排気ガス流路開閉装置及び排気ガス浄化装置
【課題】バルブとガス通過口の着座面との間におけるシール性を向上させることができ、排気ガスの漏れを改善した排気ガス流路開閉装置及び排気ガス浄化装置を提供する。
【解決手段】排気ガス流路開閉装置は、機関から排出された排気ガスが流れるガス通過口10とガス通過口10の周囲に形成された着座面12とをもつ基部1と、基部1の着座面12に着座して基部1のガス通過口10を閉鎖する閉鎖位置と基部1の着座面12から離間して基部1のガス通過口10を開放する開放位置とに切替可能なバルブ2と、バルブ2を保持すると共にバルブ2を閉鎖位置または開放位置に切り替え作動させる切替作動部4とを備える。基部1の着座面12及びバルブ2のうちのいずれか一方は、バルブ2の閉鎖時にバネ性を発揮する断面形状を有するシール部材6を備えている。排気ガス浄化装置に適用できる。
【解決手段】排気ガス流路開閉装置は、機関から排出された排気ガスが流れるガス通過口10とガス通過口10の周囲に形成された着座面12とをもつ基部1と、基部1の着座面12に着座して基部1のガス通過口10を閉鎖する閉鎖位置と基部1の着座面12から離間して基部1のガス通過口10を開放する開放位置とに切替可能なバルブ2と、バルブ2を保持すると共にバルブ2を閉鎖位置または開放位置に切り替え作動させる切替作動部4とを備える。基部1の着座面12及びバルブ2のうちのいずれか一方は、バルブ2の閉鎖時にバネ性を発揮する断面形状を有するシール部材6を備えている。排気ガス浄化装置に適用できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は内燃機関等の機関の排気ガスが流れる排気ガス流路開閉装置及び排気ガス浄化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、アームの回転によりバルブプレートを開口の周縁の着座面に押しつけて流路の切り替え、あるいは開閉を行う方式のバルブ及びそれを用いた排気浄化装置が知られている(特許文献1)。このものによれば、バルブプレートのシール部を球面形状とし、アームとバルブプレートとの連結部にクリアランスを形成し、クリアランスによりバルブプレートがアームに対して自在に回動可能とされている。更に、回転軸の軸方向にアームがスライド可能なクリアランスを形成している。
【特許文献1】特開平7−224633号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら上記した従来技術によれば、クリアランスによりバルブプレートの移動許容性は確保されており、熱膨張等に対応できるものの、バルブプレートと着座面との間のシール性の向上には限界があった。この場合、バルブプレートを着座面にあてがって閉鎖させているものの、バルブプレートと着座面との間から排気ガスが漏れるおそれがある。また、バルブプレートが閉鎖するときには、バルブプレートが着座面に衝撃的に衝突するため、シール当たり面が削れ、満足できるシール性が得られないおそれがある。
【0004】
本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、バルブと着座面との間におけるシール性を向上させることができ、排気ガスの漏れを改善した排気ガス流路開閉装置及び排気ガス浄化装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1発明に係る排気ガス流路開閉装置は、排気ガスが流れるガス通過口と前記ガス通過口の周囲に形成された着座面とをもつ基部と、前記基部の前記着座面に着座して前記基部の前記ガス通過口を閉鎖する閉鎖位置と前記基部の前記着座面から離間して前記基部の前記ガス通過口を開放する開放位置とに切替可能なバルブと、前記バルブを保持すると共に前記バルブを前記閉鎖位置または前記開放位置に切り替え作動させる切替作動部とを具備する排気ガス流路開閉装置において、前記基部の前記着座面及び前記バルブのうちのいずれか一方は、前記バルブの閉鎖時にバネ性を発揮する断面形状を有するシール部材を備えていることを特徴とするものである。
【0006】
第2発明に係る排気ガス浄化装置は、排気ガスが流れる経路に配置されるケースと、前記ケース内を第1通路及び第2通路に仕切る仕切壁と、前記第2通路及び前記第1通路のうちのいずれか一方に設けられ排気ガスを浄化する触媒部を据え付ける触媒据付部とを具備する排気ガス浄化装置において、前記第2通路及び前記第1通路のうち前記触媒据付部が設けられていない他方は、請求項1〜請求項4のうちのいずれか一項に記載の排気ガス流路開閉装置のバルブの切替により閉鎖又は開放されることを特徴とするものである。
【0007】
第1発明に係る排気ガス流路開閉装置、第2発明に係る排気ガス浄化装置によれば、バルブが基部の着座面から離間して基部のガス通過口を開放する開放位置にあるときには、排気ガスはガス通過口を通して流れる。バルブが基部の着座面に着座して基部のガス通過口を閉鎖する閉鎖位置にあるときには、排気ガスがガス通過口から漏れることが抑制される。
【0008】
基部の着座面及びバルブのうちのいずれか一方は、バルブの閉鎖時にバネ性を発揮する断面形状を有するシール部材を備えている。このためバルブが基部の着座面に着座して閉鎖位置となるとき、シール部材のバネ性により、バルブと着座面との間におけるシール性が向上する。このためバルブの閉鎖時において排気ガスが漏れることが抑制される。
【0009】
更にバルブが基部の着座面に着座するとき、シール部材が衝撃緩和作用を果たすため、バルブ閉鎖時における衝撃が緩和され、シール当たり面の削れ等が抑制され、シール当たり面が長期にわたり良好に維持される。
【発明の効果】
【0010】
第1発明に係る排気ガス流路開閉装置、第2発明に係る排気ガス浄化装置によれば、バルブが基部の着座面に着座して閉鎖位置となるとき、シール部材がバネ性を発揮するため、バルブと着座面との間におけるシール性が向上する。このためバルブの閉鎖時においてガス通過口から排気ガスが漏れることが抑制される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明によれば、基部の着座面及びバルブのうちのいずれか一方は、バルブの閉鎖時にバネ性を発揮する断面形状を有するシール部材を備えている。シール部材はこれの周方向に連続するリング状であることが好ましい。シール部材の断面形状としては、特に限定されるものではなく、バルブの閉鎖時にバネ性を発揮する断面形状を有するものであれば良い。このようにシール部材の断面形状としては、たとえば、C形状、L形状、J形状、O形状、S形状、V形状、Y形状、W形状、M形状の群から選択される少なくとも1種を含む形態を採用することができる。これらの形状はクッション機能を発揮することができる。シール部材の材質としては金属が好ましいが、場合によっては耐熱ゴム、耐熱樹脂でも良い。基部の着座面及びバルブのうちのシール部材を有しない側に、バルブの位置を案内する案内機能を有する傾斜面を設けることができる。
【0012】
本発明によれば、基部のガス通過口の上流または下流に設けられた枢支部を具備する形態を採用できる。枢支部としては枢支軸を例示できる。バルブとしては、枢支部の回りを基部のガス通過口の上流または下流において旋回する構造とされていることが好ましい。また、バルブが閉鎖位置に移動するとき、バルブの一端側が基部の着座面に着座した後に、バルブの他端側が基部の着座面に着座する形態を採用することができる。この場合、バルブの周囲全域が基部の着座面に同時に着座せず、バルブの一端側が基部の着座面に着座した後に、バルブの他端側が基部の着座面に部分的に着座する。このためバルブの着座時の衝撃が緩和される。また、バルブとしては、基部のガス通過口を閉鎖可能なバルブ本体と、バルブ本体の中央域に突設された突起部とを有している形態を採用することができる。この場合、突起部と切替作動部との間には、バルブを切替作動部に対して相対変位可能とする隙間が形成されている形態を採用することができる。
【実施例】
【0013】
以下、本発明の各実施例について図面を参照しつつ具体的に説明する。図面はあくまでも概念を示すものであり、各図における上下関係は図示の形態に規定されるものではない。
【0014】
(実施例1)
図1及び図2は実施例1を示す。図1及び図2に示すように、排気ガス流路開閉装置は、内燃機関から排出された高温の排気ガスが流れる排気経路に配置されており、基部1とバルブ2と切替作動部4とを主要素として備える。基部1は、排気ガスが流れるガス通過口10と、ガス通過口10の周囲に窪み状に形成されたリング状の段部11に形成されたリング状の着座面12とをもつ。ガス通過口10の手前が上流13、ガス通過口10の向こう側が下流14とされている。バルブ2は、基部1の着座面12の後記シール部材6に着座して基部1のガス通過口10を閉鎖する閉鎖位置と、基部1の着座面12の後記シール部材6から離間して基部1のガス通過口10を開放する開放位置とに切替られる。基部1の着座面12は、ガス通過口10の中心線Aの回りを1周するように形成されており、バネ性を発揮する断面形状を有するシール部材6を備えている。シール部材6はガス通過口10の中心線Aを1周するようにリング形状をなしており、基部1の着座面12に溶接、螺子止、かしめ等の固定手段により固定されている。前記した段部11は、シール部材6の位置決め性及び保持性、バルブ2の位置決め性等を高めることができる。
【0015】
シール部材6の断面形状は図1及び図2に示すようにほぼL形状及びほぼ逆L形状とされており、衝撃を緩和させるクッション機能を有する。この場合、シール部材6によるシールポイントを確保するのに貢献できる。シール部材6は、基部1の着座面12に固定された第1リング部61と、第1リング部61から径内方向に一体的に延設された第2リング部62とを備えている。第2リング部62は、径内方向に向かうにつれてバルブ2の中央に近づくようにほぼ円錐状に角度θ1(図1参照)傾斜している。第2リング部62の先端部は、シール性を確保すべく、基部1の表面よりバルブ2側にΔa突出している。シール部材6の材質としては、バネ性、強度、耐食性が良い金属(例えばステンレス鋼等の合金)が好ましいが、場合によっては耐熱ゴム、耐熱樹脂でも良い。
【0016】
枢支部としての枢支軸7は、基部1のガス通過口10の下流14に設けられている。枢支軸7は上流13の排気ガスに対して基部1で覆われるため、ガス通過口10を流れる排気ガスが枢支軸7に触れにくくなり、枢支軸7の耐久性を向上させることができる。
