説明

排気浄化触媒及び排気浄化装置

【課題】高温耐久後であっても排気浄化性能の低下を抑制し、これにより従来よりも排気浄化性能の高い排気浄化触媒及び排気浄化装置を提供する。
【解決手段】排気浄化触媒20は、Pt及びCeOを含む表層26と、Pd及びMgOを含む内27層とからなる触媒層23が担体22に担持され、この表層及び内層には、さらにKが含まれている。排気浄化装置は、内燃機関の排気通路に設けられ、この排気浄化触媒を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排気浄化触媒及び排気浄化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料低減に有利な内燃機関として、空燃比を理論空燃比よりリーン側に制御するリーンバーン内燃機関や、燃料を燃焼室に直接噴射することで希薄燃焼させる直噴型内燃機関が知られている(以下、総称してリーンバーンエンジンという)。リーン側の空燃比で運転(リーン運転)して燃費の向上を図るリーンバーンエンジンには、排気浄化触媒、特に排ガス中の窒素酸化物(NOx)を浄化する機能に優れたNOx吸蔵還元型の排気浄化触媒(以下、NOxトラップ触媒という)が備えられている。
【0003】
NOxトラップ触媒は、具体的には、リーン空燃比の運転で排ガス中のNOxをトラップして大気中への排出を防止すると共に、定期的に空燃比をリッチ側に制御し、トラップしたNOxを放出・還元してNOxの浄化を行う機能に優れているものである。このようなNOxトラップ触媒として、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属を含む触媒活性成分が担体に担持されたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。そして、このようなNOxトラップ触媒の触媒成分としては、排ガス浄化性能の向上のため、Pt、Pd及びロジウム(Rh)から選ばれた少なくとも2種を含むことが好ましい。
【0004】
【特許文献1】WO2002/62468号公報(7ページ、第一図等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年リーンバーンエンジンでは、燃費のメリットを十分に発揮するため、リーン運転の領域を拡大することが行なわれている。このため、理論空燃比またはリッチ空燃比での運転とされていた加速時においても、リーン運転が実施されるようになってきている。このようなリーン運転の領域が拡大する現状では、従来よりもNOx浄化性能の高い排気浄化触媒が求められている。
【0006】
しかしながら、従来の排気浄化触媒においては、高温耐久後、低温、例えば400℃以下での浄化性能が低下してしまうという問題がある。この問題について、一例として図8を用いて説明する。図8は、耐久温度を変更した場合のNOxトラップ触媒の入口温度に対するNOx浄化効率を示すものである。NOxトラップ触媒としては、触媒成分としてPt及びPdを含み、かつNOxトラップ剤としてKを含有するものを用いた。図8中、●は800℃で40時間エージングしたNOxトラップ触媒を用いた場合の結果を示し、○は750℃で40時間エージングしたNOxトラップ触媒を用いた場合の結果を示す。図8に示すように、800℃で40時間エージングした場合は、750℃で40時間エージングした場合よりもNOxトラップ触媒のNOx浄化効率が低かった。特に、400℃以下では浄化性能が低下していることがわかる。この浄化性能の低下は、NOxトラップ触媒が高温で耐久されたことにより触媒成分(貴金属)が劣化して触媒成分の活性が低下したことが原因であると考えられる。このように、従来のNOxトラップ触媒では、高温耐久後、低温で所望の排気浄化性能を得ることができないのである。
【0007】
そこで、本発明の課題は、従来技術の問題点を解消することにあり、高温耐久後であっても排気浄化性能の低下を抑制し、これにより従来よりも排気浄化性能の高い排気浄化触媒、これを用いた排気浄化性能の高い排気浄化装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の排気浄化触媒は、Pt及びCeOを含む表層と、Pd及びMgOを含む内層とからなり、この表層及び内層には、さらにKが含まれていることを特徴とする。
【0009】
