説明

抗菌創傷包帯の作製方法およびその使用

本発明は抗菌創傷包帯の作製方法を開示する。その作製方法は、キトサン繊維をアルカリ化してアルカリ化キトサン繊維を得て、それをクロロ酢酸でエーテル化してカルボキシメチルキトサン繊維を作製する工程からなる。前記繊維は繊維のオープニング、ウェブ形成及びニードリングにより包帯にされる。もうひとつの方法として、最初にキトサン繊維を不織技術によりキトサン不織布にし、カルボキシルメチル化することができる。前記不織布をカット、パッケージ包装および滅菌により創傷包帯にする。本発明はまた前記方法により作製された抗菌創傷包帯の使用も開示する。本発明の包帯は外科創傷、火傷およびほかの慢性外傷に適用することができる。前記包帯は、外傷に巻くと、体液中の水分が失われるのを防ぎ、外傷の治癒に必要な適当な湿潤環境を提供し、しかも外傷表面を水っぽくなく、ふやけさせず、微生物が侵入しない状態に維持することができる。前記包帯は消炎性、止血性及び鎮痛性を有し、かつ外傷の治癒を促進する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は創傷包帯の作製方法、より詳しくは抗菌創傷包帯の作製方法に関し、またその抗菌創傷包帯の使用にも関する。
【背景技術】
【0002】
長年、外科用創傷包帯は無菌の詰め物および綿製のガーゼであり、その使用に際しては若干の制限がある。綿ガーゼは抗菌特性を全く有していない。無菌にしたとしても、綿ガーゼはその使用の過程で微生物に汚染されうる。これらの従来の包帯は傷口に貼りつく傾向があり、新生肉組織に一体化する傾向すらあり、包帯を交換するときに患者に苦痛を与え、新たな外傷をつくってしまう。包帯交換後に創傷面に残ったこれら従来の包帯の断片は外傷の治癒に影響を及ぼしうる。合成材料でできたほかの包帯もまた上記と同じ欠点を有している。
【0003】
慢性外傷を治療する場合には、創傷包帯は多量の滲出液を吸収し、同時に外傷の治癒を促進することが望ましい。現在広く使用されているアルギン酸塩繊維包帯は多量の滲出液を出している外傷を治療するのに充分な吸収能力を有していない。
【0004】
火傷患者を治療する場合の、水分の蒸発と微生物の侵入を防ぐための代表的な治療は、壊死組織を切除した後に傷を包帯で覆うことである。ブタおよびヒトの皮膚は有効な火傷用包帯であることが証明されている。しかしながらそのような皮膚には、コストが高いということと異種抗原の皮膚に拒絶反応を示すという欠点がある。
【0005】
WO94/16746には自身の重量の15倍の生理食塩水を吸収することができる、カルボキシメチルセルロースを含む創傷包帯が開示されている。そのようなセルロースは外科手術や慢性外傷に適用することができる。WO99/02093にはカルボキシメチルセルロース製の創傷包帯およびその作製方法が開示されている。しかしながら、上記の二つの発明は湿潤環境を供給することによってのみ外傷の治癒を促進する。それゆえ、外科手術および火傷の治療のための、消炎止血作用を有する生物創傷包帯を創り出すことには非常に意義がある。そのような包帯は外傷に貼りつかず、ヒトの組織に吸収され、従って患者の苦痛をとり除くことができる。
【0006】
キトサンとしても知られているポリアセチルグルコサミンは、広く天然に存在するアミロースである。キトサンは真菌の細胞壁や、エビ、カニ及び昆虫の甲殻の主要な成分である。キトサンはリゾチームにより加水分解された後にヒトの組織に吸収されるという独特の性質を有している。この材料は無毒性、無臭でヒトの組織と相溶性があり、免疫反応を起こさない。キトサンはまた、抗菌性、消炎性、止血性および鎮痛性作用を有する。キトサンはまた外傷の治癒も促進する。
【0007】
カルボキシメチルキトサンは、キトサンのカルボキシルメチル化後のキトサン誘導体の範疇に入る。多数のキトサン誘導体の中で、カルボキシメチルキトサンは非常に重要であり、広く食品保存剤、化粧品および医薬に使用されている。「Studies on Carboxymethyl
Chitosan's Structure and Anti-microbial Capabilities, L Chen et al. Journal of Wuhan University, April, 2000」において、カルボキシメチルキトサンの製造方法およ
びその優れた抗菌特性が議論されている。中国の発明特許出願番号92106598.7、03153650.6、20040015093.1等はまた、カルボキシメチルキトサンの別の分野での応用を開示している。
【0008】
それに加えて、US20050058694は部分的にカルボキシメチルキトサンから構成される創
