Mは、C1−6アルキル、(CH0−33−8シクロアルキル、(CH0−3アリールで置換されていてもよい、および1つのOもしくはS原子または1つのNHもしくはNC1−6アルキル基を含有していてもよい、およびC3−7シクロアルキル基へスピロ縮合していてもよい、および3から8員環(前記環は、N、OおよびSから選択される1または2つのヘテロ原子を含有する。)へ縮合していてもよいC4−12アルキレン、C4−12アルケニレンもしくはC4−12アルキニレンであり、
環Aは、N、OおよびSから選択される1から4つのヘテロ原子を含有する8から10員の縮合ヘテロ二環式環系であり、ヘテロ二環式環系の環の唯一の環は5もしくは6員環に縮合しており、前記環はN、OおよびSから選択される1または2つのヘテロ原子を含有していてよく、および
は、1から8つのハロもしくはC1−4アルキルで置換されていてもよいハロ、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、CN、NO、オキソ、C3−8シクロアルキル、N(R、アリールもしくはヘテロアリールである。)の化合物またはこの医薬的に許容される塩が提供される。
【0010】
本発明の1つの実施形態では、mは、0または1である。
【0011】
本発明のまた別の実施形態では、nは、0または1である。
【0012】
また別の実施形態では、Rは、CONRSOもしくはCONRSON(R(式中、Rは上記に規定したとおりである。)である。好ましくは、Rは、CONRSO(式中、Rは上記に規定したとおりである。)である。より好ましくは、Rは、CONHSO(式中、Rは上記に規定したとおりである。)である。詳細には、Rは、CONHSO−C3−8シクロアルキルである。より詳細には、Rは、CONHSO−C3−6シクロアルキルである。最も詳細には、Rは、CONHSO−シクロプロピルである。
【0013】
また別の実施形態では、Rは、C2−5アルキレン−R(式中、Rは上記に規定したとおりである。)である。好ましくは、Rは、C2−4アルキレン−R(式中、Rは1から3つのハロで置換されていてもよいC1−6アルキルである。)である。より好ましくは、Rは、C2−3アルキレン−R(式中、Rは1から3つのフルオロもしくはクロロで置換されていてもよいC1−4アルキルである。)である。最も好ましくは、Rは、エチレン−R(式中、Rは1から3つのフルオロで置換されていてもよいC1−2アルキルである。)である。詳細には、Rは、エチレン−R(式中、Rは、ジフルオロメチルもしくはトリフルオロメチルである。)である。
【0014】
また別の実施形態では、RおよびRは、これらが結合している炭素原子と一緒に、R(式中、Rは、C1−6アルキルまたはC2−6アルケニルである。)で置換されていてもよいC3−5シクロアルキル基を形成する。好ましくは、RおよびRは、これらが結合している炭素原子と一緒に、C1−4アルキルまたはC2−4アルケニルで置換されたC3−4シクロアルキル基を形成する。より好ましくは、RおよびRは、これらが結合している炭素原子と一緒に、−CH=CHで置換されたシクロプロピル基を形成する。
【0015】
また別の実施形態では、Rは、ハロ、ORもしくはC1−6アルキル(式中、Rは、上記に規定したとおりである。)で置換されていてもよいC1−6アルキル、または(CH0−33−8シクロアルキルである。好ましくは、Rは、C1−6アルキルまたは(CH0−33−8シクロアルキルである。より好ましくは、Rは、C1−4アルキルまたはC3−6シクロアルキルである。最も好ましくは、Rは、C3−4アルキルまたはC5−6シクロアルキルである。詳細には、Rは、ブチル、ブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルである。
【0016】
また別の実施形態では、各Wは、独立してハロ、OR、C1−6アルキル、CN、NO、CF、CO、またはCON(R(式中、Rは上記に規定したとおりである。)である。好ましくは、各Wは、独立してハロ、OC1−6アルキル、C1−6アルキル、CN、NOまたはCFである。より好ましくは、各Wは、独立してOC1−4アルキルまたはC1−4アルキルである。最も好ましくは、Wは、OC1−2アルキルまたはC1−2アルキルである。詳細には、Wは、メトキシまたはメチルである。
【0017】
また別の実施形態では、Zは、Oである。
【0018】
また別の実施形態では、Yは、C=Oである。
【0019】
また別の実施形態では、Xは、OまたはNR(式中、Rは、上記に規定したとおりである。)である。好ましくは、Xは、OまたはNC1−4アルキルである。より好ましくは、Xは、OまたはNC1−2アルキルである。最も好ましくは、Xは、OまたはNCHである。
【0020】
また別の実施形態では、Mは、C1−6アルキルもしくは(CH0−33−8シクロアルキルで置換されていてもよい、および1つのOもしくはS基または1つのNHもしくはNC1−4アルキル基を含有していてもよい、および3から8員環の炭素環へ縮合していてもよいC4−10アルキレン、C4−10アルケニレンまたはC4−10アルキニレンである。好ましくは、Mは、C1−4アルキルで置換されていてもよい、およびC3−6シクロアルキルに縮合していてもよいC5−8アルキレンまたはC5−8アルケニレンである。より好ましくは、Mは、C1−2アルキルで置換されていてもよい、およびC5−6シクロアルキルに縮合していてもよいC5−8アルキレンまたはC5−8アルケニレンである。最も好ましくは、Mは、メチルで置換されていてもよい、およびシクロペンチルに縮合していてもよいC5−8アルキレンまたはC5−8アルケニレンである。適切なM基の例は、オクチレン、
【0021】
【化2】

である。
【0022】
また別の実施形態では、Aは、NおよびOから選択される1から3つのヘテロ原子を含有する9から10員の縮合ヘテロ二環式環系であり、ヘテロ二環式環系の環の唯一の環は5または6員環に縮合しており、前記環はNおよびSから選択される1または2つのヘテロ原子を含有していてよく、および前記環はR(式中、Rは、上記に規定したとおりである。)で置換されていてもよい。好ましくは、Aは1または2つのN原子を含有する9から10員の縮合ヘテロ二環式環系であり、前記ヘテロ二環式環系の環の唯一の環は5または6員環に縮合しており、環は1つのS原子または2つのN原子を含有していてよく、および環はR(式中、Rは、上記に規定したとおりである。)で置換されていてもよい。Rで置換されていてもよい適切なA基の例は、
【0023】
【化3】

である。
【0024】
また別の実施形態では、Rが存在する場合は、Rは、ハロ、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、CN、C3−8シクロアルキルまたはアリールである。好ましくは、Rは、フルオロ、クロロ、ブロモ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、CNまたはフェニルである。最も好ましくは、Rは、フルオロ、クロロ、C1−2アルキル、C1−2アルコキシまたはCNである。詳細には、Rは、フルオロ、クロロ、メチル、メトキシまたはCNである。
【0025】
本発明のまた別の実施形態では、式(Ia)、
【0026】
【化4】

(式中、
、R、R、R、W、n、X、Y、ZおよびMは、式(I)に関連して規定したとおりであり、
はCであり、DはNであり、破線は二重結合を表し、
またはDはNであり、DはCHであり、破線は一重結合を表し、
環Cは、NおよびSから選択される1もしくは2つのヘテロ原子を含有していてもよい5または6員環であり、および
環Dは、1もしくは2つのN原子を含有していてもよい5または6員環である。)の化合物またはこの医薬的に許容される塩が提供される。
【0027】
好ましくは、環Cは、1もしくは2つのN原子または1つのS原子を含有していてもよい5または6員環である。適切なC基の例は、フェニル、シクロヘキセニル、シクロペンテニル、チエニルおよびイミダゾリルである。好ましくは、環Dは、1つのN原子を含有していてもよい5または6員環である。適切なD基の例は、フェニルおよびピロリルである。
【0028】
本発明のまた別の実施形態では、式(Iaa)、
【0029】
【化5】

(式中、
、R、R、W、n、X、M、D、D、環Cおよび環Dは、式(Ia)に関連して規定したとおりである。)の化合物またはこの医薬的に許容される塩が提供される。
【0030】
本発明のまた別の実施形態では、式(Iab)、
【0031】
【化6】

(式中、
、R、R、W、X、Mおよび環Cは、式(Ia)に関連して規定したとおりである。)の化合物またはこの医薬的に許容される塩が提供される。
【0032】
本発明のまた別の実施形態では、式(Iad)、
【0033】
【化7】

(式中、
、R、R、W、X、Mおよび環Cは、式(Ia)に関連して規定したとおりである。)の化合物またはこの医薬的に許容される塩が提供される。
【0034】
本発明のまた別の実施形態では、式(Iae)、
【0035】
【化8】

(式中、
、R、R、W、X、Mおよび環Cは、式(Ia)に関連して規定したとおりである。)の化合物またはこの医薬的に許容される塩が提供される。
【0036】
本発明のまた別の実施形態では、式(Ib)、
【0037】
【化9】

(式中、
、R、R、R、W、X、Y、ZおよびMは、式(I)に関連して規定したとおりであり、
およびDの一方はCHであり、DおよびDの他方はNであり、および
環Cは、NおよびSから選択される1または2つのヘテロ原子を含有していてもよい5または6員環である。)の化合物またはこの医薬的に許容される塩が提供される。
【0038】
好ましくは、環Cは、1つのNまたはS原子を含有していてもよい5または6員環である。適切なC基の例は、フェニルである。
【0039】
本発明のまた別の実施形態では、式(Iba)、
【0040】
【化10】

(式中、
、R、R、R、W、X、Mおよび環Cは、式(Ib)に関連して規定したとおりである。)の化合物またはこの医薬的に許容される塩が提供される。
【0041】
式(I)または任意の置換基において何らかの変量が2回以上出現する場合は、各出現時の定義は、他の出現毎の定義とは無関係である。
【0042】
本明細書で使用する1つの基または基の一部としての用語「アルキル」は、規定範囲内の数の炭素原子を有する任意の直鎖状または分枝鎖アルキル基を意味する。従って例えば、「C1−6アルキル」は、ヘキシルアルキルおよびペンチルアルキル異性体ならびにn−、iso−、sec−およびt−ブチル、n−およびiso−プロピル、エチルおよびメチルの全部を意味する。また別の例として「C1−4アルキル」は、n−、iso−、sec−およびt−ブチル、n−およびiso−プロピル、エチルおよびメチルを意味する。
【0043】
用語「アルコキシ」は、規定範囲内の数の炭素原子を有し、酸素架橋を通して結合された任意の直鎖状または分枝鎖アルキル基を意味する。適切なアルコキシ基の例には、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、s−ブトキシ、i−ブトキシ、およびt−ブトキシが含まれる。
【0044】
1つの基もしくは基の一部としての用語「アルケニル」は、鎖に沿って任意の地点で出現してよい少なくとも1つの二重結合を含有し、および規定範囲内の数の炭素原子を有する任意の直鎖状または分枝鎖アルキル基を意味する。E形およびZ形は、適切であればどちらも含まれる。適切なアルケニル基の例には、ビニル、アリル、ブテニルおよびペンテニルが含まれる。
【0045】
1つの基もしくは基の一部としての用語「アルキニル」は、鎖に沿って任意の地点で出現してよい少なくとも1つの三重結合を含有し、および規定範囲内の数の炭素原子を有する任意の直鎖状または分枝鎖アルキル基を意味する。適切なアルケニル基の例には、エチニル、プロピニル、ブチニルおよびペンチニルが含まれる。
【0046】
用語「シクロアルキル」は、規定範囲内の炭素原子数を有する任意の環状アルキル環を意味する。適切なシクロアルキル基の例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルが含まれる。
【0047】
1つの基もしくは基の一部としての用語「アルキレン」、「アルケニレン」および「アルキニレン」は、これらが二価である場合、即ち2つの原子で結合している場合は、各々「アルキル」、「アルケニル」および「アルキニル」基を意味する。
【0048】
用語「ハロゲン」もしくは「ハロ」は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素(または、各々フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードと呼ばれる。)を意味する。
【0049】
1つの基もしくは基の一部としての用語「アリール」は、芳香族炭素環を意味する。適切なアリール基の例には、フェニルおよびナフチルが含まれる。
【0050】
1つの基もしくは基の一部としての用語「Het」は、N、OおよびSから選択される1から4つのヘテロ原子を有する5から7員の飽和または未飽和非芳香族環を意味する。
【0051】
1つの基もしくは基の一部としての用語「ヘテロアリール」は、N、OおよびSから選択される1から4つのヘテロ原子を含有する5から10員のヘテロ芳香族環系を意味する。このような基の例には、ピロリル、フラニル、チエニル、ピリジル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアジニル、テトラゾリル、インドリル、ベンゾチエニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフリル、キノリルおよびイソキノリルが含まれる。
【0052】
反対のことを明示的に記載しない限り、本明細書で言及する全ての範囲は包括的である。例えば、「1から3つのヘテロ原子」を含有すると記載したヘテロアリール環は、この環が1、2、または3つのヘテロ原子を含有する可能性があることを意味する。
【0053】
1つの化合物もしくは基が「置換されていてもよい」と記載される場合は、1つ以上の置換基が存在してよい。さらに、任意の置換基はこれらが直接的もしくは結合基を通して様々な方法で置換する化合物もしくは基に結合されていてよく、結合基の例は、アミン、アミド、エステル、エーテル、チオエーテル、スルホンアミド、スルファミド、スルホキシド、ウレア、チオウレアおよびウレタンである。適切に、任意の置換基はこれ自体が他の置換基によって置換されてよく、後者の置換基は前者の置換基へ直接的に、または例えば上記に例示したような結合基を通して結合されている。
【0054】
本発明の範囲内の特定の化合物には、下記の実施例および表に名称を記載した化合物ならびにこれらの医薬的に許容される塩が含まれる。
【0055】
医学において使用するためには、式(I)の化合物の塩は、非毒性の医薬的に許容される塩である。しかし、その他の塩は、本発明による化合物またはこれらの非毒性の医薬的に許容される塩の調製において有用な場合がある。本発明の化合物の適切な医薬的に許容される塩には、例えば本発明の化合物の溶液を、例えば塩酸、フマル酸、p−トルエンスルホン酸、マレイン酸、コハク酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、炭酸、リン酸または硫酸などの医薬的に許容される酸の溶液と混合する工程によって形成できる酸付加塩が含まれる。アミン基の塩は、さらにまたこのアミノ窒素原子が例えばアルキル、アルケニル、アルキニルまたはアラルキル成分などの適切な有機基を有している第4級アンモニウム塩を含んでいてよい。さらに、本発明の化合物が酸性成分を有している場合は、これらの適切な医薬的に許容される塩は、例えばナトリウムまたはカリウム塩などのアルカリ金属塩、および例えばカルシウムまたはマグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩などの金属塩を含むことができる。
【0056】
これらの塩は、従来型手段によって、例えば遊離塩基形の生成物を1当量以上の適切な酸と、この塩が不溶性である溶媒もしくは媒質中で、または真空中もしくは凍結乾燥によって、または適切なイオン交換樹脂上で現在ある塩のアニオンをまた別のアニオンと交換する工程によって除去される水などの溶媒中で反応させる工程によって形成することができる。
【0057】
本発明は、この範囲内に上記の式(I)の化合物のプロドラッグを含んでいる。一般に、このようなプロドラッグは、生体内で式(I)の必要な化合物へ容易に変換可能である式(I)の化合物の官能的誘導体である。適切なプロドラッグ誘導体を選択および調製するための従来型方法は、例えば、「Design of Prodrugs」,ed.H.Bundgaard,Elsevier,1985の中に記載されている。
【0058】
プロドラッグは、活性薬剤を遊離させるために身体内での変換を必要とする、および親薬物分子より改良された送達特性を有する、生物活性物質(「親薬物」または「親分子」)の薬理学的に不活性な誘導体であってよい。生体内での変換は、例えば、カルボン酸、リン酸、もしくは硫酸エステルの化学的または酵素的加水分解、または感受性官能基の還元もしくは酸化などの代謝プロセスの結果であってよい。
【0059】
本発明は、この範囲内に上記の式(I)の化合物の溶媒和物およびこれらの塩、例えば水化物を含んでいる。
【0060】
本発明は、この範囲内に式(I)の化合物の任意のエナンチオマー、ジアステレオマー、幾何異性体、および互変異性体をさらに含んでいる。このような異性体およびこれらの混合物は全てが本発明の範囲内に含まれると理解されたい。
【0061】
本発明の好ましい化合物は、式(Ic)、
【0062】
【化11】

