説明

押しボタン

【課題】オフとオンの切替えトリガーとしてフォトセンサからの出力信号を使用する押しボタンであって、操作に必要な押下圧力とその反力との釣り合い関係がオフとオンの切替えのときに変化する押しボタンを提供すること。
【解決手段】押しボタン1では、スプリングSで上方向に付勢された押下部100が、下方向に押下され、押下部100のストロークが所定距離となると、押下部100の一部がフォトセンサ401で検出されることにより、オフとオンの切替えが行われる。さらに、メタルドームDを備えている。この点、押下部100が下方向に押下された状態では、押下部100にスプリングSの荷重が作用する。さらに、下方向に押下されている押下部100のストロークが所定距離となり、オフとオンの切替えが行われるときには、スプリングSの荷重に加え、メタルドームDの荷重が押下部100に作用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スロットマシン・パチスロ機・パチンコ機等といった遊技機や、ゲームコントローラ、パソコン等のキーボード、携帯情報端末、家電製品、AV機器、電話機、携帯電話、電卓、エレベーター、リモコン等の各種分野で使用される押しボタンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、押しボタンの一つとして、フォトセンサを使用した押しボタンがある(例えば、下記特許文献1参照)。そのような押しボタンでは、オフとオンの切替えトリガーとしてフォトセンサからの出力信号を使用するので、機械的な接触が行われることなく、電気回路の開閉を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−57380号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、そのような押しボタンが押下されているときには、ホームポジションに戻そうとする反力のみがフックの法則に従って滑らかに変化するので、オフとオンの切替えのときであっても、操作に必要な押下圧力とその反力との釣り合い関係に変化が起きることはなかった。
【0005】
そこで、本発明は、上述した点を鑑みてなされたものであり、オフとオンの切替えトリガーとしてフォトセンサからの出力信号を使用する押しボタンであって、操作に必要な押下圧力とその反力との釣り合い関係がオフとオンの切替えのときに変化する押しボタンを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題を解決するためになされた請求項1に係る発明は、押下部と、前記押下部を第1方向に付勢する付勢部と、前記押下部から前記第1方向とは反対方向の第2方向へ突き出ている検出対象部と、前記押下部が前記第2方向へ所定距離以上押下されたときに前記検出対象部を検出するフォトセンサと、を有する押しボタンにおいて、前記押下部が前記第2方向へ前記所定距離以上押下されたときに弾性変形する弾性部を備えたこと、を特徴とする。
【0007】
請求項1に係る発明の押しボタンでは、押下部が第1方向に付勢部で付勢されており、その押下部が第1方向とは反対方向の第2方向に押下された場合には、その押下部が所定距離以上押下されているときに、押下部から突き出ている検出対象部がフォトセンサによって検出される。このように、検出対象部の検出に関する信号がフォトセンサから出力されており、フォトセンサからの出力信号がオフとオンの切替えトリガーとして使用されている。さらに、その押下部が所定距離以上押下されているときは、その押下部に弾性部が押圧される。
従って、押下部が押下されたときに、押下部が所定距離未満押下された状態では、付勢部の付勢力のみが押下部に作用することにより、操作に必要な押下圧力とその反力との釣り合い関係を構築している。一方、押下部が所定距離以上押下された状態では、付勢部の付勢力に加えて、弾性部の弾性力が押下部に作用するので、操作に必要な押下圧力とその反力との釣り合い関係が変化する。
【0008】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載する押しボタンであって、前記弾性部がドーム状の金属製円板であること、を特徴とする。
【0009】
請求項2に係る発明の押しボタンでは、弾性部がドーム状の金属製円板である。従って、押下部が所定距離押下されて、オフとオンが切替えられるときは、押下部がドーム状の金属製円板を押圧し、ドーム状の金属製円板が凹むように弾性変形し、「カチッ」と音が出る。
【0010】
また、請求項3に係る発明は、請求項2に記載する押しボタンであって、前記押下部から前記第2方向へ突き出ている突起部と、前記突起部に設けられた円形凸部と、前記弾性部に設けられた円形凹部と、を備え、前記弾性部が前記突起部で押圧されるときに前記円形凸部が前記円形凹部に圧接すること、を特徴とする。
【0011】
請求項3に係る発明の押しボタンでは、押下部が所定距離押下されて、オフとオンが切替えられるときには、ドーム状の金属製円板である弾性部の円形凹部に対し、押下部から突き出ている突起部の円形凸部が圧接するので、より確実に、ドーム状の金属製円板が凹むように弾性変形し、「カチッ」と音が出る。
【発明の効果】
【0012】
すなわち、請求項1に係る発明の押しボタンは、オフとオンの切替えトリガーとしてフォトセンサからの出力信号を使用する押しボタンであって、操作に必要な押下圧力とその反力との釣り合い関係がオフとオンの切替えのときに変化する。
さらに、背景技術のものとは異なって、押下された押下部が最も下に到達するまでの間には、オフとオンの切替えと同時に、操作に必要な押下圧力とその反力との釣り合い関係に変化が起きるので、押下部が最も下まで到達することを未然に防ぐ可能性を有し、押下部が最も下まで到達したことを要因とする劣化・破損などを低減できる。