【0017】
切替作動部4はアーム状をなしており、枢支軸7にこれの軸芯Pを中心として矢印R1,R2方向に旋回可能に枢支されている。従って切替作動部4は、バルブ2を保持すると共にバルブ2を閉鎖位置または開放位置に切り替え作動させるものである。
【0018】
バルブ2は、ガス通過口10を閉鎖可能なバルブ本体20と、バルブ本体20の中央域の孔21に装着された突起部としての連結ピン23とを備える。バルブ本体20の外径は、基部1のガス通過口10の内径よりも大きく設定されていると共に、シール部材6の第2リング部62の先端部の外径よりも大きく設定されている。これによりバルブ本体20はガス通過口10及びシール部材6の第2リング部62を覆うことができる。バルブ本体20は段部11に嵌り得る大きさとされている。バルブ本体20のうちガス通過口10と対面する面の周縁には、位置決め機能を有するほぼ円錐形状の傾斜面25が形成されている。傾斜面25は、バルブ本体20の径外方向に向かうつれてシール部材6に接近する傾斜とされている。
【0019】
連結ピン23は、径小部23aと径大部23bと鍔部23cとを備える。連結ピン23の径小部23aは圧入、カシメ、溶接、螺子止め等の固定手段によりバルブ本体20の孔21に固定されている。連結ピン23の径小部23aの外壁面とバルブ本体20の孔21の内壁面との間は、排気ガスの漏れが生じないように気密にシールされている。バルブ本体20の孔21には連結ピン23が挿入されている。連結ピン23を介してバルブ2は切替作動部4に保持されている。ここで図1及び図2に示すように、連結ピン23の径大部23bの外壁面と切替作動部4の取付孔40の内壁面との間には、第1隙間41が形成されている。連結ピン23の鍔部23cの端面と切替作動部4の取付孔40の周縁との間には、第2隙間42が形成されている。第1隙間41は、バルブ2を切替作動部4に対してガス通過口10の径方向(矢印M1、M2方向)に沿って相対変位可能とする。第2隙間42は、バルブ2を切替作動部4に対してガス通過口10の軸長方向(矢印N1、N2方向)に沿って相対変位可能とする。第1隙間41及び第2隙間42に相当するぶん、バルブ2が切替作動部4に対して移動することが許容されている。これによりバルブ2の姿勢を矯正できる。
【0020】
さて、図1に示すようにバルブ2が矢印R2方向に旋回して開放位置に存在するときには、ガス通過口10が開放している。この場合、内燃機関の排気ポートから排出された排気ガスは上流13からガス通過口10を通り、下流14に向けて矢印B方向に流れる。バルブ2を閉鎖させるときには、図略のアクチュエータの作動により、枢支軸7の軸芯Pを中心として切替作動部4を閉鎖方向(矢印R1方向)に旋回させる。閉鎖動作は、図1→図2(A)→図2(B)のように進行する。バルブ2が基部1の着座面12にシール部材6を介して着座するとき、弾性バネ性を有するシール部材6が衝撃緩和作用を果たすため、バルブ閉鎖時における衝撃が緩和され、シール当たり面の削れ等が抑制され、シール当たり面が長期にわたり良好に維持される。バルブ2が閉鎖位置にあるときには、ガス通過口10が閉鎖されているため、排気ガスがガス通過口10から漏れることが抑制される。
【0021】
上記したようにバルブ2が閉鎖位置に移動するとき、図1に仮想線で示すように、まず、バルブ2の一端側2a(枢支軸7に対して近い側)が基部1の着座面12にシール部材6を介して部分的に着座する。このときバルブ2の他端側2c(枢支軸7に対して遠い側)は基部1の着座面12に着座していない。その後、図2(A)に示すように、バルブ2の一端側2aが基部1の着座面12にシール部材6を介して着座しつつ、バルブ2の他端側2c(枢支軸7に対して遠い側)が基部1の着座面12にシール部材6を介して着座する。従ってシール部材6は少しずつ弾性変形量を増加させる。このようにバルブ2の周囲全域が基部1の着座面12にシール部材6を介して同時に着座せず、バルブ2の一端側2aが基部1の着座面12にシール部材6を介して着座した後に、バルブ2の他端側2cが基部1の着座面12にシール部材6を介して着座する。このためバルブ2の着座時の衝突が緩和され、衝突音の緩和、シール部材6の耐久性の向上を図り得る。
【0022】
更に、バルブ2の周囲全域が基部1の着座面12にシール部材6を介して同時に着座すると、バルブ2の位置を矯正しにくいが、バルブ2の一端側2aが基部1の着座面12にシール部材6を介して部分的に着座した後に、バルブ2の他端側2cが基部1の着座面12にシール部材6を介して着座するときには、バルブ2の位置を容易に矯正することができる。即ち、バルブ2の他端側2cが基部1の着座面12に着座しておらず、バルブ2の一端側2aが基部1の着座面12にシール部材6を介して着座しているとき、バルブ本体20の傾斜面25がシール部材6の第2リング部62に当たると、バルブ2の傾斜面25による案内作用により、バルブ本体20を径方向に変位させることができ、バルブ本体20の位置が定位置からずれているときであっても、バルブ本体20の位置決めを行うことができる。なお、図1から理解できるようにバルブ2の一端側2a(枢支軸7に対して近い側)及びバルブ2の他端側2c(枢支軸7に対して遠い側)は同じ方向(矢印R1方向)から着座面12にシール部材6を介して着座する。
【0023】
シール部材6は弾性バネ性を有すると共にリング状であるため、シール部材6とバルブ本体20との線接触性が良好に確保され、熱膨張等が発生したとしても、シール性が良好に維持される。バルブ2には傾斜面25が形成されているため、バルブ2が基部1の着座面12のシール部材6に着座するとき、バルブ2の傾斜面25がシール部材6に当たると、シール部材6の第2リング部62をこれのバネ力に抗して径内方向(矢印M1方向)に良好に弾性変形させることができる。ここで、シール部材6の第2リング部62は径内方向に角度θ1傾斜しているため、バルブ2の傾斜面25が第2リング部62に当たるとき、第2リング部62が逆方向つまり径外方向に弾性変形することが抑止されている。従って、シール部材6の第2リング部62をこれのバネ力に抗して径内方向に良好に弾性変形させることができ、シール部材6の第2リング部62によるシール性、耐久性を良好に確保することができる。
【0024】
また前述したように第1隙間41はバルブ2を切替作動部4に対してガス通過口10の径方向(矢印M1、M2方向)に相対変位可能とする。第2隙間42はバルブ2を切替作動部4に対してガス通過口10の軸長方向(矢印N1、N2方向)に相対変位可能とする。第1隙間41及び第2隙間42に相当するぶん、バルブ2の自由移動性は切替作動部4に対して許容されている。このため、熱膨張等に起因する形状変化等により、バルブ2の位置が正位置からずれているときであっても、バルブ2が着座面12のシール部材6に安定的に着座できるようにバルブ2は矢印M1,M2方向及び矢印N1,N2方向において任意に移動することができる。このようにバルブ2の姿勢が定位置でないときであっても、バルブ2の姿勢を矯正することができ、バルブ2を着座面12のシール部材6に安定的に着座させることができるため、シール部材6によるシール性を更に高めることができる。
【0025】
図2(A)では、アーム状の切替作動部4の部位4a(枢支軸7に対して近い側)はバルブ本体20に接触してこれを加圧するが、切替作動部4の部位4b(枢支軸7に対して遠い側)はバルブ本体20に非接触である。これに対してバルブ2の閉鎖が完了した状態を示す図2(B)では、アーム状の切替作動部4の部位4a(枢支軸7に対して近い側),部位4b(枢支軸7に対して遠い側)は共にバルブ本体20を加圧するため、枢支軸7に対して近い側においても遠い側においても、バルブ2がシール部材6を加圧することができ、加圧力のバラツキが低減され、シール部材6によるシール性の均一性は高められる。
【0026】
なお、材料は、一般的には、引張力が作用する環境よりも、圧縮力が作用する環境で使用する方が耐久性が得られる。バルブ2からシール部材6に加圧力が作用するとき、シール部材6のうち円錐状に角度θ1傾斜している第2リング部62は径内方向(矢印M1方向)に向かうように変形する。この変形は第2リング部62が縮径する方向であり、第2リング部62にこれの周方向に圧縮力が作用する方向である。故に第2リング部62の耐久性を確保することができる。
【0027】
また、バルブ本体20の外周には、位置決め機能を有する円錐面状をなす傾斜案内面29が形成されている。従ってバルブ2が閉鎖されるとき、熱膨張等の影響で、バルブ2が定位置から微小量ずれているときであっても、バルブ本体20の傾斜案内面29が基部1の段部11の角部11cに当たると、傾斜案内面29による案内作用により、バルブ本体20を径内方向に移動させることができ、この意味においてもバルブ2の位置決め機能を有しており、シール性の確保に貢献できる。またバルブ2の傾斜面25は中心線Aの回りを1周する円錐面状とされているため、バルブ2の閉鎖時において上流13のガス圧がバルブ2に作用しても、バルブ2の位置決め性は確保される。
【0028】
(実施例2)
図3(A)(B)及び図4(A)(B)は実施例2を示す。実施例2は実施例1と基本的には同様の構成、作用効果を有する。共通する機能を奏する部位には共通の符号を付する。以下、相違する部分を中心として説明する。図3(A)(B)及び図4(A)(B)に示すように、排気ガス流路開閉装置は、基部1とバルブ2と切替作動部4とを主要素として備える。基部1は、ガス通過口10と、ガス通過口10の周囲に窪み状に形成されたリング状の段部11に形成されたリング状の着座面12とをもつ。着座面12は、窪みが深くなるにつれて、つまりバルブ2に近づくにつれて径外方向に傾斜する円錐形状の案内面12cを有する。
【0029】
図3に示すように、バルブ2は、基部1のガス通過口10の内径よりも大きな外径を備えガス通過口10を閉鎖可能なバルブ本体20と、バルブ本体20の中央域の孔21に装着された突起部としての連結ピン23とを備える。連結ピン23の径小部23aは圧入、カシメ、溶接、螺子止め等の固定手段によりバルブ本体20に固定されている。よって連結ピン23の径小部23aの外壁面とバルブ本体20の孔21の内壁面との間は、排気ガスの漏れが生じないように気密にシールされている。実施例1と同様に、第1隙間41及び第2隙間42に相当するぶん、バルブ2の自由移動性は切替作動部4に対して許容されている。
【0030】
