説明

抗血管新生剤としてのヒドロキシルアミン及び誘導体

【解決手段】 本開示は、ヒドロキシルアミン及びそのエステル誘導体を含む化合物、及び血管新生及び関連疾患の治療に対する同化合物を使用する方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連文献の相互参照
本明細書は、2006年2月2日付け出願の米国仮出願第60/764,432号に対して優先権を主張した2007年1月31日付け出願の米国特許第11/669,885号に対して優先権を主張するものであり、これらの開示はこの参照によってその全体が本明細書に組み込まれるものである。
【背景技術】
【0002】
様々な特許及び他の刊行物は本明細書に参照されている。これら特許及び刊行物のそれぞれの内容は、この参照によってその全体が本明細書に組み込まれるものである。同一出願人による同時係属出願米国公開公報第2004/0002461号、第2005/0130906号及び第2005/0131025号の全体の内容は、この参照によって本明細書に組み込まれるものである。
【0003】
血管新生は、新しい血管発生及び形成の複雑な過程である。血管新生は、特異的なシグナルに対する反応で起こり、血管新生増殖シグナル(シグナル群)に反応した血管内皮細胞による基底膜の浸潤、細胞外マトリックスの分解及びシグナル(シグナル群)源への血管内皮細胞の遊走、及びそれに続く増殖及び毛細管の形成によって特徴付けされる複雑な過程に関連するものである。新たに形成された毛細血管を通る血流は、内皮細胞が既存の毛細血管に接触し連結した後開始される。
【0004】
血管新生は、高度に調節されており、様々な血管新生刺激因子及び阻害因子の間のバランスに関連している。正常、成人では新たな血管形成はあまり起こらず、これは血管新生の内因性刺激因子及び阻害因子間の本来のバランスが阻害因子に有意に偏っていることを意味している(Rastinejad et al.,1989,Cell 56、345−355)。しかしながら、創傷治癒、器官再生、胚発生及び女性の生殖過程など正常生理的条件下で血管新生が生じるいくつかの事例があるが、血管新生は厳密に制御されており、空間的に時間的に区切られている。一方、特徴的な固形腫瘍増殖などの病的血管新生の条件下では、これらの調節制御は損なわれる。
【0005】
調節制御が損なわれ、未制御血管新生が病的になった場合、多くの腫瘍性及び非腫瘍性疾患の持続的進行を導くことができる。多くの重篤な疾患は、異常血管新生によって支配され、固形腫瘍増殖及び転移、関節炎、いくつかのタイプの眼疾患、及び乾癬を含むものである。例えば、Moses et al.,1991,Biotech.9、630−634、Folkman et al.,1995,N.Engl.J.Med.,333、1757−1763、Auerbach et al.,1985,J.Microvasc.Res.29、401−411、Folkman,1985,Advances in Cancer Research,eds.Klein and Weinhouse,Academic Press,New York,pp.175−203、Patz,1982,Am.J.Opthalmol.94、715−743、及びFolkman et al.,1983,Science 221、719−725による総説を参照。健康な組織と同様に、腫瘍は根底の細胞を維持するために血管を必要とする。多くの病的条件において、血管新生の過程はさらに病状に寄与している可能性がある。実際に、一部の研究者は、固形腫瘍の増殖は血管新生に依存していると示唆している(Folkman and Klagsbrun,1987,Science 235、442−447)。
【0006】
スーパーオキシド及び過酸化水素などの活性酸素種(reactive oxygen species:ROS)は、恐らく誘導性一酸化窒素合成のアップレギュレーション及び内因性一酸化窒素の産生増加を介して、インビボで血管新生を誘導すると報告されていた(Polytarchou&Papadimitriou,2005,Eur.J.Pharmacol.510、31−38.)。ROSはさらに、血管内皮増殖因子(VEGF)放出を刺激し、VEGFに対するMAPキナーゼ(マイトジェン活性化プロテインキナーゼ)シグナル伝達の活性化を仲介するとも報告されていた(Kuroki et al.,1996,J.Clin.Invest.98、1667−1675、Cho et al.,2001,Am.J.Physiol.Heart Circ.Physiol.280、H2357−H2363.)。
【0007】
特定の抗酸化剤はさらに、例えば、スーパーオキシドジスムターゼ及び窒素酸化物TEMPOL(TEMPOLの還元産物である、ヒドロキシルアミンTEMPOL−Hではない)などの血管新生阻害活性を有するとも示されていた。他の抗血管新生因子は、VEGFアンタゴニスト、bFGFアンタゴニスト、或いはNω−ニトロ−L−アルギニンメチルエステル(L−NAME)及びデキサメタゾンなどの酸化窒素合成酵素(NOS)アンタゴニストを含む。
【0008】
TEMPOLなどの窒素酸化物は、それらのラジカルスカベンジャー特性、及び酸化ダメージ及び炎症の様々な動物モデル抗炎症効果の発揮のおかげで、非常に注目されていた。Nilssonらは国際特許第WO88/05044号において、窒素酸化物及びそれらの対応するヒドロキシルアミンは、推測するに抗酸化効果によって、虚血性細胞障害の予防及び治療に有用であると開示した。Paoliniら(米国特許第5,981,548号)は、活性酸素から生じる病状の治療における、及び食材及び化粧品添加物としてのN−ヒドロキシルピペリジン化合物及びそれらの潜在的な一般利用を開示した。Hsiaら(米国特許第6,458,758号、第5,840,701号、第5,824,781号、第5,817,632号、第5,807,831号、第5,804,561号、第5,767,089号、第5,741,893号、第5,725,839号及び第5,591,710号)は、血液及び血液成分におけるフリーラジカル毒性を軽減するための、様々な生体適合性高分子との組み合わせでの安定性窒素酸化物及びヒドロキシルアミン(例えば、TEMPOL及びそのヒドロキシルアミン対応物であるTEMPOL−H)の使用を開示した。Hahnら(1998,Int.J.Radiat.Oncol.Biol.Physics 42、839−842、2000,Free Rad.Biol.Med.28、953−958)は、インビボ放射線防護、及び安定性フリーラジカル窒素酸化物及び特定のヒドロキシルアミン対応物の血圧に対する影響を報告した。
【0009】
それらは相対的な毒性が欠如しているために、ヒドロキシルアミンは治療薬として窒素化合物より好ましい。公開米国特許第2004/0002461号、第2005/0130906号及び第2005/0131025号においてMatier及びPatilは、ヒドロキシルアミン及び関連化合物、及び酸化障害或いは炎症が関与した様々な眼条件の治療における前記化合物の使用について開示している。そのような化合物は、強い抗炎症及び抗酸化活性、更に一部の事例において眼球透過性などを含む、多数の有利な性質を有している。しかしながらいくつかの窒素酸化物、例えばTEMPOLなどは、ある程度の抗血管新生活性を示していた一方、ヒドロキシルアミンはこれまで抗血管新生活性を有していることは全く報告されていない。
【発明の開示】
【発明の効果】
【0010】
本開示では、病的血管新生を阻害するのに治療上十分な量におけるヒドロキシルアミン化合物或いはそのエステル誘導体を患者へ投与する工程によって、前記患者における病的血管新生を阻害する方法について詳しく述べる。前記ヒドロキシルアミンのエステル誘導体は、化学式Iであり、
【0011】
【化7】