触媒成分としての貴金属であるPtとPdとを別の層に含有させることで、PtとPdとが合金化することを抑制できるので、合金化によりPt及びPdが劣化し活性が低下することを抑制し、その結果、高温耐久後であっても排気浄化性能を高くすることが可能である。即ち、従来の排気浄化触媒においては、PtとPdとが合金化しサイズが大きくなること(劣化)により、活性サイトが減ってしまうことで高温耐久後の排気浄化性能が低下した。そこで、本発明においては、PtとPdとを別の層に含有させて、PtとPdとの合金化を抑制し、その結果、高温耐久後の排気浄化性能を向上させているのである。さらに、Ptの活性低下を抑制する物質はPdの活性低下を抑制する物質とは異なるものと考えられるが、触媒成分としてのPtとPdとを別の層に含有させることで、それぞれに適合した活性低下を抑制する物質を各層に含有させることができる。また、表層及び内層にはNOxトラップ剤として機能するKが含有されているので、排気浄化触媒はNOxの浄化に特に好適なNOxトラップ触媒となる。さらに、CeOを表層に多く含有させることで、PtとCeOとの相互作用によってPtの凝集を抑制し、Ptの活性低下を軽減できる。ここで、CeOは空孔容積が小さいので、CeOを表層に多量に添加すると、表層のガス拡散性が低下する。このため、添加によりマクロな空孔を形成できるMgOを内層に含有させることで、CeOの添加により低下する内層でのガス拡散性を向上させることができ、NOxトラップ触媒の排気浄化性能を従来よりも向上させることが可能である。
【0010】
前記表層及び内層にゼオライトが添加されていることが好ましい。ゼオライトが添加されていることで、Kをより安定させうる。
【0011】
前記表層及び内層にTiOが添加されていることが好ましい。TiOが添加されていることで、排ガス中のサルファ(S)に対する触媒の被毒を抑制できる。
【0012】
本発明の排気浄化装置は、内燃機関の排気通路に設けられ、上記いずれかの排気浄化触媒を備えたことを特徴とする。上記いずれかの排気浄化触媒を備えたことで、高温耐久後の排気浄化性能が高い。
【発明の効果】
【0013】
本発明の排気浄化触媒によれば、高温耐久後の排気浄化性能が高いという優れた効果を奏する。また、この排気浄化触媒を用いた排気浄化装置によれば、高温耐久後の排気浄化性能が高いという優れた効果を奏し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本実施形態の排気浄化装置について図1を用いて説明する。図1は排気浄化装置を備えた内燃機関(以下、エンジンという)の概略構成図である。
【0015】
図1に示すように、エンジン11は筒内噴射型火花点火式の直列多気筒ガソリンエンジンとして構成されている。エンジン11のシリンダヘッドには、気筒毎に点火プラグ12及び燃料噴射弁13が取り付けられ、燃料噴射弁13から燃焼室内に燃料が直接噴射される。シリンダヘッドには気筒毎に略直立方向に吸気ポート14が形成され、吸気ポート14は吸気マニホールドを介してスロットルバルブ15と接続されている。
【0016】
シリンダヘッドには略水平方向に排気ポート16が形成され、排気ポート16には排気マニホールドを介して排気通路17が接続されている。排気通路17の上流側には上流触媒18が配され、排気通路17の下流側には、本実施形態の排気浄化装置19が設けられている。この上流触媒18としては、公知の排気浄化触媒(特に三元触媒や酸化触媒)を用いることができる。排気浄化装置19は、NOx吸蔵還元型の排気浄化触媒(以下、NOxトラップ触媒という)20と炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、NOxの浄化に適した三元触媒21とがこの順で配置されてなる。
【0017】
NOxトラップ触媒20について、図2及び図3を用いて説明する。図2はNOxトラップ触媒に用いられるメタル担体の一部断面模式図であり、図3はNOxトラップ触媒の触媒層の一部断面模式図である。
【0018】
NOxトラップ触媒20は、排気空燃比がリーン空燃比の時に排ガス中のNOxを硝酸塩X−NOとしてトラップし、還元成分が多量に存在する排気空燃比が理論空燃比またはリッチ空燃比の時にトラップしたNOxを放出してNに還元する機能に優れた排気浄化触媒である。このようなNOxトラップ触媒20は、図2に示すメタル担体22と、メタル担体22に担持された触媒層23とを備える。なお、本実施形態では、メタル担体22を用いたが、これに限定されず、コージライト担体を用いても良い。
【0019】
