説明

振動装置、噴流発生装置及び電子機器

【課題】
振動体に効率的な振動を発生させ、効果的に気体に振動を与えることができる振動装置、この振動装置を搭載した噴流発生装置、及びこの噴流発生装置を搭載した電子機器を提供すること。
【解決手段】
噴流発生装置10は、フレーム4と、フレーム4に装着されたアクチュエータ5と、弾性支持部材6によってフレーム4に支持された振動体3とを有する振動装置15を備えている。振動体3は、例えば円形状の振動板3aの周縁部に側板3bが形成されて構成されている。振動体3が振動することにより、チャンバ11a及び11b内の空気に振動を与え、ノズル2a及び2bを介して交互に気体を吐出させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気体の噴流を発生させるために気体に振動を与えるための振動装置、この振動装置を搭載した噴流発生装置、及びこの噴流発生装置を搭載した電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、PC(Personal Computer)の高性能化に伴うIC(Integrated Circuit)等の発熱体からの発熱量の増大が問題となっており、様々な放熱の技術が提案され、あるいは製品化されている。その放熱方法として、例えばICにアルミなどの金属でなる放熱用のフィンを接触させて、ICからの熱をフィンに伝導させて放熱する方法がある。また、ファンを用いることにより、例えばPCの筐体内の温まった空気を強制的に排除し、周囲の低温の空気を発熱体周辺に導入することで放熱する方法もある。あるいは放熱フィンとファンとを併用することにより、放熱フィンで発熱体と空気の接触面積を大きくしつつ、ファンにより放熱フィンの周囲の暖まった空気を強制的に排除する方法もある。
【0003】
しかしながら、このようなファンによる空気の強制対流では、放熱フィンの下流側でフィン表面の温度境界層が生起され、放熱フィンからの熱を効率的に奪えないという問題がある。このような問題を解決するためには、例えばファンの風速を上げて温度境界層を薄くすることが挙げられる。しかし、風速を上げるためにファンの回転数を増加させることにより、ファンの軸受け部分からの騒音や、ファンからの風が引き起こす風切り音などによる騒音が発生するという問題がある。
【0004】
一方、送風手段としてファンを用いずに、上記温度境界層を破壊し、放熱フィンからの熱を効率よく外気に逃がす方法として、周期的に往復運動する振動板を用いる方法がある(例えば特許文献1、2、3、4参照)。これらの装置のうち、特に特許文献3及び4の装置は、チャンバ内を空間的に概略二分する振動板と、振動板を支持しチャンバに設けられた弾性体と、振動板を振動させる手段とを備えている。これらの装置では、例えば振動板が上方向に変位したときには、チャンバの上部空間の体積が減少するため、上部空間の圧力が上昇する。上部空間は吸排気口を通じて外気と連通しているため、上部空間の圧力上昇によって、その内部の空気の一部が外気中に放出される。一方このとき、振動板を挟んで上部空間と反対側にある下部空間の体積は逆に増加するため、下部空間の圧力が下降する。下部空間は吸排気口を通じて外気と連通しているため、下部空間の圧力減少によって、吸排気口近傍にある外気の一部が下部空間内部に引き込まれる。これとは逆に、振動板が下方向に変位したときには、チャンバの上部空間の体積が増加するため、上部空間の圧力が下降する。上部空間は吸排気口を通じて外気と連通しているため、上部空間の圧力下降によって、吸排気口近傍にある外気の一部が上部空間内部に引き込まれる。一方このとき、振動板を挟んで上部空間と反対側にある下部空間の体積は逆に減少するため、下部空間の圧力は上昇する。下部空間の圧力上昇によって、その内部の空気の一部が外気中に放出される。振動板の駆動は例えば電磁駆動方式が用いられる。このように、振動板を往復運動させることによって、チャンバ内の空気が外気に排出される動作と、外気がチャンバ内に吸気される動作が周期的に繰り返される。このような、振動板の周期的な往復運動によって誘起される空気の脈流が放熱フィン(ヒートシンク)等の発熱体に吹き付けられることにより、放熱フィンの表面にある温度境界層が効率よく破壊され、結果的に放熱フィンが効率良く冷却される。
【特許文献1】特開2000−223871号公報(図2)
【特許文献2】特開2000−114760号公報(図1)
【特許文献3】特開平2−213200号公報(第1図、第3図)
【特許文献4】特開平3−116961号公報(第3図、第8図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、発熱体の発熱量が多い場合には、さらに冷却能力の高い、つまり、気体の噴出量の多いデバイスが要求される。特に、CPU(Central Processing Unit)の発熱量は年々増え続けているので、これを効率良く冷却する必要がある。一方、気体噴出量を多くするためには、振動板の振幅を大きくすればよい。しかし、振幅を大きくすると、振動板に撓みが発生し、効果的に気体に振動を与えることができない上、余分なノイズが発生して騒音の原因になるおそれがある。
【0006】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、振動体に効率的な振動を発生させ、効果的に気体に振動を与えることができる振動装置、この振動装置を搭載した噴流発生装置、及びこの噴流発生装置を搭載した電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る振動装置は、筐体に含まれた気体を、前記筐体が有する開口を介して脈流として吐出させるために前記気体を振動させる振動装置であって、フレームと、振動方向にほぼ垂直な面を有する振動板を有し、振動可能に前記フレームに支持された振動体と、前記振動体を駆動する駆動部とを具備する。
【0008】
駆動部の駆動方式としては、例えば電磁作用、圧電作用または静電作用を利用することができる。
【0009】
気体は、例えば空気が挙げられるが、これに限らず、窒素、ヘリウムガス、あるいはアルゴンガス、その他の気体であってもよい。
【0010】
本発明において、前記振動体は、前記振動板に設けられた側板を有する。これにより、振動体の剛性が高まり、振動板の撓みを抑制して効果的に気体に振動を与えることができる。また、振動板自体を高剛性にするのではなく、側板が形成されることで振動体全体で高剛性を達成し、振動体の重量は重くならない。
【0011】
側板は、後述するように振動板の面に対しほぼ垂直に設けられていてもよいし、あるいは垂直でなくてもよい。側板は、例えば連続的または断続的に振動板に接続されるように設けられていればよい。すなわち、断続的な場合、側板は複数設けられることになる。側板は、振動板の周囲、またはそれより内側に設けることができる。
【0012】
本発明において、前記振動体は、前記側板に穴を有する。これにより、振動体の剛性を維持しつつ振動体を軽量化することができる。これにより、低消費電力化が図れる。
【0013】
本発明において、前記振動体は、前記振動板と前記側板との間に接続されるリブ部材を有する。これにより、さらに振動体の剛性を高めることができる。
【0014】
本発明において、前記振動体は、前記リブ部材に穴を有する。これにより、振動体の剛性を維持しつつ振動体を軽量化することができる。
【0015】
本発明において、前記振動体は、樹脂、紙、または金属でなる。特に、振動体が紙でなることにより、非常に軽量化される。軽量化しても振動体は側板を有して高剛性であるので問題ない。
【0016】
本発明において、例えば前記面は、円形、楕円形、多角形、または角円形でなる。角円形とは、直線と曲線とで囲まれた領域の形であり、例えば角が円形の多角形等が挙げられる。
【0017】
本発明において、前記側板は、前記振動板の前記振動方向の一側に立設され、前記駆動部は、前記振動体を振動させるための前記一側に配置されたアクチュエータを有する。これにより、アクチュエータは側板に囲まれるように配置されるので、振動装置を薄型化することができる。
【0018】
本発明において、前記振動板は、該振動板の前記振動方向の一側に向けて徐々に径が広がるコーン形状でなり、前記駆動部は、前記振動体を振動させるための前記一側に配置されたアクチュエータを有する。これにより、コーン形状の内側にアクチュエータが配置されるので、振動装置を薄型化することができる。この場合、前記振動体は、前記一側とは反対側に向けて立設された側板を有していれば、当該一側に立設されている場合に比べ振動装置の薄型化に寄与する。
【0019】
本発明において、前記フレームは、前記側板を摺動可能に支持する。このように、側板があることで、フレームがシリンダ、振動体がピストンであるかのように構成することができる。また、側板がフレームに摺動して接することにより、振動体の横振れ等を抑制し安定して振動させることができる。例えば摺動可能となるようにフレームと側板との接触部分に表面処理を施すことができる。
【0020】
本発明において、前記フレームは、前記フレームと側板との間に設けられた隙間または潤滑剤により前記側板を摺動可能に支持する。これにより、振動体がスムーズに振動できるようなる。
【0021】
本発明において、前記振動体は、前記フレームにより摺動可能に支持される前記振動板の周縁部と、前記フレームにより摺動可能に支持され、前記側板から突出する突出部とを有する。これにより、側板全体がフレームに接する場合に比べ、摩擦抵抗を小さくでき消費電力を低下させ、騒音も抑制することができる。
【0022】
本発明において、当該振動装置は、前記振動板の前記振動方向の一側からその反対側へ前記気体が流通しないように前記フレームと前記側板との間に配置され、前記振動体を支持する第1の弾性支持部材と、ほぼ前記振動方向で前記第1の弾性支持部材と並ぶように前記フレームと前記側板との間に配置され、前記振動体を支持する第2の弾性支持部材とをさらに具備する。このように振動の方向に配列された第1及び第2の弾性支持部材とによって側板が支持されることにより、振動体の横振れを防止して安定した振動を得ることができる。第2の弾性支持部材は、振動板の振動方向の一側からその反対側へ気体が流通しないような機能を有していてもよいし、有していなくてもよい。
【0023】
特に、前記側板は、前記第1の弾性支持部材が接続された第1の端部と、前記第1の端部と前記振動方向で反対側に設けられ、前記第2の弾性支持部材が接続された前記第2の端部とを有していればよい。つまり、第1と第2の弾性支持部材間の距離を極力大きくすれば、より安定した振動が得られる。
【0024】
本発明において、前記第2の弾性支持部材は、複数の板バネである。または複数のワイヤである。このような比較的細い部材で第2の弾性支持部材が構成されることにより、振動体の横振れを防止しつつ、振動方向の本来の振れの抵抗を小さくすることができる。
【0025】
本発明において、前記第1及び第2の弾性支持部材は、同じ材料でなる。第1及び第2の弾性支持部材は、材料だけではなく形状がほぼ同じであってもよい。
【0026】
本発明において、当該振動装置は、前記振動板の前記振動方向の一側からその反対側へ前記気体が流通しないように前記フレームと前記振動体との間に配置され、前記振動体を支持するベローズ状の第1の弾性支持部材をさらに具備する。ベローズ状の弾性支持部材の山部と谷部はそれぞれ複数設けられていてもよい。
【0027】
本発明において、前記振動体は、前記振動板に設けられ、前記第1の弾性支持部材が接続された側板を有し、当該振動装置は、前記振動方向で前記第1の弾性支持部材と並ぶように、かつ、前記第1の弾性支持部材とは前記振動体の振動方向でほぼ対称形状となるように前記フレームと前記側板との間に配置され、前記振動体を支持するベローズ状の第2の弾性支持部材をさらに具備する。特に、弾性支持部材がベローズ状でなる場合、各弾性支持部材の山部と山部とを対面させ、谷部と谷部とを対面させる場合、つまり対称形状でない場合、振動体の中立点からの両側の振幅が異なり、効率的な振動が得られないおそれがある。すなわち、各弾性支持部材が対称形状に配置されることにより、振動体が振動していないときの振動体の中立点からの両側の振幅が同じになり、効率的な振動が得られる。
【0028】