【0013】
また、請求項2に係る発明の押しボタンは、オフとオンの切替えトリガーとしてフォトセンサからの出力信号を使用する押しボタンであっても、オフとオンが切替えられるときに「カチッ」と音が出る。
【0014】
また、請求項3に係る発明の押しボタンは、オフとオンの切替えトリガーとしてフォトセンサからの出力信号を使用する押しボタンであっても、より確実に、オフとオンが切替えられるときに「カチッ」と音が出る。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態に係る押しボタンの分解斜視図である。
【図2】同押しボタンを上方から示した斜視図である。
【図3】同押しボタンを下方から示した斜視図である。
【図4】同押しボタンを構成している押下部を上方から示した分解斜視図である。
【図5】同押しボタンを構成している押下部を下方から示した分解斜視図である。
【図6】同押しボタンを構成しているヘッドと検出対象片を下方から示した斜視図である。
【図7】同押しボタンを構成しているヘッドと検出対象片を下方から示した斜視図である。
【図8】同押しボタンを構成しているボタン本体を上方から示した斜視図である。
【図9】同押しボタンを構成しているボタン本体を下方から示した斜視図である。
【図10】同押しボタンを上方から示した斜視図であって、一方の押下部(検出対象片を除く)を省略して示した図である。
【図11】同押しボタンを長手方向中心線A−Aで切断した断面図である。
【図12】同押しボタンを長手方向基準線B−Bで切断した断面図である。
【図13】同押しボタンを備えたスロットマシンの斜視図である。
【図14】同押しボタンを備えたスロットマシンのコントロールパネルの正面図である。
【図15】同押しボタンに関して、押下部に作用する荷重と押下部のストロークとの関係を実験モデルで得た結果の一例を示した図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
[本発明の特徴]
以下、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る押しボタン1の分解斜視図である。
【0017】
本実施形態に係る押しボタン1では、スプリングSで上方向に付勢された押下部100が遊技者により下方向に押下される。下方向に押下されている押下部100のストロークが所定距離となると、押下部100の一部がフォトセンサ401で検出されることにより、オフとオンの切替えが行われる。さらに、メタルドームDを備えている。
この点、遊技者が押下部100を下方向に押下した状態では、遊技者に対し押下部100を介してスプリングSからの荷重が作用する。さらに、下方向に押下されている押下部100のストロークが所定距離となり、オフとオンの切替えが行われるときには、遊技者に対し押下部100を介してメタルドームDからの荷重が作用する。これにより、遊技者は、押下部100を下方向に押下した場合には、オフとオンの切替えが行われるタイミングにて、クリック感触が得られる。
【0018】
また、本実施形態に係る押しボタン1では、可視光が透過するような導光性の樹脂で成形された押下部100を、LED301で照らすことができる。一方、フォトセンサ401が検出する押下部100の一部は、可視光が透過しないような遮光性の樹脂で成形されている。従って、押下部100がLED301で発光されている状態でも、押下部100の一部は遮光性の樹脂であるから、下方向に押下されている押下部100のストロークが少なくとも所定距離にあれば、押下部100の一部をフォトセンサ401で検出することができるので、フォトセンサ401を使用したオフとオンの切替え機能が維持される。
【0019】
[本発明の配設例]
本実施形態に係る押しボタン1の配設例を説明する。図13は、本実施形態に係る押しボタン1を備えたスロットマシン10の斜視図である。スロットマシン10は、図13に示すように、コントロールパネル30が設けられている。コントロールパネル30には、本実施形態に係る押しボタン1等の各種ボタンが配設されている。
【0020】
図14は、本実施形態に係る押しボタン1を備えたスロットマシン10のコントロールパネル30の正面図である。コントロールパネル30には、コイン受入口21や紙幣識別器22に加えて、各種の指示を入力することができる押しボタン31〜35,37〜47が配設されている。この点、一対の押しボタン34,40は、それらが隣り合わせで一体となった2WAY方式の押しボタンであり、本実施形態に係る押しボタン1Aである。以下、一対の押しボタン35,41、一対の押しボタン37,42、一対の押しボタン38,43、一対の押しボタン39,44、及び一対の押しボタン46,47も、同様にして、それらが隣り合わせで一体となった2WAY方式の押しボタンであり、本実施形態に係る押しボタン1B,1C,1D,1E,1Fである。
【0021】
[本発明の概略構成]
本実施形態に係る押しボタン1の概略構成を、上記図1に加え、図2と図3を使用して説明する。図2は、本実施形態に係る押しボタン1を上方から示した斜視図である。図3は、本実施形態に係る押しボタン1を下方から示した斜視図である。本実施形態に係る押しボタン1は、上述したように、2つの押しボタンが隣り合わせで一体となった2WAY方式の押しボタンであるから、一対の構成部品を多数備えている。尚、一対の構成部品については、双方とも同様な構成であることから、以下においては、特別な説明が必要でない限り、一方のみについて説明する。
【0022】
図1に示すように、本実施形態に係る押しボタン1は、一対の押下部100、一対のスプリングS、一対のメタルドームD、ボタン本体200、一対の第1実装基板300、一対の取付ネジP、一対の第2実装基板400、及びボタンベース500等から構成されている。
【0023】
