説明

抗老化用食品補助剤および抗老化剤

【課題】抗老化効果が高く、安全性が高い抗老化用食品補助剤を提供する。
【解決手段】ハナビラタケまたはその抽出物およびレスベラトロールを含むことを特徴とする。またさらに、コラーゲンペプチドを含ませる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は抗老化用食品補助剤に関し、特にハナビラタケを用いた抗老化用食品補助剤、抗老化剤、細胞賦活剤、コラーゲン産生促進剤、ヒアルロン酸産生促進剤に関する。
【背景技術】
【0002】
美容上の最も多い悩みの一つに、皮膚のしわ、たるみがある。このような皮膚のしわ、たるみを特徴とする皮膚の老化は、皮膚線維芽細胞のコラーゲン産生能の低下、ヒアルロン酸産生能の低下などによるものと考えられている。
【0003】
そのため、従来より皮膚のしわ、たるみなどを有効に防止・改善する老化防止成分の研究開発が数多く為され、例えば特許文献1、2では、植物抽出物を配合した老化防止用皮膚外用剤が開示されている。
【0004】
しかし、老化防止成分を皮膚外用剤のように経皮吸収によって適用する場合は、その吸収性が問題となるため、期待されるほどの効果を奏しない場合も多い。それに対して食品のような経口摂取による場合は直接体内に採り入れるため、外用による適用に比べて摂取者の効果感は大きいものがある。
【0005】
従来知られている老化防止を訴求した食品として、例えば特許文献3では杜仲と人参とコラーゲンとを必須成分とし、デオキシリボ核酸等の選択成分を含有させることで、生体の新陳代謝、特に皮膚のターンオーバーを促進させた皮膚賦活食品が記載されている。また特許文献4では、ポリフェノール類やコラーゲン誘導体と、キチンの分解物とを含む機能性経口組成物が、さらに特許文献5では、スチルベン系化合物を含有する老化防止用食品が記載されている。
【0006】
一方、ハナビラタケ(Sparassis crispa)は、カラマツやアカマツ、ブナなどに生えるハナビラタケ科ハナビラタケ属に属するきのこであって、非常に僅少なきのこである。歯ごたえが良く、その純白の色合いと葉牡丹のような形態を特徴とする食用きのこである。
ハナビラタケを用いた食品類として、特許文献6では、ハナビラタケの抽出物を有効成分とする生態賦活性組成物並びに抗腫瘍剤が記載されている。また特許文献7ではハナビラタケから得られる成分を含む機能性食品が、さらに特許文献8ではハナビラタケあるいはその抽出物を含むコラーゲン産生促進剤が開示されている。
【0007】
【特許文献1】特開2003−160433号公報
【特許文献2】特開2007−126368号公報
【特許文献3】特許第3308433号公報
【特許文献4】特開2001−72582号公報
【特許文献5】特開2001−69948号公報
【特許文献6】特開2000−217543号公報
【特許文献7】特開2004−315512号公報
【特許文献8】特開2006−137680号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は以上述べたような従来の事情に鑑み、少量の摂取でより高い抗老化効果を有する抗老化剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者等はこのような事情を鑑みて鋭意検討を重ねた結果、ハナビラタケまたはその抽出物およびレスベラトロールを含む食品補助剤が細胞増殖能に優れ、細胞を賦活化させて優れた抗老化作用を奏することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
即ち本発明は、ハナビラタケまたはその抽出物およびレスベラトロールを含むことを特徴とする抗老化用食品補助剤である。
本発明の抗老化用食品補助剤は、さらに平均分子量が5000以下のコラーゲンペプチドを含むことが好ましく、また細胞賦活用の食品補助剤であることが好ましい。
【0011】
また本発明によれば、ハナビラタケまたはその抽出物、レスベラトロールおよび平均分子量が5000以下のコラーゲンペプチドからなることを特徴とする抗老化剤、細胞賦活剤、コラーゲン産生促進剤およびヒアルロン酸産生促進剤が提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明の抗老化用食品補助剤は、細胞増殖能に優れ、細胞を賦活化させることにより肌の衰えによる老化を有効に抑えることが出来る。
