説明

抗酸化性の食物サプリメントの組成物および健康な皮膚を維持するための方法

健康の頭皮および髪の維持だけではなく、健康の皮膚を維持し、かつ皮膚の紅化、炎症、過敏症、および皮膚の老化などのような皮膚の状態を緩和するための組成物および方法が開示される。開示された経口組成物は、リコピン、没食子酸、およびアスコルビン酸を含む酸化防止剤を含む。リコピンを含有するトマト組成物は、好ましくは、水抽出が施され、より好ましくは、酸性条件下での抽出が施される。本発明の態様の処理方法において、酸化防止剤を含み経口投与される組成物は、前述の皮膚の状態のための局所的な治療と共にヒトに投与される。局所的な治療のための好ましい組成物は、シクロヘキサンジオールまたはシクロヘキサントリオールのようなシクロヘキサンポリオールを含む。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔技術分野〕
本発明は、健康な皮膚を維持するために、ならびに皮膚の紅化、炎症、過敏症、および皮膚の老化のような皮膚状態を緩和するために、抗酸化性の食物サプリメントを単独で使用すること、および、上記食物サプリメントを、上記皮膚状態への局所治療と共に使用することに関する。
【0002】
〔背景〕
適切な食事は、健康な皮膚を維持することにおいて寄与する要因である。ヒトの皮膚状態に影響を及ぼす多様な食物サプリメントが存在する。(International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook, 2004; およびU.S. Pharmacopoeia Dietary Supplement Monographs)。
【0003】
発明者の以前の特許出願(Chomczynski, 米国特許出願第10/925,851号(2004)8月25日出願))において、発明者は、トマト製品の経口投与が、シクロヘキサノール誘導体を含む局所治療と同時に使用される場合に、健康な皮膚を維持するため、および皮膚状態を治療するために有益であることを開示した。上記特許出願は、トマトの活性成分が、トマトの水不溶性残部に関係していることをさらに開示している。
【0004】
トマトの水不溶性残部は、トマトの各水不溶性成分を有する細胞間組織の内部空間を形成する植物性多糖類から主に構成されている。上記各水不溶性成分は、特にカロテノイド類である。トマト((lycopersicum esculantum)およびその野生種)において、数種の各カロテノイドが同定されている(Khachikら)。
【0005】
トマトにおいて発見された最も特徴的なカロテノイドはリコピンである。リコピンは、トマトの熟した果実に高濃度で存在する。また、リコピンは、スイカ、ピンクグレープフルーツ、ピンクグァバ、およびパパイヤにも高濃度で存在する。
【0006】
リコピンを含有する食品が健康に対して有益であることは明確である。リコピンの有益な健康上への公知の効果は、特定の癌(例えば、前立腺癌)のリスクを減少させること、および酸化的損傷から組織を保護すること(特にヒトの目の適切な機能を保護すること(Khachikら,2002))を含む。リコピンは、化粧用組成物、および経口サプリメントとして、ヒトにおいて使用されている(www.lycopene.org)。
【0007】
リコピンは、皮膚の健康を増進するための化粧用組成物、および医療用組成物の一部としても使用されている。化粧用組成物について、Bernsらは、皮膚色素疾患の治療においてリコピンを酸化防止剤として使用している(米国特許出願第2004/0170585号、2004年9月2日公開、段落19)。Cochranは、栄養成分、および、人体への制御成分を提供する各組成物について記載している。それらの各組成物は、酸化防止剤としてリコピンを含んでいる(米国特許第6,048,846号、Cochran、2000年4月11日発行)。
【0008】
2004年8月19日に公開された米国特許公開第2004/0161435号において、Guptaは、リコピンを含む組成物を用いて治療することにより、皮膚のコラーゲンとエラスチンとを増進させる、皮膚の老化への局所治療を開示している。
【0009】
リコピンは、日焼けへの感受性に影響を与えるためにヒトの皮膚に対して処置するための局所各組成物(国際公開第97/47278号パンフレット)、ならびに、5アルファ−レダクターゼ活性に影響を与えて、頭皮および/またはニキビの局所治療のための各組成物(日本特許第2940964号公報)に含まれている。
【0010】
Poppらは、ビタミン、微量元素、および他の化成品のような他の必須の要素を含む成分の一部としてのリコピンを有する、健康な皮膚を増進するための食物サプリメント組成物について記載している(米国特許第6,630,158号(2003年10月7日発行))。上記サプリメントは、錠剤、粉剤、カプセル、ウエハー、液体、または液体を充填したカプセルの形態で提供される。
【0011】
Gorsekは、リコピンを含む、経口的に摂取される組成物を用いた、加齢に関連する目の疾患の治療について記載している(米国特許第6,103,756号(2000年8月15日発行))。
【0012】
Lorantらは、皮膚を冒す老化を改善するための局所的な適用として、リコピンを経口投与のための懸濁液または溶液の形態にて使用している(米国特許第6,623,769号(2003年9月23日発行))。
【0013】
Winstonらは、リコピン(トマト含油樹脂からの)一部と、トマト粉末一部とを含む、老化過程の身体抵抗効果を補助する二部組成物を記載している(米国特許出願公開第2003/0008048号公報)。
【0014】
ヒトにおける、食料からのリコピンの吸収は、2.5%程度と低い(Tyssandierら,2003)。トマトを加熱および処理してトマトペーストにすると、リコピンの生体利用効率が増加する(Hof,2000)。また、オイルの存在もリコピンの生体利用効率を増加させる(Deming,1999,P2216)。
【0015】
植物繊維は、内臓の健康において有益な影響を得るための食物サプリメントとして使用され得る(米国特許第6,753,019号、Langら、2004年6月22日発行)。上記‘019特許において記載されている繊維は、水で抽出されたトマト繊維を含む。抽出するための流体は、最も好ましくは水であるが、クロロホルム、およびヘキサンのような有機溶媒も上記抽出に使用できる(p.6)。
【0016】
リコピンは、クロロホルムおよびヘキサンの両者に溶性であるため、‘019特許に記載されている繊維を含む組成物の利点がリコピンに関していることは明らかではない。加えて、抽出された原料は、酸またはアルカリにより処理されていないことが示されている(請求項14)。
【0017】
Zelkhaらは、有機溶媒を用いてトマト果肉からリコピンを抽出することについて記載している(国際公開公報第95/16363号パンフレット)。この抽出処理は、リコピンを含む含油樹脂、およびリコピンを含まない果肉をもたらす。
【0018】
Schmoutzらは、少なくとも25%の脂質、6%から15%の糖質、および少なくとも15%の野菜の固形分を含む菓子製品を記載している(米国特許第6,713,100号公報、2004年3月30日発行)。上記野菜の固形分は、トマトの固形分を含有できる(請求項6)。
