説明

押釦スイッチ用カバーシートとその製造方法

【課題】 独創的なデザインを付与する押釦スイッチ用カバーシートを得ること。
【解決手段】 押釦スイッチ用カバーシート(11)は、押圧変位可能な押圧操作片(15)を形成する仕切溝(14)を有する金属製又は硬質樹脂製の操作板(12)を設けた。そのため、機器の筐体からキートップを区切る仕切桟が無くて済み、機器に斬新なデザインを付与することができる。また、操作板(12)が薄板状で機器全体の厚さを薄くすることができる。そして、仕切溝(14)へは、溝内へ突出する溝内突起(24)や、溝内側面に対して固着するゴム状弾性体でなる溝埋め体(64)を設ければ、仕切溝(14)で指を傷つけることのない安全性の高い押釦スイッチ用カバーシートとすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、携帯電話機、PDA、カーナビゲーション装置、カーオーディオ装置など各種機器の操作部に用いる押釦スイッチ用のカバーシートに関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルユースとして用いられる電子・電気機器は、小型化、薄型化が進展し、また、利便性の追求からさまざまな付加機能が搭載されるようになってきた。例えば、携帯電話機においては、電話機としての通話機能だけでなく、メール機能、インターネット接続機能、撮影機能などの補助機能も備え、消費者の購買意欲をかき立てるような努力がなされている。しかし、商品の売れ行きを増大させるためには、これらの機能の豊富さだけでは十分でなく、個人所有という商品の特性を加味した個性的で斬新なデザインを有することが重要になってきている。そのため、電子・電気機器としての機能の多様化だけでなく、デザインの多様化が進行してきている。
【0003】
すなわち、携帯電話機の筐体のデザインはいうまでもなく、携帯電話機の表面部分を形成する押釦スイッチ用のカバー部材においても、他機種との差別化を図るデザイン競争が激化している。例えば、特開2003−197063号公報(特許文献1)には樹脂キートップの上面に、多数の金属箔片を重着して鏡面光沢層を形成して金属調の色彩とした樹脂キートップについての記載がある。
【特許文献1】特開2003−197063号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以上のような背景の下になされたのが本発明であり、その目的は、独創的なデザインを付与する押釦スイッチ用カバー部材を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成すべく本発明は、金属製又は硬質樹脂製の一枚板の操作板内に、押圧変位可能な押圧操作片を形成する仕切溝を設けた押釦スイッチ用カバーシートを提供する。
【0006】
図18で示すように、従来の一般的な押釦スイッチ用カバー部材1は、ゴム状弾性体でなるベースシート2に個々の接点基板に対応する樹脂キートップ3を1つづつ固着したものであり、図19で示す携帯電話機(機器)5の筐体5aに設けた仕切桟(フレーム)5bの間から樹脂キートップ3のみを表出させて用いられていた。そのため、仕切桟5bの制約を受けるデザインとならざるを得なかった。一方、全く仕切桟5bの無い機器(図示せず)に対し、この押釦スイッチ用カバー部材1を装着すると、ベースシート2の外縁部分2aを、全周にわたって圧接して保持した構造となり、圧接部分の内側では拘束のない取付構造となるため、ベースシート2が、樹脂キートップ3の重量負荷によって全体的に延びて歪んでしまうという問題が生じる。
【0007】
これに対し、本発明の押釦スイッチ用カバー部材である押釦スイッチ用カバーシートは、金属製又は硬質樹脂製の操作板に、押圧変位可能な押圧操作片を形成する仕切溝を設けた構成としたため、機器の筐体の仕切桟が無くとも押釦スイッチ用カバーシートが歪んだり撓んだりすることがない。また、機器の筐体の仕切桟が無くて済み、機器に斬新なデザインを付与することができる。さらに、本発明で用いられる操作板は、押圧操作を受ける硬質でなる樹脂キートップと、押圧を受ければ撓み押圧を取り除ければ元の状態に復元するゴム状弾性体でなるベースシートの両者の機能を併せ持つことができ、別部材としてキートップを設ける必要がない。そのため、デザイン性に優れるだけでなく、機能性においても優れている。この操作板は薄板状であることから機器全体の厚さを薄くすることができるという特徴も有する。さらに、操作板を金属製のものとし、照光式のカバーシートとして用いる場合には、操作板を通じて光漏れを起こさず、また、操作板が内部光源からの光を反射させるため、目的の箇所から均一な強い光を照光させることができる押釦スイッチ用カバーシートとすることができる。なお、押圧操作片は、押釦スイッチ用カバーシートにおける押圧操作部に相当している。
【0008】
操作板に設けた押圧操作片は仕切溝で仕切られて形成されているため、仕切溝の形状の変化に対応した様々な形状を有する押圧操作片を創出することができる。そのため、デザインに多様性を持たせることができる。
【0009】