本発明の抗老化剤は、細胞賦活作用、コラーゲン産生促進作用、ヒアルロン酸産生促進作用に優れており、老化を防ぐ抗老化剤として、また細胞賦活剤、コラーゲン産生促進剤、ヒアルロン酸産生促進剤として用いることが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に、本発明の最良の実施の形態について詳述する。
本発明の抗老化用食品補助剤は、ハナビラタケまたはその抽出物およびレスベラトロールを含むものである。
【0014】
(ハナビラタケ)
本発明で用いられるハナビラタケまたはその抽出物とは、ハナビラタケ子実体、これを乾燥したもの、およびその粉砕物、ハナビラタケ子実体から得られた抽出物、ハナビラタケ菌糸体、これを乾燥したもの、およびその粉砕物、ハナビラタケ菌糸体から得られた抽出物のいずれか1種、またはこれらの2種以上の組み合わせである。
【0015】
ハナビラタケの子実体は天然のものでもよいし、人工栽培により得られたものであってもよい。人工栽培は、人工栽培用の菌床を作成することにより行うことができる。
【0016】
また、ハナビラタケを培養して菌糸体を得る方法としては、担子菌の培養に通常用いられる固体培養法及び液体培養法のいずれでもよいが、後者の方法が生産性の点から好ましく用いられる。培養の培地としては、菌の発育に必要な諸栄養が含まれていれば良く、通常の培地処方でよい。すなわち、炭素源としては、例えばグルコース、シュークロース、マルトース、でんぷんなど資化し得る炭素源であれば利用できる。窒素源としては、例えば硫酸アンモニウム塩、硝酸アンモニウム塩、尿素等、天然の複合栄養源としては、例えばじゃがいもエキス、ニンジンエキス、麦芽エキス、ペプトン、コウジエキス、酵母エキス、酵母末等を用いることができ、その他成長に必要な微量元素無機塩類、ビタミン類などを適宜添加して用いればよい。
【0017】
培養は、通常好気的条件下が良く、例えば振とう培養法あるいは通気攪拌培養法が用いられる。培養中の攪拌は、24時間毎に数分間往復振とう又は回転振とうすればよいが、連続振とうしても良い。培養温度は15℃〜40℃が好ましく、さらに20℃〜30℃前後が好ましい。培養時のpHは、3.0〜9.0の範囲に調整するのが好ましく、さらには4.5〜7.0の範囲に調整するのが好ましい。また、培養中は照光しないほうが好ましいが、1日11〜14時間程度の照光は可能である。
【0018】
培養日数は、物理的環境、培養組成などの培養条件によって異なるが、菌糸体の生育があれば良く、通常は2〜120日間、特に好ましくは5〜90日で、最大の菌糸体の生産される時期がよい。
【0019】
培養終了後、培養液を遠心分離あるいは濾過することにより菌糸体と培養濾液とを分離する。
【0020】
上記のようにして得られたハナビラタケの子実体または菌糸体を乾燥する方法としては、熱風乾燥、真空凍結乾燥、冷風乾燥、遠赤外線乾燥などが使用でき、熱風乾燥が望ましい。乾燥したハナビラタケをそのまま本発明の機能性組成物として使用することもできるが、通常は粉砕した粉砕物や粉末を用いるのが好ましい。ハナビラタケを粉砕する方法としては、石臼粉砕式、ボールミル式、ジェットミルなどの衝突粉砕式、などが使用できる。
【0021】
また本発明で用いられるハナビラタケまたはその抽出物としては、上記のほかにハナビラタケの子実体または菌糸体から生のままであるいは乾燥した後に溶媒などにより抽出された物(エキスなど)も有効である。
【0022】
ハナビラタケ子実体または菌糸体から抽出物を得る方法としては、特に限定されるものではないが、溶媒抽出、超臨界抽出のほか、ボールミルやブレンダーを用いる物理的抽出や抽出効率を上げるために酵素を添加する方法などを好適に組み合わせることができる。溶媒抽出のために用いられる溶媒は、水系溶媒または非水系溶媒が使用できる。水系溶媒として具体的には水そのもの、あるいはアルカリや他の塩基性物質を添加したアルカリ水、アルコール等とも相溶性のある有機溶媒を加えた水性溶媒、酸や酸性物質を添加した酸性水、有機酸(例えば、乳酸、酢酸等)、無機塩類(例えば、イーストフード等)を含む水溶液、あるいはこれらの2種以上の混合物などが好適に使用できる。
【0023】