図2、図3に示すように、メタル担体22は、例えば、SUS製の平板24aと波板24bとが積層されてなる板材が巻回されて多数のセル25が構成されている。そして、この各セル25の壁面に触媒層23が担持されている。
【0020】
図3に示すように、触媒層23は、表層26及び内層27からなる。表層26は、触媒成分としてのPtを含むものであり、内層27は、触媒成分としてのPdを含むものである。本実施形態においては、触媒成分としてのPtとPdとを別々の層に含有させていることで、PtとPdとの合金化を抑制して、合金化による触媒成分の活性の低下を抑制することができる。また、Ptの活性の低下を抑制することができる物質とPdの活性の低下を抑制することができる物質は異なるので、二層に分けることにより、それぞれの活性の低下を抑制することができる物質を各層に含有させることができ、各触媒成分の活性の低下をより抑制することができる。このように、PtとPdとの合金化を抑制すると共に、触媒成分の活性の低下を抑制する物質をそれぞれ含有することができるように触媒層23を構成することで、触媒成分の活性低下を抑制し、高温耐久後も排気浄化性能の低下を抑制することが可能である。
【0021】
表層26について、説明する。表層26は、触媒成分として、NOからNOを生成する能力が高いPtを含むものである。このPtの凝集による熱劣化、即ち活性の低下を抑制するために、本実施形態では、表層26には基材としてのアルミナに添加剤としてCeOが含有されている。なお、添加剤としては、CeOだけでなく、CeOを主成分とする混合物でもよく、この混合物は希土類成分やジルコニア等を含んでいてもよい。
【0022】
ここで、図4を用いてCeO添加の効果について、説明する。図4(a)は、触媒成分としてPtを含有する触媒層にCeOを添加した場合及び添加しなかった場合の触媒入口温度に対するNOx浄化効率(%)を示すものである。図4(b)は、Pdを含有している触媒層にCeOを添加した場合及び添加しなかった場合の触媒入口温度に対するNOx浄化効率(%)を示すものある。
【0023】
図4(a)に示すように、CeOを添加した場合には、CeOを添加しない場合よりもNOx浄化効率が高かった。特に、300℃以上では常に20%以上もNOx浄化効率が高く、50%以上であり、350〜450℃の場合には、NOx浄化効率は70%以上となった。従って、図4(a)から、Ptに対してはCeOを添加することによりPtの劣化を抑制してNOx浄化性能を向上させることが分かる。
【0024】
図4(b)に示すように、Pdを触媒成分として含有する場合には、CeOの添加の有無にかかわらず全ての温度に対してほぼ40%以上の浄化効率を示した。従って、図4(b)から、Pdに対してはCeOの添加は浄化効率に影響がないことが分かる。
【0025】
このように、Ptを含有させる層にCeOを添加することにより、CeOを添加しない場合及びPdを含有させる層にCeOを添加する場合に比べてNOx浄化性能が向上するので、本実施形態ではPtを含有する表層26にCeOを添加している。
【0026】
表層26におけるPtの含有量は、担体容積に対して、0.1g/L〜10g/Lが好ましく、より好ましくは0.5g/L〜5g/Lである。0.1g/L未満であると触媒量が少なすぎてNOx浄化を行うことができず、他方で、10g/Lを超えると多すぎてPtの凝集が進行し、触媒性能が向上しないばかりか、触媒コストが高くなり不適である。基材(アルミナ及び添加剤(CeO))含有量は、担体容積に対して、10g/L〜300g/Lが好ましく、より好ましくは50g/L〜200g/Lである。また、CeOの含有量は、5g/L〜100g/Lが好ましく、より好ましくは、10g/L〜50g/Lである。
【0027】
内層27は、触媒成分としてのPdを含み、かつ、基材としてのアルミナに添加剤としてのMgOが含有されている。ここで、二層からなる触媒層(MgOを含有せず)の試験例を示す図4に基づいて、ガスの拡散性について説明する。図5は、Rhを含む触媒層(触媒活性層)を表層に設けた場合と内層に設けた場合との平均空燃比に対するNOx浄化効率を示すグラフである。図5に示すように、触媒活性層を内層に設けた場合には、表層に設けた場合よりも浄化効率が下がってしまう。これは、二層からなる触媒層においては、内層には排ガスが拡散しにくいため、浄化効率が下がってしまうのである。
【0028】