押下部100は、遊技者によって押下される部位である。尚、符号113は第1係止口であり、符号114は第2係止口である。第1係止口113と第2係止口114は、一対の押下部100の各々に設けられている。
【0024】
スプリングSは、押下部100を上方に付勢するものであり、押下部100とボタン本体200の間に配設される。その配設方法は後述する。
【0025】
メタルドームDは、膨らみが緩やかなドーム状の金属製円板であり、ボタン本体200に配設される。その配設方法は後述する。尚、メタルドームDは、ドーム状の膨らみが上を向くように配置される。その配置によって上を向いた表面の中心には円形凹部601が形成されている。
【0026】
ボタン本体200は、上述したように、一対のスプリングSや一対のメタルドームDが配設されるものである。それらの配設方法は後述する。また、ボタン本体200は、図2や図3に示すように、一対の押下部100が収納されるものである。その収納方法は後述する。また、ボタン本体200は、図2や図3に示すように、一対の第1実装基板300、一対の取付ネジP、一対の第2実装基板400、及びボタンベース500等が取り付けられるものである。それらの取付方法は後述する。
【0027】
第1実装基板300は、LED301が実装されたものである。LED301は、3色LED方式による発光ダイオードであり、白色発光の制御がなされる。但し、LED301は、白色以外の色で発光の制御がなされてもよい。また、LED301は、単色LED方式による発光ダイオードを使用してもよい。さらに、LED301に代わって、ランプなどの他の照明部品を使用してもよい。
尚、第1実装基板300には、LED301の反対側にコネクタが実装されている。また、第1実装基板300には、取付孔302が設けられている。
【0028】
取付ネジPは、第1実装基板300の取付孔302に通された後にボタン本体200にねじ込まれることにより、第1実装基板300をボタン本体200に取り付けるものである。その取付方法は後述する。
【0029】
第2実装基板400は、フォトセンサ401が実装されたものである。フォトセンサ401は、赤外発光ダイオードを発光素子として備えたものである。但し、フォトセンサ401は、赤外線以外の光を発する発光素子を備えたものであってもよい。また、第2実装基板400には、スペーサ402が固設されている。
【0030】
[押下部の構成]
押下部100の概略構成を、図4と図5を使用して説明する。図4は、押下部100を上方から示した分解斜視図である。図5は、押下部100を下方から示した分解斜視図である。押下部100は、図4や図5に示すように、外蓋110、中蓋120、及びヘッド130等で構成されている。
【0031】
外蓋110は、可視光が透過する樹脂で成形されている。外蓋110の裏側には、図5に示すように、突縁115が形成されている。また、外蓋110の裏側縁端には、第1突片111と第2突片112とが対向して設けられている。第1突片111には第1係止口113(上記図1、図4参照)が設けられており、第2突片112には第2係止口114(上記図1参照)が設けられている。
【0032】
中蓋120は、可視光が透過する樹脂で成形されている。中蓋120の裏側周端には、図5に示すように、段差部121が形成されている。
【0033】
ヘッド130は、可視光が透過する樹脂で成形されている。ヘッド130は、図4に示すように、ヘッド本体150の下側中央に円形穴131が設けられるとともに、ヘッド本体150の上側全面を開口部とし、その開口部から円形穴131までの内面が円錐状のコーン部138として形成されている。
【0034】
また、ヘッド130においては、ヘッド本体150の上側全面である開口部の周囲に、突端132と突縁133が形成されている。また、その開口部の周囲縁端には、第1切欠部134と第2切欠部136とが対向して設けられている。第1切欠部134には第1係止部135が設けられており、第2切欠部136には第2係止部137が設けられている。
【0035】
そして、ヘッド130の突縁133の内側に中蓋120が嵌め込まれることにより、ヘッド130に中蓋120が取り付けられる。このとき、中蓋120の段差部121(図5参照)は、ヘッド130のコーン部138の上端周囲部と嵌合する。
【0036】
その後、ヘッド130の突縁133の外側に外蓋110の突縁115が嵌め込まれることにより、ヘッド130に外蓋110が取り付けられる。このとき、外蓋110の第1突片111はヘッド130の第1切欠部134に嵌め込まれ、さらに、外蓋110の第1係止口113にヘッド130の第1係止部135が係合する。また、外蓋110の第2突片112はヘッド130の第2切欠部136に嵌め込まれ、さらに、外蓋110の第2係止口114(上記図1参照)にヘッド130の第2係止部137が係合する。
【0037】
一方、ヘッド130の下側には、図5に示すように、円形穴131の縁端に円形突端143が形成されている。円形突端143には、スプリングS(上記図1参照)の上端が嵌め込まれる。また、ヘッド本体150の下側の周囲縁端には、第1係爪部141と第2係爪部142とが対向して設けられている。さらに、ヘッド本体150の下側の周囲縁端付近には、第3切欠部151が形成されている。
【0038】
さらに、ヘッド130の下側では、コーン部138において、4つのリブで補強された円柱状の突起部144が形成されている。突起部144の先端中央には、円形凸部145が形成されている。また、ヘッド130の下側では、コーン部138において、検出対象片160が取り付けられている。ヘッド本体150の側面には、検出対象片160を取り付けるための係止口148が設けられている。尚、検出対象片160は、可視光が透過しない樹脂で成形されている。
【0039】