に示した立体化学構造を有する。
【0063】
本発明は、治療に使用するための式(I)の化合物またはこの医薬的に許容される塩をさらに提供する。
【0064】
本発明は、ヒトもしくは動物におけるC型肝炎ウイルスによる感染症を治療または予防する際に使用するための式(I)の化合物またはこの医薬的に許容される塩をさらに提供する。
【0065】
また別の態様では、本発明は、ヒトもしくは動物におけるC型肝炎ウイルスによる感染症を治療または予防するための薬剤を製造するための、上記に規定した式(I)の化合物またはこの医薬的に許容される塩の使用をさらに提供する。
【0066】
本発明のさらなる態様は、医薬的に許容される担体と結び付けた、上記に規定した式(I)の化合物またはこの医薬的に許容される塩を含む医薬組成物を提供する。本組成物は、所定の投与方法に依存して、任意の適切な形態にあってよい。本組成物は、例えば経口投与用の錠剤、カプセル剤もしくは液剤、または非経口投与用の液剤もしくは懸濁剤の形態にあってよい。
【0067】
本医薬組成物は、例えば抗ウイルス剤などのウイルス感染症を治療するための1つ以上の他の物質、または例えばα−、β−もしくはγ−インターフェロンなどの免疫調節剤をさらに含んでいてもよい。
【0068】
また別の態様では、本発明は、C型肝炎ウイルスプロテアーゼを阻害する、および/またはC型肝炎ウイルスに起因する疾患を治療もしくは予防する方法であって、この状態に罹患しているヒトもしくは動物(好ましくは哺乳動物)被験者へ、治療もしくは予防有効量の上記の医薬組成物もしくは上記の式(I)の化合物またはこれらの医薬的に許容される塩を投与することを含む方法を提供する。「有効量」は、被験者にとっての利点を引き起こすため、または少なくとも被験者の状態における変化を引き起こすために十分な量を意味する。
【0069】
本明細書で使用する用語「被験者」(または本明細書では「患者」と呼ばれる。)は、治療、観察または実験の対象である動物、好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒトを意味する。
【0070】
本化合物が投与される用量率は、利用される特定化合物の活性、この化合物の代謝安定性および作用の長さ、患者の年齢、体重、全身健康状態、性別、食事、投与の様式および時間、排泄速度、併用薬、特定の状態の重症度および治療を受ける宿主を含む様々な要素に依存する。適切な用量レベルは、2から5回以上の経口投与を用いた場合に、およそ0.02から5または10g/日であってよい。例えば、1日当たり1から3回で本化合物10から50mg/kg(体重)の投与が適切である。適切な数値は、日常的試験によって選択できる。本化合物は、単独で、または同時もしくは連続的いずれかで他の治療と併用して投与されてよい。例えば、本化合物は、当業者には公知である有効量の抗ウイルス剤、免疫調節剤、抗感染症剤またはワクチンと併用して投与されてよい。本化合物は、経口、静脈内、経皮および皮下を含む任意の適切な経路によって投与されてよい。本化合物は、適切な部位へ直接的に、または例えば所定のタイプの細胞などの特定部位を標的とする様式で投与されてよい。適切な標的法は、既に公知である。
【0071】
本発明の追加の態様は、医薬組成物を調製する方法であって、上記の式(I)の少なくとも1つの化合物、またはこの医薬的に許容される塩を、1つ以上の医薬的に許容されるアジュバント、希釈剤もしくは担体、および/または1つ以上の他の治療的もしくは予防的活性剤と混合する工程を含む方法を提供する。
【0072】
上述したように、本発明は、本発明の化合物を1つ以上の治療薬と併用してHCV NS3プロテアーゼを阻害する、HCV複製を阻害する、またはHCV感染症を予防もしくは治療する方法、ならびに本発明の化合物と、HCV抗ウイルス薬、免疫調節剤、および抗感染症薬からなる群から選択される1つ以上の治療薬とを含む医薬組成物にさらに関する。このようなHCVに対して活性な治療薬には、リバビリン、レボビリン、ビラミジン、チモシンα−1、インターフェロン−β、インターフェロン−α、ペグ化インターフェロン−α(ペグインターフェロン−α)、インターフェロン−αおよびリバビリンの併用、ペグインターフェロン−αおよびリバビリンの併用、インターフェロン−αおよびリボビリンの併用、ならびにペグインターフェロン−αおよびレボビリンの併用が含まれる。インターフェロン−αには、インターフェロン−α2a(例えば、Hoffmann−LaRoche(ニュージャージー州ナットレー)から入手できるRoferonインターフェロン)、ペグ化インターフェロン−α2a(Pegasys(商標))、インターフェロン−α2b(例えば、Schering Corp.(ニュージャージー州ケニルワース)から入手できるIntron−Aインターフェロン)、ペグ化インターフェロン−α2b(Peglntron(商標))、組換えコンセンサスインターフェロン(例えば、インターフェロンアルファコン−1)、および精製インターフェロン−α生成物が含まれる。Amgenの組換えコンセンサスインターフェロンは、商標名Infergen(登録商標)を有する。レボビリンは、リバビリンに類似する免疫調節活性が証明されているリバビリンのL−エナンチオマーである。ビラミジンは、WO01/60379(ICN Pharmaceuticals)に開示されたリバビリンのアナログを表している。本発明の方法によると、併用の個々の成分は、治療の経過中の相違する時点において個別に、または分割もしくは単一併用形で同時に投与することができる。
【0073】
HCV感染症を治療するためには、本発明の化合物は、HCV NS3セリンプロテアーゼの阻害剤である物質と併用して投与することもできる。HCV NS3プロテアーゼ阻害剤は、WO98/22496、WO98/46630、WO99/07733、WO99/07734、WO99/38888、WO99/50230、WO99/64442、WO00/09543、WO00/59929、GB2337262、WO02/48116、WO02/48172、およびU.S.Patent No.6,323,180の中に開示されている。
【0074】
リバビリン、レボビリン、およびビラミジンは、細胞内酵素であるイノシンモノホスフェートデヒドロゲナーゼ(IMPDH)の阻害によってグアニンヌクレオチドの細胞内プールを変調させることによって、これらの抗HCV作用を発揮することができる。従って、IMPDHの阻害は、HCV複製の阻害剤を発見するためのまた別の有用な標的を表している。このため、本発明の化合物は、WO97/41211およびWO01/00622(Vertex)の中で開示されている例えばVX−497などのIMPDHの阻害剤、WO00/25780(Bristol−Myers Squibb)において開示されているようなまた別のIMPDH阻害剤、またはミコフェノール酸モフェチルとの併用で投与することもできる[例えば、A.C.Allison and E.M.Eugui,Agents Action.44(Suppl.):165(1993)を参照されたい。]。
【0075】
HCV感染症を治療するためには、本発明の化合物は、抗ウイルス薬であるアマンタジン(1−アミノアダマンタン)と併用して投与することもできる[例えば、J.Kirschbaum,Anal.Profiles Drug Subs.12:1−36(1983)を参照されたい。]。
【0076】
本発明の化合物は、HCV感染症を治療するためには、R.E.Harry−O’kuruら、J.Org.Chem.,62:1754−1759(1997);M.S.Wolfeら、Tetrahedron Lett.,36:7611−7614(1995);U.S.Patent No.3,480,613;WO01/90121;WO01/92282;WO02/32920;WO04/002999;WO04/003000;およびWO04/002422に開示された抗ウイルス性2’−C−分枝状リボヌクレオシドと併用することもできる。このような2’−C−分枝状リボヌクレオシドには、2’−C−メチル−シチジン、2’−C−メチル−ウリジン、2’−C−メチル−アデノシン、2’−C−メチル−グアノシン、および9−(2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−2,6−ジアミノプリン、ならびにリボースC−2’、C−3’、およびC−5’ヒドロキシルの対応するアミノ酸エステル、および5’−ホスフェート誘導体の対応する置換されていてもよい環状1,3−プロパンジオールエステルが含まれる。
【0077】
本発明の化合物は、HCV感染症を治療するためには、例えばWO02/51425(Mitsubishi Pharma Corp.)、WO01/79246、WO02/32920およびWO02/48165(Pharmasset,Ltd.);WO01/68663(ICN Pharmaceuticals);WO99/43691;WO02/18404(Hoffmann−LaRoche);U.S.2002/0019363;WO02/100415;WO03/026589;WO03/026675;WO03/093290;US2003/0236216;US2004/0006007;WO04/011478;WO04/013300;US2004/0063658;およびWO04/028481に記載されたような、抗HCV特性を有する他のヌクレオシドと併用することもできる。
【0078】
HCV感染症を治療するためには、本発明の化合物は、HCV NS5Bポリメラーゼの阻害剤である物質と併用して投与することもできる。併用療法として使用できるこのようなHCV NS5Bポリメラーゼ阻害剤には、WO02/057287、US6,777,395、WO02/057425、US2004/0067901、WO03/068244、WO2004/000858、WO04/003138およびWO2004/007512に開示されたものが含まれる。その他のこのようなHCVポリメラーゼ阻害剤には、バロピシタビン(NM−283;Idenix)および2’−F−2’−β−メチルシチジン(さらにPharmasset,Ltd.へ与えられたWO2005/003147も参照されたい。)が含まれる。
【0079】
本発明の化合物は、HCV感染症を治療するために、例えばWO01/77091(Tularik,Inc.);WO01/47883(Japan Tobacco,inc.);WO02/04425(Boehringer Ingelheim);WO02/06246、WO03/062211、WO2004/087714、WO2004/110442、WO2005/034941、WO2005/023819、WO2006/029912、WO2006/008556、WO2006/027628、GB2430621、WO2006/046030、WO2006/046039、WO2006/119975、WO2007/028789およびWO2007/029029(全部がIstituto di Ricerche di Biologia Molecolare P.Angeletti S.p.A.);WO02/20497;WO2005/016927(詳細にはJTK003)、およびWO2005/080399(Japan Tobacco,Inc.);WO2006/020082(Bristol−Myers Squibb Company)に開示されているものなどのHCVポリメラーゼの非ヌクレオシド阻害剤ならびにHCV−796(Viropharma Inc.)と併用することもできる。
【0080】
本発明は、式(I)の化合物を調製するためのプロセスをさらに提供する。
【0081】
一般的プロセス(a)によると、式(I)の化合物は、式(II)の酸を式(III)、
【0082】
【化12】

(式中、m、n、R、R、R、R、R、M、W、X、Y、Zおよび環Aは、式(I)に関連して規定したとおりである。)のアミンと結合させる工程によって調製することができる。この反応は、便宜的には、例えばTBTUまたはHATUなどの結合試薬、およびジイソプロピルエチルアミンまたはトリエチルアミンなどの塩基の存在下で、溶媒中において実施される。適切な溶媒には、DMFおよびジクロロメタンが含まれる。
【0083】
式(II)(式中、Mは範囲内に4つ以上の炭素原子および1つ以上の二重結合を有する。)の化合物は、式(IV)、
【0084】
【化13】

(式中、m、n、R、R、W、Y、Zおよび環Aは式(I)に関連して規定されており、Pは、C1−6アルキル、例えばメチルであり、X’はXの適切な前駆体またはXと同一である。)のジエンの内部閉環によって調製することができる。この反応は、便宜的には、例えばZhan触媒[ジクロロ(5−クロロ−2−イソプロポキシベンジリデン)(1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−イリデン)ルテニウム]などのメタセシス触媒の存在下で、好ましくは高温の、例えば1,2−ジクロロエタンなどの適切な溶媒中において実施される。結果として生じる環二重結合を水素化すると、さらなる式(II)の化合物を得ることができる。水素化は、好ましくはパラジウム炭素などの適切な触媒の存在下で、メタノール/酢酸エチル混合物などの適切な溶媒中で実施される。
【0085】
式(II)、(III)および(IV)の化合物は、当分野において周知であり、または例えば添付のスキームおよび実施例に記載した方法を使用して、または容易に明白であるまた別の方法によって当業者には周知の従来型方法によって調製することができる。
【0086】
適切な方法のさらなる詳細は、添付のスキームおよび実施例の中に見いだせる。例えば、式(I)の化合物は、当分野において周知の合成方法を使用して式(I)の他の化合物へ変換させることができる。
【0087】
従って、例えば、式(I)(式中、Mは不飽和である。)の化合物は式(I)(式中、Mは、好ましくは例えばパラジウム炭素などの適切な触媒の存在下で、メタノール/酢酸エチル混合物などの適切な溶媒中において水素化によって飽和させられる。)の化合物に変換させることができる。
【0088】
本発明の化合物は、HCVプロテアーゼ(例えば、HCV NS3プロテアーゼ)の阻害およびHCVによる感染症の予防もしくは治療において有用である。例えば、本発明の化合物は、例えば輸血、体液交換、咬傷、偶発的針刺しなどの手段による過去の疑われるHCVへの曝露後、または手術中の患者血液への曝露後のHCVによる感染症を治療する際に有用である。
【0089】
本発明の化合物は、抗ウイルス化合物についてのスクリーニングアッセイの調製およびこれらの実行において有用である。例えば、本発明の化合物は、より強力な抗ウイルス化合物についての優れたスクリーニングツールである酵素変異体を単離するために有用である。さらに、本発明の化合物は、例えば競合的阻害によって、HCVプロテアーゼへの他の抗ウイルス薬の結合部位を確定もしくは決定する際に有用である。従って、本発明の化合物は、これらの目的で販売される市販製剤である。
【0090】
合成についての一般的説明
本発明の化合物は、以下の一般スキームに記載したように合成できる。
【0091】
上記の化合物は、一般に、一般スキームに示したように、中心大環状環の形成、その後の精錬によって入手できる(P=保護基、Q=離脱基)。
【0092】
【化14】

【0093】
同一の一般的アプローチを使用して、環Cが環Bではなく環Dへ結合される化合物を調製した。
【0094】
式(A)のための中間体を調製するための一般的方法は、スキーム2から3aに示した。
【0095】
【化15】

【0096】
【化16】

【0097】
【化17】

【0098】
本発明の化合物への代替経路(スキーム4)は、適切な大環状前駆体からの環Cを構築することであった。このアプローチの例は、以下に例示する化合物の合成である。
【0099】
【化18】

【0100】
上記の合成順序のいずれかの間には、関与する分子のいずれかの上の感受性基もしくは反応性基を保護することが必要になる、および/または望ましい場合がある。これは、例えばProtective Groups in Organic Chemistry,ed.J.F.W.McOmie,Plenum Press,1973;およびT.W.Greene & P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,John Wiley & Sons,3rd ed.,1999に記載された基などの従来型保護基によって達成できる。保護基は、当分野から公知の方法を用いて便宜的なその後の段階で取り除くことができる。
【0101】
本化合物のHCV NS3プロテアーゼ阻害活性は、当分野において公知のアッセイを用いて試験することができる。1つのこのようなアッセイは、以下に記載するようにHCV NS3プロテアーゼ時間分解蛍光(TRF)アッセイである。
【0102】
HCV NS3プロテアーゼ時間分解蛍光(TRF)アッセイ
NS3プロテアーゼTRFアッセイは、50mM HEPES(pH7.5)、150mM NaCl、15%グリセロール、0.15% Triton X−100、10mM DTT、および0.1% PEG 8000を含有するアッセイバッファ中において100μLの最終容量で実施された。NS3プロテアーゼは、10から30分間にわたり様々な濃度の阻害剤とともに前温置した。アッセイのためのペプチド基質は、Ac−C(Eu)−DDMEE−Abu−[COO]−XSAK(QSY7)−NH2(式中、Euはユーロピウム標識基であり、Abuは2−ヒドロキシプロパン酸(X)とのエステル結合を結び付ける1−アミノブタン酸である。)である。NS3プロテアーゼ活性によるペプチドの加水分解は、消光剤からの蛍光体の分離を引き起こし、結果として蛍光の増加を生じさせる。プロテアーゼの活性は、TRFペプチド基質(最終濃度、50から100nM)を加えることによって開始された。この反応は、500mM MES(pH5.5)100μLを用いて室温で1時間後に消光させた。生成物の蛍光は、340nmでの励起および615nmでの発光を50から400μsの遅延で用いてVictor V2またはFusion蛍光光度計(Perkin Elmer LifeおよびAnalytical Sciences)のどちらかを用いて検出した。様々な酵素形の試験濃度は、10から30のシグナル対バックグラウンド比を用いて選択した。阻害定数は、4パラメータ当てはめ法を用いて引き出した。
【0103】
本発明の化合物は、TRFアッセイにおいて<10μMの活性を示して活性であった。
【0104】
また別の適切なアッセイは、以下に記載するように細胞レプリコンもしくはrheplisaアッセイである。
【0105】
セルベースのHCV複製アッセイ
サブゲノムHCVレプリコンを安定性で維持する細胞クローンは、Lohmannら、(1999)(EMBL(欧州分子生物学研究所)遺伝子銀行第AJ242652号)によって記載されたI377neo/NS3−3’/wtと同一のRNAレプリコンを用いてHuh−7細胞に核酸移入する工程と、その後に硫酸ネオマイシン(G418)を用いた選択によって入手した。ウイルス複製は、抗NS3モノクローナル抗体10E5/24(国際特許出願WO02/59321に記載されている。)を用いた96ウエルのマイクロタイタープレート中で増殖させた細胞上で直接的に実施するELISAアッセイ(Cell−ELISA)によってNS3タンパク質の発現を測定する工程によって監視した。細胞は、96ウエルプレート内へDMEM/10% FCS 0.1mLの最終用量で10cells/ウエルの密度で播種した。平板培養の2時間後、3倍濃度の阻害剤を含有するDMEM/10% FCS 50μLを加え、細胞を96時間にわたり温置し、次に氷温イソプロパノールを用いて10分間にわたり固定した。各状態は、2回ずつ試験し、計算のためには平均吸光度値を使用した。細胞は、PBSを用いて2回洗浄し、PBS中の5%脱脂粉乳+0.1% Triton X100+0.02% SDS(PBSTS)を用いて遮断し、次に乳汁/PBSTS中に希釈した10E5/24モノクローナル抗体とともに4℃で温置した。PBSTSを用いて5回洗浄した後、細胞は室温で3時間にわたり、乳汁/PBSTS中に希釈したアルカリホスファターゼ(Sigma)に共役結合させたFc特異的抗マウスIgGとともに温置した。再び上記のように洗浄した後、反応はn−ニトロフェニルホスフェート二ナトリウム基質(Sigma)を用いて展開させ、間隔をあけて405/620nmの吸光度で読み取った。計算のために、本発明者らは、阻害剤を含めずに温置したサンプルが1から1.5からなる吸光度値を有するデータセットを使用した。NS3の発現を50%減少させる阻害剤濃度(IC50)は、このデータをHill方程式へ当てはめることによって計算した。
【0106】
阻害率=1−(Ai−b)/(A−b)=[I]/([I]+IC50
(式中、
Ai=指示した阻害剤濃度が補給されたHBI10細胞の吸光度値。
【0107】
=阻害剤を含めずに温置されたHBI10細胞の吸光度値。
【0108】
b=同一マイクロタイタープレート内で同一密度で平板培養され、阻害剤を含めずに温置されたHuh−7細胞の吸光度値。
【0109】
n=Hill係数。
【0110】
本発明の化合物は、セルベースHCV複製アッセイにおいて<50μM、および詳細には<5μMの活性を示して活性であった。
【0111】
このようなアッセイのその他の例は、例えば国際特許出願WO2005/046712に記載されている。HCV NS3プロテアーゼ阻害剤として有用な化合物は、50μM未満、より好ましくは10μM未満、最も好ましくは1μM未満、特に100nM未満、およびより特に50nM未満のKiを有する。
【0112】
下記の実施例は、本発明およびこの実践を例示するために役立つ。
【0113】
H NMRスペクトルは、300から600MHzの(報告された)周波数で作動するBruker AMシリーズの分光計上で記録した。非交換性プロトン(および視認できる場合は交換性プロトン)に対応するシグナルの化学シフト(δ)は、テトラメチルシランに比較してppm(百万分の1)で記録し、参照として残留溶媒ピークを用いて測定する。シグナルは、次の順に表作成する。多重度(s、一重項;d、二重項;t、三重項;q、四重項;m、多重項;b、広帯域、およびこれらの組み合わせ);ヘルツ(Hz)での結合定数;プロトン数。質量スペクトル(MS)データは、陰(ES)もしくは陽(ES)イオン化モードで作動するPerkin Elmer API 100、またはWaters MicroMass ZQ上で入手し、結果は電荷対質量比(m/z)として報告されている。調製規模のHPLC分離は、2525ポンプモジュール、Micromass ZMD検出器、および2767収集モジュールを組み込んでいるFraction Linxソフトウエアを装備したWaters Micromassシステム上、またはShimadzu実験システム上で実施した。
【0114】
Zhanルテニウムメタセシス触媒RC−303(Zhan触媒1B、RC−303、Zannan Pharma Ltd.)
【0115】
【化19】