本発明において、前記第1の弾性支持部材は、前記振動体側に配置された1つの谷部と、前記フレーム側に配置された1つの山部とで構成され、前記駆動部は、前記振動体を振動させるためのアクチュエータと、前記第1の弾性支持部材の近傍の空中を通過するように前記アクチュエータに接続された給電線とを有する。第1の弾性支持部材は、外側であるフレーム側の方が振幅が小さく、内側である振動体側の方が振幅が大きくなる。したがって、振幅が大きい振動体側に谷部が配置されることにより、振動に伴って給電線が動くスペースが広くなり、つまり給電線の動きの自由度が高まり断線を防止できる。
【0029】
本発明において、前記振動板の前記面の面積は、該振動板の前記面にほぼ平行な面内の部分であって前記第1の弾性支持部材が前記フレームに接する箇所で囲まれる部分の面積の70パーセント以下である。70パーセントを超えると、振動体の振動の抵抗が大きくなり、また、騒音が大きくなる可能性がある。好ましくは、60パーセント以下がよい。
【0030】
本発明において、前記振動体は、該振動板と同じ材料でなり、前記振動板の周囲であって前記フレームに装着されることで該振動板を支持する弾性支持部を有する。弾性支持部が振動体に一体成形されることにより、振動体の製造が容易になる。
【0031】
本発明において、前記駆動部は、マグネットと、前記気体を流通させるための流通口を有し、前記振動体に装着されるとともに前記マグネットを囲うように設けられたボビンと、前記ボビンに巻回されたコイルとを有する。つまり、駆動部はボイスコイルを有する。本発明では、ボビンが動くことにより、ボビンとマグネットとの間の空間の体積が変化する。ボビンに流通口がない場合、ボビンの内部空間の気圧変化が振動体の振動抵抗になる。しかし、本発明によれば、内部空間にある気体がその流通口を介してボビンの外側に逃げることができるので、効率よく振動させることができる。
【0032】
本発明において、前記振動板は、そのほぼ中央に前記振動方向で貫通する穴部を有し、前記駆動部は、前記穴部に装着されたコイルと、前記コイルに囲まれるように前記穴部付近に配置された平板状のヨークと、前記前記ヨークを挟み込むように設けられた少なくとも2つのマグネットとを有する。このような構成によれば、マグネットを比較的大きいものを用いることができる。したがって磁力を大きくすることができ、振動を大きくすることができる。このような作用効果を考えると、前記振動板は、そのほぼ中央に前記振動方向で貫通する穴部を有し、前記駆動部は、前記穴部に装着されたコイルと、前記コイルに囲まれるように前記穴部付近に配置された平板状のヨークと、前記前記ヨークを挟み込むように設けられた少なくとも2つのマグネットとを有していてもよい。
【0033】
本発明において、前記駆動部は、残留磁束密度が0.3〜3.0Tのマグネットを有するアクチュエータを有する。0.3T以上としたのは、例えば振動装置を小型化し、マグネットも小型化した場合であっても、所望の磁束密度を得るためである。また、3.0T以上となると高価になるからである。例えば前記マグネットは、ネオジウム磁石である。
【0034】
本発明において、前記駆動部は、前記フレームに装着された端子台と、マグネット及びコイルを有するアクチュエータと、前記端子台と前記コイルとの間に接続された給電線とを有する。フレームに端子台があることにより、断線を予防するとともに、振動装置を搭載する噴流発生装置の製造時の配線が容易になる。
【0035】
本発明において、給電線は、その最小曲げ半径が、当該給電線の太さのほぼ5倍でなる。これにより、振動体の振動による給電線の断線を防止することができる。5倍より小さいと、その曲げ部に応力が集中して断線しやすくなるからである。「最小曲げ半径」とは、その給電線の中で曲げ半径が最小となる部分の、当該曲げ半径である。
【0036】
本発明において、前記給電線は、縒りがかけられている。これにより、断線を防止することができる。このような給電線として、例えばロボットケーブル等が用いられる。
【0037】
本発明において、前記アクチュエータは、前記振動板の前記振動方向の一側に配置され、前記給電線は、前記振動板の前記一側の反対側に延びている。上記のように、曲げ半径を有する給電線の場合、本発明のように配線すれば、緩やかなカーブで配線することができる。また、アクチュエータの反対側には、チャンバの空間があるだけなので、配線しやすいというメリットがある。
【0038】
本発明において、前記振動体は、貫通孔を有する側板を有し、当該振動装置は、前記振動板の前記振動方向の一側からその反対側へ前記気体が流通しないように前記フレームと前記側板との間に配置され、前記振動体を支持する第1の弾性支持部材と、ほぼ前記振動方向で前記第1の弾性支持部材と並ぶように前記フレームと前記側板との間に配置され、前記振動体を支持する第2の弾性支持部材とをさらに具備し、前記給電線は、前記貫通孔に挿通されるとともに前記第1及び第2の弾性支持部材の間を通過するように配置されている。これにより、薄型化を実現することができる。
【0039】
本発明において、前記給電線の太さは0.4mm以上である。これにより、断線を防止することができる。断線を防止する観点から、給電線の太さに上限はないが、振動装置の大きさに対応して常識的な範囲内である。例えば上限は3mm以下、あるいは5mm以下である。
【0040】
本発明において、前記給電線の長手方向に垂直な断面が扁平状ある。振動体により発生するチャンバ内の気流を考慮して適切な配線をすれば、給電線があることによる乱気流を防止でき、風切り音による騒音を抑制することができる。
【0041】
本発明において、前記駆動部は、前記フレームに装着された端子台と、マグネット及びコイルを有するアクチュエータとを有し、前記振動体は、前記振動板に設けられた側板を有し、当該振動装置は、前記アクチュエータに給電可能な導電性材料でなり、前記フレームと前記側板との間に配置され、前記振動体を支持する弾性支持部材をさらに具備する。これにより、極力給電線を用いずに製造することができ、断線の懸念がなくなる。
【0042】
本発明において、前記フレームは、前記気体を流通させるための流通口を有する。これにより、フレームの内側から外側へ、振動体の振動による適切な気流を発生させることができる。
【0043】
本発明において、前記振動体は、前記側板の前記振動方向の両端に接続された第1及び第2の振動板を有する筒状でなり、前記駆動部は、前記振動体を振動させるためのアクチュエータを前記筒状の振動体の内部に有する。例えば、当該振動装置が搭載される噴流発生装置の筐体に固定された部分にアクチュエータを取り付ければ、振動体の外側はチャンバ空間があるだけである。これにより、振動体外側の筐体内の気体をスムーズかつ効率的に筐体外に噴出することができる。また、これに伴い、騒音も低減できる。あるいは、前記駆動部は、前記振動体を振動させるためのアクチュエータを有し、前記振動体は、前記アクチュエータに接続された第1の振動板と、ほぼ前記振動方向で前記第1の振動板と配列され、前記アクチュエータの駆動により前記第1の振動板が振動するときに発生する前記気体の圧力変化により、前記第1の振動板と同期して振動する第2の振動板とを有する。
【0044】
本発明において、前記駆動部は、マグネット及びコイルを有するアクチュエータを有し、前記フレームの一部が、前記アクチュエータの磁気回路を構成するための磁性体でなる。これにより、フレームの少なくとも一部が、磁気回路の機能を兼ねるので磁束密度を高めることができる。
【0045】
本発明に係る噴流発生装置は、フレームと、振動方向にほぼ垂直な面を有する振動板を有し、振動可能に前記フレームに支持された振動体と、開口を有し、前記フレームを支持するとともに内部に気体が含まれた筐体と、前記振動体を駆動して前記気体に振動を与えることで、前記開口を介して前記気体を脈流として吐出させるための駆動部とを具備する。例えば、振動体が側板を有していれば、振動体の剛性が高まり、振動板の撓みを抑制して効果的に気体に振動を与えることができる。
【0046】
本発明において、前記筐体は、前記開口を少なくとも2つ有するとともに、前記振動板の前記振動方向の一側とその反対側で前記各開口にそれぞれ連通するように設けられた少なくとも2つのチャンバを内部に有する。これにより、各開口から交互に気体が吐出されるので、各開口から吐出されるときの各音が逆位相となり弱め合うので騒音を抑制することができる。少なくとも2つのチャンバは容積が同じである場合、振動方向での装置の対称性が増すため、より静音性を向上させることができる。しかし、必ずしも当該2つのチャンバが同じである必要はない。
【0047】
この噴流発生装置において、フレームがない場合、当該噴流発生装置は、振動方向にほぼ垂直な面を有する振動板を有する振動体と、開口を有し、前記振動体を振動可能に支持するとともに内部に気体が含まれた筐体と、前記振動体を駆動して前記気体に振動を与えることで、前記開口を介して前記気体を脈流として吐出させるための駆動部とを具備する。つまり、本発明は、フレーム自体が筐体で構成されている。
【0048】
本発明において、前記駆動部は、マグネット及びコイルを有するアクチュエータを有し、前記筐体の少なくとも一部が、前記アクチュエータの磁気回路を構成するための磁性体でなる。これにより、筐体の少なくとも一部が、磁気回路の機能を兼ねるので磁束密度を高めることができる。
【0049】
本発明において、前記筐体は、第1の内面と、第2の内面と、前記第1の内面と第2の内面とをつなぐ曲面とを有する。例えば筐体内部に角や段差がある場合、振動体が振動することによる気体流の発生により、その角や段差で渦が発生しやすくなり、これが騒音の原因の1つとなる。このように筐体内部に曲面が設けられていることにより、振動体の振動により発生する気体流がスムーズに流れ、騒音を低減することができる。「第1の内面」及び「第2の内面」は、それらが平行でなければ、筐体の全体の内面のうちどこの内面でもよい。
【0050】
本発明において、前記第1の内面は、前記振動体の前記面に平行な面であり、前記第2の内面は、前記開口を有する面である。特に、開口を有する面、つまり開口付近に曲面が設けられていることにより、開口を介して気体が筐体内から筐体外へスムーズに流れるようになり、騒音が低減される。
【0051】
本発明において、前記駆動部は、前記振動体を振動させるためのアクチュエータを有し、前記筐体は、前記アクチュエータが装着されるボス部と、前記ボス部の表面に設けられた曲面とを有する。これによっても、振動体の振動により発生する気体流がスムーズに流れ、騒音が低減される。
【0052】
本発明において、前記駆動部は、前記振動体を振動させるためのアクチュエータを有し、前記筐体は、前記アクチュエータが装着されるボス部を有する。このようにボス部が設けられることにより、噴流発生装置の製造時において、アクチュエータの位置決めが容易になる。
【0053】
本発明において、部分的に弾性力が異なり、前記筐体に装着されて前記振動体を支持する弾性支持部材をさらに具備する。具体的には、弾性支持部材は、第1の肉厚でなる第1の部分と、前記第1の肉厚とは異なる肉厚でなる第2の部分とを有していればよい。このように部分的に肉厚の異なる弾性支持部材が設けられることにより、振動体の振動時に、振動体のバタツキを吸収し、振動体を所望の方向にまっすぐに移動させることができる。
【0054】
本発明に係る電子機器は、発熱体と、フレームと、振動方向にほぼ垂直な面を有する振動板を有し、振動可能に前記フレームに支持された振動体と、開口を有し、前記フレームを支持するとともに内部に気体が含まれた第1の筐体と、前記振動体を駆動して前記気体に振動を与えることで、前記開口を介して前記発熱体に向けて前記気体を脈流として吐出させるための駆動部とを有する噴流発生装置と、前記発熱体と前記噴流発生装置を保持可能な第2の筐体とを具備する。
【0055】
第2の筐体が、前記発熱体と前記噴流発生装置を「保持可能」とは、発熱体や噴流発生装置が必ずしも「収容」されなくてもよく、例えば発熱体等の一部分が第2の筐体の外部へ露出等していてもよいことを含む意味である。
【0056】
発熱体としては、例えばICや抵抗等の電子部品、あるいは放熱フィン(ヒートシンク)等が挙げられるが、これらに限られず発熱するものなら何でもよい。
【0057】
この電子機器において、フレームがない場合、当該電子機器は、発熱体と、振動方向にほぼ垂直な面を有する振動板を有する振動体と、開口を有し、前記振動体を振動可能に支持するとともに内部に気体が含まれた筐体と、前記振動体を駆動して前記気体に振動を与えることで、前記開口を介して前記発熱体に向けて前記気体を脈流として吐出させるための駆動部とを具備する。
【0058】
