説明

抗肥満効能の薬用植物抽出物

本発明は、薬用植物から収得した抗肥満活性抽出物に関し、より詳しくは、伝統的に東洋で用いられてきた薬用植物である零陵香からの、脂肪細胞分化を阻害して肥満動物において体重及び体脂肪を減少させ肥満の原因となる脂肪の蓄積を阻害できる活性抽出物を有効性分として含有する、肥満予防及び治療用の原料、機能性食品、化粧品、生薬剤に関するものである。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、零陵香(Lysimachiae Foenum-Graeci Herba)抽出物を有効性分として含有する肥満予防及び治療剤に関し、より詳しくは、脂肪細胞分化を阻害し、肥満動物において体重と体脂肪を減少させて肥満の原因となる脂肪蓄積を阻害できる抽出物を含有する、肥満予防及び治療の原料、機能性食品、化粧品、生薬剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
肥満は、体内において、過剰エネルギーが脂肪に変換されて脂肪組織に過多蓄積されることによって体脂肪が異常に多くなる代謝異常により誘発される疾病である。肥満の発生原因には、大きく遺伝的原因と環境的原因(肉食中心の食生活、運動量の減少など)がある。これら以外の原因には、神経内分泌的原因、薬物原因などがある。
【0003】
世界保健機構(WHO)により1996年に既に疾病と規定された肥満は、最近全世界的に最も急増している慢性疾患の一つであって、糖尿病、高脂血症、動脈硬化、心血管系疾患など“成人性疾患”発病の主要危険要因である。全世界的な肥満人口の急増によって直間接的な支出が増加していることから肥満及び成人性疾患関連市場は急成長していて、社会的損失規模も急増する傾向にある。
【0004】
このような肥満を治療するための標的には、食欲調節、脂肪代謝調節、脂肪細胞分化調節、脂肪吸収調節及びエネルギー代謝調節などがあり、これらを中心に活発な研究が進行されている。現在、米国FDAが長期使用を承認した肥満治療薬物には2種類があり、ノルエピネフリン(norepinephrine)及びセロトニン(serotonin)の再吸収を抑剤する作用メカニズムを持ったシブトラミン(sibutramine)(REDUCTIL、商標名)と、すい臓及び消火器系から分泌されるリパーゼを抑剤して効果を示すオルリスタット(orlistat)(XENICAL、商標名)とがある。シブトラミンは当初抗鬱剤として開発されたが、抗肥満効果に優れているため現在は肥満治療剤として使われている。最近まで報告された研究結果によると、シブトラミンを最低1年以上使用した時、偽薬群に比べて4.3kg乃至は4.5%以上の体重減少を見せた。しかし、シブトラミンを使用する場合は、血圧上昇、不眠症、口腔乾燥、目眩などの副作用があって、高血圧などの心血管疾患患者には使用できないという短所がある。オルリスタットの場合、すい臓及び消火器系で分泌されるリパーゼの作用を抑剤して、摂取した飲食物に含まれている脂肪質の吸収を30%程度減少させる。今まで報告された研究結果によると、オルリスタットを1年間投与した場合、偽薬群に比べて2.7kg乃至は2.9%の体重減少を見せた。しかし、オルリスタットを使用する場合は、下痢、脂肪便、大便失禁などの副作用があり、韓国人のように脂肪摂取が西洋人に比べて少ない場合は薬物の効果が明らかではない。肥満治療のために今まで開発された薬物等の限界により、抗肥満効果が高く副作用の少ない新しい作用メカニズムを持った薬物の開発が切実に要求されているのが実情である。
【0005】
伝統医学で使われている天然物薬剤を用いる場合、長い間使われてきたため、開発される薬物による毒性の恐れが少ないという長所があるだけでなく、認められた薬効に基づいて新しい活性成分を発見し得る可能性が非常に高い。
【0006】
かかるゆえ、本発明者等は経済的効用価値が高く副作用の少ない天然製剤を用いて、より効率的な肥満治療及び予防法を探すために脂肪細胞分化阻害剤を探索した結果、薬用植物である零陵香抽出物が肥満予防及び治療に優れた効果を持つことを確認し、本発明を完成した。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、脂肪細胞分化の阻害と、肥満動物モデルにおいて体重及び体脂肪の減少に明確な効果のある薬物である、零陵香抽出物を有効性分として含有した肥満予防及び治療の原料、機能性食品、化粧品、生薬剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、零陵香から収得した、低い細胞毒性、脂肪細胞分化の阻害、及び肥満動物モデルにおける体重と体脂肪減少の効能を有する抽出物を、その特徴とする。
【0009】
本発明による零陵香抽出物を製造するにあたって、
