説明

折畳み式構造体の折り畳み固定装置

【課題】自転車フレーム等の折畳み式構造体の安全で操作容易な折り畳み固定装置。
【解決手段】それぞれ折りたたみフレーム構造となる第一構造体111及び第二構造体112を備える構造体ユニット11の相接する両端をそれぞれボルト135、135を軸として回転する第一ピボット131及び第二ピボット132とし、
該ボルトを一対のベースユニット14間で支持固定する。
T字型突部を具え固定ピンとピボットユニットに接する面にそれぞれ嵌合する凹溝154とプラスほぞ134を設け、固定ピンのT字型突部から弾発力で突出する圧迫嵌合体153によりベースユニット上縁圧迫して固定する。折りたたむ際には該圧迫嵌合体を押し込むことにより、固定ピンの圧迫を開放し、次いで該固定ピンを押し下げればピボットユニットの嵌合を開放することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折畳み式構造体のスピーディーに操作できる折り畳み固定装置に関し、特に各種フレーム構造にスピーディーでかつ便利な、接合・固定と、折畳み後の安定した定位を提供することができる折畳み式構造体の折り畳み固定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
折畳み式自転車フレーム、折畳み式はしご、折畳み式テーブル・イス、折畳み式運動器材、折畳み式照明器具、折畳み式ベッド、折畳み式日よけ/天蓋、折畳み式ハンドル、折畳み式三脚、折畳み式連棒などの、従来の折畳み式構造体の多くにおいて、その折畳み可能なフレーム構造は、理想的な折り畳み固定装置を備えていない。
そのため、共通の機構装置により、該折畳み式構造体を、スピーディーに結合して固定し、リリースし、或いは転回して折畳むことができず、折畳み収納後の構造体を完全に固定し、またその緩みを防止することもできない。
【0003】
例えば、現在の折畳み式自転車の多くは、折畳み後も厚みがあり、大きく、折畳み後の車体フレームが離れがちで固定できないなどの欠点がある。
一般の折畳み式自転車の車体フレームの折畳みにおいては、車体フレームの折畳み位置にアダプターを設置し、該アダプターにより、骨組みの接合部位を取り外して車体を折畳み、また該アダプターにより、車体骨組みを再度接合して定位し、使用に供する。
アダプターは、自転車の折畳みに際してはカギとなる機構であるため、構造上の安全性、操作上の利便性、小型化、軽量化などの条件について考慮しなければならない。
【0004】
しかし、現行の車体フレームアダプターは、しばしば上記した各条件を満たすことができていない。
すなわち、その体積、幅、重量は大き過ぎる訳ではないが、操作には工具の補助が必要で、或いは操作に時間がかかり、力を使い、工程が煩雑で、さらに折畳み後の車体フレームは、従来のアダプター機構を応用して直接固定することができないため、車体の各部位が離れて携帯の便が悪い。
【0005】
よって、安全性が高く、コンパクトで、薄く、操作が簡便で、スピーディーに操作でき、しかもフレーム折畳みと同時に、固定も可能な折畳み式構造体の折り畳み固定装置の開発が、業界で待たれている。
【0006】
あるいは、現行の折畳み式はしごの多くでは、そのフレーム転回固定装置には、展開後に接合強度が不足しており、転回して折畳み後に、効果的に固定できないなどの欠点があった。
そのため、折畳み式構造体のスピーディーに操作できる折り畳み固定装置を開発し、折畳み式はしごに応用することで、その操作を簡便、安全かつスピーディーに行えるようにすることが求められている。
本発明は、従来の折畳み式構造体の固定装置の上記した欠点に鑑みてなされたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−214756号公報
【特許文献2】特開2000−326884号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする第一の課題は、スピーディーに構造体を展開し、90度或いは180度の転回を行わせ、しかも共通の機構により、同時に折畳み収納後の構造体を完全に固定し、緩みを防止可能であるため、構造が簡單かつコンパクトで幅が狭く、安全性が高く、操作が簡便であるという特徴を備える折畳み式構造体の折り畳み固定装置を提供することである。