その一例として例えば、仕切溝で仕切られた押圧操作片を舌片状に形成することができる。舌片状としたため、舌片状の根本部分が支持された状態で押圧操作片を押下することが可能となる。そのため、操作板に押釦スイッチ用のキートップとしての機能を持たせることができる。なお、舌片状には、先端部分が丸みを帯びた形状であっても、角張った形状であっても良い。
【0010】
また、仕切溝を丸波状に形成し、該仕切溝を隔てる各側に押圧操作片を各々形成することができる。仕切溝を丸波状に形成し、該仕切溝を隔てる各側に押圧操作片を各々形成するため、押圧操作片の端が丸みを帯びた構造となる。そのため、押圧操作片の端で指などを傷つけることが少なく、安全性が高い。また、柔らかなイメージを演出するデザインとなる。なおここで、丸波状とは、波の波高部、波底部が曲線的になめらかに表れ全体的に丸みを帯びた波形状であることをいう。
【0011】
あるいは、仕切溝を角波状に形成し、該仕切溝を隔てる各側に押圧操作片を各々形成することができる。仕切溝を角波状に形成し、該仕切溝を隔てる各側に押圧操作片を各々形成するため、押圧操作片の面積を広く取ることができる。また、操作板を金属調とした場合など、金属調の色調に沿う鋭いイメージを付与するデザインを表出させることができる。なおここで、角波状とは、波の波高部、波底部が直線的に表れ全体的に角張った波形状であることをいう。
【0012】
このようにして仕切溝で仕切られた押圧操作片は、仕切溝で互いに反対向きに仕切られた押圧操作片を隣接して設けることができる。
【0013】
仕切溝で互いに反対向きに仕切られた押圧操作片を隣接して設ければ、従来の機器筐体に施された画一的な仕切桟の形状とは異なるものとできる。そのため、デザインに優れた押釦スイッチ用カバーシートとすることができる。
【0014】
また、本発明の押釦スイッチ用カバーシートは、操作板を貫通してなる表示部を押圧操作片に設けることができる。ここで表示部とは、文字や記号、図形などを表す部分をいう。
【0015】
操作板を貫通してなる表示部を押圧操作片に設けたため、押圧操作片を、該表示部が示す文字や記号、図形などを入力するための入力キーとして識別することができる。また、表示部の形成を仕切溝の形成と同時に打ち抜きにより行うことができるため、表示部の形成が容易な押釦スイッチ用カバーシートとすることができる。さらに、筐体の内部に照光源を設ければ、表示部を通じて照光する照光式キーとして機能させることも可能である。
【0016】
表示部はまた、操作板を半貫通してなるものとして構成することもできる。半貫通とは、操作板の操作面からその裏面に至る貫通孔を形成するのではなく、操作板の裏面にまでは至らない凹部を形成していることをいう。
【0017】
操作板の厚さは50μm〜2000μmとすることができる。操作板の厚さを50μm〜2000μmとすれば、押釦スイッチ用カバーシート全体に剛性を付与し、押し込まなければ歪んだり撓んだりしない押釦スイッチ用カバーシートを得ることができる。また一方で、押圧を受ければ押圧操作片が変形可能であり、押圧を取り除ければ元の位置に復元する押釦スイッチ用のカバー部材としての機能を発揮することができる。
【0018】
また、本発明は、操作板の操作面の裏面にゴム状弾性体でなるベースシートを設けた押釦スイッチ用カバーシートを提供する。
【0019】
操作板の操作面の裏面にゴム状弾性体でなるベースシートを設けたものとしたため、操作板が直接プリント基板を押圧せず、プリント基板を傷つけにくくすることができる。また、ベースシートで操作板の操作面の裏面を覆うようにすれば、仕切溝や表示部からの水分の侵入を防止することができる。
【0020】
ベースシートには、操作板の押圧操作片の下方位置でベースシートの裏側に、接点電極を押圧する押し子を設けることができる。接点電極を押圧する押し子を設けたため、押圧操作片が受けた押圧操作を確実に接点電極への導通に導くことができ、押圧操作片を押したのに入力されないといった不都合を回避することができる。
【0021】
また本発明は、ベースシートに、操作板の仕切溝の溝内へ突出する溝内突起を設けたものとすることができる。ここで、仕切溝の溝内へ突出する溝内突起とは、ベースシートと操作板との固着面から、操作板の仕切溝として欠如した部位にベースシートの一部が盛り上がって形成された部位をいう。溝内突起は、仕切溝を充填するが如くに形成されるが、その一方で押圧操作片が押圧操作によって変位可能な程度の余裕がある程度に形成されることが好ましい。
【0022】
ベースシートが、操作板の仕切溝へ突き出る溝内突起を有するものとしたため、押圧操作片への押圧によって押圧操作片が撓み、仕切溝のエッジが表れるような場合であっても、ゴム状弾性体でなる溝内突起が存在するため、指先が直接エッジに当たるような場合を回避することができる。そのため、指先を傷つけることがなく、安全性の高い押釦スイッチ用カバーシートとすることができる。
【0023】
溝内突起は遮光性のものとすることができる。溝内突起を遮光性とすれば、照光式キーとして用いた場合に、仕切溝の部分からの光漏れを防止することができる。
【0024】
さらに、本発明の押釦スイッチ用カバーシートは、操作板に硬質樹脂製の材料を用い、該操作板の操作面の裏面に金属薄膜層を設けたものとして構成することができる。照光式キーとして用いる場合には、内部光源から照射された光が操作板の裏面に設けられた金属薄膜層で反射するため、所望の箇所から均一な強い光を照光させることができる押釦スイッチ用カバーシートとすることができる。