そこで、本実施形態では、上述したように、基材としてのアルミナに添加剤としてのMgOが含有されている。MgOが含有されていることで、触媒焼成時に内層27により大きな空孔を設けることができ、これによって排ガスが内層27の深部まで拡散することができるように構成されている。添加されているMgOは、触媒焼成前の平均粒径が0.1μm〜3.0μmであり、焼成されることにより例えば、MgOを含有しない場合に比べて1μm〜10μm程度の空孔が内層27に形成され、特に1〜4μm程度の空孔が多く形成される。これは、MgOを添加した排気浄化触媒と、添加していない排気浄化触媒との細孔容積分布の違いを示す図6から明らかである。このようにMgO添加により空孔容積が増加することにより、排ガスの拡散を促進することができ、浄化性能を向上させることができる。
【0029】
内層27におけるPdの含有量は、担体容積に対して、0.1g/L〜10g/Lが好ましく、更には0.5g/L〜5g/Lがより好ましい。0.1g/L未満であると触媒量が少なすぎてNOx浄化を行うことができず、他方で、10g/Lを超えると触媒量が多すぎてPdの凝集が進行し、触媒性能が向上しないばかりか、触媒コストが高くなり不適である。また、MgOの含有量は、担体容積に対して、0.5g/L〜10g/Lが好ましく、より好ましくは2g/L〜5g/Lである。0.5g/Lより少ないと、空孔面積を増加させることができないために排ガスの拡散性が十分ではなく、10g/Lより多いと、内層27のメタル担体22への接着性が低下して内層27が剥離しやすく不適である。基材(アルミナ及び添加剤(MgO))の含有量は、担体容積に対して、10g/L〜300g/Lが好ましく、更には、50g/L〜200g/Lがより好ましい。
【0030】
即ち、本実施形態においては、表層26にPtを含有させることで、触媒のNOx浄化性能を向上させると共に、表層26にCeOを含有させてこのPtの浄化性能をさらに向上させている。そして、内層27には排ガスが深部まで到達できるようにMgOを含有すると共にPdを含有させ、PtとPdとを別の層に含有させることにより、貴金属の合金化を抑制し触媒活性の低下を抑制して、高温耐久後の触媒の浄化性能の低下を抑制している。
【0031】
また、表層26及び内層27には、NOxトラップ剤として機能するKが添加されている。Kがさらに添加されることで、特にNOxトラップ触媒として機能する。この場合に、特にKを添加することで、高温での領域での触媒性能を高くすることができる。また、コージライト等のセラミックス材料の担体では高温時にKが移動してコージライトと結合し、担体の強度が低下するが、ここではSUS製等のメタル担体を用いているため、Kと結合することがなく、担体の強度を維持することができる。Kの添加量は、担体容積に対して、5g/L〜50g/Lが好ましい。5g/L未満では、触媒中の添加量が少なすぎてNOxトラップに寄与することができず、また50g/Lより多いと、触媒中の添加量が多すぎて貴金属のHCやCOの酸化性能が低下しすぎて不適である。
【0032】
Kを添加する場合、このKを安定化させるゼオライトをさらに添加させることが好ましい。この場合、ゼオライトとしては、A型ゼオライト、Y型ゼオライト、X型ゼオライト等の公知のゼオライトを用いることができ、特にY型ゼオライトを用いることが好ましい。ゼオライトは、表層26及び内層27の総含有量が、担体容積に対して10g/L〜30g/Lとなることが好ましい。10g/L未満では触媒中の添加量が少なすぎてKの安定に寄与しにくく、他方で30g/Lより多いと、NOxトラップ触媒の酸化性能が低下するので不適である。
【0033】
さらにまた、表層26及び内層27には、S被毒を抑制するTiOが添加されていることが好ましい。TiOの添加量は、担体容積に対して1g/L〜50g/Lであることが好ましい。1g/L未満では、触媒中の添加量が少なすぎてS被毒の抑制に寄与することができず、また50g/Lより多いと、触媒中の添加量が多すぎて層の接着性が低下して剥離しやすいため不適である。
【0034】
なお、例えば、表層26にはさらにRhを含有させてもよい。これは、リッチである場合にRhは還元能力に優れているからであるが、Rhは三元触媒21に含有させる方が好ましい。
【0035】