傷包帯について言及している。カルボキシルメチル化はキトサン繊維をクロロ酢酸及び水酸化ナトリウムを含む水/アルコール溶液で処理する、1工程の方法によってなされる。得られる包帯は水の存在下で半透明なゲル状物質となり、またその繊維構造は視認できる。カルボキシメチル繊維は吸水能力が高いので、不織技術によりカルボキシメチル繊維を不織布にする際の不織布の後続処理における、繊維のオープニングおよびウェブ形成は困難である。更に、不織布機で処理された後、カルボキシメチル繊維表面の繊維仕上げが不織布を疎水性にし、包帯の液体吸収性に影響を与える。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本願発明が解決する最初の技術的課題は、抗菌創傷包帯の作製方法を提供することである。その包帯は外科創傷、火傷及び他の慢性外傷に使用することができる。該包帯は、外傷に巻くと、体液中の水分が失われるのを防ぎ、外傷の治癒に適切な湿潤環境を提供し、しかも外傷表面を水っぽくなく、ふやけさせず、微生物が侵入しない状態に維持することができる。前記包帯は消炎性、止血性及び鎮痛性を有し、かつ外傷の治癒を促進する。
【0010】
本発明が解決するもうひとつの技術的課題は、従来技術における不織技術によるカルボキシメチル繊維製の不織布の疎水性という不都合を回避することである。疎水性は包帯の液体吸収性に影響を与える。
【0011】
本発明が解決する3番目の技術的課題は、不織技術によりカルボキシメチル繊維を不織布にする際の不織布の後工程の、繊維のオープニング及びウェブ形成における、従来技術のカルボキシメチル繊維の高い吸水性により生じる困難を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の技術的課題を解決するために、本発明により、カルボキシメチルキトサン包帯を作製するための2工程の方法が提供される。その2工程の方法とは:
キトサン繊維を浴比1:20〜60で、0.5〜6時間、室温で40〜50%NaOH溶液と接触させ
てアルカリ化キトサン繊維を得て、そのアルカリ化生成物を無水エタノールで洗浄する工程と;
前記生成物をイソプロパノール中のクロロ酢酸と接触させる工程とを含む。クロロ酢酸の濃度は20〜40%である。反応温度は35〜75℃である。反応時間は1〜8時間である。反応
後、残留溶液を除去し、無水エタノールで洗浄する。カルボキシメチルキトサン繊維は風乾後、このようにして得られる。
【0013】
風乾したカルボキシメチルキトサン繊維を、繊維のオープニング、ウェブ形成及びニードリングをして、30〜200g/m2の不織布に転換する。前記不織布をカットし、パッケージ
包装し、滅菌することによって抗菌カルボキシメチルキトサン包帯にする。
【0014】
好ましくは、風乾後かつ繊維のオープニングの前に非修飾キトサン繊維を加える。キトサン繊維とカルボキシメチルキトサン繊維との重量比は1:9〜9:1である。混合すると、不織創傷包帯の強度が向上する。
【0015】
より好ましくは、前記包帯の医療特性を変化または向上させるために、様々な方法によって本発明の創傷包帯にさまざまな添加剤を加える。例えばナノ銀が、前記包帯の抗菌特性を改良するために前記キトサン繊維の作製工程で添加される。作製方法は以下のとおりである:
キトサン繊維の作製において、0.1〜1重量%のナノ銀粒子を撹拌された溶液中に添加す
る。
【0016】
もうひとつの方法として、カルボキシメチルキトサン包帯を作製する、以下のような2工程の方法でもよい:
キトサン繊維を、繊維のオープニング、ウェブ形成及びニードリングをして、30〜200g/m2の不織布にする;
前記不織布を浴比1:20〜60で、0.5〜6時間、室温で40〜50%NaOH溶液と接触させて
アルカリ化された生成物を得て、そのアルカリ化生成物を無水エタノールで洗浄する;
前記生成物をイソプロパノール中のクロロ酢酸と接触させる。クロロ酢酸の濃度は20〜40%である。反応温度は35〜75℃である。反応時間は1〜8時間である。反応後、残留溶液
を除去し、無水エタノールで洗浄して風乾する;
カルボキシメチルキトサン不織布をカットし、パッケージ包装および滅菌することによってカルボキシメチルキトサン不織包帯にする。
【0017】
前記包帯は水中で膨潤し、弾性のあるゲル状物質になり、それは自重の約30倍の重量の水を吸収することができ、その吸収量は他の創傷包帯のそれよりもはるかに高い。
本発明のカルボキシメチルキトサン繊維は単繊維の繊度が0.5〜5dtexであり、強度は0.8〜2.2cN/dtexである。カルボキシメチル置換の程度は0.4〜0.8である。
【0018】
本発明の創傷包帯の医療特性は、カルボキシメチルキトサン繊維またはカルボキシメチルキトサン不織布の作製工程においてナノ銀を導入することにより改良することができ、包帯の抗菌性が向上する。作製方法は以下のとおりである:
得られた前記のカルボキシメチルキトサン繊維またはカルボキシメチルキトサン不織布を硝酸銀とエタノール溶媒中で接触させてナトリウムイオンを銀イオンと交換させる。硝酸銀溶液の濃度は0.5〜10%である。反応温度は20〜30℃である。反応時間は0.5〜2時間である。反応後、残留溶液を除去し、無水エタノールで洗浄して風乾する。
【0019】
本発明の創傷包帯の親水性はプラズマ処理で改良することができる。その保水特性は架橋処理によっても改良することができる。
プラズマ処理で創傷包帯の親水性が改良されるメカニズムは、創傷包帯の表面の化学結合を開裂させて、そこに親水性基が結合するのを促進することである。不活性ガスまたは親水性物質をキャリアーとして使用した場合、プラズマ処理を行うと親水性が大幅に増加する。プラズマは重合を開始するためのエネルギー源として使用される。適当な温度での数秒ないし数分の短時間照射の後、重合反応が気相で開始する。重合鎖の伸張及び終結は液相及び固相で行われる。低温プラズマで開始した反応は、(1)材料の表面上、数十ナノ
メーターの深さまでのみ有効であり、基材の特性に影響を与えない;(2)様々な形状の表面を処理することができる;(3)殺菌力が高く、医療用生物材料の分野における、満足のできる表面処理であるとみなされるということを特徴とし、医療用生物材料の特性を著しく改善することができる。
【0020】
大気圧下で得られた前記創傷包帯のプラズマ処理において、プラズマ放電電力は20W〜100Wであり、放電時間は10秒〜30分である。前記包帯を親水性溶液に5秒〜60分間懸濁させる。
【0021】
得られた前記創傷包帯の低温プラズマ処理において、作製された不織包帯を、容量結合装置に接続されたプラズマ反応装置内に配置する。
前記包帯の親水性基の結合または重合においては、真空装置内に修飾ガスが供給された状態であり、修飾圧力は20〜80Paであり、修飾時間は1〜30分である;
修飾後、2〜8Paの真空背景、白熱放電の間、グラフト重合圧力10〜60Pa、放電時間2〜60分、放電電力30〜80Wでグラフト重合が行われる。
【0022】
プラズマ処理された包帯は水中で膨潤し、弾性のあるゲル状物質になり、それは自重の30倍をこえる水を吸収することができ、その数値は処理されていない創傷包帯のものよりも高い。
【0023】
抗菌創傷包帯に架橋処理をすると、液体と接触して形成されたゲルのわずかな部分がしばらくすると溶解する、という未処理の創傷包帯の欠点が解消される。架橋処理は以下のとおりである:
熱架橋:所定の寸法の創傷包帯を真空オーブン内に配置し、真空下50〜80℃で1〜5 時
間予熱し;オーブンの温度を80〜140℃に上げ;2時間ないし4日間熱架橋させる。真空に
保ちながらオーブンを室温まで冷却し、包帯を取り出す。
【0024】
化学架橋:作製された創傷包帯の化学架橋においては、所定の寸法の創傷包帯をグルタルアルデヒド溶液に入れ、室温で5〜60分浸漬させ;酸により溶液を酸性にかえて室温で2〜48時間放置し、架橋していない架橋剤が除去されるまでリン酸緩衝液で十分に創傷包帯を洗浄する。
【0025】
UV架橋:所定の寸法の創傷包帯を235〜300nmの波長の紫外線下に配置し;5〜60分間紫
外線照射する。
創傷包帯の実用性は、上述したようにプラズマ処理及び架橋処理により著しく高まる。包帯の親水性はこのようにして改良される。液体と接触して形成したゲルのわずかな部分がしばらくすると溶解する、という未処理の創傷包帯の欠点も回避される。前記包帯は外科手術創傷の止血に適用することができ、体内に残され、その後吸収される。前記包帯は外科創傷、火傷及び他の慢性外傷に適用することができる。前記包帯を外傷部に巻くと、体液中の水分が失われるのを防ぎ、外傷の治癒に適切な湿潤環境を提供し、しかも外傷表面を水っぽくなく、ふやけさせず、微生物が侵入しない状態に維持することができる。前記包帯は消炎性、止血性及び鎮痛性を有し、外傷の治癒を促進する。
【0026】
本発明の創傷包帯は外科及び火傷の治療の分野に適用できる。前記創傷包帯は慢性外傷だけでなく外科創傷及び火傷用の包帯にすることができる。
本発明の創傷包帯は消炎止血用の外傷詰め物およびタンポンガーゼ(引流棉条)とすることができ、それらは外科創傷に貼付して止血することができ、人体の中に残され、その後吸収される。
【0027】
本発明の創傷包帯は複合包帯の内側層として使用することができる。片側に接着剤がついた半透明または不透明なフィルムが外側層として使用される場合には、前記包帯は島様の外科創傷用包帯にすることができる。
【0028】
先行技術と比較して、本発明は以下のような利点を有している:本発明の抗菌創傷包帯は外科創傷、火傷及び他の慢性外傷に適用することができる。前記包帯を外傷部に巻くと、体液中の水分が失われるのを防ぎ、外傷の治癒に適切な湿潤環境を提供し、しかも外傷表面を水っぽくなく、ふやけさせず、微生物が侵入しない状態に維持することができる。前記包帯は消炎性、止血性及び鎮痛性を有し、外傷の治癒を促進する。