図3(A)(B)及び図4(A)(B)に示すように、バルブ2のバルブ本体20のうちガス通過口10に対面する側には、円板形状のバネホルダ部26が保持されている。シール部材6は基部1の着座面12ではなく、バネホルダ部26を介して溶接、螺子止、かしめ等の固定手段によりバルブ2に搭載されている。シール部材6はガス通過口10の中心線Aを1周するようにリング形状をなしている。シール部材6はバルブ2の閉鎖時にバネ性を発揮する断面形状とされている。即ち、シール部材6は、ガス通過口10の中心線Aに対面する開口6xを形成するC形状及び逆C形状をなしており、クッション機能を有する。シール部材6は、シール性を確保すべく、ガス通過口10に向けてバルブ2よりΔa突出している。
【0031】
バルブ2を閉鎖させるときには、図略のアクチュエータの作動により、枢支軸7の軸芯Pを中心として切替作動部4を閉鎖方向(矢印R1方向)に旋回させる。閉鎖動作は、図3(A)→図3(B)→図4(A)→図4(B)のように進行する。
【0032】
このようにバルブ2が閉鎖位置に移動するとき、図3(A)に示すように、まずバルブ2の一端側2a(枢支軸7に対して近い側)のシール部材6が基部1の着座面12に部分的に着座する。その後、図3(B)に示すように、バルブ2の他端側2c(枢支軸7に対して遠い側)のシール部材6が基部1の着座面12に着座する。このためバルブ2の着座時の衝突が緩和され、衝突音の緩和、シール部材6の耐久性の向上を図り得る。
【0033】
バルブ2が基部1の着座面12にシール部材6を介して着座するとき、着座面12には円錐面状の案内面12cが形成されている。このため熱膨張等によりバルブ2の位置が定位置からずれている場合であっても、バルブ2のシール部材6が案内面12cに当たると、シール部材6をガス通過口10の中心線Aに向けて変位させてシール部材6の位置を矯正できる利点を期待できる。ひいては、シール部材6を搭載するバルブ2をガス通過口10の中心線Aに向けて変位させて、バルブ2の位置を矯正できる利点を期待でき、シール性を確保することができる。
【0034】
バルブ2の閉鎖時に、ガス通過口10からの排気ガスの流れが止められるため、ガス通過口10の上流13の内圧が増加することがある。この場合、シール部材6はガス通過口10の中心線Aに対面する開口を形成するC形状及び逆C形状をなしているため、上流13の内圧はシール部材6を形成する壁部を拡開させる方向(矢印E1方向)に作用する。このため、バルブ2の閉鎖時において、シール部材6と着座面12との密接力を高めることができる。ひいては、シール部材6と着座面12との間のシール性を高めることができる。
【0035】
なお図4(A)によれば、アーム状の切替作動部4の部位4a(枢支軸7に対して近い側)はバルブ本体20に接触して加圧するものの、切替作動部4の部位4b(枢支軸7に対して遠い側)はバルブ本体20に非接触である。これに対してバルブ2の閉鎖が完了した状態を示す図5(B)によれば、アーム状の切替作動部4の部位4a(枢支軸7に対して近い側),部位4b(枢支軸7に対して遠い側)の双方は共に、バルブ本体20を加圧するため、バルブ2の加圧のバラツキが低減され、シール部材6によるシール性の均一性は高められる。
【0036】
(実施例3)
図5(A)(B)は実施例3を示す。実施例3は実施例1と基本的には同様の構成、作用効果を有する。共通する機能を奏する部位には共通の符号を付する。以下、相違する部分を中心として説明する。図5(A)(B)に示すように、排気ガス流路開閉装置は、基部1とバルブ2と切替作動部4とを主要素として備える。基部1は、ガス通過口10と、ガス通過口10の周囲に窪み状に形成されたリング状の着座面12とをもつ。着座面12は、窪みが深くなるにつれて、つまりバルブ2から離れるにつれて径内方向に傾斜する円錐形状とされており、バルブ2を求心方向(矢印M1方向)に位置を調整できる機能を有する。
【0037】
図5(A)(B)に示すように、バルブ2は、基部1のガス通過口10の内径よりも若干小さな外径を備えガス通過口10を閉鎖可能なバルブ本体20と、バルブ本体20の中央域の孔21に装着された連結ピン23とを備える。連結ピン23の径小部23aは圧入、カシメ、溶接、螺子止め等の固定手段によりバルブ本体20に固定されている。
【0038】
図5(A)(B)に示すように、バルブ2のうちガス通過口10に対面する側には、段状のバネホルダ部26がリング状に形成されている。シール部材6は基部1の着座面12ではなく、バルブ2のバネホルダ部26に溶接、螺子止、かしめ等の固定手段により搭載されている。シール部材6はバルブ2の閉鎖時にバネ性を発揮する。シール部材6は、ガス通過口10の中心線Aと反対側に開口6xを形成するJ形状及び逆J形状、あるいは、疑似J形状及び疑似逆J形状の断面形状をなしており、クッション機能を有する。シール部材6は、シール性を確保すべく、ガス通過口10に向けてバルブ2よりΔa突出している。
【0039】
バルブ2を閉鎖させるときには、図略のアクチュエータの作動により、枢支軸7の軸芯Pを中心として切替作動部4を閉鎖方向(矢印R1方向)に旋回させる。閉鎖動作は図5(A)→図5(B)のように進行する。
【0040】
このようにバルブ2が閉鎖位置に移動するとき、図5(A)に示すように、バルブ2の一端側2a(枢支軸7に対して近い側)のシール部材6が基部1の着座面12に部分的に着座する。その後、図5(B)に示すように、バルブ2の他端側2c(枢支軸7に対して遠い側)のシール部材6が基部1の着座面12に着座する。この場合、バルブ2のシール部材6の周囲全域が基部1の着座面12に同時に着座せず、バルブ2の一端側2aのシール部材6の部位が基部1の着座面12に部分的に着座した後に、バルブ2の他端側2cのシール部材6の部位が基部1の着座面12に着座する。このためバルブ2がシール部材6を介して着座面12に着座するときの衝突が緩和され、衝突音の緩和、シール部材6の耐久性の向上を図り得る。更に着座面12は円錐形状に傾斜しているため、バルブ2の一端側2aが着座面12に着座するとき、シール部材6による加圧力をF1とすると、径方向に向かう分力F2を発生させることができ、分力F2によりシール部材6ひいてはバルブ2を径内方向に移動させて安定的に着座できる位置とすることができる。即ち、着座面12にシール部材6が当たると、着座面12の案内作用により、シール部材6を搭載するバルブ2をガス通過口10の中心線Aに向けて変位させてバルブ2の位置を矯正できる利点を期待できる。
【0041】
(実施例4)
図6及び図7は実施例4を示す。実施例4は実施例1と基本的には同様の構成、作用効果を有する。但し、上下関係は実施例1と逆の関係で図示されている。共通する機能を奏する部位には共通の符号を付する。図6及び図7に示すように、基部1は、ガス通過口10と、ガス通過口10の周囲に形成されたリング状の着座面12とをもつ。基部1の着座面12は、ガス通過口10の中心線Aの回りを1周するように形成されており、バルブ2の閉鎖時にバネ性を発揮する断面形状を有するシール部材6を備えている。シール部材6はガス通過口10の中心線Aを1周するようにリング形状をなしており、クッション機能を有しており、基部1の着座面12に溶接、螺子止、かしめ等の固定手段により固定されている。
【0042】
図6に示すように、バルブ2は、基部1のガス通過口10の内径よりも大きな外径を備えると共にガス通過口10を閉鎖可能なバルブ本体20と、バルブ本体20の中央域の孔21に装着された連結ピン23とを備える。バルブ本体20の周縁には、位置決め機能を有するほぼ円錐形状の傾斜面25が形成されている。傾斜面25は、バルブ本体20の径外方向に向かうにつれてシール部材6に接近するような傾斜とされている。連結ピン23は、径小部23aと径大部23bと鍔部23cとを備える。連結ピン23の径小部23aは圧入、カシメ、溶接、螺子止め等の固定手段によりバルブ本体20に固定されている。よって実施例1と同様に、連結ピン23の径小部23aの外壁面とバルブ本体20の孔21の内壁面との間は、排気ガスの漏れが生じないように気密にシールされている。連結ピン23の径大部23bの外壁面と切替作動部4の取付孔40の内壁面との間には、第1隙間41が形成されている。連結ピン23の鍔部23cの端面と切替作動部4の取付孔40の周縁との間には、第2隙間42が形成されている。第1隙間41はバルブ2を切替作動部4に対して矢印M1、M2方向に相対変位可能とする。第2隙間42はバルブ2を切替作動部4に対して矢印N1、N2方向に相対変位可能とする。第1隙間41及び第2隙間42に相当するぶん、バルブ2の移動性は切替作動部4に対して許容されている。これによりバルブ2の姿勢を矯正できる。
【0043】
また図6及び図7から理解できるように、第1隙間41はバルブ2を切替作動部4に対して矢印M1、M2方向に相対変位可能とする。第2隙間42はバルブ2を切替作動部4に対して矢印N1、N2方向に相対変位可能とする。第1隙間41及び第2隙間42に相当するぶん、バルブ2の自由移動性は切替作動部4に対して許容されている。このため、熱膨張等によりバルブ2の位置が正位置からずれているときであっても、バルブ2が基部1の着座面12のシール部材6に着座するときバルブ2の傾斜面25がシール部材6に当たるため、バルブ2はガス通過口10の径方向(矢印M1,M2方向)及びガス通過口10の軸長方向(矢印N1,N2方向)に任意に移動することができ、バルブ2が着座面12に設けられているシール部材6に安定的に着座できる。このようにバルブ2の位置を矯正し、バルブ2を安定的に着座させることができ、シール部材6によるシール性を更に高めることができる。前述したようにバルブ2は旋回して開閉される。バルブ2の閉鎖時に、上流13からガス通過口10を矢印B方向に通る排気ガスの流れが止められるため、ガス通過口10の上流13の内圧が増加することがある。この場合、シール部材6はガス通過口10の中心線Aに対面する開口6xを形成するC形状及び逆C形状の断面形状をなしているため、上流13の内圧はシール部材6の壁部を拡開させる方向(図6に示す矢印E1方向)に作用する。このため、バルブ2の閉鎖時において、シール部材6と着座面12との密接力を高めることができ、ひいては、シール部材6と着座面12との間のシール性を高めることができる。
【0044】
(実施例5)