【0116】
略語の一覧
BOP ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス−(ジメチルアミノ)−ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート
ブロシルクロリド 4−ブロモフェニルスルホニルクロリド
CHCN アセトニトリル
DABCO 1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン
DBU 1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン
DCC ジシクロヘキシルカルボジイミド
DCE ジクロロエタン
DCM ジクロロメタン
DMAP 4−ジメチルアミノピリジン
DIPEA ジイソプロピルエチルアミン
DMF ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
EDC N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド
EtN トリエチルアミン
EtO ジエチルエーテル
EtOAc 酢酸エチル
EtOH エタノール
h 時間
HATU O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート
HBr 臭化水素酸
HCl 塩酸
HOAc 酢酸
HOAt 1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール
HOBT 1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
LiOH 水酸化リチウム
MeOH メタノール
min 分間
MgSO 硫酸マグネシウム
NaSO 硫酸ナトリウム
NaHCO 重炭酸ナトリウム
NaOH 水酸化ナトリウム
NHCl 塩化アンモニウム
NHOH 水酸化アンモニウム
NMP N−メチル−ピロリドン
Nle ノルロイシン
Pd/C パラジウム炭素
PhMe トルエン
PPh トリフェニルホスフィン
RT 室温
TBAF テトラブチルアンモニウムフルオライド
TBTU O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート
TEA トリエチルアミン
THF テトラヒドロフラン
【0117】
中間体の合成
中間体Aの調製
【0118】
【表1】

【0119】
中間体A3:(1R,2S)−1−アミノ−N−(シクロプロピルスルホニル)−2−エチルシクロプロパンカルボキサミドヒドロクロリド
工程1:tert−ブチル((1R,2R)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−エチルシクロプロピル)カルバメート
水素化容器にtert−ブチル((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミン]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)カルバメート(164g、0.50mol)および5% Ru/C(無水、7.5重量%、12.4g)のメタノール(1,000mL)スラリーを装填し、攪拌した。この容器を窒素(20psig)下に配置し、大気圧へ3回排気させて残留酸素を除去した。次にこの溶液を水素(50psig)下に置いた。20時間後、この容器を大気圧へ排気させた。次に反応スラリーを反応液から移し、solka flok(34g、100mL MeOHを用いて湿潤させた)に通して濾過すると、透明な淡褐色溶液が得られた。solka flokはMeOH(200mL×2)を用いてすすぎ洗いした。結合メタノール溶液を減圧下で濃縮すると、白色固体として粗生成物(153g)が得られた。この粗生成物をEtOAc(800mL)中でスラリー化し、40℃へ加温し、30分間熟成させた。次にこの溶液を播種し、30分間熟成させ、ヘプタン(500mL)を添加漏斗によって30分間かけて加えた。部分的に結晶化させた固体を室温へ冷却させ、一晩熟成させ、その後に追加のヘプタン(500mL)を加えた。1時間後、追加のヘプタン(250mL)を添加漏斗によって加え、白色スラリーを1時間にわたり熟成させた。この溶液を濾過し、固体をヘプタン/EtOAc(500mL、4:1)ですすぎ洗いし、減圧下で乾燥させると、tert−ブチル((1R,2R)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−エチルシクロプロピル)カルバメート(125.9g)が得られた。
【0120】
工程2:(1R,2S)−1−アミノ−N−(シクロプロピルスルホニル)−2−エチルシクロプロパンカルボキサミドヒドロクロリド(中間体A3)
DCM(1、200mL)中の上記の工程1からの生成物(92g、0.28mol)の溶液を0℃で冷却し、10分間にわたりこの溶液にHClを通過させて起泡させ、冷却浴を除去し、この反応混合液を2時間にわたり攪拌した。この反応混合液に5分間にわたり窒素を通して起泡させ、揮発性物質を蒸発させた。残留物をDCM(×3)により共沸させると、オフホワイトの粉末(75g)が得られた。LRMS(M+H) 計算値=233;実測値、233
【0121】
中間体Bの調製
中間体B1:N−[(ペント−4−エン−1−イルオキシ)カルボニル]−L−ノルロイシン
DMF(15mL)中の1−ペンテン−4−オール(0.95g、11.0mmol(ミリモル))の溶液へ0℃でカルボニルジイミダゾール(1.79g、11.0mmol)を加えた。この反応混合液を室温へ加温し、30分間攪拌した。次にL−ノルロイシンメチルエステルヒドロクロリド(2.0g、11.0mmol)を加え、この反応混合液を50℃へ加熱し、15分間攪拌した。冷却した後、反応混合液をEtOで希釈し、水で2回洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムの上方に通して乾燥させ、濾過し、濃縮させた。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィ(勾配溶出、10から90%のヘキサン中EtOAc)によって精製すると、透明油として2.1g(74%)のメチルN−[(ペント−4−エン−1−イルオキシ)カルボニル]−L−ノルロイシネートが得られた。
【0122】
THF(20mL)中のメチルN−[(ペント−4−エニルオキシ)カルボニル]−L−ノルロイシネート(8.50g、33.03mmol)の攪拌溶液に1N NaOH(20mL)を加えた。この反応溶液を室温で3時間攪拌し、1N HClを用いてpH3へ酸性化し、EtOAc(3×250mL)を用いて抽出した。結合したEtOAc層を水50mL、食塩液50mLで洗浄し、硫酸ナトリウムの上方に通して乾燥させ、濾過し、濃縮すると、透明油として標題化合物7.09g(88%)が得られた。LRMS(ESI)m/z 244[(M+H);C1222NOについての計算値:244].
【0123】
中間体B2:(2S)−3,3−ジメチル−2−{[(ペント−4−エン−1−イルオキシ)カルボニル]アミノ}ブタン酸
ジイソプロピルエチルアミン(9.85g、76.2mmol)を0℃のジオキサン160mL中の4−ペンテン−1−オール(7.22g、83.9mmol)およびトリホスゲン(11.3g、38.1mmol)の溶液へ滴下した。結果として生じた白色懸濁液を0℃で5分間攪拌し、1時間かけて25℃へ加温させた。この懸濁液は氷浴を用いて0℃へ冷却し、1N NaOH(76.2mL)およびL−tert−ブチルグリシン(10.0g、76.2mmol)を加えた。この反応混合液を25℃へ加温し、18時間攪拌した。ジオキサンを真空中で除去し、反応混合液を1N NaOHでpH12へ塩基性化した。水層はDCM(3×150mL)で抽出し、次に6N HClでpH約1へ酸性化した。水層をDCM(3×150mL)で抽出した。結合した有機層をMgSOの上方に通して乾燥させ、濃縮させると褐色油として化合物が得られた(13.7g、73.9%(収率))。LRMS(ESI)m/z 244[(M+H);C1222NOについての計算値:244].
【0124】
下記のカルバメート中間体(B3−B24)は、適切なアミノ酸およびアルコールを用いることによって、(2S)−3,3−ジメチル−2−{[(ペント−4−エン−1−イルオキシ)カルボニル]アミノ}ブタン酸(B2)の調製について記載した化学反応を用いて調製した。塩基性基および酸性基を有する表1に記載の化合物は、遊離塩基または酸として表示および指名した。反応条件および精製条件に依存して、塩基性基を有する表1に記載の様々な化合物は、遊離塩基形もしくは塩形(例えばHCl塩)のいずれかとして、または遊離塩基形および塩形の両方で単離された。酸性基を有する表に記載の様々な化合物は、酸形もしくは塩形(例えばNa塩)のいずれかとして、または酸形および塩形の両方で単離された。
【0125】
【表2】


【0126】
中間体B26:3−メチル−N−{[メチル(ペント−4−エン−1−イル)アミノ]カルボニル}−L−バリン
工程1:メチル3−メチル−N−{[メチル(ペント−4−エン−1−イル)アミノ]カルボニル}−L−バリン
THF(20mL)中のN−メチルペント−4−エン−1−アミン(参考文献:Org.Biomol.Chem.;EN;2;20;2004;3006−3017)(2.0g、21.2mmol)の溶液にメチル3−メチル−N−(オキソメチレン)−L−バリネート(参考文献:EP0 486 948 A2)(3.5g、20.2mmol)を加えた。2時間後、真空中で溶媒を除去し、粗材料をシリカ上で精製すると(40% EtOAc/ヘキサン)、標題化合物が得られた。LRMS(M+H) 271.3
【0127】
工程2:N−{[(1,1−ジメチルペント−4−エン−1−イル)アミノ)カルボニル]−L−バリン
THF(40mL)中の工程1からの生成物であるメチル3−メチル−N−{[メチル(ペント−4−エン−1−イル)アミノ]カルボニル}−L−バリネート(3.0g、11.2mmol)の溶液に1M水酸化リチウム(56.0mL、1M溶液、56.0mmol)を加えた。この反応混合液を50℃の窒素下で1時間にわたり攪拌し、室温へ冷却させ、真空中でTHFを除去した。次にKHSO水溶液を加え、この混合液をDCM(×3)で抽出した。結合した有機層を無水NaSOの上方に通して乾燥させ、真空中で溶媒を除去すると無色油として表題化合物が得られた(2.95g)。LRMS(M+H)=257.3.
【0128】
【表3】

【0129】
中間体Cの調製
中間体C1:8−ブロモ−9−メトキシ−6−オキソ−5,6−ジヒドロフェナントリジン−3−カルボニトリル
工程1:1−ブロモ−4−ヨード−2−メトキシベンゼン
0℃へ冷却した濃HCl(1.7L)中の4−ブロモ−3−メトキシアニリンの懸濁液(25g、124mmol)に水(250mL)中の亜硝酸ナトリウム(11.1g、161mmol)を、温度を8℃未満に維持しながら緩徐に30分間かけて加えた。2時間にわたり攪拌した後、生じた橙色溶液に、温度を8℃未満に維持しながら緩徐に30分間かけて水(250mL)中のKI(61.6g、371mmol)を加えた。次にこの混合液を室温へ加温し、さらに1.5時間攪拌した。次にこれを焼結ガラスウール製漏斗に通して濾過した。生じた固体をEtOAc(1.2L)中に溶解させ、水、0.5N NaOH、重亜硫酸ナトリウム水溶液および食塩液で洗浄した。次に有機層をNaSOの上方に通して乾燥させ、シリカパッドに通して濾過し、次に溶媒を真空中で除去した。粗材料をシリカ上で精製すると(100% ヘキサン)、標題化合物が得られた。
【0130】
工程2:2−アミノ−4’−ブロモ−3’−メトキシビフェニル−4−カルボニトリル
工程1からの生成物である−ブロモ−4−ヨード−2−メトキシベンゼン(750mg、2.4mmol)、CsF(1.09g、7.2mmol)、(2−アミノ−4−シアノフェニル)ボロン酸ヒドロクロリド(390mg、2.4mmol)、およびPd(PPh(277mg、0.24mmol)の混合液にDME(15mL)をN2雰囲気下で加えた。次にこれを100℃へ加熱した。36時間後、この粘性赤色懸濁液にEtOAcおよび水を加えた。有機層を食塩液で洗浄し、NaSOの上方に通して乾燥させ、溶媒を真空中で除去した。残留物をシリカ上で精製すると(勾配溶出、3から50% EtOAc/ヘキサン)、赤色油として標題化合物が得られた。LRMS(M+H)=303.1.
【0131】
工程3:8−ブロモ−9−メトキシ−6−オキソ−5,6−ジヒドロフェナントリジン−3−カルボニトリル
工程2からの生成物である2−アミノ−4’−ブロモ−3’−メトキシビフェニル−4−カルボニトリル(363mg、1.2mmol)にホスゲン(PhMe中の20%溶液、5.9g、11.97mmol)を加え、この混合液を加熱して2時間還流させた。次に溶媒を真空中で除去すると、粗4’−ブロモ−2−イソシアナト−3’−メトキシビフェニル−4−カルボニトリル(394mg、1.2mmol)が得られたので、これをクロロベンゼン(4mL)中に取り上げた。この混合液に室温でAlCl(319mg、2.4mmol)を加えた。次に1N HCl(30mL)を加えると、グレーの沈降物が形成された。これを濾過によって単離し、DCMおよびMeOHで洗浄すると、標題化合物が得られた。LRMS(M+H)=329.0.
【0132】
中間体C2:8−ブロモ−3,9−ジメトキシフェナントリジン−6(5H)−オン
工程1:4’−ブロモ−3’,4−ジメトキシ−2−ニトロビフェニル
−60℃へ冷却したTHF(50mL)中の1−ヨード−4−メトキシ−2−ニトロベンゼン(5g、17.9mmol)の溶液へ臭化フェニルマグネシウム(10.4mL、25重量%、19.7mmol)を加えると、暗赤色溶液が得られた。次にボロン酸トリメチル(2.4mL、21.5mmol)を滴下した。30分間後、この溶液を1N HCl(40mL)で消光させ、エーテルで抽出した。次に有機層をNaSOの上方に通して乾燥させ、真空中で溶媒を除去すると濃褐色油が得られたので、これをDCMで滴定するとグレーの固体として(4−メトキシ−2−ニトロフェニル)ボロン酸が得られた。この材料の一部分(1.57g、8mmol)を窒素下でDME(1mL)および1−ブロモ−4−ヨード−2−メトキシベンゼン(C1、工程1)(2.5g、8mmol)、CsF(2.73g、18mmol)ならびテトラキスフェニルホスフィンパラジウム(0.92g、0.8mmol)中に取り上げた。次にこの混合液を18時間にわたり100℃へ加熱した。次にこの混合液を水およびEtOAcで抽出した。次に有機層をNaSOの上方に通して乾燥させ、溶媒を真空中で除去した。粗材料をシリカ上で精製すると(勾配溶出、3から50% EtOAc/ヘキサン)、黄色固体として標題化合物が得られた。
【0133】
工程2:4’−ブロモ−3’,4−ジメトキシビフェニル−2−アミン
THF(10mL)中の工程1からの生成物である4’−ブロモ−3’、4−ジメトキシ−2−ニトロビフェニル(1.5g、4.4mmol)の溶液にHCl(12mol、9.24mL、111mmol)および鉄粉(4.48g、80.2mmol)を加えた。室温で3日間置いた後、この溶液を飽和NaOHで塩基性化し、EtOAcで抽出した。次に有機層をNaSOの上方に通して乾燥させ、溶媒を真空中で除去した。次に粗材料をシリカ上で精製すると(勾配溶出、5から45% EtOAc/ヘキサン)、橙色の泡として標題化合物が得られた。LRMS(M+H)=308.2.
【0134】
工程3:8−ブロモ−3,9−ジメトキシフェナントリジン−6(5H)−オン
標題化合物は、中間体C1の工程3によって調製した。LRMS(M+H)=334.1.
【0135】
下記の中間体(C3からC6)は、工程2における適切なアミノボロン酸もしくはエステル(C1)または工程1におけるニトロボロン酸(C2)を利用することによって、8−ブロモ−9−メトキシ−6−オキソ−5,6−ジヒドロフェナントリジン−3−カルボニトリル(C1)もしくは8−ブロモ−3,9−ジメトキシフェナントリジン−6(5H)−オン(C2)の調製のために記載された化学反応を使用して調製した。
【0136】
塩基性基または酸性基を有する表1に記載の化合物は、遊離塩基または酸として表示および指名した。反応条件および精製条件に依存して、塩基性基を有する表1に記載の様々な化合物は、遊離塩基形もしくは塩形(例えばHCl塩)のいずれかとして、または遊離塩基形および塩形の両方で単離された。酸性基を有する表に記載の様々な化合物は、酸形もしくは塩形(例えばNa塩)のいずれかとして、または酸形および塩形の両方で単離された。
【0137】
【表4】

