説明

拭き取り検査キット

【課題】通常の検体面に対する拭き取り検査の効率性を維持しながらも、狭く奥深い部位の検体面も容易に拭き取り検査可能にする。
【解決手段】拭き取り検査キット10のキャップ30が第一のネジ螺合構造(23,32)を介して容器本体20に着脱可能であり、このキャップに対して延長棒40が第二のネジ螺合構造(37,43)を介して着脱可能である。第一のネジ螺合構造と第二のネジ螺合構造はネジ方向が反対であるので、延長棒の第一の方向への回し操作により延長棒をキャップに取り付けた後にキャップを容器本体から外し、第一の方向とは反対方向への回し操作によりキャップで容器本体を密栓した後に延長棒を外すことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品の製造加工に使用する器具や器材等が清潔且つ衛生的であることを検査する拭き取り検査に使用される容器ないしキットに関する。
【背景技術】
【0002】
食品原料検査や工程検査あるいはレストラン・厨房施設等において使用される器具や器材等が清潔且つ衛生的であるか否かは、一般に、生菌数と大腸菌群を検査することによって評価され、場合によってはさらにカビや酵母の検査も行われる。
【0003】
検査対象とされる器具や器材または容器包装等は種々に異なる形状を有しており、瓶や缶等の有栓容器の内部の汚染状態を検査するには通常は洗い落とし法が採用されるが、まな板や皿等の表面が扁平な器具や包丁等の不規則形状を有する器具を対象とする場合は、拭き取り検査法に準拠して試料検液を調製している。
【0004】
拭き取り検査法は、滅菌済みのりん酸緩衝生理食塩水や0.1%ペプトン加生理食塩水1mlを湿らせて滅菌したガーゼタンポンまたは綿棒・綿球等を用いて検査対象の器具や器材等の表面を拭いた後、これを収納瓶に入れ、滅菌りん酸緩衝生理食塩水あるいは滅菌0.1%ペプトン加生理食塩水9mlを加えて希釈し、撹拌均一化して試料検液とするのが従来の一般的手法であったが、この方法による拭き取り検査は面倒であり、ラボを持たない一般の厨房施設等では的確な検査を行うことが困難であった。
【0005】
また、上述のような拭き取り検査は、臨床においても、たとえば喉や鼻、耳等の患部を綿棒や綿球で拭き取って検体を回収するためにも行われている。従来は、綿棒等で拭き取り収集した検体を試験管に分注されたリン酸緩衝液等に浸漬させた後に引き上げ、試験管の側壁に押圧して回転させることによって検体を回収していたが、きわめて面倒で熟練を要する作業となっていた。
【0006】
このような事情に鑑みて、キット化された拭き取り検査キットの容器が下記特許文献1、2に提案されている。
【特許文献1】実用新案登録第3000661号公報
【特許文献2】特開2003−344232号公報
【0007】
この拭き取り検査キットは、希釈液を収容する容器本体と、この容器本体の開口部に着脱可能に装着されるキャップと、このキャップに固定または一体化されて垂下する綿棒と、この綿棒の先端に取り付けられて密栓状態において希釈液中に浸漬される綿球とを有している。キャップを上向きにした状態で開栓してキャップと共に綿棒を引き抜き、適量の希釈液が付着されている綿球で検体面を拭いた後に、再度これを容器に収容してキャップで密栓する。綿球には検体面の菌が付着しているので、これが容器内の希釈液に再び浸漬されることとなり、所定の希釈度に希釈された検液が調製される。容器本体に綿球の径より若干小さい内寸を有する縮径部を設けておくことにより、綿棒を引き上げる途中で綿球がこの縮径部を通過するときに余剰の希釈液を除去して所定量の希釈液が付着するようにし、また拭き取り検査後の綿球が縮径部を通過するときには綿球に付着した希釈液または検液を搾り取り作用によって除去回収することができる。
【0008】
特許文献1,2に記載されるような拭き取り検査キットを用いることにより、 ラボを持たない施設においても簡易で且つ確実に拭き取り検査を行うことができ、市場においてもその有用性が高く評価された。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
この拭き取り検査キットの綿棒の長さは容器全体の長さに依存して定められ、一般に10cm程度の長さを有するが、場合によっては厨房施設や生産ライン等における幅の狭い奥まった部位について拭き取り検査を行う必要があり、このような場合には従来技術による拭き取り検査用容器では綿棒先端の綿球が該部位に届くことができない。綿棒をテレスコープ式に伸張可能な構造(特許文献2、段落0048〜0049、図9)とすれば多少の奥まった部位は拭き取り検査可能となるが、たとえば30cmもの奥まった部位を拭き取ることはできない。
