説明

排気ユニット、及びドライ真空ポンプ装置

【課題】不品点数が少なく安価で、小型化が可能で、且つ騒音を消音できる排気ユニット、及び該排気ユニットを装備したドライ真空ポンプ装置を提供すること。
【解決手段】最終段に気体を吐出す吐出口18、中間部に圧力逃し孔19を備えた多段真空ポンプに装備する排気ユニット50であって、多段真空ポンプ10の吐出口18に接続する排気部逆止弁51と、中間部の圧力逃し孔19に接続する中間部逆止弁52と、該排気部逆止弁51及び中間部逆止弁52の後流側に設けるサイレンサ53を一体構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多段式のドライ真空ポンプの排気部に設けられる排気ユニット、及び該排気ユニットを装備した多段式ドライ真空ポンプ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、大気圧から動作が可能で、クリーンな真空環境が容易に得られるドライ真空ポンプ装置が、半導体製造設備等の幅広い分野で使用されている。特に半導体デバイスの製造は、300以上の工程数からなり、そこで使用される真空ポンプの数も非常に多い。そのため真空ポンプ装置の省フットプリント化は工場内の敷地面積を有効に利用する上で非常に重要である。特に真空ポンプ装置の幅に合せて複数の真空ポンプ装置を並べて設置することが多いため、幅を小さくすることが重要である。また、半導体デバイスの製造装置においても装置−真空ポンプ間の配管抵抗を小さくするために装置内部にポンプを設置する場合があり、真空ポンプの小型化は重要である。
【0003】
また、多段のドライ真空ポンプ装置では、ガス通路の排気部にサイレンサがそれぞれ設置され、該サイレンサの後流に逆止弁が設置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−289167号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のドライ真空ポンプでは、排気部にサイレンサが設置されており、そのサイレンサの後流に逆止弁が個別に設置されている。
【0006】
従来の排気部のサイレンサと排気部逆止弁をそれぞれ個別に設置する方法では、逆止弁とサイレンサの他にそれぞれを連結する部品が必要であり、部品点数が多くなり大型化しドライ真空ポンプの小型化の障害になると共に、コストも高くなるという問題がある。
【0007】
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、不品点数が少なく安価で、小型化が可能で、且つ騒音を消音できる排気ユニット、及び該排気ユニットを装備したドライ真空ポンプ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明は最終段に気体を吐出す吐出口、中間部に圧力逃し孔を備えた多段真空ポンプに装備する排気ユニットであって、多段真空ポンプの吐出口に接続する排気部逆止弁と、中間部の圧力逃し孔に接続する中間部逆止弁と、該排気部逆止弁及び中間部逆止弁の後流側に設けるサイレンサを一体構成としたことを特徴とする。
【0009】
また、最終段に気体を吐出す吐出口、中間部に圧力逃し孔を備えた多段真空ポンプを備えたドライ真空ポンプ装置において、上記排気ユニットを多段真空ポンプの吐出口が排気部逆止弁に、圧力逃し孔が中間部逆止弁に連通するように装着したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る排気ユニットは、多段真空ポンプの排気部逆止弁と、中間部逆止弁と、該排気部逆止弁及び中間部逆止弁の後流側に設けるサイレンサを一体化したので、部品点数が少なく、小型化が可能で、コストダウンが可能な排気ユニットを提供できる。
【0011】
また、上記排気ユニットを多段真空ポンプの吐出口が排気部逆止弁に、圧力逃し孔が中間部逆止弁に連通するように装着するだけで、多段真空ポンプは排気部逆止弁、中間部逆止弁、及びサイレンサを装備することになり、ドライ真空ポンプ装置の組み立てが容易になると共に、排気ユニットを小型化、コストダウンした分ドライ真空ポンプ装置を小型化でき、コストダウンを図れる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る排気ユニットを装備するドライ真空ポンプ装置の縦断面構造を示す図である。
【図2】本発明に係る排気ユニットを装備するドライ真空ポンプ装置の横断面構造を示す図である。
【図3】本発明に係る排気ユニットを装備するドライ真空ポンプ装置のフローシートを示す図である。
