説明

拡張現実におけるオブジェクトの追跡

一般的に、オブジェクトを追跡するための技術が説明される。いくつかの実施例では、システムは、モバイルフォンおよび拡張現実デバイスを備えてよい。モバイルフォンは、送信波を受信し、オブジェクトから反射された反射波を受信するのに有効である。モバイルフォンは、送信波と反射波との間の差異を判定し、判定された差異に基づいて第1の追跡データを生成するように構成され得る。拡張現実デバイスは、第1の追跡データを受信し、第1の追跡データに基づいてオブジェクトの位置に関する第2の追跡データを判定するように適応され得る。判定された第1の追跡データおよび第2の追跡データに基づいてディスプレイ上で画像が生成され得る。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本明細書に別途明示されていない限り、本節に記載の材料は、本出願における特許請求の範囲より前の技術ではなく、本節に含まれることによって従来技術であると認められるものではない。
【0002】
拡張現実システムでは、現実の世界のユーザの視界は、コンピューティングデバイスによって生成された追加の情報で拡張または増大される。ユーザは、ユーザに提供されたディスプレイを通して、関心のあるシーン内の現実のオブジェクトの上に置かれた仮想の幾何学的オブジェクトを見ることができる。さらに、現実のオブジェクトに関する非幾何学的情報が追加され、ディスプレイ上で表示され得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示の上記および他の特徴は、添付の図面に関連して理解される以下の説明および添付の特許請求の範囲から、より十分に明らかになるであろう。これらの図面は、単に本開示によるいくつかの実施形態を図示するだけであり、したがって、本開示の範囲を限定するとみなされるべきではないことを理解して、本開示は、添付の図面を使用することにより、さらに具体的かつ詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【図1】拡張現実におけるオブジェクトの追跡を実行するために利用することができるいくつかの例示的システムを例示する図である。
【図2】拡張現実におけるオブジェクトの追跡を実行するために利用することができるいくつかの例示的システムを例示する図である。
【図3】拡張現実におけるオブジェクトの追跡のための例示的プロセスの流れ図である。
【図4】拡張現実におけるオブジェクトの追跡のためのコンピュータプログラム製品を例示する図である。
【図5】本開示による拡張現実におけるオブジェクトの追跡を実行するように構成された例示的コンピューティングデバイス400を例示するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
これらはすべて、本明細書で提示される少なくともいくつかの実施形態によって構成される。
【0006】
以下の詳細な説明では、本明細書の一部を形成する添付の図面が参照される。これらの図面では、文脈が別途指示しない限り、通常、同様の符号は同様の構成要素を識別する。詳細な説明に記載されている例示的実施形態、図面、および請求項は、限定的であることを意味するものではない。本明細書で提示される主題の趣旨または範囲から逸脱することなく、他の実施形態が利用されてもよく、他の変更が行われてもよい。本開示の態様は、本明細書で一般的に説明され、図に例示されているように、さまざまな異なる構成で、構成、代替、結合、分離、および設計されることが可能であり、それらのすべてが本明細書で明示的に企図されていることが容易に理解されるであろう。
【0007】
本開示は、一般的に、とりわけ拡張現実におけるオブジェクトの追跡に関する方法、装置、システム、デバイス、およびコンピュータプログラム製品に関する。
【0008】
簡潔に言えば、一般的に、オブジェクトを追跡するための技術が説明される。いくつかの実施例では、システムはモバイルフォンおよび拡張現実デバイスを備えてよい。モバイルフォンは、送信波を受信し、オブジェクトから反射された反射波を受信するのに有効であり得る。モバイルフォンは、送信波と反射波との間の差異を判定し、判定された差異に基づいて第1の追跡データを生成するように構成され得る。拡張現実デバイスは、第1の追跡データを受信し、第1の追跡データに基づいて、オブジェクトの位置に関する第2の追跡データを判定するように構成され得る。判定された第1の追跡データおよび第2の追跡データに基づいてディスプレイ上で画像が生成され得る。
【0009】
図1は、本明細書で提示される少なくともいくつかの実施形態による拡張現実におけるオブジェクトの追跡を実行するために利用することができるいくつかの例示的システムを例示する。いくつかの実施例では、システム100は、照射デバイス102、リスニングデバイス104、ネットワーク106、拡張現実デバイス108、およびディスプレイ110を含んでよい。以下でより詳細に説明されるように、いくつかの実施例では、照射デバイス102は、電磁波を使用してオブジェクト114を照射するように構成され得る。オブジェクト114は、方向116に移動していてよい。リスニングデバイス104は、照射デバイス102によって生成された電磁波を受信し、オブジェクト114から反射された電磁波を受信するように構成され得る。照射デバイス106から受信された電磁波とオブジェクト114から受信された電磁波との間の差異に基づいて、リスニングデバイス104は、オブジェクト114の位置に関する情報を生成するように構成され得る。その情報は、ネットワーク106を通して拡張現実デバイス108に送信され得る。デバイス108は、この情報を使用して、関心のあるシーン118に関してユーザ112のためにディスプレイ110上に画像142を生成するように構成され得る。システム100の構成要素はすべて、関心のあるシーン118の中に配置されても、外に配置されてもよい。
【0010】
図2は、本明細書に記載の少なくともいくつかの実施形態による拡張現実におけるオブジェクトの追跡を実行するために利用することができるいくつかの例示的システムを例示する。図2のシステムは、図1のシステム100と事実上同様であり、さらに詳細である。図1の構成要素と同一の符号をつけられた図2における構成要素は、明瞭にするために、再度説明されない。
【0011】
システム100は、図1において上記で説明された構成要素に加えて、基地局124およびGPS衛星コンステレーション136をさらに含んでよい。図2に例示されているように、いくつかの実施例では、照射デバイス102は、1つまたは複数のモバイルフォンを含んでよい。他の実施例では、照射デバイス102は、電磁波形を送信するように構成され得る任意のデバイスでよい。いくつかの実施例では、照射デバイス102は、セルラ通信ソース、あるいはオーディオ、テレビもしくはいくつかの他のデータ通信ソースのために使用され得るような無線周波数(RF)通信ソースおよび/またはブロードキャスティングソースを含んでよい。いくつかの実施例では、照射デバイス102は、TV(アナログまたはデジタル)放送、グローバル移動体(GSM(登録商標))通信、符号分割多元接続(CDMA)通信、広帯域符号分割多元接続(WCDMA)通信、衛星通信、時分割多元接続(TDMA)通信、直交周波数分割多元接続(OFDMA)通信、パーソナルハンディフォンシステム(PHS)通信、振幅変調(AM)または周波数変調(FM)放送、デジタルオーディオ放送(DAB)、地上デジタルビデオ放送(DVB−T)、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)アクセスポイント、広域ネットワーク(WAN)アクセスポイント、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)アクセスポイント、パーソナルエリアネットワーク(PAN)アクセスポイントなどを含んでよい。同様に、いくつかの実施例では、照射デバイス102は、TV受信機、デジタルTV受信機、GSM(登録商標)デバイス、CDMAデバイス、AM/FMラジオ受信機、PDA、スマートフォン、衛星ラジオ受信機、DAB受信機、DVB−T受信機、WLANデバイス、WANデバイス、MANデバイス、およびPANデバイスなど含んでよい。
