説明

排ガス分析計

【課題】排気管12からの排ガスを直接測定する際において、排気管12及び排ガスから光照射部5及び光検出部6等への温度影響を可及的に小さくする。
【解決手段】排気管12の径方向外方に離間して配置され、当該排気管12の開口側端部12Aに固定される内筒3と、前記内筒3の径方向外方に離間して配置され、当該内筒3に固定される外筒4と、前記外筒4に取り付けられて、前記排気管12から排出される排ガスに検査光Laを照射する光照射部5と、前記外筒4に取り付けられて、前記排ガスからの散乱光Lc及び/又は透過光Lbを検出する光検出部6と、を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排ガス分析計に関し、特に排気管から排出される排ガスをリアルタイムで直接測定する排ガス分析計に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の排ガス分析計としては、例えば特許文献1に示すように、排気管に光照射部及び光検出部を含む測定ユニットを装着固定して測定するものがある。このものは、排気管に固定されるアダプタ管(特許文献1においてサンプルガス流路を形成する管)に直接光照射部及び光検出部などが設けられている(特許文献1の図2参照)。
【0003】
しかしながら、排気管を通る排ガスや排気管の温度は通常約200℃〜400℃、あるいはこれ以上の高温となるので、上記の場合には、光照射部及び光検出部などを構成する光源(例えばLED)や光検出器(例えばフォトダイオード)等は、排気管及び排ガスからの温度影響を受け、誤動作や故障を引き起こし易くなる等の問題が生じてしまう。
【特許文献1】特開2004−264146号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで本発明は、上記問題点を一挙に解決するためになされたものであり、排気管からの排ガスを直接測定する際において、排気管及び排ガスから光照射部及び光検出部等へ与える温度影響を可及的に小さくすることをその主たる所期課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
すなわち本発明に係る排ガス分析計は、排気管の径方向外方に離間して配置され、当該排気管の開口側端部に固定される内筒と、前記内筒の径方向外方に離間して配置され、当該内筒に固定される外筒と、前記外筒に取り付けられて、前記排気管から排出される排ガスに検査光を照射する光照射部と、前記外筒に取り付けられて、前記排ガスからの散乱光及び/又は透過光を検出する光検出部と、を具備し、前記内筒の取付側端部(上流側端部)において、前記内筒と前記排気管との間が閉塞していることを特徴とする。
【0006】
このようなものであれば、光照射部及び光検出部が取り付けられている外筒と、排気管との間に内筒を設け、しかも、排気管と内筒とを離間して配置し、内筒と外筒とを離間して配置しているため、排気管及び排ガスから外筒への伝熱を小さくすることができる。したがって、排気管及び排ガスから受ける光照射部及び光検出部等への温度影響を可及的に小さくすることができる。また、外部の空気が排ガスに混ざることが無く、排ガスが希釈されて測定誤差が発生することを防止することができる。
【0007】
また、前記内筒と前記外筒との間が両端部において開口していることが特に望ましい。これならば、内筒と外筒との間に外部の空気が流入することによって、内筒から外筒への熱伝導を小さくするとともに、内筒及び外筒を冷却することができる。
【0008】
前記内筒の排ガス排出側端部(下流側端部)が、前記外筒の排ガス排出側端部(下流側端部)と面一又はそれよりも前方(排ガス下流側)に延出していることが望ましい。これならば、排気管から排出された排ガスは、内筒のみに接触して、外筒に接触しないので、排ガスから外筒への伝熱を一層低減することができ、その結果、光照射部及び光検出部に与える温度影響を低減することができる。
【0009】
内筒の具体的な実施の態様としては、前記内筒が、前記外筒に取り付けられた光照射部及び光検出部に対応する部分に貫通孔を有し、その貫通孔内に光照射部の先端部と光検出部の先端部が配置されていることが望ましい。
【0010】
内筒から光照射部及び光検出部への温度影響を小さくするためには、前記光照射部の先端部及び前記光検出部の先端部が、前記貫通孔内に配置され、当該先端部と貫通孔とが耐熱部材により封止されていることが望ましい。また、これにより、内筒及び外筒の間を流れる空気が貫通孔を通って内筒内に流入することを防ぐことができる。
【0011】