【0019】
リコピンに加えて、皮膚の状態を改善するための食物サプリメントの添加物として、種々な各抗酸化剤が使用されている(International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook, 2004、およびU.S. Pharmacopoeia Dietary Supplement Monographs, Vaya J, 1)。
【0020】
国際特許出願公開第2006/060470号パンフレット(2006年6月8日公開)は、本出願の親出願である。上記親出願では、ニキビ、または、慢性皮脂腺炎症のような皮膚状態の局所治療と共に、リコピンのような抗酸化剤を経口投与することについて開示している。
【0021】
〔要約〕
本発明は、ニキビ、慢性皮脂腺炎症、および炎症に関連して、しばしば生じる、突発性、および再発性の皮膚の紅化を含む皮膚状態の症状を緩和するために使用される経口的に投与される組成物に関する。上記組成物は、植物組織内に分散したままのリコピンを含有するトマトの固形分を含む。上記組成物は、マンゴー、リンゴ、またはパイナップルに由来するようなフルーツ由来の構成要素も含有し得る。
【0022】
本発明は、健康な皮膚を維持する方法、ならびに炎症、過敏症および皮膚の老化に関連して生じる各皮膚状態を緩和する方法に関する。上記方法は、リコピンを含むトマト組成物を対象へ経口投与することと共に、上述の皮膚状態の部位に対して必要な局所治療を上記対象へ施すことを含む。
【0023】
リコピンの投与のための好ましい組成物は、ジュース、ピューレ、ペースト、および固形分の形態を備えたリコピン含有のトマトの各組成物を有する。これらの各組成物は、水による抽出にさらされた固形分を含み得る。これらの各組成物は、より好ましくは、例えば、酸性条件下において、水蒸気により抽出された固形分を含む。水により抽出された後のトマト固形分は、トマトの味と香りとが顕著に減少する。また、上記トマト固形分は、トマトの味に限定されない多様な味の特性を有するリコピンを含有する組成物を作製するために使用できる。リコピンを含有するトマト固形分を有する組成物は、本発明の局所的な外用治療と同時に、健康食品もしくは栄養補助食品の部分として使用され、または、健康食品もしくは栄養補助食品の部分として独立して使用され得る。
【0024】
局所的な外用治療に好ましい組成物は、以下の活性成分の化合物に基づく。
【0025】
【化1】

【0026】
上記化合物の構造式では、Rは、−OH、およびC−CアルキルOH、ならびにR、R、R、RおよびRは、それぞれ−H、−OH、COOH、C−CアルキルおよびC−Cシクロアルキルから独立して選択される。ただし、上記活性成分は、5個以内の−OH基しか含まない。
【0027】
本明細書で言及された各特許公報、各特許出願公開公報、および各刊行物の全ての内容は、参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0028】
〔発明の詳細な説明〕
本発明は、健康な皮膚を維持するための抗酸化性の食物サプリメントを含む組成物、および方法に関する。また、本発明は、炎症、過敏症、および皮膚の老化のような皮膚疾患と関連する皮膚の紅化および炎症を含む、数多くの各皮膚状態を緩和するための、抗酸化性の食物サプリメントを含む組成物、並びに、方法に関する。本発明から利益を受ける皮膚疾患の例は、ニキビおよび慢性皮脂腺炎症を含む。
【0029】
本発明は、リコピンを含有するトマト組成物および他の抗酸化剤を含む医学的に活性を有するサプリメントの経口投与と、健康な皮膚を得るため、および皮膚疾患の症状を治療するための局所治療とを組み合わせたものである。
【0030】
本発明のリコピンを含むサプリメントは、食物サプリメントとして知られている、合成および/または天然の、各組成物および/または各原料を、または、上記各組成物および各原料の混合物をさらに含むことができる。これらの各組成物および各原料の例は、International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook, 2004、およびU.S. Pharmacopeia Dietary Supplement Monographsに挙げられている。例えば、上記各組成物および各原料は、ビタミン類、微量元素類、天然抽出物類、ホルモン類、タンパク質類、炭水化物類、およびそれらの組み合わせを含む。
【0031】
本発明において、リコピンは、植物に由来する原料の一組成として利用され得る。本発明では、精製されたリコピンは、限界的な効果のみ有する。
【0032】
本発明において、リコピン投与の最も好ましい形態は、固形分の組織マトリクス中への分散である。上記固形分の組織マトリクスは、分散されたリコピンを含むトマトの固形分であり得る。植物固体分内におけるリコピンの分散例は、ジュースを含有する固形分、果肉、ピューレ、ムース、ソース、ペースト、濃縮物、および粉末を含む。
【0033】
リコピンを含有するトマト原料は、ほぼ純粋な形態の、または植物に由来する原料の成分としての他の抗酸化剤にて補うことができる。現在、トマトジュースによく用いられる添加物はアスコルビン酸である。本発明における他の抗酸化剤の添加物は、水酸化フェノール類、フラボノイド類、およびポリフェノール類を含む。
【0034】
ヒトに毎日投与される分散したリコピンの有効量は、体重に対して、約0.2mg/kgから約3mg/kgまでである。好ましい量は、体重に対して、約0.5mg/kgから約1.5mg/kgまでである。また、最も好ましい量は、体重に対して、約0.7mg/kgから約0.9mg/kgまでである。最も好ましい量を摂取するために、体重70kgのヒトは、毎日約49〜63mgのリコピンを摂取する必要がある。この摂取量は、約524〜約629mlのトマトジュースまたは約170〜約215gのトマトペーストに相当する(www.lycopene.org にて提供されているリコピン含有量に基づく)。この比較的多量な毎日の摂取、すなわちリコピンを含有する製品の大量の摂取は、トマト固有の味により容易には受け入れられないかもしれない。
【0035】
アメリカにおけるリコピン含有トマト製品(新鮮なトマトを含む)の新鮮なフルーツと同等として計算された消費量は、1人当たり約92ポンド/年と等しい(ers.usda 簡易報告)。これは、1人当たり毎日3.5mgのリコピンを摂取することを意味する。トマトジュースは、トマト製品の全消費量の約15%である。この量は、1人当たり約14ポンド、および1日に16mlのトマトジュースに相当する。ちなみに、オレンジ製品も同程度の消費量を有する(新鮮なフルーツの均等物として計算して、1人当たり1年に90ポンド)(ers.usda出版)。しかし、オレンジ製品の消費量の83%はオレンジジュースである。この消費量は、1人当たり1年に約75ポンド、または1日に93mlのオレンジジュースを意味する。トマトジュースの価格は、オレンジジュースよりも低く、入手しやすさは両者のジュースで同一である。トマトジュースの消費を抑制している1つの要因は、その野菜臭である。