【0029】
加えて、本発明の方法は不織技術によりカルボキシルメチル繊維が不織布にされた場合の疎水性の問題を解決する。前記方法は、不織技術によりカルボキシメチル繊維を不織布にする際の不織布の後処理の間で、繊維のオープニング及びウェブ形成における従来技術の困難性をも解決する。
【0030】
実施態様
本発明を以下の実施例により更に説明する:
【実施例1】
【0031】
100gのキトサン繊維を浴比1:20で、0.5時間、室温で40%NaOH溶液と接触させてアルカリ化キトサン繊維を得て、そのアルカリ化生成物を無水エタノールで洗浄する;前記生成物をイソプロパノール中のクロロ酢酸と接触させる、クロロ酢酸の濃度は20%であり、反応
温度は35℃であり、反応時間は1時間である。反応後、残留溶液を除去し、無水エタノー
ルで洗浄する。風乾後、カルボキシメチルキトサン繊維を得る。前記生成物を細断、繊維のオープニング、ウェブ形成及びニードリングして50g/m2の不織布にする。前記不織布をカット、パッケージ包装および滅菌することにより包帯a1を得る。包帯a1は10cm2より小
さな外傷に好適である。
【実施例2】
【0032】
a1を作製するのに使用したカルボキシメチルキトサン繊維にキトサン繊維を添加する。キトサン繊維とカルボキシメチルキトサン繊維との重量比は9:1である。生成物を混合、
細断、繊維のオープニング、ウェブ形成及びニードリングして100g/m2の不織布にする。
前記不織布をカット、パッケージ包装および滅菌することにより包帯a2を得る。包帯a2は比較的大きな火傷に好適である。
【実施例3】
【0033】
a2を作製するためのキトサン繊維を調製する際に、0.1重量%のナノ銀粒子を撹拌した溶液に添加し、ナノ銀粒子を含有した、カルボキシメチルキトサン繊維及びキトサン繊維のブレンドでできた不織創傷包帯を得、これをa3とする。
【実施例4】
【0034】
a1を作製するためのカルボキシメチルキトサン繊維をエタノール溶媒中で硝酸銀と接触させて、ナトリウムイオンを銀イオンと交換させる。硝酸銀溶液の濃度は0.5%である。反応温度は20℃である。反応時間は0.5時間である。反応後、残留溶液を除去し、無水エタ
ノールで洗浄して風乾し、銀イオン含有カルボキシメチルキトサン繊維を得る。最終生成物である不織創傷包帯a4は銀イオン含有カルボキシメチルキトサン繊維でできている。
【実施例5】
【0035】
100gのキトサン繊維を浴比1:40で、1時間、室温で45%NaOH溶液と接触させてアルカリ化キトサン繊維を得て;アルカリ化生成物を無水エタノールで洗浄する;前記生成物をイソプロパノール中のクロロ酢酸と接触させる、クロロ酢酸の濃度は30%であり、反応温度は60℃であり、反応時間は3時間である。反応後、残留溶液を除去し、無水エタノールで洗浄する。風乾後、カルボキシメチルキトサン繊維を得る。前記生成物を細断、繊維のオープニング、ウェブ形成及びニードリングして50g/m2の不織布にする。前記不織布をカット、パッケージ包装および滅菌することにより包帯b1を得る。包帯b1は10cm2より小さな外傷に好適である。
【実施例6】
【0036】
b1を作製するのに使用したカルボキシメチルキトサン繊維にキトサン繊維を添加する。キトサン繊維とカルボキシメチルキトサン繊維との重量比は8:2である。生成物を細断、
混合、繊維のオープニング、ウェブ形成及びニードリングして100g/m2の不織布にする。
前記不織布をカット、パッケージ包装および滅菌することにより包帯b2を得る。包帯b2は比較的大きな火傷に好適である。
【実施例7】
【0037】
b2を作製するためのキトサン繊維を調製する際に、0.5重量%のナノ銀粒子を撹拌した溶液に添加し、ナノ銀粒子を含有した、カルボキシメチルキトサン繊維及びキトサン繊維の
ブレンドでできた不織創傷包帯を得、これをb3とする。
【実施例8】
【0038】
b1を作製するためのカルボキシメチルキトサン繊維をエタノール溶媒中で硝酸銀と接触させて、ナトリウムイオンを銀イオンと交換させる。硝酸銀溶液の濃度は5%である。反応温度は25℃である。反応時間は1時間である。反応後、残留溶液を除去し、無水エタノー
ルで洗浄して風乾し、銀イオン含有カルボキシメチルキトサン繊維を得る。最終生成物である不織創傷包帯b4は銀イオン含有カルボキシメチルキトサン繊維でできている。
【実施例9】
【0039】
100gのキトサン繊維を浴比1:60で、6時間、室温で50%NaOH溶液と接触させてアルカリ化キトサン繊維を得て;そのアルカリ化生成物を無水エタノールで洗浄する;前記生成物をイソプロパノール中のクロロ酢酸と接触させる、クロロ酢酸の濃度は40%であり、反応温
度は75℃であり、反応時間は8時間である。反応後、残留溶液を除去し、無水エタノール