本発明が解決しようとする第二の課題は、現行のすべての折畳み式構造体の折り畳み固定装置とは異なる全く新しい構造である折畳み式構造体の折り畳み固定装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明は下記の折畳み式構造体の折り畳み固定装置を提供する。
折畳み式構造体の折り畳み固定装置は、各種折畳み式フレーム構造にスピーディーに接合して固定し、折畳み固定することができ、
第一構造体及び第二構造体を備える構造体ユニット、第一ピボット及び第二ピボットを備えるピボットユニット、ベースユニット、及び固定ピンからなり、
該第一ピボット及び該第二ピボットは、該第一、第二構造体の近接端に設置し、該第一、第二ピボットには、それぞれ軸孔を設置し、
該ベースユニットと該第一、第二ピボットは、ボルトにより螺合して組み合わせ、
該固定ピンは、該ピボットユニットの片側に設置し、緊密に圧迫する方式で、該第一、第二ピボットを固定し、
これにより該第一、第二構造体は、定位接合状態であろうと、90度転回及び180度転回後の折畳み状態であろうと、効果的に固定され、緩みを防止され
該第一、第二ピボットの近接端には、弧面を設置し、
これにより該第一、第二構造体は、相対的な90度転回と相対的な180度転回が可能で、
該第一、第二ピボットと該ベースユニットとの摺動面には、ベアリングを設置し、該第一、第二ピボットの軸孔内にも、ベアリングを設置し、
該第一、第二ピボットと該固定ピンとの接合・固定位置には、プラスほぞを設置し、
該固定ピンと該第一、第二ピボットとの接合・固定位置には、凹溝を設置し、
該プラスほぞと該凹溝とは相互に接合し、
該固定ピンと該第一、第二ピボットとの緊密圧迫固定の作用力には、螺旋推進力、弾性力、摩擦力、磁力、及び以上の多種の作用力の組合せを応用可能で、
該ベースユニットには、フランジを設置し、
該フランジは、該第一、第二ピボットの固定、回転防止、及び転回定位に用い、
該ベースユニットのフランジは、該固定ピン設置のガイド溝とし、或いは該固定ピンが該ピボットユニットを緊密圧迫し固定する時に加える作用力の支えとし、
該固定ピンは、T型構造で、
該固定ピンには、緩み・脱落防止機能を備える磁力吸引緊密圧迫ユニット及び圧迫嵌合ユニットを設置し、
該固定ピンの磁力吸引緊密圧迫ユニットは、磁石及び中心柱からなり、
該中心柱は、該固定ピンの中心柱ガイド溝内を貫通して設置し、該ベースユニットの中心柱孔内に固定し、
該磁石は、該固定ピンの中空の磁石室内に設置し、
該圧迫嵌合ユニットは、圧迫嵌合体及び反発力を備える磁石ユニット或いはバネからなり、
該圧迫嵌合ユニットは、該固定ピンの中空の圧迫嵌合室内に設置し、
該固定ピンは、板状構造で、
該固定ピン上には、緊密圧迫スクリューロッドユニットを設置し、
該固定ピンの緊密圧迫スクリューロッドユニットは、スクリューロッドヘッド、スクリューロッド、ガイド棒、及び中柱からなり、
該中柱は、該ベースユニットのフランジ内側に設置し、該中柱上には、ネジ孔及びガイド棒孔を設置し、
該スクリューロッドは、該固定ピン上に設置し、該スクリューロッドは、該中柱のネジ孔に螺合し、
該ガイド棒は、該固定ピンに螺設し、該中柱のガイド棒孔内においてスライドすることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明折畳み式構造体の折り畳み固定装置は、各種折畳み式構造体の折り畳み固定装置とすることができる。しかも、折畳み式構造体の緩み・脱落を確実に防止可能で、安全性と利便性を備え、折畳み式自転車フレーム、折畳み式はしご、折畳み式テーブル・イス、折畳み式運動器材、折畳み式照明器具、折畳み式ベッド、折畳み式日よけ/天蓋、折畳み式ハンドル、折畳み式三脚、折畳み式連棒などの各種器材・設備に応用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明第一実施例の接合状態を示す俯瞰図である。
【図2】本発明第一実施例の接合状態を示す正視図である。
【図3】本発明第一実施例の接合状態を示す側視図である。
【図4】本発明第一実施例の接合状態を示す横断面図である。
【図5】本発明第一実施例の接合状態を示す縦断面図である。