【0025】
また、本発明の押釦スイッチ用カバーシートは、仕切溝に、該仕切溝の溝内側面に対して固着するゴム状弾性体でなる溝埋め体を設けたものとすることができる。操作板の仕切溝に入ったゴム状弾性体でなる溝埋め体を該仕切溝に形成し、溝埋め体が仕切溝の溝内側面に固着しているため、押圧操作片が撓んでも、仕切溝を埋めた溝埋め体が押圧操作片の変形に追従し、押圧操作片のエッジが表れることがない。そのため、操作板の質感やデザインを維持したまま、仕切溝で指先を傷つけることがなく、安全性の高い押釦スイッチ用カバーシートとすることができる。
【0026】
この溝埋め体としては、ベースシートから仕切溝の溝内へ突出する溝内突起を、仕切溝の溝内側面に固着したものとして形成することができる。ベースシートと溝埋め体とを同一素材で形成できれば、ベースシートと溝埋め体とを一体として製造できるという利点がある。一方、この溝埋め体は、ベースシートとは別部材で形成することができる。ベースシートと別部材にて形成すれば、ベースシートとして用いるには柔らかすぎる材質など、溝埋め体の機能に最も適合した材質を選択して適用することができる。
【0027】
さらに、この溝埋め体が、仕切溝の溝内から膨出して、操作板の操作面又は該操作面の裏面における仕切溝の溝縁面に対しても固着するものとして構成することができる。溝埋め体が、仕切溝の溝内から膨出して、操作板の操作面又は該操作面の裏面における仕切溝の溝縁面に対しても固着するため、仕切溝の溝内側面のみならず、操作板の操作面である上面、又は操作面の裏面の部分とも固着するようになり、操作板と溝埋め体の固着力が高まる。そのため、仕切溝と溝埋め体の固着が維持され、剥がれにくくなる。なお、仕切溝からはみ出して被覆層を形成する部分は、仕切溝の溝縁に連なる操作板の操作面又はその裏面の少なくとも何れか一方の一部から、操作板の操作面又はその裏面の少なくとも何れか一方の全部にまで広げることができる。
【0028】
さらにまた、本発明は、操作板の操作面を覆う被覆層を有し、該被覆層が仕切溝を閉塞している構成とすることができる。被覆層が仕切溝を閉塞しているため、仕切溝に指先が入ってしまうことがない安全な押釦スイッチ用カバーシートとすることができる。この場合は、仕切溝に溝埋め体が形成されていてもいなくても良い。
【0029】
このような本発明の押釦スイッチ用カバーシートは、操作板にベースシートを融着して該操作板とベースシートとを一体化することによって製造することができる。
【0030】
操作板にベースシートを融着して該操作板とベースシートとを一体化したため、操作板とベースシートとを隙間無く固着することができ、操作板の外側からベースシートの内部にまで水分が入り込むような隙間のない押釦スイッチ用カバー部材を得ることができる。また、この製造方法によれば、操作板の仕切溝に溶融したベースシートが流れ込むため、容易に溝内突起を得ることができる。
【0031】
特に、ベースシートと溝内突起とを有する押釦スイッチ用カバーシートの製造方法にあっては、操作板にベースシートを融着して、ベースシートから操作板の仕切溝の溝内へ突出する溝内突起を設けるとともに、操作板とベースシートとを一体化して押釦スイッチ用カバーシートを製造することができる。このように製造することにより、ベースシートの操作板への固着とともに、溝内突起が容易に形成することができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明の押釦スイッチ用カバーシートは、従来の押釦スイッチ用カバー部材にはない斬新なデザインを有する。また、搭載する機器に対して、機器の軽量化・小型化・薄型化、機器のデザインの斬新性を付与することができる。また、照光式のカバーシートとすれば、導光性が良く、所望の箇所から均一な照光をすることが可能である。
【0033】
さらに、溝内突起や溝埋め体、被覆層を有する押釦スイッチ用カバーシートは、仕切溝で指先を怪我することもなく、安全な押釦スイッチ用カバーシートである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、従来技術と共通する構成、各実施形態で共通する構成については、重複説明を省略する。なお、以下の説明では従来技術の説明と同様に「機器」として携帯電話機を用いた例を挙げ、携帯電話機に適用する押釦スイッチ用カバーシートについて説明する。
【0035】
第1実施形態〔図1〜図3〕; 第1実施形態による押釦スイッチ用カバーシート11(以下「カバーシート」ともいう。)は、金属製の操作板12を備えてなり、ゴム状弾性体でなるベースシート13と一体に構成されている。
【0036】
ステンレス製の薄板状でなる操作板12は、一枚板の平面内に打ち抜きで仕切溝14が角波状に設けられ、該仕切溝14で舌片状に仕切られた部分が押圧操作片15を形成している。また、押圧操作片15の中央には、文字や記号、図形などを表す表示部16が、仕切溝14と同様に打ち抜きで操作板12を貫通して形成されている。より具体的には、図1では、略波状に仕切溝14が設けられており、例えば数字「1」を表す表示部16aが設けられた押圧操作片15aは、仕切溝14で下向きに仕切られ、数字「2」を表す表示部16bが設けられた押圧操作片15bは、仕切溝14で上向きに仕切られている。そのため、押圧操作片15a,15bは互いに反対を向いた構成となっている。