電子機器としては、電子機器としては、コンピュータ(パーソナルコンピュータの場合、ラップトップ型であっても、デスクトップ型であってもよい。)、PDA(Personal Digital Assistance)、電子辞書、カメラ、ディスプレイ装置、オーディオ/ビジュアル機器、プロジェクタ、携帯電話、ゲーム機器、カーナビゲーション機器、ロボット機器、その他の電化製品等が挙げられる。
【0059】
本発明において、当該電子機器は、前記発熱体を収容する第2の筐体をさらに具備し、前記第2の筐体の一部は、前記第1の筐体の一部で構成される。これにより、電子機器の小型化または薄型化を実現することができる。
【発明の効果】
【0060】
以上のように、本発明によれば、振動体に効率的な振動を発生させ、効果的に気体に振動を与えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0061】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【0062】
図1は、本発明の一実施の形態に係る噴流発生装置を示す斜視図である。図2は、図1に示す噴流発生装置の断面図である。
【0063】
噴流発生装置10は、後部が円筒状をなす筐体1と、筐体1内に配置された振動装置15とを備えている。筐体1の前面1aには、ノズル2a及び2bがそれぞれ複数配列されている。図2に示すように、筐体1の内部は、振動装置15と、この振動装置15が取り付けられる取付部7によって、上部チャンバ11a及び下部チャンバ11bに分離されている。ノズル2a及び2bが取り付けられている筐体1の前面1aには、ノズル2a及び2bに対応する位置に開口12a及び12bが形成されている。これにより、上部チャンバ11a及び下部チャンバ11bは筐体1の外部の大気にそれぞれ連通している。各チャンバ11aと11bとは、容積がほぼ同じとなっている。すなわち、振動装置15が上部チャンバ11aに配置される分、下部チャンバ11bより上部チャンバ11aの方が図2中の上下方向(厚さ方向)で厚くなっている。これにより、後述するようにノズル2a及び2bから交互に吐出される気体量を同じにすることができ、静音性が向上する。
【0064】
振動装置15は、例えばスピーカに類似した構成を有している。振動装置15は、フレーム4と、フレーム4に装着されたアクチュエータ5と、弾性支持部材6によってフレーム4に支持された振動体3とを有している。図3は、振動体3を示す斜視図である。振動体3は、円形状の振動板3aの周縁部に側板3bが形成されて構成されている。側板3bは、振動板3aの表面3a−1及び裏面3a−2のうち、例えば裏面3a−2側に立設されている。フレーム4には、フレーム4の内外で筐体1内に含まれた空気を流通させるための流通口4aが形成されている。
【0065】
振動体3は、例えば樹脂、紙、または金属でなる。特に、振動体3が紙でなることにより、非常に軽量化される。紙は、樹脂ほど任意な形状に作製しにくいが、軽量化では有利である。軽量化しても振動体3は側板3bを有し高剛性であるので問題ない。振動体3が樹脂の場合、成形により任意の形状に作製しやすい。一方、振動体3が金属の場合、マグネシウムのような軽量で射出成形が可能な材料があるので、場合に応じて使用できる。
【0066】
図4は、アクチュエータ5を示す拡大断面図である。円筒状のヨーク8の内側に、振動板3aの振動方向Rに着磁されたマグネット14が内蔵され、マグネット14には、例えば円板状のヨーク18が取り付けられている。このマグネット14、ヨーク8及び18により図5に示すような磁界が発生し、磁気回路が構成される。マグネット14とヨーク8との間の空間には、コイル17が巻回されたコイルボビン9が出入りするようになっている。すなわち、アクチュエータ5はボイスコイルモータでなる。アクチュエータ5には、給電線16により、例えば図示しない駆動用のICから電気信号が供給される。ヨーク8はフレーム4の内側中央に固定され、コイルボビン9は振動板3aの表面3a−1に固定されている。平板状のヨーク18は、上述のように例えば円板形である。しかし、円でなくても楕円や、矩形状でもよい。振動板3aの面3a−1(または3a−2)と相似な形が合理的とも考えられる。このようなアクチュエータ5により、振動体3を矢印Rの方向に振動させることができる。
【0067】
筐体1は、例えば、樹脂、ゴム、または金属でなる。樹脂やゴムは成形で作製しやすく量産向きである。また、筐体1が樹脂やゴムの場合、アクチュエータ5の駆動により発生する音、あるいは振動板3aが振動することにより発生する空気の気流音等を抑制することができる。つまり、筐体1が樹脂やゴムの場合、それらの音の減衰率も高くなり、騒音を抑制することができる。さらに、軽量化に対応でき、低コストとなる。樹脂等の射出成形で筐体1が作製される場合は、ノズル2a及び2bと一体で成形することが可能である。筐体1が熱伝導性の高い材料、例えば金属でなる場合、アクチュエータ5から発せられる熱を筐体1に逃がして筐体1の外部に放熱することができる。金属としては、アルミや銅が挙げられる。熱伝導性を考慮する場合、金属に限らず、カーボンであってもよい。金属としては、射出成形が可能なマグネシウム等も用いることができる。アクチュエータ5の磁気回路からの漏れ磁界が機器の他のデバイスに影響する場合は、漏れ磁界を無くす工夫が必要である。その一つが、筐体1を磁性材料、例えば鉄等にすることである。これにより、漏れ磁界はかなりのレベルで低減される。さらに、高温での使用や、特殊用途ではセラミックスの筐体であってもよい。
【0068】
上述したように、放熱のために筐体1に高熱伝導材料が用いられる場合、フレーム4も熱伝導性の高い材料を用いることが好ましい。この場合、フレーム4も金属やカーボンが用いられる。しかし、熱伝導をあまり考慮しない場合、フレーム4は、例えば樹脂が用いられる。樹脂であれば、安価で軽量なフレームを射出成形で作製することができる。フレーム4の一部を磁性体とすることもできる。これにより、その磁性体でアクチュエータ5のヨークを構成することができ、磁束密度を高めることも可能である。
【0069】
弾性支持部材6は、例えばゴムや樹脂等でなる。弾性支持部材6はベローズ状をなし、上面から見る場合、円環形状をなしている。振動体3は、主にアクチュエータ5により支持されるが、振動体3の振動方向Rとは垂直方向の振れである横振れを防止するために、弾性支持部材6は振動体3を支持する機能を有している。また、弾性支持部材6は、上記したように、チャンバ11a及び11bを分離し、振動体3が振動するときに、チャンバ11a及び11b間での気体の流通を阻止する。弾性支持部材6は、ベローズ状をなしているが、その山部と谷部の個数は、図2に示すようにそれぞれ1つずつが好ましい。以下、これを2ロールと呼ぶ。1つの谷部、または1つの山部だけの場合、図2中の上下方向の高さが高くなり、薄型化に反し、山部及び谷部が複数ある場合、振動体3が振動するときに振動方向R以外の複雑な動きが発生し、効率が落ちる可能性があるからである。
【0070】
なお、筐体1にはノズル2a及び2bが設けられる構成としたが、ノズルではなく、筐体1に単に開口が設けられている構成であってもかまわない。
【0071】
以上のように構成された噴流発生装置10の動作について説明する。
【0072】
アクチュエータ5に例えば正弦波の交流電圧が印加されると、振動体3は正弦波振動を行う。これにより、チャンバ11a及び11b内の容積が増減する。チャンバ11a及び11bの容積変化に伴い、それらチャンバ11a及び11bの圧力が変化し、これに伴い、それぞれノズル12a及び12bを介して空気の流れが脈流として発生する。例えば、振動体3がチャンバ11aの容積を増加させる方向に変位すると、チャンバ11aの圧力は減少し、チャンバ11bの圧力は増加する。これによりノズル12aを介して筐体1の外部の空気がチャンバ11a内に流れ込み、チャンバ11bにある空気がノズル12bを介して外部に噴出される。逆に、振動体3がチャンバ11aの容積を減少させる方向に変位すると、チャンバ11aの圧力は増加し、チャンバ11bの圧力は減少する。これによりチャンバ11aにある空気がノズル12aを介して外部に噴出され、ノズル12bを介して外部の空気がチャンバ11b内に流れ込む。ノズル12a及び12bから空気が噴出されるときにノズル12a及び12bの周囲の気圧が低下することにより、当該周囲の空気が各ノズルから噴出される空気に巻き込まれる。すなわち、これが合成噴流である。このような合成噴流が、発熱体や高熱部に吹き付けられることにより、当該発熱体や高熱部を冷却することができる。
【0073】
一方、ノズル12a及び12bから空気が噴出されるときに、各ノズル12a及びノズル12bから独立して騒音が発生する。しかしながら、各ノズル12a及びノズル12bとで発生する各音波は逆位相の音波であるため互いに弱められる。これにより、騒音が抑制され、静音化を図ることができる。
【0074】
本実施の形態によれば、振動体3が側板3bを有するので振動体3全体の剛性が高まり、振動板3aの撓みを抑制して効果的に気体に振動を与えることができる。また、振動板3a自体を厚くしたりして高剛性にするのではなく、側板3bが形成されることで振動体3全体で高剛性を達成し、振動体3の重量は重くならない。
【0075】
図6は、振動体の他の形態を示す斜視図である。以下に説明する実施の形態において、上記図1〜図4に示した形態に係る部材や機能等について同様のものは説明を簡略または省略し、異なる点を中心に説明する。また、各部材の材質等についても、基本的には上記した材質で作製することができる。振動体13は、図2に示す状態と同様に、振動装置15に組み込まれる。振動体13は、側板13bに複数の穴13dが設けられている。穴13dは、必ずしも複数でなくてもよく1つであってもよい。これにより、振動体13の剛性を維持しつつ振動体を軽量化することができ、低消費電力化が図れる。
【0076】
図7は、振動体のさらに別の形態を示す斜視図である。この振動体23は、図6に示す振動体13と同様に側板23bに穴23dが複数設けられている。さらに振動板23aと側板23dを繋ぐようにリブ23eが設けられている。これにより、さらに振動体23の剛性が高められる。
【0077】
図8に示すさらに別の形態の振動体33のように、リブ33eにも穴33e−1が設けられても、軽量化が図れる。図6〜図8のような振動体13、23及び33が例えば樹脂でなる場合、これらの振動体13、23及び33のような形状でも樹脂を射出成形することにより作製することができる。
【0078】
図9は、上記振動体3、13、その他の振動体の振動板3a等の形状の他の形態を示す平面図である。図9(A)に示すように楕円であってもよいし、図9(B)に示すように長円であってもよい。図9(C)〜(E)に示す形状は、それぞれ正方形、長方形、角が曲線の長方形である。これらのように振動板3a等の平面形状は任意形状でよいが、円の場合、金型なども含めて作製が容易である。上記図9(C)〜(E)に示した振動板を有する振動装置が上記筐体1に搭載される場合、筐体1の平面形状も振動板の形状に合わせて矩形であることが望ましい。例えば、軸流ファン等は回転して送風するため、平面形状は円形である。これに対し、噴流発生装置10の振動板は、必ずしも円である必要はなく、図9(A)〜(E)に示すようにフレキシブルな形状を実現できる。このように形状がフレキシブルに対応できることにより、例えばPC等の電子機器に噴流発生装置10が搭載される場合に、その配置や形状の自由度が高まる。
【0079】
また、噴流発生装置10の筐体1の上面や下面が、図7に示したようなあらゆる形状の振動板の面に相似形とすることも可能である。これにより、振動板の形状に最適で、効率のよい気流を筐体1の内部で発生させることができる。
【0080】
図10は、振動装置の他の形態を示す断面図である。図11はその斜視図である。振動装置25は、円筒状のフレーム24に、弾性支持部材6を介して振動体3が取り付けられている。フレーム24は、180°に近い長い空気の流通口24aが、例えばその側面に2つ設けられている。振動体3は、側板3bが立設される側の面3a−2にアクチュエータ5が配置されている。つまり、振動体3の向きが図2に示す状態と振動方向Rで逆向きとなっている。これにより、振動装置25全体を薄型化することができる。
【0081】
図12は、さらに別の実施の形態に係る振動装置を示す断面図である。この振動装置45の弾性支持部材36は、ベローズ状ではなく、断面が直線状でなっている。図13に示す振動装置55の弾性支持部材46は、1つの谷部のみで構成されている。これらのような弾性支持部材によっても、振動板3の表面と裏面側での空気の流通を阻止することができる。
【0082】
