説明

排気ガス浄化装置

【課題】第1に、機械的強度や耐熱強度等の強度面に優れると共に、第2に、材料コストや製造コスト等のコスト面等にも優れ、第3に、更に排気ガス浄化性能も向上し、第4に、消音性能向上にも寄与する、排気ガス浄化装置を提案する。
【解決手段】 この排気ガス浄化装置4は、二輪自動車等の自動車エンジンの排気ガス1中に含有された有害物質2を除去,減少させる。そして、ワイヤメッシュ構造の触媒担体6を備えており、触媒担体6は、筒状をなし、酸化触媒7が付着,被覆されると共に、マフラー5内にサイレンサー構造8と共に組み込まれている。そして触媒担体6は、マフラー5内部の区画壁9にて貫通,保持されており、一端が閉塞され他端が開放された円筒状をなし、帯状に連続した各層11のメッシュ素材が、内部空間13を存しつつ巻回成形されてなる。排気ガス1は、触媒担体6の内側から外側へ又は外側から内側へと流れる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排気ガス浄化装置に関する。すなわち、自動車エンジン等の排気ガス中に含有された有害物質を除去,減少させる、排気ガス浄化装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
《技術的背景》
二輪自動車エンジン,その他の自動車エンジンの排気ガス中には、一酸化炭素CO,炭化水素HC,酸化窒素NO,炭素粒子PM等が含有されている。
そこで、このような有害物質を、そのまま外気へと排出すると、人体や環境を汚染し有害である。もって公害防止のため、このような有害物質を除去,減少すべく、排気ガスの排気管には、排気ガス浄化装置が設けられている。
エンジンからの排気ガスは、排気管に介装された排気ガス浄化装置を経由して、外気へと排出されている。
【0003】
《従来技術》
この種の排気ガス浄化装置としては、従来、セラミックス製で高密度多孔質の触媒担体や、金属製ハニカムコアを用いた触媒担体が、代表的に使用されていた。
セラミックス製の高密度多孔質よりなる触媒担体では、薄壁にて、流れ方向に多数の通気孔が区画形成されていた。金属製ハニカムコアよりなる触媒担体では、極薄セル壁にて、流れ方向に多数のセル空間が区画形成されていた。
そして、この種従来例の排気ガス浄化装置では、このような触媒担体の薄壁やセル壁に、白金Pt等の酸化触媒が付着,被覆せしめられていた。
もって、酸化触媒の触媒作用により、通気孔やセル空間を通過して流れる排気ガス中の有害物質を、除去,減少させていた。すなわち、一酸化炭素や炭化水素を酸化,燃焼させ、酸化窒素を二酸化窒素に酸化させ、炭素粒子を酸化,燃焼させていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
このような排気ガス浄化装置としては、例えば、次の特許文献1,特許文献2に示されたものが挙げられる。
【特許文献1】特開平5−179938号公報
【特許文献2】特開2004−197667号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、この種従来例の排気ガス浄化装置については、次の課題が問題点として指摘されていた。
まず、セラミックス製の触媒担体を用いた浄化装置については、走行振動に対する機械的強度不足や、加熱,冷却の繰り返しによる熱疲労に起因した耐熱強度不足が、指摘されていた。特に二輪自動車の場合は、走行振動が大きいと共に、至近距離のエンジンからの高温の排気ガスに晒される関係上、このような強度不足が顕著化していた。
又、金属箔がろう付けされた構造よりなる金属ハニカムコア製の触媒担体を用いた浄化装置については、上述と同様に熱疲労に起因した耐熱強度不足や、金属箔とろう材との熱膨張率の相違に基づく加熱破壊の虞れや、極薄のセル壁の溶損による耐熱強度不足、等が指摘されていた。更に、金属ハニカムコアは、コスト負担が嵩む等、材料コスト面にも問題が指摘されていた。
更に、セラミックス製の触媒担体を用いた浄化装置や、金属ハニカムコア製の触媒担体を用いた浄化装置共に、有害物質の除去率、排気ガスの浄化効率の低さについても、問題が指摘されていた。
【0006】
《本発明について》
本発明の排気ガス浄化装置は、このような実情に鑑み、上記従来例の課題を解決すべくなされたものである。
そして本発明は、第1に、強度面に優れると共に、第2に、コスト面等にも優れ、第3に、更に排気ガス浄化性能も向上し、第4に、消音性能向上にも寄与する、排気ガス浄化装置を提案することを、目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
《請求項について》
このような課題を解決する本発明の技術的手段は、次のとおりである。まず、請求項1については次のとおり。