また非水系溶媒として具体的には、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、グリセリン、プロピレングリコール、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等の有機溶媒を使用することもできる。
【0024】
溶媒抽出は、以下のような操作で行うことができる。すなわち、細かく破砕あるいはスライスした新鮮なハナビラタケ子実体もしくはその乾燥体1質量部に溶媒2〜10質量部を加え、好ましくは40℃〜120℃、さらに好ましくは約80℃で2時間以上あるいは90℃で30分以上放置すればよい。その後固液分離を行い、さらに抽出液を濃縮することもできる。
【0025】
この溶媒抽出処理は、多段階で行ってもよく、また、異なる溶媒を用いた多段処理として行ってもよい。溶媒の使用量については特に限定はないが、対象とするハナビラタケの重量、あるいは溶媒や残渣の重量と後処理の負担を考慮して定めることが好ましい。
【0026】
本発明の抗老化用食品補助剤は、上述した方法により得られたハナビラタケまたはその抽出物を固形分換算で一日当り0.0025g以上、好ましくは0.003g以上摂取できるように調製されていることが望ましい。
【0027】
(レスベラトロール)
本発明で用いられるレスベラトロールは、スチルベントリオールであり、皮膚老化防止作用や口腔疾患治癒作用を有することが知られているものである(例えば、特開2002−293736号公報、特開2001−69948号公報、特開2000−256154号公報)。
【0028】
本発明で用いられるレスベラトロールとしては、ブドウ由来のレスベラトロールが好ましく、かかるレスベラトロールとしては、例えばサンブライト株式会社製VINEATROL 20Mが挙げられる。
VINEATROL 20Mは、ブドウ若芽由来レスベラトロール(モノマー及びオリゴマー)であり、成分はトランスレスベラトロール>5%、ε−ビニフェリン>5%、総レスベラトロール(モノマー及びオリゴマー)>20%を含有するものである。
【0029】
本発明の抗老化用食品補助剤は、レスベラトロールを一日当り0.0001g以上、好ましくは0.0006g以上摂取できるように調製されていることが望ましい。
【0030】
本発明の抗老化用食品補助剤において、ハナビラタケまたはその抽出物とレスベラトロールとの摂取割合は、ハナビラタケまたはその抽出物:レスベラトロール=(3:1)〜(7:1)が好ましく、より好ましくは(4:1)〜(6:1)である。
【0031】
〔コラーゲンペプチド〕
本発明の抗老化用食品補助剤は、必須成分であるハナビラタケまたはその抽出物とレスベラトロールのみでも抗老化作用を発揮するが、さらにコラーゲンペプチドを含有することが好ましい。コラーゲンペプチドを含有することで、各成分が少量でも老化防止作用は大きくなる。
【0032】
コラーゲンペプチドとしては魚由来コラーゲンの加水分解物が好ましい。魚由来コラーゲンの加水分解物としては、例えばゼライス株式会社製HACP−U2が挙げられる。
本発明で用いられるコラーゲンペプチドは、平均分子量が5000以下である。
【0033】
本発明の抗老化用食品補助剤は、コラーゲンペプチドを一日当り0.005g以上、好ましくは0.03g以上摂取できるように調製されていることが望ましい。
【0034】
本発明の抗老化用食品補助剤において、コラーゲンペプチドとレスベラトロールとの摂取割合は、コラーゲンペプチド:レスベラトロール=(30:1)〜(70:1)が好ましく、より好ましくは(40:1)〜(60:1)である。
【0035】
本発明の抗老化剤、細胞賦活剤、コラーゲン産生促進剤、ヒアルロン酸産生促進剤は、いずれもハナビラタケまたはその抽出物、レスベラトロールのみからなるもの、あるいはこれに平均分子量が5000以下のコラーゲンペプチドを加えたものからなるものが好ましいが、その他の成分を含んでいても良い。
【0036】
〔その他の成分〕
本発明の抗老化用食品補助剤には、前記必須成分の他に、必要に応じ添加剤を任意に選択し併用することができる。添加剤としては賦形剤、呈味剤、着色剤、保存剤、増粘剤、安定剤、ゲル化剤、酸化防止剤、機能性素材等を含ませることができる。