図8及び図9は実施例5を示す。実施例5は実施例1と基本的には同様の構成、作用効果を有する。共通する機能を奏する部位には共通の符号を付する。図8及び図9に示すように、排気ガス流路開閉装置は、基部1とバルブ2と切替作動部4とを主要素として備える。シール部材6は、基部1の着座面12ではなく、バルブ2のうちガス通過口10に対面する側に、溶接、螺子止、かしめ等の固定手段により搭載されている。シール部材6は、ガス通過口10の中心線Aに対面する開口6xを形成するC形状及び逆C形状の断面形状をなしている。シール部材6は、シール性を確保すべく、ガス通過口10に向けてバルブ2よりΔa突出している。バルブ2を閉鎖させるときには、バルブ2のシール部材6が基部1の着座面12に着座する。バルブ2の閉鎖時に、ガス通過口10からの排気ガスの流れが止められるため、ガス通過口10の上流13の内圧が増加することがある。この場合、シール部材6の断面形状は、ガス通過口10の中心線Aに対面する開口6xを形成するC形状及び逆C形状をなす。このため、バルブ2の閉鎖時において、上流13の内圧はシール部材6を形成する壁部を拡開させる方向に作用する。このため、シール部材6と着座面12との密接力を高めることができ、ひいてはシール部材6と着座面12との間のシール性を高めることができる。
【0045】
(実施例6)
図10及び図11は実施例6を示す。実施例6は実施例1と基本的には同様の構成、作用効果を有する。共通する機能を奏する部位には共通の符号を付する。図10及び図11に示すように、排気ガス流路開閉装置は、基部1とバルブ2と切替作動部4とを主要素として備える。基部1は、ガス通過口10と、ガス通過口10を区画する円錐面状に傾斜したリング状の着座面12とをもつ。着座面12は、窪みが深くなるにつれて、つまりバルブ2から離れるにつれて径内方向に傾斜する円錐形状とされている。着座面12は、シール部材6ひいてはバルブ2を求心方向(矢印M1方向)に案内する機能を有する。バルブ2のうちガス通過口10に対面する側には、シール部材6が配置されている。シール部材6は基部1の着座面12ではなく、バルブ2に溶接、螺子止、かしめ等の固定手段により搭載されている。シール部材6は、断面において少なくともJ形状及び逆J形状をなす部分6mを有する。このシール部材6は、ガス通過口10の中心線Aと反対側に開口6xを形成する。シール部材6はシール性を確保すべくガス通過口10に向けてバルブ2よりΔa突出している。バルブ2が閉鎖位置に移動するとき、バルブ2のシール部材6が基部1の着座面12に着座する。図11に示すように、着座面12は円錐面状の傾斜面とされているため、着座面12にシール部材6が当たるとき、J形状及び逆J形状をなす部分6mをこれの縮径方向に弾性変形させることができる。更に、着座面12は円錐面状の傾斜面とされて案内機能を有するため、バルブ2の位置をガス通過口10の中心線Aに向けて矯正できる利点を期待できる。
【0046】
(適用例)
図12は適用例を示す。この適用例は、機関としての車両用の内燃機関100の排気ポートに連通する排気ガス浄化装置に適用したものである。この適用例では、前記した各実施例をそれぞれ適用することができる。排気ガス浄化装置は、金属製のケース200と、ケース200内を第1通路(内通路)201及び第2通路202(外通路)に仕切る筒形状の金属製の仕切壁203と、第2通路202に設けられ触媒部204を据え付ける触媒据付部205とを備える。第1通路201は、触媒部204が据え付けられていないため、触媒据付部205を有しない。第2通路202は第1通路201の周囲に周方向に連通するように形成されている。
【0047】
ケース200にフランジ状の基部1が保持されている。図12に示すように、基部1は、第2通路202(外通路)に連通する貫通孔1kと、枢支軸7を覆う覆い部1wとをもつ。基部1の近傍には、覆い部1wに遮蔽されるように枢支軸7が設けられている。枢支軸7はケース200内において基部1よりも下流に位置する。上記した構造であるため、枢支軸7と排気ガスとの接触頻度は低くされ、枢支軸7の耐久性が確保されている。枢支軸7には、アーム状の切替作動部4が閉鎖方向(矢印R1方向,上向き)及び開放方向(矢印R2方向,下向き)に旋回可能に枢支されている。切替作動部4にはバルブ2が搭載されている。枢支軸7よりもバルブ2は下方に位置する。切替作動部4の作動により、バルブ2は、触媒部204を有しない第1通路201の後端開口201rを開閉可能に閉鎖する蓋として機能する。図12では着座面12とバルブ2との間のシール部材6は設けられているが、図略されている。
【0048】
内燃機関100の暖気運転時等のように起動時には、内燃機関から排出される高温の排気ガスに含まれている環境負荷物質の濃度が高い。そこで、内燃機関の起動時には、図略のアクチュエータによりバルブ2を上方向(矢印R1方向)に旋回させて閉鎖する。このため排気ガスは第2通路202の触媒部204に流れて触媒部204で浄化される。これに対して内燃機関100の起動時を経過した常用領域では、内燃機関100の排気ポートから排出される排気ガスに含まれる環境負荷物質の濃度が低下する、更に単位時間当たりの排気ガスの流量も増加する。このため図略のアクチュエータによりバルブ2を下方向(矢印R2方向)に旋回させて開放させる(図12において仮想線で示すバルブ2の開放位置)。これにより排気ガスは主に第1通路201に流れて触媒部204の劣化を抑制できると共に、図略の下流側通路の触媒部にも流れるため、圧損を抑えつつ浄化させることができる。なお、触媒部204は第2通路202に代えて、第1通路201に設けられていても良い。内燃機関100はガソリンエンジンでも、ディーゼルエンジンでも良く、要するに排気ガスを排出させるものであれば良い。
【0049】
(他の例)
上記した実施例1では、バルブ2の一端側2a(枢支軸7に対して近い側)が基部1の着座面12にシール部材6を介して部分的に着座した後に、バルブ2の他端側2c(枢支軸7に対して遠い側)は基部1の着座面12にシール部材6を介して着座する。これに限らず、バルブ2の周囲全域が基部1の着座面12にシール部材6を介して同時に着座することにしても良い。その他、本発明は上記し且つ図面に示した実施例のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できるものである。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明はガソリンエンジン、ディーゼルエンジンといった内燃機関等の機関から排出される排気ガスを流す排気ガス流路開閉装置及び排気ガス浄化装置に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】実施例1に係り、バルブが開放している状態を示す排気ガス流路開閉装置の断面図である。
【図2】実施例1に係り、(A)はバルブの閉鎖が進行している状態を示す排気ガス流路開閉装置の断面図であり、(B)はバルブの閉鎖が完了した状態を示す排気ガス流路開閉装置の断面図である。
【図3】実施例2に係り、(A)はバルブの閉鎖が進行した状態を示す排気ガス流路開閉装置の断面図であり、(B)はバルブの閉鎖が更に進行した状態を示す排気ガス流路開閉装置の断面図である。
【図4】実施例2に係り、(A)はバルブの閉鎖が完了する直前の状態を示す排気ガス流路開閉装置の断面図であり、(B)はバルブの閉鎖が完了した状態を示す排気ガス流路開閉装置の断面図である。
【図5】実施例3に係り、(A)はバルブの閉鎖が完了する前の状態を示す排気ガス流路開閉装置の断面図であり、(B)はバルブの閉鎖が完了した状態を示す排気ガス流路開閉装置の断面図である。
【図6】実施例4に係り、バルブの閉鎖が完了する前の状態を示す排気ガス流路開閉装置の断面図である。
【図7】実施例4に係り、バルブの閉鎖が完了した状態を示す排気ガス流路開閉装置の断面図である。
【図8】実施例5に係り、バルブの閉鎖が完了する前の状態を示す排気ガス流路開閉装置の断面図である。
【図9】実施例5に係り、バルブの閉鎖が完了した状態を示す排気ガス流路開閉装置の断面図である。
【図10】実施例6に係り、バルブの閉鎖が完了する前の状態を示す排気ガス流路開閉装置の断面図である。
【図11】実施例6に係り、バルブの閉鎖が完了した状態を示す排気ガス流路開閉装置の断面図である。
【図12】排気ガス流路開閉装置を備えたバルブを有する排気ガス浄化装置の断面図である。
【符号の説明】
【0052】
図中、1は基部、10はガス通過口、12は着座面、2はバルブ、20はバルブ本体、4は切替作動部、41は第1隙間、42は第2隙間、6はシール部材、7は枢支軸、100は内燃機関、204は触媒部、205は触媒据付部を示す。
【技術分野】
【0001】
本発明は内燃機関等の機関の排気ガスが流れる排気ガス流路開閉装置及び排気ガス浄化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、アームの回転によりバルブプレートを開口の周縁の着座面に押しつけて流路の切り替え、あるいは開閉を行う方式のバルブ及びそれを用いた排気浄化装置が知られている(特許文献1)。このものによれば、バルブプレートのシール部を球面形状とし、アームとバルブプレートとの連結部にクリアランスを形成し、クリアランスによりバルブプレートがアームに対して自在に回動可能とされている。更に、回転軸の軸方向にアームがスライド可能なクリアランスを形成している。
【特許文献1】特開平7−224633号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら上記した従来技術によれば、クリアランスによりバルブプレートの移動許容性は確保されており、熱膨張等に対応できるものの、バルブプレートと着座面との間のシール性の向上には限界があった。この場合、バルブプレートを着座面にあてがって閉鎖させているものの、バルブプレートと着座面との間から排気ガスが漏れるおそれがある。また、バルブプレートが閉鎖するときには、バルブプレートが着座面に衝撃的に衝突するため、シール当たり面が削れ、満足できるシール性が得られないおそれがある。
【0004】