【0012】
照射デバイス102は、照射デバイス102がセルラネットワークの基地局124とアップリンク通信チャネルを介して通信するときなどに電磁波120を送信するように構成され得る。電磁波120は、無指向性であり、多くの方向に伝播する可能性がある。簡単にするために、5つの方向の波、120a、120b、120c、120d、および120eが図示されている。いくつかの実施例では、波120aおよび120bは、方向116に移動しているオブジェクト114に当たる。波120aおよび/または120bは、オブジェクト114に当たると、オブジェクト114から反射する可能性がある。さらに、オブジェクト114が方向116に移動するにつれて、オブジェクト114から反射した波120a、120bは、波122によって例示されているように周波数シフトまたはドップラーシフトを受ける可能性がある。
【0013】
リスニングデバイス104は、上記で論じられたように照射デバイスとして使用することができる1つまたは複数のモバイルフォンまたは任意のデバイスを含んでよい。各リスニングフォン104は、すべてプロセッサ128と通信していてよいアンテナアレイ126、全地球測位システム(GPS)モジュール130、ネットワークモジュール132、メモリ134、ディスプレイ154、センシングモジュール150、およびカメラ148のうちの1つまたは複数を含んでよい。GPSモジュール130は、GPS衛星コンステレーション136からデバイス104の位置情報を受信するように構成され得る。アンテナアレイ126は、以下で論じられるビーム形成アルゴリズムの使用によってなど、リスニングフォン104によって使用される電磁検出の方向および利得を形成するように構成され得る。ネットワークモジュール132は、ネットワーク106を通してデバイス104からデバイス108に情報を伝達するように構成され得る。ネットワークモジュール132およびネットワーク106は、たとえば、Wi−Fiネットワーク、パケットネットワーク、ショートメッセージサービス(SMS)によるテキストメッセージング、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、広域ネットワーク(WAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、およびブルートゥース、ジグビー、WiMaxなど他の通信形式の一部でもよく、それらを含んでもよい。メモリ134は、リスニングフォン104によって使用される情報を格納するように構成され得る。カメラ148は、関心のあるシーン118に関するデータをキャプチャするように構成され得る。
【0014】
いくつかの実施例では、単一のモバイルフォンが、照射デバイス102およびリスニングデバイス104の両方として使用されてよい。たとえば、単一のモバイルフォンは、波120を照射するためおよび反射波122を聞き取るために、それぞれ別のセットの周波数を使用してよい。時分割多重化、直交周波数分割多重化など他のタイプの分割多重化方式が単一のモバイルフォンによって使用されてもよい。
【0015】
いくつかの実施例では、リスニングデバイス104は、照射デバイス102にリンクされてよい。たとえば、照射デバイス102は、照射デバイスが照射しようとしていることをデバイス108またはネットワーク106内のデバイスに通知するために制御信号を送信するように構成され得る。デバイス108は、リスニングデバイス104に聞き取るように要求するおよび/または照射デバイス102に照射するように要求する制御信号を送信するように構成され得る。
【0016】
図1に関連して上記で論じられたように、移動しているオブジェクト114に波120が当たったときに、反射波122が生成され得る。リスニングフォン104のアンテナ126は、反射波122および/または送信波120eを受信するように構成され得る。たとえば、波122および120eは、リスニングフォン104の直接チャネルおよびエコーチャネルを通してリスニングフォン104によって受信され得る。プロセッサ128は、反射波122と送信波120との間の差異を判定するように構成され得る。いくつかの実施例では、この差異は、以下でさらに詳細に論じられるように、相互相関処理を使用してドップラースペクトルを判定するために使用され得る。差異が閾値より大きい場合は、プロセッサ128は、以下でさらに詳細に論じられるように、オブジェクト114の位置に関する追跡データ140を判定するように構成され得る。
【0017】
いくつかの実施例では、閾値は、ドップラースペクトルに偏移があるかどうかを検出するために使用される検出方法に基づいて判定され得る。検出方法が違うと、閾値が違うことになる可能性がある。たとえば、システム100が定誤警報率(CRAF)検出を使用する場合は、検出閾値は、システムが誤警報の一定の予め定めた確率を維持するように算出され得る。
【0018】
各リスニングデバイス104は、たとえば、GPSモジュール130によって、または基地局124との通信によって、それ自体の位置を判定するように構成され得る。たとえば、各基地局124は、基地局のそれぞれのGPS位置をリスニングデバイス104に通知するように構成され得る。リスニングデバイス104内のプロセッサ128は、デバイス104と各基地局124との間の距離を概算し、それによってデバイス104の位置を三角測量するように構成され得る。プロセッサ128は、波102と波122との間の差異を判定する。プロセッサ128は、ビーム形成アルゴリズムを使用してリスニングデバイス104に関連したオブジェクト114に関する追跡データ140を判定するように構成され得る。いくつかの実施例では、ビーム形成アルゴリズムは、オブジェクト114の位置の推定値、オブジェクト114の移動によって引き起こされるドップラースペクトルの変化、オブジェクト114とリスニングフォン104との間の角度、および/またはオブジェクト114とリスニングフォン104との間の角度もしくは速度の変化などの追跡データ140を判定するために使用され得る。ビーム形成アルゴリズムは、メモリ134に格納されてよく、たとえば、カルマンフィルタでよい。
【0019】
フォン104がディスプレイ154を含む場合は、プロセッサ128は、追跡データ140を使用して、ディスプレイ154上にオブジェクトの画像を表示するように構成され得る。プロセッサ128は、追跡データ140をカメラ148によってキャプチャされたデータと結合し、および/または結合された情報をディスプレイ154上に表示するように構成され得る。
【0020】