機能性素材としては、各種ビタミン類、パントテン酸、葉酸、ビオチン、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、アミノ酸、オリゴ糖、プロポリス、ローヤルゼリー、EPA、DHA、コエンザイムQ10、コンドロイチン、乳酸菌、ラクトフェリン、イソフラボン、プルーン、キチン、キトサン、グルコサミンなどが挙げられる。これらの機能性素材は、単独で又は二種以上で組み合わせて使用できる。
【0037】
賦形剤としては、所望の剤型としたときに通常用いられるものであれば何でも良く、例えば、微粒子二酸化ケイ素のような粉末類、ショ糖脂肪酸エステル、結晶セルロース・カルボキシメチルセルロースナトリウム、リン酸水素カルシウム、コムギデンプン、コメデンプン、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、デキストリン、シクロデキストリンなどのでんぷん類、結晶セルロース類、乳糖、ブドウ糖、砂糖、還元麦芽糖、水飴、フラクトオリゴ糖、乳化オリゴ糖などの糖類、ソルビトール、エリスリトール、キシリトール、ラクチトール、マンニトールなどの糖アルコール類が挙げられる。これら賦形剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0038】
呈味剤としては、果汁エキスであるボンタンエキス、ライチエキス、リンゴ果汁、オレンジ果汁、ゆずエキス、ピーチフレーバー、ウメフレーバー、甘味剤であるアセスルファムK、エリスリトール、オリゴ糖類、マンノース、キシリトール、異性化糖類、茶成分である緑茶、ウーロン茶、バナバ茶、杜仲茶、鉄観音茶、ハトムギ茶、アマチャヅル茶、マコモ茶、昆布茶、及びヨーグルトフレーバー等が挙げられる。これら呈味剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0039】
その他の着色剤、保存剤、増粘剤、安定剤、ゲル化剤、酸化防止剤については、食品に使用される公知のものを適宜選択して使用できる。
【0040】
本発明の抗老化用食品補助剤の形態としては、アンプル、カプセル、丸剤、錠剤、粉末、顆粒、固形、液体、ゲル又は気泡、クリーム等任意とすることができる。
【0041】
具体的には、美容・健康飲料又は食品(ビタミン補給、滋養強壮、疲労回復、肌荒れ改善、体質改善、美髪、育毛・養毛)、医薬品、洋菓子類、和菓子類、ガム、キャンデー、キャラメル等の一般菓子類、果実ジュース等の一般清涼飲料水、かまぼこ、ちくわ等の加工水産ねり製品、ソーセージ、ハム等の畜産製品、生めん、ゆでめん、ソバ等のめん類、ソース、醤油、タレ、砂糖、ハチミツ、粉末あめ、水あめ等の調味料、カレー粉、からし粉、コショウ粉等の香辛料、ジャム、マーマレード、チョコレートスプレッド、チーズ、バター、ヨーグルト等の乳製品、美容・健康クリーム、美容・健康液状品、美容・健康フプレー状品等が挙げられる。
また、これらは従来公知の方法により製造することができる。
【実施例】
【0042】
本発明について以下に実施例を挙げてさらに詳述するが、本発明はこれによりなんら限定されるものではない。
【0043】
試験例1(細胞増殖能の測定)
下記試験例(1−1)〜(1−8)の試料を含む100μlの培地中に、2×103細胞/ウェルの濃度でヒト真皮線維芽細胞を96ウェルマイクロプレートに播種し、37℃、6.5%のCO2で72時間インキュベーションした。
72時間後、ロッシュ社の細胞増殖キット I Cell Proliferation Kit I を用いて、キット中の10μLのMTT標識試薬(終濃度は0.5mg/ml)を各ウェルに加え、37℃、6.5%のCO2でプレートを4時間インキュベーションした。
4時間インキュベーション終了後、100μlの可溶化溶液を各ウェルに加え、37℃、6.5%のCO2でプレートをオーバーナイトで放置した。
紫色のフォルマザン結晶の完全な可溶化をチェックし、プレートリーダーでサンプルの吸光度(測定波長580nm、リファレンス波長650nm)を測定した。
【0044】
試料は次のとおりである。なお、レスベラトロールは、東京化成工業株式会社製試薬を購入し用い、ハナビラタケとして下記の方法で調製したハナビラタケ抽出液を用い、コラーゲンペプチドとしては市販の平均分子量5000以下のものを用いた。以下の例においても同様である。なおハナビラタケについては、ハナビラタケ抽出液の試料濃度を実分に換算した値を記載した。
【0045】
(ハナビラタケ抽出液の調製)