図6と図7は、ヘッド130と検出対象片160を下方から示した斜視図である。図6や図7に示すように、ヘッド130の下側では、円形突端143と係止口148の間にリブ146が形成されている。リブ146には、第4切欠部147が形成されている。また、図7に示すように、突起部144のリブに第5切欠部149が形成されている。一方、検出対象片160は、薄く平たい形状をしており、その一部が斜めに形成され、その長辺方向の中央付近に段差部164が設けられている。また、検出対象片160には、その短辺方向の一端面163に係止部161が形成されている。さらに、検出対象片160の長辺方向の一端面と傾斜面においては、段差部164付近の深さまで溝部162が形成されている(下記図10参照)。
【0040】
そして、検出対象片160は、以下(1)〜(4)のようにして、ヘッド130の下側に取り付けられる。但し、(1)〜(4)の順番は問わない。
(1)ヘッド130のリブ146の第4切欠部147に対して、係止部161が形成された検出対象片160の一端面163を嵌め込む。
(2)ヘッド130のリブ146に対して、検出対象片160の溝部162を嵌め込む。
(3)ヘッド130突起部144の第5切欠部149に対して、検出対象片160の溝部162の一端側を当接させる。
(4)ヘッド130の係止口148に対して、検出対象片160の係止部161を係合させる。
尚、検出対象片160がヘッド130の下側に取り付けられた際には、検出対象片160の傾斜面がコーン部138に接面した状態となる。
【0041】
[ボタン本体の構成]
ボタン本体200の概略構成を、図8と図9を使用して説明する。図8は、ボタン本体200を上方から示した斜視図である。図9は、ボタン本体200を下方から示した斜視図である。ボタン本体200は、可視光が透過する樹脂で成形されている。
【0042】
ボタン本体200では、図8に示すように、ホルダ201の上側全面を開口部とし、その開口部の外周に突縁219が形成され、その開口部の内周に段差部205が形成されている。また、ボタン本体200では、ホルダ201の中央に形成された仕切壁202を基準として、一対のホルダ室203が対称に形成されている。
【0043】
ホルダ室203の側面には、複数の突条206が形成されている。また、ホルダ室203の側面には、ボタン本体200の長手方向において、一対の側面開口部211が対向して形成されている。側面開口部211には、係止板212が形成されている。
【0044】
ホルダ室203の底面には、円形穴208が形成されている。円形穴208の縁端に円形突端207が形成されている。また、ホルダ室203の底面には、第1開口部210,第2開口部213,第3開口部214,第4開口部215,第5開口部216が形成されている。さらに、ホルダ室203の底面には、円形台座209や円柱部217が形成されている。円柱部217の中央には、取付孔218が形成されている。
【0045】
尚、図8には、後述するように、ホルダ201の下側に形成されている第1係止部231、第2係止部235、側面位置決め突片部236、第1係爪部237、及び第2係爪部238が示されている。
【0046】
一方、図9に示すように、ボタン本体200では、ホルダ201の下側まで、上記取付孔218が貫通している。また、円形穴208の周囲では、一対の第1位置決め部233,234が形成され、取付孔218の反対側に第1係止部231が形成されている。さらに、円形穴208の周囲には、4つの隅位置決め部232が形成されている。
【0047】
また、ホルダ201の下側では、その中央付近の第4開口部215と隣接する位置に、一対の第1位置決め突片部239が形成されている。また、ホルダ201の下側には、ボタン本体200の短手方向において、第1位置決め突片部239と並ぶ位置に、一対の第2位置決め突片部240がホルダ201の側面中央付近に形成されている。また、ホルダ201の下側には、第1開口部210と隣接する位置に第2係止部235が形成される。また、ホルダ201の下側には、ボタン本体200の長手方向において、第1位置決め突片部239と対向し第2開口部213と隣接する位置に、側面位置決め突片部236が形成されている。また、ホルダ201の下側には、ボタン本体200の短手方向において、側面位置決め突片部236と対向し第3開口部214と隣接する位置に、第1係爪部237が形成されている。また、ホルダ201の下側には、ボタン本体200の長手方向において、第1係爪部237と並び第5開口部216に隣接する位置に、第2係爪部238が形成されている。
【0048】
また、ホルダ201の側面には、複数の突条241が形成されている。尚、ホルダ室203の側面には、上述したように、ボタン本体200の長手方向において、一対の側面開口部211が対向して形成され、側面開口部211に係止板212が形成されている。さらに、ホルダ201の外周には、上述したように、突縁219が形成されている。
【0049】
[押しボタンの組立]
先ず、ボタン本体200への第1実装基板300の取り付けについて、図8や図9に加え、上述した図1乃至図3も使用して説明する。その取り付けのためには、第1実装基板300のLED301がホルダ201の円形穴208に配置されるように、第1実装基板300を第1係止部231に係合させた後に、第1実装基板300のLED301の筐体四隅を4つの隅位置決め部232に嵌め合わせながら、第1実装基板300を一対の第1位置決め部233,234の間に配置する。この配置状態になると、ホルダ201の取付孔218と第1実装基板300の取付孔302とが重なり合うので、第1実装基板300の取付孔302を介して、ホルダ201の取付孔218に取付ネジPをねじ込む。これにより、第1実装基板300がボタン本体200に取り付けられる。
【0050】
尚、第1実装基板300がボタン本体200に取り付けられると、後述する図10に示すように、ホルダ201の上側では、第1実装基板300のLED301がホルダ201の円形穴208から露出した状態になる。
【0051】