プロセッサ128は、時間および/または日付スタンプを含む追跡データ140を、ネットワークモジュール132およびネットワーク106を通してデバイス108に送信するように構成され得る。デバイス108は、追跡データ140を受信するように構成され得る。追跡データ140は、デバイス108によって複数のリスニングフォン104から受信され得る。追跡データ140は、ディスプレイ110上で関心のあるシーン118の画像142を生成するために、カメラ138からのキャプチャされたデータおよび/またはカメラ148からのデータなど、関心のあるシーン118に関する他のデータと結合され得る。ディスプレイ110は、コンピュータモニタ110a、モバイルフォン110b、または何らかの他のモバイルデバイス(図示せず)など、任意の形式のディスプレイでよく、関心のあるシーン118の中に配置されても、その外に配置されてもよい。たとえば、リスニングフォン104および/または照射フォン102は、ディスプレイ110のために使用され得る。
【0021】
デバイス108は、複数のリスニングデバイス104から追跡データ140を受信し、オブジェクト114の拡張追跡データ152を判定するように構成され得る。いくつかの実施例では、追跡データ140は、3つのリスニングデバイスから受信され得る。これらの実施例では、各追跡データは、それぞれのリスニングデバイスの位置およびオブジェクトとそれぞれのリスニングデバイスとの間の距離を示すことができる。デバイス108は、オブジェクト114の位置を三角測量するように構成され得る。デバイス108は、拡張追跡データ152をディスプレイ110に送信するように構成され得る。上記で論じられたように、いくつかの実施例では、ディスプレイ110は、リスニングモバイルフォン104または照射モバイルフォン102でよい。いくつかの実施例では、リスニングフォン104がディスプレイ110bに対応するディスプレイ154を含む場合は、プロセッサ128は、拡張追跡データ152に基づいてディスプレイ154を更新するように構成され得る。
【0022】
いくつかの実施例では、照射デバイス102およびリスニングデバイス104は、追跡データ140をデバイス108に定期的に送信するように構成され得る。上記で論じられたデータに加えて、追跡データ140は、各デバイスの識別、各デバイスの位置、および照射またはリスニングなどの実行されるモードを含んでよい。いくつかの実施例では、デバイス108は、デバイス102または104の外部にあってよく、ネットワーク106を通して通信することができる。いくつかの実施例では、デバイス108によって実行されるプロセスは、デバイス102および/または104に配信されたソフトウェアでよい。ソフトウェアがデバイス102および/または104に配信される実施例では、デバイスはネットワーク106を使用して相互に通信するように構成され得る。
【0023】
移動しているオブジェクト114がリスニングデバイス104およびデバイス108によって検出された後に、リスニングデバイス104およびデバイス108は、オブジェクト114を追跡するように構成され得る。いくつかの実施例では、第1に、デバイス108は、デバイス102または104のうちのどれがシーン118におけるオブジェクト114の追跡のために利用可能かを判定することができる。いくつかの実施例では、デバイス108は、いくつかのデバイスに、それらのデバイスが照射または聞き取るように構成されるように要求するために制御信号を送信するように構成され得る。たとえば、図2に示されているように、デバイス108は、デバイス102を照射するように構成し、デバイス104を聞き取るように構成するために制御信号を送信するように構成され得る。たとえば、オブジェクト114が図において右に移動するにつれて、制御信号は、最初に、デバイス102aが照射するように構成され、デバイス102bが聞き取るように構成されるように要求することができる。その後、制御信号は、デバイス102bが照射するように構成され、デバイス104bが聞き取るように構成されるように要求することができる。
【0024】
上記で論じられたように、オブジェクト114が照射デバイスに関連して移動するときに、オブジェクト114はドップラースペクトルの変化を引き起こす。この変化は、波120と波122との間の差異を測定することによりリスニングデバイス104によって検出され得る。たとえば、リスニングデバイス104は、アンテナアレイ126において2つの異なるチャネル上の波120および波122を受信することができる。プロセッサ128は、波120および波122に対して、ブラインド等化、増幅、減衰(たとえば、ゲインスケーリング)、ダウンコンバージョン、復調、デジタル化(たとえば、コンパレータおよび/またはアナログトゥデジタルコンバータによって量子化される)、データフォーマッティング、信号補正(たとえば、直交信号補正、乗法信号補正など)、帯域幅フィルタリング(たとえば、バンドパス、ローパス、ハイパスフィルタなどのパッシブまたはアクティブフィルタを使用する)、適応フィルタリング、信号平均、および/またはデータ平均のうちの1つまたは複数などの信号処理を実行するように構成され得る。いくつかの実施例では、上記の信号処理は、信号処理モジュール150において示されているようなハードウェアモジュールを使用してプロセッサ128によって実行され得る。プロセッサ128は、ドップラースペクトルを判定するために波102と波122との間のコヒーレント相互相関を実行するように構成され得る。定義された閾値より大きいドップラースペクトルの変化は、追跡データ140の少なくとも一部のために利用され得る。
【0025】
他の有りうる利益の中では、リスニングデバイスは、ポータブル、低コスト、および低電力消費にされ得る。リスニングデバイスのための追加の周波数割当ては行われ得るが、必要ではないかもしれない。いくつかの実施例では、リスニングデバイスは、パッシブデバイスであり得るので、高ステルス対応機能を有し得る。パッシブデバイスは、いくつかの実施形態では、信号を能動的に送信しないので、タスクは内密に実行され得る。たとえば、リスニングデバイスは、いかなるタイプの信号も能動的に送信することなく、移動しているオブジェクトを追跡することができる。その結果として、他のデバイスは、リスニングデバイスが追跡を実行しようとしていることを検出するのが難しいかもしれない。
【0026】
既存のモバイルフォンは、既存のハードウェアに対する修正なしに、リスニングデバイスとして使用され得る。異種のセンサを追加することは、較正およびデータ融合から生じる複雑性を追加する可能性がある。オブジェクトはモバイルフォンによって照射され得るので、本開示によって構成されるシステムは、容易に編成され得る。モバイルフォンは、さまざまな物理的位置を有する傾向があるので、いくつかの記載されたシステムにおけるモバイルフォンは、オブジェクトが散在する空間的多様性を含む可能性がある。これは、より広いエリアのカバレッジを可能にし、長い距離において弱い散在するオブジェクトでも追跡することを可能にし得る。本開示によるシステムは、モバイルフォンを使用して、追跡されるオブジェクトを、そのモバイルフォン上のカメラからキャプチャされた情報と統合することができる。
【0027】
図3は、本開示の少なくともいくつかの実施形態による拡張現実におけるオブジェクトの追跡のための例示的プロセスの流れ図を示す。図3におけるプロセスは、たとえば、上記で論じられたシステム100を使用して実行され得る。例示的プロセスは、ブロックS2、S4、S6、S8、S10、S12、S14、S16、S18、S20、S22、S24および/またはS26のうちの1つまたは複数によって例示されているような1つまたは複数の動作、行為、または機能を含んでよい。さまざまなブロックは、個別のブロックとして例示されているが、所望の実施形態に応じて、追加のブロックに分割されても、より少ないブロックに結合されても、または削除されてもよい。処理はブロックS2において開始してよい。
【0028】