【0037】
操作板12には、剛性の高い材料が形状維持の観点から好適に用いられる。例えば、ステンレスや、アルミニウム、クロム、金、銀、銅、ニッケル、スズなどの金属を使用することができる。これらの金属のなかでは、薄板とするのが容易であるステンレスや、アルミニウム、金、銅などの金属が好ましい。また、金属以外には、ポリカーボネート樹脂や、ABS樹脂などの硬質樹脂を用いることができる。
【0038】
操作板12の厚さは、通常50μm〜2000μmである。厚さが50μm未満では、剛性が弱くカバーシート11の歪みを抑えることが難しくなるからであり、厚さが2000μmを超えると、ベースシート13としての通常の規格の厚さ制限を超えるからである。厚さは、材質や押圧操作片15の形状によっても変化するが、剛性と薄板化の要請から好ましくは、70μm〜300μmである。
【0039】
そして、操作板12の厚さは、50μm〜300μmも好ましい範囲である。300μmを超えると、仕切溝14や表示部16の加工がやや困難になり、また、押圧荷重が大きくなり、操作感も悪くなってしまうからである。50μmよりも薄いと、剛性が弱くカバーシート11の歪みを抑えることが難しくなるからである。また、50μm〜70μmが好ましいとしたのは、被覆層や溝埋め体を形成することで剛性を高めることができるからである。操作板12への仕切溝14や表示部16の形成は、フォトエッチングなどで加工することができる。
【0040】
操作板12の裏面にはゴム状弾性体でなるベースシート13が固着されている。図1の平面図で示すように、ベースシート13は、操作板12の外形に相応した角丸長方形状の外観形状をなし、図2や図3の断面図で示すように、ベースシート13の上面13aは凹凸のない平坦面とされ、ベースシート13の裏面13bは、ベースシート13全体を支持する支持部17と、接点電極を押圧する押し子18とが突設するように複数の凹部19が形成されている。凹部19の形成部分における肉厚は薄く、この薄肉部分が、操作板12の押圧操作片15とともに押圧変位可能となっている。また、機器の内部に設けた内部光源から表示部16を通じて照光させるため、ベースシート13の支持部17には、内部光源が入り込むための欠け部13cが形成されている(図3)。そして、欠け部13cの上部に操作板12が配置している。
【0041】
ベースシート13は、反発弾性が良く柔軟性のある、シリコーンゴム、イソプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、天然ゴム等の熱硬化性エラストマーや、スチレン系、エステル系、ウレタン系、オレフィン系、アミド系、ブタジエン系、エチレン−酢酸ビニル系、フッ素ゴム系、イソプレン系、塩素化ポリエチレン系などの熱可塑性エラストマーなどのゴム状弾性体を用いることができる。これらのゴム状弾性体のうち、シリコーンゴムや、スチレン系熱可塑性エラストマー、エステル系熱可塑性エラストマーは、反発弾性が優れていることに加え、高い耐久性をもつ点で好ましい材料である。また、照光式のカバーシートとするためには透光性のある材質を用いる必要がある。
【0042】
操作板12とベースシート13とは、次の方法により固着することができる。まず、第1の方法としては、金型上に操作板12を配置し、これにベースシート13となる熱可塑性のゴム状弾性体を流し込んで融着する方法である。第2の方法としては、別途成形しておいた操作板12とベースシート13とを接着剤で接着する方法である。どちらの方法も一長一短があるが、操作板12が機器1に保持されない構造となる場合は、操作板12がベースシート13から剥がれ落ちないようにしっかりと固着される必要があり、接着剤によって固着しておく方が好ましい。
【0043】
次に、本実施形態のカバーシート11による作用・効果を説明する。
【0044】
舌片状に設けられた押圧操作片15は、舌片状の根本の部分を残して仕切溝14で区切られている。そのため、押圧操作片15を指などで押圧すると、その根本の部分を中心にして、切り外された部分が変形する。するとベースシート13に設けられた押し子18が図示せぬプリント基板などに設けられた接点電極を押圧してスイッチがONとなる。一方、指を離せば、押圧操作片15とベースシート13の復元力で元の状態に復帰してスイッチがOFFとなる。
【0045】
このように、操作板12は、硬質感と押圧変位可能性を有し、従来の押釦スイッチ用キーシートの樹脂キートップとゴム状弾性体でなるベースシートの両者の機能を兼ね備えた部材となる。また、薄板状であることから機器全体の厚さを薄くすることができ、加えて、今までにない斬新なデザインを提供することができる。さらに、操作板12の剛性によって、機器筐体の仕切桟を無くした構造としながら、カバーシート11全体に歪みや撓みが生じることなく、誤動作を生じさせることがない。また、カバーシート11の製造時においても、従来の押釦スイッチ用キーシートのように、個々のキートップを別個に位置決めしてベースシートに接着する必要がなく、操作板12とベースシート13との固着が容易である。
【0046】