【0012】
式中、
及びRは独立して、H或いはCからCアルキルであり、R及びRは独立して、CからCアルキルであり、R及びRは或いはR及びRは共に、若しくは両者はシクロアルキルであり、RはH、OH或いはC〜Cアルキルであり、R或いはC〜Cアルキル、アルケニル、アルキニル、或いは置換アルキル或いはアルケニルであり、RはC〜Cアルキル、アルケニル、アルキニル、或いは置換アルキル或いはアルケニルであり、R及びR、或いはR、R及びRは共に、環内に3〜7個の原子を有する炭素環或いは複素環を形成するものであるる。
【0013】
さらに、本開示は、病的血管新生を阻害するのに治療上十分な量でヒドロキシルアミン化合物或いはそのエステル誘導体を患者へ投与する工程によって、病的血管新生が関与する病状を持つ患者を治療する方法を提供する。前記ヒドロキシルアミンのエステル誘導体は、化学式Iを有する。一部の実施形態において、これらの方法はさらに、抗酸化剤、還元剤、付加的抗血管新生剤、或いは抗悪性腫瘍薬などの付加的薬剤を同時投与する工程を含む。
【0014】
本発明の他の態様によると、前述のヒドロキシルアミン或いはエステル誘導体を有する薬学的組成物は、血管新生が関与する病状の治療を提供する。
【0015】
本発明の他の特徴及び利点は、以下の図面、詳細な説明、及び実施例を参照することによって理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明は、病的血管新生が基礎をなす原因因子である多くの疾患及び疾病の治療或いは予防のための方法を提供する。前記方法は、薬学的に許容可能な担体或いは希釈剤、及び1若しくはそれ以上の血管新生関連疾患或いは症状の症候を予防する、それらの発生を遅延させる、若しくは軽減する薬学的に十分な量のヒドロキシルアミン化合物或いはそれのエステル誘導体を有する組成物の投与を有する。
【0017】
本明細書で用いられる「血管新生」という用語は、組織或いは器官への新しい血管の発生を意味する。正常生理的条件下において、ヒト或いは動物では非常に特異的な制限条件においてのみ血管新生が起こる。例えば、血管新生は正常、創傷治癒、胎児及び胚発生、及び黄体、子宮内膜及び胎盤の形成において観察される。「内皮」という用語は、本明細書では、漿液腔、リンパ管及び血管に並ぶ扁平細胞の薄い層として定義される。これらの細胞は本明細書において「内皮細胞」として定義される。「内皮阻害活性」という用語は、一般に血管新生を阻害する分子の能力を意味する。様々な段階での内皮細胞増殖の阻害も、血管新生の阻害を生じる(Albo,et al.,2004,Curr Pharm Des.10(1)、27−37)。
【0018】
多くの疾患或いは有害な状態は、血管新生に関連している。そのような疾患或いは有害な状態の例としては、これに限定されるものではないが(1)乳癌、頭部の癌、直腸癌、胃腸の癌、肺癌、気管支癌、膵臓癌、甲状腺癌、精巣癌或いは卵巣癌、白血病(例えば急性骨髄性白血病)、副鼻腔ナチュラルキラー/T細胞リンパ腫、悪性メラノーマ、腺様嚢胞癌、血管肉腫、低分化巨細胞性リンパ腫、子宮内膜癌腫、或いは前立腺癌腫などの腫瘍性疾患、(2)例えば乾癬、子宮内膜症、アテローム性動脈硬化、全身性エリテマトーデス、及び前立腺肥大及び脂肪腫などの良性成長疾患などの特定の成長因子に反応して過剰産生した非癌性(すなわち非腫瘍性)細胞などの過剰増殖疾患、(3)単純ヘルペス感染、帯状疱疹感染、原虫感染及びバルトネラ症(南アメリカで発見された細菌感染)、(4)リウマチ性関節炎及び変形性関節炎を含む関節炎、(5)潰瘍性大腸炎及びクローン病を含む慢性炎症性疾患、及び(6)小児疾患、血管腫を含む他の症状、さらにはオスラー・ウェーバー・ランデュ病、或いは遺伝性出血性毛細血管拡張症などの遺伝病、を含む。
【0019】
本発明者らは、血管新生、及び血管新生に関連した疾患及び疾病はTEMPOL−H(TPH、更には加水分解性でありヒドロキシルアミン化合物を形成するそのような化合物のエステル誘導体)などのヒドロキシルアミン化合物の投与を介して回復させることができることを決定した。この決定は、実施例において説明されるプロトコールである血管新生の鶏胚漿尿膜(chick chorioallantoic membrane:CAM)モデルの使用を介して一部なされていた。
【0020】
窒素酸化物TEMPOLは過酸化水素誘導性血管新生を阻害することが一部の例において示されている一方、ヒドロキシルアミンの抗血管新生活性は本発明以前には示されていなかった。更に、今までに窒素酸化物或いはヒドロキシルアミンがVEGF或いはbFGF成長因子誘導性血管新生を阻止できると示唆されたものはなかった。TEMPOLなどの窒素酸化物のため、ヒドロキシルアミンのそのような活性は予想されず、TEMPOL−Hなどのそれらのヒドロキシルアミン対応物は、非常に異なる分子構造形、物理的定数及び化学的特徴を所有する。例えば、マウスV79細胞のTEMPOL−仲介性放射線防護は濃度依存性であるが、ヒドロキシルアミンであるTEMPOL−Hは放射線防護を提供しなかったと報告されている(Mitchell et al.,2000,Radiation,Radicals,and Images、Annals of the New York Academy of Sciences 899、28−43)。さらに、TEMPOL−HではなくTEMPOLは、インビトロでの水晶体内皮細胞へのX線放射線障害を阻止した(Sasaki,et al.,1998,Invest Ophthalmol Vis Sci.39(3)、544−52)。同様に、TEMPOLはマウスにおける亜セレン酸誘導性白内障を阻止するのに有効ではなかったが、TEMPOL−Hはそのモデルで有効であったと見いだされた。さらに、TEMPOLなどの窒素酸化物は毒性を有しており、しばしば抗酸化物の代わりに自動酸化促進物質として作用すると見いだされていた(Glebska et al.,2003,Free Radical Biol.Med.35、310−316)。これら及び他の理由により、H誘導性血管新生に対するTEMPOLの抗血管新生効果は、ヒドロキシルアミンがそのような活性を有すると予想するものではない。加えて、上述したように、TEMPOL或いはヒドロキシルアミンによる増殖因子誘導性血管新生の阻止に対する前例は存在しない。
【0021】
本発明における使用に適切なヒドロキシルアミン化合物の種類の好ましい実施例としては、TEMPOL−H(窒素酸化物4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−イルオキシのヒドロキシルアミン還元型であるTPH)、TEMPO−H(窒素化合物2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−イルオキシのヒドロキシルアミン還元型)、及びOXANO(2−エチル−2,4,4−トリメチルオキサゾリジン−3−イルオキシ)の還元型であるOXANO−H(2−エチル−2,4,4−トリメチル−オキサゾリジン−3−オール)である。本発明における使用に適切な他のヒドロキシルアミン化合物は、これに限定されるものではないが、Hahnら(1998,Supra、2000,Supra)、Samuniら(2001年,supra)、及びPaoliniらによる米国特許第5,981,548号(特定のN−ヒドロキシルピペリジンエステル及び文脈における抗酸化剤としてのそれらの使用を開示している)、Guptaらによる米国特許第4,404,302号(プラスティック処方における光安定剤としての特定のN−ヒドロキシルアミンの使用を開示している)、Behrensらによる米国特許第4,691,015号(ヒンダードアミン由来ヒドロキシルアミン及びポリオレフィンの安定化に対する特定のそれらの使用を開示している)、Hsiaらによるいくつかの前述した米国特許に開示されていたヒドロキシルアミン、及びMitchellらによる米国特許第5,462,946号及び第6,605,619号に開示された窒素酸化物のヒドロキシルアミン対応物、によって開示されているものであり、すなわち(1)化学式R−N(R)(R)の化合物であって、式中、Rは−OHであり、R及びRは窒素原子と共に組み合わせて複素環基を形成する、或いはR及びRはそれら自身で置換或いは非置換環状或いは複素環基を有する、化合物、(2)化学式R−N(R)(R)の金属非依存性ヒドロキシルアミンであって、Rは−OHであり、R及びRは、結合されて、窒素原子と共に5−或いは6−員複素環基を形成し、前記窒素原子に加えて酸素、窒素及び硫黄からなる群から選択される1若しくはそれ以上の複素環を有するものである、若しくは、R及びRは独立して置換或いは非置換5−或いは6−員環状基、若しくは酸素、窒素及び硫黄からなる群から選択される1若しくはそれ以上のヘテロ原子を有する置換或いは非置換5−或いは6−員複素環基である、化合物、若しくは(3)以下の化合式のオキサゾリジン化合物であって、
【0022】
【化8】

【0023】
式中、Rは−CHであり、Rは−C、−C、−C、−C11、−C13、−CHCH(CH、−CHCH或いは−(CHCHであり、Rは−OHであるか、若しくはR及びRは共に、スピロシクロペンタン、スピロシクロヘキサン、スピロシクロヘプタン、スピロシクロオクタン、5−コレスタン或いはノルボルナンを形成するものである、化合物、及び上記化合物のいずれかの薬学的に許容可能な塩類である。知られている限りにおいて、上述した化合物は今まで血管新生を阻害するために使用されていない。
【0024】
本発明における使用に適切なヒドロキシルアミンのエステル誘導体は、化学式Iの化合物、或いはそれらの薬学的に許容可能な塩類を有し、米国公開公報第2004/0003561号に詳細それらの例が記載されており、
【0025】
【化9】