【図6】本発明第一実施例の接合状態を示す側面断面図である。
【図7】本発明第一実施例において、90度の折畳みを行った末に、未接合・固定の状態を示す横断面図である。
【図8】本発明第一実施例において、180度の折畳みを行った末に、接合・固定した状態を示す横断面図である。
【図9】本発明第二実施例の接合状態を示す俯瞰図である。
【図10】本発明第二実施例の接合状態を示す正視図である。
【図11】本発明第二実施例の接合状態を示す側視図である。
【図12】本発明第二実施例の接合状態を示す横断面図である。
【図13】本発明第二実施例の接合状態を示す縦断面図である。
【図14】本発明第二実施例の接合状態を示す側断面図である。
【図15】本発明第二実施例において、90度の折畳みを行った末に、未接合・固定の状態を示す横断面図である。
【図16】本発明第二実施例において、180度の折畳みを行った末に、接合・固定した状態を示す横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に図面を参照しながら本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
【実施例】
【0013】
図1〜8に示すように、本発明折畳み式構造体の折り畳み固定装置の第一実施例は、第一構造体111及び第二構造体112を備える構造体ユニット11、第一ピボット131及び第二ピボット132を備えるピボットユニット13、フランジ144を設けた一対のベースユニット14、及びT字型の固定ピン15からなる。
【0014】
該第一、第二ピボット131、132は、第一、第二構造体111、112の相対する近接端に形成する。
該第一、第二ピボット131、132には軸孔122を設けると共にその相対する端面の半面を弧面133に形成して、構造体ユニット11の第一構造体111及び該第二構造体112を、90度相対転回と180度相対転回した状態の間で回転して起立する際にフランジと摺動して回転できるようにする。
【0015】
該第一ピボット131及び該第二ピボット132が該固定ピン15と接して固定する位置には、プラスほぞ134を設け、これに対して該固定ピン15の該第一ピボット131及び該第二ピボット132と接する位置には、凹溝154を設けて相互に嵌合して固定する。
【0016】
該第一ピボット131及び該第二ピボット132と該ベースユニット14との摺動面には、ベアリング部材121を設置し、該第一、第二ピボット131、132の軸孔122内にも、ベアリング部材123を設置する。
【0017】
一対のベースユニット14には、該第一、第二ピボット131、132の軸孔122に対応する穿孔143を設置し、ボルト135を挿通してこれらピボットを回転可能に組み合わせる。
【0018】
これにより、一対のベースユニット14間に該第一、第二ピボット131、132を回転可能に連結し、また、該第一、第二ピボット131、132は、ボルト135を軸として円滑に転回できる。
【0019】
該フランジ144は、上記一対のベースの相対する面から突出して形成され、該第一、第二ピボット131、132の端面とT字型の固定ピンの間に介挿されて、その状態での回転を防止すると共に、固定状態を維持する。
【0020】
同時に、該フランジ144はさらに、固定ピン15をそのT字部を該第一、第二ピボット131、132の間に挿入して設置する際のガイドとなり、また、その状態で該ピボットユニット13を固定する時に固定ピン15に密着して支持固定する作用を持つ。
【0021】
すなわち、該固定ピン15は、該フランジを介して該第一、第二ピボット131、132に緊密に接して固定し、緩みを防止する。
【0022】
図4〜6に示すように、該固定ピン15は、T型構造で、そのT字型凸部に第二ピボット131、132の固定状態からの緩み・脱落を防止するため、磁力吸引緊密圧迫ユニット16及び圧迫嵌合ユニット17を具える。
【0023】
該磁力吸引緊密圧迫ユニット16は、磁石161及び鋼鉄製の中心柱162からなる。
該中心柱162は、該固定ピン15のT字型凸部両側に開口した中心柱ガイド溝151内を貫通して設置し、該中心柱162の両端は、一対のベースユニット14にそれぞれ設けた中心柱孔145内に嵌めて固定する(図5)。
【0024】