次に、ボタン本体200への第2実装基板400の取り付けについて、図8や図9に加え、上述した図1乃至図3も使用して説明する。その取り付けのためには、第2実装基板400のフォトセンサ401が第1開口部210と向かい合って配置されるように、第2実装基板400を第2係止部235に係合させた後に、第2実装基板400を第1位置決め突片部239と側面位置決め突片部236との間に配置する。さらに、第2実装基板400をホルダ201に向かって押し込み、第1係爪部237と第2係爪部238で第2実装基板400を係合する。その後は、第2実装基板400の一隅を第2位置決め突片部240に嵌め合わせる。これにより、第2実装基板400がボタン本体200に取り付けられる。
【0052】
尚、第2実装基板400がボタン本体200に取り付けられると、第2実装基板400のスペーサ402が取付ネジPに当接した状態になる。
【0053】
次に、ボタン本体200へのボタンベース500の取り付けについて、図8や図9に加え、上述した図1乃至図3も使用して説明する。その取り付けのためには、枠状のボタンベース500は、ホルダ201の下側からホルダ201に嵌め込まれ、ホルダ201の突条241に案内されて、ホルダ201の突縁219に当接する。このとき、ボタンベース500は、ホルダ201の突縁219と係止板212との間に挟まれる(下記図11参照)。これにより、ボタンベース500がボタン本体200に取り付けられる。
【0054】
次に、ボタン本体200の内部における組立について説明する。図10は、本実施形態に係る押しボタン1を上方から示した斜視図であって、一方の押下部100(検出対象片160を除く)を省略して示した図である。ホルダ室203の円形突端207には、スプリングSの下端が嵌め込まれる。さらに、ホルダ室203の円形台座209には、メタルドームDが嵌め込まれる。このとき、金属製円板製のメタルドームDは、ドーム状の膨らみが上を向くように配置され、金属製円板の中央に形成されている円形凹部601が上側に配置される(下記図12参照)。
【0055】
尚、ホルダ室203の円形突端207の内周である円形穴208からは、第1実装基板300のLED301が露出している。また、図10には、ボタン本体200の側面側において、ホルダ201の突縁219とボタンベース500との位置関係や、取付ネジPと第1実装基板300との位置関係、第2実装基板400のスペーサ402と第1実装基板300との位置関係が示されている。
【0056】
次に、ボタン本体200への押下部100の取り付けについて、図10に加え、図11や図12も使用して説明する。図11は、本実施形態に係る押しボタン1をボタン本体200の長手方向中心線A−A(上記図10参照)で切断した断面図である。図12は、本実施形態に係る押しボタン1をボタン本体200の長手方向基準線B−B(上記図10参照)で切断した断面図である。
【0057】
その取り付けのためには、ホルダ室203に押下部100が収納される。ホルダ室203に押下部100が収納された状態では、図11に示すように、押下部100を構成するヘッド130の円形突端143には、スプリングSの上端が嵌め込まれる。さらに、ヘッド130の第1係爪部141はホルダ室203の第2開口部213と係合し、ヘッド130の第2係爪部142はホルダ室203の第4開口部215と係合する。
【0058】
また、ホルダ室203に押下部100が収納された状態では、図12に示すように、ヘッド130の突起部144がメタルドームDの上方に配置される。さらに、図12に示すように、ヘッド130に取り付けられている検出対象片160がホルダ室203の第1開口部210に配置される。
【0059】
[押しボタンの行程]
本実施形態に係る押しボタン1では、以下のようにして、押下部100のストロークが確保される。押下部100は、スプリングSにより上方に付勢されている。これにより、押下部100を構成するヘッド130の第1係爪部141と第2係爪部142とがホルダ室203の第2開口部213と第4開口部215とに係合し、押下部100がホームポジションに位置する。
【0060】
押下部100が押下されると、スプリングSが縮むので、押下部100は下方へ移動する。このとき、押下部100は、ホルダ室203の突条206に案内されながら、ホルダ室203内を下方に移動し、ヘッド130の突端132がホルダ室203の段差部205に当接する。この状態が、押下部100のストロークの下死点となる。一方、押下部100がその押下から解放されると、スプリングSが伸びるので、押下部100は上方へ移動する。このとき、押下部100は、ホルダ室203の突条206に案内されながら、ホルダ室203内を上方に移動し、ヘッド130の第1係爪部141と第2係爪部142とがホルダ室203の第2開口部213と第4開口部215とに係合し、ホームポジションに戻る。この状態が、押下部100のストロークの上死点となる。
【0061】
[押しボタンの機能]
押下部100がそのストロークの上死点(ホームポジション)にある状態では、ヘッド130に取り付けられている検出対象片160は、ホルダ室203の第1開口部210に配置されるが、第1開口部210の下方に位置するフォトセンサ401には検出されない位置にある。押下部100がそのストロークの上死点(ホームポジション)から所定距離まで下方に移動した位置(以下、「スイッチ点」という)にくると、検出対象片160は、第1開口部210内を下方に移動し、フォトセンサ401で検出される。また、押下部100が下方に所定距離以上移動すると、検出対象片160は、第1開口部210内をさらに下方に移動し、フォトセンサ401で検出され続ける。この状態から押下部100が上方に移動している場合には、押下部100が「スイッチ点」に戻るまでは、検出対象片160は、フォトセンサ401で検出され続ける。このようにして、フォトセンサ401からは、検出対象片160の有無に関する検出結果の信号が出力される。
