説明

排気エキスパンション

【課題】 簡単な構成で、排ガスの温度変化による排気車室及び排気ダクトの熱伸縮を吸収するのみならず、排気車室と排気ダクトとの間で振動を絶縁し、ガスタービンの信頼性の向上に寄与する排気エキスパンションを提供する。
【解決手段】 ガスタービンの排気車室1と排気ダクト2との間には、これらを接続する板バネ3が設けられている。板バネ3は、排気車室1の外周面で排ガス下流側端部から更に下流側へと延びている。そして、排気ダクト2の外周面で排ガス上流側端部に全周に渡ってリング状に設けられているフランジ2aの上流側面に、板バネ3の先端部が当接し、板バネ3がタービン外周側へと反った状態となっている。この状態において、排気車室1と排気ダクト2における矢印Bで示したタービン軸方向の熱伸縮及び振動を、板バネ3の弾性変形により吸収し、また矢印Cで示したタービン半径方向の振動を、板バネ3とフランジ2aとのスライドにより吸収する構成としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスタービンの排気車室と排気ダクトを接続する排気エキスパンションに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、ガスタービンにおいては、その排気車室と排気ダクトを接続する排気エキスパンションが用いられている。このような排気エキスパンションについては、以下に示すような構成のものがある。
【0003】
例えば、ガスタービンの排気口と排気ダクトの間にフランジを介して接続され、このフランジの外周部をベローズで気密に覆うようにしたガスタービンの排気エキスパンションにおいて、ベローズで環状の空間部が形成されるように、そのベローズに外部から冷媒が供給される供給部及び冷媒を外部に放出する放出部を設けた構成のものが、特許文献1に開示されている。
【0004】
そして、これにより、ベローズ内部の環状の空間に供給される冷媒でベローズを冷却して、このベローズの経年的熱劣化を抑えるので、排ガスの気密性を長期に亘って維持し電力供給の信頼性を維持することのできるガスタービンの排気エキスパンションを得ることができるとしている。
【0005】
また、ガスタービンの排ガスを導く前部ダクトと後部ダクトとを接続してなり、両ダクトは入口側から出口側に向かってその断面を徐々に拡大すると共に、前記両ダクトの接続部は両ダクト端部外周囲に互いに対向する面を有するフレームをそれぞれ取付け、同両フレームの対向する面の間に伸縮自在な部材を取付けて構成される排ガスダクトの連結構造において、前記両フレームと同両フレームが取付けられる各ダクト外周囲との間をそれぞれ連結する支持部材と、前記両ダクトの外部にそれぞれ一端を固定し、他端で前記各フレームの先端部周囲が前記伸縮自在な部材を引っ張る方向へ傾斜するのを防止するストッパとを設けた構成のものが、特許文献2に開示されている。
【0006】
そして、このような構造により、フレームの過度の傾斜や垂れ下がりが支持部材により防止され、かつストッパによりフレームが伸縮自在の部材を引張って傾斜するのが防止され、これにより、伸縮自在の部材が損傷するのを防ぐと共に、フレーム取付部の溶接割れも防止することができるとしている。
【特許文献1】特開2000−303857号公報
【特許文献2】特開平11−350976号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述したような従来の構成では、排ガスの温度変化等による排気車室及び排気ダクトの熱伸縮を吸収或いは抑制することはできても、排気車室と排気ダクトとの間で振動を絶縁することはできなかった。
【0008】
本発明は、このような問題点に鑑み、簡単な構成で、排ガスの温度変化等による排気車室及び排気ダクトの熱伸縮を吸収するのみならず、排気車室と排気ダクトとの間で振動を絶縁し、ガスタービンの信頼性の向上に寄与する排気エキスパンションを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明では、ガスタービンの排ガスを導く排気車室と排気ダクトとを接続してなる排気エキスパンションにおいて、前記排気車室の排ガス下流側端部から更に下流側へと延びる板バネを設け、前記排気ダクトの排ガス上流側端部に設けたフランジに前記板バネが当接する排気エキスパンションであって、前記排気車室と前記排気ダクトにおける、タービン軸方向の熱伸縮及び振動を前記板バネの弾性変形により吸収し、タービン半径方向の振動を前記板バネと前記フランジとのスライドにより吸収するようにしたことを特徴とする。