該磁石161は、該固定ピン15のT字型凸部内に上記中心柱ガイド溝内の中心柱162に相対して設けた中空の磁石室152内に設置し、該磁石161と該中心柱162との磁力吸引作用により、該中心柱162を固定した一対のベースユニット14を固定ピンに向けて吸引する作用力を生じ、これにより該固定ピン15はベースユニット14を連結した該ピボットユニット13を緊密に吸引・圧迫して固定し、その緩みを防止する。
【0025】
圧迫嵌合ユニット17は、一対の磁石を相対して配置して相互に反発力を作用させる磁石ユニット171、171及び圧迫嵌合体172からなる。
該磁石ユニット171は、磁石に替えて反発力を作用する弾性部品として一般のバネに置換してもよい。
【0026】
該圧迫嵌合ユニット17は、該固定ピン15のT字型凸部内に一方のベースユニット14側に向けてその上方で開口した中空の圧迫嵌合室153内に設置する。
該圧迫嵌合ユニット17もまた、一方のベースユニット14に対して緊密圧迫作用を発揮し、該磁石ユニット171の反発力により圧迫嵌合室153から突出して、該圧迫嵌合体172の斜面173が該ベースユニット14に緊密に接することにより、固定ピン15の脱落を規制する。
【0027】
これにより、該圧迫嵌合ユニット17の該圧迫嵌合体172により、該ベースユニット14は該固定ピン15と緊密に嵌合して固定し、こうして緩み・脱落を効果的に防止することができる。
【0028】
図6〜8に示すように、該第一、第二構造体を緩めて折畳み収納しようとする時には、手で該圧迫嵌合体172を圧迫嵌合室153内に押し込み、該圧迫嵌合体172を、該ベースユニット14との圧迫状態から離脱させるだけで良い(図6)。
【0029】
続いて、該固定ピン15を磁力吸引緊密圧迫ユニット16の吸引力に抗して押し下げ、第一、第二構造体のプラスほぞ134と固定ピンの凹溝154の嵌合を外して、該第一、第二ピボット131、132を該固定ピン15との嵌合から解放する(図7)。
こうして、該第一、第二構造体を緩め、該第一、第二ピボット131、132を相対的に90度転回或いは180度転回させることができる。
【0030】
該第一、第二ピボット131、132が、90度転回或いは180度転回して折畳まれた後、該固定ピン15を逆方向に押して、該第一ピボット131及び該第二ピボット132と接する位置に戻す。
【0031】
この時、該圧迫嵌合体172は、弾力で戻り、該固定ピン15を緊密に嵌合して固定し、これにより該ピボットユニット13は、該固定ピン15の緊密圧迫により第一、第二ピボット131、132を90度転回或いは180度転回した状態で再度固定され、緩み、脱落の恐れはなくなる(図8)。
【0032】
本発明実施例の折畳み式構造体の折り畳み固定装置は、該圧迫嵌合体172の圧迫、及び該固定ピン15の移動により、第一、第二構造体の折畳み収納と安定した固定操作を速やかに完了させることができる。
【0033】
もとの接合状態を回復させようとする時には、該圧迫嵌合体172を再度圧迫嵌合室153内に押し込み、該固定ピン15を移動させれば、該第一、第二ピボット131、132をリリースでき、該第一、第二ピボット131、132を90度転回或いは180度転回させ、定点まで展開させることができる。
【0034】
続いて、該固定ピン15を移動させ、該固定ピン15と該第一、第二ピボット131、132とを緊密に接合させる。
【0035】
この時、該磁石161と該中心柱162との磁力吸引作用により、緊密に圧迫する作用力を生じ、さらに該圧迫嵌合体172が弾力反発力により復帰して、該固定ピン15を緊密に嵌合して固定し、こうして該第一、第二ピボット131、132は、該固定ピン15により緊密に固定される。
【0036】
このようにして、成第一、第二構造体を接合して固定する操作を完了する。
本実施例の折畳み式構造体の折り畳み固定装置は、二重の緩み・脱落防止の緊密圧迫作用力を備えるため、安全性は極めて高く、誤接触を効果的に防止可能で、その構造は強固であり、しかも操作はスピーディーで簡便である。
【0037】
図9〜16は、本発明折畳み式構造体の折り畳み固定装置の第二実施例を示す。
本実施例は、第一構造体211及び該第二構造体212を備える構造体ユニット21、第一ピボット231及び該第二ピボット232を備えるピボットユニット23、一対のベースユニット24、固定ピン25からなる。