ブロックS2において、モバイルフォンなどの照射デバイスは、送信された電磁波を使用してオブジェクトを照射するように構成され得る。照射は、たとえば、基地局と通信することにより実行され得る。ブロックS2の後にブロックS4が続いてよい。
【0029】
ブロックS4において、モバイルフォンなどのリスニングデバイスは、送信された電磁波を検出するように構成され得る。処理は、ブロックS4からブロックS6に継続してよい。
【0030】
ブロックS6において、リスニングデバイスはオブジェクトから反射された波を検出するように構成され得る。処理は、ブロックS6からブロックS8に継続してよい。
【0031】
ブロックS8において、リスニングデバイスは差異を判定するために送信波を反射波と比較するように構成され得る。処理は、ブロックS8からブロックS10に継続してよい。
【0032】
ブロックS10において、リスニングデバイスによって、差異が閾値より大きいかどうかの問合せが行われ得る。差異が閾値より小さい(「いいえ」)と判定された場合は、処理は、ブロックS10からブロックS4に継続してよい。そうではなく、差異が閾値より大きい(「はい」)と判定された場合は、処理は、ブロックS10からS12に継続してよい。
【0033】
ブロックS12において、リスニングデバイスは追跡データを判定するように構成され得る。追跡データは、追跡データ140において上記で言及された情報を含んでよい。処理は、ブロックS12からブロックS14およびS22に継続してよい。
【0034】
ブロックS22において、リスニングデバイスがディスプレイを含む場合は、リスニングデバイスは、追跡データに基づいてオブジェクトに関する情報を表示するように構成され得る。
【0035】
ブロックS14において、リスニングデバイスは、追跡データを拡張現実デバイスに送信するように構成され得る。処理は、ブロックS14からブロックS16に継続してよい。
【0036】
ブロックS16において、拡張現実デバイスは、複数のリスニングデバイスから受信される追跡データを受信するように構成され得る。処理は、ブロックS16からブロックS18に継続してよい。
【0037】
ブロックS18において、デバイスは、オブジェクトの位置に関する拡張追跡データを判定するように構成され得る。処理は、ブロックS18からブロックS20に継続してよい。
【0038】
ブロックS20において、拡張現実デバイスは、拡張追跡データをディスプレイに送信するように構成され得る。処理は、ブロックS20からブロックS24に進んでよい。
【0039】
ブロックS24において、リスニングデバイスがディスプレイを含む場合は、リスニングデバイスは、拡張追跡データを受信するように構成され得る。処理は、ブロックS24からブロックS26に継続してよい。
【0040】
ブロックS26において、リスニングデバイスは、拡張追跡データに基づいてディスプレイを更新するように構成され得る。
【0041】
図4は、本開示の少なくともいくつかの実施例による拡張現実におけるオブジェクトの追跡のためのコンピュータプログラム製品300を例示する。プログラム製品300は、信号担持媒体302を含んでよい。信号担持媒体302は、たとえば、プロセッサによって実行される場合、図1〜3に関して上記で説明された機能を提供することができる1つまたは複数の命令304を含んでよい。したがって、たとえば、システム100を参照すると、照射デバイス102、リスニングデバイス104および/またはデバイス108内のプロセッサのうちの1つまたは複数は、媒体302によってシステム100に運ばれた命令304に応答して、図4に示されているブロックのうちの1つまたは複数を始めてよい。
【0042】
いくつかの実施形態では、信号担持媒体302は、ハードディスクドライブ、コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスク(DVD)、デジタルテープ、メモリなどの、しかしそれらに限定されない、コンピュータ可読媒体306を包含してよい。いくつかの実施形態では、信号担持媒体302は、メモリ、読出し/書込み(R/W)CD、R/W DVDなどの、しかしそれらに限定されない、記録可能媒体308を包含してよい。いくつかの実施形態では、信号担持媒体302は、デジタルおよび/またはアナログ通信媒体(たとえば、光ファイバケーブル、導波路、有線通信リンク、無線通信リンクなど)などの、しかしそれらに限定されない、通信媒体310を包含してよい。したがって、たとえば、プログラム製品300は、RF信号担持媒体302によってシステム100の1つまたは複数のモジュールに運ばれることが可能であり、信号担持媒体302は、無線通信媒体310(たとえば、IEEE802.11規格に準拠した無線通信媒体)によって運ばれる。
【0043】
図5は、本開示の少なくともいくつかの実施形態による拡張現実におけるオブジェクトの追跡を実行するように構成された例示的コンピューティングデバイス400を例示するブロック図である。非常に基本的な構成402では、コンピューティングデバイス400は、通常、1つまたは複数のプロセッサ404およびシステムメモリ406を含む。メモリバス408は、プロセッサ404とシステムメモリ406との間で通信するために使用され得る。
【0044】
所望の構成によれば、プロセッサ404は、マイクロプロセッサ(μP)、マイクロコントローラ(μC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、またはそれらの任意の組合せを含むがそれらに限定されない任意のタイプのものでよい。プロセッサ404は、レベル1キャッシュ410およびレベル2キャッシュ412などの1つまたは複数のレベルのキャッシング、プロセッサコア414、ならびにレジスタ416を含んでよい。例示的プロセッサコア414は、算術論理ユニット(ALU)、浮動小数点ユニット(FPU)、デジタル信号処理コア(DSPコア)、またはそれらの任意の組合せを含んでよい。例示的メモリコントローラ418はまた、プロセッサ404と共に使用されてもよく、いくつかの実施形態では、メモリコントローラ418は、プロセッサ404の内部部分でよい。
【0045】
所望の構成によれば、システムメモリ406は、揮発性メモリ(RAMなど)、不揮発性メモリ(ROM、フラッシュメモリなど)またはそれらの任意の組合せを含むがそれらに限定されない任意のものでよい。システムメモリ406は、オペレーティングシステム420、1つまたは複数のアプリケーション422、およびプログラムデータ424を含んでよい。
【0046】
アプリケーション422は、図1〜4に関して前に説明されたものを含めて本明細書に記載の機能を実行するように構成された拡張現実アルゴリズム426におけるオブジェクトの追跡を含んでよい。プログラムデータ424は、本明細書に記載されているような拡張現実アルゴリズムにおけるオブジェクトの追跡のために有用であり得るオブジェクト追跡データ428を含んでよい。いくつかの実施形態では、アプリケーション422は、拡張現実システムにおけるオブジェクトの追跡が提供され得るようにオペレーティングシステム420上でプログラムデータ424を用いて実行するように構成され得る。上記の基本構成402は、図5において内部の破線の中の構成要素によって例示されている。
【0047】