【0010】
そこで、従来では、たとえば、10ml入りリン酸生理食塩水を収容した試験管に綿球を入れて高圧蒸気滅菌を施し、この綿球を該部位まで届く長さを有するピンセットで摘んで試験管の器壁で搾りながら取り出して、該部位を拭き取った後、再度試験管に戻して検査を実施するという面倒な作業が行われていた。
【0011】
拭き取り検査キットの容器自体を大型化して、たとえば長さ30cmの綿棒を持つように構成することは可能であり、一部では市販もされているが、容器製造コストが増大するだけでなく、このような長い綿棒は通常の部位を拭き取る場合にはかえって作業効率を阻害するものとなってしまう。また、いずれにしても綿棒は特定の長さを有することになるので、異なる深さ位置の検体面に対して汎用性を持たせることは不可能である。
【0012】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、通常の検体面に対する拭き取り検査の効率性を維持しながらも、狭く奥深い部位の検体面も容易に拭き取り検査可能にするためのアタッチメントを取付可能にした拭き取り検査キットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するため、請求項1に係る本発明は、希釈液を収容する容器本体と、この容器本体の開口部を密栓するために着脱可能に装着されるキャップと、このキャップに固定または一体化された綿棒軸と、この綿棒軸の先端に取り付けられてキャップ密栓状態において希釈液中に浸漬される綿球とを有してなる拭き取り検査キットにおいて、上記キャップに延長棒を取付可能であることを特徴とする。
【0014】
請求項2に係る本発明は、請求項1記載の拭き取り検査キットにおいて、キャップが第一のネジ螺合構造を介して容器本体に着脱可能であると共に、延長棒が第二のネジ螺合構造を介してキャップに着脱可能であり、第一のネジ螺合構造と第二のネジ螺合構造はネジ方向が反対であることを特徴とする。
【0015】
請求項3に係る本発明は、請求項1または2記載の拭き取り検査キットにおいて、異なる長さを有する複数の延長棒が用意され、いずれか一の延長棒を任意に選択してキャップに取付可能であることを特徴とする。
【0016】
請求項4に係る本発明は、請求項1ないし3のいずれか記載の拭き取り検査キットにおいて、略円筒形状のキャップの閉塞面の下方域に、容器本体の開口部を包囲するネック部の外周面に設けられた雄ネジと螺合可能な第一の雌ネジが形成されると共に、該閉塞面の上方域には、延長棒の下端の円盤状基部の外周面に設けられた雄ネジと螺合可能な第二の雌ネジが形成されることを特徴とする。
【0017】
請求項5に係る本発明は、請求項1ないし4のいずれか記載の拭き取り検査キットにおいて、キャップの上端縁に凹部が形成されると共に、延長棒の下端の円盤状基部の外周面に該凹部に係合可能な突起が設けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明の拭き取り検査キットは、キャップに延長棒を取付可能であるので、厨房施設や生産ライン等における幅の狭い奥まった部位について拭き取り検査を行う必要がある場合には、キャップに延長棒を取り付けて綿棒を含めた全体の長さを延長させることができる。したがって、上記のような奥深い位置にある検体面に綿球を届かせ、拭き取り検査を実施することができる。
【0019】
延長棒は取り外し可能であるので、通常の位置にある検体面については延長棒を使用せずに拭き取り検査を行うことができ、長い延長棒が拭き取りの邪魔になることがない。
【0020】
延長棒の長さを複数通り用意しておけば、そのいずれか一をキャップに取り付けるようにすれば、検体面が位置する部位の深さに応じていずれか一の延長棒を任意に選択して使用可能であるので、拭き取り検査キットの本体に関する構成は同一としながらも、様々な深さ位置にある検体面を拭き取り検査することができる。
【0021】
延長棒をキャップに取付可能にするための具体的構成としてネジ螺合構造を採用することにより、着脱を容易にしながらも取付時には堅固な一体的構造物とすることができる。
【0022】