【0062】
尚、押下部100がそのストロークの下死点にある状態では、検出対象片160はフォトセンサ401と衝突しない位置にある。
[押しボタンの感触]
【0063】
また、押下部100がそのストロークの上死点(ホームポジション)から所定距離まで下方に離れた位置(「スイッチ点」)まで下方に移動すると、ヘッド130の突起部144も下方に移動し、突起部144の円形凸部145がメタルドームDの円形凹部601に嵌り込みながら、突起部144がメタルドームDを押圧する。このとき、メタルドームDでは、上を向いたドーム状の膨らみが下方に凹むようにして弾性変形が起き、「カチッ」という音が発せられる。また、押下部100が下方に所定距離以上移動すると、ヘッド130の突起部144も下方にさらに移動し、突起部144がメタルドームDを押圧し続け、メタルドームDでは弾性変形が進行する。
【0064】
このようなメタルドームDの弾性変形は、ストロークの上死点と「スイッチ点」との間に押下部100が存在しているときには行われないが、「スイッチ点」とストロークの下死点との間に押下部100が存在しているときに行われる。
【0065】
この点、ストロークの上死点と「スイッチ点」との間に押下部100が存在しているときは、上述したように、検出対象片160はフォトセンサ401で検出されない。従って、検出対象片160がフォトセンサ401で検出されない間は、スプリングSからの荷重のみが押下部100に作用するので、押下部100を押下している遊技者にはスプリングSからの荷重のみが押下感触として伝わる。一方、「スイッチ点」とストロークの下死点との間に押下部100が存在しているときは、上述したように、検出対象片160はフォトセンサ401で検出されている。従って、検出対象片160がフォトセンサ401で検出されている間は、スプリングSからの荷重に加えてメタルドームDからの荷重が押下部100に作用するので、押下部100を押下している遊技者にはスプリングSからの荷重とメタルドームDからの荷重とが同時に押下感触として伝わる。
【0066】
図15は、押下部100に作用する荷重と押下部100とのストロークの関係を実験モデルで得た結果の一例を示した図である。図15の実験モデルでは、押下部100がホームポジションにあるときは、すなわち、押下部100のストロークが0mmのときは、50gの荷重がスプリングSから押下部100に作用している。押下部100のストロークが0mmから1.2mm付近の間にあるときは、スプリングSからの荷重のみが押下部100に作用している。押下部100のストロークが1.2mm付近から1.4mm付近の間にあるときは、スプリングSからの荷重に加えてメタルドームDからの荷重が押下部100に作用している。すなわち、押下部100のストロークが1.4mm付近の前後では、押下部100を遊技者が押下操作するのに必要な押下圧力とその反力(押下部100に作用している荷重の総和)との釣り合い関係に変化が起きている。
【0067】
押下部100のストロークが1.4mm付近から1.5mm付近の間にあるときも、スプリングSからの荷重に加えてメタルドームDからの荷重が押下部100に作用している。但し、スプリングSからの荷重は弾性変形によるものであるのに対し、メタルドームDからの荷重は塑性変形によるものとなる。尚、図15の実験モデルでは、押下部100のストロークが1.5mm付近以上にあるときは、押下部100が移動できず、押下部100を押下した際の反力が押下部100に作用している。
【0068】
図15の実験モデルでは、押下部100がそのストロークの上死点(ホームポジション)から「スイッチ点」までの所定距離は約1.4mmである。また、押下部100のストロークが1.2mm付近から1.4mm付近の間において、押下部100のストロークの下死点が設けられる。
【0069】
[押しボタンの組付]
本実施形態に係る押しボタン1は、上述したように、スロットマシン10のコントロールパネル30に組み付けられる。その組付では、ボタンベース500のワンタッチ機構が使用される。そのワンタッチ機構は、枠状のボタンベース500の四隅に形成された付勢片で構成される。そのため、スロットマシン10のコントロールパネル30が1mm〜2mm程度の薄さであっても、ボタンベース500のワンタッチ機構により、本実施形態に係る押しボタン1を組み付けることができる。従って、従来技術のようなナットによる締付よりも便宜である。
【0070】
[まとめ]
以上、詳細に説明したように、本実施形態に係る押しボタン1では、押下部100が上方向にスプリングSで付勢されており、押下部100が遊技者により上方向とは反対方向の下方向に押下された場合には、押下部100が所定距離以上押下されているとき、すなわち、押下部100のストロークの上死点(ホームポジション)から所定距離まで下方に離れた位置にある「スイッチ点」とストロークの下死点との間に押下部100が存在しているときは、押下部100から突き出ている検出対象片160がフォトセンサ401によって検出される。
【0071】
このように、本実施形態に係る押しボタン1では、検出対象片160の有無に関する検出信号がフォトセンサ401から出力されており、フォトセンサ401からの出力信号がオフとオンの切替えトリガーとして使用される。さらに、同様にして、押下部100が所定距離以上押下されているとき、すなわち、「スイッチ点」とストロークの下死点との間に押下部100が存在しているときは、押下部100から突き出ている突起部144にメタルドームDが押圧される。