【0036】
アメリカで最も頻繁に消費されているトマト飲料は、Campbell Soup Company(Camden, NJ)の製品である、トマトジュースおよび種々なバージョンの各V8野菜ジュースである。リコピンを含有するトマト製品は、野菜および塩味を有することが昔からの伝統である。例えば、大部分のトマトジュース類は、塩が補われている。また、V8飲料は、ニンジン、セロリ、ビーツ、パセリ、およびレタスを含む野菜ジュースにより補われたトマトジュースを含む。
【0037】
消費者へのトマトジュースの十分なアピールの欠如は、発明者らがシンシナティ地域で行った調査で明らかである(実施例1)。調査対象となった人々の大部分(74%)はトマトジュースを好むと回答した。しかし、1箇月に少なくとも1度トマトジュースを飲むのは、そのうちのたった21%である。調査された大部分の人々(69%)はトマトジュース以外のジュースを飲んでいる。明らかにトマトジュースの味は、より頻繁に消費者に飲まれるために十分に魅力的ではない。
【0038】
その他のトマト製品である、トマトペーストは、現在のところソースおよびスープの一部として使用されている。また、本発明において要求されているように、上記トマトペーストは、1日の摂取量を約200gとして考えられていない。リコピンを含有するトマト製品の本発明において示された消費量に近づくために、顕著に味が改良された新たな組成物を開発する必要がある。
【0039】
本発明に開示されたリコピンを含有するトマト組成物の味の改良は、野菜の風味よりもフルーツの風味によってトマト組成物を補うことにより達成される。本発明者らの試験は、本発明に係るフルーツの風味を有するトマト製品は、伝統的な野菜および塩味を有する製品よりも消費者に好まれることを示す(各実施例12および13)。この知見に反して、消費者に受け入れられるために、トマト製品は、トマトの味およびトマトの色を有しているべきであることが当然と考えられている(米国特許第6,924,420号公報、カラム2の段落45)。
【0040】
米国特許第6,436,452号公報は、化学的な修飾の結果生じるフルーツ風味の増加によるトマト製品の改良のための方法を開示している。上記改良方法は、トマト製品に添加された、カロテノイド類およびポリ不飽和脂肪酸類の、共に添加されたリポオキシゲナーゼによる共酸化により達成された。この化学修飾は、トマト製品の味に続いて、トマト製品の香りに影響を与える。
【0041】
本発明は、簡便かつ効果的にトマト組成物の味と香りとを含む風味を改良する方法を開示している。なお、上記方法は、化学反応を含まない。本発明における1つのアプローチでは、ジュース、ピューレ、および濃縮物のようなリコピンを含有するトマト組成物は、乾燥質量で計算して、上記トマト組成物の乾燥質量の少なくとも5%を含む組成物(フルーツに由来する)にて補われる。フルーツ様風味を維持するために、野菜の補助は、本発明のリコピンを含有するトマト組成物の約10%未満の添加である必要がある。
【0042】
本発明における、フルーツの補助は、マンゴー、リンゴ、グレープフルーツ、パイナップル、チェリー、およびベリーのフルーツ類を含む。フルーツの補助は、未修飾または修飾の、10種の本発明のトマト組成物に添加され得る。
【0043】
本明細書では、修飾されたトマト組成物は、本発明に記載された味を変化させる水抽出の処理が実行されたトマト製品として定義される。本発明におけるフルーツの補助添加の開示は、消費者にアピールする、改良された味を有するリコピン含有のトマト製品を有する新規の組成物の創造を可能にする。
【0044】
本発明において、トマト製品と混ぜ合わせるために好ましいマンゴー、リンゴ、およびパイナップルに由来し、かつジュース、果肉、ペースト、粉末、抽出物、および濃縮物の形態におけるフルーツの補助添加物を開示している。
【0045】
本発明において最も好ましいフルーツの補助添加物は、マンゴーを含む。マンゴーに由来する補助添加物類は、味と香りとのトマト風味の消去に比類なく効果的であり、消費者へのトマト製品のアピールを実質的に改良する。このマンゴーの風味を改良する効果は、本発明において記載された水抽出の処理を実行しないトマト組成物に特に有用である。
【0046】
本発明において、修飾されていないトマト組成物の味を顕著に変えるマンゴージュースまたはマンゴー濃縮物の最小有効濃度は、トマト組成物の量の少なくとも約5%である。好ましいマンゴーの量は、修飾されていないトマト組成物の量の約10%から約25%までである。上記パーセントは、乾燥質量として表されるマンゴーおよびトマト組成物の量を表す。もし、望むのであれば、トマト−マンゴー組成物について、別のフルーツに由来する成分または各成分の混合物にて補うことができる。
【0047】
興味深いことに、Campbell Soup Companyの製品は、品名「Vフュージョン−ピーチ−マンゴー100%ジュース」においてマンゴーを使用している。しかし、上記製品は、イエロートマト、ニンジン、ホワイトグレープ、オレンジ、ピーチ、および2%未満のマンゴージュースに加えて、イエローポテトからの野菜ジュースを高濃度で含む。「Vフュージョン−ピーチ−マンゴージュース」は、イエロートマトしか含有していないため、リコピンの量はそれほど含んでいない。
【0048】
本発明のトマト−フルーツ組成物には、砂糖および他の組成物を補ってもよい。砂糖の量は製品によって様々である。本発明のトマトジュースのために好ましい砂糖の量は、100gのジュースに対して約1gから約5gまでである。トマト−フルーツ組成物に添加される添加組成物は、組成物の乾燥質量に基づくフルーツの補助添加の量の50%未満、および好ましくは10%未満であるべきである。特に、独特のマンゴー−トマト風味は、他の風味(最も野菜風味)により容易に負ける、つまり消されてしまう。
【0049】
実施例12は、修飾されていないトマトジュースと比較した本発明に係るトマトジュースの味の改良を示す。グループAの23人の試験者は、上述の2つの修飾されていないトマトジュース(1つは高濃度のナトリウムを含むトマトジュース、もう1つは他の低濃度のナトリウムを含むトマトジュース)と本発明のトマト−マンゴージュースとの味を評価した。
【0050】
本発明における味の変化方法は、トマト製品内におけるナトリウムの含有量の実質的な減少を可能にする。
【0051】
発明者が、以前に、トマト製品の経口投与について開示した特許出願(Chomczynski、米国特許出願番号第10/925,851号)は、皮膚の状態にとって有益である。上記特許出願は、本発明の活性要素が水に不溶であることも開示している。本発明において、トマトの水不溶性の活性要素は、リコピンを含むことを開示している。
【0052】
本発明は、さらに、水抽出が施されたリコピンを含有する植物固形分が、水抽出されていない植物固形分よりも好まれることを開示している。発明者らは、水抽出が施されたトマト固形分では、驚くべきことに、トマトの固有の風味(味と香りとを含む)を顕著に減少しているか、または上記風味が完全に除去されていることを見出した。この知見は、トマトの固有の風味に寄与する成分が、水を用いてトマトから抽出されること、および上記成分が水に溶解することを示している。