【図4】本発明に係る排気ユニットの構造を説明するた図である。
【図5(a)】本発明に係る排気ユニットの断面構造を示す平面図である。
【図5(b)】本発明に係る排気ユニットの断面構造を示す正面図である。
【図6】本発明に係る排気ユニットのサイレンサ部の構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。先ず本発明に係る排気ユニットを装備するドライ真空ポンプ装置を図1及び図2を用いて説明する。図1はツール型の容積型のドライ真空ポンプの全体構成を示す縦断面図であり、図2は図1のA−A断面図である。ドライ真空ポンプ10は、2本の回転軸11a、11bに一対の5段のルーツ型ロータ12a、12b、12c、12d、12eがそれぞれ固定されている。回転軸11a、11bはそれぞれ軸受20、21により回転自在に支持されている。なお、以下の説明では、一対のロータ12a、12b、12c、12d、12eを総称して適宜ロータ12、12と称する。
【0014】
ロータ12、12間、及びロータ12、12とロータケーシング14の内周面との間には微小な隙間が形成されており、ロータ12、12は、それぞれの回転軸11a、11bを中心として非接触で回転するようになっている。ロータ12a、12b、12c、12d、12eをそれぞれ収容して気体を移送するロータ室13a、13b、13c、13d、13eがそれぞれ2本の回転軸11a、11bに沿って直列に1つのロータケーシング14内に配置されている。ロータケーシング14の上面には図示しないカバー部材が取り付けられている。ロータケーシング14の上部には吸込口17が形成されており、吸込口17は初段のロータ室13aに連通している。ロータケーシング14の吐出口側面には第1のサイドケーシング26が固定されており、サイドケーシング26の側面には軸受ケーシング23が固定されている。サイドケーシング26には、最終段のロータ室13eに連通する吐出口18が形成されている。吐出口18は後に詳述するように、排気部逆止弁、中間部逆止弁、及びサイレンサを介して大気領域にガスを排出する。
【0015】
図1に示すように、軸受20の図中左側にモータ(例えばブラシレスDCモータ)22が配置されている。即ち、回転軸11a、11bの一方の端部にモータロータ22aが固定され、その周囲にモータステータ22bが配置されている。モータ22は図示しないインバータ装置等の電力供給装置により周波数可変電力の供給を受け、ソフトスタート等を含む真空ポンプの回転速度制御を行う。モータ22は、モータケーシング24の内部に配置されている。モータ22に、ブラシレスDCモータを採用すると、ロータ12、12は回転軸11a、11bを介してこのブラシレスDCモータ22により同期反転させられる。回転軸11a、11bの他方の端部には、それぞれタイミングギア29及び吐出側の軸受21は軸受ケーシング23に収容されている。軸受20、21はそれぞれ軸受ケース40、41に保持されており、これらの軸受ケース40、41はそれぞれモータケーシング24及び軸受ケーシング23に収容されている。
【0016】
各ロータ室13a〜13eにおいては、2本の回転軸11a、11bにそれぞれ固定されたロータ12、12とロータケーシング14の内周面との間に閉じ込められた気体が吸込側から吐出側に移送される。ロータケーシング14は二重ケーシングとなっており、二重ケーシングを構成する内外周囲壁の間には気体流路15a、15b、15c、15d、15eが設けられている。ロータ室13aの吐出側と次段のロータ室13bの吸込側は気体流路15aによって連通しており、ロータ室13a内のロータ12aによって圧縮された気体は気体流路15aを通ってロータ室13bの吸込側に移送される。このようにして、各段のロータ12、12によって圧縮された気体は、気体流路15a〜15eを通って吐出し側に順次移送され、吐出口18に移送される。
【0017】
上記ドライ真空ポンプにおいては、吸込側初段のロータ室13aの容積が吐出側最終段のロータ室13eの容積に対して9以上の比率のポンプに対して有効である。即ち、初段のロータ12aの厚さWaと最終段のロータ12eの厚さWeの比が9以上であり、この比が初段のロータ室13aと最終段のロータ12eの容積比となっている。
【0018】