(1)零陵香を乾燥粉砕する段階;
(2)上記(1)で収得した零陵香の重量を基準に、5〜50倍の有機溶媒を加えて溶媒抽出する段階;及び
(3)有機溶媒抽出溶液をろ過紙を用いてろ過した後、40℃以下の温度で減圧濃縮する段階;を含む、零陵香から、脂肪細胞分化の阻害、体重及び体脂肪減少の効能を有する抽出物を分離する方法を提供する。
【0010】
上記方法で提供される本発明の零陵香抽出物は、脂肪細胞分化の阻害、肥満動物モデルにおける体重及び体脂肪の減少に優れた効果があるので、肥満予防及び治療剤の原料、機能性食品、化粧品、及び生薬剤等に使われることができる。
【0011】
一具体例で、脂肪前駆細胞株であるNIH 3T3−L1細胞を脂肪細胞に分化誘導している間、本発明の抽出物を処理して脂肪細胞分化の阻害効能を確認し、肥満動物モデルに投与し体重及び体脂肪減少の効能を観察した。
【0012】
本発明の組成物は、組成物総重量に対して上記抽出物を0.1〜50重量%含む。本発明の零陵香抽出物を含む組成物は、通常の方法による適切な担体、賦形剤または希釈剤を更に含むことができる。本発明の組成物に添加可能な担体、賦形剤及び希釈剤には、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトール、澱粉、アカシアゴム、アルギネート、ゼラチン、リン酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、セルロース、メチルセルロース、アモルファスセルロース、ポリビニールピロリドン、水、メチルヒドロキシベンゾエート、プロピルヒドロキシベンゾエート、タルク、ステアリン酸マグネシウム及び鉱物油が挙げられる。本発明による抽出物を含む組成物は、それぞれ通常の方法によって散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、懸濁液、エマルジョン、シロップ、エアロゾールなどの経口剤型、外用剤、坐剤または滅菌注射溶液の形に剤形化して使われることができる。詳しくは、製剤化する場合は普通使用する充填剤、増量剤、結合剤、湿潤剤、崩解剤、界面活性剤などの希釈剤または賦形剤を用いて調剤できる。経口投与のための固形製剤には錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤などが含まれ、このような固形製剤は上記抽出物に少なくとも一つ以上の賦形剤、例えば、澱粉、カルシウムカーボネート(calcium carbonate)、スクロース(sucrose)、ラクトース(lactose)、ゼラチンなどを混ぜて調剤できる。また、単純な賦形剤以外にステアリン酸マグネシウム、タルクなどの潤滑剤等も使われることができる。経口のための液状製剤には、懸濁剤、内用液剤、乳剤、シロップ剤などが該当するが、よく使われる単純希釈剤である水、リキッドパラフィンの他に、各種賦形剤、例えば湿潤剤、甘美剤、芳香剤、保存剤などが含まれることができる。非経口投与のための製剤には、滅菌水溶液、非水性溶剤、懸濁剤、乳剤、凍結乾燥製剤及び坐剤が含まれる。非水性溶剤、懸濁剤には、プロピレングリコール(propylene glycol)、ポリエチレングリコール、オリーブオイルなどの植物性油、エチルオールレートのような注射可能なエステルなどが使われることができる。坐剤の基剤には、ウィテップゾール(witepsol)、マクロゴール、トゥイーン(tween)61、カカオ脂、ラウリン脂、グリセロゼラチン(glycerogelatin)などが使われることができる。
【0013】
本発明の抽出物は患者の年齢、性別、体重によって変動するが、一般的に0.01〜500mg/kgの量、望ましくは0.1〜100mg/kgの量を1日1回投与するか数回に分けて投与することができる。また同抽出物の投与量は、投与経路、疾病の程度、性別、体重、年齢などによって増減する。したがって、上記投与量は何れの面からも本発明の範囲を限定するものではない。
【0014】
本発明の組成物は、ラット、マウス、家畜、ヒト等の哺乳動物に多様な経路で投与できる。投与のあらゆる方式が予想できるが、例えば、経口、直腸または静脈、筋肉、皮下、子宮内硬膜または脳室内(intracerebroventricular)注射により投与できる。本発明の零陵香抽出物は、毒性及び副作用が殆どないので、予防目的で長期服用する時にも安心して使用することができる。
【0015】