【0053】
このことは、米国特許第6,890,574号公報(Geifmanら)を考慮しても予測できないことである。‘574特許は、トマトの水溶性部分から、食物の味の改良剤(主要なトマト風味を欠いている)を作製する方法を開示している(段落50)。トマト風味を有しない、上記味の改良剤は、トマトの水溶性成分であるトマトの上清液の濃縮、およびタンパク質分解によって得られる。タンパク質は、植物原料の風味にそれほど寄与しない。トマトの水溶性画分がトマト風味と関連しないとする‘574特許における開示は、水抽出が施されたトマト固形分においてトマト風味が減少するとする、本発明における開示と相反する。
【0054】
本発明において記載された水抽出を実行した場合、ペーストおよびスラリーを含むトマト組成物は、水に可溶性の構成要素、および水に不溶性として残留する構成要素の2つの各画分を生じる。水に不溶性として残留する構成要素は、本発明において、水不溶性固形分と称する。
【0055】
これらの水不溶性固形分は、高濃度のリコピンにより赤い。通常、水不溶性トマト固形分には、最初のペースト、スラリー、または他の原材料に存在するリコピンの少なくとも90%が残っている。水に可溶性の構成要素は、赤い色を除いた味と香りとを含む、トマトの官能試験特性で定義される化合物を含む。濃縮後の水可溶性画分は、トマトの味と香りとを有し、かつリコピンを含まない、またはトマトの味と香りとを有し、かつ残余量のリコピンを有する、食品添加物をもたらす。
【0056】
トマトの水不溶性固形分は、健康と皮膚とに有益なトマトの効果と共にリコピンも残っている。本発明における水不溶性トマト固形分のトマト味の欠如または顕著な減少は、トマトの香りに限定されずに、リコピンの生物的に効果のある形態を含む、多様な味の特性を有する新規の食品の製造を可能にする。
【0057】
さらに、本発明において、植物固形分を得るための最も効果的な水抽出は、酸性pHにおける水抽出であることが見出された。酸性抽出は、約6未満のpH、好ましくは、pH約1.5からpH約4.5までの範囲のpHで実行されるべきである。
【0058】
酸性抽出の間のpHは、例えば、HClで調整できる。抽出条件の例は、室温(約15℃〜約25℃の範囲)および大気圧である。上記抽出は、通常、約1時間から約12時間までである。上記抽出には、水抽出および/または酸性水抽出の1回または複数回の使用が可能である。
【0059】
工業規模において本発明の水抽出を実行するためには、逆浸透、1つ以上の開口部を備えたフィルタースクリーンでの圧縮、および沈殿法を含む多様な技術が適用され得る。本発明における水抽出の1つの方法は、沈殿法である。上記沈殿法において、トマトペーストを混合して得られたか、または水で濃縮して得られたトマトジュースまたはスラリーは、約3,000gから約10,000gまで、好ましくは約6,000gでのフロースルー遠心(flow-trough centrifuge)、またはデカンターにおいて沈殿させられる。
【0060】
上記沈殿は、水不溶性固形分のペレットおよび水可溶性の構成要素を含む上清をもたらす。10倍容量の水によるトマトペーストの抽出は、ヒトの感覚では事実上無味無臭である水可溶性固形分をもたらす。
【0061】
トマトの香りを顕著に減少する最小容量の水は約1倍容量である。約6,000gを用いた沈殿法により調製された、トマトの水不溶性固形分は、出発原料中に存在するリコピンの少なくとも90%を保持している。
【0062】
本発明の水抽出方法は、トマトの工業的な処理に組み込むことができる。このことは、抽出されたトマト固形分を集めること、上記固形分と所要のフルーツのジュースおよび/または成分とを混合すること、得られた混合物を低温殺菌すること、ならびに容器へ包装すること、を必要とする。
【0063】
工業的な大規模用途のためには、トマトスラリーの沈殿は、固形分および液体分の連続排出による遠心を用いることで実行されてもよい。例えば、1つまたは一連の2つの各遠心分離機が使用可能である。一連の2つの各遠心分離機の使用について、第一の遠心分離機は、3,000gを提供するNX438(Tetra Pak Inc. IL, USA)のようなトマトデカンター(tomato decanter)であり得る。次に、10,000gまでを提供する自動固形分排出を有するSP−725Superhelix Sharples遠心分離機を使用し得る(www.alafalaval.com)。
【0064】
本発明の水抽出は、蒸気による抽出を含む。この抽出方法において、蒸気発生機は、熱い12のトマトスラリーを通過する蒸気を提供する。約0.5時間から約3時間の蒸気抽出の後、上記スラリーのトマトの香りは顕著に減少する。残存しているトマトの香りは、蒸気処理されたスラリーと食品(例えば他のフルーツジュース)とを混合することによりマスクすることができる。上記蒸気処理されたトマトスラリーのリコピン含量は、本質的には、上記処理が施されていないスラリーと同一である。
【0065】
本発明の蒸気抽出の簡略版は、トマトスラリーまたはトマト濃縮物に対して、約0.1容量から約4容量の水を補い、上記トマトスラリーまたはトマト濃縮物の煮沸を含む。より好ましい量の水は、約0.5容量から約1容量までである。上記煮沸の間に生じた熱および蒸気はトマトの香りを顕著に除去して、トマトの香りを顕著に減少した食品のために処理されたスラリーを使用できることになる。
【0066】
本発明の蒸気抽出は、中性pH(6〜8の範囲)、アルカリ性pH(8〜12)、および酸性pH(1〜6)で実行される。好ましいpHの範囲は、約1〜6であり、より好ましい範囲はpH約2〜3である。本発明の蒸気抽出は、簡便で、遠心を用いた沈殿に基づく水抽出方法よりも経済的である。
【0067】
トマトの香りおよび味を運ぶ蒸気は、凝縮させることができ、得られた凝縮物は、トマトの味と香りとを有する食品添加物として使用できるが、リコピンが存在しないため無色である。
【0068】
水に不溶性である植物固形分の重要な成分はリコピンであること、および酸で抽出された植物固形分はリコピンを提供するために最も効率のよい形態であることが、本発明において開示されている。錠剤として投与される精製されたリコピンは、わずかしか有効でない。
【0069】
植物組織中におけるリコピンの分散は、本発明の治療方法において、リコピンの有効性に寄与できる。リコピンに加えて、水抽出が施された植物固形分は、健康および/または皮膚の健康に寄与できるいくつかの各化合物を保持している。上記各化合物としては、例えば、水に不溶性のポリサッカライド類、グリコアルカロイド類、およびカロテノイド類が挙げられる。
【0070】
水抽出が施されたトマト固形物における、抗酸化活性を有するカロテノイド類および他の成分は、本発明の治療方法においてリコピンの有効性に寄与できる。トマトにおけるこれらの有益なカロテノイド類は、フィトエン、フィトフルエン、カロチン類、ニューロスポレン、およびルテインのような化合物を含む。
【0071】
リコピンを含むトマト粉末の体内摂取は、ラットにおいて前立腺癌を抑制することが示されている(Boileau,2003)。この論文の著者は、リコピンを加えた化合物を含むトマト製品が前立腺癌を緩和することを示唆している。
【0072】