請求項1の排気ガス浄化装置は、自動車エンジンの排気ガス中に含有された有害物質を除去,減少させるものであり、ワイヤメッシュ構造の触媒担体を備えると共に、マフラーに組み込まれている。
そして該触媒担体は、筒状をなし、酸化触媒が付着,被覆されており、排気ガスが該触媒担体を経由して流れること、を特徴とする。
請求項2については、次のとおり。請求項2の排気ガス浄化装置では、請求項1において、該触媒担体は、該排気ガス中に含有された一酸化炭素および炭化水素を、触媒反応に基づき酸化,燃焼させて除去,減少させると共に、酸化窒素を二酸化窒素に酸化させて除去,減少させること、を特徴とする。
請求項3については、次のとおり。請求項3の排気ガス浄化装置では、請求項1において、該触媒担体は、該排気ガス中に含有された炭素粒子を、触媒反応に基づき酸化,燃焼させて除去,減少させること、を特徴とする。
【0008】
請求項4については、次のとおり。請求項4の排気ガス浄化装置では、請求項1において、該触媒担体は、二輪自動車の排気管に設けられた該マフラー内に、そのサイレンサー構造と共に組み込まれている。
そして該触媒担体は、該マフラー内部の区画壁にて、該マフラー軸と同軸方向に配設,貫通保持されており、一端が閉塞され他端が開放された円筒状をなし、金属製のワイヤが網目状に配されたワイヤメッシュ構造よりなる。
該酸化触媒は、ワイヤメッシュ構造に基づき単位容積当たりの外表面積が広く確保された該触媒担体の各ワイヤに、付着,被覆されている。該排気ガスは、該触媒担体の内側から外側へ又は外側から内側へと流れ、もって分散,減速,乱流化されつつ、該酸化触媒に衝突し十分に接触して流れること、を特徴とする。
請求項5については、次のとおり。請求項5の排気ガス浄化装置では、請求項4において、該触媒担体は、多層構造よりなると共に、隣接する各層間のメッシュ密度が疎密に異なっている。
そして該触媒担体は、帯状に連続した各層のワイヤメッシュ素材が、内部空間を存しつつ円筒状に巻回成形されると共に、各層間は接合されておらず、最外層の巻回終端部がその内側層にスポット溶接されていること、を特徴とする。
【0009】
請求項6については、次のとおり。請求項6の排気ガス浄化装置では、請求項4において、該触媒担体は、内部空間にペレット触媒が導入されている。
そして該ペレット触媒は、個別単位化された粒塊状をなし、セラミックス等の結合材の少なくとも外表面に、該酸化触媒が付着,被覆されてなる。もって、該排気ガスの流量,有害物質の含有量,有害物質の浄化率等を勘案して、補足的に必要量が導入されること、を特徴とする。
請求項7については、次のとおり。請求項7の排気ガス浄化装置では、請求項4において、該マフラーは、そのケース容器が内外2層構造よりなる。
そして内側層が、熱伝導率の低いセラミックス材よりなると共に、外側層が、アラミド繊維にフェノール樹脂を付着,含浸させたプリプレグよりなる。もって、該触媒担体の組み込みによる重量増に対応した軽量化が図られていること、を特徴とする。
【0010】
《作用等について》
本発明は、このような手段よりなるので、次のようになる。
(1)二輪自動車等のエンジンからの排気ガスは、マフラーへと供給される。
(2)マフラーには、排気ガス浄化装置とサイレンサー構造とが、組み込まれている。
(3)まず、排気ガス浄化装置は、ワイヤメッシュ多層構造の触媒担体を備えており、酸化触媒が付着,含浸されている。
(4)そこで排気ガスは、触媒担体を、内側から外側へ又は外側から内側へと流れることにより、含有された有害物質が除去,減少される。
(5)又排気ガスは、サイレンサー構造にて消音される。
(6)さてそこで、本発明の排気ガス浄化装置によると、次のようになる。第1に、走行振動や加熱と冷却が繰り返されても、触媒担体のフレキシブルな弾性構造に基づき、優れた耐震動性能,機械的強度と、耐熱疲労性能,耐熱強度とを発揮する。
(7)第2に、ワイヤメッシュ構造の触媒担体を採用したので、材料コストが軽減される。又、巻回成形してスポット溶接することにより、簡単容易に製造される。更に、従来よりのサイレンサー構造に準じて、マフラーに簡単容易に組み込まれる。
(8)ところで二輪自動車では、排気ガスが高温のままマフラーに供給されるので、触媒性能,浄化性能が特にスムーズに発揮される。又、マフラーのケース容器に、アラミド繊維・フェノール樹脂のプリプレグとセラミックス材との2層構造を採用すると、触媒担体組み込みによる重量増がカバーされる。
(9)第3に、この触媒担体は、単位容積当たりの外表面積が広く、もって酸化触媒も、広い外表面積,接触面積を備えており、しかも排気ガスは、触媒担体を分散,減速,乱流化されつつ流れる。
これらにより排気ガスは、酸化触媒に万べんなく衝突し十分に接触して流れるので、触媒反応が確実に進行するようになる。この点は、ペレット触媒を併用すると、一段と確実化する。