【0038】
該第一、第二ピボット231、232は、該第一、第二構造体211、212の相対する端部に設置する。
該第一、第二ピボット231、232には共に、軸孔222を設けると共にその相対する端面の半面を弧面233に形成して、構造体ユニット11の第一構造体211及び該第二構造体212を、90度相対転回と180度相対転回した状態の間で回転して起立する際にフランジと摺動して回転できるようにする。
【0039】
該第一ピボット231及び該第二ピボット232と固定ピン25とが接する固定位置には、プラスほぞ234を設ける。
【0040】
該固定ピン25の第一ピボット231及び該第二ピボット232とが接する固定位置には、上記プラスほぞ234と嵌合する凹溝254を設け、該第一ピボット231及び該第二ピボット232と該ベースユニット24との摺動面には、ベアリング部材221を設置する。
該第一、第二ピボット231、232の軸孔222内にも、ベアリング部材223を設置する。
【0041】
一対のベースユニット24には、それぞれ該第一、第二ピボット231、232の軸孔222と相互に対応する穿孔243を設けてボルト235を挿通し、これらのピボットを回転可能に連結して組み合わせる。
【0042】
これにより、一対のベースユニット24は、該第一、第二ピボット231、232を連結して固定し、また、該第一、第二ピボット231、232は、円滑に転回・定位される。
【0043】
該一対のベースユニット24には相対する側にフランジ244を突設し、
該フランジ244は、これに接する該第一、第二ピボット231、232を固定して、回転防止、或いは転回定位する。
【0044】
同時に、該フランジ244は、該固定ピン25をそのT字型突部を該第一、第二ピボット231、232の間に挿入して設置する際のガイドとなり、また、該固定ピン25により該ピボットユニット23の両端面を接して圧迫して固定する時の作用面となる。
【0045】
該固定ピン25は、緊密圧迫スクリューロッドユニット26により緊密に圧迫する方式で、該第一、第二ピボット231、232を固定し、緩みを防止する。
【0046】
図12〜14に示すように、該固定ピン25は、平板状構造で、該固定ピン25には、緊密圧迫スクリューロッドユニット26を設置する。
【0047】
該緊密圧迫スクリューロッドユニット26は、スクリューロッドヘッド260、スクリューロッド261、ガイド棒262、及び中柱263からなる。
【0048】
該スクリューロッドヘッド260と該スクリューロッド261とは、一体に構成する。
該中柱263は、該一対のベースユニット24のフランジ244の間に設置し、該中柱263には、該スクリューロッド261を螺合するネジ孔264とガイド棒孔265を設ける。
【0049】
該スクリューロッド261は、該固定ピン25のスクリューロッド軸孔251内を貫いて設置し、該スクリューロッド261の中段には、環状突起266を備える。
これにより、該固定ピン25は、該スクリューロッドヘッド260と該環状突起266との間に配置される。
【0050】
該スクリューロッド261のネジヤマ267は、該中柱263のネジ孔264に螺合する。
【0051】
該スクリューロッド261の先端には、内ネジヤマ268及びこれに螺合するオスネジ269を設置する。
該オスネジ269は、該緊密圧迫スクリューロッドユニット26に最大行程の回転を行わせ、定位する際の該緊密圧迫スクリューロッドユニット26の脱落を防止する。
【0052】
該ガイド棒262は、該固定ピン25に立設し、該スクリューロッドヘッド260と該スクリューロッド261が回転して前進、後退する時に、回転及び偏移が生じないようにする。
【0053】
図14〜16に示すように、該第一、第二構造体を緩めて折畳もうとする時には、手で該スクリューロッドヘッド260を回し、該スクリューロッド261を定点まで移動させればよい。
【0054】
この時、該固定ピン25もまた緩み、定点まで移動し、こうして該第一、第二ピボット231、232は、該固定ピン25の緊密圧迫を離脱する。
【0055】