ハナビラタケを乾燥後粉末にし、PBS(−)100mLに10gのハナビラタケを懸濁する。100℃で2時間熱抽出し、さらに2時間後、室温近辺まで抽出液の温度が下がった後、0.45μmのフィルターを用いて滅菌ろ過してハナビラタケ抽出液を得た。(ハナビラタケ粉末 10g/100mL PBS(−)、熱抽出された量 1.22g/10gハナビラタケ粉末)
【0046】
試験例1−1:コントロール
試験例1−2:レスベラトロール(1μM)
試験例1−3:コラーゲンペプチド(10μg/mL)
試験例1−4:ハナビラタケ(1.22μg/mL)
試験例1−5:コラーゲンペプチド(5μg/mL)+ハナビラタケ(5μg/mL)
試験例1−6:コラーゲンペプチド(5μg/mL)+レスベラトロール(0.5μM)
試験例1−7:ハナビラタケ(0.61μg/mL)+レスベラトロール(0.5μM)
試験例1−8:ハナビラタケ(0.41μg/mL)+レスベラトロール(0.3μM)+コラーゲンペプチド(3.3μg/mL)
【0047】
(評価結果)
図1は上記試験例1−1〜1−8で得られた細胞賦活剤(抗老化剤)のヒト皮膚真皮線維芽細胞における細胞増殖能試験の結果を示すグラフである。
図1の結果から、本発明の細胞賦活剤(抗老化剤)は、細胞増殖能に優れ、皮膚の衰えによる老化を抑えられることがわかる。特にハナビラタケ、レスベラトロールおよびコラーゲンペプチドを含む場合(試験例1−8)に大きな相乗効果が認められる。
【0048】
試験例2(コラーゲン産生能の測定)
ヒト真皮線維芽細胞を24−マルチウエル(multiwell)にてコンフルエントまで培養し、培養液を以下に示す処置液に交換し、72時間処置後、培養液を回収した。回収した培養液は、procollagen typeI C-peotide(PIP) EIA kit(TaKaRa)を用いて培養液中のコラーゲン量を測定した。
【0049】
(処置液)
試験例2−1:コントロール
試験例2−2:レスベラトロール(1μM)
試験例2−3:コラーゲンペプチド(10μg/mL)
試験例2−4:ハナビラタケ(10μg/mL)
試験例2−5:コラーゲンペプチド(5μg/mL)+ハナビラタケ(5μg/mL)
試験例2−6:コラーゲンペプチド(5μg/mL)+レスベラトロール(0.5μM)
試験例2−7:ハナビラタケ(5μg/mL)+レスベラトロール(0.5μM)
試験例2−8:ハナビラタケ(3.3μg/mL)+レスベラトロール(0.3μM)+コラーゲンペプチド(3.3μg/mL)
【0050】
図2は上記試験例2−1〜2−8で得られたコラーゲン産生促進剤(抗老化剤)のコラーゲン産生能試験の結果を示すグラフである。
図2の結果から、本発明のコラーゲン産生促進剤(抗老化剤)は、コラーゲン産生能に優れ、皮膚の衰えによる老化を抑えられることがわかる。特にハナビラタケ、レスベラトロールおよびコラーゲンペプチドを含む場合(試験例2−8)に大きな相乗効果が認められる。
【0051】
試験例3(ヒアルロン酸産生能の測定)
ヒト真皮線維芽細胞を24−マルチウエル(multiwell)にてコンフルエントまで培養し、培養液を以下に示す処置液に交換し、72時間処置後、培養液を回収した。回収した培養液は、Hyaluronan Assay kit(生化学工業)を用いて培養液中のヒアルロン酸量を測定した。
【0052】
(処置液)
試験例3−1:コントロール
試験例3−2:レスベラトロール(1μM)
試験例3−3:コラーゲンペプチド(10μg/mL)
試験例3−4:ハナビラタケ(10μg/mL)
試験例3−5:コラーゲンペプチド(5μg/mL)+ハナビラタケ(5μg/mL)
試験例3−6:コラーゲンペプチド(5μg/mL)+レスベラトロール(0.5μM)
試験例3−7:ハナビラタケ(5μg/mL)+レスベラトロール(0.5μM)
試験例3−8:ハナビラタケ(3.3μg/mL)+レスベラトロール(0.3μM)+コラーゲンペプチド(3.3μg/mL)
【0053】
図3は上記試験例3で得られたヒアルロン酸産生促進剤(抗老化剤)のヒアルロン酸産生能試験の結果を示すグラフである。
図3の結果から、本発明のヒアルロン酸産生促進剤(抗老化剤)は、ヒアルロン酸産生能に優れ、皮膚の衰えによる老化を抑えられることがわかる。特にハナビラタケ、レスベラトロールおよびコラーゲンペプチドを含むヒアルロン酸産生促進剤(抗老化剤)はヒアルロン酸産生能において大きな相乗効果が認められる。