そして、操作板12には、ゴム状弾性体でなるベースシート13が固着されているため、操作板12に貫通して設けられた仕切溝14や表示部16を通じて水分が機器1内部に浸透することがなく、高い防水性能が得られる。
【0047】
また、ベースシート13の厚肉部に設けられた欠け部13cに位置する内部光源(図示せず)から上方に発せられた光は、ステンレス製の操作板12で良く反射し、ベースシート13中を効率良く導光される。そのため、光源付近のみが明るく照光するという問題を解決し、表示部16を均一に照光することができる。
【0048】
さらに、操作板12の押圧操作片15の下方位置でベースシート13の裏側に、接点電極を押圧する押し子18を設けているため、押圧操作片15が受けた押圧操作を確実に接点電極への導通に導くことができ、押圧操作片15を押したのに入力されないといった不都合が生じることがない。
【0049】
第2実施形態〔図4〕; 第2実施形態における押釦スイッチ用カバーシート21は、第1実施形態で示した押釦スイッチ用カバーシート11と比べるとベースシート23に相違がある。すなわち、第1実施形態で用いたベースシート13は、1層構成でなる透光性のベースシート13であったのに対し、本実施形態で用いるベースシート23は、遮光性と透光性の2層構成である点で相違する。ベースシート23以外の構成は第1実施形態で示した押釦スイッチ用カバーシート11と同じである。
【0050】
本実施形態の押釦スイッチ用カバーシート21を表す図4は、図2に相当する断面図である。この図に示されるように、ベースシート23は、遮光性の上側層23aと透光性の下側層23bとが積層して形成されたものである。遮光性の上側層23aは、操作板12に接着し、操作板12に設けた仕切溝14へ突き出る溝内突起24を有している。溝内突起24は、上側層23aの上面から、操作板12の仕切溝14に向かい上側層23aの一部が盛り上がって形成されている。また、上側層23aには、操作板12の表示部16に相対する部位が欠如し、操作板12の表示部16と一連となる貫通孔25が形成されている。このような上側層23aは、フィルム状の樹脂やゴム状弾性体で形成することができ、操作板12の上に射出成形することで容易に製造することができる。
【0051】
下側層23bは、上側層23aの下層に形成され、第1実施形態で示したベースシート13と同様の機能を有するゴム状弾性体でなる透光性の層である。この下側層23bは、上側層23aに形成された表示部16と一連の貫通孔25をも下から蓋をするように設けられる。下側層23bの形成は、上側層23aに接着剤で接着して固着することも可能であるし、上側層23aの上に射出して下側層23bを設けることも可能である。
【0052】
次に、本実施形態のカバーシート21による作用・効果を説明する。
【0053】
ベースシート23の上側層23aには、操作板12に設けた仕切溝14への溝内突起24が設けられているため、指先が隣接する押圧操作片15のエッジに当たるような場合であっても、指先を傷つけることがなく、安全性の高い押釦スイッチ用カバーシート21とすることができる。
【0054】
また、本実施形態のカバーシート21を照光式のカバーシートとして用いる場合には、溝内突起24を遮光性のものとすることで、仕切溝14の部分からの光漏れを防止することができる。そして、操作板12の表示部16に対応する部位に、透光性の下側層23bに至る貫通孔25が形成されているため、表示部16を照光することができる。
【0055】
さらに、ゴム状弾性体でなる下側層23bは、操作板12に形成した貫通孔25に蓋をするように設けられているため、水分が機器1内部に浸透することがなく、高い防水性能を有し、機器1内部にまで水分が浸透することがない。
【0056】
第3実施形態〔図5〕; 本実施形態の押釦スイッチ用カバーシート31を表す図5は、図2に相当する断面図である。第3実施形態におけるカバーシート31においては、操作板を硬質樹脂製の操作板32とし、第1実施形態における金属製の操作板12とは材質が異なる点、操作板32とゴム状弾性体でなるベースシート33との間に金属薄膜層37を設けている点、支持部17を設けていない点が相違している。金属薄膜層37は、第1実施形態における金属製の操作板12と同様に、照光式のカバーシートとした場合に内部光源からの光を適度に反射させるため、導光性を向上させて所望の箇所から均一に照光できる。
【0057】
金属薄膜層37は、金属のみからなる層である場合の他、金属を主成分とするインキや塗料からなる層であっても良く、薄膜状に製膜されて操作板32に固着できる材質のものが好適である。金属薄膜層37は、アルミニウム、クロム、金、銀、銅、ニッケル、スズなどの金属を蒸着法により付着させたり、これらの金属微粒子を含むインキや塗料を用いて塗布することで形成できる。なかでも、アルミニウムやクロム、銀などは操作板32の表面に比較的容易に蒸着法や塗装法で薄膜を形成できるため好ましい。
【0058】
金属薄膜層37の厚さは、導光性の観点からは、10nm〜80nmであることが好ましい。金属薄膜層37の厚さが10nm未満では、金属薄膜層37の可視光線透過率が50%以上となり、内部光源から発せられた光を効率よく反射することが難しくなる一方、80nmを超えると、光の反射効率は殆ど変らず、厚くするだけ材料が余分に必要になり無駄になるからである。
【0059】