さらに、排気管、排ガス及び内筒から外筒への伝熱を小さくするためには、前記光照射部が、検査光を照射する光源と、当該光源と排ガスとの間に設けられる光透過窓と、当該光透過窓の排ガス側にパージエアを供給するパージエア供給部とを備え、前記光検出部が、散乱光及び/又は透過光を検出する光検出器と、当該光検出器と排ガスとの間に設けられる光透過窓と、当該光透過窓の排ガス側にパージエアを供給するパージエア供給部と備えていることが望ましい。
【発明の効果】
【0012】
このように構成した本発明によれば、排気管からの排ガスを直接測定する際において、排気管及び排ガスから光照射部及び光検出部等への温度影響を可及的に小さくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に、本発明の一実施形態に係る排ガス分析計1について、図面を参照して説明する。なお、図1は、本実施形態に係る排ガス分析計1の模式的構成図である。図2は、排ガス分析計1の測定ユニット2の縦断面図であり、図3は、測定ユニット2のA−A線断面図であり、図4は、測定ユニット2のB−B線断面図である。
【0014】
<装置構成>
本実施形態に係る排ガス分析計1は、図1に示すように、車両10の内燃機関(エンジン)11に連結された排気管12から排出される排ガス中の、例えば粒子状物質(PM)、一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NO)、炭化水素(HC)等の含有成分を分析する車載型のものである。
【0015】
具体的に、このものは、前記排気管12の開口側端部12Aに装着される測定ユニット2と、この測定ユニット2を安定的に制御するとともにこの測定ユニット2からの測定信号を演算装置9に出力するコントローラ8と、前記測定信号を受信して、演算処理を行い、排ガス中の含有成分の濃度等の分析を行う演算装置9とを備えている。なお、コントローラ8及び演算装置9は車内に搭載されている。
【0016】
以下、測定ユニット2について、図2、図3、図4を参照して詳述する。
【0017】
測定ユニット2は、特に図2に示すように、排気管12の開口側端部12Aに固定される内筒3と、当該内筒3に固定される外筒4と、当該外筒4に取り付けられる光照射部5及び光検出部6とを備えている。
【0018】
以下、各部3〜6について説明する。
【0019】
内筒3は、両端に開口を有し、その内径が排気管12の外径よりも大きい円筒であり、排気管12の径方向外方に離間して排気管12と略同軸上に配置され、当該排気管12の開口側端部12Aに着脱自在に固定されるものである。また、内筒3は、排気管12から排出される排ガスを流通させる排ガス通路を形成するものである。
【0020】
内筒3の取付側端部3A(上流側端部(車両10の移動方向側の端部))は、内筒3と排気管12との間が閉塞するようにしている。
【0021】
具体的には、内筒3の取付側端部3Aには、排気管12の外径よりも小さい開口を形成する鍔部311を備えた弾性を有する閉塞部材31が設けられている。つまり、内筒3が排気管12に取り付けられると、閉塞部材31の鍔部311が弾性変形して、排気管12の外側周面1201に密着して、排気管12の外側周面1201と内筒3の内側周面301との間が閉塞することになる。これにより、車両10走行中であっても、外部の空気(外気)が内筒3内に流入せず、内筒3内には排ガスのみが流れるので、排ガスが外気により希釈されることがない。
【0022】
また、内筒3の側周壁には、後述する光照射部5の先端部5Aと光検出部6の先端部6Aが配置される貫通孔32が設けられている。
【0023】
さらに、内筒3は、図4に示すように、内筒3本体を排気管12に固定するための固定部34を備えている。固定部34は、耐熱材料からなる排気管押さえ341と、当該排気管押さえ341を内筒3に対して移動させる固定ボルト342とを有している。また、固定部34は、図4に示すように、円周方向に120℃間隔で3箇所設けるようにしている。また、軸方向に2列設けるようにしている。つまり、計6箇所で内筒3を排気管12に固定する構成としている。なお、図2及び図3においては、省略している。
【0024】
外筒4は、図2、図3に示すように、両端に開口を有し、その内径が内筒3の外径よりも大きい円筒であり、内筒3の径方向外方に離間して内筒3及び外筒4と略同軸上に配置され、当該内筒3に固定されるものである。また、排ガス排出側端部4Bは、内筒の排ガス排出側端部3Bと面一又はこれよりも排ガス上流側にある。これにより、外筒4の内周面401は排ガスに臨まない構造、つまり、排ガスと接触しない構造としている。
【0025】
そして、外筒4と内筒3との間が両端部において開口するようにしている。これにより、車両10が走行することにより、内筒3と外筒4との間に外気が流入して、内筒3及び外筒4を自動的に冷却することができる。