(10)第4に、触媒担体を流れる排気ガスは、分散,屈曲,湾曲や、膨張,圧力低下や、反射,音波逆位相化、相互衝突,相互干渉しつつ流れることにより、消音される。
(11)さてそこで、本発明の排気ガス浄化装置は、次の効果を発揮する。
【発明の効果】
【0011】
《第1の効果》
第1に、機械的強度に優れ、耐熱強度にも優れる等、強度面に優れている。すなわち、本発明の排気ガス浄化装置は、筒状に巻回された層間が接合されていない構造の触媒担体を、採用してなる。もって走行振動や加熱冷却が繰り返されても、優れた耐振動性能,機械的強度や、耐熱疲労性能,耐熱強度を発揮する。
前述したこの種従来例、すなわちセラミックス製触媒担体や金属ハニカムコア製触媒担体を用いた排気ガス浄化装置で指摘されていた、走行振動に対する機械的強度不足や、熱疲労による耐熱強度不足は、解消される。
二輪自動車の場合は、特に走行振動が大きいと共に、至近距離のエンジンからの高温の排気ガスに晒される関係上、機械的強度や耐熱強度に優れる意義は大きい。
【0012】
《第2の効果》
第2に、コスト面等にも優れている。すなわち、本発明の排気ガス浄化装置では、まずa.ワイヤメッシュ多層構造の触媒担体を採用したので、前述したこの種従来例、特に金属ハニカムコア製触媒担体を用いた排気ガス浄化装置に比し、材料コスト負担が軽減される。b.この触媒担体は、巻回とスポット溶接により簡単容易に製造でき、手間取るろう付けやコスト高となる真空炉を使用することもない等、製造コスト面に優れている。
更にc.この触媒担体は、マフラーを利用して容易に組み込まれる。そこで、前述したこの種従来例に比し、全体的に部品点数が削減されると共に、全体構造も簡素化され、この面からも製造コストが削減される。又、マフラーのケース容器をセラミックス材と所定プリプレグの2層構造とすることによって、触媒担体の組み込みによる重量増に対して、簡単容易にコスト面にも優れつつ対応可能となる。
そして二輪自動車の場合は、スペース的制限もあり、マフラーに排気ガス浄化装置を組み込むことにより、全体的に一段とコンパクト化,コストダウン化される意義は、特に大である。
【0013】
《第3の効果》
第3に、排気ガスの浄化性能が向上する。すなわち、本発明の排気ガス浄化装置の触媒担体は、単位容積当たりの外表面積が広く、これに付着,被覆される酸化触媒も、極めて広い外表面積,接触面積となる。しかも排気ガスは、分散,減速,乱流化され、酸化触媒に十分に接触して流れるので、触媒反応が確実に進行するようになる。
前述したこの種従来例、すなわちセラミックス製触媒担体や金属ハニカムコア製触媒担体を用いた排気ガス浄化装置のように、排気ガスが、通気孔やセル空間内を直線的に高速で流れていたのに比し、触媒反応が一段と活発化する。
従って本発明によると、一酸化炭素,炭化水素,酸化窒素,炭素粒子等の有害物質の除去率が向上し、排気ガスの浄化効率に極めて優れている。又、ぺレット触媒を併用すると、このような除去率向上が一段と確実化される。
特に、二輪自動車の場合は、スペース的に大型の排気ガス浄化装置を設けることは困難であり、もってこの種従来例の排気ガス浄化装置を大型化することによって浄化性能向上を図ることは困難であったことに鑑み、本発明の浄化性能向上の意義は特に大きい。
【0014】
《第4の効果》
第4に、消音性能向上にも、寄与可能である。すなわち、本発明の排気ガス浄化装置において、排気ガスは、分散,屈曲,湾曲や、膨張,圧力低下や、反射,音波逆位相化や、相互衝突,相互干渉しつつ流れ、もって消音される。
すなわち、この排気ガス浄化装置は、排気ガス浄化を目的としてマフラーに組み込まれるが、結果的に、マフラーの消音性能を向上せしめる効果も発揮する。前述したこの種従来例では、排気ガスは直線的に高速で流れており、このような消音性能発揮は望めない。
特に、二輪自動車の場合は、エンジンからマフラーまでに距離が短く、騒音が大きいことに鑑み、消音性能向上の意義は特に大きい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る排気ガス浄化装置について、発明を実施するための形態の説明に供し、その1例の正面断面図である。
【図2】同発明を実施するための形態の説明に供し、他の例の正面断面図である。
【図3】同発明を実施するための形態の説明に供し、(1)図は、触媒担体の斜視図、(2)図は、帯状に連続したワイヤメッシュ素材の正面図である。
【図4】同発明を実施するための形態の説明に供し、マフラーのケース容器の正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
《排気系について》
以下、本発明を実施するための形態について、詳細に説明する。まず、排気系について説明する。