一般に、初段のロータ室の容積は設計する真空ポンプの排気速度により決定される。このため、排気速度の大きな真空ポンプを設計する場合は、初段のロータ室の容積を大きくすることが必要となる。これに対し、最終段のロータ室の容積は、最終段のロータ室での前後の圧力差によって発熱(圧縮熱)、及びその圧力差に抗してロータを回転させるモータの消費電力を抑えるために小さくする必要がある。しかしながら、最終段のロータ室の容積を小さくすると、スムーズに排気できなくなる。このように、容積比と発熱とはトレードオフの関係にあるため、どの点を重視して真空ポンプを設計するかによって、容積比(圧縮比)を大きくするか小さくするかを決定することになる。
【0019】
モータ22に、ブラシレスDCモータを採用すると、モータ22の回転速度制御を行うことで、最終段のロータ室13eの容積を小さくしたまま排気速度を大きくすることができ、且つ発熱及びモータ消費電力を抑えることができる。つまり、通常のモータを使用した従来の真空ポンプに比べて、同じ排気速度を達成しつつ容積比(圧縮比)を大きくできると共に、発熱量を抑えることができる。また、2本の回転軸11a、11bを回転駆動する駆動源として上記のようにブラシレスDCモータ22を用いることで、モータとしての効率が良いだけでなく大きな負荷変動に対応することができ、更に起動時における圧縮動力の増大にも対応することができる。
【0020】
ドライ真空ポンプの吐出口18の近傍には軸受21が配置され、吸込側の軸受20と共に回転軸11a、11bを回転自在に支持している。軸受21は軸受ケーシング23内に収容され、軸受ケーシング23とロータケーシング14との間にはサイドケーシング26が配置されている。軸受ケーシング23とサイドケーシング26との間には図示しないOリングシール(シール部)が配置され、これにより軸受ケーシング23とサイドケーシング26との間の微小な隙間が封止されている。また、サイドケーシング26とロータケーシング14との間にも図示しないOリングシール(シール部)が配置され、これによりサイドケーシング26とロータケーシング14との間の微小な隙間が封止されている。軸受20はモータケーシング24内に収容されており、モータケーシング24とロータケーシング14との間には第2のサイドケーシング30が配置されている。サイドケーシング30とロータケーシング14との間には図示しないOリングシール(シール部)が配置されている。更に、サイドケーシング30とモータケーシング24との間には図示しないOリングシール(シール部)が配置されている。
【0021】
上記構成のドライ真空ポンプにおいて、モータ22を起動し、回転軸11a、11bを回転させると、ロータ12a、12b、12c、12d、12eが回転し、吸込口17から吸込まれたガスはロータ室13a、13b、13c、13d、13e内のロータ12a、12b、12c、12d、12eで圧縮され、気体流路15a〜15eを通って吐出し側に順次移送され、吐出口18から大気圧縮域に排出される。該吐出口18には排気ユニット50が接続され、該吐出口18から排出されたガスは該排気ユニット50を通して排出される。排気ユニット50には、排気部逆止弁(最終段逆止弁)51と、2段目出口中抜きの中間部逆止弁52と、サイレンサ53が設けられている。中間部逆止弁52はドライ真空ポンプ内のガスが外気圧以上に圧縮された気体を外気中に逃がして、本ドライ真空ポンプの動力ロスを少なく抑えるために設けた圧力逃し孔19(図3参照)に設けられた過圧縮防止弁である。
【0022】
図3はドライ真空ポンプ10と排気ユニット50のフローシートを示す図である。図示するドライ真空ポンプ10を運転すると吸込口17に吸込まれたガスは気体流路15a〜15eを通って吐出口18から排気ユニット50に流入し、排気部逆止弁(最終段逆止弁)51及びサイレンサ53を通って外部に排出される。また、ドライ真空ポンプ10の起動時等内部が過圧縮になった場合、気体流路15bに連通する圧力逃し孔19から排気ユニット50に流入したガスは中間部逆止弁52を通ってサイレンサ53へ送られる。排気部逆止弁51、中間部逆止弁52、及びサイレンサ53は後に詳述するように、排気ユニット50内に一体的に配置され、ドライ真空ポンプ10に排気ユニット50を装着することにより、排気部逆止弁51、中間部逆止弁52、及びサイレンサ53はドライ真空ポンプ10に装着できるようになっている。
【0023】