【0026】
式中、
及びRは独立して、H、C〜Cアルキルであり、
及びRは独立して、C〜Cアルキルであるか、若しくは、
及びR、或いはR及びRは共に、若しくは両者がシクロアルキルであり、
は、H、OH、或いはC〜Cアルキルであり、
は、C〜Cアルキル、アルケニル、アルキニル、或いは置換アルキル或いはアルケニルであり、
は、C〜Cアルキル、アルケニル、アルキニル、置換アルキル、アルケニル、シクロアルキル、或いは複素環であり、
或いは、R及びR、或いはR、R及びRは共に、環内に3〜7原子を有する炭素環或いは複素環を形成するものである。
【0027】
本発明の方法はさらに、薬学的に許容可能な担体或いは希釈剤、及び溶解性修飾部位と結合したN−ヒドロキシピペリジン部分を持つヒドロキシルアミン化合物から成る組成物も利用し、前記化合物は、25℃の水において重量で少なくとも約0.25%の溶解性、及び25℃で少なくとも訳の水/n−オクタノール分配係数を持つものである。前記組成物は、眼などで見いだされる生物学的組織で見られる条件下で、前記化合物から切断可能なN−ヒドロキシピペリジン部分を持つ。前記N−ヒドロキシピペリジン部分は、酵素的に切断される。前記組成物はさらに、N−ヒドロキシルピペリジン部分が1−オキシル−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジルであるような状態にも存在する。
【0028】
本発明の意味ではC〜Cアルキル、アルケニル或いはアルキニルという用語は、1からn炭素原子をその中に有するヒドロカルビル基を意味し、ここにおいてnは1〜約20、好ましくは1〜約10、より好ましくは1〜約6、最も好ましくは1〜約3の整数である。従って、この用語はメチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、二級(sec)−ブチル、イソ−ブチル、三級(tert)−ブチル、及びペンチル、ヘキシル及びそれらと同等物の様々な異性体型を含む。同様に、この用語は、エチニル、エテニル、エチニル、プロペニル、プロピニル、及びn炭素原子までの同様な分岐及び非分岐不飽和炭化水素基を含む。文脈において認められるように、そのような基は1若しくはそれ以上のヒドロキシ、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールオキシ、アリールアミノ、ベンジルオキシ、ベンジルアミノ、複素環、或いはYCO−Z(ここにおいてYはO、N或いはSであり、Zはアルキル、シクロアルキル、複素環或いはアリール置換基である)を有するように官能基化される。
【0029】
炭素環という用語は環状構造環を定義し、前記環を形成している全ての原子は炭素である。これらの例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロへプチルなどである。シクロプロピルは、1つの好ましい種である。複素環は、前記環の少なくとも1つの原子が炭素ではない環状構造を定義する。この広範囲の分類の例としては、フラン、ジヒドロフラン、テトラヒドロフラン、ピラン、オキサゾール、オキサゾリン、オキサゾリジン、イミダゾール、及び特に前記環内に酸素原子を有する他のものを含む。前記環内に少なくとも1つの酸素或いは窒素原子を有する5、6及び7員環は好ましい複素環である。フラニル及びテトラヒドロフラニル種は、好ましいものの中に含まれる。
【0030】
からRのそれぞれが、CからCアルキルの低級アルキルであることは特定の実施形態には好ましい。好ましくは、これら基の全ては、合成において便利であり、これらの位置にそのような置換基を持つ部位の有用性が既知であるため、メチルである。しかしながら、他の置換基も同様に使用される。
【0031】
特定の実施形態において、Rが少なくともCからCアルコキシ或いはベンジルオキシ基で置換されているCからCアルキルである化合物は使用される。エトキシ或いはベンジルオキシ置換基を持つこれらの化合物は好ましい。好ましい化合物としては、RからRのそれぞれはメチルであり、RはH或いはメチルであり、Rはベンジルオキシ或いはCからCアルコキシで置換されたメチルであり、Rはメチルであって、ここにおいてR及びRはシクロプロピル基を形成する化合物、更に同様に、RからRのそれぞれはメチルであり、Rはメチルであり、Rはエトキシ或いはベンジルオキシメチルであり、Rはメチルである化合物である。付加的に好ましい化合物は、RからRのそれぞれはメチルであり、Rはメチルであり、Rはヒドロキシメチルであり、Rはメチルである化合物である。
【0032】
他の有用な化合物は、RからRのそれぞれはメチルであり、R、R及びRはフラニル基を形成する化合物、若しくはR及びRはテトラヒドロフラニル基を形成する化合物である。RからRはメチルであり、RはHであり、R及びRはシクロプロピル環を形成する前記化合物は、更に好ましい。本発明の方法において有用な化合物の例としては、これに限定されるものではないが、米国公開公報第2004/0002461A1に開示された化合物を含み、これは例えば、
1−オキシル−4−(3’−エトキシ−2’,2’−ジメチル)プロパンカルボニルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−ヒドロキシ−4−(3’−エトキシ−2’,2’−ジメチル)プロパンカルボニルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン塩酸塩、1−オキシ−4−シクロプロパンカルボニルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−ヒドロキシ−4−シクロプロパンカルボニルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン塩酸塩、1−オキシル−4−(3’−ベンジルオキシ−2’,2’−ジメチル)プロパンカルボニルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−ヒドロキシ−4−(3’−ベンジルオキシ−2’,2’−ジメチル)プロパンカルボニルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン塩酸塩、1−ヒドロキシ−4−(3’−ヒドロキシ−2’,2’−ジメチル)プロパンカルボニルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン塩酸塩、1−オキシル−4−(1−メチル−シクロプロパン)カルボニルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−ヒドロキシ−4−(1−メチル−シクロプロパン)カルボニルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン塩酸塩、1−オキシル−4−(2−フラン)カルボニルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−ヒドロキシ−4−(2’−フラン)カルボニルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン塩酸塩、1−オキシル−4−(3’−テトラヒドロフラン)カルボニルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−ヒドロキシ−4−(3’−テトラヒドロフラン)カルボニルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン塩酸塩などである。化合物Iとして本明細書で参照されている、1−ヒドロキシ−4−シクロプロパンカルボニルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン塩酸塩は、特に好ましい。
【0033】
理論に縛られることなく、出願者らは、化合物I(化学式1の化合物であって、ここにおいてR、R、R及びRはメチルであり、RはHであり、R及びRはまとめてシクロプロパン環を形成するものである)及び化学式Iの他の化合物がそれらの抗血管新生及び他の治療上有効性を2つの方法で発揮すると考えられていると信じている。第一に、前記エステル化合物は、in situで加水分解され、治療上活性を発揮するヒドロキシルアミン成分を形成する。第二に、前記エステル型化合物それ自身は、抗酸化活性を有しており、従って抗血管新生活性を所有し、それにより前記化合物を有する薬学的処方の治療上有効性を支持するものである。
【0034】
化学式Iの前記化合物の活性に対する第一の根拠、すなわち、切断しヒドロキシルアミン成分を遊離することと関連して、多数のエステラーゼは、体の様々な組織及び臓器、特に眼組織、特に角膜において存在することが知られている。本発明のエステルを切断する特異的なエステラーゼ(群)は、本発明で実施するために同定される必要はない。エステル群の切断は素早く生じ、ウサギの眼へ前記化合物を投与することが基本的には全てである。これは、局所投薬後に検査した全時間(30、60、90及び120分)で水性体液におけるTEMPOL−Hの存在によって示されるものである。対照的に、前記エステル群は、そのようなエステラーゼが存在しない場合、水性溶液において安定である。前記エステル群の切断はさらに、様々な動物種の血漿においても示されていた。実施例5に記載されたように、ラット、ウサギ、イヌ及びヒト血漿におけるTEMPOL−H(TPH)のエステル誘導体のインビトロ半減期を測定した。前記誘導体の消失は、TEMPOL−Hの形成によってモルベースで定量的に説明された。
【0035】
本発明の方法に従った組成物は、処方され、標的組織に抗血管新生効果を発揮するのに有効な投薬量を適用して投与された。ヒドロキシルアミン或いは誘導体の諒は、処方における容積で約0.1重量%から約25重量%の範囲、或いは重量で対応する量であり得る。いくつかの実施形態において、活性薬剤濃度は0.25%から約25%であることが好ましい。前記ヒドロキシルアミン成分の濃度は、好ましくは組織及び液体において約0.1μMから約10mMの範囲となるであろう。いくつかの実施形態において、前記範囲は1μMから5μMであり、他の実施形態においては、前記範囲は約10μMから2.5mMである。他の実施形態において、前記範囲は約50μMから1mMである。最も好ましいヒドロキシルアミン濃度の範囲は、1から100μMであろう。処方内に或いは別々に投与される場合でも還元剤を含む実施形態において、前記還元剤の濃度は、組織及び液体において1μMから5mM、好ましくは10μMから2mMの範囲であろう。前記組成物の成分の濃度は、標準的な薬物動態及び希釈計算によって投与経路に対して適切に調節され、そのような局所的濃度を達成する。
【0036】