【0138】
中間体C7:6−ブロモ−2−エトキシベンゾ[h]キノリン−4−オール
工程1:エチル3−エトキシ−3−イミノプロパノエートヒドロクロリド
EtO(4.5mL)中のエチルシアノアセテート(5g、44.2mol)の溶液にEtOH(2.84mL、48.6mmol)を加えた。次にHCl(g)を0℃で10分間にわたり溶液中へ起泡させた。次にこの混合液を室温へ加温し、一晩攪拌した。次にこの溶媒を真空中で除去すると白色粉末として標題化合物が得られた。LRMS(M+H)=160.3.
【0139】
工程2:エチル(3E)−3−[(4−ブロモ−1−ナフチル)イミノ]−3−エトキシプロパノエート
EtOH(60mL)中の工程1からの生成物であるエチル3−エトキシ−3−イミノプロパノエートヒドロクロリド(5.27g、26.9mmol)の溶液にN下で4−ブロモナフタレン−1−アミン(3.42g、15.4mmol)を加え、この混合液を5分間にわたり超音波処理した後に室温で攪拌した。一晩の経過後、結果として生じた固体を濾過によって除去し、溶媒を真空中で除去した。次に粗生成物をシリカ上で精製すると(勾配溶出、0から30% EtOAc/ヘキサン)、油として標題化合物が得られた。LRMS(M+H)=364.1.
【0140】
工程3:6−ブロモ−2−エトキシベンゾ[h]キノリン−4−オール
還流中のDowtherm A(50mL)へDowtherm A(50mL)中の工程2からの生成物であるエチル(3E)−3−[(4−ブロモ−1−ナフチル)イミノ]−3−エトキシプロパノエート(5.61g、15.4mmol)を加えた。次にこの混合液を5分間にわたりこの温度で加熱し、次に室温へ冷却した。次にこの混合液をヘキサンで希釈し、結果として生じた固体を濾過によって除去した。この固体を追加のヘキサンで洗浄すると、褐色固体として標題化合物が得られた。LRMS(M+H)=318.1.
【0141】
中間体C8:8−ブロモ−6−クロロ−9−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロフェナントリジン
工程1:エチル2−{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}シクロヘキス−1−エン−1−カルボキシレート
−78℃へ冷却したDCM(100mL)中のエチルシクロヘキサノン−2−カルボキシレート(5.02g、29.5mmol)の溶液へDIPEA(25.4mL、146mmol)を加え、次にトリフリック無水物(5.98mL、35.4mmol)を滴下した。次にこの混合液を室温へ加温し、一晩攪拌した。この反応液をクエン酸水溶液で消光し、追加の水で抽出した。次に有機層をNaSOの上方に通して乾燥させ、溶媒を真空中で除去した。粗生成物をシリカ上で精製すると(100% DCM)、油として標題化合物が得られた。
【0142】
工程2:エチル2−(4−ブロモ−3−メトキシフェニル)シクロヘキス−1−エン−1−カルボキシレート
ジオキサン(125mL)中の工程1からの生成物であるエチル2−{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}シクロヘキス−1−エン−1−カルボキシレート(6.65g、22.0mmol)の溶液に炭酸カリウム(4.56g、33.0mmol)、PPh(0.346g、1.32mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(6.15g、24.20mmol)、およびPdCl(PPh(0.463g、0.66mmol)を加えた。次にこの混合液を一晩80℃へ加熱した。次にこの溶液を室温へ冷却し、1−ブロモ−4−ヨード−2−メトキシベンゼン(6.86g、21.92mmol)、PdCl(dppf)(0.481g、0.657mmol)、炭酸カリウム(9.09g、65.7mM)の混合液に加えた。次にこの混合液を一晩80℃へ加熱した。次にこの混合液を室温へ冷却させ、EtOAc(300mL)を用いて希釈し、食塩液およびKHSO水溶液で洗浄した。次に有機層をNaSOの上方に通して乾燥させ、溶媒を真空中で除去した。次に粗材料をシリカ上で精製すると(100% DCM)不純生成物が得られたので、これをシリカ上で再精製すると(勾配溶出、5から20% EtOAc/ヘキサン)、標題化合物が得られた。
【0143】
工程3:8−ブロモ−9−メトキシ−1,3,4,5−テトラヒドロフェナントリジン−6(2H)−オン
THF(120mL)、EtOH(50mL)、および水(12mL)中の工程2からの生成物であるエチル2−(4−ブロモ−3−メトキシフェニル)シクロヘキス−1−エン−1−カルボキシレート(2.0g、5.9mmol)の溶液にLiOH(0.565g、23.6mmol)を加え、この反応液を24時間にわたり70℃で攪拌した。室温へ冷却させた後、EtOHおよびTHFを真空中で除去し、水層をEtOで洗浄した。次に濃HClを用いてpHを1.4へ調節し、DCMを用いて2回抽出した。次に有機層をNaSOの上方に通して乾燥させ、真空中で溶媒を除去すると2−(4−ブロモ−3−メトキシフェニル)シクロヘキス−1−エン−1−カルボン酸が得られたのでこれをPhMe(9.6mL)中に溶解させ、TEA(0.94mL、6.75mmol)およびアジ化ジフェニルホスホリル(1.04mL、4.82mmol)で処理した。室温で1時間置いた後、この混合液をシリカパッドに通して濾過し、PhMeで洗浄した。次にジフェニルメタン(10mL)を加えPhMeを真空中で除去した。次に混合液を2時間にわたり250℃へ加熱し、室温へ冷却し、固体を濾過によって除去し、ヘキサンで洗浄すると、褐色固体として標題化合物が得られた。LRMS(M+H)=307.9.
【0144】
工程4:8−ブロモ−6−クロロ−9−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロフェナントリジン
工程3からの生成物である8−ブロモ−9−メトキシ−1,3,4,5−テトラヒドロフェナントリジン−6(2H)−オン(880mg、2.86mmol)にPOCl(6mL、64.4mmol)を加え、この混合液を3時間にわたり80℃へ加熱した。次に過剰なPOClを真空中で除去し、残留物をDCM中に溶解させ、1N NaOHを用いてpHを5へ調整した。次に有機層をNaSOの上方に通して乾燥させ、溶媒を真空中で除去した。結果として生じた固体をエーテルで滴定すると、淡黄色固体として標題化合物が得られた。LRMS(M+H)=325.8.
【0145】
中間体C9:7−ブロモ−5−クロロ−8−メトキシ−2,3−ジヒドロ−1H−シクロペンタ[c]イソキノリン
標題化合物は、工程1におけるエチルシクロヘキサノン−2−カルボキシレートの代わりにメチル2−オキソシクロペンタンカルボキシレートから出発して中間体C8のための方法によって調製した。LRMS(M+H)=311.8.
【0146】
中間体C10:3−アリル−1−メチル−3H−ピロロ[2,3−c]キノリン−4−オール
参考文献:Alazardら、Bioorg Med Chem Lett.1991,1,725−728
工程1:1−ニトロ−2−[2−ニトロプロプ−1−エン−1−イル]ベンゼン
AcOH(20mL)中の2−ニトロベンズアルデヒド(5.0g、33.1mmol)および酢酸アンモニウム(2.55g、33.1mmol)の溶液に20℃でニトロエタン(2.84mL、39.7mmol)を滴下することで処理した。結果として生じた溶液を2時間にわたり還流下で加熱し、次に冷却させ、EtOAcで希釈した。有機層を飽和NaHCO水溶液および食塩液で洗浄し、次にNaSOの上方に通して乾燥させた。濾過および揮発性物質を除去すると残留物が得られるので、これをシリカゲル上で精製すると(勾配溶出、0から40% EtOAc/ヘキサン)、油として標題化合物が得られた(2.3g、33%)。LCMS(ES+)m/z 209(M+H)
【0147】
工程2:エチル4−メチル−3−(2−ニトロフェニル)−1H−ピロール−2−カルボキシレート
THF(131mL)およびtert−BuOH(66mL)の混合液中の1−ニトロ−2−[2−ニトロプロプ−1−エン−1−イル]ベンゼン(4.1g、19.7mmol)の溶液を添加したDBU(4.45mL、29.5mmol)およびエチルイソシアノアセテート(2.67g、2.58mL)で処理した。結果として生じる溶液を1時間にわたり攪拌し、次に4時間にわたり70℃へ加熱した。この混合液を冷却し、真空中で濃縮すると残留物が得られるので、これをEtOAcおよびHCl水溶液(1N)中に取り上げた。有機層を分離し、食塩液で洗浄し、次にNaSOの上方に通して乾燥させた。濾過および溶媒除去により残留物が得られるので、これをシリカゲル上で精製すると(勾配溶出、0から40% EtOAc/ヘキサン)、固体として標題化合物(3.2g、59%)が得られた。LCMS(ES+)m/z 275(M+H)
【0148】
工程3:1−メチル−3H−ピロロ[2,3−c]キノリン−4−オール
AcOH(117mL)中のエチル4−メチル−3−(2−ニトロフェニル)−1H−ピロール−2−カルボキシレート(3.2g、11.67mmol)の溶液を20℃で鉄塵(6.52g、117mmol)により処理した。この反応混合液を3時間にわたり100℃へ加熱した。白色沈降物を濾過によって除去し、濾液を濃縮すると残留物が得られるので、これをシリカゲル上で精製すると(勾配溶出、50から100% MeOH/アセトン)、固体として標題化合物(2.0g、86%)が得られた。LCMS(ES+)m/z 199(M+H)
【0149】
工程4:3−アリル−1−メチル−3H−ピロロ[2,3−c]キノリン−4−オール
THF(30mL)およびNMP(60mL)の混合液中の1−メチル−3H−ピロロ[2,3−c]キノリン−4−オール(1.2g、6.05mmol)の溶液をCsCO(2.95g、9.08mmol)で処理した。臭化アリル(0.524mL、6.06mmol)を滴下し、結果として生じた混合液を12時間にわたり40℃で攪拌した。この混合液を冷却し、HCl水溶液(1N)およびEtOAcで消光させた。有機層を分離し、HCl(1N)水溶液、食塩液で洗浄し、NaSOの上方に通して乾燥させた。濾過および揮発性物質の除去により残留物が得られるので、これをEtOで滴定すると、固体として標題化合物(0.78g、54%)が得られた。LCMS(ES+)m/z 239(M+H)
【0150】
中間体C11:3−アリル−7−メトキシ−1−メチル−3H−ピロロ[2,3−c]キノリン−4−オール
中間体C10について記載した方法によって2−ニトロ−4−メトキシベンズアルデヒドから調製した。LCMS(ES+)m/z 269(M+H)
【0151】
中間体C12:7−ブロモ−8−メトキシチエノ[2,3−c]イソキノリン−5−オール
工程1:3−(4−ブロモ−3−メトキシフェニル)チオフェン−2−カルボン酸
MeCN:H2O(100mL)の3:1混合液中の3−(ジヒドロキシボリル)チオフェン−2−カルボン酸(1.89g、10.85mmol)および1−ブロモ−4−ヨード−2−メトキシベンゼン(3.09g、9.86mmol)の溶液をKCO(4.09g、29.6)で処理した。Pd(OAc)(66.4mg、0.30mmol)およびビフェニル−2−イル(ジシクロヘキシル)ホスフィン(207mg、0.59mmol)を加え、この混合液を3時間にわたり90℃で攪拌した。この混合液を冷却および濃縮し、残留物を0℃で10% NaOH水溶液(100mL)およびDCMの混合液に加えた。この混合液はHCl(6N)水溶液の添加によってpH=1へ酸性化し、固体沈降物を濾過によって収集し、低温HOおよびDCMで洗浄し、次に乾燥させると、標題化合物(2.29g、74%)が得られた。LCMS(ES)m/z 313,315(M+H)
【0152】
工程2:3−(4−ブロモ−3−メトキシフェニル)チオフェン−2−カルボニルアジド
ベンゼン(28.5mL)中の3−(4−ブロモ−3−メトキシフェニル)チオフェン−2−カルボン酸(2.23g、7.13mmol)の攪拌溶液をトリエチルアミン(1.39mL、9.98mmol)およびアジ化ジフェニルホスホリル(1.96g、7.13mmol)で処理した。この混合液を20時間にわたり攪拌し、次に揮発性物質を除去し、残留物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィ(溶出液:トルエン)によって精製すると標題化合物(1.63g、68%)が得られた。LCMS(ES)m/z 310,312(M+H−N
【0153】
工程3:7−ブロモ−8−メトキシチエノ[2,3−c]イソキノリン−5−オール
3−(4−ブロモ−3−メトキシフェニル)チオフェン−2−カルボニルアジド(530mg、1.57mmol)の溶液をジフェニルメタン(10mL)中に溶解させ、攪拌し、温度を徐々に270℃へ上昇させた。攪拌を3時間にわたり継続し、次に混合液を20℃へ冷却した。沈降物を濾過によって収集し、ジフェニルメタンおよびヘキサンで洗浄すると、標題化合物が得られた(431mg、89%)。LCMS(ES)m/z 310,312(M+H)
【0154】
【化20】

【0155】
実施例1
(2R,4S,7S)−7−シクロヘキシル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−12,12−ジメチル−6,9−ジオキソ−3,4,6,7,8,9,12,13,14,15−デカヒドロ−2H,11H−16,18−(エタンジイリデン)−2,5−メタノ[1,10,3,6]ジオキサジアザシクロノナデシノ[11,12−b]キノリン−4−カルボキサミド
工程1:(9Z)−2−ブロモ−9H−フルオレン−9−オンオキシム
EtOH(10mL)および水(3mL)中の2−ブロモ−9H−フルオレン−9−オン(100mg、0.39mmol)の溶液へ塩酸ヒドロキシルアミン(54mg、0.77mmol)を加えた。次にこの混合液を1時間にわたり還流させるために加熱した。次にこの溶媒を真空中で除去し、残留物へNaHCO水溶液を加えた。次に固体を濾過して乾燥させると、標題化合物が得られた。LRMS(M+H) 274.2.
【0156】
工程2:8−ブロモフェナントリジン−6−オール
工程1からの固体生成物である(9Z)−2−ブロモ−9H−フルオレン−9−オンオキシム(106mg、0.387mmol)にポリリン酸(5g)を加えた。次にこの混合液を2時間にわたり185℃へ加熱した。室温へ冷却させた後、水を加え、結果として生じた固体を濾過によって収集すると、標題化合物および位置異性体の3−ブロモフェナントリジン−6−オールの1:1混合物が得られた。LRMS(M+H)=274.2.
【0157】
工程3:1−tert−ブチル2−メチル(2S,4R)−4−[(8−ブロモフェナントリジン−6−イル)オキシ]ピロリジン−1,2−ジカルボキシレート
NMP(1.5mL)中の工程2からの生成物混合物(176mg、0.642mmol)の溶液へ1−tert−ブチル2−メチル(2S,4S)−4−{[(4−ブロモフェニル)スルホニル]オキシ}ピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(373mg、0.803mmol)およびCsCO(418mg、1.29mmol)を加えた。次にこの混合液を18時間にわたり60℃へ加熱し、水およびEtOAcと混合した。有機層を食塩液で洗浄し、MgSOの上方に通して乾燥させ、溶媒を真空中で除去した。粗材料をシリカ上で精製すると(勾配溶出、10から50% EtOAc/ヘキサン)、予想位置異性体との1:1混合物として標題化合物が得られた。LRMS((M−Boc)+H)=401.2.
【0158】
工程4:1−tert−ブチル2−メチル(2S,4R)−4−[(8−ビニルフェナントリジン−6−イル)オキシ]ピロリジン−1,2−ジカルボキシレート
PhMe(5mL)中の工程3からの生成物混合物(320mg、0.64mmol)の脱気溶液にビニルトリブチルスズ(0.225mL、0.77mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(74g、0.06mmol)を加えた。次にこの混合液を18時間にわたり還流させるために加熱した。次にこの溶媒を真空中で除去し、粗材料をシリカ上で精製すると(勾配溶出、5から50% EtOAc/ヘキサン)、予想位置異性体との1:1混合物として標題化合物が得られた。LRMS((M−Boc)+H)=349.3.
【0159】
工程5:メチル(4R)−1−[(2S)−2−シクロヘキシル−2−({[(2,2−ジメチルペント−4−エン−1−イル)オキシ]カルボニル}アミノ)アセチル]−4−[(8−ビニルフェナントリジン−6−イル)オキシ]−L−プロリネート
DCM(5mL)中の工程4からの生成物混合物(100mg、0.26mmol)の溶液に10分間にわたりHCl(g)を起泡させた。さらに30分間にわたり攪拌した後、溶媒を真空中で除去すると、メチル(4R)−4−[(8−ビニルフェナントリジン−6−イル)オキシ]−L−プロリネートヒドロクロリドが得られたので、これをDCM(5mL)中に取り上げ、リンカー中間体B20である(2S)−シクロヘキシル({[(2,2−ジメチルペント−4−エン−1−イル)オキシ]カルボニル}アミノ)酢酸(85mg、0.29mmol)、TEA(0.073mL、0.52mmol)、EDC(63mg、0.33mmol)、およびHOBT(50mg、0.33mmol)を加えた。この混合液を室温で18時間にわたり攪拌し、溶媒を真空中で除去し、残留物をEtOAc中に取り上げ、NaHCOで抽出した。有機層をMgSOの上方に通して乾燥させ、溶媒を真空中で除去した。次に粗材料をシリカ上で精製すると(勾配溶出、10から50% EtOAc/ヘキサン)、予想位置異性体との1:1混合物として標題化合物が得られた。LRMS(M+H)=628.4.
【0160】
工程6:メチル(2R,4S,7S,14E)−7−シクロヘキシル−12,12−ジメチル−6,9−ジオキソ−3,4,6,7,8,9,12,13−オクタヒドロ−2H,11H−16,18−(エタンジイリデン)−2,5−メタノ[1,10,3,6]ジオキサジアザシクロノナデシノ[11,12−b]キノリン−4−カルボキシレート
DCE(20mL)中の工程5からの混合物(100mg、0.16mmol)の脱気溶液にZhan 1b触媒(12mg、0.016mmol)を加え、この混合液を18時間にわたり室温で攪拌した。次にこの溶媒を真空中で除去し、粗材料をシリカ上で精製すると(勾配溶出、10から50% EtOAc/ヘキサン)、単一異性体として標題化合物が得られた。LRMS(M+H)=600.4.
【0161】
工程7:メチル(2R,4S,7S)−7−シクロヘキシル−12,12−ジメチル−6,9−ジオキソ−3,4,6,7,8,9,12,13,14,15−デカヒドロ−2H,11H−16,18−(エタンジイリデン)−2,5−メタノ[1,10,3,6]ジオキサジアザシクロノナデシノ[11,12−b]キノリン−4−カルボキシレート
EtOH(5mL)中の工程6からの生成物であるメチル(2R,4S,7S,14E)−7−シクロヘキシル−12,12−ジメチル−6,9−ジオキソ−3,4,6,7,8,9,12,13−オクタヒドロ−2H,11H−16,18−(エタンジイリデン)−2,5−メタノ[1,10,3,6]ジオキサジアザシクロノナデシノ[11,12−b]キノリン−4−カルボキシレート(47mg、0.078mmol)の溶液にPd/C(10%、4mg)を加えた。次にこの混合液をH雰囲気(バルーン圧)下に置き、18時間にわたり攪拌した。次に混合液を濾過し、溶媒を真空中で除去すると、標題化合物が得られた。LRMS(M+H)=602.4.
【0162】
工程8:(2R,4S,7S)−7−シクロヘキシル−12,12−ジメチル−6,9−ジオキソ−3,4,6,7,8,9,12,13,14,15−デカヒドロ−2H,11H−16,18−(エタンジイリデン)−2,5−メタノ[1,10,3,6]ジオキサジアザシクロノナデシノ[11,12−b]キノリン−4−カルボン酸
THF(2mL)および水(2mL)中の工程7からの生成物であるメチル(2R,4S,7S)−7−シクロヘキシル−12,12−ジメチル−6,9−ジオキソ−3,4,6,7,8,9,12,13,14,15−デカヒドロ−2H,11H−16,18−(エタンジイリデン)−2,5−メタノ[1,10,3,6]ジオキサジアザシクロノナデシノ[11,12−b]キノリン−4−カルボキシレート(47mg、0.078mmol)の溶液にLiOH(19mg、0.78mmol)を加えた。次にこの混合液を30分間にわたり70℃へ加熱し、次に1N HClを加えると塩基が中和された。次にこの混合液をEtOAcで抽出し、有機層をMgSOの上方に通して乾燥させ、溶媒を真空中で除去すると、標題化合物が得られた。LRMS(M+Η)=588.5.
【0163】
工程9:(2R,4S,7S)−7−シクロヘキシル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−12,12−ジメチル−6,9−ジオキソ−3,4,6,7,8,9,12,13,14,15−デカヒドロ−2H,11H−16,18−(エタンジイリデン)−2,5−メタノ[1,10,3,6]ジオキサジアザシクロノナデシノ[11,12−b]キノリン−4−カルボキサミド
DMF(1mL)中の工程8からの生成物である(2R,4S,7S)−7−シクロヘキシル−12,12−ジメチル−6,9−ジオキソ−3,4,6,7,8,9,12,13,14,15−デカヒドロ−2H,11H−16,18−(エタンジイリデン)−2,5−メタノ[1,10,3,6]ジオキサジアザシクロノナデシノ[11,12−b]キノリン−4−カルボン酸(45mg、0.077mmol)の溶液にアシルスルホンアミド中間体A1(27mg、0.1mmol)、DIPEA(0.04mL、0.23mmol)、およびΗATU(38mg、0.1mmol)を加えた。20分後、混合液を逆相クロマトグラフィ(100×30mm、40から95% ACN/0.15% TFA水溶液)により直接精製すると、白色固体として標題化合物が得られた。LRMS(M+H)=800.6.
【0164】
【化21】