【0010】
また、前記排気車室と前記板バネとの間にベローズを設け、タービン軸方向の熱伸縮及び振動をそのベローズの弾性変形により更に吸収するようにしたことを特徴とする。
【0011】
或いは、ガスタービンの排ガスを導く排気車室と排気ダクトとを接続してなる排気エキスパンションにおいて、前記排気車室の排ガス下流側端部を薄肉とし、前記排気ダクトの排ガス上流側端部に設けた円錐状部に前記排気車室の排ガス下流側端部が当接する排気エキスパンションであって、前記排気車室と前記排気ダクトにおける、タービン軸方向の熱伸縮及び振動、並びにタービン半径方向の振動を、前記排気車室の排ガス下流側端部の弾性変形、及び前記排気車室の排ガス下流側端部と前記円錐状部とのスライドにより吸収するようにしたことを特徴とする。
【0012】
或いは、ガスタービンの排ガスを導く排気車室と排気ダクトとを接続してなる排気エキスパンションにおいて、前記排気車室の排ガス下流側端部に、ベローズ及びそのベローズから更に下流側へと延びる板バネを設け、前記排気ダクトの排ガス上流側端部に設けた円錐状部に前記板バネが当接する排気エキスパンションであって、前記排気車室と前記排気ダクトにおける、タービン軸方向の熱伸縮及び振動、並びにタービン半径方向の振動を、前記ベローズ及び板バネの弾性変形、並びに前記板バネと前記円錐状部とのスライドにより吸収するようにしたことを特徴とする。
【0013】
或いは、ガスタービンの排ガスを導く排気車室と排気ダクトとを接続してなる排気エキスパンションにおいて、前記排気車室の内周面から前記排気ダクトの内周面へと流れるシールエアを設け、そのシールエアにより前記排気車室と前記排気ダクトとの間から排ガスが外部へ漏れないようシールするようにしたことを特徴とする。
【0014】
また、前記排気車室の排ガス下流側端部から更に下流側へと延びる第1のシールスリーブと、前記排気ダクトの排ガス上流側端部から更に上流側へと延びる第2のシールスリーブとを設け、前記第1,第2のシールスリーブのうち、一方の外周面と他方の内周面とを所定の間隔で対向させるようにしたことを特徴とする。
【0015】
さらに、前記第1,第2のシールスリーブのうち、一方のシールスリーブから他方のシールスリーブへと延びるブラシシールを設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、簡単な構成で、排ガスの温度変化等による排気車室及び排気ダクトの熱伸縮を吸収するのみならず、排気車室と排気ダクトとの間で振動を絶縁し、ガスタービンの信頼性の向上に寄与する排気エキスパンションを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0018】
図1は、本発明の実施例1に係る排気エキスパンションの構成を模式的に示す部分断面図であり、中心線と平行に切断した片側の外周部のみを示す(以下の実施例においても同様)。同図において、ガスタービンの排気車室1と排気ダクト2との間には、これらを接続する板バネ3が設けられている。なお、ガスタービンからの排ガスは、矢印Aで示すように、排気車室1から排気ダクト2へと流れている。
【0019】
板バネ3は、排気車室1の外周面で排ガス下流側端部から更に下流側へと延びている。そして、排気ダクト2の外周面で排ガス上流側端部に全周に渡ってリング状に設けられているフランジ2aの上流側面に、板バネ3の先端部が当接し、板バネ3がタービン外周側へと反った状態となっている。この状態において、排気車室1と排気ダクト2における矢印Bで示したタービン軸方向の熱伸縮及び振動を、板バネ3の弾性変形により吸収し、また矢印Cで示したタービン半径方向の振動を、板バネ3とフランジ2aとのスライドにより吸収する構成としている。
【0020】
なお、排気車室1の内周面で排ガス下流側端部から更に下流側へと、全周に渡って略円筒状のフロースリーブ4が延びており、これは、排ガスが排気車室1と排気ダクト2との隙間に直接流入することなく、排気車室1から排気ダクト2へとスムーズに流れるように導く働きをしている。
【0021】
図2は、排気エキスパンションを外周側より見た模式図である。板バネ3は、排気車室1の外周面に全周に渡って設けられているが、これは同図(a)に示すように、略円筒状の部材に対し下流端から上流側に向かって開けられたスリット3aを、タービン周方向に所定の間隔で配設するか、或いは同図(b)に示すように、長板状の部材3bをタービン周方向にオーバーラップさせつつ配設すると良い。この結果、排気車室1と排気ダクト2を接続した状態で、板バネ3が排気車室1の周りに放射状に延びる構造となる。