二輪自動車,その他の自動車エンジンから排出される排気ガス1中には、一酸化炭素CO,炭化水素HC,酸化窒素NO,炭素粒子PM、等の有害物質2が含有されている。
又、この排気ガス1は、エンジンからの排気,放出に基づき、大きな排気音を伴って排出される。高温高圧の排気ガス1は、そのまま排出すると、一気に膨張して周囲の空気を振動させ、大きな騒音を発生する。
そこで、排気ガス1の排気管3には、排気ガス浄化装置4と、マフラー(消音器)5とが、途中に介装されている。エンジンからの排気ガス1は、排気管3に介装された排気ガス浄化装置4やマフラー5を経由し、もって浄化されると共に消音されて、外気へと排出される。
【0017】
《本発明の概要》
以下、図1〜図4を参照して、本発明について説明する。まず、本発明の概要について説明する。
本発明の排気ガス浄化装置4は、自動車エンジンの排気ガス1中に含有された有害物質2を除去,減少せしめるフィルターであり、ワイヤメッシュ構造の触媒担体6を備えると共に、マフラー5に組み込まれている。触媒担体6は、筒状をなし、酸化触媒7が付着,被覆されており、排気ガス1が、この触媒担体6を経由して流れる。
そして、この排気ガス浄化装置4は、代表的には次の構成よりなる。触媒担体6は、二輪自動車の排気管3に設けられたマフラー5内に、そのサイレンサー構造8と共に組み込まれている。
すなわち、マフラー5内部の区画壁9にて、マフラー5の軸と同軸方向に配設,貫通保持されており、一端が閉塞され他端が開放された円筒状をなし、金属製のワイヤ10が網目状に配されたワイヤメッシュ構造よりなる。
又、触媒担体6は、多層構造よりなると共に、隣接する各層11間のメッシュ密度が疎密に異なっている。すなわち、帯状をなし連続した各層11のワイヤメッシュ素材12が、内部空間13を存しつつ円筒状に巻回成形された多層構造よりなると共に、各層11間は接合されておらず、最外層の巻回終端部14がその内側層11にスポット溶接15されている。
酸化触媒7は、ワイヤメッシュ構造に基づき単位容積当たりの外表面積が広く確保された触媒担体6の各ワイヤ10に、付着,被覆されてなる。
そして排気ガス1は、触媒担体6を内側から外側へ又は外側から内側へと流れ、もって分散,減速,乱流化されつつ酸化触媒7に衝突し、十分に接触して流れる。
本発明の概要は、このようになっている。以下、このような本発明について、更に詳述する。
【0018】
《マフラー5について》
まず、本発明の排気ガス浄化装置4の組み込み対象となる、マフラー5について、図1,図2を参照して、説明する。
周知のごとく、マフラー5の消音方式としては、膨張方式,共鳴方式,吸音方式等の方式が開発されており、図示のサイレンサー構造8を備えたものが、代表的に使用されている。
マフラー5の外殻ボディーを形成するケース容器16は、排気管3より径大な円筒状,その他の筒状をなしており、ケース容器16の内部が、図示のサイレンサー構造8では、区画壁9にて前後複数の膨張室17に区画されている。
すなわち図1の例では、3枚の区画壁9が使用され、もって内部が4室の膨張室17に区画されている。図2の例では、4枚の区画壁9が使用され、もって内部が5室の膨張室17に区画されている。
【0019】
そして図1の例では、上流側を除く中央側と下流側の2枚の区画壁9に、図2の例では、上流側と中央側1段目を除く、中央側2段目と下流側の2枚の区画壁9に、それぞれ、サイレンサーパイプ18が配設,貫通保持されている。
サイレンサーパイプ18は、前端および後端が開放された円筒状のパンチングメタル(多孔プレート)製よりなる。そして、ケース容器16と平行の同軸方向に配設されると共に、区画壁9に設けられた開口に密貫挿されて保持され、もって前後の膨張室17に開口している。
そこで、上流側の排気管3から供給された排気ガス1は、マフラー5の入口20から、区画壁9,サイレンサーパイプ18,膨張室17等よりなるサイレンサー構造8を経由して、出口21へと流れることにより、消音され、もって下流側の排気管3から外気へと排出される。すなわち排気ガス1は、分散,屈曲,湾曲や、膨張,圧力低下や、反射,音波逆位相化や、相互衝突,相互干渉等を、繰り返しつつ流れ、もって消音される。
マフラー5は、このようになっている。
【0020】
《触媒担体6について》
本発明の排気ガス浄化装置4は、触媒担体6が、このようなマフラー5に組み込まれている。触媒担体6について、図1〜図3を参照して説明する。
触媒担体6は、ワイヤメッシュ構造よりなる。すなわち、ステンレス製,亜鉛メッキ鉄線製,銅製,ニッケル製,その他の金属製で極細のワイヤ10が、細かく密な縦横の網目状となったワイヤメッシュ構造よりなる。そして、ワイヤ10が繊維状に編まれて成形された集合体よりなるか、又は、ワイヤ10部分を残しつつ極細に打ち抜き成形された集合体よりなる。