第4実施形態〔図6〕; 第1実施形態では、操作板12を打ち抜く仕切溝14と表示部16を、ベースシート13で下から蓋をした構成としたが、第4実施形態における押釦スイッチ用カバーシート41は、図6で示すように、仕切溝14と表示部16とが、ベースシート43からの溝内突起44にて充填された構成としている。この場合に、ベースシート43を透光性の材質で形成した場合には、仕切溝14と表示部16から照光する照光式のカバーシート41とすることができる。一方、ベースシート43を遮光性の材質で形成した場合には、仕切溝14と表示部16から光漏れを起こさないカバーシート41とすることができる。このカバーシート41は、仕切溝14や表示部16に溝内突起44を有しているため、仕切溝14や表示部16で指先を傷つけることを防止することができる。
【0060】
第5実施形態〔図7〕; 第2実施形態では、操作板12の表示部16と一連となる貫通孔25を、ベースシート13で下から蓋をしているが、第5実施形態の押釦スイッチ用カバーシート51は、図7で示すように、ベースシート53の上側層53aから仕切溝14へ突出する溝内突起54aと、ベースシート53の下側層53bから表示部16へ突出する溝内突起54bを形成している。このカバーシート51は、上側層53aを遮光性、下側層53b透光性にすることで、仕切溝14からは光漏れが生ぜず、表示部16から照光する照光式のカバーシート51とすることができる。また、仕切溝14や表示部16に溝内突起54a,54bを有しているため、仕切溝14や表示部16で指先を傷つけることがないカバーシート51とすることができる。
【0061】
第6実施形態〔図8〕; 第1実施形態では、操作板12を打ち抜く仕切溝14と表示部16を、ベースシート13で下から蓋をした構成としたが、第6実施形態の押釦スイッチ用カバーシート61は、図8で示すように、仕切溝14や表示部16が、ゴム状弾性体でなる溝埋め体64で充填された構成とされている。溝埋め体64が、ゴム状弾性体であるが、ベースシート63を形成する材料とは別材料で形成されている点、及び、仕切溝14の溝内側面14aと固着されている点で、溝内突起44にて充填された図6で示す第4実施形態の押釦スイッチ用カバーシート41とは異なる。また、操作板82では、半貫通孔85にて表示部16が形成されている点で、操作板12に貫通孔25を設けて表示部16を形成する図6で示した第4実施形態の押釦スイッチ用カバーシート41などとは異なる。
【0062】
溝埋め体64は、仕切溝14を形成する貫通孔25内にあって、その溝内側面14aに固着されている。そのため、溝埋め体64を形成するゴム状弾性体は、仕切溝14を隔てて隣接する押圧操作片15同士を繋いでおり、押圧操作時においても押圧操作片15に追従して伸び縮みし、溝内側面14aが露出することがない。このゴム状弾性体は、伸びで200%以上、好ましくは300%以上伸びる柔軟性高分子材料である。一方、操作板12との接着力は、180°引き剥がし試験による接着力で3N/mm以上、好ましくは、5N/mm以上である。伸びが200%未満であると、押圧操作時に溝埋め体64が破断してしまうおそれがあり、また、押圧操作時の荷重が大きくなってしまう。また、接着力が3N/mm未満では、押圧操作時に溝埋め体64が溝内側面14aから剥離してしまうおそれがある。半貫通孔85で形成された表示部16も同様にして溝埋め体64で埋められている。このような溝埋め体64の形成は、液体樹脂やインキ、塗料、接着剤などの形態にされた柔軟性高分子を仕切溝14や表示部16内に注入した後、硬化させることにより行うことができる。
【0063】
柔軟性高分子の材質としては、シリコーン系樹脂やウレタン系樹脂等の液状樹脂や、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレンブタジエンゴム等を用いることができる。硬化の際は、材質に応じて、常温硬化、反応硬化、熱硬化、湿気硬化、UV硬化、光硬化などで硬化させることができる。
【0064】
カバーシート61は、仕切溝14や表示部16が溝埋め体64で満たされているため、仕切溝14や表示部16の角で指を傷つけることがない。また、押圧操作片15どうしが溝埋め体64で連結される構造となるため、溝埋め体64が無い場合に比較して、押圧荷重はやや大きくなるが、柔軟性高分子で形成されているため、押圧操作は可能である。そして、溝埋め体64が溝内側面14aと固着しているため、押圧操作された押圧操作片15と、それに隣接する押圧操作片15との間で段差が生じても、押圧操作片15,15どうしを溝埋め体64が繋いでいるため、その端が露出することがなく指を傷つけたり、はさみ込んだりすることがない。
【0065】
第7実施形態〔図9〕; 第7実施形態で示す押釦スイッチ用カバーシート71は、操作板12に設けた仕切溝14をゴム状弾性体でなる溝埋め体74で充填するとともに、溝埋め体74が操作板12の裏面12bにまで膨出して操作板12の裏面12bに至りその全体を覆う構成となる被覆層77を形成している。このカバーシート71は、図4で示した第2実施形態のカバーシート21と層構成は似ているが、カバーシート71が、ベースシート73と被覆層77とからなるのに対し、第2実施形態のカバーシート21では、ベースシートの上側層23aと下側層23bとからなる点で相違している。また、第2実施形態のカバーシート21における溝内突起24が、溝内側面14aと固着しない場合には、押圧荷重が低いのに対して、本実施形態のカバーシート71は、溝埋め体74が、溝内側面14aと固着しているので、やや押圧荷重が高くなるが、ベースシート73よりは伸びのあるゴム状弾性体を用いて形成することができるため、押圧操作に支障が生じるほど押圧荷重が高まるものではない。