【0026】
また、外筒4は、光照射部5及び光検出部6が取り付けられる取付孔41を備えており、後述する光照射部5及び光検出部6が取り付けられる。本実施形態においては、後述するように光照射部5と第1光検出部6Aが対向する位置に取り付けられ、また第2光検出部6Bが光射出方向から所定角度傾いた位置に配置されるので、それらの位置にそれぞれ取付孔41が設けられている。
【0027】
さらに、外筒4は、外筒4本体を内筒3に固定するための固定部42を備えている。この固定部42は、前記内筒3に設けた固定部34と同様の構成であり、耐熱材料からなる内筒押さえ421と、当該内筒押さえ421を外筒4に対して移動させる固定ボルト422とを有している。なお、図3においては、省略している。
【0028】
固定部42の内筒押さえ421は、例えばPPS(ポリフェニレンサルファイド(Poly phenylene sulfide))、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン(Poly Ether Ether
Ketone))や、PTFE(四フッ化エチレン(Poly Tetra Fluoro Ethylene))等の耐熱樹脂から形成されており、内筒3から外筒4への熱伝導が小さくなるようにしている。
【0029】
このとき、内筒3の排ガス排出側端部3B(下流側端部(車両10の移動方向と反対側の端部))が、外筒4の排ガス排出側端部4Bと面一となるようにしている。つまり、外筒4が排気管12から排出される排ガスと直接接触しない構造とし、内筒3のみが排ガスと直接接触する構造としている。これにより、外筒4に排ガスが接触することによる外筒4の温度上昇を低減することができる。
【0030】
光照射部5は、外筒4に取り付けられて、前記排気管12から排出される排ガスに検査光Laを照射するものである。具体的に、光照射部5は、検査光Laを照射する光源51と、当該光源51と排ガスとの間に設けられる光透過窓52と、当該光透過窓52の排ガス側にパージエアを供給するパージエア供給部53と、それらを有するハウジング54と、を備えている。そして、ハウジング54が、外筒4の取付孔41に固定されることにより、光照射部5は、排気管12の中心軸Cに対して垂直に取り付けられて、排気管12の中心軸Cに対して垂直に検査光Laを照射する。
【0031】
光源51は、例えば発光ダイオード(LED)であり、光源ホルダ55によってハウジング54内に配置される。光透過窓52は、光源51からの光Laを平行光にして前方に導くコリメータレンズ等である。
【0032】
パージエア供給部53は、ハウジング54において、光透過窓52の前方の側壁に設けられたパージエア導入ポート531と、ハウジング54内部に形成されるパージエア通路532と、当該パージエア通路532の端部に設けられたハニカムパイプ533と、からなる。ハニカムパイプ533は、ハウジング54の先端部に設けられる。このように構成したパージエア供給部53において、ハニカムパイプ533には、排ガスが希釈されて測定結果に影響を及ぼさない範囲の流量、例えば6L/minのパージガスを流すようにしている。これにより、排ガスが光照射部5内に流入することを防ぐことができるだけでなく、パージエアによって光照射部5の温度上昇を防ぐこともできる。具体的には、約20℃程度の温度低下を実現できる。
【0033】
また、光照射部5が外筒4に取り付けられた状態において、光照射部5の先端部5Aは、外筒4の側周壁から内側(内筒3側)に突出する構造となる。また、その先端部5Aは、内筒3の貫通孔32内に配置され、光照射部5の先端面5A1が内筒3内(排ガス通路)に臨む構造となる。このような構成により、車両10が走行することにより、外気が内筒3と外筒4との間に流入して、光照射部5の先端部5Aが冷却される。
【0034】
このとき、貫通孔32と、光照射部5の先端部5Aとの間に形成される間隙を封止するために柔軟性を有する断熱部材7を設けている。この断熱部材7はシリコンから形成されており、内筒3の外側周面302に貫通孔32を囲むように固定されている。
【0035】
光検出部6は、前記外筒4に取り付けられて、前記排ガスからの散乱光Lc及び透過光Lbを検出するものであり、本実施形態では、主として透過光Lbを検出する第1光検出部6Aと、主として散乱光Lcを検出する第2光検出部6Bとを備えている。以下、特に示す場合を除いて、第1光検出部6A及び第2光検出部6Bを区別することなく説明する。
【0036】
各光検出部6A、6Bは、透過光Lb又は散乱光Lcを検出する光検出器61と、当該光検出器61と排ガスとの間に設けられる光透過窓62と、当該光透過窓62の排ガス側にパージエアを供給するパージエア供給部63と、それらを有するハウジング64と、を備えている。なお、パージエア供給部63は、前記光照射部5のパージエア供給部53と同様の構成である。