さらに、この場合において、キャップと容器本体との間の第一のネジ螺合構造と、延長棒とキャップとの間の第二のネジ螺合構造を逆方向のネジ方向とすると、深い箇所を拭き取り検査するときには、延長棒の所定方向への回し操作により延長棒をキャップに取り付けた後にキャップを容器本体から外すことができ、また、拭き取り検査後には、前記所定方向とは反対方向への回し操作によりキャップで容器本体を密栓した後に延長棒を外すことができる。すなわち、キャップ開栓/密栓と延長棒の取り付け/取り外しを一連の操作で行うことができ、利便性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図1は本発明の一実施形態による拭き取り検査キット10の斜視図であり、低密度ポリエチレン等の圧縮変形可能な軟質材料で一体成形された容器本体20と、容器本体20の上端開口部を密栓すべく着脱可能に装着されるキャップ30と、キャップ30に着脱可能に装着される延長棒40とを有する。容器本体20にはあらかじめ所定量の希釈液(図示せず)が収容されている。希釈液としては、たとえば、0.1%ペプトン加生理食塩水10mlが用いられる。さらに、後述するように、キャップ30には、下端に綿球36を備えた綿棒軸35が取り付けられていて(図5)、これらによって拭き取り検査キット10が構成されている。
【0024】
綿棒軸35の下端に保持されている綿球36は、この拭き取り検査キット10をキャップ30を上にして保持した状態において、容器本体20にあらかじめ収納されている希釈液の液面レベルよりも下方に位置しており、したがって希釈液に浸漬された状態に維持されている。
【0025】
図1と共に図2を参照して、容器本体20は上端が開口され且つ下端が閉塞された略円筒形状部材であるが、その中間部分の側面が内方に絞り込まれて括れ部21を形成している。この実施例における括れ部21は、容器本体20の側面の所定領域を対向する側に向けて凹ませて平面22を有するものとして形成されている。
【0026】
容器本体20の上端開口を取り巻くネック部には、キャップ30を着脱可能に装着するための雄ネジ23が形成されている。キャップ30を容器本体20に密栓するための着脱可能な装着手段は、人手によって容易に着脱が可能であり、且つ、密栓時には容器内を実質的に完全に気密および液密に維持することができるものであれば任意の着脱構造を採用することができるが、この実施形態ではねじ込み式の装着手段が採用されている。
【0027】
図1と共に図3〜図5を参照して、キャップ30は略円筒形状部材であり、その上端よりの位置に閉塞面31を有し、下端は開口されている。閉塞面31の下方域の内周面には、容器本体20の雄ネジ23に螺合可能な雌ネジ32が形成されている。雄ネジ23と雌ネジ32のネジ方向は、キャップ30を上から見て時計方向に回したときにこれらネジ23,32同士が螺合して密栓され、反時計方向に回したときに緩んで開栓することができる、いわゆる右ネジとされている。
【0028】
キャップ30の外周面には密栓時および開栓時にキャップ30を回す際の滑り止めとして作用する突条33が任意間隔で複数設けられている。
【0029】
キャップ30の閉塞面31の下面中央には下方に延長する筒状部34が一体に形成されており、この筒条部34に綿棒軸35が嵌め込まれて固定される。綿棒軸35はポリプロピレン等の材料で形成される。綿棒軸35をキャップ30に固定するための手段は任意であり、この実施例で採用した上記手段に代えて、たとえばねじ込みや接着などの手段を単独で採用し、あるいは任意併用することができる。採用する固定手段によっては、綿棒軸35は中実の棒体であっても良い。
【0030】
キャップ30の閉塞面31の上方域の内周面には、延長棒40を着脱可能に装着するための雌ネジ37が設けられている。この雌ネジ37は、キャップ閉塞面31下方域の雌ネジ32とは反対のネジ方向を有する。
【0031】
さらに、キャップ30の上端縁38は対向する2箇所で切除されていて、凹部39を有している。
【0032】
延長棒40は任意の長さ、たとえば20〜30cm程度の範囲において定められる任意の長さを有する長尺棒体であり、その上端にはバー状のハンドル41を備え、下端には円板状の基部42を備えている。
【0033】
基部42の外周面には、キャップ閉塞面31の上方域に設けられた雌ネジ37と螺合可能な雄ネジ43が形成されている。上述のように、キャップ30における雌ネジ37は雌ネジ32とネジ方向が逆になるように形成されているので、キャップ30を容器本体20に密栓する際の回し方向と、延長棒40をキャップ30に取り付ける際の回し方向は逆方向であり、キャップ30を容器本体20から外す際の回し方向と、延長棒をキャップ30から外す際の回し方向は逆方向である。言い換えれば、延長棒40をキャップ30に取り付ける際の回し方向と、キャップ30を容器本体20から外す際の回し方向とが同一方向であり、キャップ30を容器本体20に密栓する際の回し方向と、延長棒をキャップ30から外す際の回し方向とが同一方向である。