【0021】
このワイヤメッシュ構造において、使用されるワイヤ10の径(線径)は、0.1mm〜1.0mm程度よりなり、網目の目開きは、0.2mm〜0.8mm程度に設定され、メッシュ密度(単位容積当たりのワイヤ10の占める体積、つまりワイヤ10の充填密度)は、10%〜50%程度に設定される。
ワイヤ10径が上記数値を超える場合や、目開きが上記数値を超える場合や、メッシュ密度が上記数値未満の場合等は、目が荒くなり過ぎて、単位容積当たりの外表面積が小さくなり、排気ガス1の浄化率が低下すると共に、成形や形状保持が困難化する。
これに対し、ワイヤ10径が上記数値未満の場合や、目開きが上記数値未満の場合や、メッシュ密度が上記数値を超える場合等は、目が密となり過ぎ圧力損失が大きくなって、排気ガス1の上流側における圧上昇を招く虞が生じ、又、耐熱性に乏しくワイヤ10溶損の虞も生じる。
又、このようなワイヤメッシュ構造の触媒担体6は、一端がキャップ19にて閉鎖されると共に、他端が開放されており、内部空間13が存した筒形状、代表的には円筒形状をなす。
更に代表的には、各層11が多重に重なった多層構造よりなると共に、隣接する層11間のメッシュ密度や目開きを異ならしめておくことが考えられるが、ワイヤ10径も異ならしめてもよい。
そして、このような多層構造の触媒担体6は、図3の(2)図に示したように、予め、各層11のワイヤメッシュ素材12を帯状に長く連続させておき、→次に、このワイヤメッシュ素材12を、内部空間13を存しつつロール状に巻回して行くことにより、→図3の(1)図に示したように、円筒状に成形される。
→そして、このような成形された触媒担体6は、図3の(1)図に示したように、その巻回された最外層11(最外周)の巻回終端部14が、その内側の層11に対し、スポット溶接15されているに止まり、→巻回された各層11間は、単に重なった状態となっており、接合されてはいない。
触媒担体6は、このようになっている。
【0022】
《触媒担体6のマフラー5への組み込み等について》
触媒担体6は、酸化触媒7が付着,被覆されて、マフラー5に組み込まれる。これらについて、図1,図2を参照して説明する。
まず触媒担体6は、マフラー5内にそのサイレンサー構造8と共に、組み込まれる。なお、このような図示例によらず、又は図示例に追加して、マフラー5の入口20や出口21に、触媒担体6を組み込むことも可能である。
そして、触媒担体6のワイヤメッシュ構造のワイヤ10に、白金Pt,ロジウムRh,バナジウムV,銅Cu,マンガンMn,その他の金属や金属酸化物が、酸化触媒7として、含浸,塗布等により付着,被覆せしめられる。
【0023】
このように酸化触媒7が付着,被覆された触媒担体6が、マフラー5に組み込まれている。図示例では、マフラー5のケース容器16内に、そのサイレンサー構造8と共に組み込まれている。
図1の例では、上流側の1枚の区画壁9に対し、図2の例では、上流側と中央側1段目の2枚の区画壁9に対し、それぞれ触媒担体6が配設,貫通保持されている。すなわち触媒担体6は、前述したサイレンサーパイプ18に準じケース容器16と平行の同軸方向に配設されると共に、区画壁9に設けられた開口に密貫挿されて保持され、もって前後の膨張室17に臨んでいる。
そして、図1の例の触媒担体6や、図2の例の上流側の触媒担体6では、上流に向け内部空間13が開口すると共に、その大部分が下流側に突出しつつ、内部空間13がキャップ19にて閉塞されている。
これ対し、図2の例の中央側の触媒担体6では、下流に向け内部空間13が開口すると共に、その大部分が上流側に突出しつつ、内部空間13がキャップ19にて閉塞されている。
触媒担体6は、このようにマフラー5へ組み込まれている。
【0024】
《排気ガス1の流れ等について》
排気ガス1は、触媒担体6を内外又は外内へと流れて行く。これらについて、図1,図2を参照して説明する。
図1の例や図2の例の上流側の触媒担体6では、開口から内部空間13内に導入された排気ガス1は、→内部空間13内を経由した後、→触媒担体6のワイヤメッシュ構造の各層11を、内から外へ流れて、→導出される。
又、図2の例の中流側の触媒担体6では、排気ガス1は、触媒担体6のワイヤメッシュ構造の各層11を、外から内へと流れて、→内部空間13内に導入され、→内部空間13内を経由した後、→開口から導出される。
【0025】
排気ガス1は、このように排気ガス浄化装置4の触媒担体6の各層11を、内から外へ又は外から内へと流れて行く過程で、酸化触媒7に十分に接触する。
すなわち、この排気ガス浄化装置4では、まず酸化触媒7は、触媒担体6のワイヤメッシュ構造に基づき単位容積当たりの外表面積が広く確保されている各ワイヤ10に対し、付着,被覆されている。