本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、バルブと着座面との間におけるシール性を向上させることができ、排気ガスの漏れを改善した排気ガス流路開閉装置及び排気ガス浄化装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1発明に係る排気ガス流路開閉装置は、排気ガスが流れるガス通過口と前記ガス通過口の周囲に形成された着座面とをもつ基部と、前記基部の前記着座面に着座して前記基部の前記ガス通過口を閉鎖する閉鎖位置と前記基部の前記着座面から離間して前記基部の前記ガス通過口を開放する開放位置とに切替可能なバルブと、前記バルブを保持すると共に前記バルブを前記閉鎖位置または前記開放位置に切り替え作動させる切替作動部とを具備する排気ガス流路開閉装置において、前記基部の前記着座面及び前記バルブのうちのいずれか一方は、前記バルブの閉鎖時にバネ性を発揮する断面形状を有するシール部材を備えていることを特徴とするものである。
【0006】
第2発明に係る排気ガス浄化装置は、排気ガスが流れる経路に配置されるケースと、前記ケース内を第1通路及び第2通路に仕切る仕切壁と、前記第2通路及び前記第1通路のうちのいずれか一方に設けられ排気ガスを浄化する触媒部を据え付ける触媒据付部とを具備する排気ガス浄化装置において、前記第2通路及び前記第1通路のうち前記触媒据付部が設けられていない他方は、請求項1〜請求項4のうちのいずれか一項に記載の排気ガス流路開閉装置のバルブの切替により閉鎖又は開放されることを特徴とするものである。
【0007】
第1発明に係る排気ガス流路開閉装置、第2発明に係る排気ガス浄化装置によれば、バルブが基部の着座面から離間して基部のガス通過口を開放する開放位置にあるときには、排気ガスはガス通過口を通して流れる。バルブが基部の着座面に着座して基部のガス通過口を閉鎖する閉鎖位置にあるときには、排気ガスがガス通過口から漏れることが抑制される。
【0008】
基部の着座面及びバルブのうちのいずれか一方は、バルブの閉鎖時にバネ性を発揮する断面形状を有するシール部材を備えている。このためバルブが基部の着座面に着座して閉鎖位置となるとき、シール部材のバネ性により、バルブと着座面との間におけるシール性が向上する。このためバルブの閉鎖時において排気ガスが漏れることが抑制される。
【0009】
更にバルブが基部の着座面に着座するとき、シール部材が衝撃緩和作用を果たすため、バルブ閉鎖時における衝撃が緩和され、シール当たり面の削れ等が抑制され、シール当たり面が長期にわたり良好に維持される。
【発明の効果】
【0010】
第1発明に係る排気ガス流路開閉装置、第2発明に係る排気ガス浄化装置によれば、バルブが基部の着座面に着座して閉鎖位置となるとき、シール部材がバネ性を発揮するため、バルブと着座面との間におけるシール性が向上する。このためバルブの閉鎖時においてガス通過口から排気ガスが漏れることが抑制される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明によれば、基部の着座面及びバルブのうちのいずれか一方は、バルブの閉鎖時にバネ性を発揮する断面形状を有するシール部材を備えている。シール部材はこれの周方向に連続するリング状であることが好ましい。シール部材の断面形状としては、特に限定されるものではなく、バルブの閉鎖時にバネ性を発揮する断面形状を有するものであれば良い。このようにシール部材の断面形状としては、たとえば、C形状、L形状、J形状、O形状、S形状、V形状、Y形状、W形状、M形状の群から選択される少なくとも1種を含む形態を採用することができる。これらの形状はクッション機能を発揮することができる。シール部材の材質としては金属が好ましいが、場合によっては耐熱ゴム、耐熱樹脂でも良い。基部の着座面及びバルブのうちのシール部材を有しない側に、バルブの位置を案内する案内機能を有する傾斜面を設けることができる。
【0012】
本発明によれば、基部のガス通過口の上流または下流に設けられた枢支部を具備する形態を採用できる。枢支部としては枢支軸を例示できる。バルブとしては、枢支部の回りを基部のガス通過口の上流または下流において旋回する構造とされていることが好ましい。また、バルブが閉鎖位置に移動するとき、バルブの一端側が基部の着座面に着座した後に、バルブの他端側が基部の着座面に着座する形態を採用することができる。この場合、バルブの周囲全域が基部の着座面に同時に着座せず、バルブの一端側が基部の着座面に着座した後に、バルブの他端側が基部の着座面に部分的に着座する。このためバルブの着座時の衝撃が緩和される。また、バルブとしては、基部のガス通過口を閉鎖可能なバルブ本体と、バルブ本体の中央域に突設された突起部とを有している形態を採用することができる。この場合、突起部と切替作動部との間には、バルブを切替作動部に対して相対変位可能とする隙間が形成されている形態を採用することができる。
【実施例】
【0013】
以下、本発明の各実施例について図面を参照しつつ具体的に説明する。図面はあくまでも概念を示すものであり、各図における上下関係は図示の形態に規定されるものではない。
【0014】
(実施例1)
図1及び図2は実施例1を示す。図1及び図2に示すように、排気ガス流路開閉装置は、内燃機関から排出された高温の排気ガスが流れる排気経路に配置されており、基部1とバルブ2と切替作動部4とを主要素として備える。基部1は、排気ガスが流れるガス通過口10と、ガス通過口10の周囲に窪み状に形成されたリング状の段部11に形成されたリング状の着座面12とをもつ。ガス通過口10の手前が上流13、ガス通過口10の向こう側が下流14とされている。バルブ2は、基部1の着座面12の後記シール部材6に着座して基部1のガス通過口10を閉鎖する閉鎖位置と、基部1の着座面12の後記シール部材6から離間して基部1のガス通過口10を開放する開放位置とに切替られる。基部1の着座面12は、ガス通過口10の中心線Aの回りを1周するように形成されており、バネ性を発揮する断面形状を有するシール部材6を備えている。シール部材6はガス通過口10の中心線Aを1周するようにリング形状をなしており、基部1の着座面12に溶接、螺子止、かしめ等の固定手段により固定されている。前記した段部11は、シール部材6の位置決め性及び保持性、バルブ2の位置決め性等を高めることができる。
【0015】
シール部材6の断面形状は図1及び図2に示すようにほぼL形状及びほぼ逆L形状とされており、衝撃を緩和させるクッション機能を有する。この場合、シール部材6によるシールポイントを確保するのに貢献できる。シール部材6は、基部1の着座面12に固定された第1リング部61と、第1リング部61から径内方向に一体的に延設された第2リング部62とを備えている。第2リング部62は、径内方向に向かうにつれてバルブ2の中央に近づくようにほぼ円錐状に角度θ1(図1参照)傾斜している。第2リング部62の先端部は、シール性を確保すべく、基部1の表面よりバルブ2側にΔa突出している。シール部材6の材質としては、バネ性、強度、耐食性が良い金属(例えばステンレス鋼等の合金)が好ましいが、場合によっては耐熱ゴム、耐熱樹脂でも良い。
【0016】
枢支部としての枢支軸7は、基部1のガス通過口10の下流14に設けられている。枢支軸7は上流13の排気ガスに対して基部1で覆われるため、ガス通過口10を流れる排気ガスが枢支軸7に触れにくくなり、枢支軸7の耐久性を向上させることができる。
【0017】
切替作動部4はアーム状をなしており、枢支軸7にこれの軸芯Pを中心として矢印R1,R2方向に旋回可能に枢支されている。従って切替作動部4は、バルブ2を保持すると共にバルブ2を閉鎖位置または開放位置に切り替え作動させるものである。
【0018】
バルブ2は、ガス通過口10を閉鎖可能なバルブ本体20と、バルブ本体20の中央域の孔21に装着された突起部としての連結ピン23とを備える。バルブ本体20の外径は、基部1のガス通過口10の内径よりも大きく設定されていると共に、シール部材6の第2リング部62の先端部の外径よりも大きく設定されている。これによりバルブ本体20はガス通過口10及びシール部材6の第2リング部62を覆うことができる。バルブ本体20は段部11に嵌り得る大きさとされている。バルブ本体20のうちガス通過口10と対面する面の周縁には、位置決め機能を有するほぼ円錐形状の傾斜面25が形成されている。傾斜面25は、バルブ本体20の径外方向に向かうつれてシール部材6に接近する傾斜とされている。
【0019】
連結ピン23は、径小部23aと径大部23bと鍔部23cとを備える。連結ピン23の径小部23aは圧入、カシメ、溶接、螺子止め等の固定手段によりバルブ本体20の孔21に固定されている。連結ピン23の径小部23aの外壁面とバルブ本体20の孔21の内壁面との間は、排気ガスの漏れが生じないように気密にシールされている。バルブ本体20の孔21には連結ピン23が挿入されている。連結ピン23を介してバルブ2は切替作動部4に保持されている。ここで図1及び図2に示すように、連結ピン23の径大部23bの外壁面と切替作動部4の取付孔40の内壁面との間には、第1隙間41が形成されている。連結ピン23の鍔部23cの端面と切替作動部4の取付孔40の周縁との間には、第2隙間42が形成されている。第1隙間41は、バルブ2を切替作動部4に対してガス通過口10の径方向(矢印M1、M2方向)に沿って相対変位可能とする。第2隙間42は、バルブ2を切替作動部4に対してガス通過口10の軸長方向(矢印N1、N2方向)に沿って相対変位可能とする。第1隙間41及び第2隙間42に相当するぶん、バルブ2が切替作動部4に対して移動することが許容されている。これによりバルブ2の姿勢を矯正できる。
【0020】
さて、図1に示すようにバルブ2が矢印R2方向に旋回して開放位置に存在するときには、ガス通過口10が開放している。この場合、内燃機関の排気ポートから排出された排気ガスは上流13からガス通過口10を通り、下流14に向けて矢印B方向に流れる。バルブ2を閉鎖させるときには、図略のアクチュエータの作動により、枢支軸7の軸芯Pを中心として切替作動部4を閉鎖方向(矢印R1方向)に旋回させる。閉鎖動作は、図1→図2(A)→図2(B)のように進行する。バルブ2が基部1の着座面12にシール部材6を介して着座するとき、弾性バネ性を有するシール部材6が衝撃緩和作用を果たすため、バルブ閉鎖時における衝撃が緩和され、シール当たり面の削れ等が抑制され、シール当たり面が長期にわたり良好に維持される。バルブ2が閉鎖位置にあるときには、ガス通過口10が閉鎖されているため、排気ガスがガス通過口10から漏れることが抑制される。
【0021】