で洗浄する。風乾後、カルボキシメチルキトサン繊維を得る。前記生成物を細断、繊維のオープニング、ウェブ形成及びニードリングして50g/m2の不織布にする。前記不織布をカット、パッケージ包装および滅菌することにより包帯c1を得る。包帯c1は10cm2より小さな外傷に好適である。
【実施例10】
【0040】
c1を作製するのに使用したカルボキシメチルキトサン繊維にキトサン繊維を添加する。キトサン繊維とカルボキシメチルキトサン繊維との重量比は1:9である。生成物を細断、
混合、繊維のオープニング、ウェブ形成及びニードリングして100g/m2の不織布にする。
前記不織布をカット、パッケージ包装および滅菌することにより包帯c2を得る。包帯c2は比較的大きな火傷に好適である。
【実施例11】
【0041】
c2を作製するためのキトサン繊維を調製する際に、1重量%のナノ銀粒子を撹拌した溶液に添加し、ナノ銀粒子を含有した、カルボキシメチルキトサン繊維及びキトサン繊維のブレンドでできた不織創傷包帯を得、これをc3とする。
【実施例12】
【0042】
c1を作製するためのカルボキシメチルキトサン繊維をエタノール溶媒中で硝酸銀と接触させて、ナトリウムイオンを銀イオンと交換させる。硝酸銀溶液の濃度は10%である。反
応温度は30℃である。反応時間は2時間である。反応後、残留溶液を除去し、無水エタノ
ールで洗浄して風乾し、銀イオン含有カルボキシメチルキトサン繊維を得る。最終生成物である不織創傷包帯c4は銀イオン含有カルボキシメチルキトサン繊維でできている。
【実施例13】
【0043】
100gのキトサン不織布を浴比1:20で、0.5時間、室温で40%NaOH溶液と接触させてアルカリ化キトサン不織布を得て、そのアルカリ化生成物を無水エタノールで洗浄する;前記生成物をイソプロパノール中のクロロ酢酸と接触させる、クロロ酢酸の濃度は20%であり、
反応温度は35℃であり、反応時間は1時間である。反応後、残留溶液を除去し、無水エタ
ノールで洗浄する。風乾後、カルボキシメチルキトサン不織布を得る。前記不織布をカット、パッケージ包装および滅菌することにより包帯d1を得る。包帯d1は10cm2より小さな
外傷に好適である。
【実施例14】
【0044】
d1を作製するためのカルボキシメチルキトサン不織布を硝酸銀とエタノール中で接触させて、ナトリウムイオンを銀イオンと交換させる。硝酸銀溶液の濃度は0.5%である。反応
温度は20℃である。反応時間は0.5時間である。反応後、残留溶液を除去し、無水エタノ
ールで洗浄して風乾し、銀イオン含有カルボキシメチルキトサン不織布を得、これをd2とする。
【実施例15】
【0045】
100gのキトサン不織布を浴比1:40、1時間、室温で45%NaOH溶液と接触させてアルカリ化されたキトサン不織布を得て、アルカリ化生成物を無水エタノールで洗浄する;前記生成物をイソプロパノール中クロロ酢酸と接触させる、クロロ酢酸の濃度は30%であり、反応
温度は60℃であり、反応時間は3時間である。反応後、残留溶液を除去し、無水エタノー
ルで洗浄する。風乾後、カルボキシメチルキトサン不織布を得る。前記不織布をカット、パッケージ包装および滅菌することにより包帯e1を得る。包帯e1は10cm2より小さな外傷
に好適である。
【実施例16】
【0046】
e1を作製するためのカルボキシメチルキトサン不織布をエタノール中で硝酸銀と接触させて、ナトリウムイオンを銀イオンと交換させる。硝酸銀溶液の濃度は5%である。反応温度は25℃である。反応時間は1時間である。反応後、残留溶液を除去し、無水エタノール
で洗浄して風乾し、銀イオン含有カルボキシメチルキトサン不織布を得、これをe2とする。
【実施例17】
【0047】
100gのキトサン不織布を浴比1:60で、6時間、室温で50%NaOH溶液と接触させてアルカリ化キトサン不織布を得て、そのアルカリ化生成物を無水エタノールで洗浄する;前記生成物をイソプロパノール中のクロロ酢酸と接触させる、クロロ酢酸の濃度は40%であり、反
応温度は75℃であり、反応時間は8時間である。反応後、残留溶液を除去し、無水エタノ
ールで洗浄する。風乾後、カルボキシメチルキトサン不織布を得る。前記不織布をカット、パッケージ包装および滅菌することにより包帯f1を得る。包帯f1は10cm2より小さな外傷に好適である。
【実施例18】
【0048】
f1を作製するためのカルボキシメチルキトサン不織布をエタノール中で硝酸銀と接触させて、ナトリウムイオンを銀イオンと交換させる。硝酸銀溶液の濃度は10%である。反応
温度は30℃である。反応時間は2時間である。反応後、残留溶液を除去し、無水エタノー
ルで洗浄して風乾し、銀イオン含有カルボキシメチルキトサン不織布を得、これをf2とする。
【実施例19】
【0049】