本発明に係る上記各リコピン含有組成物は、ペースト、ピューレ、ムース、懸濁液、または粉末の形態で食物サプリメントとして投与され得る。上記各リコピン含有組成物は、本発明の経口/局所投与の一部、または独立した食品として投与され得る。本発明の各リコピン組成物は、2つ以上の植物源に由来する成分も含んでよい。本発明のリコピン組成物は、リコピンを含有しない植物固形分、ならびにジュース、抽出物、粉末、およびピューレのような他の植物に由来する成分も含んでよい。
【0073】
本発明において記載された方法に従って処理されたトマト材は、トマトの香りを顕著に失い、フルーツの香りを獲得する。各実施例12、13は、修飾されていないトマト製品と比較した本発明の組成物の実質的な味の改良を示す。加塩または減塩の修飾されていないトマトジュースは、本発明の組成物と比較して実質的に異なっており、かつ質が劣っている。
【0074】
実施例12では、パートAにて決定不能とした1人の試験者、およびパートBにおいて決定不能とした2人の試験者を除いて、パートAにおける20人の試験者、およびパートBにおける21人の試験者は、修飾されていないトマトジュースの味が、トマトマンゴージュース、および、酸で抽出された本発明のトマトグレープフルーツジュースと比較した場合に、実質的に異なっており、かつ質が劣っていると評価した。
【0075】
同様に、実施例13においては、本発明のトマトピューレ組成物が、修飾されていないトマトペーストよりもはるかに良い味であるとの評価を受けた。これらの各試験は、修飾されていないトマトペーストに比べて本発明のトマトペーストおよびトマト固形分を含む組成物の味が実質的に改良されていることを示す。
【0076】
18人の試験者のうち、13人がトマト−マンゴーピューレの味を好んだ。18人の試験者のうち、16人は、水抽出が施されたトマトグレープフルーツのピューレを好んだ。修飾されていないトマトペーストを好む試験者はいなかった。
【0077】
トマトペーストの伝統的な直接摂取のための形態は、木の実の大きさである。しかし、本発明に従って修飾すると、得られたトマトピューレは消費者に受け入れ易いものとなる。本発明のトマトピューレは、ジュースよりも約3倍の高濃度のトマト固形分およびリコピンを含む。また、上記トマトピューレは、トマトジュースよりも多量の摂取において好まれ、高カロリーである。
【0078】
本発明のリコピンを含む組成物の官能試験特性は、フルーツ、ハーブ、および乳製品を含む他の食品を含む多様な源に由来するジュース、抽出物、またはピューレのような他の成分と上記リコピンを含む組成物との混合によりさらに修飾できる。本発明のリコピン組成物は、その味、香り、および色を変化または改良する化学(合成または天然)成分も含み得る。
【0079】
本発明のリコピン組成物は、例えば、タンパク質、炭水化物、および食事に必要とされるような他の食物添加物を含む、その食事価値の質を高め、かつ修飾する成分をさらに含み得る。食事は、本発明のリコピンを含有する組成物を単独で摂取すること、または本発明の局所治療と共に摂取することを含む。トマト製品におけるタンパク質の濃縮の例は、トマトペースト、マンゴー果肉、およびヨーグルトを含む組成物である。
【0080】
本発明のリコピン組成物は、リコピンの生体利用効率を増加する成分をも含み得る。前述の成分は、ごま油、comオイル、アボガドオイル、オリーブオイル、またはキャノーラオイル、またはこれらのオイルの混合物を含み得る。
【0081】
本発明のリコピン組成物は、例えば、追加された抗酸化剤、ビタミン、および微量元素を含む健康および/または皮膚に有益な効果を有する成分をさらに含み得る。現在のところ、トマトおよび他のフルーツジュースは、ジュース製品の安定性および健康への有益性を改良するために、高い頻度でビタミンCにより栄養価を高められている。
【0082】
茶、コーヒー、チョコレート、およびスパイス類は、多様な抗酸化剤およびヒトの健康に有益な他の成分を含むことが知られている(Kiら2003)。しかし、慢性皮脂腺炎症の患者は、皮膚の紅化、吹き出物、および突発(flare-up)のような皮膚の炎症性反応を誘発するため、茶、コーヒー、および特定の種のスパイスを避けるべきである。
【0083】
トマト製品類は、調査された人々の約25%において慢性皮脂腺炎症を引き起こすとも報告されている(National Rosacea Society website www.rosacea.org)。皮膚の炎症反応の誘発に関与する食材中の特定の成分は知られていない。しかし、本発明において、コーヒー、茶、およびトマトに存在する慢性皮脂腺炎症を引き起こす化合物は水溶性であることが開示されている。
【0084】
このため、水抽出が施された本発明のトマト固形分は、慢性皮脂腺炎症により影響を受けている人々にとって、さらなる利点を有する。水抽出が施された、リコピンを含む固形分の使用は、経口組成物から健康および皮膚の状態に悪影響を与える水に可溶性の化合物を取り除くことができる。
【0085】
トマトとは対照的に、水抽出は、コーヒー、およびお茶からカフェインを含む所望の成分を除去する。
【0086】
本発明の経口投与のためのリコピンを含む成分は、精製された高純度の抗酸化剤、または実質的に精製された抗酸化剤の混合物にて補われ得る。精製されていないか、もしくは部分的に精製された植物抽出物、または抗酸化剤を含む他の植物に由来する原料も本発明において使用可能である。
【0087】
本発明における各サプリメントの使用のために最も好ましい抗酸化剤は、没食子酸、アスコルビン酸、およびそれらの活性誘導体、ならびにそれらの混合物である。メチル没食子酸塩、およびプロピル没食子酸塩のような没食子酸エステルは、本発明の経口組成物において有効ではない。本発明において使用可能である他の抗酸化剤の例は、ルチン、ヒドロキシチロソル(hydroxytyrosol)、およびオレウロペイン(oleuropein)を含む。
【0088】
発明者らは、抗酸化剤(特にリコピンを含む組成物、アスコルビン酸、または没食子酸)の比較的多量の摂食が、過酸症、胸やけ、胃の逆流、吐き気、ガス、または胃内ガスを含む消化器系の問題を引き起こし得ることを見出した。これらの問題は、生姜、生姜の抽出物、ルチン、ミント、ミント抽出物、メンソール、およびその誘導体といった各原料、または、それら各原料の混合物の摂取と共に抗酸化剤の補給により緩和できることが、本発明において開示されている。
【0089】
これらの各原料は、上記問題に対処するために、抗酸化剤の有効量(例えば、約2mgから約1000mg/日まで、好ましくは約10mgから約250mg/日まで)に従って投与され得る。上記原料は、抗酸化剤の単回用量で調合されてもよく、この場合、約5mgから約500mg/用量までであり、より好ましくは約5mgから100mg/用量までである。
【0090】
本発明の局所治療のための組成物の予期しない付加的な効果は、皮膚の保湿効果である。この効果は、肌のきめに有益であり、かつ、年齢を重ねた肌においてしわの出現を減少させる。
【0091】
本発明の治療態様の方法において、抗酸化剤を含むサプリメントは、通常、皮膚の状態を向上させるための局所治療と共に、経口投与される。
【0092】