本発明の方法に従って利用される組成物は、1以上のヒドロキシルアミン化合物を含む。いくつかの実施形態において、2若しくはそれ以上のヒドロキシルアミンは同時に投与される。他の実施形態において、それらは連続して投与される。
【0037】
更に、本発明の方法は、併用療法を含む。本発明のいくつかの実施形態において、ヒドロキシルアミン或いは誘導体は、本分野では既知であり病的血管新生に関連した疾患或いは疾病を治療するのに有用な別の化合物と共に投与される。本分野で既知である前記他の化合物(群)は、ヒドロキシルアミン化合物と同時に投与される、若しくは連続に投与される。
【0038】
例えば、ヒドロキシルアミン化合物は、1若しくはそれ以上の付加的抗血管新生剤との組み合わせで投与される。一般的に、抗血管新生剤は、血管新生因子のあらゆる既知阻害剤或いはダウンレギュレーター、若しくはこれに限定されるものではないが、軟骨由来因子、血管新生抑制ステロイド、血管新生抑制ビタミンD誘導体、アンジオスタチン、エンドスタチン及びベロスタチン(verostatin)を含む、血管新生因子によって促進される細胞シグナル伝達経路の阻害剤であり得る。特異的血管新生因子、例えば血管新生因子アンジオゲニンなどに対して効果を有すると考えられるいくつかの抗血管新生剤が存在する。アンジオゲニンに特異的な抗血管新生剤は、アンジオゲニン、ヒト胎盤リボヌクレアーゼ阻害剤、アクチン、及びアンジオゲニンのC末端領域に対応した合成ペプチドに結合するモノクローナル抗体を含む。細菌由来の抗血管新生剤も本明細書では検討される。そのような薬剤は、アントラサイクリン、15−デオキシスペルグアリン(deoxyspergualin)、D−ペニシラミン、エポネマイシン(eponemycin)、フマギリン、ハービマイシンA、ラパマイシン及びネオマイシンを含む。「ネオマイシン」という用語は、ネオマイシンA、B及びCから成る抗生物質複合体を意味し、これらはまとめてマイシフラジン(Mycifradin)、マイアクン(Myacne)、フラジオマイシン(Fradiomycin)、ネオミン(Neomin)、ネオレート(Neolate)、ネオマス(Neomas)、ニベマイシン(Nivemycin)、ピマベコート(Pimavecort)、ボナマイシン粉末V(Vonamycin Powder V)及びそれらの類縁体としても知られている。
【0039】
前記組成物はさらに1若しくはそれ以上の抗酸化剤を含む。例示的な還元剤は、メルカプロプロピオニルグリシン、N−アセチルシステイン、β−メルカプトエチルアミン、グルタチオン、アスコルビン酸及びその塩類、亜硫酸塩或いはメタ重亜硫酸塩、若しくは類似種を含む。加えて、抗酸化剤には、ビタミンE、C、ルテイン(leutein)、キサンチン、ベータカロテン、及び亜鉛やセレニウムなどのミネラルなどの天然抗酸化剤も含まれる。
【0040】
本発明の薬学的組成物は、任意に1若しくはそれ以上の抗腫瘍剤を有し、これはこれに限定されるものではないが、ドセタキセル、エトポシド、トランテカン、パクリタキセル、テニポシド、ビンブラスチン、ビンクリスチン及びビンデシンなどのアルカロイド、ブスルファン、インプロスルファン、ピポスルファン、アジリジン、ベンゾデパ、カルボコン、メツレデパ、ウレデパ、アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホラミド、トリエチレンチオホスホラミド、クロラムブシル、クロラファジン、シクロホスファミド、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、メクロレタミン酸化塩酸塩、メルファラン、ノベムビチン、ペルホスファミド、フェネステリン、プレドニムスチン、トロホスファミド、ウラシルマスタード、カルムスチン、クロロゾトシン、ホテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、ラニムスチン、ダカルバジン、マンノムスチン、ミトブロニトール、ミトラクトール、ピポブロマン、テモゾロミドなどのアルキル化剤、抗生物質、及びアクラシノマイシン、アクチノマイシンF、アントラマイシン、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カルビシン、カルジノフィリン、クロモマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、6−ジアゾ−5−オキソ−L−ノルロイシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、メノガリル、ミトマイシン、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ピラルビシン、プリカマイシン、ポルフィロマイシン、ピューロマイシン、ストレプトオニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ジノスタチン、ゾルビシンなどの類縁体、デノプテリン、エダトレキサート、メトトレキサート、ピリトレキシム、プテロプテリン、トミュデックス(登録商標)、トリメトレキサート、クラドリビン、フルダラビン、6−メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニン、アンシタビン、アザシチジン、6−アザウリジン、カルノフール(carnofur)、シタラビン、ドキシフルリジン、エミテフール、エノシタビン、フロクスウリジン、フルオロウラシル、ゲムシタビン、テガフールなどの代謝拮抗剤、L−アスパラギナーゼ、インターフェロン−アルファ、インターフェロン−ベータ、インターフェロン−ガンマ、インターロイン−2、レンチナン、プロパゲルマニウム、PSK、ロキニメックス、シゾフィカン(sizofican)、ウベニメクスなどの免疫調節剤、カルボプラチン、シスプラチン、ミボプラチン、オキサリプラチンなどの白金複合体、アセグラトン、アムサクリン、ビスアントレン、デホスファミド、デメコルチン、ジアジコン、エフロールニチン、酢酸エリプチニウム、エトグルシド、フェンレチニド、硝酸ガリウム、ヒドロキシ尿素、ロニダミン、ミルテホシン、ミトグアゾン、ミトキサントロン、モピダモール、ニトラクリン、ペントスタチン、フェナメット、ポドフィリン酸2−エチル−ヒドラジド、プロカルバジン、ラゾキサン、ソブゾキサン、スピロゲルマニウム、テヌアゾン酸、トリアジコン、2,2’,2’’トリクロロトリエチルアミン、ウレタン、抗腫瘍ホルモン、或いはカルステロン、ドロモスタノロン、エピチオスタノール、メピチオスタン、アミノグルテチミド、ミトタン、トリロスタン、ビカルタミド、フルタミド、ニルタミド、ドロロキシフェン、タモキシフェン、トレミフェン、アミノグルテチミド、アナストロゾール、ファドロゾール、ホルメスタン、レトロゾール、ホスフェストロール、ヘキセストロール、リン酸ポリエストラジオール、ブセレリン、ゴセレリン、リュープロリド、トリプトレリン、酢酸クロルマジノン、メドロキシプロゲステロン、酢酸メゲストロール、メレンゲストロールなどの類縁体、ポルフィマーナトリウム、バチマスタット、及びフォリン酸、を含む。本発明の薬学的組成物を有するこれら及び他の抗腫瘍剤の記載のために、The Merck Index 第12版を参照。
【0041】
病的血管新生或いは内皮細胞の増殖は、上に詳細に記載したような、過剰増殖及び腫瘍性疾患及び炎症疾患及び疾病を含む、多くの疾患或いは疾病に関連していた。本発明の方法は、血管新生が原因因子であるあらゆる症状の治療に適用される。組成物は、薬剤投与に従来使用されるあらゆる経路によって投与され得る。そのような経路は、これに限定されるものではないが、経口、局所非経口及び吸入による、を含む。非経口送達は、腹腔内、静脈内、口周囲、皮下、筋肉内、動脈内などである。開示された組成物は、本分野で既知の手順に従って、標準的な薬学的に許容可能な担体との組み合わせによって調合された従来の投薬形態で投与され得る。そのような組み合わせは、適切な成分を混合、顆粒化、圧縮及び溶解するなどの手順を含む。
【0042】
薬学的に許容可能な担体の形態及び性質は、組み合わされる活性成分の量、投与経路、及び他の既知の変数によって調節される。前記活性成分は、本発明の化合物、すなわちヒドロキシルアミン或いはそれのエステル誘導体の1つである。本明細書で用いられたように、「担体」という用語は、薬学的組成物の混合物を調合する際に使用される希釈剤、賦形剤及びそれらと同等のものを意味する。「薬学的に許容可能な」という用語は、連邦政府或いは州政府の管理機関によって承認されている、若しくは、動物及びより特にヒトにおける使用に対して米国薬局方或いは他の一般的に認識された薬局方においてリストアップされていることを意味する。そのような薬学的に許容可能な担体或いは希釈剤、及び調合するための方法は、本分野において既知である(例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,Meade Publishing Col.,Easton,Pa.,latest edition、the Handbook of Pharmaceutical Excipients,APhA publications,1986を参照のこと)。
【0043】
薬学的に許容可能な担体は、例えば液体或いは固体である。液体担体は、これらに限定されるものではないが、水、生理食塩水、緩衝生理食塩水、ブドウ糖溶液、好ましくは、ハンクス液或いはリンガー液などの生理学的適合性緩衝液、生理学的生理食塩水、生理食塩水及びグルコースから成る混合物、及びヘパリン化ナトリウム−クエン酸−クエン酸−ブドウ糖溶液、及びそれらと同等のもの(これらは好ましくは無菌形態における)を含む。例示的な固体担体は、寒天、アラビアゴム、ゼラチン、ラクトース、ステアリン酸マグネシウム、ペクチン、タルク及びそれらと同等のものを含む。
【0044】
一部の実施形態において、前記組成物は経口的に投与することが可能である。そのような投与に対して、前記薬学的組成物は例えば溶液、シロップ或いは懸濁液などの液体形態である、若しくは使用前に水或いは他の適切な媒体と再構成するための薬剤産物として存在するものである。そのような液体調合は、懸濁剤(例えばソルビトールシロップ、セルロース誘導体或いは水素化食用脂肪或いはオイルなど)、乳化剤(例えば、レシチン或いはアラビアゴム)、非水性媒体(例えば、アーモンドオイル、油状エステル或いは分画ベジタブルオイル)、及び防腐剤(例えば、メチル或いはプロピル−p−ヒドロキシ安息香酸、若しくはソルビン酸)などの薬学的に許容可能な添加物との従来の手段によって調合される。前記薬学的組成物は、結合剤(例えば、アルファ化トウモロコシスターチ、ポリビニルピロリドン或いはヒドロキシプロピルメチルセルロース)、賦形剤(例えば、ラクトース、微結晶性セルロース或いはリン酸水素カルシウム)、潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク或いはシリカ)、崩壊剤(例えば、ポテトスターチ或いはスターチグリコール酸ナトリウム)、或いは湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)などの薬学的に許容可能などと共に従来の手段によって調合される、例えば錠剤、カプセル或いはペレットなどの形態をとる。前記錠剤は、本分野で既知の方法によってコーティングされる。