【0165】
実施例2
(2R,4S,7S,14E)−21−シアノ−7−シクロペンチル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−25−メトキシ−12,12−ジメチル−6,9−ジオキソ−3,4,6,7,8,9,12,13−オクタヒドロ−2H,11H−16,18−(エタンジイリデン)−2,5−メタノ[1,10,3,6]ジオキサジアザシクロノナデシノ[11,12−b]キノリン−4−カルボキサミド
工程1:1−tert−ブチル2−メチル(2S,4R)−4−[(8−ブロモ−3−シアノ−9−メトキシフェナントリジン−6−イル)オキシ]ピロリジン−1,2−ジカルボキシレート
NMP(10mL)中の8−ブロモ−9−メトキシ−6−オキソ−5,6−ジヒドロフェナントリジン−3−カルボニトリル(C1)、8−ブロモ−9−メトキシ−6−オキソ−5,6−ジヒドロフェナントリジン−3−カルボニトリル(354mg、1.07mmol)の溶液へ1−tert−ブチル2−メチル(2S,4S)−4−{[(4−ブロモフェニル)スルホニル]オキシ}ピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(549mg、1.18mmol)およびCsCO(876mg、2.69mmol)を加えた。次にこの混合液を18時間にわたり60℃へ加熱し、水およびEtOAcと混合した。有機層を食塩液で洗浄し、MgSOの上方に通して乾燥させ、溶媒を真空中で除去した。粗材料をシリカ上で精製すると(勾配溶出、10から50% EtOAc/ヘキサン)、標題化合物が得られた。LRMS((M−Boc)+H)=456.2.
【0166】
工程2:メチル(4R)−4−[(8−ブロモ−3−シアノ−9−メトキシフェナントリジン−6−イル)オキシ]−1−[(2S)−2−シクロペンチル−2−({[(2,2−ジメチルペント−4−エン−1−イル)オキシ]カルボニル}アミノ)アセチル]−L−プロリネート
DCM(10mL)中の工程1からの生成物混合液1−tert−ブチル2−メチル(2S,4R)−4−[(8−ブロモ−3−シアノ−9−メトキシフェナントリジン−6−イル)オキシ]ピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(419mg、0.75mmol)の溶液にHCl(g)を20分間にわたり起泡させた。さらに30分間にわたり攪拌した後、溶媒を真空中で除去すると、メチル(4R)−4−[(8−ブロモ−3−シアノ−9−メトキシフェナントリジン−6−イル)オキシ]−L−プロリネートヒドロクロリドが得られたので、これをDCM(5mL)中に取り上げ、リンカー中間体B21である(2S)−シクロペンチル({[(2,2−ジメチルペント−4−エン−1−イル)オキシ]カルボニル}アミノ)酢酸(234mg、0.83mmol)、TEA(0.314mL、2.25mmol)、EDC(187mg、0.98mmol)、およびHOBT(149mg、0.98mmol)を加えた。この混合液を室温で18時間にわたり攪拌し、溶媒を真空中で除去し、残留物をEtOAc中に取り上げ、NaHCOで抽出した。有機層をMgSOの上方に通して乾燥させ、溶媒を真空中で除去した。次に粗材料をシリカ上で精製すると(勾配溶出、0から10% EtOAc/MeOH/NH)、標題化合物が得られた。LRMS(M+H)=721.4.
【0167】
工程3:メチル(4R)−4−[(3−シアノ−9−メトキシ−8−ビニルフェナントリジン−6−イル)オキシ]−1−[(2S)−2−シクロペンチル−2−({[(2,2−ジメチルペント−4−エン−1−イル)オキシ]カルボニル}アミノ)アセチル]−L−プロリネート
PhMe(10mL)中の工程2からの生成物混合物であるメチル(4R)−4−[(8−ブロモ−3−シアノ−9−メトキシフェナントリジン−6−イル)オキシ]−1−[(2S)−2−シクロペンチル−2−({[(2,2−ジメチルペント−4−エン−1−イル)オキシ]カルボニル}アミノ)アセチル]−L−プロリネート(420mg、0.58mmol)の脱気溶液にビニルトリブチルスズ(0.205mL、0.70mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(67mg、0.06mmol)を加えた。次にこの混合液を18時間にわたり還流させるために加熱した。次にこの溶媒を真空中で除去し、粗材料をシリカ上で精製すると(勾配溶出、10から50% EtOAc/ヘキサン)、標題化合物が得られた。LRMS(M+H)=669.3.
【0168】
工程4:メチル(2R,4S,7S,14E)−21−シアノ−7−シクロペンチル−25−メトキシ−12,12−ジメチル−6,9−ジオキソ−3,4,6,7,8,9,12,13−オクタヒドロ−2H,11H−16,18−(エタンジイリデン)−2,5−メタノ[1,10,3,6]ジオキサジアザシクロノナデシノ[11,12−b]キノリン−4−カルボキシレート
DCE(60mL)中の工程3からの混合物であるメチル(4R)−4−[(3−シアノ−9−メトキシ−8−ビニルフェナントリジン−6−イル)オキシ]−1−[(2S)−2−シクロペンチル−2−({[(2,2−ジメチルペント−4−エン−1−イル)オキシ]カルボニル}アミノ)アセチル]−L−プロリネート(306mg、0.45mmol)の脱気溶液にZhan 1b触媒(33mg、0.05mmol)を加え、この混合液を2時間にわたり70℃で攪拌した。次にこの溶媒を真空中で除去し、粗材料をシリカ上で精製すると(勾配溶出、10から50% EtOAc/ヘキサン)、標題化合物が得られた。LRMS(M+H)=641.4.
【0169】
工程5:(2R,4S,7S,14E)−21−シアノ−7−シクロペンチル−25−メトキシ−12,12−ジメチル−6,9−ジオキソ−3,4,6,7,8,9,12,13−オクタヒドロ−2H,11H−16,18−(エタンジイリデン)−2,5−メタノ[1,10,3,6]ジオキサジアザシクロノナデシノ[11,12−b]キノリン−4−カルボン酸
THF(5mL)および水(5mL)中の工程4からの生成物であるメチル(2R,4S,7S,14E)−21−シアノ−7−シクロペンチル−25−メトキシ−12,12−ジメチル−6,9−ジオキソ−3,4,6,7,8,9,12,13−オクタヒドロ−2H,11H−16,18−(エタンジイリデン)−2,5−メタノ[1,10,3,6]ジオキサジアザシクロノナデシノ[11,12−b]キノリン−4−カルボキシレート(277mg、0.43mmol)の溶液にLiOH(155mg、6.46mmol)を加えた。次にこの混合液を30分間にわたり65℃へ加熱し、次に1N HClを加えると塩基が中和された。次にこの混合液をEtOAcで抽出し、有機層をMgSOの上方に通して乾燥させ、溶媒を真空中で除去すると、標題化合物が得られた。LRMS(M+H)=627.4.
【0170】
工程6:(2R,4S,7S,14E)−21−シアノ−7−シクロペンチル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−25−メトキシ−12,12−ジメチル−6,9−ジオキソ−3,4,6,7,8,9,12,13−オクタヒドロ−2H,11H−16,18−(エタンジイリデン)−2,5−メタノ[1,10,3,6]ジオキサジアザシクロノナデシノ[11,12−b]]キノリン−4−カルボキサミド
DMF(2mL)中の工程5からの生成物である(2R,4S,7S,14E)−21−シアノ−7−シクロペンチル−25−メトキシ−12,12−ジメチル−6,9−ジオキソ−3,4,6,7,8,9,12,13−オクタヒドロ−2H,11H−16,18−(エタンジイリデン)−2,5−メタノ[1,10,3,6]ジオキサジアザシクロノナデシノ[11,12−b]キノリン−4−カルボン酸(80mg、0.13mmol)の溶液にアシルスルホンアミド中間体A1(43mg、0.16mmol)、DIPEA(0.067mL、0.38mmol)、およびΗATU(68mg、0.18mmol)を加えた。30分後、混合液を逆相クロマトグラフィ(100×30mm、40から95% ACN/0.15% TFA水溶液)により直接精製すると、白色固体として標題化合物が得られた。LRMS(M+H)=839.4.
【0171】
実施例3
(2R,4S,7S)−21−シアノ−7−シクロペンチル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−25−メトキシ−12,12−ジメチル−6,9−ジオキソ−3,4,6,7,8,9,12,13,14,15−デカヒドロ−2H,11H−16,18−(エタンジイリデン)−2,5−メタノ[1,10,3,6]ジオキサジアザシクロノナデシノ[11,12−b]キノリン−4−カルボキサミド
工程1:(2R,4S,7S)−21−シアノ−7−シクロペンチル−25−メトキシ−12,12−ジメチル−6,9−ジオキソ−3,4,6,7,8,9,12,13,14,15−デカヒドロ−2H,11H−16,18−(エタンジイリデン)−2,5−メタノ[1,10,3,6]ジオキサジアザシクロノナデシノ[11,12−b]キノリン−4−カルボン酸
THF(10mL)中の(2R,4S,7S,14E)−21−シアノ−7−シクロペンチル−25−メトキシ−12,12−ジメチル−6,9−ジオキソ−3,4,6,7,8,9,12,13−オクタヒドロ−2H,11H−16,18−(エタンジイリデン)−2,5−メタノ[1,10,3,6]ジオキサジアザシクロノナデシノ[11,12−b]キノリン−4−カルボン酸(実施例2、工程5、130mg、0.207mmol)の溶液にPd/C(10%、13mg)を加えた。次にこの混合液をH雰囲気(バルーン圧)下に置き、2時間にわたり攪拌した。次に混合液を濾過し、溶媒を真空中で除去すると、標題化合物が得られた。LRMS(M+H)=629.4.
【0172】
工程2:(2R,4S,7S)−21−シアノ−7−シクロペンチル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−ビニルシクロプロピル)−25−メトキシ−12,12−ジメチル−6,9−ジオキソ−3,4,6,7,8,9,12,13,14,15−デカヒドロ−2H,11H−16,18−(エタンジイリデン)−2,5−メタノ[1,10,3,6]ジオキサジアザシクロノナデシノ[11,12−b]キノリン−4−カルボキサミド
DMF(2mL)中の工程1からの生成物である(2R,4S,7S)−21−シアノ−7−シクロペンチル−25−メトキシ−12,12−ジメチル−6,9−ジオキソ−3,4,6,7,8,9,12,13,14,15−デカヒドロ−2H,11H−16,18−(エタンジイリデン)−2,5−メタノ[1,10,3,6]ジオキサジアザシクロノナデシノ[11,12−b]キノリン−4−カルボン酸(130mg、0.21mmol)の溶液にアシルスルホンアミド中間体A1(69mg、0.26mmol)、DIPEA(0.11mL、0.62mmol)、およびΗATU(110mg、0.29mmol)を加えた。30分後、混合液を逆相クロマトグラフィ(100×30mm、40から95% ACN/0.15% TFA水溶液)により直接精製すると、白色固体として標題化合物が得られた。LRMS(M+H)=841.6.
【0173】
実施例4
(3R,5S,8S)−8−シクロヘキシル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−18−メトキシ−13,13−ジメチル−7,10−ジオキソ−2,11−ジオキサ−6,9,27−トリアザペンタシクロ[15.10.2.13,6.020,28.021,26]トリアコンタ−1(27),15,17,19,21(26),28−ヘキサエン−5−カルボキサミド
【0174】
工程1:(4R)−4−[(8−ブロモ−9−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロフェナントリジン−6−イル)オキシ]−1−(tert−ブトキシカルボニル)−L−プロリン
DMSO(10mL)中の(4R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−ヒドロキシ−L−プロリン(639mg、2.76mmol)の溶液へ室温でKOtBu(873mg、7.78mmol)を加えた。温度を32℃へ上昇させ、この反応液を30分間攪拌した。この溶液を約13℃へ冷却させ、中間体C8である8−ブロモ−6−クロロ−9−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロフェナントリジン(820mg、2.51mmol)をDMSOスラリー8mL中へ5分間かけて加えた。氷浴を除去し、この混合液を1時間攪拌し続けた。この反応液をしっかりと攪拌したクエン酸水溶液(150mL)の混合液中へ消光させ、室温で30分間攪拌し続けた。結果として生じた固体を濾過し、EtOAcで抽出し、HO/KHSOで洗浄し、NaSOの上方に通して乾燥させ、溶媒を真空中で除去すると、標題化合物が得られた。LRMS(M+H)=520.9.
【0175】
工程2:エチル(4R)−4−[(8−ブロモ−9−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロフェナントリジン−6−イル)オキシ]−L−プロリネートヒドロクロリド
EtOH(80mL)中の工程1からの生成物である(4R)−4−[(8−ブロモ−9−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロフェナントリジン−6−イル)オキシ]−1−(tert−ブトキシカルボニル)−L−プロリン(500mg、0.96mmol)の溶液にHCl(g)を30分間にわたり起泡させた。次に混合液を2日間にわたり室温で攪拌し、溶媒を真空中で除去すると、標題化合物が得られた。LRMS(M+H)=448.9.
【0176】
工程3:エチル(4R)−4−[(8−ブロモ−9−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロフェナントリジン−6−イル)オキシ]−1−[(2S)−2−シクロヘキシル−2−({[(2,2−ジメチルペント−4−エン−1−イル)オキシ]カルボニル}アミノ)アセチル]−L−プロリネート
DMF(8mL)中の工程2からの生成物であるエチル(4R)−4−[(8−ブロモ−9−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロフェナントリジン−6−イル)オキシ]−L−プロリネートヒドロクロリド(466mg、0.96mmol)の溶液にリンカー中間体B20である(2S)−シクロヘキシル({[(2,2−ジメチルペント−4−エン−1−イル)オキシ]カルボニル}アミノ)酢酸(300mg、1.0mmol))、DIPEA(0.50mL、2.88mmol)、HATU(547mg、1.44mmol)、およびDMAP(59mg、0.48mmol)を加えた。この混合液を室温で18時間攪拌し、次に混合液をクエン酸水溶液120mL中に注入した。生じた固体を濾過によって除去し、水で洗浄した。次に固体をEtOAc中に溶解させ、NaSOの上方に通して乾燥させ、溶媒を真空中で除去した。次に粗材料をシリカ上で精製すると(勾配溶出、20から50% EtOAc/ヘキサン)、標題化合物が得られた。LRMS(M+H)=728.0.
【0177】
工程4:(3R,5S,8S)−8−シクロヘキシル−18−メトキシ−13,13−ジメチル−7,10−ジオキソ−2,11−ジオキサ−6,9,27−トリアザペンタシクロ[15.10.2.13,6.020,28.021,26]トリアコンタ−1(27),15,17,19,21(26),28−ヘキサエン−5−カルボン酸
工程3からの生成物であるエチル(4R)−4−[(8−ブロモ−9−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロフェナントリジン−6−イル)オキシ]−1−[(2S)−2−シクロヘキシル−2−({[(2,2−ジメチルペント−4−エン−1−イル)オキシ]カルボニル}アミノ)アセチル]−L−プロリネートを用いて、標題化合物を実施例2の工程6から8によって調製した。LRMS(M+H)=620.0.
【0178】
工程5:(3R,5S,8S)−8−シクロヘキシル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−18−メトキシ−13,13−ジメチル−7,10−ジオキソ−2,11−ジオキサ−6,9,27−トリアザペンタシクロ[15.10.2.13,6.020,28.021,26]トリアコンタ−1(27),15,17,19,21(26),28−ヘキサエン−5−カルボキサミド
工程4からの生成物である(3R,5S,8S)−8−シクロヘキシル−18−メトキシ−13,13−ジメチル−7,10−ジオキソ−2,11−ジオキサ−6,9,27−トリアザペンタシクロ[15.10.2.13,6.020,28.021,26]トリアコンタ−1(27),15,17,19,21(26),28−ヘキサエン−5−カルボン酸を用いて、標題化合物は実施例2の工程9によって調製した。LRMS(M+H)=832.2.
【0179】
実施例5
(3R,5S,8S)−8−シクロヘキシル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−18−メトキシ−13,13−ジメチル−7,10−ジオキソ−2,11−ジオキサ−6,9,27−トリアザペンタシクロ[15.10.2.13,6.020,28.021,26]トリアコンタ−1(27),17,19,21(26),28−ペンタエン−5−カルボキサミド
実施例4の工程4からの生成物である(3R,5S,8S)−8−シクロヘキシル−18−メトキシ−13,13−ジメチル−7,10−ジオキソ−2,11−ジオキサ−6,9,27−トリアザペンタシクロ[15.10.2.13,6.020,28.021,26]トリアコンタ−1(27),15,17,19,21(26),28−ヘキサエン−5−カルボン酸を用いて、標題化合物を実施例3の工程1から2によって調製した。LRMS(M+H)=834.2.
【0180】
以下の実施例は、実施例2および3に記載した方法に類似した方法を用いて、指示した適切な中間体A、B、およびCから出発して調製した。塩基性基および酸性基を有する表1に記載の化合物は、遊離塩基または酸として表示および指名した。反応条件および精製条件に依存して、塩基性基を有する表1に記載の様々な化合物は、遊離塩基形もしくは塩形(例えばHCl塩)のいずれかとして、または遊離塩基形および塩形の両方で単離された。酸性基を有する表に記載の様々な化合物は、酸形もしくは塩形(例えばNa塩)のいずれかとして、または酸形および塩形の両方で単離された。
【0181】
【表5】