上記したようにバルブ2が閉鎖位置に移動するとき、図1に仮想線で示すように、まず、バルブ2の一端側2a(枢支軸7に対して近い側)が基部1の着座面12にシール部材6を介して部分的に着座する。このときバルブ2の他端側2c(枢支軸7に対して遠い側)は基部1の着座面12に着座していない。その後、図2(A)に示すように、バルブ2の一端側2aが基部1の着座面12にシール部材6を介して着座しつつ、バルブ2の他端側2c(枢支軸7に対して遠い側)が基部1の着座面12にシール部材6を介して着座する。従ってシール部材6は少しずつ弾性変形量を増加させる。このようにバルブ2の周囲全域が基部1の着座面12にシール部材6を介して同時に着座せず、バルブ2の一端側2aが基部1の着座面12にシール部材6を介して着座した後に、バルブ2の他端側2cが基部1の着座面12にシール部材6を介して着座する。このためバルブ2の着座時の衝突が緩和され、衝突音の緩和、シール部材6の耐久性の向上を図り得る。
【0022】
更に、バルブ2の周囲全域が基部1の着座面12にシール部材6を介して同時に着座すると、バルブ2の位置を矯正しにくいが、バルブ2の一端側2aが基部1の着座面12にシール部材6を介して部分的に着座した後に、バルブ2の他端側2cが基部1の着座面12にシール部材6を介して着座するときには、バルブ2の位置を容易に矯正することができる。即ち、バルブ2の他端側2cが基部1の着座面12に着座しておらず、バルブ2の一端側2aが基部1の着座面12にシール部材6を介して着座しているとき、バルブ本体20の傾斜面25がシール部材6の第2リング部62に当たると、バルブ2の傾斜面25による案内作用により、バルブ本体20を径方向に変位させることができ、バルブ本体20の位置が定位置からずれているときであっても、バルブ本体20の位置決めを行うことができる。なお、図1から理解できるようにバルブ2の一端側2a(枢支軸7に対して近い側)及びバルブ2の他端側2c(枢支軸7に対して遠い側)は同じ方向(矢印R1方向)から着座面12にシール部材6を介して着座する。
【0023】
シール部材6は弾性バネ性を有すると共にリング状であるため、シール部材6とバルブ本体20との線接触性が良好に確保され、熱膨張等が発生したとしても、シール性が良好に維持される。バルブ2には傾斜面25が形成されているため、バルブ2が基部1の着座面12のシール部材6に着座するとき、バルブ2の傾斜面25がシール部材6に当たると、シール部材6の第2リング部62をこれのバネ力に抗して径内方向(矢印M1方向)に良好に弾性変形させることができる。ここで、シール部材6の第2リング部62は径内方向に角度θ1傾斜しているため、バルブ2の傾斜面25が第2リング部62に当たるとき、第2リング部62が逆方向つまり径外方向に弾性変形することが抑止されている。従って、シール部材6の第2リング部62をこれのバネ力に抗して径内方向に良好に弾性変形させることができ、シール部材6の第2リング部62によるシール性、耐久性を良好に確保することができる。
【0024】
また前述したように第1隙間41はバルブ2を切替作動部4に対してガス通過口10の径方向(矢印M1、M2方向)に相対変位可能とする。第2隙間42はバルブ2を切替作動部4に対してガス通過口10の軸長方向(矢印N1、N2方向)に相対変位可能とする。第1隙間41及び第2隙間42に相当するぶん、バルブ2の自由移動性は切替作動部4に対して許容されている。このため、熱膨張等に起因する形状変化等により、バルブ2の位置が正位置からずれているときであっても、バルブ2が着座面12のシール部材6に安定的に着座できるようにバルブ2は矢印M1,M2方向及び矢印N1,N2方向において任意に移動することができる。このようにバルブ2の姿勢が定位置でないときであっても、バルブ2の姿勢を矯正することができ、バルブ2を着座面12のシール部材6に安定的に着座させることができるため、シール部材6によるシール性を更に高めることができる。
【0025】
図2(A)では、アーム状の切替作動部4の部位4a(枢支軸7に対して近い側)はバルブ本体20に接触してこれを加圧するが、切替作動部4の部位4b(枢支軸7に対して遠い側)はバルブ本体20に非接触である。これに対してバルブ2の閉鎖が完了した状態を示す図2(B)では、アーム状の切替作動部4の部位4a(枢支軸7に対して近い側),部位4b(枢支軸7に対して遠い側)は共にバルブ本体20を加圧するため、枢支軸7に対して近い側においても遠い側においても、バルブ2がシール部材6を加圧することができ、加圧力のバラツキが低減され、シール部材6によるシール性の均一性は高められる。
【0026】
なお、材料は、一般的には、引張力が作用する環境よりも、圧縮力が作用する環境で使用する方が耐久性が得られる。バルブ2からシール部材6に加圧力が作用するとき、シール部材6のうち円錐状に角度θ1傾斜している第2リング部62は径内方向(矢印M1方向)に向かうように変形する。この変形は第2リング部62が縮径する方向であり、第2リング部62にこれの周方向に圧縮力が作用する方向である。故に第2リング部62の耐久性を確保することができる。
【0027】
また、バルブ本体20の外周には、位置決め機能を有する円錐面状をなす傾斜案内面29が形成されている。従ってバルブ2が閉鎖されるとき、熱膨張等の影響で、バルブ2が定位置から微小量ずれているときであっても、バルブ本体20の傾斜案内面29が基部1の段部11の角部11cに当たると、傾斜案内面29による案内作用により、バルブ本体20を径内方向に移動させることができ、この意味においてもバルブ2の位置決め機能を有しており、シール性の確保に貢献できる。またバルブ2の傾斜面25は中心線Aの回りを1周する円錐面状とされているため、バルブ2の閉鎖時において上流13のガス圧がバルブ2に作用しても、バルブ2の位置決め性は確保される。
【0028】
(実施例2)
図3(A)(B)及び図4(A)(B)は実施例2を示す。実施例2は実施例1と基本的には同様の構成、作用効果を有する。共通する機能を奏する部位には共通の符号を付する。以下、相違する部分を中心として説明する。図3(A)(B)及び図4(A)(B)に示すように、排気ガス流路開閉装置は、基部1とバルブ2と切替作動部4とを主要素として備える。基部1は、ガス通過口10と、ガス通過口10の周囲に窪み状に形成されたリング状の段部11に形成されたリング状の着座面12とをもつ。着座面12は、窪みが深くなるにつれて、つまりバルブ2に近づくにつれて径外方向に傾斜する円錐形状の案内面12cを有する。
【0029】
図3に示すように、バルブ2は、基部1のガス通過口10の内径よりも大きな外径を備えガス通過口10を閉鎖可能なバルブ本体20と、バルブ本体20の中央域の孔21に装着された突起部としての連結ピン23とを備える。連結ピン23の径小部23aは圧入、カシメ、溶接、螺子止め等の固定手段によりバルブ本体20に固定されている。よって連結ピン23の径小部23aの外壁面とバルブ本体20の孔21の内壁面との間は、排気ガスの漏れが生じないように気密にシールされている。実施例1と同様に、第1隙間41及び第2隙間42に相当するぶん、バルブ2の自由移動性は切替作動部4に対して許容されている。
【0030】
図3(A)(B)及び図4(A)(B)に示すように、バルブ2のバルブ本体20のうちガス通過口10に対面する側には、円板形状のバネホルダ部26が保持されている。シール部材6は基部1の着座面12ではなく、バネホルダ部26を介して溶接、螺子止、かしめ等の固定手段によりバルブ2に搭載されている。シール部材6はガス通過口10の中心線Aを1周するようにリング形状をなしている。シール部材6はバルブ2の閉鎖時にバネ性を発揮する断面形状とされている。即ち、シール部材6は、ガス通過口10の中心線Aに対面する開口6xを形成するC形状及び逆C形状をなしており、クッション機能を有する。シール部材6は、シール性を確保すべく、ガス通過口10に向けてバルブ2よりΔa突出している。
【0031】
バルブ2を閉鎖させるときには、図略のアクチュエータの作動により、枢支軸7の軸芯Pを中心として切替作動部4を閉鎖方向(矢印R1方向)に旋回させる。閉鎖動作は、図3(A)→図3(B)→図4(A)→図4(B)のように進行する。
【0032】
このようにバルブ2が閉鎖位置に移動するとき、図3(A)に示すように、まずバルブ2の一端側2a(枢支軸7に対して近い側)のシール部材6が基部1の着座面12に部分的に着座する。その後、図3(B)に示すように、バルブ2の他端側2c(枢支軸7に対して遠い側)のシール部材6が基部1の着座面12に着座する。このためバルブ2の着座時の衝突が緩和され、衝突音の緩和、シール部材6の耐久性の向上を図り得る。
【0033】
バルブ2が基部1の着座面12にシール部材6を介して着座するとき、着座面12には円錐面状の案内面12cが形成されている。このため熱膨張等によりバルブ2の位置が定位置からずれている場合であっても、バルブ2のシール部材6が案内面12cに当たると、シール部材6をガス通過口10の中心線Aに向けて変位させてシール部材6の位置を矯正できる利点を期待できる。ひいては、シール部材6を搭載するバルブ2をガス通過口10の中心線Aに向けて変位させて、バルブ2の位置を矯正できる利点を期待でき、シール性を確保することができる。
【0034】
バルブ2の閉鎖時に、ガス通過口10からの排気ガスの流れが止められるため、ガス通過口10の上流13の内圧が増加することがある。この場合、シール部材6はガス通過口10の中心線Aに対面する開口を形成するC形状及び逆C形状をなしているため、上流13の内圧はシール部材6を形成する壁部を拡開させる方向(矢印E1方向)に作用する。このため、バルブ2の閉鎖時において、シール部材6と着座面12との密接力を高めることができる。ひいては、シール部材6と着座面12との間のシール性を高めることができる。
【0035】
なお図4(A)によれば、アーム状の切替作動部4の部位4a(枢支軸7に対して近い側)はバルブ本体20に接触して加圧するものの、切替作動部4の部位4b(枢支軸7に対して遠い側)はバルブ本体20に非接触である。これに対してバルブ2の閉鎖が完了した状態を示す図5(B)によれば、アーム状の切替作動部4の部位4a(枢支軸7に対して近い側),部位4b(枢支軸7に対して遠い側)の双方は共に、バルブ本体20を加圧するため、バルブ2の加圧のバラツキが低減され、シール部材6によるシール性の均一性は高められる。
【0036】
(実施例3)