これに加え排気ガス1は、各層11を形成するワイヤ10に衝突,湾曲,折曲しつつ、分散,減速,乱流化された経路を辿って流れる。特に、隣接する層11間のメッシュ密度を疎密に異ならせておくと、このような排気ガス1の流れが一段と助長される。
これらにより排気ガス1は、万べん無く均等に酸化触媒7に接触し、もって含有された有害物質2が、酸化触媒7による触媒反応に基づき、一様かつ確実に酸化,除去,減少される。
排気ガス1の流れ等については、以上のとおり。
【0026】
《ペレット触媒22について》
次に、ペレット触媒22について、図1を参照して説明する。
図示した排気ガス浄化装置4において、触媒担体6は、その内部空間13にペレット触媒22が導入されている。
このペレット触媒22は、個別単位化された粒塊状をなし、セラミックス等の結合材の少なくとも外表面に、酸化触媒7が付着,被覆されてなり、もって、排気ガス1の流量,有害物質2の含有量,有害物質2の浄化率等を勘案して、補足的に必要量が導入される。
【0027】
ペレット触媒22について、更に詳述する。排気ガス浄化装置4の浄化対象となる排気ガス1の流量や、含有される有害物質2の含有率は、各種様々である。又、予定される浄化率も、様々な設定が予測される。
そこで、ペレット触媒22は、これらに鑑み補足的に使用される。つまり、上記流量や含有率を勘案しつつ、所期の浄化率を確実に得るべく、ペレット触媒22が、触媒担体6を補充すべく使用される。
ペレット触媒22は、例えばセラミックス材の外表面に、酸化触媒7を付着,被覆させた構成よりなる。例えば、白金PtとロジウムRhとを重量比5対1で使用した酸化触媒7が、50g/ft程度で使用される。又、個別単位化されているので、個数選択により、必要量コントロールや定量制御が容易であり、もって触媒担体6の内部空間13へと、挿入,導入される。
なおペレット触媒22は、触媒担体6内へ導入,配置する使用態様以外にも、各種の使用態様が考えられる。例えば、排気管3の煙道内へ導入,配置することも考えられる。
ペレット触媒22は、このようになっている。
【0028】
《マフラー5のケース容器16について》
次に、マフラー5のケース容器16について、図4を参照して説明しておく。
排気ガス浄化装置4の組み込み対象となるマフラー5は、図4に示した例では、そのケース容器16が内外2層構造よりなっている。そして、その内側層23が、熱伝導率の低いセラミックス材よりなると共に、外側層24が、アラミド繊維にフェノール樹脂を付着,含浸させたプリプレグよりなっている。
もって、このようなケース容器16を採用することにより、触媒担体6の組み込みによる重量増に対応した軽量化が図られる。
【0029】
ケース容器16について、更に詳述する。この排気ガス浄化装置4の触媒担体6は、ワイヤメッシュ構造よりなり、マフラー5に組み込むと、マフラー5全体の重量増が懸念される面がある。そこで、この種従来品である鉄,ステンレス,その他の金属製のものに替えて、図4に示した2層構造のケース容器16を採用することにより、マフラー5の全体重量が軽減される。触媒担体6の組み込みによる重量増が、このケース容器16の採用により、十分にカバーされるようになる。
このケース容器16は、ナイロン系樹脂繊維よりなるアラミド繊維に、フェノール系樹脂を付着,含浸,又は混入させた外側層24に対し、内側層23となる肉厚1mm以下程と極薄のセラミックス材が、貼り合わされた構造よりなる。アラミド繊維は、耐熱性や耐引張強度等に優れていることが、知られている。
なお、このような構造のケース容器16は、金属製の従来品に比し、アール等の形状加工成形が容易であり、各種形状のものが簡単に得られる、という利点もある。
マフラー5のケース容器16は、このようになっている。
【0030】
《作用等》
本発明の排気ガス浄化装置4は、以上説明したように構成されている。そこで、以下のようになる。
(1)二輪自動車,その他の自動車エンジンから排出される排気ガス1は、排気管3を経由して、マフラー5へと供給される。そして、マフラー5の入口20から、マフラー5内へと導入される(図1,図2を参照)。
【0031】
(2)マフラー5内に導入された排気ガス1は、マフラー5に組み込まれた排気ガス浄化装置4によって浄化されると共に、サイレンサー構造8によって消音される(図1,図2を参照)。
【0032】
(3)まず、マフラー5に組み込まれた排気ガス浄化装置4は、ワイヤメッシュ多層構造の触媒担体6を備えており、触媒担体6は、その各ワイヤ10に酸化触媒7が付着,含浸されている。
そこで排気ガス1は、フィルターとして機能する触媒担体6を、内側から外側へ又は外側から内側へと流れることにより、含有された有害物質2が除去,減少される。
【0033】