【0034】
基部42の外周面上端には、対向する2箇所に突起44が形成されている。突起44は、キャップ上端縁38の凹部39に嵌合可能である。
【0035】
この拭き取り検査キット10を用いて行う拭き取り検査方法について以下に説明する。
【0036】
なお、延長棒40は、狭く奥深い部位の検体面を容易に拭き取り検査可能にするためのアタッチメントとして使用されるものであるので、通常の場合はこれをキャップ30から外した状態で拭き取り検査キット10を使用する。図1で延長棒40が仮想線で示されているのは、このことを意味している。
【0037】
使用時には、キャップ30を上向きにした状態で反時計方向に回すことによってネジ23,32同士の螺合を緩めて開栓し、キャップ30を引き上げる。綿棒軸35およびその先端の綿球36もキャップ30とともに引き上げられ、容器本体20内の希釈液に浸漬されていた綿球36が該希釈液の液面レベルよりも上方に引き上げられる。
【0038】
さらにキャップ30を引き上げて、綿球36が容器本体20の括れ部21を通過する際に、括れ部21の平面22とその対向側の側面を外方より指で圧縮してさらに縮径させる。前述のように容器本体20は低密度ポリエチレン等の圧縮変形可能な軟質材料で一体成形されているので、指で軽微な力を加えることによって容易に圧縮変形する。これにより、括れ部21の内寸を綿球36の外径よりも僅かに小さくなるまで縮径させて、綿球36に絞り込み力を加え、綿球36に付着する余剰分の希釈液を除去する。
【0039】
なお、別の実施形態によれば、括れ部21の内寸があらかじめ綿球36の外径よりも僅かに小さく設定されており、開栓時に綿球36が括れ部21を通過する際に、綿球36に対して自動的に絞り込み力が与えられ、綿球36に付着する余剰の希釈液分が除去される。この実施形態によるときは、括れ部21を人指で圧縮操作する必要なしに、付着希釈液の余剰分を除去することができる。
【0040】
以上のようにして綿球36には適正量の希釈液が付着した状態となり、この状態の綿球36を用いて検体面を拭き取る。綿球36はキャップ30に固定または一体化されているので、キャップ30の外周面を人指で把持することにより、簡易に且つ綿球36の滅菌状態を損なうことなく拭き取り操作を行うことができ、ピンセット等を用いる必要がない。
【0041】
綿球36を用いて拭き取り操作を行った後、再度これを容器本体20に収容して、キャップ30で密栓する。検体面の菌を付着した綿球36は、密栓された容器本体20内で希釈液に再び浸漬される。拭き取り検査後の密栓時においても、綿球36が括れ部21を通過する際に人指で両側から圧縮して綿球36の外径よりも僅かに小さい内寸となるようにし、または、始めから綿球36の外径よりも僅かに小さい内寸を有するように形成された括れ部21を綿球36が通過することにより、綿球36に付着した検体が希釈液中に回収される。好ましくはこの作業を複数回繰り返すことによって検体の回収を効率的に行うことができる。また、キャップ30で密栓した状態で検査キット10を激しく振ることにより、所定希釈度に希釈された検液が調製される。
【0042】
この検査キット10を検査室に移送し、撹拌した後、キャップ30を外し、ピペットやスポイトなどを用いて所定量の検液を吸い取って培地入りのシャーレなどの検査溶液に分注して培養し、生菌数や大腸菌群等の微生物検査を行う。
【0043】
キャップ30を外しても綿棒軸35先端の綿球36が拭き取り検査面に届かない場合には、延長棒40をキャップ30に取り付ける。延長棒40の取付は、基部42をキャップ30(容器本体20に装着されている)の上端縁38内に嵌め込み、ハンドル41を回して基部42外周の雄ネジ43をキャップ30上方域の雌ネジ37に螺合することにより行う。
【0044】
この実施形態によれば、前述のように、延長棒40をキャップ30に取り付ける(締め付ける)際の回し方向と、キャップ30を容器本体20から外す(緩める)際の回し方向とが同一方向となるようにネジ37,43およびネジ23,32のネジ方向が設定されているので、ハンドル41を所定の方向(この実施形態では反時計方向=逆ネジ方向)に回し続けることによって延長棒40をキャップ30に取り付け、引き続いてキャップ30を容器本体20から外すことができる。つまり、一方向への連続的なハンドル回転操作で、延長棒40の装着とキャップ30の取り外しを行うことができる。
【0045】