「同時治療」は、局所治療が、その薦められた投与量において施されているのと同一の期間の間、経口的なサプリメントが、その薦められた投与量にて投与されることを意味する。例えば、設定された2週間の期間で、経口リコピン17(または抗酸化剤)のサプリメントは、1日1回投与され、かつ、局所用の軟膏は皮膚の選択された領域に1日2回塗布される(例えば、朝、および就寝前)。
【0093】
ニキビ、慢性皮脂腺炎症、皮膚の炎症(例えば、局所ステロイド)、過敏症、および皮膚の老化(例えば、アルファ−ヒドロキシ脂肪酸)に起因する皮膚の状態を向上するための任意の従来の局所治療は、本発明の経口治療計画と共に使用できる。
【0094】
好ましい治療には、以下の構造式を有する活性物質の局所への塗布が利用できる。
【0095】
【化2】

【0096】
上記構造式において、Rは−OHおよびC−CアルキルOH(C−Cアルカノール)から選択され、R、R、R、R、およびRは、−H、−OH、−COOH、C−Cアルキル、およびC−Cシクロアルキルから独立して選択される。活性物質における−OH基の全ての数は5個を超えない必要がある。
【0097】
上記構造式において、R、R、R、R、およびRは、−Hおよび−OHから選択されることが好ましい。
【0098】
また、上記構造式において、R、R、R、R、およびRは、上記構造式の全体において5個以下のヒドロキシル基、および、より好ましくは3個以下のヒドロキシル基をさらに含む。
【0099】
本発明における使用のために好ましい化合物は、シクロヘキサノール、2−シクロヘキサノール、シクロヘキシルメタノール、3−シクロヘキシル−1−プロパノール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、4−シクロヘキシルシクロヘキサノール、4−メチルシクロヘキサノール、1,2,3−シクロヘキサントリオール、1,3,5−シクロヘキサントリオール、および1,4,5−シクロヘキサントリオールから選択される。これらの各物質の混合物も使用し得る。活性物質のシス異性体およびトランス異性体の両者(または混合物)が本発明に使用できる。立体化学異性体、リン−誘導体、ホスファチジル−誘導体、および活性を示す代謝産物の各化合物がこれらの化合物の定義内に含まれる。
【0100】
本発明の局所治療の態様における使用のために、特に好ましい化合物は、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,3,5−シクロヘキサントリオール、および1,2,3−シクロヘキサントリオール、およびそれらの各物質の混合物を含む。その上、これらの各物質の多様な光学異性体に加えて、上記シス異性体、および上記トランス異性体が本発明において活性を有するものである。
【0101】
上記各活性物質は、治療されるべき部位(例えば、皮膚の紅化、または慢性皮脂腺炎症、ニキビ、もしくは皮膚の炎症などに関連する症状のある部位)に対し局所的に塗布される。各活性物質は、約0.001mg/cmから約10mg/cmまでの量、好ましくは約0.1mg/cmから約1mg/cmまでの量、より好ましくは約0.1mg/cmから約0.5mg/cmまでの量で皮膚に局所的に塗布される。しかし、上記塗布量は、剤形、治療を受ける人、および治療される特定の状態の性質に依存して変更することができる。
【0102】
本発明の関連において、健康に見える皮膚の維持、および皮膚状態の緩和は、健康な頭皮および髪を維持すること;炎症を起こした皮膚を沈静化すること;皮膚の紅化、皮膚の腫れ、および皮膚の傷を減少すること;皮膚のきめを維持すること;詰まって炎症を起こした毛穴から障害物を除去すること;ならびに年齢を重ねた皮膚に現れる吹き出物、染み、および炎症に関する症状を減少すること、または上記症状を消去することを含む、皮膚の状態を改良すること、および皮膚の問題を緩和することを含む。
【0103】
上記活性物質は、薬学的、または美容的な添加剤と局所用担体との組み合わせて塗布されてもよい。局所的な薬学的または美容的な添加剤と担体とは当業者に公知であり、例えば、全て参照することにより、本明細書に組み込まれる米国特許第6,723,755号(Chomczynski 2004年4月20日発行)、米国特許第6,696,069号(Harichianら 2004年2月24日発行)、米国特許第6,692,754号(Makimotoら 2004年2月17日発行)、米国特許第6,660,283号(Bretonら 2003年12月9日発行)、および米国特許第6,623,778号(Harichianら 2003年9月23日発行)に記載されている。
【0104】
局所用担体と共に使用する場合、活性物質および局所用担体は、共に局所用組成物を含む。そのような局所用組成物において、活性物質は、一般的に上記担体を含むことのバランスをとって、約0.001%から約10%までの上記組成物を含む。
【0105】
〔各実施例〕
以下の経口摂取のための各サプリメントは、単独で、またはシクロヘキサノール誘導体を含む局所用組成物と共に使用された。局所用組成物は、朝および晩に皮膚の紅化した領域に対して1日2回塗布した。0.5%のカーボマー940(Carbomer 940)(Spectrum Quality Products, Gardena, CA)、1%の1,4−シクロヘキサンジオール(cis/trans)、0.3%のグリセリン、および水(合わせて100%となる量)を含む。上記溶液を水酸化ナトリウムにてpH7.0に調整した。
【0106】
上記経口摂取のための各サプリメントは、各実施例にて記載されたように調製され、低温殺菌された。経口治療および局所治療が共に施された場合について、上記経口摂取のための各サプリメントを、1日1回または2回、朝および晩に食事と共に以下に示す量で摂取させた。2週間後、それぞれの実施例において皮膚の紅化は、減少するか、または解消された。
【0107】
〔実施例1〕(トマトジュースのサプリメント)1リットル当たりのトマトジュース(トマト飲料、Cinna Health Products, Molecular Research Center, Inc., Cincinnati, OH)に対して、200mgのナトリウム、2.3gのカリウム、300mgのビタミンCを含ませた。上記飲料に20mgのパントセノール/1リットルを補った。250mlのジュースを1日2回摂取させた。
【0108】
〔実施例2〕(トマトジュースおよびマンゴーのサプリメント)トマトジュース(トマト飲料、実施例1)は、マンゴー果肉(20g砂糖/100g、Raja Foods LLC, Skokie, IL)]150g/リットルにて添加された。得られたジュース300mlを1日2回摂取させた。
【0109】
〔実施例3〕(マンゴー−ピーチソースと混合したトマトピューレ)340gのトマトペースト(Hunt’s(登録商標)トマトペースト、Conagra Foods, Irvine, CA)を170gのマンゴー−ピーチ−リンゴソース(Mott’’s LLP, Rye Brook, NY)と混合した。得られた120gのピューレを毎日摂取させた。
【0110】