従って、遊技者により押下部100が押下されている場合には、ストロークの上死点(ホームポジション)から「スイッチ点」との間に押下部100が存在している状態では、スプリングSの付勢力のみが押下部100に作用することにより、遊技者が押下操作に必要な押下圧力とその反力との釣り合い関係を構築するとともに、押下部100を介して遊技者に押下感触を与えている。一方、「スイッチ点」とストロークの下死点との間に押下部100が存在している状態では、スプリングSの付勢力に加えて、メタルドームDの弾性力が押下部100に作用することにより、遊技者が押下操作に必要な押下圧力とその反力との釣り合い関係を構築するとともに、押下部100を介して遊技者に押下感触を与えている。
【0072】
すなわち、本実施形態に係る押しボタン1は、オフとオンの切替えトリガーとしてフォトセンサ401からの出力信号を使用する押しボタンであって、遊技者が押下操作に必要な押下圧力とその反力との釣り合い関係(ひいては、遊技者の押下感触)がオフとオンの切替えのとき、つまり、押下部100が「スイッチ点」にあるときに変化する。
【0073】
さらに、背景技術のものとは異なって、押下された押下部100がストロークの下死点に到達するまでの間には、オフとオンの切替えと同時に、遊技者が押下操作に必要な押下圧力とその反力との釣り合い関係に変化が起きるので、押下部100がストロークの下死点まで到達することを未然に防ぐ可能性を有し、押下部100がストロークの下死点まで到達したことを要因とする劣化・破損などを低減できる。
【0074】
また、遊技者の押下感触は、オフ時とオン時とでは異なる。つまり、検出対象片160がフォトセンサ401で検出されない間は、ストロークの上死点(ホームポジション)から「スイッチ点」との間に押下部100が存在している状態にあり、スプリングSからの荷重のみが押下部100を介して遊技者に作用するので、押下部100を押下している遊技者にはスプリングSからの荷重のみが押下感触として伝わる。一方、検出対象片160がフォトセンサ401で検出されている間は、「スイッチ点」とストロークの下死点との間に押下部100が存在している状態にあり、スプリングSからの荷重に加えてメタルドームDからの荷重が押下部100を介して遊技者に作用するので、押下部100を押下している遊技者にはスプリングSからの荷重とメタルドームDからの荷重とが同時に押下感触として伝わる。
【0075】
従って、本実施形態に係る押しボタン1では、メタルドームDの材質を変えれば、押下部100が所定距離以上押下され、「スイッチ点」とストロークの下死点との間に押下部100が存在している状態にあるとき、すなわち、検出対象片160がフォトセンサ401で検出されているときの遊技者の押下感触も変えることができる。例えば、メタルドームDに代えて、膨らみが緩やかなドーム状のラバー製円板を使用すれば、遊技者の押下感触は大きく異なったものとなる。
【0076】
また、押下部100のストロークに対するスプリングSの荷重特性や押下部100のストロークに対するメタルドームDの荷重特性を変えれば、具体的に言えば、押下部100に作用する荷重と押下部100のストロークの関係を示す図15の折れ線(ストロークが0mm〜約1.4mmの範囲までのもの)を上下方向に変えれば、押下部100を押下している際の遊技者の押し心地を変えることもできる。
【0077】
また、本実施形態に係る押しボタン1において、押下部100がそのストロークの下死点にある状態では、押下部100を構成するヘッド130の突端132がホルダ室203の段差部205に当接(して干渉)することから、押下部100がさらに下方に押下されても、押下部100が下方に移動することができず、検出対象片160がフォトセンサ401と衝突することはない。さらに、押下部100がそのストロークの下死点にある状態では、押下部100を構成するヘッド130の突起部144がホルダ室203のメタルドームDを押圧(して干渉)することから、押下部100がさらに下方に押下されても、押下部100が下方に移動することができず、検出対象片160がフォトセンサ401と衝突することはない。すなわち、検出対象片160がフォトセンサ401に衝突することを防止する機構として、ヘッド130の突端132がホルダ室203の段差部205に当接する仕組みに加え、ヘッド130の突起部144がホルダ室203のメタルドームDを押圧する仕組みを備えており、かかる防止機構を二重に備えている。
【0078】
また、本実施形態に係る押しボタン1では、メタルドームDがドーム状の金属製円板である。この点、押下部100が押下されて「スイッチ点」までの下方に移動し、検出対象片160が検出されたことを示す出力信号がフォトセンサ401から出力され、その出力信号がオフとオンの切替えトリガーとして使用されるときは、押下部100を構成するヘッド130から突き出ている突起部144がドーム状の金属製円板(メタルドームD)を押圧する。この押圧時には、メタルドームDでは、上を向いたドーム状の膨らみが下方に凹むようにして弾性変形が起き、「カチッ」という音が発せられる。よって、本実施形態に係る押しボタン1は、オフとオンの切替えトリガーとしてフォトセンサ401からの出力信号を使用する押しボタンであっても、オフとオンが切替えられるときに「カチッ」と音が出るので、押下部100を押下している遊技者に対してクリック感触を与えることができ、遊技者は押下部100を正しく押下していることを認識することができる。
【0079】
また、本実施形態に係る押しボタン1では、上述したように、押下部100が押下されて「スイッチ点」までの下方に移動し、オフとオンが切替えられるときには、ドーム状の金属製円板であるメタルドームDの円形凹部601に突起部144の円形凸部145が嵌め込みながら圧接するので、より確実に、ドーム状の金属製円板(であるメタルドームD)が凹むように弾性変形する。よって、本実施形態に係る押しボタン1は、オフとオンの切替えトリガーとしてフォトセンサ401からの出力信号を使用する押しボタンであっても、オフとオンが切替えられるときに「カチッ」という音がより確実に出るので、押下部100を押下している遊技者に対してクリック感触をより確実に与えることができる。
【0080】