【0022】
但し、同図(b)の構成の方が同図(a)の構成よりも、排気車室1と排気ダクト2との間のシール性は良くなる。なお、同図(a),(b)の構成に限定されるものでは勿論なく、例えばこれらを組み合わせた構成としても良い。また、板バネ3の材質としては、耐熱性のあるバネ鋼やステンレス鋼等が望ましい。
【実施例2】
【0023】
図3は、本発明の実施例2に係る排気エキスパンションの構成を模式的に示す部分断面図である。本実施例では、実施例1の構成に加えて、ベローズを設けた構成としている。即ち、同図に示すように、排気車室1の外周面で排ガス下流側端部から更に下流側へと延びる略円環状のベローズ5を設け、その排ガス下流側端部に上述した板バネ3を備えた構成としている。これにより、排気車室1と排気ダクト2におけるタービン軸方向の熱伸縮及び振動を、ベローズ5の弾性変形により更に吸収するようにしている。この結果、板バネ3の撓み量が少なくて済み、その設計に余裕を持たせた構造とすることができる。
【実施例3】
【0024】
図4は、本発明の実施例3に係る排気エキスパンションの構成を模式的に示す部分断面図である。本実施例では、排気車室1の内周面で排ガス下流側端部に、下流側へ向かうにつれて排気車室1の内径が大きくなるようなテーパ部1aを設け、排気車室1の下流側端部をバネ性のある薄肉としている。そして、上記図2(a)に示したものと同様にして、排気車室1の下流端から上流側に向かって開けられたスリットを、タービン周方向に所定の間隔で配設する構成として、上記板バネと同様の機能を持たせるようにしている。
【0025】
一方、排気ダクト2の排ガス上流側端部は、上流側へ向かうにつれて排気ダクト2の径が大きくなるような、略円錐状に開いた円錐状部2bを設けた構成としている。そして、この開いた部分に排気車室1の排ガス下流側端部を差し込むようにして、排気車室1の排ガス下流側端部を円錐状部2b内周面に当接させ、排気車室1と排気ダクト2を接続している。この場合、排気車室1と排気ダクト2における矢印Bで示したタービン軸方向の熱伸縮及び振動、並びに矢印Cで示したタービン半径方向の振動を、排気車室1下流側端部の弾性変形、及び排気車室1下流側端部と排気ダクト2の上記円錐状部2b内周面とのスライドにより吸収する構成としている。
【0026】
なお、テーパ部1aの代わりに、排気車室1の外周面で排ガス下流側端部に、下流側へ向かうにつれて排気車室1の内径が小さくなるようなテーパ部を設け、排気車室1の下流側端部を薄肉とする構成としても良い。或いは、テーパ部を設ける代わりに、排気車室1の内周面又は外周面を削除して略円筒状の薄肉部分を設けるようにしても良い。その他、以上の構成に加えて、図4に示したように、排気車室1の内周面で排ガス下流側端部から更に下流側へと、全周に渡って上述した略円筒状のフロースリーブ4が延びるようにしても良い。
【実施例4】
【0027】
図5は、本発明の実施例4に係る排気エキスパンションの構成を模式的に示す部分断面図である。本実施例では、実施例2におけるべローズを設けた構成と、実施例3における円錐状部2bを設けた構成とを組み合わせたものである。即ち、同図に示すように、排気車室1には、その外周面で排ガス下流側端部から更に下流側へと延びる略円環状のベローズ5を設け、その排ガス下流側端部に上述した板バネ3を備え、一方、排気ダクト2の排ガス上流側端部は、上流側へ向かうにつれて排気ダクト2の径が大きくなるような、略円錐状に開いた円錐状部2bを設けた構成としている。そして、この開いた部分に板バネ3を差し込むようにして、板バネ3の先端部を円錐状部2b内周面に当接させ、排気車室1と排気ダクト2を接続している。
【0028】
この場合、排気車室1と排気ダクト2における矢印Bで示したタービン軸方向の熱伸縮及び振動、並びに矢印Cで示したタービン半径方向の振動を、べローズ5と板バネ3の弾性変形、及び板バネ3の先端部と排気ダクト2の上記円錐状部2b内周面とのスライドにより吸収する構成としている。その他、以上の構成に加えて、同図に示したように、排気車室1の内周面で排ガス下流側端部から更に下流側へと、全周に渡って上述した略円筒状のフロースリーブ4が延びるようにしても良い。
【実施例5】
【0029】