【0182】
実施例38
(3R,5S,8S)−8−シクロヘキシル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−18−メトキシ−13,13−ジメチル−7,10−ジオキソ−2,11−ジオキサ−6,9,21,24−テトラアザペンタシクロ[15.9.2.13,6.020,27.021,25]ノナコサ−1(26),17,19,22,24,27−ヘキサエン−5−カルボキサミド
工程1:6−ブロモ−4−ヒドロキシ−7−メトキシキノリン−2(1H)−オン
4−ブロモ−3−メトキシアニリン(10g、49.5mmol)およびマロン酸(5.15g、49.5mmol)の混合液にPOCl(5.07mL、54.4mmol)を強力に混合しながら加え、次にこれを105℃へ加熱した。5分後、反応液は強力に起泡し始め、最終的には硬い泡を形成し、加熱を1時間継続した。冷却した後、水(200mL)を加え、この混合液を30分間攪拌した。固体を濾別し、水で洗浄した。この固体に2N NaOH(300mL)を加え、攪拌を一晩継続した。残っている固体を濾過で取り除き、次にEtOH(5mL)を濾液へ加え、次に塩基性層を濃HClによりpH2へ酸性化した。次に生じた固体を濾別し、水で洗浄した。次に固体をフラスコへ移し、残留水はEtOH(200mL×2)を取り除くことによって除去した。次に固体を高真空下で15時間にわたり乾燥させると、オフホワイトの固体として標題化合物8.75g(66%)が得られた。LRMS ESI(M+H) 270.2.
【0183】
工程2:1−tert−ブチル2−メチル(2S,4R)−4−[(6−ブロモ−7−メトキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−4−イル)オキシ]ピロリジン−1,2−ジカルボキシレート
NMP(86mL)中の1−tert−ブチル2−メチル(2S,4S)−4−{[(4−ブロモフェニル)スルホニル]オキシ}ピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(4g、8.61mmol)および工程1からの生成物である6−ブロモ−4−ヒドロキシ−7−メトキシキノリン−2(1H)−オン(3.49g、12.92mmol)の溶液へN下でCsCO(8.42g、25.8mmol)を加えた。次にこの混合液を60℃へ加熱した。6.5時間後、この反応液を水およびEtOAcで抽出した。有機層を水および食塩液で抽出し、MgSOの上方に通して乾燥させた。次に溶媒を真空中で除去した。粗生成物(6.5g)をシリカ上で精製すると(勾配溶出、0から100% EtOAc/ヘキサン、および次に0から5% MeOH/DCM)、標題化合物2.26g(53%)が得られた。LRMS ESI((M−Boc)+H)397.3.
【0184】
工程3:1−tert−ブチル2−メチル(2S,4R)−4−[(7−メトキシ−2−オキソ−6−ビニル−1,2−ジヒドロキノリン−4−イル)オキシ]ピロリジン−1,2−ジカルボキシレート
EtOH(45.4mL)中の工程2からの生成物である1−tert−ブチル2−メチル(2S,4R)−4−[(6−ブロモ−7−メトキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−4−イル)オキシ]ピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(2.26g、4.54mmol)の溶液にビニルトリフルオロホウ酸カリウム(0.913g、6.82mmol)、EtN(0.950mL、6.82mmol)、およびPdCl(dppf)−CHCl付加物(0.186g、0.227mmol)を加えた。次にこの混合液を1時間にわたり還流させるために加熱した。EtOHを真空中で除去し、残留物をEtOAc中に取り上げ、水で抽出した。有機層をMgSOの上方に通して乾燥させ、溶媒を真空中で除去した。次に粗材料をシリカ上で精製すると(勾配溶出、0から50% MeOH/DCM)、標題化合物2.0g(99%)が得られた。LRMS ESI((M−Boc)+H)345.3.
【0185】
工程4:メチル(4R)−4−[(7−メトキシ−2−オキソ−6−ビニル−1,2−ジヒドロキノリン−4−イル)オキシ]−L−プロリネートヒドロクロリド
工程3からの生成物である1−tert−ブチル2−メチル(2S,4R)−4−[(7−メトキシ−2−オキソ−6−ビニル−1,2−ジヒドロキノリン−4−イル)オキシ]ピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(2.02g、4.54mmol)にHCl(ジオキサン中の4mol)(22.72mL、91mmol)を室温で加えた。1.5時間後、溶媒を真空中で除去した。この残留物をEtO中に取り上げ、真空中で溶媒を除去すると、褐色固体として標題化合物1.73(99%)gが得られた。LRMS ESI(M+H) 345.4.
【0186】
工程5:メチル(4R)−1−[(2S)−2−シクロヘキシル−2−({[(2,2−ジメチルペント−4−エン−1−イル)オキシ]カルボニル}アミノ)アセチル]−4−[(7メトキシ−2−オキソ−6−ビニル−1,2−ジヒドロキノリン−4−イル)オキシ]−L−プロリネート
DMF(2mL)中の工程4からの生成物であるメチル(4R)−4−[(7−メトキシ−2−オキソ−6−ビニル−1,2−ジヒドロキノリン−4−イル)オキシ]−L−プロリネートヒドロクロリド(0.84g、2.206mmol)およびリンカーB20である(2S)−シクロヘキシル({[(2,2−ジメチルペント−4−エン−1−イル)オキシ]カルボニル}アミノ)酢酸(0.689g、2.316mmol)の溶液にDIPEA(1.156mL、6.62mmol)およびHATU(1.090g、2.87mmol)を加えた。15分間後、この反応が完了したので、1N HClおよびEtOAcを加えた。有機層を水および食塩液で洗浄し、MgSOの上方に通して乾燥させ、溶媒を真空中で除去した。粗生成物をシリカ上で精製すると(勾配溶出、0から5% MeOH/DCM)、依然としてHATU残留物を含有する材料1.65gが得られた。これはEtOAcおよび1N HCl(4×)、水(1×)および食塩液(1×)で材料を抽出することによって除去した。有機層をMgSOの上方に通して乾燥させ、溶媒を真空中で除去すると、標題化合物1.13g(82%)が得られた。LRMS ESI(M+H) 624.6.
【0187】
工程6:メチル(2R,4S,7S,14E)−7−シクロヘキシル−23−メトキシ−12,12−ジメチル−6,9,20−トリオキソ−3,4,6,7,8,9,12,13,19,20−デカヒドロ−2H,11H−16,18−エテノ−2,5−メタノピリド[4,3−k][1,10,3,6]ジオキサジアザシクロノナデシン−4−カルボキシレート
DCM(516mL)中の工程5からの生成物であるメチル(4R)−1−[(2S)−2−シクロヘキシル−2−({[(2,2−ジメチルペント−4−エン−1−イル)オキシ]カルボニル}アミノ)アセチル]−4−[(7−メトキシ−2−オキソ−6−ビニル−1,2−ジヒドロキノリン−4−イル)オキシ]−L−プロリネート(1.61g、2.58mmol)の脱気(15分間にわたるNの気泡)溶液へZhan 1b触媒(0.189g、0.258mmol)を加えた。24時間にわたり室温で攪拌した後、8時間還流させると、変換が完了した。次にこの溶媒を真空中で除去し、生成物をシリカ上で精製すると(勾配溶出、0から5% MeOH/DCM)、緑色がかった固体として標題化合物1.53g(99%)が得られた。LRMS ESI(M+H) 596.5.
【0188】
工程7:メチル(2R,4S,7S)−7−シクロヘキシル−23−メトキシ−12,12−ジメチル−6,9,20−トリオキソ−3,4,6,7,8,9,12,13,14,15,19,20−ドデカヒドロ−2H,11H−16,18−エテノ−2,5−メタノピリド[4,3−k][1,10,3,6]ジオキサジアザシクロノナデシン−4−カルボキシレート
EtOH(25.7mL)中の工程6からの生成物であるメチル(2R,4S,7S,14E)−7−シクロヘキシル−23−メトキシ−12,12−ジメチル−6,9,20−トリオキソ−3,4,6,7,8,9,12,13,19,20−デカヒドロ−2H,11H−16,18−エテノ−2,5−メタノピリド[4,3−k][1,10,3,6]ジオキサジアザシクロノナデシン−4−カルボキシレート(1.53g、2.57mmol)の溶液へN下でPd/C(0.137g、0.128mmol)を加えた。次にこの雰囲気をHと交換し、この混合液を2日間攪拌した。この時点で、変換率は<50%であったので、Pd/C(0.137g、0.128mmol)を加え、攪拌を2日間以上にわたり継続した。次にこの反応液をガラスウールに通して濾過し、EtOHで洗浄した。この溶媒を真空中で除去すると褐色固体として標題化合物1.42g(92%)が得られた。H NMR(500MHz,CDCl):δ9.87(s,1H),7.36(s,1H),6.51(s,1H),5.77(s,1H),5.29(d,J 9.5,1H),5.11(s,1H),4.66(dd,J 10.25,7.5,1H),4.57(d,J 12.0,1H),4.40(t,J 10.0,1H),4.33(d,J 11.0,1H),3.93(m,1H),3.88(s,3H),3.76(s,3H),3.30(d,J 10.5,1H),2.98(m,1H),2.72(m,1H),2.15(m,2H),1.89(m,2H),1.75(m,3H),1.67(m,1H),1.47−1.03(m,8H),1.01(s,3H),0.83(m,1H),0.78(s,3H).LRMS ESI(M+H) 598.5.
【0189】
工程8:メチル(3R,5S,8S)−8−シクロヘキシル−18−メトキシ−13,13−ジメチル−7,10−ジオキソ−22−{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}−2,11−ジオキサ−6,9,21−トリアザテトラシクロ[15.6.2.13,6.020,24]ヘキサコサ−1(24),17,19,20,22,24−ヘキサエン−5−カルボキシレート
0℃へ冷却したDCM(6mL)中の工程7からの生成物であるメチル(2R,4S,7S)−7−シクロヘキシル−23−メトキシ−12,12−ジメチル−6,9,20−トリオキソ−3,4,6,7,8,9,12,13,14,15,19,20−ドデカヒドロ−2H,11H−16,18−エテノ−2,5−メタノピリド[4,3−k][1,10,3,6]ジオキサジアザシクロノナデシン−4−カルボキシレート(236mg、0.395mmol)の溶液にピリジン(0.16mL、1.97mmol)およびトリフリック無水物(0.1mL、0.59mmol)を加えた。1.5時間後、この反応液をエーテルで希釈し、10% NaHCO水溶液で洗浄した。次に有機層をNaSOの上方に通して乾燥させ、溶媒を真空中で除去した。粗生成物をシリカ上で精製すると(勾配溶出、20から60% EtOAc/ヘキサン)、標題化合物が得られた。LRMS ESI(M+H) 730.1.
【0190】
工程9:メチル(3R,5S,8S)−8−シクロヘキシル−18−メトキシ−13,13−ジメチル−7,10−ジオキソ−2,11−ジオキサ−6,9,21,24−テトラアザペンタシクロ[15.9.2.13,6.020,27.021,25]ノナコサ−1(26),17,19,22,24,27−ヘキサエン−5−カルボキシレート
THF(4mL)中の工程8からの生成物であるメチル(3R,5S,8S)−8−シクロヘキシル−18−メトキシ−13,13−ジメチル−7,10−ジオキソ−22−{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}−2,11−ジオキサ−6,9,21−トリアザテトラシクロ[15.6.2.13,6.020,24]ヘキサコサ−1(24),17,19,20,22,24−ヘキサエン−5−カルボキシレート(254mg、0.348mmol)の混合液に2,2−ジメトキシエタンアミン(0.75mL、6,96mmol)を加えた。次にこの混合液を18時間にわたり100℃へ加熱した。次に粗材料を逆相クロマトグラフィ(勾配溶出、0から100% CHCN/0.015% TFA水溶液)によって精製すると、付加生成物であるメチル(3R,5S,8S)−8−シクロヘキシル−22−[(2,2−ジメトキシエチル)アミノ]−18−メトキシ−13,13−ジメチル−7,10−ジオキソ−2,11−ジオキサ−6,9,21−トリアザテトラシクロ[15.6.2.13,6.020,24]ヘキサコサ−1(24),17,19,20,22,24−ヘキサエン−5−カルボキシレートが得られたので、これをキシレン(8mL)および酢酸(2.1mL)中に取り上げ、140℃へ一晩加熱した。次に溶媒を真空中で除去し、粗材料を逆相クロマトグラフィ(勾配溶出、0から100% CHCN/0.015% TFA水溶液)によって精製すると標題化合物が得られた。LRMS ESI(M+H) 621.1.
【0191】
工程10:(3R,5S,8S)−8−シクロヘキシル−18−メトキシ−13,13−ジメチル−7,10−ジオキソ−2,11−ジオキサ−6,9,21,24−テトラアザペンタシクロ[15.9.2.13,6.020,27.021,25]ノナコサ−1(26),17,19,22,24,27−ヘキサエン−5−カルボン酸
THF(4mL)、MeOH(1mL)および水(1mL)中の工程9からの生成物であるメチル(3R,5S,8S)−8−シクロヘキシル−18−メトキシ−13,13−ジメチル−7,10−ジオキソ−2,11−ジオキサ−6,9,21,24−テトラアザペンタシクロ[15.9.2.13,6.020,27.021,25]ノナコサ−1(26),17,19,22,24,27−ヘキサエン−5−カルボキシレート(100mg、0.161mmol)の溶液にLiOH(39mg、1.61mmol)を加えた。次にこの混合液を1時間にわたり50℃へ加熱し、次に1N HClを加えると塩基が中和された。次にこの混合液をEtOAcで抽出し、有機層をMgSOの上方に通して乾燥させ、溶媒を真空中で除去すると、標題化合物が得られた。LRMS(M+H)=607.1.
【0192】
工程11:(3R,5S,8S)−8−シクロヘキシル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−18−メトキシ−13,13−ジメチル−7,10−ジオキソ−2,11−ジオキサ−6,9,21,24−テトラアザペンタシクロ[15.9.2.13,6.020,27.021,25]ノナコサ−1(26),17,19,22,24,27−ヘキサエン−5−カルボキサミド
DMF(1mL)中の工程10からの生成物である(3R,5S,8S)−8−シクロヘキシル−18−メトキシ−13,13−ジメチル−7,10−ジオキソ−2,11−ジオキサ−6,9,21,24−テトラアザペンタシクロ[15.9.2.13,6.020,27.021,25]ノナコサ−1(26),17,19,22,24,27−ヘキサエン−5−カルボン酸(75mg、0.124mmol)の溶液にアシルスルホンアミド中間体A1(40mg、0.15mmol)、DIPEA(0.065mL、0.37mmol)、HATU(56mg、0.15mmol)、およびDMAP(7.5mg、0.062mmol)を加えた。30分後、混合液を逆相クロマトグラフィ(100×30mm、0から100% ACN/0.15% TFA水溶液)により直接精製すると、白色固体として標題化合物が得られた。LRMS(M+H)=819.2.
【0193】
実施例39
(3R,5S,8S)−8−シクロヘキシル−N−((1R,2R)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−エチルシクロプロピル)−18−メトキシ−13,13−ジメチル−7,10−ジオキソ−2,11−ジオキサ−6,9,21,24−テトラアザペンタシクロ[15.9.2.13,6.020,27.021,25]ノナコサ−1(26),17,19,22,24,27−ヘキサエン−5−カルボキサミド
標題化合物は、工程11における中間体A1の代わりに中間体A3を使用した以外は実施例38に記載の方法によって調製した。LRMS(M+H)=821.2.
【0194】
実施例40
(3R,5S,8S)−8−シクロヘキシル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−13,13−ジメチル−7,10−ジオキソ−2,11−ジオキサ−6,9,21,24−テトラアザペンタシクロ[15.9.2.13,6.020,27.021,25]ノナコサ−1(26),17,19,22,24,27−ヘキサエン−5−カルボキサミド
標題化合物は、工程1における4−ブロモ−3−メトキシアニリンの代わりに4−ブロモアニリンを使用した以外は実施例38に記載の方法によって調製した。LRMS(M+H)=789.2.
【0195】
実施例41
(3R,5S,8S)−8−シクロヘキシル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−13,13−ジメチル−7,10−ジオキソ−2,11−ジオキサ−6,9,22,23,25,26−ヘキサアザペンタシクロ[15.9.2.13,6.020,27.021,25]ノナコサ−1(26),17,19,21,23,27−ヘキサエン−5−カルボキサミド
工程1:6−ブロモ−2,3−ジヒドロフタラジン−1,4−ジオン
ヒドラジンモノヒドレート(2mL、33.0mmol)をエタノール(70mL)中の4−ブロモフタル酸無水物(7.5g、33.0mmol)の懸濁液に加え、生じた混合液を90℃で24時間にわたり攪拌した。次に反応混合液の量を減圧下で半量へ減少させ、残留物を0.5N HCl水溶液(20mL)で処理した。標題化合物が白色固体として沈降したので、濾過によって収集した(4.86g、61%);LRMS ESI(M+H) 241.
【0196】
工程2:6−ブロモ−1,4−ジクロロフタラジン
POCl(100mL)中の工程1からの6−ブロモ−2,3−ジヒドロフタラジン−1,4−ジオン(4.86g、20.16mmol)の溶液を120℃で16時間にわたり加熱した。次にPOClを減圧下で除去し、残留物をDCMおよび冷水中に溶解させた。固体のNaHCOを、pH=11に達するまで注意深く加え、水層を分離させ、さらにDCMで抽出した。結合した有機層を食塩液で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、減圧下で濃縮すると淡黄色固体として表題化合物が得られた(4.13g、73%);LRMS ESI(M+H) 279.
【0197】
工程3:8−ブロモ−6−クロロ[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]フタラジンおよび9−ブロモ−6−クロロ[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]フタラジン
キシレン(5mL)中の工程2からの6−ブロモ−1,4−ジクロロフタラジン(400mg、1.44mmol)の溶液にEtN(0.24mL、1.7mmol)およびギ酸ヒドラジド(95mg、1.58mmol)を加えた。結果として生じた混合液を還流させながら16時間加熱し、次に揮発性物質を減圧下で除去した。固体残留物は、DCMと水との間に分配させた。次に有機層をNaSOの上方に通して乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、次に残留物はSiOゲルクロマトグラフィ(溶出液:DCMからDCM/MeOH 3%)によって精製すると標題化合物が位置異性体の黄色固体混合物として得られた(196mg、48%);LRMS ESI(M+H) 284.
【0198】
工程4:1−tert−ブチル2−メチル(2S,4R)−4−[(8−ブロモ[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]フタラジン−6−イル)オキシ]ピロリジン−1,2−ジカルボキシレートおよび1−tert−ブチル−メチル(2S,4R)−4−[(9−ブロモ[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]フタラジン−6−イル)オキシ]ピロリジン−1,2−ジカルボキシレート
−10℃でDMF(2mL)中の1−tert−ブチル2−メチル(2S,4R)−4−ヒドロキシピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(170mg、0.69mmol)の溶液にTHF中のリチウムビス(トリメチルシリル)アミド(0.75mL、0.75mmol)の1M溶液を滴下した。生じた混合液を−10℃で1時間攪拌し、その後1回で工程3からの生成物(196mg、0.69mmol)を加えた。次にこの混合液を室温で16時間にわたり加熱し、0℃へ冷却し、水(0.4mL)を加え、減圧下で全揮発性物質を除去した。次に残留物はSiOゲルクロマトグラフィ(溶出液:DCMからDCM/MeOH 3%)によって精製すると位置異性体の混合物として標題化合物が得られた(247mg、73%);LRMS ESI(M+H) 493.
【0199】
工程5:1−tert−ブチル2−メチル(2S,4R)−4−[(8−ビニル[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]フタラジン−6−イル)オキシ]ピロリジン−1,2−ジカルボキシレートおよび1−tert−ブチル2−メチル(2S,4R)−4−[(9−ビニル[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]フタラジン−6−イル)オキシ]ピロリジン−1,2−ジカルボキシレート
EtOH(5mL)中の工程4からの生成物(207mg、0.42mmol)の溶液にビニルトリフルオロホウ酸カリウム(65mg、0.46mmol)、トリエチルアミン(0.09mL、0.63mmol)およびPdCl(dppf)−CH2Cl付加物(17mg、0.02mmol)を加え、生じた混合液を1時間にわたり90℃で加熱した。揮発性物質を減圧下で除去し、残留物はSiOゲルクロマトグラフィ(溶出液:DCMからDCM/MeOH=98/2)によって精製すると位置異性体の混合物として標題化合物が得られた(177mg、95%);LRMS ESI(M+H) 440.
【0200】
工程6:メチル(2S,4R)−4−[(8−ビニル[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]フタラジン−6−イル)オキシ]ピロリジン−2−ジカルボキシレートヒドロクロリドおよびメチル(2S,4R)−4−[(9−ビニル[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]フタラジン−6−イル)オキシ]ピロリジン−2−ジカルボキシレートヒドロクロリド
4N HCl/ジオキサン中の工程5からの生成物(177mg、0.20mmol)の溶液を1時間にわたり室温で攪拌した。次いで揮発性物質を減圧下で除去し、生じた残留物をこれ以上精製せずに次の工程で使用した。LRMS ESI(M+H) 340.
【0201】
工程7:メチル(2S,4R)−1−[(2)−2−シクロヘキシル−2−({[(2,2−ジメチルペント−4−エン−1−イル)オキシ]カルボニル}アミノ)アセチル]−4−[(8−ビニル[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]フタラジン−6−イル)オキシ]ピロリジン−2−カルボキシレートおよびメチル(2S,4R)−1−[(2)−2−シクロヘキシル−2−({[(2,2−ジメチルペント−4−エン−1−イル)オキシ]カルボニル}アミノ)アセチル]−4−[(9−ビニル[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]フタラジン−6−イル)オキシ]ピロリジン−2−カルボキシレート
DMF(5mL)中の工程6からの生成物(145mg、0.19mmol)の溶液に中間体B20(57.4mg、0.19mmol)、DIPEA(0.12mL、0.67mmol)およびTBTU(68mg、0.21mmol)を加えた。生じた反応混合液を16時間にわたり室温で攪拌し、EtOAcで希釈し、1N HCl水溶液、NaHCO飽和溶液および食塩液で洗浄した。有機相を乾燥させ(NaSO)、減圧下で濃縮し、SiOゲルクロマトグラフィ(溶出液:DCM/MeOH 1%から3%)によって精製すると、淡橙色の泡として標題化合物が得られた(200mg、83%);LRMS ESI(M+H) 619.
【0202】
工程8:メチル(3R,5S,8S,15E)−8−シクロヘキシル−13,13−ジメチル−7,10−ジオキソ−2,11−ジオキサ−6,9,22,23,25,26−ヘキサアザペンタシクロ[15.9.2.13,5.020,27.021,25]ノナコサ−1(26),15,17,19,21,23,27−ヘプタエン−5−カルボキシレート
標題化合物は、実施例1の工程6について記載したように工程7において得た生成物(150mg、0.12mmol)から調製した。SiOゲルクロマトグラフィ(溶出液:DCM/MeOH 1%から3%)によりガラスとして標題化合物が得られた(70mg、98%);LRMS ESI(M+H) 591.
【0203】
工程9:メチル(3R,5S,8S)−8−シクロヘキシル−13,13−ジメチル−7,10−ジオキソ−2,11−ジオキサ−6,9,22,23,25,26−ヘキサアザペンタシクロ[15.9.2.13,5.020,27.021,25]ノナコサ−1(26),17,19,21,23,27−ヘキサエン−5−カルボキシレート
MeOH(2mL)中の工程8からの生成物(70mg、0.12mmol)の溶液に10% Pd/C(13mg)を加え、生じた混合液を16時間にわたり室温の水素雰囲気下で攪拌した。触媒を濾過によって除去し、揮発性物質を減圧下で除去した。標題化合物はこれ以上精製せずに次の工程で使用した;LRMS ESI(M+H) 592.
【0204】
工程10:(3R,5S,8S)−8−シクロヘキシル−13,13−ジメチル−7,10−ジオキソ−2,11−ジオキサ−6,9,22,23,25,26−ヘキサアザペンタシクロ[15.9.2.13,5.020,27.021,25]ノナコサ−1(26),17,19,21,23,27−ヘキサエン−5−カルボン酸
THF/HO 1/1(容量/容量)(5mL)中の工程9からの生成物(70mg、0.12mmol)の溶液にLiOH(23mg、0.95mmol)を加え、生じた混合液を1時間にわたり室温で攪拌した。次に反応混合液は6N HCl水溶液0.16mLの添加によってpH=2にし、揮発性物質を減圧下で除去すると標題化合物が得られたので、これをこれ以上精製せずに次の工程で使用した;LRMS ESI(M+H) 579.
【0205】
工程11:(3R,5S,8S)−8−シクロヘキシル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−13,13−ジメチル−7,10−ジオキソ−2,11−ジオキサ−6,9,22,23,25,26−テトラアザペンタシクロ[15.9.2.13,6.020,27.021,25]ノナコサ−1(26),17,19,21,23,27−ヘキサエン−5−カルボキサミド
DMF(3mL)中の工程10からの生成物(0.12mmol)の溶液に中間体A1(32mg、0.12)、DIPEA(54mg、0.07mmol)およびTBTU(42g、0.13mmol)を加えた。生じた反応混合液を室温で16時間にわたり攪拌し、逆相クロマトグラフィ(100×30mm、40から95% ACN/0.15% TFA水溶液)により直接精製すると、白色固体生成物として標題化合物が得られた(13mg、14%);LRMS ESI(M+H) 791.1;H NMR(400MHz,DMSOd):δ10.45(s,1H),9.38(s,1H),8.87(s,1H),8.37(d,J 7.9,1H),8.16(s,1H),7.89(d,J 7.9,1H),7.79(s,1H),7.67(d,J 7.7,1H),5.77(s,1H),5.59(m,1H),5.22(d,J 16.4,1H),5.10(d,J 11.4,1H),4.59(d,J 9.6,1H),4.31(m,1H),4.23(d,J 10.7,1H),4.15(m,1H),3.99(d,J 11.8,1H),3.26(m,1H),2.94(m,1H),2.86(m,1H),2.68(m,1H),2.59(m,1H),2.19(m,1H),1.92(s,2H),1.84(m,1H),1.74−1.50(m,5H),1.41(m,1H),1.25−0.83(m,15H),0.76(s,3H).
【0206】
実施例42
(3R,5S,8S,15E)−8−シクロヘキシル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−13,13−ジメチル−7,10−ジオキソ−2,11−ジオキサ−6,9,22,23,25,26−ヘキサアザペンタシクロ[15.9.2.13,5.020,27.021,25]ノナコサ−1(26),15,17,19,21,23,27−ヘプタエン−5−カルボキサミド
標題化合物は、実施例41のために記載したとおりに、工程10における(3R,5S,8S)−8−シクロヘキシル−13,13−ジメチル−7,10−ジオキソ−2,11−ジオキサ−6,9,22,23,25,26−ヘキサアザペンタシクロ[15.9.2.13,5.020,27.021,25]ノナコサ−1(26),17,19,21,23,27−ヘキサエン−5−カルボン酸の代りにメチル(3S,5S,8S,15E)−8−シクロヘキシル−13,13−ジメチル−7,10−ジオキソ−2,11−ジオキサ−6,9,22,23,25,26−ヘキサアザペンタシクロ[15.9.2.13,5.020,27.021,25]ノナコサ−1(26),15,17,19,21,23,27−ヘプタエン−5−カルボキシレートを利用して調製した;白色固体;LRMS ESI(M+H) 789.2;;H NMR(600 MHz,DMSOd):δ10.40(s,1H),9.38(s,1H),8.80(s,1H),8.37(d,J 8.1,1H),8.33(s,1H),8.12(s,1H),7.88−7.86(m,2H),6.60(d,J 16.0,1H),6.45(m,1H),5.63(s,1H),5.53(m,1H),5.16(d,J 15.9,1H),5.05(d,J 11.4,1H),4.77(d,J 11.5,1H),4.36(d,J 11.7,1H),4.21(m,1H),3.95(d,J 10.4,1H),3.25(m,1H),2.92(m,1H),2.78(m,1H),2.28(m,1H),2.12(m,1H),2.03−2.00(m,2H),1.94(m,1H),1.80(m,1H),1.70−1.61(m,3H),1.23−0.92(m,15H),0.82(s,3H).