包帯a1を、容量結合装置に接続したプラズマ反応装置内に配置する。前記包帯の親水性基の結合または重合において、真空反応装置に酸素が供給され、修飾後、真空背景2Pa、
白熱放電でグラフト重合を行う。修飾圧力は20Pa、修飾時間は1分;グラフト重合の圧力
は10Pa、放電時間は2分で、放電電力は30Wである。得られた製品はA1である。
【実施例20】
【0050】
包帯a1を、容量結合装置に接続したプラズマ反応装置に配置する。前記包帯の親水性基の結合または重合において、真空反応装置に窒素または水素が供給され、修飾後、真空背景6Pa、白熱放電でグラフト重合を行う。修飾圧力は40Pa、修飾時間は15分;グラフト重
合の圧力は30Pa、放電時間は20分で、放電電力は50Wである。得られた製品はB1である。
【実施例21】
【0051】
包帯a1を容量結合装置に接続したプラズマ反応炉内に配置する。前記包帯の親水性基の
結合または重合において、真空反応炉に不活性ガスが供給され、修飾後、真空背景8Pa、
白熱放電でグラフト重合を行う。修飾圧力は80Pa、修飾時間は30分;グラフト重合の圧力は60Pa、放電時間は60分で、放電電力は80Wである。得られた製品はC1である。
【実施例22】
【0052】
熱架橋させるために包帯a1を真空オーブンに入れ、50℃で1時間吸引し;オーブンの温
度を80℃まであげ、2時間熱架橋させる;真空に保ち、オーブンを室温まで冷却し、包帯
を取り出す。処理された包帯を滅菌し、製品A2を得、保存する。
【実施例23】
【0053】
熱架橋させるために包帯a1を真空オーブンに入れ、60℃で3時間吸引し;オーブンの温
度を120℃まであげ、1日間熱架橋させる;真空に保ち、オーブンを室温まで冷却し、包帯を取り出す。処理された包帯を滅菌し、製品B2を得、保存する。
【実施例24】
【0054】
熱架橋させるために包帯a1を真空オーブンに入れ、80℃で5時間吸引し;オーブンの温
度を140℃まであげ、4日間熱架橋させる;真空に保ち、オーブンを室温まで冷却し、包帯を取り出す。処理された包帯を滅菌し、製品C2を得、保存する。
【実施例25】
【0055】
包帯a1をグルタルアルデヒド溶液に入れ、室温で5分間浸漬させる;溶液を酸により酸
性に変え、室温で2時間放置し架橋させ、架橋していない架橋剤が除去されるまでリン酸
緩衝液で十分に創傷包帯を洗浄する。処理された包帯を滅菌し、製品A3を得、保存する。
【実施例26】
【0056】
包帯a1をグルタルアルデヒド溶液に入れ、室温で30分間浸漬させる;溶液を酸により酸性に変え、室温で24時間放置し架橋させ、架橋していない架橋剤が除去されるまでリン酸緩衝液で十分に創傷包帯を洗浄する。処理された包帯を滅菌し、製品B3を得、保存する。
【実施例27】
【0057】
包帯a1をグルタルアルデヒド溶液に入れ、室温で60分間湿らせる;溶液を酸により酸性に変え、室温で48時間放置し架橋させ、架橋していない架橋剤が除去されるまでリン酸緩衝液で激しく創傷包帯を洗浄する。処理された包帯を滅菌し、製品C3を得、保存する。
【実施例28】
【0058】
包帯a1にUV架橋を行う:包帯a1を波長253.7nmの紫外線下に配置し;5分間紫外線照射し、処理された創傷包帯を滅菌し、製品A4を得、保存する。
【実施例29】
【0059】
包帯a1にUV架橋を行う:包帯a1を波長253.7nmの紫外線下に配置し;30分間紫外線照射
し、処理された包帯を滅菌し、製品B4を得、保存する。
【実施例30】
【0060】
包帯a1にUV架橋を行う:包帯a1を波長253.7nmの紫外線下に配置し;60分間紫外線照射
し、処理された包帯を滅菌し、製品C4を得、保存する。
【実施例31】
【0061】
実施例1〜10の不織包帯を10cm*10cmにカットし、パッケージ包装及び滅菌を行い、
外科創傷、火傷及び慢性外傷用の創傷包帯を得る。
【実施例32】
【0062】
実施例1〜10の不織包帯を4cm*20cmにカットし、それを片側に医療用接着剤がついた透明フィルム、9cm*25cmの接着剤側に貼付する。接着剤側にシリコン紙を貼付する。パッケージ包装及び滅菌をして、島様の外科用包帯を得る。
【実施例33】
【0063】
実施例1〜10の不織布はパッケージ包装および滅菌をして消炎止血用の外傷詰め物にすることができる。
【実施例34】
【0064】
実施例1〜10の不織包帯を4cm*10cmにカットし、パッケージ包装及び滅菌をして消炎タンポンガーゼ(引流棉条)を得る。
本発明を以下の実験により更に説明する。
【0065】
実験1:カルボキシメチルキトサン包帯の抗菌試験結果1
試験サンプルは実施例1〜18の製品である;対照サンプルは通常の医療用ガーゼ(上
海No.21繊維工場)である。
【0066】
試験方法は、AATCC100-1999、繊維の抗菌特性評価に従う。
【0067】
【表1】

【0068】