コンピューティングデバイス400は、追加の特徴または機能、および基本構成402と任意の必要とされるデバイスおよびインタフェースとの間の通信を容易にするための追加のインタフェースを有してよい。たとえば、バス/インタフェースコントローラ430は、ストレージインタフェースバス434を介しての基本構成402と1つまたは複数のデータストレージデバイス432との間の通信を容易にするために使用され得る。データストレージデバイス432は、取外し可能なストレージデバイス436、取外し不可能なストレージデバイス438、またはそれらの組合せでよい。取外し可能なストレージデバイスおよび取外し不可能なストレージデバイスとしては、少数の例を挙げれば、フレキシブルディスクドライブおよびハードディスクドライブ(HDD)などの磁気ディスクデバイス、コンパクトディスク(CD)ドライブまたはデジタル多用途ディスク(DVD)ドライブなどの光ディスクドライブ、ソリッドステートドライブ(SSD)、ならびにテープドライブなどがある。例示的コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータなどの情報の記憶のために任意の方法または技術で実装される揮発性および不揮発性、取外し可能なおよび取外し不可能な媒体を含んでよい。
【0048】
システムメモリ406、取外し可能なストレージデバイス436、および取外し不可能なストレージデバイス438は、コンピュータ記憶媒体の例である。コンピュータ記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリもしくは他のメモリ技術、CD−ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)もしくは他の光ストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージもしくは他の磁気ストレージデバイス、または、所望の情報を格納するために使用されることが可能であり、コンピューティングデバイス400によってアクセスされることが可能である任意の他の媒体を含むがそれらに限定されない。任意のそのようなコンピュータ記憶媒体は、コンピューティングデバイス400の一部でよい。
【0049】
コンピューティングデバイス400はまた、さまざまなインタフェースデバイス(たとえば、出力デバイス442、周辺インタフェース444、および通信デバイス446)から基本構成402への通信を容易にするためのインタフェースバス440を含んでよい。例示的出力デバイス442は、1つまたは複数のA/Vポート452を介してディスプレイまたはスピーカなどのさまざまな外部デバイスと通信するように構成され得るグラフィックス処理ユニット448およびオーディオ処理ユニット450を含む。例示的周辺インタフェース444は、1つまたは複数のI/Oポート458を介して、入力デバイス(たとえば、キーボード、マウス、ペン、音声入力デバイス、タッチ入力デバイスなど)または他の周辺デバイス(たとえば、プリンタ、スキャナなど)などの外部デバイスと通信するように構成され得るシリアルインタフェースコントローラ454またはパラレルインタフェースコントローラ456を含む。例示的通信デバイス446は、1つまたは複数の通信ポート464を介してネットワーク通信リンクを通して1つまたは複数の他のコンピューティングデバイス462と通信するのを容易にするように構成され得るネットワークコントローラ460を含む。
【0050】
ネットワーク通信リンクは、通信媒体の一例であり得る。通信媒体は通常、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または、搬送波もしくは他のトランスポート機構などの変調データ信号内の他のデータによって実施されてよく、任意の情報配信媒体を含んでよい。「変調データ信号」は、その信号の特徴のうちの1つまたは複数が、その信号内の情報をエンコードするようなやり方で設定または変更される信号でよい。例として、限定としてではなく、通信媒体は、有線ネットワークまたは直接有線接続などの有線媒体、ならびに音響、無線周波数(RF)、マイクロ波、赤外線(IR)および他の無線媒体などの無線媒体を含んでよい。本明細書で使用される用語、コンピュータ可読媒体は、記憶媒体および通信媒体の両方を含んでよい。
【0051】
コンピューティングデバイス400は、セルフォン、携帯情報端末(PDA)、パーソナルメディアプレーヤデバイス、無線ウェブウォッチデバイス、パーソナルヘッドセットデバイス、特定用途向デバイス、または上記機能のいずれかを含むハイブリッドデバイスなどのスモールフォームファクタポータブル(またはモバイル)電子デバイスの一部として実装されてよい。コンピューティングデバイス400はまた、ラップトップコンピュータ構成および非ラップトップコンピュータ構成の両方を含むパーソナルコンピュータとして実装されてよい。
【0052】
本開示は、さまざまな態様の例示を意図するものである本出願に記載された特定の実施形態よって限定されるべきではない。当業者には明らかであろうように、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、多くの修正および変形が行われてよい。本明細書に列挙されたものに加えて、本開示の範囲内の機能的に同等の方法および装置は、前述の説明から当業者には明らかであろう。そのような修正および変形は、添付の特許請求の範囲の範囲内に入るものとする。本開示は、添付の特許請求の範囲が権利を有する全範囲の同等物と共に、そのような特許請求の範囲によってのみ限定されるべきである。本開示は、もちろんさまざまであり得る特定の方法、反応物、複合混合物、または生物システムに限定されないことが理解されるべきである。また、本明細書で使用される専門用語は、特定の実施形態を記述するためであって、限定的であることを意図するものではないことも理解されるべきである。
【0053】
本明細書における実質的にすべての複数形および/または単数形の用語の使用に対して、当業者は、状況および/または用途に適切なように、複数形から単数形に、および/または単数形から複数形に変換することができる。さまざまな単数形/複数形の置き換えは、理解しやすいように、本明細書で明確に説明することができる。
【0054】
通常、本明細書において、特に添付の特許請求の範囲(たとえば、添付の特許請求の範囲の本体部)において使用される用語は、全体を通じて「オープンな(open)」用語として意図されていることが、当業者には理解されよう(たとえば、用語「含む(including)」は、「含むがそれに限定されない(including but not limited to)」と解釈されるべきであり、用語「有する(having)」は、「少なくとも有する(having at least)」と解釈されるべきであり、用語「含む(includes)」は、「含むがそれに限定されない(includes but is not limited to)」と解釈されるべきである、など)。導入される請求項で具体的な数の記載が意図される場合、そのような意図は、当該請求項において明示的に記載されることになり、そのような記載がない場合、そのような意図は存在しないことが、当業者にはさらに理解されよう。たとえば、理解の一助として、添付の特許請求の範囲は、導入句「少なくとも1つの(at least one)」および「1つまたは複数の(one or more)」を使用して請求項の記載を導くことを含む場合がある。しかし、そのような句の使用は、同一の請求項が、導入句「1つまたは複数の」または「少なくとも1つの」および「a」または「an」などの不定冠詞を含む場合であっても、不定冠詞「a」または「an」による請求項の記載の導入が、そのように導入される請求項の記載を含む任意の特定の請求項を、単に1つのそのような記載を含む実施形態に限定する、ということを示唆していると解釈されるべきではない(たとえば、「a」および/または「an」は、「少なくとも1つの」または「1つまたは複数の」を意味すると解釈されるべきである)。