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)、
【化1】

の化合物またはこの医薬的に許容される塩
(式中、
mは、0、1、2もしくは3であり、
nは、0、1、もしくは2であり、
は、CO、CONRSO、CONRSON(Rもしくはテトラゾリルであり、
は、C2−6アルキレン−Rであり、
は、水素であり、
またはRおよびRは、これらが結合している炭素原子と一緒に、Rで置換されていてもよいC3−6シクロアルキル基を形成し、
は、C1−6アルキル、C2−6アルケニルもしくはC3−8シクロアルキルであり、前記アルキル、アルケニルもしくはシクロアルキルは、1から3つのハロで置換されていてもよい、
は、ハロ、OR、SR、N(R、C1−6アルキル、NO、CN、CF、NRSO、SON(R、NHCO、NHCOR、NHCONHR、CO、C(O)RもしくはCON(Rで置換されていてもよいC1−6アルキル、(CH0−33−8シクロアルキル、(CH0−3アリールもしくは(CH0−3Hetであり、
各Rは、独立して水素、C1−6アルキルもしくはC3−8シクロアルキルであり、
各Wは、独立してハロ、OR、C1−6アルキル、CN、NO、CF、CO、CON(R、COR、NRC(O)R、アリールもしくはヘテロアリールであり、
Zは、OもしくはNRであり、
は、水素もしくはC1−6アルキルであり、
Yは、C=O、SOもしくはCRであり、
Xは、O、NRもしくはCRであり、
、R、RおよびRは、独立して水素、ハロもしくはC1−6アルキルであり、
Mは、C1−6アルキル、(CH0−33−8シクロアルキル、(CH0−3アリールで置換されていてもよい、および1つのOもしくはS原子または1つのNHもしくはNC1−6アルキル基を含有していてもよい、およびC3−7シクロアルキル基へスピロ縮合していてもよい、および3から8員環(環は、N、OおよびSから選択される1または2つのヘテロ原子を含有していてもよい。)へ縮合していてもよいC4−12アルキレン、C4−12アルケニレンもしくはC4−12アルキニレンであり、
環Aは、N、OおよびSから選択される1から4つのヘテロ原子を含有する8から10員の縮合ヘテロ二環式環系であり、ヘテロ二環式環系の環の唯一の環は5もしくは6員環に縮合しており、環はN、OおよびSから選択される1または2つのヘテロ原子を含有していてよく、ならびに
は、1から8つのハロもしくはC1−4アルキルで置換されていてもよいハロ、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、CN、NO、オキソ、C3−8シクロアルキル、N(R、アリールもしくはヘテロアリールである。)。
【請求項2】
mまたはnは、独立して0または1であり、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
は、CONRSOまたはCONRSON(Rであり、Rは請求項1に規定したとおりである、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
は、C2−5アルキレン−Rであり、Rは請求項1に規定したとおりであり、Rは水素であり、またはRおよびRはこれらが結合している炭素原子と一緒に、Rで置換されていてもよいC3−5シクロアルキル基を形成し、Rは、C1−6アルキルもしくはC2−6アルケニルである、請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
は、ハロ、ORもしくはC1−6アルキル(Rは、請求項1に規定したとおりである。)で置換されていてもよいC1−6アルキル、または(CH0−33−8シクロアルキルである、請求項1から4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
各Wは、独立してハロ、OR、C1−6アルキル、CN、NO、CF、CO、またはCON(R(Rは請求項1に規定したとおりである。)である、請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
ZはOであり、YはC=Oであり、およびXはOまたはNR(Rは請求項1に規定したとおりである。)である、請求項1から6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
Mは、C1−6アルキルもしくは(CH0−33−8シクロアルキルで置換されていてもよく、および1つのOもしくはS基または1つのNHもしくはNC1−4アルキル基を含有していてもよい、および3から8員環の炭素環へ縮合していてもよいC4−10アルキレン、C4−10アルケニレンまたはC4−10アルキニレンである、請求項1から7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
Aは、NおよびOから選択される1から3つのヘテロ原子を含有する9から10員の縮合ヘテロ二環式環系であり、ヘテロ二環式環系の環の唯一の環は5もしくは6員環に縮合しており、環はNおよびSから選択される1または2つのヘテロ原子を含有していてよく、ならびに環はR(Rは、請求項1に規定したとおりである。)で置換されていてもよい、請求項1から8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項10】
は、ハロ、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、CN、C3−8シクロアルキルまたはアリールである、請求項1から9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項11】
式(Ia)、(Iaa)、(Iab)、(Iad)および(Iae)、
【化2】