図5(A)(B)は実施例3を示す。実施例3は実施例1と基本的には同様の構成、作用効果を有する。共通する機能を奏する部位には共通の符号を付する。以下、相違する部分を中心として説明する。図5(A)(B)に示すように、排気ガス流路開閉装置は、基部1とバルブ2と切替作動部4とを主要素として備える。基部1は、ガス通過口10と、ガス通過口10の周囲に窪み状に形成されたリング状の着座面12とをもつ。着座面12は、窪みが深くなるにつれて、つまりバルブ2から離れるにつれて径内方向に傾斜する円錐形状とされており、バルブ2を求心方向(矢印M1方向)に位置を調整できる機能を有する。
【0037】
図5(A)(B)に示すように、バルブ2は、基部1のガス通過口10の内径よりも若干小さな外径を備えガス通過口10を閉鎖可能なバルブ本体20と、バルブ本体20の中央域の孔21に装着された連結ピン23とを備える。連結ピン23の径小部23aは圧入、カシメ、溶接、螺子止め等の固定手段によりバルブ本体20に固定されている。
【0038】
図5(A)(B)に示すように、バルブ2のうちガス通過口10に対面する側には、段状のバネホルダ部26がリング状に形成されている。シール部材6は基部1の着座面12ではなく、バルブ2のバネホルダ部26に溶接、螺子止、かしめ等の固定手段により搭載されている。シール部材6はバルブ2の閉鎖時にバネ性を発揮する。シール部材6は、ガス通過口10の中心線Aと反対側に開口6xを形成するJ形状及び逆J形状、あるいは、疑似J形状及び疑似逆J形状の断面形状をなしており、クッション機能を有する。シール部材6は、シール性を確保すべく、ガス通過口10に向けてバルブ2よりΔa突出している。
【0039】
バルブ2を閉鎖させるときには、図略のアクチュエータの作動により、枢支軸7の軸芯Pを中心として切替作動部4を閉鎖方向(矢印R1方向)に旋回させる。閉鎖動作は図5(A)→図5(B)のように進行する。
【0040】
このようにバルブ2が閉鎖位置に移動するとき、図5(A)に示すように、バルブ2の一端側2a(枢支軸7に対して近い側)のシール部材6が基部1の着座面12に部分的に着座する。その後、図5(B)に示すように、バルブ2の他端側2c(枢支軸7に対して遠い側)のシール部材6が基部1の着座面12に着座する。この場合、バルブ2のシール部材6の周囲全域が基部1の着座面12に同時に着座せず、バルブ2の一端側2aのシール部材6の部位が基部1の着座面12に部分的に着座した後に、バルブ2の他端側2cのシール部材6の部位が基部1の着座面12に着座する。このためバルブ2がシール部材6を介して着座面12に着座するときの衝突が緩和され、衝突音の緩和、シール部材6の耐久性の向上を図り得る。更に着座面12は円錐形状に傾斜しているため、バルブ2の一端側2aが着座面12に着座するとき、シール部材6による加圧力をF1とすると、径方向に向かう分力F2を発生させることができ、分力F2によりシール部材6ひいてはバルブ2を径内方向に移動させて安定的に着座できる位置とすることができる。即ち、着座面12にシール部材6が当たると、着座面12の案内作用により、シール部材6を搭載するバルブ2をガス通過口10の中心線Aに向けて変位させてバルブ2の位置を矯正できる利点を期待できる。
【0041】
(実施例4)
図6及び図7は実施例4を示す。実施例4は実施例1と基本的には同様の構成、作用効果を有する。但し、上下関係は実施例1と逆の関係で図示されている。共通する機能を奏する部位には共通の符号を付する。図6及び図7に示すように、基部1は、ガス通過口10と、ガス通過口10の周囲に形成されたリング状の着座面12とをもつ。基部1の着座面12は、ガス通過口10の中心線Aの回りを1周するように形成されており、バルブ2の閉鎖時にバネ性を発揮する断面形状を有するシール部材6を備えている。シール部材6はガス通過口10の中心線Aを1周するようにリング形状をなしており、クッション機能を有しており、基部1の着座面12に溶接、螺子止、かしめ等の固定手段により固定されている。
【0042】
図6に示すように、バルブ2は、基部1のガス通過口10の内径よりも大きな外径を備えると共にガス通過口10を閉鎖可能なバルブ本体20と、バルブ本体20の中央域の孔21に装着された連結ピン23とを備える。バルブ本体20の周縁には、位置決め機能を有するほぼ円錐形状の傾斜面25が形成されている。傾斜面25は、バルブ本体20の径外方向に向かうにつれてシール部材6に接近するような傾斜とされている。連結ピン23は、径小部23aと径大部23bと鍔部23cとを備える。連結ピン23の径小部23aは圧入、カシメ、溶接、螺子止め等の固定手段によりバルブ本体20に固定されている。よって実施例1と同様に、連結ピン23の径小部23aの外壁面とバルブ本体20の孔21の内壁面との間は、排気ガスの漏れが生じないように気密にシールされている。連結ピン23の径大部23bの外壁面と切替作動部4の取付孔40の内壁面との間には、第1隙間41が形成されている。連結ピン23の鍔部23cの端面と切替作動部4の取付孔40の周縁との間には、第2隙間42が形成されている。第1隙間41はバルブ2を切替作動部4に対して矢印M1、M2方向に相対変位可能とする。第2隙間42はバルブ2を切替作動部4に対して矢印N1、N2方向に相対変位可能とする。第1隙間41及び第2隙間42に相当するぶん、バルブ2の移動性は切替作動部4に対して許容されている。これによりバルブ2の姿勢を矯正できる。
【0043】
また図6及び図7から理解できるように、第1隙間41はバルブ2を切替作動部4に対して矢印M1、M2方向に相対変位可能とする。第2隙間42はバルブ2を切替作動部4に対して矢印N1、N2方向に相対変位可能とする。第1隙間41及び第2隙間42に相当するぶん、バルブ2の自由移動性は切替作動部4に対して許容されている。このため、熱膨張等によりバルブ2の位置が正位置からずれているときであっても、バルブ2が基部1の着座面12のシール部材6に着座するときバルブ2の傾斜面25がシール部材6に当たるため、バルブ2はガス通過口10の径方向(矢印M1,M2方向)及びガス通過口10の軸長方向(矢印N1,N2方向)に任意に移動することができ、バルブ2が着座面12に設けられているシール部材6に安定的に着座できる。このようにバルブ2の位置を矯正し、バルブ2を安定的に着座させることができ、シール部材6によるシール性を更に高めることができる。前述したようにバルブ2は旋回して開閉される。バルブ2の閉鎖時に、上流13からガス通過口10を矢印B方向に通る排気ガスの流れが止められるため、ガス通過口10の上流13の内圧が増加することがある。この場合、シール部材6はガス通過口10の中心線Aに対面する開口6xを形成するC形状及び逆C形状の断面形状をなしているため、上流13の内圧はシール部材6の壁部を拡開させる方向(図6に示す矢印E1方向)に作用する。このため、バルブ2の閉鎖時において、シール部材6と着座面12との密接力を高めることができ、ひいては、シール部材6と着座面12との間のシール性を高めることができる。
【0044】
(実施例5)
図8及び図9は実施例5を示す。実施例5は実施例1と基本的には同様の構成、作用効果を有する。共通する機能を奏する部位には共通の符号を付する。図8及び図9に示すように、排気ガス流路開閉装置は、基部1とバルブ2と切替作動部4とを主要素として備える。シール部材6は、基部1の着座面12ではなく、バルブ2のうちガス通過口10に対面する側に、溶接、螺子止、かしめ等の固定手段により搭載されている。シール部材6は、ガス通過口10の中心線Aに対面する開口6xを形成するC形状及び逆C形状の断面形状をなしている。シール部材6は、シール性を確保すべく、ガス通過口10に向けてバルブ2よりΔa突出している。バルブ2を閉鎖させるときには、バルブ2のシール部材6が基部1の着座面12に着座する。バルブ2の閉鎖時に、ガス通過口10からの排気ガスの流れが止められるため、ガス通過口10の上流13の内圧が増加することがある。この場合、シール部材6の断面形状は、ガス通過口10の中心線Aに対面する開口6xを形成するC形状及び逆C形状をなす。このため、バルブ2の閉鎖時において、上流13の内圧はシール部材6を形成する壁部を拡開させる方向に作用する。このため、シール部材6と着座面12との密接力を高めることができ、ひいてはシール部材6と着座面12との間のシール性を高めることができる。
【0045】
(実施例6)
図10及び図11は実施例6を示す。実施例6は実施例1と基本的には同様の構成、作用効果を有する。共通する機能を奏する部位には共通の符号を付する。図10及び図11に示すように、排気ガス流路開閉装置は、基部1とバルブ2と切替作動部4とを主要素として備える。基部1は、ガス通過口10と、ガス通過口10を区画する円錐面状に傾斜したリング状の着座面12とをもつ。着座面12は、窪みが深くなるにつれて、つまりバルブ2から離れるにつれて径内方向に傾斜する円錐形状とされている。着座面12は、シール部材6ひいてはバルブ2を求心方向(矢印M1方向)に案内する機能を有する。バルブ2のうちガス通過口10に対面する側には、シール部材6が配置されている。シール部材6は基部1の着座面12ではなく、バルブ2に溶接、螺子止、かしめ等の固定手段により搭載されている。シール部材6は、断面において少なくともJ形状及び逆J形状をなす部分6mを有する。このシール部材6は、ガス通過口10の中心線Aと反対側に開口6xを形成する。シール部材6はシール性を確保すべくガス通過口10に向けてバルブ2よりΔa突出している。バルブ2が閉鎖位置に移動するとき、バルブ2のシール部材6が基部1の着座面12に着座する。図11に示すように、着座面12は円錐面状の傾斜面とされているため、着座面12にシール部材6が当たるとき、J形状及び逆J形状をなす部分6mをこれの縮径方向に弾性変形させることができる。更に、着座面12は円錐面状の傾斜面とされて案内機能を有するため、バルブ2の位置をガス通過口10の中心線Aに向けて矯正できる利点を期待できる。
【0046】
(適用例)
図12は適用例を示す。この適用例は、機関としての車両用の内燃機関100の排気ポートに連通する排気ガス浄化装置に適用したものである。この適用例では、前記した各実施例をそれぞれ適用することができる。排気ガス浄化装置は、金属製のケース200と、ケース200内を第1通路(内通路)201及び第2通路202(外通路)に仕切る筒形状の金属製の仕切壁203と、第2通路202に設けられ触媒部204を据え付ける触媒据付部205とを備える。第1通路201は、触媒部204が据え付けられていないため、触媒据付部205を有しない。第2通路202は第1通路201の周囲に周方向に連通するように形成されている。
【0047】