【0066】
カバーシート71では、押圧操作片15の端(エッジ)、即ち、仕切溝14の端(エッジ)が溝埋め体74と繋がっているため、溝内突起24が溝内側面14aと固着していない場合のカバーシート21よりは、押圧操作片15の端で指などを傷つけるおそれが低減する。
【0067】
第8実施形態〔図10〕; 第8実施形態で示す押釦スイッチ用カバーシート81は、操作板12に設けた仕切溝14をゴム状弾性体でなる溝埋め体84で充填するとともに、溝埋め体84が操作板12の上面12aにまで膨出して操作板12の上面12aに至りその全体を覆う構成となる被覆層87を形成している。
【0068】
カバーシート81では、仕切溝14の溝縁に連なる操作板12の上面12aの一部だけでなく、その上面12a全体を被覆層87で覆っているため、操作板12の上面12aの保護にも役立ち、操作板12を金属板で形成する場合には、金属光沢をいつまでも保持することが可能となる。この場合には、金属でなる操作板12の色調を視認できる必要から、被覆層87を形成するゴム状弾性体は透光性の材質とすることが好ましい。また、溝埋め体84が仕切溝14に入っているため、尖ったもので押圧しても被覆層87が破れにくい。
【0069】
溝埋め体84と被覆層87は、同一材質で形成しても良いし、別に形成しても良い。より具体的には、同一材質で形成する場合は、先の実施形態で示したのと同様のゴム状弾性体を用いることができる。また、別の材質で形成する場合は、溝埋め体84は前記ゴム状弾性体を用いながら、被覆層87には、透明性の樹脂の塗工や粘着性テープなどで形成することも可能である。例えば、ポリオレフィン系やポリエステル系、ポリウレタン系等のフィルム状樹脂を用いることができる。また、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系フィルムや、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系フィルム等の基材に粘着層が付与された粘着性フィルムを用いても良い。さらに、溝埋め体84を形成した後、スプレー塗装することも可能である。このカバーシート81は、仕切溝14や表示部16を被覆層87で覆っているため、仕切溝14や表示部16に指が入り込むようなことがなく、安全性が高い。さらに、押圧操作片15に金属に代わるゴム状弾性体の質感をもたらすことができ、滑り止め効果や、あたたかみを生じさせることができる。
【0070】
第9実施形態〔図11〕; 第9実施形態で示す押釦スイッチ用カバーシート91は、操作板12の上面12aを覆う被覆層97を形成している点で、図10で示す第8実施形態の押釦スイッチ用カバーシート81と同じであるが、仕切溝14に入る溝埋め体84が形成されていない点で異なる。
【0071】
本実施形態のカバーシート81は、第8実施形態のカバーシート71と比較すると、仕切溝14に溝埋め体が形成されていないため、押圧操作片15どうしの間で被覆層97がやや破れ易いという欠点がある。しかし、溝埋め体がないため、押圧操作荷重が低い点という利点がある。仕切溝14や表示部16に溝埋め体を形成しないためには、操作板12の上面12aに設けた接着剤と被覆層97を接着したり、仕切溝14や表示部16を仮埋めしておき、被覆層97を塗布などで形成した後、仮埋めを除去するなどの方法を採用することができる。
【0072】
以上の実施形態において図1〜図11で示した操作板12,32に代えて、図12〜図16で示す押釦スイッチ用カバーシート101,111,121,131,141のように、仕切溝104,114,124,134,144と押圧操作片15の形状を変更した操作板102,112,122,132,142とすることが可能である。図15や図16で示す仕切溝134,144は丸波状に形成されている。また、図17に示す押圧操作片15は、図12の領域Rに相当する部分を拡大したものだが、図17(a)〜(c)で示すような仕切溝104a,104b,104cとすることも可能である。
【0073】
以上の実施形態では、携帯電話機1に使用するカバーシート11,21,31,41,51,61,71,81,91,101〜141を例示したが、それ以外の機器、例えばPDAやリモートコントローラなどに用いることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】第1実施形態による押釦スイッチ用カバーシート(カバーシート)の平面図。
【図2】図1のSA−SA線断面に相当するカバーシートの断面図。
【図3】図1のSB−SB線断面に相当するカバーシートの断面図。
【図4】第2実施形態によるカバーシートの図2相当の断面図。
【図5】第3実施形態によるカバーシートの図2相当の断面図。
【図6】第4実施形態によるカバーシートの図2相当の断面図。
【図7】第5実施形態によるカバーシートの図2相当の断面図。