(4)すなわち、排気ガス1中に含有された一酸化炭素と炭化水素は、触媒反応に基づき酸化,燃焼されて、除去され,減少する(2CO+O→2CO)、(CH+2O→CO+2HO)。排気ガス1中に含有された酸化窒素は、触媒反応に基づきニ酸化炭素に酸化されて、除去され,減少する(2NO+O→2NO)。
又、排気ガス1中に含有された炭素粒子PM(各種組成よりなるParticle Matter)を、触媒反応に基づき酸化,燃焼させて、除去,減少させることも考えられる。
つまり、この排気ガス浄化装置4は、一酸化炭素,炭化水素,酸化窒素等の浄化専用として使用される場合が代表的であるが、炭素粒子の浄化用としても兼用される場合や、炭素粒子の浄化専用として使用される場合も考えられる。つまり、3通りの使用形態が可能である。
【0034】
(5)他方、マフラー5に組み込まれたサイレンサー構造8により、排気ガス1は消音される。すなわち排気ガス1は、サイレンサー構造8の区画壁9,サイレンサーパイプ18,膨張室17等を経由して流れることにより、分散,屈曲,湾曲や、膨張,圧力低下や、反射,音波逆位相化や、衝突,干渉等を繰り返し、もって消音される。
このように排気ガス1は、浄化されると共に消音されて、マフラー5の出口21から、下流側の排気管3を経由して外気へと排出される。
【0035】
(6)さてそこで、本発明の排気ガス浄化装置4によると、次の第1,第2,第3,第4のようになる。
まず第1に、この排気ガス浄化装置4は、ワイヤメッシュ多層構造の触媒担体6を採用してなり、その円筒状に巻回成形された各層11間は、接合されていない(図3の(1)図を参照)。
もって、走行振動にて繰り返し荷重を受けたり、エンジンの駆動と停止により加熱と冷却が繰り返されても、触媒担体6が、このように自由度の存したフレキシブルな弾性構造よりなることに基づき、優れた耐震動性能,機械的強度と、耐熱疲労性能,耐応力破壊阻止性能,耐熱強度とを、発揮するようになる。
【0036】
(7)第2に、この排気ガス浄化装置4は、次のa,b,cの各点に基づき、コスト面等に優れている。
a.ワイヤメッシュ多層構造の触媒担体6を採用したので、ワイヤの優れたコスト性により、材料コストが軽減される。
b.ワイヤメッシュ多層構造の触媒担体6は、巻回成形して巻回終端部14をスポット溶接15することにより(図3の(1)図を参照)、手間取ることなく簡単容易に製造可能であり、製造コスト面にも優れている。
c.この触媒担体6は、マフラー5内の既存のサイレンサー構造8に準じて、特にそのサイレンサーパイプ18に準じて、マフラー5内の区画壁9にて配設,貫通保持される。これまでのマフラー5について、大幅に内部構造を変更することもなく、ほぼそのまま利用しつつ、区画壁9と触媒担体6の追加により、簡単容易に組み込まれる(図1,図2を参照)。
場合によっては、既存のサイレンサー構造8の各サイレンサーパイプ18の内1個を、触媒担体6で置き換える構成も考えられる。
もって、これらの面から、該コスト面に優れている。
【0037】
(8)ところで二輪自動車の場合は、排気ガス1が、至近距離のエンジンから高温のまま、マフラー5に供給される。従って二輪自動車の場合は、触媒担体6をマフラー5に組み込んでも、酸化触媒7の温度が、高温の排気ガス1にて十分に高められ、触媒反応がその活性温度下で所期の通り進行するようになる。
このように触媒性能,浄化性能が、二輪自動車の場合は、特にスムーズに所期の通り得られる。この点に鑑み、図示例の排気ガス浄化装置4は、マフラー5の下流側ではなく上流側に組み込まれている。
又、この触媒担体6はワイヤメッシュ多層構造よりなり、その分、組み込まれたマフラー5が重量増となる。そこで、マフラー5のケース容器16について、セラミックス材製の内側層23と、アラミド繊維およびフェノール樹脂のプリプレグ製の外側層24との2層構造を採用すると(図4を参照)、簡単容易に軽量化が図られ、触媒担体6の組み込みによる重量増がカバーされる。
【0038】
(9)第3に、この排気ガス浄化装置4は、ワイヤメッシュ多層構造の触媒担体6、つまり単位容積当たりの外表面積が広く確保された、ワイヤ10の集合体よりなる。もって、これに付着,被覆された酸化触媒7も、極めて広い外表面積が確保されており、排気ガス1との極めて広い接触面積を備えている。
しかも排気ガス1は、ワイヤメッシュ多層構造の触媒担体6を、内側から外側へ又は外側から内側へと流れることにより、分散,減速,乱流化される。特に、隣接する層11間のメッシュ密度を疎密に異ならしめておくと、これらが顕著となる。
これらにより排気ガス1は、酸化触媒7に対し万べんなく衝突し十分に接触して流れ、もって接触反応が確実に進行して、有害物質2が確実に除去,減少される。なおペレット触媒22を併用すると、このような有害物質2の除去,減少が一段と確実化する。
【0039】