同じことが、請求項の記載を導入するのに使用される定冠詞の使用にも当てはまる。また、導入される請求項の記載で具体的な数が明示的に記載されている場合でも、そのような記載は、少なくとも記載された数を意味すると解釈されるべきであることが、当業者には理解されよう(たとえば、他の修飾語なしでの「2つの記載(two recitations)」の単なる記載は、少なくとも2つの記載、または2つ以上の記載を意味する)。さらに、「A、BおよびC、などの少なくとも1つ」に類似の慣例表現が使用されている事例では、通常、そのような構文は、当業者がその慣例表現を理解するであろう意味で意図されている(たとえば、「A、B、およびCの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AおよびBを共に、AおよびCを共に、BおよびCを共に、ならびに/またはA、B、およびCを共に、などを有するシステムを含むが、それに限定されない)。「A、B、またはC、などの少なくとも1つ」に類似の慣例表現が使用されている事例では、通常、そのような構文は、当業者がその慣例表現を理解するであろう意味で意図されている(たとえば、「A、B、またはCの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AおよびBを共に、AおよびCを共に、BおよびCを共に、ならびに/またはA、B、およびCを共に、などを有するシステムを含むが、それに限定されない)。2つ以上の代替用語を提示する事実上いかなる離接する語および/または句も、明細書、特許請求の範囲、または図面のどこにあっても、当該用語の一方(one of the terms)、当該用語のいずれか(either of the terms)、または両方の用語(both terms)を含む可能性を企図すると理解されるべきであることが、当業者にはさらに理解されよう。たとえば、句「AまたはB」は、「A」または「B」あるいは「AおよびB」の可能性を含むことが理解されよう。
【0055】
さらに、本開示の特徴または態様がマーカッシュグループによって記述される場合は、本開示はまた、それによって、マーカッシュグループの任意の個々のメンバまたはメンバのサブグループによって記述されることを当業者は理解するであろう。
【0056】
当業者には理解されるであろうように、文書による説明を提供することによってなど、すべての目的のために、本明細書で開示されるすべての範囲はまた、すべての可能なサブ範囲およびそれらのサブ範囲の組合せを包含する。列挙されているいかなる範囲も十分に説明し、同じ範囲が少なくとも等しい半分、3分の1、4分の1、5分の1、10分の1などに分類され得るようにしているので、容易に認識され得る。非限定的な例として、本明細書で論じられる各範囲は、下の3分の1、中央の3分の1、および上の3分の1に容易に分類され得る。当業者にはまた理解されるであろうように、「まで(up to)」、「少なくとも(at least)」、「より大きい(greater than)」、「より小さい(less than)」、および同種のものなどの言葉は、記載された数を含み、上記で論じられたように、それに続いてサブ範囲に分類され得る範囲を指す。最後に、当業者には理解されるであろうように、範囲は各個々のメンバを含む。したがって、たとえば、1〜3個のセルを有するグループは、1個、2個、または3個のセルを有するグループを指す。同様に、1〜5個のセルを有するグループは、1個、2個、3個、4個、または5個のセルを有するグループを指し、以下同様である。
【0057】
本明細書ではさまざまな態様および実施形態が開示されてきたが、他の態様および実施形態は当業者には明らかであろう。本明細書で開示されたさまざまな態様および実施形態は、例示のためであって、限定的であることを意図するものではなく、真の範囲および趣旨は、添付の特許請求の範囲によって示される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
拡張現実システムにおいて使用するために、関心のあるシーン内の現実のオブジェクトの位置を、モバイルフォンを用いて追跡するための方法であって、
前記モバイルフォン内のアンテナで送信波を受信することと、
前記送信波で照射されたときに前記オブジェクトから反射されるエネルギーに関連付けられる反射波を前記アンテナで受信することと、
前記アンテナと通信するプロセッサにより、前記送信波と前記反射波との間の差異を判定することと、
前記関心のあるシーン内の前記現実のオブジェクトの前記位置に関連付けられる追跡データを、前記差異に基づいて前記プロセッサにより生成することと、
前記追跡データを前記関心のあるシーンに関する追加のデータと結合して、前記拡張現実システムの中の前記現実のオブジェクトの前記位置を表す結合データを生成することと
を備える方法。
【請求項2】
前記プロセッサは第1のプロセッサであり、前記方法は、前記追跡データを、ネットワークを介して前記第1のプロセッサから第2のプロセッサに送信することをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記モバイルフォンは、第1のモバイルフォンであり、前記方法は、第2のモバイルフォンによって前記送信波を生成することをさらに備える、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第2のモバイルフォンから前記第1のモバイルフォンに制御信号を送信することをさらに備え、前記制御信号は、前記第1のモバイルフォンに前記送信波を聞くように要求するのに有効である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第2のモバイルフォンによって基地局と通信することをさらに備え、前記第2のモバイルフォンは、前記基地局と通信するときに前記送信波を生成するのに有効である、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
まず、前記送信波が前記モバイルフォンによって生成され、次に前記反射波が前記モバイルフォンによって受信され、前記送信波は周波数の第1のセットを含む第1のスペクトルを有し、前記反射波は周波数の第2のセットを含む第2のスペクトルを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記追跡データは、前記プロセッサの位置を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記追跡データは、前記プロセッサと前記現実のオブジェクトとの間の距離を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第2のモバイルフォンが前記現実のオブジェクトを照射するように要求するのに有効な制御信号を前記第2のプロセッサから前記第2のモバイルフォンに送信することをさらに備える、請求項3に記載の方法。
【請求項10】