本発明は、上記零陵香抽出物、及び食品学的に許容可能な食品補助添加剤を含む、脳神経系関連の不安症を予防するための健康機能食品を提供する。本発明の山菊花抽出物を含む組成物は、脳神経系関連の不安症を予防するための薬剤、食品及び飲料などに多様に用いられ得る。本発明の抽出物が添加可能な食品には、各種食品類、例えば、飲料、ガム、茶、ビタミン複合剤、健康補助食品類などがあり、丸剤、粉末、顆粒、浸剤、錠剤、カプセルまたは飲料の形で使用することができる。この時、食品または飲料の中の上記抽出物の量は、一般的に本発明の健康食品組成物の場合、全体食品重量の0.01〜15重量%加えることができ、健康飲料組成物の場合は、100mlを基準に、0.02〜10g、望ましくは0.3〜1gの割合で加えることができる。
【0016】
本明細書で定義される食品補助添加剤は、当業界における通常の食品添加剤、例えば香味剤、風味剤、着色剤、充填剤、安定化剤などを含む。本発明による健康飲料組成物は、上記抽出物を指示された割合で必須成分として含有するが、上記抽出物の他に添加される成分に特別な制限はなく、通常の飲料のように色々な香味剤または天然炭水化物などを追加成分として含有できる。上記天然炭水化物の例には、モノサッカリド、例えば、葡萄糖、果糖など;ジサッカリド、例えば、マルトース、スクロースなど;ポリサッカリド、例えば、デキストリン、シクロデキストリン;などの通常の糖、及びキシリトール、ソルビトール、エリスリトールなどの糖アルコールが挙げられる。上述したもの以外の香味剤として、天然香味剤(タウマチン、ステビア抽出物(例えば、レバウデオサイドA、グリチルリチン等))及び合成香味剤(サッカリン、アスパルテーム等)を有利に使用することができる。上記天然炭水化物の比率は本発明の組成物100ml当り、一般的に約1〜20g、望ましくは約5〜12gである。
【0017】
上記以外に、本発明の組成物は各種栄養剤、ビタミン、鉱物(電解質)、合成風味剤及び天然風味剤などの風味剤、着色剤及び増進剤(チーズ、チョコレート等)、ペクチン酸及びその塩、アルギン酸及びその塩、有機酸、保護性コロイド増粘剤、pH調節剤、安定化剤、防腐剤、グリセリン、アルコール、炭酸飲料に使われる炭酸化剤などを含有できる。その他、本発明の組成物は、天然果物ジュース、果物ジュース飲料及び野菜飲料の製造のための果肉を含有してもよく、このような成分は独立的にまたは組み合わせて使用されてもよい。このような添加剤の比率はそれ程重要なものではないが、本発明の組成物100重量部当り0〜約20重量部の範囲から選択されるのが一般的である。
【0018】
以上説明した通り、本発明による零陵香抽出物は、脂肪細胞分化の阻害、及び肥満動物モデルにおける体重及び体脂肪の減少といった抗肥満効果に優れているので、これを有効性分として、肥満予防及び治療の原料、機能性食品、化粧品、生薬剤に用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明を下記の実施例及び実験例により詳細に説明する。但し、下記の実施例及び実験例は本発明を例示するだけであり、本発明の内容は下記の実施例及び実験例により限定されるものではない。
【実施例1】
【0020】
(零陵香(Lysimachiae Foenum-Graeci Herba)抽出物の分離)
乾燥粉砕した零陵香(LysimachiaeFoenum-GraeciHerba)に重量基準で5〜50倍量のアルコール(メタノールまたはエタノール等)を加え、24時間以上還流抽出して活性物質を抽出した。次に、アルコール(メタノールまたはエタノール等)抽出溶液をろ過紙を用いてろ過した後、40℃以下の温度で減圧濃縮した。
【実施例2】
【0021】
(脂肪細胞分化の阻害活性測定)
脂肪前駆細胞株であるNIH 3T3−L1細胞(ATCC CL173)を10%BCS(bovine calf serum)の入っているDMEM培養液で細胞培養した。培養時、脂肪前駆細胞の細胞密度が約90%程度となる場合、デキサメタゾン(Dexamethasone)、IBMX(isobutylmethylxantine)及びインスリンで48時間程度処理した。次に、2日おきにインスリン及び10%FBS(fetal bovine serum)の含まれた培養液に変えながら脂肪細胞分化を誘導した。上記実施例1で収得した零陵香抽出物を脂肪細胞分化誘導の初期段階から2ug/mlの濃度で処理して、零陵香を処理していない対照群と脂肪細胞分化の阻害活性を比較した。また、脂肪細胞分化転写因子であるPPARgamma(peroxisome proliferator-activated receptor gamma)のアゴニスト(agonist)であるGW1929(MERCK)(50nM)を共に処理して、無処理群である対照群と比較した。対照群が80%以上脂肪細胞に分化されるまで処理した。次に、Oil Red Oで染色し顕微鏡で観察した(図1参照)。続いて、中性脂肪を特異的に染色するNile Red(Sigma)を用いて、脂肪細胞に分化される時に明確に蓄積される中性脂肪を検出することにより、脂肪細胞分化の阻害活性程度を定量的に測定した。