また、このようにして延長棒40をキャップ30に取り付けたときに、延長棒40の下端基部42の突起44がキャップ30の上端縁38の凹部39に嵌合収容されるので、延長棒40をキャップ30に確実に固定することができる。
【0046】
以上のようにして、延長棒40が取り付けられた状態のキャップ30が容器本体20から引き出されることになるので、延長棒40が取り付けられていない状態と比べると、延長棒40の長さ分だけ長尺化された綿棒軸35が得られることになる。したがって、奥深い箇所などを拭き取り検査する場合にも容易且つ効率的に検査を行うことができる。
【0047】
拭き取り検査後は容器本体20を再びキャップ30で密栓するが、このときも、ハンドル41を所定方向(この実施形態では時計方向=通常の場合の締め付け方向)に回していくことにより、まずキャップ30を容器本体20に締め付けて装着し、次いで延長棒40をキャップ30から外すことができる。つまり、一方向への連続的なハンドル回転操作で、キャップ30の装着と延長棒40の取り外しを行うことができる。前述のように、延長棒40の下端基部42の突起44がキャップ30の上端縁38の凹部39に嵌合収容されているが、凹部39の両側面は傾斜面とされているので、キャップ30が完全に密栓された後にさらにハンドル41を回し続けることにより、突起44は凹部39から容易に離脱して、延長棒40の取り外しに支障を来すことはない。
【0048】
延長棒40として長さの異なる複数の延長棒を用意しておけば、拭き取り検査を行う箇所の深さに応じて適切な長さの延長棒40をキャップ30に取り付けて使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の一実施形態による拭き取り検査キットの斜視図である。
【図2】この検査キットにおける容器本体の斜視図(a)および正面図(b)である。
【図3】この検査キットにおけるキャップを斜め上から見たときの斜視図である。
【図4】同キャップを斜め下から見たときの斜視図である。
【図5】同キャップの中央断面図である。
【図6】この検査キットにおける延長棒の下端部斜視図である。
【符号の説明】
【0050】
10 拭き取り検査キット
20 容器本体
21 括れ部
22 平面
23 雄ネジ
30 キャップ
31 閉塞面
32 雌ネジ
33 突条
34 筒状部
35 綿棒軸
36 綿球
37 雌ネジ
38 上端縁
39 凹部
40 延長棒
41 ハンドル
42 基部
43 雄ネジ
44 突起

【特許請求の範囲】
【請求項1】
希釈液を収容する容器本体と、この容器本体の開口部を密栓するために着脱可能に装着されるキャップと、このキャップに固定または一体化された綿棒軸と、この綿棒軸の先端に取り付けられてキャップ密栓状態において希釈液中に浸漬される綿球とを有してなる拭き取り検査キットにおいて、上記キャップに延長棒を取付可能であることを特徴とする拭き取り検査キット。
【請求項2】
キャップが第一のネジ螺合構造を介して容器本体に着脱可能であると共に、延長棒が第二のネジ螺合構造を介してキャップに着脱可能であり、第一のネジ螺合構造と第二のネジ螺合構造はネジ方向が反対であることを特徴とする、請求項1記載の拭き取り検査キット。
【請求項3】
異なる長さを有する複数の延長棒が用意され、いずれか一の延長棒を任意に選択してキャップに取付可能であることを特徴とする、請求項1または2記載の拭き取り検査キット。
【請求項4】
略円筒形状のキャップの閉塞面の下方域に、容器本体の開口部を包囲するネック部の外周面に設けられた雄ネジと螺合可能な第一の雌ネジが形成されると共に、該閉塞面の上方域には、延長棒の下端の円盤状基部の外周面に設けられた雄ネジと螺合可能な第二の雌ネジが形成されることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか記載の拭き取り検査キット。
【請求項5】
キャップの上端縁に凹部が形成されると共に、延長棒の下端の円盤状基部の外周面に該凹部に係合可能な突起が設けられることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれか記載の拭き取り検査キット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−101971(P2008−101971A)
【公開日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−283651(P2006−283651)
【出願日】平成18年10月18日(2006.10.18)
【出願人】(500285060)株式会社アイ・バイオ (3)
【Fターム(参考)】