【0037】
そして、第1光検出部6Aは、そのハウジング64が、外筒4の取付孔41に固定されることにより、排気管12の中心軸Cに対して垂直に、かつ、光照射部5と直線上に対向する位置に取り付けられ、排ガスからの透過光Lbを検出する。一方、第2光検出部6Bは、そのハウジング64が、外筒4の取付孔41に取り付けられることにより、排気管12の中心軸Cに対して垂直に、かつ、検査光Laから所定角度傾いた位置(検査光Laの光路から所定角度傾いた光路上の位置)に取り付けられる。
【0038】
光検出器61は、例えばフォトダイオード(PD)であり、検出器ホルダ65によってハウジング64内に配置される。光透過窓62は、透過光Lb又は散乱光Lcを光検出器61に集光するコリメータレンズ等である。
【0039】
また、光検出部6が外筒4に取り付けられた状態において、前述した光照射部5と同様に、光検出部6の先端部6Aは、外筒4の側周壁から内側(内筒3側)に突出する構造となる。また、その先端部6Aは、内筒3の貫通孔32内に配置され、光検出部6の先端面6A1が内筒3内(排ガス通路)に臨む構造となる。このような構成により、車両10が走行することにより、外気が内筒3と外筒4との間に流入して、光検出部6の先端部6Aが冷却される。なお、貫通孔32と、光検出部6の先端部6Aとの間に形成される間隙を封止するために柔軟性を有する断熱部材7を設けているのは、前記光照射部5と同様である。
【0040】
次に、このように構成した排ガス分析計1を用いたシミュレーション結果を図5に示す。本シミュレーションにおいて、ハニカムパイプ533、633の長さを9mm、排ガス温度を400℃、車速を0km/h、固定部34、42をステンレス鋼(SUS304)とした。また、内筒3と側周壁の排ガスとの境界温度条件は、周囲温度400℃、熱伝導率h=50W/m℃とした。
【0041】
この図5から分かるように、排ガス温度が400℃の場合であっても、外筒4は約148℃〜150℃まで温度を抑えることができる(図5の横断面図(1)部分、縦断面図(4)部分)。また、光照射部5又は光検出部6は、約145℃〜148℃まで温度を抑えることができる(図5の縦断面図(1)部分〜(3)部分)。
【0042】
また、外筒4の固定部42に異なる材料を用いた場合の比較結果を以下の表に示す。このとき、固定部42にステンレス鋼(SUS304)を用いた場合の各部分の温度は、実測値であり、固定部42の内筒押さえ421にPPSを用いた場合の各部分の温度は、シミュレーション値である。また、表中の(ア)〜(オ)は、図6に示す部分である。
【0043】
【表1】

【0044】
この表から分かるように、いずれの場合にも、排気管12から受ける温度影響を抑えることができ、光照射部5及び光検出部6の温度を最高使用温度以下に低減することができることが分かる。
【0045】
<本実施形態の効果>
このように構成した本実施形態に係る排ガス分析計1によれば、光照射部5及び光検出部6が取り付けられている外筒4と、排気管12との間に内筒3を設けているので、排気管12及び排ガスから外筒4への伝熱を小さくすることができる。しかも、排気管12と内筒3とを離間して配置し、さらに内筒3と外筒4とを離間して配置しているため、排気管12からの熱を外筒4に伝わりにくくすることができる。したがって、光照射部5及び光検出部6等が、排気管12及び排ガスから受ける温度影響を可及的に小さくすることができる。
【0046】
さらに、冷却効果に関して言うと、内筒3と外筒4との間に外部からの外気が流入することによって、内筒3から外筒4への熱伝導を小さくすることができるとともに、内筒3及び外筒4を冷却することができる。同時に、外筒4から内部に突出している光照射部5のハウジング54及び光検出部6のハウジング64が、内筒3と外筒4との間に流入した外気により冷却されるので、一層の冷却効果を得ることができる。
【0047】
また、排気管12から排出された排ガスは、内筒3のみに接触して、外筒4に接触することがないので、外筒4への伝熱を一層低減することができ、その結果、光照射部5及び光検出部6に与える温度影響を低減することができる。
【0048】
さらに、内筒3の貫通孔32と光照射部5の先端部5A及び光検出部6の先端部6Aとの間が、耐熱部材7によって封止されているので、内筒3から光照射部5及び光検出部6への伝熱を抑え温度影響を小さくすることができる。
【0049】
加えて、排気管12と内筒3との間が閉塞されているので、外気が排ガスに流入することが無く、排ガスが希釈されて測定誤差が発生することを防止することができる。