図14は、さらに別の実施の形態に係る振動装置を示す断面図である。この振動装置95の弾性支持部材76は、山部が1つ、谷部が2つでなる。このように2ロール以上のベローズとしてもよい。
【0083】
図15は、さらに別の実施の形態に係る振動装置を示す断面図である。この振動装置35の振動体3の側板3bとフレーム4との間には、第1の弾性支持部材6(以下、エッジ部材という。)とは別に、第2の弾性支持部材26(以下、ダンパという。)が装着されている。ダンパ26は、例えば円環状をなしている。エッジ部材6とダンパ26とは、側板3bにおける振動方向の両端に接続されている。このように、振動方向Rの2つの位置で側板3bが支持されることにより、振動体3の横振れを防止して安定した振動を得ることができる。
【0084】
図16は、さらに別の実施の形態に係る振動装置を示す断面図である。図17は、図16におけるA−A線断面図である。この振動装置65のダンパ56は、例えば板バネ状でなる。また、図18に示すように、ダンパ66をワイヤ状としてもよい。このような比較的細い部材でダンパ56、66が構成されることにより、振動体3の横振れを防止しつつ、振動方向の本来の振れの抵抗を小さくすることができる。
【0085】
図19に示す振動装置105のエッジ部材6aとダンパ6bとは同じ形状を有し、また同じ材料でなる。このような構成によっても振動体3の振動を安定させることができる。また、エッジ部材6aとダンパ6bとが同じものであるので、量産に適し、安価である。
【0086】
図20に示す振動装置115のエッジ部材6aとダンパ6bとは同じものを用いているが、振動体3の振動方向で対称形状をなしている。このような構成により、振動体3が振動していないときの振動体3の中立点からの両側の振幅が同じになり、効率的な振動が得られる。また、図20に示すように給電線16が配線される場合、給電線16に近い側の弾性支持部材であるダンパ6bは、フレーム4側(外側)が山部で、振動体3側(内側)が谷部となるように配置されている。通常、これらエッジ部材6aやダンパ6bは、外側のフレーム4側より内側の振動体3の方が振幅が大きくなる。したがって、振幅が大きい振動体3側に谷部が配置されることにより、振動に伴って給電線16が動くスペースが広くなり、つまり給電線16の動きの自由度が高まり断線を防止できる。
【0087】
図21は、さらに別の実施の形態に係る振動装置を示す断面図である。この振動装置85は、図10と同様に円筒状のフレーム34を有している。振動体33の振動板33aはコーン形状でなり、そのコーン形状の振動板33aの内側の面33a−2にアクチュエータ5が配置されている。振動体33の側板33bは上記面33a−2の反対側の面33a−1側に立設されている。この側板33bとフレーム34との間には、エッジ部材6aとダンパ6bとが対称形状となるように配置されている。このような構成により、振動装置85を非常に薄型化することができる。
【0088】
図22は、さらに別の実施の形態に係る振動装置を示す断面図である。この振動装置125は、円筒状のフレーム44の内側で摺動する振動体43を備えている。振動体43は、振動板43aの周縁部に振動方向Rの両側に立設する側板43bが設けられて構成されている。この側板43bとフレーム44の内側とがいわばピストンとシリンダのような関係になっている。このような構成によっても、振動体43の横振れ等を抑制し安定して振動させることができる。この場合、側板43bのフレーム44に対する摩擦抵抗を小さくするために、例えば潤滑油のような流体47等が塗られていることが好ましい。あるいは、フレーム44の内側及び側板43bの接触面のうち少なくとも一方に摩擦抵抗を小さくするような表面処理がなされていてもよい。この表面処理としては、例えばテフロン(登録商標)加工が挙げられる。
【0089】
図23に示す振動装置135は、図22に示す振動装置125の変形例である。振動板53aの周縁部と、側板53bから径方向に突出するフランジのような突出部53cの周縁部とがフレーム44の内側に接している。これにより、振動体53とフレーム44との接触面積を極力小さくすることができ、摩擦抵抗を小さくすることができる。
【0090】
図22に示す振動装置125において、側板43bとフレーム44とは必ずしも接していなくてもよく、それらの間に隙間が設けられているだけであってもよい。この隙間は、実質的に振動体43の表面43a−1側と裏面43a−2側との間で空気の流通がほとんどなくなるような十分に狭い間隔であればよい。図23に示す振動装置135についても同様のことが言える。
【0091】
図24は、さらに別の実施の形態に係る振動装置を示す断面図である。この振動装置145の振動体63は、コーン形状の振動板63aの周縁部にエッジ部63bが一体的に設けられている。例えば振動体63は、例えば樹脂でなる場合、射出成型で作製することができ、部品点数も減るので、コスト的に有利となる。振動体63は、例えば金属であっても金型で一体成形することができる。
【0092】
図25は、さらに別の実施の形態に係る振動装置を示す断面図である。この振動装置155の振動体73は、コーン形状の振動板でなる。振動体73の周縁部とフレーム54との間に隙間52が設けられている。この隙間52は、実質的に振動体73の表面73a−1側と裏面73a−2側との間で空気の流通がほとんどなくなるような間隔であればよい。
【0093】
図26は、図25に示す振動装置155の変形例である。この振動装置165は、図2等で示したような側板3bを有する振動体3を備え、側板3bとフレーム54との間に十分に狭い隙間52が設けられている。
【0094】
図27は、これまで説明した各振動装置15、25、35等をフレーム4の開口端側(下部側)から見た平面図である。例えば振動体3の振動板3aの振動方向に垂直な面3a−1または3a−2の面積Aと、その面にほぼ平行な面内の部分であってエッジ部材6が囲む面積Bとする。そうすると、面積Bが面積Aの70パーセント以下となることが好ましい。70パーセントを超えると、振動体の振動の抵抗が大きくなり、また、騒音が大きくなる可能性がある。本発明者らの実験によると、70パーセントを超えると、人間が、その騒音が気になる程度に大きくなり始めた。好ましくは、60パーセント以下がよい。
【0095】
図28は、さらに別の実施の形態に係る振動装置を示す断面図である。この振動装置195の振動体83の中央に穴部83cが形成されている。アクチュエータ191は、2つのマグネット14と、これらに挟み込まれた平板状のヨーク18と、上記穴部83cに装着された円筒状のコイルボビン32に巻回されたコイル39とで構成される。図29は、このアクチュエータ191のマグネット14及びヨーク18で発生する磁力線の様子を示す。このような解放磁界を利用することにより、これまで説明したような閉じた磁気回路に比して効率は落ちるが、振動板83aに対して振動方向Rでアクチュエータ191が対称構造にすることができる。対称構造では、振動板83aの前と後からの音のレベルを極力同じにすることができるので、逆位相で音の打ち消し合いが効率よく行われる。また、薄型化にも有利である。磁気回路が閉じた系か解放系かは、アプリケーションにより選択するとよい。
【0096】
例えば図28に示すようなアクチュエータ191では、マグネット14がボイスコイル(コイル39及びコイルボビン32)の内側に配置されることにより、アクチュエータ5の配置スペースが小さくなり有利である。このことは、図4等に示したアクチュエータ5についても同様のことが言える。しかし、これらのようなアクチュエータ5、191では、一般にマグネット14が小さく設計される。マグネット14が小さいと、ボイスコイルを横切る磁束密度が小さくなる。そこで、マグネットの径が小さくてもボイスコイルでの磁束密度を高めるためには、残留磁束密度の高いマグネットを使う必要がある。残留磁束密度が0.3T(テスラ)以上のマグネットがよい。さらに、ギャップでの磁束密度をより高くしたい場合は、1T〜3T、あるいはそれ以上の残留磁束密度を持つマグネットが推奨される。1T以上のマグネットであれば、回転軸流ファンと同程度の冷却能力を有し、大きさも比較しうる噴流発生装置を実現できる。例えば、ネオジ鉄は、残留磁束密度は1.1Tであり、上述の要求を満足するマグネットと言える。
【0097】
図30は、さらに別の実施の形態に係る振動装置を示す断面図である。この振動装置205のアクチュエータ301は、中央の穴114aにフレーム44が嵌着された2つのマグネット114に、穴28aが形成された平板状のヨーク28が挟み込まれるように配置されて構成されている。ヨーク28の穴28aの径は、マグネット114の径より小さく形成されている。ヨーク28の穴28a付近には、振動体43が配置され、振動体43の側板43bの外周面にコイル39が巻回されている。このような構成によれば、マグネット114を比較的大きいものが用いられる。したがって磁力を大きくすることができ、振動を大きくすることができる。また、振動板43aに対して対称構造とすることができる。また、薄型化にも寄与する。
【0098】
図31は、図30に示す振動装置205の変形例を示す断面図である。この振動装置215の振動体143は、図23で示した振動体53と同様なフランジ状の突出部143cを有する。この突出部143cの周縁部がフレーム44の内側に摺接する。または、隙間52をあけて、あるいは隙間52に潤滑材が塗布されている。このような構成によっても、図23及び図31に示す振動装置と同様の効果を得ることができる。
【0099】
図32は、さらに別の実施の形態に係る振動装置225を備えた噴流発生装置を示す断面図である。この振動装置225では、コイル17が巻回された円筒状のコイルボビン37には、当該コイルボビン37の内側と外側との間で空気を流通させるための複数の流通口37aが設けられている。コイルボビン37が動くことにより、コイルボビン37とマグネット14との間の空間(コイルボビン37の内側の空間)の体積が変化する。コイルボビン37に流通口37aがない場合、コイルボビン37の内部空間の気圧変化が振動体93の振動抵抗になる。また、流通口37aがない場合に、マグネット14とコイルボビン38との間の狭い隙間を通って空気が逃げるので、そのときに音が発生するおそれがある。しかしながら、図32のような構成であれば、コイルボビン37の内部空間にある空気が流通口37aを介してコイルボビン37の外側に逃げることができるので、効率よく振動させることができる。また、騒音も低減することができる。流通口37aの個数は、1つであってもよい。流通口37aの形状は、図33に示すように円形であってもよいし、あるいは長穴状であってもよい。
【0100】
なお、図32及び図33では、振動体93は平板状の振動板で構成されているが、上記各実施の形態のように側板が設けられる構成であってももちろんかまわない。
【0101】
図34は、さらに別の実施の形態に係る振動装置を示す断面図である。図35は、図34におけるB−B線断面図である。この振動装置175のアクチュエータは、円筒状のフレーム44の内側のほぼ中央に取り付けられたマグネット14と、マグネット14の対面するように振動体3の振動板3aに配置された平面コイル19とで構成される。コイル19には給電線16が接続されている。振動体3は、樹脂、ゴム、または紙等の絶縁材料であることが好ましい。あるいは、振動体3が導電性の材料であっても、例えば振動板3aとコイル19との間に図示しない絶縁性のシートが貼り付けられていてもよい。コイル19に例えば交流電圧が印加されることにより、マグネット14により生成される解放磁界によって振動体3が振動方向Rに振動する。本実施の形態では、解放磁界であるので、磁束密度は落ちるが、薄型化、対称形状化には有利となる。
【0102】
図36は、さらに別の実施の形態に係る振動装置を示す断面図である。図37は、その振動体を示す平面図である。この振動装置185のアクチュエータは、フレーム64内に複数配列されたマグネット14と、各マグネット14に対面するように平板状の振動体83にそれぞれ配置された複数の平面コイル29とを有する。この例では、コイル29及びマグネット14がそれぞれ6つずつ設けられている。このようなアクチュエータも、上記と同様に解放磁界により振動体83を振動方向Rに振動させることができる。このような構成によれば、コイル29及びマグネット14の個数を適宜選択することにより、振動体83の大きさを、振動方向Rにほぼ垂直な面内で所望の大きさに設定することができる。
【0103】