〔実施例4〕(蒸気抽出して、リンゴチェリージュースと混合したトマトジュース)実施例1に記載のトマト飲料の1000gを混合しながら95℃まで加熱した。次に、1000gの水から生成された蒸気をジュースに通過させた。蒸気抽出の1時間後、上記ジュースに500gのリンゴ−チェリージュース濃縮物(Old Orchard Brands, LLC, Sparta, MI)を混合した。得られた300mlのジュースを1日2回摂取させた。
【0111】
〔実施例5〕(パイナップルジュースと混合した、水抽出を施したサプリメント)340gのトマトペースト(Hunt’s(登録商標)トマトペースト)を660mlの水と混合し、その混合物を室温で保存した。保存して6時間後、上記混合物を6000gで沈殿させ、リコピン含有の固形分を660mlの水で再び抽出した。水抽出を施して得られた固形分は、660mlのドールパイナップルジュース(Duo Juice Co., Bradenton, FL)に懸濁され、低温殺菌された。200mlの組成物を1日1回摂取させた。
【0112】
〔実施例6〕(グレープフルーツジュースと混合された、酸抽出が施されたトマトのサプリメント)340gのトマトペースト(Hunt’s(登録商標)トマトペースト)と660mlの水を混合した。上記混合物は、HClを用いてpH3に酸性化して室温で保存した。保存して6時間後、6000gで沈殿させ、リコピン含有の固形分を660mlのpH3の水を用いて再び抽出した。酸抽出が施されて得られた固形分は、300mg/リットルのビタミンCと0.4mgのチアミン/リットルとを含む660mlのルビーレッドグレープフルーツジュース(Citrus World, Inc., Lake Wales, FL)にて懸濁された。上記混合物のpHは、水酸化ナトリウムを用いてpH4に調整され、続いて、1.5mlのトウモロコシ油(ACH Dietary Companies, Inc., Memphis, TN)が添加された。得られた組成物を低温殺菌して、1日1回、250ml摂取させた。
【0113】
〔実施例7〕(リンゴソースと混合された、酸抽出が施されたトマトのサプリメント)トマトペースト340g(Hunt’s(登録商標)トマトペースト)を660mlの水と混合した。この混合物をHClを用いてpH3に酸性化し、室温で保存した。6時間保存して、この混合物を沈殿させ、リコピンを含有する固形分を得た。上記リコピンを含有する固形分をpH3の水660mlを用いて再度抽出した。酸抽出が施されて得られた固形分は、48mgのビタミンCを含む450gのリンゴソース(Mott’s, LLP)と混合された。この混合物のpHは、水酸化ナトリウムを用いてpH4に調整した。上記混合物の90gを1日1回摂取させた。
【0114】
〔実施例8〕(ビタミン類にて強化された、酸抽出が施されたトマト/リンゴのサプリメント)340gのトマトペースト(Hunt’s(登録商標)トマトペースト)を660mlの水と混合した。6時間保存して、上記混合物を沈殿させ、リコピンを含有する固形分を得た。上記固形分をpH3の水660mlを用いて抽出した。酸抽出が施されて、得られた固形分は、450gのリンゴピューレにて懸濁された。
【0115】
この混合物のpHを水酸化ナトリウムを用いてpH4に調整した。この混合物の90gと、砕いたマルチビタミンの一錠剤(CENTRUM(登録商標),Wyeth Consumer Healthcare, Madison, NJ)とを混合して1日1回摂取させた。
【0116】
上記マルチビタミンの一錠剤は、ビタミンAを3500IU、ビタミンCを60mg、ビタミンDを400IU、ビタミンEを45IU、ビタミンKを0.01mg、チアミンを1.5mg、リボフラビンを1.7mg、ナイアシンを20mg、ビタミンB6を3mg、葉酸を0.4mg、ビタミンB12を0.025mg、ビオチンを0.03mg、パントテン酸を10mg、カルシウムを0.2g、リンを48mg、ヨウ素を0.15mg、マグネシウムを0.1mg、亜鉛を15mg、セレニウムを0.02mg、銅を2mg、クロムを0.15mg、モリブデンを0.075mg、塩化物を0.075mg、カリウムを80mg、ホウ素を0.15mg、ニッケルを0.005mg、シリコンを2mg、バナジウムを0.01mg、ルテインを0.25mg、およびリコピンを0.3mg含む。
【0117】
〔実施例9〕(リコピン錠剤のサプリメント)それぞれ大豆油に溶解させた5mgのリコピンを含むリコピン錠剤(nature’s Bounty, Inc., Bohemia, NY)を経口摂取させた(1日1回5錠摂取させた)。
【0118】
〔実施例10〕(生姜が補われたビタミンC錠剤)0.55gのアスコルビン酸カルシウム(Spectrum Quality Product, Inc.)および50mgの生姜の粉を野菜カプセル(Capsuline, FL)に入れた。2つの錠剤を、朝食および夕食の前にトマトジュースと共に毎日摂取させた。
【0119】
これらのリコピンおよび抗酸化剤を含む各サプリメントは、患者におけるニキビ、慢性皮脂腺炎症、皮膚の炎症、または過敏症を改善するために、シクロヘキサンジオールのような局所的な皮膚の治療と共に服用させることができる。
【0120】
さらに、上述のように定義された各サプリメントは、高濃度の抗酸化剤の摂取に伴う胃の不快感を和らげるために、約0.5mgから約10mgまでの生姜抽出物を含み得る。
【0121】
〔実施例11〕(トマトジュースを飲むことによる試験)トマトジュース試験は、シンシナティ地域で行った。169人の参加者を試験した。参加者の83人が男性で86人が女性であった。質問に対する以下の回答を記録した。
1.トマトジュースを好きですか? はい−125人(74%)、いいえ−44人(26%)
2.少なくとも1箇月に1回トマトジュースを飲みますか? はい−36人(21%)、いいえ−133人(79%)
3.少なくとも1箇月に1回トマトジュースではない他のジュースを飲みますか? はい−116人(69%)、いいえ−53人(31%)
参加者の数は169人(100%)。
【0122】
〔実施例12〕(トマトジュースの試飲)試飲試験は、本発明のトマトジュースの各組成物の味を評価するために行った。上記試験は、本発明における2つの各組成物と、アメリカ合衆国における主要ブランドの加塩トマトジュース(パートA)、および本試験のために作製された減塩トマトジュース(パートB)との味の比較に関する。
【0123】
パートA.以下の各組成物について試験した。
1.1リットルあたりナトリウム4.76g、カリウム3.0g、砂糖29gを含むアメリカ企業の主要ブランドのトマトジュース、
2.実施例2に記載のトマト−マンゴージュース、
3.酸抽出が施された実施例6に記載のトマト−グレープフルーツジュース(酸性の水での抽出が施されたトマト固形分にて作製した)。
【0124】
パートB.以下の各組成物について試験した。
1.実施例1に記載の減塩(0.2g/l)のトマト飲料、
2.実施例2に記載のトマト−マンゴージュース飲料、
3.酸抽出が施された実施例6に記載のトマト−グレープフルーツジュース。
【0125】
パートAでは21人の試験者、パートBでは23人の試験者が製品を評価し、以下の質問に回答した。
1.3つの各製品のうち、何れかと他とが実質的に異なっており、かつ質が劣っていますか?