図4は排気ユニット50の構造を説明するための図であり、上記のようにドライ真空ポンプ10には、ロータ室13a、13b、13c、13d、13eが設けられており、それぞれのロータ室内には、図示を省略するが図1に示すようにロータ12a、12b、12c、12d、12eが配置されている。ドライ真空ポンプ10の各ロータ室で圧縮され、最終段のロータ室13eに連通する吐出口18から排出されるガスは、排気ユニット50内に設けられた気体流路54を通って、排気部逆止弁51に流入し、該排気部逆止弁51から出たガスは排気ユニット50内に設けられた気体流路56を通ってサイレンサ53へ送られる。また、ドライ真空ポンプ10の2段目ロータ室13bに連通する圧力逃し孔19は排気ユニット50内に設けられた気体流路55を通って中間部逆止弁52に連通しており、ドライ真空ポンプ10内が過圧縮になった場合、過圧縮ガスは中間部逆止弁52を通って、気体流路56からサイレンサ53へ送られる。
【0024】
図5は排気ユニット50の構成を示す図で、図5(a)は平面図、図5(b)正面図である。排気ユニット50のバルブ部50aとサイレンサ部50bとからなる。バルブ部50aには排気部逆止弁51及び中間部逆止弁52が配置されている。図4に示すように、排気部逆止弁51の入口部は気体流路54を通って吐出口18に連通するようなっており、中間部逆止弁52の入口部は気体流路55を通って圧力逃し孔19に連通するようになっている。また、排気部逆止弁51及び中間部逆止弁52の吐出口は気体流路56に連通するようになっている。また、気体流路56はサイレンサ部50bの気体流路61に連通している。
【0025】
図6はサイレンサ50b内のサイレンサ53の構成を示す図である。図6(a)は本サイレンサの側断面構成を示す図で、図6(b)はA−A断面図である。本サイレンサ53は共鳴型サイレンサ53−1と膨張型サイレンサ53−2を一体的に形成された複合型サイレンサである。共鳴型サイレンサ53−1、及び膨張型サイレンサ53−2は排気ユニット50の気体流路(図示せず)に連通する気体流路61に連通して設けられ、共鳴型サイレンサ53−1を上流側に、膨張型サイレンサ53−2は下流側に配置している。
【0026】
本サイレンサ53は厚板状のサイレンサケーシング60と蓋体69を備えている。サイレンサケーシングの片側面には気体流路56に連通する上部が開口した溝状の気体流路61、共鳴型サイレンサ53−1を構成する上部が開口した凹状の共鳴室62、膨張型サイレンサ53−2を構成する上部が開口した凹状の第1膨張室63、及び第2膨張室64が形成されている。更に、共鳴室62と気体流路61を連通する上部が開口した溝状の共鳴口65、第1膨張室63と気体流路61を連通する上部が開口した溝状の第1絞り口66、第1膨張室63と第2膨張室64を連通する上部が開口した第2絞り口67、第2膨張室64と外部を連通する第3絞り口68が設けられている。
【0027】
上記サイレンサケーシング60の気体流路61、共鳴室62、第1膨張室63、及び第2膨張室64等が形成されている面を蓋体69で覆うことにより、気体流路61、共鳴室62、第1膨張室63、及び第2膨張室64は上部開口部が閉塞された空間なる。上部開口が閉塞された共鳴室62及び第1膨張室63はそれぞれ共鳴口65を通して気体流路61に連通し、上部開口が閉塞された第1膨張室63と第2膨張室64は第2絞り口67で互いに連通し、更に該第2膨張室64は第3絞り口68を通して外部に連通する。
【0028】
本サイレンサ53は上記のように厚板状のサイレンサケーシング60に共鳴型サイレンサ53−1、及び膨張型サイレンサ53−2を一体的に形成し、その開口部を蓋体69で閉塞した構成の複合型サイレンサである。また、サイレンサ53が厚板状のサイレンサケーシング60と蓋体69で構成されるので、平板状で小型化されたサイレンサとなる。排気ユニット50の気体流路から、気体流路61に流入したガス流の有する騒音は、共鳴口65及び共鳴室62で構成される共鳴型サイレンサ53−1の固有周波数に共鳴して消音(低減)される。該共鳴型サイレンサ53−1を通ったガス流は第1絞り口66を通って第1膨張室63に流入することにより該第1膨張室で膨張して消音(低減)され、続いて、第2絞り口67を通って第2膨張室64に流入することにより該第2膨張室64内で膨張して消音(低減)され、更に第3絞り口68を通して外気に流出し膨張して消音(低減)される。
【0029】
共鳴型サイレンサ53−1は小型化が可能で、気体流路61を流れるガスの流を妨げないという特徴があるが、消音できる騒音の周波数領域は膨張型に比べて狭い。これに対して、膨張型53−2は幅広い周波数領域で騒音の消音が可能であるが、消音できる周波数はサイレンサの長さに反比例するため、低周波領域を消音する場合、サイレンサが長くなってしまう。そこで小型化できる共鳴型サイレンサ53−1でガス流の低周波領域の騒音を消音させ、残る高周波領域の騒音をサイレンサの長さが消音周波数反比例する膨張型サイレンサ53−2で消音させることにより、共鳴型サイレンサ53−1と膨張型サイレンサ53−2の両者が小型となり、サイレンサ53の全体を小型化できると共に、騒音の幅広い周波数帯域での消音(低減)が可能になる。