実施例1の零陵香抽出物を脂肪細胞分化誘導の初期段階から0.1〜20ug/mlの濃度別に処理して対照群と比較した。対照群が90%以上脂肪細胞に分化されるまで処理した。次に、Nile Redで染色した後、475nmで測定した(図2参照)。その結果、図1に示した通り、零陵香抽出物の脂肪細胞分化を効果的に阻害できることが確認された。また、PPARgammaのアゴニストであるGW1929と共に処理した場合、GW1929を処理して脂肪細胞分化を促進した対照群に比べ、脂肪細胞分化が抑剤されることが分かった。図2は、零陵香のアルコール抽出物の濃度別脂肪細胞分化阻害効能を示す。零陵香抽出物の脂肪細胞分化阻害能(IC50)は1〜3ug/mlであった。
【実施例3】
【0022】
(細胞毒性測定)
MRC5(ATCC)とNIH 3T3−L1細胞(ATCC CL173)について実施例1の零陵香抽出物をそれぞれ濃度別に処理し、生きている細胞数を測定して細胞毒性を対照群と比較した(図3参照)。図3に示した通り、零陵香抽出物の細胞毒性(CC50)は20ug/ml濃度以上であった。
【実施例4】
【0023】
(肥満動物モデルであるLep ob/Lep obマウスにおける肥満予防及び治療効果の検定)
C57BL/6JL Lep ob/Lep ob雄性マウス(SPL、Japan)は、レプチン遺伝子の突然変異によりレプチンの分泌が低下して食欲が調節出来ないことから持続的且つ過度に飲食物を摂取する。その結果、脂肪が体内に過多蓄積され血糖が上昇するようになり、出生後約10〜11週齢になると体重が略50g前後となる。したがって、肥満の予防及び治療の効果を調べるために、7週齢のLep ob/Lep ob雄性マウスを各群当り5匹ずつとして、実施例1の零陵香抽出物を100mg/kg/day濃度で12週間経口投与した。陽性対照群にはシブトラミン(20mg/kg/day)を、陰性対照群には0.5%メチルセルロース(MC、methyl cellulose)をそれぞれ同量投与した。投与後、臓器を摘出して重量を測定し、皮下脂肪組織は組織学的に分析した(図4及び5参照)。また、これらマウスから採血して肝酵素数値(AST/ALT)などの血液生化学分析を行なった結果、零陵香抽出物に対する肝毒性は現れなかった。図4に示された通り、零陵香抽出物の投与により、陽性対照群と類似に有意性のある体重減少効果が確認された(P<0.05)。図5は、零陵香抽出物の投与により、陽性対照群と類似に有意性のある皮下脂肪組織の重量減少があったことを示し(P<0.001)、これは脂肪細胞の大きさの減少によるものであることが分かる。
【実施例5】
【0024】
(肥満動物モデルである肥満誘導(DIO)ラットにおける肥満の予防及び治療効果の検定)
肥満の予防及び治療の効果を調べるために8週齢のSD(Sprague Dawley)雄性ラット(DBL、Korea)を各群当り8匹ずつ3つの群に分け、各群に対して正常食餌、高脂肪食餌、高脂肪食餌及び零陵香抽出物(100mg/kg/day、2週間、50mg/kg/day、2週間)の4週間経口投与を行なった。投与終了後、臓器を摘出して重量を測定した(図6参照)。また、これらラットから採血して肝酵素数値(AST/ALT)などの血液生化学分析を行なった結果、零陵香抽出物に対する肝毒性は現れなかった。図6に示された通り、零陵香抽出物の投与により、高脂肪食餌によって肥満を誘導した対照群に比べ、正常食餌群と類似に有意性のある皮下脂肪の減少があったことが確認された(P<0.05)。
【0025】
(製剤例1:散剤の製造)
実施例1の零陵香粗抽出物の乾燥粉末 300mg
乳糖 100mg
タルク 10mg
上記の成分を混合し、気密包材に充填して散剤を製造する。
(製剤例2:錠剤の製造)
実施例1の零陵香抽出物の乾燥粉末 50mg
とうもろこし澱粉 100mg
乳糖 100mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
上記の成分を混合した後、通常の錠剤製造方法にしたがって打錠して錠剤を製造する。
(製剤例3:カプセル剤の製造)
実施例1の零陵香粗抽出物の乾燥粉末 50mg
とうもろこし澱粉 100mg
乳糖 100mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
通常のカプセル剤製造方法にしたがって上記の成分を混合し、ゼラチンカプセルに充填してカプセル剤を製造する。
(製剤例4:注射剤の製造)
実施例1の零陵香抽出物の乾燥粉末 50mg
注射用滅菌蒸溜水 適量
pH調節剤 適量
通常の注射剤製造方法にしたがって1アンプル(2ml)当たり上記の成分含量で製造する。
(製剤例5:液剤の製造)
実施例1の零陵香乾燥粉末 100mg
異性化糖 10g
マンニトール 5g