(式中、
、R、R、R、W、n、X、Y、ZおよびMは、請求項1に規定したとおりであり、
はCであり、およびDはNであり、および破線は二重結合を表し、
またはDはNであり、およびDはCHであり、および破線は一重結合を表し、
環Cは、NおよびSから選択される1または2つのヘテロ原子を含有していてもよい5または6員環であり、ならびに
環Dは、1または2つのN原子を含有していてもよい5または6員環である。)のいずれか1つによる請求項1に記載の化合物、またはこの医薬的に許容される塩。
【請求項12】
式(Ib)および(Iba)、
【化3】

(式中、
、R、R、R、W、X、Y、ZおよびMは、請求項1に規定したとおりであり、
およびDの一方はCHであり、ならびにDおよびDの他方はNであり、ならびに
環Cは、NおよびSから選択される1または2つのヘテロ原子を含有していてもよい5または6員環である。)による、請求項1に記載の化合物またはこの医薬的に許容される塩。
【請求項13】
(2R,4S,7S)−7−シクロヘキシル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−12,12−ジメチル−6,9−ジオキソ−3,4,6,7,8,9,12,13,14,15−デカヒドロ−2H,11H−16,18−(エタンジイリデン)−2,5−メタノ[1,10,3,6]ジオキサジアザシクロノナデシノ[11,12−b]キノリン−4−カルボキサミド、
(2R,4S,7S,14E)−21−シアノ−7−シクロペンチル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−25−メトキシ−12,12−ジメチル−6,9−ジオキソ−3,4,6,7,8,9,12,13−オクタヒドロ−2H,11H−16,18−(エタンジイリデン)−2,5−メタノ[1,10,3,6]ジオキサジアザシクロノナデシノ[11,12−b]キノリン−4−カルボキサミド、
(2R,4S,7S)−21−シアノ−7−シクロペンチル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−25−メトキシ−12,12−ジメチル−6,9−ジオキソ−3,4,6,7,8,9,12,13,14,15−デカヒドロ−2H,11H−16,18−(エタンジイリデン)−2,5−メタノ[1,10,3,6]ジオキサジアザシクロノナデシノ[11,12−b]キノリン−4−カルボキサミド、
(3R,5S,8S)−8−シクロヘキシル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−18−メトキシ−13,13−ジメチル−7,10−ジオキソ−2,11−ジオキサ−6,9,27−トリアザペンタシクロ[15.10.2.13,6.020,28.021,26]トリアコンタ−1(27),15,17,19,21(26),28−ヘキサエン−5−カルボキサミド、
(3R,5S,8S)−8−シクロヘキシル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−18−メトキシ−13,13−ジメチル−7,10−ジオキソ−2,11−ジオキサ−6,9,27−トリアザペンタシクロ[15.10.2.13,6.020,28.021,26]トリアコンタ−1(27),17,19,21(26),28−ペンタエン−5−カルボキサミド、
(2R,4S,7S)−7−シクロペンチル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−25−メトキシ−12,12−ジメチル−6,9−ジオキソ−3,4,6,7,8,9,12,13,14,15−デカヒドロ−2H,11H−16,18−(エタンジイリデン)−2,5−メタノ[1,10,3,6]ジオキサジアザシクロノナデシノ[11,12−b]キノリン−4−カルボキサミド、
(2R,4S,7S)−7−シクロペンチル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−25−メトキシ−12,12,21−トリメチル−6,9−ジオキソ−3,4,6,7,8,9,12,13,14,15−デカヒドロ−2H,11H−16,18−エテノ−2,5−メタノ[1,10,3,6]ジオキサジアザシクロノナデシノ[11,12−b]キノリン−4−カルボキサミド、
(2R,4S,7S,14E)−7−シクロヘキシル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−25−メトキシ−10,12,12−トリメチル−6,9−ジオキソ−3,4,6,7,8,9,10,11,12,13−デカヒドロ−2H−16,18−エテノ−2,5−メタノ[1,5,8,10]オキサトリアザシクロノナデシノ[19,18−b]キノリン−4−カルボキサミド、
(2R,4S,7S,14Z)−7−シクロヘキシル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−25−メトキシ−10,12,12−トリメチル−6,9−ジオキソ−3,4,6,7,8,9,10,11,12,13−デカヒドロ−2H−16,18−エテノ−2,5−メタノ[1,5,8,10]オキサトリアザシクロノナデシノ[19,18−b]キノリン−4−カルボキサミド、
(2R,4S,7S)−7−シクロヘキシル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−25−メトキシ−10,12,12−トリメチル−6,9−ジオキソ−3,4,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15−ドデカヒドロ−2H−16,18−エテノ−2,5−メタノ[1,5,8,10]オキサトリアザシクロノナデシノ[19,18−b]キノリン−4−カルボキサミド、
(3aR,7S,10S,12R,24aR)−7−シクロヘキシル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−25−メトキシ−5,8−ジオキソ−1,2,3,3a,5,6,7,8,11,12,22,23,24,24a−テトラデカヒドロ−10H−19,21−エテノ−9,12−メタノシクロペンタ[18,19][1,10,3,6]ジオキサジアザシクロノナデシノ[11,12−b]キノリン−10−カルボキサミド、
(3aS,7S,10S,12R,24aS)−7−シクロヘキシル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−25−メトキシ−5,8−ジオキソ−1,2,3,3a,5,6,7,8,11,12,22,23,24,24a−テトラデカヒドロ−10H−19,21−エテノ−9,12−メタノシクロペンタ[18,19][1,10,3,6]ジオキサジアザシクロノナデシノ[11,12−b]キノリン−10−カルボキサミド、
(2R,4S,7S,14E)−20−クロロ−7−シクロペンチル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−25−メトキシ−12,12−ジメチル−6,9−ジオキソ−3,4,6,7,8,9,12,13−オクタヒドロ−2H,11H−16,18−エテノ−2,5−メタノ[1,10,3,6]ジオキサジアザシクロノナデシノ[11,12−b]キノリン−4−カルボキサミド、
(2R,4S,7S)−20−クロロ−7−シクロペンチル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−25−メトキシ−12,12−ジメチル−6,9−ジオキソ−3,4,6,7,8,9,12,13,14,15−デカヒドロ−2H,11H−16,18−エテノ−2,5−メタノ[1,10,3,6]ジオキサジアザシクロノナデシノ[11,12−b]キノリン−4−カルボキサミド、
(2R,4S,7S)−7−シクロペンチル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−21−フルオロ−25−メトキシ−12,12−ジメチル−6,9−ジオキソ−3,4,6,7,8,9,12,13,14,15−デカヒドロ−2H,11H−16,18−(エタンジイリデン)−2,5−メタノ[1,10,3,6]ジオキサジアザシクロノナデシノ[11,12−b]キノリン−4−カルボキサミド、
(2R,4S,7S,14E)−7−シクロペンチル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−21,25−ジメトキシ−12,12−ジメチル−6,9−ジオキソ−3,4,6,7,8,9,12,13−オクタヒドロ−2H,11H−16,18−(エタンジイリデン)−2,5−メタノ[1,10,3,6]ジオキサジアザシクロノナデシノ[11,12−b]キノリン−4−カルボキサミド、
(2R,4S,7S)−7−シクロペンチル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−21,25−ジメトキシ−12,12−ジメチル−6,9−ジオキソ−3,4,6,7,8,9,12,13,14,15−デカヒドロ−2H,11H−16,18−(エタンジイリデン)−2,5−メタノ[1,10,3,6]ジオキサジアザシクロノナデシノ[11,12−b]キノリン−4−カルボキサミド、
(3R,5S,8S)−8−シクロペンチル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−26−エトキシ−13,13−ジメチル−7,10−ジオキソ−2,11−ジオキサ−6,9,25−トリアザペンタシクロ[15.10.2.13,6.018,23.024,28]トリアコンタ−1(27),15,17,19,21,23,25,28−オクタエン−5−カルボキサミド、
(3R,5S,8S)−8−tert−ブチル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−18−メトキシ−13,13−ジメチル−7,10−ジオキソ−2,11−ジオキサ−6,9,27−トリアザペンタシクロ[15.10.2.13,6.020,28.021,26]トリアコンタ−1(27),15,17,19,21(26),28−ヘキサエン−5−カルボキサミド、
(3R,5S,8S)−8−シクロヘキシル−N−((1R,2R)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−エチルシクロプロピル)−18−メトキシ−13,13−ジメチル−7,10−ジオキソ−2,11−ジオキサ−6,9,27−トリアザペンタシクロ[15.10.2.13,6.020,28.021,26]トリアコンタ−1(27),17,19,21(26),28−ペンタエン−5−カルボキサミド、
(3R,5S,8S)−8−シクロヘキシル−N−((1R,2R)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−エチルシクロプロピル)−18−メトキシ−13,13−ジメチル−7,10−ジオキソ−2,11−ジオキサ−6,9,27−トリアザペンタシクロ[15.10.2.13,6.020,28.021,26]トリアコンタ−1(27),15,17,19,21(26),28−ヘキサエン−5−カルボキサミド、
(3R,5S,8S)−8−シクロヘキシル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−18−メトキシ−13,13−ジメチル−7,10−ジオキソ−2,11−ジオキサ−6,9,26−トリアザペンタシクロ[15.9.2.13,6.020,27.021,25]ノナコサ−1(26),17,19,21(25),27−ペンタエン−5−カルボキサミド、
(2R,4S,7S,14E)−7−シクロヘキシル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−24−メトキシ−12,12−ジメチル−6,9−ジオキソ−3,4,6,7,8,9,12,13−オクタヒドロ−2H,11H−16,18−エテノ−2,5−メタノチエノ[3’,2’:5,6]ピリド[2,3−k][1,10,3,6]ジオキサジアザシクロノナデシノ−4−カルボキサミド、
(2R,4S,7S)−7−シクロヘキシル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−24−メトキシ−12,12−ジメチル−6,9−ジオキソ−3,4,6,7,8,9,12,13,14,15−デカヒドロ−2H,11H−16,18−エテノ−2,5−メタノチエノ[3’,2’:5,6]ピリド[2,3−k][1,10,3,6]ジオキサジアザシクロノナデシン−4−カルボキサミド、
(2R,4S,7S,14E)−7−ブチル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−24−メトキシ−12,12−ジメチル−6,9−ジオキソ−3,4,6,7,8,9,12,13−オクタヒドロ−2H,11H−16,18−(エタンジイリデン)−2,5−メタノチエノ[3’,2’:5,6]ピリド[2,3−k][1,10,3,6]ジオキサジアザシクロノナデシン−4−カルボキサミド、
(2R,4S,7S,14E)−7−シクロペンチル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−24−メトキシ−12,12−ジメチル−6,9−ジオキソ−3,4,6,7,8,9,12,13−オクタヒドロ−2H,11H−16,18−(エタンジイリデン)−2,5−メタノチエノ[3’,2’:5,6]ピリド[2,3−k][1,10,3,6]ジオキサジアザシクロノナデシン−4−カルボキサミド、
(2R,4S,7S,14E)−7−tert−ブチル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−24−メトキシ−12,12−ジメチル−6,9−ジオキソ−3,4,6,7,8,9,12,13−オクタヒドロ−2H,11H−16,18−(エタンジイリデン)−2,5−メタノチエノ[3’,2’:5,6]ピリド[2,3−k][1,10,3,6]ジオキサジアザシクロノナデシン−4−カルボキサミド、
(4E,13S,16S,18R)−13−tert−ブチル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−1,8,8−トリメチル−11,14−ジオキソ−6,7,8,9,11,12,13,14,17,18−デカヒドロ−3H,16H−15,18−メタノ−10,19−ジオキサ−2a,12,15,20−テトラアザベンゾ[g]シクロイコサ[1,2,3−cd]インデン−16−カルボキサミド、
(13S,16S,18R)−13−tert−ブチル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−1,8,8−トリメチル−11,14−ジオキソ−4,5,6,7,8,9,11,12,13,14,17,18−デカヒドロ−3H,16H−15,18−メタノ−10,19−ジオキサ−2a,12,15,20−テトラアザベンゾ[g]シクロイコサ[1,2,3−cd]インデン−16−カルボキサミド、
(4E,12S,15S,17R)−12−tert−ブチル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−1,7,7−トリメチル−10,13−ジオキソ−3,6,7,8,10,11,12,13,16,17−デカヒドロ−15H−14,17−メタノ−9,18−ジオキサ−2a,11,14,19−テトラアザベンゾ[g]シクロノナデカ[1,2,3−cd]インデン−15−カルボキサミド、
(4E,14S,17S,19R)−14−シクロペンチル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−1,9,9−トリメチル−12,15−ジオキソ−3,6,7,8,9,10,12,13,14,15,18,19−ドデカヒドロ−17H−16,19−メタノ−11,20−ジオキサ−2a,13,16,21−テトラアザベンゾ[g]シクロヘニコサ[1,2,3−cd]インデン−17−カルボキサミド、
(4E,14S,17S,19R)−14−シクロペンチル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−1,11−ジメチル−12,15−ジオキソ−6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,18,19−ドデカヒドロ−3H,17H−16,19−メタノ−20−オキサ−2a,11,13,16,21−ペンタアザベンゾ[g]シクロヘニコサ[1,2,3−cd]インデン−17−カルボキサミド、
(14S,17S,19R)−14−シクロペンチル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−1,9,9−トリメチル−12,15−ジオキソ−3,4,5,6,7,8,9,10,12,13,14,15,18,19−テトラデカヒドロ−17H−16,19−メタノ−11,20−ジオキサ−2a,13,16,21−テトラアザベンゾ[g]シクロヘニコサ[1,2,3−cd]インデン−17−カルボキサミド、
(14S,17S,19R)−14−シクロペンチル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−1,11−ジメチル−12,15−ジオキソ−4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,18,19−テトラデカヒドロ−3H,17H−16,19−メタノ−20−オキサ−2a,11,13,16,21−ペンタアザベンゾ[g]シクロヘニコサ[1,2,3−cd]インデン−17−カルボキサミド、
(12S,15S,17R)−12−tert−ブチル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−1,7,7−トリメチル−10,13−ジオキソ−3,4,5,6,7,8,10,11,12,13,16,17−ドデカヒドロ−15H−14,17−メタノ−9,18−ジオキサ−2a,11,14,19−テトラアザベンゾ[g]シクロノナデカ[1,2,3−cd]インデン−15−カルボキサミド、
(4E,13S,16S,18R)−13−tert−ブチル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−22−メトキシ−1,8,8−トリメチル−11,14−ジオキソ−6,7,8,9,11,12,13,14,17,18−デカヒドロ−3H,16H−15,18−メタノ−10,19−ジオキサ−2a,12,15,20−テトラアザベンゾ[g]シクロイコサ[1,2,3−cd]インデン−16−カルボキサミド、
(3R,5S,8S)−8−シクロペンチル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−26−エトキシ−13,13−ジメチル−7,10−ジオキソ−2,11−ジオキサ−6,9,25−トリアザペンタシクロ[15.10.2.13,6.018,23.024,28]トリアコンタ−1(27),17,19,21,23,25,28−ヘプタエン−5−カルボキサミド、
(3R,5S,8S)−8−シクロヘキシル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−18−メトキシ−13,13−ジメチル−7,10−ジオキソ−2,11−ジオキサ−6,9,21,24−テトラアザペンタシクロ[15.9.2.13,6.020,27.021,25]ノナコサ−1(26),17,19,22,24,27−ヘキサエン−5−カルボキサミド、
(3R,5S,8S)−8−シクロヘキシル−N−((1R,2R)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−エチルシクロプロピル)−18−メトキシ−13,13−ジメチル−7,10−ジオキソ−2,11−ジオキサ−6,9,21,24−テトラアザペンタシクロ[15.9.2.13,6.020,27.021,25]ノナコサ−1(26),17,19,22,24,27−ヘキサエン−5−カルボキサミド、
(3R,5S,8S)−8−シクロヘキシル−N−((1R,2S)−1−{[(シクロプロピルスルホニル)アミノ]カルボニル}−2−ビニルシクロプロピル)−13,13−ジメチル−7,10−ジオキソ−2,11−ジオキサ−6,9,21,24−テトラアザペンタシクロ[15.9.2.13,6.020,27.021,25]ノナコサ−1(26),17,19,22,24,27−ヘキサエン−5−カルボキサミドから選択される、請求項1に記載の化合物またはこの医薬的に許容される塩。
【請求項14】
治療に使用するための請求項1から13のいずれか一項の化合物またはこれらの医薬的に許容される塩。
【請求項15】
ヒトまたは動物におけるC型肝炎ウイルスによる感染症を治療または予防する際に使用するための、請求項1から13のいずれか一項の化合物またはこの医薬的に許容される塩。
【請求項16】
ヒトまたは動物におけるC型肝炎ウイルスによる感染症を治療または予防するための薬剤を製造するための、請求項1から13のいずれか一項の化合物またはこの医薬的に許容される塩の使用。
【請求項17】
請求項1から13のいずれか一項の化合物またはこれらの医薬的に許容される塩を医薬的に許容される担体と結び付けて含む医薬組成物。
【請求項18】
例えば抗ウイルス剤などのウイルス感染症を治療するための1つ以上の他の物質、または例えばα−、β−もしくはγ−インターフェロンなどの免疫調節剤をさらに含む、請求項17に記載の医薬組成物。
【請求項19】
C型肝炎ウイルスプロテアーゼを阻害する、および/またはC型肝炎ウイルスに起因する疾患を治療もしくは予防する方法であって、この状態に苦しんでいるヒトもしくは動物被験者へ、治療もしくは予防有効量の請求項17もしくは18に記載の医薬組成物もしくは請求項1から13のいずれか一項の化合物またはこれらの医薬的に許容される塩を投与することを含む方法。

【公表番号】特表2010−533702(P2010−533702A)
【公表日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−516598(P2010−516598)
【出願日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際出願番号】PCT/GB2008/050585
【国際公開番号】WO2009/010804
【国際公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【出願人】(501209427)イステイチユート・デイ・リチエルケ・デイ・ビオロジア・モレコラーレ・ピ・アンジエレツテイ・エツセ・ピー・アー (90)
【出願人】(510016438)メルク・エンド・カンパニー・インコーポレーテツド (1)
【Fターム(参考)】