注1.サンプルの添加なしで振盪前後での平均細菌コロニーの差は10%未満である。試験は
信頼できる。
注2.試験サンプルと対照との抗菌割合の差が26%を超える場合には、試験サンプルは抗菌
性を有する。
実験結果によれば、実施例1〜18の全ての製品は抗菌特性を有している。
【0069】
実験2:液体吸収試験1
試験サンプルの調製:実施例1に従ってカルボキシメチルキトサン不織布a1を得る(試験サンプル)。実施例19-21に従って低温プラズマ処理された製品A1、B1、C1(試験サンプル)を得る。通常の2層医療用ガーゼ(上海No.21繊維工場)を対照として使用する。以上の全てのサンプルを5cm*5cmにカットする。
【0070】
試験溶液の調製:8.298gの塩化ナトリウム及び0.368gの塩化カルシウムを1000mlの脱イオン水に溶解させる。
試験装置
精度0.001gの分析天秤;インキュベーター;ペトリ皿。
【0071】
試験方法
4.1 天秤でW1グラムのサンプルを量り取る;
4.2 サンプルをペトリ皿に入れ、サンプルの40倍の重量の試験溶液を加える;
4.3 ペトリ皿を37℃のインキュベーターに30分間入れる;
4.4 鉗子でサンプルを懸濁させ、空気中に30秒間放置する;
4.5 天秤でサンプルの重量W2グラムを量る;
4.6 以下の式により液体吸収率を計算する:
a=(W2-W1)/W1、aは液体吸収率である。
4.7 2回の試験結果の算術平均を計算する(表2参照)。
【0072】
【表2】

【0073】
結果:a1の液体吸収率は対照サンプルの2.03倍であり、A1の液体吸収率はa1の1.09倍、対
照サンプルの2.14倍であり、B1の液体吸収率はa1の1.13倍、対照サンプルの2.29倍であり、C1の液体吸収率はa1の1.12倍、対照サンプルの2.27倍である。この結果は、プラズマ処理が創傷包帯の親水性を増加させることができることを証明している。
【0074】
実験3:湿潤破断強度試験
1.試験サンプルの調製:実施例22〜30に従い架橋処理された抗菌創傷包帯を得る(試験サ
ンプル)。対照サンプルとして実施例1に従い未処理抗菌創傷包帯a1を得る。上記の全てのサンプルを2cm*4cmにカットする。
2. サンプルを、ペトリ皿に入った、サンプル重量の40倍の脱イオン水に入れる;
3. ペトリ皿を37℃のインキュベーターに30分間入れる;
4. インキュベーターからペトリ皿を取り出し、鉗子でサンプルを懸濁させて空気中に30秒間放置する;
5. 万能試験機DXLL型電子式伸張機-20000の上側プライヤーでサンプルの一端をはさむ。サンプルをつるして下側のプライヤーのところまで下げ、プライヤーできつく挟む。この
ときはサンプルを伸ばしてはならず、緩めてはならない。
6. 伸張速度100mm/分でサンプルが破断するまで引張る;
7. 最大破断引張り強さをN単位で記録する;
8. 試験結果を計算する。
湿潤破断強度(N/cm)=最大破断引張り強さ (N)/サンプルの幅(cm);
9. 試験結果の表示
2回の試験結果の算術平均を計算する(表3参照)。
【0075】
【表3】

【0076】
注1.対照サンプルは溶液と接触するとゲルを形成し、それはしばらくすると一部溶解し
た。そのため湿潤破断強度は得られない。注2.試験サンプルは溶液と接触するとゲルを形成し、それはしばらくしても溶解しない。従って化学架橋後は3N/cmを超える湿潤破断強
度が得られる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キトサン繊維からカルボキシメチルキトサン不織布を作製し、それをカット、パッケージ包装および滅菌することにより創傷包帯とすることを含む抗菌創傷包帯の作製方法であって、
キトサン繊維からカルボキシメチルキトサン不織布を作製する工程が、
キトサン繊維を浴比1:20〜60で、0.5〜6時間、室温で40〜50%NaOH溶液と接触させ
てアルカリ化キトサン繊維を得て、そのアルカリ化生成物を無水エタノールで洗浄する工程と、
該生成物を反応温度35〜75℃、反応時間1〜8時間で、イソプロパノール中の20〜40%濃
度のクロロ酢酸と接触させる工程と、
反応後、残留溶液を除去し、無水エタノールで洗浄し、風乾させた後にカルボキシメチルキトサン繊維を得る工程と、
繊維を細断、オープニング、ウェブ形成およびニードリングすることにより不織布を作製する工程と
を含むことを特徴とする抗菌創傷包帯の作製方法。
【請求項2】
カルボキシメチルキトサン繊維をエタノール溶媒中で硝酸銀と接触させてナトリウムイオンを銀イオンと交換し、その際硝酸銀溶液の濃度は0.5〜10%であり、反応温度は20〜30℃であり、反応時間は0.5〜2時間であり、その反応後に、残留溶液を除去し、無水エタ
ノールで洗浄して風乾することを特徴とする請求項1に記載の抗菌創傷包帯の作製方法。