(10)第4に、この排気ガス浄化装置4において、排気ガス1は、ワイヤメッシュ多層構造、そして隣接する層11間のメッシュ密度が疎密に異なった触媒担体6を、内側から外側へ又は外側から内側へと、流れる。
もって排気ガス1は、分散,屈曲,湾曲や、膨張,圧力低下や、反射,音波逆位相化や、相互衝突,相互干渉等を、繰り返しつつ流れることにより、消音される。
このように、この排気ガス浄化装置4は、浄化性能と共に、消音性能をも発揮可能である。
【符号の説明】
【0040】
1 排気ガス
2 有害物質
3 排気管
4 排気ガス浄化装置
5 マフラー
6 触媒担体
7 酸化触媒
8 サイレンサー構造
9 区画壁
10 ワイヤ
11 層
12 ワイヤメッシュ素材
13 内部空間
14 巻回終端部
15 スポット溶接
16 ケース容器
17 膨張室
18 サイレンサーパイプ
19 キャップ
20 入口
21 出口
22 ペレット触媒
23 内側層
24 外側層


【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車エンジンの排気ガス中に含有された有害物質を、除去,減少させる排気ガス浄化装置であって、ワイヤメッシュ構造の触媒担体を備えると共に、マフラーに組み込まれており、
該触媒担体は、筒状をなし、酸化触媒が付着,被覆されており、排気ガスが該触媒担体を経由して流れること、を特徴とする排気ガス浄化装置。
【請求項2】
請求項1に記載した排気ガス浄化装置において、該触媒担体は、該排気ガス中に含有された一酸化炭素および炭化水素を、触媒反応に基づき酸化,燃焼させて除去,減少させると共に、酸化窒素を二酸化窒素に酸化させて除去,減少させること、を特徴とする排気ガス浄化装置。
【請求項3】
請求項1に記載した排気ガス浄化装置において、該触媒担体は、該排気ガス中に含有された炭素粒子を、触媒反応に基づき酸化,燃焼させて除去,減少させること、を特徴とする排気ガス浄化装置。
【請求項4】
請求項1に記載した排気ガス浄化装置において、該触媒担体は、二輪自動車の排気管に設けられた該マフラーに、そのサイレンサー構造と共に組み込まれており、
該触媒担体は、該マフラー内部の区画壁にて、該マフラー軸と同軸方向に配設,貫通保持されており、一端が閉塞され他端が開放された円筒状をなし、金属製のワイヤが網目状に配されたワイヤメッシュ構造よりなり、
該酸化触媒は、ワイヤメッシュ構造に基づき単位容積当たりの外表面積が広く確保された該触媒担体の各ワイヤに、付着,被覆されており、
該排気ガスは、該触媒担体の内側から外側へ又は外側から内側へと流れ、もって分散,減速,乱流化されつつ、該酸化触媒に衝突し十分に接触して流れること、を特徴とする排気ガス浄化装置。
【請求項5】
請求項4に記載した排気ガス浄化装置において、該触媒担体は、多層構造よりなると共に、隣接する各層間のメッシュ密度が疎密に異なっており、
該触媒担体は、帯状に連続した各層のワイヤメッシュ素材が、内部空間を存しつつ円筒状に巻回成形されると共に、各層間は接合されておらず、最外層の巻回終端部がその内側層にスポット溶接されていること、を特徴とする排気ガス浄化装置。
【請求項6】
請求項4に記載した排気ガス浄化装置において、該触媒担体は、内部空間にペレット触媒が導入されており、
該ペレット触媒は、個別単位化された粒塊状をなし、セラミックス等の結合材の少なくとも外表面に、該酸化触媒が付着,被覆されてなり、もって、該排気ガスの流量,有害物質の含有量,有害物質の浄化率等を勘案して、補足的に必要量が導入されること、を特徴とする排気ガス浄化装置。
【請求項7】
請求項4に記載した排気ガス浄化装置において、該マフラーは、そのケース容器が内外2層構造よりなり、
内側層が、熱伝導率の低いセラミックス材よりなると共に、外側層が、アラミド繊維にフェノール樹脂を付着,含浸させたプリプレグよりなり、もって、該触媒担体の組み込みによる重量増に対応した軽量化が図られていること、を特徴とする排気ガス浄化装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−77614(P2012−77614A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−113407(P2009−113407)
【出願日】平成21年5月8日(2009.5.8)
【出願人】(509129532)パワー ドラゴン グローバル リミティド (1)
【氏名又は名称原語表記】POWER DRAGON GLOBAL LIMITED
【住所又は居所原語表記】Sea Meadow House, Blackburne Highway, (P.O.Box 116), Road Town, Tortola, British Virgin Islands
【Fターム(参考)】