【0030】
また、共鳴型サイレンサ53−1を気体流路61の上流側に設けるので、共鳴型サイレンサ53−1は気体流路61に流入したガスの流を妨げない特徴を有しているから、このような複合型サイレンサを排気ユニット50の気体流路のガス排出側に設けても、排気ユニット50のガス排出機能を低減し極力抑えることが可能となる。
【0031】
排気ユニット50のバルブ部50aとサイレンサ部50bは一体に構成され、ドライ真空ポンプ装置を構成する1つの部品として構成されるようになっている。従って、排気部逆止弁51をドライ真空ポンプ10の吐出口18に接続するための配管等部品、中間部逆止弁52を圧力逃し孔19に接続するための配管等部品、更にはサイレンサ部50bの気体流路61とバルブ50aの気体流路56に接続するための配管等部品が不必要となり、ドライ真空ポンプ10の排気部を構成するための部品点数が少なくなり、コストも安価となる。
【0032】
以上、本発明の実施形態例を説明したが、本発明は上記実施形態例に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。例えば、上記例では1台のルーツ型の容積型ドライ真空ポンプを備えたドライ真空ポンプ装置を例に説明したが、例えばこのような容積型ドライ真空ポンプを上流側にブースタポンプとして、下流側にメインポンプとして配置するように、複数台のドライ真空ポンプを備えた構成のドライ真空ポンプ装置でもよいことは当然である。また、ルーツ型の容積型真空ポンプに限らず他のドライ真空ポンプでもよい。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明は、多段真空ポンプ10の排気部逆止弁51と、中間部逆止弁52と、該排気部逆止弁51及び中間部逆止弁52の後流側に設けるサイレンサ53を一体化したので、部品点数が少なく、小型化が可能で、コストダウンが可能な排気ユニットとして利用できる。
【符号の説明】
【0034】
10 ドライ真空ポンプ
11a 回転軸
11b 回転軸
12 ロータ
12a〜12e ロータ
13a〜13e ロータ室
14 ロータケーシング
15a〜15e 気体流路
17 吸込口
18 吐出口
19 圧力逃し孔
20 軸受
21 軸受
22 モータ
22a モータロータ
22b モータステータ
23 軸受ケーシング
24 モータケーシング
26 サイドケーシング
29 タイミングギア
30 サイドケーシング
40 軸受ケース
41 軸受ケース
50 排気ユニット
51 排気部逆止弁
52 中間部逆止弁
53 サイレンサ
53−1 共鳴型サイレンサ
53−2 膨張型サイレンサ
54 気体流路
55 気体流路
56 気体流路
60 サイレンサケーシング
61 気体流路
62 共鳴室
63 第1膨張室
64 第2膨張室
65 共鳴口
66 第1絞り口
67 第2絞り口
68 第3絞り口
69 蓋体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
最終段に気体を吐出す吐出口、中間部に圧力逃し孔を備えた多段真空ポンプに装備する排気ユニットであって、
前記多段真空ポンプの吐出口に接続する排気部逆止弁と、中間部の圧力逃し孔に接続する中間部逆止弁と、該排気部逆止弁及び中間部逆止弁の後流側に設けるサイレンサを一体構成としたことを特徴とする排気ユニット。
【請求項2】
最終段に気体を吐出す吐出口、中間部に圧力逃し孔を備えた多段真空ポンプを備えたドライ真空ポンプ装置において、
請求項1に記載の排気ユニットを前記多段真空ポンプの吐出口が排気部逆止弁に、圧力逃し孔が中間部逆止弁に連通するように装着したことを特徴とするドライ真空ポンプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5(a)】
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【図5(b)】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−226368(P2011−226368A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−96543(P2010−96543)
【出願日】平成22年4月19日(2010.4.19)
【出願人】(000000239)株式会社荏原製作所 (1,477)
【Fターム(参考)】