ケース200にフランジ状の基部1が保持されている。図12に示すように、基部1は、第2通路202(外通路)に連通する貫通孔1kと、枢支軸7を覆う覆い部1wとをもつ。基部1の近傍には、覆い部1wに遮蔽されるように枢支軸7が設けられている。枢支軸7はケース200内において基部1よりも下流に位置する。上記した構造であるため、枢支軸7と排気ガスとの接触頻度は低くされ、枢支軸7の耐久性が確保されている。枢支軸7には、アーム状の切替作動部4が閉鎖方向(矢印R1方向,上向き)及び開放方向(矢印R2方向,下向き)に旋回可能に枢支されている。切替作動部4にはバルブ2が搭載されている。枢支軸7よりもバルブ2は下方に位置する。切替作動部4の作動により、バルブ2は、触媒部204を有しない第1通路201の後端開口201rを開閉可能に閉鎖する蓋として機能する。図12では着座面12とバルブ2との間のシール部材6は設けられているが、図略されている。
【0048】
内燃機関100の暖気運転時等のように起動時には、内燃機関から排出される高温の排気ガスに含まれている環境負荷物質の濃度が高い。そこで、内燃機関の起動時には、図略のアクチュエータによりバルブ2を上方向(矢印R1方向)に旋回させて閉鎖する。このため排気ガスは第2通路202の触媒部204に流れて触媒部204で浄化される。これに対して内燃機関100の起動時を経過した常用領域では、内燃機関100の排気ポートから排出される排気ガスに含まれる環境負荷物質の濃度が低下する、更に単位時間当たりの排気ガスの流量も増加する。このため図略のアクチュエータによりバルブ2を下方向(矢印R2方向)に旋回させて開放させる(図12において仮想線で示すバルブ2の開放位置)。これにより排気ガスは主に第1通路201に流れて触媒部204の劣化を抑制できると共に、図略の下流側通路の触媒部にも流れるため、圧損を抑えつつ浄化させることができる。なお、触媒部204は第2通路202に代えて、第1通路201に設けられていても良い。内燃機関100はガソリンエンジンでも、ディーゼルエンジンでも良く、要するに排気ガスを排出させるものであれば良い。
【0049】
(他の例)
上記した実施例1では、バルブ2の一端側2a(枢支軸7に対して近い側)が基部1の着座面12にシール部材6を介して部分的に着座した後に、バルブ2の他端側2c(枢支軸7に対して遠い側)は基部1の着座面12にシール部材6を介して着座する。これに限らず、バルブ2の周囲全域が基部1の着座面12にシール部材6を介して同時に着座することにしても良い。その他、本発明は上記し且つ図面に示した実施例のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できるものである。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明はガソリンエンジン、ディーゼルエンジンといった内燃機関等の機関から排出される排気ガスを流す排気ガス流路開閉装置及び排気ガス浄化装置に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】実施例1に係り、バルブが開放している状態を示す排気ガス流路開閉装置の断面図である。
【図2】実施例1に係り、(A)はバルブの閉鎖が進行している状態を示す排気ガス流路開閉装置の断面図であり、(B)はバルブの閉鎖が完了した状態を示す排気ガス流路開閉装置の断面図である。
【図3】実施例2に係り、(A)はバルブの閉鎖が進行した状態を示す排気ガス流路開閉装置の断面図であり、(B)はバルブの閉鎖が更に進行した状態を示す排気ガス流路開閉装置の断面図である。
【図4】実施例2に係り、(A)はバルブの閉鎖が完了する直前の状態を示す排気ガス流路開閉装置の断面図であり、(B)はバルブの閉鎖が完了した状態を示す排気ガス流路開閉装置の断面図である。
【図5】実施例3に係り、(A)はバルブの閉鎖が完了する前の状態を示す排気ガス流路開閉装置の断面図であり、(B)はバルブの閉鎖が完了した状態を示す排気ガス流路開閉装置の断面図である。
【図6】実施例4に係り、バルブの閉鎖が完了する前の状態を示す排気ガス流路開閉装置の断面図である。
【図7】実施例4に係り、バルブの閉鎖が完了した状態を示す排気ガス流路開閉装置の断面図である。
【図8】実施例5に係り、バルブの閉鎖が完了する前の状態を示す排気ガス流路開閉装置の断面図である。
【図9】実施例5に係り、バルブの閉鎖が完了した状態を示す排気ガス流路開閉装置の断面図である。
【図10】実施例6に係り、バルブの閉鎖が完了する前の状態を示す排気ガス流路開閉装置の断面図である。
【図11】実施例6に係り、バルブの閉鎖が完了した状態を示す排気ガス流路開閉装置の断面図である。
【図12】排気ガス流路開閉装置を備えたバルブを有する排気ガス浄化装置の断面図である。
【符号の説明】
【0052】
図中、1は基部、10はガス通過口、12は着座面、2はバルブ、20はバルブ本体、4は切替作動部、41は第1隙間、42は第2隙間、6はシール部材、7は枢支軸、100は内燃機関、204は触媒部、205は触媒据付部を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
排気ガスが流れるガス通過口と前記ガス通過口の周囲に形成された着座面とをもつ基部と、
前記基部の前記着座面に着座して前記基部の前記ガス通過口を閉鎖する閉鎖位置と前記基部の前記着座面から離間して前記基部の前記ガス通過口を開放する開放位置とに切替可能なバルブと、
前記バルブを保持すると共に前記バルブを前記閉鎖位置または前記開放位置に切り替え作動させる切替作動部とを具備する排気ガス流路開閉装置において、
前記基部の前記着座面及び前記バルブのうちのいずれか一方は、前記バルブの閉鎖時にバネ性を発揮する断面形状を有するシール部材を備えていることを特徴とする排気ガス流路開閉装置。
【請求項2】
請求項1において、前記基部の前記ガス通過口の上流または下流に設けられた枢支部を具備しており、前記バルブは前記枢支部の回りを前記基部の前記ガス通過口の上流または下流において旋回する構造とされていることを特徴とする排気ガス流路開閉装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、前記バルブが前記閉鎖位置に移動するとき、前記バルブの一端側が前記基部の前記着座面に部分的に着座した後に、前記バルブの他端側が前記基部の前記着座面に着座することを特徴とする排気ガス流路開閉装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のうちのいずれか一項において、前記バルブは、前記基部の前記ガス通過口を閉鎖可能な前記バルブ本体と、前記バルブ本体の中央域に突設された突起部とを有しており、前記突起部と前記切替作動部との間には、前記バルブを前記切替作動部に対して相対変位可能とする隙間が形成されていることを特徴とする排気ガス流路開閉装置。
【請求項5】
排気ガスが流れる経路に配置されるケースと、
前記ケース内を第1通路及び第2通路に仕切る仕切壁と、
前記第2通路及び前記第1通路のうちのいずれか一方に設けられ排気ガスを浄化する触媒部を据え付ける触媒据付部とを具備する排気ガス浄化装置において、
前記第2通路及び前記第1通路のうち前記触媒据付部が設けられていない他方は、請求項1〜請求項4のうちのいずれか一項に記載の排気ガス流路開閉装置のバルブの切替により閉鎖又は開放されることを特徴とする排気ガス浄化装置。
【請求項1】
排気ガスが流れるガス通過口と前記ガス通過口の周囲に形成された着座面とをもつ基部と、
前記基部の前記着座面に着座して前記基部の前記ガス通過口を閉鎖する閉鎖位置と前記基部の前記着座面から離間して前記基部の前記ガス通過口を開放する開放位置とに切替可能なバルブと、
前記バルブを保持すると共に前記バルブを前記閉鎖位置または前記開放位置に切り替え作動させる切替作動部とを具備する排気ガス流路開閉装置において、
前記基部の前記着座面及び前記バルブのうちのいずれか一方は、前記バルブの閉鎖時にバネ性を発揮する断面形状を有するシール部材を備えていることを特徴とする排気ガス流路開閉装置。
【請求項2】
請求項1において、前記基部の前記ガス通過口の上流または下流に設けられた枢支部を具備しており、前記バルブは前記枢支部の回りを前記基部の前記ガス通過口の上流または下流において旋回する構造とされていることを特徴とする排気ガス流路開閉装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、前記バルブが前記閉鎖位置に移動するとき、前記バルブの一端側が前記基部の前記着座面に部分的に着座した後に、前記バルブの他端側が前記基部の前記着座面に着座することを特徴とする排気ガス流路開閉装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のうちのいずれか一項において、前記バルブは、前記基部の前記ガス通過口を閉鎖可能な前記バルブ本体と、前記バルブ本体の中央域に突設された突起部とを有しており、前記突起部と前記切替作動部との間には、前記バルブを前記切替作動部に対して相対変位可能とする隙間が形成されていることを特徴とする排気ガス流路開閉装置。
【請求項5】
排気ガスが流れる経路に配置されるケースと、
前記ケース内を第1通路及び第2通路に仕切る仕切壁と、
前記第2通路及び前記第1通路のうちのいずれか一方に設けられ排気ガスを浄化する触媒部を据え付ける触媒据付部とを具備する排気ガス浄化装置において、
前記第2通路及び前記第1通路のうち前記触媒据付部が設けられていない他方は、請求項1〜請求項4のうちのいずれか一項に記載の排気ガス流路開閉装置のバルブの切替により閉鎖又は開放されることを特徴とする排気ガス浄化装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−9602(P2006−9602A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−184461(P2004−184461)
【出願日】平成16年6月23日(2004.6.23)
【出願人】(000100805)アイシン高丘株式会社 (202)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月23日(2004.6.23)
【出願人】(000100805)アイシン高丘株式会社 (202)
【Fターム(参考)】
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