図38は、さらに別の実施の形態に係る振動装置を示す断面図である。この振動装置245のアクチュエータ5に接続された給電線16は、例えば図中、破線で囲んだ部分のように緩やかに曲げられている。このように給電線が緩やかに曲げられることにより、例えば図39の破線で示す給電線の急激な曲げに比べ、断線の可能性を小さくすることができる。例えば、図41(A)に示したように、給電線16の最小曲げ半径がその太さdの3倍ぐらいである場合、その曲げ部に応力が集中して断線が起こりやすくなる。しかし、図41(B)のように5倍以上とすることにより、断線が少なくなる。
【0104】
給電線16は振動するため、振動装置245等の寿命まで断線に耐えなければならない。噴流発生装置では、数万時間の寿命が要求され、総振動数は数十億回となる。そのために、給電線16は、コイルボビン9側に取り付けられる箇所と、フレーム44側に取り付けられる箇所とで固定されていることが望ましい。そこで、振動装置245では、フレーム44に端子22が設けられた端子台21が固定され、この端子台21に給電線16が接続固定されている。これにより、断線を予防するとともに、振動装置245を搭載する噴流発生装置の製造時の配線が容易になる。
【0105】
また、給電線16の断線を防止するために、例えば図40で示したように、給電線16に縒りをかけた錦糸線等を用いることができる。また、細い導線を絶縁膜で被い、それを束ねたロボットケーブルなども屈曲に強く、給電線としては適している。
【0106】
図40に示したよな給電線が用いられる場合、その太さdは0.4mm以上であることが望ましい。一般的なスピーカでは、振幅が5mm程度のものはいわゆるウーハと呼ばれるもので、本発明者らの試作でも、0.3mmのツイータ用の錦糸線を使ったところ、その寿命は極端に短かったが、0.4mmのものに代えたところ、著しく寿命が伸びた。連続試験で14000時間経過したが、未だに断線していない。
【0107】
給電線16は以上のように特殊な構成である。したがって、電力を送る部分から振動装置までの配線、または電力を送る部分から噴流発生装置までの配線には、上記構成の給電線16とは別の通常の導線を用いるのが合理的である。このため、上記端子台21が設けられていると非常に有利となる。端子台21の取り付け位置は、図38のような振動装置245のフレーム44でよい。あるいは、後に説明する図42等のように、噴流発生装置130の筐体131に取り付けられていてもよい。
【0108】
図42は、さらに別の実施の形態に係る噴流発生装置を示す断面図である。この噴流発生装置130に搭載された振動装置255のフレーム144の一部は、噴流発生装置130の筐体131の機能を兼ねている。つまり、筐体131の一部が切り欠かれていて、その切り欠き部に振動装置255が取り付けられている。筐体131の前面131a付近におけるフレーム144の側面には空気の流通口144aが形成されている。このように筐体131の一部がフレーム144で構成されることにより、噴流発生装置130を薄型化、小型化することができる。
【0109】
この場合、筐体131及びフレーム144は、熱伝導性の良い材料でなると、アクチュエータ5等の放熱に効果的である。高熱伝導性の材料としては、例えば銅、アルミ等の金属、あるいはカーボン樹脂等が挙げられる。
【0110】
さらにこの噴流発生装置130の給電線16は、振動板3aに対してアクチュエータ5のある側とは反対側に延びている。また、アクチュエータ5の反対側のスペースには、筐体131で形成されたチャンバ111bによる空間があるだけで配線が容易になるとともに、上記のように給電線16の曲げ半径を大きくすることができる。
【0111】
なお、上記で説明した図10、図21、図22、図23等に示す筒状のフレームを有する振動装置25等についても、図42に示したように、噴流発生装置の筐体131の機能を兼ねるように、噴流発生装置に搭載することができる。
【0112】
また、噴流発生装置130では、端子台21は、筐体131の側面に取り付けられることが望ましい。側面でなく上面や下面だと、噴流発生装置130が図示しない電子機器に搭載される場合、電力を供給する部分から端子台21までの導線の配線の都合上、当該上面や下面付近にスペースを設けなければならず、搭載の際の制約が生じる。また、薄型化等に反する。したがって、上面や下面より側面がよい。しかし、もちろん、電子機器側の設計によってはそのようなスペースが設けられても問題ない場合もある。
【0113】
図42に示した噴流発生装置130では、アクチュエータ5側もそれほど複雑な形状ではない。しかし、噴流発生装置を薄型化したい場合等には、図43に示すように振動装置265のように、振動体3の側板3bが立設された側にアクチュエータ5が配置されていればよい。この場合、アクチュエータ5が配置される側の構造は複雑となり、給電線16は、ヨーク8及び側板3bを避けて端子台21まで配線され、その曲げ半径が小さくなってしまう。特に、図43に示す噴流発生装置140のような構成で、アクチュエータ5の磁気回路の効率を上げようとした場合、ボイスコイル部の磁束密度を上げるとよい。そのためにマグネット14を大きくすればよいが、その場合、ヨーク8と側板3bとの間隔が近くなり、給電線16が通るスペースが狭くなる。つまり、アクチュエータ5側に給電線16があると、アクチュエータ5の効率向上のためにも不利となる。
【0114】
そこで、図44に示すように、振動体3の振動板3aのアクチュエータ5が配置される側と反対側に給電線16を出して配線すると、前述のような問題はない。この場合、端子台21も振動板3aより下方側に配置される。
【0115】
図45は、さらに別の実施の形態に係る噴流発生装置を示す断面図である。この噴流発生装置160では、振動体3の側板3bに給電線16が通る穴3b−1が設けられている。給電線16は、2つの弾性支持部材6の間を通り、端子台21に接続されている。このような構成により、前述のような複雑な構造の中を給電線16を配線するということを回避することができ、製造が容易となる。穴3b−1は、複数設けられていてもよいし、長穴状であってもよい。そうすることで、振動装置285の製造時に、振動体3の取り付け角度方向(振動体3の振動方向Rにほぼ垂直な面での振動体3自体の回転角度方向)の制限を緩くできるか、あるいはなくすことができる。つまり、穴3b−1が1つの場合、当該穴3b−1を端子台21に対面させるように振動体3を配置させなければならないからである。
【0116】
図46は、図45に示す噴流発生装置160の変形例である。この噴流発生装置170の振動装置295のフレーム44には、流通口44aとは別の流通口44aが開口されている。この流通口44bにより、振動体3の振動時に、フレーム44内部の空気が、流通口44a及び44bを介して逃げるので、より空気の流れがスムーズになる。また、これにより騒音も低減される。すなわち、気流が発生するときの空気抵抗をフレーム44内部で極力小さくするために、フレーム44に形成される流通口の開口面積は大きいほどよい。本発明者らの実験では、流通口44bがある場合、それがない場合に比べて騒音レベルは3dB程度下がったことが確認されている。
【0117】
図47は、さらに別の実施の形態に係る噴流発生装置を示す断面図である。この噴流発生装置180は、これでまで説明したような振動装置のフレームがないことが特徴である。つまり当該フレームが噴流発生装置180の筐体181と一体となっている。このような構成により、噴流発生装置180のさらなる薄型化を実現でき、部品数も減らすことができるとともに、筐体の一体成形により製造が容易になり、量産化に有利である。
【0118】
以上説明したような給電線16の断面形状は、図48に示すように円形にすることができるが、振動体3が振動したときに、図示するように給電線16の後ろ側で乱気流が発生するおそれがある。しかし、図49に示すように扁平状とすれば気流をスムーズに制御することができる。図49の場合、なお、図49に示すような向きに気流が発生するように、配線時に給電線16の断面形状の向きを考慮する必要がある。
【0119】
なお、上述のような給電線を用いずに、振動体3や弾性支持部材6を導電性部材として給電することも可能である。
【0120】
図50は、さらに別の実施の形態に係る噴流発生装置を示す断面図である。この噴流発生装置190では、図47等に示す噴流発生装置180の筐体181の下面に透明な覗き窓27が設けられている。覗き窓27は、樹脂やガラス等でなる。このような構成によれば、噴流発生装置190を製造する者が、筐体231の内部を目視することができ、不良時の判定が容易である。
【0121】
そのほかにも、図51に示すように、レーザ変位計48等を用いて、振動体3の振幅や周波数、振動波形等を観察でき、特にデバッグ時には大変に便利である。また、覗き窓27の両面に図示しなし反射防止膜等がついていると、破線で示す矢印のような不要な反射が少なくなり、レーザ変位計48での測定誤差が小さくなる。このような測定時には振動体3に光の反射を促進する部材49を貼り付けたりしておくと便利である。なお、覗き窓27はなくてもよく、単に筐体231に覗き穴が形成される構成であってもよい。
【0122】
図52は、さらに別の実施の形態に係る噴流発生装置を示す断面図である。この噴流発生装置200の振動体103は円筒状をなし、その内部にアクチュエータ5が配置されている。振動体103の上板103aと下板103bとがそれぞれ振動板の機能を有し、側板103cが備えられている。アクチュエータ5は、筐体201の内部に配置された、当該201に固定の仕切り板204に装着されている。具体的には、マグネット14を内蔵したヨーク8及び18がその仕切り板204に固定され、コイルボビン9は、振動体103の内面に固定されている。仕切り板204には、振動体103の側板103cを通すための環状の開口204aが設けられている。振動体103の外側はチャンバ101a及び101bの空間があるだけである。振動体103の内部の空間101cと、チャンバ101a及びチャンバ101bとは隔離している。したがって、振動体103外側の筐体201内の気体を、ノズル102a及び102bを介してスムーズに効率的に筐体201外に噴出することができる。
【0123】
また、気流がスムーズになる結果、騒音も低減できる。実際、例えば図47のような構造では、アクチュエータ5がある側のノズルから出る騒音レベルと、無い側から出る騒音レベルとでは差があった。本発明者らの試作では、アクチュエータが無い側の騒音が有る側よりも騒音スペクトルのピークで10dB程度小さいものとなった。図52に示す噴流発生装置200では、ノズル102a及び102bとそれぞれ連通するチャンバ101a及び101bにはアクチュエータ5がないので騒音が抑制される。
【0124】
図53は、さらに別の実施の形態に係る噴流発生装置を示す断面図である。この噴流発生装置210は、側板3bを有する振動体3と、振動板113とを備えている。筐体211に固定の仕切り板214には、環状の開口214aが設けられている。開口214aは、必ずしも環状でなくてもよく、複数に分けられていてもよい。仕切り板214には、図52に示す装置と同様にアクチュエータ5が設置されている。チャンバ121a、121b、121cは互いに隔離されている。この噴流発生装置210では、振動体3が振動することで、チャンバ121c内の空気の圧力変化により振動体3と同期して振動板113が振動する。これにより、チャンバ121a及び121bは交互に圧力が増減し、ノズル122a及び122bを介して空気が交互に噴出される。本実施の形態によっても、図52に示す噴流発生装置200と同様の効果が得られる。
【0125】
図54は、一実施の形態に係る電子機器の一部を示す断面図である。電子機器250は、例えばPCである。この例では、噴流発生装置220の筐体の一部が、電子機器250の筐体251と一体になっている。具体的には、噴流発生装置220の下部側のチャンバ221bを構成する筐体が筐体251と一体になっている。このような構成によれば、図47に示した噴流発生装置180が同じような電子機器に搭載される場合に比べ、噴流発生装置180の筐体181の厚み分だけ電子機器250を薄型化することができる。噴流発生装置220は、ヒートシンク84に向けて空気を噴出し、筐体251に開口された通気口251aから排熱される。
【0126】
なお、上記で説明した噴流発生装置、振動装置が電子機器に搭載される場合に、図54のように必ず電子機器の筐体と噴流発生装置の筐体とが一体でなければならないわけではない。
【0127】
図55は、例えば図1に示した噴流発生装置10を、ラップトップ型のPCに搭載したときの一部を破断した斜視図である。このように、PC300には、ヒートシンク84と、これに向けて空気を噴出する噴流発生装置230が搭載されている。
【0128】