触媒の調製方法としては、例えば以下の通りである。表層26と内層27とのスラリーをそれぞれ調整する。具体的には、Ptの水溶性塩、アルミナ、Kの水溶性塩、CeO、所望によりゼオライト及びTiOを水に溶解/分散させ、この溶液/分散液を湿式粉砕し、表層26用スラリーを調製する。また、同様にPdの水溶性塩、アルミナ、Kの水溶性塩、MgO、所望によりゼオライト及びTiOを水に溶解/分散させ、この溶液/分散液を湿式粉砕し、内層27用スラリーを調製する。そして、メタル担体を内層27用スラリーに浸し、余剰のスラリーを除いた後、乾燥、焼成して内層27が形成される。次いで、内層27が形成されたメタル担体を表層26用スラリーに浸し、余剰のスラリーを除いた後、乾燥し焼成して表層26が形成される。乾燥時の温度は100℃〜250℃、焼成時の温度は350℃〜650℃であることが好ましい。このようにして、本実施形態の二層からなる排気浄化触媒が形成される。
【0036】
図1に戻り、NOxトラップ触媒20の下流側には、三元触媒21が設けられている。この三元触媒21について図7を用いて説明する。三元触媒21は、セラミック担体28に、触媒層29が担持されている。触媒層29も二層、即ち表層30及び内層31からなる。表層30はRh、ZrO、CeOを少なくとも含み、内層31はPd、ゼオライトを少なくとも含んでいる。このように、排気浄化性能の高いRhを含む三元触媒21をNOxトラップ触媒20の下流側に設けることで、より排気浄化性能を高めることが可能である。そして、三元触媒21と上述したNOxトラップ触媒20とを備えることで、排気浄化装置19の排気浄化性能、特にNOx浄化性能を従来よりも向上させることが可能である。
【0037】
本発明の排気浄化装置は、筒内噴射型ガソリンエンジンの排気通路に設けられた例を示したが、ディーゼルエンジンの排気通路に適用してディーゼルエンジンの排気浄化に用いることも可能である。また、上述した実施形態においては、排気通路には上流触媒18及び排気浄化装置19の三元触媒21も設けているが、これらの少なくとも一つを備えていなくても良い。特に、三元触媒21は設けなくてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明の排気浄化触媒は、例えば自動車等の排気浄化装置に用いることができる。従って、自動車製造産業において利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本実施形態に係る排気浄化装置を備えた内燃機関の概略構成図である。
【図2】本実施形態に係る排気浄化装置に用いられるメタル担体を説明するための一部断面模式図である。
【図3】本実施形態に係るNOxトラップ触媒の触媒層を説明するための拡大断面模式図である。
【図4】CeO添加の効果を示すグラフである。
【図5】表層と内層とのNOx浄化効率の違いを示すグラフである。
【図6】MgO添加の効果を示すグラフである。
【図7】本実施形態に係る三元触媒の触媒層を説明するための拡大断面模式図である。
【図8】従来の触媒のNOx浄化効率を示すグラフである。
【符号の説明】
【0040】
18 上流触媒
19 排気浄化装置
20 NOx吸蔵還元型排気浄化触媒(NOxトラップ触媒)
21 三元触媒
22 メタル担体
23 触媒層
24a 平板
24b 波板
25 セル
26 表層
27 内層
28 セラミック担体
29 触媒層
30 表層
31 内層




【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラチナ(Pt)及びセリア(CeO)を含む表層と、パラジウム(Pd)及びマグネシア(MgO)を含む内層とからなる触媒層が担体に担持され、この表層及び内層には、さらにカリウム(K)が含まれていることを特徴とする排気浄化触媒。
【請求項2】
前記表層及び内層にゼオライトが添加されていることを特徴とする請求項1に記載の排気浄化触媒。
【請求項3】
前記表層及び内層にチタニア(TiO)が添加されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の排気浄化触媒。
【請求項4】
内燃機関の排気通路に設けられ、請求項1〜3のいずれか一項に記載の排気浄化触媒を備えたことを特徴とする排気浄化装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−149014(P2010−149014A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−327858(P2008−327858)
【出願日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(000006286)三菱自動車工業株式会社 (2,892)
【Fターム(参考)】