【0045】
頬側投与に対して、前記組成物は、従来のやり方で処方される錠剤、トローチ或いは薬用キャンディーの形態をとる。経口或いは頬側投与に対する組成物は、前記活性化合物の徐放性を与えるように処方される。そのような処方は、グリセリルモノ−ステアリン酸、グリセリルジステアリン酸及びワックスなどの本分野では既知である1若しくはそれ以上の徐放剤を含む。
【0046】
組成物は局所的に適用される。そのような投与は、表皮、口腔、眼、耳及び鼻へ前記組成物を外部的に適用する工程を含む。これは、経口、静脈内、腹腔内及び筋肉内送達によって達成される全身性投与とは対照的である。
【0047】
局所的な投与において使用するための組成物は、例えば、クリーム、リニメント剤、ローション、軟膏或いはペーストなどの皮膚を介した浸透に適した液体或いはゲル調合、若しくは眼、耳或いは鼻への送達に適切な液滴を含む。
【0048】
一部の実施形態において、本発明の組成物は、クリーム、液滴、リニメント剤、ローション、軟膏及びペーストを含み、これらは外部適用のための液体或いは半流動性組成物である。そのような組成物は、単独、若しくは溶液或いはグリース状或いはグリース状ベースの水性或いは非水性液体での懸濁液粉末状形態において、前記活性成分(類)を混合する工程によって調合される。前記ベースは、グリセロール、様々な形態のパラフィン、蜜蝋などの複合体炭化水素、粘液、ミネラル或いは食用オイル若しくは脂肪酸、或いはマクロゴールを有する。そのような組成物は、界面活性剤などの適切な表面活性剤、及び寒天、ベジタブルガム、セルロース誘導体などの懸濁剤、及び防腐剤、抗酸化剤及びそれらと同等のものなどの他の成分を付加的に有する。
【0049】
更に、本発明の組成物は、経鼻的に或いは吸引によって投与され得る。経鼻或いは吸引投与に対して、前記組成物は、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素或いは他の適切なガスなどの適切な噴霧剤の使用と共に、加圧パック或いは噴霧器からのエアロゾルスプレーの形態で便利に送達される。加圧エアロゾルの場合において、投薬ユニットは定量を送達するためのバルブを提供することによって決定される。インヘラー或いは吸入器における使用に対する、例えばゼラチンのカプセル及びカートリッジは、前記化合物及びラクトース或いはスターチなどの適切な粉末ベースの粉末混合物を含有して処方される。
【0050】
本発明の一部の組成物は、デポー製剤(持続性製剤)として処方することが可能である。そのような長時間作用性処方は、移植(例えば、皮下或いは筋肉内に)によって、或いは筋肉内注射によって投与される。従って、例えば、前記化合物は、適切なポリマー或いは疎水性物質(例えば、許容可能なオイルにおける乳化液)で、或いは交換樹脂で、若しくは例えば難容性塩としてなど難容性誘導体として処方される。リポソーム及び乳化液は、親水性薬剤に対する送達媒体或いは担体のよく知られた例である。
【0051】
上述した組成物を投与するための技術及び処方は、Remington’s Pharmaceutical Sciences,Meade Publishing Col.,Easton,Pa.最新版に記載されている。
【0052】
血管新生を阻害する場合の前述のヒドロキシルアミン及びそれの類縁体のあらゆる有効性は、本分野では既知であるいくつかの承認生物学的アッセイの1つによって決定される。1つの好ましい方法は、鶏胚漿尿膜(CAM)アッセイである。CAMバイオアッセイにおいて、受精鶏胚をペトリ皿において培養した。発生6日目に、テストサンプル或いは適切なコントロール物質を浸透させたメチルセルロースなどの放出ポリマーのディスクを、その進行端で血管膜へ置いた。発生8日目に、インプラント周辺の領域を観察し、評価した。テストインプラント周辺の血管がない領域は、胚血管新生の阻害剤の存在を意味している(Moses et al.,1990,Science,248、1408−1410及びTaylor et al.,1982,Nature,297、307−312)。CAMアッセイにおいて単独でテストされた以前記載された血管新生阻害剤に対して報告された用量は、50μgのプロタミン(Taylor et al.(1982))、200μgのウシ硝子体抽出物(Lutty et al.,1983,Invest.Opthalmol.Vis.Sci.24、53−56)、及び10μgの血小板因子IV(Taylor et al.(1982))である。組み合わせで有効な血管新生阻害剤の最も低く報告された用量は、ヘパリン(50μg)及びヒドロコルチゾン(60μg)、及びB−シクロデキストリンテトラデカ硫酸塩(14μg)及びヒドロコルチゾン(60μg)を含み、これはFolkmanら(1989,Science 243、1490)によって報告されたものである。
【0053】
以下の実施例は、本発明をより詳細に記載するために提供される。これらは、説明を意図したものであり本発明を限定することを意図するものではない。
【実施例1】
【0054】
血管新生研究のための鶏胚漿尿膜(CAM)モデル
血管新生は、以前に記載された方法(実施例5の最後の引用文献を参照のこと)によって検討した。10日齢受精鶏卵は、55%相対湿度の37℃でインキュベーションした。検査ランプの助けを借り暗室において、皮下針を用いて、気嚢を覆っている殻に小さな穴を開けた。胚膜の血管がない領域上の卵の広域側に第二の穴を開けた。小さなゴム圧迫バルブを用いて、第一の穴へ弱い減圧を適用することによって、前記第二の穴の下に人工気嚢を作った。前記減圧によって、前記殻から漿尿膜(CAM)の分離を生じた。ミニドリルを用いて脱落CAMの上に約1.0cmの窓を殻に切り取った。下にあるCAMへはこの小さな窓を通じて接近した。
【0055】
小さなパンチャーを用いて、フィルターペーパー#1(Whatman International,英国)からフィルターディスクを開けた。フィルターディスクは、3mg/ml酢酸コルチゾン溶液(95%エタノール及び水)に浸し、無菌条件下で風乾させた。血管新生を誘導するために、無菌フィルターディスクはbFGF(1μg/ml)或いは他の血管新生促進性因子で飽和させ、コントロールディスクは、カルシウム及びマグネシウムを含まないPBSで飽和させた。
【0056】
無菌鉗子を用いて、1つのフィルター/CAMを前記窓から置いた。前記窓は、Highlandブランド透明テープでシールした。24時間後、10から25μlのテスト因子(阻害剤)を静脈内に注射した、若しくはCAMsを刺激するbFGF或いは他の血管新生促進性因子をCAM膜へと局所的に添加した。コントロールフィルターディスクは、カルシウム及びマグネシウムを含まないPBSを添加された。48時間後、フィルターディスクの直下のCAM組織を回収し、35mmペトリ皿へ置いた。8から10個の卵/処理群を使用した。
【0057】
血管新生促進性因子(以下の実施例を参照のこと)を添加し、10歳齢胚状に新しい血管を誘導した。#1フィルターペーパー(Whatman International,英国)の無菌ディスクは、3mg/ml酢酸コルチゾンでプレ処理し、無菌条件下で風乾させた。前記ディスクは次にPBS(リン酸緩衝食塩水)に懸濁させ、成長中のCAMsに置いた。TPH(TEMPOL−H)或いはTEMPOL、及び/若しくはH或いはTPH及び/若しくはbFGF或いはVEGFで処理したフィルターは、3日インキュベーションの第1日目に置いた。
【0058】
CAM切片のデジタル画像及び顕微鏡解析、ペトリ皿からのCAM切片は、SV6実体顕微鏡(Karl Zeiss)を用いて50X拡大率で検査した。デジタル画像は、3−CCDカラービデオカメラシステム(Toshiba Amrtica,ニューヨーク、ニューヨーク州)を用いて記録した。これらの画像は、イメージ−プロプラスソフトウェア(Media Cybernetics)を用いて解析した。フィルターディスクの領域と重ね合わされた円形領域内の血管の分岐点の数を各切片で数えた。55%相対湿度の37℃で3日間インキュベーションした後、各フィルターディスク直下の前記CAM組織は、コントロールから切除され、CAMサンプルで処理した。組織はPBSで3回洗浄した。切片は35mmペトリ皿(Nalge Nunc、ロチェスター、ニューヨーク州)に置き、SV6実体顕微鏡(Karl Zeiss)を用いて50X拡大率で検査した。フィルターに隣接するCAM切片のデジタル画像は、3−CCDカラービデオカメラシステム(Toshiba Amrtica,ニューヨーク、ニューヨーク州)を用いて回収し、イメージ−プロプラスソフトウェア(Media Cybernetics、シルバースプリング、メリーランド州)で解析した。フィルターディスクの領域と一致する円形領域に含まれる血管分岐点の数を各切片で数えた。阻害パーセントデータは、ポジティブコントロール値とネガティブコントロール値との間の差異で割った実験値−ネガティブコントロール値の商として示された。1つの画像は各CAM標本において計算し、8つのCAM標本からの所見を各処理条件で解析した。加えて、各実験は3回行った。結果生じた血管新生指標は、各セットの処理における新しい分岐点の平均値±SEM(平均値の標準誤差)である。
【0059】
統計解析、血管分岐パターンの統計解析は、対応するコントロール群と実験的に比較した分散の1−way解析(ANOVA)によって行った。統計有意差は、0.05以下のP値で評価した。
【実施例2】
【0060】
によって誘導された血管新生に対するTPH及びTempolの影響
TPH(TEMPOL−H、窒素酸化物4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−イルオキシ)或いはTEMPOL(4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシルラジカル(遊離基))を前記CAMアッセイに適用し、実施例1において提供された物質及び方法に従って、その各抗血管新生効果を決定した。HはCAMモデルにおいて血管新生を誘導するために使用した。前記CAMモデル研究によって、表1A及び1Bに示された結果を得た。
【0061】
表1A:CAMモデルにおけるH誘導性血管新生に対する100から200μgでのTPH対TEMPOLの抗血管新生効果
【表1】