図6は、本発明の実施例5に係る排気エキスパンションの構成を模式的に示す部分断面図である。本実施例では、排気車室1下流側端部の周囲に、その周方向に沿って所定の間隔でエア供給管6が複数箇所設けられている。そして、このエア供給管6から排気車室1内へとシールエアを供給する構成としている。一方、エア供給管6が設けられている部分の排気車室1内側には、排気車室1の内周面との間で所定の隙間を形成する円環7が設けられている。円環7は、その排ガス上流側端部外周縁部に鍔状部7aが設けられており、これが排気車室1内周面に接続され、排気車室1と円環7との隙間の上流側端部が閉じた状態で、排気車室1に取り付けられている。
【0030】
エア供給管6から矢印Dで示すように排気車室1内へと供給されたシールエアは、排気車室1の内周面と円環7の外周面との間を通って、排気車室1及び円環7の各下流端の間から、矢印Eで示すように排ガス下流方向へと噴き出す。噴き出したシールエアは排気ダクト2へとその内周面に沿って導入される。即ち、シールエアは排気車室1の内周面から排気ダクト2の内周面へと流れる。これにより、排気車室1と排気ダクト2との間にエアカーテンが形成され、排ガスが外部へ漏れないようにシールしつつ、排気車室1と排気ダクト2とが非接触で接続される。
【0031】
ところで、シールエアの供給源としては、例えばガスタービンの圧縮機からの抽気としても良いし、別途圧縮機を設けても良い。また、シール性を確保するために、排ガスの主流よりも高速でシールエアを噴き出すようにする必要がある。一方、排気ダクトの下流側に配置され排ガスが供給される図示しない例えばボイラの効率を保つために、供給するシールエアの温度は排ガス温度と同等である方が良い。その他、排気ダクト2がその振動により、排気車室1に対して最も内側に位置したときでも、シールエアが確実に排気ダクト2へと導入される配置関係であることを要する。
【0032】
なお、円環7の排ガス下流端は、排ガス流れ方向に関して、排気車室1の排ガス下流端とほぼ同じ位置に揃えられており、これにより、ここからのシールエアが排ガス流れ方向にほぼ真っ直ぐに噴き出すので、効率良くシールすることが可能となる。また、排気ダクト2の内周面で排ガス上流側端部に、上流側へ向かうにつれて排気ダクト2の内径が大きくなるようなテーパ部2cを設け、この部分でシールエアを受け入れ可能として、シールエアが排気ダクト2へ導入されやすいようにしている。その他、以上の構成に加えて、同図に示すように、円環7の内周面で排ガス上流側端部から下流側へと、全周に渡って上述した略円筒状のフロースリーブ4が延びるようにしても良い。このことは、以下の各実施例においても同様である。
【実施例6】
【0033】
図7は、本発明の実施例6に係る排気エキスパンションの構成を模式的に示す部分断面図である。本実施例では、実施例5の構成に加えて、同図に示すように、排気車室1の排ガス下流側端部外周面から全周に渡って更に下流側へと延びる略円環状のシールスリーブ8と、排気ダクト2の排ガス上流側端部外周面から全周に渡って更に上流側へと延びる略円環状のシールスリーブ9とを設けている。
【0034】
そして、シールスリーブ8の外周面とシールスリーブ9の内周面とを所定の間隔で対向させることにより、この部分に圧力損失を生じさせ、ガスタービン内部と外部の差圧を稼ぐことで、排ガスが排気車室1と排気ダクト2との間から外部へ漏れ難くして、シールエアによるシール性を向上させる構成としている。この結果、シールエアの供給量を相対的に減らすことが可能となる。なお、シールスリーブ8,9の対向させる面は、外周面と内周面が同図と逆でも良い。また、対向する外周面と内周面との所定の間隔は、要求される差圧の値に応じて任意に決定される。
【実施例7】
【0035】
図8は、本発明の実施例7に係る排気エキスパンションの構成を模式的に示す部分断面図である。本実施例では、実施例6の構成に加えて、同図に示すように、シールスリーブ8,9間にブラシシール10を設けた構成としている。ブラシシール10は例えば金属ブラシより成り、一方のシールスリーブから他方のシールスリーブへと延びるものが全周に渡って設けられている。これにより、この部分により大きな圧力損失を生じさせ、ガスタービン内部と外部の差圧をより稼ぐことで、シールエアによるシール性を更に向上させる構成としている。なお、要求される差圧の値に応じて、ブラシシール10を排ガス流れ方向に何段設けても良い。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明の構成は、ガスタービンに限定されるものではなく、排気ダクトの接続部全般に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の実施例1に係る排気エキスパンションの構成を示す部分断面図。