前記追跡データは、前記送信波に関する前記反射波のドップラースペクトルの変化、前記現実のオブジェクトと前記モバイルフォンとの間の角度、前記現実のオブジェクトと前記モバイルフォンとの間の角度の変化、または前記現実のオブジェクトの速度のうちの少なくとも1つを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記差異は、前記モバイルフォンに関する前記現実のオブジェクトの移動によって引き起こされるドップラースペクトルの変化に関する、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記追跡データは、第1の追跡データであり、前記方法は、前記現実のオブジェクトの前記位置に関する第2の追跡データを前記第2のプロセッサによって判定することをさらに備え、前記第2の追跡データは、前記モバイルフォンおよび別のモバイルフォンによって生成された第1の追跡データの少なくとも2つのセットに基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記モバイルフォン内のカメラによって関心のあるシーンに関するデータをキャプチャすることと、
前記モバイルフォンによって、前記追跡データおよび前記関心のあるシーンに関する前記データに基づいて画像を表示することと
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記モバイルフォン内のカメラによって関心のあるシーンに関するデータをキャプチャすることと、
前記モバイルフォンによって前記第2の追跡データを受信することと、
前記モバイルフォンによって、前記第2の追跡データおよび前記関心のあるシーンに関する前記データに基づいて画像を表示することと
をさらに備える、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記第2のプロセッサと通信するカメラによって関心のあるシーンに関するデータをキャプチャすることと、
前記第2の追跡データおよび前記関心のあるシーンに関する前記データに基づいて画像を生成することと、
前記画像をディスプレイに送信することと
をさらに備える、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
請求項1に記載の方法を実施するように構成されたモバイルフォンであって、
プロセッサと、
前記プロセッサと通信しているように構成されたメモリと、
前記プロセッサと通信しているように構成されたアンテナとを備え、前記アンテナは、基地局と通信するのに有効であり、送信波を受信するのに有効であり、反射波を受信するのに有効であり、前記反射波は、前記送信波で照射されたときに前記オブジェクトから反射されるエネルギーと関連付けられ、
前記プロセッサは、
前記送信波と前記反射波との間の差異を判定し、
前記差異に基づいて、前記関心のあるシーン内の前記現実のオブジェクトの前記位置に関連付けられる追跡データを生成し、
前記追跡データを前記関心のあるシーンに関する追加のデータと結合して結合データを生成し、前記結合データは前記拡張現実システムの中の前記現実のオブジェクトの前記位置を表し、
前記追跡データを前記メモリに格納する、
モバイルフォン。
【請求項17】
前記プロセッサと通信するように構成されたディスプレイをさらに備え、前記プロセッサは、前記追跡データに基づいて画像を生成するのに有効であり、前記ディスプレイは、前記画像を表示するのに有効である、請求項16に記載のモバイルフォン。
【請求項18】
前記プロセッサと通信するように構成されたカメラをさらに備え、前記カメラは、関心のあるシーンに関するデータをキャプチャするのに有効であり、前記プロセッサは、前記追跡データおよび前記関心のあるシーンに関する前記データに基づいて前記画像を生成するように構成される、請求項17に記載のモバイルフォン。
【請求項19】
モバイルフォンから受信された第1の追跡データを使用して関心のあるシーン内の現実のオブジェクトの位置を追跡するのに有効な拡張現実デバイスであって、前記第1の追跡データは、送信波と反射波との間の差異に関し、前記反射波は、前記送信波で照射されたときに前記現実のオブジェクトから反射されるエネルギーに関連付けられ、前記拡張現実デバイスは、
プロセッサと、
前記プロセッサと通信するように構成されたメモリと、
前記プロセッサと通信するように構成されたアンテナとを備え、前記アンテナは、前記第1の追跡データを受信するのに有効であり、前記第1の追跡データは、前記関心のあるシーン内の前記現実のオブジェクトの位置に関し、前記プロセッサは、前記第1の追跡データに基づいて前記関心のあるシーン内の前記現実のオブジェクトの前記位置に関する第2の追跡データを判定するように構成され、前記プロセッサは、前記第1の追跡データおよび前記第2の追跡データを、前記関心のあるシーンに関する追加のデータと結合して結合データを生成し、前記結合データは、前記拡張現実システムの中の前記現実のオブジェクトの前記位置を表す、拡張現実デバイス。
【請求項20】
前記プロセッサは、複数のモバイルフォンから前記第1の追跡データを受信するのに有効である、請求項19に記載のデバイス。
【請求項21】
前記プロセッサと通信するように構成されたディスプレイをさらに備え、前記プロセッサは、前記第2の追跡データに基づいて画像を生成し、前記ディスプレイは、前記画像を表示するのに有効である、請求項19に記載のデバイス。
【請求項22】
関心のあるシーン内の現実のオブジェクトの位置を追跡するための方法において、請求項19に記載の拡張現実デバイスにおける使用のための方法であって、
第1の追跡データを1つまたは複数のモバイルフォンからプロセッサにおいて受信することであって、前記第1の追跡データは、送信波と反射波との間の差異に関し、前記反射波は、前記送信波で照射されたときに前記オブジェクトから反射されるエネルギーに関連付けられ、前記第1の追跡データは、前記関心のあるシーン内の前記現実のオブジェクトの前記位置に関する、受信することと、
前記プロセッサによって、前記第1の追跡データに基づいて前記オブジェクトの前記位置に関する第2の追跡デバイスを判定することと、
前記プロセッサによって、前記第1の追跡データおよび前記第2の追跡データを、前記関心のあるシーンに関する追加のデータと結合して結合追跡データを生成することであって、前記結合追跡データは、前記拡張現実システムの中の前記現実のオブジェクトの前記位置を表す、生成することと
を備える方法。
【請求項23】
前記プロセッサによって前記第2の追跡データに基づいて画像を生成することと、
前記画像をディスプレイ上で表示することと
をさらに備える、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
拡張現実における使用のために、関心のあるシーン内の現実のオブジェクトの位置を追跡するためのシステムにおいて、
モバイルフォンであって、
第1のプロセッサと、
前記第1のプロセッサと通信するように構成された第1のアンテナとを備え、
前記第1のアンテナは基地局と通信するのに有効であり、前記第1のアンテナは送信波を受信するのに有効であると共に前記現実のオブジェクトから反射された反射波を受信するのに有効であり、前記反射波は、前記送信波で照射されたときに前記現実のオブジェクトから反射されるエネルギーに関連付けられ、
前記第1のプロセッサは、前記送信波と前記反射波との間の差異を判定するのに有効であり、前記差異に基づいて第1の追跡データを生成するのに有効であり、前記第1の追跡データは、前記関心のあるシーン内の前記現実のオブジェクトの前記位置に関連付けられる、モバイルフォンと、
請求項19に記載の拡張現実デバイスであって、
第2のプロセッサと、
前記第2のプロセッサと通信するように構成された第2のアンテナとを備え、
前記第2のアンテナは、前記第1の追跡データを受信するのに有効であり、前記第2のプロセッサは、前記第1の追跡データに基づいて前記現実のオブジェクトの前記位置に関する第2の追跡データを判定するように構成され、前記第2のプロセッサは、前記第1の追跡データおよび前記第2の追跡データを、前記関心のあるシーンに関する追加のデータと結合して結合追跡データを生成するように構成され、前記結合追跡データは、前記拡張現実の中の前記現実のオブジェクトの前記位置を表す、拡張現実デバイスと