これにより、該第一、第二構造体211、212は、相対的に90度転回或いは180度転回して折畳むことができ、該第一、第二構造体211、212が、90度転回或いは180度転回して折畳まれた後、さらに手で、該スクリューロッドヘッド260を回し、該スクリューロッド261を螺合すれば、該固定ピン25は、再び該第一、第二ピボット231、232に緊密に接触する。
【0056】
この時、該第一、第二ピボット231、232は再度該固定ピン25に緊密圧迫されて固定され、緩み、脱落の恐れはなくなる。
【0057】
既に折畳み収納されている第一、第二構造体211、212を展開し、接合して固定しようとする時にも、同様の操作方式で、該スクリューロッドヘッド260を回して緩め、回して締めるだけで、該第一、第二構造体211、212をスピーディーに転回展開し、接合して固定することができる。
【0058】
本発明実施例の折畳み式構造体のスピーディー転回固定装置は、該スクリューロッドヘッド260と該スクリューロッド261とを、回して緩め、回して締めることで、該第一、第二ピボット231、232をスピーディーに転回し、該構造体ユニット21を安定的に折畳んで固定し、或いは接合して固定することができる。
【0059】
それが採用する螺合方式の緊密圧迫作用力は強大で、安全性は良好であり、誤接触を効果的に防止でき、その構造は強固で、しかも操作は簡便である。
【0060】
上記したように、本発明は、各種折畳み式構造体の折り畳み固定装置であり、折畳み式構造体の緩み・脱落を確実に防止可能で、安全性と利便性を備え、折畳み式自転車フレーム、折畳み式はしご、折畳み式テーブル・イス、折畳み式運動器材、折畳み式照明器具、折畳み式ベッド、折畳み式日よけ/天蓋、折畳み式ハンドル、折畳み式三脚、折畳み式連棒などの各種器材・設備に応用することができる。
【0061】
上記の本発明名称と内容は、本発明技術内容の説明に用いたのみで、本発明を限定するものではない。本発明の精神に基づく等価応用或いは部品(構造)の転換、置換、数量の増減はすべて、本発明の保護範囲に含むものとする。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は特許請求の要件である新規性を備え、従来の同類製品に比べ十分な進歩を有し、実用性が高く、社会のニーズに合致しており、産業上の利用価値は非常に大きい。
【符号の説明】
【0063】
11 構造体ユニット
111 第一構造体
112 第二構造体
12 ベアリング部材
122 軸孔
123 ベアリング部材
13 ピボットユニット
131 第一ピボット
132 第二ピボット
133 弧面
134 プラスほぞ
135 ボルト
14 ベースユニット
143 穿孔
144 フランジ
145 中心柱孔
15 固定ピン
151 中心柱ガイド溝
152 磁石室
153 圧迫嵌合室
154 凹溝
16 磁力吸引緊密圧迫ユニット
161 磁石
162 中心柱
17 圧迫嵌合ユニット
171 磁石ユニット
172 圧迫嵌合体
173 斜面
21 構造体ユニット
211 第一構造体
212 第二構造体
221 ベアリング部材
222 軸孔
223 ベアリング部材
23 ピボットユニット
231 第一ピボット
232 第二ピボット
233 弧面
234 プラスほぞ
235 ボルト
24 ベースユニット
243 穿孔
244 フランジ
25 固定ピン
254 凹溝
26 緊密圧迫スクリューロッドユニット
260 スクリューロッドヘッド
261 スクリューロッド
262 ガイド棒
263 中柱
264 ネジ孔
265 ガイド棒孔
266 環状突起
267 ネジヤマ端
268 内ネジヤマ
269 オスネジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
折畳み式構造体の折り畳み固定装置であって、
第一構造体及び第二構造体を備える構造体ユニット、第一ピボット及び第二ピボットを備えるピボットユニット、一対のベースユニット、及び固定ピンからなり、
該第一ピボット及び該第二ピボットは、該第一、第二構造体の相対する端部に設けられ、それぞれ軸孔を設けて該軸孔を挿通するボルトを一対のベースユニット間に固定して、それぞれ回転可能に連結し、
該固定ピンは、該ピボットユニットの片側に設置すると共に、該ピボットユニットを固定ピンに対して押圧せしめて配置し、