【請求項3】
風乾後かつ繊維のオープニングの前にキトサン繊維を加え、そのキトサン繊維と前記カルボキシメチルキトサン繊維との重量比は1:9〜9:1であることを特徴とする請求項1または2に記載の抗菌創傷包帯の作製方法。
【請求項4】
キトサン繊維を作製する際に、0.1〜1重量%のナノ銀粒子を撹拌された溶液に添加することを特徴とする請求項3に記載の抗菌創傷包帯の作製方法。
【請求項5】
キトサン繊維からカルボキシメチルキトサン不織布を作製し、それをカット、パッケージ包装および滅菌することにより創傷包帯とすることを含む抗菌創傷包帯の作製方法において、キトサン繊維からカルボキシメチルキトサン不織布を作製する工程が、
繊維を細断、オープニング、ウェブ形成およびニードリングすることによりキトサン繊維から不織布を作製する工程と、
前記不織布を浴比1:20〜60で、0.5〜6時間、室温で40〜50%NaOH溶液と接触させて
アルカリ化生成物を得て、そのアルカリ化生成物を無水エタノールで洗浄する工程と、
該生成物を反応温度35〜75℃、反応時間1〜8時間で、イソプロパノール中の20〜40%濃
度のクロロ酢酸と接触させる工程と、
反応後、残留溶液を除去し、無水エタノールで洗浄し、風乾させてカルボキシメチルキトサン不織布を得る工程と
であることを特徴とする抗菌創傷包帯の作製方法。
【請求項6】
カルボキシメチルキトサン繊維をエタノール溶媒中で硝酸銀と接触させてナトリウムイオンを銀イオンと交換し、その際硝酸銀溶液の濃度は0.5〜10%であり、反応温度は20〜30℃であり、反応時間は0.5〜2時間であり、その反応後に、残留溶液を除去し、無水エタ
ノールで洗浄して風乾することを特徴とする請求項5に記載の抗菌創傷包帯の作製方法。
【請求項7】
容量結合装置に接続したプラズマ反応装置内に前記創傷包帯を配置して低温プラズマ処理を行い、
修飾ガスを真空反応装置に供給した状態、真空背景2〜8Pa、白熱放電、修飾圧力20〜80
Pa、修飾時間1〜30分で前記包帯に親水性基を結合させるかまたは重合させ、
修飾後、真空背景2〜8Pa、白熱放電、グラフト重合圧力10〜60Pa、放電時間2〜60分、
放電電力30〜80Wでグラフト重合を行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載
の抗菌創傷包帯の作製方法。
【請求項8】
所定の寸法の創傷包帯を真空オーブン内に配置し、真空下50〜80℃で1〜5時間予熱し、オーブンの温度を80〜140℃にあげ、2時間ないし4日間熱架橋させて前記創傷包帯を熱
架橋し、真空に保ちながらオーブンを室温まで冷却し、得られたものを取り出すことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の抗菌創傷包帯の作製方法。
【請求項9】
所定の寸法の創傷包帯をグルタルアルデヒド溶液に入れ、室温で5〜60分浸漬させ、酸
により前記溶液を酸性に調節し、2〜48時間室温で放置して前記創傷包帯を化学架橋させ
、架橋していない架橋剤が除去されるまでリン酸緩衝液で十分に前記創傷包帯を洗浄することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の抗菌創傷包帯の作製方法。
【請求項10】
所定の寸法の創傷包帯を紫外線下に配置し、5〜60分間紫外線を照射して前記創傷包帯
を紫外線架橋させることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の抗菌創傷包帯の作製方法。
【請求項11】
外科創傷、火傷および慢性外傷用の包帯を作製するための請求項1〜10のいずれかに記載の抗菌創傷包帯の使用。
【請求項12】
消炎止血用の外傷詰め物を作製するための請求項1〜10のいずれかに記載の抗菌創傷包帯の使用。
【請求項13】
消炎用タンポンガーゼ(引流棉条)を作製するための請求項1〜10のいずれかに記載の抗菌創傷包帯の使用。
【請求項14】
外科包帯を作製するための、複合包帯の内側層としての請求項1〜10のいずれかに記載の抗菌創傷包帯の使用。

【公表番号】特表2008−532662(P2008−532662A)
【公表日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−501137(P2008−501137)
【出願日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【国際出願番号】PCT/CN2005/002290
【国際公開番号】WO2006/097024
【国際公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【出願人】(507312035)理源医▲療▼科技(上海)有限公司 (1)
【Fターム(参考)】