図56は、上記各噴流発生装置10等から吐出される空気が当てられるヒートシンクを示す斜視図である。このヒートシンク97には複数の空気の流通穴96が開けられている。図示しない噴流発生装置からの空気がこの流通穴96を通ることで、ヒートシンク97は冷却される。図57は、例えば噴流発生装置10及びヒートシンク97の組み合わせを示す。
【0129】
図58は、噴流発生装置及びヒートシンクの組み合わせの他の形態を示す斜視図である。この例では、図57に示す噴流発生装置10が2つ組み合わされ、これらがヒートシンク97に向けて空気を送る。放熱する熱量に合わせて、ヒートシンク97の大きさ等が決まるが、その大きさに合わせて、噴流発生装置の大きさもこのように任意に決めることができる。噴流発生装置自体を大きくすることも可能であるが、図58に示すように横に2個並列に並べる事で、同じ噴流発生装置で大きさ(幅)の違うヒートシンク97に対応することができる。図58に示す状態から、さらに噴流発生装置を追加して2つの振動板の動きを逆位相にすると、メカ的な振動を減衰することも可能である。
【0130】
図59は、ヒートシンク及び噴流発生装置の他の実施の形態を示す斜視図である。この噴流発生装置320の筐体は矩形でなる。このように、噴流発生装置320は軸流ファンと違い、丸型にとらわれる必要はなく、ある程度任意形状にすることができる。これは、機器のスペースの有効利用に寄与する。
【0131】
図60は、噴流発生装置180を電子機器の筐体351に搭載したときの気流を示す図である。筐体351にはその上部351c及び底部351dに導入口351aがそれぞれ設けられている。ヒートシンク97の背面側には複数の排気口351bが設けられている。導入口351aは、噴流発生装置180のノズルの開口182付近に配置されている。これにより、噴流発生装置180が動作するときに合成噴流を作りやすくなり、ヒートシンク97に吹き付けられる空気量を多くすることができる。底部351dには、地面233との間に隙間をあけて導入口351aから外部の空気を導入しやすくするためのスペーサ354が設けられている。スペーサ354は、筐体351と同じ材料で一体成形されてもよい。
【0132】
電子機器がラップトップ型のPCである場合、オペレータがPCの前面近くに位置することがほとんどである。したがって、その場合、熱風が前方向に出てくることは望ましくない。それ故、排気口351bは背面かまたは側面に設けられることが好ましい。噴流発生装置180が動作したときに、上述した合成噴流を作るために導入口351aから空気が流入し、噴流発生装置180によって形成された合成噴流はヒートシンク97を通って、排気口351bから排気される。図61に示すように、電子機器の筐体351の導入口351aは底部351d側のみに設けられていてもよい。
【0133】
図62は、図58に示した2連の噴流発生装置及びヒートシンク97がPC400に搭載された形態を示している。図63は、噴流発生装置320が、電子機器としてディスプレイ機器450に搭載された形態を示している。この場合、排気口は上方向に配置されている。ディスプレイに搭載される場合は、後方や上方あるいは側面への排気が望ましい。図64は、噴流発生装置330が電子機器としてプロジェクタ500に搭載された形態を示している。
【0134】
本発明は以上説明した実施の形態には限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
【0135】
例えば、上記各図で示した噴流発生装置、あるいは上記各図で示した振動装置を搭載した噴流発生装置は、燃料電池の燃料を供給する手段として用いることもできる。具体的には、燃料電池本体の酸素(空気)吸入口と、噴流発生装置のノズルとを対向させるように配置すればよい。このようにすれば、噴流発生装置から吐出された噴流の空気が当該吸入口から酸素燃料として吸入される。
【0136】
また、上記各実施の形態で示した振動装置のうち、少なくとも2つの振動装置の特徴部分を適宜組み合わせることも可能である。噴流発生装置についても同様である。
【0137】
図65は、さらに別の実施の形態に係る噴流発生装置を示す断面図である。なお、図65では、噴流発生装置350の向きを上下逆に示しているが、特に機能的に変わる要素はない。ただし、噴流発生装置350が電子機器に組み込まれる場合に、噴流発生装置350の配置のしやすさ、アクチュエータ5による磁気影響等を考える場合には、例えばその上下の向きが考慮される。
【0138】
本実施の形態に係る噴流発生装置350の前面341aには、開口341bが設けられ、開口341bを塞ぐように、ノズル体342が装着されている。ノズル体は縦方向(振動板303の振動方向)に4段の流路342a、342b、342c及び342dを有し、図66に示すように、もちろん横方向にも複数の流路を有する。流路342b及び342cの間には、仕切り板342eが、横方向に並んだ流路342a等の数の分だけ設けられている。噴流発生装置350が動作するとき、上段の流路342a及び342bと、下段の流路342c及び342dにおいて、常に風向きが逆になる。この仕切り板342eが設けられることにより、例えば上段の流路342a及び342bから吐出された空気が、下段の流路342c及び342dから吸い込まれにくくなり、効率良く空気が吐出されるようになる。仕切り板342eは複数設けられているが、このような形態に限らず横方向に延設された1枚の板で構成されていてもよい。しかしながら、図66に示すように仕切り板342eが複数に分割されていることにより、図57に示したようなヒートシンクを構成する各放熱フィンの間に各仕切り板342eを嵌め込むことができる。これにより、噴流発生装置350とヒートシンクとを容易かつ正確に位置決めすることができる。
【0139】
また、筐体342と、ノズル体342とが別体で構成されることにより、製造が容易になり、生産性が向上する。もちろん、上記各実施の形態で説明した各噴流発生装置についても、このような別体のノズル体を備えていてもよい。また、ノズル体342は、上段に2段の流路342a及び342b、下段に2段の流路342c及び342dが設けられる構成としたが、上に1段、下に1段設けられる構成としてもよい。
【0140】
噴流発生装置350は、筐体341の内面の各箇所に曲面a、b、cが設けられている。例えば、筐体の内部に角や段差がある場合、振動板303が振動することによる空気流の発生により、その角や段差で渦が発生しやすくなり、これが騒音の原因の1つとなる。しかし、本実施の形態のように筐体341の内面に曲面a、b、c、が設けられていることにより、振動板の振動により発生する空気流がスムーズに流れ、騒音を低減することができる。
【0141】
本実施の形態では、少なくとも開口341bを有する前面341a(ノズル体342が装着される面)と、筐体341の底面341cとの間に、曲面aが設けられていることが好ましい。すなわち、ノズル体342がある付近に曲面aが設けられていることにより、ノズル体342の各流路342a等を介して空気が筐体341内から筐体341外へスムーズに流れるようになる。
【0142】
また、この例では底面341cにアクチュエータ5が装着されているが、底面341cからアクチュエータ5のヨーク8の側周面につながるような曲面bも設けられている。このように曲面bが設けられることで、気流がスムーズになる上、この曲面bは、ヨーク8が装着されるためのボス部として機能を有する。つまり、ボス部がその表面に曲面bを有する。このようにボス部が設けられることにより、噴流発生装置350の製造時において、アクチュエータ5の位置決めが容易になる。
【0143】
なお、これらの曲面a、b、cは、振動板303の面に平行な平面で見て、周状に連続して設けられていることが好ましい。しかし、必ずしもそうでなくてもよく、曲面が当該平面で見て不連続に設けられていてもよい。
【0144】
図66は、さらに別の実施の形態に係る噴流発生装置を示す断面図である。
【0145】
噴流発生装置360の筐体361には、アクチュエータ5のヨーク8を装着するための環状のボス部361dが設けられている。図65でも説明したように、このようにボス部361dが設けられることにより、噴流発生装置360の製造時において、アクチュエータ5の位置決めが容易になる。
【0146】
本実施の形態では、特に、振動板303の振動方向における筐体361の長さ(高さ)hをできるだけ小さくしようとするために、筐体361eにアクチュエータ装着用の穴361eが形成される場合に有効である。つまり、穴361eに

例えば、図68に示すように、筐体461の肉厚gが薄い場合、その穴461eの位置にアクチュエータ5が装着されたとしても、アクチュエータ5の位置決めが難しくなる。すなわち、筐体461の肉厚gが薄い場合(例えば1mm)、作業者は、その穴461eの部分にアクチュエータ5を固定しようとしても、アクチュエータ5が横方向にずれてしまい、固定することができなくなる。ヨーク8の下面8aが筐体461の下面461aより下に突出してアクチュエータ5が位置決めされる場合は、当該位置決めは困難ではないが、ヨーク8の下面8aと筐体461の下面461aとを一致させるように位置決めさせる場合は困難となる。図67のように、ボス部361dがあることによって、そのボス部361dによって、アクチュエータ5が装着される部分の肉厚が厚くなるので、アクチュエータ5の位置決めが容易になり、複数の製品で、アクチュエータ5の位置精度のバラツキを抑えることができる。
【0147】
なお、ボス部361dの形状は環状に限られず、ヨーク8の形状に合わせてボス部361dの形状も適宜設計することができる。また、ボス部361dは環状に連続に設けられていてもよいし、不連続に設けられていてもよい。
【0148】
図69は、さらに別の実施の形態に係る噴流発生装置を示す断面図である。この噴流発生装置370が備える弾性支持部材376は、部分的に肉厚が異なるように設計されている。
【0149】
例えば、図70に示すように、振動板303を振動させると、ノズル体342が設けられた前方側の振幅に比べ、その反対側の後方側の方が振幅が大きく、振動板303が所望の方向に一直線状には振動せず、振動のバタツキが発生する場合もある。このような状態では、振幅の大きい側で振動板303が筐体461の内面等に接触し、所望の振幅を取ることができない。また、このバタツキは、噴流発生装置470の作り方や構造によるが、ランダムに全方向に出ず、ある部分だけに発生する場合がある。図70のように、後方のみの振幅が大きい場合などである。
【0150】
かかる問題を解決するために、図69では、弾性支持部材376の弾性力を部分的に異なるように設計されている。例えば図70のようなバタツキが発生する場合、そのバタツキが吸収されるように、弾性支持部材376の後方の部分376bの肉厚eが、前方の部分376aの肉厚fより厚く設計されればよい。
【0151】
図70では、振動板303の振幅が後方で大きくなる例を示したが、噴流発生装置470の個体差により、バタツキ方は様々である。したがって、図69のように後方の肉厚を厚くする形態に限られず、「バタツキを吸収するように適宜肉厚を設計する」というのが本実施の形態の趣旨である。また、1つの弾性支持部材376で肉厚が2つの値(e及びf)があったが、3つ以上あってもかまわない。
【図面の簡単な説明】
【0152】
【図1】本発明の一実施の形態に係る噴流発生装置を示す斜視図である。
【図2】図1に示す噴流発生装置の断面図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係る振動体を示す斜視図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係るアクチュエータ5を示す拡大断面図である。
【図5】図4に示したアクチュエータにより発生する磁界の様子を示す図である。
【図6】他の実施の形態に係る振動体を示す斜視図である。
【図7】さらに別の実施の形態に係る振動体を示す斜視図である。
【図8】さらに別の実施の形態に係る振動体を示す斜視図である。
【図9】さらに別の実施の形態に係る振動板を示す平面図である。
【図10】他の実施の形態に係る振動装置を示す断面図である。
【図11】図10に示す振動装置の斜視図である。
【図12】さらに別の実施の形態に係る振動装置を示す断面図である。
【図13】さらに別の実施の形態に係る振動装置を示す断面図である。
【図14】さらに別の実施の形態に係る振動装置を示す断面図である。
【図15】さらに別の実施の形態に係る振動装置を示す断面図である。
【図16】さらに別の実施の形態に係る振動装置を示す断面図である。