これにより該第一、第二構造体を該第一ピボット及び該第二ピボットにより90度転回及び180度転回した展開、折畳み状態において緩みを防止するようにしたことを特徴とする、折畳み式構造体の折り畳み固定装置。
【請求項2】
前記第一、第二ピボットの相対する端面の半面に弧面に形成し、
これに対して一対のベースユニットの相対する側に該第一、第二ピボット端面に接するフランジを突出して形成して該第一、第二ピボットの相対的な90度転回と相対的な180度転回した位置において第一、第二ピボットの相対する端面に当接して支持すると共にそれらの間で該弧面により回転可能とし、
該第一、第二ピボットと該一対のベースユニットとの摺動面には、ベアリング部材を設置し、該第一、第二ピボットの軸孔内にも、ベアリング部材を設置したことを特徴とする、請求項1記載の折畳み式構造体の折り畳み固定装置。
【請求項3】
前記第一、第二ピボットの該固定ピンと接する固定位置には、プラスほぞを設けると共に、
該固定ピンの第一、第二ピボットと接する固定位置には、これと対応する凹溝を設けて、
該プラスほぞと該凹溝とを相互に嵌合する固定構造としたことを特徴とする、請求項1記載の折畳み式構造体の折り畳み固定装置。
【請求項4】
前記ピボットユニットを固定ピンに対して押圧せしめる固定ピンと該第一、第二ピボットとの緊密圧迫固定手段として、螺子、弾性力、磁力、及びこれらの組合せによることを特徴とする、請求項1記載の折畳み式構造体の折り畳み固定装置。
【請求項5】
前記一対のベースユニットには、相対する側にフランジを突出して設け、
該フランジは、該第一、第二ピボット端面に接して固定することにより回転を防止し、及びその90度転回及び180度転回位置で定位し、及び該固定ピンを一対のベースユニット間に挿入して設置する際のガイドとし、また、該固定ピンに該ピボットユニットに押圧する緊密圧迫固定手段の支持部となることを特徴とする、請求項1記載の折畳み式構造体の折り畳み固定装置。
【請求項6】
前記固定ピンは、T字型構造であって、
該T字型突出部に、緩み・脱落防止機能を備える磁力吸引緊密圧迫ユニット及び圧迫嵌合ユニットを設置したことを特徴とする、請求項1記載の折畳み式構造体の折り畳み固定装置。
【請求項7】
前記固定ピンの磁力吸引緊密圧迫ユニットは、磁石及び中心柱からなり、
該中心柱は、該固定ピンのT字型突出部両側に貫通して開口する中心柱ガイド溝内を貫通して設置して、該一対のベースユニットの中心柱孔内にその両端を固定し、
該磁石は、該固定ピンのT字型突出部内の上記中心柱に相対して設けた中空の磁石室内に設置し、
該圧迫嵌合ユニットは、圧迫嵌合体及び反発力を備える磁石ユニット或いはバネからなり、
該圧迫嵌合ユニットは、該固定ピンのT字型突出部の一方のベースユニット上方に開口する中空の圧迫嵌合室内に設置し、該圧迫嵌合体を反発力を備える磁石ユニット或いはバネにより該一方のベースユニット上に突出せしめたことを特徴とする、請求項1及び7記載の折畳み式構造体の折り畳み固定装置。
【請求項8】
前記固定ピンは、板状構造であって、
該固定ピンには、緊密圧迫スクリューロッドユニットを設置したことを特徴とする、請求項1記載の折畳み式構造体の折り畳み固定装置。
【請求項9】
前記固定ピンの緊密圧迫スクリューロッドユニットは、スクリューロッドヘッド、スクリューロッド、ガイド棒、及び中柱からなり、
該スクリューロッドヘッドとスクリューロッドを一体に構成し
該中柱は、該一対のベースユニットのフランジ間に設置し、該中柱には、該スクリューロッドを螺合するネジ孔及びガイド棒孔を設置し、
該スクリューロッドは、該固定ピンを貫通して設置して該中柱のネジ孔に螺合し、
該ガイド棒は、該固定ピンに立設して、該中柱のガイド棒孔内においてスライド可能としたことを特徴とする、請求項1及び8記載の折畳み式構造体の折り畳み固定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−163369(P2011−163369A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−23596(P2010−23596)
【出願日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【出願人】(510032542)
【Fターム(参考)】