【0054】
配合例1:キャンディー 4000mg/日
砂糖 2300mg
水飴 1486
コラーゲンペプチド 25
ハナビラタケ粉末 12.5
レスベラトロール 0.5
香料 38
【0055】
配合例2:錠剤 1500mg/日
ショ糖エステル 70mg
結晶セルロース 74
メチルセルロース 36
グリセリン 28
コラーゲンペプチド 600
ハナビラタケ粉末 60
レスベラトロール 12
N−アセチルグルコサミン 100
ヒアルロン酸 50
ビタミンE 30
ビタミンB6 20
ビタミンB2 10
α−リポ酸 20
コエンザイムQ10 40
セラミド(コンニャク抽出物) 50
L−プロリン 300
【0056】
配合例3:ソフトカプセル 1500mg/日
食用大豆油 324mg
コラーゲンペプチド 300
ハナビラタケ粉末 30
レスベラトロール 6
ローヤルゼリー 150
マカ 30
GABA 30
ミツロウ 30
ゼラチン 375
グリセリン 120
グリセリン脂肪酸エステル 105
【0057】
配合例4:ソフトカプセル 1500mg/日
玄米胚芽油 659mg
コラーゲンペプチド 50
ハナビラタケ粉末 500
レスベラトロール 1
ハス胚芽エキス 100
エラスチン 130
DNA 30
葉酸 30
【0058】
配合例5:顆粒 1200mg/日
コラーゲンペプチド 500mg
ハナビラタケ粉末 100
レスベラトロール 10
大豆イソフラボン 50
還元乳糖 395
大豆オリゴ糖 36
エリスリトール 36
デキストリン 25
クエン酸 24
香料 24
【0059】
配合例6:ドリンク 50mL/日
コラーゲンペプチド 600mg
ハナビラタケ粉末 60
レスベラトロール 12
N−アセチルグルコサミン 100
ヒアルロン酸 50
ビタミンE 30
ビタミンB6 20
ビタミンB2 10
α−リポ酸 20
コエンザイムQ10 40
セラミド(コンニャク抽出物) 50
L−プロリン 300
ドリンク基剤 4500
(還元麦芽糖水飴、エリスリトール、クエン酸、香料を含む)
精製水 合計50mLとなる量
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の細胞賦活剤(抗老化剤)のヒト皮膚真皮線維芽細胞を用いた細胞増殖能試験の結果を示すグラフである。
【図2】本発明のコラーゲン産生促進剤(抗老化剤)のヒト皮膚真皮線維芽細胞を用いたコラーゲン産生能試験の結果を示すグラフである。
【図3】本発明のヒアルロン酸産生促進剤(抗老化剤)のヒト皮膚真皮線維芽細胞を用いたヒアルロン酸産生能試験の結果を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハナビラタケまたはその抽出物およびレスベラトロールを含むことを特徴とする抗老化用食品補助剤。
【請求項2】
ハナビラタケまたはその抽出物、レスベラトロールおよび平均分子量が5000以下のコラーゲンペプチドを含むことを特徴とする抗老化用食品補助剤。
【請求項3】
細胞賦活用の食品補助剤であることを特徴とする請求項1または2に記載の抗老化用食品補助剤。
【請求項4】
ハナビラタケまたはその抽出物、レスベラトロールおよび平均分子量が5000以下のコラーゲンペプチドからなることを特徴とする抗老化剤。
【請求項5】
ハナビラタケまたはその抽出物、レスベラトロールおよび平均分子量が5000以下のコラーゲンペプチドからなることを特徴とする細胞賦活剤。
【請求項6】
ハナビラタケまたはその抽出物、レスベラトロールおよび平均分子量が5000以下のコラーゲンペプチドからなることを特徴とするコラーゲン産生促進剤。
【請求項7】
ハナビラタケまたはその抽出物、レスベラトロールおよび平均分子量が5000以下のコラーゲンペプチドからなることを特徴とするヒアルロン酸産生促進剤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−234981(P2009−234981A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−82596(P2008−82596)
【出願日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】