【図17】図16におけるA−A線断面図である。
【図18】さらに別の実施の形態に係る振動装置を示す断面図である。
【図19】さらに別の実施の形態に係る振動装置を示す断面図である。
【図20】さらに別の実施の形態に係る振動装置を示す断面図である。
【図21】さらに別の実施の形態に係る振動装置を示す断面図である。
【図22】さらに別の実施の形態に係る振動装置を示す断面図である。
【図23】さらに別の実施の形態に係る振動装置を示す断面図である。
【図24】さらに別の実施の形態に係る振動装置を示す断面図である。
【図25】さらに別の実施の形態に係る振動装置を示す断面図である。
【図26】さらに別の実施の形態に係る振動装置を示す断面図である。
【図27】図2に示す振動装置等をフレームの開口端側(下部側)から見た平面図である。
【図28】さらに別の実施の形態に係る振動装置を示す断面図である。
【図29】図28に示すアクチュエータのマグネット及びヨークで発生する磁力線の様子を示す。
【図30】さらに別の実施の形態に係る振動装置を示す断面図である。
【図31】さらに別の実施の形態に係る振動装置を示す断面図である。
【図32】さらに別の実施の形態に係る振動装置を備えた噴流発生装置を示す断面図である。
【図33】図32に示す噴流発生装置の変形例を示す断面図である。
【図34】さらに別の実施の形態に係る振動装置を示す断面図である。
【図35】図34におけるB−B線断面図である。
【図36】さらに別の実施の形態に係る振動装置を示す断面図である。
【図37】図36に示す振動体の平面図である。
【図38】さらに別の実施の形態に係る振動装置(屈曲した給電線が配線された振動装置)を示す断面図である。
【図39】曲げ半径が小さい給電線が配線された振動装置を示す断面図である。
【図40】縒りがかけられた給電線を示す拡大図である。
【図41】給電線の曲げ部分を示す拡大図である。
【図42】他の実施の形態に係る噴流発生装置を示す断面図である。
【図43】さらに別の実施の形態に係る噴流発生装置を示す断面図である。
【図44】さらに別の実施の形態に係る噴流発生装置を示す断面図である。
【図45】さらに別の実施の形態に係る噴流発生装置を示す断面図である。
【図46】さらに別の実施の形態に係る噴流発生装置を示す断面図である。
【図47】さらに別の実施の形態に係る噴流発生装置を示す断面図である。
【図48】給電線の断面が円形状の場合の気流を示す図である。
【図49】給電線の断面が扁平形状の場合の気流を示す図である。
【図50】さらに別の実施の形態に係る噴流発生装置を示す断面図である。
【図51】さらに別の実施の形態に係る噴流発生装置を示す断面図である。
【図52】さらに別の実施の形態に係る噴流発生装置を示す断面図である。
【図53】さらに別の実施の形態に係る噴流発生装置を示す断面図である。
【図54】本発明の一実施の形態に係る電子機器の一部を示す断面図である。
【図55】図1に示した噴流発生装置を、ラップトップ型のPCに搭載したときの一部を破断した斜視図である。
【図56】噴流発生装置からの空気が当てられるヒートシンクを示す斜視図である。
【図57】噴流発生装置及びヒートシンクの組み合わせを示す斜視図である。
【図58】噴流発生装置及びヒートシンクの組み合わせの他の形態を示す斜視図である。
【図59】ヒートシンク及び噴流発生装置のさらに別の形態を示す斜視図である。
【図60】噴流発生装置を電子機器の筐体に搭載したときの気流を示す図である。
【図61】気流の他の形態を示す図である。
【図62】図58に示した2連の噴流発生装置及びヒートシンクがPCに搭載された形態を示す当該PCの一部破断斜視図である。
【図63】噴流発生装置がディスプレイ機器に搭載された形態を示す当該ディスプレイ機器の一部破断斜視図である。
【図64】噴流発生装置がプロジェクタに搭載された形態を示す当該プロジェクタの一部破断斜視図である。
【図65】さらに別の実施の形態に係る噴流発生装置を示す断面図である。
【図66】ノズル体を示す斜視図である。
【図67】さらに別の実施の形態に係る噴流発生装置を示す断面図である。
【図68】筐体の肉厚が薄い場合、アクチュエータの位置決めが難しくなる例を示す図である。
【図69】さらに別の実施の形態に係る噴流発生装置を示す断面図である。
【図70】振動板の振動にバタツキが発生する例を示す図である。
【符号の説明】
【0153】
R…振動方向
1、131…筐体
3、13…振動体
3a…振動板
3b、13b…側板
3a−1…表面
3a−2…裏面
3b−1…穴
4、44…フレーム
4a…流通口
5、191…アクチュエータ
6、56…弾性支持部材
8、18…ヨーク
9、37…コイルボビン
10、130…噴流発生装置
12a、12b…開口
12a、12b…ノズル
12b…ノズル
13…振動体
14…マグネット
15、25…振動装置
16…給電線
17…コイル
17…コイルボビン
21…端子台
23e…リブ
24…フレーム
24a…流通口
52…隙間
53c、143c…突出部
84、97…ヒートシンク
250、300…電子機器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体に含まれた気体を、前記筐体が有する開口を介して脈流として吐出させるために前記気体を振動させる振動装置であって、
フレームと、
振動方向にほぼ垂直な面を有する振動板を有し、振動可能に前記フレームに支持された振動体と、
前記振動体を駆動する駆動部と
を具備することを特徴とする振動装置。
【請求項2】
請求項1に記載の振動装置であって、
前記振動体は、前記振動板に設けられた側板を有することを特徴とする振動装置。
【請求項3】
請求項1に記載の振動装置であって、
前記振動体は、前記側板に穴を有することを特徴とする振動装置。
【請求項4】
請求項1に記載の振動装置であって、
前記振動体は、前記振動板と前記側板との間に接続されるリブ部材を有することを特徴とする振動装置。
【請求項5】
請求項4に記載の振動装置であって、
前記振動体は、前記リブ部材に穴を有することを特徴とする振動装置。
【請求項6】
請求項1に記載の振動装置であって、
前記振動体は、樹脂、紙、または金属でなることを特徴とする振動装置。
【請求項7】
請求項1に記載の振動装置であって、
前記面は、円形、楕円形、多角形、または角円形でなることを特徴とする振動装置。
【請求項8】
請求項2に記載の振動装置であって、
前記側板は、前記振動板の前記振動方向の一側に立設され、
前記駆動部は、前記振動体を振動させるための前記一側に配置されたアクチュエータを有することを特徴とする振動装置。
【請求項9】
請求項1に記載の振動装置であって、
前記振動板は、該振動板の前記振動方向の一側に向けて徐々に径が広がるコーン形状でなり、
前記駆動部は、前記振動体を振動させるための前記一側に配置されたアクチュエータを有することを特徴とする振動装置。
【請求項10】
請求項9に記載の振動装置であって、
前記振動体は、前記一側とは反対側に向けて立設された側板を有することを特徴とする振動装置。
【請求項11】
請求項2に記載の振動装置であって、
前記フレームは、前記側板を摺動可能に支持することを特徴とする振動装置。
【請求項12】
請求項11に記載の振動装置であって、
前記フレームは、前記フレームと側板との間に設けられた隙間または潤滑剤により前記側板を摺動可能に支持することを特徴とする振動装置。
【請求項13】
請求項2に記載の振動装置であって、
前記振動体は、
前記フレームにより摺動可能に支持される前記振動板の周縁部と、
前記フレームにより摺動可能に支持され、前記側板から突出する突出部と
を有することを特徴とする振動装置。
【請求項14】
請求項2に記載の振動装置であって、
前記振動板の前記振動方向の一側からその反対側へ前記気体が流通しないように前記フレームと前記側板との間に配置され、前記振動体を支持する第1の弾性支持部材と、
ほぼ前記振動方向で前記第1の弾性支持部材と並ぶように前記フレームと前記側板との間に配置され、前記振動体を支持する第2の弾性支持部材と
をさらに具備することを特徴とする振動装置。
【請求項15】
請求項14に記載の振動装置であって、
前記側板は、
前記第1の弾性支持部材が接続された第1の端部と、
前記第1の端部と前記振動方向で反対側に設けられ、前記第2の弾性支持部材が接続された前記第2の端部とを有することを特徴とする振動装置。
【請求項16】
請求項14に記載の振動装置であって、
前記第2の弾性支持部材は、複数の板バネ、または複数のワイヤであることを特徴とする振動装置。
【請求項17】
請求項14に記載の振動装置であって、
前記第1及び第2の弾性支持部材は、同じ材料でなることを特徴とする振動装置。
【請求項18】
請求項1に記載の振動装置であって、
前記振動板の前記振動方向の一側からその反対側へ前記気体が流通しないように前記フレームと前記振動体との間に配置され、前記振動体を支持するベローズ状の第1の弾性支持部材をさらに具備することを特徴とする振動装置。
【請求項19】
請求項18に記載の振動装置であって、
前記振動体は、
前記振動板に設けられ、前記第1の弾性支持部材が接続された側板を有し、
当該振動装置は、
前記振動方向で前記第1の弾性支持部材と並ぶように、かつ、前記第1の弾性支持部材とは前記振動体の振動方向でほぼ対称形状となるように前記フレームと前記側板との間に配置され、前記振動体を支持するベローズ状の第2の弾性支持部材をさらに具備することを特徴とする振動装置。
【請求項20】
請求項19に記載の振動装置であって、
前記振動板は、該振動板の振動方向の一側に向かうにしたがって径が広がるコーン形状でなり、
前記駆動部は、前記振動体を振動させるための前記一側に配置されたアクチュエータを有することを特徴とする振動装置。
【請求項21】
請求項18に記載の振動装置であって、
前記第1の弾性支持部材は、
前記振動体側に配置された1つの谷部と、
前記フレーム側に配置された1つの山部とで構成され、
前記駆動部は、
前記振動体を振動させるためのアクチュエータと、
前記第1の弾性支持部材の近傍の空中を通過するように前記アクチュエータに接続された給電線と
を有することを特徴とする振動装置。
【請求項22】
請求項18に記載の振動装置であって、
前記振動板の前記面の面積は、該振動板の前記面にほぼ平行な面内の部分であって前記第1の弾性支持部材が前記フレームに接する箇所で囲まれる部分の面積の70パーセント以下であることを特徴とする振動装置。
【請求項23】
請求項1に記載の振動装置であって、
前記振動体は、
該振動板と同じ材料でなり、前記振動板の周囲であって前記フレームに装着されることで該振動板を支持する弾性支持部を有することを特徴とする振動装置。
【請求項24】
請求項1に記載の振動装置であって、
前記駆動部は、
マグネットと、
前記気体を流通させるための流通口を有し、前記振動体に装着されるとともに前記マグネットを囲うように設けられたボビンと、
前記ボビンに巻回されたコイルと
を有することを特徴とする振動装置。
【請求項25】
請求項1に記載の振動装置であって、
前記振動板は、そのほぼ中央に前記振動方向で貫通する穴部を有し、
前記駆動部は、
前記穴部に装着されたコイルと、
前記コイルに囲まれるように前記穴部付近に配置された平板状のヨークと、
前記前記ヨークを挟み込むように設けられた少なくとも2つのマグネットと
を有することを特徴とする振動装置。
【請求項26】
請求項1に記載の振動装置であって、
前記駆動部は、
前記振動体の周縁部に巻回されたコイルと、
前記振動方向で貫通し前記コイルを囲むように設けられた穴部を有する平板状のヨークと、
前記フレームの外側に設けられ、前記ヨークを挟み込むように設けられた少なくとも2つのマグネットと
を有することを特徴とする振動装置。
【請求項27】
請求項26に記載の振動装置であって、
前記振動体は、前記振動板に設けられた側板を有し、
当該振動装置は、
前記振動板の前記振動方向の一側からその反対側へ前記気体が流通しないように前記フレームと前記側板との間に配置され、前記振動体を支持する第1の弾性支持部材と、
前記振動板の振動方向で前記第1の弾性支持部材と対称形状をなす第2の弾性支持部材であって、前記ヨークが前記第1及び第2の弾性支持部材の間に配置されるように前記フレームと前記側板との間に配置され、前記振動体を支持する第2の弾性支持部材と
をさらに具備することを特徴とする振動装置。
【請求項28】
請求項1に記載の振動装置であって、
前記駆動部は、
前記振動板に装着された複数の平面コイルと、
前記平面コイルごとに対面するように前記フレームに装着された複数のマグネットと