データは平均値±SD、1群当たりn=8、P<0.05(Hと比較した場合)で示す。
【0062】
表1B:CAMモデルにおけるH誘導性血管新生に対する400から800μgでのTPH対TEMPOLの抗血管新生効果
【表2】

データは平均値±SD、1群当たりn=8、P<0.05及び**p<0.01(Hと比較した場合)で示す。
【0063】
表から分かるように、TPH或いはTEMPOLはCAMモデルにおいて、超最大濃度のHで誘導された血管新生を効果的に阻害した。
【実施例3】
【0064】
bFGF誘導性血管新生に対するTPHの影響
TPHを前記CAMアッセイに適用し、実施例1において提供された物質及び方法に従って、その各抗血管新生効果を決定した。塩基性線維芽細胞成長因子は、前記CAMモデルにおいて血管新生を誘導するために使用した。前記CAMモデル研究によって、表2に示された結果を得た。
【0065】
表2:CAMモデルにおける、bFGF誘導性血管新生の阻害におけるTPHの抗血管新生効果
【表3】

データは平均値±SD、1群当たりn=8、P<0.05及び**p<0.01(bFGFと比較した場合)で示す。
【0066】
TPHは、CAMモデルにおいてbFGF誘導性血管新生の用量依存性阻害(100から400μg)を生じた(表2)。
【実施例4】
【0067】
VEGF誘導性血管新生に対するTPHの効果
TPHを前記CAMアッセイに適用し、実施例1において提供された物質及び方法に従って、その各抗血管新生効果を決定した。VEGFは、前記CAMモデルにおいて血管新生を誘導するために使用した。結果は表3に示した。
【0068】
表3:CAMモデルにおける、VEGF誘導性血管新生の阻害におけるTPHの抗血管新生効果
【表4】

データは平均値±SD、1群当たりn=8、**p<0.01(VEGFと比較した場合)で示す。
【0069】
TPHは、CAMモデルにおいてVEGF誘導性血管新生の用量依存性阻害を示した(表3)。TPHの抗血管新生効果は、bFGFに対して観察されたもの(表2及び表3)と比較して、VEGF誘導性血管新生に対してより有意であった。
【実施例5】
【0070】
bFGF刺激性CAMモデルにおける注入化合物1(シクロプロパンカルボキシル酸1−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イルエステル)の影響
化合物1は、前記CAMモデルへ注入を介して導入し、実施例1において提供された物質及び方法に従って、その各抗血管新生効果を決定した。bFGFはCAMモデルにおいて血管新生を誘導するために使用した。結果は表4に示した。
【0071】
【表5】

【0072】
実施例1から5の引用文献:
1.Powell,J.A.,Mohamed,S.,Kerr,J.,Mousa,S.A.:J.Cellular Biochemistry 80:104−114;2000.
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【実施例6】
【0073】
ラット、ウサギ、イヌ及びヒト血漿における化合物1のインビトロ安定性解析
化合物1(シクロプロパンカルボキシル酸1−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イルエステル)の活性代謝物はTPHである。この解析の目的は、標準インキュベーション条件下でのラット、ウサギ、イヌ及びヒト血漿における化合物1のインビトロ半減期を決定することである。
【0074】
化合物1は、標準インキュベーション条件下で、様々な時間、貯蔵ラット、ウサギ、イヌ及びヒト血漿と共にインキュベーションした。ラット、ウサギ、イヌ及びヒトからの貯蔵血漿を含む事前に標識化したチューブは、震盪37℃水槽においてプレインキュベーションした。化合物1溶液を1000ng/mLの最終濃度で前記チューブへ添加した。0時間サンプル(n=5)をすぐに取り除き、安定化溶液(DTPA、アセチルシステイン及びアスコルビン酸)、LC/MS/MSアッセイ内部標準及びメタノールを含有するチューブへ移した。前記安定化溶液は、ラット、ウサギ、イヌ及びヒトからの血漿の存在下で化合物1を安定化することが示されていた。前記チューブをボルテックスし、氷上へ置き、遠心分離に供した。100μL一定量の上清をHPLCサンプルバイアルへ移した。付加的チューブ(各時間でn=5)は、37℃で5、10、20、30、60、120及び240分間インキュベーションし、その後処理した。各インキュベーションサンプルにおける化合物1及びTPHの量は、検証LC/MS/MSアッセイを用いて定量化した。
【0075】
ラット、ウサギ、イヌ及びヒト血漿とのインキュベーション時間の機能としての化合物1の消失及びTPHの出現は、それぞれ表5及び6にまとめ、それぞれ図1及び2に示した。図3から6は、ラット、ウサギ、イヌ及びヒト血漿における化合物1の消失及びTPHの出現の間の時間的環系を示したものである。
【0076】
表5:標準インキュベーション条件下のインキュベーションの機能としての、ラット、ウサギ、イヌ及びヒト血漿における化合物1の濃度(ng/mL)
【表6】

データは、平均値±SD(n=5)として示した。
【0077】
a)シクロプロパンカルボキシル酸1−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イルエステル
【0078】
表6:標準インキュベーション条件下でのOT−551インキュベーション時間の機能としての、ラット、ウサギ、イヌ及びヒト血漿におけるTPHの濃度(ng/mL)
【表7】