【図2】実施例1の排気エキスパンションを外周側より見た模式図。
【図3】本発明の実施例2に係る排気エキスパンションの構成を示す部分断面図。
【図4】本発明の実施例3に係る排気エキスパンションの構成を示す部分断面図。
【図5】本発明の実施例4に係る排気エキスパンションの構成を示す部分断面図。
【図6】本発明の実施例5に係る排気エキスパンションの構成を示す部分断面図。
【図7】本発明の実施例6に係る排気エキスパンションの構成を示す部分断面図。
【図8】本発明の実施例7に係る排気エキスパンションの構成を示す部分断面図。
【符号の説明】
【0038】
1 排気車室
2 排気ダクト
3 板バネ
4 フロースリーブ
5 ベローズ
6 エア供給管
7 円環
8,9シールスリーブ
10 ブラシシール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスタービンの排ガスを導く排気車室と排気ダクトとを接続してなる排気エキスパンションにおいて、
前記排気車室の排ガス下流側端部から更に下流側へと延びる板バネを設け、前記排気ダクトの排ガス上流側端部に設けたフランジに前記板バネが当接する排気エキスパンションであって、
前記排気車室と前記排気ダクトにおける、タービン軸方向の熱伸縮及び振動を前記板バネの弾性変形により吸収し、タービン半径方向の振動を前記板バネと前記フランジとのスライドにより吸収するようにしたことを特徴とする排気エキスパンション。
【請求項2】
前記排気車室と前記板バネとの間にベローズを設け、タービン軸方向の熱伸縮及び振動を該ベローズの弾性変形により更に吸収するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の排気エキスパンション。
【請求項3】
ガスタービンの排ガスを導く排気車室と排気ダクトとを接続してなる排気エキスパンションにおいて、
前記排気車室の排ガス下流側端部を薄肉とし、前記排気ダクトの排ガス上流側端部に設けた円錐状部に前記排気車室の排ガス下流側端部が当接する排気エキスパンションであって、
前記排気車室と前記排気ダクトにおける、タービン軸方向の熱伸縮及び振動、並びにタービン半径方向の振動を、前記排気車室の排ガス下流側端部の弾性変形、及び前記排気車室の排ガス下流側端部と前記円錐状部とのスライドにより吸収するようにしたことを特徴とする排気エキスパンション。
【請求項4】
ガスタービンの排ガスを導く排気車室と排気ダクトとを接続してなる排気エキスパンションにおいて、
前記排気車室の排ガス下流側端部に、ベローズ及び該ベローズから更に下流側へと延びる板バネを設け、前記排気ダクトの排ガス上流側端部に設けた円錐状部に前記板バネが当接する排気エキスパンションであって、
前記排気車室と前記排気ダクトにおける、タービン軸方向の熱伸縮及び振動、並びにタービン半径方向の振動を、前記ベローズ及び板バネの弾性変形、並びに前記板バネと前記円錐状部とのスライドにより吸収するようにしたことを特徴とする排気エキスパンション。
【請求項5】
ガスタービンの排ガスを導く排気車室と排気ダクトとを接続してなる排気エキスパンションにおいて、
前記排気車室の内周面から前記排気ダクトの内周面へと流れるシールエアを設け、該シールエアにより前記排気車室と前記排気ダクトとの間から排ガスが外部へ漏れないようシールするようにしたことを特徴とする排気エキスパンション。
【請求項6】
前記排気車室の排ガス下流側端部から更に下流側へと延びる第1のシールスリーブと、前記排気ダクトの排ガス上流側端部から更に上流側へと延びる第2のシールスリーブとを設け、前記第1,第2のシールスリーブのうち、一方の外周面と他方の内周面とを所定の間隔で対向させるようにしたことを特徴とする請求項5に記載の排気エキスパンション。
【請求項7】
前記第1,第2のシールスリーブのうち、一方のシールスリーブから他方のシールスリーブへと延びるブラシシールを設けたことを特徴とする請求項6に記載の排気エキスパンション。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−104962(P2006−104962A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−289650(P2004−289650)
【出願日】平成16年10月1日(2004.10.1)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】