【図8】第6実施形態によるカバーシートの図2相当の断面図。
【図9】第7実施形態によるカバーシートの図2相当の断面図。
【図10】第8実施形態によるカバーシートの図2相当の断面図。
【図11】第9実施形態によるカバーシートの図2相当の断面図。
【図12】本実施形態によるカバーシートの変更例の一を示す図1相当の平面図。
【図13】本実施形態によるカバーシートの変更例の二を示す図1相当の平面図。
【図14】本実施形態によるカバーシートの変更例の三を示す図1相当の平面図。
【図15】本実施形態によるカバーシートの変更例の四を示す図1相当の平面図。
【図16】本実施形態によるカバーシートの変更例の五を示す図1相当の平面図。
【図17】分図17(a)〜(c)の何れも図12の領域Rに相当する部分を拡大して仕切溝の別の形態を示す拡大平面図。
【図18】携帯電話機の外観平面図。
【図19】図18の携帯電話機に備える一従来例による押釦スイッチ用カバー部材の平面図。
【符号の説明】
【0075】
1 押釦スイッチ用カバー部材
2 ベースシート
3 樹脂キートップ
5 携帯電話機(機器)
5a 筐体
11,21,31,41,51,61,71,81,91,101,111,121,131,141
押釦スイッチ用カバーシート(カバーシート)
12,32,82,102,112,122,132,142 操作板
12a 上面
12b 裏面
13,23,33,43,53,63,73,83,93 ベースシート
13a,33a,43a 上面
13b,33b,43b 裏面
13c 欠け部
23a,53a 上側層(ベースシート)
23b,53b 下側層(ベースシート)
14,104,104a,104b,104c,114,124,134,144
仕切溝
14a,85a 溝内側面
15 押圧操作片
16 表示部
17 支持部
18 押し子
19 凹部
24,44,54 溝内突起
64,74,84 溝埋め体
25 貫通孔
37 金属薄膜層
77,87,97 被覆層
85 半貫通孔
R 領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属製又は硬質樹脂製の操作板に、押圧変位可能な押圧操作片を形成する仕切溝を設けた押釦スイッチ用カバーシート。
【請求項2】
押圧操作片が舌片状である請求項1記載の押釦スイッチ用カバーシート。
【請求項3】
前記仕切溝を丸波状に形成し、該仕切溝を隔てる各側に前記押圧操作片を各々形成する押釦スイッチ用カバーシート。
【請求項4】
前記仕切溝を角波状に形成し、該仕切溝を隔てる各側に前記押圧操作片を各々形成する押釦スイッチ用カバーシート。
【請求項5】
押圧操作片に、板厚を貫通する孔状の文字、数字、記号等でなる表示部を設けた請求項1〜請求項4何れか1項記載の押釦スイッチ用カバーシート。
【請求項6】
操作板の板厚が、50μm〜2000μmである請求項1〜請求項5何れか1項記載の押釦スイッチ用カバーシート。
【請求項7】
操作板の操作面の裏面に、ゴム状弾性体でなるベースシートを設けた請求項1〜請求項6何れか1項記載の押釦スイッチ用カバーシート。
【請求項8】
押圧操作片の下方位置でベースシートの裏側に、接点電極を押圧する押し子を設けた請求項7記載の押釦スイッチ用カバーシート。
【請求項9】
前記ベースシートに、操作板の仕切溝の溝内へ突出する溝内突起を設けた請求項7または請求項8記載の押釦スイッチ用カバーシート。
【請求項10】
前記溝内突起を遮光性とした請求項9記載の押釦スイッチ用カバーシート。
【請求項11】
操作板を硬質樹脂製とし、該操作板の操作面の裏面に、金属薄膜層を設けた請求項1〜請求項10何れか1項記載の押釦スイッチ用カバーシート。
【請求項12】
前記仕切溝に、該仕切溝の溝内側面に対して固着するゴム状弾性体でなる溝埋め体を設けた請求項1〜請求項11何れか1項記載の押釦スイッチ用カバーシート。
【請求項13】
溝埋め体がベースシートと別部材である請求項12記載の押釦スイッチ用カバーシート。
【請求項14】
溝埋め体が、仕切溝の溝内から膨出して、操作板の操作面又は該操作面の裏面における仕切溝の溝縁面に対しても固着する請求項12又は請求項13記載の押釦スイッチ用カバーシート。
【請求項15】
操作板の操作面を覆う被覆層を有し、該被覆層が仕切溝を閉塞している請求項1〜請求項14何れか1項記載の押釦スイッチ用カバーシート。
【請求項16】
ベースシートと溝内突起とを有する押釦スイッチ用カバーシートの製造方法であって、操作板にベースシートを融着して、ベースシートから操作板の仕切溝の溝内へ突出する溝内突起を設けるとともに、操作板とベースシートとを一体化する押釦スイッチ用カバーシートの製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate


【公開番号】特開2006−156333(P2006−156333A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−133414(P2005−133414)
【出願日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【出願人】(000237020)ポリマテック株式会社 (234)
【Fターム(参考)】