精製水 適量
通常の液剤製造方法にしたがって精製水にそれぞれの成分を加えて溶解させ、レモン香を適量加えてから上記の成分を混合した後、精製水を加えて全体体積が100mlとなるように調節してから、褐色瓶に充填し滅菌させて液剤を製造する。
(製剤例6:健康食品の製造)
実施例1の零陵香乾燥粉末 1000mg
ビタミン混合物 適量
ビタミンAアセテート 70μg
ビタミンE 1.0mg
ビタミンB 0.13mg
ビタミンB 0.15mg
ビタミンB 0.5mg
ビタミンB12 0.2μg
ビタミンC 10mg
ビオチン 10μg
ニコチン酸アミド 1.7mg
葉酸 50μg
パントテン酸カルシウム 0.5mg
無機質混合物 適量
硫酸第1鉄 1.75mg
酸化亜鉛 0.82mg
炭酸マグネシウム 25.3mg
第1リン酸カリウム 15mg
第2リン酸カルシウム 55mg
クエン酸カリウム 90mg
炭酸カルシウム 100mg
塩化マグネシウム 24.8mg
上記のビタミン及びミネラル混合物の組成比は、健康食品に比較的適合した成分を望ましい実施例により混合組成したが、その配合比を任意に変形実施しても支障はなく、通常の健康食品の製造方法によって上記の成分を混合してから、顆粒を製造し、通常の方法によって健康食品組成物の製造に用いることもできる。
(製剤例7:健康飲料の製造)
実施例1の零陵香抽出物乾燥粉末 1000mg
クエン酸 1000mg
オリゴ糖 100g
梅の実濃縮液 2g
タウリン 1g
精製水を加えた全体 900ml
通常の健康飲料製造方法によって上記の成分を混合してから、約1時間85℃で撹はん加熱した後、作られた溶液をろ過して、滅菌された2リットル容器に取得し密封滅菌後に冷蔵保管して本発明による健康飲料組成物の製造に用いる。
【0026】
上記組成比は、嗜好飲料に比較的適合した成分を望ましい実施例によって混合組成したが、需要階層や需要国家、使用用途など地域的、民族的嗜好などによってその配合比を任意に変形実施しても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】脂肪前駆細胞と脂肪細胞をOil Red Oで染色してから顕微鏡で観察した写真である。
【図2】零陵香抽出物の濃度別脂肪細胞分化の阻害程度を表すグラフである。
【図3】MRC5と3T3−L1細胞株における零陵香抽出物の濃度別細胞毒性程度を表すグラフである。
【図4】零陵香抽出物を肥満動物モデルであるLep ob/Lep obマウスに経口投与した後の体重減少効果を表すグラフである。
【図5】零陵香抽出物を肥満動物モデルであるLep ob/Lep obマウスに経口投与した後の体脂肪減少効果を表すグラフである。
【図6】零陵香抽出物を肥満動物モデルであるDIO(diet-induced obese)ラットに経口投与した後の体脂肪減少効果を表すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
零陵香抽出物を有効性分として含有する肥満予防及び治療用の薬学組成物。
【請求項2】
脂肪細胞分化の阻害活性があることを特徴とする請求項1に記載の薬学組成物。
【請求項3】
カプセル、錠剤、顆粒、粉末または飲料形態であることを特徴とする請求項1又は2に記載の薬学組成物。
【請求項4】
請求項1又は2の組成物を有効性分として含有する、肥満予防及び治療用の薬剤。
【請求項5】
零陵香抽出物を有効性分として含有する、肥満予防及び症状緩和用の化粧料組成物。
【請求項6】
零陵香抽出物を有効性分として含有する、肥満予防及び症状緩和用の健康機能食品。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図1】
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【図5】
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【公表番号】特表2009−536223(P2009−536223A)
【公表日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−518007(P2009−518007)
【出願日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際出願番号】PCT/KR2008/002584
【国際公開番号】WO2008/150068
【国際公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【出願人】(508157956)ニューゲックス インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】