を備えるシステム。
【請求項25】
前記モバイルフォンは第1のモバイルフォンであり、前記システムは第2のモバイルフォンをさらに備え、前記第2のモバイルフォンは前記送信波を生成するのに有効である、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記第2のプロセッサは、前記第2のモバイルフォンに制御信号を送信するのに有効であり、前記制御信号は、前記第2のモバイルフォンが前記オブジェクトを照射するように要求するのに有効である、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
前記基地局は第1の基地局であり、
前記第2のモバイルフォンは第2の基地局と通信するのにさらに有効であり、
前記第2のモバイルフォンは、前記第2の基地局と通信しているときに前記送信波を生成するのに有効である、
請求項25に記載のシステム。
【請求項28】
前記送信波は、周波数の第1のセットを含む第1のスペクトルで前記モバイルフォンによってまず生成され、
前記モバイルフォンは、次に周波数の第2のセットを含む第2のスペクトルで前記反射波を受信するように動作するのに有効である、
請求項24に記載のシステム。
【請求項29】
前記第1の追跡データは前記第1のプロセッサの位置を含む、請求項24に記載のシステム。
【請求項30】
前記第1の追跡データは、前記第1のプロセッサと前記現実のオブジェクトとの間の距離、前記反射波に関するドップラースペクトルの変化、前記現実のオブジェクトと前記モバイルフォンとの間の角度、前記オブジェクトと前記モバイルフォンとの間の角度の変化、または前記現実のオブジェクトの速度のうちの少なくとも1つを含む、請求項24に記載のシステム。
【請求項31】
前記差異は、前記モバイルフォンに関する前記現実のオブジェクトの移動によって引き起こされるドップラースペクトルの変化に関する、請求項24に記載のシステム。
【請求項32】
前記第1のプロセッサと通信するように構成されたディスプレイをさらに備え、前記第1のプロセッサは前記第2の追跡データに基づいて画像を生成するのに有効であり、前記ディスプレイは前記画像を表示するのに有効である、請求項24に記載のシステム。
【請求項33】
前記第1のプロセッサと通信するように構成されたカメラをさらに備え、前記カメラは関心のあるシーンに関するデータをキャプチャするのに有効であり、前記第1のプロセッサは、前記第2の追跡データおよび前記関心のあるシーンに関する前記データに基づいて前記画像を生成するのに有効である、請求項32に記載のシステム。
【請求項34】
コンピューティングデバイスによって実行されたときに、請求項1に記載の拡張現実システムにおける使用のために、モバイルフォンを使用して関心のあるシーン内の現実のオブジェクトの位置を追跡するための方法を実行するように前記コンピューティングデバイスを適応させる、コンピュータ実行可能命令が格納されているコンピュータ記憶媒体であって、前記方法は、
前記モバイルフォン内のアンテナで送信波を受信することと、
前記送信波で照射されたときに前記オブジェクトから反射されるエネルギーに関連付けられる反射波を前記アンテナで受信することと、
前記アンテナと通信しているプロセッサによって前記送信波と前記反射波との間の差異を判定することと、
前記関心のあるシーン内の前記現実のオブジェクトの前記位置に関連付けられる追跡データを、前記差異に基づいて前記プロセッサによって生成することと、
前記追跡データを前記関心のあるシーンに関する追加のデータと結合して、前記拡張現実システムの中の前記現実のオブジェクトの前記位置を表す結合データを生成することとを備える、コンピュータ記憶媒体。
【請求項35】
前記差異は、前記モバイルフォンに関する前記オブジェクトの移動によって引き起こされる前記ドップラースペクトルの変化に関する、請求項34に記載のコンピュータ読取り可能記憶媒体。
【請求項36】
拡張現実における使用のために、関心のあるシーン内の現実のオブジェクトの位置を追跡するためのシステムにおいて、
第1のモバイルフォンであって、
第1のプロセッサと
前記第1のプロセッサと通信するように構成された第1のアンテナとを備え、前記第1のアンテナは第1の基地局と通信するのに有効であり、前記第1のアンテナは第1の送信波を受信すると共に前記オブジェクトから反射された第1の反射波を受信するのに有効であり、前記第1の反射波は、前記第1の送信波で照射されたときに前記現実のオブジェクトから反射される第1のエネルギーに関連付けられ、
前記第1のプロセッサは、前記第1の送信波と前記第1の反射波との間の第1の差異を判定するのに有効であり、前記差異に基づいて第1の追跡データを生成するのに有効であり、前記第1の追跡データは、前記関心のあるシーン内の前記現実のオブジェクトの前記位置に関連付けられる、第1のモバイルフォンと、
第2のモバイルフォンであって、
第2のプロセッサと、
前記第2のプロセッサと通信するように構成された第2のアンテナとを備え、前記第2のアンテナは第2の基地局と通信するのに有効であり、前記第2のアンテナは第2の送信波を受信すると共に前記オブジェクトから反射された第2の反射波を受信するのに有効であり、前記第2の反射波は、前記第2の送信波で照射されたときに前記オブジェクトから反射される第2のエネルギーに関連付けられ、
前記第2のプロセッサは、前記第2の送信波と前記第2の反射波との間の第2の差異を判定するのに有効であると共に前記第2の差異に基づいて第2の追跡データを生成するのに有効であり、前記第2の追跡データは、前記関心のあるシーン内の前記現実のオブジェクトの前記位置に関連付けられる、第2のモバイルフォンと、
請求項19に記載の拡張現実デバイスであって、
第3のプロセッサと、
前記第3のプロセッサと通信するように構成された第3のアンテナとを備え、
前記第3のアンテナは、前記第1の追跡データおよび前記第2の追跡データを受信するのに有効であり、前記第3のプロセッサは、前記第1の追跡データおよび前記第2の追跡データに基づいて前記現実のオブジェクトの前記位置に関する第3の追跡データを判定するように構成され、前記第2のプロセッサは、前記第1の追跡データ、前記第2の追跡データおよび前記第3の追跡データを、前記関心のあるシーンに関する前記追加のデータと結合して結合追跡データを生成するように構成され、前記結合追跡データは、前記拡張現実システムの中の前記現実のオブジェクトの前記位置を表す、前記拡張現実デバイスと
を備えるシステム。
【請求項37】
第3のモバイルフォンをさらに備え、前記第3のモバイルフォンは前記第1の送信波を生成するのに有効である、請求項36に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−515244(P2013−515244A)
【公表日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−544965(P2012−544965)
【出願日】平成23年2月16日(2011.2.16)
【国際出願番号】PCT/US2011/024988
【国際公開番号】WO2011/109167
【国際公開日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WCDMA
【出願人】(509348786)エンパイア テクノロジー ディベロップメント エルエルシー (117)
【Fターム(参考)】