【0050】
<その他の変形実施形態>
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。以下の説明において前記実施形態に対応する部材には同一の符号を付すこととする。
【0051】
例えば、前記実施形態では、車載型のものであったが、シャーシダイナモやエンジンダイナモを用いる等の場合には、定置型でも良い。
【0052】
また、外筒4の形状は、外気が内筒3との間に流入しやすい形状としても良い。例えば、外筒4の排気管12側端部の開口をその他の部分の径よりも大きく形成しても良い。
【0053】
さらに、光照射部5及び光検出部6の対(中心線Cに対して向かい合う光照射部5と光検出部6との組み合わせ)を複数設け、異なる成分を同時に測定することができようにしても良い。
【0054】
その上、パージエア供給部53、63におけるハニカムパイプ533、633は、多孔を有する多孔板であっても良い。
【0055】
加えて、内筒3の排ガス排出側端部3Bが、外筒4の排出側端部4Bよりも延出するようにしても良い。
【0056】
その他、前述した実施形態や変形実施形態の一部又は全部を適宜組み合わせてよいし、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の一実施形態に係る排ガス分析計の模式的構成図。
【図2】同実施形態おける測定ユニットの全体構成を示す縦断面図。
【図3】同実施形態における測定ユニットのA−A線断面図。
【図4】同実施形態における測定ユニットのB−B線断面図。
【図5】同実施形態におけるシミュレーション結果を示す温度分布図。
【図6】実測及びシミュレーションにおける温度測定部分を示す図。
【符号の説明】
【0058】
1 ・・・排ガス分析計
12 ・・・排気管
12A・・・開口側端部
2 ・・・測定ユニット
3 ・・・内筒
3A ・・・取付側端部
3B ・・・排ガス排出側端部
32 ・・・貫通孔
4 ・・外筒
4B ・・・排ガス排出側端部
5 ・・・光照射部
51 ・・・光源
52 ・・・光透過窓
53 ・・・パージエア供給部
5A ・・・光照射部の先端部
La ・・・検査光
Lb ・・・透過光
Lc ・・・散乱光
6 ・・・光検出部
61 ・・・光検出器
62・・・・光透過窓
63 ・・・パージエア供給部
6A ・・・前記光検出部の先端部
6A ・・・第1光検出部
6B ・・・第2光検出部
7 ・・・耐熱部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
排気管の径方向外方に離間して配置され、当該排気管の開口側端部に固定される内筒と、
前記内筒の径方向外方に離間して配置され、当該内筒に固定される外筒と、
前記外筒に取り付けられて、前記排気管から排出される排ガスに検査光を照射する光照射部と、
前記外筒に取り付けられて、前記排ガスからの散乱光及び/又は透過光を検出する光検出部と、を具備し、
前記内筒の取付側端部において、前記内筒と前記排気管との間が閉塞している排ガス分析計。
【請求項2】
前記内筒と前記外筒との間が両端部において開口していることを特徴とする請求項1記載の排ガス分析計。
【請求項3】
前記内筒の排ガス排出側端部が、前記外筒の排ガス排出側端部と面一又はそれよりも前方に延出していることを特徴とする請求項1又は2記載の排ガス分析計。
【請求項4】
前記内筒が、前記外筒に取り付けられた光照射部及び光検出部に対応する部分に貫通孔を有していることを特徴とする請求項1、2又は3記載の排ガス分析計。
【請求項5】
前記光照射部の先端部及び前記光検出部の先端部が、前記貫通孔内に配置され、当該先端部と貫通孔とが耐熱部材により封止されていることを特徴とする請求項4記載の排ガス分析計。
【請求項6】
前記光照射部が、検査光を照射する光源と、当該光源と排ガスとの間に設けられる光透過窓と、当該光透過窓の排ガス側にパージエアを供給するパージエア供給部とを備え、
前記光検出部が、散乱光及び/又は透過光を検出する光検出器と、当該光検出器と排ガスとの間に設けられる光透過窓と、当該光透過窓の排ガス側にパージエアを供給するパージエア供給部と備えている請求項1、2、3、4又は5記載の排ガス分析計。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−215840(P2008−215840A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−49640(P2007−49640)
【出願日】平成19年2月28日(2007.2.28)
【出願人】(000155023)株式会社堀場製作所 (638)
【Fターム(参考)】