データは、平均値±SD(n=5)として示した。
【0079】
化合物1(シクロプロパンカルボキシル酸1−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イルエステル)の加水分解率は、種によって異なった。化合物1は、平均4時間のインビトロ半減期を有し、イヌ血漿においてかなり安定であった。対照的に、前記化合物は、たった1分のインビトロ半減期を有し、ウサギ血漿において素早く加水分解された。ヒト及びラット血漿におけるエステラーゼは、活性では中間であった。化合物1のインビトロ半減期は、ヒト及びラット血漿においてそれぞれ平均28分及び70分であった。
【0080】
化合物1の消失は、TPHの形成と一致していた。実験的限界範囲内で、インキュベーション混合物における化合物1の消失は、TPHの形成によってモルベースで説明され得る。これらの結果は、標準化インキュベーション条件下で、TPHを形成する化合物1における前記エステル機能性の加水分解は、化合物1代謝の一次経路であり、TPHは240分インキュベーション期間安定であった。
【実施例7】
【0081】
化合物1HCLの単一用量静脈内毒性解析
スプラーグドーリーラットへの投与
この解析の目的は、スプラーグドーリーラットにおける化合物1の単一10分静脈注射毒性解析の一部として、化合物1及び活性代謝物であるTPHの毒物動態学パラメータを決定することであった。
【0082】
化合物1は、0(生理食塩水)、10、30、100或いは200mg/kg(30mL/kg、10分間以上)の用量レベルで側尾静脈への静脈内注射を介して各動物へ一度投与した。毒物動態学評価のための血液は、注射中及び後の予め決定した時点で回収した。血漿サンプルは、検証LC/MS/MSアッセイを用いて化合物1及びTPHに対して解析した。
【0083】
記述毒物動態学パラメータは、血漿濃度−時間データに基づいた標準モデル独立法(Gilbaldi and Perrier,1982)によって決定した。全ての薬物動態学解析は、Kinetica(登録商標)version4.2(Innaphase,フィラデルフィア、ペンシルバニア州)を用いて実行した、
maxは観察最大血漿濃度である
maxCmaxに到達した時間である
AUC(0−4.167hr)は10分注射の開始から注射終了後4時間の血漿濃度−時間曲線下の領域である
AUCは10分注射の開始から時間無限大の血漿濃度−時間曲線の領域である。
【0084】
1/2は消失半減期である。
【0085】
前記血漿濃度は、計算前ng/mLの10分の1近くに四捨五入された。数量化できるアッセイ限界(化合物1に対しては<50ng/mL、TPHに対しては<20ng/mL)以下の濃度の血漿サンプルは、薬物動態学解析、及び平均値及びSDの算出に対してゼロの値を割り当てた。名目上の時点は、全ての計算に対して使用した。
【0086】
化合物1及びTPHの血漿濃度における性差は見られなかったので、各サンプリング時点での雄及び雌ラットに対するデータを蓄積した。10分静脈内注射の最後、及び注射後のいくつかの時点での化合物1及びTPHの平均濃度は、それぞれ表7及び8にまとめた。図7及び8は、それぞれ化合物1及びTPHの血漿濃度−時間プロファイルを示したものである。
【0087】
表7:化合物1の単一10分静脈内注射後の、スプラーグドーリーラット(n=5から6)における化合物1の平均値±SD血漿濃度(ng/mL)及び毒物動態学パラメータ
【表8】

:静脈内注射の開始に対する時間、:n=5、NS:サンプルなし
【0088】
表8:化合物1の単一10分静脈内注射後の、スプラーグドーリーラット(n=5から6)におけるTPHの平均値±SD血漿濃度(ng/mL)及び毒物動態学パラメータ
【表9】

:静脈内注射の開始に対する時間、:n=5、NS:サンプルなし、NA:該当なし
【0089】
化合物1の血漿レベルにおける用量依存的増加は、10から200mg/kgの用量範囲以上で、10分注射の終了後すぐに観察された。前記注射の最後でのピーク濃度は、10、30、100及び200mg/kg後、それぞれ平均980.5、3487.1、29020.0及び89740.8ng/mLであった。化合物1は、10mg/kgの後、注入の終了後1時間で数値化不可能となった。30から200mg/kgの最も高い3つの用量で、注射の終了後4時間で回収したサンプルにおける化合物1の血漿レベルは数量化できなかった。化合物1の消失半減期は、利用可能なデータに基づいて決定できなかったが、結果により、ラットにおける化合物1のクリアランスは非常に速かったことが示唆された。
【0090】
TPHの血漿レベルにおける用量−関連増加も、化合物1の10分注射の終了後すぐに観察された。ピーク濃度は、化合物1注射の最後で観察され、10、30、100及び200mg/kgの後それぞれ平均2481.7、8337.7、29020.8及び60802.1ng/mLであった。化合物1と同様に、TPHの血漿レベルは、化合物1の注射の最後で素早く減少したが、10mg/kg用量の注射後4時間でもまだ数量化可能である。10mg/kg用量後のTPHの末梢消失半減期は、0.4時間になると予想された。30、100及び200mg/kg後のTPH消失半減期は、利用可能なデータに基づいて決定できなかったが、最も高い3つの用量の化合物1の注射が終了した後4時間で回収された血漿サンプルは、化合物1の注射が終了した後すぐに観察された濃度の1%未満であった。
【実施例8】
【0091】
ヒト内皮3次元出芽モデルにおけるTPHの抗血管新生有効性及びメカニズム
以下に説明されるプロトコールは、ヒト内皮細胞(微小血管、網膜及び脈絡叢内皮細胞)を用いた3次元出芽アッセイにおけるTPHの抗血管新生有効性を決定するために、更に酸化的ストレス、b−FGF、VEGF、TNF−アルファ、単球及びリポ多糖(LPS)に対する反応における抗血管新生有効性を決定するために実行した。
【0092】
実験デザイン
3次元血管新生アッセイ、フィブリンコーティングしたミクロ担体ビーズ上に培養したヒト皮膚微小血管内皮細胞(HDMEC)のインビトロ3次元出芽血管新生、コンフルエントHDMEC(継代5から10)は、1ビーズ当たり40細胞の割合でゼラチンコーティングサイトデックス(Cytodex)−3ビーズと混合した。細胞及びビーズ(25ウェルプレートのウェル当たり150から200ビーズ)は、5ml内皮基礎培養液(EBM)+15%正常ヒト血清(HS)と懸濁し、最初の4時間は毎時間穏やかに混合し、次に一晩COインキュベーターに培養するために放置した。翌日、10mlの新鮮FBM+5%HSを添加し、混合物は更に3時間培養した。実験前、EC−ビーズの培養をチェックし、次に500μlのリン酸緩衝食塩水(PBS)を24ウェルプレートの1ウェルへ添加し、100μlのEC−ビーズ培養溶液をPBSへ添加した。ビーズの数を計測し、EC/ビーズの濃度を計算した。
【0093】
血管新生因子或いはテスト因子を有する或いは有さない、EBM培養液におけるフィブリノーゲン溶液(1mg/ml)を調合した。ポジティブコントロールとして、30ng/ml VEGF+25ng/ml FGF2を使用した。EC−ビーズは、EBM培養液で2回洗浄し、EC−ビーズをフィブリノーゲン溶液へ添加した。実験は各条件に対して三つ組で行った。EC−ビーズはフィブリノーゲン溶液において穏やかに混合し、2.5μlヒトトロンビン(0.05U/μl)を1mlフィブリノーゲン溶液に添加し、300μlはすぐ24ウェルプレートの各ウェルへ移した。フィブリノーゲン溶液は、5から10分重合化させ、20分後、EBM+20%正常ヒト血清+10μg/mlアプロチニンを添加し、前記プレートはCOインキュベーターにおいてインキュベーションした。HDMECがフィブリンゲルへ浸潤し管腔を形成するのには約24から48時間かかった。
【0094】
ウシフィブリンゲルにおけるウシ肺動脈内皮細胞血管新生挙動を研究するために以前設計されたミクロ担体インビトロ血管新生アッセイ(Nehls&Drenkhahn,1995,Microvascular Research 50、311−322、Nehls&Drenkhahn,1995,Histochem.&Cell.Biol.104、459−466)は、3次元ECM(細胞外マトリックス)環境におけるヒト微小血管内皮細胞血管新生の研究用に修飾された。簡潔には、以前記載された(Feng et al.,1999,J.Invest.Dermatol.113、913−919、Mousa et al.,2005,Endocrinology Dec.29,2005、1390)ように単離されたヒトフィブリンは、1mg/ml(pH7.4)の濃度でM199培養液に溶解し、0.22ミクロンフィルターを通す濾過によって滅菌した。等張1.5mg/mlコラーゲン溶液は、5XM199培養液及び蒸留水において滅菌ビトロジェン100を混合することによって調合した。pHは1N NaOHによって7.4に調節した。特定の実施形態において、成長因子及びECMタンパク質(VEGF、bFGF、PDGF(血小板由来増殖因子)、血清、ゼラチン及びフィブロネクチンなど)をフィブリノーゲン或いはコラーゲン溶液へ添加した。約500EC−ビーズを次に1mg/mlフィブリノーゲン或いは1.5mg/mlコラーゲン溶液へ添加した。その後、EC−ビーズ−コラーゲン或いはEC−ビーズ−フィブリノーゲン懸濁液(500EC−ビーズ/ml)は300μl/ウェルで24ウェルプレートへプレーティングした。EC−ビーズ−コラーゲン培養は、ゲルを形成するまで37℃でインキュベーションした。EC−ビーズ−フィブリン培養のゲル化は、0.5U/mlの最終濃度までトロンビンを添加した後、室温で3分以内に生じた。ゲル化後、1mlの新鮮アッセイ培養液(HDMEC用に20%正常ヒト血清を添加されたEBM、或いはBAEC(ウシ大動脈内皮細胞)用に10%ウシ胎児血清を添加されたEBM)を各ウェルへ添加した。血管新生反応は、視覚的にモニタリングし、ビデオ画像収録によって記録した。特に、毛細血管出芽形成を観察し、Nikon NP−2サーモスタット及びSheldon#2004二酸化炭素流動撹拌器を収容するインキュベーターを備えているNikon−Diaphot−TMD反転顕微鏡(Nikon Inc.、ニューヨーク州メルビル)で記録した。顕微鏡は、マッキントッシュG3コンピューターと連結したDage−MTI CCD−72Sビデオカメラ及びSony 12’’PVM−122ビデオモニターからなるビデオシステムに直接連結(インターフェース)していた。画像は、Adobe Photochopを用いて様々な倍率で収録した。出芽血管新生に対する血管新生因子の効果は、毛細血管出芽を有するEC−ビーズの数及びパーセントを決定することによって視覚的に定量化した。各三つ組ウェルにおける100ビーズ(5から6ランダム低出力領域)は、各実験条件に対して計算した。全ての実験は、少なくとも3回繰り返した。統計学的解析は、それぞれのコントロール群と実験的に比較した分散の1−way解析によって実行し、統計学的有意差は、P<0.05を元にして計算した。
【0095】
本発明は、現在好ましい実施形態を参照にしながら示し記載したが、本発明は本明細書で特に開示され例示された実施例に限定されるものではないことは理解される。多数の変更及び修飾は、添付の請求項に説明されたように本発明の範囲及び観点から逸脱せずに、本発明の好ましい実施形態に対してなされるものである
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】図1は、標準化インキュベーション条件下におけるインキュベーション時間の機能としての、ラット、ウサギ、イヌ及びヒト血漿における化合物1(シクロプロパンカルボン酸1−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イルエステル)の消失を示したものである。
【図2】図2は、標準化インキュベーション条件下における化合物1インキュベーション時間の機能としての、ラット、ウサギ、イヌ及びヒト血漿におけるTPHの出現を示したものである。
【図3】図3は、インキュベーション時間の機能としての、ラット血漿における化合物1の消失及びTPHの出現を示したものである。
【図4】図4は、インキュベーション時間の機能としての、ウサギ血漿における化合物1の消失及びTPHの出現を示したものである。
【図5】図5は、インキュベーション時間の機能としての、イヌ血漿における化合物1の消失及びTPHの出現を示したものである。
【図6】図6は、インキュベーション時間の機能としての、ヒト血漿における化合物1の消失及びTPHの出現を示したものである。
【図7】図7は、化合物1の単一10分静脈内注入後の、スプラーグドーリーラット(n=5から6)における時間の機能としての、化合物1の平均±SD血漿濃度を示したものである。
【図8】図8は、化合物1の単一10分静脈内注入後の、スプラーグドーリーラット(n=5から6)における時間の機能としての、TPHの平均±SD血漿濃度を示したものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者における血管新生を阻害する方法であって、
血管新生を阻害するために治療上十分な量のヒドロキシルアミン化合物或いはそのエステル誘導体を前記患者へ投与する工程を有し、前記エステル誘導体は化学式Iを有するものであり、
化学式Iは以下であって、
【化1】