を有することを特徴とする振動装置。
【請求項29】
請求項1に記載の振動装置であって、
前記駆動部は、残留磁束密度が0.3〜3.0Tのマグネットを有するアクチュエータを有することを特徴とする振動装置。
【請求項30】
請求項28に記載の振動装置であって、
前記マグネットは、ネオジウム磁石であることを特徴とする振動装置。
【請求項31】
請求項1に記載の振動装置であって、
前記駆動部は、
前記フレームに装着された端子台と、
マグネット及びコイルを有するアクチュエータと、
前記端子台と前記コイルとの間に接続された給電線と
を有することを特徴とする振動装置。
【請求項32】
請求項31に記載の振動装置であって、
前記給電線は、その最小曲げ半径が、当該給電線の太さのほぼ5倍でなることを特徴とする振動装置。
【請求項33】
請求項31に記載の振動装置であって、
前記給電線は、縒りがかけられていることを特徴とする振動装置。
【請求項34】
請求項31に記載の振動装置であって、
前記アクチュエータは、前記振動板の前記振動方向の一側に配置され、
前記給電線は、前記振動板の前記一側の反対側に延びていることを特徴とする振動装置。
【請求項35】
請求項34に記載の振動装置であって、
前記振動体は、前記一側に立設された側板を有することを特徴とする振動装置。
【請求項36】
請求項31に記載の振動装置であって、
前記振動体は、貫通孔を有する側板を有し、
当該振動装置は、
前記振動板の前記振動方向の一側からその反対側へ前記気体が流通しないように前記フレームと前記側板との間に配置され、前記振動体を支持する第1の弾性支持部材と、
ほぼ前記振動方向で前記第1の弾性支持部材と並ぶように前記フレームと前記側板との間に配置され、前記振動体を支持する第2の弾性支持部材とをさらに具備し、
前記給電線は、前記貫通孔に挿通されるとともに前記第1及び第2の弾性支持部材の間を通過するように配置されていることを特徴とする振動装置。
【請求項37】
請求項31に記載の振動装置であって、
前記給電線の太さは0.4mm以上であることを特徴とする振動装置。
【請求項38】
請求項31に記載の振動装置であって、
前記給電線の長手方向に垂直な断面が扁平状あることを特徴とする振動装置。
【請求項39】
請求項1に記載の振動装置であって、
前記駆動部は、
前記フレームに装着された端子台と、
マグネット及びコイルを有するアクチュエータとを有し、
前記振動体は、前記振動板に設けられた側板を有し、
当該振動装置は、
前記アクチュエータに給電可能な導電性材料でなり、前記フレームと前記側板との間に配置され、前記振動体を支持する弾性支持部材をさらに具備することを特徴とする振動装置。
【請求項40】
請求項1に記載の振動装置であって、
前記駆動部は、
マグネット及びコイルを有するアクチュエータと、
前記コイルに接続され、最小曲げ半径が当該給電線の太さのほぼ5倍でなる給電線と
を有することを特徴とする振動装置。
【請求項41】
請求項1に記載の振動装置であって、
前記フレームは、前記気体を流通させるための流通口を有することを特徴とする振動装置。
【請求項42】
請求項2に記載の振動装置であって、
前記振動体は、前記側板の前記振動方向の両端に接続された第1及び第2の振動板を有する筒状でなり、
前記駆動部は、前記振動体を振動させるためのアクチュエータを前記筒状の振動体の内部に有することを特徴とする振動装置。
【請求項43】
請求項1に記載の振動装置であって、
前記駆動部は、前記振動体を振動させるためのアクチュエータを有し、
前記振動体は、
前記アクチュエータに接続された第1の振動板と、
ほぼ前記振動方向で前記第1の振動板と配列され、前記アクチュエータの駆動により前記第1の振動板が振動するときに発生する前記気体の圧力変化により、前記第1の振動板と同期して振動する第2の振動板と
を有することを特徴とする振動装置。
【請求項44】
請求項1に記載の振動装置であって、
前記駆動部は、マグネット及びコイルを有するアクチュエータを有し、
前記フレームの少なくとも一部が、前記アクチュエータの磁気回路を構成するための磁性体でなることを特徴とする振動装置。
【請求項45】
フレームと、
振動方向にほぼ垂直な面を有する振動板を有し、振動可能に前記フレームに支持された振動体と、
開口を有し、前記フレームを支持するとともに内部に気体が含まれた筐体と、
前記振動体を駆動して前記気体に振動を与えることで、前記開口を介して前記気体を脈流として吐出させるための駆動部と
を具備することを特徴とする噴流発生装置。
【請求項46】
請求項45に記載の噴流発生装置であって、
前記振動体は、前記振動板に設けられた側板を有することを特徴とする噴流発生装置。
【請求項47】
請求項45に記載の噴流発生装置であって、
前記筐体の一部は、前記フレームで構成されることを特徴とする噴流発生装置。
【請求項48】
請求項47に記載の噴流発生装置であって、
前記フレームは金属でなることを特徴とする噴流発生装置。
【請求項49】
請求項45に記載の噴流発生装置であって、
前記筐体は、樹脂、ゴム、金属、磁性材料またはセラミックスでなることを特徴とする噴流発生装置。
【請求項50】
請求項45に記載の振動装置であって、
前記筐体は、前記振動板の前記面とほぼ平行であって、当該面と相似形の面を有することを特徴とする噴流発生装置。
【請求項51】
請求項45に記載の噴流発生装置であって、
前記駆動部は、
前記筐体に装着された端子台と、
マグネット及びコイルを有するアクチュエータと、
前記端子台と前記コイルとの間に接続された給電線と
を有することを特徴とする噴流発生装置。
【請求項52】
請求項45に記載の噴流発生装置であって、
前記フレームは、前記開口に対面する前記気体を流通させるための流通口を有することを特徴とする噴流発生装置。
【請求項53】
請求項45に記載の噴流発生装置であって、
前記筐体は、前記開口を少なくとも2つ有するとともに、前記振動板の前記振動方向の一側とその反対側で前記各開口にそれぞれ連通するように設けられた少なくとも2つのチャンバを内部に有することを特徴とする噴流発生装置。
【請求項54】
振動方向にほぼ垂直な面を有する振動板を有する振動体と、
開口を有し、前記振動体を振動可能に支持するとともに内部に気体が含まれた筐体と、
前記振動体を駆動して前記気体に振動を与えることで、前記開口を介して前記気体を脈流として吐出させるための駆動部と
を具備することを特徴とする噴流発生装置。
【請求項55】
請求項54に記載の噴流発生装置であって、
前記振動体は、前記振動板に設けられた側板を有することを特徴とする噴流発生装置。
【請求項56】
請求項54に記載の噴流発生装置であって、
前記駆動部は、マグネット及びコイルを有するアクチュエータを有し、
前記筐体の少なくとも一部が、前記アクチュエータの磁気回路を構成するための磁性体でなることを特徴とする噴流発生装置。
【請求項57】
請求項54に記載の噴流発生装置であって、
前記筐体は、
第1の内面と、
第2の内面と、
前記第1の内面と第2の内面とをつなぐ曲面と
を有することを特徴とする噴流発生装置。
【請求項58】
請求項57に記載の噴流発生装置であって、
前記第1の内面は、前記振動体の前記面に平行な面であり、
前記第2の内面は、前記開口を有する面であることを特徴とする噴流発生装置。
【請求項59】
請求項57に記載の噴流発生装置であって、
前記駆動部は、前記振動体を振動させるためのアクチュエータを有し、
前記筐体は、
前記アクチュエータが装着されるボス部と、
前記ボス部の表面に設けられた曲面と
を有することを特徴とする噴流発生装置。
【請求項60】
請求項54に記載の噴流発生装置であって、
前記駆動部は、前記振動体を振動させるためのアクチュエータを有し、
前記筐体は、前記アクチュエータが装着されるボス部を有することを特徴とする噴流発生装置。
【請求項61】
請求項54に記載の噴流発生装置であって、
部分的に弾性力が異なり、前記筐体に装着されて前記振動体を支持する弾性支持部材をさらに具備することを特徴とする噴流発生装置。
【請求項62】
発熱体と、
フレームと、振動方向にほぼ垂直な面を有する振動板を有し、振動可能に前記フレームに支持された振動体と、開口を有し、前記フレームを支持するとともに内部に気体が含まれた第1の筐体と、前記振動体を駆動して前記気体に振動を与えることで、前記開口を介して前記発熱体に向けて前記気体を脈流として吐出させるための駆動部とを有する噴流発生装置と、
前記発熱体と前記噴流発生装置を保持可能な第2の筐体と
を具備することを特徴とする電子機器。
【請求項63】
請求項62に記載の電子機器であって、
前記振動体は、前記振動板に設けられた側板を有することを特徴とする電子機器。
【請求項64】
請求項58に記載の電子機器であって、
前記第2の筐体の一部は、前記第1の筐体の一部で構成されることを特徴とする電子機器。
【請求項65】
請求項62に記載の電子機器であって、
前記第2の筐体は、前記開口を介して前記気体が吐出されるときに、外部の気体を導入する導入口を有することを特徴とする電子機器。
【請求項66】
請求項65に記載の電子機器であって、
前記第2の筐体は、
前記第1の筐体が載置され、前記開口付近に前記導入口が配置される底部を有することを特徴とする電子機器。
【請求項67】
請求項66に記載の電子機器であって、
前記第2の筐体の外部であって前記底部に設けられたスペーサをさらに具備することを特徴とする電子機器。
【請求項68】
請求項65に記載の電子機器であって、
前記第2の筐体は、
前記発熱体の、前記第1の筐体の前記開口が配置される反対側に配置され、前記導入口から導入されるとともに前記開口を介して吐出された気体と合成された気体を、前記発熱体を通過させて排出する排出口を有することを特徴とする電子機器。
【請求項69】
請求項62に記載の電子機器であって、
前記噴流発生装置を複数備えることを特徴とする電子機器。
【請求項70】
請求項69に記載の電子機器であって、
前記噴流発生装置は、前記各振動板の振動方向がほぼ揃うように、かつ、該振動方向にほぼ垂直な面内で並列されていることを特徴とする電子機器。
【請求項71】
発熱体と、
振動方向にほぼ垂直な面を有する振動板を有する振動体と、開口を有し、前記振動体を振動可能に支持するとともに内部に気体が含まれた第1の筐体と、前記振動体を駆動して前記気体に振動を与えることで、前記開口を介して前記発熱体に向けて前記気体を脈流として吐出させるための駆動部とを有する噴流発生装置と、
前記発熱体と前記噴流発生装置とを保持可能な第2の筐体と
を具備することを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【図60】
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【図61】
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【図62】
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【図63】
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【図64】
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【図65】
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【図66】
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【図67】
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【図68】
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【図69】
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【図70】
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【公開番号】特開2006−320892(P2006−320892A)
【公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−113135(P2006−113135)
【出願日】平成18年4月17日(2006.4.17)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】