2.残った各製品のうちどちらを好みますか?
以下の表は、これらの2つの質問に対して試験者がそれぞれの製品をどう評価したのかを示す。
【0126】
【表1】

【0127】
〔実施例13〕(トマトピューレの試食)トマトピューレの試食試験は18人の試験者を対象に行われた。試験は、未修飾のHunt'sペースト、および本発明における2つのトマトピューレ組成物の味の評価に関する。本発明における2つのトマトピューレ組成物は、1)Hunt'sペーストとマンゴーピーチソースとを混合して作製した実施例3に記載のトマト−マンゴー−ピーチピューレ、および2)酸性の水抽出が施されたトマトペーストとリンゴソースとを混合して作製された実施例7に記載のトマト−リンゴピューレである。表中の数字は、何人の試験者がそれぞれの製品の味を3つのカテゴリーの1つに指定したかを示す。3つのカテゴリーは、1)好きではない、2)未定、3)好きであるとした。
【0128】
【表2】

【0129】
〔参考文献〕
Boileau T.W.Mら、Prostate Carcinogenesis in N-methyl-N-nitrosourea(NMU)-Testosterone-Treated Rats fed Tomato Powdere, lycopene, or Energy-Restricted Diets, J Natl Canc Inst 95, 1578-1586, 2003.
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Khachik, Fら、Chemistry, Distribution, and Metabolism of Tomato Carotenoids and Their Impact on Human Health, Exp Biol Med 2002, 227, 845-851.
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Tyssandier, V.ら., Processing of Vegetable-Borne Carotenoids in the Human Stomach and Duodenum, A.J.Pyhysiol Gastroinest Liver Physiol, 284, G913-G923.
H.J.Heinz Company, sponsor, www.lycopene.org.
National Rosacea Society, www.lycopene.org.
ERS.USDA Briefing,
http://usda.mannlib.cornell.edu/reports/erssor/specialty/vgs-bb/2000/vgs2 82.pdf
ERS.USDA Publications,
www.ers.usda.gov/publications/fts/aug03/fts30501/

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トマト原料に対する水抽出した後に不溶性物質として残る、リコピン含有のトマト組成物、ならびに、ジュース、ピューレ、ペースト、および粉末から選択されたフルーツ由来原料を含み、
上記フルーツ由来原料は、最終組成物の全乾燥質量の約5%から約80%を構成する、経口摂取のための組成物。
【請求項2】
上記水抽出は、約6未満のpHで実行される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
上記水抽出は、約1.5から約4.5までのpHで実行される、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
上記水抽出は、蒸気を用いて実行される、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
上記リコピン含有の組成物は、実質的に、トマト原料の風味特性が低減された、または取り除かれたものである、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
リコピンを含まない植物原料をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
上記フルーツ由来原料は、マンゴー由来、リンゴ由来、およびパイナップル由来の各原料、または上記各原料の混合物から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
ビタミン類、抗酸化剤類、微量元素類、天然抽出物類、食品添加物類、ホルモン類、タンパク質類、脂肪酸類、オイル類、アルコール、炭水化物、およびそれらの混合物から選択される補助の原料をさらに含む、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
実質的に高純度の抗酸化剤と、生姜、または生姜抽出物、ミント、ミント抽出物、ミントオイル、メンソール、およびそれらの混合物から選択された原料の有効量とをさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
上記抗酸化剤は、没食子酸、アスコルビン酸、没食子酸の薬学的な活性誘導体、およびアスコルビン酸の薬学的な活性誘導体、ならびにそれらの混合物を含む、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
トマト固形分内に分散したリコピンを得るためのトマト原料の加工方法であって、
上記トマト固形分は、トマト原材料に対する、水および/または蒸気の抽出工程を含んで、トマト原材料の風味特性が、実質的に低減、または除去されたものである、トマト原料の加工方法。
【請求項12】
上記抽出工程は、蒸気による抽出である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
上記抽出工程は、約6未満のpHで実行される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
上記抽出工程は、約1.5から約4.5までのpHで実行される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
健康の皮膚を維持し、かつ、ニキビ、慢性皮脂腺炎症、炎症、過敏症、および皮膚の老化に関連する皮膚の各状態を緩和する方法であって、
(a)上記皮膚の状態の部位に対して上記状態のための局所的な治療と共に(b)1つ以上の抗酸化剤の有効量を含む組成物の上記ヒトへの経口投与、を必要としている上記ヒトへの投与を含む、方法。
【請求項16】
局所的な治療が、上記ヒトの上記状態の部位に対して、安全、かつ有効な量の以下の構造式を有する化合物を局所的に塗布することを含み、
【化1】

上記構造式では、Rは、−OH、およびC−CアルキルOHから選択され、ならびにR、R、R、RおよびRは、それぞれ、−H、−OH、−COOH、C−Cアルキル、およびC−Cシクロアルキルから独立して選択され、ただし、上記化合物は5個以下の−OH基しか含まない、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
上記化合物は、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,2,3−シクロヘキサントリオール、1,3,5−シクロヘキサントリオール、およびそれらの混合物から選択される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
上記経口投与のための組成物は、蒸気および/または水での抽出が施された、リコピン含有する原料を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
上記抽出は、蒸気によりなされる、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
上記抽出は、約6未満のpHで実行される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
上記抽出は、約1.5から約4までのpHで実行される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
上記経口投与のための組成物は、リコピン含有のトマト組成物と、フルーツ由来の組成物とを含み、かつ、
上記経口投与のための上記組成物は、リコピンを含むトマト組成物と、フルーツ由来の組成物との混合物の全乾燥質量として計算された、約5%から約80%までのフルーツ由来の組成物を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項23】
リコピンを含有するトマト成分と、マンゴー由来成分とを含み、
上記マンゴー由来成分は、乾燥物として計算されたトマト成分に対して、少なくとも5%にて存在する、経口摂取のための組成物。

【公表番号】特表2010−509352(P2010−509352A)
【公表日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−536430(P2009−536430)
【出願日】平成19年11月6日(2007.11.6)
【国際出願番号】PCT/US2007/083696
【国際公開番号】WO2008/063857
【国際公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【出願人】(507059613)モレキュラー リサーチ センター インコーポレイテッド (4)
【Fターム(参考)】