式中、
及びRは独立して、H或いはC〜Cアルキルであり、
及びRは独立して、C〜Cアルキルであり、
はH、OH或いはC〜Cアルキルであり、
は或いはC〜Cアルキル、アルケニル、アルキニル、或いは置換アルキル或いはアルケニルであり、
はC〜Cアルキル、アルケニル、アルキニル、或いは置換アルキル或いはアルケニルであり、
及びR、或いはR及びRが共にシクロアルキルであるか、若しくは両者がシクロアルキルであり、
及びR、或いはR、R及びRが共に3〜7員環を有する炭素環或いは複素環を形成するものである、方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法において、前記ヒドロキシルアミン化合物は、
【化2】

である。
【請求項3】
請求項1記載の方法において、前記ヒドロキシルアミン化合物は、
【化3】

である。
【請求項4】
請求項1記載の方法において、R、R、R及びRはC〜Cアルキルである。
【請求項5】
請求項1記載の方法において、R、R、R及びRはエチルである。
【請求項6】
請求項1記載の方法において、R、R、R及びRはメチルである。
【請求項7】
請求項6記載の方法において、
はH或いはメチルであり、
はベンジルオキシ或いはC〜Cアルコキシで置換されたメチルであり、
はメチルである。
【請求項8】
請求項6記載の方法において、
はH或いはメチルであり、
及びRは共にシクロプロピル基である。
【請求項9】
請求項6記載の方法において、R、R及びRは共にフラニル基である。
【請求項10】
請求項6記載の方法において、
はHであり、
及びRは共にテトラヒドロフラニル基である。
【請求項11】
請求項6記載の方法において、
はHであり、
及びRは共にシクロプロピル基である。
【請求項12】
請求項1記載の方法において、前記患者は哺乳類である。
【請求項13】
請求項1の方法において、前記患者はヒトである。
【請求項14】
請求項1記載の方法であってさらに、抗酸化剤或いは還元剤の1つ若しくは両方を投与する工程を有するものである。
【請求項15】
請求項1記載の方法であってさらに、抗腫瘍剤を投与する工程を有するものである。
【請求項16】
請求項1記載の方法であってさらに、付加的な抗血管新生剤を投与する工程を有するものである。
【請求項17】
請求項16記載の方法において、前記抗血管新生剤は、抗酸化剤、VEGFアンタゴニスト、bFGFアンタゴニスト、NOSアンタゴニスト、或いはそれらの組み合わせである。
【請求項18】
血管新生に関連した病状を患った患者を治療する方法であって、
病的血管新生を阻害するために治療上十分な量のヒドロキシルアミン化合物或いは化学式Iを有するそれらの誘導体を前記患者へ投与する工程を有し、
化学式Iは以下であり、
【化4】

式中、
及びRは独立して、H或いはC〜Cアルキルであり、
及びRは独立して、C〜Cアルキルであり、
は、H、OH、或いはC〜Cアルキルであり、
は或いはC〜Cアルキル、アルケニル、アルキニル、若しくは置換アルキル或いはアルケニルであり、
は、C〜Cアルキル、アルケニル、アルキニル、若しくは置換アルキル或いはアルケニルであり、
及びR、或いはR及びRは共に、若しくはいずれもシクロアルキルであり、
及びR、或いはR、R及びRは共に、3〜7員環を有する炭素環或いは複素環を形成するものである、方法。
【請求項19】
請求項18記載の方法において、前記ヒドロキシルアミン化合物は、
【化5】

である。
【請求項20】
請求項18記載の方法において、前記ヒドロキシルアミン化合物は、
【化6】

である。
【請求項21】
請求項1記載の方法において、R、R、R及びRはC〜Cアルキルである。
【請求項22】
請求項1記載の方法において、R、R、R及びRはエチルである。
【請求項23】
請求項1記載の方法において、R、R、R及びRはメチルである。
【請求項24】
請求項23記載の方法において、
はH或いはメチルであり、
はベンジルオキシ或いはC〜Cアルコキシで置換されたメチルであり、
はメチルである。
【請求項25】
請求項23記載の方法において、
はH或いはメチルであり、
及びRは共にシクロプロピル基である。
【請求項26】
請求項23記載の方法において、
、R及びRは共にフラニル基である。
【請求項27】
請求項23記載の方法において、
はHであり、
及びRは共にテトラヒドロフラニル基である。
【請求項28】
請求項23記載の方法において、
はHであり、
及びRは共にシクロプロピル基である。
【請求項29】
請求項18記載の方法において、前記患者は哺乳類である。
【請求項30】
請求項18記載の方法において、前記患者はヒトである。
【請求項31】
請求項18記載の方法において、前記病状は腫瘍によって特徴付けされるものである。
【請求項32】
請求項31記載の方法において、前記病状は癌である。
【請求項33】
請求項32記載の方法において、前記病状は、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨肉腫、軟骨腫、血管肉腫、内皮肉腫(endotheliosarcoma)、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫(lymphangioendotheliosarcoma)、滑膜腫、中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、結腸癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、扁平上皮細胞癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、皮脂腺癌、乳頭癌、乳頭状腺癌、嚢胞腺癌、髄様癌、気管支原性肺癌、腎細胞癌、肝細胞癌、胆管癌、絨毛癌、セミノーマ、胚性癌腫、ウィルムス腫瘍、子宮頸癌、精巣腫瘍、肺癌、小細胞肺癌、膀胱癌、上皮癌、グリオーマ、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽腫、聴神経腫、希突起神経膠腫、髄膜炎、メラノーマ、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、聴神経腫、神経線維腫、トラコーマ、或いは化膿性肉芽腫である。
【請求項34】
請求項18記載の方法であって、この方法は、さらに、
抗酸化剤或いは還元剤を投与する工程を有するものである。
【請求項35】
請求項31記載の方法であって、この方法は、さらに、
抗腫瘍剤を投与する工程を有するものである。
【請求項36】
請求項18記載の方法であって、この方法は、さらに、
付加的な抗血管新生剤を投与する工程を有するものである。
【請求項37】
請求項36記載の方法において、前記付加的な抗血管新生剤は、抗酸化剤、VEGFアンタゴニスト、bFGFアンタゴニスト、NOSアンタゴニスト、或いはそれらの組み合わせである。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2009−525983(P2009−525983A)
【公表日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−553512(P2008−553512)
【出願日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際出願番号】PCT/US2007/061484
【国際公開番号】WO2007/092741
【国際公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【出願人】(508235519)オセラ ホールディングス、インク. (3)
【Fターム(参考)】