また、本実施形態に係る押しボタン1を備えたスロットマシン10がカジノ等の施設に設置されている場合には、スロットマシン10で展開されるゲームの状況次第では、エキサイトした遊技者が押下部100をそのストロークの下死点まで力の限り押下するおそれがある。もっとも、本実施形態に係る押しボタン1では、スプリングSの付勢力とは反対方向に押下部100が押下されて「スイッチ点」までの下方に移動すると、「カチッ」と音が出て、押下部100を押下している遊技者に対してクリック感触を与えることができる上、押下部100がさらに押下されて「スイッチ点」とストロークの下死点との間に存在している状態になると、スプリングSの付勢力に加えて、メタルドームDの弾性力が押下部100を介して遊技者に作用するので、遊技者が押下操作に必要な押下圧力とその反力との釣り合い関係が、押下部100がそのストロークの上死点(ホームポジション)から「スイッチ点」との間に存在している状態のときと比べて変化している。そのため、本実施形態に係る押しボタン1では、押下部100がそのストロークの下死点に押下される前までに、押下部100が「スイッチ点」まで押下されたことを遊技者に伝えることができ、遊技者がエキサイトして荒々しい押下操作をしようとした際に、押下部100をそのストロークの下死点まで力の限り押下されることを未然に防ぐ可能性を有するので、押下部100がそのストロークの下死点まで力の限り押下されたことを要因とする劣化・破損等を低減することができる。
【0081】
また、本実施形態に係る押しボタン1では、少なくとも、押下部100を構成する外蓋110、中蓋120、及びヘッド130が、可視光が透過する樹脂で成形されている。従って、第1実装基板300のLED301の光は、ホルダ201の円形穴208を介して、押下部100を透過する。これにより、押下部100をその内部からLED301で発光させることができる。その一方で、検出対象片160は、可視光が透過しない樹脂で成形されている。従って、本実施形態に係る押しボタン1では、押下部100がその内部からLED301で発光された状態になっても、検出対象片160の有無に関する検出信号が誤ることなくフォトセンサ401から出力されるので、上述したようなフォトセンサ401により遂行される押しボタンの機能(フォトセンサ401を使用したオフとオンの切替え機能)が維持される。
【0082】
すなわち、本実施形態に係る押しボタン1は、以下の通りでもある。
請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載する押しボタンであって、
前記押下部に可視光を当てる照明部を備え、
前記押下部の材質を導光材とし、
前記検出対象部の材質を遮光材としたこと、を特徴とする押しボタン。
【0083】
[その他]
例えば、本実施形態に係る押しボタン1では、2つの押下部100が隣り合わせで一体となった2WAY方式の押しボタンであったが、2つの押下部100の一方のみを有効にしてもよい。このような場合でも、2つの押下部100の一方のみが有効な押しボタンは、2つの押下部100の双方が有効な押しボタンと同様にして、ボタンベース500のワンタッチ機構を介して、スロットマシン10のコントロールパネル30に組み付けることができる。従って、新たなコントロールパネル30を製造する必要がないので、コストダウンとなる。
【0084】
また、本発明の押しボタンは、1つの押下部100のみを有する1WAY方式の押しボタンで構成してもよい。
【0085】
また、検出対象片160は、可視光が透過する樹脂で成形し、可視光が透過しない塗料を塗ってもよい。
【0086】
また、本実施形態に係る押しボタン1は、スロットマシン10のコントロールパネル30に配設されたものであったが、パチスロ機・パチンコ機等といった遊技機やゲームコントローラで使用されるものでもよい。また、パソコン等のキーボード、携帯情報端末、家電製品、AV機器、電話機、携帯電話、電卓、エレベーター、リモコン等の各種分野で使用されるものでもよい。
【符号の説明】
【0087】
1 押しボタン
100 押下部
144 突起部
145 円形凸部
160 検出対象片
301 LED
401 フォトセンサ
601 円形凹部
D メタルドーム
S スプリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
押下部と、前記押下部を第1方向に付勢する付勢部と、前記押下部から前記第1方向とは反対方向の第2方向へ突き出ている検出対象部と、前記押下部が前記第2方向へ所定距離以上押下されたときに前記検出対象部を検出するフォトセンサと、を有する押しボタンにおいて、
前記押下部が前記第2方向へ前記所定距離以上押下されたときに弾性変形する弾性部を備えたこと、を特徴とする押しボタン。
【請求項2】
請求項1に記載する押しボタンであって、
前記弾性部がドーム状の金属製円板であること、を特徴とする押しボタン。
【請求項3】
請求項2に記載する押しボタンであって、
前記押下部から前記第2方向へ突き出ている突起部と、
前記突起部に設けられた円形凸部と、
前記弾性部に設けられた円形凹部と、を備え、
前記弾性部が前記突起部で押圧されるときに前記円形凸部が前記円形凹部に圧接すること、を特徴とする押しボタン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−103227(P2011−103227A)
【公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−257745(P2009−257745)
【出願日】平成21年11月11日(2009.11.11)
【出願人】(598098526)株式会社ユニバーサルエンターテインメント (7,628)
【出願人】(507332387)アルゼゲーミングアメリカインク (176)
【Fターム(参考)】